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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041708
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/12 20230101AFI20240319BHJP
【FI】
G06Q40/12
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023094808
(22)【出願日】2023-06-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2022146624
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】513040384
【氏名又は名称】株式会社マネーフォワード
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀 哲也
(72)【発明者】
【氏名】村治 泰広
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB63
(57)【要約】
【課題】ユーザの作業効率の高い構造の連結精算表を画面表示可能な情報処理方法を提供する。
【解決手段】コンピュータにより、連結精算表を表示する連結精算画面を表示部に表示させる工程を備えている。連結精算画面は、個別財務諸表に係る財務データの値又は連結仕訳に係る値の少なくとも一方が表示される第1領域130と、個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値が表示される第2領域110と、を含んでいる。連結精算画面において、第2領域110は、第1領域130よりも行方向左方に位置している。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータにより、表示部に、連結精算画面を表示する工程を備え、
前記連結精算画面は、第1領域と、第2領域と、を含み、
前記第1領域は、個別財務諸表に係る財務データの値又は連結仕訳に係る値の少なくとも一方が表示される領域であり、
前記第2領域は、前記個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値が表示される領域であり、
前記連結精算画面において、前記第2領域は、前記第1領域よりも行方向左方に位置している、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記第1領域に、前記個別財務諸表の損益計算書に係る財務データの値が表示され、かつ、前記第2領域に、前記個別財務諸表の損益計算書に係る財務データの値に基づいて前記連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位で算出された値が表示された、前記連結精算画面の表示態様を第1表示態様とし、
前記第1領域に、前記個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データの値が表示され、かつ、前記第2領域に、前記個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データの値に基づいて前記連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位で算出された値が表示された、前記連結精算画面の表示態様を第2表示態様とした場合、
前記連結精算画面は、前記連結精算画面の表示態様を、前記第1表示態様と、前記第2表示態様と、の間で切り替えるアイコンを表示する領域を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記第1領域に表示される個別財務諸表に係る財務データは、前記連結財務諸表で使用される科目単位よりも小さな分類単位で勘定科目が分類されており、
前記第1領域は、連結グループ会社ごとの前記勘定科目の値が表示される第3領域と、前記勘定科目ごとの前記個別財務諸表に係る財務データの値の合計に関する値が表示される第4領域と、を含み、
前記第4領域は、前記第3領域よりも行方向左方に位置している、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券報告書を提出している企業や、大会社には、連結決算を行うことが、会社法によって義務付けられている。連結決算では、国内外の子会社及び関連会社を含めた企業グループ全体として決算が行われ、企業グループ全体の貸借対照表や損益計算書などの連結財務諸表が作成される。
【0003】
また、連結財務諸表が作成される場合、連結精算表が作成され、作成された連結財務諸表の内容の妥当性がチェックされる。
【0004】
従来、これら連結財務諸表及び連結精算表を、入力された連結対象の会社の会計データに基づいて自動で作成するシステムが案出されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-031051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
連結精算表は、慣習的に、列方向(上下方向)に、貸借対照表と、損益計算書と、が並べられ、行方向(左右方向)に、個別財務諸表、個別修正仕訳、連結修正仕訳、合計の項目が並べられた構造の表として作成されることが多く、その構造上、巨大なものとなりがちであった。
【0007】
連結精算表が巨大なものとなると、当然にコンピュータ画面に表示した際には、その表の領域がディスプレイの表示範囲を超えてしまうことがある。ここで、連結精算表を用いて連結財務諸表の内容をチェックする際には、ユーザは、合計値から特定の問題のある個別の数値に向かって段階的にチェックして行くが、上述したように表が巨大でかつ、合計値の欄が精算表の行方向右端に存在すると、チェック対象の数値に到達するまでに表をスクロールする必要があり、作業効率の悪化を招いていた。
【0008】
そこで、本発明の一つの目的は、ユーザの作業効率の高い構造の連結精算表を画面表示可能な情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、コンピュータにより、表示部に、連結精算画面を表示する工程を備え、前記連結精算画面は、第1領域と、第2領域と、を含み、前記第1領域は、個別財務諸表に係る財務データの値又は連結仕訳に係る値の少なくとも一方が表示される領域であり、前記第2領域は、前記個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値が表示される領域であり、前記連結精算画面において、前記第2領域は、前記第1領域よりも行方向左方に位置している、ことを特徴とする情報処理方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれは、ユーザの作業効率の高い構造の連結精算表を画面表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態に係る会計処理システムのブロック図。
図2】第1の実施の形態に係る連結精算表作成サービスの流れを示すフロー図。
図3】第1の実施の形態に係る連結精算画面を示す図であって、損益計算書の単純合算表示の際の画面を示す図。
図4】第1の実施の形態に係る連結精算画面を示す図であって、貸借対照表の単純合算表示の際の画面を示す図。
図5】第1の実施の形態に係る連結精算画面を示す図であって、連結仕訳合算表示の際の画面を示す図。
図6】第2の実施の形態に係る損益計算書表示の連結精算画面を示す図であって、閉状態の場合を示す図。
図7】第2の実施の形態に係る損益計算書表示の連結精算画面を示す図であって、開状態の場合を示す図。
図8】第2の実施の形態に係る貸借対照表表示の連結精算画面を示す図であって、閉状態の場合を示す図。
図9】第2の実施の形態に係る貸借対照表表示の連結精算画面を示す図であって、開状態の場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に沿って本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
(会計処理システムの概略構成)
まず、本実施の形態に係る会計処理システム1の構成について説明をする。会計処理システム1は、図1に示すように、ユーザに対して連結財務諸表作成サービス及び連結精算表作成サービスを含む会計処理サービスを提供するシステムであり、会計処理サーバ2と、端末装置5と、を備えている。これら会計処理サーバ2及び端末装置5は、インターネット等のネットワーク6を介して通信可能に接続されており、上記会計処理サービスは、ユーザがインターネットを介し会計処理サーバ2にアクセスすることによって、いわゆるクラウドサービスとして提供される。
【0013】
端末装置5は、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末等のユーザ端末であり、ウェブブラウザや専用のアプリによって会計処理サーバ2にアクセスすることができる。当該端末装置5は、ディスプレイ等の表示部51を備えており、会計処理サーバ2にアクセスすることにより、会計処理サーバ2が作成した連結財務諸表や連結精算表を表示部51の画面上に表示することができるように構成されている。
【0014】
会計処理サーバ2は、親会社を含む子会社・関連会社などの企業グループ内の会社(以下、連結グループ会社という)の個別財務諸表を取り込んで連結財務諸表及び連結精算表を作成可能な会計処理システムであり、制御部10と、記憶部20と、通信部30と、を備えている。通信部30は、ネットワーク6を介して端末装置5と暗号化された通信を行うための通信インターフェースである。
【0015】
記憶部20は、制御部10が実行するためのプログラムや、各種会計データなどを記憶しており、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などによって構成されている。記憶部20は、個別会計データ記憶部21と、マスタ記憶部22と、連結修正仕訳記憶部23と、連結会計データ記憶部24と、を備えており、個別会計データ記憶部21には、各グループ会社ごとの個別財務諸表データ及び取引明細データなどが記憶される。
【0016】
マスタ記憶部22には、個別会計データ記憶部21に記憶されている個別財務諸表データで使用されている勘定科目を連結財務諸表にて使用される連結勘定科目に変換する変換マスタが記憶される。
【0017】
連結修正仕訳記憶部23には、連結財務諸表を作成する際に行われた連結修正仕訳(なお、以下、単に連結仕訳ともいう)の内容を記憶した連結修正仕訳データが記憶される。
【0018】
連結会計データ記憶部24には、上述した個別財務諸表データ、連結修正仕訳データなどに基づいて作成された連結財務諸表データ及び連結精算表データが記憶される。
【0019】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などから構成されており、記憶部20に記憶されているプログラムを実行することにより、会計データ取得部11、連結財務諸表生成部12、連結精算表生成部13、画面生成部14として機能する。
【0020】
会計データ取得部11は、連結グループ会社の個別財務諸表データや取引明細データなどのデータを取得するように構成されている。具体的には、会計データ取得部11は、CSVデータなどによって端末装置5から入力された個別財務諸表データや取引明細データなどのデータを受付け、個別会計データ記憶部21に記憶させる。
【0021】
連結財務諸表生成部12及び連結精算表生成部13は、上記個別財務諸表データ、変換マスタ、連結修正仕訳データを用いて、それぞれ連結財務諸表データ及び連結精算表データを作成し、連結会計データ記憶部24に記憶するように構成されている。
【0022】
画面生成部14は、上記連結財務諸表データに基づいて、連結財務諸表が表示された連結財務諸表画面を端末装置5の表示部51に表示させる画面データを生成する。また、上記連結精算表データに基づいて、連結精算表が表示された連結精算画面を端末装置5の表示部51に表示させる画面データを生成する。
【0023】
本実施の形態に係る会計処理システム1は、このように構成されているため、図2に示すように、端末装置5から連結グループ会社の個別財務諸表データ及び取引明細データが会計処理サーバ2に送信されると(図2のステップS1)、会計処理サーバ2は、連結財務諸表生成部12として機能し、まず、マスタ記憶部22に記憶されている変換マスタを用いて受信した各個別財務諸表の勘定科目を連結勘定科目に変換すると共に、これら個別財務諸表を合算する(ステップS2及びS3)。
【0024】
ついで、会計処理サーバ2は、上記個別財務諸表データ及び取引明細データを参照して、単純に個別財務諸表を合算しただけでは、企業集団の実態を正しく表せない項目について、あるべき数値に置き換えるために連結修正仕訳処理を行う(S4)。
【0025】
なお、具体的には、上記連結修正仕訳処理は、資本連結処理、内部取引消去処理、未実現利益消去処理、持分法仕訳処理、その他連結仕訳処理を実施することによって実行され、資本連結処理とは、親会社の小会社/関連会社に対する投資と、これに対応する小会社/関連会社の資本を相殺消去する処理である。内部取引消去処理とは、連結グループ会社間の取引を相殺消去する処理である。未実現利益消去処理とは、連結グループ会社内の取引から生じた利益のうち、実現していない利益を消去する処理である。持分法仕訳処理とは、持分法適用会社が利益を獲得した場合に、投資会社側が計上した損益分、連結グループ会社株式の簿価を増減させる処理である。その他連結仕訳処理は、上記資本連結処理、内部取引消去処理、未実現利益消去処理、持分法仕訳処理のいずれにも属さない連結修正仕訳処理である。
【0026】
また、ユーザ側では、会計処理サーバ2側にて上記個別財務諸表データ及び取引明細データに基づいて自動で行われた連結修正仕訳処理の確認が行われ、必要があれば、連結修正仕訳の内容の修正や、追加の連結修正仕訳が入力される(S5)。
【0027】
連結修正仕訳処理が完了すると、会計処理サーバ2は、上記単純合算された個別財務諸表に連結修正仕訳処理の内容を反映させることによって、連結財務諸表データを作成する(S6)。また、勘定科目が連結勘定科目に変換された個別財務諸表データ及び連結修正仕訳処理の内容を記憶した連結修正仕訳データに基づいて連結精算表データを作成する(S7)。
【0028】
そして、会計処理サーバ2は、これら作成された連結財務諸表データ/連結精算表データに基づいて、連結財務諸表画面/連結精算画面の画面データを作成し、当該画面データを端末装置5に送信する。そして、端末装置5が上記画面データに基づいて、連結財務諸表画面/連結精算画面を表示部51上にて再生することによって、上述した連結財務諸表作成サービス/連結精算表作成サービスがユーザに対して提供される(S8)。即ち、この連結財務諸表作成サービス/連結精算表作成サービスは、コンピュータにより、連結財務諸表/連結精算表を表示する画面を表示部に表示させる工程を備えた情報処理方法ということができる。
【0029】
(連結精算画面)
ついで、連結精算画面について、図3図5に基づいて詳しく説明をする。なお、これら図3図5に表示された連結精算画面は、本実施の形態の連結精算画面の構成を説明するための例示に過ぎず、その内部に記載されている数字等は、必ずしも整合がとれたものでは無い。
【0030】
本実施の形態に係る連結精算表を表示する連結精算画面では、従来、列方向(上下方向)に並んで表示されていた貸借対照表と損益計算書とを、画面を切り替えて表示するように構成されている。また、個別財務諸表を単純に合算した単純合算表示と、連結修正仕訳を反映させた連結仕訳合算表示についても、画面を切り替えにて表示するように構成されている。
【0031】
図3は、損益計算書の単純合算表示の際の連結精算画面の一例であり、画面の左端上部に「連結精算表」の文字が表示されていると共に、その下方には2つのアイコン101,102が行方向(左右方向)に並んで配置されている。アイコン101は、連結精算画面の表示態様を、貸借対照表が表示される貸借対照表表示(第2表示態様)へと切り替えるアイコンであり、アイコン102は、連結精算画面の表示態様を、損益計算書が表示される損益計算書表示(第1表示態様)へと切り替えるアイコンである。これらアイコン101及び102は、それぞれ、画面切り替え後の表示態様に応じて「貸借対照表」、「損益計算書」の文字が付されており、選択されている側のアイコンの文字がボールド(太字)表示となる。例えば、図3の例では、損益計算書表示となっているため、「損益計算書」の文字がボールド表示となっている。
【0032】
また、上記アイコン101,102の下方には、セル形状のアイコン103,104が行方向に並んで配置されている。アイコン103は、連結精算画面の表示態様を、連結修正仕訳を考慮しないで合算を行う単純合算表示へと切り替えるアイコンであり、アイコン104は、連結精算画面の表示態様を、連結修正仕訳の内容が表示される連結仕訳合算表示(第3表示態様)へと切り替えるアイコンである。これらアイコン103,104は、それぞれ、画面切り替え後の表示態様に応じて「単純合算」、「連結仕訳合算」の文字が付されており、選択されている側のアイコンのセルの色が変化する。例えば、図3の例では、単純合算表示となっているため、アイコン103のセルの色が変化している。
【0033】
単純合算表示(第1表示態様もしくは第2表示態様)では、アイコン103及びアイコン104の下方の領域(第2領域)110は、科目分類別の合計値等を表示する領域となっており、また、仕切り線111を挟んで領域110の行方向右方の領域(第2領域)130は、個別財務諸表に係る財務データを表示する領域となっている。なお、領域130の個別財務諸表に係る財務データの勘定科目は、上記科目分類よりも小さな単位で分類されている。また、上記科目分類は、領域130に表示される勘定科目よりも上位の勘定科目の分類であり、連結財務諸表にて使用される科目単位である。
【0034】
より具体的には、図3の損益計算書の単純合算表示の例では、科目分類として損益計算書で使用される科目単位が使用されており、領域110には、段階利益として、当期純利益113、売上総利益114、売上利益115、経常利益116の項目が列方向に並んで表示されている。また、上記段階利益の項目以外にも、売上高121、売上原価122、販売費及び一般管理費123、営業外収益124、営業外費用125、特別利益126、特別損失127の項目が列方向に並んで表示されている。なお、これら売上高121、売上原価122、販売費及び一般管理費123、営業外収益124、営業外費用125、特別利益126、特別損失127の項目では、個別財務諸表に係る財務データにおいて当該科目分類に属する勘定科目の値を合計した値が、それぞれ、表示されている。
【0035】
また、売上総利益(粗利ともいう)114とは、売上高121の合計値から売上原価122の合計値を引いた値であり、これら売上高121及び売上原価122の項目は、売上総利益114の項目の直上に配置されている。売上利益(営業利益ともいう)115は、売上総利益114の値から販売費及び一般管理費123の合計値を引いた値であり、これら販売費及び一般管理費123の項目は、売上利益115の項目の直上に配置されている。経常利益116は、売上利益115の値に営業外収益124の合計値を加算し、かつ、営業外費用125の合計値を減算した値であり、これら営業外収益124及び営業外費用125の項目は、経常利益116の項目の直上に配置されている。当期純利益113は、経常利益116の値に特別利益126の合計値を加算し、かつ、特別損失127の合計値を減算した値であり、売上高121の項目の上方かつ「閉じる」のアイコン112の下方に、「親会社株主に帰属する当期純利益」の文字と共に配設されている。即ち、当期純利益113の値は、科目分類別合計の項目の中では、もっとも上方に配置されている。
【0036】
これら科目分類別合計を表示する領域110は、上記アイコン112をクリックすることによって、開閉可能となっており、図3に示す展開した状態から、領域110が閉じた閉状態(不図示)に切り替え可能となっている。なお、領域110が閉状態となると、領域110の位置まで領域130が左方に拡張することになる。
【0037】
更に、科目分類別合計121~127の項目には、それぞれの項目名の前にチェックボックスが設けられており、領域130に表示される勘定科目の項目をソート可能に構成されている。即ち、チェックボックスがチェックされている分類の勘定科目のみを領域130に表示することが可能に構成されている。例えば、図3の例では、売上高121、売上原価122、販売費及び一般管理費123の項目にチェックがされているため、売上高121、売上原価122、販売費及び一般管理費123の項目が色付けされていると共に、領域130では、売上高121、売上原価122、販売費及び一般管理費123の分類に属する勘定科目の値のみが表示されている。
【0038】
領域130は、上述したように、領域110の行方向右方に位置しており、行方向左端部に科目分類132、科目コード133、科目名131の欄が設けられている。科目名131の欄は、個別財務諸表に係る財務データの勘定科目が表示可能となっており、領域110のチェックボックにてチェックされた科目分類に属する勘定科目のみがソートされて表示されている。
【0039】
また、科目コード133の欄には、科目名131の欄で列挙されている勘定科目名に対応した科目コードが表示されている。更に、科目分類132の欄には、科目名131の欄に列挙されている勘定科目名が属する科目分類名が表示されている。
【0040】
また、科目名131の欄の行方向右方には、合計134の欄が設けられており、合計134の欄の行方向右方には、会社名135の表示欄が設けられている。会社名135の表示欄には、連結グループ会社名(例えば、図3では、MFWA、MFJI、MFAA、MFXCなど)が行方向に並んでおり、それぞれ会社名の下方に科目名131の欄に記載されている勘定科目名に対応した当該会社の個別財務諸表に係る財務データの値が表示されている。上記合計134の欄には、勘定科目ごとに上記個別財務諸表に係る財務データが合計された値が表示されている。
【0041】
ついで、図4に基づいて、連結精算画面が貸借対照表の単純合算表示の際の画面構成について説明をする。図4に示すように、図3の状態からアイコン101がクリックされて連結精算画面が貸借対照表の単純合算表示に切り替えられた場合であっても、連結精算画面の基本構成は、図3に示す損益計算書の単純合算表示の画面構成と変わらず、アイコン103及びアイコン104の下方の領域110が科目分類別の合計値等を表示する領域
となっており、また、仕切り線111を挟んで領域110の行方向右方の領域130は、個別財務諸表に係る財務データを表示する領域となっている。
【0042】
一方で、貸借対照表の単純合算表示の場合、表示する科目分類として連結財務諸表の貸借対照表(以下、連結貸借対照表ともいう)にて使用される科目が使用されるため、領域110には、貸借差額141、資産142、負債143、純資産144の項目が表示されていると共に、流動資産151、固定資産152、流動負債153、固定負債154、資本金155、資本剰余金156、利益剰余金157、自己株式158の項目が表示されている。これらの項目は、上方から下方に従って、貸借差額141、資産142、流動資産151、固定資産152、負債143、流動負債153、固定負債154、純資産144、資本金155、資本剰余金156、利益剰余金157、自己株式158の順で並んでいる。
【0043】
ここで、資産142は、流動資産151の合計値と固定資産152の合計値とを足した値であり、これら流動資産151及び固定資産152の項目は、資産142の項目の直下に配置されている。負債143は、流動負債153の合計値と、固定負債154の合計値とを足した値であり、これら流動負債153及び固定負債154の項目は、負債143の項目の直下に配置されている。純資産144は、資本金155の合計値と、資本剰余金156の合計値と、利益剰余金157の合計値と、自己株式158の合計値とを足した値であり、これら資本剰余金156、利益剰余金157、自己株式158の項目は、純資産144の項目の直下に配置されている。貸借差額141は、貸借対照表上の貸方と借り方との差額であり、具体的には、資産142の値と、負債143及び純資産144の値の合計値と、の差額となっている。この貸借差額141の項目は、資産142の項目の上方かつ「閉じる」のアイコン112の下方に位置しており、貸借対照表をチェックする際に真っ先に確認する値であるため、上述した項目のうち、最も情報に位置している。
【0044】
また、科目分類別合計151~157の項目には、それぞれの項目名の前にチェックボックスが設けられており、領域130に表示される勘定科目の項目をソート可能に構成されている。即ち、チェックボックスがチェックされている分類の勘定科目のみを領域130に表示することが可能に構成されている。例えば、図4の例では、流動資産151、流動負債153、資本金155、利益剰余金157の項目にチェックがされているため、流動資産151、流動負債153、資本金155、利益剰余金157の項目のカラーが変更されていると共に、領域130には、流動資産151、流動負債153、資本金155、利益剰余金157の分類に属する勘定科目のみが表示されている。
【0045】
領域130は、損益計算書の単純合算表示の場合と同様の構造をしているが、科目分類132、科目コード133、科目名131の内容が、貸借対照表の内容に合わせて異なっている。具体的には、科目分類132の欄には、上述した流動資産151、固定資産152、流動負債153、固定負債154、資本金155、資本剰余金156、利益剰余金157、自己株式158のいずれかの項目が表示され、科目名131には、これらの科目分類に属するいずれかの勘定科目が表示されている。例えば、図4の例では、流動資産151に属する勘定科目として、現金、当座預金、普通預金などの勘定科目が表示されている。
【0046】
ついで、連結仕訳合算表示の際の連結精算画面について図5に基づいて説明をする。図5は、アイコン104がクリックされて表示態様が連結仕訳合算表示(第3表示形態)に切り替わった連結精算画面を示している。図5に示すように、連結仕訳合算表示の連結精算画面では、画面左上方に単純合算表示と連結合算表示とを切り替えるアイコン103,104が配置されていると共に、これらアイコン103,104の下方側に連結修正仕訳の内容を示す連結精算表が表示されている。
【0047】
本表示形態における連結精算画面では、図5に示すように、行方向左方から右方に向かって、連結科目コード161、連結科目名162、単純合算163、資本連結164、内部取引消去165、未実現利益消去166、持分法仕訳167、その他連結仕訳168、合計169の欄が設けられている。
【0048】
連結科目名162の欄では、上から2行分に貸借差額及び当期純利益の項目が表示されていると共に、この当期純利益の項目の下方から、連結修正仕訳の対象となる連結勘定科目名が列挙されている。また、本表示形態において、この連結勘定科目名の欄には、連結損益計算書及び連結貸借対照表の科目分類に属する連結勘定科目名が共に列挙されているため、連結仕訳合算表示において、上述した損益計算書表示及び貸借対照表表示の区別は存在しない。
【0049】
連結科目コード161の欄には、連結科目名162の欄の連結勘定科目名に対応した連結科目コードが表示されている。単純合算163の欄には、連結勘定科目ごとに上記個別財務諸表に係る財務データを合計した値が表示されている。
【0050】
単純合算163の欄の行方向右方には、連結資本164、内部取引消去165、未実現利益消去166、持分法仕訳167、その他連結仕訳168、合計169の欄が設けられており、これら164~168の項目の数値は、連結修正仕訳記憶部23のデータとリンクしており、連結修正仕訳記憶部23に記憶されている連結修正仕訳の数値が表示されている。また、合計の欄には、単純合算163の欄の値に上記連結修正仕訳の内容を反映した値が表示されている。
【0051】
以上、説明したように、本実施の形態では、連結精算表を表示する連結精算画面において、アイコン101,102を表示する領域を設け、連結精算画面を、連結精算書の貸借対照表に係る部分を表示する貸借対照表表示と、連結精算書の損益計算書に係る部分を表示する損益計算書表示をと、の間で切り替え可能に構成している。また、連結精算画面において、アイコン103,104を表示する領域を設け、個別財務諸表に係る財務データが単純合算される単純合算表示と、連結修正仕訳の内容が表示される連結仕訳合算表示と、を切り替え可能に構成している。このため、巨大になりがちな連結精算表を、ユーザの作業に応じてデータ構造として整理することが可能となり、上記アイコン101~104をクリックするだけで、連結精算表の表示形態を作業者の意図(業務)に沿った形態に変更することができる。
【0052】
具体的には、損益計算書のみを検討したい場合、ユーザは、連結精算画面を、領域(第1領域)130に、個別財務諸表の損益計算書に係る財務データが表示され、かつ、領域(第2領域)110に、個別財務諸表の損益計算書に係る財務データに基づいて連結財務諸表の損益計算書(以下、連結損益計算書ともいう)で使用される科目分類単位で算出された値が表示された表示態様(第1表示形態、図3参照)に切り替えることができる。
【0053】
また、貸借対照表のみを検討したい場合、ユーザは、連結精算画面を、領域(第1領域)130に、個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データが表示され、かつ、領域(第2領域)110に、個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データに基づいて連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位で算出された値が表示された表示形態(第2表示形態、図4参照)に切り替えることができる。
【0054】
更に、連結修正仕訳の内容を検討したい場合、ユーザは、連結精算画面を、個別財務諸表に係る財務データを合算した値を表示する領域163と、連結修正仕訳の内容を表示する領域164~168と、個別財務諸表に係る財務データを合算した値に前記連結修正仕訳の内容を反映した値を表示する領域169と、を備えた表示態様(第3表示形態、図5参照)に切り替えることができる。
【0055】
このため、例えば、上述した損益計算書のみを検討したい場合に、貸借対照表の分だけ連結精算表を下方にスクロールしたりするような連結精算表の構造に起因する無駄な動作が必要なくなり、容易にチェック対象の値に到達することが可能となった。
【0056】
また、損益計算書についてチェックを行う場合、ユーザは、段階利益を含む科目分類別の合計値をチェックし、違和感のある科目をピックアップし、原因となる仕訳を特定する。従来では、このような合計値の値は、表の右端に存在していたため、巨大な連結精算表の場合、表を右方へスクロールして探さなければならなかったが、本実施の形態に係る連結精算表の構造であれば、科目分類別の合計値が、個別財務諸表の財務データが表示される領域130よりも行方向左方の領域110に表示されているため、素早く、これらの値に到達することができる。
【0057】
また、領域130に表示される個別財務諸表の財務データは、上記科目分類単位でソート可能であるため、違和感のある違和感のある科目分類が発見された場合には、科目分類単位で領域130に表示される個別財務諸表の財務データの絞り込みを行い、この科目分類に属する勘定科目の金額をチェックすることができる。
【0058】
特に、領域130では、勘定科目ごとの個別財務諸表に係る財務データの値の合計に関する値が表示される欄(第4領域)134が、グループ会社ごとの勘定科目の値が表示される欄(第3領域)135よりも行方向左方に位置している。上記科目分類に属する勘定科目の金額のチェックは、まず、当該勘定科目の金額の合計値をチェックした後に、各グループ会社ごとの勘定科目の金額がチェックされるため、上記合計値表示される欄134が、グループ会社ごとの勘定科目の値が表示される欄135よりも行方向左方に位置していると、金額のチェックが容易となる。
【0059】
同様の理由で貸借対照表についてチェックする場合であっても、上述したように本実施の形態に連結精算画面は、ユーザの業務フローに沿ったユーザインターフェース設計となっているため、ユーザは連結財務諸表のチェックを効率良く行うことができる。
【0060】
なお、上述した実施の形態では、アイコン103、104によって、上述した単純合算表示と、連結仕訳合算表示と、に画面全体の表示形態を切り替える例について説明をしたが、例えば、これらアイコン103、104によって、領域130の表示のみを切り替えるように構成しても良い。
【0061】
即ち、アイコン103が選択されて単純合算表示の場合、連結精算画面では、領域130には、図3及び図4に示すように個別財務諸表に係る財務データが表示され、アイコン104が選択されて連結修正仕訳表示の場合、図5に示す連結修正仕訳の内容を示す連結精算表を表示するようにしても良い。即ち、この場合、領域130には個別財務諸表に係る財務データの値と連結仕訳に係る値とが択一的に表示される。また、この場合、領域101には、単純合算表示の場合であっても、個別財務諸表に係る財務データの値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値として、連結修正仕訳の内容を反映した値を表示するようにしても良い。
【0062】
更に、上述した図5の連結仕訳合算表示においても、個別財務諸表に係る財務データの値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値を表示する領域110を表示するように連結精算画面を構成しても良い。この場合、図3及び図4の例と同様に、領域110を開閉可能に構成することが望ましく、例えば、領域110を閉じた状態を上述した図5の状態とし、領域110を展開すると、図5の表の行方向左方側で、かつ、アイコン103お及び104の下方に領域110が表示されるようにしても良い。
【0063】
<第2の実施の形態>
ついで、第2の実施の形態について図6乃至図9に基づいて説明をする。なお、上記第1の実施の形態では、アイコン104を設け、連結精算画面を連結仕訳合算表示に切り替え可能に構成していたが、本実施の形態に係る連結生産画面では、個別財務諸表に係る財務データを表示する項目と並んで、連結修正仕訳の内容を示す項目を設けたようにした点において、上記第1の実施の形態と異なっている。このため、以下の説明においては、第1の実施の形態との相違点のみを説明し、同一の構成については、その説明を省略する。
【0064】
図6は、損益計算書表示の際の連結精算画面の一例であり、画面の左端上部に「連結精算表」の文字が表示されていると共に、その下方には2つのアイコン201,202が行方向に並んで配置されている。アイコン201は、連結精算画面の表示態様を、貸借対照表が表示される貸借対照表表示(第2表示態様)へと切り替えるアイコンであり、アイコン202は、連結精算画面の表示態様を、損益計算書が表示される損益計算書表示(第1表示態様)へと切り替えるアイコンである。これらアイコン201及び202は、それぞれ、画面切り替え後の表示態様に応じて「連結貸借対照表」、「連結損益計算書」の文字が付されており、選択されている側のアイコンの文字がボールド(太字)表示となる。例えば、図6の例では、損益計算書表示となっているため、「連結損益計算書」の文字がボールド表示となっている。
【0065】
アイコン201及びアイコン202の下方の領域(第2領域)210は、個別財務諸表に係る財務データの値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値が表示される領域となっており、また、仕切り線211を挟んで領域210の行方向右方の領域(第2領域)230は、個別財務諸表に係る財務データを表示する領域となっている。
【0066】
より具体的には、図6の損益計算書表示の例では、科目分類として連結損益計算書で使用される科目単位が使用されており、領域210には、段階利益として、当期純利益213、売上総利益214、営業利益215、経常利益216、税引前当期純利益217の項目が列方向に並んで表示されている。また、上記段階利益の項目以外にも、売上高221、売上原価222、販売費及び一般管理費223、営業外収益224、営業外費用225、法人税等226、非支配持分利益227の項目が列方向に並んで表示されている。なお、これら売上高221、売上原価222、販売費及び一般管理費223、営業外収益224、営業外費用225、法人税等226、非支配持分利益227の項目では、個別財務諸表に係る財務データにおいて当該科目分類に属する勘定科目の値を合計した値に対して、連結修正仕訳の内容を反映した値が、それぞれ、表示されている。なお、段階利益の項目の内容については、上述した第1の実施の形態の説明と同様である。また、税引前当期純利益は、経常利益に特別利益、特別損失を加減算したものである。
【0067】
上記科目分類別合計が表示される領域210は、親会社株主に帰属する当期純利益213の項目の上方に配置されたアイコン212をクリックすることによって、開閉可能となっており、図6に示す展開した状態から、領域210が閉じた閉状態(不図示)に切り替え可能となっている。
【0068】
更に、科目分類別合計221~227の項目には、それぞれの項目名の前にチェックボックスが設けられており、領域230に表示される勘定科目の項目をソート可能に構成されている。即ち、チェックボックスがチェックされている分類の勘定科目のみを領域230に表示することが可能に構成されている。
【0069】
領域230は、上述したように、領域210の行方向右方に位置しており、行方向左端部に科目分類232、科目コード233、科目名231の欄が設けられている。科目名231の欄は、個別財務諸表に係る財務データの勘定科目が表示可能となっている。
【0070】
また、科目コード233の欄には、科目名231の欄で列挙されている勘定科目名に対応した科目コードが表示されている。更に、科目分類232の欄には、科目名231の欄に列挙されている勘定科目名が属する科目分類名が表示されている。
【0071】
また、科目名231の欄の行方向右方には、連結金額240の欄が設けられており、連結金額240の欄の行方向右方には、単純合算270の欄が設けられている。更に、単純合算270の欄の行方向右方には、連結仕訳280の欄が設けられている。単純合計270の欄及び連結仕訳280の欄は、それぞれ「単純合算」及び「連結仕訳」の文字の横のアイコン273、286によって、開閉可能となっている。
【0072】
図6は、上記単純合算270の欄及び連結仕訳280の欄が閉じた閉状態を示す図であり、図7は、上記単純合算270の欄及び連結仕訳280の欄が開いた状態を示す図である。図7に示すように、単純合算270の欄は、連結グループ会社の個別財務諸表の財務データを表示する欄であり、開状態の場合、会社名272の表示欄が展開される。この会社名272の表示欄には、連結グループ会社名(例えば、図7では、MF、MFHK、MFOKなど)が行方向に並んでおり、それぞれ会社名の下方に科目名231の欄に記載されている勘定科目名に対応した当該会社の個別財務諸表に係る財務データの値が表示されている。また、上記会社名272の表示欄の行方向右方には、単純合算計271の欄が設けられており、勘定科目ごとに上記個別財務諸表に係る財務データが合計された値が表示されている。なお、単純合算271の欄が閉状態であっても、この単純合算計271の欄は単純合算270の欄に表示される(図6参照)。
【0073】
また、図7に示すように、連結仕訳280の欄は、連結修正仕訳を表示する欄であり、開状態の場合、連結修正仕訳の内容を表示する欄282~285が展開される。具体的には、資本連結282、内部取引消去283、未実現利益消去284、その他連結仕訳285の欄が展開される。これら282~285の項目の数値は、連結修正仕訳記憶部23のデータとリンクしており、連結修正仕訳記憶部23に記憶されている連結修正仕訳の数値が表示されている。また、連結修正仕訳の内容を表示する欄282~285の行方向右方には、連結仕訳計281の欄が設けられており、各勘定科目ごとの連結修正仕訳の合計の値が表示されている。なお、連結仕訳280の欄が閉状態であっても、この連結仕訳計281の欄は連結仕訳280の欄に表示される(図6参照)。
【0074】
単純合算270の欄の行方向左方に位置する連結金額240の欄には、上記単純合算計271の欄の値に連結仕訳計281の欄の値を合計した連結金額の値が表示されている。
【0075】
ついで、図8に基づいて、連結精算画面が貸借対照表表示の際の画面構成について説明をする。図8に示すように、図6の状態からアイコン201がクリックされて連結精算画面が貸借対照表表示に切り替えられた場合であっても、連結精算画面の基本構成は、図6に示す損益計算書表示の画面構成と変わらず、アイコン201及びアイコン202の下方の領域210が科目分類別の合計値等を表示する領域となっており、また、仕切り線211を挟んで領域210の行方向右方の領域230は、個別財務諸表に係る財務データを表示する領域となっている。
【0076】
一方で、貸借対照表表示の場合、表示する科目分類として連結貸借対照表にて使用される科目が使用されるため、領域210には、貸借差額241、資産242、負債243、純資産244の項目が表示されていると共に、流動資産251、固定資産252、流動負債253、固定負債254、資本金255、資本剰余金256、利益剰余金257、自己株式258、その他の包括利益累計値259、非支配持分260の項目が表示されている。これらの項目は、上方から下方に従って、貸借差額241、流動資産251、固定資産252、資産242、流動負債253、固定負債254、負債243、純資産244、資本金255、資本剰余金256、利益剰余金257、自己株式258、その他の包括利益累計値259、非支配持分260の順で並んでいる。
【0077】
また、科目分類別合計251~260の項目には、それぞれの項目名の前にチェックボックスが設けられており、領域230に表示される勘定科目の項目をソート可能に構成されている。即ち、チェックボックスがチェックされている分類の勘定科目のみを領域230に表示することが可能に構成されている。
【0078】
領域230は、損益計算書表示の場合と同様の構造をしているが、科目分類232、科目コード233、科目名231の内容が、貸借対照表の内容に合わせて異なっている。具体的には、科目分類232の欄には、流動資産251、固定資産252、流動負債253、固定負債254、資本金255、資本剰余金256、利益剰余金257、自己株式258、その他の包括利益累計値259、非支配持分260いずれかの項目が表示され、科目名231には、これらの科目分類に属するいずれかの勘定科目が表示されている。また、貸借対照表表示の場合であっても、単純合算270及び連結仕訳280の欄は、開閉可能となっており、図8に示す閉状態と図9に示す開状態とを切り替え可能となっている。
【0079】
このように、領域230に個別財務諸表に係る財務データのみならず、連結修正仕訳の値を表示するような場合であっても、領域230よりも行方向左方に領域110を設け、この領域110に、個別財務諸表に係る財務データの値及び連結仕訳に係る値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位で算出された値を表示するようにしたことによって、ユーザは、連結精算表を用いて連結財務諸表の内容をチェックする際に目的の値に容易にアクセスすることができる。
【0080】
また、領域230にて、勘定科目ごとの個別財務諸表に係る財務データの値の合計に関する値を表示する連結金額240の欄を、個別財務諸表に係る財務データを表示する領域である単純合算270の欄及び連結修正仕訳の値を表示する連結仕訳280の欄よりも行方向左方に配置したことによって、ユーザは、容易に勘定科目ごとの連結金額の値を確認することができる。
【0081】
更に、上記単純合算270の欄及び連結仕訳280の欄を開閉可能に設けたことによって、ユーザが合計値を検証している場合には、単純合算270の欄及び/又は連結仕訳280の欄を閉じ、個別の値について検証する場合には、単純合算270の欄及び/又は連結仕訳280の欄を開くことができ、連結精算表が行方向に大きくなったとしても、一覧性を失うこと無く、かつ、目的の値に円滑にアクセスことができる。
【0082】
なお、上述した実施の形態において、会計処理サーバ2は、一つのコンピュータに限らず、複数のコンピュータの組み合わせによって構成されても良い。また、本実施の形態では、上記会計処理サーバ2を用いて連結精算表作成サービスを提供する例を説明したが、例えば、パーソナルコンピュータ等のコンピュータの記憶部に当該連結精算表作成サービスを実行可能にするプログラムをインストールし、本実施の形態に係る情報処理方法を実行するようにしても良い。また、領域230には、個別財務諸表に係る財務データ及び連結修正仕訳の値を表示の少なくとも一方が表示されていれば良い。
【符号の説明】
【0083】
1:コンピュータ、101,102,201,202:アイコン、110,210:第1領域、130,230:第2領域、135,272:第3領域、134,240:第4領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2023-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
別財務諸表に係る財務データの値及び連結仕訳に係る値を取得する工程と
記個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位別のを算出する工程と
前記個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値が第1領域に配置され、前記科目分類単位別の値が前記第1領域よりも行方向左方に位置する第2領域に配置された連結精算画面を生成する工程と、
前記連結精算画面を生成する工程にて生成した連結精算画面を、表示部に表示させる工程と、を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項2】
前記連結精算画面を生成する工程において、前記コンピュータは、前記連結精算画面の表示態様を、第1表示態様と、第2表示態様と、の間で切り替えるアイコンを表示する領域を含むように前記連結精算画面を生成し、
前記コンピュータは、前記第1表示態様においては、前記第1領域に、前記個別財務諸表の損益計算書に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値が表示され、かつ、前記第2領域に、前記個別財務諸表の損益計算書に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて前記連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位別の値が表示されるように前記連結精算画面を生成し
前記コンピュータは、前記第2表示態様においては、前記第1領域に、前記個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値が表示され、かつ、前記第2領域に、前記個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて前記連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位別の値が表示されるように前記連結精算画面を生成する、
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理方法。
【請求項3】
コンピュータが、
個別財務諸表に係る財務データの値を取得する工程と、
前記個別財務諸表に係る財務データの値を、連結財務諸表で使用される科目分類単位別に集計する工程と、
前記個別財務諸表に係る財務データの値が第1領域に配置され、前記科目分類単位別の値が前記第1領域よりも行方向左方に位置する第2領域に配置された連結精算画面を生成する工程と、
前記連結精算画面を生成する工程にて生成した連結精算画面を、表示部に表示させる工程と、を実行する、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
前記連結精算画面を生成する工程において、前記コンピュータは、前記連結精算画面の表示態様を、第1表示態様と、第2表示態様と、の間で切り替えるアイコンを表示する領域を含むように前記連結精算画面を生成し、
前記コンピュータは、前記第1表示態様においては、前記第1領域に、前記個別財務諸表の損益計算書に係る財務データの値が表示され、かつ、前記第2領域に、前記個別財務諸表の損益計算書に係る財務データの値に基づいて前記連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位別の値が表示されるように前記連結精算画面を生成し、
前記コンピュータは、前記第2表示態様においては、前記第1領域に、前記個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データの値が表示され、かつ、前記第2領域に、前記個別財務諸表の貸借対照表に係る財務データの値に基づいて前記連結財務諸表の損益計算書で使用される科目分類単位別の値が表示されるように前記連結精算画面を生成する、
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記コンピュータは、前記連結精算画面を生成する工程において、
前記第1領域に、前記連結財務諸表で使用される科目単位よりも小さな分類単位で勘定科目が分類された個別財務諸表に係る財務データが表示され
前記第1領域、連結グループ会社ごとの前記勘定科目の値が表示される第3領域と、前記勘定科目ごとの前記個別財務諸表に係る財務データの値の合計に関する値が表示される第4領域と、を含み、
前記第4領域、前記第3領域よりも行方向左方に位置するように前記連結精算画面を生成する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の情報処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一態様は、コンピュータが、個別財務諸表に係る財務データの値及び連結仕訳に係る値を取得する工程と、前記個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値に基づいて、連結財務諸表で使用される科目分類単位別の値を算出する工程と、前記個別財務諸表に係る財務データの値及び前記連結仕訳に係る値が第1領域に配置され、前記科目分類単位別の値が前記第1領域よりも行方向左方に位置する第2領域に配置された連結精算画面を生成する工程と、前記連結精算画面を生成する工程にて生成した連結精算画面を、表示部に表示させる工程と、を実行する、ことを特徴とする情報処理方法である。
本発明の一態様は、コンピュータが、個別財務諸表に係る財務データの値を取得する工程と、前記個別財務諸表に係る財務データの値を、連結財務諸表で使用される科目分類単位別に集計する工程と、前記個別財務諸表に係る財務データの値が第1領域に配置され、前記科目分類単位別の値が前記第1領域よりも行方向左方に位置する第2領域に配置された連結精算画面を生成する工程と、前記連結精算画面を生成する工程にて生成した連結精算画面を、表示部に表示させる工程と、を実行する、ことを特徴とする情報処理方法である。