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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041731
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】超音波注入デバイス
(51)【国際特許分類】
   B05C 5/00 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
B05C5/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023147423
(22)【出願日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】17/932,273
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アーン, ジョナサン ヤング
(72)【発明者】
【氏名】オーサー, シェーン イー.
(72)【発明者】
【氏名】カウワン, ダニエル ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンズ, バートン
【テーマコード(参考)】
4F041
【Fターム(参考)】
4F041AA07
4F041AA17
4F041AB01
4F041BA02
4F041BA10
4F041BA32
(57)【要約】      (修正有)
【課題】細くて長い間隙にシーラント、接着剤を注入によって充填することが可能な超音波注入デバイス、及び2つの構成要素の間に流体を付加する方法を提供する。
【解決手段】超音波注入デバイスは、ハウジング502、ハウジングに取り付けられた注入ノズル320、ハウジングに取り付けられた超音波振動生成器504、及び圧力アプリケータを備える。注入ノズルは、流体を吐出するように構成された幾つかの開口部508を有する。超音波振動生成器は、注入ノズル内の流体に超音波エネルギーを印加するように構成されている。圧力アプリケータは、幾つかの開口部に向けて及び幾つかの開口部から流体を押し出すように構成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(204)、
前記ハウジング(204)に取り付けられた注入ノズル(206)であって、流体(212)を吐出するように構成された幾つかの開口部(214)を有する注入ノズル(206)、
前記ハウジング(204)に取り付けられた超音波振動生成器(208)であって、前記注入ノズル(206)内の流体(212)に超音波エネルギー(216)を印加するように構成された超音波振動生成器(208)、及び
前記幾つかの開口部(214)に向けて及び前記幾つかの開口部(214)から前記流体(212)を押し出すように構成された圧力アプリケータ(210)を備える、超音波注入デバイス(202)。
【請求項2】
前記流体(212)を保持するための前記ハウジング(204)内のチャネル(224)を更に備える、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項3】
流体源(218)から流体(212)を受け取るための前記注入ノズル(206)内のポート(220)を更に備える、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項4】
前記圧力アプリケータ(210)は、プランジャー(264)又はポンプ(266)のうちの一方である、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項5】
前記注入ノズル(206)は、中心軸(228)を有する中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)の前記中心軸(228)に対して垂直である、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項6】
前記注入ノズル(206)は、中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)の先端(229)にある単一の開口部である、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項7】
前記超音波振動生成器(208)は、ガス圧エアタービン(268)、圧電トランスデューサ(270)、又は誘電体ポンプ(272)のうちの1つである、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項8】
前記超音波振動生成器(208)は、前記注入ノズル(206)のベース(230)の周りに配置されている、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項9】
前記超音波振動生成器(208)は、前記注入ノズル(206)とは反対側の前記ハウジング(204)の端部(234)において前記ハウジング(204)に接続されている、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項10】
前記超音波振動生成器(208)は、前記ハウジング(204)の一部分の周りに巻き付けられている、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項11】
前記注入ノズル(206)に接続された第1のシール(252)、及び
前記注入ノズル(206)に接続された第2のシール(254)を更に備え、それによって、前記幾つかの開口部(214)は、前記第1のシール(252)と前記第2のシール(254)との間にある、請求項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項12】
流体(212)を保持するためのチャネル(224)を備えたハウジング(204)、
前記ハウジング(204)の第1の端部(232)に取り付けられた注入ノズル(206)であって、流体(212)を吐出するように構成された幾つかの開口部(214)を有し、構造(240)に接触するように構成されたポリマー部分(238)を備える、注入ノズル(206)、
前記ハウジング(204)に取り付けられた超音波振動生成器(208)であって、前記注入ノズル(206)内の流体(212)に超音波エネルギー(216)を印加するように構成された超音波振動生成器(208)、及び
前記幾つかの開口部(214)に向けて及び前記幾つかの開口部(214)から前記流体(212)を押し出すように構成された圧力アプリケータ(210)を備える、超音波注入デバイス(202)。
【請求項13】
前記注入ノズル(206)は、中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)に対して垂直である、請求項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項14】
前記注入ノズル(206)は、中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)の先端(229)にある単一の開口部である、請求項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項15】
前記超音波振動生成器(208)は、前記注入ノズル(206)のベース(230)の周りに配置されている、請求項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項16】
前記超音波振動生成器(208)は、前記ハウジング(204)の前記第1の端部(232)とは反対側の前記ハウジング(204)の第2の端部(234)において前記ハウジング(204)に接続されている、請求項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【請求項17】
2つの構成要素の間に流体を付加する方法(1000)であって、
第1の構成要素(244)と第2の構成要素(246)との間の間隙(242)に対して、超音波注入デバイス(202)の注入ノズル(206)を配置すること(1002)、
前記超音波注入デバイス(202)のハウジング(204)に超音波エネルギー(216)を印加すること(1004)、及び
超音波エネルギー(216)が前記ハウジング(204)に印加されている間に、前記超音波注入デバイス(202)の前記注入ノズル(206)に流体接続された流体源(218)に圧力を印加すること(1006)を含み、前記注入ノズル(206)は、前記ハウジング(204)の第1の端部(232)に接続され、流体(212)を吐出するように構成された幾つかの開口部(214)を含む、方法。
【請求項18】
前記注入ノズル(206)を配置することは、前記間隙(242)の中に前記注入ノズル(206)のポリマー部分(238)を配置することを含む(1008)、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記幾つかの開口部(214)は、前記ポリマー部分(238)の先端(229)にある単一の開口部であり、前記流体源(218)に圧力を印加することにより、前記流体(212)が前記単一の開口部を通して前記間隙(242)の中に押される(1010)、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記注入ノズル(206)を配置することは、前記注入ノズル(206)に対して垂直な幾つかの開口部(214)が前記間隙(242)に対向して配置されるように、前記第1の構成要素(244)及び前記第2の構成要素(246)を通る孔(250)の中に前記注入ノズル(206)の一部分を配置することを含む(1012)、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記注入ノズル(206)を配置することは、第1のシール(252)を前記第1の構成要素(244)と接触するように配置し、第2のシール(254)を前記第2の構成要素(246)と接触するように配置することを更に含む(1014)、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、材料の間に材料を付加することに関し、特に、間隙の中に液体を注入することに関する。
【背景技術】
【0002】
シーラント、接着剤、又は他の種類の材料などの液体は、製造中に第1の構成要素と第2の構成要素との間に注入され得る。しかし、間隙の形状によっては、充填することが望ましくないほど困難な間隙もある。例えば、細くて長い間隙は、充填することが望ましくないほど困難なことがある。
【0003】
したがって、少なくとも上述の問題点のうちの幾つかと、起こり得る他の問題点を考慮した方法及び装置を有することが望ましいであろう。例えば、注入によって液体で間隙を充填することを可能にする装置及び方法を提示することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一実施形態は、超音波注入デバイスを提供する。超音波注入デバイスは、ハウジング、ハウジングに取り付けられた注入ノズル、ハウジングに取り付けられた超音波振動生成器、及び圧力アプリケータを備える。注入ノズルは、流体を吐出するように構成された幾つかの開口部を有する。超音波振動生成器は、注入ノズル内の流体に超音波エネルギーを印加するように構成されている。圧力アプリケータは、幾つかの開口部に向けて及び幾つかの開口部から流体を押し出すように構成されている。
【0005】
本開示の別の一実施形態は、超音波注入デバイスを提供する。超音波注入デバイスは、流体を保持するためのチャネルを備えるハウジング、ハウジングの第1の端部に取り付けられた注入ノズル、ハウジングに取り付けられた超音波振動生成器、及び圧力アプリケータを備える。注入ノズルは、流体を吐出するように構成された幾つかの開口部を有する。注入ノズルは、構造に接触するように構成されたポリマー部分を備える。超音波振動生成器は、注入ノズル内の流体に超音波エネルギーを印加するように構成されている。圧力アプリケータは、幾つかの開口部に向けて及び幾つかの開口部から流体を押し出すように構成されている。
【0006】
本開示の更なる一実施形態は、2つの構成要素の間に液体を付加するための方法を提供する。超音波注入デバイスの注入ノズルは、第1の構成要素と第2の構成要素との間の間隙に対して配置される。超音波注入デバイスのハウジングに、超音波エネルギーが印加される。超音波エネルギーがハウジングに印加されている間に、超音波注入デバイスの注入ノズルに流体接続された流体源に圧力が印加される。注入ノズルは、ハウジングの第1の端部に接続されている。注入ノズルは、流体を吐出するように構成された幾つかの開口部を含む。
【0007】
これらの特性及び機能は、本開示の様々な実施形態で独立して実現することもできるし、以下の説明及び図面に関連して更なる詳細を理解することができる、更に別の実施形態において組み合わされてもよい。
【0008】
例示的な実施形態の特性と考えられる新規な特徴は、付随する特許請求の範囲に明記される。しかし、例示的な実施形態並びに好ましい使用モード、さらなる目的及びそれらの特性は、添付図面を参照しながら、本開示の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を読むことにより、最もよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な一実施形態による航空機の図である。
図2】例示的な一実施形態による製造環境のブロック図である。
図3】例示的な一実施形態による2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図である。
図4】例示的な一実施形態による構成要素内の孔を通して2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図である。
図5】例示的な一実施形態による構成要素内の孔を通して2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図である。
図6】例示的な一実施形態による超音波注入デバイスの側面図である。
図7】例示的な一実施形態による超音波注入デバイスの一部分の側面図である。
図8】例示的な一実施形態による構成要素内の孔を通して2つの構成要素の間に液体を印加する超音波注入デバイスの部分断面図である。
図9】例示的な一実施形態による超音波注入デバイスの一部分の側面図である。
図10】例示的な一実施形態による2つの構成要素の間に液体を付加する方法のフローチャートである。
図11】例示的な一実施形態によるブロック図の形態を採る航空機の製造及び保守方法の図である。
図12】例示的な一実施形態が実装され得るブロック図の形態を採る航空機の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施例は、1以上の異なる考慮事項を認識し、考慮する。例示的な実施例は、液体の粘度が製造プロセスにおける液体の付加に影響することを認識し、考慮する。例示的な実施例は、液体の粘度が液体の注入可能性に影響を及ぼすことを認識し、考慮する。例示的な実施例は、液体の高粘度が、注入による間隙の中への液体の完全な分散を困難にし得ることを認識し、考慮する。
【0011】
例示的な実施例は、液体が所望の位置にとどまるかどうかに粘度が影響することを認識し、考慮する。例示的な実施例は、より低い粘度の液体が外側に漏れたり、目標の間隙位置にとどまらなかったりして、空気が再び入って液体と置き換わる可能性があることを認識し、考慮する。例示的な実施例は、より大きな表面張力及び安定性を有するより高い粘度の材料が、特に重力が流出をもたらす可能性があるエリア内で、適所にとどまることを認識し、考慮する。
【0012】
次に図1を参照すると、例示的な一実施形態による航空機の図が示されている。航空機100は、胴体106に取り付けられた主翼102及び主翼104を有する。航空機100は、主翼102に取り付けられたエンジン108、及び主翼104に取り付けられたエンジン110を含む。
【0013】
胴体106は、尾部112を有する。水平安定板114、水平安定板116、及び垂直安定板118が、胴体106の尾部112に取り付けられている。
【0014】
航空機100は、超音波注入デバイスを使用して製造され得るプラットフォームの一例である。例えば、胴体106、主翼102、又は主翼104の部分は、超音波注入デバイス及びその使用方法を使用して製造され得る。
【0015】
例示的な実施例は、大きな航空機の構造を組み立てることが、しばしば、部品間の間隙に対応するために、シムを利用することを認識し、考慮する。例示的な実施例は、製造公差の制限による部品間の小さな開口部を、シムが埋めることを認識し、考慮する。例えば、シムは、航空機の主翼のスパーと主翼の外板との間で一般的に使用される。シムは、航空機の適切な荷重を保証する。
【0016】
例示的な実施例は、従来のシム方法が幾つかの欠点を有することを認識し、考慮する。例示的な実施例は、シムを間隙内に設置するために、しばしば、2つの嵌合部品を緩めて、剛性のあるシムストックをそれらの間に滑り込ませ、次いで、共に再固定することを認識し、考慮する。例示的な実施例は、部品を緩めることが、望ましくないほど困難であり、望ましくないほど膨大なリソースを必要とし得ることを認識し、考慮する。例示的な実施例は、シムの働きが依然として最適でない可能性があることを認識し、考慮する。
【0017】
例示的な実施例は、構成要素の製造時間を低減させることが望ましいことを認識し、考慮する。例示的な実施形態は、製造ステップを低減させることがまた、製造コストを低減させ得ることも認識し、考慮する。
【0018】
例示的な実施例は、液体のシム材料を間隙の中に注入することが望ましいだろうことを認識し、考慮する。例示的な実施例は、液体のシム材料の使用により、製造ステップ、製造コスト、又は製造の複雑さのうちの少なくとも1つが低減され得ることを認識し、考慮する。
【0019】
次に図2を参照すると、例示的な一実施形態による製造環境のブロック図が示されている。製造環境200は、超音波注入デバイス202を含む。超音波注入デバイス202を利用して、図1の航空機100の構成要素内の間隙を充填することができる。
【0020】
超音波注入デバイス202は、ハウジング204、ハウジング204に取り付けられた注入ノズル206、ハウジング204に取り付けられた超音波振動生成器208、及び幾つかの開口部214に向けて及び幾つかの開口部214から流体212を押し出すように構成された圧力アプリケータ210を備える。注入ノズル206は、流体212を吐出するように構成された幾つかの開口部214を有する。超音波振動生成器208は、注入ノズル206内の流体212に超音波エネルギー216を印加するように構成されている。
【0021】
流体212は粘度217を有する。流体212の粘度217は、超音波エネルギー216によって影響を受ける。超音波エネルギー216は、超音波エネルギー216が流体212に印加されている間に、流体212の粘度217を低下させる。
【0022】
例示的な実施例では、超音波エネルギー216が、等方性と異方性の両方の材料において、粘度217の変化をもたらす。幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が、流体212内の励起をもたらす。この励起は、隣接する流体分子を通って伝播し、距離を経て減衰する。幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が、流体212に特有であるように選択された、所与の振幅の高周波振動を含む。幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が熱を生成し、通常、流体212内の隣接する分子間の引力を引き起こすより小さな分子力を途絶させる。超音波エネルギー216は、より高い粘度の液体が一時的により低い粘度の液体として振る舞うことを可能にする。これにより、流体212などの流体は、より小さな開口部の中に広がることが可能になる。超音波エネルギーが流体212に影響を与えている間に、粘度217は操作され得る。超音波エネルギー216は、構造240の間隙242の中への浸透を促進するやり方で、粘度217を変化させるように流体212に印加される。
【0023】
超音波エネルギー216の振動の振幅と周波数とは、流体212の粘度217の所望の変化に基づいて選択される。幾つかの例示的な実施例では、流体212の粘度217と超音波エネルギー216の振幅及び周波数とのパラメータ/関係が決定される。幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が、空気圧からのマイクロ超音波パルス、又は機械的な攪拌を介して印加され得る。幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が、ガス圧を使用して生成され得る。それによって、超音波振動生成器208は、狭い空間内での作業が可能になる。
【0024】
幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216がまた、流体212の硬化も加速し得る特定の制御及び条件下で、流体212内の加熱効果も生成する。幾つかの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が、流体212の架橋に影響する。
【0025】
流体源218が流体212を供給する。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206内にポート220が存在する。存在するときに、注入ノズル206内のポート220は、流体源218から流体212を受け取る。幾つかの例示的な実施例では、流体212を保持するためのチャネル222が、ハウジング204内に存在する。幾つかの例示的な実施例では、流体212が、流体源218からハウジング204のチャネル222を通って注入ノズル206のチャネル224の中に移動する。
【0026】
幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、中心軸228を有する中空プローブ226であり、幾つかの開口部214は、中空プローブ226の中心軸228に対して垂直である。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、中空プローブ226であり、幾つかの開口部214は、中空プローブ226の先端229にある単一の開口部である。先端229は、ベース230とは反対側の注入ノズル206の端部である。注入ノズル206のベース230は、ハウジング204の第1の端部232に接合されている。ハウジング204の第1の端部232は、ハウジング204の第2の端部234の反対側である。
【0027】
注入ノズル206は、流体212と望ましくなく相互作用することがない任意の材料236で形成されている。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206の材料236が金属を含む。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206の材料236が複合材料を含む。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206の材料236がポリマー材料を含む。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、構造240に接触するように構成されたポリマー部分238を備える。これらの例示的な実施例では、超音波エネルギー216が構造240に損傷を与えることなしに、ポリマー部分238が構造240と接触するように構成されている。
【0028】
注入ノズル206は、構造240の第1の構成要素244と第2の構成要素246との間の間隙242の中に流体212を注入するように構成されている。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、第1の構成要素244の縁部248の下から間隙242の中に流体212を注入する。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206の先端229が、縁部248の下方に置かれる。
【0029】
幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、間隙242の中に流体212を注入するために、第1の構成要素244及び第2の構成要素246の孔250の中に挿入される。幾つかの例示的な実施例では、第1のシール252が注入ノズル206に接続されている。幾つかの例示的な実施例では、第2のシール254が注入ノズル206に接続されている。それによって、幾つかの開口部214は、第1のシール252と第2のシール254との間にある。第1のシール252は、第1の構成要素244と接触するように構成され、間隙242の中に流体212を導くように構成されている。幾つかの例示的な実施例では、第1のシール252が、第1の構成要素244を通って孔250から流体212が出ることを制限するように構成されている。第2のシール254は、第2の構成要素246と接触するように構成され、間隙242の中に流体212を導くように構成されている。幾つかの例示的な実施例では、第2のシール254が、第2の構成要素246を通って孔250から流体212が出ることを制限するように構成されている。第1のシール252は、第1の構成要素244に望ましくなく影響を与えることなしに第1の構成要素244と接触するように構成された材料256で形成されている。第1のシール252は、流体212と望ましくなく相互作用しないように構成された材料256で形成されている。
【0030】
幾つかの例示的な実施例では、材料256がポリマー材料である。第2のシール254は、第2の構成要素246に望ましくなく影響を与えることなしに第2の構成要素246と接触するように構成された材料258で形成されている。第2のシール254は、流体212と望ましくなく相互作用しないように構成された材料258で形成されている。幾つかの例示的な実施例では、材料258がポリマー材料である。幾つかの例示的な実施例では、材料256が材料258と同じである。
【0031】
幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、第1のシール252及び第2のシール254を構造240内に配置するように構成されたストッパー260を有する。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル206が、幾つかの開口部214を間隙242に隣接して配置するように構成されたストッパー260を有する。ストッパー260は、第2の構成要素246に望ましくなく影響を与えることなしに第2の構成要素246と接触するように構成された材料262で形成されている。幾つかの例示的な実施例では、材料262がポリマー材料である。
【0032】
流体212は、圧力アプリケータ210によって超音波注入デバイス202の一部分を通して押される。幾つかの例示的な実施例では、圧力アプリケータ210が、プランジャー264又はポンプ266のうちの一方である。
【0033】
圧力アプリケータ210が流体源218を押し進めると、超音波振動生成器208が流体212に超音波エネルギー216を印加する。流体212に超音波エネルギー216を印加することによって、粘度217が低下する。超音波振動生成器208からの超音波エネルギー216は、幾つかの開口部214を出る流体212の粘度217を低下させる。超音波振動生成器208からの超音波エネルギー216は、流体212が間隙242をより完全に充填することを可能にする。幾つかの例示的な実施例では、流体212が間隙242に入った後で、流体212は、短い距離の間、超音波エネルギー216によって未だ作用される。流体212は、超音波エネルギー216によって作用されている間、低下した粘度を有する。流体212の一部分が、中空プローブ226から十分遠くに移動した後で、超音波エネルギー216は、流体212の該一部分に作用しない。超音波エネルギー216が、流体212の一部分に作用していないときに、流体212の該一部分の粘度217は、その材料粘度に戻る。
【0034】
超音波振動生成器208は、ガス圧エアタービン268、圧電トランスデューサ270、又は誘電体ポンプ272のうちの1つである。超音波振動生成器208は、注入ノズル206を出る流体212に超音波エネルギー216を印加するために、任意の所望の位置においてハウジング204に接続される。幾つかの例示的な実施例では、超音波振動生成器208が、注入ノズルのベースの周りに配置される。幾つかの例示的な実施例では、超音波振動生成器208が、注入ノズル206とは反対側のハウジング204の第2の端部234においてハウジング204に接続される。幾つかの例示的な実施例では、超音波振動生成器208が、ハウジング204の一部分の周りに巻き付けられる。
【0035】
図2の製造環境200の図は、例示的な一実施形態が実装され得る様態への物理的又は構造的な限定を示唆することを意図するものではない。図示されている構成要素に加えて又は代えて、他の構成要素が使用されてよい。幾つかの構成要素は、必要ではないこともある。また、幾つかの機能構成要素を図示するために、ブロックが提示されている。例示的な一実施形態に実装されるときに、これらのブロックのうちの1以上が、結合され、分割され、又は結合且つ分割されて異なるブロックになってよい。
【0036】
例えば、第1のシール252及び第2のシール254は、任意選択的であり得る。別の一実施例として、チャネル222は任意選択的であり得る。
【0037】
次に図3を参照すると、例示的な一実施形態による2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図が示されている。超音波注入デバイス300と超音波注入デバイス302とは、図2の超音波注入デバイス202の物理的な実施態様である。接合部304が、第1の構成要素306と第2の構成要素308との間に形成されている。第1の構成要素306と第2の構成要素308との間の間隙310は、接合部304内に存在する。第1の構成要素306と第2の構成要素308との間の間隙310は、接合部304にわたり延在し、第1の構成要素306の縁部314から視認可能である。
【0038】
超音波注入デバイス300の注入ノズル316は、第1の構成要素306及び第2の構成要素308の孔318を通して挿入されている。超音波注入デバイス302の注入ノズル320は、第1の構成要素306と第2の構成要素308との間の間隙310の中に挿入されている。注入ノズル320は、第1の構成要素306の縁部314の下方に挿入されている。
【0039】
次に図4を参照すると、例示的な一実施形態による構成要素内の孔を通して2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図が示されている。ビュー400は、第1の構成要素306及び第2の構成要素308内の孔318内に挿入された超音波注入デバイス300の注入ノズル316の図である。超音波注入デバイス300は、ハウジング402、ハウジング402に取り付けられた注入ノズル316、及びハウジング402に取り付けられた超音波振動生成器404を備える。幾つかの例示的な実施例では、超音波振動生成器404が、ガス圧エアタービン、圧電トランスデューサ、又は誘電体ポンプのうちの1つである。
【0040】
この例示的な実施例では、第1のシール406が、注入ノズル316に接続されている。第2のシール408は、注入ノズル316に接続されている。それによって、幾つかの開口部410が、第1のシール406と第2のシール408との間にある。幾つかの開口部410は、ビュー400において視認可能な注入ノズル316内の開口部412を含む。幾つかの例示的な実施例では、幾つかの開口部410が、ビュー400では視認可能でない更なる開口部を含む。
【0041】
この例示的な実施例では、注入ノズル316が、中心軸416を有する中空プローブ414である。幾つかの開口部410は、中空プローブ414の中心軸416に対して垂直である。この例示的な実施例では、超音波振動生成器404が、注入ノズル316のベース418の周りに配置されている。
【0042】
超音波振動生成器404は、幾つかの開口部410を出る流体の粘度を低下させる。超音波振動生成器404からの超音波エネルギーは、流体が間隙310をより完全に充填することを可能にする。幾つかの例示的な実施例では、流体が間隙310に入った後で、流体は、短い距離の間、超音波エネルギーによって未だ作用される。流体は、超音波エネルギーによって作用されている間、低下した粘度を有する。流体の一部分が、中空プローブ414から十分遠くに移動した後で、超音波エネルギーは、流体の該一部分に作用しない。超音波エネルギーが、流体の一部分に作用していないときに、流体の該一部分の粘度は、その材料粘度に戻る。
【0043】
次に図5を参照すると、例示的な一実施形態による構成要素内の孔を通して2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図が示されている。ビュー500は、第1の構成要素306と第2の構成要素308との間の間隙310の中に流体516を付加する超音波注入デバイス302の断面図である。超音波注入デバイス302は、ハウジング502、ハウジング502に取り付けられた注入ノズル320、及びハウジング502に取り付けられた超音波振動生成器504を備える。超音波振動生成器504は、ガス圧エアタービン、圧電トランスデューサ、又は誘電体ポンプのうちの1つである。
【0044】
注入ノズル320は、中空プローブ506である。この例示的な実施例では、幾つか開口部508が、中空プローブ506の先端512にある単一の開口部510である。超音波振動生成器504は、注入ノズル320のベース514の周りに配置されている。
【0045】
超音波振動生成器504からの超音波エネルギーは、幾つかの開口部508を出る流体516の粘度を低下させる。超音波振動生成器504からの超音波エネルギーは、流体516が間隙310をより完全に充填することを可能にする。幾つかの例示的な実施例では、流体516が間隙310に入った後で、流体516は、短い距離の間、超音波エネルギーによって未だ作用される。流体516は、超音波エネルギーによって作用されている間、低下した粘度を有する。流体516の一部分が、注入ノズル320から十分遠くに移動した後で、超音波エネルギーは、流体516の該一部分に作用しない。超音波エネルギーが、流体の一部分に作用していないときに、流体の該一部分の粘度は、その材料粘度に戻る。
【0046】
次に図6を参照すると、例示的な一実施形態による超音波注入デバイスの側面図が示されている。超音波注入デバイス600は、図2の超音波注入デバイス202の物理的な一実施態様である。幾つかの例示的な実施例では、超音波注入デバイス600が、図3の超音波注入デバイス300の代わりに、図3の間隙310の中に流体を注入するために使用され得る。
【0047】
超音波注入デバイス600は、ハウジング602、ハウジング602に取り付けられた注入ノズル604、及びハウジング602に取り付けられた超音波振動生成器606を備える。この例示的な実施例では、第1のシール608が、注入ノズル604に接続されている。第2のシール610は、注入ノズル604に接続されている。それによって、幾つかの開口部612が、第1のシール608と第2のシール610との間にある。幾つかの開口部612は、ビュー616において視認可能な注入ノズル604内の開口部614を含む。
【0048】
この例示的な実施例では、流体源618が、注入ノズル604に接続されている。流体源618から流体を受け取るためのポート620が、注入ノズル604内にある。圧力アプリケータ622が、幾つか開口部612に向けて及び幾つの開口部612から流体を押し出すように構成されている。この例示的な実施例では、圧力アプリケータ622がプランジャー624である。
【0049】
この例示的な実施例では、注入ノズル604が、中心軸628を有する中空プローブ626である。幾つかの開口部612は、中空プローブ626の中心軸628に対して垂直である。
【0050】
幾つかの例示的な実施例では、超音波振動生成器606が、ガス圧エアタービン、圧電トランスデューサ、又は誘電体ポンプのうちの1つである。この例示的な実施例では、超音波振動生成器606が、注入ノズル604とは反対側のハウジング602の端部630においてハウジング602に接続されている。端部630は、端部632の反対側にある。注入ノズル604のベース634は、ハウジング602の端部632に接続されている。
【0051】
次に図7を参照すると、例示的な一実施形態による超音波注入デバイスの一部分の側面図が示されている。注入ノズル700は、図2の注入ノズル206の物理的な一実施態様である。幾つかの例示的な実施例では、図6の注入ノズル604の代わりに注入ノズル700が使用され得る。この例示的な実施例では、第1のシール702が、注入ノズル700に接続されている。第2のシール704は、注入ノズル700に接続されている。それによって、幾つかの開口部706が、第1のシール702と第2のシール704との間にある。幾つかの開口部706は、ビュー710において視認可能な注入ノズル700内の開口部708を含む。
【0052】
ストッパー712が、注入ノズル700に接続されている。ストッパー712は、第1の構成要素と第2の構成要素との間の間隙に対して幾つかの開口部706を配置するように構成されている。ストッパー712は、注入ノズル700を配置するように構成されている。それによって、第1のシール702は、構造の第1の構成要素(図示せず)に対して配置され、第2のシール704は、構造の第2の構成要素(図示せず)に対して配置される。
【0053】
次に図8を参照すると、例示的な一実施形態による構成要素内の孔を通して2つの構成要素の間に液体を付加する超音波注入デバイスの部分断面図が示されている。ビュー800は、第1の構成要素802及び第2の構成要素804の断面図である。超音波注入デバイス808の注入ノズル806は、第1の構成要素802及び第2の構成要素804の孔810の中に挿入されている。
【0054】
超音波注入デバイス808は、図2の超音波注入デバイス202の物理的な一実施態様である。幾つかの例示的な実施例では、図3図4の注入ノズル316の代わりに、ストッパー822を有する注入ノズル806が使用され得る。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズル806が、図7の注入ノズル700と同じである。
【0055】
この例示的な実施例では、第1のシール812が、注入ノズル806に接続されている。第2のシール814は、注入ノズル806に接続されている。それによって、幾つかの開口部816が、第1のシール812と第2のシール814との間にある。第1のシール812は、第1の構成要素802と接触している。第2のシール814は、第2の構成要素804と接触している。幾つかの開口部816は、ビュー800において視認可能な注入ノズル806内の開口部818を含む。幾つかの開口部816は、間隙820に対して配置されている。第1のシール812及び第2のシール814は、流体が孔810から出ることに抵抗する。第1のシール812及び第2のシール814は、間隙820の中に流体を導く。ストッパー822が、間隙820に対して注入ノズル806を配置する。
【0056】
次に図9を参照すると、例示的な一実施形態による超音波注入デバイスの一部分の側面図が示されている。ビュー900は、超音波注入デバイス902の一部分の図である。超音波注入デバイス902は、図2の超音波注入デバイス202の物理的な一実施態様である。幾つかの例示的な実施例では、超音波注入デバイス902が、図3図5の超音波注入デバイス300又は302のいずれかの代わりに使用され得る。幾つかの例示的な実施例では、超音波注入デバイス902が、図6の超音波注入デバイス600の代わりに使用され得る。幾つかの例示的な実施例では、超音波注入デバイス902が、図7の注入ノズル700に接続され得る。幾つかの例示的な実施例では、超音波注入デバイス902が、図8の注入ノズル806に接続され得る。
【0057】
注入ノズル904の一部分が、ビュー900で視認可能である。超音波注入デバイス902は、ハウジング906、ハウジング906に取り付けられた注入ノズル904、及びハウジング906に取り付けられた超音波振動生成器908を備える。
【0058】
幾つかの例示的な実施例では、超音波振動生成器908が、ハウジング906の一部分の周りに巻き付けられている。この例示的な実施例では、超音波振動生成器908が、ハウジング906の中心軸910に沿って超音波エネルギーを印加する。
【0059】
次に図10を参照すると、例示的な一実施形態による2つの構成要素の間に液体を付加する方法のフローチャートが示されている。方法1000を使用して、図1の航空機100内の構成要素を形成することができる。方法1000は、図2の超音波注入デバイス202を使用して実行され得る。方法1000は、図3図5の超音波注入デバイス300又は超音波注入デバイス302によって実行され得る。方法1000は、図6の超音波注入デバイス600によって実行され得る。方法1000は、図7の注入ノズル700によって実行され得る。方法1000は、図8の超音波注入デバイス808によって実行され得る。方法1000は、図9の超音波注入デバイス902によって実行され得る。
【0060】
方法1000は、第1の構成要素と第2の構成要素との間の間隙に対して、超音波注入デバイスの注入ノズルを配置する(動作1002)。方法1000は、超音波注入デバイスのハウジングに対して超音波エネルギーを印加する(動作1004)。方法1000は、超音波エネルギーがハウジングに印加されている間に、超音波注入デバイスの注入ノズルに流体接続されている流体源に圧力を印加する(動作1006)。その場合、注入ノズルは、ハウジングの第1の端部に接続され、注入ノズルは、流体を吐出するように構成された幾つかの開口部を含む。その後、方法1000は終了する。
【0061】
幾つかの例示的な実施例では、注入ノズルを配置することが、注入ノズルのポリマー部分を間隙の中に配置することを含む(動作1008)。幾つかの例示的な実施例では、幾つかの開口部が、ポリマー部分の先端にある単一の開口部である。その場合、流体源に圧力を印加することにより、流体が単一の開口部を通して間隙の中に押される(動作1010)。
【0062】
幾つかの例示的な実施例では、注入ノズルを配置することが、第1の構成要素及び第2の構成要素を通る孔の中に注入ノズルの一部分を配置することを含む(動作1012)。それによって、注入ノズルに対して垂直な幾つかの孔(開口部)が、間隙に対向して配置される。幾つかの例示的な実施例では、注入ノズルを配置することが、第1のシールを第1の構成要素と接触するように配置し、第2のシールを第2の構成要素と接触するように配置することを更に含む(動作1014)。
【0063】
本明細書で使用されるときに、列挙されたアイテムと共に使用される「~のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、列挙されたアイテムのうちの1以上の種々の組み合わせが使用されてもよく、且つ列挙された各アイテムのうちの1つだけが必要とされてもよいということを意味する。例えば、限定するものではないが、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、アイテムA、アイテムA及びアイテムB、若しくはアイテムBを含み得る。この例はまた、アイテムA、アイテムB、及びアイテムC、若しくはアイテムB及びアイテムCも含み得る。言うまでもなく、これらのアイテムのいずれかの組み合わせが存在し得る。他の例では、「~のうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定するものではないが、「2個のアイテムA、1個のアイテムB、及び10個のアイテムC」、「4個のアイテムB及び7個のアイテムC」、又は他の適切な組み合わせであり得る。アイテムは、特定の物体、物、又はカテゴリであり得る。換言すると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、アイテムの任意の組み合わせや、幾つかのアイテムを、列挙された中から使用できることを意味しているが、列挙されたアイテムのすべてが必要なわけではない。
【0064】
図示した種々の実施形態におけるフローチャート及びブロック図は、例示的な一実施形態における、装置及び方法の幾つかの可能な実施態様の構造、機能、及び動作を示している。これに関し、フローチャート又はブロック図内の各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、又は動作若しくはステップの一部分のうちの少なくとも1つを表わし得る。
【0065】
例示的な一実施形態の幾つかの代替的な実施態様では、ブロック内に記載された1以上の機能が、図中に記載された順序を逸脱して出現し得る。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックが実質的に同時に実行されること、又は時には含まれる機能に応じてブロックが逆順に実施されることもあり得る。また、フローチャート又はブロック図に示されているブロックに加えて、他のブロックが追加されることもある。幾つかのブロックは、任意選択的であり得る。例えば、動作1008から動作1014のいずれかは、任意選択的であってよい。
【0066】
本開示の例示的な実施形態は、図11に示す航空機の製造及び保守方法1100、及び図12に示す航空機1200に関連して説明され得る。先ず図11を参照すると、例示的な実施形態による航空機の製造及び整備方法のブロック図が示されている。製造前の段階で、航空機の製造及び保守方法1100は、図12の航空機1200の仕様及び設計1102、並びに材料の調達1104を含んでよい。
【0067】
製造段階では、航空機1200の、構成要素及びサブアセンブリの製造1106、及びシステムインテグレーション1108が行われる。その後、航空機1200は、認可及び納品1110を経て、運航1112に供されてよい。顧客による運航1112の間、航空機1200は、定期的な整備及び保守1114(改造、再構成、改修、並びにその他の整備及び保守を含み得る)がスケジューリングされる。
【0068】
航空機の製造及び保守方法1100のプロセスの各々は、システムインテグレータ、第三者、及び/又はオペレータによって実施又は実行されてよい。これらの実施例では、オペレータが顧客であってよい。この明細書において、システムインテグレータは、任意の数の航空機製造業者及び主要システム下請業者を含んでよいが、それらに限定されるわけではなく、第三者は、任意の数のベンダー、下請業者、及び供給業者を含んでよいが、それらに限定されるわけではなく、オペレータは、航空会社、リース会社、軍事団体、サービス機関などであってよい。
【0069】
次に図12を参照すると、例示的な一実施形態が実装されてよい航空機が、ブロック図の形態で示されている。この実施例では、航空機1200が、図11の航空機の製造及び保守方法1100によって製造され、複数のシステム1204及び内装1206を有する機体1202を含んでよい。システム1204の例は、推進システム1208、電気システム1210、液圧システム1212、及び環境システム1214のうちの1以上を含む。任意の数の他のシステムが含まれていてもよい。
【0070】
本明細書で具現化される装置及び方法は、航空機の製造及び保守方法1100のうちの少なくとも1つの段階で用いられてよい。1以上の例示的な実施形態は、図11の構成要素及びサブアセンブリの製造1106、システムインテグレーション1108、運航1112、又は整備及び保守1114のうちの少なくとも1つの最中に製造又は使用されてよい。
【0071】
航空機1200の機体1202の一部分は、方法1000によって形成され得る。方法1000は、構成要素及びサブアセンブリの製造1106の最中に実行され得る。超音波注入デバイス202を使用して、構成要素及びサブアセンブリの製造1106中に複合材構造を形成することができる。方法1000を使用して充填される間隙を有する複合材構造は、運航1112中に存在し、利用される。方法1000は、整備及び保守1114中に実行されて、交換部品を形成し得る。
【0072】
例示的な複数の実施例は、液体をより完全に分散させ、間隙を包み込む能力を提供する。例示的な複数の実施例は、間隙の中に注入される液体の粘度を一時的に低下させる。例示的な複数の実施例は、液体を吐出し、液体に振動を加えて、複雑な間隙を通る流体のナビゲーションを促進し、以前に占めていた空隙を置き換える超音波アプリケータデバイスを提供する。
【0073】
液体のシム材料と共に使用されるときに、例示的な複数の実施例は、分解を伴なう従来のシム方法よりも製造を改善する。例示的な複数の実施例は、間隙を充填するための方法を提供する。その場合、分解はあり得ないだろう。例示的な複数の実施例は、航空機内のタンクを含む主翼エリアなどの狭い空間内の間隙を充填するための方法を提供する。
【0074】
例示的な複数の実施例は、粘性流体間隙管理(液体のシム)を使用することによって、非常に薄くて狭い間隙の中に浸透させることができる。そのような間隙は、普通であれば表面張力によって流体が入口から内側に移動することを妨げるはずである。例示的な複数の実施例は、シミングのための流体間隙管理を可能にする。
【0075】
例示的な複数の実施例を使用して、0.05インチ以下の間隙を充填することができる。例示的な複数の実施例は、0.05インチ以下の間隙の充填を増やす。その場合、液体の表面張力は、良好な浸透と分散を妨げる傾向がある。幾つかの例示的な実施例では、振動がまた、流体材料の硬化も加速し得る特定の制御及び条件下で熱効果も生成する。幾つかの例示的な実施例では、超音波振動効果が、材料の架橋に影響する。
【0076】
例示的な複数の実施例は、従来のシムを設置するためにアセンブリが引き離されることを必要としない解決策を提供する。例示的な複数の実施例は、シムの設置時間を短縮する。例示的な複数の実施例は、メカニックが狭い空間で作業することを減らす。例示的な複数の実施例は、他の方法ではアクセスできないエリア内で複合材料修理を実行するために樹脂を堆積させる方法として更なる利点を提供する。例示的な複数の実施例は、従来のシム材料及び方法と比較して、間隙のより均一なカバレージを提供し、分解に関連付けられた再作業をなくすことができる。
【0077】
更に、本開示は下記の条項による実施形態を含む。
【0078】
条項1.
ハウジング(204)、
前記ハウジング(204)に取り付けられた注入ノズル(206)であって、流体(212)を吐出するように構成された幾つかの開口部(214)を有する注入ノズル(206)、
前記ハウジング(204)に取り付けられた超音波振動生成器(208)であって、前記注入ノズル(206)内の流体(212)に超音波エネルギー(216)を印加するように構成された超音波振動生成器(208)、及び
前記幾つかの開口部(214)に向けて及び前記幾つかの開口部(214)から前記流体(212)を押し出すように構成された圧力アプリケータ(210)を備える、超音波注入デバイス(202)。
【0079】
条項2.
前記流体(212)を保持するための前記ハウジング(204)内のチャネル(224)を更に備える、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0080】
条項3.
流体源(218)から流体(212)を受け取るための前記注入ノズル(206)内のポート(220)を更に備える、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0081】
条項4.
前記圧力アプリケータ(210)は、プランジャー(264)又はポンプ(266)のうちの一方である、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0082】
条項5.
前記注入ノズル(206)は、中心軸(228)を有する中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)の前記中心軸(228)に対して垂直である、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0083】
条項6.
前記注入ノズル(206)は、中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)の先端(229)にある単一の開口部である、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0084】
条項7.
前記超音波振動生成器(208)は、ガス圧エアタービン(268)、圧電トランスデューサ(270)、又は誘電体ポンプ(272)のうちの1つである、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0085】
条項8.
前記超音波振動生成器(208)は、前記注入ノズル(206)のベース(230)の周りに配置されている、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0086】
条項9.
前記超音波振動生成器(208)は、前記注入ノズル(206)とは反対側の前記ハウジング(204)の端部(234)において前記ハウジング(204)に接続されている、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0087】
条項10.
前記超音波振動生成器(208)は、前記ハウジング(204)の一部分の周りに巻き付けられている、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0088】
条項11.
前記注入ノズル(206)に接続された第1のシール(252)、及び
前記注入ノズル(206)に接続された第2のシール(254)を更に備え、それによって、前記幾つかの開口部(214)は、前記第1のシール(252)と前記第2のシール(254)との間にある、条項1に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0089】
条項12.
流体(212)を保持するためのチャネル(224)を備えたハウジング(204)、
前記ハウジング(204)の第1の端部(232)に取り付けられた注入ノズル(206)であって、流体(212)を吐出するように構成された幾つかの開口部(214)を有し、構造(240)に接触するように構成されたポリマー部分(238)を備える、注入ノズル(206)、
前記ハウジング(204)に取り付けられた超音波振動生成器(208)であって、前記注入ノズル(206)内の流体(212)に超音波エネルギー(216)を印加するように構成された超音波振動生成器(208)、及び
前記幾つかの開口部(214)に向けて及び前記幾つかの開口部(214)から前記流体(212)を押し出すように構成された圧力アプリケータ(210)を備える、超音波注入デバイス(202)。
【0090】
条項13.
前記注入ノズル(206)は、中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)に対して垂直である、条項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0091】
条項14.
前記注入ノズル(206)は、中空プローブ(226)であり、前記幾つかの開口部(214)は、前記中空プローブ(226)の先端(229)にある単一の開口部である、条項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0092】
条項15.
前記超音波振動生成器(208)は、前記注入ノズル(206)のベース(230)の周りに配置されている、条項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0093】
条項16.
前記超音波振動生成器(208)は、前記ハウジング(204)の前記第1の端部(232)とは反対側の前記ハウジング(204)の第2の端部(234)において前記ハウジング(204)に接続されている、条項12に記載の超音波注入デバイス(202)。
【0094】
条項17.
2つの構成要素の間に流体を付加する方法(1000)であって、
第1の構成要素(244)と第2の構成要素(246)との間の間隙(242)に対して、超音波注入デバイス(202)の注入ノズル(206)を配置すること(1002)、
前記超音波注入デバイス(202)のハウジング(204)に超音波エネルギー(216)を印加すること(1004)、及び
超音波エネルギー(216)が前記ハウジング(204)に印加されている間に、前記超音波注入デバイス(202)の前記注入ノズル(206)に流体接続された流体源(218)に圧力を印加すること(1006)を含み、前記注入ノズル(206)は、前記ハウジング(204)の第1の端部(232)に接続され、流体(212)を吐出するように構成された幾つかの開口部(214)を含む、方法。
【0095】
条項18.
前記注入ノズル(206)を配置することは、前記間隙(242)の中に前記注入ノズル(206)のポリマー部分(238)を配置することを含む(1008)、条項17に記載の方法。
【0096】
条項19.
前記幾つかの開口部(214)は、前記ポリマー部分(238)の先端(229)にある単一の開口部であり、前記流体源(218)に圧力を印加することにより、前記流体(212)が前記単一の開口部を通して前記間隙(242)の中に押される(1010)、条項18に記載の方法。
【0097】
条項20.
前記注入ノズル(206)を配置することは、前記注入ノズル(206)に対して垂直な幾つかの開口部(214)が前記間隙(242)に対向して配置されるように、前記第1の構成要素(244)及び前記第2の構成要素(246)を通る孔(250)の中に前記注入ノズル(206)の一部分を配置することを含む(1012)、条項17に記載の方法。
【0098】
条項21.
前記注入ノズル(206)を配置することは、第1のシール(252)を前記第1の構成要素(244)と接触するように配置し、第2のシール(254)を前記第2の構成要素(246)と接触するように配置することを更に含む(1014)、条項20に記載の方法。
【0099】
上述の様々な例示的な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提示されており、網羅的な説明であること、又はこれらの実施形態を開示された形態に限定することを意図しているのではない。当業者には、多くの修正例及び変形例が自明となろう。更に、種々の例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して、異なる特徴を提供してよい。選択された1以上の実施形態は、実施形態の原理と実際の応用を最もよく説明するため、及び、他の当業者が、様々な改変例を伴う様々な実施形態の開示内容は想定される特定の用途に適すると理解することを可能にするために、選ばれ、且つ説明されている。
図1
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【外国語明細書】