(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041732
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】乗り物用表皮材及び乗り物用シート
(51)【国際特許分類】
B62J 1/12 20060101AFI20240319BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20240319BHJP
B68G 7/05 20060101ALI20240319BHJP
A47C 31/02 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B62J1/12 A
B60N2/90
B68G7/05 B
A47C31/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023147638
(22)【出願日】2023-09-12
(31)【優先権主張番号】63/406,315
(32)【優先日】2022-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 一泰
(72)【発明者】
【氏名】若尾 剣志郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 拓馬
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DE03
(57)【要約】
【課題】防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制可能な乗り物用表皮材を提供する。
【解決手段】乗り物用表皮材20は、第1表皮材30と、第1の表皮材に一部重ねられて取り付けられる第2表皮材40と、表皮重なり部22に沿って延びて、表皮重なり部を表皮材の裏面側から覆うシート状の防水部材60と、を備えている。表皮重なり部22は、表皮材の裏面側において第2表皮材40側に折り返される。第1表皮材30は、第2表皮材40の端末部(第2表皮重なり部42)と重なる第1表皮重なり部32と、第1表皮重なり部から延びている第1表皮端末部33と、を有している。防水部材60は、表皮重なり部22と第1表皮端末部33とを覆っている。防水部材60の一端部が第1表皮材30の裏面に取り付けられ、防水部材の他端部が第2表皮材40の裏面に取り付けられる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物に用いられる乗り物用表皮材であって、
第1の表皮材と、
前記第1の表皮材に一部重ねられた状態で取り付けられる第2の表皮材と、
前記第1の表皮材及び前記第2の表皮材が重なる表皮重なり部に沿って延びて、前記表皮重なり部を前記乗り物用表皮材の裏面側から覆うように取り付けられるシート状の防水部材と、を備え、
前記表皮重なり部は、前記乗り物用表皮材の裏面側において前記第1の表皮材側又は前記第2の表皮材側に折り返されて配置され、
前記第1の表皮材は、前記第2の表皮材の第2表皮端末部と重なる第1表皮重なり部と、前記第1表皮重なり部からさらに延びている第1表皮端末部と、を有し、
前記第2の表皮材は、前記第2表皮端末部が第2表皮重なり部として前記第1表皮重なり部と重なるように構成され、
前記防水部材は、前記第1表皮重なり部及び前記第2表皮重なり部を有する前記表皮重なり部と、前記第1表皮端末部とを覆うように設けられ、
前記防水部材の幅方向の一端部が前記第1の表皮材の裏面に取り付けられ、前記防水部材の幅方向の他端部が前記第2の表皮材の裏面に取り付けられることを特徴とする乗り物用表皮材。
【請求項2】
前記第1表皮重なり部は、前記乗り物用表皮材の厚さ方向において前記第2表皮重なり部よりも裏面側に配置され、
前記防水部材は、
前記第1表皮重なり部の裏面と前記第1表皮端末部の裏面とにそれぞれ当接し、
前記第1表皮重なり部と前記第1表皮端末部とにそれぞれ追従するように取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の乗り物用表皮材。
【請求項3】
前記第1表皮端末部の延出長さは、前記第1表皮重なり部の延出長さよりも短く形成され、
前記第1表皮端末部は、前記乗り物用表皮材の厚さ方向において前記第1表皮重なり部の延出端部から前記第2の表皮材側に近づくように配置され、
前記第1表皮端末部の少なくとも一部が、前記乗り物用表皮材の厚さ方向において前記第2表皮端末部と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗り物用表皮材。
【請求項4】
前記第1表皮重なり部は、前記第2表皮重なり部と縫製によって取り付けられ、
前記第1表皮端末部は、前記乗り物用表皮材の厚さ方向で前記第2の表皮材に対向する位置に配置され、前記第2の表皮材と縫製によって取り付けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の乗り物用表皮材。
【請求項5】
請求項1に記載の乗り物用表皮材を備えた乗り物用シートであって、
前記乗り物用表皮材によって被覆されるパッド材を備え、
前記表皮重なり部及び前記第1表皮端末部は、前記パッド材の表面に形成されたパッド凹部に収容されることを特徴とする乗り物用シート。
【請求項6】
前記防水部材の幅方向の一端部は、前記パッド材の表面に当接し、
前記防水部材の幅方向の他端部は、前記パッド材の表面のうち、前記パッド凹部に対して前記防水部材の一端部側とは反対側の部分に当接することを特徴とする請求項5に記載の乗り物用シート。
【請求項7】
ボトムプレートと、
前記ボトムプレート上に配置される前記パッド材と、
前記ボトムプレート及び前記パッド材を被覆する前記乗り物用表皮材と、を備え、
前記ボトムプレートの表面には、複数の貫通孔が形成され、
前記表皮重なり部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記貫通孔とは重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項5又は6に記載の乗り物用シート。
【請求項8】
前記第1表皮端末部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記貫通孔と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項7に記載の乗り物用シート。
【請求項9】
ボトムプレートと、
前記ボトムプレート上に配置される前記パッド材と、
前記ボトムプレート及び前記パッド材を被覆する前記乗り物用表皮材と、を備え、
前記ボトムプレートの表面には、前記ボトムプレートの表面側又は裏面側に窪む補強凹部が形成され、
前記表皮重なり部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記補強凹部と重なる位置に配置されることを特徴とする請求項5又は6に記載の乗り物用シート。
【請求項10】
前記第1表皮端末部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記補強凹部とは重ならない位置に配置されることを特徴とする請求項9に記載の乗り物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗り物用表皮材及び乗り物用シートに係り、特に、乗り物に用いられる乗り物用表皮材及び乗り物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボトムプレートと、ボトムプレート上に載置されたパッド材と、ボトムプレート及びパッド材を被覆する表皮材と、を備えた鞍乗り型の乗り物用シートが知られている。
また、上記乗り物用シートでは、表皮材を構成する第1の表皮材と第2の表皮材が一部重ねられた状態で取り付けられ、当該表皮重なり部が表皮材の裏面側において折り返されて配置されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような乗り物用シートにおいて直接風雨に晒される自動二輪車用シートの場合には、表皮材がポリ塩化ビニル系材料等の耐水性を有する樹脂材料から形成されている。そして、表皮材を構成する第1の表皮材及び第2の表皮材の表皮重なり部から水漏れを防ぐために、表皮重なり部の裏面にシート状の防水部材(防水テープ)が取り付けられている(溶着されている)。
ここで、表皮重なり部の裏面に防水部材を取り付けるときに(例えば圧着するときに)、表皮重なり部によって段差が生じることで、表皮材(表皮重なり部の周辺部分)の表面に取り付け跡(圧着跡)ができてしまう虞があった。そうすると、表皮材の仕上がりに影響する虞があった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制することが可能な乗り物用表皮材及び乗り物用シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題は、本発明の乗り物用表皮材によれば、乗り物に用いられる乗り物用表皮材であって、第1の表皮材と、前記第1の表皮材に一部重ねられた状態で取り付けられる第2の表皮材と、前記第1の表皮材及び前記第2の表皮材が重なる表皮重なり部に沿って延びて、前記表皮重なり部を前記乗り物用表皮材の裏面側から覆うように取り付けられるシート状の防水部材と、を備え、前記表皮重なり部は、前記乗り物用表皮材の裏面側において前記第1の表皮材側又は前記第2の表皮材側に折り返されて配置され、前記第1の表皮材は、前記第2の表皮材の第2表皮端末部と重なる第1表皮重なり部と、前記第1表皮重なり部からさらに延びている第1表皮端末部と、を有し、前記第2の表皮材は、前記第2表皮端末部が第2表皮重なり部として前記第1表皮重なり部と重なるように構成され、前記防水部材は、前記第1表皮重なり部及び前記第2表皮重なり部を有する前記表皮重なり部と、前記第1表皮端末部とを覆うように設けられ、前記防水部材の幅方向の一端部が前記第1の表皮材の裏面に取り付けられ、前記防水部材の幅方向の他端部が前記第2の表皮材の裏面に取り付けられること、によって解決される。
【0007】
上記構成により、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制可能な乗り物用表皮材を実現できる。
詳しく述べると、表皮重なり部の裏面に防水部材を取り付けるにあたって表皮重なり部による段差が生じるところ、上記乗り物用表皮材では、表皮重なり部において段差を小さくするように工夫されている。具体的には、第1の表皮材が、第2表皮端末部と重なる第1表皮重なり部と、第1表皮重なり部からさらに延びている第1表皮端末部とを有している。そして、防水部材は、第1表皮重なり部及び第2表皮重なり部を有する表皮重なり部と、第1表皮端末部とを覆うように取り付けられている。このように第1の表皮材の端末部を表皮重なり部からさらに延長させることで、表皮材の厚さ方向において表皮材の本体と表皮重なり部との間で形成される段差を小さくできる。すなわち、第1表皮端末部(延長部分)が介在することで段差を緩やかにしている(段差を小分けにしている)。そうすることで、防水部材の取り付け時に、表皮材に対する防水部材の取り付け面積(接着面積)を増やし、圧力の均一化(圧力の分散化)を図ることができる。その結果、表皮材の表面に取り付け跡(圧着跡)ができてしまうことを抑制できる。
【0008】
このとき、前記第1表皮重なり部は、前記乗り物用表皮材の厚さ方向において前記第2表皮重なり部よりも裏面側に配置され、前記防水部材は、前記第1表皮重なり部の裏面と前記第1表皮端末部の裏面とにそれぞれ当接し、前記第1表皮重なり部と前記第1表皮端末部とにそれぞれ追従するように取り付けられると良い。
上記のように、防水部材が、第1表皮重なり部の裏面と第1表皮端末部の裏面とにそれぞれ当接し、第1表皮重なり部と第1表皮端末部とにそれぞれ追従するように取り付けられることで、表皮材の裏面に防水部材を好適に密着させて取り付けることができる。また、表皮材の仕上がりを良好にできる。
【0009】
このとき、前記第1表皮端末部の延出長さは、前記第1表皮重なり部の延出長さよりも短く形成され、前記第1表皮端末部は、前記乗り物用表皮材の厚さ方向において前記第1表皮重なり部の延出端部から前記第2の表皮材側に近づくように配置され、前記第1表皮端末部の少なくとも一部が、前記乗り物用表皮材の厚さ方向において前記第2表皮端末部と重なる位置に配置されると良い。
上記のように、第1表皮端末部の延出長さが第1表皮重なり部の延出長さよりも短く形成されることで、表皮材の延長部分を極力短くし、表皮材の使用量の増加に伴うコストアップを抑えられる。
また上記のように、第1表皮端末部の少なくとも一部が、乗り物用表皮の厚さ方向において第2表皮端末部と重なる位置に配置されることで、表皮材の厚さが大きくなることを抑制できる。
【0010】
このとき、前記第1表皮重なり部は、前記第2表皮重なり部と縫製によって取り付けられ、前記第1表皮端末部は、前記乗り物用表皮材の厚さ方向で前記第2の表皮材に対向する位置に配置され、前記第2の表皮材と縫製によって取り付けられると良い。
上記構成により、第1表皮端末部が自由端ではなくなり、第2の表皮材に縫製によって固定される。そのため、表皮重なり部及び第1表皮端末部に対する防水部材の取り付け作業が容易になり、また取り付け強度を高めることができる。
【0011】
このとき、上記乗り物用表皮材を備えた乗り物用シートであって、前記乗り物用表皮材によって被覆されるパッド材を備え、前記表皮重なり部及び前記第1表皮端末部は、前記パッド材の表面に形成されたパッド凹部に収容されると良い。
上記構成により、表皮材のうち表皮重なり部が浮き上がることを抑制でき、表皮材の意匠性の低下を抑制できる。
【0012】
このとき、前記防水部材の幅方向の一端部は、前記パッド材の表面に当接し、前記防水部材の幅方向の他端部は、前記パッド材の表面のうち、前記パッド凹部に対して前記防水部材の一端部側とは反対側の部分に当接すると良い。
上記構成により、パッド材及び表皮材の間に挟まれた状態で防水部材を好適に取り付けておくことができる。
【0013】
このとき、ボトムプレートと、前記ボトムプレート上に配置される前記パッド材と、前記ボトムプレート及び前記パッド材を被覆する前記乗り物用表皮材と、を備え、前記ボトムプレートの表面には、複数の貫通孔が形成され、前記表皮重なり部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記貫通孔とは重ならない位置に配置されると良い。
上記構成により、着座者による荷重が比較的掛かりやすい表皮重なり部において、ボトムプレートが好適に支持することができる。
【0014】
このとき、前記第1表皮端末部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記貫通孔と重なる位置に配置されると良い。
上記のように、着座者による荷重が比較的掛からない第1表皮端末部(延長部分)においてボトムプレートの貫通孔を対応させることで、乗り物用シートの耐久性を確保しながら、貫通孔による通気性を高めることができる。また、貫通孔による軽量化を果たすこともできる。
【0015】
このとき、ボトムプレートと、前記ボトムプレート上に配置される前記パッド材と、前記ボトムプレート及び前記パッド材を被覆する前記乗り物用表皮材と、を備え、前記ボトムプレートの表面には、前記ボトムプレートの表面側又は裏面側に窪む補強凹部が形成され、前記表皮重なり部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記補強凹部と重なる位置に配置されると良い。
また、前記第1表皮端末部は、前記乗り物用シートの上面視において前記ボトムプレートの前記補強凹部とは重ならない位置に配置されると良い。
上記構成により、着座者による荷重が比較的掛かりやすい表皮重なり部において、ボトムプレート(補強凹部)が好適に支持できる。また、着座者による荷重が比較的掛からない第1表皮端末部(延長部分)においては、ボトムプレートの補強凹部を対応させない位置に配置することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制可能な乗り物用表皮材を実現できる。具体的には、防水部材の取り付け時に、表皮重なり部において段差を小さくするように工夫することで、表皮材の表面に取り付け跡(圧着跡)ができてしまうことを抑制できる。
また本発明によれば、第1の表皮材の表皮端末部(延長部分)を極力短くし、表皮材の使用量の増加に伴うコストアップを抑えられる。また、表皮材の厚さが大きくなることを抑制できる。
また本発明によれば、表皮重なり部及び第1表皮端末部に対する防水部材の取り付け作業が容易になり、また取り付け強度を高めることができる。
また本発明によれば、表皮材のうち表皮重なり部が浮き上がることを抑制でき、表皮材の意匠性の低下を抑制できる。
また本発明によれば、パッド材及び表皮材の間に挟まれた状態で防水テープを好適に取り付けることができる。
また本発明によれば、着座者による荷重が比較的掛かりやすい表皮重なり部において、ボトムプレートが好適に支持できる。
また本発明によれば、乗り物用シートの耐久性を確保しながら、貫通孔による通気性を高めることができる。また、貫通孔による軽量化を果たすこともできる。
また本発明によれば、着座者による荷重が比較的掛かりやすい表皮重なり部において、ボトムプレート(補強凹部)が好適に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態の乗り物用シートの斜視図である。
【
図2】
図1のII-II断面図であって、ボトムプレート、パッド材、表皮材及び防水部材を示す図である。
【
図3】
図2の要部拡大図であって、表皮重なり部、防水部材を示す図である。
【
図4】
図2の要部拡大図であって、表皮重なり部、防水部材及びボトムプレートの位置関係を示す図である。
【
図5】第2実施形態の乗り物用シートであって、表皮重なり部、防水部材及びボトムプレートの要部拡大図である。
【
図6】第3実施形態の乗り物用シートであって、表皮重なり部、防水部材の要部拡大図である。
【
図7】第4実施形態の乗り物用シートの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について
図1~
図8を参照して説明する。
本実施形態は、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制することが可能な「乗り物用表皮材」に関するものである。
また、乗り物用表皮材を備えた「乗り物用シート」に関するものである。
なお、乗り物用シートに対して乗り物のハンドルが配置される側がシート前方側(前方側)となる。
【0019】
本実施形態の乗り物用シートS1は、
図1~
図4に示すように、自動二輪車の着座部を構成するシートであって、日光に直接曝されたり、風雨又は雪に直接曝されたりする鞍乗り型のシートである。以下、乗り物用シートS1を単にシートS1とも称する。
乗り物用シートS1は、車体上に取り付けられ、ベース基板となるボトムプレート1と、ボトムプレート1上に載置されるパッド材10と、ボトムプレート1及びパッド材10を被覆する表皮材20(第1表皮材30、第2表皮材40)と、第1表皮材30及び第2表皮材40を一部重ねた状態で取り付ける縫合部50と、表皮材20の裏面に取り付けられるシート状の防水部材60と、を備えている。
なお、乗り物用シートS1では、
図2に示すように、表皮材20の端末部をボトムプレート1の裏面に取り付けることで表皮端末処理が行われている。当該表皮端末処理として、具体的にはタッカー針等の取り付け部材4が用いられる。
【0020】
ボトムプレート1は、
図2に示すように、シート前後方向に長尺なプレートであって、車体の外形に合わせて湾曲形状に形成されたシートS1のベース基板である。
具体的には、ボトムプレート1は、その本体部分となるプレート本体部2と、プレート本体部2の外周部分を斜め下方に屈曲させたフランジ部分となるプレート外周部3と、から主に構成されている。
【0021】
ボトムプレート1は、ポリプロピレンやポリエチレン等の樹脂材料を原材料とする合成樹脂成形品として形成されている。
なお、ボトムプレート1は、上記樹脂材料に限定されるものではなく、種々の材料から形成されても良い。例えば、ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFPP)等の曲げ弾性率が比較的高い樹脂材料を原材料としても良い。
ボトムプレート1の表面には、
図2、
図4に示すように、上下方向に貫通した複数の貫通孔5が形成されている。貫通孔5は、シートS1の通気性を確保するための通気孔であって、空気逃がし孔とも称される。
【0022】
パッド材10は、
図1~
図4に示すように、発泡ウレタン等を用いた弾性部材からなり、シート前後方向に長尺なクッションパッドであって、ボトムプレート1の外形よりもやや大きく形成されている。
具体的には、パッド材10は、その本体部分となるパッド本体部11と、パッド本体部11の外周部分から張り出して、ボトムプレート1のプレート外周部3の表面に沿わせて延びているパッド張り出し部12と、を有している。
パッド張り出し部12は、
図2に示すように、ボトムプレート1を略全周にわたって外側から囲むように設けられている。
【0023】
パッド材10の表面のうち、表皮材20(第1表皮材30及び第2表皮材40)が重なる表皮重なり部22に対向する部分には、パッド材10の裏面側に窪むパッド凹部13が形成されている。
パッド凹部13には、表皮重なり部22が収容される。
【0024】
表皮材20は、
図1~
図4に示すように、シートS1の外観を構成する被覆材であって、ポリ塩化ビニル(PVC)系レザー等を用いた被覆材からなり、例えば布地の表面に軟質ポリ塩化ビニル層を貼り合わせて形成されている。
具体的には、表皮材20は、被覆材からなる表面材20aと、表面材20aの裏面に貼り合わされ、布地からなる裏面材20bと、を有している。
【0025】
表皮材20(表面材20a)の材料としてポリ塩化ビニル系レザー等を採用することで、直接風雨に曝される自動二輪車用の表皮材として好適な材料となる。
また、表面材20aを比較的伸び難い材料から形成することで、シート表面の意匠を確保しながら(皺や緩みを発生させないようにしながら)、表面材20aの取り付け強度を確保することができる。
【0026】
表皮材20は、シートS1の上面を構成する第1表皮材30と、シートS1の上面及び側面を構成する第2表皮材40と、シートS1の側面の下方部分及び底面を構成する第3表皮材45と、シートS1の前方の両側面を構成する第4表皮材46と、を備えている。
言い換えれば、表皮材20は、第1表皮片(第1表皮材30)と、第2表皮片(第2表皮材40)と、第3表皮片(第3表皮材45)と、第4表皮片(第4表皮材46)と、から主に構成されているとも言える。
なお、表皮材20は、2枚の表皮材(第1表皮材30、第2表皮材40)から構成されても良いし、3枚以上の表皮材から構成されても良い。
【0027】
第1表皮材30は、その本体部分となる第1表皮本体31と、第1表皮本体31の端部に設けられ、第2表皮材40と重ねられる第1表皮重なり部32と、第1表皮重なり部32からさらに延びている第1表皮端末部33と、を有している。
第1表皮端末部33は、延長部(延出部)と称されても良い。
【0028】
第2表皮材40は、その本体部分となる第2表皮本体41と、第2表皮本体41の端部に設けられ、第1表皮材30と重ねられる第2表皮重なり部42と、を有している。
第2表皮重なり部42は、第2表皮材40の表皮端末部となる。すなわち、第2表皮重なり部42は、第2表皮端末部と称されても良い。
第3表皮材45、第4表皮材46についても同様の構成となっている。具体的には、
図1に示すように、第3表皮材45、第4表皮材46は、第2表皮材40と一部重ねられた状態で取り付けられている。
【0029】
第1表皮材30は、
図2、
図3に示すように第2表皮材40と一部重ねられた状態で縫合部50によって取り付けられる。
具体的には、表皮重なり部22(第1表皮重なり部32及び第2表皮重なり部42)は、表皮材20の裏面側において第2表皮材40側に折り返されている。そして、第1表皮重なり部32と第2表皮重なり部42が、第1縫合部51及び第2縫合部52によって縫合されている。
第1表皮重なり部32は、表皮材20の厚さ方向において第2表皮重なり部42よりも裏面側に配置されている。
【0030】
第1縫合部51は、第1表皮重なり部32と第2表皮重なり部42を縫合している。第2縫合部52は、第1表皮重なり部32と、第2表皮重なり部42と、第2表皮本体41とを縫合している。
なお、
図1に示すように、表皮材20の表面には、第1表皮材30、第2表皮材40を縫合することで縫合ライン53が形成されている。
【0031】
防水部材60は、
図2~
図4に示すように、例えば防水テープであって、第1表皮材30及び第2表皮材40が重なる表皮重なり部22(第1表皮重なり部32、第2表皮重なり部42)に沿って長尺に延びて、表皮重なり部22を裏面側から覆うように取り付けられる。
防水部材60は、ポリウレタン樹脂等から形成され、伸縮性を有する基材(耐水基材、防水基材)と、基材上に設けられ、接着性を有する接着層と、を有している。
防水部材60は、フィルムタイプや含浸タイプ等の接着層を有していると良い。なお、含浸タイプの防水部材である場合、防水性能を高めることができるものの、表皮材の表面に取り付け跡(圧着跡、溶着跡)ができてしまう虞がある。しかしながら、本実施形態の表皮材20であれば、表皮材20の厚さ方向において表皮材20の本体と表皮重なり部22の間で段差Dを小さくできるため、取り付け跡ができにくくなる。
そのため、本実施形態では、含浸タイプの防水部材が用いられると良い。
【0032】
防水部材60は、
図3に示すように、第1表皮重なり部32及び第2表皮重なり部42と、第1表皮端末部33とを覆うように貼り付けられている。
具体的には、防水部材60(防水本体部61)は、第1表皮重なり部32の裏面と第1表皮端末部33の裏面とにそれぞれ当接し、第1表皮重なり部32と第1表皮端末部33とにそれぞれ追従するように密着している。
そして、防水部材60の幅方向の一端部62が第1表皮材30(第1表皮本体31)の裏面に取り付けられ、防水部材の幅方向の他端部63が第2表皮材40(第2表皮本体41)の裏面に取り付けられている。
【0033】
上記のように防水部材60を備えることで、第1表皮材30及び第2表皮材40の隙間から水が浸入し、パッド材10に漏れ出てしまうこと、また縫合部50を通じて水が浸入し、裏面材20bを伝ってパッド材10に漏れ出てしまうことを防止できる。
特に、表皮重なり部22の裏面に防水部材60を取り付けるにあたって表皮重なり部22による段差が生じるところ、本実施形態の表皮材20では、表皮重なり部22において段差を小さくするように工夫されている。
具体的には、第1表皮材30が、第1表皮重なり部32と、第1表皮重なり部32からさらに延びている第1表皮端末部33(延長部分)とを有している。そして、防水部材60は、第1表皮重なり部32及び第2表皮重なり部42と、第1表皮端末部33とを覆うように取り付けられている。このように第1表皮材30の端末部を表皮重なり部32からさらに延長させることで、表皮材20の厚さ方向において表皮材20の本体と表皮重なり部22との間で形成される段差Dを小さくできる。すなわち、第1表皮端末部33(延長部分)が介在することで段差Dを緩やかにしている(段差Dを小分けにしている)。そうすることで、防水部材を溶着するときに、表皮材に対する防水部材の溶着面積を増やし、溶着時の圧力を均一化(分散化)することができる。より具体的には、防水部材60の段差部を傾斜させることで下端部から上端部までに加わる圧力を分散できる(圧力差を小さくできる)。その結果、表皮材の表面に取り付け跡(圧着跡)ができてしまうことを抑制できる。
さらに言えば、従来の高低差のある段差をできる限り傾斜させることで(スロープ化することで)、表皮材20に防水部材60を溶着するときにより均一に圧力をかけることができる。その結果、表皮材20の仕上がりを良くできる。
【0034】
なお、防水部材60(防水テープ)を取り付ける方法としては、例えば圧着装置を用いて行うと良い。具体的には、防水部材60に熱風を掛けて防水部材60の接着層を溶かし、表皮材20の裏面材20bに防水部材60を圧着させると良い。
【0035】
上記構成において、
図3に示すように、第1表皮端末部33の延出長さは、第1表皮重なり部32の延出長さよりも短く形成されている。そのため、第1表皮材30の延長部分を極力短くし、第1表皮材30の使用量の増加に伴うコストアップを抑えられる。
また、第1表皮端末部33は、表皮材20の厚さ方向において第1表皮重なり部32の延出端部から第2表皮材40側に近づくように延びている。第1表皮端末部33の少なくとも一部は、表皮材20の厚さ方向において第2表皮重なり部42と重なる位置に配置されている。そのため、表皮材20の全体厚さが大きくなることを抑制できる。
【0036】
上記構成において、
図3に示すように、表皮重なり部22(第1表皮重なり部32、第2表皮重なり部42)及び第1表皮端末部33は、パッド材10の表面に形成されたパッド凹部13に収容されている。そのため、表皮材20のうち表皮重なり部22が浮き上がることを抑制でき、表皮材20の意匠性の低下を抑制できる。
また、防水部材60の幅方向の一端部62はパッド材10の表面に当接し、防水部材60の幅方向の他端部63は、パッド材10の表面のうち、パッド凹部13に対して防水部材60の一端部側とは反対側の部分に当接する。そうすることで、パッド材10及び表皮材20の間に挟まれた状態で防水部材60を好適に取り付けることができる。
【0037】
上記構成において、
図4に示すように、表皮重なり部22は、乗り物用シートS1の上面視においてボトムプレート1の貫通孔5とは重ならない位置に配置されている。そのため、着座者による荷重が比較的掛かりやすい表皮重なり部22において、ボトムプレート1が好適に支持することができる。
また、第1表皮端末部33は、乗り物用シートS1の上面視においてボトムプレート1の貫通孔5と重なる位置に配置されている。そのため、乗り物用シートS1の耐久性を確保しながら、貫通孔5による通気性を高めることができる。また、貫通孔5による軽量化を果たすこともできる。
【0038】
上記乗り物用シート、乗り物用表皮材であれば、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制することができる。
【0039】
<第2実施形態の乗り物用シート>
次に、第2実施形態の乗り物用シートS2について
図5に基づいて説明する。
なお、上述した乗り物用シートS1と重複する内容は説明を省略する。
【0040】
乗り物用シートS2は、ボトムプレート101と、パッド材110と、表皮材120(第1表皮材130、第2表皮材140)と、縫合部150と、防水部材160と、を備えている。
第1表皮材130は、第1表皮本体131と、第1表皮重なり部132と、第1表皮端末部133と、を有している。
第2表皮材140は、第2表皮本体141と、第2表皮重なり部142と、を有している。
【0041】
第1表皮重なり部132、第2表皮重なり部142は、表皮材120の裏面側において第2表皮材140側に折り返されている。そして、第1表皮重なり部132と第2表皮重なり部142が、第1縫合部151、第2縫合部152及び第3縫合部153によって縫合されている。
第1表皮重なり部132は、表皮材120の厚さ方向において第2表皮重なり部142よりも裏面側に配置されている。
【0042】
第3縫合部153は、第1表皮端末部133と第2表皮本体141を縫合している。
第3縫合部153によって、第1表皮端末部133は自由端ではなくなり、第2表皮材140に固定される。
そのため、第1表皮重なり部132及び第1表皮端末部133に対する防水部材160の取り付け作業が容易になり、また取り付け強度を高めることができる。
【0043】
上記構成において、
図5に示すように、ボトムプレート101の表面には、ボトムプレート101の表面側に窪む補強凹部106が形成されている。第1表皮重なり部132(第2表皮重なり部142)は、シートS2の上面視において補強凹部106と重なる位置に配置されている。そのため、着座者による荷重が比較的掛かりやすい第1表皮重なり部132において、ボトムプレート101(補強凹部106)が好適に支持できる。
また、第1表皮端末部133は、シートS2の上面視において補強凹部106とは重ならない位置に配置されている。そのため、着座者による荷重が比較的掛からない第1表皮端末部133(延長部分)において、補強凹部106を対応させない位置に配置できる。
【0044】
上記乗り物用シート、乗り物用表皮材であっても、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制することができる。
【0045】
<第3実施形態の乗り物用シート>
次に、第3実施形態の乗り物用シートS3について
図6に基づいて説明する。
なお、上述した乗り物用シートS1、S2と重複する内容は説明を省略する。
【0046】
乗り物用シートS3は、パッド材210と、表皮材220(第1表皮材230、第2表皮材240)と、縫合部250と、防水部材260と、を備えている。
第1表皮材230は、第1表皮本体231と、第1表皮重なり部232と、第1表皮端末部233と、を有している。
第2表皮材240は、第2表皮本体241と、第2表皮重なり部242と、を有している。
【0047】
第1表皮重なり部232、第2表皮重なり部242は、表皮材220の裏面側において第1表皮材230側に折り返されている。そして、第1表皮重なり部232と第2表皮重なり部242が、縫合部250によって縫合されている。
第2表皮重なり部242は、表皮材220の厚さ方向において第1表皮重なり部232よりも裏面側に配置されている。
【0048】
防水部材260は、第2表皮重なり部242の裏面と第1表皮端末部233の裏面とにそれぞれ当接し、第2表皮重なり部242と第1表皮端末部233とに追従するように取り付けられている。
そして、防水部材260の右端部が第1表皮材230の裏面に取り付けられ、防水部材の左端部が第2表皮材240の裏面に取り付けられている。
【0049】
上記乗り物用シート、乗り物用表皮材であっても、シート状の防水部材が取り付けられた場合であっても、仕上がりへの影響を抑制できる。
【0050】
<第4実施形態の乗り物用シート>
次に、第3実施形態の乗り物用シートS4について
図7、
図8に基づいて説明する。
なお、上述した乗り物用シートS1~S3と重複する内容は説明を省略する。
【0051】
乗り物用シートS4は、全地形対応車(バギー)等の屋外で使用されるシートである。
乗り物用シートS4は、ボトムプレート301と、パッド材310と、表皮材320(第1表皮材330、第2表皮材340)と、縫合部350と、防水部材360と、を備えている。
第1表皮材330は、第1表皮本体331と、第1表皮重なり部332と、第1表皮端末部333と、を有している。
第2表皮材340は、第2表皮本体341と、第2表皮重なり部342と、を有している。
【0052】
第1表皮重なり部332、第2表皮重なり部342は、ボトムプレート301のうち、貫通孔305とは重ならない位置に配置されている。
防水部材360は、第1表皮重なり部332及び第2表皮重なり部342と、第1表皮端末部333とを覆うように接着されている。
具体的には、防水部材360は、第1表皮重なり部332と第1表皮端末部333とにそれぞれ追従するように密着している。
【0053】
<乗り物用シート、乗り物用表皮材の製造方法>
次に、乗り物用シートS1の製造方法について、
図1~
図3に基づいて説明する。
なお、乗り物用シートS1の製造方法にあたって、下記以外の製造工程については説明を省略する。
【0054】
まずは、ボトムプレート1を準備し、ボトムプレート1上にパッド材10を配置する。そして、ボトムプレート1及びパッド材10を表皮材20によって被覆する。
表皮材20で被覆する工程では、第1表皮材30に第2表皮材40を一部重ねた状態で取り付ける(縫合部50によって縫合する)。そして、表皮材20の裏面において表皮重なり部22(第1表皮重なり部32、第2表皮重なり部42)を第2表皮材40側に折り返す。そして、表皮重なり部22を裏面側から覆うように防水部材60を取り付ける。
このとき、防水部材60は、第1表皮重なり部32及び第2表皮重なり部42と、第1表皮端末部33とを覆うように設けられると良い。
また、防水部材60の幅方向の一端部が第1表皮材30の裏面に取り付けられ、防水部材60の幅方向の他端部が第2表皮材40の裏面に取り付けられると良い。
【0055】
<その他の実施形態>
上記実施形態では、
図2に示すように、乗り物用シートS1が、ベース基板となるボトムプレート1を備えているが、特に限定されるものではない。
例えば、乗り物用シートS1が、ボトムプレート1の代わりにシートの骨格となるシートフレームを備えていても良い。あるいは、ボトムプレート1を備えていなくても良い。
【0056】
上記実施形態では、
図1に示すように、乗り物用表皮材20が乗り物用シートS1に用いられているが、特に限定されるものではない。
例えば、乗り物用表皮材20が、乗り物用内装品等に用いられても良い。好ましくは、風雨又は雪に直接曝される乗り物用内装品等に用いられると良い。
【0057】
上記実施形態では、具体例として日光に直接曝されたり、風雨又は雪に直接曝されたりする自動二輪車用のシートについて説明したが、特に限定されることなく、例えば、雪上バイク、水上の水上バイク、全地形対応車(バギー)等の屋外で使用される鞍乗り型の乗り物用シートに対して利用することができる。
また、鞍乗り型の乗り物用シートのほか、自動車、電車、バス等の車両用シート、飛行機、船等の乗り物用シートとしても利用することができる。
【0058】
本実施形態では、主として本発明に係る乗り物用表皮材、乗り物用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
<第1実施形態>
S1 乗り物用シート(シート)
1 ボトムプレート
2 プレート本体部
3 プレート外周部
4 取り付け部材(タッカー針)
5 貫通孔
10 パッド材
11 パッド本体部
12 パッド張り出し部
13 パッド凹部
20 表皮材(乗り物用表皮材)
20a 表面材
20b 裏面材
22 表皮重なり部
30 第1表皮材(第1の表皮材)
31 第1表皮本体
32 第1表皮重なり部
33 第1表皮端末部(延長部)
40 第2表皮材(第2の表皮材)
41 第2表皮本体
42 第2表皮重なり部(第2表皮端末部)
45 第3表皮材
46 第4表皮材
50 縫合部
51 第1縫合部
52 第2縫合部
53 縫合ライン
60 防水部材(防水テープ)
61 防水本体部
62 一端部
63 他端部
D 段差
<第2~第4実施形態>
S2、S3、S4 乗り物用シート(シート)
101、301 ボトムプレート
106 補強凹部
305 貫通孔
110、210、310 パッド材
120、220、320 表皮材
130、230、330 第1表皮材
131、231、331 第1表皮本体
132、232、332 第1表皮重なり部
133、233、333 第1表皮端末部
140、240、340 第2表皮材(第2の表皮材)
141、241、341 第2表皮本体
142、242、342 第2表皮重なり部(第2表皮端末部)
150、250、350 縫合部
151 第1縫合部
152 第2縫合部
153 第3縫合部
160、260、360 防水部材(防水テープ)