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特開2024-41745測距のための方法、デバイス、及び媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041745
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】測距のための方法、デバイス、及び媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/10 20180101AFI20240319BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20240319BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240319BHJP
   G01S 13/76 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H04W76/10
H04W64/00 171
H04W92/18
G01S13/76
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023200967
(22)【出願日】2023-11-28
(62)【分割の表示】P 2022577202の分割
【原出願日】2021-06-16
(31)【優先権主張番号】63/040,870
(32)【優先日】2020-06-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/072,776
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.macOS
3.Linux
4.UNIX
5.WINDOWS
6.VXWORKS
7.JAVA
8.SWIFT
9.PYTHON
10.ツイッター
11.iOS
12.OS X
(71)【出願人】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロウスキー, ヤギル
(72)【発明者】
【氏名】ブラムリー, ロバート ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】デュ―ベリー, ブランドン エス.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】3つ以上のモバイルデバイスを含むモバイルデバイスのグループで測距のためのセッションの接続を確立するための方法を提供する。
【解決手段】グループの各モバイルデバイス402a~402cは、測距セッションのための開始デバイス及び応答デバイスの両方として動作することができ、第1のモバイルデバイスが、グループの他のモバイルデバイスとの発信ペアワイズ測距セッションを確立するための測距要求を送信し、他のモバイルデバイスの各々から着信ペアワイズ測距セッションを確立するための要求を受信412し、1つ以上の冗長測距セッションを検出し、さらに共通の基準に基づいて、1つ以上の冗長測距セッションの各々を維持するか終了するかを識別し、他のモバイルデバイスの各々との測距セッションを使用して測距を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモバイルデバイスを含むモバイルデバイスのグループであって、前記モバイルデバイスのグループが3つ以上のモバイルデバイスを含む、モバイルデバイスのグループの通信を調整する方法であって、前記方法が、前記第1のモバイルデバイスによって、
第1の無線プロトコルを介して、前記モバイルデバイスのグループの他のモバイルデバイスとの発信ペアワイズ測距セッションであって、前記発信ペアワイズ測距セッションが第2の無線プロトコルを使用する、前記発信ペアワイズ測距セッションを確立する要求を送信することと、
前記モバイルデバイスのグループ中の前記他のモバイルデバイスの各々から前記第1の無線プロトコルを介して、前記他のモバイルデバイスとの着信ペアワイズ測距セッションを確立する要求を受信することと、
1つ以上の冗長測距セッションを検出することと、
基準に基づいて、前記1つ以上の冗長測距セッションの各々を維持するか又は終了するかを識別することと、
前記他のモバイルデバイスの各々との残りの測距セッションを使用して測距を実行することと、を実行することを含む、方法。
【請求項2】
前記基準は、前記モバイルデバイスのグループ間で共有される共通基準である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記共通基準が、前記モバイルデバイスのグループの各々についての識別子の少なくとも一部分を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記発信ペアワイズ測距セッションを確立するための前記要求が、前記発信ペアワイズ測距セッションのための応答スロットを同期させるために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記応答スロットが、前記発信ペアワイズ測距セッションを確立するための前記要求の送信後に所定の時間間隔で設定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の冗長測距セッションが、2つのモバイルデバイスと前記モバイルデバイスのグループとの間の2つ以上の対称リンクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1のモバイルデバイスによって実行される多対多通信技術の方法であって、前記方法が、
測距パケットを送信するための送信時間を指定するスケジュールを記憶することと、
いくつかの応答タイムスロット中に2つ以上の参加モバイルデバイスから応答を受信するための前記いくつかの応答タイムスロットを指定することと、
ある間隔で第1の無線プロトコルを介して前記第1のモバイルデバイスについてのデバイス情報を含むアドバタイジングパケットを送信することと、
前記スケジュールに従って、第2の無線プロトコルを介して測距パケットを送信することと、
前記第2の無線プロトコルを介して前記応答タイムスロット中に前記2つ以上の参加モバイルデバイスから2つ以上の応答であって、前記2つ以上の応答が、応答モバイルデバイスからの前記2つ以上の参加モバイルデバイスからの情報を含む、2つ以上の応答を受信することと、
2つ以上の応答モバイルデバイスであって、前記2つ以上の応答モバイルデバイスが、前記第1のモバイルデバイスと同様の通信ステップを実行するように構成される、2つ以上の応答モバイルデバイスから受信された応答の数に少なくとも部分的に基づいて、前記応答モバイルデバイスの数を決定することと、
前記第1の無線プロトコルを介して前記応答モバイルデバイスから送信された2つ以上のアドバタイジングパケットを受信することと、
前記第2の無線プロトコルを介して前記応答モバイルデバイスに応答を送信することと、
前記第2の無線プロトコルを介して前記応答モバイルデバイス間に確立された対称通信リンクであって、対称通信リンクが、前記第1のモバイルデバイスと前記応答モバイルデバイスのうちの1つとの間にある、対称通信リンクの数を決定することと、
前記応答モバイルデバイス間に確立された前記対称通信リンクのうちの1つ以上の冗長通信リンクであって、冗長通信リンクが、前記第1のモバイルデバイスと前記応答モバイルデバイスのうちの前記1つとの間の第2の対称通信リンクを含む、1つ以上の冗長通信リンクを決定することと、
前記第1のモバイルデバイスと前記応答モバイルデバイスのうちの1つとの間に確立された前記1つ以上の冗長通信リンクのうちの1つを、前記応答モバイルデバイスのうちの前記1つと協調して終了させることと、を含む、方法。
【請求項8】
前記応答タイムスロットが、前記測距パケットの送信後、所定の時間間隔で設定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記測距パケットが、複数のデバイス間の距離を判定するために使用されるタイミング情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記測距パケットの受信時間が、1つ以上の応答モバイルデバイスからの到来角を計算するために使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
対称通信リンクが、1つ以上の双方向データパケット交換を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
複数の命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記複数の命令は、他のモバイルデバイスを含むN個のモバイルデバイスのグループの1つ以上のプロセッサによって実行されると、Nは3以上の整数であり、前記1つ以上のプロセッサに、
第1の無線プロトコルを介して、前記モバイルデバイスのグループの他のモバイルデバイスとの発信ペアワイズ測距セッションであって、前記発信ペアワイズ測距セッションが第2の無線プロトコルを使用する、前記発信ペアワイズ測距セッションを確立する要求を送信することと、
前記モバイルデバイスのグループ中の前記他のモバイルデバイスの各々から前記第1の無線プロトコルを介して、前記他のモバイルデバイスとの着信ペアワイズ測距セッションを確立する要求を受信することと、
1つ以上の冗長測距セッションを検出することと、
基準に基づいて、前記1つ以上の冗長測距セッションの各々を維持するか又は終了するかを識別することと、
前記他のモバイルデバイスの各々との残りの測距セッションを使用して測距を実行することと、を含む、動作を実行させる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記基準は、前記モバイルデバイスのグループ間で共有される共通基準である、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記共通基準が、前記モバイルデバイスのグループの各々についての識別子の少なくとも一部分を含む、請求項13に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記発信ペアワイズ測距セッションを確立するための前記要求が、前記発信ペアワイズ測距セッションのための応答スロットを同期させるために使用される、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
前記応答スロットが、前記発信ペアワイズ測距セッションを確立するための前記要求の送信後に所定の時間間隔で設定される、請求項15に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記1つ以上の冗長測距セッションが、2つのモバイルデバイスと前記モバイルデバイスのグループとの間の2つ以上の対称リンクを含む、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記発信ペアワイズ測距セッションにおける測距パケットの受信時間が、1つ以上の応答モバイルデバイスからの到来角を計算するために使用される、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記第1の無線プロトコルが、Bluetoothローエナジーである、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記第2の無線プロトコルが超広帯域である、請求項12に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2020年6月18日に出願された米国仮特許出願第63/040,870号、及び2020年10月16日に出願された米国特許出願第17/072,776号に対する利益及び優先権を主張し、これらの各々は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
所定の通信窓を有するデバイスの測距ペアを指定するためのルックアップテーブルを伴う既存の多対多通信/測距技法は、多くのアプリケーションにとって複雑すぎることがある。これらの技法はまた、測距/通信セッションに出入りするモバイルデバイスにとって複雑である。更に、これらの技術は、多くのモバイルデバイスのうちのどのデバイスが、通信スケジュールを確立するためのリーダ/調整デバイスであるかを判定することを必要とする。通信/測距技法のための典型的な手法は、交換における各デバイスが送信間のランダム遅延を選ぶ「ランダムスケジューリング」を使用することである。しかしながら、このアプローチは、全てのデバイスが他のデバイスに対して継続的に取得(「リスニング」)していることを必要とする。
【0003】
モバイルデバイスの様々なアプリケーションは、デバイス間で情報を共有又は交換するために無線通信技法を利用する。測距技術の場合、主要な情報交換は、データビットだけではなく、それが受信された正確な時間である。データビットは、イニシエータからレスポンダに通信されることが多いが、必須ではない。情報交換技法は、無線プロトコルを使用する情報パケット交換間の衝突に起因して、参加デバイスの数に制限され得る。以前の技法は、パケット衝突を最小限に抑え、パケット交換に出入りするデバイスを考慮するために複雑なスケジューリング技法を必要とすることがある。加えて、次の送信時間までデバイスを電源オン状態に維持することは、デバイスのバッテリを消耗させ得る。
【0004】
1対1通信を使用して電子デバイス間の距離を判定するための技法は非効率的である。これらの技術は、様々な電子デバイスの内部クロックが互いに同期していないので、複雑である。いくつかの状況では、開始モバイルデバイスは、複数の電子デバイスに提供され得るローカル環境に関する情報を提供することができる。場合によっては、電子デバイスを有するユーザは、開始モバイルデバイスからそれらの距離測定値及び/又は角度測定値を取得しようと試みている。単一の開始モバイルデバイス及び複数の受信デバイスを有する場合、同じ帯域幅で通信することは、データパケット間の衝突をもたらす可能性がある。衝突は、距離測定の失敗をもたらす可能性がある。効率的な測距技法のための技法を実装する際に、これらの潜在的な衝突を考慮することを可能にする技法が有利であり得る。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施形態は、3つ以上のモバイルデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなど)間の通信技法のための技法(例えば、デバイス、方法、1つ以上のプロセッサによって実行可能なコード又は命令を記憶するメモリ又は非一時的コンピュータ可読媒体)を対象とする。通信技法は、モード(例えば、受信デバイスのリスニングモード及び送信デバイスのブロードキャストモード)を指す。このようにして、受信デバイスの数は、他の通信技術の場合ほど制限されない。
【0006】
一態様では、モバイルデバイスのグループ間で通信を調整する多対多技法は、3つ以上のモバイルデバイスを含むモバイルデバイスのグループのうちの第1のモバイルデバイスによって実行され得る。本技法によれば、第1のモバイルデバイスは、第1の無線プロトコルを介して、モバイルデバイスのグループの他のモバイルデバイスとの発信ペアワイズ測距セッションを確立するための要求を送信することができる。ペアワイズ測距セッションは、第2の無線プロトコルを使用することができる。第1のモバイルデバイスは、モバイルデバイスのグループ中の他のモバイルデバイスの各々から第1の無線プロトコルを介して、他のモバイルデバイスとの着信ペアワイズ測距セッションを確立するための要求を受信することができる。
【0007】
モバイルデバイスのグループのモバイルデバイスの各々は、他のモバイルデバイスとの測距セッションを確立することができる。様々な実施形態では、各モバイルデバイスは、測距セッションのための開始デバイス及び測距セッションのための応答デバイスとして機能することができる。確立された測距セッションは、1つ以上の冗長測距セッションをもたらすことができる。例えば、第1のデバイスは、開始デバイスとして第2のデバイスとの測距セッションを確立し、応答デバイスとして第2のデバイスとの第2の測距セッションを確立することができる。測距セッションは同じ情報を提供することができるので、測距セッションのうちの1つは冗長であると見なされ得る。
【0008】
本技法によれば、第1のモバイルデバイスは、第1のモバイルデバイスと他のモバイルデバイスのうちの1つとの間の1つ以上の冗長測距セッションを検出することができる。第1のモバイルデバイスは、基準に基づいて、1つ以上の冗長測距セッションの各々を維持するか又は終了するかを識別することができる。モバイルデバイスは、他のモバイルデバイスの各々との残りの測距セッションを使用して測距を実行することができる。
【0009】
本開示のこれら及び他の実施形態について以下に詳細に説明する。例えば、他の実施形態は、本明細書に記載される方法に関連付けられたシステム、ポータブルコンシューマデバイス、及びコンピュータ可読媒体を対象とする。
【0010】
以下の詳細な説明及び添付図面を参照することによって、本発明の実施形態の性質及び利点のより良好な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の実施形態による、2つのモバイルデバイス間の距離測定を実行するためのシーケンス図を示す。
【0012】
図2】本開示の実施形態による、3つのアンテナを有するモバイルデバイスを含む測距動作のシーケンス図である。
【0013】
図3】複数のモバイルデバイス間の冗長交換を伴う測距交換を示す。
【0014】
図4】通信セッションにおける冗長測距交換のプルーニングを示す。
【0015】
図5】効率的な測距交換通信セッションを示す。
【0016】
図6】多対多通信技術のタイミングを確立するための例示的なシーケンス図を示す。
【0017】
図7】多対多通信技術のための例示的なフローチャートを示す。
【0018】
図8】開始モバイルデバイスと1つ以上のコンピューティングデバイスとの間の例示的な測距交換を示す。
【0019】
図9】送信デバイスと受信デバイスとの間の測距ラウンドのための簡略化されたタイムラインを示す。
【0020】
図10】モバイルデバイス間の測距セッションのための例示的なシーケンス図を示す。
【0021】
図11】多対多通信技術のための例示的なフローチャートを示す。
【0022】
図12】本開示の実施形態による、測距を実行するように動作可能なモバイルデバイスの構成要素のブロック図である。
【0023】
図13】本開示の実施形態による、電子デバイス例のブロック図である。
【0024】
いくつかの例示的な実装形態による、様々な図面中の同様の参照符号は、同様の要素を示す。加えて、要素の複数のインスタンスは、文字又はハイフンを伴う要素に対する第1の数字及び第2の数字に続くことによって示され得る。例えば、要素110の複数のインスタンスは、110-1、110-2、110-3などとして、又は110a、110b、110cなどとして示され得る。第1の数のみを使用してそのような要素を指すとき、要素の任意のインスタンスが理解されるべきである(例えば、前の例における要素110は、要素110-1、110-2、及び110-3、又は要素110a、110b、及び110cを指す)。
【発明を実施するための形態】
【0025】
いくつかの実施形態は、多対多通信技法のための技法(例えば、デバイス、方法、1つ以上のプロセッサによって実行可能なコード又は命令を記憶するメモリ又は非一時的コンピュータ可読媒体)を対象とする。
【0026】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、モバイルデバイスと別のモバイルデバイスとの間の相対距離を判定することができる測距回路を含むことができる。例えば、モバイルデバイス間で送信される超広帯域(UWB)パルスを使用して、飛行時間測定を実行することができる。測距は、あるモバイルデバイスの別のモバイルデバイスに対する相対位置を決定するために使用され得る距離情報を提供することができる。例として、相対位置は、2つのデバイス間の距離値、角度(向き)情報、又はその両方を含むことができる。
【0027】
測距機能は、例えば、認証を実行し、及び/又は測距設定を交換するために、初期通信セッションを確立することができる別の無線プロトコルと組み合わせて実装することができる。例えば、1つのデバイスから他のデバイスへのコンテンツの送信のために、追加の無線プロトコルを使用することもできる。例えば、ビデオ又はオーディオファイルは、測距が実行された後に、一方のデバイスから他方のデバイスに転送され得る。
【0028】
測距セッションから得られた距離情報は、様々な方法で使用することができる。例えば、距離情報を使用して、データ項目を送信する送信モバイルデバイスのスクリーン上に受信モバイルデバイスの相対位置を表示することができる。そのようなユーザインターフェースは、ユーザが、アプリケーション内の特定の場所(例えば、ページ)においてアプリケーションをハンドオフするために使用され得るような、データ項目、例えば、ビデオ、オーディオ、又はアプリケーションへのリンクを送信するための受信者デバイスを迅速かつ正確に選択することを可能にすることができる。
【0029】
改良された多対多技法は、いくつかのステージを含むことができる。第1のステージにおいて、モバイルデバイスは、モバイルデバイス情報を含み、応答窓の数を指定する測距パケットを送出する。測距パケットの送信は、第1の無線プロトコル(例えば、Bluetoothローエナジー)を介したアドバタイジング信号の送信に基づくことができる。測距パケットは、第2の無線プロトコル(例えば、超広帯域(UWB)信号)を介して送信され得る。応答窓の数は、測距パケットの送信からのデルタtに基づくことができる。開始デバイスと応答デバイスとの間のパケット衝突を考慮するために、複数の応答窓が可能であり得る。
【0030】
第2のステージは、開始モバイルデバイスといくつかの受信デバイスとの間に対称通信リンクを確立することができる。例えば、通信セッションのために4つのモバイルデバイスがあると仮定する。モバイルデバイス#1が開始デバイスであり得る場合、モバイルデバイス#1は、モバイルデバイス#2、#3、及び#4との通信セッションを確立することができる。通信セッションの各々は、モバイルデバイス間の複数のパケット交換を含むことができる。モバイルデバイス#1は、デバイス#2、#3、及び#4の各々との通信セッションを開始することができる。モバイルデバイス#2は、デバイス#1、#3、及び#4の各々との通信セッションを開始することができる。モバイルデバイス#3は、デバイス#1、#2、及び#4の各々との通信セッションを開始することができる。モバイルデバイス#4は、デバイス#1、#2、及び#3の各々との通信セッションを開始することができる。これらの複数の通信セッションは、デバイス間の複数の冗長通信セッションをもたらす可能性がある。例えば、デバイス#1と#4との間に複数の通信セッションが存在し得る。1つのセッションは、デバイス#1を開始デバイスとし、デバイス#4を応答デバイスとすることができ、第2のセッションは、デバイス#4を開始デバイスとし、デバイス#1を応答デバイスとすることができる。デバイスのペア間のこれらの複数の通信セッションは、効率的でない場合がある。
【0031】
第3のステージ(プルーニングステージ)は、モバイルデバイス間のこれらの冗長通信セッションを識別し、通信セッションの効率を改善するために冗長セッションのうちの1つ以上を削除することができる。例えば、デバイス#1とデバイス#4との間の冗長セッションのうちの1つを冗長として終了させることができる。同様の冗長通信セッションを他のデバイス間で終了させることができる。
【0032】
モバイルツーモバイル通信のために構成された新しいデバイス(例えば、モバイルデバイス#5)が通信セッションに入る場合、デバイス#5は多対多通信信号を送出する。デバイス#1、#2、#3、及び#4は、測距信号を受信し、デバイス#5によって送信された信号に応答し始めることができる。デバイス#5は、デバイス#1、#2、#3、及び#4によって送信された個々の測距信号に応答することができる。最後に、新たに追加されたデバイス(例えば、モバイルデバイス#5)と他のモバイルデバイスとの間の冗長な通信セッションを低減するために、プルーニングステップが行われ得る。
【0033】
参加モバイルデバイスのうちの1つ(例えば、デバイス#1、#2、#3、又は#4)が通信セッションを離れる場合、離脱デバイス(例えば、デバイス#2)は、デバイス#1、#3、及び#4の通信セッションに応答しない。所定数の欠落した送信メッセージの後、応答デバイス(例えば、デバイス#1、#3、及び#4)の各々は、離脱デバイス(例えば、デバイス#2)への応答を終了することができる。
【0034】
1つ以上のモバイルデバイスは、低電力無線プロトコル(例えば、Bluetoothローエナジー(BLE)アドバタイジング)を介してタイミング信号を送信することができる。タイミング信号は、測距サイクルの開始を1つ以上の他のモバイルデバイスに通知することができる。モバイルデバイスは、タイミング信号の送信から所定の時間に開始する予測可能なスケジュールを介して測距を行うことができる。測距のためのスケジュールは、開始モバイルデバイスによって生成され得るか、又はモバイルデバイス内にハードコードされ得る。
【0035】
情報を送信するための所定の時間を有すると、開始デバイスは、送信時間の直前まで低電力モードに入ることができる。所定の時間に、無線プロトコル(例えば、UWBプロトコル)を介して、開始モバイルデバイスは送信を開始することができ、応答デバイスは受信を開始することができる。モバイルデバイスは、開始モバイルデバイスからデバイスまでの距離を判定するために、開始モバイルデバイスからの信号の受信時間を使用することができる。
【0036】
I.測距/三角測量技術
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、距離測定を実行するための回路を含むことができる。そのような回路は、アンテナと、測定された信号を処理するための回路とを含むことができる。距離測定は、2つのモバイルデバイス間のパルスの飛行時間を使用して実行することができる。いくつかの実装形態では、ラウンドトリップ時間(RTT)が、例えば、アンテナの各々についての距離情報を決定するために使用される。他の実装形態では、一方向におけるシングルトリップ時間が使用され得る。パルスは、超広帯域(UWB)無線技術を使用して形成されもよい。
【0037】
A.シーケンス図
図1は、本開示の実施形態による、2つのモバイルデバイス間の距離測定を実行するためのシーケンス図100を示す。2つのモバイルデバイスは、2人の異なるユーザに属し得る。2人のユーザは、互いを知ることができ、したがって互いの電話番号又は他の識別子を有することができる。後でより詳細に説明されるように、そのような識別子は、認証目的のために使用されることができ、例えば、測距は未知のデバイスを用いて実行されない。図1は単一の測定を示しているが、プロセスは、測距セッションの一部として時間間隔にわたって複数の測定を実行するために繰り返されることができ、ここで、そのような測定は、例えば、各アンテナに対して単一の距離値を提供するために平均化されるか、又はさもなければ分析されることができる。
【0038】
第1のモバイルデバイス110(例えば、スマートフォン)は、測距要求101を第2のモバイルデバイス120に送信することによって距離測定(動作)を開始することができる。測距要求101は、1つ以上のパルスの第1のセットを含むことができる。距離測定は、測距無線プロトコル(例えば、UWB)を用いて行うことができる。距離測定は、例えば、ユーザ入力及び/又は別の無線プロトコル、例えば、Bluetoothローエナジー(BLE)を使用する認証に基づいて、様々な方法でトリガされ得る。
【0039】
T1において、第1のモバイルデバイス110は測距要求101を送信する。T2において、第2のモバイルデバイス120は測距要求101を受信する。T2は、複数のパルスが第1のセットにあるときの平均受信時間とすることができる。第2のモバイルデバイス120は、例えば、別の無線プロトコルを使用して、前の通信に基づいて時間窓内に測距要求101を予想していることができる。測距無線プロトコル及び別の無線プロトコルは同期されることができ、その結果、第2のモバイルデバイス120が、指定された時間窓にわたって測距アンテナ及び関連する回路をオンにすることができ、測距セッション全体にわたってそれらをオンのままにするのとは対照的である。
【0040】
測距要求101を受信したことに応答して、第2のモバイルデバイス120は、測距応答102を送信することができる。図示のように、測距応答102は、時間T3、例えば、パルスの送信時間又はパルスのセットの平均送信時間に送信される。T2及びT3は、それぞれのパルスに対する時間のセットであってもよい。測距応答102は、第1のモバイルデバイス110が距離情報を計算することができるように、時間T2及びT3を含むことができる。代替として、2つの時間の間のデルタ(例えば、T3-T2)が送信され得る。測距応答102はまた、第1のモバイルデバイス110についての識別子、第2のモバイルデバイス120についての識別子、又はその両方を含むことができる。
【0041】
T4において、第1のモバイルデバイス110は、測距応答102を受信することができる。他の時間と同様に、T4は、単一の時間値又は時間値のセットであり得る。デバイス110は、T1及びT4を測定する。デバイス120は、それらを送信する必要はない。デバイス120は、T2及びT3測定値を送信するか、又は差T3-T2を送信する必要がある。これはまた、周知の一定遅延であり得、この情報を送信する必要性を排除する。
【0042】
103において、第1のモバイルデバイス110は、距離単位(例えば、メートル)又は時間(例えば、ミリ秒)など、様々な単位を有することができる距離情報130を計算する。時間は、光速に対応する比例係数を有する距離と等価であり得る。いくつかの実施形態では、距離は、T2-T1+T4-T3に等しくてもよい総ラウンドトリップ時間から計算され得る。いくつかの実施形態では、第2のモバイルデバイス120のための処理時間もまた、総ラウンドトリップ時間から減算され得る。例えば、時間がパルスのセットに対する時間のセットに対応するとき、及び周波数補正が実施されるとき、より複雑な計算を使用することもできる。
【0043】
B.三角測量
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、例えば三角測量を実行するために、複数のアンテナを有することができる。異なるアンテナからの別個の測定値は、モバイルデバイスの周りの円/球上のどこかでも生じ得る単一の距離値とは対照的に、2次元(2D)位置を決定するために使用され得る。2次元(2D)位置は、種々の座標、例えば、デカルト又は極座標で指定することができ、極座標は、角度値及び半径値を含むことができる。
【0044】
図2は、本開示の実施形態による、3つのアンテナ211、212、及び213を有するモバイルデバイス210を含む測距動作の通信グループ200を示す。アンテナ211、212、213は、例えば、距離測定を実行するための視野を画定するために、異なる向きを有するように配置され得る。
【0045】
図2のこの例では、アンテナ211、212、213の各々は、モバイルデバイス220によって受信されるパケット(1つ以上のパルスを含む)を送信する。これらのパケットは、測距要求201の一部であり得る。パケットは、各々時間T1で送信され得るが、他の実装形態では異なる時間に送信され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイス220は、複数のアンテナ自体を有することができる。そのような実装形態では、モバイルデバイス210のアンテナは、(ブロードキャストとは対照的に)モバイルデバイス220の特定のアンテナにパケットを送信することができ、モバイルデバイス220は、その特定のパケットに応答することができる。モバイルデバイス220が特定のアンテナをリッスンして、どのアンテナが関与しているかを両デバイスが知ることができる、又はメッセージがどのアンテナに対するものであるかをパケットが示すことができる。例えば、第1のアンテナは、受信したパケットに応答することができ、応答が受信されると、異なるアンテナに別のパケットを送信することができる。しかし、この代替手順にはより多くの時間及び電力がかかることがある。
【0047】
測距要求201の3つのパケットは、それぞれ、時間T2、T3、及びT4において受信され得る。したがって、モバイルデバイス220のアンテナ(例えば、UWBアンテナ)は実質的に同時にリッスンして、独立して応答することができる。モバイルデバイス220は、時間T5でそれぞれ送信される測距応答202を提供する。モバイルデバイス210は、時間T6、T7、及びT8において、測距応答をそれぞれ受信する。
【0048】
203において、モバイルデバイス210のプロセッサ214は、例えば、本明細書で説明するように、距離情報230を計算する。プロセッサ214は、アンテナから、より具体的には、アンテナ211、212、213からの信号を分析する回路(例えば、UWB回路)から時間を受信することができる。後で説明するように、プロセッサ214は、より一般的な機能を実行することができるアプリケーションプロセッサよりも少ない電力を使用する常時オンプロセッサであり得る。距離情報230は、モバイルデバイス220の2D又は3D位置を決定するために使用され得、そのような位置は、モバイルデバイス210のディスプレイスクリーンを構成するために使用され得る。例えば、位置は、モバイルデバイス220に対応するアイコンをどこに表示すべきか、例えば、リスト内のどの位置、2Dグリッド内のどの位置、又は1D、2D、若しくは3D距離/位置範囲のどのクラスタ内でアイコンを表示すべきかを決定するために使用され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、どの測距応答がどのアンテナからのものであるかを判定するために、モバイルデバイス220は、例えば、別の無線プロトコルを使用して発生し得る測距セットアップハンドシェイク中に、送信される応答メッセージの順序をモバイルデバイス210に通知することができる。他の実施形態では、測距応答は、識別子を含むことができる。識別子はどのアンテナがメッセージを送信したかを示す。これらの識別子は、測距セットアップハンドシェイクにおいて取り決めることができる。
【0050】
測距要求201及び測距応答202中のメッセージは、例えば、少数のパルスを含めることによって、ペイロード中にごくわずかなデータを含むことができる。より少ないパルスの使用が、有利であり得る。モバイルデバイス(潜在的にポケット内)の環境によって、測定が難しくなる可能性がある。別の例として、一方のデバイスのアンテナは、他方のデバイスが接近している方向とは異なる方向を向く可能性がある。したがって、各パルスに対して高い電力を用いることが望ましいが、特定の時間窓内に(例えば、1ミリ秒にわたって平均して)どのくらいの電力を使用できるかに関して政府による規制(並びに電池に対する懸念)がある。これらのメッセージ内のパケットフレームは、約150~180マイクロ秒長とすることができる。
【0051】
II.ペアワイズ測距及び冗長セッションの除去
モバイルデバイスは、モバイルデバイスの場所を決定するために、GPS又は他の場所決め回路を使用し得る。例えば、マップアプリケーションは、モバイルデバイスのおおよその場所をマップ上に示すことができる。しかし、場所を決定するためのそのような技法は、典型的には、可変参照フレーム、例えば、別のモバイルデバイスに対してではなく、固定された何らかの外部参照フレームに対して決定される。
【0052】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、モバイルデバイスと別のモバイルデバイスとの間の相対距離を判定することができる測距回路を含むことができる。例えば、モバイルデバイス間で送信される超広帯域(UWB)パルスを使用して、飛行時間測定を実行することができる。測距は、あるモバイルデバイスの別のモバイルデバイスに対する相対位置を判定するために使用され得る距離情報を提供することができる。例として、相対位置は、2つのデバイス間の距離値、角度(向き)情報、又はその両方を含むことができる。
【0053】
モバイルデバイス間の測距技法は、デバイス間のクロックの同期及び同じチャネル上のメッセージ間の衝突に起因する課題に直面する。デバイス間の冗長測距セッションの数を低減することによって測距メッセージ間の衝突の数を低減するための技法が実装され得る。モバイルデバイス間でいくつかの測距セッションを確立した後、本技法は、いくつかの冗長測距セッションを判定することと、冗長測距セッションを維持するか又は除去するかを決定することとを含むことができる。これらの技法は、モバイルデバイスを追加又は除去するための複雑なルーチンなしに、モバイルデバイスが通信セッションに出入りすることを可能にする。更に、各デバイスは、モバイルデバイス間でコーディネータデバイスを確立する必要なしに、他のモバイルデバイス間で測距セッションを確立することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、測距技法は、複数のプロトコルを使用することができる。例えば、認証及びセットアップフェーズは、第1の無線プロトコル(例えば、BLE又は他のBluetooth(登録商標))を使用して実装され得る。第2の(測距)無線プロトコルを使用して、距離測定を実行することができる。測距技法は、拡張現実などのアプリケーションのために、事前定義された距離を有するデバイス間で情報を共有するために使用され得る。本開示はまた、測距技法を実行するモバイルデバイスに関する詳細を提供する。
【0055】
測距機能は、例えば、認証を実行し、及び/又は測距設定を交換するために、初期通信セッションを確立することができる別の無線プロトコルと組み合わせて実装することができる。例えば、1つのデバイスから他のデバイスへのコンテンツの送信のために、追加の無線プロトコルを使用することもできる。例えば、ビデオ又はオーディオファイルは、測距が実行された後に、一方のデバイスから他方のデバイスに転送され得る。
【0056】
A.多対多測距交換のための独立接続の確立
図3は、複数のモバイルデバイス間のペアワイズ測距交換を含む例示的な測距交換300を示す。測距交換のいくつかは冗長である。図3は、3つのモバイルデバイス302a、302b、302cを示すが、3つを超える任意の数のデバイスが、これらの技法を採用することができる。モバイルデバイス302a、302b、及び302cの各々は、測距セッション中に開始デバイス及び/又は応答デバイスとして機能することができる。例えば、第1の測距セッション310は、第1のモバイルデバイス302aと第3のモバイルデバイス302cとの間であり得る。第1の測距セッション310において、第3のモバイルデバイス302cは、測距要求312を送信することによって開始デバイスであり得る。第1のモバイルデバイス302aは、測距要求312に対する応答314を送信することができる。第1の測距セッション310中に、第3のモバイルデバイス302cは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第3のモバイルデバイス302aは、第3のパケット交換(図3に図示せず)を介して、計算された距離を第1のモバイルデバイス302aに送信することができる。代替的に、第3のモバイルデバイス302cと第1のモバイルデバイス302aとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第1のモバイルデバイス302aに送信され得る。第1のモバイルデバイス302aは、TWTOFを使用して第1のモバイルデバイス302aと第3のモバイルデバイス302cとの間の距離を計算することができる。第1の測距セッション310は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第1の測距セッション310の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0057】
第2の測距セッション320において、第1のモバイルデバイス302aは、測距要求を送信することによって開始デバイスとして動作する。第3のモバイルデバイス302cは、第1のモバイルデバイス302aからの測距要求に応答することができる。第2の測距セッション320は、第1の測距セッション310の前、後、又はそれと同時に発生することができる。第1の測距セッション310及び第2の測距セッション320は、互いに独立して確立することができる。このようにして、第1の測距セッション310若しくは第2の測距セッション320のいずれかのために、又は図3に示される、若しくは本明細書で説明される技法について説明されるような任意の測距セッションのために、コーディネータを確立する必要がない。第2の測距セッション320中に、第1のモバイルデバイス302cは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第1のモバイルデバイス302aは、第3のパケット交換(図3に図示せず)を介して、計算された距離を第3のモバイルデバイス302cに送信することができる。代替的に、第1のモバイルデバイス302aと第3のモバイルデバイス302cとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第3のモバイルデバイス302cに送信され得る。第3のモバイルデバイス302cは、TWTOFを使用して、第3のモバイルデバイス302cと第1のモバイルデバイス302aとの間の距離を計算することができる。第2の測距セッション320は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第2の測距セッション320の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0058】
第3の測距セッション330において、第1のモバイルデバイス302aは開始デバイスであり得、第2のモバイルデバイス302bは応答デバイスであり得る。第3の測距セッション330中に、第1のモバイルデバイス302aは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第1のモバイルデバイス302aは、第3のパケット交換(図3に図示せず)を介して、計算された距離を第2のモバイルデバイス302bに送信することができる。代替的に、第1のモバイルデバイス302aと第2のモバイルデバイス302bとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第2のモバイルデバイス302bに送信され得る。第2のモバイルデバイス302bは、TWTOFを使用して第1のモバイルデバイス302aと第2のモバイルデバイス302bとの間の距離を計算することができる。第3の測距セッション330は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第3の測距セッション330時間期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0059】
第4の測距セッション340において、第2のモバイルデバイス302bは測距セッションを開始することができ、第1のモバイルデバイス302aは応答することができる。第4の測距セッション340中に、第2のモバイルデバイス302bは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第2のモバイルデバイス302bは、第3のパケット交換(図3に図示せず)を介して、計算された距離を第1のモバイルデバイス302aに送信することができる。代替的に、第2のモバイルデバイス302bと第1のモバイルデバイス302bとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第1のモバイルデバイス302aに送信され得る。第1のモバイルデバイス302aは、TWTOFを使用して第2のモバイルデバイス302bと第1のモバイルデバイス302aとの間の距離を計算することができる。第4の測距セッション340は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第4の測距セッション340時間期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0060】
第5の測距セッション350において、第3のモバイルデバイス302cは、第2のモバイルデバイス302bとの測距要求を開始することができ、第2のモバイルデバイス302bは応答することができる。第5の測距セッション350中に、第3のモバイルデバイス302cは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第3のモバイルデバイス302cは、第3のパケット交換(図3に図示せず)を介して、計算された距離を第2のモバイルデバイス302bに送信することができる。代替的に、第3のモバイルデバイス302cと第2のモバイルデバイス302bとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第2のモバイルデバイス302bに送信され得る。第2のモバイルデバイス302bは、TWTOFを使用して第3のモバイルデバイス302cと第2のモバイルデバイス302bとの間の距離を計算することができる。第5の測距セッション350は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示しているが、様々な実施形態では、第5の測距セッション350の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0061】
第6の測距セッション360において、第2のモバイルデバイス302bは、第3のモバイルデバイス302cとの測距要求を開始することができ、第3のモバイルデバイス302cは応答することができる。第6の測距セッション360中に、第2のモバイルデバイス302bは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第2のモバイルデバイス302bは、第3のパケット交換(図3に図示せず)を介して、計算された距離を第3のモバイルデバイス302cに送信することができる。代替的に、第2のモバイルデバイス302bと第3のモバイルデバイス302cとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第3のモバイルデバイス302cに送信され得る。第3のモバイルデバイス302cは、TWTOFを使用して第3のモバイルデバイス302cと第2のモバイルデバイス302bとの間の距離を計算することができる。第6の測距セッション360は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第6の測距セッション360時間期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0062】
図3に示すように、デバイス間に冗長測距セッションが存在する。例えば、第1のモバイルデバイス302aと第3のモバイルデバイス302cとの間の距離は、第1の測距セッション320又は第2の測距セッション310のいずれかによって決定され得る。したがって、2つの測距セッションのうちの1つは冗長であり、プルーニング又は除去され得る。
【0063】
B.冗長通信交換のプルーニング
図4は、通信セッションにおける冗長測距交換400のプルーニングを示す。図4の測距交換400は、図3の例示的な交換と同様であるが、1つ以上の冗長測距セッションを低減する追加の態様を有する。図4は、複数のモバイルデバイス間の冗長測距交換を有する例示的な測距交換400を示す。図4は、3つのモバイルデバイス402a、402b、及び402cを示すが、3つを超える任意の数のデバイスが、これらの技法を採用することができる。モバイルデバイス402a、402b、及び402cの各々は、測距セッション中に開始デバイス及び応答デバイスとして働くことができる。例えば、第1のモバイルデバイス402aと第3のモバイルデバイス402cとの間の第1の測距セッション410。第1の測距セッション410において、第3のモバイルデバイス402cは、測距要求412を送信することによって開始デバイスであり得る。第1のモバイルデバイス402aは、測距要求412に対する応答414を送信することができる。第1の測距セッション410中に、第3のモバイルデバイス402cは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第3のモバイルデバイス402aは、第3のパケット交換(図4に図示せず)を介して、計算された距離を第1のモバイルデバイス402aに送信することができる。代替的に、第3のモバイルデバイス402cと第1のモバイルデバイス402aとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第1のモバイルデバイス402aに送信され得る。第1のモバイルデバイス402aは、TWTOFを使用して第1のモバイルデバイス402aと第3のモバイルデバイス402cとの間の距離を計算することができる。第1の測距セッション410は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第1の測距セッション410の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0064】
第2の測距セッション420において、第3のモバイルデバイス402cは、測距要求を第1のモバイルデバイス402aに送信することによって開始デバイスとして動作する。第1のモバイルデバイス402aは、第3のモバイルデバイス402cからの測距要求に応答することができる。第2の測距セッション420中に、第1のモバイルデバイス402cは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第1のモバイルデバイス402aは、第3のパケット交換(図4には図示せず)を介して、計算された距離を第3のモバイルデバイス402cに送信することができる。代替的に、第1のモバイルデバイス402aと第3のモバイルデバイス402cとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第3のモバイルデバイス402cに送信され得る。第3のモバイルデバイス402cは、TWTOFを使用して、第3のモバイルデバイス402cと第1のモバイルデバイス402aとの間の距離を計算することができる。第2の測距セッション420は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示しているが、様々な実施形態では、第2の測距セッション420の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0065】
第3の測距セッション430において、第1のモバイルデバイス402aは開始デバイスであり得、第2のモバイルデバイス402bは応答デバイスであり得る。第3の測距セッション430中に、第1のモバイルデバイス402aは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第1のモバイルデバイス402aは、第3のパケット交換(図4に図示せず)を介して、計算された距離を第2のモバイルデバイス402bに送信することができる。代替的に、第1のモバイルデバイス402aと第2のモバイルデバイス402bとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第2のモバイルデバイス402bに送信され得る。第2のモバイルデバイス402bは、TWTOFを使用して第1のモバイルデバイス402aと第2のモバイルデバイス402bとの間の距離を計算することができる。第3の測距セッション430は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第3の測距セッション430時間期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0066】
第4の測距セッション440において、第2のモバイルデバイス402bは測距セッションを開始することができ、第1のモバイルデバイス402aは応答することができる。第4の測距セッション440中に、第2のモバイルデバイス402bは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第2のモバイルデバイス402bは、第3のパケット交換(図4に図示せず)を介して、計算された距離を第1のモバイルデバイス402aに送信することができる。代替的に、第2のモバイルデバイス402bと第1のモバイルデバイス402bとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第1のモバイルデバイス402aに送信され得る。第1のモバイルデバイス402aは、TWTOFを使用して第2のモバイルデバイス402bと第1のモバイルデバイス402aとの間の距離を計算することができる。第4の測距セッション440は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第4の測距セッション440時間期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0067】
第5の測距セッション450において、第3のモバイルデバイス402cは、第2のモバイルデバイス402bとの測距要求を開始することができ、第2のモバイルデバイス402bは応答することができる。第5の測距セッション450中に、第3のモバイルデバイス402cは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第3のモバイルデバイス402cは、第3のパケット交換(図4に図示せず)を介して、計算された距離を第2のモバイルデバイス402bに送信することができる。代替的に、第3のモバイルデバイス402cと第2のモバイルデバイス402bとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第2のモバイルデバイス402bに送信され得る。第2のモバイルデバイス402bは、TWTOFを使用して第3のモバイルデバイス402cと第2のモバイルデバイス402bとの間の距離を計算することができる。第5の測距セッション450は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示しているが、様々な実施形態では、第5の測距セッション450の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0068】
第6の測距セッション460において、第2のモバイルデバイス402bは、第3のモバイルデバイス402cとの測距要求を開始することができ、第3のモバイルデバイス402cは応答することができる。第6の測距セッション460中に、第2のモバイルデバイス402bは、双方向飛行時間(TWTOF)時間を使用してデバイス間の距離を計算することができる。第2のモバイルデバイス402bは、第3のパケット交換(図4に図示せず)を介して、計算された距離を第3のモバイルデバイス402cに送信することができる。代替的に、第2のモバイルデバイス402bと第3のモバイルデバイス402cとの間の計算された距離又はTWTOF時間は、異なる通信経路(例えば、BLE)を使用して第3のモバイルデバイス402cに送信され得る。第3のモバイルデバイス402cは、TWTOFを使用して第3のモバイルデバイス402cと第2のモバイルデバイス402bとの間の距離を計算することができる。第6の測距セッション460は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第6の測距セッション460時間期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0069】
図4は、本技法が、第1のモバイルデバイス402aと第3のモバイルデバイス402cとの間に冗長測距セッションがあることを検出することができることを示す。第1のモバイルデバイス402aが、第3の通信交換を介して、又は異なる通信経路を介して、デバイス間の距離又はTWTOFを受信する場合、第2の測距セッション420は冗長であると考えることができる。第3のモバイルデバイス402cと第1のモバイルデバイス402aとの間の冗長測距セッション(ここでは、第2の測距セッション420)は、冗長測距セッションとして指定され得る。検出されると、第1の測距セッション410及び第2の測距セッション420の測距セッションのうちの1つは、維持又は削除され得る。同様に、第1のモバイルデバイス402aと第2のモバイルデバイス402bとの間の測距セッションのうちの1つは、冗長として指定され得る。同様に、第2のモバイルデバイス402bと第3のモバイルデバイス402cとの間の測距セッションのうちの1つは、冗長として指定され得る。
【0070】
1つ以上の冗長測距セッションの各々を維持するか終了するかの決定は、モバイルデバイスのグループによって共有される共通基準に基づくことができる。共通基準は、デバイスのメディアアクセス制御(MAC)アドレスを含む。メディアアクセス制御アドレスは、ネットワークセグメント内の通信においてネットワークアドレスとして使用するためにネットワークインターフェースコントローラに割り当てられた一意の識別子である。MACアドレスは、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi、及びBluetooth(登録商標)を含むIEEE802ネットワーキング技術において使用され得る。共通基準は、モバイルデバイスの識別子又はモバイルデバイスの識別子の一部であり得る。デバイスの識別子は、国際携帯電話端末識別情報(IMEI)番号であってもよい。IMEI番号は、全ての携帯電話及びスマートフォンが有する一意の識別番号又はシリアル番号である。IMEI番号は通常15桁の長さであり得る。識別子の一部は、識別子の最後の5桁とすることができる。
【0071】
第1の測距セッション410は、測距要求の送信を中止するように、第2の測距セッション420において送信デバイス(ここでは、第1のモバイルデバイス402a)に通知することによって除去され得る。
【0072】
様々な実施形態では、冗長測距セッションの各々は、ペアのどの測距セッションが冗長であるかを判定することができる。様々な実施形態では、冗長測距セッションの全てではないがいくつかを除去することができる。いくつかの実施形態では、冗長測距セッションの全てを排除することができる。
【0073】
図5は、効率的な測距交換500通信セッションを示す。図5は、複数のモバイルデバイス間のいずれの冗長測距交換もない例示的な効率的な測距交換500を示す。本明細書で説明する技法によれば、全ての冗長測距セッションが終了される必要はない。しかしながら、モバイルデバイス間の最も効率的な測距技法は、ペアのデバイス間に1つの測距セッションのみが存在する技法である。特定のモバイルデバイスが開始デバイス又は応答デバイスとして動作するかどうかは問題ではない。
【0074】
図5は、3つのモバイルデバイス502a、502b、及び502cを示すが、3つを超える任意の数のデバイスが、これらの技法を採用することができる。モバイルデバイス502a、502b、及び502cの各々は、測距要求に対して開始デバイス及び応答デバイスとして機能することができる。例えば、第1のモバイルデバイス502aと第3のモバイルデバイス502cとの間の第1の測距セッション510。第1の測距セッション510において、第3のモバイルデバイス502cは、測距要求512を送信することによって開始デバイスであり得る。第1のモバイルデバイス502aは、測距要求512に対する応答514を送信することができる。第1の測距セッション510は、モバイルデバイス間の単一の双方向パケット交換を示すが、様々な実施形態では、第1の測距セッション510の期間中に2つ以上の双方向パケット交換が行われ得る。
【0075】
第4の測距セッション540において、第2のモバイルデバイス502bは測距セッションを開始することができ、第1のモバイルデバイス502aは応答することができる。第6の測距セッション560において、第2のモバイルデバイス502bは、第3のモバイルデバイス502cとの測距要求を開始することができ、第3のモバイルデバイス502cは応答することができる。
【0076】
図5はまた、測距セッションに参加する第4のモバイルデバイス502dを示す。第4のモバイルデバイス502dは、3つの他のモバイルデバイスの間に示されているが、そのようなジオメトリは必要とされない。第4のモバイルデバイス502dは、3つの他のモバイルデバイスからアドバタイジング信号(図示せず)を受信し、3つの他のモバイルデバイス502a、502b、及び502cの各々からの測距信号572、582、592をリッスンすることができる。図7は、第1のモバイルデバイス502aと第4のモバイルデバイス502dとの間の第7の測距セッション570を示す。第2のモバイルデバイス502bは、第8の測距セッション580の一部として第4のモバイルデバイス502dと測距することができる。第4のモバイルデバイス502dは、第9の測距セッション590の一部として第3のモバイルデバイス502cと測距することができる。第4のモバイルデバイス502dは、3つのモバイルデバイス測距セッションの各々について複数の応答スロットのうちの1つの応答スロットを選択し、それに応じて応答メッセージ574、584、594を送信することができる。応答スロットは、所定の時間間隔であってもよい。
【0077】
図5は、デバイス間に冗長測距セッションがないので、効率的な測距技法を示す。冗長測距セッションの低減は、デバイスの各々のバッテリ電力を節約し、データパケット間の潜在的な衝突の数を低減する。
【0078】
C.モバイルデバイスによって実行される測距技法
図6は、複数のコンピューティングデバイスによって実行される通信技術についての例示的なフローチャートを示す。方法600は、他のモバイルデバイスの各々に対する3つ以上のモバイルデバイスの空間的関係を決定するために使用され得る。
【0079】
602において、本技法は、第1の無線プロトコルを介して、モバイルデバイスのグループの他のモバイルデバイスとの発信ペアワイズ測距セッションを確立するための要求を送信することを含むことができる。要求は、図7に示されるようなアドバタイジングメッセージ704であり得る。第1の無線プロトコルは、低電力無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)ローエナジーのアドバタイジング信号)であり得る。ペアワイズ測距セッションを確立する要求の送信は、第1の無線プロトコル信号の範囲内の1つ以上のモバイルデバイスによって受信され得る。
【0080】
様々な実施形態では、アドバタイジングパケットのための送信スケジュールは、ランダム又は擬似ランダムに送信され得る。送信スケジュールは、アドバタイジングパケット送信から次の測距パケット送信までの時間遅延を指定することができる。1つ以上の受信デバイスは、アドバタイジングパケットを受信することができる。アドバタイジングパケットは、送信デバイスの識別に関する情報を含むことができる。アドバタイジングパケットは、測距パケットの送信のためのスケジュールを含むことができる。1つ以上の受信デバイスは、測距パケットの送信時間を計算するために、タイミング信号としてアドバタイジングパケットを使用することができる。
【0081】
測距メッセージは、1つ以上のモバイルデバイスに応答するためのスケジュールを含むことができる。スケジュールは、測距メッセージの受信に続く1つ以上の時間遅延を含むことができる。応答デバイスは、モバイルデバイスに応答するために応答タイムスロットのうちの1つをランダムに選択することができる。応答メッセージは、測距メッセージの受信時間を含むことができる。応答メッセージは、応答メッセージの識別子を含むことができる。応答メッセージは、第1のモバイルデバイスと第2のモバイルデバイスとの間の大まかな測距計算を含むことができる。応答モバイルデバイスは、測距メッセージ内の時間を使用して、開始モバイルデバイスと応答モバイルデバイスとの間のおおよその距離を計算することができる。
【0082】
様々な実施形態では、測距メッセージは、送信モバイルデバイスに関する情報(例えば、デバイス識別子)を含むことができる。要求は、図7に示されるように、ペアワイズ測距セッションを開始する要求の受信に続く時間遅延(Δt)708を含むことができる。これは、受信モバイルデバイスが、開始モバイルデバイスから測距メッセージを受信するためのリスニング窓を決定することを可能にする。ペアワイズ測距セッションは、第2の無線プロトコルを使用して行われ得る。第2の無線プロトコルは、超広帯域送信であり得る。
【0083】
604において、本技法は、モバイルデバイスのグループ中の他のモバイルデバイスの各々から第1の無線プロトコルを介して、他のモバイルデバイスとの着信ペアワイズ測距セッションを確立するための要求を受信することを含むことができる。モバイルデバイスのグループ内の他のモバイルデバイスの各々からの要求は、要求内にモバイルデバイスの識別子を含むことができる。識別子は、IMEI又はMACアドレスを含むことができる。モバイルデバイスの識別子は、複数のモバイルデバイスのうちのどのモバイルデバイスが要求メッセージを送信したかを指定するために使用され得る。モバイルデバイスは、1つ以上の測距メッセージを受信するためのリスニング窓を確立するために、要求の受信の時間を使用することができる。
【0084】
モバイルデバイスの各々は、図3に示されるように、他のモバイルデバイスの各々と測距セッションを確立することができる。各モバイルデバイスは、図3に示すように、開始デバイス及び応答デバイスとして機能することができる。したがって、複数の測距セッション(例えば、第1の測距セッション310及び第2の測距セッション320)をモバイルデバイス間で確立することができる。
【0085】
606において、本技法は、1つ以上の冗長測距セッションを検出することを含むことができる。各モバイルデバイスは、それが測距している他のモバイルデバイスの識別子を受信することができる。例えば、図3に示される第1のモバイルデバイス302aは、第2のモバイルデバイス302b及び第3のモバイルデバイス302cの識別子を受信することができる。識別子は、モバイルデバイスのIMEI番号又はIMEIの一部とすることができる。識別子は、モバイルデバイスのメモリに記憶することができる。
【0086】
モバイルデバイスのプロセッサは、メモリにアクセスして、モバイルデバイスがあるモバイルデバイス識別子に対して開始デバイスとして動作しているかどうかを判定することができる。プロセッサはまた、モバイルデバイスが特定のデバイス識別子に対する応答デバイスとして動作しているかどうかを判定することができる。モバイルデバイスが、同じモバイルデバイス識別子に対して開始デバイス及び応答デバイスの両方として動作している場合、冗長測距セッションが存在する。例えば、図3に示すように、第1のモバイルデバイスは、第2の測距セッション320のための開始デバイスとして動作し、第1の測距セッション310のための応答デバイスとして動作している。第1のモバイルデバイスは、同じモバイルデバイス(すなわち、第3のモバイルデバイス302c)と共に開始デバイス及び応答デバイスの両方として動作しているので、冗長測距セッションがデバイス間に存在する。
【0087】
各測距セッションは、デバイス間の複数のペアワイズメッセージ交換を含むことができる。各測距セッションについて、1つのモバイルデバイスが開始デバイスである。開始デバイスは測距メッセージを送信する。測距セッションにおける第2のモバイルデバイスは、応答デバイスである。応答モバイルデバイスは、測距メッセージを受信し、応答メッセージを送信する。応答メッセージは、応答デバイスの識別子を含むことができる。いくつかの実施形態では、応答メッセージは、応答の時間を含むことができる。開始モバイルデバイスは、応答メッセージを受信し、デバイス間の距離を計算することができる。様々な実施形態では、複数のペアワイズメッセージ交換が測距セッション中に行われ得る。
【0088】
様々な実施形態では、第1のモバイルデバイスは、第2のモバイルデバイスとのペアワイズメッセージ交換において、開始デバイス及び応答デバイスの両方として働くことができる。これらの測距セッションは、対称リンクと見なすことができ、集合的に2つ以上の対称リンクを含むことができる。対称リンクは、1つ以上の双方向データパケット交換を含むことができる。第1のペアワイズメッセージ交換は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を判定するのに十分であり得るので、2つの測距セッションのうちの1つは冗長であると見なされ得る。冗長リンクは、デバイスの各々から必要とされる追加の電力をもたらし、追加の測距メッセージが同じ周波数帯域幅におけるデータパケット衝突の数を増加させ得るので、非効率的である。
【0089】
608において、本技法は、基準に基づいて、1つ以上の冗長測距セッションの各々を維持するか又は終了するかを識別することを含むことができる。ある状況下では、プロセッサは、いくらかの非効率性がある場合であっても、1つ以上の冗長リンクを維持することを決定することができる。冗長リンクをプルーニングしないというこの決定は、利用可能な帯域幅又は受信信号の品質に基づくことができる。基準は、モバイルデバイスのグループの間で共有される共通基準であり得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、第1のモバイルデバイスは、デバイス間の1つ以上の冗長測距セッションを低減するために、帯域内(例えば、UWB)又は帯域外(例えば、BLE)プロトコルを使用して第2のモバイルデバイスに通信して、第1のモバイルデバイスのための送受信機上のローディングを通信することができる。デバイスは、冗長測距セッションのうちのどれをプルーニングするかをランダムに選択することができる。モバイルデバイスの特性(例えば、メディアアクセス制御(MAC)アドレス)は、どの測距セッションをプルーニングするかを決定するために使用され得る。共通基準は、モバイルデバイスの識別子(例えば、IMEI)を含むことができる。共通基準は、どの測距セッションをプルーニングするかを決定するために、モバイルデバイスのための識別子の全て又は一部を含むことができる。例えば、一実施形態では、より低い数値の測距セッションを有する開始デバイスをプルーニングすることができる。代替的に、より高い数値を有する開始デバイスをプルーニングすることができる。
【0091】
610において、本技法は、他のモバイルデバイスの各々との残りの測距セッションを使用して測距を実行することを含むことができる。測距技法は、測距要求の送信時間と応答を受信する時間との間のラウンドトリップ時間を使用して、デバイス間の距離を判定することによって達成され得る。応答メッセージは、第1のモバイルデバイス上の複数のアンテナによって受信され得る。第1のモバイルデバイス上の複数のアンテナの各々は、複数のアンテナ要素の配向及びモバイルデバイスの配向に少なくとも基づいて、異なる時間に応答メッセージを受信し得る。第1のモバイルデバイスは、センサに加えて、異なるアンテナにおける応答メッセージの受信時間を使用して、デバイスの向きを検出し、応答デバイスへの到着角度を計算することができる。計算された距離及び到来角は、モバイルデバイスのメモリに記憶され得る。距離及び/又は到来角は、1つ以上のモバイルデバイスアプリケーションで使用され得る。
【0092】
図6に例示された特定のステップは、本開示の様々な実施形態による、多対多通信技術のための特定の技術を提供することが理解されるであろう。また、代替的実施形態によると、ステップの他のシーケンスもまた実行し得る。例えば、本発明の代替的実施形態では上記のステップを異なった順序で実行し得る。更に、図6で説明されている個々のステップは、その個々のステップにおいて適切な様々な順序で実行し得る複数の副ステップを含んでもよい。更に、特定の用途によって、ステップを追加したり削除したりしてもよい。当業者であれば、多くの変形、修正、及び代替案を認識するであろう。
【0093】
図8は、第1のモバイルデバイス(デバイスA)802と複数のコンピューティングデバイス(例えば、デバイスB804及びデバイスC806)との間の例示的な測距交換800を示す。図8には2つのデバイスしか示されていないが、リスニング窓812内で利用可能なタイムスロットの数に応じて、より多くのコンピュータデバイスが測距に参加することができる。メッセージ間の衝突を最小化又は回避しながら、複数のデバイスが開始デバイスとの測距を行うことを可能にするために、以下の技法が実装され得る。多くのデバイスのうちの1つを開始デバイスとして識別することができる。開始デバイスと複数のコンピューティングデバイスとの間で測距を行うための期間は、測距ラウンドである。測距ラウンドは、デバイス上で実行されるアプリケーションの要件に基づいて1回又は複数回繰り返すことができる。測距ラウンドの構造を以下に開示する。
【0094】
III.超広帯域パケット送信
超広帯域送信は連続送信ではないので、UWB送信を取得しようとする受信デバイスは、送信の開始時間の知識を必要とするか、又はデバイスがインパルスUWB信号を捕捉するまで電源オン状態リスニングにおいてエネルギーを消費する必要がある。受信デバイスが送信のおおよその時間さえ知っていれば、受信機は、送信時間の直前まで、低減電力モード又はスリープモードにとどまることができる。UWB通信の場合、第1のパケットがいつ到着するかを受信デバイスが知ることは困難であり得る。
【0095】
UWB送信時間を伝搬するための技法は、別の無線プロトコル、例えば、Bluetoothローエナジー(BLE)アドバタイズメント送信を使用して、アドバタイズメント信号の後の定義された時間に、送信時間情報をブロードキャストすることである。例はBluetooth(登録商標)に言及し得るが、他の無線プロトコルが使用されてもよい。BLEは、2.4 GHzのISM帯域に40個の物理チャネルを有し、各物理チャネルは2MHzで分離されている。Bluetoothは、2つの送信タイプ、すなわち、データ送信及びアドバタイジング送信を定義する。したがって、これらの40チャネルのうちの3つはアドバタイジング専用であり、37チャネルはデータ専用である。アドバタイジングは、デバイスがそれらの意図を定義する情報をブロードキャストすることを可能にする。
【0096】
UWB情報パケットは、送信デバイスのBLEアドバタイズメントに対して特定の時間に送信するように構成され得る。したがって、受信デバイスは、予想される時間に、又は予想される時間の前後の予想される時間窓中に、UWBパケットをリッスンすることができる。UWBパケットは、送信デバイス情報、ディープリンク、及び/又は送信時間情報を搬送することができる。受信機デバイスは、次のポーリングをいつリッスンすべきかを決定するために、BLEアドバタイジングメッセージ中の時間を使用することができる。UWBパケットは、UWB周波数範囲で送信することができる。
【0097】
測距のために使用される無線プロトコルは、測距設定の初期認証又は通信のために使用される第1の無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))よりも狭いパルス(例えば、より狭い半値全幅(FWHM))を有することができる。いくつかの実施態様では、測距無線プロトコル(例えば、UWB)は、5cm又はそれよりも良い距離精度を提供することができる。周波数範囲は、3.1~10.6ギガヘルツ(GHz)とすることができる。複数のチャネル、例えば、6.5GHzの1つのチャネル、8GHzの別のチャネルを使用することができる。そのように、場合によっては、測距無線プロトコルは、第1の無線プロトコルの周波数範囲(例えば、2.4~2.485GHz)と重複しない。
【0098】
測距無線プロトコルは、UWBの一タイプであるIEEE802.15.4によって指定することができる。パルスベースUWBシステム内の各パルスは、UWB帯域幅全体(例えば、500MHz)を占有することができ、それによってパルスを時間的(すなわち、狭い時間幅、例えば、0.5ns~数ナノ秒)に局所化することを可能にする。距離に関して、パルスは、500MHz幅パルスに対して幅60cm未満、及び1.3GHz帯域幅パルスに対して23cm未満とすることができる。帯域幅がそのように広く、実空間における幅がそのように狭いため、非常に正確な飛行時間測定値を取得することができる。
【0099】
測距メッセージのそれぞれの一つ(フレーム又はパケットとも呼ばれる)は、変調される情報を表し得るパルスのシーケンスを含むことができる。フレーム内の各データシンボルは、シーケンスであり得る。パケットは、例えば物理層及びメディアアクセス制御(MAC)層の、ヘッダ情報を含むプリアンブルを有し得、宛先アドレスを含み得る。いくつかの実施態様では、パケットフレームは、タイミングをラインアップできる、同期部分及び開始フレーム区切りを含むことができる。
【0100】
パケットには、セキュリティが構成されている方法を含むことができ、暗号化された情報、例えば、どのアンテナがパケットを送信するかの識別子、を含むことができる。暗号化された情報は、更なる認証のために使用することができる。しかしながら、測距動作の場合、データのコンテンツは、判定される必要がない場合がある。いくつかの実施形態では、特定のデータ片のパルス用タイムスタンプを使用して、送信と受信との間の差を追跡することができる。コンテンツ(例えば、復号されたコンテンツ)は、正しい時間差が計算され得るように、パルスを一致させるために使用され得る。いくつかの実装形態では、暗号化された情報は、メッセージがどのステージに対応するかを認証するインジケータを含むことができ、例えば、測距要求は第1のステージに対応することができ、測距応答は第2のステージに対応することができる。インジケータのそのような使用は、2つより多くのデバイスが互いの近くで測距動作を実行しているときに有用であり得る。
【0101】
狭いパルス(例えば、~2ナノ秒幅)を使用して、距離を正確に判定することができる。これは、500MHzのスペクトル(帯域幅)に対応する。高帯域幅(例えば、500MHzのスペクトル)は、狭いパルス及び正確な位置判定を可能にする。パルスの相互相関は、パルスの幅の小さな断片であるタイミング精度を提供することができ、例えば、数百又は数十ピコ秒以内の精度を提供し、サブメータレベルの測距精度を提供する。パルスは、受信機によって認識されるいくつかのパターンにおいて、プラス1及びマイナス1の測距波形を表すことができる。距離測定では、飛行時間測定とも呼ばれる、ラウンドトリップ時間測定を使用することができる。上述のように、モバイルデバイスは、タイムスタンプのセットを送信することができ、タイムスタンプのセットは、2つのデバイス間のクロック同期の必要性を除去することができる。
【0102】
図7は、UWBパケットの送信のためのタイミングを同期させるために、BLEアドバタイズメント信号を使用するためのタイムライン700の例示的な図を示す。図7は、単一のデバイスからの複数の信号(例えば、UWB信号及びBLE信号)の送信のためのタイムライン700を示す。送信機デバイスは、不規則なスケジュールでUWBパケット702a~702jを送信することができる。送信機デバイスはまた、次のUWBパケット702a~702j送信をいつリッスンすべきかを他のデバイスに通知するために、別個の帯域中でBLEアドバタイズメント704を送信することができる。例えば、BLEアドバタイズメント704は、約30ミリ秒ごとに送信され得る。BLEアドバタイズメント704は、データパケット間の衝突を回避するために不規則に送信され得る。したがって、BLEアドバタイズメント704は、所定の間隔(例えば、30秒ごと)に0~10ミリ秒の何らかのランダム遅延を加えた間隔で送信され得る。これは、アドバタイズメント間のランダムなディザリングを提供する。送信機デバイスは、BLEアドバタイズメント704の送信に続いて、固定時間間隔(ΔT)708でUWBパケット702a~702jを送信することができる。時間間隔(ΔT)708は、受信デバイスが、BLEアドバタイズメント704の送信後の所定の時間後にUWBパケット702a~702jをリッスンすることを知ることができるように、あらかじめ決定され得る。
【0103】
1対多通信技法では、上記で説明したように、複数の受信機デバイスがあり得る。UWBパケット702a~702jは、図1に示されるような測距要求101、又は図3に示されるようなブロードキャストメッセージ312であり得る。例えば、測距ラウンドにおいて1つの開始デバイス及び3つの受信デバイスを有する場合、個々の通信は、(図8に示されるように)特定のタイムスロットにおいて指定され得る。いくつかの実施形態では、1対多のための単一のブロードキャストメッセージは、アドバタイジング信号であり得る。
【0104】
他の実施形態では、タイムスロットごとに、タイムスロット中の送信デバイスと受信デバイスとの間のタイミングを同期させるために、その特定のタイムスロットのための異なるBLEアドバタイズメント信号704及び異なるUWBパケット702a~702jがあり得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、モバイルデバイスは、距離測定を実行するための回路を含むことができる。そのような回路は、1つ以上の専用アンテナ(例えば、3つ)と、測定された信号を処理するための回路とを含むことができる。距離測定は、2つのモバイルデバイス間のパルスの飛行時間を使用して実行することができる。いくつかの実装形態では、ラウンドトリップ時間(RTT)が、例えば、アンテナの各々についての距離情報を決定するために使用される。他の実装形態では、一方向におけるシングルトリップ時間が使用され得る。パルスは、超広帯域(UWB)無線技術を使用して形成されもよい。複数のデバイス間の測距技法は、測距要求メッセージ、応答メッセージ、及び肯定応答メッセージの送信を、これらのメッセージ間の衝突が最小化又は回避されるように同じチャネル上でスケジューリングすることに起因して、困難であり得る。これらの技法は、モバイルデバイスのための測距技法の簡単な説明によってより良く理解され得る。
【0106】
IV.更なる多対多通信技術
いくつかの適用例、例えば、拡張現実では、複数のモバイルデバイスが互いに測距を行う。技法は、モバイルデバイスクロックドリフトによる課題を克服するための実装形態であり得る。モバイルデバイスのグループのモバイルデバイスの内部クロックが同期されない場合、距離の計算における不正確さが生じ得る。様々な実施形態では、クロックドリフト(真の時間より前又は後のいずれか)が、計算された距離に影響を及ぼす可能性がある。これらの技法は、クロックドリフト又は他の同期問題に起因して発生し得る重複通信を最小限に抑えることを試みる。
【0107】
他の多対多測距技法は、モバイルデバイス間の所定の測距スケジュールを使用することができる。これらの他の技法は、柔軟性がなく、事前に多対多通信セッションに参加していたデバイスの数の知識を必要とする可能性がある。更に、そのような他の技法は、多対多通信セッションにおけるモバイルデバイスのコーディネータデバイスの指定を必要とする可能性がある。本明細書で開示する技法は、単に、モバイルデバイスが多対多通信測距セッションに出入りするためのプロセスである。
【0108】
一実施形態では、本技法は、1つ以上の測距ラウンド808を含む。測距ラウンド808は、初期タイムスロット816(すなわち、タイムスロット0)と、リスニング窓812と、非アクティブ期間814とを含む離散窓に時間的に分割され得る。測距ラウンド808が開始する前に、開始モバイルデバイス802は、初期タイムスロット816、応答タイムスロットの数、及び各応答タイムスロットの持続時間を含む測距ラウンド808のためのパラメータを決定することができる。測距ラウンド808のパラメータは、測距ラウンド808におけるコンピューティングデバイスの数と、デバイス804、806間の既知の距離に関する任意の情報とに部分的に基づくことができる。測距ラウンド808のパラメータは、開始モバイルデバイス802の1つ以上のプロセッサによって生成され、開始モバイルデバイス802のメモリに記憶され得る。測距ラウンド808のパラメータは、他のモバイルデバイス804、806への送信のためにブロードキャストメッセージ810に組み込まれ得る。測距ラウンド808のパラメータは、測距のために使用される特定のプロトコルによって定義することもできる。
【0109】
測距ラウンド808のためのスロットの数及び持続時間は、動的に変化し得る。例えば、検出された衝突の数が増加する場合、スロットの数は、測距ラウンド808のために増加され得る。これにより、前のタイムスロット中に衝突が発生した場合に、測距ラウンド808のスロットを増やすことができ、第2の応答メッセージ838の機会を増やすことができる。検出された衝突の数が減少する場合、利用可能なスロットの数を減少させて、測距のための電力要件を低減することができる。
【0110】
ブロードキャストメッセージ810は、初期タイムスロット816の間に開始モバイルデバイス802によって送信され得る。いくつかの実施形態では、初期タイムスロット816の時間及び持続時間は、ブロードキャストメッセージ810に含まれ得る。このようにして、ブロードキャストメッセージ810を受信するデバイス804、806は、初期タイムスロット816中に測距を行わないことを知る。
【0111】
ブロードキャストメッセージ810はまた、開始モバイルデバイス802の識別子を含むことができる。開始モバイルデバイス802の識別子は、モバイルデバイス804、806によって受信され、その後、応答メッセージ830に含まれ得るので、開始モバイルデバイス802は、応答メッセージ830が、開始モバイルデバイス802によって送信されたブロードキャストメッセージ810に関連付けられていることを識別することができる。いくつかの実施形態では、識別子は、電子デバイスの製造業者によって提供され得る(例えば、国際携帯電話端末識別情報(IMEI)番号)。いくつかの実施形態では、識別子は、IMEI番号の一部(例えば、最後の5桁のみ)であり得る。
【0112】
各タイムスロットの持続時間も、ブロードキャストメッセージ810内で指定することができる。タイムスロットの各々の数及び持続時間を指定することによって、モバイルデバイス804、806は、いくつかの異なる定義された時間期間から選択して測距を行い、同じチャネル上のメッセージ間の衝突によるメッセージの欠落の可能性を低減することができる。モバイルデバイス804、806が、応答メッセージ830に応答して開始モバイルデバイス802から肯定応答メッセージ834を受信できないことは、2つのデバイスが同じタイムスロット中で送信していることのインジケーションであり得る。同じタイムスロット中に応答メッセージ830を再び再送信するだけではなく、リスニング窓812中の時間的により遅い異なるタイムスロットが、測距を行うためにデバイスによって選択され得る。このようにして、同じタイムスロット中に測距動作を行う複数のデバイス804、806による潜在的な衝突を低減することができる。
【0113】
開始モバイルデバイス802は、タイムスロット0 816においてプロセスを開始するためにブロードキャストメッセージ810を送信することができる。リスニング窓812及び対応するタイムスロットは、ブロードキャスト送信が完了した直後に開始することができる。
【0114】
測距ラウンド808のためのパラメータは、ブロードキャストメッセージ810を介して、開始モバイルデバイス802から複数のコンピューティングデバイスに通信され得る。例えば、図8は、リスニング窓812中のタイムスロット-1 818からタイムスロット-M 822を示す。Mは、2より大きい整数であり得る。タイムスロットの数は、測距セッションに参加しているデバイスの数に関連し得る。参加するデバイスの数が増加するにつれて、タイムスロットの数も増加するはずである。
【0115】
初期タイムスロット816に続いて、リスニング窓812が始まる。リスナ窓812は、コンピューティングデバイスが開始デバイス802との測距を行うための指定された時間を提供するために、複数の重複しないタイムスロット(例えば、タイムスロット-1 818からタイムスロット-M 824)に分割され得る。タイムスロットは、デバイス804、806が開始モバイルデバイス802と測距を行うための指定された時間窓を提供する。デバイス804、806は、開始デバイス802からタイムスロットの数及び持続時間などの測距ラウンドパラメータを受信することができる。これらのパラメータから、デバイス804、806の各々は、開始モバイルデバイス802との測距を行うためにタイムスロットを独立して選択することができる。いくつかの状況下では、2つ以上のデバイス804、806が同じタイムスロットを選択する可能性があり、その結果、衝突に起因して望ましくない欠落メッセージが生じる。したがって、デバイス804、806は、衝突の可能性を低減するために、ランダムに又は擬似ランダムに測距を行うためのタイムスロットを選択することができる。タイムスロットは、ブロードキャストメッセージ810の開始モバイルデバイスの送信からの時間期間に時間的に基づくことができる。いくつかの実施形態では、リスニング窓812は、20~40個のタイムスロットを含むことができる。タイムスロットの持続時間は、ミリ秒(ms)のオーダーであり得る。
【0116】
タイムスロットは、デバイス804、806が開始モバイルデバイス802との測距セッションを行う機会を提供する。ブロードキャストメッセージ810を受信すると、デバイス804、806の1つ以上のプロセッサは、ブロードキャストメッセージ810において定義された複数のタイムスロットのうちの1つのタイムスロットを選択するためのルーチンを実行する。選択されたタイムスロットは、デバイス804、806のメモリに記憶することができる。タイムスロットの選択については後述する。
【0117】
選択されたタイムスロット中に、デバイス804、806は、応答メッセージ830を開始モバイルデバイス802に送信する。応答メッセージ830は、開始モバイルデバイス802がデバイス804、806を識別するために必要とする情報を含むことができる。加えて、応答メッセージは、開始モバイルデバイス802の識別子など、応答メッセージ830を開始モバイルデバイス802にリンクするための情報を含むことができる。応答メッセージ830はまた、デバイス804、806の1つ以上のプロセッサによって計算され得る、開始モバイルデバイス802とデバイス804、806との間の推定距離を含むことができる。
【0118】
選択されたタイムスロット中に、応答メッセージ830を受信すると、開始モバイルデバイス802の1つ以上のプロセッサは、開始モバイルデバイス802とデバイス804、806との間の第1の距離を計算することができる。第1の距離は、デバイス802、804が応答しているタイムスロットを認識することによって計算することができる。開始モバイルデバイス802は、タイムスロットが開始するときを知っており、タイムスロットの開始から応答メッセージ830の受信までの持続時間を計算することができる。持続時間は、開始モバイルデバイス802とデバイス804、806との間の第1の距離に関連する。第1の距離は、持続時間に光速(c)を掛けることによって計算することができる。いくつかの実施形態では、開始モバイルデバイス802による処理時間は、応答メッセージ830を受信及び処理する際の任意の遅延を考慮するために、持続時間から減算されることができる。
【0119】
選択されたタイムスロット中に、開始モバイルデバイス802は、肯定応答メッセージ834をデバイス804、806に送信することができる。肯定応答メッセージ834は、応答メッセージ830が開始モバイルデバイス802によって受信されたことをデバイス804、806に通知する。いくつかの実施形態では、肯定応答メッセージ834は、開始モバイルデバイス802の識別子、デバイス804、806の識別子、開始モバイルデバイス802とデバイス804、806との間の第1の距離、及び遅延時間などの情報を含むことができる。
【0120】
いくつかの状況下では、同じチャネル上で送信されたメッセージ間の衝突は、開始モバイルデバイス802が応答メッセージ830を受信しないこと、又はデバイス804、806が肯定応答メッセージ834を受信しないことをもたらし得る。デバイス804、806は、それが送信した応答メッセージ830に応答して肯定応答メッセージを受信していないと判定することができる。これらの状況では、デバイス804は、第2の応答メッセージ838を送信するために第2のタイムスロットを選択することができる。第2の応答メッセージ838のためのタイムスロット824は、ランダムに又は擬似ランダムに選択され得る。第2の応答メッセージ838を受信することに応答して、開始モバイルデバイス802は、第2の肯定応答メッセージ840をデバイス804に送信することができる。第2の肯定応答メッセージ840は、第2の応答メッセージ638が開始モバイルデバイス802によって受信されたことをデバイス804、806に通知する。いくつかの実施形態では、第2の肯定応答メッセージ840は、開始モバイルデバイス802の識別子、デバイス804、806の識別子、開始モバイルデバイス802とデバイス804、806との間の第1の距離、及び遅延時間などの情報を含むことができる。いくつかの状況下では、第2の肯定応答メッセージは、メッセージ間の衝突のために受信されないことがある。この場合、デバイス間の測距のために第3のタイムスロットを選択することができる。このプロセスは、全てのデバイス804、806が開始モバイルデバイス802から肯定応答メッセージを受信するまで継続することができる。
【0121】
リスニング窓812に続いて、測距ラウンド808は、非アクティブ期間814を含む。非アクティブ期間814は、開始デバイス802及び応答デバイス804、806上の電力を保存するために、測距ラウンド808間に時間遅延を提供する。非アクティブ遅延が存在しない場合、測距ラウンドはあまりに頻繁に発生する可能性があり、その結果、デバイスの電力消費が増加する。非アクティブ期間はまた、複数のタイムスロット、例えば、タイムスロット-M+1 826及びタイムスロット-N 828に分割されることができる。様々な実施形態では、非アクティブ期間814中に1つのタイムスロットのみがあり得る。
【0122】
A.スロット選択
コンピュータネットワーキングにおいて、マルチキャストは、データ送信が宛先コンピュータのグループに同時にアドレス指定されるグループ通信である。マルチキャストは、1対多又は多対多の配信であり得る。マルチキャスト技術では、タイムスロットが割り当てられる。対照的に、ブロードキャストシナリオでは、タイムスロットは割り当てられない。ブロードキャスト状況では、開始モバイルデバイス802は、いくつの応答デバイス(例えば、デバイス804及びデバイス806)が存在するか、又は応答デバイスの識別情報が何であるかを知らない。
【0123】
デバイス804、806は、ブロードキャストメッセージ810送信を受信することができる。ブロードキャストメッセージ810を受信及び処理すると、モバイルデバイス804、806は、デバイス間の測距を行うために、応答メッセージ830を送信するためにブロードキャストメッセージ810中にリストされたタイムスロット(例えば、818~824)のうちの1つを選択することができる。デバイス804、806は、特定のタイムスロット818、820、822、824に割り当てられない。代わりに、デバイス804、806は、応答メッセージ830の送信のためにタイムスロット818、820、822、824のうちの1つを選択することができる。選択は、ランダム又は擬似ランダムに行うことができる。ランダム又は擬似ランダム選択は、チャネル上のメッセージの衝突に起因する欠落メッセージの量を低減する。
【0124】
図示のように、デバイス804はタイムスロット820を選択する。デバイス804は、タイムスロット-0 816中にブロードキャストメッセージ810を受信し、次いでタイムスロット-n(1)820の開始まで待機する。他のデバイスとの測距は、タイムスロット-1 818中の間に行われ得る。選択されたタイムスロット820の間に、デバイス804は応答メッセージ830を送信する。応答メッセージ830は、デバイス804の識別子(例えば、国際携帯電話端末識別情報(IMEI)番号)を含むことができる。
【0125】
デバイス804におけるブロードキャストメッセージ810の受信と応答メッセージ830の送信の時間との間の期間は、応答時間(D1)832として知られ得る。応答時間(D1)832は、ブロードキャストメッセージ810のコンテンツを受信及び処理し、応答メッセージ830を生成し、応答メッセージ830を送信するためのデバイス804における処理時間を含むことができる。応答時間(D1)832はまた、選択されたタイムスロットが始まるまでの待ち時間を含む。応答時間(D1)832は、受信(RX)から送信(TX)への時間と呼ぶこともできる。
【0126】
選択されたタイムスロット中に、開始モバイルデバイス802は、応答メッセージ830を受信することができる。開始モバイルデバイス802は、ブロードキャストメッセージ810送信時間(タイムスロット0における)と応答メッセージ830受信時間との間の時間差として、ラウンドトリップ時間(R1)を計算することができる。応答メッセージ830を受信することに応答して、開始モバイルデバイス802は、肯定応答メッセージ834を生成することができる。開始モバイルデバイス802はまた、応答メッセージ830の受信と肯定応答メッセージ834の送信との間の応答時間836(D2)を計算することができる。開始モバイルデバイス802は、ラウンドトリップ時間(R1)に光速(c)を乗算することによって、開始モバイルデバイス802とデバイス804との間の第1の距離を計算することができる。
【0127】
肯定応答メッセージ834は、開始モバイルデバイス802の識別子、デバイス804の識別子、ラウンドトリップ時間R1、第1の距離、及び応答時間836などの情報を含むことができる。開始モバイルデバイス802は、ラウンドトリップ時間(R1)及び応答時間(D2)832を使用して、開始モバイルデバイス802とデバイスA 804との間の粗い距離推定値を計算することができる。指定された期間内に応答することによって、開始モバイルデバイス802は、どのタイムスロット(818、820、822、824)が応答デバイスによって選択されたかを決定することができる。応答時間(D2)836は、肯定応答メッセージ834を送信するための開始モバイルデバイス802による特定の待機期間が存在しないので、応答時間(D1)832よりも短くなければならない。応答時間(D2)836は、開始モバイルデバイス802が応答メッセージ830を受信及び処理する時間と、開始モバイルデバイス802が肯定応答メッセージ834を生成及び送信するのにかかる時間とのみを含む。
【0128】
同様に、デバイス806は、タイムスロット-0 816においてブロードキャストメッセージ810を受信することができる。デバイスB 806は、タイムスロットn(2)822において応答メッセージ830を送信することによって応答することができる。開始モバイルデバイス802は、デバイス806から応答メッセージ835を受信し、タイムスロットn(2)822内で肯定応答メッセージを生成して送信することができる。応答メッセージ835に含まれる情報は、上記で説明した情報応答メッセージ830のタイプと同様であり得る。肯定応答メッセージ837に含まれる情報は、上記で説明した肯定応答メッセージ834に含まれる情報のタイプと同様であり得る。合計M個のタイムスロットのうちの他のタイムスロットもまた使用され得る。
【0129】
デバイス804又はデバイス806が肯定応答メッセージ834又は肯定応答メッセージ837の受信に失敗した場合、送信されたメッセージ間に衝突があったと推定することができる。パケット衝突が発生すると、パケットは廃棄されるか、又はそれらの発信局に送り返され、その後、更なる衝突を回避するために時間制約付きシーケンスで再送信される。パケット衝突は、パケット完全性の損失をもたらす可能性があり、又はネットワークの性能を妨げる可能性がある。パケット衝突は、開始モバイルデバイス802又はデバイス804、806が距離を計算することに失敗することをもたらし得る。デバイスは、単一の離散周波数を使用することができる単一のチャネル上で測距を行う。開始モバイルデバイス802又はデバイス804、806が同時に同じチャネル上で通信している場合、他のデバイス間の干渉は、交換中に望ましくないデータ衝突をもたらす。デバイス804、806のいずれかが肯定応答メッセージ834又は肯定応答メッセージ837を受信しない場合、デバイス804、806は、第2の応答メッセージ838を送信するようにプログラムされ得る。選択されたタイムスロット内に十分な時間が残っている場合、最初に選択されたタイムスロット内で第2の応答メッセージを送信することができる。いくつかの実施形態では、デバイス804、806は、第2の応答メッセージ835を送信するために異なるタイムスロット(例えば、タイムスロット-M 824)を選択することができる。この場合、開始モバイルデバイス802は、第2の肯定応答メッセージ840を送信することができる。第2の肯定応答メッセージ838は、第1の肯定応答メッセージ834について上記で説明したのと同じタイプの情報を含むことができる。更なる衝突の場合、第2の肯定応答メッセージ840がデバイスによって受信されるまで、このプロセスを繰り返すことができる。
【0130】
B.距離計算
図9は、開始デバイス902とコンピューティングデバイス904との間の測距交換のための簡略化されたタイムライン900を示す。時間t0906において、開始デバイス902は、ブロードキャストメッセージを送信することができる。ブロードキャストメッセージは、時間t1908においてコンピューティングデバイス904によって受信され得る。ある時間後のt2910において、デバイス904は、応答メッセージを開始デバイス902に送信することができる。応答時間(D1)912は、t1908とt2910との間の経過時間であり得る。応答時間(D1)912は、ブロードキャストメッセージを処理し、応答メッセージを生成及び送信する際の任意の遅延を含むことができる。応答時間(D1)912はまた、選択されたタイムスロットが開始するのを待つ遅延を含むことができる。
【0131】
応答メッセージは、時間t3914において開始デバイス902によって受信され得る。ラウンドトリップ時間(R1)916は、t0906とt3914との間の経過時間として計算することができる。いくつかの実施形態では、デバイス904は、開始デバイス902に送信されるデータパケットに含まれる情報の一部として、応答時間(D1)912を含めて送信することができる。開始デバイス902は、ラウンドトリップ時間(R1)916から応答時間(D1)912を減算することによって、飛行時間(TOF)を計算することができる。開始デバイス902は、開始デバイス902とデバイス904との間の粗い距離を計算することができ、TOFに光速c又は毎秒299、794、458メートルの固定速度を乗算することによって計算することができる。
【0132】
応答メッセージを受信すると、開始デバイス902は、時間t5918において肯定応答メッセージを生成し、送信する。応答時間(D2)は、t5918とt3914との間の経過時間を含むことができる。応答時間(D2)は、応答メッセージを受信し、肯定応答メッセージを生成し、送信するための処理時間を含むことができる。いくつかの実施形態では、肯定応答メッセージは、ラウンドトリップ時間(R1)916及び応答時間(D2)920などの情報を含むことができる。
【0133】
肯定応答メッセージは、時間t4922においてデバイス904によって受信され得る。デバイス904は、肯定応答メッセージを受信することができる。いくつかの実施形態では、デバイス904は、ラウンドトリップ時間(R1)916、応答時間(D1)912、及び応答時間(D2)920を含む肯定応答メッセージを受信して、開始デバイス902とデバイス904との間の正確な範囲を計算することができる。デバイス904は、ラウンドトリップ時間(R2)924から応答時間(D2)920を減算することによって、飛行時間(TOF)又は時間差を計算することができる。計算信号が光速cで移動するとき、デバイス904と開始デバイス902との間の正確な距離は、光速にTOFを乗算することによって決定することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、デバイス904は、時間t6926においてデバイス904から測距メッセージを送信することができる。測距メッセージは、ラウンドトリップ時間(R2)924及び応答時間(D1)912を含むことができる。開始デバイス902は、開始デバイス902とデバイス904との間の正確な距離を計算するために測距メッセージを受信することができる。
【0135】
デバイス904によって受信された肯定応答メッセージは、応答メッセージを送信したデバイスの識別子を判定するためにチェックされ得る。デバイス904は、異なる識別子を有する肯定応答メッセージを無視する。
【0136】
いくつかの実施形態では、第3の送信は、デバイス904から開始デバイス902に送信されることができる。いくつかの実施形態では、第3の送信は、飛行時間(TOF)計算を含むことができる。
【0137】
複数のデバイスの各デバイスは、同様に、開始デバイス902からのデバイス904の距離を判定することができる。複数のデバイスは、それらの選択されたタイムスロットを互いに通信しない。結果として、1つ以上のデバイスは、同じタイムスロットを選択し得る。デバイスは同じ周波数で情報パケットを送信するので、データパッケージ間で衝突が発生し、データが失われる可能性がある。参加デバイスの数が多いほど、デバイスが同じタイムスロットを選択する可能性が高くなり、データパッケージ間の衝突の数が増加する可能性がある。逆に、参加デバイスの数が少ないほど、衝突及び失われたデータが存在する可能性が低くなる。
【0138】
いくつかの実施形態では、測距ラウンド内のタイムスロットの数は変動し得る。タイムスロットの数は、衝突の数に基づいて増加することができる。前に説明したように、開始モバイルデバイスの近傍にあるコンピューティングデバイスの数は、衝突の数に影響を及ぼす可能性がある。より多くの衝突が検出されると、スロットの数は、デバイスの数を収容するために増加され得る。より少ない衝突が検出されるにつれて、スロットの数は、開始モバイルデバイスのための電力要件を低減するために減少され得る。
【0139】
C.スケジュールのシーケンス図
図10は、例示的なシーケンス図1000の一部を示す。例示的なシーケンス図1000では、デバイスの最大数(K)は10であり、チャネルの数(N)は4である。例示的なシーケンス図1000では、4パケット交換は、イニシエータデバイスとレスポンダデバイスの両方において正確な範囲情報を提供することができる。例えば、第1のタイムスロット1004の場合、デバイス1は測距交換のイニシエータであり、デバイス2はレスポンダデバイスである。例示的なシーケンス図1000は、合計12個の行1002を有することができる。例示的なシーケンス図1000は、合計48個のタイムスロットを有することができ、各タイムスロットは、持続時間がそれぞれ約2.5ミリ秒である。各タイムスロット中に、測距動作(1006、1008、1010、及び1012)の最大4つのパケットが発生することができる。測距シーケンス1014全体は、120ミリ秒持続することができ、8.3Hzの測定レートをもたらす。
【0140】
図10に示されるように、デバイス2は、デバイス1からデバイス2への交換(1,2)において応答デバイスであるが、その後、ペア(2,3)交換において、デバイス2はイニシエータデバイスになる。デバイス2は、デバイス1からタイミング情報を伝搬することができる。それは、それが(1,2)交換においてデバイス1のポーリングパケットを受信した時間を順方向投影することによって、(2,3)交換においてそのポーリングパケットを送信する。デバイス1を除く各デバイスは、ペア(x,J)においてイニシエータとして動作するとき、ペア(l,x)においてポーリングパケットを最後に受信したときの順方向投影である時間に、そのポーリングパケットを送信しなければならず、デバイスlは、それがレスポンダデバイスとして距離を定めた最も最近のデバイスである。デバイス1(コーディネータ)は、常に、この構成のイニシエータであり、したがって、測距スケジュール内の全てのペアワイズ交換のタイミングを確立する。
【0141】
D.多対多測距技法
図11は、1つ以上のモバイルデバイスによって実行される測距技法のための例示的なフローチャートを示す。方法1100は、他のモバイルデバイスの各々に対する3つ以上のモバイルデバイスの空間的関係を決定するために使用され得る。前述の動作を実行するための1つ以上の命令は、1つ以上のプロセッサによって実行され得る非一時的コンピュータ可読媒体に記憶され得る。
【0142】
1102において、本技法は、スケジュールを記憶することを含むことができる。スケジュールは、測距パケットを送信するための送信時間を指定することができる。スケジュールは、1つ以上のモバイルデバイスのメモリに記憶され得る。スケジュールは、複数の応答タイムスロットを定義するためにタイミング信号からの複数の時間遅延を含むことができる。
【0143】
様々な実施形態では、スケジュールは、開始デバイスの近傍にある任意のモバイルデバイスを発見し、それとの測距を実行するための初期タイムスロット及び複数の応答スロットを含むことができる測距ラウンドを定義することができる。
【0144】
1104において、本技法は、いくつかの応答タイムスロット中に2つ以上の参加モバイルデバイスから応答を受信するためのいくつかの応答タイムスロットを指定することを含むことができる。応答スロットの各々は、複数の応答スロットのうちの他のものと時間的に重複しない。開始デバイスは、応答スロットの数、総測距時間、タイムスロットの各々の持続時間、非アクティブ期間のためのタイムスロットの数、及び非アクティブ期間のための総時間を決定することができる。いくつかの実施形態では、測距ラウンドを定義することは、応答スロットを修正することを含む。
【0145】
1106において、本技法は、ある間隔で第1の無線プロトコルを介して第1のモバイルデバイスについてのデバイス情報を備えるアドバタイジングパケットを送信することを含むことができる。間隔は、ランダム又は擬似ランダムであり得る。様々な実施形態において、第1の無線プロトコルは、低電力無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)ローエナジーのアドバタイジング信号)であり得る。アドバタイジングパケットの送信は、第1の無線プロトコル信号の範囲内の1つ以上のモバイルデバイスによって受信され得るペアワイズ測距セッションを確立するための要求であり得る。アドバタイジングパケットのための送信スケジュールは、ランダム又は擬似ランダムに送信され得る。1つ以上の受信デバイスは、アドバタイジングパケットを受信することができる。アドバタイジングパケットは、送信デバイスの識別に関する情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、アドバタイジングパケットは、測距パケットの送信のためのスケジュールを含むことができる。1つ以上の受信デバイスは、測距パケットの送信時間を計算するために、タイミング信号としてアドバタイジングパケットを使用することができる。
【0146】
1108において、本技法は、スケジュールに従って第2の無線プロトコルを介して測距パケットを送信することを含むことができる。測距パケットは、図6に示される測距メッセージ602a~jに対応することができる。測距パケットは、任意の数の応答スロットで送信することができ、スロット1に限定されない。測距要求は、超広帯域プロトコル(UWB)を使用することができる。測距要求は、複数の応答スロットを有する測距ラウンドに関連付けられ得る。複数の応答スロットの各々は、複数の応答スロットのうちの他のものと時間的に重複しない。応答スロットは、発信ペアワイズ測距セッションを確立するための要求の送信後、所定の時間間隔で設定され得る。測距要求は、開始デバイスの開始デバイス識別子に関連付けられ得る。このようにして、デバイスは、開始デバイスからのみ生じる測距要求に対する応答を制限することができる。測距要求は、利用可能なスロットの数に関する情報を含むことができる。いくつかの実施形態では、測距要求は、測距ラウンドのためのタイムスロットの長さ又は持続時間に関する情報を含むことができる。開始デバイスは、コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン)であり得る。
【0147】
測距パケットは、1つ以上のモバイルデバイスに応答するためのスケジュールを含むことができる。スケジュールは、測距メッセージの受信に続く1つ以上の時間遅延を含むことができる。応答デバイスは、モバイルデバイスに応答するために応答タイムスロットのうちの1つをランダムに選択することができる。応答メッセージは、測距メッセージの受信時間を含むことができる。応答メッセージは、応答メッセージの識別子を含むことができる。応答メッセージは、第1のモバイルデバイスと第2のモバイルデバイスとの間の大まかな測距計算を含むことができる。応答モバイルデバイスは、測距メッセージ内の時間を使用して、開始モバイルデバイスと応答モバイルデバイスとの間のおおよその距離を計算することができる。
【0148】
様々な実施形態では、要求は、送信モバイルデバイスに関する情報(例えば、デバイス識別子)を含むことができる。要求は、ペアワイズ測距セッションを開始する要求の受信に続く時間遅延(Δt)を含むことができる。これは、受信モバイルデバイスが、開始モバイルデバイスから測距メッセージを受信するためのリスニング窓を決定することを可能にする。ペアワイズ測距セッションは、第2の無線プロトコルを使用して行われ得る。第2の無線プロトコルは、超広帯域送信であり得る。
【0149】
1110において、本技法は、第2の無線プロトコルを介して応答タイムスロット中に2つ以上の参加モバイルデバイスから2つ以上の応答を受信することを含むことができる。2つ以上の応答は、応答モバイルデバイスからの2つ以上の参加モバイルデバイスからの情報を含むことができる。様々な実施形態において、第2の無線プロトコルは、超広帯域プロトコルである。様々な実施形態では、2つ以上の応答の各応答は、応答モバイルデバイスの各々の識別子を含む。第1の応答スロットは、図8に示されるようにタイムスロット-n(1)820を含むことができる。第1の応答メッセージは、図8に示す応答メッセージ830に対応することができる。第1の応答メッセージは、応答メッセージを送信した第1のデバイスの識別子を含むパケット情報であり得る。識別子はIMEI番号であってもよい。第1の応答メッセージはまた、応答時間(D1)又はブロードキャストメッセージの受信から第1の応答メッセージの送信までの経過時間を含むことができる。応答時間(D1)は、選択されたタイムスロットの開始を待つ任意の遅延を含むことができる。応答時間(D1)はまた、ブロードキャストメッセージを受信及び処理し、第1の応答メッセージを処理及び送信するための任意の処理時間を含むことができる。第1の応答メッセージはまた、デバイスの1つ以上のプロセッサによって計算された開始モバイルデバイスまでの距離のおおよその推定値を含むことができる。第1の応答メッセージはまた、開始デバイスの識別子を含むことができる。
【0150】
1112において、本技法は、2つ以上の応答モバイルデバイスから受信された応答の数に少なくとも部分的に基づいて、応答モバイルデバイスの数を決定することを含むことができる。2つ以上の応答デバイスは、第1のモバイルデバイスと同様の通信ステップを実行するように構成することができる。応答デバイスの数はメモリに記憶することができる。様々な実施形態では、応答モバイルデバイスの各々の識別子をメモリに記憶することができる。
【0151】
1114において、本技法は、第1の無線プロトコルを介して応答モバイルデバイスから送信された2つ以上のアドバタイジングパケットを受信することを含むことができる。2つ以上のアドバタイジングパケットは、開始デバイスに関する情報を含むことができる。2つ以上のアドバタイジングパケットは、測距セッションのためのスケジュールを含むことができる。応答モバイルデバイスは、1つ以上の応答タイムスロットを決定するために、アドバタイジングパケットを使用することができる。
【0152】
1116において、本技法は、第2の無線プロトコルを介して応答モバイルデバイスに応答を送信することを含むことができる。第2の無線プロトコルは、超広帯域無線プロトコルであり得る。応答メッセージは、応答デバイスの識別子を含むことができる。様々な実施形態において、応答メッセージは、開始デバイスの識別子を含むことができる。開始モバイルデバイスと応答モバイルデバイスとの間の距離は、測距メッセージの送信と肯定応答メッセージの受信との間のラウンドトリップ時間を計算し、任意の処理遅延を減算することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、測距動作は、開始モバイルデバイスと応答モバイルデバイスとの間のメッセージの2つ以上の交換を有し得る。複数のメッセージ交換は、メッセージのうちの1つが欠落した場合であっても、距離決定を可能にする。
【0153】
1118において、本技法は、第2の無線プロトコルを介して応答モバイルデバイス間に確立された対称通信リンクの数を決定することを含むことができる。対称通信リンクは、第1のモバイルデバイスと応答モバイルデバイスのうちの1つとの間にあり得る。
【0154】
各測距セッションは、デバイス間の複数のペアワイズメッセージ交換を含むことができる。各測距セッションについて、1つのモバイルデバイスが開始デバイスである。開始デバイスは測距メッセージを送信する。測距セッションにおける第2のモバイルデバイスは、応答デバイスである。応答モバイルデバイスは、測距メッセージを受信し、応答メッセージを送信する。応答メッセージは、応答デバイスの識別子を含むことができる。いくつかの実施形態では、応答メッセージは、応答の時間を含むことができる。開始モバイルデバイスは、応答メッセージを受信し、デバイス間の距離を計算することができる。様々な実施形態では、複数のペアワイズメッセージ交換が測距セッション中に行われ得る。
【0155】
様々な実施形態では、第1のモバイルデバイスは、第2のモバイルデバイスとのペアワイズメッセージ交換において、開始デバイス及び応答デバイスの両方として働くことができる。これらの測距セッションは、対称リンクと見なすことができる。第1のペアワイズメッセージ交換は、第1のデバイスと第2のデバイスとの間の距離を判定するのに十分であり得るので、2つの測距セッションのうちの1つは冗長であると見なされ得る。冗長リンクは、デバイスの各々から必要とされる追加の電力をもたらし、追加の測距メッセージが同じ周波数帯域幅におけるデータパケット衝突の数を増加させ得るので、非効率的である。
【0156】
1120において、本技法は、応答モバイルデバイス間に確立された対称通信リンクのうちの1つ以上の冗長通信リンクを決定することを含むことができる。冗長通信リンクは、第1のモバイルデバイスと応答モバイルデバイスのうちの1つとの間の第2の対称通信リンクを備える。
【0157】
いくつかの実施形態では、本技法は、冗長リンクの非効率性を維持することができる。様々な実施形態では、1つのモバイルデバイスは、1つ以上の冗長測距セッションを低減するために負荷を通信するために、帯域内又は帯域外プロトコルを使用して他のモバイルデバイスに通信することができる。様々な実施形態では、信号強度は、冗長測距セッションのうちのどれをプルーニングすべきかを決定するために使用され得る。デバイスは、冗長測距セッションのうちのどれをプルーニングするかをランダムに選択することができる。モバイルデバイスの特性(例えば、メディアアクセス制御(MAC)アドレス)は、どの測距セッションをプルーニングするかを決定するために使用され得る。様々な実施形態では、共通基準は、モバイルデバイスの識別子(例えば、IMEI)を含むことができる。共通基準は、モバイルデバイスの識別子の一部を含むことができる。
【0158】
1122において、本技法は、第1のモバイルデバイスと応答モバイルデバイスのうちの1つとの間に確立された1つ以上の冗長通信リンクのうちの1つを、応答モバイルデバイスのうちの1つと協調して終了させることを含むことができる。終了することは、測距パケットの送信を停止する命令を開始モバイルデバイスに提供することを含むことができる。
【0159】
図11に例示された特定のステップは、本開示の様々な実施形態による、多対多通信技術のための特定の技術を提供することが理解されるであろう。また、代替的実施形態によると、ステップの他のシーケンスもまた実行し得る。例えば、本発明の代替的実施形態では上記のステップを異なった順序で実行し得る。更に、図11で説明されている個々のステップは、その個々のステップにおいて適切な様々な順序で実行し得る複数の副ステップを含んでもよい。更に、特定の用途によって、ステップを追加したり削除したりしてもよい。当業者であれば、多くの変形、修正、及び代替案を認識するであろう。
【0160】
V.通信を実行するためのモバイルデバイス
図12は、本開示の実施形態による、測距を実行するように動作可能なモバイルデバイス1200の構成要素のブロック図である。モバイルデバイス1200は、上記で説明したように、少なくとも2つの異なる無線プロトコルのためのアンテナを含む。第1の無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標))は、認証及び測距設定の交換のために使用され得る。第2の無線プロトコル(例えば、UWB)は、別のモバイルデバイスとの測距を実行するために使用され得る。
【0161】
示されるように、モバイルデバイス1200は、測距を実行するためのUWBアンテナ1210を含む。UWBアンテナ1210は、UWBアンテナ1210から検出された信号を分析するためのUWB回路1215に接続される。いくつかの実施形態では、モバイルデバイス1200は、例えば三角測量を実行するために、3つ以上のUWBアンテナを含む。異なるUWBアンテナは、異なる向き、例えば、1つの方向に2つ、別の方向に第3の向きを有することができる。UWBアンテナの向きは、測距のための視野を画定することができる。一例として、視野は120度に及ぶことができる。そのような規制は、ユーザがデバイスを、1つ以上の他の近くのデバイスに対してどの方向に向けているかの決定を可能にすることができる。視野は、ピッチ角、ヨー角、又はロール角のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。
【0162】
UWB回路1215は、UWBメッセージからの情報を使用して更なる処理を実行することができる常時オンプロセッサ(AOP)1230と通信することができる。例えば、AOP1230は、UWB回路1215によって提供されるタイミングデータを使用して測距計算を実行することができる。AOP1230及びデバイスの他の回路は、例えばファームウェア又は他のソフトウェアを介して、専用回路及び/又は構成可能回路を含むことができる。
【0163】
示されるように、モバイルデバイス1200はまた、他のデバイスとデータを通信するためのBluetooth(BT)/Wi-Fiアンテナ1220を含む。Bluetooth(登録商標)(BT)/Wi-Fiアンテナ1220は、BT/Wi-Fiアンテナ1220からの検出信号を分析するためのBT/Wi-Fi回路1225に接続される。例えば、BT/Wi-Fi回路1225は、メッセージを解析してデータ(例えば、認証タグ)を取得することができ、データはAOP1230に送信することができる。いくつかの実施形態では、AOP1230は、認証タグを使用して認証を実行することができる。したがって、AOP1230は、認証プロセスの一部として、受信されたタグを比較するための認証タグのリストを記憶又は検索することができる。いくつかの実装形態では、そのような機能は、BT/Wi-Fi回路1225によって達成され得る。
【0164】
他の実施形態では、UWB回路1215及びBT/Wi-Fi回路1225は、代替的に又は追加的に、AOP1230と同様の機能を実行することができるアプリケーションプロセッサ1240に接続することができる。アプリケーションプロセッサ1240は、典型的には、AOP1230よりも多くの電力を必要とし、したがって、アプリケーションプロセッサ1240がスリープ状態、例えば、オフ状態に留まることができるように、AOP1230が特定の機能を処理することによって電力を節約することができる。一例として、アプリケーションプロセッサ1240は、BT/Wi-Fiを使用してオーディオ又はビデオを通信するために使用することができ、AOP1230は、そのようなコンテンツの送信と、UWB回路1215とBT/Wi-Fi回路1225との間の通信とを調整することができる。例えば、AOP1230は、BTアドバタイズメントに対してUWBメッセージのタイミングを調整することができる。
【0165】
AOP1230による調整は様々な利点を有することができる。例えば、送信デバイスの第1のユーザは、別のユーザとコンテンツを共有することを望む場合があり、したがって、この他のユーザの受信デバイスとの測距が望まれる場合がある。しかしながら、多くの人々が同じ部屋にいる場合、送信デバイスは、部屋の中の複数のデバイスの中から特定のデバイスを区別し、送信デバイスがどのデバイスを指しているのかを潜在的に判定する必要があり得る。そのような機能は、AOP1230によって提供することができる。更に、部屋内の他の全てのデバイスのアプリケーションプロセッサをウェイクアップすることは望ましくなく、したがって、他のデバイスのAOPは、メッセージの何らかの処理を実行し、宛先アドレスが異なるデバイスのためのものであることを判定することができる。
【0166】
測距を実行するために、BT/Wi-Fi回路1225は、別のデバイスからのアドバタイズメント信号を分析して、他のデバイスが、例えば、コンテンツを共有するためのプロセスの一部として測距を実行することを望むことを判定することができる。BT/Wi-Fi回路1225は、この通知をAOP1230に通信することができ、AOP1230は、他のデバイスからのUWBメッセージを検出する準備ができるようにUWB回路1215をスケジュールすることができる。
【0167】
測距を開始するデバイスの場合、そのAOPは測距計算を実行することができる。更に、AOPは、他のデバイス間の距離の変化を監視することができる。例えば、AOP1230は、距離を閾値と比較し、距離が閾値を超えたときに警報を提供することができ、又は2つのデバイスが十分に接近したときにリマインダを潜在的に提供することができる。前者の例は、子供(及びおそらく子供のデバイス)が遠く離れすぎているときに親が警告を受けたいときであり得る。後者の例は、人が、他のデバイスのユーザに話すときに何かを提示するように促されたいときであり得る。AOPによるこのような監視は、アプリケーションプロセッサによる電力消費を低減することができる。
【0168】
VI.例示的なデバイス
図13は、例示的な電子デバイス1300のブロック図である。デバイス1300は、一般的に、コンピュータ可読媒体1302と、処理システム1304と、入出力(I/O)サブシステム1306と、無線回路1308と、スピーカ1350及びマイクロフォン1352を含むオーディオ回路1310とを備える。これらの構成要素は、1つ以上の通信バス又は信号ライン1303によって結合することができる。デバイス1300は、ハンドヘルド型コンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイル電話、ラップトップコンピュータ、タブレットデバイス、メディアプレーヤ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、キーフォブ、自動車のキー、アクセスカード、多機能デバイス、モバイル電話、ポータブルゲーミングデバイス、ヘッドセットなど(これらの物品のうちの2つ以上の組み合わせを含む)を含む、任意のポータブル電子デバイスとすることができる。
【0169】
図13に示すアーキテクチャは、デバイス1300に対するアーキテクチャの一例に過ぎず、デバイス1300は、図示したものよりも多い構成要素、若しくはより少ない構成要素、又は異なる構成の構成要素を有することができることが明らかである。図13に示す種々の構成要素は、1つ以上の信号処理回路及び/若しくは特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア並びにソフトウェアの双方の組み合わせとして実装することができる。
【0170】
無線回路1308を用いて、無線リンク又はネットワークを介して、アンテナシステム、無線周波数(RF)送受信機、1つ以上の増幅器、チューナ、1つ以上のオシレータ、デジタル信号プロセッサ、コーデックチップセット、メモリなど、1つ以上の他のデバイスの従来の回路と情報を送受信する。無線回路1308は、例えば、本明細書で説明するような種々のプロトコルを用いることができる。様々な実施形態において、無線回路1308は、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標))、拡張データGSM環境(EDGE)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、ロングタームエボリューション(LTE)、ロングタームエボリューション(LTE)アドバンスト、Wi-Fi(米国電気電子技術者協会(IEEE)802.11a、IEEE 802.11b、IEEE 802.11g及び/又はIEEE 802.11nなど)、Bluetooth、Wi-MAX、ボイスオーバインターネットプロトコル(VoIP)、近距離無線通信プロトコル(NFC)、電子メール、インスタントメッセージング及び/又はショートメッセージサービス(SMS)のためのプロトコル、又は本文書の出願日時点でまだ開発されていない通信プロトコルを含む任意の他の適切な通信プロトコル、を含む1つ以上の通信プロトコルを使用して、他のデバイスとの通信を確立及び維持することができる。
【0171】
無線回路1308は、周辺機器インターフェース1316を介して処理システム1304に結合されている。周辺インターフェース1316は、周辺機器と処理システム1304との間に通信を確立して維持するために、従来の構成要素を含むことができる。無線回路1308が(例えば、発話認識アプリケーション又は音声コマンドアプリケーションにおいて)受信した音声及びデータ情報を、周辺機器インターフェース1316を介して1つ以上のプロセッサ1318に送信する。1つ以上のプロセッサ1318は、媒体1302上に記憶された1つ以上のアプリケーションプログラム1334に対する種々のデータフォーマットを処理するように構成可能である。
【0172】
周辺インターフェース1316は、デバイス1300の入出力周辺機器を、1つ以上のプロセッサ1318及びコンピュータ可読媒体1302に結合する。1つ以上のプロセッサ1318は、コントローラ1320を介してコンピュータ可読媒体1302と通信する。コンピュータ可読媒体1302は、1つ以上のプロセッサ1318が使用するためのコード及び/又はデータを記憶できる任意のデバイス又は媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体1302は、キャッシュ、主メモリ、及び補助メモリを含むメモリ階層を含むことができる。このメモリ階層は、RAM(例えば、スタンダードランダムアクセスメモリ(SRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、ダブルデータランダムアクセスメモリ(DDRAM))、読み出し専用メモリ(ROM)、FLASH、ディスクドライブ、磁気テープ、CD(コンパクトディスク)、及びDVD(デジタルビデオディスク)などの磁気記憶装置及び/又は光記憶装置の、任意の組み合わせを使用して実装することができる。一部の実施形態では、周辺インターフェース1316、1つ以上のプロセッサ1318、及びコントローラ1320は、処理システム1304などの単一のチップ上に実装することができる。いくつかの他の実施形態では、それらは、別個のチップ上で実装されてもよい。
【0173】
プロセッサ1318は、数学演算、論理演算、データ操作演算、データ転送演算、ユーザ入力の受信の制御、ユーザへの情報の出力の制御など、1つ以上の処理機能を実行するハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素を含むことができる。プロセッサ1318は、1つ以上のハードウェアプロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)などとして具現化することができる。
【0174】
デバイス1300はまた、種々のハードウェア構成要素に電力を供給する電力システム1342を含む。電力システム1342は、電力管理システム、1つ以上の電源(例えば、電池、交流(AC))、再充電システム、停電検出回路、電力コンバータ又はインバータ、電力状態インジケータ(例えば、発光ダイオード(LED))、並びにモバイルデバイス内での電力の生成、管理、及び分配に典型的に関連付けられる任意の他の構成要素、を含むことができる。
【0175】
いくつかの実施形態では、デバイス1300はカメラ1344を含む。いくつかの実施形態では、デバイス1300はセンサ1346を含む。センサには、加速度計、コンパス、ジャイロメータ、圧力センサ、音声センサ、光センサ、気圧計などを含むことができる。センサ1346を使用して、場所の聴覚サイン又は光サインなどの場所の様相を感知することができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、デバイス1300は、GPSユニット1348と呼ばれることもあるGPS受信機を含むことができる。モバイルデバイスは、全地球測位システム(GPS)などの衛星航法システムを用いて、位置情報、タイミング情報、高度、又は他のナビゲーション情報を取得することができる。動作中に、GPSユニットは、地球の周りを軌道を描いて回るGPS衛星から信号を受信することができる。GPSユニットは信号を分析して移動時間及び距離推定を行う。GPSユニットはモバイルデバイスの現在位置(現在場所)を判定することができる。これらの推定に基づいて、モバイルデバイスは、場所固定、高度、及び/又は現在速度を判定することができる。場所固定は、緯度情報及び経度情報などの地理座標例とすることができる。
【0177】
開始モバイルデバイスは、無線プロトコル(例えば、Bluetoothローエナジー(BLE)アドバタイジング)を介してタイミング信号を送信することができる。BLEの利点の1つは、他の低電力技術と比較しても電力消費が少ないことである。BLEは、無線を可能な限りオフに保ち、低転送速度で少量のデータを送信することによって、最適化された低電力を達成する。BLEの別の利点は、それが市場のほとんどのスマートフォンで使用可能であることである。
【0178】
1つ以上のプロセッサ1318は、媒体1302に記憶された様々なソフトウェア構成要素を実行して、デバイス1300のための様々な機能を実行する。いくつかの実施形態では、ソフトウェア構成要素は、オペレーティングシステム1322、通信モジュール(又は命令セット)1324、場所決めモジュール(又は命令セット)1326、本明細書で説明する測距動作の一部として使用される測距モジュール1328、及び他のアプリケーションプログラム(又は命令セット)1334を含む。
【0179】
オペレーティングシステム1322は、iOS、MacOS、Darwin、リアルタイムオペ-レーティングシステム(RTXC)、LINUX、UNIX、OSX、WINDOWS、又はVxWorksなどの組み込みオペレーティングシステムを含む、任意の好適なオペレーティングシステムとすることができる。オペレーティングシステムは、一般的なシステムタスク(例えば、メモリ管理、記憶デバイス制御、電力管理など)を制御及び管理するための、手順、命令セット、ソフトウェア構成要素、及び/又は運転手を含むことができ、種々のハードウェア構成要素とソフトウェア構成要素との間の通信を容易にする。
【0180】
通信モジュール1324は、1つ以上の外部ポート1336を介した、又は無線回路1308を介した、他のデバイスとの通信を容易にし、無線回路1308及び/又は外部ポート1336から受信したデータを取り扱うための様々なソフトウェア構成要素を含む。外部ポート1336(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)、FireWire(登録商標)、ライトニングコネクタ、60ピンコネクタなど)は、他のデバイスに直接的に結合するか、又はネットワーク(例えば、インターネット、無線LANなど)を介して間接的に結合するように適応されている。
【0181】
場所決め/動きモジュール1326は、現在位置(例えば、座標又は他の地理的場所識別子)及びデバイス1300の動きを判定することを支援することができる。最新の位置決定システムは、全地球測位システム(GPS)、「セルID」に基づくセルラーネットワーク位置決定、及びWi-Fiネットワークに基づくWi-Fi位置決定技術などの衛星ベースの位置決定システムを含む。またGPSは、複数の衛星が見えることに基づいて位置推定値を判定する。衛星は屋内又は「ビルの谷間」では見えない(又は信号が弱い)場合がある。いくつかの実施形態では、場所決め/動きモジュール1326は、GPSユニット1348からデータを受信して信号を分析して、モバイルデバイスの現在位置を判定する。いくつかの実施形態では、場所決め/動きモジュール1326は、Wi-Fi又はセルラー場所決め技術を使用して現在場所を判定することができる。例えば、モバイルデバイスの場所を、近くのセルサイト及び/又はWi-Fiアクセスポイントの知識を用いて、またそれらの場所の知識を用いて推定することができる。Wi-Fi又はセルラー送信機を識別する情報は、無線回路1308で受信され、場所決め/動きモジュール1326に伝達される。いくつかの実施形態では、場所決めモジュールは1つ以上の送信機IDを受信する。いくつかの実施形態では、一連の送信機IDを参照データベース(例えば、セルIDデータベース、Wi-Fi参照データベース)と比較することができる。参照データベースは、送信機IDを対応する送信機の位置座標にマッピングするか又は相関させて、対応する送信機の位置座標に基づいてデバイス1300に対する推定位置座標を計算する。使用する特定の場所決め技術とは関係なく、場所/動きモジュール1326は、場所固定を導き出すことができる情報を受信し、その情報を解釈して、地理座標、緯度/経度、又は他の場所固定データなどの場所情報を返すことができる。
【0182】
測距モジュール1328は、測距メッセージを、例えば、無線回路1308に接続されているアンテナへ送信/アンテナから受信することができる。様々な目的のため、例えば、デバイスの送信アンテナを識別するため、別のデバイスからモバイルデバイス1300までの距離を判定するためにメッセージのタイムスタンプを判定するため、メッセージを使用することができる。測距モジュール1328は、デバイスの様々なプロセッサ、例えば、常時オンプロセッサ(AOP)、UWBチップ、及び/又はアプリケーションプロセッサ上に存在することができる。例えば、測距モジュール1328の一部は、AOP上の距離を判定することができ、測距モジュールの別の部分は、共有モジュールと対話して、例えば、ユーザがデータ項目を共有する他のデバイスを選択するために、スクリーン上に他のデバイスの位置を表示することができる。測距モジュール1328はまた、別のモバイルデバイスからの距離に基づいて警報を提供することができるリマインダモジュールと対話することができる。
【0183】
デバイス1300上の1つ以上のアプリケーション1334は、限定することなく、ブラウザ、アドレス帳、連絡先リスト、電子メール、インスタントメッセージング、ソーシャルネットワーキング、ワードプロセッシング、キーボードエミュレーション、ウィジェット、JAVA対応アプリケーション、暗号化、デジタル著作権管理、音声認識、音声複製、音楽プレーヤ(MP3又はadvanced audio codec(AAC)ファイルなどの1つ以上のファイルに記録された音楽を再生する)などを含む、装置1300上にインストールされた任意のアプリケーションを含むことができる。
【0184】
グラフィックスモジュール、時間モジュールなどの他のモジュール又は命令セット(図示せず)があってもよい。例えば、グラフィックスモジュールは、グラフィックオブジェクト(限定することなく、テキスト、ウェブページ、アイコン、デジタル画像、アニメーションなどを含む)をレンダリングし、アニメ-ションし、及びディスプレイ面上に表示するための従来の種々のソフトウェア構成要素を含むことができる。別の例では、タイマモジュールはソフトウェアタイマとすることができる。またタイマモジュールをハードウェアに実装することもできる。時間モジュールは、任意の数の事象に対して種々のタイマを維持することができる。
【0185】
I/Oサブシステム1306をディスプレイシステム(図示せず)に結合することができる。ディスプレイシステムはタッチ感知ディスプレイとすることができる。ディスプレイはユーザに対する視覚出力をGUIに表示する。この視覚出力は、テキスト、グラフィック、ビデオ、及びこれらの任意の組み合わせを含むことができる。視覚出力の一部又は全ては、ユーザインターフェースオブジェクトに対応することができる。ディスプレイは、LED(発光ダイオード)、LCD(液晶ディスプレイ)技術、又はLPD(発光ポリマーディスプレイ)技術を用いることができるが、他の実施形態では他のディスプレイ技術を用いることができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、I/Oサブシステム1306は、ディスプレイ、並びにキーボード、マウス、及び/又はトラックパッドなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、I/Oサブシステム1306は、タッチ感知ディスプレイを含むことができる。またタッチ感知ディスプレイは、触知接触及び/又は触覚接触に少なくとも部分的に基づくユーザからの入力を受け入れることができる。いくつかの実施形態では、タッチ感知ディスプレイは、ユーザ入力を受け入れるタッチ感知面を形成する。タッチ感知ディスプレイ/タッチ感知面は(コンピュータ可読媒体1302内の任意の関連するモジュール及び/又は命令セットと共に)、タッチ感知ディスプレイ上の接触(及び、いずれかの動き又は接触の解除)を検出し、検出した接触を、接触が生じたときにタッチスクリーン上に表示されるユーザインターフェースオブジェクト(例えば、1つ以上のソフトキー)との対話に変換する。いくつかの実施形態では、タッチ感知ディスプレイとユーザとの間の接触点はユーザの1本以上の指に対応する。ユーザは、スタイラス、ペン、指などの任意の好適な物体又は付属物を用いてタッチ感知ディスプレイと接触することができる。タッチ感知ディスプレイ面は、任意の好適なタッチ感度技術を用いて接触並びにその任意の動き又は解除を検出することができる。タッチ感度技術としては、容量性、抵抗性、赤外線、及び表面弾性波技術、並びに他の近接センサアレイ又は他の要素であって、タッチ感知ディスプレイとの1つ以上の接触点を判定するものが挙げられる。
【0187】
更に、電力制御、スピーカ音量制御、着信音量、キーボード入力、スクローリング、ホールド、メニュー、スクリーンロック、通信をクリアにして終了することなどの種々の機能を制御又は実行するために、I/Oサブシステム1306を、プッシュボタン、キー、スイッチ、ロッカボタン、ダイアル、スライダスイッチ、スティック、LEDなどの1つ以上の他の物理的制御デバイス(図示せず)に結合することができる。いくつかの実施形態では、タッチスクリーンに加えて、デバイス1300は、特定の機能をアクティブ化又は非アクティブ化するためのタッチパッド(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、タッチパッドは、タッチスクリーンとは異なり、視覚出力を表示しない、デバイスのタッチ感知エリアである。タッチパッドは、タッチ感知ディスプレイとは別個のタッチ感知面、又はタッチ感知ディスプレイによって形成されたタッチ感知面の延長部分とすることができる。
【0188】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明した動作の一部又は全部を、ユーザのデバイス上で実行するアプリケーションを用いて実行することができる。回路、ロジックモジュール、プロセッサ、及び/又は他の構成要素を、本明細書で説明した種々の動作を実行するように構成してもよい。当業者には、そのような設定を、実装形態に応じて、具体的な構成要素の設計、セットアップ、相互接続、及び/又はプログラミングを通じて実現することができ、また、同様に実装形態に応じて、構成されている構成要素は、異なる動作のために再構成可能であってもよいし又は再構成可能でなくてもよいことが理解されるであろう。例えば、プログラマブルプロセッサを、好適な実行可能コードを提供することによって構成することができ、専用の論理回路を、論理ゲートと他の回路素子とを好適に接続することによって構成することができる。
【0189】
本出願で説明したソフトウェア構成要素又は機能のいずれかを、例えば、Java、C、C++、C#、Objective-C、Swift、又はPerl又はPythonなどのスクリプト言語、など、任意の好適なコンピュータ言語を用いて、例えば、従来の又はオブジェクト指向の技術を用いて、プロセッサによって実行すべきソフトウェアコードとして実装してもよい。ソフトウェアコードを、記憶及び/又は送信するためにコンピュータ可読媒体上に一連の命令又はコマンドとして記憶してもよい。好適な非一時的コンピュータ可読媒体としては、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードドライブ若しくはフロッピーディスクなどの磁気媒体、又はコンパクトディスク(CD:compact disk)若しくはDVD(digital versatile disk、デジタル多用途ディスク)などの光学媒体、フラッシュメモリ、などを挙げることができる。コンピュータ可読媒体は、このような記憶デバイス又は送信デバイスの任意の組み合わせであってもよい。
【0190】
本開示の様々な特徴を組み込むコンピュータプログラムは、様々なコンピュータ可読記憶媒体上にエンコードされてもよく、好適な媒体は、磁気ディスク又はテープ、コンパクトディスク(CD)又はデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学記憶媒体、及びフラッシュメモリなどを含む。プログラムコードで符号化されるコンピュータ可読記憶媒体を、互換性のあるデバイスと共にパッケージ化するか、又は他のデバイスとは別個に提供してもよい。加えて、プログラムコードは、インターネットを含む、様々なプロトコルに準拠する有線ネットワーク及び/又は無線ネットワークを介して、符号化して送信してもよいため、例えばインターネットダウンロードを介して、配信が可能となる。任意のこのようなコンピュータ可読媒体は、単一のコンピュータ製品(例えば、ソリッドステートドライブ、ハードドライブ、CD、又はコンピュータシステム全体)上に又はその内部にあってもよく、システム又はネットワーク内の異なるコンピュータ製品上に又はその内部に存在してもよい。コンピュータシステムは、本明細書で述べた結果のいずれかをユーザに提供する、モニタ、プリンタ、又は他の好適なディスプレイを含んでもよい。
【0191】
上述したように、本技術の一態様は、認証タグ及びタグが導出されるデータを含むデータの収集、共有、及び使用である。本開示は、いくつかの場合には、この収集されたデータが、特定の人を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人に連絡する若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含み得ることを考察する。そのような個人情報データとしては、人口統計データ、ロケーションベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、自宅の住所、ユーザの健康又はフィットネスのレベル(例えば、バイタルサイン測定値、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、又は任意のその他の識別情報若しくは個人情報を挙げることができる。
【0192】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報データの使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、個人情報データは、別のデバイスを認証するために使用することができ、逆に、どのデバイス測距動作が実行され得るかを制御するために使用することができる。更に、ユーザに利益をもたらす個人情報データに関する他の使用も本開示によって意図されている。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために共有することができ、又は、ウェルネスの目標を追求する技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0193】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、アメリカ合衆国では、特定の健康データの収集又はそれへのアクセスは、医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律(HIPAA)等の、連邦法及び/又は州法によって管理されてもよく、その一方で、他国における健康データは、他の規制及びポリシーの対象となり得るものであり、それに従って対処されるべきである。それゆえ、各国の異なる個人データのタイプに関して、異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0194】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、コンテンツを共有して測距を行う場合、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択できるように構成されることができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリのダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0195】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。加えて、かつ、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。非特定化は、適切な場合には、特定の識別子(例えば、生年月日など)を除去すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを住所レベルよりも都市レベルで収集すること)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、データをユーザ全体にわたって集約すること)及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0196】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データの使用を広範に網羅するものであるが、本開示はまた、そのような個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することも可能であることを想到する。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。
【0197】
本開示が特定の実施形態に関して説明されてきたが、本開示は、以下の請求項の範囲内にある全ての修正物及び均等物に及ぶことが意図されていることを理解されたい。
【0198】
本明細書で言及される全ての特許、特許出願、刊行物、及び記載は、全ての目的のために、その全体が参照により組み込まれる。従来技術であると認められるものはない。
【0199】
したがって、明細書及び図面は、限定的でなく、例示的な意味で考慮されるべきである。しかし、特許請求の範囲に明記されているような本開示のより広い主旨及び範囲から逸脱することなく、それらに対して種々の修正及び変更がなされてよいということは明らかであろう。
【0200】
その他の変形は、本開示の主旨の範囲に含まれる。したがって、開示された技術は、様々な修正及び代替の構造の影響を受けやすいが、開示された技術の特定の実施形態例が図面において示され、上で詳細に説明された。しかし、本開示を、開示された特定の1つ以上の形態に限定するような意図はなく、反対に、その意図は、添付の特許請求の範囲において定義されるような本開示の主旨及び範囲内に含まれる、全ての修正、代替の構造、及び等価物を包含するものであることが理解されるべきである。
【0201】
開示された実施形態を説明することとの関連において(特に、以下の特許請求の範囲との関連において)、用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「この(the)」及び類似の指示の使用は、本明細書において特に示されない限り、又は文脈によって明確に否定されない限り、単数形及び複数形の両方を包含していると解釈されるべきである。用語「含んでいる(comprising)」、「含んでいる(having)」、「含んでいる(including)」、及び「含んでいる(containing)」は、特に断りのない限り、無制限の用語である(つまり、「~を含むが、それに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。用語「接続される(connected)」は、何らかが介在している場合でも、部分的又は完全に含まれているか、取り付けられているか、又は一緒に結合されていると解釈されるべきである。「に基づいて」という句は、オープンエンドであり、決して限定するものではないと理解されるべきであり、適切な場合、「に少なくとも部分的に基づいて」と解釈されるか、又は他の方法で読まれることが意図される。本明細書における値の範囲の記述は、本明細書において特に示されない限り、単に、その範囲に含まれる個別の値を個々に参照することを短縮する方法として役立つように意図されており、個別の値は、本明細書において個別に記述されたかのように本明細書に包含される。本明細書に記載された全ての方法は、本明細書において特に示されない限り、又は文脈によって特に明確に否定されない限り、任意の適切な順序で実行され得る。本明細書において提供される全ての例の使用、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に、本開示の実施形態をより適切に明らかにするよう意図されており、特に請求されない限り、本開示の範囲に対して制限を課すものではない。本明細書におけるどの言語も、本開示の実践にとって不可欠であるとして請求されていないいずれかの要素を示していると解釈されるべきではない。「又は(or)」を用いた場合、特に反対の記載がない限り、「排他的論理和(含まずに「又は」)」ではなく「包含的論理和(含んで「又は」)」を意味することが意図されている。「第1の」構成要素に言及した場合、必ずしも第2の構成要素が提供されるとは限らない。また、「第1の」構成要素又は「第2の」構成要素への言及は、明記がない限り、言及した構成要素を特定の位置に限定しない。用語「~に基づいて(based on)」は「~に少なくとも部分的に基づいて(based at least in part on)」を意味することが意図されている。
【0202】
「X、Y、又はZのうちの少なくとも1つ」という語句などの離接的言語は、特に具体的に述べられない限り、項目、用語などが、X、Y、又はZのいずれか、あるいはこれらの任意の組み合わせ(例えば、X、Y、及び/又はZ)であってよいということを提示するために一般に使用されるような文脈内で理解される。したがって、そのような離接的言語は、通常、特定の実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、又はZのうちの少なくとも1つがそれぞれ存在することを必要としていることを意味するよう意図されておらず、そのようなことを意味するべきではない。更に、「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という句などの接続語は、別段に具体的に述べられていない限り、X、Y、Z、又は「X、Y、及び/又はZ」を含むそれらの任意の組合せを意味することも理解されたい。
【0203】
本開示を実行するための、発明者に知られた最良の方法を含む、本開示の好ましい実施形態が本明細書に記載されている。前述の説明を読むときに、これらの好ましい実施形態の変形が、当業者に明らかになることがある。本発明者は、当業者がそのような変形を必要に応じて使用することを予期しており、本発明者は、本開示が本明細書に具体的に記載された方法とは別の方法で実践されることを意図している。したがって、本開示は、適用法によって許可されているように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記述された対象の全ての修正及び等価物を含む。更に、本開示の全てのあり得る変形における前述の要素の任意の組み合わせが、本明細書において特に示されない限り、又は文脈によって特に明確に否定されない限り、本開示によって包含される。
【0204】
本明細書において引用された公開文献、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が参照によって包含されていると、個別に、かつ具体的に示された場合と同じ程度まで、及び本明細書において全体的に明記された場合と同じ程度まで、参照によって本明細書に包含されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のモバイルデバイスを含むモバイルデバイスのグループであって、前記モバイルデバイスのグループが3つ以上のモバイルデバイスを含む、モバイルデバイスのグループの通信を調整する方法であって、前記方法が、前記第1のモバイルデバイスによって、
記モバイルデバイスのグループの他のモバイルデバイスとの測距セッションを確立する要求を送信することと、
前記モバイルデバイスのグループ中の1以上の前記他のモバイルデバイスの各々から、前記他のモバイルデバイスとの測距セッションを確立する要求を受信することと、
1つ以上の冗長測距セッションを検出することと、
基準に基づいて、前記1つ以上の冗長測距セッションの少なくとも1つを維持するか又は終了するかを識別することと、
前記他のモバイルデバイスとの残りの測距セッションを使用して測距を実行することと、を実行することを含む、方法。
【請求項2】
前記基準は、前記モバイルデバイスのグループ間で共有される共通基準である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記共通基準が、前記モバイルデバイスのグループの各々についての識別子の少なくとも一部分を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
記測距セッションを確立するための前記要求が、前記測距セッションのための応答タイムスロットを同期させるために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記応答タイムスロットが、前記測距セッションを確立するための前記要求の送信後に所定の時間間隔で設定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記1つ以上の冗長測距セッションが、2つのモバイルデバイスと前記モバイルデバイスのグループとの間の2つ以上の対称リンクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1のモバイルデバイスによって実行される多対多通信技術の方法であって、前記方法が、
測距パケットを送信するための送信時間を指定するスケジュールを記憶することと、
つ以上の参加モバイルデバイスから複数の応答を受信するための応答タイムスロットを指定することと、
前記スケジュールに従って、測距パケットを送信することと、
記応答タイムスロット中に前記2つ以上の参加モバイルデバイスから2つ以上の応答を受信することと、
前記2つ以上の参加モバイルデバイスの少なくとも1つに応答を送信することと、
参加モバイルデバイス間に確立された対称通信リンクであって、対称通信リンクが、前記第1のモバイルデバイスと前記参加モバイルデバイスのうちの1つとの間にある、対称通信リンクの数を決定することと、
前記参加モバイルデバイス間に確立された前記対称通信リンクのうちの1つ以上の冗長通信リンクであって、冗長通信リンクが、前記第1のモバイルデバイスと前記参加モバイルデバイスのうちの前記1つとの間の第2の対称通信リンクを含む、1つ以上の冗長通信リンクを決定することと、
前記第1のモバイルデバイスと前記参加モバイルデバイスのうちの1つとの間に確立された前記1つ以上の冗長通信リンクのうちの1つを終了させることと、を含む、方法。
【請求項8】
前記応答タイムスロットが、前記測距パケットの送信後、所定の時間間隔で設定される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記測距パケットが、前記参加モバイルデバイス間の距離を判定するために使用されるタイミング情報を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記測距パケットの受信時間が、1つ以上の応答モバイルデバイスからの到来角を計算するために使用される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
対称通信リンクが、1つ以上の双方向データパケット交換を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
複数の命令を含むコンピュータプログラムであって、前記複数の命令は、他のモバイルデバイスを含むN個のモバイルデバイスのグループの1つ以上のプロセッサによって実行されると、Nは3以上の整数であり、前記1つ以上のプロセッサに、
請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム
【請求項13】
コンピューティングデバイスであって、
1つ以上のメモリと、
請求項1乃至11の何れか1項に記載の方法の動作を実行するために、前記1つ以上のメモリと通信し、該1つ以上のメモリに記憶された複数の命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサと
を備えるコンピューティングデバイス。
【外国語明細書】