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特開2024-41747新規な免疫活性インターロイキン2アナログ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041747
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】新規な免疫活性インターロイキン2アナログ
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/26 20060101AFI20240319BHJP
   C07K 14/55 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240319BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
C12N15/26
C07K14/55 ZNA
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202447
(22)【出願日】2023-11-30
(62)【分割の表示】P 2022559531の分割
【原出願日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0039476
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】515022445
【氏名又は名称】ハンミ ファーマシューティカル カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】オ ウ リム
(72)【発明者】
【氏名】キム サン ユン
(72)【発明者】
【氏名】ホ ヨン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】パク チョ ロン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジュン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】リュ ヒュン ス
(57)【要約】      (修正有)
【課題】毒性及び副作用を減少させると共に服用量を減少させることのできるインターロイキン2アナログを提供する。
【解決手段】インターロイキン2α受容体結合力が変化し、インターロイキン2β受容体結合力が増大したインターロイキン2アナログを提供する。また、前記インターロイキン2アナログをコードする、分離された核酸、前記核酸を含む組換え発現ベクター、及び前記ベクターを含む形質転換体を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルデスロイキン(aldesleukin)に比べてインターロイキン2β受容体結合力が増大したインターロイキン2アナログ(analog)であって、前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、125番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸の少なくとも1つが変異した配列を含む、インターロイキン2アナログ。
【請求項2】
前記インターロイキン2アナログは、インターロイキン2α受容体に対する結合力がアルデスロイキンとは異なることを特徴とする、請求項1に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項3】
前記133番目の位置に相当するアミノ酸に少なくとも1つのアミノ酸が付加されたものである、請求項1に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項4】
前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものである、請求項1に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項5】
前記インターロイキン2アナログは、1個~10個のアミノ酸置換をさらに含む、請求項4に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項6】
前記インターロイキン2アナログは、18番目、19番目、20番目、22番目、38番目、42番目、43番目、45番目、61番目、68番目、69番目、74番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目及び96番目の少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸にさらに置換されたものである、請求項5に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項7】
前記インターロイキン2アナログは、18番目、19番目、22番目、38番目、42番目、43番目、45番目、61番目、68番目、74番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、88番目、91番目、92番目、94番目及び96番目の少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸にさらに置換されたものである、請求項6に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項8】
前記インターロイキン2アナログは、次のアナログのいずれかである、請求項1に記載のインターロイキン2アナログ。
(a)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び32番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(b)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び35番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(c)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び38番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(d)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(e)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び43番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(f)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び48番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(g)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び49番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(h)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び76番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(i)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(j)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び87番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(k)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(l)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び80番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(m)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(n)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、19番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(o)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、12番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(p)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び61番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(q)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(r)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び88番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(s)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び89番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(t)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び91番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(u)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び94番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(v)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び126番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(w)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(x)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(y)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(z)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、61番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aa)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ab)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ac)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ad)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、20番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ae)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(af)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ag)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ah)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、88番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ai)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ak)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(al)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(am)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(an)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ao)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ap)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、45番目、80番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aq)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ar)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(as)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(at)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、69番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(au)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(av)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aw)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ax)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ay)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(az)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、69番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ba)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bb)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bc)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、19番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bd)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(be)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bf)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bg)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bh)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bi)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目及び95番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bk)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bl)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、43番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bm)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目、92番目及び95番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bn)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、82番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
【請求項9】
前記アミノ酸置換は、次のアミノ酸置換からなる群から選択されるいずれかである、請求項8に記載のインターロイキン2アナログ。
(a)12番目のアミノ酸のバリン又はフェニルアラニンへの置換
(b)18番目のアミノ酸のアルギニンへの置換
(c)19番目のアミノ酸のチロシン、バリン、フェニルアラニン、アルギニンへの置換
(d)20番目のアミノ酸のバリン又はフェニルアラニンへの置換
(e)22番目のアミノ酸のグルタミン酸への置換
(f)32番目のアミノ酸のシステインへの置換
(g)35番目のアミノ酸のシステイン又はグルタミン酸への置換
(h)38番目のアミノ酸のアラニン又はアスパラギン酸への置換
(i)42番目のアミノ酸のリシン、アラニン又はトリプトファンへの置換
(j)43番目のアミノ酸のシステイン、グルタミン酸又はグルタミンへの置換
(k)45番目のアミノ酸のアラニンへの置換
(l)48番目のアミノ酸のシステインへの置換
(m)49番目のアミノ酸のシステインへの置換
(n)61番目のアミノ酸のグルタミン、アルギニン又はアスパラギン酸への置換
(o)68番目のアミノ酸のアスパラギン酸又はグルタミンへの置換
(p)69番目のアミノ酸のグリシンへの置換
(q)74番目のアミノ酸のヒスチジン又はアラニンへの置換
(r)76番目のアミノ酸のシステインへの置換
(s)80番目のアミノ酸のフェニルアラニン、チロシン、バリン、アスパラギン酸又はトリプトファンへの置換
(t)81番目のアミノ酸のアスパラギン酸、グルタミン酸又はアスパラギンへの置換
(u)82番目のアミノ酸のグリシン又はバリンへの置換
(v)84番目のアミノ酸のグルタミン酸、バリン又はフェニルアラニンへの置換
(w)85番目のアミノ酸のバリン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、グルタミン酸又はフェニルアラニンへの置換
(x)86番目のアミノ酸のバリン、アラニン、グリシン又はロイシンへの置換
(y)87番目のアミノ酸のシステインへの置換
(z)88番目のアミノ酸のグルタミン、バリン又はフェニルアラニンへの置換
(aa)89番目のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換
(ab)91番目のアミノ酸のトレオニン、フェニルアラニン又はグルタミン酸への置換
(ac)92番目のアミノ酸のフェニルアラニン、ロイシン、チロシン又はトリプトファンへの置換
(ad)95番目のアミノ酸のアスパラギン酸への置換
(ae)96番目のアミノ酸のフェニルアラニン、バリン又はイソロイシンへの置換
(af)126番目のアミノ酸のトレオニンへの置換
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のインターロイキン2アナログをコードする、分離された核酸。
【請求項11】
請求項10に記載の核酸を含む、組換え発現ベクター。
【請求項12】
請求項11に記載の組換え発現ベクターを含む、ヒトを除く形質転換体。
【請求項13】
配列番号3~106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含む、インターロイキン2アナログ。
【請求項14】
下記一般式1で表されるアミノ酸配列を含む、インターロイキン2アナログ。
[一般式1]
X1-P-T-S-S-S-T-K-K-T-Q-L-Q-L-E-H-L-X18-X19-D-L-X22-M-I-L-N-G-I-N-N-Y-K-N-P-K-L-T-X38-M-L-T-X42-X43-F-X45-M-P-K-K-A-T-E-L-K-H-L-Q-C-L-E-X61-E-L-K-P-L-E-X68-V-L-N-L-A-X74-S-K-N-F-H-X80-X81-P-R-X84-X85-X86-S-N-I-N-X91-X92-V-X94-E-X96-K-G-S-E-T-T-F-M-C-E-Y-A-D-E-T-A-T-I-V-E-F-L-N-R-W-I-T-F-S-Q-S-I-I-S-T-L-T(一般式1,配列番号212)
前記一般式1において、
X1は欠失しており、
X18はロイシン(L)又はアルギニン(R)であり、
X19はロイシン(L)又はチロシン(Y)であり、
X22はグルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、
X38はアラニン(A)、アスパラギン酸(D)又はアルギニン(R)であり、
X42はアラニン(A)、フェニルアラニン(F)、リシン(K)又はトリプトファン(W)であり、
X43はグルタミン酸(E)、リシン(K)又はグルタミン(Q)であり、
X45はアラニン(A)又はチロシン(Y)であり、
X61はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)又はアルギニン(R)であり、
X68はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、
X74はヒスチジン(H)又はグルタミン(Q)であり、
X80はフェニルアラニン(F)、ロイシン(L)、バリン(V)又はチロシン(Y)であり、
X81はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)又はアルギニン(R)であり、
X84はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、
X85はアラニン(A)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、トリプトファン(W)又はチロシン(Y)であり、
X86はアラニン(A)、グリシン(G)、イソロイシン(I)又はバリン(V)であり、
X91はトレオニン(T)又はバリン(V)であり、
X92はフェニルアラニン(F)、イソロイシン(I)又はチロシン(Y)であり、
X94はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)であり、
X96はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)である。
【請求項15】
前記インターロイキン2アナログは、配列番号10、13、14、15、16、17、20、21、22、32、35、36、42、53、54、56、58、59、60、62、71、72、74、75、76、77、78、85、87、89、91、92、93、94、95、98、99、100、101、103、104、105及び106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含む、請求項14に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項16】
前記一般式1において、
X43はリシン(K)であり、
X45はチロシン(Y)であり、
X61はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、
X68はグルタミン酸(E)であり、
X74はグルタミン(Q)であり、
X80はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)であり、
X85はロイシン(L)、バリン(V)又はチロシン(Y)であり、
X86はイソロイシン(I)又はバリン(V)であり、
X92はフェニルアラニン(F)又はイソロイシン(I)である、請求項14に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項17】
前記インターロイキン2アナログは、配列番号10、13、14、16、17、20、21、22、32、35、36、42、53、54、87、89、91、92、93、94、98、99、100、101、103、104及び105のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含む、請求項16に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項18】
前記インターロイキン2アナログは、C末端に少なくとも1つのアミノ酸をさらに含む、請求項14に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項19】
下記一般式2で表されるアミノ酸配列を含む、インターロイキン2アナログ。
[一般式2]
X1-P-T-S-S-S-T-K-K-T-Q-L-Q-L-E-H-L-X18-L-D-L-X22-M-I-L-N-G-I-N-N-Y-K-N-P-K-L-T-X38-M-L-T-X42-K-F-Y-M-P-K-K-A-T-E-L-K-H-L-Q-C-L-E-X61-E-L-K-P-L-E-X68-V-L-N-L-A-Q-S-K-N-F-H-F-X81-P-R-D-X85-X86-S-N-I-N-V-F-V-L-E-L-K-G-S-E-T-T-F-M-C-E-Y-A-D-E-T-A-T-I-V-E-F-L-N-R-W-I-T-F-S-Q-S-I-I-S-T-L-T(一般式2,配列番号213)
X1は欠失しており、
X18はロイシン(L)又はアルギニン(R)であり、
X22はグルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、
X38はアラニン(A)又はアルギニン(R)であり、
X42はフェニルアラニン(F)又はリシン(K)であり、
X61はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、
X68はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、
X81はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、
X85はロイシン(L)又はバリン(V)であり、
X86はイソロイシン(I)又はバリン(V)である。
【請求項20】
前記インターロイキン2アナログは、配列番号22、42、53、87、105及び106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含む、請求項19に記載のインターロイキン2アナログ。
【請求項21】
前記インターロイキン2アナログは、C末端に少なくとも1つのアミノ酸をさらに含む、請求項19に記載のインターロイキン2アナログ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なインターロイキン2アナログに関する。
【背景技術】
【0002】
インターロイキン2(Interleukin 2)は、計133個のアミノ酸残基から構成される分子量約15kDaの重要な免疫刺激剤であり、T細胞、B細胞をはじめとする免疫系の様々な細胞を活性化する。インターロイキン2の免疫刺激剤としての高い効能は、癌、エイズをはじめとする様々な免疫関連疾患の治療に有用である(特許文献1)。現在、インターロイキン2(Proleukin(登録商標))は、転移性腎細胞癌及び転移性黒色腫の治療用としてFDAから承認された医薬である。しかし、高服用量のインターロイキン2療法には深刻な毒性が関連するので、適用できる患者が制限され、実際に適当な少数の患者に対してのみこの治療療法が行われている。インターロイキン2に関連する毒性には、高熱、吐気、嘔吐、血管漏出(vascular leak)、重い低血圧、肺浮腫及び肝損傷を引き起こす血管漏出症候群(Vascular leak syndrome)が含まれる。
【0003】
インターロイキン2受容体には、3種のサブユニット受容体がある。そのサブユニットは、α鎖(IL-2Rα,CD25)、β鎖(IL-2Rβ又はCD122)及びγ鎖(IL-2Rγ又はCD132)で形成されており、インターロイキン2が受容体サブユニットの様々な組み合わせに結合することにより、様々な機能を発揮することができる。単一のインターロイキン2α受容体は、低親和性インターロイキン2受容体であり、シグナル伝達には関与しない。インターロイキン2β及びγ受容体の複合体は、中程度の親和性でインターロイキン2に結合する。インターロイキン2α、β及びγ受容体の複合体は、高い親和性でインターロイキン2に結合する。インターロイキン2β及びγ受容体の複合体は、多重シグナル伝達経路のキナーゼ活性化による効果的なシグナル変換に必要である。特に、インターロイキン2β及びγ受容体の複合体は、CD8+細胞及びナチュラルキラー(NK)細胞において著しい。また、高い親和性を有するインターロイキン2α、β及びγ受容体の複合体は、通常見られるCD4+T調節細胞(Treg)のみならず、最近では、活性化したT細胞においても見られる。インターロイキン2β受容体は、CD8+T細胞又はナチュラルキラー細胞(NK cell)に分布して体内の免疫反応に関与するので、免疫活性化のためにβ受容体に対する活性向上により治療剤を開発する研究が行われている。
【0004】
一方、インターロイキン2には様々な免疫関連疾患の治療剤としての可能性があるにもかかわらず、毒性及び副作用を減少させると共に服用量を減少させることのできる薬剤が十分に存在しない状態であるので、新規かつ向上した薬剤に関する研究がさらに求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2017-0070091号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443-453
【非特許文献2】Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276-277
【非特許文献3】Pearson et al (1988)[Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85]: 2444
【非特許文献4】Devereux, J., et al, Nucleic Acids Research 12: 387 (1984)
【非特許文献5】Atschul, [S.] [F.,] [ET AL, J MOLEC BIOL 215]: 403 (1990)
【非特許文献6】Guide to Huge Computers, Martin J. Bishop, [ED.,] Academic Press, San Diego,1994
【非特許文献7】[CARILLO ETA/.](1988) SIAM J Applied Math 48: 1073
【非特許文献8】Smith and Waterman, Adv. Appl. Math (1981) 2:482
【非特許文献9】Needleman et al. (1970), J Mol Biol.48: 443
【非特許文献10】Schwartz and Dayhoff, eds., Atlas Of Protein Sequence And Structure, National Biomedical Research Foundation, pp. 353-358 (1979)
【非特許文献11】Gribskov et al(1986) Nucl. Acids Res. 14: 6745
【非特許文献12】J. Sambrook et al.,Molecular Cloning, A Laboratory Manual, 2nd Edition, Cold Spring Harbor Laboratory press, Cold Spring Harbor, New York, 1989
【非特許文献13】F.M. Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, Inc., New York,9.50-9.51, 11.7-11.8
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、インターロイキン2アナログを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記インターロイキン2アナログをコードする、分離された核酸、前記核酸を含む組換え発現ベクター、及び前記ベクターを含む形質転換体を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記インターロイキン2アナログを製造する方法を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、天然インターロイキン2において少なくとも1つのアミノ酸を変異させるステップを含む、インターロイキン2β受容体結合力を増大させる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様は、新規なインターロイキン2アナログ(interleukin 2 analog又はIL-2 analog)である。前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又はインターロイキン2アナログであるアルデスロイキン(aldesleukin)に比べて、インターロイキン2β受容体結合力が増大したインターロイキン2アナログであってもよく、前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において少なくとも1つのアミノ酸が変異した配列を含むものであってもよい。
【0012】
他の具体例として、前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、125番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸の少なくとも1つが変異した配列を含むことを特徴とする。
【0013】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて、インターロイキン2α受容体結合力が変化し、インターロイキン2β受容体結合力が増大したことを特徴とする。
【0014】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、前記133番目の位置に相当するアミノ酸に少なくとも1つのアミノ酸が付加されたことを特徴とする。
【0015】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された配列を含むことを特徴とする。
【0016】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、1個~10個のアミノ酸置換をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、18番目、19番目、20番目、22番目、38番目、42番目、43番目、45番目、61番目、68番目、69番目、74番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目及び96番目の位置に相当するアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸にさらに置換されたことを特徴とする。
【0018】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、18番目、19番目、22番目、38番目、42番目、43番目、45番目、61番目、68番目、74番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、88番目、91番目、92番目、94番目及び96番目の位置に相当するアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸にさらに置換されたことを特徴とする。
【0019】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、次のアナログのいずれかであることを特徴とする。
(a)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び32番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(b)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び35番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(c)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び38番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(d)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(e)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び43番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(f)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び48番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(g)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び49番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(h)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び76番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(i)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(j)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び87番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(k)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(l)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び80番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(m)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(n)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、19番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(o)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、12番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(p)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び61番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(q)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(r)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び88番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(s)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び89番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(t)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び91番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(u)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び94番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(v)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び126番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(w)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(x)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(y)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(z)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、61番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aa)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ab)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ac)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ad)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、20番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ae)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(af)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ag)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ah)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、88番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ai)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ak)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(al)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(am)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(an)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ao)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ap)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、45番目、80番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aq)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ar)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(as)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(at)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、69番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(au)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(av)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aw)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ax)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ay)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(az)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、69番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ba)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bb)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bc)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、19番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bd)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(be)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bf)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bg)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bh)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bi)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目及び95番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bk)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bl)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、43番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bm)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目、92番目及び95番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bn)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、82番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
【0020】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、次のアミノ酸置換からなる群から選択される少なくとも1つを含むことを特徴とする。
(a)12番目のアミノ酸のバリン又はフェニルアラニンへの置換
(b)18番目のアミノ酸のアルギニンへの置換
(c)19番目のアミノ酸のチロシン、バリン、フェニルアラニン、アルギニンへの置換
(d)20番目のアミノ酸のバリン又はフェニルアラニンへの置換
(e)22番目のアミノ酸のグルタミン酸への置換
(f)32番目のアミノ酸のシステインへの置換
(g)35番目のアミノ酸のシステイン又はグルタミン酸への置換
(h)38番目のアミノ酸のアラニン又はアスパラギン酸への置換
(i)42番目のアミノ酸のリシン、アラニン又はトリプトファンへの置換
(j)43番目のアミノ酸のシステイン、グルタミン酸又はグルタミンへの置換
(k)45番目のアミノ酸のアラニンへの置換
(l)48番目のアミノ酸のシステインへの置換
(m)49番目のアミノ酸のシステインへの置換
(n)61番目のアミノ酸のグルタミン、アルギニン又はアスパラギン酸への置換
(o)68番目のアミノ酸のアスパラギン酸又はグルタミンへの置換
(p)69番目のアミノ酸のグリシンへの置換
(q)74番目のアミノ酸のヒスチジン又はアラニンへの置換
(r)76番目のアミノ酸のシステインへの置換
(s)80番目のアミノ酸のフェニルアラニン、チロシン、バリン、アスパラギン酸又はトリプトファンへの置換
(t)81番目のアミノ酸のアスパラギン酸、グルタミン酸又はアスパラギンへの置換
(u)82番目のアミノ酸のグリシン又はバリンへの置換
(v)84番目のアミノ酸のグルタミン酸、バリン又はフェニルアラニンへの置換
(w)85番目のアミノ酸のバリン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、グルタミン酸又はフェニルアラニンへの置換
(x)86番目のアミノ酸のバリン、アラニン、グリシン又はロイシンへの置換
(y)87番目のアミノ酸のシステインへの置換
(z)88番目のアミノ酸のグルタミン、バリン又はフェニルアラニンへの置換
(aa)89番目のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換
(ab)91番目のアミノ酸のトレオニン、フェニルアラニン又はグルタミン酸への置換
(ac)92番目のアミノ酸のフェニルアラニン、ロイシン、チロシン又はトリプトファンへの置換
(ad)95番目のアミノ酸のアスパラギン酸への置換
(ae)96番目のアミノ酸のフェニルアラニン、バリン又はイソロイシンへの置換
(af)126番目のアミノ酸のトレオニンへの置換
【0021】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、配列番号3~106からなる群から選択されることを特徴とする。
【0022】
本発明の他の態様は、前記インターロイキン2アナログをコードする、分離された核酸、前記核酸を含む組換え発現ベクター、前記ベクターを含む形質転換体である。
【0023】
本発明のさらに他の態様は、前記インターロイキン2アナログを製造する方法である。
【0024】
本発明のさらに他の態様は、天然インターロイキン2において少なくとも1つのアミノ酸を変異させるステップを含む、インターロイキン2β受容体結合力を増大させる方法であり、前記変異は、天然インターロイキン2において、1番目、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、125番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸が変異したものであってもよい。
【0025】
本発明のさらに他の態様は、配列番号3~106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むインターロイキン2アナログである。
【0026】
本発明のさらに他の態様は、一般式1で表されるアミノ酸配列を含むインターロイキン2アナログである。
【0027】
[一般式1]
X1-P-T-S-S-S-T-K-K-T-Q-L-Q-L-E-H-L-X18-X19-D-L-X22-M-I-L-N-G-I-N-N-Y-K-N-P-K-L-T-X38-M-L-T-X42-X43-F-X45-M-P-K-K-A-T-E-L-K-H-L-Q-C-L-E-X61-E-L-K-P-L-E-X68-V-L-N-L-A-X74-S-K-N-F-H-X80-X81-P-R-X84-X85-X86-S-N-I-N-X91-X92-V-X94-E-X96-K-G-S-E-T-T-F-M-C-E-Y-A-D-E-T-A-T-I-V-E-F-L-N-R-W-I-T-F-S-Q-S-I-I-S-T-L-T(一般式1,配列番号212)
【0028】
一般式1において、X1は欠失しており、X18はロイシン(L)又はアルギニン(R)であり、X19はロイシン(L)又はチロシン(Y)であり、X22はグルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、X38はアラニン(A)、アスパラギン酸(D)又はアルギニン(R)であり、X42はアラニン(A)、フェニルアラニン(F)、リシン(K)又はトリプトファン(W)であり、X43はグルタミン酸(E)、リシン(K)又はグルタミン(Q)であり、X45はアラニン(A)又はチロシン(Y)であり、X61はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)又はアルギニン(R)であり、X68はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X74はヒスチジン(H)又はグルタミン(Q)であり、X80はフェニルアラニン(F)、ロイシン(L)、バリン(V)又はチロシン(Y)であり、X81はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)又はアルギニン(R)であり、X84はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X85はアラニン(A)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、トリプトファン(W)又はチロシン(Y)であり、X86はアラニン(A)、グリシン(G)、イソロイシン(I)又はバリン(V)であり、X91はトレオニン(T)又はバリン(V)であり、X92はフェニルアラニン(F)、イソロイシン(I)又はチロシン(Y)であり、X94はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)であり、X96はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)である。
【0029】
一具体例として、前記インターロイキン2アナログは、配列番号10、13、14、15、16、17、20、21、22、32、35、36、42、53、54、56、58、59、60、62、71、72、74、75、76、77、78、85、87、89、91、92、93、94、95、98、99、100、101、103、104、105及び106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むことを特徴とする。
【0030】
他の具体例として、一般式1において、X43はリシン(K)であり、X45はチロシン(Y)であり、X61はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、X68はグルタミン酸(E)であり、X74はグルタミン(Q)であり、X80はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)であり、X85はロイシン(L)、バリン(V)又はチロシン(Y)であり、X86はイソロイシン(I)又はバリン(V)であり、X92はフェニルアラニン(F)又はイソロイシン(I)であることを特徴とする。
【0031】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、配列番号10、13、14、16、17、20、21、22、32、35、36、42、53、54、87、89、91、92、93、94、98、99、100、101、103、104及び105のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むことを特徴とする。
【0032】
前述した具体例のいずれかによるインターロイキン2アナログは、C末端に少なくとも1つのアミノ酸をさらに含むことを特徴とする。
【0033】
本発明のさらに他の態様は、一般式2で表されるアミノ酸配列を含むインターロイキン2アナログである。
【0034】
[一般式2]
X1-P-T-S-S-S-T-K-K-T-Q-L-Q-L-E-H-L-X18-L-D-L-X22-M-I-L-N-G-I-N-N-Y-K-N-P-K-L-T-X38-M-L-T-X42-K-F-Y-M-P-K-K-A-T-E-L-K-H-L-Q-C-L-E-X61-E-L-K-P-L-E-X68-V-L-N-L-A-Q-S-K-N-F-H-F-X81-P-R-D-X85-X86-S-N-I-N-V-F-V-L-E-L-K-G-S-E-T-T-F-M-C-E-Y-A-D-E-T-A-T-I-V-E-F-L-N-R-W-I-T-F-S-Q-S-I-I-S-T-L-T(一般式2,配列番号213)
【0035】
一般式2において、X1は欠失しており、X18はロイシン(L)又はアルギニン(R)であり、X22はグルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、X38はアラニン(A)又はアルギニン(R)であり、X42はフェニルアラニン(F)又はリシン(K)であり、X61はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X68はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X81はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X85はロイシン(L)又はバリン(V)であり、X86はイソロイシン(I)又はバリン(V)である。
【0036】
一具体例として、前記インターロイキン2アナログは、配列番号22、42、53、87、105及び106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むことを特徴とする。
【0037】
他の具体例として、前記インターロイキン2アナログは、C末端に少なくとも1つのアミノ酸をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によるインターロイキン2アナログは、生体インターロイキン2β受容体結合力が増大したアナログであり、様々な用途に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】インターロイキン2アナログのインターロイキン2α受容体結合力を確認した結果を示す図である。(A)はインターロイキン2アナログ#86であり、(B)はインターロイキン2アナログ#104であり、(C)はインターロイキン2アナログ#105である。
図2】インターロイキン2アナログのインターロイキン2β受容体の結合力を確認した結果を示す図である。(A)はインターロイキン2アナログ#86であり、(B)はインターロイキン2アナログ#104であり、(C)はインターロイキン2アナログ#105である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。なお、本願で開示される各説明及び実施形態はそれぞれ他の説明及び実施形態にも適用される。すなわち、本願で開示される様々な要素のあらゆる組み合わせが本発明に含まれる。また、以下の具体的な記述に本発明が限定されるものではない。
【0041】
本明細書全体を通して、アミノ酸に対する通常の1文字及び3文字コードが用いられる。また、本明細書において略語で言及したアミノ酸は、IUPAC-IUB命名法に従って記載したものである。
アラニン A
アルギニン R
アスパラギン N
アスパラギン酸 D
システイン C
グルタミン酸 E
グルタミン Q
グリシン G
ヒスチジン H
イソロイシン I
ロイシン L
リシン K
メチオニン M
フェニルアラニン F
プロリン P
セリン S
トレオニン T
トリプトファン W
チロシン Y
バリン V
【0042】
本発明の一態様は、インターロイキン2アナログを提供する。本発明のインターロイキン2アナログは、インターロイキン2受容体に対する結合力が変更されたこと、特にインターロイキン2β受容体結合力が増大したことを特徴とする。具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又は公知のアルデスロイキンに比べて、インターロイキン2β受容体に対する結合力が増大したものであってもよく、より具体的には、インターロイキン2α受容体に対する結合力も変化(増加又は減少)したものであってもよい。
【0043】
本発明における「インターロイキン2(interleukin 2, IL-2)」とは、生体内免疫システムにおいてシグナルを伝達するサイトカインの一種である免疫調節剤を意味する。インターロイキン2は、一般に約15kDaの重要な免疫刺激剤として知られている。
【0044】
本発明における「インターロイキン2アナログ」とは、天然配列において少なくとも1つのアミノ酸が変異したものを意味し、特に本発明においては、天然のものに比べてインターロイキン2受容体に対する結合力が減少又は増加した、天然インターロイキン2のアミノ酸が変異したインターロイキン2アナログであってもよい。具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、非自然発生(non-naturally occurring)のものであってもよい。
【0045】
前記天然インターロイキン2は、ヒトインターロイキン2であってもよく、その配列は公知のデータベースなどから得られる。具体的には、配列番号1のアミノ酸配列であるが、これに限定されるものではない。
【0046】
本発明における、天然インターロイキン2が配列番号1のアミノ酸配列であるとは、配列番号1と同じ配列だけでなく、配列番号1と相同性80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列も本発明の天然インターロイキン2の範疇に含まれることを意味し、アミノ酸の変異位置は、配列番号1を基準に、相同性80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%以上の配列をアラインメント(align)したときに、配列番号1のアミノ酸配列に相当する位置が変異したことを意味する。
【0047】
本発明における、天然配列において少なくとも1つのアミノ酸が変異したものとは、天然インターロイキン2において少なくとも1つのアミノ酸に置換(substitution)、付加(addition)、欠失(deletion)、修飾(modification)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される改変が行われたものを意味する。
【0048】
具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、125番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸の少なくとも1つが変異した配列を含むものであってもよい。具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、さらに1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個又はそれ以上のアミノ酸置換を含むものであってもよい。125番目のアミノ酸であるシステインがセリンに置換されるが、これに限定されるものではなく、さらなる置換が起こるアミノ酸は、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸であるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
また、前記変異位置以外に、当該技術分野で公知のペプチドの安定性及び半減期延長のために行う程度のアミノ酸残基の置換、付加、欠失、修飾などを含むインターロイキン2アナログも本発明に含まれる。
【0050】
本発明における「アルデスロイキン(aldesleukin)」又は「インターロイキン2アナログ(aldesleukin)」とは、市販されているインターロイキン2アナログであるaldesleukin(商標名:Proleukin(登録商標))を意味し、具体的には、配列番号2のアミノ酸配列を有するものを意味する。本発明においては、「インターロイキン2アナログ1」と混用される。本発明によるインターロイキンアナログは、前記インターロイキン2アナログ1に比べて、変化したインターロイキン2α受容体結合力及び/又は増大したインターロイキン2β受容体結合力を有するものであってもよい。
【0051】
インターロイキン2α受容体は、インターロイキン2のシグナル伝達システムには関与しないことが知られているが、他のインターロイキン2受容体(β又はγ)とインターロイキン2の結合力を10倍~100倍増加させ、CD4+調節T細胞などに発現する。
【0052】
インターロイキン2β受容体は、CD8+T細胞又はナチュラルキラー細胞(NK cell)に主に分布しており、免疫反応とマクロファージ作用を活性化することを主な機能とするので、インターロイキン2β受容体の活性化により腫瘍アポトーシス及び身体の免疫反応の活性化が期待される。
【0053】
よって、本発明のインターロイキン2β受容体に対する結合力が増加したインターロイキン2アナログは、腫瘍抑制及び死滅などの治療効果を増大させ、副作用を減少させる効果を奏する。
【0054】
本発明における前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換された配列を含むものであってもよく、1~10個のアミノ酸変異をさらに含むものであってもよい。例えば、125番目のアミノ酸がセリンに置換され、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目及び126番目の少なくとも1つのアミノ酸が他のアミノ酸にさらに置換され、かつ/又は133番目のアミノ酸に少なくとも1つのアミノ酸が付加された配列を含むが、これらに限定されるものではなく、天然インターロイキン2及び/又はアルデスロイキンに比べて、インターロイキン2α受容体結合力が変化し、インターロイキン2β受容体結合力が増加したインターロイキン2アナログであればいかなるものでもよい。
【0055】
一例として、前記インターロイキン2アナログは、前記133番目の位置に相当するアミノ酸に少なくとも1つのアミノ酸が付加されたものであるが、これに限定されるものではない。本発明の目的上、前述したように付加されるアミノ酸は、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて、インターロイキン2α受容体結合力が変化し、インターロイキン2β受容体結合力が増大するものであれば、その種類や長さが制限されるものでなく、天然アミノ酸以外にも、非天然アミノ酸、化学的改変を含むアミノ酸が付加されてもよい。
【0056】
他の例として、前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、18番目、19番目、20番目、22番目、38番目、42番目、43番目、45番目、61番目、68番目、69番目、74番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸のうち1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又はそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものであるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
さらに他の例として、前記インターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、18番目、19番目、22番目、38番目、42番目、43番目、45番目、61番目、68番目、74番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、88番目、91番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸のうち1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個又はそれ以上のアミノ酸が他のアミノ酸にさらに置換されたものであるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
さらに他の例として、前記インターロイキン2アナログは、次のアナログからなる群から選択されるいずれかであってもよい。
(a)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び32番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(b)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び35番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(c)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び38番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(d)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(e)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び43番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(f)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び48番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(g)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び49番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(h)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び76番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(i)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(j)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目及び87番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(k)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(l)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び80番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(m)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(n)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、19番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(o)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、12番目、38番目及び42番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(p)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び61番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(q)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(r)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び88番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(s)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び89番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(t)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び91番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(u)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び94番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(v)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目及び126番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(w)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目及び84番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(x)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(y)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(z)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、61番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aa)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ab)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ac)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ad)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、20番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ae)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(af)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ag)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ah)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、81番目、88番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ai)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ak)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(al)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(am)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(an)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ao)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ap)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、45番目、80番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aq)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ar)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(as)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(at)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、69番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(au)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(av)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(aw)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ax)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ay)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(az)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、69番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(ba)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bb)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bc)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、19番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bd)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(be)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bf)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、18番目、22番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bg)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bh)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、45番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bi)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目及び95番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bk)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bl)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、43番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bm)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目、92番目及び95番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
(bn)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸が欠失され、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、82番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたインターロイキン2アナログ
【0059】
ここで、前記インターロイキン2アナログが含むアミノ酸置換は、次のアミノ酸置換からなる群から選択される少なくとも1つであってもよい。
(a)12番目のアミノ酸のバリン又はフェニルアラニンへの置換
(b)18番目のアミノ酸のアルギニンへの置換
(c)19番目のアミノ酸のチロシン、バリン、フェニルアラニン、アルギニンへの置換
(d)20番目のアミノ酸のバリン又はフェニルアラニンへの置換
(e)22番目のアミノ酸のグルタミン酸への置換
(f)32番目のアミノ酸のシステインへの置換
(g)35番目のアミノ酸のシステイン又はグルタミン酸への置換
(h)38番目のアミノ酸のアラニン又はアスパラギン酸への置換
(i)42番目のアミノ酸のリシン、アラニン又はトリプトファンへの置換
(j)43番目のアミノ酸のシステイン、グルタミン酸又はグルタミンへの置換
(k)45番目のアミノ酸のアラニンへの置換
(l)48番目のアミノ酸のシステインへの置換
(m)49番目のアミノ酸のシステインへの置換
(n)61番目のアミノ酸のグルタミン、アルギニン又はアスパラギン酸への置換
(o)68番目のアミノ酸のアスパラギン酸又はグルタミンへの置換
(p)69番目のアミノ酸のグリシンへの置換
(q)74番目のアミノ酸のヒスチジン又はアラニンへの置換
(r)76番目のアミノ酸のシステインへの置換
(s)80番目のアミノ酸のフェニルアラニン、チロシン、バリン、アスパラギン酸又はトリプトファンへの置換
(t)81番目のアミノ酸のアスパラギン酸、グルタミン酸又はアスパラギンへの置換
(u)82番目のアミノ酸のグリシン又はバリンへの置換
(v)84番目のアミノ酸のグルタミン酸、バリン又はフェニルアラニンへの置換
(w)85番目のアミノ酸のバリン、アラニン、グリシン、トリプトファン、チロシン、トレオニン、イソロイシン、グルタミン酸又はフェニルアラニンへの置換
(x)86番目のアミノ酸のバリン、アラニン、グリシン又はロイシンへの置換
(y)87番目のアミノ酸のシステインへの置換
(z)88番目のアミノ酸のグルタミン、バリン又はフェニルアラニンへの置換
(aa)89番目のアミノ酸のフェニルアラニンへの置換
(ab)91番目のアミノ酸のトレオニン、フェニルアラニン又はグルタミン酸への置換
(ac)92番目のアミノ酸のフェニルアラニン、ロイシン、チロシン又はトリプトファンへの置換
(ad)95番目のアミノ酸のアスパラギン酸への置換
(ae)96番目のアミノ酸のフェニルアラニン、バリン又はイソロイシンへの置換
(af)126番目のアミノ酸のトレオニンへの置換
【0060】
本明細書における「相当する(corresponding to)」とは、ペプチドにおいて列挙される位置のアミノ酸残基であるか、又はペプチドにおいて列挙される残基に類似、同一もしくは相当するアミノ酸残基を意味する。相当する位置のアミノ酸を確認することは、特定配列を参照する配列の特定アミノ酸を決定することになる。
【0061】
例えば、任意のアミノ酸配列を配列番号1とアラインメント(align)すると、それに基づいて、前記アミノ酸配列の各アミノ酸残基は、配列番号1のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基の数、位置を参照してナンバリングすることができる。
【0062】
このようなアラインメントには、例えばNeedleman-Wunschアルゴリズム(非特許文献1)、EMBOSSパッケージのNeedleプログラム(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, 非特許文献2)などを用いることができるが、これらに限定されるものではなく、当該技術分野で公知の配列アラインメントプログラム、ペアワイズ配列(pairwise sequence)比較アルゴリズムなどを適宜用いることができる。
【0063】
本発明において、ペプチド中のアミノ酸の特定位置で表現されていても、参照配列において相当する位置を意味することもある。
【0064】
さらに他の例として、前記インターロイキン2アナログは、配列番号3~106からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むものであるか、前記アミノ酸配列から必須に構成されるものであるか、前記アミノ酸配列からなるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0065】
また、本明細書において「特定配列番号からなるインターロイキン2アナログ」と記載されていても、当該配列番号のアミノ酸配列からなるインターロイキン2アナログと同一又は相当する活性を有するものであれば、当該配列番号のアミノ酸配列の前後の無意味な配列付加、自然発生する突然変異、又はその非表現突然変異(silent mutation)を除外するものではなく、このような配列付加又は突然変異を有するものも本願に含まれることは言うまでもない。
【0066】
本発明のインターロイキン2アナログは、配列番号3~106のアミノ酸配列と40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%以上の相同性又は同一性を有するアミノ酸配列を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0067】
本発明における「相同性(homology)」又は「同一性(identity)」とは、2つの与えられたアミノ酸配列又は塩基配列が互いに関連する程度を意味し、百分率で表すことができる。
【0068】
保存されている(conserved)ポリヌクレオチド又はポリペプチドの配列相同性又は同一性は標準的な配列アルゴリズムにより決定され、用いられるプログラムにより確立されたデフォルトギャップペナルティが共に用いられてもよい。実質的には、相同性を有するか(homologous)又は同じ(identical)配列は、中程度又は高いストリンジェントな条件(stringent conditions)下において、一般に配列全体又は一部分とハイブリダイズすることができる。ハイブリダイゼーションには、ポリヌクレオチドにおいて一般のコドン又はコドン縮退を考慮したコドンを有するポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションも含まれることは言うまでもない。
【0069】
相同性及び同一性は、しばしば互換的に用いられる。
【0070】
任意の2つの塩基配列又はペプチド配列が相同性、類似性又は同一性を有するか否かは、例えば非特許文献3のようなデフォルトパラメーターと「FASTA」プログラムなどの公知のコンピュータアルゴリズムを用いて決定することができる。あるいは、EMBOSSパッケージのニードルマンプログラム(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, 非特許文献2)(バージョン5.0.0又はそれ以降のバージョン)で行われるように、ニードルマン=ウンシュ(Needleman-Wunsch)アルゴリズム(非特許文献1)を用いて決定することができる(GCGプログラムパッケージ(非特許文献4)、BLASTP、BLASTN、FASTA(非特許文献5、6及び7)を含む)。例えば、国立生物工学情報センターのBLAST又はClustal Wを用いて相同性、類似性又は同一性を決定することができる。
【0071】
塩基配列又はペプチドの相同性、類似性又は同一性は、例えば非特許文献8に開示されているように、非特許文献9などのGAPコンピュータプログラムを用いて、配列情報を比較することにより決定することができる。要約すると、GAPプログラムは、2つの配列のうち短いものにおける記号の総数で、類似する配列記号(すなわち、ヌクレオチド又はアミノ酸)の数を割った値と定義している。GAPプログラムのためのデフォルトパラメーターは、(1)一進法比較マトリックス(同一性は1、非同一性は0の値をとる)及び非特許文献10に開示されているように、非特許文献11の加重比較マトリックス(又はEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックス)と、(2)各ギャップに3.0のペナルティ、及び各ギャップの各記号に追加の0.10ペナルティ(又はギャップオープンペナルティ10、ギャップ延長ペナルティ0.5)と、(3)末端ギャップに無ペナルティとを含むことができる。よって、本発明における「相同性」又は「同一性」は、配列間の関連性(relevance)を示すものである。
【0072】
以上の内容は、本発明の他の具体例又は他の態様にも適用されるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
本発明のインターロイキン2アナログは、インターロイキン2のα及び/又はβ受容体との結合力を弱化又は増加させることによりin vitro活性を変化させる、新たなインターロイキン2の代替剤として用いられる。特に、β受容体に対する結合力を増加させるだけでなく、α受容体に対する結合力を変化(増加又は減少)させるので、2つの受容体に対する活性により、効果的な治療剤として用いられる。
【0074】
本発明における、インターロイキン2のアナログの製造のためのこのような改変には、L型もしくはD型アミノ酸及び/又は非天然アミノ酸を用いた改変、並びに/あるいは天然配列の修飾、例えば測鎖官能基の改変、分子内の共有結合、一例として測鎖間の環形成、メチル化、アシル化、ユビキチン化、リン酸化、アミノヘキサン化、ビオチン化などの修飾による改変が全て含まれる。
【0075】
また、天然インターロイキン2のN及び/又はC末端に少なくとも1つのアミノ酸が付加されたものが全て含まれる。
【0076】
前述したように置換されるか、付加されるアミノ酸としては、ヒトタンパク質において通常観察される20種のアミノ酸だけでなく、異常又は非天然アミノ酸を用いることができる。異常アミノ酸の市販元には、Sigma-Aldrich、ChemPep、Genzyme pharmaceuticalsが含まれる。これらのアミノ酸が含まれるペプチドと定型的なペプチド配列は、民間のペプチド合成会社、例えば米国のAmerican peptide companyやBachem、又は韓国のAnygenにおいて合成及び購入することができる。
【0077】
アミノ酸誘導体も同じ方式で入手することができ、一例として4-イミダゾ酢酸(4-imidazoacetic acid)などが挙げられる。
【0078】
また、本発明によるインターロイキン2アナログは、生体内のタンパク質切断酵素から保護して安定性を向上させるために、そのN末端及び/又はC末端などが化学的に修飾された形態、有機基により保護された形態、又はペプチド末端などにアミノ酸が付加されて改変された形態であってもよい。
【0079】
特に、化学的に合成したペプチドの場合、N及びC末端が電荷を帯びているので、その電荷を除去するために、N末端のアセチル化(acetylation)及び/又はC末端のアミド化(amidation)を行うが、特にこれらに限定されるものではない。
【0080】
また、本発明によるインターロイキン2アナログはペプチドの形態であるので、ペプチド自体、その塩(例えば、前記ペプチドの薬学的に許容される塩)又はその溶媒和物の形態が全て含まれる。さらに、ペプチドは、薬学的に許容されるものであれば、いかなる形態であってもよい。
【0081】
前記塩の種類は、特に限定されるものではない。もっとも、個体、例えば哺乳類に安全かつ効果的な形態であることが好ましいが、特にこれらに限定されるものではない。
【0082】
前記「薬学的に許容される」とは、医薬学的判断の範囲内で、過度な毒性、刺激、アレルギー反応などを誘発することなく所望の用途に効果的に使用できる物質を意味する。
【0083】
本発明における「薬学的に許容される塩」には、薬学的に許容される無機酸、有機酸又は塩基から誘導された塩が含まれる。好適な酸の例としては、塩酸、臭素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-P-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などが挙げられる。好適な塩基から誘導された塩には、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アンモニウムなどが含まれる。
【0084】
また、本発明における「溶媒和物」とは、本発明によるペプチド又はその塩が溶媒分子と複合体を形成したものを意味する。
【0085】
本発明において、天然インターロイキン2受容体に対するいずれかのインターロイキン2アナログの結合力は、受容体に対する親和性を測定する方法により公知の様々な技術を用いて測定することができる。例えば、SPR(surface Plasmon resonance)を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0086】
具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて、減少又は増加したインターロイキン2α受容体結合力を有してもよい。
【0087】
より具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンのインターロイキン2α受容体結合力と比較して、約0.001倍以上、約0.005倍以上、約0.01倍以上、約0.05倍以上、約0.1倍以上、約0.3倍以上、約0.5倍以上、約0.7倍以上、約0.9倍以上、約1.1倍以上、約1.3倍以上、約1.5倍以上、約1.7倍以上のインターロイキン2α受容体結合力を有するものであるが、その数値は限定されるものではなく、結合力が天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて変更されたものであれば本発明に含まれる。
【0088】
あるいは、アルデスロイキンのインターロイキン2α受容体結合力(100%)を基準に、本発明のインターロイキン2アナログは、完全に結合力を喪失したものであるか、約1%以上、約5%以上、約7%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約30%以上、約50%以上、約70%以上、約90%以上、約100%以上、約150%以上、約200%以上の結合力を有するものであるが、その数値は限定されるものではなく、結合力が天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて変更されたものであれば本発明に含まれる。
【0089】
また、具体的には、本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンのインターロイキン2β受容体結合力と比較して、約0.1倍以上、約0.3倍以上、約0.5倍以上、約0.7倍以上、約1.0倍以上、約10倍以上、約20倍以上、約30倍以上、約40倍以上、約50倍以上、約60倍以上、約70倍以上、約80倍以上、約90倍以上、約100倍以上のインターロイキン2β受容体結合力を有するものであるが、その数値は限定されるものではなく、結合力が天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて変更されたか、増加したものであれば本発明に含まれる。
【0090】
あるいは、アルデスロイキンのインターロイキン2β受容体結合力(100%)を基準に、本発明のインターロイキン2アナログは、約5%以上、約9%以上、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約50%以上、約100%以上、約200%以上、約500%以上、約700%以上、約1000%以上、約1500%以上、約3000%以上、約5000%以上、約7000%以上、約10000%以上、約12000%以上、約15000%以上、約20000%以上、約25000%以上の結合力を有するものであるが、その数値は限定されるものではなく、結合力がアルデスロイキンに比べて増加したものであれば本発明に含まれる。
【0091】
本発明における「約」とは、±0.5、±0.4、±0.3、±0.2、±0.1などが全て含まれる範囲であり、約という用語の後に続く数値と同等又は同程度の範囲の数値が全て含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0092】
本発明のインターロイキン2アナログは、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて、インターロイキン2α受容体に対する結合力が変更され、インターロイキン2β受容体に対する結合力が増加したことを特徴とする。
【0093】
本発明の具体的な実施形態においては、本発明のインターロイキン2アナログを製造するために、天然インターロイキン2(配列番号1)に基づいて、変異を導入したインターロイキン2アナログを製造した。本発明で製造したインターロイキン2アナログは、配列番号3~106のいずれかのアミノ酸配列を含むものであってもよく、配列番号108~211のいずれかの塩基配列でコードされるものであってもよい。
【0094】
本発明の他の態様は、前記インターロイキン2アナログをコードする核酸(ポリヌクレオチド)、前記核酸を含む組換え発現ベクター、及び前記核酸又は組換え発現ベクターを含む形質転換体を提供する。
【0095】
本発明のインターロイキン2アナログをコードする核酸は、配列番号1の天然インターロイキン2をコードする塩基配列において、特定位置のアミノ酸に変異(アミノ酸の欠失、置換及び/又は付加)を導入できるように改変されたものであってもよく、具体的には、配列番号3~106のいずれかのアミノ酸配列をコードする塩基配列を含むものであってもよい。例えば、本発明の核酸は、配列番号108~211のいずれかの塩基配列を有するものであってもよく、含むものであってもよい。
【0096】
本発明の塩基配列は、コドンの縮退(degeneracy)により、又は本発明の核酸を発現させようとする生物において好まれるコドンを考慮して、本発明のインターロイキン2アナログのアミノ酸配列が変化しない範囲でコード領域に様々な改変を行うことができる。具体的には、本発明の核酸は、配列番号108~211のいずれかの配列と相同性もしくは同一性が70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上及び98%以上、100%未満の塩基配列を有するものであるか、含むものであるか、又は配列番号108~211の配列のいずれかの配列と相同性もしくは同一性が70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上及び98%以上、100%未満の塩基配列からなるものであるか、必須に構成されるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0097】
また、本発明の核酸は、公知の遺伝子配列から製造されるプローブ、例えば本発明の核酸配列の全部又は一部に対する相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列であればいかなるものでもよい。前記「ストリンジェントな条件(stringent condition)」とは、ポリヌクレオチド間の特異的ハイブリダイゼーションを可能にする条件を意味する。このような条件は、文献(非特許文献12、13参照)に具体的に記載されている。
【0098】
ハイブリダイゼーションは、たとえハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに応じて塩基間のミスマッチ(mismatch)が可能であっても、2つの核酸が相補的配列を有することが求められる。「相補的」とは、互いにハイブリダイゼーションが可能なヌクレオチド塩基間の関係を表すために用いられるものである。例えば、DNAにおいて、アデノシンはチミンに相補的であり、シトシンはグアニンに相補的である。よって、本発明の核酸には、実質的に類似する核酸配列だけでなく、全配列に相補的な単離された核酸断片が含まれてもよい。
【0099】
前記ポリヌクレオチドをハイブリダイズする適切なストリンジェンシーはポリヌクレオチドの長さ及び相補性の程度に依存し、変数は当該技術分野で公知である(例えば、非特許文献12)。
【0100】
相同性又は同一性については前述した通りである。
【0101】
本発明による組換えベクターは、典型的にクローニングのためのベクター又は発現のためのベクターとして構築されてもよく、原核細胞又は真核細胞を宿主細胞として用いるためのベクターとして構築されるてもよい。
【0102】
本発明における「ベクター」とは、好適な宿主細胞において標的タンパク質を発現する組換えベクターであり、核酸挿入物が発現するように作動可能に連結された必須の調節因子を含む核酸構築物(construct)を意味する。本発明によれば、インターロイキン2アナログをコードする核酸を含む組換えベクターを作製することができ、前記組換えベクターを宿主細胞に形質転換(transformation)又はトランスフェクション(transfection)することにより、本発明のインターロイキン2アナログが得られる。
【0103】
本発明における「形質転換(transformation)」とは、DNAを宿主細胞内に導入してDNAが染色体の因子として又は染色体統合完成により複製可能になることであり、外部のDNAを細胞内に導入して人為的に遺伝的な変化を起こす現象を意味する。
【0104】
本発明に適した宿主は、本発明の核酸を発現させるものであれば特に限定されるものではない。本発明に用いられる宿主の特定例としては、大腸菌(E. coli)などのエシェリキア(Escherichia)属細菌、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)などのバチルス(Bacillus)属細菌、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)などのシュードモナス(Pseudomonas)属細菌、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、シゾサッカロマイセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)などの酵母、スポドプテラ・フルギペルダ(Sf9)などの昆虫細胞、CHO、COS、BSCなどの動物細胞が挙げられる。
【0105】
本発明のさらに他の態様は、少なくとも1つのアミノ酸変異を含むインターロイキン2アナログを製造する方法を提供する。
【0106】
具体的には、前記方法は、天然インターロイキン2において、1番目、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、125番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸に変異を導入するステップを含むものであってもよい。
【0107】
より具体的には、(a)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び32番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(b)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び35番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(c)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び38番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(d)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(e)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び43番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(f)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び48番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(g)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び49番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(h)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び76番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(i)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(j)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び87番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(k)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(l)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目及び80番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(m)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目及び84番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(n)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、19番目、38番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(o)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、12番目、38番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(p)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び61番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(q)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び84番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(r)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び88番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(s)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び89番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(t)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び91番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(u)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び94番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(v)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び126番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(w)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目及び84番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(x)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、94番目及び96番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(y)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(z)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、61番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(aa)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ab)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ac)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ad)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、20番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ae)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(af)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ag)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ah)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目、88番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ai)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(aj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ak)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(al)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(am)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(an)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ao)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ap)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、45番目、80番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(aq)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ar)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(as)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(at)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、69番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(au)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(av)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(aw)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ax)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ay)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(az)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、69番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(ba)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bb)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bc)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、19番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bd)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(be)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bf)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bg)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、35番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bh)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、45番目、80番目、8
1番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bi)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目及び95番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bk)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bl)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、43番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bm)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目、92番目及び95番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるか、(bn)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、82番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換したものであるが、これらに限定されるものではない。
【0108】
インターロイキン2アナログ及び変異については前述した通りである。
【0109】
本発明のインターロイキン2アナログの製造方法の他の例として、前記インターロイキン2アナログを製造する方法は、a)前記インターロイキン2アナログをコードする核酸を含む形質転換体を培養してインターロイキン2アナログを発現させるステップと、b)発現したインターロイキン2アナログを分離及び精製するステップとを含むものであってもよいが、インターロイキン2アナログを製造できるものであればいかなる方法であってもよく、当該技術分野で公知の方法であってもよい。
【0110】
本発明において、前記インターロイキン2アナログをコードする核酸は、配列番号108~211のいずれかの塩基配列を含むものであるか、前記塩基配列から(必須に)構成されるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0111】
本発明において、形質転換体の培養に用いられる培地は、好適な方法で宿主細胞培養の要件を満たさなければならない。宿主細胞の成長のために培地中に含まれる炭素源は、作製される形質転換体の種類に応じて当業者の判断により適宜選択され、培養の時期及び量を調節するために好適な培養条件が採用される。
【0112】
用いることのできる糖源としては、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、デンプン、セルロースなどの糖及び炭水化物、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油、ココナッツ油などの油脂、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸などの脂肪酸、グリセリン、エタノールなどのアルコール、酢酸などの有機酸が挙げられる。これらの物質は、単独で用いることもでき、混合物として用いることもできる。
【0113】
用いることのできる窒素源としては、ペプトン、酵母抽出物、肉汁、麦芽抽出物、トウモロコシ浸漬液、黄粉及び尿素、又は無機化合物、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムが挙げられる。窒素源も、単独で用いることもでき、混合物として用いることもできる。
【0114】
用いることのできるリン源としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、又はそれらに相当するナトリウム含有塩が挙げられる。また、培養培地は、成長に必要な硫酸マグネシウム、硫酸鉄などの金属塩を含有してもよい。
【0115】
最後に、上記物質以外に、アミノ酸、ビタミンなどの必須成長物質が用いられてもよい。また、培養培地に好適な前駆体が用いられてもよい。前述した原料は、培養過程において培養物に好適な方法でバッチ毎に又は連続して添加されてもよい。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの塩基性化合物、又はリン酸、硫酸などの酸性化合物を好適な方法で用いて培養物のpHを調整してもよい。また、脂肪酸ポリグリコールエステルなどの消泡剤を用いて気泡生成を抑制してもよい。好気状態を維持するために、培養物中に酸素又は酸素含有気体(例えば、空気)を注入してもよい。
【0116】
本発明による形質転換体の培養は、通常20℃~45℃、具体的には25℃~40℃の温度で行われる。また、培養は、所望のインターロイキン2アナログの最大の生成量が得られるまで続けるが、これらの目的上、通常10~160時間続ける。
【0117】
前述したように、宿主細胞に応じて適切な培養条件を整えると、本発明による形質転換体によりインターロイキン2アナログが生産され、ベクターの構成及び宿主細胞の特徴に応じて、生産されるインターロイキン2アナログは宿主細胞の細胞質内、細胞周辺腔(periplasmic space)又は細胞外に分泌される。
【0118】
宿主細胞の内外で発現したタンパク質は、通常の方法で精製することができる。精製方法の例としては、塩析(例えば、硫酸アンモニウム沈殿、リン酸ナトリウム沈殿など)、溶媒沈殿(例えば、アセトン、エタノールなどを用いたタンパク質分画沈殿など)、透析、ゲル濾過、イオン交換、逆相カラムクロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー、限外濾過などの技法を単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0119】
本発明の具体例として、インターロイキン2アナログを製造する方法は、(a)前記インターロイキン2アナログを発現させるステップと、(b)発現したインターロイキン2アナログを分離するステップとを含むものであってもよい。
【0120】
本発明の具体例として、形質転換体から封入体の形態で発現したインターロイキン2アナログを分離及び精製するために、次のステップをさらに含んでもよい。
b-1)前記a)ステップの培養液から形質転換体を獲得して破砕するステップ
b-2)破砕した細胞溶解物から発現したインターロイキン2アナログを回収してリフォールディングするステップ
b-3)リフォールディングしたインターロイキン2アナログをサイズ排除クロマトグラフィーで精製するステップ
【0121】
本発明のさらに他の態様は、前記インターロイキン2アナログをペプチド合成法により製造する方法を提供する。このようなペプチド合成は、本発明のインターロイキン2アナログ配列が提供されているので、公知のペプチド合成法を用いることにより制限なく製造することができる。
【0122】
インターロイキン2アナログ及び変異については前述した通りである。
【0123】
本発明のさらに他の態様は、天然インターロイキン2において少なくとも1つのアミノ酸を変異させるステップを含む、インターロイキン2β受容体結合力を増大させる方法である。
【0124】
本発明によるインターロイキン2β受容体結合力を増大させる方法は、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて、インターロイキン2β受容体に対する結合力を増加させると共に、インターロイキン2α受容体に対する結合力を変化させるものであってもよい。
【0125】
具体的には、前記方法は、天然インターロイキン2において、1番目、12番目、18番目、19番目、20番目、22番目、32番目、35番目、38番目、42番目、43番目、45番目、48番目、49番目、61番目、68番目、69番目、74番目、76番目、80番目、81番目、82番目、84番目、85番目、86番目、87番目、88番目、89番目、91番目、92番目、94番目、95番目、96番目、125番目、126番目及び133番目の位置に相当するアミノ酸の少なくとも1つのアミノ酸に変異を導入するステップを含むものであってもよい。
【0126】
より具体的には、前記方法は、(a)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び32番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(b)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び35番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(c)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び38番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(d)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(e)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び43番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(f)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び48番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(g)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び49番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(h)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び76番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(i)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(j)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目及び87番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(k)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(l)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目及び80番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(m)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目及び84番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(n)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、19番目、38番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(o)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、12番目、38番目及び42番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(p)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び61番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(q)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び84番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(r)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び88番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(s)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び89番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(t)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び91番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(u)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び94番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(v)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目及び126番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(w)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目及び84番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(x)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、94番目及び96番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(y)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(z)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、61番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(aa)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ab)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ac)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ad)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、20番目、38番目、42番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ae)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(af)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ag)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ah)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、81番目、88番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ai)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(aj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ak)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(al)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(am)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(an)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ao)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、84番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ap)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、45番目、80番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(aq)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ar)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(as)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(at)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、69番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(au)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(av)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(aw)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ax)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、45番目、74番目、80番目、81番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ay)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(az)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、69番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(ba)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、84番目、85番目、86番目、91番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bb)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目、94番目及び96番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bc)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、19番目、22番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bd)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、38番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(be)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bf)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、18番目、22番目、68番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bg)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、35番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bh)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、45番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bi)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、9
1番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bj)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、92番目及び95番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bk)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bl)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、43番目、61番目、80番目、81番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、(bm)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、38番目、42番目、80番目、81番目、85番目、86番目、91番目、92番目及び95番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップ、又は(bn)天然インターロイキン2において、1番目のアミノ酸を欠失させ、125番目、35番目、38番目、42番目、74番目、80番目、81番目、82番目、85番目、86番目及び92番目のアミノ酸を他のアミノ酸に置換するステップを含むものであるが、これらに限定されるものではない。
【0127】
インターロイキン2アナログ及び変異については前述した通りである。
【0128】
本発明のさらに他の態様は、配列番号3~106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むインターロイキン2アナログを提供する。
【0129】
インターロイキン2アナログ、変異及び配列番号で表されるアナログの定義については前述した通りである。
【0130】
具体的には、前記インターロイキン2アナログは、配列番号3~106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むものであるか、前記配列から必須に構成されるものであるか、前記配列からなるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0131】
本発明のさらに他の態様は、一般式1で表されるアミノ酸配列を含むインターロイキン2アナログを提供する。
【0132】
[一般式1]
X1-P-T-S-S-S-T-K-K-T-Q-L-Q-L-E-H-L-X18-X19-D-L-X22-M-I-L-N-G-I-N-N-Y-K-N-P-K-L-T-X38-M-L-T-X42-X43-F-X45-M-P-K-K-A-T-E-L-K-H-L-Q-C-L-E-X61-E-L-K-P-L-E-X68-V-L-N-L-A-X74-S-K-N-F-H-X80-X81-P-R-X84-X85-X86-S-N-I-N-X91-X92-V-X94-E-X96-K-G-S-E-T-T-F-M-C-E-Y-A-D-E-T-A-T-I-V-E-F-L-N-R-W-I-T-F-S-Q-S-I-I-S-T-L-T(一般式1,配列番号212)
【0133】
一般式1において、X1は欠失しており、X18はロイシン(L)又はアルギニン(R)であり、X19はロイシン(L)又はチロシン(Y)であり、X22はグルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、X38はアラニン(A)、アスパラギン酸(D)又はアルギニン(R)であり、X42はアラニン(A)、フェニルアラニン(F)、リシン(K)又はトリプトファン(W)であり、X43はグルタミン酸(E)、リシン(K)又はグルタミン(Q)であり、X45はアラニン(A)又はチロシン(Y)であり、X61はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、グルタミン(Q)又はアルギニン(R)であり、X68はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X74はヒスチジン(H)又はグルタミン(Q)であり、X80はフェニルアラニン(F)、ロイシン(L)、バリン(V)又はチロシン(Y)であり、X81はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)又はアルギニン(R)であり、X84はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X85はアラニン(A)、グルタミン酸(E)、グリシン(G)、ロイシン(L)、バリン(V)、トリプトファン(W)又はチロシン(Y)であり、X86はアラニン(A)、グリシン(G)、イソロイシン(I)又はバリン(V)であり、X91はトレオニン(T)又はバリン(V)であり、X92はフェニルアラニン(F)、イソロイシン(I)又はチロシン(Y)であり、X94はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)であり、X96はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)である。
【0134】
また、一般式1においてX133に相当するトレオニン(T)に少なくとも1つのアミノ酸が付加されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0135】
具体的には、前記インターロイキン2アナログは、配列番号10、13、14、15、16、17、20、21、22、32、35、36、42、53、54、56、58、59、60、62、71、72、74、75、76、77、78、85、87、89、91、92、93、94、95、98、99、100、101、103、104、105及び106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むものであるか、前記配列から必須に構成されるものであるか、前記配列からなるものであるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
このようなインターロイキン2アナログは、アルデスロイキン又は天然インターロイキン2より増加したβ受容体結合力を有するが、これらに限定されるものではない。
【0137】
他の例として、本発明のインターロイキン2アナログは、一般式1において、X43はリシン(K)であり、X45はチロシン(Y)であり、X61はアスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、X68はグルタミン酸(E)であり、X74はグルタミン(Q)であり、X80はフェニルアラニン(F)又はロイシン(L)であり、X85はロイシン(L)、バリン(V)又はチロシン(Y)であり、X86はイソロイシン(I)又はバリン(V)であり、X92はフェニルアラニン(F)又はイソロイシン(I)であるが、これらに限定されるものではない。
【0138】
具体的には、前記インターロイキン2アナログは、配列番号10、13、14、16、17、20、21、22、32、35、36、42、53、54、87、89、91、92、93、94、98、99、100、101、103、104及び105のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むことを特徴とする。
【0139】
本発明のインターロイキン2アナログは、C末端に少なくとも1つのアミノ酸をさらに含むが、これに限定されるものではない。
【0140】
本発明のさらに他の態様は、一般式2で表されるアミノ酸配列を含むインターロイキン2アナログを提供する。
【0141】
[一般式2]
X1-P-T-S-S-S-T-K-K-T-Q-L-Q-L-E-H-L-X18-L-D-L-X22-M-I-L-N-G-I-N-N-Y-K-N-P-K-L-T-X38-M-L-T-X42-K-F-Y-M-P-K-K-A-T-E-L-K-H-L-Q-C-L-E-X61-E-L-K-P-L-E-X68-V-L-N-L-A-Q-S-K-N-F-H-F-X81-P-R-D-X85-X86-S-N-I-N-V-F-V-L-E-L-K-G-S-E-T-T-F-M-C-E-Y-A-D-E-T-A-T-I-V-E-F-L-N-R-W-I-T-F-S-Q-S-I-I-S-T-L-T(一般式2,配列番号213)
【0142】
一般式2において、X1は欠失しており、X18はロイシン(L)又はアルギニン(R)であり、X22はグルタミン酸(E)又はグルタミン(Q)であり、X38はアラニン(A)又はアルギニン(R)であり、X42はフェニルアラニン(F)又はリシン(K)であり、X61はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X68はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X81はアスパラギン酸(D)又はグルタミン酸(E)であり、X85はロイシン(L)又はバリン(V)であり、X86はイソロイシン(I)又はバリン(V)である。
【0143】
具体的には、前記インターロイキン2アナログは、配列番号22、42、53、87、105及び106のアミノ酸配列からなる群から選択されるいずれかの配列を含むものであるが、これらに限定されるものではない。
【0144】
また、一般式2においてX133に相当するトレオニン(T)に少なくとも1つのアミノ酸が付加されるか、インターロイキン2アナログのC末端に少なくとも1つのアミノ酸をさらに含むが、これらに限定されるものではない。
【0145】
なお、本願明細書において、特に断らない限り、「含む」、「有する」、「含有する」などの表現は、明示した整数(integer)又は整数の集合を含むことを意味するが、他の整数又は整数の集合を排除するものではないと解されるべきである。
【0146】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。これらの実施例はあくまで本発明を例示するものにすぎず、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例0147】
天然インターロイキン2及びインターロイキン2アナログ発現ベクターの作製
133個のアミノ酸をコードする天然インターロイキン2発現ベクターを作製するために、報告されているインターロイキン2配列(NM_000586.3;配列番号1)に基づいて合成したインターロイキン2をpET-22bベクター(Novagen)にクローニングした。また、前記インターロイキン2を鋳型とし、インターロイキン2のアミノ酸を改変させた新規なインターロイキン2アナログを作製した。インターロイキン2アナログを増幅させるためのPCR条件は、95℃で30秒間、55℃で60秒間、65℃で6.5分間とし、この過程を16サイクル行った。所望の部位のアミノ酸が正常に改変されたかを判断するために、上記条件で得られた突然変異(mutagenesis)産物に対して配列分析を行い、各インターロイキン2アナログの目的とする変異位置に、天然のものを基準として次の表1に示す変異があることが確認された。このようにして得られた発現ベクターをpET22b-インターロイキン2アナログ1~105と命名した。
【0148】
表1に各アミノ酸の改変配列及びアナログ名を示す。これらのインターロイキン2アナログを作製するために、順方向(F)及び逆方向(R)プライマーを合成し、その後PCRを行って各アナログ遺伝子を増幅した。
【0149】
表1において、アナログ1はアルデスロイキンであり、プライマー#1~#204は本明細書の配列番号214~417にそれぞれ相当する。
【0150】
【表1】









【0151】
desAとは、インターロイキン2の1番目のアミノ酸であるアラニンを欠失させたことを意味する。
【0152】
表2にインターロイキン2アナログの全長タンパク質配列を示す。表2内の太字は変異位置を示す。
【0153】
【表2】








【実施例0154】
インターロイキン2アナログの発現
実施例1で作製した発現ベクターを用いて、T7プロモーター制御下で組換えインターロイキン2アナログを発現させた。各組換えインターロイキン2アナログ発現ベクターに発現大腸菌菌株、E.coli BL21DE3(E. coli B F-dcm ompT hsdS(rB-mB-) gal λ(DE3); ノバジェン)を形質転換した。形質転換方法は、ノバジェン社が推薦する方法を用いた。各組換え発現ベクターが形質転換された各単一コロニーを得て、アンピシリン(50μg/ml)を含む2×ルリア(Luria Broth)培地に接種し、37℃で15時間培養した。組換え菌株の培養液と30%グリセリンとを含む2×LB培地を1:1(v/v)の比で混合して各1mLずつcryoチューブに分注し、-150℃で保管した。これを組換えタンパク質の作製のための細胞ストック(cell stock)として用いた。
【0155】
組換えインターロイキン2アナログの発現のために、各細胞ストック1バイアル(vial)を溶解して500mlの2×LBに接種し、37℃で14~16時間振盪培養した。600nmでの吸光度値が4.0以上になったら培養を終了し、これを種培養液として用いた。5L発酵槽(Bioflo-320, NBS, 米国)を用いて、種培養液を1.6Lの発酵培地に接種して初期発酵を始めた。培養条件は、温度37℃、空気量2.0L/min(1vvm)、攪拌速度650rpmとし、30%アンモニア水を用いてpH6.70に維持した。発酵は、培養液中の栄養素が枯渇したら追加培地(feeding solution)を添加することにより、流加培養を行った。菌株の成長は吸光度により観測し、吸光度値が70以上になったら最終濃度500μMのIPTGを導入した。培養はIPTG導入後約23~25時間まで続け、培養終了後に、遠心分離器を用いて組換え菌株を得て、使用するまで-80℃で保管した。
【実施例0156】
インターロイキン2アナログの抽出及びリフォールディング(refolding)
実施例2で得られたインターロイキン2アナログ発現大腸菌からインターロイキン2アナログを可溶性形態に変えるために、細胞を破砕してリフォールディングした。培養液100mLの分量に相当する細胞ペレットを1~200mLの破砕緩衝液(20mM Tris-HCl pH9.0,1mM EDTA pH9.0,0.2M NaCl,0.5%Triton X-100)に浮遊させ、その後マイクロフルイダイザー(Microfludizer)を用いて、15,000psiで組換え大腸菌を破砕した。13,900gで30分間遠心分離して上清を捨て、400mLの最初の洗浄緩衝液(50mM Tris-HCl pH8.0,5mM EDTA pH9.0)でペレットを洗浄した。前記と同一条件で遠心分離して上清を捨て、ペレットを400mLの2番目の洗浄緩衝液(50mM Tris-HCl pH8.0,5mM EDTA pH9.0,2%Triton X-100)でペレットを洗浄した。前記と同一条件で遠心分離して上清を捨て、ペレットを400mLの3番目の洗浄緩衝液(50mM Tris-HCl pH8.0,5mM EDTA pH9.0,1%sodium deoxycholorate)でペレットを洗浄した。前記と同一条件で遠心分離して上清を捨て、ペレットを400mLの4番目の洗浄緩衝液(50mM Tris-HCl pH8.0,5mM EDTA pH9.0,1M NaCl)でペレットを洗浄した。前記と同一条件で遠心分離することにより、洗浄した大腸菌封入体(inclusion body)ペレットを得た。洗浄した封入体ペレットを400mLの可溶/還元化緩衝液(6M Guanidine,100mM Tris pH8.0,2mM EDTA pH9.0,50mM DTT)に再浮遊させ、50℃で30分間攪拌した。可溶/還元化したインターロイキン2アナログに蒸留水100mLを注入して6M Guanidineを4.8M Guanidineに希釈し、その後13,900gで30分間遠心分離してペレットは捨て、溶液のみ得た。希釈した溶液に蒸留水185.7mLをさらに注入して4.8M Guanidineを3.5M Guanidineに希釈し、その後100%acetic acidを用いてpHを5.0に調整した。pHを調整した溶液を常温で1時間攪拌した。不純物が沈殿した溶液は、13,900gで30分間遠心分離して上清を捨て、最後の洗浄緩衝液(3.5M Guanidine,20mM Sodium Acetate pH5.0,5mM DTT)でペレットを洗浄した。前記と同一条件で遠心分離してペレットを得た。洗浄したインターロイキン2アナログを400mLのリフォールディング緩衝液(6mM Guanidine,100mM Tris pH8.0,0.1mM CuCl2)に溶解させた。混合溶液を4℃で15~24時間攪拌することによりリフォールディング過程を行った。
【実施例0157】
サイズ排除カラムクロマトグラフィー
実施例3で得られたインターロイキン2アナログリフォールディング溶液をサイズ排除カラムに適用して精製するために、1mL以下に濃縮した。カラムはリフォールディング溶液導入前に緩衝液(2M Guanidine,100mM Tris pH8.0)で平衡化し、リフォールディング溶液導入後に緩衝液を流して溶出した。溶出した試料はグアニジンを含んでいるので、安定化溶液(10mM Sodium Acetate pH4.5,5%Trehalose)に変更し、その後RP-HPLC、peptide mapping分析により純度を測定した。測定した純度が80%以上になったら実験に用いた。
【実施例0158】
インターロイキン2アナログの受容体結合力評価
実施例4で得られたインターロイキン2アナログのインターロイキン2α受容体及びβ受容体のそれぞれに対する受容体結合力を測定するために、表面プラズモン共鳴測定(BIACORE T200, GE healthcare社)を用いた。作製したアナログのα受容体及びβ受容体に対する結合力を測定し、インターロイキン2アナログ01(aldesleukin)と各結合力を比較した。
【0159】
まず、CM5チップ(GE healthcare社)にアミンカップリング法(amine coupling)により抗ヒト免疫グロブリン抗体(Abcam社,#ab97221)を約5,000RU(resonance unit)だけ固定化し、その後抗原抗体結合反応によりヒト免疫グロブリンFc部位が結合したインターロイキン2α受容体(SYMANSIS社,#4102H)又はインターロイキン2β受容体(SYMANSIS社,#4122H)をそれぞれ免疫グロブリン抗体に結合して最終的に固定化した。次に、前述したように作製した組換えインターロイキン2アナログを各濃度に希釈し、インターロイキン2受容体が最終的に固定されたCM5チップに流して各インターロイキン2受容体の結合力を測定した。結合力の測定は、結合速度定数(ka)と解離速度定数(kd)を測定することにより行い、10μL/分の流速でインターロイキン2アナログを3分間流して結合速度を測定し、同一時間及び同一流速で実験用バッファーのみ流して各インターロイキン2受容体からの解離速度を測定した。測定終了後に、Biaevaluationプログラムにおいて1:1 binding fitting modelにより受容体の結合力評価を行った。
【0160】
【数1】
【0161】
表3における「定義不可」とは、表面プラズモン共鳴測定において当該受容体に対する結合が観測されず、その受容体に限っては当該物理量が定義されないことを意味する。
【0162】
【表3】


【0163】
試験結果(図1図2及び表3)から分かるように、本発明のインターロイキン2アナログは、インターロイキン2α受容体結合力を完全に喪失するか、インターロイキン2アナログ1に比べて減少又は増加するなど、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンとは異なるインターロイキン2α受容体結合力を示すことが確認された。それに対して、インターロイキン2β受容体に対しては、天然インターロイキン2又はアルデスロイキンに比べて、最大で100倍の相対的に強い結合力が確認された。よって、インターロイキン2アナログのアミノ酸配列がインターロイキン2α又はβ受容体との結合に影響力を及ぼすことが確認された。これは、特定位置のアミノ酸を置換することによりインターロイキン2受容体の結合力を変化させることができることを示唆するものである。
【0164】
このような実験結果は、本発明によるインターロイキン2アナログが変化したインターロイキン2α受容体結合力及びインターロイキン2β受容体結合力を有し、それにより様々な薬物開発に用いられることを示唆するものである。
【0165】
以上の説明から、本発明の属する技術分野の当業者であれば、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施できることを理解するであろう。なお、上記実施例はあくまで例示的なものであり、限定的なものでないことを理解すべきである。本発明には、明細書ではなく請求の範囲の意味及び範囲とその等価概念から導かれるあらゆる変更や変形された形態が含まれるものと解釈すべきである。
図1
図2
【配列表】
2024041747000001.app
【外国語明細書】