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特開2024-41762磁気共鳴イメージングにおける他の処理ロケーションの決定
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041762
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージングにおける他の処理ロケーションの決定
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61B5/055 380
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023211846
(22)【出願日】2023-12-15
(62)【分割の表示】P 2021525554の分割
【原出願日】2019-11-19
(31)【優先権主張番号】18207254.6
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ソマー カールステン
(72)【発明者】
【氏名】ヘル マイケル グンター
(57)【要約】
【課題】サーベイスキャンを用いたASLスキャン自動計画を提供する。
【解決手段】本発明の他の処理ロケーションを提供するように構成されるニューラルネットワーク(NN)を訓練する方法は、ラベリングされた医用画像を提供するステップを有し、ラベリングされた医用画像は、それぞれが正解処理ロケーションを示す複数のラベルを含む。この方法は、1つの試行処理ロケーションを得るために、前記ラベリングされた医用画像をNNに入力するステップを更に有する。1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む。方法は更に、最も可能性の高い試行処理ロケーションに対して最も近い正解処理ロケーションを決定するステップを有する。方法は更に、最も近い正解処理ロケーション及び最も可能性の高い試行処理ロケーションを用いて誤差ベクトルを計算するステップを有する。この方法は、誤差ベクトルを使用してNNを訓練するステップを更に有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の処理ロケーションを提供するように構成されるニューラルネットワークを訓練する方法であって、
ラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを含む、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記方法は、複数のラベリングされた医用画像を使用して繰り返し実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誤差ベクトルが、前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションのみを使用して計算される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
医用イメージングシステムであって、
マシン実行可能命令を記憶するメモリと、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法によって訓練されたニューラルネットワークと、
前記医用イメージングシステムを制御するプロセッサと、
を有し、前記マシン実行可能命令の実行が、前記プロセッサに、
医用画像を受け取るステップと、
前記医用画像を前記ニューラルネットワークに入力し、前記入力に応答して前記ニューラルネットワークから他の処理ロケーションを受け取るステップと、
を実行させる、医用イメージングシステム。
【請求項5】
前記医用イメージングシステムは、磁気共鳴イメージングシステムを更に有し、前記メモリは、磁気共鳴イメージングプロトコルに従って磁気共鳴イメージングデータを取得するように前記磁気共鳴イメージングシステムを制御するよう構成されたパルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
他の処理ロケーションを使用して前記パルスシーケンスコマンドを変更するステップと、
前記変更されたパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記磁気共鳴イメージングデータを用いて磁気共鳴画像を再構成するステップと、
を実行させる、請求項4に記載の医用イメージングシステム。
【請求項6】
前記メモリは、前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するように構成された初期パルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して、前記初期パルスシーケンスコマンドを使用して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記初期磁気共鳴イメージングデータを使用して医用画像を再構成するステップと、
を実行させる、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項7】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは動脈血スピンラベリングプロトコルであり、前記他の処理領域はラベリング位置である、請求項5又は6に記載の医用イメージングシステム。
【請求項8】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、動的コントラスト強調磁気共鳴イメージングプロトコル又は動的感受性コントラスト潅流磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理領域は、動脈入力機能のための測定ロケーションである、請求項5又は6に記載の医用イメージングシステム。
【請求項9】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルであり、前記他の処理領域は、前記単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルを実行するための単一ボクセルロケーションである、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項10】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理領域は、前記位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルを実行するためのスライスロケーションである、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項11】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、コントラスト強調磁気共鳴血管造影プロトコルであり、前記他の処理領域は、前記磁気共鳴イメージングデータの取得をトリガするための時間領域である、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項12】
前記医用画像は、脳の拡散強調磁気共鳴画像であり、前記他の処理領域は、サイズ選択に係るシード点及び/又は関心領域であり、前記マシン実行可能命令の実行は更に、前記プロセッサに、前記他の処理領域及び中間画像を脳線維追跡アルゴリズムに入力することによって、脳線維追跡画像を計算するステップを実行させる、請求項4に記載の医用イメージングシステム。
【請求項13】
前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
医用画像をユーザインタフェースに表示するステップと、
正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを受信するステップと、
ニューラルネットワークを訓練するステップであって、
他のラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記他のラベリングされた医用画像は、他の正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有する、ステップと、
少なくとも1つの他の試行処理ロケーションを取得するために、前記他のラベリングされた前記医用画像をニューラルネットワークに入力するステップであって、前記少なくとも1つの他の試行処理ロケーションは、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを有する、ステップと、
前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する他の最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記他の最も近い正解処理ロケーション及び前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して他の誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有するステップと、
を実行させる、請求項4乃至12のいずれか1項に記載の医用イメージングシステム。
【請求項14】
医用イメージングシステムを制御するためにプロセッサにより実行されるマシン実行可能命令を有するコンピュータプログラムであって、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
ラベリングされた医用画像を受信するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有するものである、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーショは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージングに関する。
【背景技術】
【0002】
大きな静磁場は、被検体の身体内の画像を生成するためのプロシージャの一部として原子の核スピンをそろえるために、磁気共鳴イメージング(MRI)スキャナによって使用される。この大きな静磁場は、B0磁場又は主磁場と呼ばれる。被検体の様々な量又は特性は、MRIを使用して空間的に測定されることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
磁気共鳴データの取得を制御するためにパルスシーケンスを使用することによって、様々なイメージング(撮像)プロトコルを実施することができる。これらのパルスシーケンスの設計において、通常、多数の調整可能な画像取得パラメータが存在する。場合によっては、オペレータが初期スキャン又はサーベイスキャンを行い、これを使用して、後続の画像取得を修正するために使用されるロケーションを決定する。
【0004】
国際公開第2017/106469A1号公報は、深層ニューラルネットワークを使用して潅流強調医用画像を分析するためのシステム及び方法を開示している。この方法は、磁気共鳴(「MR」)イメージングシステムを使用して被検体から取得される潅流強調(perfusion-weighted)イメージングデータを入力するステップと、4次元(「4D」)畳み込みニューラルネットワークを使用して潅流強調イメージングデータに関連する少なくとも1つのボクセルをモデリングするステップと、を有する。方法は更に、各モデル化されたボクセルについて時空間特徴を抽出するステップと、抽出された時空間特徴に基づいて各モデル化されたボクセルについて少なくとも1つの潅流パラメータを推定するステップとを有する。方法は更に、被検体における潅流を示す少なくとも1つの潅流パラメータを使用してリポートを生成するステップを有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項における方法、医用イメージングシステム、及びコンピュータプログラム製品を提供する。複数の実施形態が従属請求項に記載されている。
【0006】
いくつかの実施形態は、複雑な磁気共鳴イメージング技法を自動的に実行する手段を提供することができる。これは、特別に訓練されたニューラルネットワークを使用することによって達成されることができる。動脈血スピンラベリング(Arterial Spin Labeling、ASL)のようないくつかのイメージング技術では、個々又は複数の動脈における血液が、磁気的にラベリングされる。このタスクを自動化する際の難点は、ラベリングボリューム又はプレーンについていくつかの許容可能な空間ロケーションが存在し得ることである。
【0007】
これを行うためにニューラルネットワークを訓練するために、通常の訓練プロシージャが変更される。ラベリングされた2以上の正しいロケーションを有するラベリングされた医用画像が提供される。これらは、正解(truth)処理ロケーションと呼ばれる。ニューラルネットワークを訓練するために、ラベリングされた医用画像が、最初にニューラルネットワークに入力される。これは、試行(trial)処理ロケーションの出力をもたらす。ニューラルネットワークを訓練するために誤差ベクトルを計算するために、試行処理ロケーションに最も近い正解処理ロケーションが選択される。次いで、この最も近い処理ロケーション及び試行処理ロケーションを使用して、ニューラルネットワークを訓練する。これは、訓練プロシージャが改善された試行処理ロケーションをロバストに見つけることを可能にする。訓練プロシージャが完了すると、試行処理ロケーションを使用して、磁気共鳴イメージングプロトコルを自動化することができる。
【0008】
一態様では、本発明は、処理ロケーションを提供するように構成されるニューラルネットワークを訓練する方法を提供する。この方法は、ラベリングされた医用画像を提供することを含む。ラベリングされた医用画像は、各々が正解処理ロケーションを示す複数のラベルを含む。本明細書で使用される正解処理ロケーションは、処理ロケーション、複数の処理ロケーション、又は正しいと見なされるか又は考えられる処理ロケーションを包含する。本方法は、少なくとも1つの試行処理ロケーションを取得するために、ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力するステップを更に有する。少なくとも1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む。本方法は、最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップを更に有する。
【0009】
例えば、複数の正解処理ロケーションは、異なるロケーションに分散されてもよいし、医用画像内の複数の異なるロケーションの範囲を含んでもよい。最も近い正解処理ロケーションは、正解処理ロケーションのうちニューラルネットワークの出力に最も近いものである。この方法は、最も近い正解処理ロケーション及び最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップを更に有する。異なる実施形態では、これは異なる形態をとることができる。試行処理ロケーションが正解処理ロケーション内にあるか、又は正解処理ロケーションと同じであるように、ベクトルは、サイズ及び/又はロケーションの変化を示すことができる。この方法は、誤差ベクトルを使用してニューラルネットワークを訓練することを更に有する。訓練は例えば、ニューラルネットワークが畳み込みニューラルネットワークである場合、深層学習を使用して実行されることができる。
【0010】
この実施形態は、複数の正しい解が存在する場合にニューラルネットワークを訓練する手段を提供するので、有益であり得る。これは、様々なタイプの医用イメージングプロシージャにおいて有用であり得る。例えば、動脈血スピンラベリングでは、ラベリングボリューム、ラベリング平面、又は単一の動脈ラベリングスポットが選択される。しかしながら、動脈血スピンラベリングのための適切なラベリングボリュームを選択することには、ある程度の自由度がある。この特定の例ではラベリングされた医用画像を構築するとき、人間又は他のユーザは、ラベリングボリュームとして許容可能なものとして多数の異なるボリュームをラベル付けすることができる。この場合、これらはすべて、個々の正解処理ロケーションとなる。次いで、ニューラルネットワークはラベリングされた画像を取得し、少なくとも1つの試行処理ロケーションを出力することができる。次いで、これらの試行処理ロケーションの最も可能性の高いものを、医用画像上に配置された様々なラベリングボリュームと比較することができる。誤差ベクトルは、最も可能性の高い試行処理ロケーションが最も近いスピンラベリングボリュームに変換されるように構成されることができる。これは、例えば、ニューラルネットワークの訓練が一般に人間によってロバストな方法で行われるタスクを実行することを可能にすることができる。
【0011】
別の実施形態では、方法は、複数のラベリングされた医用画像を使用して繰り返し実行される。これは、ニューラルネットワークが訓練されるにつれて、処理ロケーションを適切に配置するニューラルネットワークの能力が増加するので、有利であり得る。
【0012】
別の実施形態では、誤差ベクトルは、最も近い正解処理ロケーション及び最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用してのみ計算される。
【0013】
別の実施形態では、複数のラベリングされた医用画像のうちの少なくとも1つが、正しい境界ボックスを示す単一のラベルのみを有する。例えば、ニューラルネットワークを訓練する場合、いくつかの個々の画像において、1つの境界ボックスのみが存在することも可能である。したがって、試行処理ロケーションを示す境界ボックスの数は可変でありうる。
【0014】
本明細書で使用されるように、試行処理ロケーションは、境界ボックスに関連付けられることができる。境界ボックスは、画像又は医用画像のボリューム又は領域の識別でありうる。
【0015】
別の態様では、本発明が、マシン実行可能命令を記憶するメモリと、一実施形態に従って訓練されるニューラルネットワークと、を備える医用イメージングシステムを提供する。ニューラルネットワークは例えば、畳み込みニューラルネットワークでありうる。
【0016】
医用イメージングシステムは、マシン実行可能命令を制御するためのプロセッサを更に有する。マシン実行可能命令の実行は、プロセッサに、医用画像を受信させる。マシン実行可能命令の実行は、プロセッサに、医用画像をニューラルネットワークに入力させる。次いで、ニューラルネットワークは、この入力に応答して、他の処理ロケーションを提供する。
【0017】
他の処理ロケーションは、それぞれ異なる例又は実施形態において異なる形態をとりうる。一例では、他の処理ロケーションは、他の磁気共鳴イメージングプロシージャ又はプロトコルを修正又は制御するために使用される領域である。他の例では、他の処理ロケーションは、医用画像を分析又は修正するための数値アルゴリズムを制御するための入力として使用されることができる。
【0018】
別の実施形態では、医用イメージングシステムは、磁気共鳴イメージングシステムを更に有する。メモリは、磁気共鳴撮像プロトコルに従って磁気共鳴撮像データを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御するよう構成されるパルスシーケンスコマンドを更に有する。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、他の処理ロケーションを使用してパルスシーケンスコマンドを修正させる。例えば、パルスシーケンスが、動脈血スピンラベリングを実行するように磁気共鳴イメージングシステムを制御するよう命令する場合、他の処理ロケーションは例えば、ラベリングボリュームでありうる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、修正されたパルスシーケンスコマンドを用いて磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴イメージングデータを取得させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、磁気共鳴イメージングプロトコルに従って磁気共鳴イメージングデータを使用して磁気共鳴画像を再構成させる。この実施形態は、磁気共鳴画像の取得及び再構成を自動化する手段を提供し得るため、有益であり得る。動脈血スピンラベリングの例を再び使用すると、これは、システムのオペレータ又はユーザが、ラベリングボリュームを手動で選択しなければならないことを省くことができる。
【0019】
別の実施形態では、メモリは、初期の磁気共鳴イメージングデータを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御するよう構成される初期パルスシーケンスコマンドを更に有する。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、初期のパルスシーケンスコマンドを使用して初期の磁気共鳴イメージングデータを取得するように磁気共鳴イメージングシステムを制御させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、初期磁気共鳴イメージングデータを使用して医用画像を再構成させる。これは、例えば、複雑な磁気共鳴イメージングプロトコルにおける磁気共鳴画像の完全に自動化された取得及び撮像を可能にするのにも役立ち得る。磁気共鳴イメージングは例えば、低解像度スキャン又はサーベイスキャンを取得し、これをニューラルネットワークへの入力として使用することができる。次いで、ニューラルネットワークは、パルスシーケンスコマンドを修正するために使用される他の処理ロケーションを出力し、次いで、自動化された態様で磁気共鳴画像を取得し、再構成する。
【0020】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングプロトコルは、動脈血スピンラベリングプロトコルである。他の処理領域は、ラベリングロケーションである。ラベリングロケーションは、血液が流れる領域であり、動脈血スピンラベリングプロトコル中にラベリングされる。
【0021】
この実施形態は、動脈血スピンラベリングプロトコルを自動化する手段を提供し得るため、有益であり得る。
【0022】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングプロトコルは、動的コントラスト強調磁気共鳴イメージングプロトコル又は動的磁化率コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルである。他の処理領域は、動脈入力機能のための測定ロケーションである。
【0023】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングプロトコルは、単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルである。他の処理領域は、単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルを実行するための単一ボクセルロケーションである。
【0024】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングプロトコルは、位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルである。他の処理領域は、位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルを実行するためのスライス位置である。
【0025】
別の実施形態では、磁気共鳴イメージングプロトコルは、コントラスト強調磁気共鳴血管造影プロトコルである。他の処理領域は、磁気共鳴イメージングデータの取得をトリガするための時間領域である。この実施形態では、他の処理領域は、本質的に信号であり、他の処理領域は、磁気共鳴イメージングデータが取得される時間である。
【0026】
別の実施形態では、医用画像は、脳の拡散強調磁気共鳴画像である。他の処理領域は、サイズ選択に係るシード点及び/又は関心領域である。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、他の処理領域及び医用画像を脳線維追跡アルゴリズムに入力することによって、脳線維追跡画像を計算させる。この実施形態は、脳線維追跡アルゴリズムの開始及び実行を自動化するための手段を提供するため、有益であり得る。
【0027】
別の実施形態では、マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、医用画像をユーザインタフェース上に表示させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、それぞれが正解処理ロケーションを示す複数のラベルを受信させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、他のラベリングされた医用画像を最初に提供することによって、ニューラルネットワークを訓練させる。他のラベリングされた医用画像は、それぞれが他の正解処理ロケーションを示す他の複数のラベルを有する。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、他のラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して少なくとも1つの他の試行処理ロケーションを取得することによって、ニューラルネットワークを訓練させる。少なくとも1つの他の試行処理ロケーションは、最も可能性の高い他の試行処理ロケーションを含む。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションのための他の最も近い正解処理ロケーションを決定することによって、ニューラルネットワークを訓練させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、他の最も近い正解処理ロケーション及び他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して他の誤差ベクトルを計算することによって、ニューラルネットワークを訓練させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、誤差ベクトルを使用してニューラルネットワークを訓練することによってニューラルネットワークを訓練させる。
【0028】
少なくとも1つの他の試行処理ロケーションは、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む。ニューラルネットワークを訓練する方法は、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する他の最も近い正解処理ロケーションを決定することによって完全に実行される。ニューラルネットワークの訓練は最終的に、誤差ベクトルを使用してニューラルネットワークを訓練することによって更に実行される。この実施形態は、使用中にニューラルネットワークの性能を継続的にアップグレードする手段を提供することができるので、有益であり得る。
【0029】
他の態様では、本発明は、医用イメージングシステムを制御するプロセッサにより実行されるためのマシン実行可能命令を有するコンピュータプログラム製品を提供する。マシン実行可能命令の実行は、プロセッサに、ラベル付き医用画像を受信させる。ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有する。マシン実行可能命令の実行は、プロセッサに、ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、少なくとも1つの試行処理ロケーションを取得させる。少なくとも1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを有する。マシン実行可能命令の実行は、プロセッサに、最も可能性の高い試行処理ロケーションについて最も近い正解処理ロケーションを決定させる。マシン実行可能命令の実行は更に、プロセッサに、最も近い正解処理ロケーション及び最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算させる。マシン実行可能命令の実行はプロセッサに、誤差ベクトルを使用してニューラルネットワークを訓練させる。
【0030】
組み合わせられた実施形態が相互に排他的でない限り、本発明の前述の実施形態の1つ又は複数が組み合わせされることができることを理解されたい。
【0031】
当業者には理解されるように、本発明の態様は、装置、方法、又はコンピュータプログラム製品として具現化することができる。更に、本発明の態様は、コンピュータ実行可能コードがその上に具現化された1つ又は複数のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本発明の態様が完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又は本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ぶことができるソフトウェア及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる。
【0032】
1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが使用されることができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。本明細書で使用される「コンピュータ可読記憶媒体」は、コンピューティング装置のプロセッサによって実行可能な命令を記憶することができる任意の有形の記憶媒体を包含する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ可読の非一時的記憶媒体と呼ばれることもある。コンピュータ可読記憶媒体はまた、有形のコンピュータ可読媒体と呼ばれることもある。ある実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピューティング装置のプロセッサによってアクセス可能なデータを記憶することも可能である。コンピュータ可読記憶媒体の例としてはフロッピーディスク、磁気ハードディスクドライブ、ソリッドステートハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスク、光磁気ディスク、及びプロセッサのレジスタファイルが挙げられるが、これらに限定されない。光ディスクの例としては、CD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RW、又はDVD-Rディスクなどのコンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)がある。コンピュータ可読記憶媒体という用語はまた、ネットワーク又は通信リンクを介してコンピューティング装置によってアクセスされることが可能な様々なタイプの記録媒体をさす。例えば、データは、モデムを介して、インターネットを介して、又はローカルエリアネットワークを介して取り出されることができる。コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータ実行可能コードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、又は前述のものの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0033】
コンピュータ可読信号媒体は例えば、ベースバンドで、又は搬送波の一部として、コンピュータ実行可能コードがその中に具現化された伝播データ信号を含むことができる。そのような伝播信号は、電磁、光学、又はそれらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、任意の様々な形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、機器、又は装置によって、又はそれに関連して使用するために、プログラムを通信し、伝播し、又は移送することができる、任意のコンピュータ可読媒体でありうる。
【0034】
「コンピュータメモリ」又は「メモリ」は、コンピュータ可読記憶媒体の一例である。コンピュータメモリは、プロセッサにとって直接アクセス可能な任意のメモリである。「コンピュータ記憶装置」又は「記憶装置」は、コンピュータ可読記憶媒体の他の一例である。コンピュータ記憶装置は、任意の不揮発性コンピュータ可読記憶媒体である。ある実施形態では、コンピュータ記憶装置は、コンピュータメモリでありえ、又はその逆もありうる。
【0035】
本明細書で使用される「プロセッサ」は、プログラム又はマシン実行可能命令又はコンピュータ実行可能コードを実行することができる電子コンポーネントを包含する。「プロセッサ」を含むコンピューティング装置への言及は、可能性として複数のプロセッサ又は処理コアを含むものとして解釈されるべきである。プロセッサは、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサは、単一のコンピュータシステム内の、又は複数のコンピュータシステム間で分散されたプロセッサの集合を指す場合もある。コンピューティング装置という語は、プロセッサ又はプロセッサを構成するそれぞれのコンピューティング装置の集合又はネットワークを指すことができると解釈されるべきである。コンピュータ実行可能コードは、複数のプロセッサによって実行されることができ、かかる複数のプロセッサは、同一のコンピューティング装置内にあってもよいし、複数のコンピューティング装置に分散されていてもよい。
【0036】
コンピュータ実行可能コードは、プロセッサに本発明の態様を実行させるマシン実行可能命令又はプログラムを有することができる。本発明の態様に関する動作を実行するためのコンピュータ実行可能コードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語及び「C」プログラミング言語又は類似のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含み、マシン実行可能命令にコンパイルされた、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。場合によっては、コンピュータ実行可能コードが高水準言語の形であっても、事前コンパイルされた形であってもよく、その場でマシン実行可能命令を生成するインタプリタと共に使用されることができる。
【0037】
コンピュータ実行可能コードは、ユーザのコンピュータ上で、部分的にはユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、部分的にはユーザのコンピュータ上で、部分的にはリモートのコンピュータ上で、又は全体的にはリモートのコンピュータ又はサーバ上で、実行されることができる。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、又は(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0038】
本発明の態様は、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート、図、及び/又はブロック図の各ブロック又はブロックの部分は、適用可能な場合にはコンピュータ実行可能コードの形のコンピュータプログラム命令によって実施されることができることを理解されたい。更に、互いに排他的ではない場合、複数の異なるフローチャート、図、及び/又はブロック図におけるブロックの組み合わせを組み合わせることができることが理解される。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供され、コンピュータ又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャート及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するような、マシンを生成することができる。
【0039】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスに特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納されてもよく、その結果、コンピュータ可読媒体に格納された命令はフローチャート及び/又はブロック図のブロック又はブロック群で指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を生成する。
【0040】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、又は他のデバイスにロードされることで、コンピュータ、他のプログラマブル装置、又は他のデバイス上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ又は他のプログラマブル装置上で実行される命令がフローチャート及び/又はブロック図のブロック又はブロックに指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するような、コンピュータ実装プロセスを生成することもできる。
【0041】
ここで使用される「ユーザインタフェース」は、ユーザ又はオペレータがコンピュータ又はコンピュータシステムと対話することを可能にするインタフェースである。「ユーザインタフェース」は、「ヒューマンインターフェース装置」とも呼ばれ、ユーザインタフェースは情報又はデータをオペレータに提供し、及び/又はオペレータから情報又はデータを受信することができる。ユーザインタフェースは、オペレータからの入力をコンピュータによって受け取ることを可能にし、コンピュータからユーザに出力を提供することができる。換言すれば、ユーザインタフェースは、オペレータがコンピュータを制御又は操作することを可能にし、インタフェースは、コンピュータがオペレータの制御又は操作の効果を示すことを可能にしてもよい。ディスプレイ又はグラフィカルユーザインタフェース上のデータ又は情報の表示は、オペレータに情報を提供する一例である。キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッド、ポインティングスティック、グラフィックスタブレット、ジョイスティック、ゲームパッド、ウェブカメラ、ヘッドセット、ペダル、有線グローブ、リモートコントロール、及び加速度計を介したデータの受信は、すべて、オペレータからの情報又はデータの受信を可能にするユーザインターフェースコンポーネントの例である。
【0042】
本明細書で使用される「ハードウェアインタフェース」は、コンピュータシステムのプロセッサが外部コンピューティング装置及び/又は機器と対話する及び/又はそれを制御することを可能にするインタフェースを含む。ハードウェアインタフェースは、プロセッサが、制御信号又は命令を外部コンピューティング装置及び/又は機器に送信することを可能にし得る。ハードウェアインタフェースはまた、プロセッサが外部コンピューティング装置及び/又は装置とデータを交換することを可能にしうる。ハードウェアインタフェースの例としてはユニバーサルシリアルバス、IEEE1394ポート、パラレルポート、IEEE1284ポート、シリアルポート、RS-232ポート、IEEE-488ポート、Bluetooth接続、ワイヤレスローカルエリアネットワーク接続、TCP/IP接続、イーサネット接続、制御電圧インタフェース、MIDIインタフェース、アナログ入力インタフェース、及びデジタル入力インタフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0043】
本明細書で使用される「ディスプレイ」又は「ディスプレイ装置」は、画像又はデータを表示するように適応された出力装置又はユーザインタフェースを包含する。ディスプレイは、視覚的データ、聴覚データ、及び/又は触覚データを出力することができる。ディスプレイの例としてはコンピュータモニタ、テレビ画面、タッチスクリーン、触覚電子ディスプレイ、点字スクリーン、ブライユ管(CRT)、蓄積管、双安定ディスプレイ、電子ペーパー、ベクトルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ、真空蛍光ディスプレイ(VF)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオードディスプレイ(OLED)、プロジェクタ、及びヘッドマウントディスプレイが挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
磁気共鳴(MR)データは、本明細書では磁気共鳴イメージングスキャン中に磁気共鳴装置のアンテナを用いて原子スピンによって放射される高周波信号の記録された測定値であると規定される。MRF磁気共鳴データは、磁気共鳴データである。磁気共鳴データは、医用画像データの一例である。磁気共鳴イメージング(MRI)画像又はMR画像は、本明細書では磁気共鳴イメージングデータ内に含まれる解剖学的データの再構成された2次元又は3次元視覚化であると規定される。この視覚化は、コンピュータを使用して実行されることができる。
【0045】
以下、本発明の好ましい実施形態を、単なる例示によって図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】医用画像の一例を示す図。
図2】ニューラルネットワークを訓練する方法を示すフローチャート。
図3】医用イメージングシステムの一例を示す図。
図4図3の医用イメージングシステムを作動させる方法を示すフローチャート。
図5】医用イメージングシステムの他の例を示す図。
図6図5の医用イメージングシステムを作動させる方法を示すフローチャート。
図7】ニューラルネットワークを訓練する例示的な方法を示す。
図8】ニューラルネットワークを使用して、医用画像上に他の処理ボリュームを配置する例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
これらの図における同様の番号が付された構成要素は、同等の構成要素であるか、又は同じ機能を実行するかのいずれかである。前述した構成要素は、機能が同等である場合には、必ずしも後の図で説明されない。
【0048】
図1は、ラベリングされた医用画像100を表す。ラベリングされた医用画像100は例えば、磁気共鳴画像であってもよい。ラベリングされた医用画像内には、各々が正解処理ロケーションを表す複数のラベル102、104、106がある。ボックス108は、ラベリングされた医用画像100がニューラルネットワークに入力されたときに出力される最も可能性の高い試行処理ロケーションのロケーションを示す。最も可能性の高い試行処理ロケーション108は、正解処理ロケーション102、104、106のいずれにも一致しないことが分かる。しかしながら、正解処理ロケーション106が、最も可能性の高い試行処理ロケーション108に最も近い。この差は、誤差ベクトル110として表されることができる。次に、誤差ベクトル110を使用して、ニューラルネットワークを訓練することができる。
【0049】
図2は、ニューラルネットワークを訓練する方法を示すフローチャートを示す。最初に、ステップ200において、ラベリングされた医用画像100が提供される。ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が表す複数のラベル102、104、106を含む。次に、ステップ202において、ラベリングされた医用画像100が、ニューラルネットワークに入力され、少なくとも1つの試行処理ロケーションを取得する。少なくとも1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーション108を含む。次に、ステップ204において、最も近い正解処理ロケーション106が、最も可能性の高い試行処理ロケーション108に対して決定される。次に、ステップ206では、最も近い正解処理ロケーション106と最も可能性の高い試行処理ロケーション108の位置を使用して、誤差ベクトル110が計算される。最後に、ステップ108において、ニューラルネットワークは、誤差ベクトル110を用いて訓練される。
【0050】
図3は、医用イメージングシステム300の一例を示す。この例の医用イメージングシステム300は、コンピュータ302を含む。コンピュータ302は、ハードウェアインタフェースに任意に接続され及びユーザインタフェース308に任意に接続されるプロセッサ304を備えている。任意のハードウェアインタフェース306は、プロセッサ304が他のコンピュータと通信することを可能にし、また、医用イメージングシステム300の他の構成要素の動作及び機能を制御することを可能にし得る。任意のユーザインタフェース308は、プロセッサ304がデータを表示し、ユーザから命令及びコマンドを受信することを可能にし得る。プロセッサ304は、メモリ310に接続されているものとして示されている。
【0051】
メモリ310は、プロセッサ304にアクセス可能なメモリの任意の組み合わせであってもよい。これには、メイン・メモリ、キャッシュ・メモリなどのものや、フラッシュRAM、ハード・ドライブ、又はその他の記憶装置などの不揮発性メモリも含まれる。いくつかの例では、メモリ304が非一時的コンピュータ可読媒体であると考えることができる。
【0052】
メモリ310は、プロセッサ304が医用イメージングシステム300の他の構成要素の動作及び機能を制御すること、並びに様々なアルゴリズム機能及び画像処理機能を実行することを可能にし得るマシン実行可能命令320を含むものとして示されている。メモリ310は更に、一例又は一実施形態に従って訓練されたニューラルネットワーク322を含むものとして示されている。メモリ310は更に、医用画像324を含むものとして示されている。いくつかの例では、医用画像324は磁気共鳴画像でありうる。医用画像324は、ニューラルネットワーク322に入力され、出力として他の処理ロケーション326が受け取られる。他の処理ロケーション326は、医用イメージングシステム300の機能を修正するためにプロセッサ304によって使用されることができる。例えば、いくつかの例では、他の処理ロケーション326が、他の又は後続の磁気共鳴イメージング取得及びイメージングプロトコルを制御するために使用されることができる。
【0053】
他の例では、他の処理ロケーション326を使用して、数値アルゴリズムを開始し又は制御することができる。一例として、メモリ310は、脳線維追跡画像を計算するために拡散テンソルイメージング磁気共鳴イメージングで使用されることができる任意選択の脳線維追跡アルゴリズム328を含むものとして示されている。メモリ310は、任意選択の脳線維追跡アルゴリズム328への入力として、他の処理ロケーション326及び医用画像324を使用することから得られた任意選択の脳線維追跡画像を含むものとして更に示されている。
【0054】
図4は、図3の医用イメージングシステム300を動作させる方法を示すフローチャートを示す。最初に、ステップ400において、医用画像324が受け取られる。次に、ステップ402において、医用画像324が、ニューラルネットワーク322に入力され、他の処理ロケーション326が受け取られる。図4の方法が実行された後、様々な異なる動作が実行されることができる。例えば、他の処理ロケーション326は、更なる取得のため磁気共鳴イメージングシステムを制御するために使用されることができる。他の例では、他の処理ロケーションは、図3に示す脳線維追跡アルゴリズム328などの数値アルゴリズムの挙動を制御するために使用されることができる。
【0055】
図5は、医用イメージングシステム500の他の例を示す。この例では、医用イメージングシステム500は、磁石504を有する磁気共鳴イメージングシステム502を有する。磁石504は、円筒形の超電導磁石であり、かかる超電導磁石は、それを貫通するボア106を有する。異なる複数の種類の磁石の使用も可能である。例えば、分割された円筒形磁石といわゆるオープン磁石の両方を使用することも可能である。分割された円筒形磁石は、クライオスタットが磁石の等平面へのアクセスを可能にするために2つのセクションに分割されていることを除いて、標準的な円筒形磁石と同様であり、このような磁石は例えば、荷電粒子ビーム治療と併せて使用されることができる。オープン磁石は、上下に配された磁石セクション間に被検体を受け入れるのに十分な大きさの空間を有する2つの磁石セクションを有し、2つの磁石セクションの配置は、ヘルムホルツコイルのそれに類似している。オープン磁石は、被写体が閉じ込められないため、人気がある。円筒形磁石のクライオスタットの内部には、超電導コイルの集合体がある。円筒形磁石504のボア506内には、磁場が磁気共鳴イメージングを実行するのに十分に強くかつ均一である撮像ゾーン508が存在する。関心領域509は、撮像ゾーン508内に示されている。取得される磁気共鳴データは、典型的には、関心領域について取得される。被検体518は被検体518の少なくとも一部が撮像ゾーン508及び関心領域509内にあるように、被検体支持体520によって支持されているように示されている。
【0056】
磁石のボア506内には、磁場勾配コイル510の組も存在し、これは、磁石504の撮像ゾーン508内で磁気スピンを空間符号化するための予備的な磁気共鳴データを取得するために使用される。磁場勾配コイル510は、磁場勾配コイル電源512に接続されている。磁場勾配コイル510は、代表例+B255であることが意図される。典型的には、磁場勾配コイル510は、3つの直交する空間方向において空間符号化するための3つの別々のコイル組を有する。磁場勾配電源は、磁場勾配コイルに電流を供給する。磁場勾配コイル510に供給される電流は、時間の関数として制御され、ランプ状にされてもパルス状にされてもよい。
【0057】
撮像ゾーン508に隣接して、撮像ゾーン508内の磁気スピンの向きを操作し、撮像ゾーン508内のスピンからの無線送信も受信するための無線周波数コイル514がある。無線周波数アンテナは、複数のコイル素子を有することができる。無線周波数アンテナは、チャネル又はアンテナと称されることができる。無線周波数コイル514は、無線周波数トランシーバ516に接続される。無線周波数コイル514及び無線周波数トランシーバ516は、別個の送信コイル及び受信コイル、並びに別個の送信機及び受信機と置き換えられることができる。無線周波数コイル514及び無線周波数トランシーバ516は、代表例であることが理解される。無線周波数コイル514は、専用の送信アンテナ及び専用の受信アンテナを表すことも意図される。同様に、トランシーバ516も、別個の送信機及び受信機を表すことができる。無線周波数コイル514は、複数の受信/送信素子を有することもでき、無線周波数トランシーバ516は、複数の受信/送信チャネルを有することができる。例えば、SENSEなどのパラレルイメージング技術が実行される場合、無線周波数514は、複数のコイル素子を有することができる。
【0058】
この例では、被検体518は、被検体の頭部領域が関心領域509内にあるように位置付けられる。他の例では、対象518の身体の他の部分が、関心領域509内に配置されてもよい。
【0059】
トランシーバ516及び勾配コントローラ512は、コンピュータシステム302のハードウェアインタフェース306に接続されているように示されている。
【0060】
メモリ310は、磁気共鳴イメージングシステム502を制御して初期の磁気共鳴イメージングデータ532を取得するために使用される初期パルスシーケンスコマンド530を含むものとして更に示されている。例えば、初期パルスシーケンスコマンド530は、低解像度スキャン又はサーベイスキャンを取得するために使用され得る。メモリ310は更に、初期パルスシーケンスコマンド530によって磁気共鳴イメージングシステム502を制御することによって取得される初期の磁気共鳴イメージングデータ532を含むものとして示される。この例における医用画像324は、初期の磁気共鳴イメージングデータ532から再構成された。この例では、他の処理ロケーション326は、識別されたボリュームである。
【0061】
他の処理ロケーション326のロケーションは、撮像ゾーン508内に示される。他の処理ロケーション326は例えば、動脈血スピンラベリングプロトコル中にラベリングするために使用される面又はボリュームであり得る。別の例では、他の処理ロケーション326は、動的コントラスト強調磁気共鳴イメージングのための動脈入力機能のための測定ロケーションであり得る。別の例では、他の処理ロケーション326は、磁気共鳴イメージングスペクトロスコピーを実行する際の単一ボクセルに関するロケーションである。
【0062】
メモリは更に、パルスシーケンスコマンド534を有するものとして示されている。プロセッサ324は、他の処理ロケーション326を使用して、パルスシーケンスコマンド534を変更されたパルスシーケンスコマンド536に変更する。次いで、変更されたパルスシーケンスコマンド536を使用して、磁気共鳴イメージングシステム502を制御して磁気共鳴イメージングデータ538を取得する。変更されたパルスシーケンスコマンド536及び磁気共鳴イメージングデータ538は、共にメモリ310に記憶されるものとして示される。メモリ310は更に、磁気共鳴イメージングデータ538から再構成された磁気共鳴画像540を含むものとして示される。
【0063】
図6は、図5の医用イメージングシステム500を作動させる方法を示すフローチャートを示す。最初に、ステップ600において、磁気共鳴イメージングシステム502は、初期パルスシーケンスコマンド530で制御されて、初期の磁気共鳴イメージングデータ532を取得する。次に、ステップ602において、医用画像324が、初期の磁気共鳴イメージングデータ532から再構成される。次に、この方法は、図2に示す方法のステップ400に進み、次いで402に進む。ステップ402が実行された後、方法ステップ604が実行される。ステップ604において、パルスシーケンスコマンド534は、他の処理ロケーション326を用いて変更される。次いで、ステップ606において、変更されたパルスシーケンスコマンド536を使用して、磁気共鳴イメージングシステム502を制御して、磁気共鳴イメージングデータ538を取得する。最後に、ステップ608において、磁気共鳴イメージングデータ538から磁気共鳴画像540が再構成される。
【0064】
動脈血スピンラベリング(ASL)では、計算される潅流マップの画質は、事前に取得された血管造影画像における最適なラベリング位置の選択に大きく依存する。これは、関心のある動脈の注意深い選択が、最適なラベリング効率のために必要とされる選択的ASL技術にとって特に重要である。今日、このタスクは、通常、以前の経験に頼らなければならないオペレータによって実行されなければならない。これは、時間のかかる作業であるだけでなく、経験の少ないユーザにとって低品質の結果につながる可能性がある。
【0065】
例示は、このタスクの自動的な処理を提供することができる。それは、多数の注釈付き血管造影画像100に対して訓練される深層ニューラルネットワーク322に基づくことがある。適用中、血管造影データが利用可能になるとすぐに、最適なラベリング位置が自動的に予測されることができる。これは、提案されるラベリング位置をオペレータに提供するために、又は完全に自動化されたASL検査の一部として、使用されることができる。
【0066】
ASLは概して、動脈血水スピンの内在トレーサとしての利用に依存する。血液は、イメージング領域の近位でラベリングされる。血液がイメージング領域に移動するのに必要とされるある時間の後、磁気的にラベリングされたスピンは、組織の水分子と置き換わり、それによって、全体的な組織磁化を減少させる。したがって、取得された(ラベリングされた)画像は、ラベリングされたスピンと静止した脳組織との間の磁気的差異に感応する。純粋に潅流強調信号を得るために、理想的には血液磁化が変えられない状態で、第2の画像取得(制御)が必要とされる。ラベル画像と制御画像の両方を後から減算することにより、全ての静止組織信号が除去され、純粋な潅流強調画像が得られる。十分な信号対雑音比(SNR)を保証するために、ラベル画像及び制御画像のいくつかの対(通常、5~30対のオーダー)が取得され、その結果、約3~5分の比較的長い全体スキャン時間が得られる。
【0067】
通常のASL画像診断では、ラベリング平面は通常、事前に取得された血管造影スキャン(最も多いのはタイムオブフライト(TOF)又は位相コントラスト(PC)血管造影)に基づいて選択される。理想的には、ラベリング平面が、全ての大きな栄養動脈に対して垂直であるように配置されるべきである。多くの血管解剖学的構造では、これは不可能であり、最良の妥協点が選択されなければならない。通常、オペレータは、その人自身の以前の経験のみに基づいて、最良のラベリング位置を選択する。
【0068】
選択的ASLでは、脳内の様々な潅流領域を視覚化できるように、血液は、個々の動脈でのみラベリングされる。この目的のために、オペレータは例えば、各動脈上にラベリングスポットを配置することによって、関心動脈のみがラベリングされ、隣接する血管がラベリングされないように、適切なラベリング位置を選択しなければならない。血管の解剖学的構造とは別に、選択的ラベリングの効率を制御する多くの他の影響ファクタ(例えば、血流速度及び血管直径)が存在する。これらは、血管のロケーション、局所的な血管管腔などによって変化し得る。このような影響は、異なるシーケンスパラメータ及び最終的な画像品質に影響を及ぼし得る。
【0069】
ラベリング位置326の選択のために、オペレータは、典型的には上述した全てのファクタを考慮に入れる。更に、選択性/ラベリング勾配強度、ラベリング持続時間、ラベリング後遅延などの重要なラベリングパラメータの個々の適応は、オペレータの高度な技術的知識、及び特定のエンティティ(例えば、血流速度、血管直径など)の定量的な値を必要とする。全体として、これらの課題は、ASLスキャンの実行を時間のかかるタスクにし、ASLスキャンの品質をオペレータの以前の経験に大きく依存させ得る。
【0070】
例は、ASLスキャンのための最適なラベリング位置の自動選択のためのソフトウェアツール322を提供することができる。これは、血管造影画像324を入力として取り込み、最良のラベリング位置(他の処理ロケーション326)の推定値を出力する深層畳み込みニューラルネットワーク322に依存する。オペレータの側では入力は必要とされない。
【0071】
提案されたツールは、非選択的及び選択的ASLスキャンの両方において、ラベリング位置の自動選択のために使用され得る。両方のアプリケーションの詳細な説明を次に示す。提案されたツールの概略的な概要は、以下の図7及び図8に描かれている。
【0072】
図7は、トレーニング方法を図式的に示す。次いで、各々がラベル702を有する多数のトレーニング画像700が、ニューラルネットワーク322をトレーニングするために使用される(704)。
【0073】
図8は、ニューラルネットワーク322の使用を示す。この例では、多数の異なる医用画像324がニューラルネットワーク322に入力される。出力として、多数のラベル予測326が受信される。これらは、他の処理ロケーション326に等しい。
【0074】
図7及び図8のシステムの中心的なコンポーネントは、深層畳み込みニューラルネットワーク322である。ツールの実現は、2つのステップから成る:
【0075】
訓練フェーズの間、ネットワークは、血管造影データセット及び最適なラベリングロケーションの基準座標を有する画像/ラベル対の大きなデータセット上で訓練される。非選択的ASLの場合、目的はすべての脳栄養血管を一度にラベリングすることであり、基準は単に、最適ラベリング平面位置の垂直座標として与えられる。選択的ASLの場合、基準は、関心のある全ての動脈についての最適なラベリング位置の完全な3D座標として与えられる。両方の場合において、必要であれば、ラベリング平面の傾斜角度も提供されることができる。
【0076】
このようなデータセットの生成には、いくつかの選択肢がある:
【0077】
一人又は複数の経験豊富なMRオペレータには、血管造影データセットの大きなセットが与えられ、その後、手動で注釈付けされれる。理想的には、各データセットは、各オペレータによって複数回注釈付けされ、それによって、観察者間及び観察者内の変動の影響を低減する。
【0078】
画像部門の画像アーカイブは、完了したASLスキャンのために構文解析され得る。次いで、採用されたラベリング位置は、プロトコルファイルから抽出され、取得された血管造影データと共にエクスポートされ得る。理想的には、このアーカイブサーチは、手作業による検査によって又は自動の画像品質評価ツールに基づいて、高画質のASL検査に限定される。
【0079】
どちらの場合も、データ増強は、基準ラベリング座標の適切な補正と組み合わされた血管造影データの小さな回転及び/又は並進によって実現され得る。更に、ネットワークの性能は、困難な血管造影データセット、すなわち、ラベリング位置が低い信頼性でしか予測できない血管造影図、又は低いASL画像品質の場合に、オペレータ入力を要求することによって、臨床アプリケーション中であっても改善され得る。
【0080】
訓練自体は、所望の予測能力を達成するために、確率的勾配降下のような確立された技術を用いて、畳み込みニューラルネットワークのパラメータ(重みとバイアス)を最適化することによって実現される。
【0081】
適用中、血管造影データは、取得された直後にネットワークに供給される。次に、ネットワークは、最適なラベリング位置を自動的に予測する。この出力は、オペレータに提案として提示されることができ、オペレータは所望であれば、ラベリング位置を手動で変更することができる。代替的に、予測されたラベリング位置が直接使用され、すなわち、ASLスキャンは、完全に自動化されたやり方で実行されることもできる。
【0082】
一例では、訓練データセットは、いくつかの可能なラベリング位置を含む。次いで、ネットワークは、ラベリング位置選択の推定品質を表す信頼スコアと共に、いくつかの可能なラベリング位置も予測する。次いで、トップスコアリングラベリング位置のみが、ユーザに表示され得る。
【0083】
別の例では、ネットワークは、3Dサーベイスキャンデータ(SmartExam製品によって取得されたものなど)又は他の非血管造影撮像シーケンス、及び動脈がラベリングされる身体内の領域をカバーするコントラストのみに基づいて、最適なラベリング位置を予測するように訓練される。ここでは、訓練データセットのための最適なラベリング位置は、取得された血管造影データに基づいて依然として生成され得るが、ネットワークは、サーベイ画像又は他の非血管造影コントラスト上でのみ訓練される。これにより、血管造影データを長時間取得することなくASL検査が可能になる。
【0084】
別の例では、ニューラルネットワーク322は、血管造影画像100内の関連する動脈のロケーションを識別し、更に、選択的ASL方法のための関連情報を識別するように訓練される。これは、血管符号化ASL内の動脈を分離するための勾配強度を最適化するために、関心のある血管間の距離とすることができる。関連情報はまた、選択的ラベリングのための異なるアプローチにおいて重要であり得る血管管腔、曲率などを含み得る。この目的のために、このネットワークは、血管造影画像における関連する動脈のロケーションを決定するように訓練される。
【0085】
別の例では、ネットワークは、ラベリング位置及びラベリング効率、例えば、高度の狭窄又は閉塞に影響を及ぼし得る血管疾患及び/又は治療(例えば、ステントなど)による血管変化を考慮に入れるように訓練される。この場合、訓練データは、臨床パートナーが提供されなければならない。
【0086】
本発明は、図面及び前述の説明において詳細に図示及び説明されてきたが、そのような図示及び説明は説明的又は例示的であり、限定的ではないと考えられるべきである。本発明は開示された実施形態に限定されるものではない。
【0087】
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する際に当業者によって理解され、及び実施されることができる。請求項において、「有する、含む(comprising)」という語は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に列挙されるいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布されることができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で配布されることもできる。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【符号の説明】
【0088】
100 ラベリングされた医用画像
102 正解処理ロケーション
104 正解処理ロケーション
106 正解処理ロケーション
108 最も可能性の高い試行処理ロケーション
110 誤差ベクトル
200 ラベリングされた医用画像を提供するステップ;ラベリングされた医用画像は、それぞれが正解処理ロケーションを示す複数のラベルを含む。
202 ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、少なくとも1つの試行処理ロケーションを取得する
204 最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定する
206 最も近い正解処理ロケーション及び最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算する
208 誤差ベクトルを用いてニューラルネットワークを訓練する
300 医用イメージングシステム
302 コンピュータ
304 プロセッサ
306 任意選択のハードウェアインタフェース
308 任意選択のユーザインタフェース
310 メモリ
320 マシン実行可能命令
322 ニューラルネットワーク
324 医用画像
326 他の処理ロケーション
328 任意選択の脳線維追跡アルゴリズム
330 任意選択の脳線維追跡画像
400 医用画像を受信する
402 医用画像を畳み込みニューラルネットワークに入力し、入力に応答して、ニューラルネットワークから他の処理ロケーションを受け取る
500 医用イメージングシステム
502 磁気共鳴イメージングシステム
504 磁石
506 磁石のボア
508 撮像ゾーン
509 関心領域
510 磁場勾配コイル
512 磁場勾配コイル電源
514 高周波コイル
516 トランシーバ
518 被検体
520 被検体支持体
530 初期パルスシーケンスコマンド
532 初期の磁気共鳴イメージングデータ
534 パルスシーケンスコマンド
536 変更されたパルスシーケンスコマンド
538 磁気共鳴イメージングデータ
540 磁気共鳴画像
600 初期のパルスシーケンスコマンドを使用して初期の磁気共鳴イメージングデータを取得するよう磁気共鳴イメージングシステムを制御する
602 初期の磁気共鳴イメージングデータを使用して医用画像を再構成する
604 他の処理ロケーションを使用して、パルスシーケンスコマンドを変更する
606 変更されたパルスシーケンスコマンドで磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって、磁気共鳴イメージングデータを取得する
608 磁気共鳴イメージングデータを用いて磁気共鳴画像を再構成する
700 超選択的ASL
702 非選択的ASL
800 訓練画像
802 ラベル
804 訓練
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-01-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の処理ロケーションを提供するように構成されるニューラルネットワークを訓練する方法であって、
ラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを含む、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記方法は、複数のラベリングされた医用画像を使用して繰り返し実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記誤差ベクトルが、前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションのみを使用して計算される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
医用イメージングシステムであって、
マシン実行可能命令を記憶するメモリと、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法によって訓練されたニューラルネットワークと、
前記医用イメージングシステムを制御するプロセッサと、
を有し、前記マシン実行可能命令の実行が、前記プロセッサに、
医用画像を受け取るステップと、
前記医用画像を前記ニューラルネットワークに入力し、前記入力に応答して前記ニューラルネットワークから他の処理ロケーションを受け取るステップと、
を実行させる、医用イメージングシステム。
【請求項5】
前記医用イメージングシステムは、磁気共鳴イメージングシステムを更に有し、前記メモリは、磁気共鳴イメージングプロトコルに従って磁気共鳴イメージングデータを取得するように前記磁気共鳴イメージングシステムを制御するよう構成されたパルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
他の処理ロケーションを使用して前記パルスシーケンスコマンドを変更するステップと、
前記変更されたパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記磁気共鳴イメージングデータを用いて磁気共鳴画像を再構成するステップと、
を実行させる、請求項4に記載の医用イメージングシステム。
【請求項6】
前記メモリは、前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するように構成された初期パルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して、前記初期パルスシーケンスコマンドを使用して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記初期磁気共鳴イメージングデータを使用して医用画像を再構成するステップと、
を実行させる、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項7】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは動脈血スピンラベリングプロトコルであり、前記他の処理ロケーションはラベリング位置である、請求項5又は6に記載の医用イメージングシステム。
【請求項8】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、動的コントラスト強調磁気共鳴イメージングプロトコル又は動的感受性コントラスト潅流磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、動脈入力機能のための測定ロケーションである、請求項5又は6に記載の医用イメージングシステム。
【請求項9】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、前記単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルを実行するための単一ボクセルロケーションである、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項10】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、前記位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルを実行するためのスライスロケーションである、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項11】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、コントラスト強調磁気共鳴血管造影プロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、前記磁気共鳴イメージングデータの取得をトリガするための時間領域である、請求項5に記載の医用イメージングシステム。
【請求項12】
前記医用画像は、脳の拡散強調磁気共鳴画像であり、前記他の処理ロケーションは、サイズ選択に係るシード点及び/又は関心領域であり、前記マシン実行可能命令の実行は更に、前記プロセッサに、前記他の処理ロケーション及び中間画像を脳線維追跡アルゴリズムに入力することによって、脳線維追跡画像を計算するステップを実行させる、請求項4に記載の医用イメージングシステム。
【請求項13】
前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
医用画像をユーザインタフェースに表示するステップと、
正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを受信するステップと、
ニューラルネットワークを訓練するステップであって、
他のラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記他のラベリングされた医用画像は、他の正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有する、ステップと、
少なくとも1つの他の試行処理ロケーションを取得するために、前記他のラベリングされた前記医用画像をニューラルネットワークに入力するステップであって、前記少なくとも1つの他の試行処理ロケーションは、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを有する、ステップと、
前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する他の最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記他の最も近い正解処理ロケーション及び前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して他の誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有するステップと、
を実行させる、請求項4乃至12のいずれか1項に記載の医用イメージングシステム。
【請求項14】
医用イメージングシステムを制御するためにプロセッサにより実行されるマシン実行可能命令を有するコンピュータプログラムであって、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
ラベリングされた医用画像を受信するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有するものである、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーショは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0087】
開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する際に当業者によって理解され、及び実施されることができる。請求項において、「有する、含む(comprising)」という語は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項に列挙されるいくつかの項目の機能を果たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体などの適切な媒体上に記憶/配布されることができるが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システムなどを介して、他の形態で配布されることもできる。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
以下、本願発明の形態に関して付記を示す。
(付記1)
他の処理ロケーションを提供するように構成されるニューラルネットワークを訓練する方法であって、
ラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを含む、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有する方法。
(付記2)
前記方法は、複数のラベリングされた医用画像を使用して繰り返し実行される、付記1に記載の方法。
(付記3)
前記誤差ベクトルが、前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションのみを使用して計算される、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
医用イメージングシステムであって、
マシン実行可能命令を記憶するメモリと、
付記1乃至3のいずれか1つに記載の方法によって訓練されたニューラルネットワークと、
前記医用イメージングシステムを制御するプロセッサと、
を有し、前記マシン実行可能命令の実行が、前記プロセッサに、
医用画像を受け取るステップと、
前記医用画像を前記ニューラルネットワークに入力し、前記入力に応答して前記ニューラルネットワークから他の処理ロケーションを受け取るステップと、
を実行させる、医用イメージングシステム。
(付記5)
前記医用イメージングシステムは、磁気共鳴イメージングシステムを更に有し、前記メモリは、磁気共鳴イメージングプロトコルに従って磁気共鳴イメージングデータを取得するように前記磁気共鳴イメージングシステムを制御するよう構成されたパルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
他の処理ロケーションを使用して前記パルスシーケンスコマンドを変更するステップと、
前記変更されたパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記磁気共鳴イメージングデータを用いて磁気共鳴画像を再構成するステップと、
を実行させる、付記4に記載の医用イメージングシステム。
(付記6)
前記メモリは、前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するように構成された初期パルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して、前記初期パルスシーケンスコマンドを使用して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記初期磁気共鳴イメージングデータを使用して医用画像を再構成するステップと、
を実行させる、付記5に記載の医用イメージングシステム。
(付記7)
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは動脈血スピンラベリングプロトコルであり、前記他の処理領域はラベリング位置である、付記5又は6に記載の医用イメージングシステム。
(付記8)
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、動的コントラスト強調磁気共鳴イメージングプロトコル又は動的感受性コントラスト潅流磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理領域は、動脈入力機能のための測定ロケーションである、付記5又は6に記載の医用イメージングシステム。
(付記9)
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルであり、前記他の処理領域は、前記単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルを実行するための単一ボクセルロケーションである、付記5に記載の医用イメージングシステム。
(付記10)
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理領域は、前記位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルを実行するためのスライスロケーションである、付記5に記載の医用イメージングシステム。
(付記11)
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、コントラスト強調磁気共鳴血管造影プロトコルであり、前記他の処理領域は、前記磁気共鳴イメージングデータの取得をトリガするための時間領域である、付記5に記載の医用イメージングシステム。
(付記12)
前記医用画像は、脳の拡散強調磁気共鳴画像であり、前記他の処理領域は、サイズ選択に係るシード点及び/又は関心領域であり、前記マシン実行可能命令の実行は更に、前記プロセッサに、前記他の処理領域及び中間画像を脳線維追跡アルゴリズムに入力することによって、脳線維追跡画像を計算するステップを実行させる、付記4に記載の医用イメージングシステム。
(付記13)
前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
医用画像をユーザインタフェースに表示するステップと、
正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを受信するステップと、
ニューラルネットワークを訓練するステップであって、
他のラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記他のラベリングされた医用画像は、他の正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有する、ステップと、
少なくとも1つの他の試行処理ロケーションを取得するために、前記他のラベリングされた前記医用画像をニューラルネットワークに入力するステップであって、前記少なくとも1つの他の試行処理ロケーションは、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを有する、ステップと、
前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する他の最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記他の最も近い正解処理ロケーション及び前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して他の誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有するステップと、
を実行させる、付記4乃至12のいずれか1つに記載の医用イメージングシステム。
(付記14)
医用イメージングシステムを制御するためにプロセッサにより実行されるマシン実行可能命令を有するコンピュータプログラムであって、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
ラベリングされた医用画像を受信するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有するものである、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーショは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに対する最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴イメージングシステムであって、
プロセッサと、
マシン実行可能命令を有するメモリと、
訓練されたニューラルネットワークと、
を有し、
前記メモリは、前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して磁気共鳴イメージングプロトコルに従って磁気共鳴撮像データを取得するためのパルスシーケンスコマンドを有し、前記訓練されたニューラルネットワークは、医用画像を入力し他の処理ロケーションを出力するよう訓練されたニューラルネットワークであり、
前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
医用画像を受け取るステップと、
前記医用画像を前記ニューラルネットワークに入力し、前記入力に応答して前記ニューラルネットワークから他の処理ロケーションを受け取るステップと、
前記受け取られた他の処理ロケーションを使用して、前記磁気共鳴撮像データを取得するための前記パルスシーケンスコマンドを変更するステップと、
前記変更されたパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴撮像データを取得するステップと、
前記磁気共鳴撮像データを用いて磁気共鳴画像を再構成するステップと、
を実行させる、磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項2】
前記メモリは、前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するように構成された初期パルスシーケンスコマンドを更に有し、前記マシン実行可能命令の実行は、前記プロセッサに、
前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して、前記初期パルスシーケンスコマンドを使用して初期磁気共鳴イメージングデータを取得するステップと、
前記初期磁気共鳴イメージングデータを使用して医用画像を再構成するステップと、
を実行させる、請求項1に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項3】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは動脈血スピンラベリングプロトコルであり、前記他の処理ロケーションはラベリング位置である、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項4】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、動的コントラスト強調磁気共鳴イメージングプロトコル又は動的感受性コントラスト潅流磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、動脈入力機能のための測定ロケーションである、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項5】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、前記単一ボクセル磁気共鳴スペクトロスコピープロトコルを実行するための単一ボクセルロケーションである、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項6】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、前記位相コントラスト磁気共鳴イメージングプロトコルを実行するためのスライスロケーションである、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項7】
前記磁気共鳴イメージングプロトコルは、コントラスト強調磁気共鳴血管造影プロトコルであり、前記他の処理ロケーションは、前記磁気共鳴撮像データの取得をトリガするための時間領域である、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項8】
前記医用画像は、脳の拡散強調磁気共鳴画像であり、前記他の処理ロケーションは、サイズ選択に係るシード点及び/又は関心領域であり、前記マシン実行可能命令の実行は更に、前記プロセッサに、前記他の処理ロケーション及び中間画像を脳線維追跡アルゴリズムに入力することによって、脳線維追跡画像を計算するステップを実行させる、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項9】
前記マシン実行可能命令の実行は更に、前記プロセッサに、
医用画像をユーザインタフェースに表示するステップと、
正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを受信するステップと、
ニューラルネットワークを訓練する訓練ステップであって、
他のラベリングされた医用画像を提供するステップであって、前記他のラベリングされた医用画像は、他の正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有する、ステップと、
少なくとも1つの他の試行処理ロケーションを取得するために、前記他のラベリングされた前記医用画像をニューラルネットワークに入力するステップであって、前記少なくとも1つの他の試行処理ロケーションは、他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを有する、ステップと、
前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションに他の最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記他の最も近い正解処理ロケーション及び前記他の最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して他の誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有する訓練ステップと、
を実行させる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項10】
前記マシン実行可能命令の実行は更に、前記プロセッサに、
ニューラルネットワークを訓練する訓練ステップであって、
ラベリングされた医用画像を受信するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は、正解処理ロケーションを各々が示す複数のラベルを有するものである、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有する訓練ステップを実行させる、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項11】
前記訓練ステップは、複数のラベリングされた医用画像を使用して繰り返し実行される、請求項9又は10に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項12】
前記誤差ベクトルが、前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションのみを使用して計算される、請求項9、10又は11に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項13】
磁気共鳴イメージングシステムを制御するためのコンピュータプログラムであって、
前記磁気共鳴イメージングシステムは、プロセッサと、マシン実行可能命令を有するメモリと、訓練されたニューラルネットワークと、を有し、
前記メモリは、前記磁気共鳴イメージングシステムを制御して磁気共鳴イメージングプロトコルに従って磁気共鳴撮像データを取得するためのパルスシーケンスコマンドを有し、前記訓練されたニューラルネットワークは、医用画像を入力し他の処理ロケーションを出力するよう訓練されたニューラルネットワークであり、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに、
医用画像を受け取るステップと、
前記医用画像を前記ニューラルネットワークに入力し、前記入力に応答して前記ニューラルネットワークから他の処理ロケーションを受け取るステップと、
前記受け取られた他の処理ロケーションを使用して、前記磁気共鳴撮像データを取得するための前記パルスシーケンスコマンドを変更するステップと、
前記変更されたパルスシーケンスコマンドを用いて前記磁気共鳴イメージングシステムを制御することによって磁気共鳴撮像データを取得するステップと、
前記磁気共鳴撮像データを用いて磁気共鳴画像を再構成するステップと、
を実行させる、コンピュータプログラム。
【請求項14】
磁気共鳴イメージングを制御するために使用される磁気的ラベリングロケーションを提供するようニューラルネットワークを訓練する方法であって、
ラベリングされた医用画像を受信するステップであって、前記ラベリングされた医用画像は複数のラベルを含み、各ラベルが、磁気的ラベリングロケーションとしての正解処理ロケーションを示す、ステップと、
前記ラベリングされた医用画像をニューラルネットワークに入力して、1つの試行処理ロケーションを取得するステップであって、前記1つの試行処理ロケーションは、最も可能性の高い試行処理ロケーションを含む、ステップと、
前記最も可能性の高い試行処理ロケーションに最も近い正解処理ロケーションを決定するステップと、
前記最も近い正解処理ロケーション及び前記最も可能性の高い試行処理ロケーションを使用して誤差ベクトルを計算するステップと、
前記誤差ベクトルを使用して前記ニューラルネットワークを訓練するステップと、
を有する方法。
【請求項15】
前記方法は、複数のラベリングされた医用画像を使用して繰り返し実行される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の方法の各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【外国語明細書】