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特開2024-41840改良された微多孔膜、バッテリーセパレータ、バッテリー、及びこれらを備えるデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041840
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】改良された微多孔膜、バッテリーセパレータ、バッテリー、及びこれらを備えるデバイス
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/489 20210101AFI20240319BHJP
   H01M 50/403 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/451 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/434 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20240319BHJP
   H01M 50/457 20210101ALI20240319BHJP
   H01M 50/417 20210101ALI20240319BHJP
【FI】
H01M50/489
H01M50/403 A
H01M50/451
H01M50/434
H01M10/0569
H01M50/457
H01M50/417
【審査請求】有
【請求項の数】38
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024000230
(22)【出願日】2024-01-04
(62)【分割の表示】P 2020524465の分割
【原出願日】2018-11-01
(31)【優先権主張番号】62/581,317
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】アダムス,チャンチン
(72)【発明者】
【氏名】タイス,ジェオフリー,アレン
(72)【発明者】
【氏名】シラー,ギャリー,マイケル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】たるみが生じないドライプロセス微孔フィルムを提供する。
【解決手段】微孔フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2%以上の無拘束MD収縮率と;該フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2.5%以上の無拘束MD収縮率と;MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、0.2%以下のMD拘束膨張と;圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率と;圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率と;DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率との少なくとも1つを有し;該フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示し;該フィルムラメラは、250nm以下の厚さを有し;350g/16ミクロン超の正規化突刺強度を有し;縦方向においてより高い弾性率及び40%未満の破断前伸びを有する、微孔フィルム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
微孔フィルムであって、次の特性:
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2%以上の無拘束MD収縮率と;
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2.5%以上の無拘束MD収縮率と;
MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、0.2%以下のMD拘束膨張と;
圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率と;
圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率と;
DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率と
の少なくとも1つを有し;
前記フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示し;
前記フィルムのラメラは、250nm以下の厚さを有し;
350g/16ミクロン超の正規化突刺強度を有し;
縦方向においてより高い弾性率及び40%未満の破断前伸びを有する
微孔フィルム。
【請求項2】
前記特性の少なくとも2つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項3】
前記特性の少なくとも3つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項4】
前記特性の少なくとも4つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項5】
前記特性の少なくとも5つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項6】
前記特性の少なくとも6つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項7】
前記特性の少なくとも7つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項8】
前記特性の少なくとも8つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項9】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは2.5%以上の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項10】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧3%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項11】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧6%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項12】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧9%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項13】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは2%以上の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項14】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧3%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項15】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧4%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項16】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧5%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項17】
前記フィルムは、0.2%以下のMD拘束膨張を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項18】
前記フィルムは、0.1%以下のMD拘束膨張を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項19】
前記フィルムは、約0のMD拘束膨張を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項20】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項21】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項22】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、19%以上の最大圧縮率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項23】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、20%以上の最大圧縮率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項24】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項25】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.8%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項26】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.7%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項27】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.6%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項28】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.5%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項29】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.4%未満のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項30】
前記フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項31】
前記フィルムは、350g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項32】
前記フィルムは、360g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項33】
前記フィルムは、370g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項34】
前記フィルムは、380g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項35】
前記フィルムは、390g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項36】
前記フィルムは、400g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項37】
前記フィルムのラメラは、250nm以下の厚さを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項38】
前記フィルムは、縦方向においてより高い弾性率及び40%未満のより低い破断前伸びを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項39】
請求項1に記載の微孔フィルムを備える、バッテリーセパレータ。
【請求項40】
前記微孔フィルムの少なくとも1つの面は、その上に設けられたコーティングを有する、請求項39に記載のバッテリーセパレータ。
【請求項41】
前記微孔フィルムの両面は、その上に設けられたコーティングを有する、請求項39に記載のバッテリーセパレータ。
【請求項42】
前記コーティングの少なくとも1つは、セラミックコーティングである、請求項40又は41に記載のバッテリーセパレータ。
【請求項43】
請求項39~42のいずれか一項に記載のバッテリーセパレータを備える二次電池。
【請求項44】
前記二次電池は、炭酸エチレン(EC)、炭酸プロピレン(PC)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸ジエチル(DEC)、及び炭酸モノフルオロエチレン(FEC)から成る群から選択される電解質溶媒を含む、請求項43に記載の二次電池。
【請求項45】
請求項44に記載の二次電池を備えるデバイス。
【請求項46】
約25/50/25~約35/30/35のPP/PE/PP層厚さ比を含む三層バッテリーセパレータ。
【請求項47】
前記PP/PE/PP層厚さ比は、約30±3/40±6/30±3である、請求項46に記載の三層バッテリーセパレータ。
【請求項48】
本明細書に示された、記載又はクレームされた新規又は改良された膜、フィルム、ベースフィルム、セパレータ膜、セパレータ、又はバッテリーセパレータ。
【請求項49】
本明細書に示された、記載又はクレームされた前記新規又は改良された膜、フィルム、ベースフィルム、セパレータ膜、セパレータ、又はバッテリーセパレータを使用するバッテリーの製造方法。
【請求項50】
本明細書に示された、記載又はクレームされた新規又は改良された薄い、広い、及び/若しくは高充電率(2クーロン超)の膜、フィルム、ベースフィルム、セパレータ膜、セパレータ、又はバッテリーセパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、改良された又は新規な多孔質膜、セパレータ膜、バッテリーセパレータ、セパレータベースフィルム、リチウムバッテリーセパレータ、バッテリー、リチウムバッテリー若しくは充電式リチウムイオンバッテリー、及び/又はその中にこれらを備える乗り物、デバイス、若しくは製品及び/又は関連方法を対象とする。少なくとも1つの実施形態によれば、本願又は本発明は、改良された微多孔膜又はフィルム、及び改良されたバッテリーセパレータ、セパレータベースフィルム、バッテリー、並びにこれらを備えるデバイスを対象とする。本明細書に記載されている微多孔膜又はフィルムは、Celgard(登録商標)ドライプロセスなどの方法によって製造されたドライプロセスフィルムであり得る。本発明の膜、フィルム及び製品は、少なくとも特定の従前のドライプロセス微孔フィルムに関する改良された特性を示す。本発明の膜又はフィルムは、好ましくは、他の特性の中でも、フィルムが電解液で湿潤している場合の膨潤率低下を示し得る。膨潤は、フィルムのしわをもたらす可能性がある。更に、本発明の膜又はフィルムは、好ましくは、他の特性の中でも、これらのバッテリー中にこれらのフィルムを使用するバッテリー製造者により使用されるセル焼成法にフィルムを付す場合のしわやだぶつき(bagginess)の
低減を示し得る。
【背景技術】
【0002】
より高エネルギー、より高電圧、より高充電速度、及びより低コストなどのリチウムバッテリー技術における最新の傾向は、興味深く挑戦的なバッテリーセパレータの要件を加える。これらの最新の傾向は、より薄く、より広く、より高性能、及びより低コストなセパレータを必要とし得る。少なくとも特定のより薄い又はより広いセパレータに関して、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、酢酸エチル、及び他のものなどの特定の電解質溶媒はリチウムイオン電池中のリチウムイオンバッテリーセパレータとして使用される又はそれにおいて使用される特定の微孔フィルムの膨潤及び軟化の原因となり得ることが発見された。特に、この現象は、特定のポリオレフィン含有ドライプロセス微孔フィルムにおいて起こり得る。ドライプロセス微孔フィルムがバッテリーにおいて電解液で湿潤する場合、膨潤又は膨張し得る。膨潤が非常に高い場合、TDしわ(又はフィルムのTD方向と平行に走るしわ)が観察され得る。フィルムのしわは空気の取込みをもたらし、電解液なしで乾式であるのでリチウム析出物を生成する可能性がある。
【0003】
前述の観点から、膨潤せずTDしわを生成しない又は特定の従前のドライプロセス微孔フィルムほど大きく膨潤もせず多くのTDしわも生成しないドライプロセス微孔フィルムが望ましいことは明らかである。したがって、このようなフィルムに対するニーズがある。
【0004】
多くのバッテリー製造者は、電解液注入前に水分を取り除くためにこれらのセル製造方法の一部として焼成工程を含む。焼成処理は70~80℃、24時間と記載され得、特定の微孔フィルムにおいてだぶつき又は垂れ下がりを引き起こし得る。特定のドライプロセス微孔フィルムで観察される1つの問題は、焼成工程後にこれらが「波状にたるむ」可能性があることである。上記説明されているように、しわは空気の取込み、次いでリチウム析出をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の観点から、多くのバッテリー製造者により使用される焼成処理に付す場合に「波
状のたるみ」が生じないドライプロセス微孔フィルムが望ましいことは明らかである。したがって、このようなフィルムに対するニーズがある。
【0006】
さらになお、特定の従来のドライプロセス微多孔膜は、プリズム状バッテリー製造方法においてプリズム状ジェリーロールが加圧された後の反発弾性の課題を有する傾向もある。結果として、加圧されるジェリーロールは膨潤し得、バッテリー缶に収まらない。加えて、特定のドライプロセス膜は縦方向により弾性を有し得、これは高巻取張力下TD方向にネックインする原因となり得る。これらの問題又は課題は特定のドライプロセス膜又はフィルムに特有である。セル製造方法においてドライプロセス膜をより競争力のあるものにするために改良が非常に望まれている。例えば、より良好な反発弾性を有する膜が望ましい。したがって、このようなフィルムに対するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明又は本開示の少なくとも選択された実施形態、態様又は目的によれば、上記ニーズ、問題又は課題に対処する新規な又は改良された膜、フィルム、セパレータ膜、セパレータベースフィルム、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良された膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるセル、バッテリー、デバイス、又は製品を提供する。本発明又は本開示の少なくとも特定の実施形態、態様又は目的によれば、新規な又は改良された多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、セパレータベースフィルム、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良された多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるバッテリー、デバイス、乗り物、若しくは製品を提供する。本発明又は本開示の少なくとも特定の実施形態、態様又は目的によれば、新規な又は改良されたドライプロセス多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良されたドライプロセス多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるバッテリー、デバイス、乗り物、若しくは製品を提供する。本発明又は本開示の少なくとも選択された実施形態、態様又は目的によれば、従来のフィルムと比較して電解液中及び/若しくは同種のものにおいてカール低減、だぶつき低減、垂れ下がり低減、焼成しわ低減、膨潤低減を有し得る新規な又は改良されたドライプロセス、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの組合せ、配合物、混合物、共重合体、又はブロック共重合体)微多孔膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良されたドライプロセス、ポリオレフィン微多孔膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるバッテリー、リチウム電池、二次リチウムイオン電池、デバイス、乗り物、及び/若しくは製品を提供する。
【0008】
少なくとも特定の実施形態によれば、電解液で湿潤している場合に低減された膨潤を示すか若しくは膨潤しない及び/又は多くのバッテリー製造者により使用される焼成過程に晒される場合に弛んだりしわが寄ったりしない微孔フィルムを本明細書中に記載する。少なくともいくつかの実施形態によれば、微孔フィルムは、他の更なる望ましい特性を示し得る。いくつかの好ましい実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、Celgard(登録商標)ドライ延伸プロセスなどのドライ延伸プロセスによって形成されるドライプロセス微孔フィルムである。典型的なCelgard(登録商標)ドライプロセス(ドライ延伸)フィルムは、油も、ポア形成剤も、成核剤も有しない。
【0009】
1つの態様では、微孔フィルムを本明細書中に記載し、1つの好ましい実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、Celgard(登録商標)ドライ延伸プロセスなどのドライ延伸プロセスによって形成されるドライプロセス微孔フィルムである。いくつかの実施例では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、次の特性の少なくとも1つを有する:該フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、該フィ
ルムは2%以上の無拘束MD収縮率を示す;該フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、該フィルムは2.5%以上の無拘束MD収縮率を示す;MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、該フィルムは0.2%以下のMD拘束膨張を示す;圧縮試験によって測定する場合、該フィルムは5%以上の反発弾性率又は回復率を示す;圧縮試験によって測定する場合、該フィルムは18%以上の最大圧縮率を示す;炭酸ジエチル(DEC)試験における膨潤による測定の場合、該フィルムは0.95%以下のDEC中の膨潤率を示す;該フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示す;従来のフィルムと比較して電解液中及び/又は同種のものにおいてカール低減、だぶつき低減、垂れ下がり低減、焼成しわ低減、膨潤低減を有し得る;三層バッテリーセパレータは約25/50/25~約35/30/35のPP/PE/PP層厚さ比を含む;三層バッテリーセパレータは約30±3/40±6/30±3であるPP/PE/PP層厚さ比を有する;20μm未満のフィルム厚さ;15μm未満のフィルム厚さ;10μm未満のフィルム厚さ;5μm未満のフィルム厚さ;少なくとも50mmのフィルム幅;少なくとも100mmのフィルム幅;少なくとも150mmのフィルム幅;少なくとも200mmのフィルム幅;少なくとも250mmのフィルム幅;並びに該フィルムラメラは250nm以下の厚さを有する。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2%以上、3%以上、4%以上、又は5%以上の無拘束MD収縮率を示す。
【0011】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2.5%以上、3%以上、6%以上、又は9%以上の無拘束MD収縮率を示す。
【0012】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、0.2%以下、約0.1%以下、又は約0%のMD拘束膨張を示す。
【0013】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率を示す。
【0014】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、18%以上、19%以上、又は20%以上の最大圧縮率を示す。
【0015】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下、0.9%以下、0.8%以下、0.7%以下、又は0.6%以下のDEC中の膨潤率を示す。
【0016】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示す。
【0017】
いくつかの実施形態では、微孔フィルムラメラは、250nmより厚くない。
【0018】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、上記特性の2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上、6つ以上、又は7つ全部を示す。
【0019】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、約25/50/25~約35/30/35のPP/PE/PP層厚さ比を有する三層バッテリーセパレータ又はベースフィルムである。より特定の実施形態では、三層バッテリーセパレータ又は
ベースフィルムは、約30±3/40±6/30±3の好ましいPP/PE/PP層厚さ比を有してよい。PE層がPP層又は最も薄いPP層より厚いことは好ましい可能性がある。
【0020】
別の態様では、バッテリーセパレータは、本明細書に記載されている1つ以上の微孔フィルムを備える、から成る、又はから本質的に成る。バッテリーセパレータの微孔フィルム又は複数の微孔フィルムを、その片面又は両面に被覆してよい。いくつかの実施形態では、コーティングは、セラミックコーティングであってよい。
【0021】
別の態様では、上記バッテリーセパレータを備えるバッテリーを記載する。バッテリーは、Liイオン電池であってよい。
【0022】
別の態様では、本明細書に記載されているバッテリーセパレータ又は本明細書に記載されているバッテリーを備えるデバイスを記載する。いくつかの実施形態では、デバイスは、電動若しくはハイブリッドの乗り物、ラップトップ、携帯電話、又は同種のものであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本明細書に記載されているいくつかの実施形態による片面被覆及び両面被覆微孔フィルムの概略図である。
図2】リチウムイオン電池の概略図である。
図3】本明細書に記載されている本発明及び比較の実施形態についての寸法変化(%)対印加された力(N)を示す図である。
図4】本明細書に記載されている本発明及び比較の実施形態についての本明細書に記載されている突刺試験結果を示す。
図5】本明細書に記載されている本発明及び比較の実施形態についての負荷対変位の図である。
図6】本明細書に記載されているいくつかの実施形態による微孔フィルムの構造を示す概略図である。
図7】本明細書におけるいくつかの実施形態による本発明及び比較の微孔フィルムのSEMを含む。ラメラの厚さを測定した。
図8】本明細書に記載されているいくつかの実施形態による本発明及び比較の微孔フィルムのSEMを含む。ラメラの厚さを測定した。
図9】本明細書に記載されているいくつかの実施形態による本発明及び比較の微孔フィルムのSEMを含む。ラメラの厚さを測定した。
図10】本明細書に記載されているいくつかの実施形態による本発明及び比較の微孔フィルムのSEMを含む。ラメラの厚さを測定した。
図11図11(a)及び11(b)は、本明細書に記載されている24時間高温焼成、次いで冷却前(a)及び後(b)の比較微孔フィルムを示す。
図12図12(a)及び12(b)は、本明細書に記載されているMD拘束膨張試験に付した後の比較(a)及び本発明(b)のフィルムを示す。
図13】比較の12~14ミクロン及び16ミクロン三層と比較して、本発明の12~14ミクロン及び16ミクロン三層についてのMD応力-ひずみ曲線を示す。
図14】これに限定されないが、本発明の実施例2a及び2bなどの本明細書中のいくつかの特定の実施形態による特定の低膨潤性又は低反発弾性の本発明の微孔フィルム又はベースフィルムの断面SEMである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願は、改良された又は新規な多孔質膜、セパレータ膜、バッテリーセパレータ、セパレータベースフィルム、リチウムバッテリーセパレータ、バッテリー、リチウムバッテリ
ー若しくは充電式リチウムイオンバッテリー、及び/又はその中にこれらを備える乗り物、デバイス、若しくは製品及び/又は関連方法を対象とする。少なくとも1つの実施形態によれば、本願又は本発明は、改良された微多孔膜又はフィルム、及び改良されたバッテリーセパレータ、セパレータベースフィルム、バッテリー、並びにこれらを備えるデバイスを対象とする。本明細書に記載されている微多孔膜又はフィルムは、Celgard(登録商標)ドライプロセスなどの方法によって製造されたドライプロセスフィルムであり得る。本発明の膜、フィルム及び製品は、少なくとも特定の従前のドライプロセス微孔フィルムに関する改良された特性を示す。本発明の膜又はフィルムは、好ましくは、他の特性の中でも、フィルムが電解液で湿潤している場合の膨潤率低下を示し得る。膨潤は、フィルムのしわをもたらす可能性がある。更に、本発明の膜又はフィルムは、好ましくは、他の特性の中でも、これらのバッテリー中にこれらのフィルムを使用するバッテリー製造者により使用されるセル焼成法にフィルムを付す場合のしわやだぶつきの低減を示し得る。
【0025】
バッテリーセパレータにおいて使用し得る微孔フィルムを本明細書に記載する。微孔フィルムは、他の特性の中でも、電解液で湿潤している場合に低減された膨潤を示し、バッテリー製造者により使用される焼成過程に晒される場合に低減されただぶつきを示すか又はだぶつきを示さない。本明細書に記載されている微孔フィルムは、他の有利な特性も示す。
【0026】
本明細書に記載されている微孔フィルムはそのように限定されることはなく、バッテリーセパレータにおける使用又はバッテリーセパレータとしての使用のために適しているいずれもの微孔フィルムを含むいずれかの微孔フィルムであってよい。
【0027】
本明細書に使用されるとき、用語「微孔質」は、微細孔を有する多孔質フィルムを表す。アクアポア(Aquapore)ポロシメータを使用して測定された微孔フィルムの平均PP細孔径は、0.01~1ミクロン、0.01~0.9ミクロン、0.01~0.8ミクロン、0.01~0.8ミクロン、0.01~0.7ミクロン、0.01~0.6ミクロン、0.01~0.5ミクロン、0.01~0.4ミクロン、0.01~0.3ミクロン、0.01~0.2ミクロン、0.01~0.1ミクロン、0.01~0.09ミクロン、0.01~0.08ミクロン、0.01~0.07ミクロン、0.01~0.06ミクロン、0.01~0.05ミクロン、0.01~0.04ミクロン、0.01~0.03ミクロン、又は0.01~0.02ミクロンである。いくつかの好ましい実施形態では、微孔フィルムの細孔径は、0.03~0.04ミクロン、0.04~0.05ミクロン、0.05~0.06ミクロンであってよい。
【0028】
アクアポアポロシメータは、水侵入技術を使用して細孔径を測定する。動作原理は、水銀圧入測孔法の原理と同様であるが、毒性が小さく、圧がより低い。チャンバーにおいて、約3グラムの膜を、先ず、水面下に浮かべる。脱気後、圧をゆっくりと2000psiまで上昇させる。侵入体積を、漸進的圧に対して測定する。ウォッシュバーン式を使用して、細孔径、細孔径分布、及び表面積を算出する。
【0029】
微孔フィルムの細孔の形状はそのように限定されることはなく、スリット状、楕円形、丸形、又は実質的に丸形であってよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、Celgard(登録商標)ドライプロセスなどのドライプロセスを使用して製造することができる。本明細書に使用されるとき、ドライプロセスは、概して、パリソン(環状又は平ら)中に熱可塑性樹脂を押し出し、該パリソンを焼き鈍し、該焼き鈍されたパリソンを延伸(一軸でMD方向に又は二軸でMD及びTD方向に)して微細孔を形成し、必要に応じて、該微多
孔膜を熱硬化する方法を表す。溶剤抽出は必要でなく、細孔形成を促進するために可塑剤は使用しない。ドライプロセスは周知であり、例えば、Kesting,Synthetic Polymeric Membranes,John Wiley & Sons,New York,N.Y.(1985),290~297頁(参照により本明細書中に組み入れられる)参照。
【0031】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムを、ウェットプロセスを使用して製造することができる。本明細書に使用されるとき、ウェットプロセスは、概して、平面シートに熱可塑性樹脂及び可塑剤(可塑剤はその後除去して微細孔を形成する)を押し出し、該平面シートを冷ロール上で冷却し、該冷却された平面シートを延伸し、可塑剤用溶媒で可塑剤を抽出して微多孔膜を形成する方法を表す。ウェットプロセスは、熱相反転プロセス(TIPS)又は「相反転」プロセスに基づく。ウェットプロセスは周知であり、例えば、Kesting,Synthetic Polymeric Membranes,John Wiley & Sons,New York,N.Y.(1985),237~286頁(参照により本明細書中に組み入れられる)参照。
【0032】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、単層、二層、又は多層(すなわち、三層以上)フィルムである。いくつかの好ましい実施形態では、微孔フィルムは、3つの別々に形成された単層フィルムの積層によって形成された三層フィルムである。細孔を単層フィルムの延伸によって形成した後に積層して三層フィルムを形成してもよく、三層フィルムを形成した後に細孔を単層フィルムの延伸によって形成してもよい。いくつかの実施形態では、三層フィルムは、構造PP/PE/PP又はPE/PP/PEを有し、「PP」はポリプロピレンを含む、から成る、若しくはから本質的に成る層であり、「PE」はポリエチレンを含む、から成る、若しくはから本質的に成る層である。いくつかの実施形態では、微孔フィルムは、三層以上の積層によって形成される多層フィルムである。いくつかの多層の実施形態では、積層される1つ以上の層は、2つ以上の副層を備える。2つ以上の副層を備える層を、共押出法によって形成してよい。上記本明細書に記載されている層及び副層は、同じ又は異なる重合体を含み得る、から成り得る、又はから本質的に成り得る。いくつかの実施形態では、多層フィルムは、次の構造(PP/PP/PP)/(PE/PE/PE)/(PP/PP/PP)を有してよく、(PP/PP/PP)はポリプロピレンを含む、から成る、又はから本質的に成る三副層を備える層である。同じでも異なっていてもよい3つのポリプロピレン含有混合物の共押出によって、この層を形成してよい。(PE/PE/PE)はポリエチレンを含む、から成る、又はから本質的に成る三副層を備える層である。同じ又は異なる3つのポリエチレン含有混合物の共押出によって、この層を形成してよい。2つの(PP/PP/PP)層を1つの(PE/PE/PE)層と積層して構造(PP/PP/PP)/(PE/PE/PE)/(PP/PP/PP)を形成する。微孔フィルムは、国際公開第2017/083633号(その全文の参照により本明細書中に組み入れられる)に開示されている構造を有してよい。
【0033】
微孔フィルムの厚さは、1ミクロン~50ミクロン、5ミクロン~50ミクロン、5ミクロン~40ミクロン、5ミクロン~30ミクロン、5ミクロン~30ミクロン、5ミクロン~30ミクロン、5ミクロン~20ミクロン、又は5ミクロン~10ミクロンであってよい。いくつかの好ましい実施形態では、微孔フィルムは、5ミクロン~20ミクロン、又は5ミクロン~15ミクロンの厚さを有する。
【0034】
微孔フィルムのJISガーレー(秒)はそのように限定されることはなく、50秒~200秒であってよい。いくつかの好ましい実施形態では、微孔フィルムは、174秒未満、170秒未満、165秒未満、又は160秒未満のJISガーレー(秒)を有してよい。いくつかの実施形態では、JISガーレー(秒)は、200秒未満、190秒未満、又
は180秒未満であってよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、微孔フィルムは、20%~60%の空隙率を有する。いくつかの好ましい実施形態では、微孔フィルムの空隙率は、40%~60%、50%~60%、55%~80%、60%~80%、65%~80%、70%~80%、又は75%~80%である。
【0036】
いくつかの実施形態では、微孔フィルムは、75g/m以上、80g/m以上、85g/m以上、90g/m以上、又は95g/m以上のアクアポア測孔法によって測定された表面積を有する。いくつかの実施形態では、微孔フィルムの表面積は、100g/m以上のように高くあってよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、微孔フィルム又は微孔フィルムの1つ以上の層若しくは副層は、押出可能な熱可塑性重合体を含む、から成る、又はから本質的に成る。いくつかの実施形態では、微孔質高分子フィルムの1つ以上の層の押出可能な熱可塑性重合体は、ポリオレフィン又はポリオレフィン配合物を含む。ポリオレフィン配合物は、ポリエチレン及びポリプロピレンなどの2つ以上の異種ポリオレフィンの混合物、2つ以上の同種のポリオレフィンの配合物を含むことができ、各ポリオレフィンは、超高分子量ポリオレフィン及び低分子量若しくは超低分子量ポリオレフィン、又はポリオレフィン及び別種の重合体若しくは共重合体の混合物などの異なる特性を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔質高分子フィルムは、ポリオレフィン又はポリオレフィン配合物などの押出可能な重合体又は重合体配合物及び添加剤を含むことができる。
【0038】
本明細書に記載されているポリオレフィンは、これらに限定されないが、次のもの:ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、これらの共重合体及びこれらの配合物を含むことができる。いくつかの実施形態では、ポリオレフィンは、超低分子量、低分子量、中間分子量、高分子量、又は超高分子量ポリオレフィン、例えば、中間分子量又は高分子量ポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)などであり得る。例えば、超高分子量ポリオレフィンは、450,000(450k)、500k、650k、700k、800k、1百万、2百万、3百万、4百万、5百万、6百万又は6百万超の重量平均分子量を有することができる。高分子量ポリオレフィンは、250k~400k、250k~350k、又は250k~300kなど、250k~450kの範囲の分子量を有することができる。中間分子量ポリオレフィンは、例えば、100k、125k、130k、140k、150~225k、150k~200k、150k~200kなどの150k~250kの分子量を有することができる。低分子量ポリオレフィンは、100k~125kなどの100k~150kの範囲の分子量を有することができる。超低分子量ポリオレフィンは、100k未満の分子量を有することができる。いくつかの実施形態では、より高分子量のポリオレフィンを使用して、本明細書に記載されている微多孔質多層膜又はこれを備えるバッテリーの強度又は他の特性を向上することができる。いくつかの実施形態では、中間分子量、低分子量、又は超低分子量重合体などのより低分子量の重合体は有益であり得る。特定の理論に束縛されることを望まないが、例えば、より低分子量のポリオレフィンの結晶化挙動は、細孔を形成する縦方向(MD)又は横方向(TD)延伸処理から得られるより小さい細孔を有する微多孔質多層膜をもたらすことができると考えられる。
【0039】
いくつかの実施形態では、微孔質高分子フィルムの1つ以上の層の押出可能な熱可塑性重合体は、ポリオレフィン重合体以外又はこれに加えて共重合体の配合物、混合物又は共重合体を含む。微孔質高分子フィルムの1つ以上の層は、ポリアセタール(又はポリオキシメチレン)などの熱可塑性重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ
(フッ化ビニリデン-co-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF:HFP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)ポリアクリロニトリル(PAN)などのポリビニリデンを含むことができる。ポリアミド(ナイロン)としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ナイロン10,10、ポリフタルアミド(PPA)、これらの共重合体、及びこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリエステルとしては、ポリテレフタル酸エステル、ポリテレフタル酸ブチル、これらの共重合体、及びこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリスルフィドとしては、ポリフェニルスルフィド、これらの共重合体、及びこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリビニルアルコールとしては、エチレン-ビニルアルコール、これらの共重合体、及びこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリビニルエステルとしては、ポリ酢酸ビニル、エチレン-酢酸ビニル、これらの共重合体、及びこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。ポリビニリデンとしては、フッ化ポリビニリデン(ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンなど)、これらの共重合体、及びこれらの配合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
重合体又は重合体配合物への添加剤はそのように限定されることはなく、次のものを含んでよい:ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、PEビーズ、シロキサン、ポリシロキサン、酸化防止剤、安定剤、潤滑剤、加工助剤、成核剤、着色剤、帯電防止剤、可塑剤、又はフィラーなどの重合体処理剤、セルロースナノ繊維及び同種のもの。
【0041】
いくつかの実施形態では、微孔フィルムは、次の特性の少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、若しくは7つ全てを有する又は示す:該フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2%以上の無拘束MD収縮率と;該フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2.5%以上の無拘束MD収縮率と;MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、0.2%以下のMD拘束膨張と;圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率と;圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率と;DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率との少なくとも1つを有し;該フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示し;該フィルムラメラは、250nm以下の厚さを有する。
【0042】
無拘束MD収縮試験をいずれもの温度で行ってもよいが、本明細書に記載されている微孔フィルムの特性決定する目的のため、90℃及び105℃で試験を行う。90℃での無拘束MD収縮試験のため、微孔フィルムのサンプルを、90℃で1時間、無拘束下で乾燥器内に入れる。無拘束は、1つの場所においてフィルムを保持するものがないことを意味する。フィルムの収縮率パーセンテージを決定するため、サンプルを、90℃で1時間、無拘束下で乾燥器内に入れる前後で、MD方向のフィルムの長さを測定する。収縮率%を次式(1)により得る:
(│l-l│/l)×100 (1)
【0043】
本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムは、90℃で無拘束MD収縮試験を行う場合に次の結果を得る:MD収縮率は、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、又は10%以上である。いくつかの好ましい実施形態では、90℃で無拘束MD収縮試験を行う場合に、収縮率は2~5%である。90℃における無拘束MD収縮試験と同様に、105℃で無拘束MD収縮試験を行うため、微孔フィルムを1時間無拘束下で乾燥器内に入れる。105℃における無拘束MD収縮試験のため、乾燥機温度は105℃である。本明細書に記載されている本発明によるフィルムは、105℃で無拘束MD収縮試験を行う場合に次のようにMD収縮率を有するだろう:2.5%以上、3%以上、3.5%以上、4%以上、4.5%以上、5%以上、5.
5%以上、6%以上、6.5%以上、7%以上、7.5%以上、8%以上、8.5%以上、又は9%以上のMD収縮率。いくつかの好ましい実施形態では、105℃で無拘束MD収縮試験を行う場合のMD収縮率は、2.5%~10%、2.5%~9%、2.5%~8%、2.5%~7%、2.5%~6%、2.5%~5%、2.5%~4%、2.5%~3%である。90℃及び105℃における無拘束MD収縮試験は、所与の微孔フィルムが本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムであるかどうかを決定するために使用することができる2つの試験である。本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムは、これらの試験により測定する場合に上記結果を得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムは、MD拘束膨張試験により測定する場合に次の結果を得る:0.2%以下の膨張、0.1%以下の膨張、又は約0%の膨張。いくつかの実施形態では、膨張は負数であってよい。すなわち、フィルムは少し収縮してよい。例えば、膨張は、<0%~-5%、-0.1%~-5%、-0.1%~-4%、-0.1%~-3%、-0.1%~-2%、-0.1%~-1%、又は-0.1%~-0.5%であってよい。MD拘束膨張試験は、所与の微孔フィルムが本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムであるかどうかの別の決定方法である。本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムは、MD拘束膨張試験により測定する場合、上記膨張を示す。MD拘束膨張試験を行い、下表1に示されている処理工程に従ってバッテリー製造者により使用される処理工程をシミュレートする。
【0045】
【表1】
【0046】
MD拘束膨張試験は、本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムの別の特性決定方法である。上記膨張(負膨張又は正膨張)を得る微孔フィルムは本明細書に記載されている本発明の範囲内であり、上記膨張を得ないフィルムは、該フィルムが本明細書に記載されている他の特性を示さない場合本発明でない。
【0047】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、圧縮試験により測定する場合、5%以上、6%以上、7%以上、8%以上、9%以上、又は10%以上の反発弾性率又は回復率を示す。20%以下の反発弾性率又は回復率は、本明細書に記載されている微孔フィルムによって示され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、25%以上、26%以上、27%以上、28%以上、29%以上、又は30%以上の最大圧縮率を示す。40%以下の最大圧縮率は、本明細書に記載されている微孔フィルムによって示され
得る。
【0049】
圧縮試験は、本明細書に記載されている本発明による微孔フィルムを特性決定及び所与の微孔フィルムが本明細書に記載されている本発明に包含されるフィルムであるかどうかを決定する更に別の方法である。所与のフィルムが上記開示された反発弾性率若しくは回復率結果又は最大圧縮率結果を示す場合、該フィルムは本明細書に記載されている本発明に包含される。所与のフィルムが上記開示された反発弾性率若しくは回復率結果又は最大圧縮率結果を示さない場合、該フィルムは本明細書に記載されている本発明に包含されない。
【0050】
半球状プローブを備える熱機械分析装置(TMA)を圧縮試験のために使用する。圧縮力を、0.25N/分の速度で0.5Nまで上昇させる。それから、同じ速度で力を0.01Nまで減じる。力を印加する前後の膜厚さを使用して圧縮%を算出する。
【0051】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、縦方向引張試験において高自動ヤング率及び2~5%歪み弦モジュラスを示す。破断前伸びは、40%未満である。結果として、膜は、高セル巻取張力下、縦方向変形に対して非常に耐性を有する。膜は、バッテリー製造方法において優れている。この固有の特徴は、比較品より応力及び応力曲線における急勾配として容易に示される。
【0052】
20インチ/分のクロスヘッド速度においてインストロン(Instron)試験機で0.5インチ×2インチの膜検体の延伸によって、引張特性を試験する。最大力及び破断点伸びを、引張強さ及び伸びと呼ぶ。応力対歪み曲線を、延伸処理中に集められた個々のデータ点を用いてプロットすることができる。自動及び弦モジュラスを、データを使用して算出することもできる。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下、0.90%以下、0.85%以下、0.80%以下、0.75%以下、0.70%以下、0.65%以下、0.60%以下、0.55%以下、0.50%以下、0.45%以下、又は0.40%以下のDEC中の膨潤率を示す。DEC中の膨張率試験は、本明細書に開示されている本発明に包含される微孔フィルムの鑑別のための別試験である。本明細書に開示されている本発明による微孔フィルムは、上記のように、DECにおける膨潤による測定の場合、DEC中の膨潤率値を示す。微孔フィルムがこのようなDEC中の膨潤率値を示さない場合、このようなフィルムの他の特性のいずれも示さない場合、本明細書に開示されている本発明による微孔フィルムでない。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムを突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を前記フィルム中に形成する。突刺試験は、所与のフィルムが本明細書に記載されている本発明に包含されているかどうかの決定の別の方法である。突刺試験を微孔フィルム上で行ってスリット状開口部を形成する場合には、フィルムは本明細書に記載されている本発明に包含されない。このフィルムが本明細書に記載されている他の特性の1つを示さない限り、フィルムを突刺試験に付す場合にスリット状開口部が形成されるなら、フィルムは本明細書に記載されている本発明に包含されない。
【0055】
インストロン圧縮試験機を使用して、突刺試験を行う。25mm/分クロスヘッド速度を使用して試験機のクロスヘッドに0.5mm半径の針を取り付け、該針により破壊する膜の点における最大力を突刺強度として記録する。「スリット状」は、その長さが、その高さのおよそ3倍超、およそ4倍超、およそ5倍超、およそ6倍超、およそ7倍超、およそ8倍超、およそ9倍超、又はおよそ10倍超である開口部を表すために使用される。「
丸形」は、その長さが、その高さのおよそ3倍以下、2倍、2.2倍、又は1倍である開口部を表すために使用される。図4に示されているように、本発明の微孔フィルムを突刺試験に付す場合に丸形開口部を形成し、比較微孔フィルムを突刺試験に付す場合にスリット状開口部を形成した。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムはドライプロセス微孔フィルムであり、フィルムのラメラはいくつかの他の既知の従前のドライプロセス膜より薄い。例えば、最も厚いラメラは、250nm、240nm、230nm、220nm、210nm、200nm、190nm、180nm、170nm、又は160nmを超えることはできない。これらは、最大ラメラ厚さ値である。
【0057】
特定の理論に束縛されることを望まないが、本明細書に記載されている微孔フィルムのより薄いラメラは、突刺強度の値だけでなく、突刺開口部の原因となり得ると考えられる。ラメラはきちんと充填された結晶領域であり、より脆性であり、最初に破壊する傾向である。加えて、突刺開口部はより長い。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、335g/16ミクロン以上の正規化突刺強度を有してよい。いくつかの実施形態では、正規化突刺強度は、340g/16ミクロン以上、350g/16ミクロン以上、360g/16ミクロン以上、370g/16ミクロン以上、380g/16ミクロン以上、390g/16ミクロン以上、400g/16ミクロン以上、又は410g/16ミクロン以上である。特定の厚さ(16ミクロン)に対するデータの正規化は、より厚いフィルムとより薄いフィルムを並べて考察することを可能とする。正規化は、特にフィルムがそれ以外は同様又はそれ以外は同じである場合、より厚い膜が概してより薄い膜より高い突刺強度を有するという事実を考慮に入れる。例えば、2つのフィルムを同様又は同じ材料及び/又は方法から製造する場合。
16ミクロンに対する正規化を、次式(a)により行う:
(サンプルの突刺強度/サンプルのフィルム厚ミクロン)×16ミクロン (a)
20ミクロンに対する正規化を、次式(b)により行う:
(サンプルの突刺強度/サンプルの厚さミクロン)×20ミクロン (b)
【0059】
バッテリーセパレータ
別の態様では、本明細書に開示されている少なくとも1つの微多孔膜を備える、から成る、又はから本質的に成るバッテリーセパレータを記載する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの微多孔膜又は微孔フィルム(セパレータ膜、被覆されるようにしたセパレータベースフィルム)を片面又は両面に被覆して、片面又は両面被覆バッテリーセパレータを形成してよい。本明細書中のいくつかの実施形態による片面被覆(OSC)セパレータ及び両面被覆(TSC)バッテリーセパレータを図1に示す。
【0060】
コーティング層は、いずれものコーティング組成物を含み得る、から成り得る、から本質的に成り得る及び/又はから形成し得る。例えば、本明細書中参照により組み入れられる米国特許第6,432,586号に記載されているいずれものコーティング組成物を使用してよい。コーティング層は、例えば、湿式、乾式、架橋、非架橋、PVD、CVD、又はALDであってもよく、フィラー又は粒子を含んでもよく、フィラーも粒子も含んでなくてもよい。片面又は両面コーティングを、不織材料又は他の層もしくは材料により置き換えてもよい。本発明の膜又はフィルムは、被覆されていなくてもよく、被覆されていてもよく、単層、二層、三層又は多層であってもよい。
【0061】
1つの態様では、コーティング層はセパレータの最も外側のコーティング層であってよく、例えば、その上に形成される他の異なるコーティング層を有しなくてもよく、コーテ
ィング層はその上に少なくとも1つの他の異なるコーティング層を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、異なる高分子コーティング層を、多孔質副層の少なくとも1つの面上に形成されるコーティング層の上又は上部に被覆してよい。いくつかの実施形態では、この異なる高分子コーティング層は、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)又はポリカーボネート(PC)の少なくとも1つを含み得る、から成り得る、又はから本質的に成り得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、コーティング層を、微多孔膜の少なくとも1つの面に既に塗布されている1つ以上の他のコーティング層の上に塗布する。例えば、いくつかの実施形態では、微多孔膜に既に塗布されているこれらの層は、無機材料、有機材料、導電性材料、半導電性材料、非導電性材料、反応性材料、又はこれらの混合物の少なくとも1つの薄層、非常に薄い層、又は超薄層である。いくつかの実施形態では、これらの層は、金属又は酸化金属含有層である。いくつかの好ましい実施形態では、金属含有層及び金属酸化物含有層、例えば、金属含有層に使用される金属の金属酸化物を、多孔質副層上に形成した後に、本明細書に記載されているコーティング組成物を含むコーティング層を形成する。これらの既に塗布された層又は複数の層の全厚さは、5ミクロン未満であるときもあれば、4ミクロン未満であるときもあれば、3ミクロン未満であるときもあれば、2ミクロン未満であるときもあれば、1ミクロン未満であるときもあれば、0.5ミクロン未満であるときもあれば、0.1ミクロン未満であるときもあれば、0.05ミクロン未満であるときもある。
【0063】
いくつかの実施形態では、上記本明細書に記載されているコーティング組成物、例えば、米国特許第8,432,586号に記載及び参照により本明細書に組み入れられるコーティング組成物から形成されるコーティング層の厚さは、約12μm未満であり、10μm未満であるときもあれば、9μm未満であるときもあれば、8μm未満であるときもあれば、7μm未満であるときもあれば、5μm未満であるときもある。少なくとも特定の選択される実施形態では、コーティング層は、4μm未満、2μm未満、又は1μm未満である。
【0064】
コーティング方法はそのように限定されることはなく、本明細書に記載されているコーティング層を、例えば、次のコーティング方法:押出コーティング、ロールコーティング、グラビアコーティング、印刷、ナイフコーティング、エアナイフコーティング、噴霧コーティング、ディップコーティング、又はカーテンコーティングの少なくとも1つによって、本明細書に記載されているように多孔質副層上に被覆してよい。コーティング方法を、室温又は高温で行ってよい。
【0065】
コーティング層は、非多孔質、ナノポーラス、微孔性、メソポーラス又はマクロポーラスのいずれか1つであってよい。コーティング層は、700以下、時々600以下、500以下、400以下、300以下、200以下、又は100以下のJISガーレーを有してよい。ナノポーラスコーティング層のため、JISガーレーは、800以上、1,000以上、5,000以上、又は10,000以上(すなわち、「無限ガーレー」)であり得る。ナノポーラスコーティング層のため、乾式の場合コーティングはナノポーラスであるが、特に電解液で湿潤する場合、コーティングは良好なイオン導電体である。
【0066】
コンポジット又はデバイス
直接これらと接して提供される、上記本明細書に記載されているいずれかのバッテリーセパレータ並びに1つ以上の電極、例えば、アノード、カソード、又はアノード及びカソードを備えるコンポジット又はデバイス(セル、システム、バッテリー、コンデンサー、その他)。電極の種類はそのように限定されない。例えば、電極は、リチウムイオン二次電池における使用に適するものであり得る。本発明の少なくとも選択される実施形態は、
最新の高エネルギー、高電圧、及び/若しくはCE、UPS、若しくはEV、EDV、ISS若しくはハイブリッド乗り物バッテリーなどの高クーロン速度リチウム電池を用いた使用又はこれらにおける使用、並びに/又は最新の高エネルギー、高電圧、及び/若しくは高充電/放電若しくは急速充電/放電電極、カソード、及び同種のものを用いた使用に充分に適し得る。本発明の少なくとも特定の薄い(12μm未満、好ましくは10μm未満、より好ましくは8μm未満)及び/又は強い又はロバストなドライプロセス膜又はセパレータの実施形態は、最新の高エネルギー、高電圧、及び/若しくは高クーロン速度リチウム電池(又はコンデンサー)を用いた使用又はこれらにおける使用、並びに/又は最新の高エネルギー、高電圧、及び/若しくは高充電/放電若しくは急速充電/放電電極、カソード、及び同種のものを用いた使用に特に充分に適し得る。
【0067】
本明細書における少なくともいくつかの実施形態によるリチウムイオン電池を図2に示す。
【0068】
アノード材料はそのように限定されない。適切なアノードは、100mAh/g以上、200mAh/g、372mAh/g、好ましくは≧700mAh/g、最も好ましくは≧1000mAh/gのエネルギー容量を有することができる。アノードは、リチウム金属箔若しくはリチウム合金箔(例えば、リチウムアルミニウム合金)、又はリチウム金属及び/若しくはリチウム合金及び炭素(例えば、コークス、黒鉛)、ニッケル、銅などの材料の混合物から構成される。アノードは、リチウムを含有するインターカレーション化合物からも、リチウムを含有する挿入化合物からも単独で製造されない。
【0069】
カソード材料はそのように限定されない。適切なカソードはアノードと互換性いずれものカソードであってよく、インターカレーション化合物、挿入化合物、又は電気化学的に活性な重合体を挙げることができる。適切なインターカレーション物質としては、例えば、MoS、FeS、MnO、TiS、NbSe、LiCoO、LiNiO、LiMn、V13、V、及びCuClを挙げることができる。適切な重合体としては、例えば、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアニリン、及びポリチオペン(polythiopene)が挙げられる。
【0070】
電極材料はそのように限定されない。概して、電極は、溶媒及び塩を含む、から成る、又はから本質的に成る。適切な溶媒としては、EC、PC、DMC、EMC、DEC、及びFECから選択される少なくとも1つを挙げることができる。塩はそのように限定されることはなく、LiPFなどのリチウムイオン塩を挙げることができる。いくつかの実施形態では、炭酸ビニレン、1,3-プロパンスルトン、メタンスルホン酸2-プロピニル、シクロヘキシルベンゼン、t-アミルベンゼン、及びアジポニトリルから選択される少なくとも1つなどの添加剤を、電解液物質に添加してよい。
【0071】
上記本明細書に記載されているいずれものバッテリーセパレータを、いずれものバッテリー、リチウムバッテリー、CE、EDV、UPS、若しくはESSバッテリー、又はいずれもの乗り物、例えば、e-ビークル、若しくはデバイス、例えば、携帯電話若しくはラップトップ、コンデンサー、ウインドシステム、太陽光システム若しくはスマートグリッドシステム及び/若しくは完全若しくは部分的バッテリー駆動である若しくはバッテリーを使用する同種のものに組み込むことができる。
【実施例0072】
次の実施例を、ドライ延伸プロセスを使用して形成した。
実施例1(12ミクロンPP/PE/PP三層):本発明の33%/33%/33%の比のPP/PE/PPの12ミクロン三層
実施例2a(16ミクロンPP/PE/PP三層):本発明の31%/38%/31%
の比のPP/PE/PPの16ミクロン三層
実施例2b(16ミクロンPP/PE/PP三層):本発明の31%/38%/31%の比のPP/PE/PPの16ミクロン三層
実施例3(16ミクロンPP/PE/PP三層):本発明の31%/38%/31%の比のPP/PE/PPの16ミクロン三層
実施例4(改良された14μm三層):33%/33%/33%の比のPP/PE/PPの13~14ミクロン三層
実施例5(改良された20μm三層):本発明の31%/38%/31%の比のPP/PE/PPの20ミクロン三層
比較例1(12ミクロンPP/PE/PP三層):比較の33%/33%/33%の比のPP/PE/PPの12ミクロン三層
比較例2(16ミクロンPP/PE/PP三層):比較の33%/33%/33%の比のPP/PE/PPの16ミクロン三層
比較例3(16ミクロンPP/PE/PP三層):比較のPPの16ミクロン単層
比較例4(14ミクロン(PP/PP/PP)/(PP/PE/PP)/(PP/PP/PP)):比較の33%/33%/33%の全体的比の(PP/PP/PP)/(PP/PE/PP)/(PP/PP/PP))の14ミクロン三層
比較例5(14μm三層):比較の33%/33%/33%の比のPP/PE/PPの14ミクロン三層
比較例6(20μm三層):比較の33%/33%/33%の比のPP/PE/PPの低ガーレー20ミクロン三層
比較例7(12μm三層)
【0073】
これらの実施例のいくつかのデータを、少なくとも下表2、3、及び4に示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
圧縮試験データ
半球状プローブを備える熱機械分析装置(TMA)を圧縮試験のために使用する。圧縮力を、0.25N/分の速度で0.5Nまで上昇させる。それから、同じ速度で力を0.01Nまで減じる。力を印加する前後の膜厚さを使用して圧縮%を算出する。結果を下表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】
突刺試験データ
インストロン(Instron)圧縮試験機を使用して、突刺試験を行う。25mm/
分クロスヘッド速度を使用して試験機のクロスヘッドに0.5mm半径の針を取り付け、該針により破壊する膜の点における最大力を突刺強度として記録する。「スリット状」は、その長さが、その高さのおよそ3倍超、およそ4倍超、およそ5倍超、およそ6倍超、およそ7倍超、およそ8倍超、およそ9倍超、又はおよそ10倍超である開口部を表すために使用される。「丸形」は、その長さが、その高さのおよそ3倍以下、2倍、2.2倍、又は1倍である開口部を表すために使用される。図4に示されているように、本発明の微孔フィルム(実施例4)を突刺試験に付す場合に丸形開口部を形成し、比較微孔フィルム(比較例5)を突刺試験に付す場合にスリット状開口部を形成した。本発明の実施例のため、開口部は、高さ0.70mm、幅又は長さ1.57mmを有する。本発明の比較例のため、開口部は、高さ0.97mm、幅又は長さ10.98mmを有する。
【0080】
引張試験データ
20インチ/分のクロスヘッド速度においてインストロン試験機で0.5インチ×2インチの膜検体の延伸によって、引張特性を試験する。最大力及び破断点伸びを、引張強さ及び伸びと呼ぶ。応力対歪み曲線を、延伸処理中に集められた個々のデータ点を用いてプロットすることができる。自動及び弦モジュラスを、データを使用して算出することもできる。12ミクロン、16ミクロン及び20ミクロン比較例並びに実施例を試験した。MD応力-歪み曲線を図13に示し、MD引張強さ、MD破断前伸び、自動ヤング率、及び弦モジュラスについての算出値を、下表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】
したがって、本発明の膜は同じ厚さを有する比較製品と比較してより高いヤング率を有した。例えば、本発明の16ミクロン実施例は、17,000kgf/cm超の自動ヤング率を有したが、16ミクロン比較例はそうでなかった。本発明の20ミクロン実施例は、13,000kgf/cm超、14,000kgf/cm超、又は15,000kgf/cm超の自動ヤング率を有したが、20ミクロン比較例はそうでなかった。更に、本発明の12ミクロン実施例は、13,000kgf/cm超、14,000kgf/cm超、15,000kgf/cm超、16,000kgf/cm超、17,000kgf/cm超、18,000kgf/cm超、又は19,000kgf/cm超の自動ヤング率を有したが、12ミクロン比較例はそうでなかった。いくつかの実施形態では、12ミクロンサンプルは、40%未満、30%未満、又は20%未満のMD破断前伸びを有した。いくつかの実施形態では、16ミクロンサンプルは、40%未満又は35%未満のMD破断前伸びを有した。いくつかの実施形態では、20ミクロンサンプルは、45%未満、又は40%未満のMD破断前伸びを有した。
【0083】
MD拘束膨張試験
MD拘束膨張試験を行い、上表1に示されている処理工程に従ってバッテリー製造者により使用される処理工程をシミュレートする。本明細書に記載されているいくつかの比較例及び本発明の実施例の結果を下表7に示す。
【0084】
【表7】
【0085】
MD膨張、0.2%MD膨張でさえ、図11(b)及び12(a)に示されているように波状にたるんでいる製品をもたらすことが分かった。0.2%未満のMD膨張、MD膨張がない、又は負の膨張(又は収縮)が好ましい。これらの製品には比較製品のような「波状のたるみ」はない。
【0086】
図11及び12は、これらの結果を可視的に示す。図11(a)は焼成前の比較例6を示し、図11(b)は焼成後の比較例6を示す。フィルムはしわが寄り、波状にたるんでいる。図12(b)は、焼成後の本発明の実施例5を示す。焼成後、本発明の実施例は、目に見えてしわがなく、波状にたるんでいない。
【0087】
DEC中膨張試験
DEC中膨張試験を次のように行う:長さ50mm×幅25mmの膜検体を縦方向に沿って裁断した。炭酸ジエチル中に1時間浸漬する前(l)後(l)でノギスを使用してフィルムの長さを測定する。次式(3)により膨潤%を算出する:
(l-l)/l×100 (3)
【0088】
実施例1、2a、2b、3、4、及び5並びに比較例2,3、6、及び7を試験し、結果を上表3及び下表8に示す。本発明の実施例は比較例より低膨潤を示すことが分かった。
【0089】
【表8】
【0090】
SEM
比較及び本発明の16μm三層のSEMを20,000倍で撮影し、図7に示す。195nmである本発明の実施例2aのラメラ厚さと比較して、比較例2の最厚ラメラは390nmであった。比較例2の平均ラメラ厚さは約158nmであったが、本発明の実施例2aの平均厚さは132nmであった。
【0091】
比較及び本発明の20μm三層のSEMを20,000倍で撮影し、図8に示す。170nmである本発明の実施例5のラメラ厚さと比較して、比較例6の最厚ラメラは301nmであった。
【0092】
比較例及び本発明の実施例12μm三層のSEMを20,000倍で撮影し、図9に示す。153nmである本発明の実施例1のラメラ厚さと比較して、比較例1の最厚ラメラは195nmであった。
【0093】
本発明又は本開示の少なくとも選択された実施形態、態様又は目的によれば、上記ニーズ、問題又は課題に対処する新規な又は改良された膜、フィルム、セパレータ膜、セパレータベースフィルム、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良された膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるセル、バッテリー、デバイス、又は製品を提供する。本発明又は本開示の少なくとも特定の実施形態、態様又は目的によれば、新規な又は改良された多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、セパレータベースフィルム、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良された多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるバッテリー、デバイス、乗り物、若しくは製品を提供する。本発明又は本開示の少なくとも特定の実施形態、態様又は目的によれば、新規な又は改良されたドライプロセス多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良されたドライプロセス多孔質膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるバッテリー、デバイス、乗り物、若しくは製品を提供する。本発明又は本開示の少なくとも選択された実施形態、態様又は目的によれば、従来のフィルムと比較して電解液中及び/若しくは同種のものにおいてカール低減、だぶつき低減、垂れ下がり低減、焼成しわ低減、膨潤低減を有し得る新規な又は改良されたドライプロセス、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、又はこれらの組合せ、配合物、混合物、共重合体、又はブロック共重合体)微多孔膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータ並びに/又はこのような新規な又は改良されたドライプロセス、ポリオレフィン微多孔膜、フィルム、セパレータ膜、及び/若しくはバッテリーセパレータを備えるバッテリー、リチウム電池、二次リチウムイオン電池、デバイス、乗り物、及び/若しくは製品を提供する。
【0094】
少なくとも特定の実施形態によれば、電解液で湿潤している場合に低減された膨潤を示すか若しくは膨潤しない及び/又は多くのバッテリー製造者により使用される焼成過程に晒される場合に弛んだりしわが寄ったりしない微孔フィルムを本明細書中に記載する。少なくともいくつかの実施形態によれば、微孔フィルムは、他の更なる望ましい特性を示し得る。いくつかの好ましい実施形態では、本明細書に記載されている微孔フィルムは、Celgard(登録商標)ドライ延伸プロセスなどのドライ延伸プロセスによって形成されるドライプロセス微孔フィルムである。典型的なCelgard(登録商標)ドライプロセス(ドライ延伸)フィルムは、油も、ポア形成剤も、成核剤も有しない。
【0095】
微孔フィルムであって、次の特性:該フィルムを90℃で1時間において無拘束下で焼成する場合、2%以上の無拘束MD収縮率と;該フィルムを105℃で1時間において無拘束下で焼成する場合、2.5%以上の無拘束MD収縮率と;MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、0.2%以下のMD拘束膨張と;圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率と;圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率と;DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率との少なくとも1つを有し;該フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示し;該フィルムラメラは、250nm以下の厚さを有し;350g/16ミクロン超の正規化突刺強度を有し;縦方向においてより高い弾性率及び40%未満の破断前伸びを有する、微孔フィルムを本明細書に開示する。本明細書に記載された少なくとも1つの微孔フィルムを備えるバッテリーセパレータ、バッテリー、又はデバイスも開示する。
【0096】
次の詳細な明細書及び実施例を参照することによって本明細書に記載されている実施形態をより容易に理解することができる。しかしながら、本明細書に記載されている要素、装置及び方法は詳細な明細書及び実施例に示されている特定の実施形態に限定されない。これらの実施形態は単に本開示の原理の例証にすぎないことを認識すべきである。多くの
修正及び適応は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者には容易に明らかになるだろう。
【0097】
加えて、本明細書に開示されている全ての範囲はその中に包含されているいずれか及び全ての部分範囲を包含すると理解されるものとする。例えば、「1.0~10.0」の定められた範囲は、1.0~5.3、又は4.7~10.0、又は3.6~7.9など、最小値1.0以上で始まり、最大値10.0以下で終わるいずれか及び全ての部分範囲を含むと見做されるべきである。
【0098】
本明細書に開示されている全範囲は、明示的に別段に定められない限り、範囲の端点を含むと見做されるものとする。例えば、「5~10(between 5 and 10))」、「5~10(from 5 to 10)」、又は「5~10(5-10)」の範囲は、端点5及び10を含むと概して見做されるべきである。
【0099】
更に、言い回し「以下(up to)」は、量(amount)又は量(quantity)との関連で使用され、量は少なくとも検出可能な量(amount又はquantity)であると理解されるものとする。例えば、特定の量「以下(up to)」の量で示される材料は、検出可能な量から特定の量を含んでそれ以下で存在し得る。
【0100】
明示的に別段に定められない限り、本明細書に記載されている全ての分子量値は重量平均分子量である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-02-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレン(PP/PE/PP)構造を有する三層微孔フィルムであって、
前記三層は、31%/38%/31%~33%/33%/33%の層厚比を有し、前記フィルムは、ドライ延伸プロセスによって形成されており、かつ、
次の特性:
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2%以上の無拘束MD収縮率と;
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、2.5%以上の無拘束MD収縮率と;
MD拘束膨張試験を使用して測定する場合、0.2%以下のMD拘束膨張と;
圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率と;
圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率と;
DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率と;
前記フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であってスリット状でない開口部を示すことと
前記フィルムのラメラ250nm以下の厚さを有することと
350g/16ミクロン超の正規化突刺強度
縦方向においてより高い弾性率及び40%未満の破断前伸びと、
の少なくとも1つを有する微孔フィルム。
【請求項2】
前記特性の少なくとも2つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項3】
前記特性の少なくとも3つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項4】
前記特性の少なくとも4つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項5】
前記特性の少なくとも5つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項6】
前記特性の少なくとも6つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項7】
前記特性の少なくとも7つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項8】
前記特性の少なくとも8つを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項9】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは2.5%以上の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項10】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは3%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項11】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは6%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項12】
前記フィルムを105℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧9%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項13】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは2%以上の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項14】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは3%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項15】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは≧4%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項16】
前記フィルムを90℃、1時間において無拘束下で焼成する場合、前記フィルムは5%の無拘束MD収縮率を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項17】
前記フィルムは、0.2%以下のMD拘束膨張を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項18】
前記フィルムは、0.1%以下のMD拘束膨張を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項19】
前記フィルムは、0のMD拘束膨張を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項20】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、5%以上の反発弾性率又は回復率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項21】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、18%以上の最大圧縮率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項22】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、19%以上の最大圧縮率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項23】
前記フィルムは、圧縮試験によって測定する場合、20%以上の最大圧縮率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項24】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.95%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項25】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.8%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項26】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.7%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項27】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.6%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項28】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.5%以下のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項29】
前記フィルムは、前記DEC中膨潤試験による測定の場合、0.4%未満のDEC中の膨潤率を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項30】
前記フィルムは、突刺試験に付す場合、丸形であるか、又はスリット状でない開口部を示す、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項31】
前記フィルムは、350g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項32】
前記フィルムは、360g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項33】
前記フィルムは、370g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項34】
前記フィルムは、380g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項35】
前記フィルムは、390g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項36】
前記フィルムは、400g/16ミクロンの正規化突刺強度を有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項37】
前記フィルムのラメラは、250nm以下の厚さを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。
【請求項38】
前記フィルムは、縦方向においてより高い弾性率及び40%未満のより低い破断前伸びを有する、請求項1に記載の微孔フィルム。