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特開2024-4189償却シミュレーション装置、償却シミュレーション方法、及び、償却シミュレーションプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004189
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】償却シミュレーション装置、償却シミュレーション方法、及び、償却シミュレーションプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q10/06 302
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103717
(22)【出願日】2022-06-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-03
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹川 知志
(72)【発明者】
【氏名】宮内 淳子
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】減価償却資産を管理するための計算を簡単に実行する償却シミュレーション装置、償却シミュレーション方法及び償却シミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】償却シミュレーション装置において、取得部は、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産及び仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する。算出部は、仮除却情報で指定された日付で仮想除却資産を仮想的に除却した場合の減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する。データ生成部は、算出された償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成する。出力制御部は、所定期間分の償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
保有している減価償却資産を示す資産情報と、
時間の経過に応じて償却される前記減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、
前記減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、
を取得する取得部と、
前記仮除却情報で指定された前記日付で前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する算出部と、
算出された前記償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、
所定期間分の前記償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部と、
を有する償却シミュレーション装置。
【請求項2】
前記算出部及び前記データ生成部は、少なくとも前記資産情報及び前記償却額情報が実データとして記憶されている実データ記憶部から、前記取得部により取得された前記資産情報及び前記償却額情報、及び、前記仮除却情報で指定された前記仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付に基づいて、所定の基本期間分の償却額を含む仮除却データを算出して生成し、
前記仮除却データを、前記実データ記憶部とは異なる仮除却用記憶部に記憶する記憶制御部を、さらに備え、
前記算出部及び前記データ生成部は、前記取得部により前記仮除却用記憶部から読み出された前記基本期間分の仮除却データに基づいて、前記所定期間分の償却シミュレーションデータを算出し生成すること、
を特徴とする請求項1に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項3】
前記算出部及び前記データ生成部は、前記取得部により前記実データ記憶部から取得された前記基本期間分の前記資産情報及び前記償却額情報に基づいて、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の前記償却シミュレーションデータを算出して生成し、
前記記憶制御部は、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の前記償却シミュレーションデータを、前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却額を含む所定期間分の前記償却シミュレーションデータと共に、シミュレーションデータ記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項2に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項4】
前記シミュレーションデータ記憶部に記憶された、前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記償却シミュレーションデータ、及び、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の前記償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力を選択するための選択部を、さらに備えること、
を特徴とする請求項3に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項5】
前記選択部は、少なくとも月次、半期、四半期及び年次の前記償却シミュレーションデータの出力を選択可能であること、
を特徴とする請求項4に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項6】
前記減価償却資産は、拠点毎の減価償却資産であり、
前記データ生成部は、指定された拠点の減価償却資産の前記償却シミュレーションデータを生成すること、
を特徴とする請求項5に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項7】
前記実データ記憶部に記憶されている前記資産情報の変動の有無を検出する変動検出部と、
前記変動検出部で前記資産情報の変動が検出された場合、前記資産情報に変動が生じたことを示す警告の通知制御を行う警告制御部と、をさらに備えること、
を特徴とする請求項2から請求項6のうち、いずれか一項に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項8】
前記変動検出部は、前記償却シミュレーションデータの生成時、又は、前記償却シミュレーションデータの出力時に、前記資産情報の変動の有無を検出し、
前記警告制御部は、前記償却シミュレーションデータの生成時、又は、前記償却シミュレーションデータの出力時に、前記変動検出部で前記資産情報の変動が検出された場合に、前記警告の通知制御を行うこと、
と特徴とする請求項7に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項9】
前記算出部及びデータ生成部は、前記警告の通知により、前記償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、再度、前記償却シミュレーションデータを算出して生成すること、
を特徴とする請求項8に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項10】
前記算出部及びデータ生成部は、前記警告の通知により、前記仮除却情報の削除、及び、前記償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、前回の償却シミュレーションデータ生成時に仮除却用記憶部に記憶された前記仮除却情報を削除したうえで、再度、前記償却シミュレーションデータを算出して生成すること、
を特徴とする請求項8に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項11】
少なくとも、
保有している減価償却資産を示す資産情報と、
時間の経過に応じて償却される前記減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、
前記減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、
を取得部が取得する取得ステップと、
算出部が、前記仮除却情報で指定された前記日付で前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する算出ステップと、
データ生成部が、算出された前記償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成するデータ生成ステップと、
出力制御部が、所定期間分の前記償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御ステップと、
を有する償却シミュレーション方法。
【請求項12】
コンピュータを、
少なくとも、
保有している減価償却資産を示す資産情報と、
時間の経過に応じて償却される前記減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、
前記減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、
を取得する取得部と、
前記仮除却情報で指定された前記日付で前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する算出部と、
算出された前記償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、
所定期間分の前記償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部として機能させること、
を特徴とする償却シミュレーションプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、償却シミュレーション装置、償却シミュレーション方法、及び、償却シミュレーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、企業等において、長期的な経営の安定化を図るためにも、保有する減価償却資産の管理は重要となる。減価償却資産の管理に関する先行技術としては、特許文献1(特開2020-042531号公報)に、固定資産管理システムが開示されている。
【0003】
この固定資産管理システムは、施設に係る固定資産を管理するための固定資産管理システムであり、地図画面上に重ねて表示されるベクターデータと対応付けられた施設情報を登録する手段を有する。また、1又は複数のベクターデータと対応付けられた固定資産情報を登録する手段と、固定資産情報に含まれる固定資産を除却処理するための手段と、を備える。そして、除却処理として、地図画面上のベクターデータに対して、除却対象となる施設の指定を受け付ける処理と、指定された施設を除却情報として登録する処理とを行う。これにより、マッピングシステムを利用して、施設に係る固定資産を効率的に管理することができる。
【0004】
ここで、店舗展開している企業では、店舗撤退の検討を行う際、その店舗の売上推移以外に、その店舗の販管費も算出し、収益及び費用を考慮したうえで、撤退を行うか否かの判断を行う。すなわち、店舗別に収支を把握して、特定の店舗を撤退した場合に全社的にどのような影響が生ずるかを把握したうえで、撤退を行うか否かの判断を行う。
【0005】
このような判断を行う上で、対象店舗の販管費のうち、減価償却費は、固定資産の償却額に基づいて算出される。具体的には、撤退の対象となっている店舗の資産について、撤退時点までの減価償却費の算出、及び、売却する場合は、売却時の簿価と売却金額との差額による特別損益額を算出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-042531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、減価償却費の計算は、大変面倒で手間の掛かる計算を必要とする。このため、この計算により担当者に大きな負担が掛かる問題があった。このような問題は、展開する店舗が多くなり、また、店舗毎に管理する資産が多くなるほど、より顕著となる。
【0008】
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、減価償却資産を管理するための計算を簡単に行うことができるような償却シミュレーション装置、償却シミュレーション方法、及び、償却シミュレーションプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る償却シミュレーション装置は、少なくとも、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する取得部と、仮除却情報で指定された日付で仮想除却資産を仮想的に除却した場合の減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する算出部と、算出された償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、所定期間分の償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部と、を有する。
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る償却シミュレーション方法は、少なくとも、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得部が取得する取得ステップと、算出部が、仮除却情報で指定された日付で仮想除却資産を仮想的に除却した場合の減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する算出ステップと、データ生成部が、算出された償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成するデータ生成ステップと、出力制御部が、所定期間分の償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御ステップと、を有する。
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る償却シミュレーションプログラムは、コンピュータを、少なくとも、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する取得部と、仮除却情報で指定された日付で仮想除却資産を仮想的に除却した場合の減価償却資産の所定期間分の償却額を算出する算出部と、算出された償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、所定期間分の償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部として機能させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、減価償却資産を管理するための計算を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、実施の形態の償却シミュレーションシステムのシステム構成図である。
図2図2は、実データテーブルに記憶される各種情報を示す図である。
図3図3は、固定資産コントロールマスタの一例を示す図である。
図4図4は、決算期マスタの一例を示す図である。
図5図5は、月度マスタの一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態の償却シミュレーションシステムの動作概要を示す図である。
図7図7は、各拠点で保有する減価償却資産の一例を示す図である。
図8図8は、経理の担当者が経理端末装置を介して行う仮除却情報の登録操作の流れを示すフローチャートである。
図9図9は、仮除却登録画面の一例を示す図である。
図10図10は、実データから仮除却用の資産情報が生成される例を示す図である。
図11図11は、実データから仮除却用の償却情報が生成される例を示す図である。
図12図12は、実データから仮除却用の月別償却情報が生成される例を示す図である。
図13図13は、実データに記憶されている資産の取得年度等を示す履歴情報を示す図である。
図14図14は、実データから除却対象とされた資産の仮除却情報が生成される例を示す図である。
図15図15は、償却シミュレーションデータの作成から出力までの流れを示すフローチャートである。
図16図16は、償却シミュレーション画面の一例を示す図である。
図17図17は、実データに基づいて生成される、仮除却を行わない場合の償却シミュレーションデータの一例を示す図である。
図18図18は、仮除却データに基づいて生成される、仮除却を行った場合の償却シミュレーションデータの一例を示す図である。
図19図19は、月次及び年次の償却シミュレーションデータの一例を示す図である。
図20図20は、資産の移動を説明するための図である。
図21図21は、実データテーブルの資産情報の更新例を示す図である。
図22図22は、実データテーブルの月別償却情報の更新例を示す図である。
図23図23は、実データテーブルの履歴情報の更新例を示す図である。
図24図24は、警告メッセージの一例を示す図である。
図25図25は、仮除却データの削除を説明するための図である。
図26図26は、償却シミュレーションデータの再生成動作を説明するための図である。
図27図27は、償却シミュレーションデータの再生成動作を説明するための他の図である。
図28図28は償却シミュレーションデータの再生成動作を説明するための、さらに他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用した実施の形態を説明する。なお、このような実施の形態はあくまでも本発明の一例であり、これらの実施の形態に本発明が限定されるものではない。
【0015】
[システム構成]
図1は、実施の形態の償却シミュレーションシステムのシステム構成図である。この図1に示すように償却シミュレーションシステムは、償却シミュレーション装置1、拠点端末装置9及び経理端末装置10を、ネットワーク8を介して相互に接続することで構成されている。
【0016】
ネットワーク8としては、インターネット等の広域網の他、LAN(Local Area Network)等のプライベート網を用いることができる。
【0017】
拠点端末装置9は、例えば企業の各地域の支店又は店舗等に設けられた端末装置である。各拠点の担当者は、この拠点端末装置9を介して、償却シミュレーション装置1の実データテーブル11に対して、その拠点で所有している減価償却資産の資産情報を入力するする。また、各拠点の担当者は、所有する減価償却資産が他の拠点に移動した場合、又は、処分した場合等の、減価償却資産の変動が生じた場合、拠点端末装置9を介して、償却シミュレーション装置1の実データテーブル11に対して、減価償却資産の変動に対応する登録を行う。「実データ」は、データの書き込みが許可されている各拠点の担当者により、拠点端末装置9を介して実データテーブル11に書き込まれる、上述の減価償却資産の変動等のデータである。
【0018】
経理端末装置10は、後述する償却シミュレーションを行う際に、仮想的に除却する減価償却資産及びシミュレーション期間等を指定する。
【0019】
償却シミュレーション装置1は、一例として、いわゆるWebアプリケーションサーバ装置として機能し、通信制御部27を介して減価償却資産の資産情報の登録、削除及び変動等を行うための入力画面を拠点端末装置9に送信して表示する。また、償却シミュレーション装置1は、所望の減価償却資産を仮想的に除却した場合の償却額を検討する償却シミュレーションを行うための、仮除却登録画面及び償却シミュレーション画面等を経理端末装置10に送信して表示する。
【0020】
なお、償却シミュレーション装置1を各拠点の担当者、及び、経理担当者が操作する構成としてもよい。この場合、償却シミュレーション装置1は、外部出力インターフェースを介してキーボード装置及びマウス装置等の入力装置に接続されると共に、モニタ装置及びプリンタ装置等の出力装置に接続される。そして、表示制御部により、減価償却資産の資産情報の登録、削除及び変動等を行うための入力画面、及び、生成された減価償却資産の償却額等を示す償却シミュレーションデータをモニタ装置に表示し、又は、出力制御部により、プリントアウトする。このように、償却シミュレーション装置1を単体で用いた場合でも、後述と同じ効果を得ることができる。以下の説明を参照されたい。
【0021】
(償却シミュレーション装置のハードウェア構成)
次に、償却シミュレーション装置1のハードウェア構成を説明する。償却シミュレーション装置1は、図1に示すように、記憶部2、制御部3及び通信インターフェース部4を備えている。通信インターフェース部4は、ネットワーク8を介して、拠点端末装置9及び経理端末装置10に接続されている。
【0022】
記憶部2としては、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置を用いることができる。記憶部2には、実データテーブル11、仮除却用テーブル12,シミュレーションデータテーブル13、固定資産コントロールマスタ15,決算期マスタ16及び月度マスタ17が記憶されている。実データテーブル11は、実データ記憶部の一例である。仮除却用テーブル12は、仮除却用記憶部の一例である。
【0023】
また、記憶部2には、後述する償却シミュレーション動作を可能とする償却シミュレーションプログラムが記憶されている。
【0024】
図2は、実データテーブル11に記憶される各種情報を示す図である。実データテーブル11には、各拠点の拠点端末装置9を介して、図2(a)に示す台帳情報である資産情報、それぞれ償却関連情報である、図2(b)に示す償却情報及び図2(c)に示す月別償却情報が記憶される。また、実データテーブル11には、図2(d)に示す履歴情報が記憶される。
【0025】
図2(a)に示す資産情報は、減価償却資産の資産名、拠点名である事務所名、計上部門、その減価償却資産の取得日、減価償却が開始された日付である償却開始日、その減価償却資産を取得した価格(取得価格)、その減価償却資産の設置場所等の各種情報を含んで構成される。
【0026】
図2(b)に示す償却情報は、各資産の償却額を示す情報であり、減価償却資産の資産名、年度、耐用年数、期首帳簿価額、及び、普通償却額(償却額)を含んで構成される。
【0027】
図2(c)に示す月別償却情報は、各資産の月別の償却額を示す情報であり、減価償却資産の資産名、年度、月度、その減価償却資産を所有している拠点名である事務所名、月初簿価、及び、月別償却額を含んで構成される。
【0028】
図2(d)に示す履歴情報は、減価償却資産の取得、移動及び除却等の履歴を示す情報であり、資産名、年度、日付(履歴日)、及び、取得、移動、除却等の事由区分を含んで構成される。
【0029】
図3は、固定資産コントロールマスタ15の一例を示す図である。この図3に示すように、固定資産は実データとして固定資産コントロールマスタ15に2期分の情報を保持する。この図3の例は、「年度0:当期=10期」及び「年度1:翌期=11期」の決算期である状態を示している。
【0030】
図4は、決算期マスタ16の一例を示す図である。この図4に示すように、決算期マスタ16には、決算期、期首となる年月日、及び、期末となる年月日等の各情報が記憶されている。
【0031】
図5は、月別マスタ17の一例を示す図である。この図5に示すように、月度マスタ17には、決算期、月度番号、月度名、開始日及び終了日の各情報が記憶されている。
【0032】
(償却シミュレーション装置の機能構成)
次に、図1に示す償却シミュレーション装置1の制御部3は、記憶部2に記憶されている償却シミュレーションプログラムを実行することで、取得部21、算出部22,データ生成部23、選択部24、変動検出部25,警告制御部26、通信制御部27、及び、記憶制御部28として機能する。選択部24及び通信制御部27は、出力制御部の一例である。
【0033】
取得部21は、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報(一例として、図2(b)及び図2(c)に示す償却情報及び月別償却情報に相当)と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する。
【0034】
算出部22は、仮除却情報で指定された日付で仮想除却資産を仮想的に除却した場合の減価償却資産の、例えば当月分等の所定期間分の償却額を算出する。
【0035】
データ生成部23は、算出された償却額を含む、例えば5年分等の所定期間分の償却シミュレーションデータを生成する。
【0036】
出力制御部の一例となる選択部24及び通信制御部27は、所定期間分の償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分(例えば、月次分、年次分、四半期分等)の償却シミュレーションデータを抽出して出力する。
【0037】
また、算出部22及びデータ生成部23は、少なくとも資産情報及び償却額情報が実データとして記憶されている実データ記憶部の一例である実データテーブル11から、取得部21により取得された資産情報及び償却額情報、及び、仮除却情報で指定された仮想除却資産及び仮想除却資産を除却する日付に基づいて、例えば当月分等の所定の基本期間分の償却額を含む仮除却データを算出して生成する。記憶制御部28は、この仮除却データを、実データテーブル11とは異なる、仮除却用記憶部の一例である仮除却用テーブル12に記憶する。
【0038】
算出部22及びデータ生成部23は、取得部21により仮除却用テーブル12から読み出された当月分等の基本期間分の仮除却データに基づいて、例えば5年分等の所定期間分の償却シミュレーションデータを算出し生成する。
【0039】
また、算出部22及びデータ生成部23は、取得部21により実データテーブル11から取得された基本期間分の資産情報及び償却額情報に基づいて、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを算出して生成する。記憶制御部28は、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータと共に、シミュレーションデータ記憶部の一例であるシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0040】
また、選択部24は、シミュレーションデータテーブル13に記憶された、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択を可能とする。
【0041】
一例として、選択部24は、少なくとも月次、半期、四半期及び年次の償却シミュレーションデータの出力が選択可能となっている。
【0042】
また、減価償却資産は、拠点毎の減価償却資産であり、データ生成部23は、指定された拠点の減価償却資産の償却シミュレーションデータを生成する。
【0043】
変動検出部25は、実データテーブル11に記憶されている資産情報の変動の有無を検出する。警告制御部26は、変動検出部25で資産情報の変動が検出された場合、資産情報に変動が生じたことを示す警告の通知制御を行う。「変動」は、例えば拠点Aから拠点Bに減価償却資産の移動又は拠点Aの減価償却資産の除却等により、実データテーブル11に記憶されている資産情報が新たな資産情報に変更されていることを示す。
【0044】
具体的には、変動検出部25は、償却シミュレーションデータの生成時、又は、償却シミュレーションデータの出力時に、資産情報の変動の有無を検出する。警告制御部26は、償却シミュレーションデータの生成時、又は、償却シミュレーションデータの出力時に、変動検出部25で資産情報の変動が検出された場合に、警告の通知制御を行う。この「警告の通知制御」としては、警告制御部26が、警告メッセージを表示した警告画面、又は、資産情報に変動が生じたことを示す電子音又は警告音声等を生成し、通信制御部27が、経理端末装置10に送信してもよい。また、変動検出部25は、定期的又は不定期に実データテーブル11の変動の有無を検出してもよい。
【0045】
このような警告の通知により、償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、算出部22及びデータ生成部23は、再度、償却シミュレーションデータを算出して生成する。または、警告の通知により、仮除却情報の削除、及び、償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、算出部22及びデータ生成部23は、前回の償却シミュレーションデータ生成時に仮除却用テーブル12に記憶された仮除却データを削除したうえで、再度、償却シミュレーションデータを算出して生成する。記憶制御部28は、再生成された新たな償却シミュレーションデータをシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0046】
(償却シミュレーションシステムの動作概要)
図6は、実施の形態の償却シミュレーションシステムの動作概要を示す図である。この図6に示すように、実施の形態の償却シミュレーションシステムは、各拠点の担当者が、拠点端末装置9を介して償却シミュレーション装置1にアクセスし、減価償却資産の登録(固定資産登録)、減価償却資産の他の拠点への移動登録、及び、減価償却資産の除却登録等を行う。これにより、図2を用いて説明した資産情報、償却情報、月別償却情報、履歴情報及びシミュレーション実施データ等の各種情報が、「実データ」として実データテーブル11に記憶(登録)される。
【0047】
経理を担当する担当者は、例えば一部又は全部の減価償却資産を除却した場合に、除却前後でどのように収益が変化するか等の検証を行う償却シミュレーションの登録(仮除却登録)を行う際に、経理端末装置10を介して償却シミュレーション装置1にアクセスし、仮除却登録を行う。
【0048】
この仮除却登録が行われると、実データテーブル11に記憶されている各種情報に基づいて、償却シミュレーションの演算を行う際に用いるデータである資産情報(仮除却用)、償却情報(仮除却用)、月別償却情報(仮除却用)、及び、仮除却する減価償却資産を示す仮除却情報等の仮除却データが生成され、仮除却用テーブル12に記憶される。
【0049】
すなわち、仮除却登録時に実データテーブル11に記憶されている実データに基づいて、仮除却データが生成される。この再、実データテーブル11からは各種情報の読み出しのみが可能とされ、実データテーブル11に対するデータの書き換え等は禁止されることが、特徴の一つとなっている。
【0050】
このように仮除却データが生成されると、経理端末装置10を介して経理の担当者から指定された減価償却資産を除却した場合の償却シミュレーションデータが、仮除却用テーブル12に記憶されている仮除却データに基づいて生成され、シミュレーションデータテーブル13に記憶される。また、指定された減価償却資産を除却しない場合の償却シミュレーションデータが、実データテーブル11に記憶されている実データに基づいて生成され、シミュレーションデータテーブル13に記憶される。
【0051】
具体的には、指定された減価償却資産を除却しない場合の償却シミュレーションデータは、実データテーブル11の実データに基づいて、指定されたシミュレーション期間分の償却情報及び月別償却情報を計算する。この計算結果は、「0(仮除却含まない)」のデータ区分が付加されてシミュレーションデータテーブル13に記憶される。
【0052】
これに対して、指定された減価償却資産を除却した償却シミュレーションデータを生成する場合、仮除却情報で仮想的な除却が指定されている減価償却資産に対して、シミュレーション期間分の償却情報及び月別償却情報を計算する際に仮除却の情報を反映する。この計算結果は、「1(仮除却含む)」のデータ区分が付加されてシミュレーションデータテーブルに13に記憶される。
【0053】
なお、当期又は翌期で仮除却されている場合は、仮除却用テーブル12の償却情報(仮除却用)及び月別償却情報(仮除却用)をそのまま利用される。また、翌々期以降で除却登録されている減価償却資産については、翌々期の償却情報及び月別償却情報を計算する際に、除却情報が加味されて償却額が算出される。さらに、仮除却情報で示される減価償却資産(仮除却を行う減価償却資産)のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で、実データ側の履歴情報に移動データが存在する減価償却資産に対しては、仮除却データは反映させない。
【0054】
このように、指定された減価償却資産を除却した場合及び指定された減価償却資産を除却しない場合の償却シミュレーションデータがシミュレーションデータテーブル13に記憶されると、経理の担当者は、経理端末装置10を介して、両者のうち、いずれか一方又は両方を指定して、選択的に出力を得ることができる。また、例えば月次又は年度等の粒度を選択して償却シミュレーションデータを得ることもできる。さらに、所望の拠点を選択して償却シミュレーションデータを得ることもできる。
【0055】
また、償却シミュレーションデータの生成時、又は、償却シミュレーションデータの出力時に、減価償却資産の変動が検出された場合、減価償却資産の変動が生じていることを示す警告を、経理端末装置10に対して行う。これにより、償却シミュレーションデータの再計算が行われ、減価償却資産の正しい現状に対応する償却シミュレーションデータで経営判断等を行うことができる。
【0056】
(仮除却登録動作)
次に、償却シミュレーションデータの生成に関する各動作を具体的に説明する。まず、図7は、各拠点で保有する減価償却資産の一例を示す図である。このうち、図7(a)は、2022年4月時点における各拠点A~拠点C・・・の減価償却資産を示している。図7(b)は、2023年11月まで、及び、2023年12月以降も拠点Aの資産a~資産dを保有する例である。この場合、当然のことながら、拠点Aの資産a~資産dの償却費が発生する。
【0057】
これに対して、経理の担当者が、2023年12月で拠点Aを仮想的に撤退させた場合の費用推移を検討すべく、経理端末装置10を介して、2023年12月で拠点Aを仮想的に撤退させて資産a~資産dを廃棄する仮除却登録を行ったとする。この場合、図7(c)に示すように、2023年11月までは拠点Aの資産a~資産dの償却費は発生するが、2023年12月以降は、拠点Aの資産a~資産dの償却費は発生しない(0円)。
【0058】
以下、2023年12月で拠点Aを仮想的に撤退させて資産a~資産dを廃棄する例に基づいて、償却シミュレーションデータの生成に関する動作を説明する。
【0059】
まず、図8は、経理の担当者が経理端末装置10を介して行う、2023年12月で拠点Aを仮想的に撤退させて資産a~資産dを廃棄する仮除却情報の登録操作の流れを示すフローチャートである。このような仮除却情報の登録を行う場合、経理の担当者は経理端末装置10を操作して、償却シミュレーション装置1に対して仮除却情報の登録要求を行う。
【0060】
この仮除却情報の登録要求が行われると、償却シミュレーション装置1の制御部3のデータ生成部23が、記憶部2に記憶されている償却シミュレーションプログラムに基づいて、図9に例示する仮除却登録画面を生成する。償却シミュレーション装置1の通信制御部27は、この仮除却登録画面を、経理端末装置10に送信する。これにより、経理端末装置10は、Webブラウザを介して、この仮除却登録画面を受信して表示部に表示する。これにより、図9に例示する仮除却登録画面が、経理端末装置10に表示される。
【0061】
図8のフローチャートは、仮除却登録画面が、経理端末装置10に表示されることでスタートとなる。ステップS1では、経理の担当者が、仮除却登録画面に対して、操作モードを「新規」で指定し、対象年度を「翌期」で指定して確定させる。図9の例は、2023年4月1日~2024年3月31の「11期」を対象年度として指定した例である。
【0062】
次に、経理の担当者は、ステップS2において、仮除却登録画面の「抽出条件」の入力欄に対して、事業所、計上部門、設置場所等、減価償却資産が設置されている場所又は利用している部門を指定して、表示ボタンを操作する。図9の例は、仮除却の対象とする拠点(事業所)として「拠点A」を入力した例である。償却シミュレーション装置1のデータ生成部23は、仮除却の対象とする拠点(事業所)として「拠点A」が入力され表示ボタンが操作されると、図9に例示するように、拠点Aで保有されている資産a~資産dの資産情報を一覧表示した仮除却登録画面を生成する。
【0063】
資産情報としては、資産a~資産dの資産番号(資産No)、資産名、事業所(拠点)、設置場所、取得価格、数量、除却数量、単位、除却割合、除却対象取得価額、取得日、及び、償却開始日が一覧表示される通信制御部27は、このような資産情報を一覧表示した仮除却登録画面を、経理端末装置10に送信して表示する。
【0064】
次に、ステップS3では、経理の担当者が、一覧表示された資産情報の中から除却する所望の資産を選択し、図9に示すように、資産Noの左横に設けられているチェックボックスにチェックを入れる操作を行う。これにより、償却シミュレーション装置1側において、チェックボックスがチェックされた、除却を行う資産を認識できる。
【0065】
次に、ステップS4では、経理の担当者が、仮除却登録画面の「除却情報」の入力欄に対して、仮除却を行う日付(除却日)を入力する。この例の場合、「2023年12月1日が、除却日として入力される。また、経理の担当者は、「除却事由区分」として資産a~資産dを全て廃棄することを示す「0 廃棄」を選択する。
【0066】
また、ステップS5では、経理の担当者が、「除却区分」の入力を行う。この除却区分としては、「除却月を含む」又は「除却月を含まない」のいずれかを選択するようになっている。「除却月を含む」を選択した場合、2022年12月分まで償却費が計上される。これに対して、「除却月を含まない」を選択した場合、2022年11月分まで償却費が計上される(12月から償却費は0円)。図9の例は、「除却月を含まない」が選択された例であり、2022年12月分から償却費は計上されない。
【0067】
経理の担当者は、仮除却登録画面に基づいて、対象年度、除却対象とする拠点等(抽出条件)、除却対象とする資産情報、及び、除却日等(除却情報)等の仮除却情報を入力すると、ステップS6において、このような仮除却情報の「登録」を、経理端末装置10を介して指定する。
【0068】
このような仮除却情報の「登録」が行われると、償却シミュレーション装置1の取得部21が、仮除却情報で指定された拠点A及び資産a~資産dの実データを実データテーブル11から取得する。データ生成部23は、取得された実データに基づいて、仮除却用の各種情報を生成する。記憶制御部28は、生成された仮除却用の各種情報を仮除却用テーブル12に記憶する。
【0069】
具体的に説明すると、図10は、図10(a)に示す実データから図10(b)に示す仮除却用の、拠点Aの資産a~資産dの資産情報が生成され、仮除却用テーブル12に記憶された例である。図11は、算出部22が、除却対象とされた資産a~資産dの普通償却額を、図11(a)に示す実データに基づいて再計算し、データ生成部23及び記憶制御部28が、仮除却用テーブル12に、再計算された普通償却額を追加して記憶させた例である。
【0070】
図12は、算出部22が、除却対象とされた資産a~資産dの月別償却額を、図11(a)に示す実データに基づいて再計算し、データ生成部23及び記憶制御部28が、仮除却用テーブル12に、再計算された資産a~資産dの月別償却額を追加して記憶させた例である。
【0071】
なお、実データテーブル11には、図13に示すように各資産の取得年度を示す履歴情報が記憶されている。図13は、資産aの取得年度を示す履歴情報の例である。
【0072】
また、データ生成部23は、実データ及び指定された除却日等に基づいて、図14に例示する、拠点Aの各資産a~資産dを除却対象とすることを示す仮除却情報を生成する。この仮除却情報は、履歴番号(履歴NO)、資産名、指定された除却日、拠点A等の除却事業所、指定された除却事由区分、除却区分、及び、更新日時を含んで構成される。この例の場合、除却日は、上述のように「2023年12月1日」である。また、除却事由は、「0(廃棄)」である。また、除却区分は、2022年11月分まで償却費を計上し、12月から償却費は計上しないことを示す「1(含まない)」である。また、更新日時は、「2022年4月1日」である。記憶制御部28は、この仮除却情報を、仮除却用テーブル12に記憶する。
【0073】
(償却シミュレーションデータの生成動作)
このような資産情報(仮除却用)、償却情報(仮除却用)、月別償却情報(仮除却用)、及び、仮除却情報を含む仮除却データが生成されると、所望のシミュレーション期間を指定して償却額の推移等の検討(償却シミュレーション)が可能となる。図15は、償却シミュレーションデータの作成から出力までの流れを示すフローチャートである。
【0074】
償却シミュレーション装置1は、経理の担当者から経理端末装置10を介して償却シミュレーションが要求されると、図16に例示する償却シミュレーション画面を生成して、経理端末装置10に送信する。経理の担当者は、経理端末装置10を操作することで、この償却シミュレーション画面に基づいて、償却シミュレーションデータの作成開始を示す「データ作成」を選択する。図15のフローチャートのステップS1では、償却シミュレーション装置1の取得部21が、償却シミュレーション画面を介して「データ作成」が指示されたか否かを監視している。そして、取得部21が、「データの作成」の指示を検出したタイミングで、処理がステップS12に進む。
【0075】
ステップS12では、取得部21、算出部22及びデータ生成部23が、仮除却を反映させない状態の、例えば5年分の償却シミュレーションデータを、実データに基づいて計算して生成する。
【0076】
具体的には、まず、取得部21は、拠点Aの各資産a~資産e・・・の当期分の償却情報及び月別償却情報等を実データテーブル11から取得する。算出部22は、取得された実データである当期分の償却情報及び月別償却情報等に基づいて、当期分及び翌期分の、仮除却を行わない場合の償却計算及び月別償却計算を、各月及び拠点Aの資産毎に行う。データ生成部23は、当期分及び翌期分の各計算結果に対して、「0(仮除却含まない)」のデータ区分を付加した償却シミュレーションデータを生成する。記憶制御部28は、この当期分及び翌期分の、仮除却を行わない場合の償却シミュレーションデータを、図17に示すようにシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0077】
また、ステップS12では、算出部22が、算出した翌期分の償却計算結果及び月別償却計算結果に基づいて、翌々期以降の分(例えば、翌々期分、及び、翌々期の次年度分)の償却計算及び月別償却計算を行う。
【0078】
データ生成部23は、翌々期以降の分の各算出結果に対して、「0(仮除却含まない)」のデータ区分を付加した償却シミュレーションデータを生成する。記憶制御部28は、この翌々期以降の分の償却シミュレーションデータを、図17に示すようにシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0079】
一例ではあるが、償却シミュレーション装置1においては、償却情報のN期分の期末簿価を用いて、N+1期分の償却計算及び月別償却計算を行うことで、計5年分の、仮除却を行わない場合の償却シミュレーションデータを、シミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0080】
次に、ステップS13では、取得部21、算出部22及びデータ生成部23が、指定された資産の仮除却を反映させた、例えば5年分の償却シミュレーションデータを計算して生成し、記憶制御部28が、シミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0081】
具体的には、取得部21は、除却情報にデータが存在する資産(仮除却が指定されている資産)の、当期分の償却情報(仮除却用)及び月別償却情報(仮除却用)等を仮除却用テーブル12から取得する。算出部22は、この償却情報(仮除却用)及び月別償却情報(仮除却用)に基づいて、当期分及び翌期分の償却計算及び月別償却計算を行う。
【0082】
データ生成部23は、この計算結果に対して、「1(仮除却含む)」のデータ区分を付加することで、当期分及び翌期分の、仮除却を行った場合の償却シミュレーションデータを生成する。記憶制御部28は、この償却シミュレーションデータを、図18に示すように当期及び翌期分としてシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0083】
また、除却情報が存在しない資産(仮除却が指定されていない資産)の場合、取得部21は、当期分の償却情報及び月別償却情報等を実データテーブル11から取得する。算出部22は、この償却情報及び月別償却情報に基づいて、当期分及び翌期分の償却計算及び月別償却計算を行う。
【0084】
データ生成部23は、この計算結果に対して、「1(仮除却含む)」のデータ区分を付加することで、当期分及び翌期分の、仮除却を行わない資産に対する償却シミュレーションデータを生成する。記憶制御部28は、この償却シミュレーションデータを、図18に示すように当期及び翌期分としてシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0085】
また、ステップS12では、算出部22が、算出した翌期分の償却計算結果及び月別償却計算結果に基づいて、翌々期以降の分(例えば、翌々期分、及び、翌々期の次年度分)の、仮除却を行う資産及び仮除却を行わない資産の償却計算及び月別償却計算を行う。
【0086】
また、当期又は翌々期で仮除却される資産は、翌期末の帳簿価額が「0円」となっているため、翌々期以降は月初簿価及び月別償却額は「0円」となる。
【0087】
データ生成部23は、翌々期以降の分の各算出結果に対して、「1(仮除却含む)」のデータ区分を付加した償却シミュレーションデータを生成する。記憶制御部28は、この翌々期以降の分の償却シミュレーションデータを、図18に示すようにシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0088】
一例ではあるが、償却シミュレーション装置1においては、償却情報のN期分の期末簿価を用いて、N+1期分の償却計算及び月別償却計算を行うことで、計5年分の、仮除却を行う場合の償却シミュレーションデータを、シミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0089】
次に、データ生成部23は、ステップS13において、シミュレーションを実施した日付及び時刻を示すシミュレーション実施データを生成する。一例として、シミュレーション実施データは、「Acjsio2~」等の実施ガイド(実施Guid)及び「2022年4月2日 11:00」等の実施日時を含んで構成される。記憶制御部28は、このシミュレーション実施データを実データが記憶される実データテーブル11に記憶する。
【0090】
次に、データ生成部23は、ステップS15において、例えば「2022年4月2日 11:00」等の償却シミュレーションを実施した日付を、「前回実施情報」の表示欄に表示した償却シミュレーション画面を生成する(図16参照)。通信制御部27は、この償却シミュレーション画面を、経理端末装置10に送信する。これにより、経理の担当者に対して、償却シミュレーションを実施した日付を明示することができる。
【0091】
次に、経理の担当者は、償却シミュレーションデータを出力する場合、図16に示す償却シミュレーション画面において、「データ出力」を選択操作する。図15のフローチャートのステップS16では、選択部24が、この「データ出力」が選択操作の有無を監視している。「データ出力」が選択操作されない場合は(ステップS16:No)、そのまま図15のフローチャートの処理を終了する。
【0092】
「データ出力」が選択操作された場合は(ステップS16:Yes)、ステップS17において、変動検出部25が、実データテーブル11に記憶されている実データの変動の有無を検出する。「変動」は、例えば拠点Aから拠点Bに減価償却資産の移動又は拠点Aの減価償却資産の除却等により、実データテーブル11に記憶されている資産情報が新たな資産情報に変更されていることを示す。
【0093】
「変動」の検出は、図13又は図23等示す実データの履歴情報の更新日付を、図示しない「シミュレーション実施データ」の実施日、又は、図14の仮除却情報の更新日時と比較することで行う。また、それぞれの「変動」の検出のタイミングで、後述する「警告」の表示を行う。なお、例えば変動が生じた資産に対して付されるフラグ情報の有無に基づいて、変動検出部25が、変動の有無を検出してもよい。さらには、前回の償却シミュレーションデータの生成時の実データテーブル11の資産情報(図10(a)参照)を記憶しておき、今回の償却シミュレーションデータの生成時の実データテーブル11の資産情報と比較して、変動の有無を検出してもよい。
【0094】
実データに変動が生じていない場合(ステップS17:No)、出力制御部の一例として機能する選択部24及び通信制御部27が、ステップS18において、経理の担当者により選択された除却状態、拠点、及び、集計粒度の償却シミュレーションデータを出力して、図15のフローチャートの処理を終了する。
【0095】
すなわち、償却シミュレーション装置1の場合、シミュレーションデータテーブル13に記憶された、仮除却を行わない場合の償却シミュレーションデータ及び仮除却を行った場合の償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方又は両方を選択部24により選択して出力可能となっている。この選択が「除却状態」の選択である。経理の担当者は、図16に示す償却シミュレーション画面に基づいて、この「除却状態」の選択を行う。
【0096】
選択部24は、選択された償却シミュレーションデータをシミュレーションデータテーブル13から読み出す。通信制御部27は、選択された償却シミュレーションデータを所定のフォーマットの文書データ、又は、印刷データとして経理端末装置10に送信する。これにより、経理端末装置10の表示部に、選択した償却シミュレーションデータが表示され、又は、経理側の印刷装置を介して、選択した償却シミュレーションデータがプリントアウトされる。
【0097】
また、データ生成部23は、図16に示した償却シミュレーション画面で指定された拠点の減価償却資産の償却シミュレーションデータを生成する。この例の場合、データ生成部23は、拠点Aの資産a~資産dを仮想的に除却した場合の償却シミュレーションデータを生成する。これにより、上述と同様に、指定された拠点の償却シミュレーションデータが経理端末装置10に送信されて、表示又はプリントアウトされる。
【0098】
また、償却シミュレーション装置1は、図16に示した償却シミュレーション画面において、「出力方法」として月次、四半期、半期、及び、年次の集計粒度が選択可能となっている。選択部24は、選択された集計粒度の償却シミュレーションデータをシミュレーションデータテーブル13から読み出す。
【0099】
通信制御部27は、選択された償却シミュレーションデータを所定のフォーマットの文書データ、又は、印刷データとして経理端末装置10に送信する。これにより、経理端末装置10の表示部に、選択した集計粒度の償却シミュレーションデータが表示され、又は、経理側の印刷装置を介して、選択した集計粒度の償却シミュレーションデータがプリントアウトされる。
【0100】
図19に、選択された集計粒度の償却シミュレーションデータの一例を示す。図19(a)が、月次の償却シミュレーションデータの一例である。また、図19(b)が、四半期の償却シミュレーションデータの一例である。
【0101】
(移動登録動作)
ここで、資産の移動登録動作を説明する。各拠点の担当者は、資産の移動を行った場合、償却シミュレーション装置1の実データテーブル11に対して、資産の移動登録を行う。図20(a)は、拠点Aの資産bを拠点Cに移動した例を示している。この場合、拠点A又は拠点Cの担当者の移動登録操作に対応して、データ生成部23及び記憶制御部28が、図21に示すように、資産bの拠点を拠点Bとするように、実データテーブル11の資産情報を更新する。
【0102】
また、データ生成部23及び記憶制御部28は、図22に示すように、実データテーブル11の月別償却情報も、拠点Bを資産bの拠点として更新する。さらに、データ生成部23及び記憶制御部28は、図23に示すように、実データテーブル11の履歴情報に、資産bが移動した年度、履歴日、事由区分(3 移動)及び更新日付を追加して記録する。
【0103】
なお、このように資産の移動登録が行われることで、上述のように実データテーブル11は更新されるのであるが、仮除却用テーブル12の資産情報(図10(b)参照)、償却情報(仮除却用:図11(b)参照)、月別償却情報(図12(b)参照)、仮除却情報(図14参照)の更新は行われない。また、実データテーブル11の、償却シミュレーションデータが生成された実施ガイド及び実施日を示すシミュレーション実施データの更新も行われない。
【0104】
(警告制御動作)
このような移動登録を行うことで、実データテーブル11に記憶されている各種情報と、仮除却用テーブル12に記憶されている各種情報との間に差異が生ずる。このため、償却シミュレーション装置1は、図15のフローチャートのステップS16でデータ出力の指示操作が検出された際に(ステップS16:Yes)、変動検出部25が、実データテーブル11の実データの変動の有無を検出する。そして、実データテーブル11の実データの変動が検出された際に(ステップS17:Yes)、ステップS19において、警告制御部26が、所定の警告通知制御を行う。
【0105】
この「警告の通知制御」としては、警告制御部26が、警告メッセージを表示した警告画面、又は、資産情報に変動が生じたことを示す電子音又は警告音声等を生成し、通信制御部27が、経理端末装置10に送信してもよい。また、変動検出部25は、定期的又は不定期に実データテーブル11の変動の有無を検出してもよい。
【0106】
図24に、警告メッセージの一例を示す。図24(a)は、シミュレーションデータ作成日時以降に履歴が更新されている資産が存在する場合に表示される警告メッセージの例である。すなわち、例えば2022年5月2日の9:30(T1)に資産b等の移動登録により実データの履歴情報が追加され、また、2022年4月2日(T3)がシミュレーションの実施日であったとする。この場合、シミュレーションの実施日以降に資産b等の移動登録が行われているため(T3<T1)、警告制御部26は、図24(a)に例示するように、「シミュレーションデータ作成後に状態が変更されている資産があります。データ出力を続行しますか?*最新の状態でシミュレーションを行う場合は、シミュレーションデータ作成を再度実行してください。」との警告メッセージを表示する。
【0107】
これにより、償却シミュレーションデータの出力の際に、経理の担当者に対して実データテーブル11に登録されている情報の変動を知らせることができる。実データテーブル11に登録されている情報の変動を認識した担当者等は、償却シミュレーションデータを再度作成し、又は、出力しようとしている償却シミュレーションデータを削除したうえで、新たな償却シミュレーションデータを再度作成する。
【0108】
なお、この例では、変動検出部25は、データ出力の指示操作が検出された際に実データテーブル11の変動の有無を検出して、警告制御部26が警告を行うこととした。しかし、ステップS11でデータ作成の指示操作を検出した際に、変動検出部25が、実データテーブル11の変動の有無を検出して警告制御部26が警告を行ってもよい。
【0109】
この場合、変動検出部25は、仮除却データの登録処理日以降に履歴が更新されている資産を検出する。すなわち、例えば2022年5月2日の9:30(T1)に資産b等の移動登録により実データの履歴情報が追加され、また、図14に示すように2022年4月1日(T2)に資産bの仮除却登録が行われていたことが、変動検出部25により検出されたとする。この場合、資産bの仮除却情報が生成された日付以降に、資産bの移動登録が行われている(T2<T1)。このため、警告制御部26は、図24(b)に例示するように、「仮除却登録後に状態が変更されている資産があります。データ出力を続行しますか?*最新の状態でシミュレーションを行う場合は、以下の仮除却情報を削除・再登録してください。*仮除却情報が再登録されない場合は、実データの情報を反映されます。」との警告メッセージと共に、削除の対象となる「KJ000101 資産No 資産b」との仮除却情報を表示する。
【0110】
(償却シミュレーションデータの再生成動作)
次に、経理の担当者は、上述の警告により償却シミュレーションデータを作成し直す場合、出力しようとしていた償却シミュレーションデータを生成する際に用いられた仮除却データを削除するか否かを、図25に例示する仮除却登録画面を介して指定する。図15のフローチャートのステップS20では、データ生成部23が、仮除却データの削除が指定されたか否かを判別している。仮除却データの削除が指定されない場合(ステップS20:No)、処理がステップS12に戻り、上述のように実データテーブル11の現状に対応する新たな償却シミュレーションデータが再度、生成される。
【0111】
具体的には、仮除却データの削除が指定されない場合、データ生成部23は、既に作成されてシミュレーションデータテーブル13に記憶されている償却シミュレーションデータ、及び、実データテーブル11に記憶されているシミュレーションの実施日を示すシミュレーション実施データを削除する。このうえで、ステップS12~ステップS15で説明したように、実データテーブル11の現状に対応する新たな償却シミュレーションデータを再生成する。
【0112】
すなわち、図26に示す拠点Bに移動された資産bが反映された実データテーブル11の月別償却情報等に基づいて、図27に示すように、例えば5年分の仮除却を行わない償却シミュレーションデータが生成されてシミュレーションデータテーブル13に記憶される。
【0113】
また、仮除却情報(図14参照)が存在する資産については、仮除却用テーブル12に記憶されている月別償却情報(仮除却用)等に基づいて、当期、翌期分のデータをデータ区分=1とした償却シミュレーションデータを生成する。なお、仮除却情報が存在する資産のうち、仮除却情報の更新日付以降の更新日付で実データ側の履歴情報データに移動データが存在する資産bについては、償却シミュレーションデータには反映させない。
【0114】
また、仮除却情報が存在しない資産については、月別償却情報等に基づいて、当期及び翌期分がデータ区分=1で追加される。
【0115】
資産bは仮除却情報が存在するが、仮除却の登録日時より後の日付で実データテーブル11に移動の履歴情報が存在するため、図26に示す実データテーブル11の月別償却情報用いて償却シミュレーションデータが生成される。
【0116】
また、翌々期以降の分については、翌期分の償却情報に基づいて、償却計算及び月別償却計算が行われ、算出された月別償却情報を2024年4月分(翌々期分)、データ区分=1としてシミュレーションデータテーブル13に追加する。翌々期の次の年度の月別償却情報についても同様に算出し、シミュレーションデータテーブル13に追加する。
【0117】
(仮除却情報の削除→再仮除却登録→償却シミュレーションデータの再生成動作)
次に、図15のフローチャートのステップS20において、仮除却データの削除が検出された場合(ステップS20:Yes)、データ生成部23は、ステップS21で、仮除却用テーブル12に記憶されている仮除却データを削除したうえで、処理をステップS12に戻し、上述と同様に、償却シミュレーションデータの再生成を行う。
【0118】
仮除却データの削除の指定は、図25に示す仮除却登録画面を介して行う。すなわち、経理の担当者は、仮除却登録画面で削除モードを指定し、削除する仮除却データの仮除却番号を入力し、確定ボタンを操作する。これにより、入力した仮除却番号に対応する仮除却データの登録内容(資産情報及び除却情報)が仮除却登録画面に一覧表示される。この状態で削除ボタンを操作することで、データ生成部23により、仮除却用テーブル12に記憶されている仮除却データが削除される。そして、この削除の後、上述と同様に、償却シミュレーションデータが再生成される。
【0119】
なお、仮除却登録の除却予定日としては、翌々期以降の仮除却登録も可能となっている。この場合、償却シミュレーションの計算時に翌年度の償却計算を行う際に、翌年度で仮除却登録があるか否かを確認する(仮除却情報のうち、翌年度が対象となる仮除却情報があるか否か)。仮除却がある場合は、対象資産の償却計算結果に除却月以降の月別償却額を「0円」で更新し、結果をシミュレーションデータテーブル13に記憶させる。また、償却計算用ワークにセットされている期末簿価を「0円」で更新する。期末簿価が「0円」であるため、さらに次の年度の償却額を計算する際は償却額が「0円」として計算される。
【0120】
(実施の形態の効果)
以上の説明から明らかなように、実施の形態の償却シミュレーションシステムは、取得部21が、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する。算出部22は、仮除却情報で指定された日付で仮想除却資産を仮想的に除却した場合の減価償却資産の、例えば当月分等の所定期間分の償却額を算出する。データ生成部23は、算出された償却額を含む、例えば5年分等の所定期間分の償却シミュレーションデータを生成する。そして、選択部24及び通信制御部27は、所定期間分の償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分(例えば、月次分、年次分、四半期分等)の償却シミュレーションデータを抽出して出力する。
【0121】
これにより、例えば店舗等の拠点及び各拠点で所有する減価償却資産が多い場合でも、自動的、簡単かつ迅速に減価償却費の計算を行うことができ、減価償却資産の計算による担当者の負担を軽減できる。
【0122】
また、算出部22及びデータ生成部23は、少なくとも資産情報及び償却額情報が実データとして記憶されている実データ記憶部の一例である実データテーブル11から、取得部21により取得された資産情報及び償却額情報、及び、仮除却情報で指定された仮想除却資産及び仮想除却資産を除却する日付に基づいて、例えば当月分等の所定の基本期間分の償却額を含む仮除却データを算出して生成する。記憶制御部28は、この仮除却データを、実データテーブル11とは異なる仮除却用テーブル12に記憶する。算出部22及びデータ生成部23は、取得部21により仮除却用テーブル12から読み出された当月分等の基本期間分の仮除却データに基づいて、例えば5年分等の所定期間分の償却シミュレーションデータを算出し生成する。
【0123】
これにより、実データテーブル11に記憶されている実データを、書き換え、変更、削除等を行うことなく、実データを保持した状態で、償却額のシミュレーション演算を行うことができる。
【0124】
また、算出部22及びデータ生成部23は、取得部21により実データテーブル11から取得された基本期間分の資産情報及び償却額情報に基づいて、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを算出して生成する。記憶制御部28は、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータを、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却額を含む所定期間分の償却シミュレーションデータと共にシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0125】
これにより、仮想除却資産の除却を行った場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産の除却を行わない場合の償却シミュレーションデータを出力して両者の比較することで、明確な経営判断等を行うことができる。また、減価償却資産を除却しない場合の金額推移と、仮に除却を行った場合の金額推移を容易に比較することができる。
【0126】
また、選択部24は、シミュレーションデータテーブル13に記憶された、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択を可能とする。
【0127】
これにより、仮想除却資産の除却を行った場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産の除却を行わない場合の償却シミュレーションデータのうち、所望の出力を選択して出力できる。
【0128】
また、選択部24は、少なくとも月次、半期、四半期及び年次の償却シミュレーションデータの出力が選択可能となっている。
【0129】
これにより、月次又は年次等の所望の粒度の償却シミュレーションデータを選択して出力できる。
【0130】
また、減価償却資産は、拠点毎の減価償却資産であり、データ生成部23は、指定された拠点の減価償却資産の償却シミュレーションデータを生成する。これにより、所望の拠点の償却シミュレーションデータを参照して、経営判断等を行うことができる。
【0131】
また、変動検出部25は、実データテーブル11に記憶されている資産情報の変動の有無を検出する。警告制御部26は、変動検出部25で資産情報の変動が検出された場合、資産情報に変動が生じたことを示す警告の通知制御を行う。具体的には、変動検出部25は、償却シミュレーションデータの生成時、又は、償却シミュレーションデータの出力時に、資産情報の変動の有無を検出する。警告制御部26は、償却シミュレーションデータの生成時、又は、償却シミュレーションデータの出力時に、変動検出部25で資産情報の変動が検出された場合に、警告の通知制御を行う。
【0132】
これにより、償却シミュレーションデータの生成の際、又は、償却シミュレーションデータの出力の際に、担当者等に対して資産情報の変動を知らせることができる。資産情報の変動を認識した担当者等は、償却シミュレーションデータを算出し直すこととなる。
【0133】
すなわち、警告の通知により、償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、算出部22及びデータ生成部23は、再度、償却シミュレーションデータを算出して生成する。または、警告の通知により、仮除却情報の削除、及び、償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、算出部22及びデータ生成部23は、前回の償却シミュレーションデータ生成時に仮除却用テーブル12に記憶された仮除却データを削除したうえで、再度、償却シミュレーションデータを算出して生成する。記憶制御部28は、再生成された新たな償却シミュレーションデータをシミュレーションデータテーブル13に記憶する。
【0134】
これにより、減価償却資産の現状に対応する償却シミュレーションデータに基づいて、正確な経営判断等を可能とすることができる。
【0135】
[国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び目標9に貢献することが可能となる。
【0136】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、目標13及び目標15に貢献することが可能となる。
【0137】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0138】
[他の実施の形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0139】
例えば、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0140】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0141】
また、償却シミュレーション装置1に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも図示の如く物理的に構成されていることを要しない。
【0142】
例えば、償却シミュレーション装置1が備える処理機能、特に制御部3にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。なお、プログラムは、各実施の形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて償却シミュレーション装置1に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDD等の記憶部等には、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部3を構成する。
【0143】
また、この償却シミュレーション装置1の償却シミュレーションプログラムは、償却シミュレーション装置1に対して任意のネットワークを介して接続された他のサーバ装置に記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
【0144】
また、各実施の形態で説明した処理を実行するための償却シミュレーションプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、及び、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0145】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコード又はバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した償却シミュレーション装置1において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0146】
記憶部2は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、及び、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、及び、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0147】
また、償却シミュレーション装置1は、既知のパーソナルコンピュータ装置又はワークステーション等の情報処理装置で構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された情報処理装置で構成してもよい。また、情報処理装置は、本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラム又はデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0148】
さらに、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて又は機能付加に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0149】
本発明は、減価償却資産の償却シミュレーションを行う業種であれば、どのような業種にも貢献できる。
【符号の説明】
【0150】
1 償却シミュレーション装置
2 記憶部
3 制御部
4 通信インターフェース部
8 ネットワーク
9 拠点端末装置
10 経理端末装置
11 実データテーブル
12 仮除却用テーブル
13 シミュレーションデータテーブル
15 固定資産コントロールマスタ
16 決算期マスタ
17 月度マスタ
21 取得部
22 算出部
23 データ生成部
24 選択部
25 変動検出部
26 警告制御部
27 通信制御部
28 記憶制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
【手続補正書】
【提出日】2022-12-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
保有している減価償却資産を示す資産情報と、
時間の経過に応じて償却される前記減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、
前記減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、
を取得する取得部と、
前記仮除却情報で指定された前記日付で仮想的に除却した場合の前記減価償却資産の、前記日付前後の所定期間分の償却額、及び、除却しない場合の前記減価償却資産の、仮想的に除却を行う前記日付前後の所定期間分の償却額を、それぞれ算出する算出部と、
仮想的に除却する前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、仮想的に除却する前記減価償却資産の、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータ、及び、仮想的に除却を行わない場合における前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、
前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記償却シミュレーションデータ、及び、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の前記償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択、及び、選択した償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部と、を備え、
前記算出部は、前記仮除却情報で示される仮除却を行う前記減価償却資産のうち、前記仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、除却しない場合の前記日付前後の所定期間分の償却額を算出し、
前記データ生成部は、前記仮除却情報で示される仮除却を行う前記減価償却資産のうち、前記仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、仮想的に除却を行わない場合における前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成すること、
を特徴とする償却シミュレーション装置。
【請求項2】
前記出力制御部は、少なくとも月次、半期、四半期及び年次の前記償却シミュレーションデータの出力を選択可能であること、
を特徴とする請求項1に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項3】
前記減価償却資産は、拠点毎の減価償却資産であり、
前記データ生成部は、指定された拠点の減価償却資産の前記償却シミュレーションデータを生成すること、
を特徴とする請求項2に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項4】
前記算出部及び前記データ生成部は、少なくとも前記資産情報及び前記償却額情報が実データとして記憶されている実データ記憶部から、前記取得部により取得された前記資産情報及び前記償却額情報、及び、前記仮除却情報で指定された前記仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付に基づいて、所定の基本期間分の償却額を含む仮除却データを算出して生成し、
前記仮除却データを、前記実データ記憶部とは異なる仮除却用記憶部に記憶する記憶制御部を、さらに備え、
前記算出部及び前記データ生成部は、前記取得部により前記仮除却用記憶部から読み出された前記基本期間分の仮除却データに基づいて、前記所定期間分の償却シミュレーションデータを算出し生成すること、
を特徴とする請求項1から請求項3のうち、いずれか一項に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項5】
前記算出部及び前記データ生成部は、前記取得部により前記実データ記憶部から取得された前記基本期間分の前記資産情報及び前記償却額情報に基づいて、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の前記償却シミュレーションデータを算出して生成し、
前記記憶制御部は、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却額を含む所定期間分の前記償却シミュレーションデータを、前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却額を含む所定期間分の前記償却シミュレーションデータと共に、シミュレーションデータ記憶部に記憶すること、
を特徴とする請求項4に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項6】
前記償却シミュレーションデータの出力時において、実データの履歴情報の更新日付と、前記償却シミュレーションデータが生成された日付である実施日とを比較することで、前記実データ記憶部に記憶されている前記資産情報の変動の有無を検出する変動検出部と、
前記変動検出部で前記資産情報の変動が検出された場合、前記資産情報に変動が生じたことを示す警告の通知制御を行う警告制御部と、をさらに備えること、
を特徴とする請求項5に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項7】
前記変動検出部は、前記償却シミュレーションデータの生成時において、実データの履歴情報の更新日付と、前記仮除却情報の更新日時とを比較することで、前記実データ記憶部に記憶されている前記資産情報の変動の有無を検出し、
前記警告制御部は、前記変動検出部で前記資産情報の変動が検出された場合、前記資産情報に変動が生じたことを示す警告の通知制御を行うこと、
を特徴とする請求項6に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項8】
前記算出部及びデータ生成部は、前記警告の通知により、前記償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、再度、前記償却シミュレーションデータを算出して生成すること、
を特徴とする請求項7に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項9】
前記算出部及びデータ生成部は、前記警告の通知により、前記仮除却情報の削除、及び、前記償却シミュレーションデータの再計算が指定された場合、前回の償却シミュレーションデータ生成時に仮除却用記憶部に記憶された前記仮除却情報を削除したうえで、再度、前記償却シミュレーションデータを算出して生成すること、
を特徴とする請求項8に記載の償却シミュレーション装置。
【請求項10】
償却シミュレーション装置が備える取得部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部で実行される償却シミュレーション方法であって、
少なくとも、
保有している減価償却資産を示す資産情報と、
時間の経過に応じて償却される前記減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、
前記減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、
前記取得部が取得する取得ステップと、
前記算出部が、前記仮除却情報で指定された前記日付で仮想的に除却した場合の前記減価償却資産の、前記日付前後の所定期間分の償却額、及び、除却しない場合の前記減価償却資産の、仮想的に除却を行う前記日付前後の所定期間分の償却額を、それぞれ算出する算出ステップと、
前記データ生成部が、仮想的に除却する前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、仮想的に除却する前記減価償却資産の、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータ、及び、仮想的に除却を行わない場合における前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成するデータ生成ステップと、
前記出力制御部が、前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記償却シミュレーションデータ、及び、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の前記償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択、及び、選択した償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御ステップと、を備え、
前記算出ステップでは、前記仮除却情報で示される仮除却を行う前記減価償却資産のうち、前記仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、除却しない場合の前記日付前後の所定期間分の償却額を算出し、
前記データ生成ステップでは、前記仮除却情報で示される仮除却を行う前記減価償却資産のうち、前記仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、仮想的に除却を行わない場合における前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成すること、
を特徴とする償却シミュレーション方法。
【請求項11】
コンピュータを、
少なくとも、
保有している減価償却資産を示す資産情報と、
時間の経過に応じて償却される前記減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、
前記減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、前記仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、
を取得する取得部と、
前記仮除却情報で指定された前記日付で仮想的に除却した場合の前記減価償却資産の、前記日付前後の所定期間分の償却額、及び、除却しない場合の前記減価償却資産の、仮想的に除却を行う前記日付前後の所定期間分の償却額を、それぞれ算出する算出部と、
仮想的に除却する前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、仮想的に除却する前記減価償却資産の、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータ、及び、仮想的に除却を行わない場合における前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、
前記仮想除却資産を仮想的に除却した場合の前記償却シミュレーションデータ、及び、前記仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の前記償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択、及び、選択した償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部として機能させ、
前記算出部は、前記仮除却情報で示される仮除却を行う前記減価償却資産のうち、前記仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、除却しない場合の前記日付前後の所定期間分の償却額を算出し、
前記データ生成部は、前記仮除却情報で示される仮除却を行う前記減価償却資産のうち、前記仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、仮想的に除却を行わない場合における前記減価償却資産の減価償却資産名、前記所定期間に対応する日付、及び、算出された前記所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成すること、
を特徴とする償却シミュレーションプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る償却シミュレーション装置は、少なくとも、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する取得部と、仮除却情報で指定された日付で仮想的に除却した場合の減価償却資産の、日付前後の所定期間分の償却額、及び、除却しない場合の減価償却資産の、仮想的に除却を行う日付前後の所定期間分の償却額を、それぞれ算出する算出部と、仮想的に除却する減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、仮想的に除却する減価償却資産の、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータ、及び、仮想的に除却を行わない場合における減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択、及び、選択した償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部と、を備え、算出部は、仮除却情報で示される仮除却を行う減価償却資産のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、除却しない場合の日付前後の所定期間分の償却額を算出し、データ生成部は、仮除却情報で示される仮除却を行う減価償却資産のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、仮想的に除却を行わない場合における減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る償却シミュレーション方法は、償却シミュレーション装置が備える取得部、算出部、データ生成部、及び、出力制御部で実行される償却シミュレーション方法であって、少なくとも、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得部が取得する取得ステップと、算出部が、仮除却情報で指定された日付で仮想的に除却した場合の減価償却資産の、日付前後の所定期間分の償却額、及び、除却しない場合の減価償却資産の、仮想的に除却を行う日付前後の所定期間分の償却額を、それぞれ算出する算出ステップと、データ生成部が、仮想的に除却する減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、仮想的に除却する減価償却資産の、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータ、及び、仮想的に除却を行わない場合における減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成するデータ生成ステップと、出力制御部が、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択、及び、選択した償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御ステップと、を備え、算出ステップでは、仮除却情報で示される仮除却を行う減価償却資産のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、除却しない場合の日付前後の所定期間分の償却額を算出し、データ生成ステップでは、仮除却情報で示される仮除却を行う減価償却資産のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、仮想的に除却を行わない場合における減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また、上述の課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る償却シミュレーションプログラムは、コンピュータを、少なくとも、保有している減価償却資産を示す資産情報と、時間の経過に応じて償却される減価償却資産の償却額を示す償却額情報と、減価償却資産のうち、仮想的に除却する仮想除却資産、及び、仮想除却資産を除却する日付を含む仮除却情報と、を取得する取得部と、仮除却情報で指定された日付で仮想的に除却した場合の減価償却資産の、日付前後の所定期間分の償却額、及び、除却しない場合の減価償却資産の、仮想的に除却を行う日付前後の所定期間分の償却額を、それぞれ算出する算出部と、仮想的に除却する減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、仮想的に除却する減価償却資産の、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータ、及び、仮想的に除却を行わない場合における減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成するデータ生成部と、仮想除却資産を仮想的に除却した場合の償却シミュレーションデータ、及び、仮想除却資産を仮想的に除却しない場合の償却シミュレーションデータのうち、いずれか一方の出力又は両方の出力の選択、及び、選択した償却シミュレーションデータのうち、指定されたシミュレーション期間分の償却シミュレーションデータを抽出して出力する出力制御部として機能させ、算出部は、仮除却情報で示される仮除却を行う減価償却資産のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、除却しない場合の日付前後の所定期間分の償却額を算出し、データ生成部は、仮除却情報で示される仮除却を行う減価償却資産のうち、仮除却情報のデータ更新日付以降の更新日付で異動が行われる減価償却資産に対しては、仮想的に除却を行わない場合における減価償却資産の減価償却資産名、所定期間に対応する日付、及び、算出された所定期間分の償却額を含む償却シミュレーションデータを生成する。