(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041892
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】日やけ止め効果増強剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/90 20060101AFI20240319BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/39 20060101ALI20240319BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K8/90
A61Q17/04
A61K8/34
A61K8/39
A61K8/86
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024002105
(22)【出願日】2024-01-10
(62)【分割の表示】P 2020535913の分割
【原出願日】2019-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2018151681
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100149294
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 直人
(74)【代理人】
【識別番号】100137512
【弁理士】
【氏名又は名称】奥原 康司
(72)【発明者】
【氏名】氏本 慧
(72)【発明者】
【氏名】永禮 由布子
(72)【発明者】
【氏名】長井 宏一
(72)【発明者】
【氏名】水谷 彩香
(72)【発明者】
【氏名】八巻 悟史
(57)【要約】 (修正有)
【課題】加熱されることによって紫外線防御能が向上する理想的な日やけ止め化粧料の提供を可能にする添加剤を開発することを課題とする。
【解決手段】IOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする日やけ止め化粧料の紫外線防御効果を加熱により増強するための添加剤。前記両親媒性物質又は保湿剤は、ポリオキシアルキレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルおよび/又は多価アルコールとするのが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載された発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は日やけ止め効果を増強するための添加剤に関する。より詳細には、紫外線吸収剤や紫外線散乱剤を含有する日やけ止め化粧料に添加すると、加熱により紫外線防御効果が向上するという新規な特性を付与することのできる日やけ止め化粧料用の添加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
日やけ止め効果を有する化粧料は、化粧料に配合された紫外線吸収剤や紫外線散乱剤の作用によって、当該化粧料を塗布した皮膚に到達する紫外線量を低下させることにより、皮膚への悪影響を抑制する。
【0003】
日やけ止め化粧料の紫外線防御効果の指標としては、サンプロテクション・ファクター(Sun Protection Factor: SPF)が最も広く知られており、紫外線防御効果がSPF値(例えば、「SPF30」等)として表示される。我が国においては、UVA領域の紫外線に関してPFA(Protection Factor of UVA)又はUVAPF(UVA Protection factor of product)が用いられ、製品のUVA防御効果の程度が、PFA又はUVAPFの値に基づくPA(Protection grade of UVA)分類(「PA++」等)で表示されている。米国では、UVAとUVBの防御効果のバランスを示す臨界波長(Critical Wavelength: CW)が用いられている。
【0004】
近年、紫外線による皮膚への悪影響を抑制するため、UVAからUVBに渡る広い波長領域で高い紫外線防御効果を発揮する化粧料が求められるようになっており、例えば、SPF50以上(50+)及びPA++++を訴求した日やけ止め製品が上市されるに至っている。
【0005】
日やけ止め製品による紫外線防御効果は、配合されている紫外線吸収剤や紫外線散乱剤によって発揮されるが、紫外線吸収剤の中には光照射によって紫外線吸収能が低下するものがある一方、水分と接触することによって紫外線吸収剤や散乱剤が流出して防御能が低下することもある。
【0006】
紫外線防御効果の光劣化を抑制するための工夫は多数提案されており(特許文献1)、また、耐水性に関しては、水分に接触しても紫外線防御効果が低下せず、逆に防御効果が向上するという革新的な性能を有する化粧料が開発されている(特許文献2)。
【0007】
一方、光や水分と同様に、熱による紫外線防御効果の低下も無視できない。一般に、皮膚に塗布された化粧料に熱が加わると、化粧料に含まれる紫外線吸収剤やその他の成分が劣化し、紫外線防御効果が低下してしまう。しかしながら、熱に関しては、例えば、化粧料を含む乳化化粧料の乳化安定性に対する熱の影響を検討した例は存在するが(特許文献3)、加熱よる紫外線防御効果の変化については今日まで検討対象とされたことはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010-150172号公報
【特許文献2】WO2016/068300号公報
【特許文献3】特許第4397286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、地表に到達する紫外線量は、4月頃から増え始め、初夏(5月)から真夏(8月)に最大となると言われている。紫外線量が最大となる上記の期間においては、太陽からの放射熱あるいは地面からの輻射熱等によって肌が加熱されることになる。従って、熱が加わることによって紫外線防御能が向上する日やけ止め化粧料が存在すれば、強い紫外線から肌を守るのに理想的である。よって本発明は、加熱されることによって紫外線防御能が向上する日やけ止め化粧料、特に、そのような日やけ止め化粧料の提供を可能にする添加剤を開発することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、紫外線防御剤を含有する日やけ止め化粧料に、特定のIOBを持つ両親媒性物質又は保湿剤から選択される少なくとも1種を含む添加剤を配合すると、加熱によって日やけ止め化粧料の紫外線防御効果が向上する(増強される)という格別な効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、IOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、日やけ止め化粧料の紫外線防御効果を加熱により増強するための添加剤を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の添加剤は、それを日やけ止め化粧料に配合することにより、当該化粧料を肌に塗布した直後よりも、熱が加わった後の紫外線防御能を顕著に向上させることができる。即ち、本発明の添加剤を配合した日やけ止め化粧料は、従来は劣化の原因とされていた熱により紫外線防御能が向上するという新規で革新的な日やけ止め化粧料となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明で使用可能な評価方法の概略を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、日やけ止め化粧料の紫外線防御効果を加熱により増強するための添加剤であり、日やけ止め化粧料の加熱による紫外線防御効果あるいは日やけ止め効果の増強剤と称することもできる。
【0015】
本発明に係る日やけ止め化粧料の紫外線防御効果を加熱により増強するための添加剤(本明細書では、単に「添加剤」とも称する)は、IOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする。
【0016】
「IOB」とは、「Inorganic/Organic Balance」の略であって、IOB値=無機性値/有機性値として定義される。有機性値及び無機性値は、有機概念図において原子や官能基等に各々付与された特有の値である、有機概念図は、比較的相互作用の複雑な有機物の性状を良く表現するものとして、特に環境化学分野、薬理化学分野などで広く利用されている。詳細については、例えば、甲田善生著、「有機概念図-基礎と応用-」、三共出版、1984年発行を参照されたい。
【0017】
本発明の添加剤は、このIOB値が5.0以下、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である両親媒性物質又は保湿剤を含む。IOB値が5.0を超えると、熱による紫外線防御能向上の効果が十分に得られない場合がある。IOB値の下限値は特に限定されない(0以上、例えば0.0001以上、0.001以上、あるいは0.01以上等)。
【0018】
本発明におけるIOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤は、分子内にエーテル結合を有するものが好ましい。中でも、下記式(I):
R1O-[(AO)m(EO)n]-R2 (I)
(上記式(I)中、AOは炭素原子数3~4のオキシアルキレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1~4の炭化水素基又は水素原子を示し、1≦m≦70、1≦n≦70である)で表されるポリオキシアルキレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテル、及び、下記式(II):
HO(RO)pH (II)
(式中、ROは炭素原子数2~4のオキシアルキレン基を示し、pは3~500である)
で表されるポリアルキレングリコール、及び、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、プロパンジオール、エリスリトール、キシリトール、メチルグルセス-10、ソルビトールから選択される多価アルコール、
から成る群から選択するのが好ましい。
【0019】
上記式(I)で表されるポリオキシアルキレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテル(以下、「POA・POEアルキルエーテル」と略記する)における、AOは炭素原子数3~4のオキシアルキレン基を示す。具体的にはオキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシトリメチレン基、オキシテトラメチレン基等が挙げられる。好ましくはオキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。EOはオキシエチレン基を示す。
【0020】
式(I)におけるmは、1分子中のAOの平均付加モル数であり、1≦m≦70、好ましくは1≦m≦30、さらに好ましくは1≦m≦20である。nは、1分子中のEOの平均付加モル数であり、1≦n≦70、好ましくは1≦n≦30、さらに好ましくは1≦n≦20である。本発明では、m+nが40以下、好ましくは25以下、さらに好ましくは20以下のPOA・POEアルキルエーテルが用いられる。
【0021】
本発明で使用するPOA・POEアルキルエーテルにおけるAOおよびEOの付加順序は特に限定されるものではない。AOとEOはブロック状に付加したブロック共重合体でもよく、あるいはランダムに付加したランダム共重合体でもよい。ブロック共重合体は、2段ブロックのみならず、3段以上のブロックを含む共重合体が含まれる。好ましくはランダム共重合体が用いられる。
【0022】
前記式(I)で表されるPOA・POEアルキルエーテルの分子量は、好ましくは100~10000、より好ましくは200~5000、さらに好ましくは300~2000である。また、一分子中のAOとEOの合計に対するEOの割合[EO/(AO+EO)]は、20~80質量%の範囲内であることが好ましい。
【0023】
式(I)におけるR1及びR2は、各々独立に、炭素原子数1~4の炭化水素基又は水素原子を示す。炭化水素基としては、アルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基などが挙げられる。好ましくはメチル基、エチル基である。
【0024】
POA・POEアルキルエーテル1分子中のR1及びR2は、互いに同一の1種の炭化水素基であってもよく、炭化水素基と水素原子とが混在してもよく、炭素原子数が異なる複数の炭化水素基が混在していてもよい。ただし、R1及びR2の各々について、炭化水素基と水素原子との存在割合は、炭化水素基の数(X)に対する水素原子の数(Y)の割合(Y/X)が0.15以下であるのが好ましく、より好ましくは0.06以下である。
【0025】
本発明で好ましく用いられるPOA・POEアルキルエーテルの具体例として以下のものが挙げられるが、これらに限定されない。
PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル
PEG/PPG-17/4ジメチルエーテル
PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル
PEG/PPG-11/9ジメチルエーテル
PEG/PPG-55/28ジメチルエーテル
PEG/PPG-36/41ジメチルエーテル
PEG/PPG-6/3ジメチルエーテル
PEG/PPG-8/4ジメチルエーテル
PEG/PPG-6/11ジメチルエーテル
PEG/PPG-14/27ジメチルエーテル
【0026】
アルキレンオキシド誘導体は、分子量が比較的小さいものほど熱による紫外線防御能向上効果に優れる傾向がある。従って、上に列挙したポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン共重合体ジメチルエーテルの中でも、PEG/PPG-9/2ジメチルエーテルが最も高い効果を示す。
【0027】
一方、多価アルコールとしては、後述する式(II)のポリアルキレングリコール、及び、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、プロパンジオール、エリスリトール、キシリトール、メチルグルセス-10、ソルビトール等を挙げることができる。
【0028】
ここで、ポリアルキレングリコールは、下記式(II):
HO(RO)pH (II)
(式中、ROは炭素原子数2~4のオキシアルキレン基を示し、pは3~500である)
で表されるものである。
具体的には、ポリエチレングリコール(「PEG」とも表記する)、ポリプロピレングリコール(「PPG」とも表記する)およびポリブチレングリコール(「PBG」とも表記する)等、化粧料等の皮膚外用剤に使用可能なものから選択される。
【0029】
なかでも、上記式(II)において、ROがオキシエチレン基であり、pが3~500、より好ましくは3~60の範囲であるポリエチレングリコールが好ましい。好ましいポリエチレングリコールの平均分子量は150~23000、さらに好ましくは150~3000の範囲である。具体的には、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール20000等を挙げることができる。
【0030】
ポリアルキレングリコールは、分子量が比較的小さいものほど熱による紫外線防御能向上効果に優れる傾向がある。したがって、上に列挙したポリエチレングリコールの中ではポリエチレングリコール300又はポリエチレングリコール400を用いると特に高い効果が得られる。
【0031】
本発明の添加剤は、IOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤を1種を単独で含んでいてもよいし、2種以上を組み合わせて含んでいてもよい。例えば、式(I)のPOA・POEアルキルエーテルの少なくとも1種と、式(II)のポリアルキレングリコールを少なくとも1種含む添加剤は好適な例である。PEG/PPG-9/2ジメチルエーテルとポリエチレングリコール300との組合せは特に好ましい例である。
【0032】
本発明の添加剤は、IOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤のみからなる態様であってもよいし、他の成分を含む態様であってもよい。例えば、両親媒性物質又は保湿剤を水やアルコール等の水性媒体に溶解させた態様、両親媒性物質又は保湿剤、あるいはその水溶液を油中に分散させた態様などが挙げられる。
【0033】
本発明の添加剤は、特に限定されないが、日やけ止め化粧料全量に対して、両親媒性物質又は保湿剤の量が、0.1質量%以上、例えば0.1~25質量%、好ましくは1.0~20質量%となる量で配合するのが好ましい。配合量が0.1質量%未満であると、熱による紫外線防御能向上の効果が十分に得られない場合があり、25質量%を超えて配合すると日やけ止め化粧料の安定性や使用性に影響を及ぼす場合がある。
【0034】
本発明の添加剤を構成するIOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤、特に式(I)のPOA・POEアルキルエーテル及び式(II)のポリアルキレングリコールは、化粧料において従来から使用されている成分である。従って、これらを配合した日やけ止め化粧料も存在する。例えば、WO2017/057676には、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタンとメトキシケイ皮酸エチルヘキシルという特定の紫外線吸収剤の組み合わせを含む日やけ止め化粧料に、本発明の添加剤に該当する両親媒性物質又は保湿剤を配合することにより、光による紫外線防御効果の劣化が抑制できることが開示されている。しかしながら、WO2017/057676においては、波長を300~800nmに設定したサンテスト機で紫外線~可視光線を化粧料に照射しており、熱を与える赤外線は照射されていない。その結果、従来の光劣化は有効に抑制されているものの、光照射後の紫外線防御効果は照射前に比較して低下している。すなわち、加熱による紫外線防御能の向上は観察されていない。
【0035】
本発明の添加剤を構成するIOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤は、WO2017/057676に記載された両親媒性物質と一部重複しているが完全には一致しない。例えば、WO2017/057676において光劣化の抑制効果が得られているグリセリン(IOB=6.0)は、本発明の熱による紫外線防御能向上効果を示さないことが確認されている。
【0036】
本発明の添加剤は、日やけ止め化粧料に配合することによって、その効果を発揮する。本発明の添加剤を配合する日やけ止め化粧料は特に限定されず、少なくとも紫外線吸収剤及び/又は紫外線散乱剤という紫外線防御剤を含有している化粧料であればよい。
【0037】
紫外線吸収剤は、特に限定されるものではなく、一般に化粧料に用いられる紫外線吸収剤を広く挙げることができる。例えば、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ケイヒ酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、4,4-ジアリールブタジエン誘導体等が例示される。以下に具体例および商品名などを列挙するが、これらに限定されるものではない。
【0038】
安息香酸誘導体としては、パラ-アミノ安息香酸(PABA)エチル、エチル-ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル-ジメチルPABA(例えば「エスカロール507」;ISP社)、グリセリルPABA、PEG-25-PABA(例えば「ユビナールP25」;BASF社)、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル(例えば「ユビナールAプラス」;BASF社)などが例示される。
【0039】
サリチル酸誘導体としては、ホモサレート(「ユーソレックス(Eusolex)HMS」;ロナ/EMインダストリーズ社)、エチルヘキシルサリチレート(例えば「ネオ・ヘリオパン(NeoHeliopan)OS」;ハーマン・アンド・レイマー社)、ジプロピレングリコールサリチレート(例えば「ディピサル(Dipsal)」;スケル社)、TEAサリチレート(例えば「ネオ・ヘリオパンTS」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0040】
ケイヒ酸誘導体としては、オクチルメトキシシンナメートまたはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(例えば「パルソールMCX」;ホフマン-ラ・ロシュ社)、メトキシケイヒ酸イソプロピル、メトキシケイヒ酸イソアミル(例えば「ネオ・ヘリオパンE1000」;ハーマン・アンド・レイマー社)、シンノキセート、DEAメトキシシンナメート、メチルケイヒ酸ジイソプロピル、グリセリル-エチルヘキサノエート-ジメトキシシンナメート、ジ-(2-エチルヘキシル)-4’-メトキシベンザルマロネートなどが例示される。
【0041】
ジベンゾイルメタン誘導体としては、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(「t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン」と略記することもある)(例えば「パルソール1789」;ホフマン-ラ・ロシュ社)などが例示される。
【0042】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体としては、オクトクリレン(例えば「ユビナールN539T」;BASF社)などが例示される。
【0043】
ベンゾフェノン誘導体としては、ベンゾフェノン-1(例えば「ユビナール400」;BASF社)、ベンゾフェノン-2(例えば「ユビナールD50」;BASF社)、ベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン-3(例えば「ユビナールM40」;BASF社)、ベンゾフェノン-4(例えば「ユビナールMS40」;BASF社)、ベンゾフェノン-5、ベンゾフェノン-6(例えば「ヘリソーブ(Helisorb)11」;ノルクアイ社)、ベンゾフェノン-8(例えば「スペクトラ-ソーブ(Spectra-Sorb)UV-24」;アメリカン・シアナミド社)、ベンゾフェノン-9(例えば「ユビナールDS-49」;BASF社)、ベンゾフェノン-12などが例示される。
【0044】
ベンジリデンカンファー誘導体としては、3-ベンジリデンカンファー(例えば「メギゾリル(Mexoryl)SD」;シメックス社)、4-メチルベンジリデンカンファー、ベンジリデンカンファースルホン酸(例えば「メギゾリルSL」;シメックス社)、メト硫酸カンファーベンザルコニウム(例えば「メギゾリルSO」;シメックス社)、テレフタリリデンジカンファースルホン酸(例えば「メギゾリルSX」;シメックス社)、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー(例えば「メギゾリルSW」;シメックス社)などが例示される。
【0045】
フェニルベンズイミダゾール誘導体としては、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸(例えば「ユーソレックス232」;メルク社)、フェニルジベンズイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(例えば「ネオ・ヘリオパンAP」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0046】
トリアジン誘導体としては、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(例えば「チノソーブ(Tinosorb)S」;チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社)、エチルヘキシルトリアゾン(例えば「ユビナールT150」;BASF社)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(例えば「ユバソーブ(Uvasorb)HEB」;シグマ3 V社)、2,4,6-トリス(ジイソブチル-4’-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、2,4,6-トリス[4-(2-エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジンなどが例示される。
【0047】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体としては、ドロメトリゾールトリシロキサン(例えば「シラトリゾール(Silatrizole)」;ローディア・シミー社)、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)(例えば「チノソーブM」(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社))などが例示される。
【0048】
アントラニル誘導体としては、アントラニル酸メンチル(例えば「ネオ・ヘリオパンMA」;ハーマン・アンド・レイマー社)などが例示される。
【0049】
イミダゾリン誘導体としては、エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナートなどが例示される。
【0050】
ベンザルマロナート誘導体としては、ベンザルマロナート官能基を有するポリオルガノシロキサン(例えば、ポリシリコーン-15(ジメチコジエチルベンザルマロネート);「パルソールSLX」;DSMニュートリション ジャパン社)などが例示される。
【0051】
4,4-ジアリールブタジエン誘導体としては、1,1-ジカルボキシ(2,2’-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエンなどが例示される。
【0052】
特に好ましい例としては、限定されないが、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オクトクリレン、ジメチコジエチルベンザルマロネート、ポリシリコン-15、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、オキシベンゾン-3、メチレンビス(ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン―d,l-カンファー、ホモサレート、サリチル酸エチルへキシル等の有機紫外線吸収剤を挙げることができる。
【0053】
紫外線散乱剤は、特に限定されるものではないが、具体例としては、微粒子状の金属酸化物、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化タングステン等を挙げることができる。
【0054】
紫外線散乱剤は、表面処理していないものでも各種疎水化表面処理したものでもよいが、疎水化表面処理をしたものが好ましく用いられる。表面処理剤としては、化粧料分野で汎用されているもの、例えば、ジメチコン、アルキル変性シリコーン等のシリコーン、オクチルトリエトキシシランなどのアルコキシシラン、パルミチン酸デキストリンなどのデキストリン脂肪酸エステル、ステアリン酸などの脂肪酸を用いることができる。
【0055】
紫外線防御剤は、紫外線吸収剤のみからなる態様、紫外線散乱剤のみからなる態様、及び紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の両方を含む態様のいずれであってもい。
日やけ止め化粧料における紫外線防御剤の配合量は特に限定されないが、通常は化粧料全量に対して5質量%以上、例えば5~40質量%、好ましくは6~40質量%、より好ましくは7~30質量%である。紫外線防御剤の配合量が5質量%未満では十分な紫外線防御効果が得られにくく、40質量%を超えて配合しても配合量に見合った紫外線防御効果の増加を期待できず、安定性が悪くなるなどの点から好ましくない。
【0056】
なお、紫外線吸収剤としてt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンを配合する場合は、その配合量は少ない方が好ましい。例えば、化粧料全量に対して0.5質量%未満、あるいは、紫外線防御剤全量に対して10質量%以下とすることが好ましい。t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンは、本発明の添加剤を配合したときの加熱による紫外線防御効果の向上を妨げる傾向があるため、熱による紫外線防御効果の増強を実感しにくいからである。
【0057】
日やけ止め化粧料には、紫外線防御剤以外に、本発明の効果を妨げない範囲で、化粧料に通常用いられる成分を配合することができる。例えば、pH調整剤、キレート剤、防腐剤、酸化防止剤、油性活性剤、界面活性剤、水相増粘剤、アルコール類、粉末成分、色剤、色素、薬剤等を必要に応じて適宜配合することができる。薬剤としては、例えば、アスコルビン酸(ビタミンC)、トラネキサム酸、コウジ酸、エラグ酸、アルブチン、アルコキシサリチル酸、ニコチン酸アミド、グリチルリチン酸、トコフェロール、レチノール及びこれらの塩又は誘導体(例えば、L-アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸エステルマグネシウム塩、L-アスコルビン酸グルコシド、2-O-エチル-L-アスコルビン酸、3-O-エチル-L-アスコルビン酸、4-メトキシサリチル酸ナトリウム塩、4-メトキシサリチル酸カリウム塩、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリル、酢酸トコフェロール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等を例示することができる。また、グリセリン等のIOB値が5.0を超える保湿剤も本発明の効果を阻害しない範囲で配合可能である。
【0058】
日やけ止め化粧料は、油性化粧料、油中水型乳化化粧料、水中油型乳化化粧料、多相乳化化粧料、あるいは水性化粧料の形態でよく、特に限定されない。乳化化粧料の形態である場合には、化粧料全量に対して5質量%以上のアルコールを配合することによって、さらさらした使用感や伸びの向上が得られる。但し、アルコールの配合量が多すぎると乳化安定性に劣る場合があるため、化粧料量に対して30質量%以下とするのが好ましい。また、乳化化粧料の場合は、その油相にIOB値が0.3以上のエステル油を配合するのが好ましい。製品形態として、日やけ止め化粧料のみならず、日やけ止め効果を付与したファンデーション等のメーキャップ化粧料や化粧下地、毛髪化粧料(紫外線から毛髪や頭皮を保護するためのヘアスプレーやヘアトリートメント等の各種ヘア製品を含む)、噴霧型化粧料などとして提供できる。
【0059】
また、化粧料に球状粉末を配合することにより、べたつきが抑えられ、使用感が改善されてさらさらとした良好な感触を得ることができる。球状粉末としては、一般に化粧品等において用いられるものであれば特に制限されることなく任意に使用し得る。例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末、及びトリメチルシルセスキオキサン粉末等、並びにオルガノポリシロキサンエラストマー球状粉末またはこれを母粉末とする複合球状粉末を挙げることができる。球状粉末の平均粒子径は3~20μmが好ましい。3μmより小さいとべたつきを抑制する効果が見られず、20μmより大きいと却ってざらつきを生じる場合がある。球状粉末の配合量は特に限定されないが、好ましくは1~30質量%、さらに好ましくは3~20質量%である。
【0060】
本発明の添加剤によって得られる効果(加熱により紫外線防御能が向上する効果)は、例えば、以下の工程(i)から(iv)を含む評価方法によって確認される。
(i)基体上に試料組成物の塗膜を形成する工程、
(ii)試料組成物の塗膜を加熱処理する工程、
(iii)加熱処理されていない試料組成物の塗膜及び加熱処理された試料組成物の塗膜の紫外線防御効果を測定する工程、及び
(iv)測定した紫外線防御効果を比較する工程。
【0061】
上記の評価方法をインビトロで実施する場合について、
図1を参照しながら以下に説明する。
工程(i)においては、化粧料のサンプル1の所定量を基体2に塗布し、任意に乾燥させて、基体2上にサンプル1の塗膜を形成する。基体としてPMMA、ナイロン、又はアクリル板等の樹脂基板、ガラスや石英等の無機物板を用いることができる。好ましくは、表面にV字形状の溝を設けたPMMA板からなる皮膚代替膜(「Sプレート」ともいう:特許第4453995号参照)等を用いる。次いで、形成されたサンプル塗膜の加熱前の紫外線防御効果(吸光度等)を測定する(工程(i’))。
【0062】
次の工程(ii)において、工程(i)で形成されたサンプル塗膜に熱を付与する。
工程(ii)における加熱温度は30℃~70℃の範囲とするのが好ましい。加熱温度が70℃を超えると樹脂製の基板が溶解する等の問題を生じることがある。前記範囲内の温度であれば特に限定されず、例えば32℃以上、35℃以上、37℃以上、あるいは40℃以上とすることができ、65℃以下、60℃以下、55℃以下、あるいは50℃以下の温度で加熱処理してもよい。
加熱時間は、熱による影響を的確に評価するために、1分以上とするのが好ましく、より好ましくは10分以上である。加熱時間の上限としては、特に限定されないが、通常は60分以下、好ましくは30分以下である。
【0063】
工程(ii)の終了後、好ましくは基体の温度が常温に戻るまで放置し、各基体のサンプル塗膜の所定波長(UVA又はUVB領域)における吸光度を測定する(工程(iii))。
【0064】
最後に、工程(iv)において、加熱されたサンプル塗膜の紫外線防御効果と、加熱前のサンプル塗膜の紫外線防御効果(工程i’)とを比較する(図示せず)。
【0065】
紫外線防御効果は、典型的には、塗膜の吸光度を280~400nmにわたって分光光度計等により測定し、サンプル塗膜の吸光度積算値を指標とする。すなわち、熱処理後の塗膜(加熱サンプル)の吸光度積算値と、熱処理前の塗膜(非加熱サンプル)の吸光度積算値から、以下の式:
熱反応率(%)=(熱処理後の吸光度積算値)/(熱処理前の吸光度積算値)×100
で求められる熱反応率が、100%を超えた場合に、加熱により紫外線防御効果が向上したものと定義する。
なお、上記の吸光度積算値に代えて、単一波長(紫外線領域)での吸光度、臨界波長、あるいは、測定した吸光度に基づいて算出したSPF又はUVAPF(又はPFA)を指標としてもよい。
【0066】
前記の評価方法において、熱以外の要因の影響を排除する観点から、加熱処理(工程(ii))を、紫外線を遮断した環境で実施するのが好ましい。
【実施例0067】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳述するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0068】
下記の表1~5の各例に示す処方の日やけ止め化粧料(サンプル)を調製した。
得られたサンプルを、常温(25℃)においてPMMA製のプレートに2mg/cm2の塗布量で塗布した後、吸光光度計を用いて280~400nmの吸光度を測定した。
疑似皮膚PMMAプレート(SPFMASTER-PA01)に各例のサンプルを2mg/cm2の量で滴下し、60秒間指で塗布し、15分間乾燥させて塗膜を形成した。未塗布のプレートをコントロールとして、前記塗膜の吸光度(280~400nm)を株式会社日立製作所社製U-3500型自記録分光光度計にて測定し、得られた測定データから熱処理前の吸光度積算値を求めた。
【0069】
次いで、測定したプレートを恒温槽で37℃、30分の加熱し、室温に戻してから上記と同条件で吸光度を測定し、得られた測定データから熱処理後の吸光度積算値を求めた。
加熱前後の吸光度積算値から、上記の計算式に従って、熱反応率を算出した。各例の熱反応率(%)の値を併せて示す。
【0070】
(1)油中水型乳化化粧料
表1~3に記載の各例のサンプルは、ホモミキサーを用いて混合した油性成分に粉末を分散させた後、よく混合した水性成分を添加して油中水型乳化日やけ止め化粧料とした。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
(2)水中油型乳化化粧料
表4記載の例のサンプルは、ホモミキサーを用いて混合した油性成分に粉末を分散させた後、別途混合した水性成分に前記油性成分を添加して水中油型乳化日やけ止め化粧料とした。
【0075】
【0076】
(3)油性化粧料
下記表5に示す各例について、全成分を、ホモミキサーを用いて混合して油性日やけ止め化粧料とした。油分固化剤を含む例では、油性成分に油分固化剤を添加して加温・融解し、保湿剤を添加後、混合して均一化し、その後冷却して油性固形日やけ止め化粧料とした。
【0077】
【0078】
表1~5に示されるように、様々な形態の日やけ止め化粧料に本発明の添加剤を配合することにより、加熱により紫外線防御効果が向上するという特有の効果を奏することが確認された。
【0079】
以下に、本発明の化粧料の処方を例示する。本発明はこれらの処方例によって何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲によって特定されるものであることはいうまでもない。なお、配合量は全て化粧料全量に対する質量%で表す。
【0080】
処方例1:2層式の化粧下地
(成分名) 配合量(質量%)
精製水 残余
エタノール 5
PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル 5
グリセリン 1
キシリトール 1
トルメンチラエキス 0.3
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
2-O-エチル-L-アスコルビン酸 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
イソドデカン 3
セバシン酸ジイソプロピル 10
PBG/PPG-9/1コポリマー 1
ジメチコン 13
カプリリルメチコン 3
高重合アミノプロピルジメチコン20%のジメチコン溶液
1
トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸50%ジメチコン溶液
3
パルミチン酸デキストリン 0.5
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
オクトクリレン 5
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
0.5
疎水化処理微粒子酸化チタン 2
疎水化処理微粒子酸化亜鉛 5
疎水化処理顔料級酸化チタン 1
疎水化処理酸化鉄 0.07
メタクリル酸メチルクロスポリマー 2
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
2
疎水化処理タルク 2
PEG-9ポリジメチルポリシロキシエチルジメチコン 1.5
PEG/PPG-19/19ジメチコン 0.3
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.4
イソステアリン酸 0.3
EDTA・3Na 適量
食塩 適量
ピロ亜硫酸ナトリウム 適量
トコフェロール 適量
香料 適量
合計 100
【0081】
処方例2:クリーム状のファンデーション
(成分名) 配合量(質量%)
精製水 残余
エタノール 5
フェノキシエタノール 1
PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル 5
グリセリン 3
エリスリトール 1
キシリトール 1
トルメンチラエキス 1
グリシルグリシン 0.1
トラネキサム酸 1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
ピバリン酸トリプロピレングリコール 2
セバシン酸ジイソプロピル 5
ジメチコン 10
シクロメチコン 5
トリシロキシケイ酸50%のシクロペンタシロキサン溶液
2
パルミチン酸デキストリン 1
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7
疎水化処理微粒子酸化チタン 3
疎水化処理微粒子酸化亜鉛 3
疎水化処理顔料級酸化チタン 6
疎水化処理酸化鉄 3.2
疎水化処理硫酸バリウム被覆雲母チタン 0.01
疎水化処理雲母チタン 0.01
ジメチコンクロスポリマー13%のシクロペンタシロキサン混合物
2
ポリメチルシルセスキオキサン 2
メタクリル酸メチルクロスポリマー 2
疎水化処理微粒子シリカ 0.5
ラウリルPEG-9ポリジメチルポリシロキシエチルジメチコン
2
(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー
1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1
イソステアリン酸 0.2
トコフェロール 適量
EDTA・3Na 適量
食塩 適量
ピロ亜硫酸ナトリウム 適量
香料 適量
合計 100
【0082】
処方例3:エアゾールスプレータイプの日焼け止め
(成分名) 配合量(質量%)
精製水 残余
エタノール 5
ポリエチレングリコール300 2
シリカ 0.5
グリセリン 1
PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル 6
酢酸DL-α-トコフェロール 0.5
D-グルタミン酸 0.1
グリチルリチン酸ステアリル 0.1
イソドデカン 10
トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 5
ミルスチン酸イソプロピル 3
セバシン酸ジイソプロピル 5
PBG/PPG-9/1コポリマー 1
ジメチコン 13
トリシロキシケイ酸50%のシクロペンタシロキサン溶液
0.5
トリ酢酸テトラステアリン酸スクロース 0.5
パルミチン酸デキストリン 1
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 5
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 2
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
1
ポリシリコーン-15 2
オクトクリレン 5
メタクリル酸メチルクロスポリマー 5
(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
3
疎水化処理タルク 1
セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン 1
ラウリルPEG-9ポリジメチルポリシロキシエチルジメチコン
1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
イソステアリン酸 0.3
セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.3
EDTA・3Na 適量
トコフェロール 適量
香料 適量
合計 100
上記成分を混合して原液とし、原液とLPGとを50:50となるようにスプレー缶に充填して、エアゾールスプレータイプの日焼け止めを得た。
【0083】
処方例4:ジェル状のBBクリーム
(成分名) 配合量(質量%)
精製水 残余
エタノール 8
PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル 5
イザヨイバラエキス 0.1
ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.2
(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
0.2
サクシノグルカン 0.1
グリセリン 3
ポリエチレングリコール300 1
ビスPEG-18メチルエーテルジメチルシラン 3
PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル 1
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 10
セバシン酸ジイソプロピル 5
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
3
疎水化処理微粒子酸化チタン 3
疎水化処理微粒子酸化亜鉛 5
疎水化処理顔料級チタン 4
疎水化処理酸化鉄 0.4
ミルスチン酸イソプロピル 2
ポリプロピレングリコール(17) 2
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル・フィトステリル)
0.5
(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 0.5
香料 適量
シリカ 1
合計 100
【0084】
処方例5:乳液~クリーム状のBBクリーム
(成分名) 配合量(質量%)
精製水 残余
エタノール 6
リン酸L-アスコルビルマグネシウム 0.5
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
水溶性コラーゲン 0.1
イザヨイバラエキス 0.1
(ジメチルアクリルアミド/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー
0.3
サクシノグルカン 0.2
セルロースガム 0.2
グリセリン 2
ブチレングリコール 4
PEG/PPG-14/7ジメチルエーテル 3
PEG/PPG-9/2ジメチルエーテル 2
ポリエチレングリコール300 1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(100モル) 1
ポリオキシエチレン(8モル)ベヘニルエーテル 1
ステアロイルメチルタウリンナトリウム 0.1
ステアリルアルコール 0.5
ベヘニルアルコール 0.5
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 8
オクトクリレン 2
エチルヘキシルトリアジン 1
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル 1
ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン
1
イソドデカン 10
セバシン酸ジイソプロピル 5
ジメチコン 2
マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1
N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル)
0.5
(パルミチン酸/エチルヘキサン酸)デキストリン 0.5
疎水化処理微粒子酸化亜鉛 8
顔料級疎水化処理酸化チタン 4
疎水化処理酸化鉄 0.2
イソステアリン酸 0.5
セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5
EDTA-2Na・H2O 適量
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
香料 適量
タルク 3
シリカ 3
合計 100
【0085】
本発明は以下の態様を含む。
[第1項]IOB値が5.0以下の両親媒性物質又は保湿剤からなる群から選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、日やけ止め化粧料の紫外線防御効果を加熱により増強するための添加剤。
[第2項]前記両親媒性物質又は保湿剤が、下記式(I):
R1O-[(AO)m(EO)n]-R2 (I)
(式(I)中、AOは炭素原子数3~4のオキシアルキレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1~4の炭化水素基又は水素原子を示し、1≦m≦70、1≦n≦70である)
で表されるポリオキシアルキレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテル;及び、
下記式(II):
HO(RO)pH (II)
(式中、ROは炭素原子数2~4のオキシアルキレン基を示し、pは3~500である)
で表されるポリアルキレングリコール、及び、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、プロパンジオール、エリスリトール、キシリトール、メチルグルセス-10、ソルビトールから成る群から選択される多価アルコール;
から選択される、第1項に記載の添加剤。
[第3項]上記式(I)で表されるポリオキシアルキレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルの少なくとも1種、及び、
上記式(II)で表されるポリアルキレングリコールの少なくとも1種を含む、第2項に記載の添加剤。
[第4項]上記式(I)で表されるポリオキシアルキレン・ポリオキシエチレン共重合体ジアルキルエーテルがPEG/PPG-9/2ジメチルエーテルであり、上記式(II)で表されるポリアルキレングリコールがポリエチレングリコール300である、第2項または第3項に記載の添加剤。