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特開2024-41898高用量の放出調節フペルジン製剤の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041898
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】高用量の放出調節フペルジン製剤の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4748 20060101AFI20240319BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240319BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 9/28 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K31/4748
A61P25/00
A61P25/08
A61K9/28
A61K47/26
A61K47/38
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024002512
(22)【出願日】2024-01-11
(62)【分割の表示】P 2021521361の分割
【原出願日】2019-11-19
(31)【優先権主張番号】62/769,475
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506339316
【氏名又は名称】スパーナス ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,スティーブン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ゴールドスタイン,ピーター ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンストーン,ジョシュア ティー.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】フペルジンのより高用量投与を可能とし、同時に、急速なピーク血漿中濃度を回避し、それにより、即放性製剤に付随する用量規制有害事象を回避する、フペルジン組成物を用いて神経障害または発作性疾患を治療する方法を提供する。
【解決手段】経口送達用の医薬組成物を患者に投与することを含む方法であって、約74重量%~約86重量%の、約500~710μmの粒径の糖スフェアコア、約0.4重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および合計量約5重量%~約9重量%の1種または複数の賦形剤を含む糖スフェアを被覆するフペルジン層、および前記フペルジン層を被覆する約7%重量%~約16重量%の可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、前記フペルジン層が、治療有効量のフペルジンを含む、方法である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経口送達用の医薬組成物を、それを必要としている患者に投与することを含む、神経障害または発作性疾患を治療する方法であって、
約74重量%~約86重量%の、約500~710μmの粒径の糖スフェアコア、
約0.4重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および合計量約5重量%~約9重量%の1種または複数の賦形剤を含む糖スフェアを被覆するフペルジン層、および
前記フペルジン層を被覆する約7%重量%~約16重量%の可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、前記フペルジン層が、治療有効量のフペルジンを含み、
前記フペルジンの治療有効量が、約3.0mg~約4.0mgまたは最大耐量までの1日2回投与量である、方法。
【請求項2】
前記発作性疾患が、てんかんおよび意識消失焦点発作から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発作性疾患が、意識消失焦点発作である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記投与が、前記医薬組成物の1種または複数の漸増用量の投与、およびそれに続く、前記医薬組成物の維持用量の投与を含み、前記漸増用量が、約0.5mg BID~約2.5mg BIDを含み、前記維持用量が、約3.0mg BID~約4.0mg BIDを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
下記a.~i.から選択される少なくとも1種の投与計画の第1の投与計画を投与すること、および下記j.~o.から選択される少なくとも1種の投与計画の第2の投与計画を投与することを含み、
a.任意選択で、フペルジンAの約0.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.任意選択で、フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.任意選択で、フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.任意選択で、フペルジンAの約1mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
e.任意選択で、フペルジンAの約1.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
f.任意選択で、フペルジンAの約1.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
g.任意選択で、フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
h.任意選択で、フペルジンAの約2mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
i.任意選択で、フペルジンAの約2.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
j.任意選択で、フペルジンAの約2.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
k.任意選択で、フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
l.任意選択で、フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
m.任意選択で、フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
n.任意選択で、フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
o.任意選択で、フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
ただし、前記第2の投与計画が、前記第1の投与計画から用量が増加していることが前提であり、およびさらに、最後の投与計画が前記維持用量であり、従って、患者がその治療を必要とする限り投与されることをさらに前提とし、
前記a.~o.のフペルジンAが、請求項1の医薬組成物で投与され、および
前記患者がより良好な副作用プロファイルおよび/または低減した発作頻度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
a.フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップdが、患者が治療を必要としている限り投与される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
ステップdの後に、
f.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
h.フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法であって、前記患者が、より良好な副作用プロファイルを有し、前記方法が、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、前記フペルジンAの放出調節製剤が、3.0mgの用量の場合に約9.0~約11.0ng/mL;3.25mgの用量の場合に約9.8~約12ng/mL;3.5mgの用量の場合に約10.7~約13.1ng/mL;3.75mgの用量の場合に約11.6~約14.2ng/mL;および4.0mgの用量の場合に約12.5~約15.3ng/mLからなる群より選択される血漿中フペルジンAのCssを特徴とする、方法。
【請求項13】
治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法であって、前記患者がより良好な副作用プロファイルを有し、前記方法が、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、前記フペルジンAの放出調節製剤が、治療有効量で投与される場合、少なくとも約8ng/mLの血漿中フペルジンAのCssを特徴とする、方法。
【請求項14】
治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法であって、前記患者がより良好な副作用プロファイルを有し、前記方法が、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、前記フペルジンAの放出調節製剤が、約14ng/mL~約20ng/mLの血漿中フペルジンのCmax、約4時間~約6時間のTmaxを特徴とする、方法。
【請求項15】
発作の頻度を減らすことを必要としている患者に対しそれを実施する方法であって、前記患者に前記医薬組成物の1種または複数の漸増用量の投与、およびそれに続く、前記医薬組成物の維持用量の投与を含み、前記漸増用量が、約0.25mg BID~約2.5mg BIDを含み、前記維持用量が、約1.5mg BID~4.0mg BIDを含む、方法。
【請求項16】
前記患者が、約50%を超える発作頻度の減少を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
発作の頻度を減らすことを必要としている患者に対しそれを実施する方法であって、前記患者に、治療有効量のフペルジンを含む医薬組成物の投与を含む、方法。
【請求項18】
前記フペルジンの治療有効量が、約1.5mg~約4.0mgの1日2回投与量である、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
フペルジンAは天然のトウゲシバ(学名:Huperzia serrata)中で見出されたセスキテルペンアルカロイド化合物である。それは、アセチルコリンエステラーゼの強力な阻害剤である。いくつかの国では、フペルジンAは、記憶支援用の栄養補助食品として販売されている。中国では、フペルジンAは、認知症の治療用として中国医薬品管理局(CDA)により承認されている。
【0002】
フペルジンAは、多くは中国での多数の試験で健康なボランティアおよび患者に投与され、アルツハイマー病、良性老年健忘、血管性認知症、重症筋無力症、統合失調症、およびコカイン依存症において、許容可能な安全性および耐容性、ならびに有効性が示されてきた。これらの試験で用いられた投与量は、経口投与または筋肉注射による0.01~0.8mg/日であった。これらの試験は、好ましい安全性プロファイルを示したが、一部の試験では、高用量で一時的な用量関連悪心が発生した。
【0003】
出願者らは、薬剤抵抗性てんかんに対して用量漸増試験を行い、即放性フペルジンA製剤の安全性および耐容性を調べた。この試験では、患者は、多くは最初の31時間以内に、即放性製剤の急速血漿曝露が原因として最も可能性が高い、用量規制有害事象(悪心および嘔吐)を経験した(下記参照)。
【0004】
フペルジンAは、神経障害、発作性疾患、記憶および言語障害の領域でさらなる有益な効果を提供する潜在能力を有し得るが、フペルジンAの即放性製剤は、慢性状態を有する患者の場合には特に、用量関連有害事象のために、さらに高い治療薬閾値が必要な障害の治療には不適切である。即放性製剤はまた、これらの製剤に付随する短い半減期(t1/2)のために毎日4~6回の投与が必要であるというさらなる欠点も有する。多くの患者集団、例えば、記憶喪失または発作の患者集団では、服薬遵守が大きな問題になることから、毎日4~6回の投与は受け入れがたい。非臨床試験では、以前に使用されたものより高用量、例えば、最大6.4mg/日などが、最高最低間の血漿中濃度の変動を減らした製剤が投与される場合には、安全であり得ることが示唆されている。
【0005】
フペルジンAを含む持続放出丸薬は、Zhouらによる中国特許出願CN101081217で報告されたが、これらの製剤は、即放性製剤に比べて、ピーク血漿中濃度を大きく減らすことができず、また、最大血漿中濃度(Tmax)までの時間を延長することもできていない。その結果、これらの製剤は、高ピーク血漿中濃度に関連する深刻な有害事象を克服できず、1日4~6回の投与が必要となり、それにより、即放性製剤に勝る利点を提供できないであろう。
【0006】
本発明は、高用量のフペルジンの使用を可能とし、以前に用いられた低用量に比べて、改善された効力を提供できると同時に、これまで既知の製剤では達成できない望ましい安全性プロファイルを維持する。
【0007】
本発明の実施形態は、種々の神経障害および疾患、例えば、疼痛、アルツハイマー病、および発作性疾患などの治療に使用され得るフペルジンの経口送達のための放出調節医薬組成物に関する。該組成物は、即放性製剤に付随する用量規制有害事象なしにフペルジンの最適効力を可能にする放出調節製剤を提供する。
【0008】
本発明の実施形態は、経口送達用の医薬組成物に関し、該組成物は、(a)約74~86重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および合計量約5重量%~約9重量%の1種または複数の賦形剤を含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約7%重量%~16重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。いくつかの実施形態では、フペルジンは、フペルジンAまたは薬学的に許容可能なその塩である。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態は、医薬組成物に関し、該組成物は、(a)約80~約83重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンAまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンAに相当するフペルジンAの薬学的に許容可能な塩、約5重量%~約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0.95重量%~約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約8重量%~12重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンAを含む。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態は、治療有効量の組成物のヒト対象への経口投与時に、約4ng/mL~約8ng/mLの血漿中のフペルジンAの最大血漿中濃度(Cmax)、約4時間~約8時間のTmaxおよび約8時間~約12時間のT1/2を特徴とする医薬組成物に関する。一実施形態では、Cmaxは約4ng/mL~約6ng/mLであり、Tmaxは約4時間~約8時間であり、およびt1/2は約10時間~約12時間である。一実施形態では、Cmaxは約6ng/mLであり、Tmaxは約4時間であり、およびt1/2は約8.3時間である。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態は、医薬組成物に関し、該組成物は、約4~8時間のTmaxおよび同等量を投与された即放性フペルジン製剤のCmaxと比べて、約25%~約75%に低減されたCmaxを特徴とする治療有効量のフペルジンAを含む。いくつかの実施形態では、Cmaxが約50%低減される。
【0012】
本発明のいくつかの実施形態は、50mMのリン酸緩衝液(pH6.8)中、37℃で50回転/分でUSP1法溶出試験装置により試験した場合、2時間後に約36%~約46%のフペルジンが放出され、4時間後に約61%~約77%のフペルジンが放出され、8時間後に約84%~約97%のフペルジンが放出され、12時間後に約89%以上のフペルジンが放出される、溶出プロファイルを示す医薬組成物に関する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態は、神経障害または発作性疾患の治療方法について記載し、該方法は、本明細書で記載のいずれかの実施形態に記載の医薬組成物を投与することを含む。いくつかの実施形態では、組成物は1日2回投与される。いくつかの実施形態では、発作性疾患は、てんかん、すなわち、意識の消失を伴うまたは伴わない反復性発作-例えば、以前に複雑部分発作(CPS)として知られている意識消失焦点発作(FIAS)である。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法について記載し、該患者は、良好な副作用プロファイルを有し、該方法は、フペルジンAの1種または複数の漸増用量、およびこれに続く、フペルジンAの維持用量の投与を含み、該フペルジンAは、フペルジンの放出調節製剤で投与される。いくつかの実施形態では、フペルジンの放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態は、発作の頻度を減らすことを必要としている患者に対しそれを実施する方法を記載し、該方法は、患者に医薬組成物の1種または複数の漸増用量の投与、およびそれに続く、医薬組成物の維持用量の投与を含み、漸増用量は、約0.5mgの1日2回の投与(BID)~約2.5mg BIDを含み、維持用量は、約3.0mg BID~4.0mg BIDを含む。いくつかの実施形態では、患者は、発作頻度が約75%超減少する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、発作の頻度を減らすことを必要としている患者に対しそれを実施する方法を記載し、該方法は、患者に、治療有効量のフペルジンを含む医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、フペルジンAの治療有効量は、約3.0mg~約4.0mg BIDである。
【0017】
本発明のいくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患を治療する方法を記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減された発作頻度を有し、該方法は、1~16日目に約0.25mg~約0.75mg BID;17~40日目に約0.75mg~約1.75mg BID;41~90日目に約1.75mg~約2.5mg BIDおよび91~180日目に約2.5mg~約3.0mg BIDを含む投与計画の投与を含む。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患を治療する方法を記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減された発作頻度を有し、該方法は、前記患者に、1~16日目に約0.25mg~約0.75mg BID;17~40日目に約0.75mg~約1.75mg BID;41~90日目に約1.75mg~約2.5mg BID;および91~180日目に約2.5mg~約3.0mg BIDおよび181~270日目に約3.0mg~約4.0mg BIDを含む投与計画を投与することを含む。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患を治療する方法を記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減された発作頻度を有し、該方法は、前記患者に医薬組成物の1種または複数の漸増用量の投与、およびそれに続く、医薬組成物の維持用量の投与を含み、漸増用量は、約0.5mg BID~約2.5mg BIDを含み、維持用量は、約3.0mg BID~4.0mg BIDを含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患を治療する方法を記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルを有し、該方法は、a.~i.から選択される少なくとも1種の投与計画の第1の投与計画(以下でさらに記載される)およびj.~o.から選択される少なくとも1種の投与計画の第2の投与計画(以下でさらに記載される)を投与することを含み、ただし、第2の投与計画は、第1の投与計画から用量が増加していることが前提であり、およびさらに、最後の投与計画が維持用量であり、従って、患者がその治療を必要とする限り投与されることをさらに前提とする:
a.任意選択で、フペルジンAの約0.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
b.任意選択で、フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
c.任意選択で、フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
d.任意選択で、フペルジンAの約1mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
e.任意選択で、フペルジンAの約1.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
f.任意選択で、フペルジンAの約1.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
g.任意選択で、フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
h.任意選択で、フペルジンAの約2mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
i.任意選択で、フペルジンAの約2.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
j.任意選択で、フペルジンAの約2.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
k.任意選択で、フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
l.任意選択で、フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
m.任意選択で、フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
n.任意選択で、フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
o.任意選択で、フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
上記で、a.~o.のフペルジンAは、フペルジンAの放出調節製剤で投与される。いくつかの実施形態では、フペルジンAの放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。
【0021】
いくつかの実施形態は、治療を必要としている神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法を記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルを有し、該方法は、フペルジンAの放出調節製剤を投与することを含み、フペルジンAの放出調節製剤は、健康な対象中で、0.25mgの投与量で約0.52~約0.82ng/mL;0.50mgの投与量で約1.91~約2.99ng/mL;0.75mgの投与量で約3.56~約5.55ng/mL;1mgの投与量で約5.58~8.72ng/mL;1.25mgの投与量で約8.22~約12.84ng/mL;1.5mgの投与量で約9.02~約14.09ng/mL;1.75mgの投与量で約10.04~約15.69ng/mL;2.0mgの投与量で約16~約25ng/mL;および2.5mgの投与量で約18.48~約28.88ng/mL;2.75mgの投与量で約25.2ng/mL;3.0mgの投与量で約27.8ng/mL;3.25mgの投与量で約30.3ng/mL;3.50mgの投与量で約32.9ng/mL;3.75mgの投与量で約35.5ng/mL;および4.0mgの投与量で約38.0ng/mLからなる群より選択される定常状態でのフペルジンAの平均血漿中濃度(Css)を特徴とする。
【0022】
いくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法について記載し、該患者は、良好な副作用プロファイルおよび/または低減された発作頻度を有し、該方法は、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、フペルジンAの放出調節製剤は、治療有効量で投与される場合、少なくとも8ng/mLの血漿中フペルジンAのCssを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】2mg BIDの漸増スケジュール実施例による即放性投与後のフペルジンAのモデル化血漿中濃度を示す図である。
図2】1~2日目に0.5mgのフペルジンAを1日2回;3~4日目に1mgのフペルジンAを1日2回;5~6日目に1.5mgのフペルジンAを1日2回および7~11日目に2mgのフペルジンAを1日2回の漸増スケジュールをベースにしたフペルジンA放出調節製剤4Aのモデル化血漿中濃度を示す。
図3】0.25mg~2.5mgの医薬組成物4Dの漸増投与の間に時間と共に取り込まれた健康な対象のインビボ血漿中濃度を示す。
図4】種々の投与量の医薬組成物4Dの健康なヒト中のインビボ血漿中濃度(Css)を示す。
図5】製剤4F1/4F2を用いて、0.5mg、0.75mg、1.25~1.75mg、および2.5mg BIDの漸増用量投与中に3人のヒト患者が取り込んだ平均インビボ血漿中濃度を示す。
図6A】3人のヒト患者の血漿中濃度対発作回数のプロットを示す。
図6B】3人のヒト患者の血漿中濃度対発作回数のプロットを示す。
図7】本発明の組成物の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
定義
本発明は、工程、組成物、または方法は変わってもよいので、記載された特定の工程、組成物、または方法に限定されない。説明に用いられる用語は特定の様式または実施形態を記載するためのみのものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。特に断らなければ、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のいずれも、本発明が、先行発明の理由でこのような開示に先行する権利がないことを容認すると解釈されるべきではない。
【0025】
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、他に明記されない限り、単数形「a」、「an」および「the」は複数の参照物を含むことに留意しなければならない。例えば、症状「symptom」に対する参照は、1種または複数の症状および当業者に既知のその均等物等に対する参照などである。
【0026】
本明細書で使用される場合、「約(about)」という用語は、使用されている数の数値の±10%を意味する。したがって、約50mLは、45mL~55mLの範囲にあることを意味する。
【0027】
用語の「投与すること(administering)」または「投与(administration)」などは、本発明の組成物(例えば、本明細書で記載のいずれかの実施形態による組成物)を治療を必要とする対象に適用することを意味する。好ましくは、対象は哺乳動物、より好ましくはヒトである。本発明は、本明細書で記載のいずれかの実施形態に記載の組成物を、単独で、または別の治療薬と共に投与することを含む。本明細書で記載のいずれかの実施形態に記載の組成物は、別の治療薬と共に投与される場合、該組成物および他の治療薬は、同時に、または異なる時間に投与できる。
【0028】
本明細書で使用される場合、「有害事象」という用語は、医薬品を投与された患者または臨床調査参加者におけるあらゆる医療上の好ましくない出来事を意味し、この治療と因果関係があるとは限らない。例えば、有害事象は、対象の不快感の原因である可能性が有り、(a)対象の通常の動作を妨害する、(b)対象の通常の動作との大きな干渉の原因であり、普通に生活できなくするまたは命に関わる可能性がある、(c)対象の命を脅かす、(d)用量規制毒性を生じる、または(e)有害事象と戦うために追加の薬物が必要となる、またはこれらの組み合わせである。例えば、フペルジン製剤投与時に、対象が、フペルジン製剤の摂取を続けるために制吐薬の投与を必要とする悪心、嘔吐および/または下痢を経験する場合、対象は用量規制有害事象を有する。対象が、入院を必要とする命に関わる事象を経験する、入院を必要とする、医学的に大きな事象がある、持続的または顕著な身体障害または無能を生じる事象、または死亡を生じる事象を経験する場合、対象は深刻な有害事象を有する。
【0029】
本明細書で使用される場合、「アミロイド関連障害」という用語は、1つの器官に限定され得る(「限局性アミロイドーシス」)か、またはいくつかの器官に広がり得る(「全身性アミロイドーシス」)アミロイドの蓄積に関連する疾患を含む。続発性アミロイドーシスは、慢性感染症(結核など)または慢性炎症(関節リウマチなど)に関連する可能性があり、家族性地中海熱(FMF)でも認められる家族型の続発性アミロイドーシスおよび長期透析患者で認められる別のタイプの全身性アミロイドーシスが含まれる。限局型のアミロイドーシスには、限定されないが、II型糖尿病およびそのいずれかの関連障害、スクレイピー、狂牛病、クロイツフェルトヤコブ病、アルツハイマー病、老人性全身性アミロイドーシス(SSA)、脳アミロイド血管症、パーキンソン病、およびプリオンタンパク質関連障害(例えば、プリオン関連脳症)などの神経変性疾患、ならびに関節リウマチが挙げられる。
【0030】
「より良好な副作用プロファイル」という表現は、放出調節フペルジン製剤による治療時に、即放性フペルジン製剤に比べて、患者または患者群により経験される副作用が、(1)低頻度で起こる、(2)短い期間起こる、または(3)重症度が低減される、またはこれらの組み合わせで起こることを意味する。
【0031】
用語の「Cmax」は、対象へ投与後の薬物のピーク血漿中濃度である。
【0032】
本明細書で使用される場合、用語の「用量」は、活性化合物、例えば、全ての不活性成分または塩の非存在下でのフペルジンまたはフペルジンAの量を意味する。
【0033】
本明細書で使われる用語の「有効量」は、例えば、研究者、または臨床医により探究されている組織、システム、動物またはヒトの生物学的または医学的応答を誘発すると思われる薬物または医薬品の量、または薬物または医薬品の組み合わせの量を意味する。
【0034】
本明細書で使用される場合、「てんかん」という用語は、てんかん性発作を生成する永続的素因およびこの状態の神経生物学的、認知的、心理的なおよび社会的重大性を特徴とする脳の障害を意味する。てんかん性発作は、脳内の異常で、過剰な、同期性ニューロン活動に起因する一時的に発生する徴候および/または症状を意味する。
【0035】
用語の「可塑化エチルセルロース(plasticized ethylcellulose)」は、一般名、例えば、「可塑化エチルセルロース(plasticized ethyl cellulose)」;別名およびいくつかの商品名、例えば、「Surelease(登録商標)」により同様に知られていることは、当業者により理解されるであろう。
【0036】
用語の「ヒドロキシプロピルメチルセルロース」はまた、多くの一般名、例えば、「HPMC」、「ヒドロキシプロピルメチルセルロース」、「hypromellosum」、および「ヒプロメロース」;別名およびいくつかの商品名、例えば、メトセル(商標)により同様に知られていることは、当業者により理解されるであろう。
【0037】
用語の「フペルジン」は、特定の実施形態で別に定めのない限り、フペルジンA、フペルジンB、またはフペルジンC、またはそれらの薬学的に許容可能な塩または溶媒和物を意味する。フペルジンAは、(1R,9S,13E)-1-アミノ-13-エチリデン-11-メチル-6-アザトリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ-2(7),3,10-トリエン-5-オンである。フペルジンBは、(4aR,5R,10bR)-2,3,4,4a,5,6-ヘキサヒドロ-12-メチル-1H-5,10b-プロペノ-1,7-フェナントロリン-8(7H)-オンである。フペルジンCは、(1R,9S,13R)-1-アミノ-13-エテニル-11-メチル-6-アザトリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ-2(7),3,10-トリエン-5-オンである。
【化1】
好ましくは、フペルジンは、本明細書で記載のいずれかの実施形態では、フペルジンAである。
【0038】
本明細書に記載の用語の「維持用量」は、血液中の所望のレベルの薬物を維持するために投与されるフペルジンの投与量を意味する。いくつかの実施形態では、維持用量は、治療有効量である。
【0039】
用語の「放出調節フペルジン製剤」は、時間、過程および/または部位によるフペルジン放出特性が、即放性フペルジンにより提供されない治療目的または好都合な目的を達成するために選択される、いずれかのフペルジン経口製剤を意味する。
【0040】
用語の「神経障害」には、限定されないが、アルツハイマー病および本明細書で記載のアミロイド障害などのアミロイド関連障害;トゥーレット症候群、外傷後ストレス障害(PTSD)、パニックおよび不安障害、強迫性障害、および統合失調症などの精神障害;脆弱X症候群、および自閉症などの発達障害;疼痛;アルコール依存症などの薬物中毒;パーキンソン病およびハンチントン病などの、神経変性疾患ならびに脳卒中および虚血性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、およびてんかんが挙げられる。「神経障害」は、限定されないが、化学兵器剤などの神経毒を含む神経毒への曝露に付随するまたは神経毒への曝露に関連するなんらかの障害、症状、または影響も含む。
【0041】
用語の「患者」または「対象」は、明細書全体を通して、文脈内で動物、通常哺乳動物、好ましくはヒトを表し、これらに対し、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物を用いて、予防処置(予防)を含む治療が行われる。ヒト患者などの特定の動物に特異的なこれらの感染症、状態または病状の治療に対し、患者という用語は、その特定の動物を意味する。
【0042】
「薬学的に許容可能な」は、担体、希釈剤または賦形剤が、他の製剤成分と適合し、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0043】
用語の「約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩」は、塩がフペルジンに変換された場合、約1重量%のフペルジンA遊離塩基を与えるはずであるフペルジンの薬学的に許容可能な塩を意味する。同様に、用語の「約0.5重量%~約1.5重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩」、「約0.9重量%~約1重量%のフペルジンに同等のフペルジンの薬学的に許容可能な塩」、「約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩」などは、塩がフペルジンに変換された場合、約0.5重量%~約1.5重量%、約0.9重量%~約1重量%、約0.95重量%~約1重量%のフペルジン遊離塩基をそれぞれ与えるはずであるフペルジンの薬学的に許容可能な塩を意味する。例えば、1重量%の600gの医薬製剤を提供するのに6グラムのフペルジンAが必要であるが、1重量%のフペルジンAを提供するためには、6.89gのフペルジンAのHCl塩が必要である。
【0044】
用語の「ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)」はまた、一般名、例えば、「PVP」、「ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone)」、「ポビドン」、および「ポリビドン」により知られていることは、当業者により理解されるであろう。ポリビニルピロリドンは、ポリビニルピロリドンの平均分子量を示すそれらのK値により呼ばれることも理解されるであろう。ポリビニルピロリドンの例には、限定されないが、ポリビニルピロリドンK30、ポリビニルピロリドンK10、ポリビニルピロリドンK360、ポリビニルピロリドンK40が挙げられる。
【0045】
本明細書で使用される場合、「発作性疾患」という用語は、1回または複数の発作が症状である任意の状態を意味する。本明細書で使用される場合、発作は、脳の異常な電気活動に起因し得るまたは脳の異常な電気活動に付随しない非てんかん性発作であり得る。発作は、例えば、心理的問題、心理的ストレス、外傷、低血糖症、低血中ナトリウム、発熱、アルコールの使用、または薬物の使用または未知の原因によって引き起こされ得る。発作および発作性疾患のタイプには、限定されないが、てんかん(制御困難なてんかんを含む)、全般発作、原発性全般発作、欠神発作、ミオクローヌス発作、部分発作、全般化を伴うまたは伴わない複雑部分発作(例えば、意識消失焦点発作(FIAS))、レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群および全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+)が挙げられる。いくつかの実施形態では、発作性疾患はてんかんである。
【0046】
本明細書で使用される場合、「治療薬」という用語は、患者の望ましくない状態または疾患を治療する、それと戦う、それから回復させる、それを防止する、またはそれを改善するために、使用される薬剤を意味する。一部は、本発明の特定の実施形態は、てんかんなどの発作性疾患を含む神経変性疾患の治療に関する。
【0047】
用語の「治療有効量」は、疾患、障害、または副作用の改善された、治療、治癒、防止、または回復をもたらす、または疾患または障害の進行の速度を遅らせるいずれかの量を意味する。この用語はまた、その範囲内で、正常な生理学的機能を高めるのに効果的な量も含む。
【0048】
用語の「t1/2」は、対象に製剤を投与後に、血漿中濃度がその元の値の半分に達するのに要する時間である。
【0049】
「tmax」は、対象に製剤を投与後に、Cmaxに達するまでの時間を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、用語の「治療する(treat)」、「治療した(treated)」または「治療すること(treating)」は、治療処置および予防(prophylactic)または防止(preventative)処置の両方を意味し、この場合の目的は、望ましくない生理的状態、障害または疾患を防ぐかもしくは遅らせる(減らす)、または有益なもしくは望ましい臨床成績を得ることである。本発明の目的においては、有益な、または望ましい臨床成績としては、検出可能であってもそうでなくても、または状態、または疾患の向上であっても、改善であっても、症状の軽減、状態、障害または疾患の程度の減少、状態、障害または疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しないこと)、状態、障害または疾患の進行の開始の遅延または緩徐化、状態、障害または病状の回復、および寛解(部分的または全体の)が挙げられるが、これらに限定されない。治療は、過剰なレベルの副作用なしに、臨床的に重要な応答を誘発することを含む。治療はまた、治療を受けていない場合の予測生存期間に比べて、生存期間の延長も含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示の化合物および方法は、このような治療に利用でき、またはこのような治療を必要としている対象に対し使用でき、このような状況は、「それを必要としている」とも呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、表現の「それを必要としている」は、対象が特定の方法または治療に対する必要性を有すると特定され、治療がその特定の目的のために投与されていることを意味する。
【0052】
一般的に言って、用語の「組織」は、特定の機能の実施で連携する同様に特殊化された細胞の任意の集合体を意味する。
【0053】
本明細書で記載される実施形態は、「からなる(comprising)」の用語で記載されるが、本明細書で記載の任意の実施形態はまた、「からなる(consists of)」または「からなる(consisting of)」の用語で記載して、製剤または方法が、特に請求された実施形態または特許請求の範囲で特に記述された要素、ステップ、または成分のみを含むことを意味してもよく、本明細書で記載のそれぞれの実施形態はまた、「から基本的になる(consisting essentially of」または「から基本的になる(consists essentially of)」の用語で記載して、製剤または方法が、特定の材料またはステップ、請求発明の基本的および新規特性に実質的に影響を与えないもののみを含むことを意味してもよい。
【0054】
用語の「VEM」は、ビデオ脳波検査監視を意味する。
【0055】
医薬組成物
本発明の実施形態は、フペルジン放出調節経口医薬組成物に関し、より具体的には、フペルジンAに関する。出願者らは、1日2回投与される高用量であっても、治療効果のある血漿中濃度を提供し、フペルジンの用量規制有害副作用に関連する急速な高ピーク血漿中濃度を克服するフペルジンの放出調節製剤を発見した。代表的製剤は、2018年5月21日出願の米国特許出願第15/985,390号で開示されている。この開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0056】
出願者により行われた用量漸増試験(未発表)は、約5ng/mLより大きい高ピーク血漿中濃度は、特に最初の31時間以内に、悪心および嘔吐を生じる可能性が高いことを示した。試験では、8人の対象の7人が悪心および/または嘔吐を最初の31時間以内に経験した。これらの対象は、最初の悪心までの平均時間が17.7時間であり、4.8ng/mLの平均フペルジン血漿中濃度を示した。悪心を経験しなかった1人の対象は、最初の投与後42時間まで5ng/mLを超える血漿中濃度に達しなかった。これらの知見は、時間-濃度相関が存在し、31時間以内に4~5ng/mLの血漿露出の達成は、薬物関連有害事象がもたらされる可能性があることを示すと思われる。出願者の即放性用量漸増試験の前には、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減した発作頻度を得るために、どのくらいの血漿中濃度閾値未満に保持すべきかは未知であった。
【0057】
従って、即放性フペルジンAの約2mgの1日2回の投与は、悪心および嘔吐に関連する高血漿中ピークを早期に生ずることが予測される。さらに、最高最低間血漿中曝露は、治療薬閾値未満で変動することが予測される。さらに、1回飲み忘れただけのフペルジン投与量が、対象を治療薬閾値未満の投与量にするのみでなく、即放性投与を再開時に、対象を急速に高いピーク血漿中濃度に曝露し、従って、投与を忘れる毎に、悪心および嘔吐を生じる可能性がある(図1)。これは、即放性製剤を好ましくないものにし、治療薬選択肢として危険なものにする可能性がある。対照的に、本明細書に記載のように出願者により開発され、投与される放出調節製剤は、治療薬閾値を得て、即放性製剤とは異なり、最初に、5ng/mLの閾値未満の血漿曝露濃度を保持し、それにより、即放性製剤に関連する有害悪心および嘔吐を回避する。加えて、治療レベルに達した後は、対象が投与を忘れた場合、血漿中濃度は深刻な有害事象が起こると思われるほどは低下しないであろう(図2)。出願者は、最大5mg/日および最大2.5mg BID投与量までの放出調節フペルジン製剤について米国特許出願第15/985,390号で考察した。この出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。しかし、悪心、嘔吐および/または下痢などの用量規制有害作用の増大のために、より高用量のフペルジンは、不利であると考えた。
【0058】
出願者らは、今では、高用量の経口医薬放出調節フペルジン製剤が、他の用量のフペルジンの経口医薬製剤を凌ぐ予想外で、予測不可能な特性をもたらすことを発見した。これらの製剤および投与計画は、高ピーク血漿中濃度に関連する副作用なしに、顕著に高い治療薬閾値を可能とし、さらに、1日2回投与も可能とする。
【0059】
放出調節フペルジンA製剤の治療、例えば、発作性疾患での利点を例示するために、出願者は、非臨床動物データを使用した。出願者は、イヌの薬物動態学的データ(下記参照)、相対成長率およびモデリングを生成し、フペルジンAの血漿中の約16ng/mL(2.5mg BID投与量)~約28ng/mL(4mg BID投与量)は、発作性疾患の対象の治療で、0.5mg~2.0mg BID投与量に比べて、顕著な有効性の改善が達成されることが予測されることを明らかにした。
【0060】
本発明のフペルジンの放出調節経口医薬製剤は、溶解可能なコア、溶解可能なコアを被覆するフペルジン層;フペルジン層を被覆するポリマー;および任意選択で、HPMCまたはオパドライを含む硬化性トップコートを含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態では、溶解可能なコアは、完全に溶解可能なコアである。さらなる実施形態では、コアは糖スフェアである。いくつかの態様では、糖スフェアはスクロースおよびデンプンを含む。いくつかの実施形態では、スクロースは少なくとも62重量%のスクロースである。さらなる実施形態では、糖スフェアは、Suglets(登録商標)糖スフェアである。いくつかの態様では、糖スフェアは、約250μm~約1700μmの粒径である。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、約250μm~約355μm、約500μm~約600μm、約600μm~約710μm、約710μm~約850μm、約850μm~約1000μm、約850μm~約1180μm、約1000μm~約1180μm、約1000μm~約1400μm、約1400μm~約1700μmおよびこれらの組み合わせの粒径から選択される。さらなる実施形態では、糖スフェアは、約500μm~約600μm、または約600μm~約710μmの粒径から選択される。いくつかの態様では、糖スフェアは、約500μm~約710μmの粒径から選択される。さらなる実施形態では、糖スフェアは、Suglets(登録商標)PF006である。
【0062】
さらなる実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約74重量%~約86重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約79重量%~約84重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約80重量%~約86重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約80重量%~約83重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約81重量%~約83重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約81重量%~約82.8重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約81.5重量%~約83.0重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約79.1重量%~約80重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約80重量%~約81重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約81重量%~約82重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約81重量%~約81.9重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、約81.9重量%~約82.8重量%の医薬組成物を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約82重量%~約83重量%を構成する。いくつかの実施形態では、糖スフェアは、医薬組成物の約82.8重量%~約83.7重量%を構成する。
【0063】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の糖スフェアの重量パーセントは、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、78約重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、および約86重量%の下限値と、約86重量%、約85重量%、約84重量%、83重量%、82重量%、81重量%、80重量%、79重量%、78重量%、77重量%、76重量%、75重量%、および74重量%の上限値との間を含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の糖スフェアの重量パーセントは、約74重量%、約75重量%、約76重量%、約77重量%、78約重量%、約79重量%、約80重量%、約81重量%、約82重量%、約83重量%、約84重量%、約85重量%、または約86重量%である。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態では、フペルジン層は、フペルジンAまたは薬学的に許容可能なその塩を含む。いくつかの実施形態では、フペルジンAは、huperzia serrata抽出物である。いくつかの実施形態では、huperzia serrata抽出物は、99%フペルジンAである。
【0066】
いくつかの態様では、医薬組成物中のフペルジンの重量%は、約0.4重量%~約1.5重量%フペルジンまたは約0.4重量%~約1.5重量%フペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの態様では、医薬組成物中のフペルジンの重量%は、約0.9重量%~約1重量%フペルジンまたは約0.9重量%~約1重量%フペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩である。いくつかの態様では、医薬組成物中のフペルジンの重量%は、約0.95重量%~約1重量%フペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%フペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のフペルジンの重量%は、約1重量%または約1重量%フペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のフペルジンの重量パーセントは、約0.4重量%、0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、0.9約重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、および約1.5重量%のフペルジンの下限値と、約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、1.2重量%、1.1重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%および0.4重量%のフペルジンの上限値との間の重量%を含むか、または約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、0.9約重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、および約1.5重量%のフペルジンの下限値と、約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、1.2重量%、1.1重量%、1重量%、0.9重量%、0.8重量%、0.7重量%、0.6重量%、0.5重量%および0.4重量%のフペルジンの上限値との間の重量%に相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物中のフペルジンの重量パーセントは、0.4重量%、0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、0.9約重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、および約1.5重量%のフペルジンまたは0.4重量%、0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%、約1重量%、約1.1重量%、約1.2重量%、約1.3重量%、約1.4重量%、および約1.5重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩を含む。さらなる実施形態では、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では本明細書で記載のいずれかの実施形態による、フペルジンまたは薬学的に許容可能なその塩は、フペルジンAまたは薬学的に許容可能なその塩である。
【0068】
いくつかの態様では、フペルジン層は、1種または複数の賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、賦形剤の合計量は、医薬組成物の約5重量%~約10重量%である。いくつかの実施形態では、賦形剤の合計量は、医薬組成物の約5重量%~約9重量%である。いくつかの実施形態では、賦形剤の合計量は、医薬組成物の約5重量%~約7重量%である。いくつかの実施形態では、フペルジン層中の賦形剤の合計量は、医薬組成物の約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、または約10重量%から選択される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはポリビニルピロリドンおよびこれらの組み合わせから選択される。
【0069】
いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度または極めて低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、メトセル(商標)である。さらなる実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、メトセルVLVなどである。いくつかの態様では、フペルジン層中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの量は、組成物の約6重量%~約7重量%である。いくつかの態様では、フペルジン層中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの量は、組成物の約5重量%~約6重量%である。いくつかの実施形態では、フペルジン層中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの量は、約6重量%である。いくつかの実施形態では、フペルジン層中のヒドロキシプロピルメチルセルロースの量は、約5重量%である。さらなる実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはメトセルVLVであり、フペルジン層中のメトセルVLVの量は組成物の約6.1重量%である。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態では、ポリビニルピロリドンは、経口製剤で使用するために適切な任意のポリビニルピロリドンである。さらなる実施形態では、ポリビニルピロリドンは、ポリビニルピロリドンK30である。いくつかの態様では、フペルジン層中のポリビニルピロリドンの量は、組成物の約0.5重量%~約1.5重量%である。いくつかの実施形態では、フペルジン層中のポリビニルピロリドンは、組成物の約0.95重量%~約1重量%である。いくつかの実施形態では、フペルジン層中のポリビニルピロリドンは、組成物の約0.90重量%~約1重量%である。いくつかの実施形態では、フペルジン層中のポリビニルピロリドンは、組成物の約1重量%である。さらなる実施形態では、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、フペルジン層中のポリビニルピロリドンK30の量は組成物の約1重量%である。
【0071】
いくつかの実施形態では、フペルジン層中の1種または複数の賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリビニルピロリドンの組み合わせである。いくつかの実施形態では、フペルジン層中の1種または複数の賦形剤は、約5重量%~約7重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび約0.5重量%~約1.5重量%のポリビニルピロリドンからなる。いくつかの実施形態では、フペルジン層中の1種または複数の賦形剤は、約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび約1重量%のポリビニルピロリドンである。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態では、ポリマー被覆材は、フペルジン層を被覆するポリアクリルアミドポリマー層またはエチルセルロースポリマー層である。いくつかの実施形態では、ポリマー被覆材は、フペルジン層を被覆する非ポリアクリルアミドポリマーである。いくつかの実施形態では、ポリマー被覆材は、フペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層である。さらなる実施形態では、可塑化エチルセルロースは、Surelease(登録商標)である。いくつかの態様では、可塑化エチルセルロースは、Surelease(登録商標)タイプB NFである。
【0073】
いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、組成物の約7重量%~約16重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、組成物の約8重量%~約13重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、組成物の約7重量%~約12重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、組成物の約8重量%~約12重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、組成物の約9重量%~約11重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、組成物の約9重量%~約10重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、医薬組成物の約8.3重量%~約9.2重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、医薬組成物の約9.2重量%~約10.1重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、医薬組成物の約10.1重量%~約11重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、医薬組成物の約11重量%~約12重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、医薬組成物の約12重量%~約12.9重量%を構成する。いくつかの実施形態では、可塑化エチルセルロースポリマーは、医薬組成物の約15重量%~約16重量%を構成する。
【0074】
いくつかの実施形態では、組成物中の可塑化エチルセルロースポリマーの重量パーセントは、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、および16重量%の下限値と、16重量%、15重量%、14重量%、13重量%、12重量%、11重量%、10重量%、9重量%、8重量%および7重量%の上限値との間である。
【0075】
いくつかの実施形態では、経口投与用の医薬組成物は、
a)溶解可能なコアのために本明細書で記載のいずれかの実施形態による溶解可能なコア;
b)フペルジン層、フペルジンまたは薬学的に許容可能なフペルジンの塩、溶解可能なコアの被覆のために、本明細書で記載のいずれかの実施形態による、フペルジンまたは薬学的に許容可能なフペルジンの塩を含むフペルジン層;および
c)本明細書で記載のいずれかの実施形態に記載のフペルジン層を被覆する、ポリマー被覆材;および
d)任意選択で、HPMCまたはオパドライシールコートを含み、ポリマー層を被覆する硬化性トップコート層。
【0076】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約74重量%~約86重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および合計量約5重量%~約9重量%の1種または複数の賦形剤を含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約7%重量%~約16重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンは、フペルジンAである。さらなる実施形態では、1種または複数の賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとポリビニルピロリドンの組み合わせである。さらなる実施形態では、1種または複数の賦形剤は、約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースと、約1重量%のポリビニルピロリドンの組み合わせである。いくつかの実施形態では、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンは、ポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0077】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約79重量%~約84重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および量約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および0.95重量%~約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約8%重量%~約13重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAである。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは低粘度ヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースは、Surelease(登録商標)タイプB NFである。
【0078】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約80重量%~約83重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、約5重量%~約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および0.95重量%~約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約8%重量%~約12重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0079】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約81重量%~約82重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、約5重量%~約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0.95重量%~約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約10%重量%~約11重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0080】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約81.5重量%の粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約1重量%のフペルジンまたは約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、約5.9重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約10.7重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0081】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約82重量%~約83重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、約5重量%~約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0.95重量%~約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約9重量%~約10重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0082】
本発明のいくつかの態様では、経口送達用の医薬組成物は、(a)約83重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約1重量%のフペルジンまたは約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および(c)約9重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0083】
本発明のいくつかの態様では、本明細書で記載のいずれかの実施形態による経口送達用の医薬組成物は、フペルジン層と可塑化エチルセルロース層との間にシールコート層をさらに含む。
【0084】
本発明のいくつかの態様では、本明細書で記載のいずれかの実施形態による経口送達用の医薬組成物は、シールコート層を覆うトップコート層をさらに含む。いくつかの実施形態では、トップコート層は、HPMC、Surelease、またはオパドライを含む硬化性組成物を含み得る。
【0085】
いくつかの実施形態は、(a)約75重量%~約76重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;(b)約0.9重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.9重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、約5重量%~約6重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および約0.9重量%~約1重量%のポリビニルピロリドンを含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;(c)約1%重量%~約2重量%のヒドロキシプロピルメチルを含むフペルジン層を被覆するシールコート層;および(d)約15重量%~約16重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む経口送達用の医薬組成物を記載する。さらなる態様では、フペルジンはフペルジンAであり、ヒドロキシプロピルメチルセルロースは、低粘度のヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、ポリビニルピロリドンはポリビニルピロリドンK30であり、可塑化エチルセルロースはSurelease(商標)タイプB NFである。
【0086】
いくつかの実施形態は、50mMのリン酸緩衝液(pH6.8)中、37℃で50回転/分でUSP1法溶出試験装置により試験した場合、次の溶出プロファイルを示す本明細書で記載の実施形態による医薬組成物を記載する:2時間後に約36%のフペルジンが放出され、4時間後に約63%のフペルジンが放出され、8時間後に約84%のフペルジンが放出され、12時間後に約89%以上のフペルジンが放出される。いくつかの実施形態では、フペルジンは、フペルジンAである。
【0087】
いくつかの実施形態は、50mMのリン酸緩衝液(pH6.8)中、37℃で50回転/分でUSP1法溶出試験装置により試験した場合、次の溶出プロファイルを示す本明細書で記載の実施形態による医薬組成物を記載する:2時間後に約46%のフペルジンが放出され、4時間後に約77%のフペルジンが放出され、8時間後に約97%のフペルジンが放出され、12時間後に約99%以上のフペルジンが放出される。いくつかの実施形態では、フペルジンは、フペルジンAである。
【0088】
本発明の医薬組成物は、経口投与用として処方され、例えば、錠剤、スプリンクル、カプセルおよび丸薬の形態であり得る。一態様では、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物は、カプセルの形態で経口投与用に処方される。いくつかの態様では、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物は、錠剤の形態で経口投与用に処方される。本発明の組成物は、追加の非毒性の薬学的に許容可能な担体および/または希釈剤および/または補助剤および/または賦形剤を含むことができる。医薬活性物質のためのこのような媒体および薬剤の使用は、当該技術分野においてよく知られており、錠剤結合剤、潤滑剤、香味剤、保存剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤を含む。
【0089】
以下およびそれに続く実施例で例示される様に、出願者らは、本明細書で記載の実施形態のいずれかで記載される組成物および方法は、予想外で、予測不可能な特性を有する。例えば、出願者らは驚くべきことに、および意外にも、本明細書で記載のフペルジン組成物の約3.0mg BID~約4.0mg BID投与量を投与された患者は、極めて改善された発作抑制を示した。いくつかの症例では、患者は、2.5mg BIDから、副作用または用量規制有害作用のいずれも生じることなく、発作が大きく減少した。いくつかの症例では、患者は、発作の減少が約90%以上、約92%以上、約95%以上に大きくなり、さらには発作が完全になくなった。
【0090】
この試験に対し、出願者らは、表1に示すような、不活性コア層、コア層を被覆するフペルジン層およびフペルジン層を被覆するポリマー層を使用した。
MCC=微結晶セルローススフェア
**HPMC=ヒドロキシプロピルメチルセルロース;PVP=ポリビニルピロリドン
【0091】
治療方法
本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物は、治療を必要としている患者への発作性疾患を含む神経障害の治療に有用である。それらを、治療的に投与して、神経機能不全を治療、防止、またはその発症速度を緩徐化できる。いくつかの実施形態は、神経障害および発作性疾患の治療方法について記載する。いくつかの実施形態は、アルツハイマー病および本明細書で記載のアミロイド障害などのアミロイド関連障害;トゥーレット症候群、外傷後ストレス障害(PTSD)、パニックおよび不安障害、強迫性障害、および統合失調症などの精神障害;脆弱X症候群、および自閉症などの発達障害;疼痛;アルコール依存症などの薬物中毒;パーキンソン病およびハンチントン病などの、神経変性疾患ならびに脳卒中および虚血性脳損傷、筋萎縮性側索硬化症、てんかん、および限定されないが、化学兵器剤などの神経毒を含む神経毒への曝露に付随するもしくはそれに関連するなんらかの障害、症状、または影響から選択される神経障害を、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物を用いて治療する方法について記載する。
【0092】
いくつかの態様では、本発明は、てんかん(制御困難なてんかんを含む)、全般発作、原発性全般発作、欠神発作、ミオクローヌス発作、部分発作、全般化を伴うまたは伴わない複雑部分発作(例えば、意識消失焦点発作(FIAS))、レノックス・ガストー症候群、ドラベ症候群および全般てんかん熱性痙攣プラス(GEFS+)から選択される発作または発作性疾患を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、発作性疾患はてんかんである。
【0093】
本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物を治療的に投与して、てんかんおよび発作などの神経機能不全を治療、防止、またはその発症速度を緩徐化でき、または予防的に投与して、てんかんに関連するさらなる発作に対して保護、または他の障害に関連する発作の発症を回避するもしくは先回りして阻止することができる。例えば、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物を予防的に投与して、脳卒中を有する患者および脳卒中の結果としての発作を発症するリスクのある患者の発作およびてんかんの進行を遅らせるまたは停止させることができる。
【0094】
さらなる実施形態は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物をそれを必要としている患者への投与を含む、てんかん、制御困難なてんかんおよびFIASを治療する方法について記載する。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、副作用をほとんどまたは全く伴わずに、発作の頻度を少なくとも10%低減させる投与量で投与される。低減は、約70%、75%、80%、85%、90%、95%超であるか、または発作がなくなるのが好ましい。例えば、本明細書で記載のいずれかの医薬組成物および方法は、発作の進展を防止するか、または発作を完全になくする。
【0096】
さらなる態様では、本発明は、限定されないが、化学兵器剤などの神経毒を含む神経毒への曝露に付随するまたは神経毒への曝露に関連するなんらかの障害、症状、または影響を治療する方法を提供し、該方法は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物を、それを必要としている患者に投与することを含む。
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の投与量は、15mg/日を超えないのが好ましい。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物の投与量は、20mg/日を超えないのが好ましい。いくつかの実施形態では、本明細書で記載のいずれかの実施形態による一日量は、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、投与量は、約1.5mgの1日2回~約5.0mgの1日2回である。いくつかの実施形態では、投与量は、約3.0mgの1日2回~約4.0mgの1日2回である。いくつかの実施形態では、投与量は、約2.75mgの1日2回、約3.0mgの1日2回、約3.25mgの1日2回、約3.50mgの1日2回、約3.75mgの1日2回、約4.0mgの1日2回、4.5mgの1日2回、4.75mgの1日2回、5.0mgの1日2回である。さらに他の実施形態では、投与量は、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5または10mgの1日2回である。
【0098】
いくつかの実施形態では、例えば、限定されないが、化学兵器剤などの神経毒を含む神経毒への曝露に付随するまたはそれに関連する症状、または影響を治療するために、約2.75mgの1日2回~約5.0mgの1日2回、約3.0mgの1日2回~約4.75mgの1日2回、約3.25mgの1日2回~約4.5mgの1日2回、約3.5mgの1日2回~約4.25mgの1日2回、約3.75mgの1日2回~約4.0mgの1日2回、または約3mgの1日2回~約4mgの1日2回の投与量も使用し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、本開示は、神経学的または発作性疾患を治療する方法を提供し、該方法は、フペルジンの放出調節製剤の1種または複数の漸増用量、これに続く、フペルジンの経口放出調節製剤の維持用量を、それを必要としている患者に投与することを含み、患者は、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減した発作頻度を有する。いくつかの実施形態では、漸増用量は、約0.5mg BID~約2.5mg BIDを含む。いくつかの実施形態では、漸増用量は、約0.25mgの1日2回~約2.5mgの1日2回、約0.5mgの1日2回~約2.5mgの1日2回、約0.5mgの1日2回~約2.0mgの1日2回、約0.75mgの1日2回~約1.75mgの1日2回、または約1.0mgの1日2回~約1.5mgの1日2回、およびこれらの値のいずれか2つの間、またはこれらの値のいずれか1つ未満の範囲を含む。いくつかの実施形態では、維持用量は、約3.0mg BID~約4.0mg BIDを含む。いくつかの実施形態では、維持用量は、約2.75mgの1日2回~約5.0mgの1日2回、約3.0mgの1日2回~約4.75mgの1日2回、約3.25mgの1日2回~約4.5mgの1日2回、約3.5mgの1日2回~約4.25mgの1日2回、約3.75mgの1日2回~約4.0mgの1日2回、または約3mgの1日2回~約4mgの1日2回、およびこれらの値のいずれか2つの間、またはこれらの値のいずれか1つ未満の範囲を含み得る。いくつかの実施形態では、漸増用量は、約0.5mgの1日2回、約0.75mgの1日2回、約1.75mgの1日2回、約2.5mgの1日2回の内の1つまたは複数、および維持用量は、約2.5mgの1日2回、約2.75mgの1日2回、約3.0mgの1日2回、約3.25mgの1日2回、約3.5mgの1日2回、約3.75mgの1日2回、および約4.0mgの1日2回の内の1つまたは複数、およびこれらの値のいずれか2つの間の値、またはこれらの値のいずれか1つ未満の値を含み得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示は、神経学的または発作性疾患を治療する方法を提供し、該方法は、治療有効量のフペルジンの放出調節製剤を、それを必要としている患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、フペルジンAの治療有効量は、約3.0mg~約4.0mgの1日2回投与量を含む。これは、約2.75mgの1日2回、約3.0mgの1日2回、約3.25mgの1日2回、約3.5mgの1日2回、約3.75mgの1日2回、および約4.0mgの1日2回、およびこれらの値のいずれか2つの間の値またはこれらの値のいずれか1つより小さいもしくは大きい値を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、本開示は、神経障害または発作性疾患から選択される障害を治療する方法を提供し、該方法は、約74重量%~約86重量%、粒径約500~710μmの糖スフェアコア;約0.95重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および合計量約5重量%~約9重量%の1種または複数の賦形剤を含む糖スフェアを被覆するフペルジン層;および約7%重量%~約16重量%のフペルジン層を被覆する可塑化エチルセルロースポリマー層を含む経口送達用の医薬組成物を、それを必要としている患者に投与することを含み、フペルジン層は、治療有効量のフペルジンを含む。いくつかの実施形態では、フペルジンの治療有効量は、約3.0mg~約4.0mgの1日2回投与量を含む。これは、約2.75mgのBID、約3.0mgのBID、約3.25mgのBID、約3.5mgのBID、約3.75mgのBID、および約4.0mgのBID、およびこれらの値のいずれか2つの間の値またはこれらの値のいずれか1つより小さいもしくは大きい値を含む。
【0102】
本明細書記載の方法いくつかの実施形態では、発作性疾患は、てんかんおよび意識消失焦点発作から選択される。いくつかの実施形態では、発作性疾患は意識消失焦点発作(FIAS)である。
【0103】
いくつかの実施形態では、本開示は、神経学的または発作性疾患を治療する方法を提供し、該方法は、フペルジンの放出調節製剤の1種または複数の漸増用量、これに続く、フペルジンの経口放出調節製剤の維持用量を、それを必要としている患者に投与することを含み、患者は、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減した発作頻度を有する。いくつかの実施形態では、漸増用量で投与されるフペルジンの放出調節製剤は、維持用量で投与されるフペルジンの放出調節製剤と同じである。さらなる実施形態では、漸増用量で投与されるフペルジンの放出調節製剤は、維持用量で投与されるフペルジンの放出調節製剤とは異なる。さらなる実施形態では、フペルジンは、フペルジンAである。いくつかの実施形態では、フペルジンの放出調節製剤は、図7に示すように、溶解可能なコア、溶解可能なコアを被覆する活性フペルジンA層;フペルジンA層を被覆するポリマー被覆材、および任意選択で、HPMCまたはオパドライを含む硬化性トップコート層を含む。さらなる実施形態では、放出調節フペルジン製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。いくつかの実施形態では、フペルジンの放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物であり、漸増用量および維持用量の場合と同じ医薬組成物である。いくつかの実施形態では、フペルジンの経口放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態によるフペルジンAを含む医薬組成物であり、漸増用量および維持用量のフペルジンAを含む同じ医薬組成物である。いくつかの実施形態では、投与量は、低用量~高用量まで数日間から数週間にわたり、維持用量に達するまで適正量が決定された。
【0104】
いくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害または発作性疾患を治療する方法を記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルおよび/または低減した発作頻度を有し、該方法は、a.~i.から選択される少なくとも1種の投与計画の第1の投与計画(以下でさらに記載される)およびj.~o.から選択される少なくとも1種の投与計画の第2の投与計画(以下でさらに記載される)を投与することを含み、ただし、第2の投与計画は、第1の投与計画から用量が増加していることが前提であり、およびさらに、最後の投与計画が維持用量であり、従って、患者がその治療を必要とする限り投与されることをさらに前提とする:
a.任意選択で、フペルジンAの約0.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
b.任意選択で、フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
c.任意選択で、フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
d.任意選択で、フペルジンAの約1mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
e.任意選択で、フペルジンAの約1.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
f.任意選択で、フペルジンAの約1.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
g.任意選択で、フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
h.任意選択で、フペルジンAの約2mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間、および最大2週間にわたる投与;
i.任意選択で、フペルジンAの約2.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
j.任意選択で、フペルジンAの約2.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
k.任意選択で、フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
l.任意選択で、フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
m.任意選択で、フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
n.任意選択で、フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
o.任意選択で、フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
上記で、a.~o.のフペルジンは、放出調節製剤で投与される。
【0105】
さらなる実施形態では、放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。さらなる実施形態では、フペルジンは、フペルジンAである。さらなる実施形態では、維持用量の前の各投与量は、2日~2週間にわたり投与される。a.~i.から選択される少なくとも1種の投与計画およびj.~o.から選択される少なくとも1種の投与計画の任意の組み合わせが、投与計画の任意の組み合わせを可能とし、従って、最小2種の投与計画(維持用量より小さい1種の投与量および1種の維持用量)および最大14種の投与計画(漸増投与計画a.~i.および維持用量j.~n.)を表す。
【0106】
いくつかの実施形態では、方法は、下記から選択される任意の投与計画を投与することを含む(最後に示された投与量が維持用量である):
【0107】
いくつかの実施形態では、方法は、下記を含む:
a.フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
【0108】
いくつかの実施形態では、ステップd.は、患者が治療を必要としている限り投与される。
【0109】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップd.の次に、下記をさらに含む:
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間の投与。
【0110】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップd.の次に、下記をさらに含む:
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
【0111】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップd.の次に、下記をさらに含む:
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間の投与。
【0112】
いくつかの実施形態では、方法は、ステップd.の次に、下記をさらに含む:
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
h.フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間の投与。
【0113】
本開示のいくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害または発作性疾患を治療する方法に関し、該患者は、良好な副作用プロファイルおよび/または低減された発作頻度を有し、該方法は、フペルジンAの放出調節製剤(4F1/4F2)の投与を含み、フペルジンAの放出調節製剤は、次の選択された用量に対する血漿中フペルジンAのCssを特徴とする:
【0114】
さらなる実施形態では、放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。
【0115】
いくつかの実施形態は、治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患を治療する方法について記載し、該患者は、より良好な副作用プロファイルを有し、該方法は、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、フペルジンの放出調節製剤は、治療有効量で投与される場合、約0.6ng/mL~約12ng/mLの血漿中フペルジンのCssを特徴とする。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約2ng/mL~約12ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約4ng/mL~約12ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約6ng/mL~約12ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約4ng/mL~約10ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約4ng/mL~約8ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約6.4ng/mL~約10ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、約8ng/mLである。いくつかの実施形態では、治療有効量で投与される場合、血漿中のフペルジンのCssは、少なくとも約8ng/mLである。さらなる実施形態では、フペルジンは、フペルジンAである。さらなる実施形態では、放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。
【0116】
本開示のいくつかの実施形態は、神経学的または発作性疾患を治療する方法に関し、該方法は、フペルジンの放出調節製剤を、それを必要としている患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、フペルジンは、フペルジンAである。いくつかの実施形態では、フペルジンの放出調節製剤は、本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物である。いくつかの実施形態では、放出調節フペルジン製剤は、製剤4F1/4F2である。
【0117】
本発明の医薬組成物は、他の治療薬と組み合わせて投与できる。本発明の組成物と同時投与できる治療薬の選択は、一部は、治療される状態に依存する。例えば、本発明の化合物は、てんかんまたは発作に通常関連する、失神、疲労、筋肉攣縮、前兆、健忘、不安、うつ、頭痛、眠気、または凝視発作などの他の症状および副作用の治療に使用されるアセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、カリソプロドール、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、メタキサロン、メトカルバモール、オルフェナドリン、チザニジン、バクロフェン、ダントロレン、ジアゼパム、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、デュロキセチン、ベンラファキシン、イミプラミン、ヒドロキシジン、プロプラノロール、ガバペンチン、プレガバリン、アルプラゾラム、クロナゼパム、クロルジアゼポキシド、ロラゼパム、ブスピロン、モダフィニル、アルモダフィニル、エトスクシミド、バルプロ酸、レベチラセタム、ラコサミド、エスリカルバゼピン、カルバマゼピン、オクスカルバゼピン、フェニトイン、ホスフェニトイン、トピラマート、CGRP抑制剤、フルナリジン、カンナビノイドおよび/またはラモトリギンなどの他の薬剤と組み合わせて投与できる。
【0118】
このような他の治療薬は、本明細書で記載のいずれかの実施形態によるフペルジン医薬組成物の投与の前に、それと同時に、またはその後で投与し得る。
【0119】
実施例
本発明は、特定の好ましい実施形態に基づいてかなり詳細に記述してきたが、他の実施形態も可能である。従って、添付請求項の趣旨および範囲は、本明細書に含まれる説明および好ましい実施形態に制限されるべきものではない。本発明の種々の態様は、以下の非限定的な実施例に基づいて実証される。以下の実施例は、例示の目的のみのためであり、いかなる方法によっても本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【0120】
実施例1:健康な被験者への複数回投与後の放出調節フペルジンAのバイオアベイラビリティ、安全性および耐容性の評価
経口医薬組成物4Dを用いて、単一施設、現地/外来患者による用量漸増試験を行った。8人の患者のコホートで健康なボランティアに1日2回(BID)の投与(製剤4D)を行い、血漿中濃度、安全性を評価し、その後の被験者への投与の前に、必要な投与量変化が起こるのを可能とした。試験を投与開始および用量漸増時に現地設定で実施して、安全性を評価し、ルーチン検査室解析および薬物動態解析のための検体収集を行った。被験者を退院させて、BID投与の服薬遵守を施設スタッフの電話により1日2回モニターした。初期投与量を0.5mg BIDとし、最大耐量が観察されるまで、または2.5mg BIDの最大値になるまで、2~3日毎に用量漸増した。初期投与量および漸増率は、対象の安全性を保証する施設スタッフの自由裁量で変えることができた。
【0121】
評価項目:血漿中濃度データをバイオアベイラビリティ評価のために使用した。誘導された薬物動態学的パラメーターには、曲線下面積(AUC)、最大血漿中濃度(Cmax)、およびCmaxまでの時間(Tmax)が含まれる。
【0122】
安全性および耐容性パラメーターを有害事象の発生ならびに試験特異的バイタルサイン、神経学的および身体検査、ECG評価、および臨床検査室試験の結果に基づいて評価した。
【0123】
投与スケジュールは次の通りである:
【0124】
コホート1~4の試験の漸増用量入院全期間中に採取された血漿中濃度を、図3に示す。血漿の採取を漸増用量スケジュールの全期間にわたり実施して、総血漿中濃度を評価した。時間=0は、投与スケジュールに対応する漸増投与日の投与前のベースラインを表す。平均は、8人の対象で得られた全データを反映している。初期投与スケジュールは、コホート3および4では、より遅い漸増(0.25mg 投与量増分)に対応するために変更した。
【0125】
特定の投与量での試験全期間の入院日に採取された平均血漿中濃度のグラフを、図4に示す。薬物動態学的モデリングは、50%の患者で100%の発作保護を達成するために8.4ng/mLの平均血漿中濃度(Css)(約1.1~1.25mg BIDに相当する投与量)を予測する。
【0126】
試験組成物は、即放性製剤に比べて、以前に使用された投与量の2倍であっても、好ましい薬物動態プロファイルをもたらし、1日2回投与を実証し、有害事象の劇的な低減を示した。薬物動態学的モデリングは、全体漸増用量に対し、投与量-曝露関係を正確に予測した。
【0127】
有害事象は緩やかで、一時的であった。試験は、顕著な発作抑制のために予測されたほぼ2倍の投与量を達成可能であり、1日2回のスケジュールで投与される遙かに高い安定なフペルジンAの血漿中濃度得て、成人および小児期の制御困難なてんかんの患者で有効な発作保護を与えるための予測された薬物血漿中濃度を達成することを示した。
【0128】
実施例2:成人意識消失焦点発作(FIAS)の治療のためのフペルジンの放出調節製剤の安全性および有効性の評価
この試験の目的は、入院および外来試験での本明細書で記載のいずれかの実施形態による医薬組成物を用いた追加療法としてのフペルジンの放出調節製剤で治療されたFIASの成人で、安全性シグナルを調べること、および発作の低減を実証することである。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4F1または4F2である。
【0129】
各参加者に対する用量投与は、0.25mg BIDで開始され、4日毎に最大耐量または目標用量の1.75mg BIDまで順次漸増する。用量漸増中に投与量に耐えることができない参加者は、それらの投与量を前の耐えられる用量に減らし、より低い用量に耐えることができない場合には、参加者は試験を中止することになる。
【0130】
計画参加者者数:
16人の参加者を試験に登録し、試験を完結する予定である。
【0131】
試験デザイン:
この試験は、高頻度意識消失焦点発作を有するが、それ以外は健康な参加者による単一施設複数場所非盲検、追加試験である。
【0132】
インフォームドコンセントに署名した18才以上の事前に選定された適格参加者が試験に登録される。試験は、96時間のベースラインの連続的VEM期間、1ヶ月の外来用量漸増治療期間、続けて、第二の96時間の連続的VEM治療期間からなる。
【0133】
ベースライン期間(身体検査および神経学的検査、バイタルサイン、心電図(ECG)、CBCおよび化学用の血液試料、クレアチニンおよび電解質を含む標準的尿検査用の尿試料収集の完了後)の1日目に、毎日の発作回数の計数が開始され、標準的リード配置のVEMを介して収集される。参加者は、彼らの治療医師により決定された安定な抗けいれん薬治療計画を続ける。ベースライン期間(5日間の入院VEM)の完了時に、少なくとも5回の意識消失焦点発作を経験した参加者は、直ちに治療に登録される。彼らは、目標用量の3.0mg BID、4.0mg BIDまたは最大耐量まで、放出調節フペルジンの用量漸増試験が開始される。放出調節フペルジンは、4日毎に漸増して、28日間にわたり測定される。目標用量または最大耐量に到達すると、参加者は、96時間の入院VEM治療期間が開始される。入院VEM治療期間後、参加者は、最大耐量までさらに用量を漸増するか、または発作が完全になくなる用量まで用量を漸増し、残りの外来漸増期間のためにその用量を維持するかの試験責任医師の裁量による選択肢を有する。毎日発作日誌は、参加者または介護人が発作タイプおよび時刻を記録する外来漸増期間の間保持される。3.0mg BIDまたは4.0mg BIDの目標用量を達成できない参加者は、前の耐えられる量に減らした投与量になる。より低い用量に耐えることができない場合には、参加者は試験を中止してよい。参加者は、放出調節フペルジンを毎日2回(12時間毎)投与され、投与は、朝と夕方に行われる。参加者は、発作日誌の記録を継続され、定期的に安全性評価を受ける期間である非盲検延長期間の参加に選出されない限り、入院VEMの最終日に製剤4F1/4F2を中断される。
【0134】
薬理学用の血液試料は、選択された外来および入院検査日に採取される。有害事象(AE)および同時薬物の使用は、試験を通して記録される。
【0135】
少なくとも1種の用量の試験製品の投与を受けた全ての参加者は、バイタルサイン、臨床検査室試験、身体検査および神経学検査、心電図および有害事象監視を含む安全性分析に組み込まれる。
エンドポイント:
・一次有効性変数:ベースライン(治療前)と評価(治療中)VEM期間との間の平均毎日発作回数の減少
・二次有効性変数:
・評価VEM期間(治療中)に比べて、ベースラインVEM期間からの平均毎日発作回数のパーセント減少率
・最後の週の漸増治療期間と比べて、ベースライン期間(スクリーニング/レトロスペクティブ日誌)からの発作平均回数のパーセント減少率
・VEM治療評価期間と比べた、VEMベースライン期間からの、≧25%、≧50%、≧75%、≧90%の発作減少参加者として定義される治療奏効者と見なされる参加者のパーセント
・延長期間中の1、3、6、12ヶ月のベースライン/レトロスペクティブ日誌に対する、発作の平均回数の減少パーセント
・100%発作減少の対象の比率
・異なる投与量で救済投与を必要とする対象の比率
【0136】
薬理学:
血漿中濃度データを用いて、投与量、血漿中濃度および発作に対する薬効の関連性を決定する。
【0137】
尿試料を標準的尿検査、試験薬剤除去および可能な代謝物の存在の調査を行う。
【0138】
現在までに、図5に示すように3人の患者が漸増用量を受けた。図5は、関連する試料の平均血漿中濃度も示す。
【0139】
図6Aおよび6Bは、発作減少の場合の曝露効果を評価するために、発作回数と関連付けたFIAS試験からの血漿中濃度値対発作抑制のプロットを示す。このプロットは、朝の投与後4時間(Tmax)での単回のPK採取を示し、発作回数は、28日の期間を基準にしている。この図は、曝露と発作保護作用との間の明確な相関を示す。
【0140】
対象1001、1002および2001のベースライン対延長期間の3mg BIDの投与量の発作回数を下表2に示す。
【0141】
実施例3:医薬組成物調製の基本手順
本明細書に記載の医薬組成物は通常、次のようにして調製できる:
i.流動床被コーティング装置(または類似の被覆粒子製造装置)を用いて、被覆粒子を製造する標準手順および操作条件を使用する。これらの手順は以下を含む:
ii.放出調節粒子を製造するための溶液、例えば、フペルジン、結合剤、固化防止剤、などを含む溶液を調製する。
iii.未被覆コアを流動床に加える。
iv.適切なバッチサイズおよび利用する装置のために、全ての操作パラメーター、ノズル、圧力を適切な範囲に調節する。
v.被覆したペレットを処理して、所望の粒度分布から外れた凝集塊または微粒子を除去する。
【0142】
代表的工程は次記を含む:
1.溶液調製
a.所定量の蒸留水を70℃に加熱する。
b.撹拌により、フペルジンを無水エタノール中に溶解する。
c.必要に応じ撹拌を継続しながら、加熱水中にHPMCを加える。
d.別の分割料の蒸留水を上記溶液に加え、粉末が完全に溶解するまで撹拌を続ける。
e.HPMC溶液にPVPを加え、同様に、連続的撹拌により溶解する。
f.HPMC/PVP溶液をフペルジンエタノール溶液と混合する。蒸留水を用いて容器を洗い流し、最終重量に達するまで溶液中に注意深く注ぎ込み、さらに5分間撹拌を続ける。
【0143】
2.薬物層被覆
所望の粒径のスクローススフェアを流動床プロセッサー中に移し、1.f.の前述のフペルジン溶液を35~45℃の製品温度でスクローススフェア上に被覆する。
【0144】
3.徐放層被覆
前もって調製した可塑化エチルセルロース溶液を、上記と同じ製品温度を用いて、理論的重量増が得られるまで、得られたフペルジン担持糖スフェア上に被覆した。
【0145】
4.トップコート層被覆
HPMCまたはオパドライのトップ層被覆は、徐放層被覆の上に、上記のように適用し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
経障害または発作性疾患から選択される疾患を治療するための経口送達用の医薬組成物であって、
約74重量%~約86重量%の糖スフェアコア(ここで、前記糖スフェアコアの粒径は約500~710μmである)
糖スフェアを被覆するフペルジン層(ここで、前記フペルジン層は、約0.4重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および1種または複数の賦形剤(ここで、前記賦形剤の合計量約5重量%~約9重量%である)を含む)、及び
前記フペルジン層を被覆する約7重量%~約16重量%の可塑化エチルセルロースポリマー層(ここで、前記フペルジン層が、治療有効量のフペルジンを含むものである)
を含み、
前記医薬組成物は、約0.25mg~約4.0mgの量のフペルジンを含み、
1日2回の投与(BID)で投与されることを特徴とし、且つ、
前記医薬組成物の前記BIDでの投与が、約0.52ng/mL~約38ng/mLのインビボ定常状態でのフペルジンの血漿中濃度(Css)をもたらす、
医薬組成物
【請求項2】
前記発作性疾患が、てんかんおよび意識消失焦点発作から選択される、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項3】
前記発作性疾患が、意識消失焦点発作である、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項4】
種または複数の漸増用量投与されること、およびそれに続持用量投与されることを特徴とし、前記漸増用量が、約0.5mg BID~約2.5mg BIDを含み、前記維持用量が、約3.0mg BID~約4.0mg BIDを含む、請求項1に記載の医薬組成物
【請求項5】
記a.~i.から選択される少なくとも1種の投与計画の第1の投与計画で患者に投与され、且つ、下記j.~o.から選択される少なくとも1種の投与計画の第2の投与計画で患者に投与され、ただし、前記第2の投与計画が、前記第1の投与計画から用量が増加していることが前提であり、さらに、最後の投与計画が前記維持用量であり、従って、前記患者がその治療を必要とする限り投与され、
悪心、嘔吐、及び下痢からなる群より選択される1種又は複数の副作用の頻度を低減させる、
請求項4に記載の医薬組成物:
a.任意選択で、フペルジンAの約0.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.任意選択で、フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.任意選択で、フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.任意選択で、フペルジンAの約1mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
e.任意選択で、フペルジンAの約1.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
f.任意選択で、フペルジンAの約1.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
g.任意選択で、フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
h.任意選択で、フペルジンAの約2mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
i.任意選択で、フペルジンAの約2.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
j.任意選択で、フペルジンAの約2.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
k.任意選択で、フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
l.任意選択で、フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
m.任意選択で、フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
n.任意選択で、フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
o.任意選択で、フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
【請求項6】
記a.~d.を含む投与計画で患者に投与される、請求項5に記載の医薬組成物:
a.フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与。
【請求項7】
ステップdが、前記患者が治療を必要としている限り投与される、請求項6に記載の医薬組成物
【請求項8】
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、前記患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物
【請求項9】
ステップdの後に、
.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、前記患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物
【請求項10】
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、前記患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物
【請求項11】
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
h.フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、前記患者がそれを必要とする期間にわたる投与、をさらに含む、請求項6に記載の医薬組成物
【請求項12】
発作の頻度を減らすための医薬組成物であって治療有効量のフペルジンを含み、
約74重量%~約86重量%の糖スフェアコア(ここで、前記糖スフェアコアの粒径は約500~710μmである)、
糖スフェアを被覆するフペルジン層(ここで、前記フペルジン層は約0.4重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および1種または複数の賦形剤(ここで、前記賦形剤の合計量は約5重量%~約9重量%である)を含む)、および
前記フペルジン層を被覆する約7重量%~約16重量%の可塑化エチルセルロースポリマー層(ここで、前記フペルジン層が、治療有効量のフペルジンを含むものである)
を含み、
前記医薬組成物は、約0.25mg~約4.0mgの量のフペルジンを含み、
BIDで投与されることを特徴とし、且つ
前記医薬組成物の前記BIDでの投与が、約0.52ng/mL~約38ng/mLのインビボ定常状態でのフペルジンの血漿中濃度(Css)をもたらす、
医薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0118
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0118】
このような他の治療薬は、本明細書で記載のいずれかの実施形態によるフペルジン医薬組成物の投与の前に、それと同時に、またはその後で投与し得る。
項1.
経口送達用の医薬組成物を、それを必要としている患者に投与することを含む、神経障害または発作性疾患を治療する方法であって、
約74重量%~約86重量%の、約500~710μmの粒径の糖スフェアコア、
約0.4重量%~約1重量%のフペルジンまたは約0.95重量%~約1重量%のフペルジンに相当するフペルジンの薬学的に許容可能な塩、および合計量約5重量%~約9重量%の1種または複数の賦形剤を含む糖スフェアを被覆するフペルジン層、および
前記フペルジン層を被覆する約7%重量%~約16重量%の可塑化エチルセルロースポリマー層を含み、前記フペルジン層が、治療有効量のフペルジンを含み、
前記フペルジンの治療有効量が、約3.0mg~約4.0mgまたは最大耐量までの1日2回投与量である、方法。
項2.
前記発作性疾患が、てんかんおよび意識消失焦点発作から選択される、項1に記載の方法。
項3.
前記発作性疾患が、意識消失焦点発作である、項1に記載の方法。
項4.
前記投与が、前記医薬組成物の1種または複数の漸増用量の投与、およびそれに続く、前記医薬組成物の維持用量の投与を含み、前記漸増用量が、約0.5mg BID~約2.5mg BIDを含み、前記維持用量が、約3.0mg BID~約4.0mg BIDを含む、項1に記載の方法。
項5.
下記a.~i.から選択される少なくとも1種の投与計画の第1の投与計画を投与すること、および下記j.~o.から選択される少なくとも1種の投与計画の第2の投与計画を投与することを含み、
a.任意選択で、フペルジンAの約0.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.任意選択で、フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.任意選択で、フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.任意選択で、フペルジンAの約1mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
e.任意選択で、フペルジンAの約1.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
f.任意選択で、フペルジンAの約1.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
g.任意選択で、フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
h.任意選択で、フペルジンAの約2mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
i.任意選択で、フペルジンAの約2.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
j.任意選択で、フペルジンAの約2.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
k.任意選択で、フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
l.任意選択で、フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
m.任意選択で、フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
n.任意選択で、フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
o.任意選択で、フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
ただし、前記第2の投与計画が、前記第1の投与計画から用量が増加していることが前提であり、およびさらに、最後の投与計画が前記維持用量であり、従って、患者がその治療を必要とする限り投与されることをさらに前提とし、
前記a.~o.のフペルジンAが、項1の医薬組成物で投与され、および
前記患者がより良好な副作用プロファイルおよび/または低減した発作頻度を有する、項1に記載の方法。
項6.
a.フペルジンAの約0.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
b.フペルジンAの約0.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
c.フペルジンAの約1.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与;
d.フペルジンAの約3.0mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、を含む、項5に記載の方法。
項7.
ステップdが、患者が治療を必要としている限り投与される、項6に記載の方法。
項8.
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、項6に記載の方法。
項9.
ステップdの後に、
f.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、項6に記載の方法。
項10.
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、項6に記載の方法。
項11.
ステップdの後に、
e.フペルジンAの約3.25mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
f.フペルジンAの約3.5mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
g.フペルジンAの約3.75mgの用量の約12時間毎に1回の、少なくとも2日間にわたる投与、
h.フペルジンAの約4.0mgの用量の約12時間毎に1回の、患者がそれを必要とする期間にわたる投与、
をさらに含む、項6に記載の方法。
項12.
治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法であって、前記患者が、より良好な副作用プロファイルを有し、前記方法が、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、前記フペルジンAの放出調節製剤が、3.0mgの用量の場合に約9.0~約11.0ng/mL;3.25mgの用量の場合に約9.8~約12ng/mL;3.5mgの用量の場合に約10.7~約13.1ng/mL;3.75mgの用量の場合に約11.6~約14.2ng/mL;および4.0mgの用量の場合に約12.5~約15.3ng/mLからなる群より選択される血漿中フペルジンAのCssを特徴とする、方法。
項13.
治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法であって、前記患者がより良好な副作用プロファイルを有し、前記方法が、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、前記フペルジンAの放出調節製剤が、治療有効量で投与される場合、少なくとも約8ng/mLの血漿中フペルジンAのCsを特徴とする、方法。
項14.
治療を必要としている患者の神経障害および発作性疾患からなる群より選択される障害を治療する方法であって、前記患者がより良好な副作用プロファイルを有し、前記方法が、フペルジンAの放出調節製剤の投与を含み、前記フペルジンAの放出調節製剤が、約14ng/mL~約20ng/mLの血漿中フペルジンのCmax、約4時間~約6時間のTmaxを特徴とする、方法。
項15.
発作の頻度を減らすことを必要としている患者に対しそれを実施する方法であって、前記患者に前記医薬組成物の1種または複数の漸増用量の投与、およびそれに続く、前記医薬組成物の維持用量の投与を含み、前記漸増用量が、約0.25mg BID~約2.5mg BIDを含み、前記維持用量が、約1.5mg BID~4.0mg BIDを含む、方法。
項16.
前記患者が、約50%を超える発作頻度の減少を有する、項15に記載の方法。
項17.
発作の頻度を減らすことを必要としている患者に対しそれを実施する方法であって、前記患者に、治療有効量のフペルジンを含む医薬組成物の投与を含む、方法。
項18.
前記フペルジンの治療有効量が、約1.5mg~約4.0mgの1日2回投与量である、項17に記載の方法。
【外国語明細書】