(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004191
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】アンテナモジュール
(51)【国際特許分類】
H01Q 23/00 20060101AFI20240109BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20240109BHJP
H01Q 1/48 20060101ALI20240109BHJP
H01Q 1/50 20060101ALI20240109BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H01Q23/00
H01Q1/38
H01Q1/48
H01Q1/50
H01L25/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103720
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 正裕
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021CA05
5J021JA07
5J021JA08
5J046AA03
5J046AA07
5J046TA03
(57)【要約】
【課題】小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にするアンテナモジュールを提供する。
【解決手段】アンテナモジュール1は、本体部2と、本体部2の特定の側面23を覆うアンテナ電極31を含むアンテナ3と、アンテナ電極31と接触しないように本体部2の天面21を覆うシールド電極4とを備える。本体部2は、基板5と、基板5に実装される複数の電子部品61,62と、基板5の第1主面51を覆う第1誘電体層71と、基板5の第2主面52を覆う第2誘電体層72と、第1誘電体層71を貫通する柱状であり基板5をシールド電極4に接続する第1グランド接続電極81と、第2誘電体層72を貫通する柱状であり外部基板100のグランドへの基板5の接続に用いられる第2グランド接続電極82とを備える。第2グランド接続電極82は、本体部2の高さ方向から見てシールド電極4の内側にある。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向における天面及び底面、並びに複数の側面を有する本体部と、
前記複数の側面のうちの特定の側面を覆うアンテナ電極を含むアンテナと、
前記アンテナ電極と接触しないように前記天面を覆うシールド電極と、
を備え、
前記本体部は、
第1主面と第2主面を有する基板と、
前記基板に実装され、前記アンテナに接続される複数の電子部品と、
前記第1主面を覆い、前記天面を規定する第1誘電体層と、
前記第2主面を覆い、前記底面を規定する第2誘電体層と、
前記第1誘電体層を貫通する柱状であり、前記基板を前記シールド電極に接続する第1グランド接続電極と、
前記第2誘電体層を貫通する柱状であり、外部基板のグランドへの前記基板の接続に用いられる第2グランド接続電極と、
を備え、
前記第2グランド接続電極は、前記高さ方向から見て前記シールド電極の内側にある、
アンテナモジュール。
【請求項2】
前記アンテナ電極は、前記高さ方向において、前記第1誘電体層及び前記第2誘電体層間に跨る、
請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項3】
前記アンテナ電極は、前記特定の側面における前記底面側の端部が露出するように前記特定の側面を覆う、
請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項4】
前記アンテナ電極の全部が前記特定の側面内に位置する、
請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項5】
前記アンテナ電極は、前記特定の側面内において前記高さ方向に直交する方向では、前記特定の側面の全体を覆う、
請求項1に記載のアンテナモジュール。
【請求項6】
前記アンテナは、前記基板に位置し、前記アンテナ電極に接続される調整回路を含み、
前記調整回路は、前記アンテナの電気長を調整するための配線部と前記アンテナの周波数を調整するための調整素子との少なくとも一つを含み、
前記調整回路は、前記高さ方向から見て、前記アンテナ電極と前記シールド電極との間にある、
請求項1~5のいずれか一つに記載のアンテナモジュール。
【請求項7】
前記調整回路は、前記配線部を含み、
前記高さ方向における前記アンテナ電極の寸法は、前記配線部の幅より大きい、
請求項6に記載のアンテナモジュール。
【請求項8】
前記配線部は、前記高さ方向及び前記特定の側面の法線に交差する方向に延びる部位を含む、
請求項7に記載のアンテナモジュール。
【請求項9】
前記本体部は、複数の前記第1グランド接続電極と、複数の前記第2グランド接続電極とを備え、
前記複数の第1グランド接続電極は、2以上の第1グランド接続電極が前記高さ方向及び前記特定の側面の法線に交差する所定方向に並ぶ1以上の第1列を含み、
前記複数の第2グランド接続電極は、2以上の第2グランド接続電極が前記所定方向に並ぶ1以上の第2列を含み、
前記1以上の第2列のうち最も前記アンテナ電極に近い第2列の第2グランド接続電極の数は、前記1以上の第1列のうち最も前記アンテナ電極に近い第1列の第1グランド接続電極の数より少ない、
請求項1~5のいずれか一つに記載のアンテナモジュール。
【請求項10】
前記本体部は、補助接続電極を備え、
前記補助接続電極は、前記第2誘電体層を貫通する柱状であり、前記外部基板の前記グランドとは異なる部位への前記基板の接続に用いられ、
前記補助接続電極は、前記高さ方向から見て、前記アンテナ電極と前記シールド電極との間にある、
請求項1~5のいずれか一つに記載のアンテナモジュール。
【請求項11】
前記本体部は、入出力接続電極を備え、
前記入出力接続電極は、前記第2誘電体層を貫通する柱状であり、前記外部基板の入出力部への前記基板の接続に用いられ、
前記入出力接続電極は、前記高さ方向から見て前記シールド電極の内側にある、
請求項10に記載のアンテナモジュール。
【請求項12】
前記複数の電子部品は、前記第1主面に実装される第1電子部品と、前記第2主面に実装される第2電子部品とを含み、
前記第1誘電体層は、前記第1電子部品とともに前記第1主面を覆い、
前記第2誘電体層は、前記第2電子部品とともに前記第2主面を覆う、
請求項1~5のいずれか一つに記載のアンテナモジュール。
【請求項13】
前記第2誘電体層は、前記特定の側面における前記底面側の端部に対応する部位に突起を有する、
請求項1~5のいずれか一つに記載のアンテナモジュール。
【請求項14】
前記アンテナ電極は、前記特定の側面を覆う第1部位と、前記第1部位から前記突起に沿って延びる第2部位とを有する、
請求項13に記載のアンテナモジュール。
【請求項15】
前記シールド電極は、前記複数の側面のうち前記特定の側面を除く1以上の側面を覆う、
請求項1~5のいずれか一つに記載のアンテナモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アンテナモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、アンテナ一体型モジュールを開示する。特許文献1に開示されたアンテナ一体型モジュールは、無線領域とアンテナ領域とがその一方主面に設けられた基板と、無線領域およびアンテナ領域を被覆するように基板の一方主面に設けられた樹脂封止層とを備えている。樹脂封止層は、無線領域およびアンテナ領域を被覆するように基板の一方主面に充填されることにより形成される。
【0003】
基板の無線領域には無線機能部が配置されている。無線機能部は、無線領域に搭載されて樹脂封止層に内蔵された少なくともRFICを含む電子部品と、樹脂封止層の無線領域側の表面に設けられたシールド層とを備えている。
【0004】
基板のアンテナ領域にはアンテナ部が配置されている。アンテナ部は、アンテナ領域に設けられた整合回路と、樹脂封止層のアンテナ領域側の表面にシールド層と分離して設けられたアンテナ導体とを備えている。
【0005】
基板の他方主面には、アンテナ一体型モジュールを外部に接続するための電極として、無線機能部と内部配線パターンにより接続された信号電極と、アンテナ導体と内部配線パターンにより接続されたアンテナ電極と、シールド電極と内部配線パターンにより接続されたグランド電極とが形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
近年、第5世代移動通信システム(5G)、第6世代移動通信システム(6G)等の、超高速・大容量の通信を実現するための種々のデバイスの研究開発が進められている。この種の超高速・大容量の通信分野においては、電子部品が大型化する傾向にある。しかしながら、このような電子部品を搭載するアンテナモジュールとしては小型化が求められる。
【0008】
特許文献1に記載のアンテナ一体型モジュールにおいては、より大型の電子部品を利用するためには、電子部品を実装するスペースを確保するために基板のサイズを大きくするか、アンテナ一体型モジュールの構成部品間の距離等を縮める必要がある。基板のサイズが大きくなると、アンテナ一体型モジュールのサイズも大きくなるため、アンテナ一体型モジュールを設置するために必要な面積も大きくなる。一方で、アンテナ一体型モジュールの構成部品間の距離等を縮めた場合には、アンテナ特性が低下する可能性がある。
【0009】
本開示は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にするアンテナモジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様にかかるアンテナモジュールは、高さ方向における天面及び底面、並びに複数の側面を有する本体部と、複数の側面のうちの特定の側面を覆うアンテナ電極を含むアンテナと、前記アンテナ電極と接触しないように天面を覆うシールド電極と、を備える。本体部は、第1主面と第2主面を有する基板と、基板に実装され、アンテナに接続される複数の電子部品と、第1主面を覆い、天面を規定する第1誘電体層と、第2主面を覆い、底面を規定する第2誘電体層と、第1誘電体層を貫通する柱状であり、基板をシールド電極に接続する第1グランド接続電極と、第2誘電体層を貫通する柱状であり、外部基板のグランドへの基板の接続に用いられる第2グランド接続電極と、を備える。第2グランド接続電極は、高さ方向から見てシールド電極の内側にある。
【発明の効果】
【0011】
本開示の態様は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施の形態にかかるアンテナモジュールの構成例の斜視図
【
図5】
図1のアンテナモジュールの一部を省略した平面図
【
図7】変形例1にかかるアンテナモジュールの構成例の断面図
【
図8】変形例2にかかるアンテナモジュールの構成例の断面図
【
図9】変形例3にかかるアンテナモジュールの構成例の断面図
【
図10】
図1のアンテナモジュールのアンテナ特性のグラフ
【
図11】
図7のアンテナモジュールのアンテナ特性のグラフ
【発明を実施するための形態】
【0013】
[1.実施の形態]
以下、場合によって図面を参照しながら、本開示の実施の形態について説明する。ただし、以下の実施の形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容(例えば、各構成要素の形状、寸法、配置等)に限定する趣旨ではない。上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。以下の実施の形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。また、各要素の寸法比率は図面に図示された比率に限られるものではない。
【0014】
なお、以下の説明において、複数ある構成要素を互いに区別する必要がある場合には、「第1」、「第2」等の接頭辞を構成要素の名称に付すが、構成要素に付した符号により互いに区別可能である場合には、文章の読みやすさを考慮して、「第1」、「第2」等の接頭辞を省略する場合がある。
【0015】
本開示の回路構成において、「接続される」とは、接続端子及び/又は配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路部品を介して電気的に接続される場合も含む。また、「A及びBの間に接続される」とは、A及びBの間でA及びBの両方に接続されることを意味する。「電気的に接続される」は、「直接的又は間接的に接触して電気的に接続される」ことを意味する。
【0016】
[1.1 構成]
図1は、本実施の形態にかかるアンテナモジュール1の構成例の斜視図である。
図2は、
図1のアンテナモジュール1の側面図である。以下の説明では、単に説明を分かりやすくことだけを目的として、
図1に示すXYZの3軸の直交座標系を参照する。
【0017】
アンテナモジュール1は、所定の周波数帯域で通信するために機器に搭載される。例えば、
図2に示すように、アンテナモジュール1は、外部基板100に実装される。外部基板100は、例えば、スマートホン、タブレット等の情報端末の実装基板である。
【0018】
図1及び
図2のアンテナモジュール1は、本体部2と、アンテナ3と、シールド電極4とを備える。
【0019】
図1の本体部2は、高さ方向(
図1におけるZ方向)における天面21及び底面22、並びに複数の側面23~26を有する。
【0020】
図2は、
図1のアンテナモジュール1の側面図である。底面22は、本体部2において、本体部2を実装する外部基板100と対向する面であり、天面21は、底面22とは反対側の面である。本実施の形態において、天面21と底面22とが対向する方向を、高さ方向という。本体部2の高さ方向は、本体部2の実装の仕方、及び、外部基板100の配置等によっては、鉛直方向と一致する場合もあるし、鉛直方向と一致しない場合もある。
【0021】
図1の本体部2は、直方体状であり、4つの側面23~26を有する。4つの側面23~26は、本体部2の高さ方向に直交する第1方向(
図1におけるX方向)の両側面23,24、及び、本体部2の高さ方向及び第1方向に直交する第2方向(
図1におけるY方向)の両側面25,26を含む。本実施の形態において、本体部2の第1方向の寸法は、本体部2の第2方向の寸法より大きい。よって、第1方向は、本体部2の長さ方向、第2方向は本体部2の幅方向であるといえる。
【0022】
図1の本体部2は、更に、突起27を有する。突起27は、複数の側面23~26のうちの特定の側面23にある。突起27については後述する。
【0023】
図3は、アンテナモジュール1の断面図である。
図3は、
図6のA-A線断面図である。
【0024】
図3に示すように、本体部2は、基板5と、複数の電子部品(第1電子部品61及び第2電子部品62)と、第1誘電体層71と、第2誘電体層72と、を備える。
【0025】
基板5は、第1主面51と第2主面52を有する。第2主面52は、第1主面51とは反対側の面である。第1主面51及び第2主面52は、例えば、基板5の厚み方向の両面である。本実施の形態において、基板5の厚み方向は、本体部2の高さ方向に対応する。
【0026】
基板5は、例えば、誘電体基板である。誘電体基板の例としては、低温同時焼成セラミックス(LTCC)多層基板、エポキシ、ポリイミド等の樹脂から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、より低い誘電率を有する液晶ポリマ(LCP)から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、フッ素系樹脂から構成される樹脂層を複数積層して形成された多層樹脂基板、及び、LTCC以外のセラミックス多層基板が挙げられる。
【0027】
複数の電子部品は、基板5に実装され、アンテナ3に接続される。複数の電子部品は、アンテナ3により通信をするための通信回路を構成する。電子部品の例としては、例えば、スイッチ回路、スイッチ集積回路、フィルタ回路、電力増幅回路、信号処理回路(RFIC、BBIC等)、整合回路、各種のチップ部品(キャパシタ、インダクタ等)が挙げられる。
【0028】
本実施の形態において、複数の電子部品は、第1電子部品61及び第2電子部品62を含む。第1電子部品61は、第1主面51に実装され、第2電子部品62は、第2主面52に実装される。本実施の形態においては、基板5の第1主面51及び第2主面52の両方に電子部品が実装されているから、基板5の第1主面51及び第2主面52のいずれか一方だけに電子部品が実装される場合に比べれば、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0029】
第1誘電体層71は、第1主面51を覆い、天面21を規定する。本実施の形態において、第1電子部品61が第1主面51に実装されており、第1誘電体層71は、第1電子部品61とともに第1主面51を覆う。天面21は、第1誘電体層71における基板5とは反対側の面(
図2における上面)である。第1誘電体層71の材料は、絶縁性を有する樹脂材料である。第1誘電体層71の材料の例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂等のモールド用の一般的な熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0030】
第2誘電体層72は、第2主面52を覆い、底面22を規定する。本実施の形態において、第2電子部品62が第2主面52に実装されており、第2誘電体層72は、第2電子部品62とともに第2主面52を覆う。底面22は、第2誘電体層72における基板5とは反対側の面(
図2における下面)である。第2誘電体層72の材料は、絶縁性を有する樹脂材料である。第2誘電体層72の材料の例としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂等のモールド用の一般的な熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0031】
図4は、アンテナモジュール1の平面図である。
図4の本体部2において、高さ方向(
図1におけるZ方向)から見て、基板5、第1誘電体層71及び第2誘電体層73の外周形状は等しい。よって、
図1に示すように、本体部2の複数の側面23~26の各々は、基板5、第1誘電体層71及び第2誘電体層73の対応する側面により構成される。
【0032】
上述した突起27は、第2誘電体層72の一部である。
図1及び
図2に示すように、突起27は、特定の側面23における底面22側の端部に位置する。つまり、第2誘電体層27は、特定の側面23における底面22側の端部に対応する部位に突起27を有する。
図1に示すように、突起27は、直方体状である。突起27は、第2方向において、特定の側面23の全体に及ぶ。
【0033】
このように、本実施の形態において、本体部2の表面(天面21、底面22、複数の側面23~26)は、基板5、第1誘電体層71及び第2誘電体層72によって規定される。
【0034】
アンテナ3及びシールド電極4は、本体部2に設けられる。
【0035】
アンテナ3は、例えば、接地型λ/4モノポールアンテナを構成する。アンテナ3の形状は、アンテナ3での通信に利用する周波数帯域に応じて決定される。一例として、周波数帯域は、Bluetooth(登録商標)の周波数帯域(例えば、約2.4GHz)が挙げられる。
【0036】
図1のアンテナ3は、複数の側面23~26のうちの特定の側面23を覆うアンテナ電極31を含む。本実施の形態において、アンテナ電極31の全部が特定の側面23内に位置する。つまり、アンテナ電極31は、特定の側面23を除く面、すなわち、天面21及び底面22並びに複数の側面24~26には位置しない。これにより、アンテナ3の小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0037】
図2のアンテナ電極31は、高さ方向において、第1誘電体層71及び第2誘電体層72間に跨る。この構成は、アンテナ電極31が第1誘電体層71内に収まる場合に比べて、アンテナ電極31の面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0038】
本実施の形態において、アンテナ電極31は、第1部位311と第2部位312とを有する。
【0039】
第1部位311は、特定の側面23において、特定の側面23の天面21側の端から、突起27までの領域を覆う。したがって、アンテナ電極31は、特定の側面23における底面22側の端部が露出するように特定の側面23を覆う。これによって、アンテナ電極31が特定の側面23の天面21側の端から底面22の端まで及ぶ場合に比べれば、アンテナ電極31と外部基板100との距離を大きくでき、外部基板100とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減できる。本実施の形態において、本体部2は、特定の側面23における底面22側の端部に突起27を有する。これによっても、外部基板100とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減できる。ここで、突起27の高さ方向の寸法は、外部基板100からアンテナ電極31の第1部位311を離間させる距離に応じて設定される。
【0040】
第2部位312は、第1部位311から突起27に沿って延びる。本体部2の第2方向から見て、アンテナ電極31はL字形である。この構成は、アンテナ電極31が第1部位311だけの場合比べて第2部位312の分だけ、アンテナ電極31の面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。ここで、突起27の第1方向の寸法、つまり、突起27の突出寸法は、後述する第2部位312の長さに応じて適宜設定される。本実施の形態において、突起27の第1方向の寸法は、特に限定されないが、本体部2の第1方向の寸法の15%である。
【0041】
図1に示すように、アンテナ電極31は、特定の側面23内(
図1におけるYZ平面内)において高さ方向(
図1におけるZ方向)に直交する方向(第2方向、
図1におけるY方向)では、特定の側面23の全体を覆う。つまり、アンテナ電極31は、特定の側面23の第2方向の両端間に跨る。これにより、アンテナ電極31の面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0042】
アンテナ3は、更に、アンテナ電極31に接続される調整回路32を含む。調整回路32は、基板5に位置する。調整回路32については後述する。
【0043】
シールド電極4は、基板5に実装される電子部品(第1電子部品61、第2電子部品62)に対する電磁界遮蔽機能のために設けられる。
図1に示すように、シールド電極4は、アンテナ電極31と接触しないように本体部2の天面21を覆う。本実施の形態において、シールド電極4は、天面21に加えて、アンテナ電極31と接触しないように、複数の側面23~26のうち特定の側面23を除く側面24~26を覆う。これにより、シールド電極4によるシールド効果(電磁界遮蔽機能)の向上を可能にする。より詳細には、シールド電極4は、天面21を覆う天面部41と、側面24,25,26をそれぞれ覆う側面部42,43,44とを含む。
【0044】
天面部41は、高さ方向(Z方向)から見て矩形状である。天面部41は、第2方向において天面21の全体を覆うが、第1方向において天面21における特定の側面23側の端部を露出させる。より詳細には、
図4に示すように、天面部41における特定の側面23側の端(
図4の右端)は、アンテナ電極31から離間している。側面部42は、第1方向(X方向)から見て矩形状である。側面部42は、高さ方向及び第2方向の各々において側面24の全体を覆う。側面部43,44は、第2方向(Y方向)から見て矩形状である。側面部43,44は、高さ方向において側面25,26の全体を覆うが、第1方向において側面25,26の特定の側面23側の端部を露出させる。より詳細には、
図4に示すように、側面部43,44における特定の側面23側の端(
図4の右端)は、アンテナ電極31から離間している。
【0045】
シールド電極4は、シールド電極4とアンテナ電極31との間の隙間g1から、本体部2の一部が露出するように、本体部2に配置される。本体部2において隙間g1から露出する一部は、本体部2においてシールド電極4により覆われていない部分であるから、基板5においてアンテナの配置に利用可能な部分である。基板5においてアンテナの配置に利用可能な部分を、以下では、アンテナエリア2aという。隙間g1の大きさは、シールド電極4とアンテナ電極31とが互いに影響を及ぼさないように、適宜設定される。
【0046】
図5は、アンテナモジュール1の一部を省略した平面図である。
図5においては、シールド電極4及び第1誘電体層71が省略されている。
図5において、破線L1は、シールド電極4における特定の側面23側の端の位置を示す。
【0047】
図4及び
図5に示すように、アンテナ3の調整回路32は、高さ方向から見て、アンテナ電極31とシールド電極4との間にある。つまり、調整回路32は、基板5においてアンテナエリア2aに位置する。調整回路32は、アンテナ電極31に接続され、配線部33と、調整素子34とを含む。配線部33は、アンテナ3の電気長を調整するために用いられる。アンテナ3の電気長は、配線部33及びアンテナ電極31の形状により決まる。配線部33の形状を適宜設定することで、アンテナ3の電気長の調整が可能である。調整素子34は、アンテナ3の周波数(共振周波数)を調整するために用いられる。調整素子34の例としては、キャパシタ、インダクタが挙げられる。
図5において、調整素子34は、配線部33の途中、又は、配線部33の一部とグランドとの間に配置され得る。アンテナ3は、調整回路32を備えており、アンテナ3の性能を所望の性能に設定しやすくできる。
【0048】
図5の配線部33は、第1方向に延びて電子部品に接続される部位33aと、部位33aから第2方向に延びる部位33bと、部位33bから第1方向に延びてアンテナ電極31に接続される部位33bとを含む。このように、配線部33は、高さ方向(Z方向)及び特定の側面23の法線(X方向)に交差する方向(Y方向)に延びる部位33bを含む。部位33bの長さを調整することで、配線部33全体の長さを調整できる。これによって、アンテナ3の電気長を所望の電気長に設定しやすくできる。
【0049】
本実施の形態において、高さ方向におけるアンテナ電極31の寸法d1(
図2参照)は、配線部33の幅d2(
図5参照)より大きい。この構成は、アンテナ3の先端側が基端側よりも太くなるから、アンテナ特性の向上を可能にする。配線部33の幅d2が狭いことで、外部基板100のグランドとの間に生じ得る容量結合を低減でき得る。なお、高さ方向におけるアンテナ電極31の寸法d1は、高さ方向におけるアンテナ電極31の第1部位311の寸法に等しい。
【0050】
図5の基板5は、シールド電極4に接続されるグランドパターン511を備える。本実施の形態において、グランドパターン511は、高さ方向から見てシールド電極4の内側にある。グランドパターン511は、例えば、基板5の第1主面51に形成される。グランドパターン511は、例えば、基板5において電子部品が実装される実装領域51aを囲うように配置される。グランドパターン511は、実装領域51aとアンテナエリア2aとをつなぐ通路511aを有する。通路511a内には、アンテナ3と電子部品(
図5では、第1電子部品61)との接続のための接続線路512が、グランドパターン511とは分離して形成される。本実施の形態において、接続線路512は、第1電子部品61を、アンテナ3の配線部33の部位33aに接続する。これによって、第1電子部品61がアンテナ電極31に接続される。
【0051】
図2及び
図3に示すように、本体部2は、更に、第1グランド接続電極81と、第2グランド接続電極82と、入出力接続電極83と、補助接続電極84とを備える。
【0052】
第1グランド接続電極81は、基板5をシールド電極4に接続するために用いられる。より詳細には、第1グランド接続電極81は、基板5のグランドパターン511をシールド電極4に接続するために用いられる。
図3に示すように、第1グランド接続電極81は、第1誘電体層71を貫通する柱状である。第1グランド接続電極81の材料は、例えば、銅の金属である。第1グランド接続電極81は、金属製の柱状電極(ポストとも呼ばれる)である。本実施の形態では、第1グランド接続電極81の端部が天面21から露出し、シールド電極4の天面部41に直接的に接触している。
【0053】
本実施の形態において、本体部2は、複数(
図4では2個)の第1グランド接続電極81を備える。
図4及び
図5において、2個の第1グランド接続電極81が、高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向(Y方向)に並ぶ第1列811を構成する。
図5において、第1列811は、高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある。第1列811は、高さ方向(Z方向)から見て、シールド電極4の内側において、特定の側面23側に位置する。
【0054】
第2グランド接続電極82は、外部基板100のグランドへの基板5の接続に用いられる(
図2参照)。本体部2は、基板5の第2主面52を覆う第2誘電体層72を備えるため、基板5を外部基板100のグランドに接続するために、第2グランド接続電極82が設けられる。より詳細には、第2グランド接続電極82は、基板5のグランドパターン511をシールド電極4に接続するために用いられる。
図3に示すように、第2グランド接続電極82は、第2誘電体層72を貫通する柱状である。本実施の形態において、第2グランド接続電極82の直径は、第1グランド接続電極81の直径より小さいが、特に限定されない。第2グランド接続電極82の材料は、例えば、銅の金属である。第2グランド接続電極82は、金属製の柱状電極(ポストとも呼ばれる)である。本実施の形態では、第2グランド接続電極82の端部が底面22から露出している。よって、バンプ9等によって、第2グランド接続電極82を外部基板100のグランドに接続可能である。
【0055】
第2グランド接続電極82は、外部基板100のグランドに接続されることから、アンテナ電極31から見れば、シールド電極4と等価である。よって、第2グランド接続電極82がアンテナ電極31に近付くことは、シールド電極4がアンテナ電極31に近付くことと同義である。そのため、第2グランド接続電極82は、高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある。これによって、シールド電極4とアンテナ電極31との距離が、第2グランド接続電極82によって近付いたように見える可能性を低減できる。そのため、第2グランド接続電極82を設けた場合であっても、アンテナ性能の向上を図ることができ得る。
【0056】
図6は、アンテナモジュール1の底面図である。本実施の形態において、
図6に示すように、本体部2は、複数(
図6では12個)の第2グランド接続電極82を備える。
図6において、12個の第2グランド接続電極82が、高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向(Y方向)に並ぶ第2列821,822を構成する。第2列821,822の各々において、第2グランド接続電極82の数は6個である。
図6において、第2列821,822は、高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある。第2列821は、高さ方向(Z方向)から見て、シールド電極4の内側において、側面24側に位置する。第2列822は、高さ方向(Z方向)から見て、シールド電極4の内側において、特定の側面23側に位置する。
【0057】
本体部2において、複数の第1グランド接続電極81は、2以上の第1グランド接続電極81が高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向に並ぶ第1列811を含む。複数の第2グランド接続電極82は、2以上の第2グランド接続電極82が高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向に並ぶ第2列821,822を含む。ここで、第2列821,822のうち最もアンテナ電極31に近い第2列822の第2グランド接続電極82の数は、第1列811の第1グランド接続電極81の数より少ない。そのため、シールド電極4とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減でき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0058】
入出力接続電極83は、外部基板100の入出力部への基板5の接続に用いられる(
図2参照)。外部基板100の入出力部の例としては、アンテナモジュール1との間で電力のやり取りをするための電源入力端子又は電源出力端子、アンテナモジュール1との間で通信信号のやり取りをするための通信信号入力端子又は通信信号出力端子、アンテナモジュール1との間で制御信号のやり取りをするための制御信号入力端子又は制御信号出力端子等が挙げられる。より詳細には、第2グランド接続電極82は、基板5の電子部品を外部基板100に接続するために用いられる。
図3に示すように、入出力接続電極83は、第2誘電体層72を貫通する柱状である。入出力接続電極83の材料は、例えば、銅の金属である。入出力接続電極83は、金属製の柱状電極(ポストとも呼ばれる)である。本実施の形態では、入出力接続電極83の端部が底面22から露出している。よって、バンプ9等によって、入出力接続電極83を外部基板100の入出力部に接続可能である。
【0059】
図6の入出力接続電極83は、高さ方向(Z方向)から見て、シールド電極4の内側にある。本実施の形態において、
図6に示すように、本体部2は、複数(
図6では14個)の入出力接続電極83を備える。
図6において、14個の入出力接続電極83が、特定の側面23の法線に沿った方向(第1方向、X方向)に並ぶ第3列831,832を構成する。第3列831,832の各々において、入出力接続電極83の数は7個である。
図6において、第3列831,832は、高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある。第3列831は、高さ方向(Z方向)から見て、シールド電極4の内側において、側面25側に位置する。第3列832は、高さ方向(Z方向)から見て、シールド電極4の内側において、側面26側に位置する。また、第3列831,832は、高さ方向(Z方向)から見て、第2列821,822の間にある。この構成は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0060】
補助接続電極84は、外部基板100のグランドとは異なる部位への基板5の接続に用いられる。本実施の形態において、補助接続電極84は、外部基板100のグランド及び入出力部とは異なる部位である補助接続部への基板5の接続に用いられる。補助接続部の例としては、ダミー電極、アンテナ機能拡張電極が挙げられる。ダミー電極は、補助接続電極84の固定のみを目的として設けられ、グランド又は入出力部とは異なり、電気回路の実質的な機能を有さない電極である。この場合には、補助接続電極84も、アンテナモジュール1の動作、特性に影響が生じないように、基板5に接続される。アンテナ機能拡張電極は、アンテナ3の機能の拡張のための電極である。具体的には、アンテナ機能拡張電極は、アンテナ3の電気長、周波数等の調整のために外部基板100に設けられたアンテナ回路に、アンテナ3を接続するために用いられる。この場合には、補助接続電極84は、基板5を通じてアンテナ3に接続され得る。
【0061】
図3に示すように、補助接続電極84は、第2誘電体層72を貫通する柱状である。補助接続電極84の材料は、例えば、銅の金属である。補助接続電極84は、金属製の柱状電極(ポストとも呼ばれる)である。本実施の形態では、補助接続電極84の端部が底面22から露出している。よって、バンプ9等によって、補助接続電極84を外部基板100の補助接続部に接続可能である。
【0062】
図6の補助接続電極84は、高さ方向(Z方向)から見て、アンテナ電極31とシールド電極4との間(アンテナエリア2a)にある。これによって、高さ方向から見たアンテナ電極31とシールド電極4との間において、アンテナモジュール1を外部基板100に実装できて、外部基板100に対するアンテナモジュール1の実装の安定性の向上を可能にする。本実施の形態においては、アンテナ性能を考慮し、グランドに接続される第2グランド接続電極82が、高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある。そのため、第2グランド接続電極82がアンテナ電極31とシールド電極4との間にある場合とは異なり、アンテナ電極31とシールド電極4との間において本体部2が外部基板100に支持されないため、実装の安定度が低下し得る。しかしながら、本実施の形態においては、グランドに接続されず、アンテナ性能に影響しない補助接続電極84をアンテナ電極31とシールド電極4との間に設けており、補助接続電極84が外部基板100に実装されることで、アンテナモジュール1をバランスよく外部基板100に実装可能となる。
【0063】
本実施の形態において、
図6に示すように、本体部2は、複数(
図6では6個)の補助接続電極84を備える。
図6において、6個の補助接続電極84が、高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向(Y方向)に並ぶ第4列841を構成する。
図6において、第4列841は、高さ方向(Z方向)から見てアンテナ電極31とシールド電極4との間(アンテナエリア2a)にある。これによって、外部基板100に対するアンテナモジュール1の実装の安定性のさらなる向上を可能にする。
【0064】
[1.2 評価]
上述したように、アンテナモジュール1では、第2グランド接続電極82は、高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある。これによって、シールド電極4とアンテナ電極31との距離が、第2グランド接続電極82によって近付いたように見える可能性を低減できる。そのため、第2グランド接続電極82を設けた場合であっても、アンテナ性能の向上を図ることができ得る。第2グランド接続電極82が高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にあることによる効果を確かめるため、第2グランド接続電極82が高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4の内側にある構成(本実施の形態の構成)と、第2グランド接続電極82が高さ方向(Z方向)から見てシールド電極4とアンテナ電極31との間(アンテナエリア2a)にある構成(比較例の構成)とで、アンテナ効率を評価した。
【0065】
下表1は、本実施の形態の構成と、比較例の構成とにおけるアンテナ効率[dB]を示す。アンテナ効率は、アンテナの入力電力に対する放射電力で求められる。
【0066】
【0067】
表1から、本実施の形態の構成のほうが比較例の構成よりもアンテナ効率が良いことが確認された。
【0068】
[1.3 効果等]
以上述べたアンテナモジュール1は、高さ方向における天面21及び底面22、並びに複数の側面23~26を有する本体部2と、複数の側面23~26のうちの特定の側面23を覆うアンテナ電極31を含むアンテナ3と、アンテナ電極31と接触しないように天面21を覆うシールド電極4と、を備える。本体部2は、第1主面51と第2主面52を有する基板5と、基板5に実装され、アンテナ3に接続される複数の電子部品(第1電子部品61,第2電子部品62)と、第1主面51を覆い、天面21を規定する第1誘電体層71と、第2主面52を覆い、底面22を規定する第2誘電体層72と、第1誘電体層71を貫通する柱状であり、基板5をシールド電極4に接続する第1グランド接続電極81と、第2誘電体層72を貫通する柱状であり、外部基板100のグランドへの基板5の接続に用いられる第2グランド接続電極82と、を備える。第2グランド接続電極82は、高さ方向から見てシールド電極4の内側にある。この構成は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0069】
アンテナモジュール1において、アンテナ電極31は、高さ方向において、第1誘電体層71及び第2誘電体層72間に跨る。この構成は、アンテナ電極31の面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0070】
アンテナモジュール1において、アンテナ電極31は、特定の側面23における底面22側の端部が露出するように特定の側面23を覆う。この構成は、外部基板100とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減できる。
【0071】
アンテナモジュール1において、アンテナ電極31の全部が特定の側面23内に位置する。この構成は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0072】
アンテナモジュール1において、アンテナ電極31は、特定の側面23内において高さ方向に直交する方向では、特定の側面23の全体を覆う。この構成は、アンテナ電極31の面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0073】
アンテナモジュール1において、アンテナ3は、基板5に位置し、アンテナ電極31に接続される調整回路32を含む。調整回路32は、アンテナ3の電気長を調整するための配線部33とアンテナ3の周波数を調整するための調整素子34との少なくとも一つを含む。調整回路32は、高さ方向から見て、アンテナ電極31とシールド電極4との間にある。この構成は、アンテナ3の性能を所望の性能に設定しやすくできる。
【0074】
アンテナモジュール1において、調整回路32は、配線部33を含む。高さ方向におけるアンテナ電極31の寸法d1は、配線部33の幅d2より大きい。この構成は、アンテナ3の先端側が基端側よりも太くなるから、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0075】
アンテナモジュール1において、配線部33は、高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する方向に延びる部位33bを含む。この構成は、アンテナ3の電気長を所望の電気長に設定しやすくできる。
【0076】
アンテナモジュール1において、本体部2は、複数の第1グランド接続電極81と、複数の第2グランド接続電極82とを備える。複数の第1グランド接続電極81は、2以上の第1グランド接続電極81が高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向に並ぶ1以上の第1列811を含む。複数の第2グランド接続電極82は、2以上の第2グランド接続電極82が所定方向に並ぶ1以上の第2列821,822を含む。1以上の第2列821,822のうち最もアンテナ電極31に近い第2列822の第2グランド接続電極82の数は、1以上の第1列811のうち最もアンテナ電極31に近い第1列811の第1グランド接続電極81の数より少ない。この構成は、シールド電極4とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減でき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0077】
アンテナモジュール1において、本体部2は、補助接続電極84を備える。補助接続電極84は、第2誘電体層72を貫通する柱状であり、外部基板100のグランドとは異なる部位への基板5の接続に用いられる。補助接続電極84は、高さ方向から見て、アンテナ電極31とシールド電極4との間にある。この構成は、高さ方向から見たアンテナ電極31とシールド電極4との間において、アンテナモジュール1を外部基板100に実装できて、外部基板100に対するアンテナモジュール1の実装の安定性の向上を可能にする。
【0078】
アンテナモジュール1において、本体部2は、入出力接続電極83を備える。入出力接続電極83は、第2誘電体層72を貫通する柱状であり、外部基板100の入出力部への基板5の接続に用いられる。入出力接続電極83は、高さ方向から見てシールド電極4の内側にある。この構成は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0079】
アンテナモジュール1において、複数の電子部品(第1電子部品61,第2電子部品62)は、第1主面51に実装される第1電子部品61と、第2主面52に実装される第2電子部品62とを含む。第1誘電体層71は、第1電子部品61とともに第1主面51を覆う。第2誘電体層72は、第2電子部品62とともに第2主面52を覆う。この構成は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0080】
アンテナモジュール1において、第2誘電体層72は、特定の側面23における底面22側の端部に対応する部位に突起27を有する。この構成は、外部基板100とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減できる。
【0081】
アンテナモジュール1において、アンテナ電極31は、特定の側面23を覆う第1部位311と、第1部位311から突起27に沿って延びる第2部位312とを有する。この構成は、アンテナ電極31の面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0082】
アンテナモジュール1において、シールド電極4は、複数の側面23~26のうち特定の側面23を除く1以上の側面24~26を覆う。この構成は、シールド電極4によるシールド効果の向上を可能にする。
【0083】
[2.変形例]
本開示の実施の形態は、上記実施の形態に限定されない。上記実施の形態は、本開示の課題を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施の形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0084】
図7は、変形例1にかかるアンテナモジュール1Aの構成例の断面図である。
図7のアンテナモジュール1Aは、本体部2Aと、アンテナ3Aと、シールド電極4とを備える。
図7の本体部2Aは、上記実施の形態のアンテナモジュール1の本体部2と同様に、天面21、底面22、及び複数の側面23~26を有するが、突起27を有していない。
【0085】
図7のアンテナ3Aにおいて、アンテナ電極31Aの全部が特定の側面23内に位置する。これにより、アンテナ3Aの小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
図7のアンテナ電極31Aは、高さ方向において、第1誘電体層71及び第2誘電体層72間に跨る。これにより、アンテナ電極31Aが第1誘電体層71内に収まる場合に比べて、アンテナ電極31Aの面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0086】
特に、アンテナ電極31Aは、特定の側面23において、特定の側面23の天面21側の端から、特定の側面23の底面22側の端までの領域を覆う。したがって、アンテナ電極31Aは、高さ方向において、特定の側面23の全体を覆う。これにより、アンテナ電極31Aの面積を大きくできる。
【0087】
アンテナ電極31Aは、アンテナ電極31と同様に、特定の側面23内において高さ方向に直交する方向(第2方向、
図1におけるY方向)では、特定の側面23の全体を覆う。つまり、アンテナ電極31Aは、特定の側面23の第2方向の両端間に跨る。これにより、アンテナ電極31Aの面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0088】
図8は、変形例2にかかるアンテナモジュール1Bの構成例の断面図である。
図8のアンテナモジュール1Bは、本体部2Bと、アンテナ3Bと、シールド電極4とを備える。
図8の本体部2Bは、上記実施の形態のアンテナモジュール1の本体部2と同様に、天面21、底面22、及び複数の側面23~26を有するが、突起27を有していない。
【0089】
図8のアンテナ3Bにおいて、アンテナ電極31Bの全部が特定の側面23内に位置する。これにより、アンテナ3Bの小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
図8のアンテナ電極31Bは、高さ方向において、第1誘電体層71及び第2誘電体層72間に跨る。これにより、アンテナ電極31Bが第1誘電体層71内に収まる場合に比べて、アンテナ電極31Bの面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0090】
特に、アンテナ電極31Bは、特定の側面23における底面22側の端部が露出するように特定の側面23を覆う。
図8では、特定の側面23の底面22側の端とアンテナ電極31Bとの間の隙間g2から、特定の側面23の一部が露出するように、特定の側面23に配置される。これにより、
図7のアンテナモジュール1Aと比較すれば、外部基板100とアンテナ電極31Bとの間に生じ得る容量結合を低減できる。一方で、アンテナ電極31Bの面積は、アンテナ電極31Aの面積より小さくなる。
【0091】
アンテナ電極31Bは、アンテナ電極31と同様に、特定の側面23内において高さ方向に直交する方向(第2方向、
図1におけるY方向)では、特定の側面23の全体を覆う。つまり、アンテナ電極31Bは、特定の側面23の第2方向の両端間に跨る。これにより、アンテナ電極31Bの面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0092】
図9は、変形例3にかかるアンテナモジュール1Cの構成例の断面図である。
図9のアンテナモジュール1Cは、本体部2Cと、アンテナ3Cと、シールド電極4とを備える。
図9の本体部2Cは、上記実施の形態のアンテナモジュール1の本体部2と同様に、天面21、底面22、及び複数の側面23~26を有するが、突起27を有していない。
【0093】
図9のアンテナ3Cにおいて、アンテナ電極31Cの全部が特定の側面23内に位置する。これにより、アンテナ3Cの小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
図9のアンテナ電極31Cは、高さ方向において、第1誘電体層71及び基板5間に跨る。つまり、アンテナ電極31Cは、特定の側面23において、特定の側面23の天面21側の端から、基板5の第2主面52までの領域を覆う。これにより、
図7のアンテナモジュール1Bと比較すれば、外部基板100とアンテナ電極31Bとの間に生じ得る容量結合を低減できる。一方で、アンテナ電極31Cの面積は、アンテナ電極31Bの面積より小さくなる。
【0094】
アンテナ電極31Cは、アンテナ電極31と同様に、特定の側面23内において高さ方向に直交する方向(第2方向、
図1におけるY方向)では、特定の側面23の全体を覆う。つまり、アンテナ電極31Cは、特定の側面23の第2方向の両端間に跨る。これにより、アンテナ電極31Cの面積を大きくでき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0095】
上記実施の形態及び変形例1~3から、アンテナ電極の形状は種々変更可能である。もちろん、アンテナ電極は、上記実施の形態及び変形例1~3の構成例に限定されず、適宜変更されてよい。ただし、アンテナ電極の形状としては、アンテナの見かけの体積が大きくなるような形状であるほうが、アンテナ特性の向上が期待できる。
【0096】
図10は、
図1の上記の実施の形態の構成のアンテナモジュール1のアンテナ特性のグラフである。
図11は、
図7の変形例1の構成のアンテナモジュール1Aのアンテナ特性のグラフである。
図10及び
図11において、強度が低いほど、放射能力が高いことを示す。
【0097】
下表2は、本実施の形態の構成と、変形例1の構成とにおけるアンテナ効率[dB]を示す。アンテナ効率は、アンテナの入力電力に対する放射電力で求められる。
【0098】
【0099】
表2から、本実施の形態の構成のほうが変形例1の構成よりもアンテナ効率が良いことが確認された。これは、本実施の形態の構成のほうが変形例1の構成よりも、アンテナ電極31と外部基板100との間の距離が大きく、第2部位312によりアンテナ電極31の面積が増加しているためであると考えられる。
【0100】
以下、更にその他の変形例について列挙する。
【0101】
一変形例において、本体部2の形状は特に限定されない。本体部2の高さ方向、第1方向及び第2方向の寸法の大小関係は特に限定されない。本体部2は、直方体状に限定されず、天面21と、底面22と、複数の側面とを有する形状であってもよい。基板5、第1誘電体層71及び第2誘電体層72の形状は、本体部2の所望の形状に応じて適宜設定され得る。上記実施の形態において、基板5の側面は露出しているが、第1誘電体層71又は第2誘電体層72により覆われてよい。この場合、第1誘電体層71及び第2誘電体層72は一体に形成され得る。
【0102】
一変形例において、グランドパターン511及び接続線路512は、必ずしも基板5の第1主面51に形成されていなくてもよく、第2主面52に形成されてもよい。基板5が多層基板である場合には、グランドパターン511及び接続線路512は、基板5の中間層として設けられてよい。グランドパターン511及び接続線路512の形状も特に限定されない。
【0103】
一変形例において、アンテナ3の周波数帯域は、必ずしもBluetooth(登録商標)の周波数帯域に限定されない。周波数帯域は、例えば、Wi-Fiによる無線通信の周波数帯域であってもよい。Wi-Fiによる無線通信の周波数帯域としては、2.4GHz付近の周波数帯域(例えば、2.4GHz~2.5GHz)、及び、5GHz付近の周波数帯域(例えば、5.15GHz~5.8GHz)が挙げられる。周波数帯域は、例えば、2G(第2世代移動通信)規格のミッドバンド、4G(第4世代移動通信)規格のローバンド、5G(第5世代移動通信)規格のローバンド等の周知の周波数帯域から選択されてよい。2G規格は、例えば、GSM(登録商標)規格(GSM:Global System for Mobile Communications)である。4G規格は、例えば、3GPP(登録商標) LTE規格(LTE:Long Term Evolution)である。5G規格は、例えば、5G NR(New Radio)である。周波数帯域は、無線LAN、特定小電力無線、近距離無線通信の種々の通信規格に用いられる周波数帯域から選択されてよい。
【0104】
一変形例において、アンテナ電極31の全部が特定の側面23内に位置していなくてもよい。つまり、アンテナ電極31の一部は、天面21及び他の側面25,26に位置してよい。ただし、アンテナ電極31が特定の側面23だけに位置する場合に比べれば、シールド電極4をアンテナ電極31より離す必要があり、天面21においてシールド電極4で覆われる領域が減少し得る。
【0105】
一変形例において、アンテナ電極31は、必ずしも、特定の側面23内において高さ方向に直交する方向(第2方向、
図1におけるY方向)では、特定の側面23の全体を覆っていなくてもよい。
【0106】
一変形例において、アンテナ電極31は、必ずしも、第2部位312を有していなくてもよい。
【0107】
一変形例において、調整回路32は、必ずしも基板5の第1主面51に形成されていなくてもよい。調整回路32は、基板5の第2主面52に形成されてもよい。基板5が多層基板である場合には、調整回路32は、基板5の中間層として設けられてよい。また、調整回路32、特に、調整回路32の配線部33は、基板5の第1主面51上の部位、中間層、及び、第2主面52上の部位を含んでよい。これによって、電気長の調整がさらに容易になる。調整回路32において、配線部33の形状、調整素子34の種類及び数も特に限定されない。調整回路32は、必ずしも配線部33と調整素子34との両方を含んでいる必要はなく、配線部33と調整素子34との少なくとも一つを含んでよい。調整回路32は必須ではない。つまり、アンテナ3は、アンテナ電極31のみから構成され得る。
【0108】
一変形例において、シールド電極4は、側面部42,43,44の全てを有している必要はなく、側面部42,43,44の少なくとも1以上を有してよい。シールド電極4は、側面部42,43,44を有していなくてもよい。
【0109】
一変形例において、電子部品の数(第1電子部品61の数及び第2電子部品62の数)は特に限定されない。必要な電子部品の種類及び数は、アンテナ3を用いる通信回路の構成によって適宜設定される。電子部品は、第1電子部品61と第2電子部品62の一方だけであってもよい。
【0110】
一変形例において、第1グランド接続電極81の形状、第2グランド接続電極82の形状、入出力接続電極83の形状、補助接続電極84の形状は特に限定されず、適宜変更され得る。
【0111】
一変形例において、入出力接続電極83は、必ずしも、高さ方向においてシールド電極4の内側にある必要はなく、高さ方向においてシールド電極4とアンテナ電極31との間に位置してよい。この場合、入出力接続電極83によって、外部基板100に対するアンテナモジュール1の実装の安定性の向上が可能になる。
【0112】
一変形例において、第1グランド接続電極81の数、第2グランド接続電極82の数、入出力接続電極83の数、補助接続電極84の数は特に限定されず、適宜変更され得る。
【0113】
一例として、上記実施の形態とは異なり、第1グランド接続電極81の数は、1であってもよいし、2より多くてもよい。2より多い第1グランド接続電極81がある場合、複数の第1グランド接続電極81は、2以上の第1グランド接続電極81が高さ方向及び特定の側面23の法線に交差する所定方向に並ぶ2以上の第1列を含んでよい。上記実施の形態とは異なり、第2グランド接続電極82の第2列の数は、1であってもよいし、2より多くてもよい。この場合においても、1以上の第2列821,822のうち最もアンテナ電極31に近い第2列822の第2グランド接続電極82の数が、2以上の第1列のうち最もアンテナ電極31に近い第1列の第1グランド接続電極81の数より少なくてよい。この場合も、シールド電極4とアンテナ電極31との間に生じ得る容量結合を低減でき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0114】
一変形例において、アンテナモジュール1は、補助接続電極84を備えていなくてもよい。つまり、補助接続電極84は、任意の要素であり得る。
【0115】
[3.態様]
上記実施の形態及び変形例から明らかなように、本開示は、下記の態様を含む。以下では、実施の形態との対応関係を明示するためだけに、符号を括弧付きで付している。なお、文章の見やすさを考慮して2回目以降の括弧付きの符号の記載を省略する場合がある。
【0116】
第1の態様は、アンテナモジュール(1;1A~1C)であって、高さ方向における天面(21)及び底面(22)、並びに複数の側面(23~26)を有する本体部(2;2A~2C)と、前記複数の側面(23~26)のうちの特定の側面(23)を覆うアンテナ電極(31;31A~31C)を含むアンテナ(3;3A~3C)と、前記アンテナ電極(31;31A~31C)と接触しないように前記天面(21)を覆うシールド電極(4)と、を備える。前記本体部(2;2A~2C)は、第1主面(51)と第2主面(52)を有する基板(5)と、前記基板(5)に実装され、前記アンテナ(3;3A~3C)に接続される複数の電子部品(第1電子部品61,第2電子部品62)と、前記第1主面(51)を覆い、前記天面(21)を規定する第1誘電体層(71)と、前記第2主面(52)を覆い、前記底面(22)を規定する第2誘電体層(72)と、前記第1誘電体層(71)を貫通する柱状であり、前記基板(5)を前記シールド電極(4)に接続する第1グランド接続電極(81)と、前記第2誘電体層(72)を貫通する柱状であり、外部基板(100)のグランドへの前記基板(5)の接続に用いられる第2グランド接続電極(82)と、を備える。前記第2グランド接続電極(82)は、前記高さ方向から見て前記シールド電極(4)の内側にある。この態様は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0117】
第2の態様は、第1の態様に基づくアンテナモジュール(1;1A,1B)である。この態様において、前記アンテナ電極(31;31A,31B)は、前記高さ方向において、前記第1誘電体層(71)及び前記第2誘電体層(72)間に跨る。この態様は、アンテナ電極(31;31A,31B)の面積を大きくでき、アンテナとしての見かけの体積が増えるから、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0118】
第3の態様は、第1の態様に基づくアンテナモジュール(1;1B,1C)である。この態様において、前記アンテナ電極(31;31B,31C)は、前記特定の側面(23)における前記底面(22)側の端部が露出するように前記特定の側面(23)を覆う。この態様は、外部基板(100)とアンテナ電極(31;31B,31C)との間に生じ得る容量結合を低減できる。
【0119】
第4の態様は、第1~第3の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記アンテナ電極(31;31A~31C)の全部が前記特定の側面(23)内に位置する。この態様は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0120】
第5の態様は、第1~第4の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記アンテナ電極(31;31A~31C)は、前記特定の側面(23)内において前記高さ方向に直交する方向では、前記特定の側面(23)の全体を覆う。この態様は、アンテナ電極(31;31A,31B)の面積を大きくでき、アンテナとしての見かけの体積が増えるから、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0121】
第6の態様は、第1~第5の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記アンテナ(3;3A~3C)は、前記基板(5)に位置し、前記アンテナ電極(31;31A~31C)に接続される調整回路(32)を含む。前記調整回路(32)は、前記アンテナ(3;3A~3C)の電気長を調整するための配線部(33)と前記アンテナ(3;3A~3C)の周波数を調整するための調整素子(34)との少なくとも一つを含む。前記調整回路(32)は、前記高さ方向から見て、前記アンテナ電極(31;31A~31C)と前記シールド電極(4)との間にある。この態様は、アンテナ(3;3A~3C)の性能を所望の性能に設定しやすくできる。
【0122】
第7の態様は、第6の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記調整回路(32)は、前記配線部(33)を含む。前記高さ方向における前記アンテナ電極(31;31A~31C)の寸法(d1)は、前記配線部(33)の幅(d2)より大きい。この態様は、アンテナ(3;3A~3C)の先端側が基端側よりも太いため、アンテナとしての見かけの体積が増えるから、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0123】
第8の態様は、第7の態様に基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記配線部(33)は、前記高さ方向及び前記特定の側面(23)の法線に交差する方向に延びる部位(33b)を含む。この態様は、アンテナ(3;3A~3C)の電気長を所望の電気長に設定しやすくできる。
【0124】
第9の態様は、第1~第8の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記本体部(2;2A~2C)は、複数の前記第1グランド接続電極(81)と、複数の前記第2グランド接続電極(82)とを備える。前記複数の第1グランド接続電極(81)は、2以上の第1グランド接続電極(81)が前記高さ方向及び前記特定の側面(23)の法線に交差する所定方向に並ぶ1以上の第1列(811)を含む。前記複数の第2グランド接続電極(82)は、2以上の第2グランド接続電極(82)が前記所定方向に並ぶ1以上の第2列(821,822)を含む。前記1以上の第2列(821,822)のうち最も前記アンテナ電極(31;31A~31C)に近い第2列(822)の第2グランド接続電極(82)の数は、前記1以上の第1列(811)のうち最も前記アンテナ電極(31;31A~31C)に近い第1列(811)の第1グランド接続電極(81)の数より少ない。この態様は、シールド電極(4)とアンテナ電極(31;31A~31C)との間に生じ得る容量結合を低減でき、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0125】
第10の態様は、第1~第9の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記本体部(2;2A~2C)は、補助接続電極(84)を備える。前記補助接続電極(84)は、前記第2誘電体層(72)を貫通する柱状であり、前記外部基板(100)の前記グランドとは異なる部位への前記基板(5)の接続に用いられる。前記補助接続電極(84)は、前記高さ方向から見て、前記アンテナ電極(31;31A~31C)と前記シールド電極(4)との間にある。この態様は、高さ方向から見たアンテナ電極(31;31A~31C)とシールド電極(4)との間において、アンテナモジュール(1;1A~1C)を外部基板(100)に実装できて、外部基板(100)に対するアンテナモジュール(1;1A~1C)の実装の安定性の向上を可能にする。
【0126】
第11の態様は、第10の態様に基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記本体部(2;2A~2C)は、入出力接続電極(83)を備える。前記入出力接続電極(83)は、前記第2誘電体層(72)を貫通する柱状であり、前記外部基板(100)の入出力部への前記基板(5)の接続に用いられる。前記入出力接続電極(83)は、前記高さ方向から見て前記シールド電極(4)の内側にある。この態様は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0127】
第12の態様は、第1~第11の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記複数の電子部品(第1電子部品61,第2電子部品62)は、前記第1主面(51)に実装される第1電子部品(61)と、前記第2主面(52)に実装される第2電子部品(62)とを含む。前記第1誘電体層(71)は、前記第1電子部品(61)とともに前記第1主面(51)を覆う。前記第2誘電体層(72)は、前記第2電子部品(62)とともに前記第2主面(52)を覆う。この態様は、小型化を可能にしながらも、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0128】
第13の態様は、第1~第12の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記第2誘電体層(72)は、前記特定の側面(23)における前記底面(22)側の端部に対応する部位に突起(27)を有する。この態様は、外部基板(100)とアンテナ電極(31;31B,31C)との間に生じ得る容量結合を低減できる。
【0129】
第14の態様は、第1~第13の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記アンテナ電極(31;31A~31C)は、前記特定の側面(23)を覆う第1部位(311)と、前記第1部位(311)から前記突起(27)に沿って延びる第2部位(312)とを有する。この態様は、アンテナ電極(31;31A,31B)を大きくでき、アンテナとしての見かけの体積が増えるから、アンテナ特性の向上を可能にする。
【0130】
第15の態様は、第1~第14の態様のいずれか一つに基づくアンテナモジュール(1;1A~1C)である。この態様において、前記シールド電極(4)は、前記複数の側面(23~26)のうち前記特定の側面(23)を除く1以上の側面(24~26)を覆う。この態様は、シールド電極(4)によるシールド効果の向上を可能にする。
【0131】
第2~第15の態様は、任意の要素であり、必須ではない。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本開示は、アンテナモジュールに適用可能である。具体的には、アンテナと電子部品とが一体化されたアンテナモジュールに、本開示は適用可能である。
【符号の説明】
【0133】
1,1A~1C アンテナモジュール
2,2A~2C 本体部
21 天面
22 底面
23 側面(特定の側面)
24,25,26 側面
27 突起
3,3A~3C アンテナ
31,31A~31C アンテナ電極
311 第1部位
312 第2部位
32 調整回路
33 配線部
33b 部位
34 調整素子
4 シールド電極
5 基板
51 第1主面
52 第2主面
61 第1電子部品(電子部品)
62 第2電子部品(電子部品)
71 第1誘電体層
72 第2誘電体層
81 第1グランド接続電極
811 第1列
82 第2グランド接続電極
821,822 第2列
83 入出力接続電極
84 補助接続電極
100 外部基板