(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004193
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】配信システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/258 20110101AFI20240109BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240109BHJP
【FI】
H04N21/258
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103727
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】519389362
【氏名又は名称】エイベックス・テクノロジーズ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木野 穣
(72)【発明者】
【氏名】米倉 健一郎
【テーマコード(参考)】
5C164
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164FA21
5C164SC11P
5C164UD21S
5C164YA11
5C164YA12
5C164YA30
5L049CC20
(57)【要約】
【課題】実演中にアンケートを実施することができるようにする。
【解決手段】配信システムであって、ライブの動画をオンラインで視聴している第1の視聴者の第1の視聴者端末に動画を配信する動画配信部と、第1の視聴者端末から質問に対する回答を受け付けるとともに、ライブを会場で視聴している第2の視聴者の第2の視聴者端末から質問に対する回答を受け付けるサービス提供部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライブの動画をオンラインで視聴している第1の視聴者の第1の視聴者端末に前記動画を配信する動画配信部と、
前記第1の視聴者端末から質問に対する回答を受け付けるとともに、前記ライブを会場で視聴している第2の視聴者の第2の視聴者端末から前記質問に対する回答を受け付けるサービス提供部と、
を備えることを特徴とする配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の配信システムであって、
前記会場に設置された通信装置が前記第2の視聴者端末と通信できるか否かにより、前記第2の視聴者が前記会場にいるか否かを判定する存在判定部をさらに備えること、
を特徴とする配信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の配信システムであって、
前記第2の視聴者端末の位置情報を前記第2の視聴者端末から取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記第2の視聴者が前記会場にいるか否かを判定する存在判定部と、
をさらに備えることを特徴とする配信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の配信システムであって、
前記第2の視聴者端末で動作するアプリをダウンロードするためのリンクが前記会場において提供され、
前記アプリと通信を行うことができるか否かにより、前記第2の視聴者が前記会場にいるか否かを判定する存在判定部をさらに備えること、
を特徴とする配信システム。
【請求項5】
請求項4に記載の配信システムであって、
前記サービス提供部は、前記アプリに対する操作により前記回答を受け付けること、
を特徴とする配信システム
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配信システムであって、
前記会場において前記第2の視聴者を撮影した画像データを取得する画像取得部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記画像データを解析して、前記第2の視聴者の動き、姿勢又は動作の少なくともいずれかを抽出し、前記動き、前記姿勢又は前記動作の少なくともいずれかを前記回答として受け付けること、
を特徴とする配信システム。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配信システムであって、
前記会場において前記第2の視聴者を撮影した画像データを取得する画像取得部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記画像データを解析して、発光している前記第2の視聴者端末の備えるライトの数を前記回答として受け付けること、
を特徴とする配信システム。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の配信システムであって、
前記会場で集音した音声データを取得する音声取得部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記音声データの音量を前記回答として受け付けること、
を特徴とする配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信ネットワークを介してライブ演奏を配信することが行われている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライブ中にアンケートを行いたいというニーズがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、実演中にアンケートを実施することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、配信システムであって、ライブの動画をオンラインで視聴している第1の視聴者の第1の視聴者端末に前記動画を配信する動画配信部と、前記第1の視聴者端末から質問に対する回答を受け付けるとともに、前記ライブを会場で視聴している第2の視聴者の第2の視聴者端末から前記質問に対する回答を受け付けるサービス提供部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実演中にアンケートを実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の配信システムの全体構成例を示す図である。
【
図2】配信サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】配信サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】本実施形態の配信システムの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システム概要>
以下、本発明の一実施形態に係る配信システムについて説明する。
図1は、本実施形態の配信システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の配信システムは、配信サーバ20を含んで構成される。配信サーバ20は、会場端末11、オンライン端末12及び配信者端末30のそれぞれと通信ネットワークを介して通信可能に接続される。通信ネットワークは、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0011】
本実施形態の配信システムでは、会場で行われるライブを撮影(集音を含み得る。)した動画(音声を含みうる。)をオンラインでも配信し、会場でライブに参加する視聴者(以下、会場視聴者という。)と、オンラインでライブを試聴する視聴者(以下、オンライン視聴者という。)とが存在することを想定する。本実施形態の配信システムでは、例えば、次に演奏する曲を決定したり、ステージでの演出を変更したりするために、視聴者に対してアンケートを行う場合に、会場視聴者とオンライン視聴者との両方からアンケートへの回答を収集しようとするものである。
【0012】
配信サーバ20は、例えばワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、あるいはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。配信サーバ20は、例えば、動画配信サービスを提供するコンピュータとすることができる。
【0013】
会場端末11及びオンライン端末12は、視聴者が操作するコンピュータである。会場端末11及びオンライン端末12は、例えば、スマートフォンやタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータなどである。会場端末11は、会場視聴者が操作し、オンライン端末12はオンライン視聴者が操作する。会場端末11及びオンライン端末12は、例えば、ウェブブラウザの機能を備え、配信サーバ20にHTTPプロトコルにより通信を行うことができる。
【0014】
配信者端末30は、動画の配信者が操作するコンピュータである。配信者端末30は例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンなどである。配信者端末30は、例えば、出演者の演技や演奏などを撮影した画像及び音声を配信サーバ20に対してアップロードすることができる。なお、配信者端末30は、出演者が操作するコンピュータと、配信のオペレータが操作するコンピュータとを含んでいてもよい。
【0015】
<配信サーバ20の構成>
図2は、配信サーバ20のハードウェア構成例を示す図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。配信サーバ20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、通信インタフェース204、入力装置205、出力装置206を備える。記憶装置203は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェース204は、通信ネットワークに接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置205は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置206は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、後述する配信サーバ20の各機能部はCPU201が記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより実現され、配信サーバ20の各記憶部はメモリ202及び記憶装置203が提供する記憶領域の一部として実現される。
【0016】
図3は、配信サーバ20のソフトウェア構成例を示す図である。
【0017】
==基本構成==
配信サーバ20は、動画配信部211と、サービス提供部212と、存在判定部213と、位置情報取得部214と、画像取得部215と、音声取得部216と、を備える。
【0018】
動画配信部211は、動画を配信する。動画配信部211は、ライブの動画をオンラインで視聴しているオンライン視聴者(第1の視聴者)のオンライン端末12(第1の視聴者端末)に動画を配信することができる。
【0019】
サービス提供部212は、アンケートを実施する。サービス提供部212は、オンライン端末12からアンケート(質問)に対する回答を受け付けるとともに、ライブを会場で視聴している会場視聴者(第2の視聴者)の会場端末11(第2の視聴者端末)からアンケート(質問)に対する回答を受け付けることができる。
【0020】
したがって、本実施形態の配信システムによれば、オンライン及び会場でアンケートを同時に実施することができる。
【0021】
==アンケート==
サービス提供部212は、例えば、オンライン端末12に対してはWebページのフォーム画面を送信し、オンライン端末12からはフォームデータとしてアンケートへの回答を受け付けることができる。
【0022】
サービス提供部212は、会場端末11に対してアンケートを送信するようにしてもよいが、本実施形態では、サービス提供部212は、配信者端末30に対してアンケートを実施するように指示を行い、配信者自身により、または配信者から演者への指示に応じて演者により、会場視聴者に対してアンケートの質問が提供されるようにすることができる。
【0023】
==会場にいることの検知==
存在判定部213は、会場視聴者が会場にいるか否かを判定する。存在判定部213は、会場に設置された所与のWiFi機器等の通信装置が会場端末11と通信できるか否かにより、会場視聴者が会場にいるか否かを判定することができる。例えば、存在判定部213は、上記WiFi機器を通じたパケットのみを用いて会場端末11と通信できるかどうかを判定することができる。
【0024】
したがって、本実施形態の配信システムによれば、会場に設置されたWiFiなどの通信装置を利用して、会場視聴者が会場にいることを特定することができる。
【0025】
==位置情報で会場にいることを検知==
位置情報取得部214は、会場端末11の位置情報を会場端末11から取得する。位置情報は、例えば、会場端末11がGPS信号を用いて特定したものであってもよいし、会場端末11が会場に設置されたビーコンと通信できるか否かに応じて位置を特定したものであってもよい。
【0026】
存在判定部213は、位置情報に基づいて会場端末11が会場にあるか否かを判定するようにしてもよい。
【0027】
これにより、位置情報を用いて会場視聴者(会場端末11)が会場にいることを特定することができる。
【0028】
==特定アプリのダウンロードで会場にいることを検知==
会場端末11で動作するアプリをダウンロードするためのリンクが会場において提供されうる。
【0029】
存在判定部213は、会場端末11にインストールされたアプリと通信を行うことができるか否かにより、第2の視聴者が会場にいるか否かを判定するようにしてもよい。
【0030】
会場でダウンロード及びインストールされたアプリが会場端末11にインストールされていることにより、会場端末11が会場にあることを特定することができる。
【0031】
==アプリでアンケート回答==
サービス提供部212は、上記会場端末11にインストールされたアプリに対する操作により回答を受け付けることができる。この場合、サービス提供部212は、アプリから回答を受信することができる。
【0032】
==視聴者の身体の動き等でアンケート回答==
会場にはカメラ等の撮影装置を設置することができる。画像取得部215は、会場において撮影装置が会場視聴者を撮影した画像データを取得する。画像取得部215は、例えば、撮影装置と通信を行うことにより画像データを取得することができる。
【0033】
サービス提供部212は、画像データを解析して、会場視聴者の動き、姿勢又は動作の少なくともいずれかを抽出し、動き、姿勢又は動作の少なくともいずれかを、会場視聴者からのアンケートへの回答として受け付けることができる。例えば、サービス提供部212は、手が挙げられていることを画像データから検出し、挙げられた手の数、すなわち、会場において手を挙げた会場視聴者の数をカウントすることにより、会場におけるアンケートの集計結果を取得することができる。また、サービス提供部212は、会場で立っている又は座っている会場視聴者の数をカウントして回答とすることもできる。
【0034】
これにより、会場視聴者は身体の動きや姿勢などを用いてアンケートへの回答を行うことができる。
【0035】
==スマホのライトでアンケート回答==
サービス提供部212は、画像データを解析して、発光している会場端末11のライトを検出し、検出したライトの数を、会場視聴者からのアンケートへの回答として受け付けることができる。ライトは、例えば、会場視聴者が会場端末11の基本機能を用いて点灯させるようにしてもよいし、会場端末11にインストールしたアプリが会場視聴者からの指示を受け付けて点灯するようにしてもよい。
これにより、会場視聴者は、携帯するスマートフォンなどの会場端末11のライトを点灯させることにより、アンケートへの回答を行うことができる。
【0036】
==視聴者の声でアンケート回答==
会場にはマイクロフォン等の集音装置を設置することができる。音声取得部216は、集音装置が会場で集音した音声データを取得することができる。
【0037】
サービス提供部212は、音声データの音量を取得し、取得した音量を、会場視聴者からのアンケートへの回答として受け付けることができる。
【0038】
==ボタンでアンケート回答==
会場にボタンを設置することもできる。サービス提供部212は、押下されたボタンの数をアンケートの集計結果として取得することができる。
【0039】
<動作>
図4は、本実施形態の配信システムの動作を示す図である。
【0040】
配信サーバ20は、会場とオンライン端末12とにアンケートの質問を提供する(S301)。配信サーバ20は、会場視聴者に対しては、例えば、会場端末11に質問を送信するようにしてもよいし、配信者端末30に対して質問を送信して、配信者から又は配信者からの指示による演者から会場視聴者に対して質問を映像で又は音声で提供させるようにすることができる。配信サーバ20は、オンライン視聴者に関しては、オンライン端末12に対して質問を送信することができる。
【0041】
配信サーバ20は、会場視聴者からアンケートの回答を収集する(S302)。配信サーバ20は、上述したように、会場端末11から回答を受信し、会場を撮影した画像に基づいて回答を収集し、会場で集音した音声に基づいて回答を収集することができる。
【0042】
配信サーバ20は、オンライン視聴者からアンケートの回答を収集する(S303)。配信サーバ20は、オンライン端末12から回答を受信することができる。
【0043】
配信サーバ20は、アンケート結果に応じて会場での演出を変更することができる(S304)。例えば、アンケート結果に応じて次の演目を変更したり、ステージ上でのライトや映像を変更したりすることができる。
【0044】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0045】
<開示事項>
なお、本開示には、以下のような構成も含まれる。
[項目1]
ライブの動画をオンラインで視聴している第1の視聴者の第1の視聴者端末に前記動画を配信する動画配信部と、
前記第1の視聴者端末から質問に対する回答を受け付けるとともに、前記ライブを会場で視聴している第2の視聴者の第2の視聴者端末から前記質問に対する回答を受け付けるサービス提供部と、
を備えることを特徴とする配信システム。
[項目2]
項目1に記載の配信システムであって、
前記会場に設置された通信装置が前記第2の視聴者端末と通信できるか否かにより、前記第2の視聴者が前記会場にいるか否かを判定する存在判定部をさらに備えること、
を特徴とする配信システム。
[項目3]
項目1に記載の配信システムであって、
前記第2の視聴者端末の位置情報を前記第2の視聴者端末から取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記第2の視聴者が前記会場にいるか否かを判定する存在判定部と、
をさらに備えることを特徴とする配信システム。
[項目4]
項目1に記載の配信システムであって、
前記第2の視聴者端末で動作するアプリをダウンロードするためのリンクが前記会場において提供され、
前記アプリと通信を行うことができるか否かにより、前記第2の視聴者が前記会場にいるか否かを判定する存在判定部をさらに備えること、
を特徴とする配信システム。
[項目5]
項目4に記載の配信システムであって、
前記サービス提供部は、前記アプリに対する操作により前記回答を受け付けること、
を特徴とする配信システム
[項目6]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の配信システムであって、
前記会場において前記第2の視聴者を撮影した画像データを取得する画像取得部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記画像データを解析して、前記第2の視聴者の動き、姿勢又は動作の少なくともいずれかを抽出し、前記動き、前記姿勢又は前記動作の少なくともいずれかを前記回答として受け付けること、
を特徴とする配信システム。
[項目7]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の配信システムであって、
前記会場において前記第2の視聴者を撮影した画像データを取得する画像取得部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記画像データを解析して、発光している前記第2の視聴者端末の備えるライトの数を前記回答として受け付けること、
を特徴とする配信システム。
[項目8]
項目1ないし4のいずれか1項に記載の配信システムであって、
前記会場で集音した音声データを取得する音声取得部をさらに備え、
前記サービス提供部は、前記音声データの音量を前記回答として受け付けること、
を特徴とする配信システム。
【符号の説明】
【0046】
11 会場端末
12 オンライン端末
20 配信サーバ
30 配信者端末