(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041938
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】同種造血幹細胞移植のための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 35/28 20150101AFI20240319BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240319BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240319BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K35/28
A61P35/00
A61K35/17
A61K45/00
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024004747
(22)【出願日】2024-01-16
(62)【分割の表示】P 2020542611の分割
【原出願日】2019-02-07
(31)【優先権主張番号】62/628,015
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515158308
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ レランド スタンフォード ジュニア ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】マイヤー,エバレット ハートゥ
(72)【発明者】
【氏名】ネグリン,ロバート エス.
(57)【要約】 (修正有)
【課題】移植片対腫瘍免疫応答などの有効な免疫応答を維持しながら、移植片対宿主疾患からの保護を増強するための方法を含む、造血幹細胞移植の改善のための方法を提供する。
【解決手段】ヒト対象の癌を処置するための薬学的組成物であって、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団と、単離された新鮮な制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団と、単離されたCD3+通常型T細胞(CD3+Tcon)の集団と、単一の移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤とを各別に独立して含む、薬学的組成物を提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト対象の癌を処置するための薬学的組成物であって、
造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団と、
単離された新鮮な制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団と、
単離されたCD3+通常型T細胞(CD3+Tcon)の集団と、
単一の移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤と
を各別に独立して含む、薬学的組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
初回寛解後の白血病およびリンパ腫などの高リスク血液悪性腫瘍を有するかまたは難治性の再発を有する患者は、標準的な化学療法ではほとんど治癒しない。
【0002】
骨髄破壊的同種造血細胞移植(HCT)は、これらの患者における生存率の改善に関連し、無病生存率が10~50%の範囲であり、非再発死亡率が30~50%の範囲である。急性移植片対宿主疾患(aGVHD)に関連する早期病的状態および死亡率は、慢性GVHDに関連する長期病的状態と同様に、HCTの成功を制限する主な要因である。
【0003】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されるのと同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象を処置する方法であって、前記ヒト対象に、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、およびc)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に投与され、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の投与前に凍結保存されていない、方法が本明細書に開示される。
【0005】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象を処置する方法であって、前記ヒト対象に、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、およびc)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記通常型T細胞の集団の前に投与され、前記ヒト対象が、前記Tconの集団の投与後30日以内に移植片対宿主疾患(GVHD)を発症しない、方法が本明細書に開示される。
【0006】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象を処置する方法であって、前記ヒト対象に、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、およびc)通常型T細胞(Tcon)の集団を投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に投与され、前記Tregを含む細胞の集団が、CD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の90%超が、Tregである、方法が本明細書に開示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】Tconの前にHSPCおよびTregを投与することを含む臨床試験の患者の特徴を提供する。
【
図2】元の臨床プロトコルスキームおよび修正された臨床プロトコルスキームを例示する。
【
図3】対象への投与のための末梢血アフェレシス生成物由来のTreg細胞の濃縮を例示する。
【
図4】混合リンパ球反応(MLR)におけるTregを含む細胞の集団の抑制能力を例示する。
【
図5】Tconの前にHSPCおよびTregを投与することを含む臨床試験の用量漸増スキームを例示する。
【
図6】新鮮なTregによる移植片の生成および投与の概略図を提供する。
【
図7】臨床試験におけるドナー由来のTregの細胞用量収率を示す。
【
図8】臨床試験における対象のための細胞投与の詳細を提供する。
【
図10】HCT後の標準化時点での免疫細胞再構築を例示する。
【
図11】HCTの60日後におけるTregの特徴およびHCTの90日後におけるTreg TCRレパートリーの多様性を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の記載および例は、本発明の実施形態を詳細に例示する。本発明は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されず、したがって変動し得ることを理解されたい。当業者は、本発明の多くの変形および修正が存在することを認識し、これらはその範囲内に包含される。
【0009】
本明細書で使用する場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別のことを明示的に示さない限り、複数の指示対象を含む。
【0010】
本明細書で使用する場合、参照数値およびその文法的等価物に関連して、「約」という用語およびその文法的等価物は、その値からプラスまたはマイナス10%の範囲の値を含むことができる。例えば、「約10」の量は、9~11の量を含む。参照数値に関連して、「約」という用語はまた、その値からプラスまたはマイナス10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%の範囲の値を含むことができる。
【0011】
概要
本明細書には、同種造血幹細胞移植(HCT)の改善のための方法が提供される。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法は、移植片対宿主疾患(GVHD)を予防または軽減しながら、癌を有する対象に投与されたHCTの移植片対腫瘍(GVT)効果を保持する。
【0012】
HCTは、通常はドナーの骨髄、末梢血、または臍帯血に由来する多能性造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)をレシピエントに移植することである。レシピエントを、腫瘍細胞および宿主免疫細胞を含む造血細胞を死滅させることができる骨髄破壊的前処置に供することができる。次いで、レシピエントに移入されるHSPCは、造血コンパートメントを再構成することができる。HCTは、移植片対腫瘍(GVT)と称されるドナーT細胞が抗腫瘍効果を発揮する能力に起因する癌の処置として有用であり得る。化学療法に対して不応性である血液悪性腫瘍を有する患者において、HCTは、生存率の改善に関連している。
【0013】
しかしながら、ドナーT細胞はまた、非腫瘍宿主細胞を攻撃し、これにより、移植片対宿主疾患(GVHD)が生じ得る。GVHDは、HCT後合併症の主な原因であり、致命的であり得る。GVHDの管理には、毒性を引き起こし、感染に対する感受性を増加させ、または抗腫瘍免疫を鈍化させることができる免疫抑制療法または細胞傷害性媒介物(cytotoxic mediation)が必要とされ得る。急性移植片対宿主疾患(aGVHD)に関連する早期病的状態および死亡率は、慢性GVHD(cGVHD)に関連した長期病的状態と同様に、HCTの成功を制限する主な要因である。GVHDは、HLA適合移植および不適合移植の両方のリスクである。GVHDは、ドナーおよびレシピエントがHLA適合であっても発生し得るが、それは、免疫系が、依然としてそれらの組織間の他の違いを認識することができるからである。様々な免疫抑制剤の使用にもかかわらず、HLA適合同胞ドナー(MSD)由来の同種HCT後のaGVHDの発生率は、20~60%である。
【0014】
GVTおよびGVHDの両方は、T細胞受容体による同族抗原の認識時に免疫応答を開始する通常型T細胞(Tcon)によって主に媒介される。HCT移植片からT細胞を枯渇させることにより、GVHDが軽減され得るが、GVTの軽減および癌再発の可能性の増加も引き起こし得る。Tconに加えて、Tregは、炎症を負に制御し、かつ、免疫寛容を促進するT細胞の追加のサブセットである。Tregは、例えば、レシピエント抗原を認識するドナーTconによって誘発される炎症を含む炎症の負の制御により、GVHDを予防または軽減することができる。
【0015】
HSPCを含む集団、Tregを含む集団、およびTconを含む集団を含む、細胞の特定の集団を対象に投与することを含む、HCTの改善のための方法が本明細書に提供される。理論に束縛されることを望むものではないが、Tregの投与により、GVHDを軽減させることができ、Tconの投与により、GVTが増強され、したがって、本開示は、両方を投与して、GVHDを最小限に抑えながらGVTを増強するための方法を提供する。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明のこれらの有益な態様は、本明細書に記載の細胞を投与する順序(例えば、Tconの前にTregを投与すること)または投与前のTregの凍結保存をしないことに関連付けられ得る。したがって、本明細書に開示される方法は、移植片対宿主疾患(GVHD)を予防または軽減しながら、癌を有する対象に提供されるHCTの移植片対腫瘍(GVT)効果を保持することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の細胞の集団は、異なる時間に投与され、例えば、HSPCおよびTregをTconの前に投与することができる。
【0016】
1つ以上の細胞の集団は、新鮮であることができ、1つ以上の細胞の集団は、解凍前および対象への投与前に凍結保存することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、新鮮なTregを投与することにより、対象のGVHDを軽減させることができ、および/または凍結保存されたTconを投与することにより、対象のGVHDを軽減させることができる。例えば、新鮮なTregの後に凍結保存されたTconを投与することにより、対象におけるGVHDを軽減させ、対象におけるGVTを促進させ、またはGVHDの不在下で対象におけるGVTを促進させることができる。
【0017】
本開示はまた、高い割合のTregを含む細胞の集団を生成するように選別された、Tregを含む細胞の集団を提供する。いくつかの実施形態では、Tconを投与する前に、高い割合の新鮮なTregを含む細胞の集団を投与することにより、対象におけるGVHDを軽減させる。
【0018】
造血細胞移植および癌
本明細書には、癌を有するレシピエント対象が、造血幹細胞移植(HCT)を受ける方法が提供される。HCTは、対象における癌の処置または軽減に有用であり得る。いくつかの実施形態では、移植片対腫瘍(GVT)免疫応答を誘発するために、通常型T細胞(Tcon)の集団が対象に投与される。
【0019】
高リスクの血液悪性腫瘍を有する患者は、標準的な化学療法で治癒されることはほとんどない。高リスクの悪性腫瘍には、例えば、初回寛解後に進行した白血病もしくはリンパ腫、またはリフラクトリー・リラプスを伴う白血病もしくはリンパ腫が含まれる。骨髄破壊的同種造血幹細胞移植(HCT)は、これらの患者における生存率の改善に関連し、無病生存率が10~50%の範囲であり、非再発死亡率が30~50%の範囲である。
【0020】
造血幹細胞移植(HCT)は、通常は骨髄、末梢血、または臍帯血に由来する、多能性造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の移植である。HSPCは、広範な自己再生能、および特殊な細胞種に分化する能力、例えば、全ての造血細胞系統を再構築する能力を有し得る。HSPCは、2つの娘細胞が異なる表現型で産生される非同調(asynchronous)複製を受け得る。造血幹細胞は、有糸分裂静止形態で存在し得る。
【0021】
HSPCは、骨髄または末梢血から採取することによって得ることができる。骨髄は、ドナーが局所麻酔下または全身麻酔下にある際に、後腸骨稜または前腸骨稜から吸引することができる。HSPCは、例えば末梢血アフェレシスによって、末梢血から採取することによって得ることができる。採取された幹細胞の数は、動員剤(mobilization agent)、すなわち、幹細胞を骨髄から末梢血に動員する薬剤でドナーを処置することによって増加させることができる。動員剤の非限定的な例には、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、モゾビル、およびこれらの組み合わせが含まれる。幹細胞を末梢血中に動員するための技術は、例えば、10~40μ/kg/日の動員剤をドナーに投与することを含むことができる。動員剤は、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回の投与でドナーに投与することができる。アフェレシス生成物は、例えば、動員剤の投与の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、28、または30時間後にドナーから単離することができる。
【0022】
本開示の方法は、癌を有するヒト対象を処置するために使用することができる。いくつかの実施形態では、対象は、癌に対して、例えば化学療法剤または放射線での治療によって処置されている。本開示の方法は、血液悪性腫瘍、例えば、白血病またはリンパ腫の処置に有用であり得る。本開示の方法によって処置することができる血液悪性腫瘍の例には、急性リンパ球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、多発性骨髄腫、ならびにホジキンリンパ腫および非ホジキンリンパ腫などのリンパ腫が含まれるが、これらに限定されない。癌は、固形腫瘍であり得る。いくつかの実施形態では、癌は、原発性または転移性の腫瘍である。
【0023】
本発明の方法を使用して処置することができる癌の種類には、白血病、リンパ腫、副腎皮質癌、肛門癌、再生不良性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、脳癌、中枢神経系(CNS)癌、末梢神経系(PNS)癌、乳癌、子宮頸癌、小児非ホジキンリンパ腫、結腸癌および直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング腫瘍ファミリー(例えば、ユーイング肉腫)、眼の癌、胆嚢癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質腫瘍、妊娠性絨毛性疾患、有毛細胞白血病、ホジキンリンパ腫、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭および咽頭癌、急性リンパ性白血病、急性骨髄性白血病、小児白血病、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、肝臓癌、肺癌、肺カルチノイド腫瘍、男性乳癌、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性障害、副鼻腔癌および鼻腔癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔癌および口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、黒色腫皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、甲状腺癌、子宮癌(例えば、子宮肉腫)、移行上皮癌、膣癌、外陰癌、中皮腫、扁平上皮癌または類表皮癌、気管支腺腫、絨毛癌、頭頸部癌、奇形腫、およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症が含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
造血細胞移植および移植片対宿主疾患
本開示は、造血幹細胞移植(HCT)の改善のための方法であって、GVHDを軽減または予防する、方法を提供する。いくつかの実施形態では、HCTレシピエント対象に、本明細書に記載の細胞の集団が投与され、レシピエント対象は、細胞の投与後の特定の期間内に(例えば、30日、100日、または200日以内に)GVHDを発症しない。例えば、本明細書に記載の細胞の集団をHCTレシピエント対象に投与することができ、レシピエント対象がGVHDを発症する可能性は、異なるプロトコルに従ってHCTを受けた対象に比して、細胞の投与後の特定の期間内において(例えば、30日、100日、または200日以内において)軽減し得る。Tregを含む細胞の集団は、HCTレシピエント対象に投与することができ、Tregの集団は、HCTレシピエント対象におけるGVHDを軽減または予防する役割を果たすことができる。新鮮なTregを含む細胞の集団は、HCTレシピエント対象に投与することができ、HCTレシピエント対象におけるGVHDを軽減または予防する役割を果たすことができる。いくつかの実施形態では、高い割合のTreg(例えば、CD4+FOXP3+またはCD4+CD25+CD127dim細胞)を含む細胞の集団がHCTレシピエント対象に投与され、HCTレシピエント対象におけるGVHDを軽減または予防する役割を果たす。
【0025】
移植片対宿主疾患(GVHD)は、同種移植環境において生じ得る炎症性疾患である。GVHDは、ドナー細胞(移植片)がレシピエント細胞(宿主)を攻撃することを伴う。GVHDは、急性GVHD(aGVHD)および慢性GVHD(cGVHD)に分類することができる。aGVHDは、典型的には、移植後の最初の3ヶ月に生じる。aGVHDは、生命を脅かし得、例えば、皮膚、腸、および/または肝臓に浸潤し得る。cGVHDは、典型的には、移植後の最初の3ヶ月後に生じる。cGVHDは、後期処置関連合併症の主要原因であり、生命を脅かし得る。炎症に加えて、cGVHDは、線維症の発症を生じさせ得、これは機能障害をもたらし得る。
【0026】
急性移植片対宿主疾患(aGVHD)に関連する早期病的状態および死亡率は、慢性GVHD(cGVHD)に関連する長期病的状態と同様に、HCTの成功を制限する主な要因である。タクロリムス、シクロスポリン、メトトレキサート、ミコフェノール酸塩、抗胸腺細胞グロブリン、およびコルチコステロイドなどの様々な免疫抑制剤の使用にもかかわらず、HLA適合同胞ドナー(MSD)からの同種HCT後のaGVHDの発生率は、20~60%である。MSDおよびT細胞が豊富な(T cell replete)移植片を使用して同種HCTを受けた患者の約3分の1が、慢性GVHDを発症する。
【0027】
GVHD重症度は、例えばGlucksbergグレード(I~IV)または国際骨髄移植レジストリ(International Bone Marrow Transplant Registry)(IBMTR)グレード分類システム(A~D)を使用して、グレード分類することができる。急性GVHDの重症度は、皮膚、肝臓、および消化管の浸潤の程度の評価によって決定される。個々の臓器浸潤のステージを患者のパフォーマンスステータスと組み合わせて(Glucksberg)、または組み合わせずに(IBMTR)、予後に関して重要であり得る総合的グレードを生成する。グレード分類は、予防または処置に対する応答、生存率に対する影響、および移植片対白血病効果との関連性を評価する観点から重要である。
【0028】
グレードI(A)GVHDは、軽度の疾患として特徴付けられ、グレードII(B)GVHDは中程度として特徴付けられ、グレードIII(C)は重度として特徴付けられ、グレードIV(D)は生命を脅かすものとして特徴付けられる。IBMTRグレード分類システムにより、急性GVHDの重症度は次のように定義される。即ち、グレードA:ステージ1の皮膚浸潤のみ(体の25%未満にわたる斑点状丘疹)、肝臓または胃腸浸潤なし、グレードB:ステージ2の皮膚浸潤、ステージ1~2の腸または肝臓浸潤、グレードC:ステージ3の任意の臓器系の浸潤(全身性紅皮症、ビリルビン6.1~15.0mg/dL、下痢1500~2000mL/日)、グレードD:ステージ4の任意の臓器系の浸潤(水疱形成を伴う全身性紅皮症、ビリルビン>15mg/dL、下痢>2000mL/日または疼痛またはイレウス)である。中程度から重度のGVHDを有する患者は、軽度の疾患を有する患者と比較して有意に高い死亡率を有し、例えば、グレードIII(C)のaGVHDを有する患者の推定5年間生存率は25%であるが、グレードIV(D)の患者の推定5年間生存率は5%である。
【0029】
GVHDの管理は、免疫抑制療法(例えば、高用量コルチコステロイド、免疫抑制剤の長期投与)または細胞傷害性媒介物を必要としてもよく、これらは全て、毒性に関連する。多くの場合、免疫抑制療法は、GVHDを効果的に処置し得ないか、または感染に対する感受性の増加もしくは抗腫瘍免疫の鈍化をもたらし得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、HCTレシピエント対象におけるGVHDを予防または軽減する。例えば、本明細書に開示される方法は、HCTを受けた対象におけるGVHDの任意の発現を予防することができる。
【0031】
本明細書に開示される方法は、例えば、HCTを受けた対象におけるステージ1以上の任意のGVHD、ステージ2以上の任意のGVHD、ステージ3以上の任意のGVHD、またはステージ4の任意のGVHDを予防することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間超またはそれ以上の間、HCTを受けた対象におけるステージ1、2、3、または4の任意のGVHDを予防する。
【0033】
本開示は、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間またはそれ以下の間、HCTを受けた対象におけるステージ1、2、3、または4の任意のGVHDを予防することができる方法を提供する。
【0034】
本開示は、例えば、HCTを受けた対象において、グレードA以上の任意のGVHD、グレードB以上の任意のGVHD、グレードC以上の任意のGVHD、またはグレードDの任意のGVHDを予防することができる方法を提供する。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間超またはそれ以上の間、HCTを受けた対象におけるグレードA、B、C、またはDの任意のGVHDを予防することができる。
【0036】
本開示は、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950,1000間日またはそれ以下の間、HCTを受けた対象におけるグレードA、B、C、またはDの任意のGVHDを予防することができる方法を提供する。
【0037】
本明細書に開示される方法は、例えば、他のHCT方法に比して、ステージ1以上、ステージ2以上、ステージ3以上、またはステージ4のGVHDを示すHCTレシピエント対象の割合を低下させることができる。
【0038】
本明細書に開示される方法は、例えば、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、他のHCT方法に比して、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間またはそれ以上の間、ステージ1以上、ステージ2以上、ステージ3以上、またはステージ4のGVHDを示すHCTレシピエント対象の割合を低下させることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、他のHCT方法に比して、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間またはそれ以下の間、ステージ1以上、ステージ2以上、ステージ3以上、またはステージ4のGVHDを示すHCTレシピエント対象の割合を低下させる。
【0040】
本明細書には、例えば、他のHCT方法に比して、グレードA以上、グレードB以上、グレードC以上、またはグレードDのGVHDを示すHCTレシピエント対象の割合を低下させることができる方法が開示される。
【0041】
本明細書に開示される方法は、例えば、本明細書に開示されるような細胞の集団を投与した後、他のHCT方法に比して、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間またはそれ以上の間、グレードA以上、グレードB以上、グレードC以上、またはグレードDのGVHDを示すHCTレシピエント対象の割合を低下させることができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法は、本明細書に開示される細胞の集団を投与した後、他のHCT方法に比して、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、365、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600、650、700、750、800、850、900、950、1000日間またはそれ以下の間、グレードA以上、グレードB以上、グレードC以上、またはグレードDのGVHDを示すHCTレシピエント対象の割合を低下させる。
【0043】
HCTおよびGVHDにおける免疫細胞
本明細書には、造血幹細胞移植(HCT)の改善のための方法であって、例えば、TconがHSPCおよび/もしくはTregの後に投与されない、またはTregが凍結保存されている、またはTconが凍結保存されていない、あるいはそれらの任意の組み合わせである比較可能な処置方法と比較して、GVHDが軽減または予防される、方法が提供される。通常型T細胞(Tcon)、制御性T細胞(Treg)、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)、および記憶T細胞(Tmem)などの免疫細胞のサブセットは、HCT後のGVHDの態様に寄与し得、例えば、GVT免疫応答、免疫再構成、感染感受性、および生存率に寄与し得る。
【0044】
本明細書には、TconおよびTregの集団をHCTレシピエント対象に投与することを含む方法が開示される。いくつかの実施形態では、iNKTも投与される。いくつかの実施形態では、Tmemも投与される。本開示は、HCTレシピエント対象における臨床転帰の成功に寄与するこれらの細胞の集団を投与するためのパラメータを提供する。理論に束縛されることを望むものではないが、HCTレシピエント対象における臨床転帰の成功に寄与し得るパラメータには、例えば、投与される集団、異なる集団の投与の順序およびタイミング、集団の純度基準、集団を得るための方法、集団を取り扱うまたは保存する方法(例えば、新鮮な細胞の集団対凍結細胞の集団の使用)、投与される集団の投与量、集団を得るための方法、およびこれらの組み合わせが含まれる。
【0045】
GVHDは、レシピエント抗原の認識時に炎症反応を引き起こし得るドナーT細胞によって主に媒介される。ドナー移植片のT細胞枯渇(TCD)は、急性および慢性のGVHDの可能性を低下させるために行うことができる。T細胞は、レクチンなどのタンパク質リガンドへのT細胞の物理的吸着、T細胞特異的抗体を用いた免疫除去、および免疫親和性技術(例えば、免疫吸着カラムでのT細胞もしくはリンパ球特異的抗体の使用、磁気活性化細胞選別(MACS)、または蛍光活性化細胞選別(FACS))を含むがこれらに限定されない方法を使用して、枯渇させることができる。TCD技術をドナー移植片に適用することにより、T細胞が10倍~105倍枯渇し、GVHDの発生率が低下し得る。しかしながら、T細胞の欠如により、移植片対腫瘍(GVT)免疫応答が低減し得るため、TCDにより、癌再発の発生率も増加し得る。さらに、TCDにより、免疫回復が損われ、感染に対する感受性が増加し得る。
【0046】
GVTおよびGVHDは両方とも、T細胞受容体による同族抗原(GVTの腫瘍抗原、GVHDの非腫瘍レシピエント抗原)の認識時に免疫応答を開始する通常型T細胞(Tcon)によって主に媒介される。Tconは、例えば、GVT、GVHD、またはこれらの組み合わせに寄与し得る。理論に束縛されることを望むものではないが、Treg投与後のTcon投与により、GVT免疫が増強され、および/または感染に対する感受性を低減させることができる。
【0047】
本明細書で使用する場合、Tconは、広義には、全てのCD3+T細胞、中程度~高レベルのCD127を発現する細胞、CD3および中程度~高レベルのCD127を発現する細胞、またはCD3、中程度~高レベルのCD127、およびCD4もしくはCD8を発現する細胞を指すことができる。いくつかの実施形態では、Tconは、Vα24Jα18TCRを発現しない。TconおよびTregは、互いに排他的でない細胞の集団であり得る。いくつかの実施形態では、TconおよびTregは、互いに排他的な細胞の集団である。
【0048】
制御性T細胞(「Treg」)は、免疫系の活性化を抑制し、それによって免疫寛容を維持することができるT細胞の特殊な亜集団である。理論に束縛されることを望むものではないが、本開示の方法によって投与されるTregの集団は、例えば、移植レシピエントにおけるGVHDを軽減もしくは予防し、および/または移植レシピエントにおける免疫再構成を改善することによって、良い臨床転帰に寄与し得る。通常型T細胞(Tcon)を投与する前にHSPCと共にTregを投与することにより、例えば、移植片対腫瘍(GVT)の保持およびGVHDの予防を促進することができる。通常型T細胞(Tcon)を投与する前にHSPCと共にTregを投与することにより、例えば、代替のHCT方法に比して、移植片対腫瘍(GVT)の保持を促進し、GVHDを軽減することができる。通常型T細胞(Tcon)を投与する前にHSPCと共にTregを投与することにより、例えば、代替のHCT方法に比して、移植片対腫瘍(GVT)効果の保持を促進し、GVHDのリスクを軽減することができる。理論に束縛されることを望むものではないが、例えば代替のHCT方法に比して、Tregの投与により、GVHDを予防することができ、Tconの投与により、GVT効果を促進することができる。いくつかの実施形態では、代替のHCT方法に比して、Tregを投与することより、GVHDを発症するリスクを低下させ、Tconを投与することにより、GVT効果を促進する。
【0049】
天然の制御性T細胞(nTreg)および誘導性制御性T細胞(iTreg)を含む様々な種類のTreg、例えば、TCRαβ+CD4+制御性T細胞がある。nTregは、胸腺で産生され、長寿命の自己抗原特異的リンパ球系として末梢に送達されるT細胞である。iTregは、循環リンパ球から動員され、末梢における特定の刺激条件下で制御特性を得る。nTregおよびiTregは、CD4+CD25+であり、両方とも用量依存的様式でCD4+CD25-T細胞の増殖を阻害することができ、両方ともアネルギー性であり、TCR刺激時に増殖しない。CD4およびCD25に対して陽性であることに加えて、Tregは、細胞内マーカーである転写因子FOXP3に対して陽性である。Tregは、様々なマーカー発現プロファイルに基づいて同定または選択され得る。Tregを選択するために使用することができるマーカー発現プロファイルの非限定的な例には、(1)CD4+CD25+CD127dim、(2)CD4+FOXP3+、(3)CD3+CD4+CD25+、(5)CD3+CD4+CD25+CD127dim、(6)CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、(7)CD3+FOXP3+、(8)CD3+CD4+FOXP3+、(9)CD3+CD4+CD25+FOXP3+、(10)CD3+CD25+FOXP3+、(11)CD3+CD25+CD127dim、(12)CD4+CD25+、(13)CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、(14)FOXP3+、CD4+FOXP3+、(15)CD4+CD25+FOXP3+、(16)CD25+FOXP3+、または(17)CD25+CD127dimが含まれる。
【0050】
特定の発現プロファイルに基づく選択は、細胞外マーカーに基づいて、細胞透過性を必要とせずに、例えばCD4+CD25+CD127dimに基づく選択によって達成することができる。
【0051】
本開示の方法において、HCTを受けた対象にTregを投与することは、例えば、移植片拒絶を予防するために役立ち、GVHDを予防するために役立ち、GVHDを軽減するために役立ち、造血再構成を促進し、免疫再構成を促進し、混合キメリズムを促進し、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0052】
本開示の方法において、インバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)を対象に投与することができる。iNKTは、ヒトにおけるVα24Jα18TCRα鎖(本明細書では「Vα24Jα18+」と称する)を含む高度に保存されたαβ-T細胞受容体を発現するCD1d拘束性ナチュラルキラーT(NKT)細胞のサブクラスである。iNKT細胞は、α-ガラクトシルセラミド(GalCer)、PBS-57、PBS-44、または他の天然もしくは合成糖脂質を充填したCD1d多量体と結合させることによって同定することができ、四量体、デンドリマー、および他の構造、Fc融合物、またはこれらの任意の組み合わせとして見出すことができる。別の同定方法は、抗体またはVα24Jα18領域を特異的に認識する抗体の組み合わせである。例には、Vα24抗体、Jα18抗体、またはVα24Jα18TCRの特有の領域に特異的に結合し、かつ、iNKT細胞を同定するために使用することができるモノクローナル抗体クローン6B11が含まれる。iNKTは、CD3+Vα24Jα18+であり得る。
【0053】
本開示の方法において、iNKTをHCTを受けた対象に投与することにより、例えば、生着が促進され、GVTが促進され、GVHDが軽減され、癌再発に対する感受性が低下し、感染に対する感受性が低下し、またはこれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、iNKTは、Tregの活性を促進する。いくつかの実施形態では、iNKTは、HSPCの活性を促進する。
【0054】
本開示の方法において、記憶T細胞(Tmem)が対象に投与され得る。Tmemは、例えば、表現型マーカーCD45RO、TCRα、TCRβ、CD3、CD4またはCD8、CD95、およびIL-2Rβ発現する、抗原経験(antigen experienced)T細胞を指すことができる。記憶T細胞は、免疫を提供し、非活性状態で長期間持続することができる。記憶T細胞は、抗原による再チャレンジ(re-challenge)時に、急速にエフェクター機能を獲得することができる。記憶T細胞の集団には、サブクラスである中心記憶T細胞およびエフェクター記憶T細胞の任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、Tmemは、CD3+CD45RA-CD45RO+である。本開示の方法において、HCTを受けた対象に投与されるTmemにより、例えば、GVTが促進され、GVHDが軽減され、癌再発に対する感受性が低下し、感染に対する感受性が低下し、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0055】
HLAタイプおよびドナー/ホスト適合
本開示は、細胞の集団を対象に投与することを含む方法を提供する。レシピエントに投与される細胞の集団は、同種ドナーに由来し得る。候補者およびレシピエントをHLAタイピングして、それらが任意のHLA対立遺伝子において適合するかどうかを決定することができる。
【0056】
主要組織適合性複合体(MHC)抗原とも広く称されるヒト白血球抗原(HLA)は、細胞に抗原同一性を付与し得る細胞の表面上で発現されるタンパク質分子である。HLA/MHC抗原は、免疫エフェクター細胞と同じ造血幹細胞源に由来するもの(「自己」)または別の造血細胞源に由来するもの(「非自己」)としてT細胞およびナチュラルキラー(NK)細胞によって認識され得る標的分子である。HLAクラスI抗原(ヒトではA、B、およびC)は、大多数の細胞によって発現されるが、HLAクラスII抗原(ヒトではDR、DP、およびDQ)は、主にプロフェッショナル抗原提示細胞で発現される。両方のHLAクラスがGVHDに関与している。
【0057】
HLA抗原は、高多型(highly polymorphic)遺伝子によってコードされ、各HLAクラスIおよびII遺伝子について様々な対立遺伝子が存在する。対立遺伝子産物は、αおよび/またはβドメイン(複数可)中の1つ以上のアミノ酸において異なる。特定の抗体または核酸試薬のパネルは、クラスIおよびクラスII分子を発現する白血球を使用して個体のHLAハプロタイプをタイピングするために使用される。HLA対立遺伝子は、様々なレベルの詳細で説明され得る。殆どの命名は、HLAおよび遺伝子座の名称で始まり、次いで、*および対立遺伝子を特定するいくつかの(偶数)桁数である。最初の2桁は、対立遺伝子の群を特定する。古いタイピング方法論は、対立遺伝子を完全に区別できないことが多く、このレベルで中断した。第3桁から第4桁は、同義の対立遺伝子を特定する。第5桁から第6桁は、遺伝子のコードフレーム内の任意の同義の変異を示す。第7桁および第8桁は、コード領域外の変異を区別する。L、N、Q、またはSなどの文字が、発現レベルまたはこれに関する既知の他の非ゲノムデータを特定するために、対立遺伝子の命名後にあってもよい。したがって、完全に説明される対立遺伝子は、HLA-prefixおよび遺伝子座表記を含まない、最大9桁の長さであり得る。
【0058】
3つのHLA遺伝子は、可能性がある移植ドナーおよびレシピエントのHLAタイピングに最も重要であると考えられ、これは、HLA-A、HLA-B、およびHLA-DRである。ヒト対象はそれぞれ2コピーを保有するため、HLAタイピングされる遺伝子は合計6つある。
【0059】
HLA適合とは、6つのHLA-A、HLA-B、およびHLA-DR対立遺伝子のうちの6つ全てがドナーとレシピエントとの間で適合であるドナー-レシピエントのペアを指す。HLA不適合とは、少なくとも1つのHLA抗原がドナーとレシピエントとの間で不適合であるドナー-レシピエントのペアを指す。GVHDは、ドナーおよびレシピエントがHLA適合であっても発生し得るが、それは、免疫系が、それらの組織間の他の違いを依然として認識することができるためである。
【0060】
一方の親から遺伝したHLA対立遺伝子のセットは、ハプロタイプを形成する。いくつかの対立遺伝子およびハプロタイプが他の対立遺伝子よりも一般的であり、それらは異なる人種および民族集団において異なる頻度で分布するため、患者のハプロタイプを同定することは、適合ドナーを見出す確率を予測するために役立ち、検索戦略の開発を支援することができる。HLAハプロタイプ一致とは、1つの染色体がドナーとレシピエントとの間で少なくともHLA-A、HLA-B、およびHLA-DRにおいて一致する、ドナー-レシピエントのペアを指す。ハプロタイプ一致であるペアは、他の対立遺伝子、例えば、他の染色体上の他のHLA遺伝子、またはいずれかの染色体上の追加の組織適合性遺伝子座において適合してもよいし、または適合しなくてもよい。そのようなドナーは、しばしば家族において生じ、例えば、親は、子供とハプロタイプ一致であり、兄弟姉妹は、ハプロタイプ一致であり得る。
【0061】
本開示は、細胞の集団を対象に投与することを含む方法を提供する。レシピエントに投与される細胞の集団は、同種ドナーに由来し得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される細胞の集団は、ドナーおよびレシピエントをHLAタイピングした後、例えば、ドナーおよびレシピエントにおいてHLA対立遺伝子HLA-A、HLA-BおよびHLA-DRをタイピングにすることによって、ドナーおよびレシピエントがHLA適合またはHLA不適合であるかどうかを決定した後、レシピエント対象に投与される。本開示のドナー-レシピエントのペアは、HLA適合、HLA不適合、またはハプロタイプ一致であり得る。ドナーおよびレシピエントは、親族であり得る(例えば、親、子供、兄弟姉妹、祖父母、孫、叔母、叔父、またはいとこであり得る)。ドナーおよびレシピエントは、親族であり得、HLA適合、HLA不適合、またはハプロタイプ一致であり得る。ドナーおよびレシピエントは、親族でなくてもよい。
【0063】
キメリズム
ドナーからレシピエントへの移植細胞の投与後、レシピエントにおいてキメリズムをモニタリングすることができる。キメリズムは、HCTを受けた個体におけるドナー細胞および宿主細胞の混合を指すことができる。GVHDのリスクは、完全キメリズムではなく、混合キメリズムを有する患者において著しく低下し、この理由から混合キメリズムを達成することが望ましい。さらに、免疫不全および感染は、混合キメリズムに対して、完全キメリズムにおいてより頻繁に観察される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される方法は、ヒト対象が混合キメリズムを達成することを可能にする。
【0064】
移植後の任意の時点で所与の細胞系統において95%超のドナー細胞を示す対象は、完全なドナーキメリズムを有すると称することができる。そのような分析において1%超であるが95%未満のドナーDNAを示す対象は、混合キメリズムを有すると称することができる。混合キメリズムを示す対象は、キメリズムの進展に従ってさらに分類することができ、混合キメリズムの改善は、少なくとも6ヶ月間にわたるドナー細胞の割合の連続的な増加を含むことができる。安定した混合キメリズムは、ドナー細胞を完全に喪失せずに、時間経過に伴うレシピエント細胞の割合の変動を含み得る。
【0065】
対象が完全キメラ、混合キメラ、または非キメラであるかどうかの決定は、移植片レシピエント、例えば末梢血または骨髄由来の造血細胞試料の分析によって行うことができる。任意の好都合なタイピング方法によって分析を行うことができる。いくつかの実施形態では、全ての単核細胞、T細胞、B細胞、CD56+NK細胞、およびCD15+好中球間でのキメリズムの程度は、マイクロサテライト分析のためのプローブを用いたPCRを使用して定期的にモニタリングされる。例えば、市販のキットを使用して、単鎖末端反復配列長における多型に基づいて、細胞から抽出されたドナーおよび宿主遺伝子材料を定量化することができる。自動リーダーは、人工ドナーおよび宿主細胞混合物からの標準曲線に基づいてドナー種細胞の割合を提供する。
【0066】
方法
細胞の取得
本開示の1つ以上の細胞の集団は、単一のドナーから得ることができ、例えば、単一のドナーの動員された末梢血アフェレシスから得ることができる。HSPC、Treg、Tcon、iNKT、Tmem、またはこれらの任意の組み合わせは、単一のドナーから得ることができる。
【0067】
本開示の1つ以上の細胞の集団は、1人のドナーから得ることができ、本開示の1つ以上の追加の細胞の集団は、第2のドナーから得ることができる。本開示の1つの細胞の集団は、単一のドナーから得ることができ、本開示の第2の細胞の集団は、複数のドナーから得ることができる。
【0068】
本開示の集団は、複数のドナーから得ることができ、例えば、複数のドナーの動員された末梢血アフェレシスから得ることができる。HSPCは、複数のドナーから得ることができる。Tregは、複数のドナーから得ることができる。Tconは、複数のドナーから得ることができる。iNKTは、複数のドナーから得ることができる。Tmemは、複数のドナーから得ることができる。
【0069】
本開示のドナーおよびレシピエントは、同種であり得る。本開示のドナーおよびレシピエントは、HLA適合であり得る。本開示のドナーおよびレシピエントは、HLA不適合、例えば、主なHLA対立遺伝子のうちの1、2、3、4、5、または6つで不適合であり得る。本開示のドナーおよびレシピエントは、ハプロタイプ一致であり得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、本開示の細胞の集団は、全血から得ることができる。本開示の細胞の集団は、末梢血アフェレシス生成物、例えば、動員された末梢血アフェレシス生成物から得ることができる。本開示の細胞の集団は、少なくとも1つのアフェレシス生成物、2つのアフェレシス生成物、3つのアフェレシス生成物、4つのアフェレシス生成物、5つのアフェレシス生成物、6つのアフェレシス生成物、またはそれ以上の生成物から得ることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、本開示の細胞の集団は、骨髄から得ることができる。いくつかの実施形態では、本開示の細胞の集団は、臍帯血から得ることができる。
【0072】
細胞の処理
本開示の細胞の集団は、別の細胞の集団、例えば、末梢血または末梢血アフェレシス生成物から選択することによって精製することができる。細胞の集団の選択方法は、目的の細胞の集団の正または負の選択を伴う方法を含むことができる。細胞の集団の選択方法は、抗体、全長抗体、抗体の断片、天然に存在する抗体、合成抗体、操作された抗体、全長アフィボディ、アフィボディの断片、全長アフィリン、アフィリンの断片、全長アンチカリン、アンチカリンの断片、全長アビマー、アビマーの断片、全長DARPin、DARPinの断片、全長フィノマー、フィノマーの断片、全長クニッツ(kunitz)ドメインペプチド、クニッツドメインペプチドの断片、全長モノボディ、モノボディの断片、ペプチド、またはポリアミノ酸を含むがこれらに限定されない、親和性試薬を含むことができる。いくつかの実施形態では、親和性試薬は、検出試薬および/または精製試薬に直接的に結合されている。いくつかの場合には、検出試薬および精製試薬は同じである。他の場合には、検出試薬および精製試薬は異なる。例えば、検出試薬および/または精製試薬は、蛍光性、磁気性等である。いくつかの場合には、検出試薬および/または精製試薬は、カラム精製のための磁性粒子である。例えば、磁気カラム精製は、カラム、抗体、緩衝液、調製材料および試薬のMiltenyiシステム(CliniMACs)を使用して行ってもよい。
【0073】
親和性試薬は、目的の細胞の集団に対して正または負の選択を行うために抗体またはその断片もしくは誘導体の結合特異性を利用する、免疫親和性試薬を含むことができる。細胞の集団の選択方法は、特定の抗体およびマイクロビーズを用いた磁気活性化細胞選別(MACS)など、親和性剤およびカラムを含むことができる。細胞の集団の選択方法は、蛍光活性化細胞選別(FACS)を含むことができ、細胞の集団は、1つ以上の蛍光結合抗体を用いた染色プロファイルに基づいて選別される。細胞の集団の選択方法は、物理的吸着、例えば、レクチンなどのタンパク質リガンドへのT細胞の物理的吸着を含むことができる。
【0074】
本開示のHSPCの集団は、CD34の発現に基づいて選択することができる。例えば、本開示のHSPCの集団は、磁気活性化細胞選別(MACS)または蛍光活性化細胞選別(FACS)システムの一部として抗CD34抗体を使用して選択することができる。
【0075】
細胞の集団中のHPSCの数は、例えば、フローサイトメトリーによりCD34+細胞を定量化することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、用量計算は、細胞生存率測定の尺度、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いたフローサイトメトリーまたはトリパンブルー色素排除により決定された生存率に基づいて調整される。
【0076】
本開示のTregを含む細胞の集団は、CD3、CD4、CD25、CD127、FOXP3、およびこれらの組み合わせを含むマーカーの発現に基づいて選択することができる。
【0077】
Tregを含む細胞の集団は、磁気活性化細胞選別(MACS)を使用して選択することができる。Tregを含む細胞の集団は、蛍光活性化細胞選別(FACS)を使用して選択することができる。Tregを含む細胞の集団は、複数の手順、例えば、複数のMACS選択、複数のFACS選択、またはMACSおよびFACS選択の組み合わせを使用して選択することができる。例えば、CD25の発現について第1の選択を行ってもよく、例えばMACSを用いて、造血細胞試料からCD25+細胞を単離する。CD25+細胞をCD4およびCD127に特異的な抗体と接触させ、FACSを使用してCD4+CD127dimである細胞を単離することによって、第2の選択を行ってもよい。
【0078】
Tregを含む細胞の集団は、全血から単離することができる。Tregを含む細胞の集団は、末梢血アフェレシス生成物から単離することができる。Tregを含む細胞の集団は、1つ以上の他の細胞種について事前に濃縮および/または枯渇した細胞の集団から単離することができ、例えば、CD34+細胞を枯渇させた細胞の集団から単離することができる。いくつかの実施形態では、Tregは、CD34+MACS選択のフロースルー画分から単離される。
【0079】
細胞の集団中のTregの数は、例えば、フローサイトメトリーによって決定することができ、Tregは、例えば、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+として同定することができる。用量計算は、細胞生存率測定の尺度、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いたフローサイトメトリーまたはトリパンブルー色素排除により決定された生存率に基づいて調整することができる。
【0080】
Tconの集団は、末梢血から供給することができる。Tregの集団は、末梢血アフェレシス生成物から供給することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、選択工程は行わず、Tconの集団は末梢血またはアフェレシス生成物のアリコートから直接供給される。いくつかの実施形態では、細胞の集団は、例えば、MACS、FACS、またはこれらの組み合わせを使用した様々なマーカーの発現に基づいて選別することによって、Tconについて濃縮することができる。Tconの集団は、CD3+細胞について選別することによって濃縮することができる。Tconの集団は、CD4+およびCD8+細胞について選別することによって濃縮することができる。Tconの集団は、負の選択によって濃縮することができ、非Tcon細胞は、例えば、CD34、CD19、CD25、またはこれらの組み合わせを発現する細胞のMACS枯渇によって除去される。
【0082】
集団中に存在するTconの数は、例えば、フローサイトメトリーによりCD3+細胞を定量化することによって定量化することができる。アリコート中のCD3+細胞の数を決定し、適切な用量のCD3細胞を含む体積をレシピエントに投与することができる。用量計算は、細胞生存率の尺度、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いたフローサイトメトリーまたはトリパンブルー色素排除により決定された生存率に基づいて調整することができる。
【0083】
本開示のアフェレシス生成物は、2つの部分に分けることができ、一方の部分は、Tcon細胞を提供するために使用され、他方の部分は、HSPCおよびTregを単離および精製するために使用される。いくつかの実施形態では、CD34+細胞は、アフェレシス生成物から単離および精製され、これによりCD34陰性細胞画分が作られ、次いで、Tregが単離される。
【0084】
iNKTの集団は、末梢血から供給することができる。iNKTの集団は、末梢血アフェレシス生成物から供給することができる。
【0085】
細胞の集団は、例えば、MACS、FACS、またはこれらの組み合わせを使用して、様々なマーカーの発現に基づいて選別することによって、iNKTについて濃縮することができる。iNKTの集団は、例えば、CD3+Vα24Jα18+細胞の選別によって濃縮することができる。
【0086】
集団に存在するiNKTの数は、例えば、フローサイトメトリーによりCD3+Vα24Jα18+細胞を定量化することによって定量化することができる。アリコート中のCD3+Vα24Jα18+細胞の数を決定し、適切な用量のiNKTを含む体積をレシピエントに投与することができる。いくつかの実施形態では、用量計算は、細胞生存率測定の尺度、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いたフローサイトメトリーまたはトリパンブルー色素排除により決定される生存率に基づいて調整される。
【0087】
Tmemの集団は、末梢血から供給することができる。Tmemの集団は、末梢血アフェレシス生成物から供給することができる。
【0088】
細胞の集団は、例えば、MACS、FACS、またはこれらの組み合わせを使用して、様々なマーカーの発現に基づいて選別することによって、Tmemについて濃縮することができる。Tmemの集団は、例えば、CD3+CD45RA-CD45RO+細胞について選別することによって濃縮することができる。
【0089】
集団中に存在するTmemの数は、例えば、フローサイトメトリーによりCD3+CD45RA-CD45RO+細胞を定量化することによって定量化することができる。アリコート中のCD3+CD45RA-CD45RO+細胞の数を決定し、適切な用量のTmemを含む体積をレシピエントに投与することができる。用量計算は、細胞生存率測定の尺度、例えば、ヨウ化プロピジウムもしくは7-AADを用いたフローサイトメトリーまたはトリパンブルー色素排除により決定された生存率に基づいて調整することができる。
【0090】
新鮮な細胞または凍結保存された細胞の使用
本開示の細胞の集団は、単離後新鮮に、または凍結保存およびその後の解凍後に投与することができる。
【0091】
ドナーから新鮮に単離された細胞(「新鮮な細胞」)は、レシピエント対象に投与され得る。新鮮な細胞は、緩衝液、例えば、0.5%ヒト血清アルブミンを含むCliniMACS PBS-EDTA緩衝液、または2%ヒト血清アルブミンを補充したpH7.4のPlasma-Lyte-Aに保存することができる。新鮮な細胞は、低温(例えば、2~8℃)で保存することができるが、凍結保存/凍結することはできない。
【0092】
ドナーから新鮮な細胞の集団を取得した後、新鮮な細胞は、対象への投与前に、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、120、150、200、または300時間超、またはそれ以上の間、保存することができる。
【0093】
ドナーから新鮮な細胞の集団を取得した後、新鮮な細胞は、対象への投与前に、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、120、150、200、300時間またはそれ以下の間、保存することができる。
【0094】
本開示の細胞は、凍結保存することができる。いくつかの実施形態では、凍結保存は、本明細書に開示される方法に有益であり得る。例えば、その後の解凍および対象への投与の前のTconの凍結保存により、GVHDが軽減され得る。
【0095】
凍結保存は、保存剤(例えば、DMSO)の添加、および氷結晶形成中の浸透圧細胞傷害を予防するために速度制御冷凍庫中で細胞を徐々に冷却することを含むことができる。凍結保存は、市販の凍結保存試剤および材料、例えば、CryobagsおよびCryoStor(登録商標)CS10を含むことができる。
【0096】
凍結保存された細胞は、低温で数時間~数年の範囲の期間にわたって保存することができる。凍結保存された細胞は、超低温、例えば、-50℃、-60℃、-70℃、-80℃、-90℃、-100℃、-110℃、-120℃、-130℃、-140℃、-150℃、-160℃、-170℃、-180℃、-190℃、-196℃またはそれ以下で保存することができる。凍結保存された細胞は、液体窒素を含む保存デバイス中で保存することができる。
【0097】
細胞は、本開示の他の方法の前または後、例えば、選別方法の前または後、細胞生存率もしくは特定の種類の細胞の濃度を決定するなどの特徴付け方法の前または後に、凍結保存することができる。
【0098】
いくつかの実施形態では、全血は凍結保存することができる。全血は、選別または特徴付けなしに凍結保存することができる。全血は、選別後であるが、特徴付けなしに、凍結保存することができる。全血は、特徴付け後であるが、選別することなく、凍結保存することができる。全血は、特徴付けおよび選別後に凍結保存することができる。全血は、本開示の細胞種を定量化した後に凍結保存することができる。全血は、通常型T細胞(Tcon、例えば、CD3+細胞)を定量化した後に凍結保存することができる。全血は、本開示の全ての細胞または細胞の集団(例えば、通常型T細胞)の生存率を定量化した後に凍結保存することができる。
【0099】
本開示の末梢血アフェレシス生成物は、凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、選別または特徴付けなしに凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、選別後であるが、特徴付けなしに、凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、特徴付け後であるが、選別することなく、凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、特徴付けおよび選別後に凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、本開示の細胞種を定量化した後に凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、通常型T細胞(Tcon、例えば、CD3+細胞)を定量化した後に凍結保存することができる。末梢血アフェレシス生成物は、本開示の全ての細胞または細胞の集団(例えば、通常型T細胞)の生存率を定量化した後に凍結保存することができる。
【0100】
別の細胞の集団から選別または選択された細胞の集団を凍結保存することができ、例えば、HSPC、Treg、Tcon、iNKT、またはTmemの集団を凍結保存することができる。
【0101】
本開示の細胞は、任意量の時間にわたって凍結保存することができる。本開示の細胞は、解凍および対象への投与前に、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超またはそれ以上の間、凍結保存してもよい。
【0102】
本開示の細胞は、解凍および対象への投与前に、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間またはそれ以下の間、凍結保存することができる。
【0103】
本開示の細胞は、解凍および対象への投与前に、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96日間超またはそれ以上の間、凍結保存することができる。
【0104】
本開示の細胞は、解凍および対象への投与前に、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96日間またはそれ以下の間、凍結保存することができる。
【0105】
細胞の投与
投与の順序およびタイミング
本明細書には、細胞の集団を対象に投与することを含む、同種造血幹細胞移植の増強のための方法が開示される。
【0106】
いくつかの実施形態では、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、および通常型T細胞(Tcon)の集団が対象に投与される。
【0107】
HSPCの集団およびTregを含む細胞の集団は、同時もしくは同様の時間または異なる時間に投与することができる。
【0108】
HSPCの集団およびTregを含む細胞の集団は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48時間空けて投与することができる。
【0109】
Tconの集団は、HSPCの集団の後に対象に投与され得る。
【0110】
Tconの集団は、HSPCの集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超後に対象に投与され得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、Tconの集団は、HSPCの集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0112】
Tconの集団は、HSPCの集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0113】
Tconの集団は、Tregを含む細胞の集団の後に対象に投与され得る。
【0114】
Tconの集団は、Tregを含む細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超後に対象に投与され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、Tconの集団は、Tregを含む細胞の集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0116】
Tconの集団は、例えば、Tregの集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0117】
Tconの集団は、HSPCの集団およびTregを含む細胞の集団の後に対象に投与され得る。
【0118】
Tconの集団は、例えば、HSPCの集団およびTregを含む細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超後に対象に投与され得る。
【0119】
いくつかの実施形態では、Tconの集団は、HSPCの集団およびTregを含む細胞の集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0120】
Tconの集団は、例えば、HSPCの集団およびTregを含む細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、通常型T細胞(Tcon)の集団、およびインバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT)の集団が、対象に投与される。
【0122】
iNKTの集団は、HSPCの集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、iNKTの集団は、HSPCの集団の後に対象に投与される。
【0123】
iNKTの集団は、HSPCの集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超後に対象に投与され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、iNKTの集団は、HSPCの集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0125】
iNKTの集団は、例えば、HSPCの集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18-72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0126】
iNKTの集団は、Tregを含む細胞の集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、iNKTの集団は、Tregを含む細胞の集団の後に対象に投与される。
【0127】
iNKTの集団は、Tregを含む細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、iNKTの集団は、Tregを含む細胞の集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0129】
iNKTの集団は、例えば、Tregを含む細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、通常型T細胞(Tcon)の集団、および記憶T細胞(Tmem)の集団が、対象に投与される。
【0131】
Tmemの集団は、HSPCの集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、Tmemの集団は、HSPCの集団の後に対象に投与される。
【0132】
Tmemの集団は、HSPCの集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超後に対象に投与され得る。
【0133】
いくつかの実施形態では、Tmemの集団は、HSPCの集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0134】
Tmemの集団は、HSPCの集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0135】
Tmemの集団は、Tregを含む細胞の集団と同時にまたは同様の時間に対象に投与され得る。いくつかの実施形態では、Tmemの集団は、Tregを含む細胞の集団の後に対象に投与される。
【0136】
Tmemの集団は、Tregを含む細胞の集団の少なくとも約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間超後に対象に投与され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、Tmemの集団は、Tregを含む細胞の集団の最大で約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、または96時間後に対象に投与される。
【0138】
Tmemの集団は、Tregを含む細胞の集団の約6~96、12~84、12~72、12~66、12~60、12~54、12~48、12~42、12~36、12~30、12~24、12~18、18~72、18~66、18~60、18~54、18~48、18~42、18~36、18~30、18~24、24~72、24~66、24~60、24~54、24~48、24~42、24~36、24~30、30~72、30~66、30~60、30~54、30~48、30~42、30~36、36~72、36~66、36~60、36~54、36~48、36~42、42~72、42~66、42~60、42~54、42~48、48~72、48~66、48~60、48~54、54~72、54~66、54~60、60~72、60~66、または66~72時間後に対象に投与され得る。
【0139】
用量
HSPC
対象に投与されるHPSCの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超またはそれ以上の細胞の用量で投与することができる。
【0140】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるHPSCの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個またはそれ以下の細胞の用量で投与することができる。
【0141】
対象に投与されるHPSCの集団は、例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個またはそれ以上のCD34+細胞の用量で投与することができる。
【0142】
対象に投与されるHPSCの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個またはそれ以下のCD34+細胞の用量で投与することができる。
【0143】
例えば、対象に投与されるHPSCの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~2×107、5×105~2×107、5×105~1.5×107、5×105~1×107、5×105~9×106、5×105~8×106、5×105~7×106、5×105~6×106、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1.5×107、1×106~1×107、1×106~9×106、1×106~8×106、1×106~7×106、1×106~6×106、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1.5×106~1.5×107、1.5×106~1×107、1.5×106~9×106、1.5×106~8×106、1.5×106~7×106、1.5×106~6×106、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1.5×107、2×106~1×107、2×106~9×106、2×106~8×106、2×106~7×106、2×106~6×106、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2.5×106~1.5×107、2.5×106~1×107、2.5×106~9×106、2.5×106~8×106、2.5×106~7×106、2.5×106~6×106、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個の細胞の用量で投与することができる。
【0144】
対象に投与されるHPSCの集団は、例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~2×107、5×105~2×107、5×105~1.5×107、5×105~1×107、5×105~9×106、5×105~8×106、5×105~7×106、5×105~6×106、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1.5×107、1×106~1×107、1×106~9×106、1×106~8×106、1×106~7×106、1×106~6×106、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1.5×106~1.5×107、1.5×106~1×107、1.5×106~9×106、1.5×106~8×106、1.5×106~7×106、1.5×106~6×106、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1.5×107、2×106~1×107、2×106~9×106、2×106~8×106、2×106~7×106、2×106~6×106、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2.5×106~1.5×107、2.5×106~1×107、2.5×106~9×106、2.5×106~8×106、2.5×106~7×106、2.5×106~6×106、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個のCD34+細胞の用量で投与することができる。
【0145】
本開示のHSPCの集団は、CD34+細胞について、定義された純度レベルを有することができる。
【0146】
例えば、本開示のHSPCの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超、またはそれ以上のCD34+細胞を含むことができる。
【0147】
いくつかの実施形態では、本開示のHSPCの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、最大で約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以下のCD34+細胞を含む。
【0148】
本開示のHSPCの集団は、定義されたレベルの汚染CD3+細胞を有することができる。
【0149】
例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×102、2×102、3×102、4×102、5×102、6×102、7×102、8×102、9×102、1×103、2×103、3×103、4×103、5×103、6×103、7×103、8×103、9×103、1×104、2×104、3×104、4×104、5×104、6×104、7×104、8×104、9×104、1×105個超、またはそれ以上のCD3+細胞が、本開示のHSPCの集団中に存在する。
【0150】
いくつかの実施形態では、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×102、2×102、3×102、4×102、5×102、6×102、7×102、8×102、9×102、1×103、2×103、3×103、4×103、5×103、6×103、7×103、8×103、9×103、1×104、2×104、3×104、4×104、5×104、6×104、7×104、8×104、9×104、1×105個、またはそれ以下のCD3+細胞が、本開示のHSPCの集団中に存在する。
【0151】
本開示のHSPCの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、少なくとも約0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%超、またはそれ以上のCD3+細胞を含むことができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、本開示のHSPCの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、最大で約0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、またはそれ以下のCD3+細胞を含むことができる。
【0153】
Treg
対象に投与されるTregを含む細胞の集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超またはそれ以上の細胞の用量で投与することができる。
【0154】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTregを含む細胞の集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個またはそれ以下の細胞の用量で投与することができる。
【0155】
対象に投与されるTregを含む細胞の集団は、例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超またはそれ以上のTregの用量で投与することができ、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+CD127dimとして定義される。
【0156】
対象に投与されるTregを含む細胞の集団は、例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個またはそれ以下のTregの用量で投与することができ、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+CD127dimとして定義される。
【0157】
対象に投与されるTregを含む細胞の集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~1×107、5×105~1×107、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1×107、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1×106~1.5×106、1.5×106~1×107、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~2×106、2.5×106~1×107、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個の細胞の用量で投与することができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTregを含む細胞の集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~1×107、5×105~1×107、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1×107、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1×106~1.5×106、1.5×106~1×107、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~2×106、2.5×106~1×107、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個のTregの用量で投与することができ、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+CD127dimとして定義される。
【0159】
本開示のTregを含む細胞の集団は、例えば、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超、またはそれ以上のFOXP3+細胞を含むことができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、最大で約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以下のFOXP3+細胞を含む。
【0161】
本開示のTregを含む細胞の集団は、例えば、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超、またはそれ以上のCD4+CD25+CD127dim細胞を含むことができる。
【0162】
いくつかの実施形態では、本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、最大で約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以下のCD4+CD25+CD127dim細胞を含む。
【0163】
例えば、本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超、またはそれ以上のTregを含むことができ、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+CD127dimとして定義される。
【0164】
いくつかの実施形態では、本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、最大で約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以下のTregを含み、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+CD127dimとして定義される。
【0165】
本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、例えば、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、84%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~91%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、81%~99%、82%~99%、83%~99%、84%~99%、85%~99%、86%~99%、87%~99%、88%~99%、89%~99%、90%~99%、91%~99%、92%~99%、94%~99%、95%~99%、96%~97%、98%~99%、50%~98%、60%~98%、70%~98%、80%~98%、81%~98%、82%~98%、83%~98%、84%~98%、85%~98%、86%~98%、87%~98%、88%~98%、89%~98%、90%~98%、91%~98%、92%~98%、94%~98%、95%~98%、96%~97%、98%~98%、50%~97%、60%~97%、70%~97%、80%~97%、81%~97%、82%~97%、83%~97%、84%~97%、85%~97%、86%~97%、87%~97%、88%~97%、89%~97%、90%~97%、91%~97%、92%~97%、94%~97%、95%~97%、96%~97%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%、81%~96%、82%~96%、83%~96%、84%~96%、85%~96%、86%~96%、87%~96%、88%~96%、89%~96%、90%~96%、91%~96%、92%~96%、94%~96%、95%~96%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、81%~95%、82%~95%、83%~95%、84%~95%、85%~95%、86%~95%、87%~95%、88%~95%、89%~95%、90%~95%、91%~95%、92%~95%、または94%~95%のFOXP3+細胞を含むことができる。
【0166】
本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、81%~100%、82%~100%、83%~100%、84%~100%、84%~100%、86%~100%、87%~100%、88%~100%、89%~100%、90%~91%、92%~100%、93%~100%、94%~100%、95%~100%、96%~100%、97%~100%、98%~100%、99%~100%、99.5%~100%、50%~99%、60%~99%、70%~99%、80%~99%、81%~99%、82%~99%、83%~99%、84%~99%、85%~99%、86%~99%、87%~99%、88%~99%、89%~99%、90%~99%、91%~99%、92%~99%、94%~99%、95%~99%、96%~97%、98%~99%、50%~98%、60%~98%、70%~98%、80%~98%、81%~98%、82%~98%、83%~98%、84%~98%、85%~98%、86%~98%、87%~98%、88%~98%、89%~98%、90%~98%、91%~98%、92%~98%、94%~98%、95%~98%、96%~97%、98%~98%、50%~97%、60%~97%、70%~97%、80%~97%、81%~97%、82%~97%、83%~97%、84%~97%、85%~97%、86%~97%、87%~97%、88%~97%、89%~97%、90%~97%、91%~97%、92%~97%、94%~97%、95%~97%、96%~97%、50%~96%、60%~96%、70%~96%、80%~96%、81%~96%、82%~96%、83%~96%、84%~96%、85%~96%、86%~96%、87%~96%、88%~96%、89%~96%、90%~96%、91%~96%、92%~96%、94%~96%、95%~96%、50%~95%、60%~95%、70%~95%、80%~95%、81%~95%、82%~95%、83%~95%、84%~95%、85%~95%、86%~95%、87%~95%、88%~95%、89%~95%、90%~95%、91%~95%、92%~95%、または94%~95%のTregを含むことができ、Tregは、CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+、CD3+CD4+CD25+CD127dim、CD3+CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、CD3+FOXP3+、CD3+CD4+FOXP3+、CD3+CD4+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+FOXP3+、CD3+CD25+CD127dim、CD4+CD25+、CD4+CD25+CD127dimFOXP3+、FOXP3+、CD4+FOXP3+、CD4+CD25+FOXP3+、CD25+FOXP3+、またはCD25+CD127dimとして定義される。
【0167】
本開示のTregを含む細胞の集団は、定義されたレベルの汚染非Treg細胞を有することができる。
【0168】
例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×102、2×102、3×102、4×102、5×102、6×102、7×102、8×102、9×102、1×103、2×103、3×103、4×103、5×103、6×103、7×103、8×103、9×103、1×104、2×104、3×104、4×104、5×104、6×104、7×104、8×104、9×104、1×105個超、またはそれ以上の非Treg細胞が、本開示のTregを含む細胞の集団中に存在することができ、非Treg細胞は、FOXP3-またはCD127+/brightである。
【0169】
いくつかの実施形態では、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×102、2×102、3×102、4×102、5×102、6×102、7×102、8×102、9×102、1×103、2×103、3×103、4×103、5×103、6×103、7×103、8×103、9×103、1×104、2×104、3×104、4×104、5×104、6×104、7×104、8×104、9×104、1×105個、またはそれ以下の非Treg細胞が、本開示のTregを含む細胞の集団中に存在することができ、非Treg細胞は、FOXP3-またはCD127+/brightである。
【0170】
本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、例えば、少なくとも約0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%超、またはそれ以上の非Treg細胞を含むことができ、非Treg細胞は、FOXP3-またはCD127+/brightである。
【0171】
いくつかの実施形態では、本開示のTregを含む細胞の集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、例えば、最大で約0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%、1.5%、1.6%、1.7%、1.8%、1.9%、2%、2.1%、2.2%、2.3%、2.4%、2.5%、2.6%、2.7%、2.8%、2.9%、3%、3.1%、3.2%、3.3%、3.4%、3.5%、3.6%、3.7%、3.8%、3.9%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、またはそれ以下の非Treg細胞を含み、非Treg細胞は、FOXP3-またはCD127+/brightである。
【0172】
Tcon
対象に投与されるTconの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、例えば、少なくとも約1×104、1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超、またはそれ以上の細胞の用量で投与することができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTconの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個、またはそれ以下の細胞の用量で投与することができる。
【0174】
対象に投与されるTconの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×105、2×105、3×105、4×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超、またはそれ以上のTconの用量で投与することができ、TconはCD3+として定義される。
【0175】
対象に投与されるTconの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個、またはそれ以下のTconの用量で投与することができ、TconはCD3+として定義される。
【0176】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTconの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~1×107、5×105~1×107、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1×107、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1×106~1.5×106、1.5×106~1×107、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~2×106、2.5×106~1×107、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個の細胞の用量で投与することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTconの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~1×107、5×105~1×107、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1×107、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1×106~1.5×106、1.5×106~1×107、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~1×107、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2×106~2×106、2.5×106~1×107、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個のTconの容量で投与することができ、TconはCD3+として定義される。
【0178】
本開示のTconの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超、またはそれ以上のCD3+細胞を含むことができる。
【0179】
本開示のTconの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、最大で約5%、10%、20%、30%、40%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以下のCD3+細胞を含むことができる。
【0180】
例えば、本開示のTconの集団は、全細胞、有核細胞、またはCD45+細胞の割合として、約10%~100%、10%~90%、10%~80%、10%~70%、10%~60%、10%~50%、10%~40%、10%~30%、10%~20%、20%~100%、20%~90%、20%~80%、20%~70%、20%~60%、20%~50%、20%~40%、20%~30%、30%~100%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、30%~60%、30%~50%、30%~40%、40%~100%、40%~90%、40%~80%、40%~70%、40%~60%、40%~50%、50%~100%、50%~90%、50%~80%、50%~70%、50%~60%、60%~100%、60%~90%、60%~80%、60%~70%、70%~100%、70%~90%、70%~80%、80%~100%、80%~90%、または90%~100%のCD3+細胞を含むことができる。
【0181】
iNKT
対象に投与されるiNKTの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超、またはそれ以上の細胞の用量で投与することができる。
【0182】
対象に投与されるiNKTの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個、またはそれ以下の細胞の用量で投与することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるiNKTの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超、またはそれ以上のCD3+Vα24Jα18+細胞の用量で投与することができる。
【0184】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるiNKTの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個、またはそれ以下のCD3+Vα24Jα18+細胞の用量で投与することができる。
【0185】
対象に投与されるiNKTの集団は、例えば、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~2×107、5×105~2×107、5×105~1.5×107、5×105~1×107、5×105~9×106、5×105~8×106、5×105~7×106、5×105~6×106、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1.5×107、1×106~1×107、1×106~9×106、1×106~8×106、1×106~7×106、1×106~6×106、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1.5×106~1.5×107、1.5×106~1×107、1.5×106~9×106、1.5×106~8×106、1.5×106~7×106、1.5×106~6×106、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1.5×107、2×106~1×107、2×106~9×106、2×106~8×106、2×106~7×106、2×106~6×106、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2.5×106~1.5×107、2.5×106~1×107、2.5×106~9×106、2.5×106~8×106、2.5×106~7×106、2.5×106~6×106、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個の細胞の用量で投与することができる。
【0186】
対象に投与されるiNKTの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~2×107、5×105~2×107、5×105~1.5×107、5×105~1×107、5×105~9×106、5×105~8×106、5×105~7×106、5×105~6×106、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1.5×107、1×106~1×107、1×106~9×106、1×106~8×106、1×106~7×106、1×106~6×106、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1.5×106~1.5×107、1.5×106~1×107、1.5×106~9×106、1.5×106~8×106、1.5×106~7×106、1.5×106~6×106、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1.5×107、2×106~1×107、2×106~9×106、2×106~8×106、2×106~7×106、2×106~6×106、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2.5×106~1.5×107、2.5×106~1×107、2.5×106~9×106、2.5×106~8×106、2.5×106~7×106、2.5×106~6×106、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個のCD3+Vα24Jα18+細胞の用量で投与することができる。
【0187】
Tmem
対象に投与されるTmemの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超、またはそれ以上の細胞の用量で投与することができる。
【0188】
対象に投与されるTmemの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個、またはそれ以下の細胞の用量で投与することができる。
【0189】
例えば、対象に投与されるTmemの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、少なくとも約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個超、またはそれ以上のCD3+CD45RA-CD45RO+細胞の用量で投与することができる。
【0190】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTmemの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、最大で約1×104、1×105、5×105、6×105、7×105、8×105、9×105、1×106、1.1×106、1.2×106、1.3×106、1.4×106、1.5×106、1.6×106、1.7×106、1.8×106、1.9×106、2×106、2.1×106、2.2×106、2.3×106、2.4×106、2.5×106、2.6×106、2.7×106、2.8×106、2.9×106、3×106、3.1×106、3.2×106、3.3×106、3.4×106、3.5×106、3.6×106、3.7×106、3.8×106、3.9×106、4×106、4.1×106、4.2×106、4.3×106、4.4×106、4.5×106、4.6×106、4.7×106、4.8×106、4.9×106、5×106、5.1×106、5.2×106、5.3×106、5.4×106、5.5×106、5.6×106、5.7×106、5.8×106、5.9×106、6×106、6.5×106、7×106、7.5×106、8×106、8.5×106、9×106、9.5×106、1×107、1.5×107、2×107、2.5×107、3×107、3.5×107、4×107、4.5×107、5×107、5.5×107、6×107、6.5×107、7×107、7.5×107、8×107、8.5×107、9×107、9.5×107、1×108、1×108、1.5×108、2×108、2.5×108、3×108、3.5×108、4×107、4.5×108、5×108、5.5×108、6×108、6.5×108、7×108、7.5×108、8×108、8.5×108、9×108、9.5×108、1×109個、またはそれ以下のCD3+CD45RA-CD45RO+細胞の用量で投与することができる。
【0191】
いくつかの実施形態では、対象に投与されるTmemの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~2×107、5×105~2×107、5×105~1.5×107、5×105~1×107、5×105~9×106、5×105~8×106、5×105~7×106、5×105~6×106、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1.5×107、1×106~1×107、1×106~9×106、1×106~8×106、1×106~7×106、1×106~6×106、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1.5×106~1.5×107、1.5×106~1×107、1.5×106~9×106、1.5×106~8×106、1.5×106~7×106、1.5×106~6×106、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1.5×107、2×106~1×107、2×106~9×106、2×106~8×106、2×106~7×106、2×106~6×106、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2.5×106~1.5×107、2.5×106~1×107、2.5×106~9×106、2.5×106~8×106、2.5×106~7×106、2.5×106~6×106、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個の細胞の用量で投与することができる。
【0192】
対象に投与されるTmemの集団は、レシピエントの体重1キログラムあたり、例えば、1×104~1×109、1×105~1×108、1×105~2×107、5×105~2×107、5×105~1.5×107、5×105~1×107、5×105~9×106、5×105~8×106、5×105~7×106、5×105~6×106、5×105~5×106、5×105~4×106、5×105~3×106、5×105~2×106、5×105~1×106、1×106~1.5×107、1×106~1×107、1×106~9×106、1×106~8×106、1×106~7×106、1×106~6×106、1×106~5×106、1×106~4×106、1×106~3×106、1×106~2×106、1.5×106~1.5×107、1.5×106~1×107、1.5×106~9×106、1.5×106~8×106、1.5×106~7×106、1.5×106~6×106、1.5×106~5×106、1.5×106~4×106、1.5×106~3×106、1.5×106~2×106、2×106~1.5×107、2×106~1×107、2×106~9×106、2×106~8×106、2×106~7×106、2×106~6×106、2×106~5×106、2×106~4×106、2×106~3×106、2.5×106~1.5×107、2.5×106~1×107、2.5×106~9×106、2.5×106~8×106、2.5×106~7×106、2.5×106~6×106、2.5×106~5×106、2.5×106~4×106、または2.5×106~3×106個のCD3+CD45RA-CD45RO+細胞の用量で投与することができる。
【0193】
Treg対Tconの比
本開示の方法において、対象に投与されるTcon:Tregの比は、例えば、約1:100、1:50、1:25、1:20、1:15、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2.5、1:2、1.5:2、1:1.5、1:1、1.5:1、2:1、2:1.5、2.5:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、20:1、25:1、50:1、または100:1であり得る。
【0194】
前処置レジメン、GVHD予防剤、および追加の薬剤
本開示の方法のいくつかの実施形態では、対象は、本明細書に記載の細胞の集団の注入の前に、骨髄破壊的前処置で処置され得る。
【0195】
いくつかの実施形態では、本開示の方法は、対象への1つ以上の免疫抑制剤または他の薬剤の投与を含むことができる。
【0196】
免疫抑制剤は、例えば、レシピエント免疫系による移植片の拒絶を予防するため、または移植片がレシピエント細胞を攻撃することに起因するGVHDを予防もしくは軽減するために、対象に投与され得る。免疫抑制剤には、例えば、カルシニューリン活性を阻害するために結合タンパク質と組み合わされるカルシニューリン阻害剤、およびモノクローナル抗体が含まれる。
【0197】
カルシニューリン阻害剤には、例えば、タクロリムス、シクロスポリンAなどが含まれる。アジュバント剤は、カルシニューリン阻害剤と組み合わせることができ、例えば、ステロイド、アザチオプリン、マイコフェノール酸モフェチル、およびシロリムスを含む。免疫抑制剤として有用なモノクローナル抗体には、例えば、アンタゴニスト抗体(例えば、バシリキシマブおよびダクリズマブなどのIL-2Rに拮抗する抗体)、ならびに抗体依存性細胞傷害によって免疫細胞の集団を枯渇させる抗体(例えば、ムロモナブ-CD3などのT細胞枯渇のための抗CD3抗体)が含まれる。
【0198】
本開示の方法は、抗腫瘍剤、またはその薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを、それを必要とする対象に投与することをさらに含むことができる。抗腫瘍剤の例には、抗腫瘍アルキル化剤、抗腫瘍代謝産物、抗腫瘍抗生物質、植物由来抗腫瘍剤、抗腫瘍有機白金化合物、抗腫瘍カンプトテシン誘導体、抗腫瘍チロシンキナーゼ阻害剤、モノクローナル抗体、インターフェロン、生物学的応答修飾剤、および抗腫瘍活性を有する他の薬剤、またはその薬学的に許容される塩が含まれるが、これらに限定されない。
【0199】
例示的な実施形態
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、およびc)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含む、通常型T細胞の集団(Tcon)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与される、方法が、本明細書に開示される。
【0200】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、c)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含む、通常型T細胞の集団(Tcon)、およびd)移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤(好ましくはタクロリムスまたはシロリムス)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与され、前記ヒト対象が、前記Tconの集団の投与後30日以内(好ましくは1年以内)に移植片対宿主疾患(GVHD)を発症しない、方法が、本明細書に開示される。
【0201】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましく5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、CD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の50%超(好ましくは90%超)が、Tregであり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、およびc)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含み、前記Tconの集団が、前記Tconの集団の投与前に凍結保存されている、通常型T細胞の集団(Tcon)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与される、方法が、本明細書に開示される。
【0202】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、c)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含み、前記Tconの集団が、前記Tconの集団の投与前に凍結保存されている、通常型T細胞の集団(Tcon)、およびd)移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤(好ましくはタクロリムスまたはシロリムス)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与され、前記ヒト対象が、前記Tconの集団の投与後30日以内(好ましくは1年以内)に移植片対宿主疾患(GVHD)を発症しない、方法が、本明細書に開示される。
【0203】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、CD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の50%超(好ましくは90%超)が、Tregであり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、c)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含む、通常型T細胞の集団(Tcon)、およびd)移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤(好ましくはタクロリムスまたはシロリムス)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与され、前記ヒト対象が、前記Tconの集団の投与後30日以内(好ましくは1年以内)に移植片対宿主疾患(GVHD)を発症しない、方法が、本明細書に開示される。
【0204】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、CD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の50%超(好ましくは90%超)が、Tregであり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、およびc)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含み、前記Tconの集団が、前記Tconの集団の投与前に凍結保存されている、通常型T細胞の集団(Tcon)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与され、前記ヒト対象が、前記Tconの集団の投与後30日以内(好ましくは1年以内)に移植片対宿主疾患(GVHD)を発症しない、方法が、本明細書に開示される。
【0205】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、CD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の50%超(好ましくは90%超)が、Tregであり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、c)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含み、前記Tconの集団が、前記Tconの集団の投与前に凍結保存されている、通常型T細胞の集団(Tcon)、およびd)移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤(好ましくはタクロリムスまたはシロリムス)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与される、方法が、本明細書に開示される。
【0206】
いくつかの実施形態では、処置を必要とするヒト対象の処置方法であって、a)造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団であって、前記HSPCの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のHSPC(好ましくは5×105~2×107個のHSPC)を含み、前記HPSCが、CD34+である、造血幹細胞および前駆細胞(HSPC)の集団、b)制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団であって、前記Tregが、CD4+CD25+CD127dimまたはCD4+FOXP3+であり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×105個超のTreg(好ましくは5×105~4×106個のTreg)を含み、前記Tregを含む細胞の集団が、CD45+細胞を含み、前記CD45+細胞の50%超(好ましくは90%超)が、Tregであり、前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tregを含む細胞の集団の投与前に凍結保存されていない、制御性T細胞(Treg)を含む細胞の集団、c)通常型T細胞の集団(Tcon)であって、前記Tconが、CD3+であり、前記Tconの集団が、前記ヒト対象の体重1キログラムあたり1×107個未満のTcon(好ましくは5×105~4×106個のTcon)を含み、前記Tconの集団が、前記Tconの集団の投与前に凍結保存されている、通常型T細胞の集団(Tcon)、およびd)移植片対宿主疾患(GVHD)予防剤(好ましくはタクロリムスまたはシロリムス)を前記ヒト対象に投与することを含み、前記HSPCの集団および前記Tregを含む細胞の集団が、前記Tconの集団の前に(好ましくは36~60時間前に)投与され、前記ヒト対象が、前記Tconの集団の投与後30日以内(好ましくは1年以内)に移植片対宿主疾患(GVHD)を発症しない、方法が、本明細書に開示される。
【実施例0207】
実施例1:Tconの前にHSPCおよびTregを投与することを含む臨床試験
本実施例は、GVHDの不在下で免疫再構築およびGVTを達成することを含む、癌を有する対象を処置するための本明細書に開示される方法の有用性を例示する。
【0208】
本研究は、HLA適合同胞ドナーを含む高リスク悪性腫瘍を有する12名の患者を含んだ。本研究は、Stanford Institutional Review Board(NCT 01660607)およびFDA IND 14686によって承認された。ヘルシンキ宣言に合致するすべての患者およびドナーについて、書面によるインフォームドコンセントを得た。
【0209】
研究設計
患者の特徴を
図1に提供し、略語は次の通りである。即ち、TBI:全身照射、Cy:シトキサン、VP-16:エトポシド、Bu:ブスルファン、AML:急性骨髄性白血病、CR:完全寛解、MDS:骨髄異形成症候群、RAEB2:過剰芽球性不応性貧血2、NHL:非ホジキンリンパ腫、ETP-ALL:早期T細胞前駆性急性リンパ性白血病、MRD:微小残存病変、CML:慢性骨髄性白血病、MF:骨髄線維症である。
【0210】
骨髄破壊的前処置後、対象に、HSPCの集団およびTregの集団を0日目に投与し、続いてTconの集団を2日目に投与した。本研究の主な目的は、この手法の有効性、安全性、および実行可能性を決定し、注入されるTregおよびTconの最大耐量を決定し、HCTの1年後のEFSを決定することであった。安全性は、処置に起因する任意のグレード2以上の重篤な有害事象として評価し、特定の用量制限毒性は、急性GVHD>グレード2、グレード4 HCTの28日後まで持続する好中球減少症、およびグレード3~5サイトカイン/放出症候群/急性注入反応として定義した。
【0211】
登録のための包含的基準は、自家HCTに適さない高リスク特徴を有すること、年齢≦60歳、HLA適合親族ドナーがいること、および以前に骨髄破壊療法またはHCTを行っていないことを伴う、急性白血病(原発性難治性、CR1後微小残存病変(MRD)陽性または高リスクの特徴を有するCR1)、慢性骨髄性白血病(移行期または急性転化期)、骨髄異形成症候群(中間リスク2または高リスク)、骨髄増殖性障害、非ホジキンリンパ腫である。
【0212】
元の臨床プロトコルスキームを
図2Aに示す。TregをHSPCドナー移植片と共に、Tcon投与の2日前に投与した
。元のプロトコルに対する5人の患者の最初のコホートを確保した後、GVHDが認められた。凍結されたTreg細胞ではなく新鮮なTreg細胞を利用し、標的化用量の単剤タクロリムス(4~6ng/ml)またはシロリムス(6~8ng/ml)GVHD予防を導入するように、プロトコルを修正した(
図2B)。
【0213】
前処置レジメンおよび支持療法
臨床プロトコルは、登録された対象の疾患の特徴に応じて異なる骨髄破壊的前処置レジメンの使用を支持した。急性白血病、高リスクCML、骨髄異形成症候群、および骨髄増殖性障害の場合、前処置は、分割全身照射:fTBI(1320cGy、4日間にわたって分割される)、VP16(60mg/kg、単回注入として)およびシクロホスファミド(60mg/kg、単回注入として)またはブスルファン(最初は3.6mg/kg q24、4日間にわたって注入、800~900nMのブスルファンレベルを標的とする)、ならびにシクロホスファミド(注入1回あたり60mg/kg、2回の注入)を含んだ。非ホジキンリンパ腫の場合、前処置は、カルムスチン(300mg/m2)、VP16(60mg/kg)、およびシクロホスファミド(100mg/kg)からなるものとした。
【0214】
元のプロトコルでの対象は、GVHD予防を受けなかったが、プロトコル修正後、シロリムスがTreg機能を促進するという前臨床の証拠に基づいて、対象は、タクロリムスまたはシロリムスのいずれかを受けることができるものとした。BU/Cy前処置を行った対象における肝中心静脈閉塞症(SOS)の一例の後、シロリムスGVHD予防は、TBIに基づく前処置を行った対象のみに制限された。
【0215】
感染性疾患予防は、アシクロビル400mg TID PO(1年間)、単効(single strength)バクトリム(30~60日目)、およびシプロフロキサシン500mg PO BID(生着まで-2日目)からなるものとした。EBV(2週間毎)およびCMV(毎週)についての定量PCRによるウイルス監視を、+14日目から開始して+100日目まで行った。
【0216】
移植工学技術
10mcg/kgのrhG-CSF(Neupogen,Amgen,Thousand Oaks,CA)を1日5回投与した後に、Stanford Health Careにおいて、連続フローセル分離器(SPECTRA;Cobe BCT)を使用して、アフェレシスによってボランティアドナーからドナー細胞を得た。2回の連続したアフェレシス収集を4日目および5日目に行い、細胞生成物を合わせた。Isolex 300i(Baxter healthcare,Deerfield,IL)またはCliniMACS Cell Selection System(Miltenyi Biotec,Bergish Gladbach,Germany)のいずれかを使用して、CD34+細胞を収集した。CD34減少(フロースルー)画分を保持し、ドナーTregの単離に使用した。細胞選択のために、臨床グレード試薬をBMT細胞療法施設内の優良製造規範(Good Manufacturing Practice Conditions)下で使用した。
【0217】
次に、ビーズ精製(Miltenyi)を使用して、CD25+細胞をCD34枯渇画分から選択した。Tconは陰性画分から取得し、陽性画分はTreg精製に使用した。CD4+CD25+CD127dim細胞を、BD Influx細胞選別機(BD Biosciences,San Jose CA)を使用してFACSによってさらに選択した。CD4およびFoxP3発現について分析した、CD34+選択、CD25+細胞選択、およびCD4+CD127+細胞選別後に収集された細胞の代表的な分析を
図3に示す。免疫磁気選択によるCD34+細胞の枯渇(左パネル)、免疫磁気選択によるCD25+の選択(中央パネル)、およびCD4+CD127低CD25+細胞のFACS選別による精製(右パネル)後のTregの濃縮を示している。代表的なプロットは、1人の患者から提供される。見られるように、高純度のTregが得られた。これらの細胞は、混合リンパ球反応(MLR)において高度に抑制された。
図4Aは、FACSによって分析した、アロ-MLR中のTregと共に/Tregなし(1:1の比)でのT細胞培養HLA不適合PBMCのCFSE
dimの集団の割合を示す。MLRについて、ドナー末梢血またはアフェレシス由来の濃縮されたCD4
+およびCD8
+細胞(2×10
5個、MACSビーズMiltenyi Biotech)を、応答物(Responder)として、96ウェル平底プレート中に3つ組で設定した。応答物を、製造業者の説明書に従って、0日目にCellTrace CFSEで標識付けし(Invitrogen、分子プローブ)、または5日間アッセイの最後の16時間、1μCi/ウェル[
3H、チミジン、Perkin-Elmer]でパルスした。刺激剤は、健康なドナーからの9つの異なるバフィーコートの組み合わせであり、セシウム照射器(
157Cs)で33Gyで照射し、1:0、1:1、1:2、および1:4の比率の応答物対刺激剤(R:S)に設定した。1:1、1:0.5、1:0.25、および1:10の応答物対抑制剤(R:SUP)の比率で、Tregを抑制剤として添加した。培地(cRPMI)にOKT3(Miltenyi Biotech)を補充した。結果をフローサイトメトリー(LSRII BD)またはBeta計数リーダー(Tomtec、Wallac)によって5日目に読み取った。さらなる結果を
図4B~Cに示す。
【0218】
臨床選別のために、抗体を、低pHで30分間保持したプロテインA(またはG)カラム上で再精製した。抗体をFITCおよびAlexafluor647と結合させ、滅菌濾過し、単回使用アリコートで保存した。
【0219】
用量漸増および移植片特性
骨髄破壊的前処置後、対象に、HSPCの集団およびTregの集団を0日目に投与し、続いてTconの集団を2日目に投与した。
【0220】
本研究は、
図5に示すように用量漸増スキームを含むものとした。Treg用量漸増をTreg:Tconの比率として確立し、初回投与コホート標的用量は、3名の患者の最初のコホートにおいて1×10
6個のTreg/kgおよび3×10
6個のCD3+Tcon/kgであった。GVHDが1名の患者において観察されたため、所定の用量漸増計画に従って、1×10
6個のTreg/kgおよび1×10
6個のTcon/kgでの1:1のTreg:Tcon比率での追加の3名の対象へとグループを拡げた。これらの追加の対象に用量制限毒性が観察されなかったため、標的用量を3×10
6個のTreg/kgおよび3×10
6個のCD3+Tcon/kgに漸増させた。追加の3人の患者に用量制限毒性が観察されなかった後、2つのアフェレシス収集物から収集することができるTregの最大技術用量(maximal technical dose)でもある最大耐容標的用量を確立し、追加の3人の患者をこの用量レベルで確保した。多くの患者において、3×10
6個のTreg/kgの達成は実行可能ではなく、達成された細胞用量を何であれ投与した。
【0221】
図6に、新鮮なTregを用いた修正プロトコルの移植片生成および投与の概略図を提供する。1.0×10
6個/kgのTreg用量における全ての対象は、このTregの標的用量を受けたが、全ての対象が3.0×10
6個のTreg/kgの標的用量を受けたわけではない。
図7は、中央値2.5×10
6個のTreg/kg(範囲は2.4~3.0×10
6個のTreg/kgである)を投与した対象の細胞用量収率を示す。細胞内サイトカイン染色によるFOXP3+発現に基づいて、Tregの回収率中央値は67%であり(範囲は50.7~87.8%である)、Treg純度中央値は94%であった(91~96%)。1名を除くすべての患者は、CD34+用量>2.0×10
6個の細胞/kgを達成し、用量中央値は3.9×10
6個の細胞/kgであった(範囲1.2~15.9×10
6個)。投与の詳細を
図8に提供する。
【0222】
細胞注入、生着、および臨床転帰
臨床転帰を
図9に要約する。注入反応は観察されなかった。12名の対象の全員が一次完全ドナー生着を達成したが、高リスクRAEB-2MDSを有する最低用量レベル(1×10
6個のTreg/kgおよび1×10
6個のCD3+Tcon/kg)を受けた対象1名は二次移植片不全を有していた。この対象を含め、好中球は中央値11日目(10~16日目)で1.0×10
9個/Lに達した。血小板は、中央値16日目(9~25日目)で50×10
9/Lに達した。プロトコル修正前に、処置した5名の患者のうち3名が完全寛解を達成した(そのうち2名は1年超の寛解を維持した)。(GVHD予防を用いた新鮮なTregへの)プロトコル修正後、7名の患者のうち5名が完全寛解を達成し(そのうち4名は1年超の寛解を維持した)、GVHDは観察されなかった。
【0223】
Treg:Tconを1:3の比率で受けた初期患者では、急性GVHDグレードIIIが観察された。したがって、TregおよびTconの両方について、1×106/kgの用量で、プロトコルに従って比率を1:1に調整した。この用量レベルで処置した最初の3名の対象のうち、1例の急性GVHDが観察された(グレードIII)。さらに2名の患者をこの比率で処置した。追加の1名の患者が、ステロイド応答性である急性グレードI皮膚GVHDを発症した。
【0224】
新鮮なTregのみを使用し、シロリムスによる低用量単剤GVHD予防を含むように(この薬剤がTregを保護することが示されているため)、プロトコルを修正した(
図2)。肝中心静脈閉塞症のリスクがシロリムスで増加し得る臨床状況では、低用量タクロリムスに置き換えた。プロトコル修正後、GVHDの追加の症例は、その後の7名の患者において観察されなかったが、1名の対象は高トランスアミナーゼ血症を有し、可能性がある肝臓GVHDまたは薬物不耐性について処置され、薬物を変更した後、高トランスアミナーゼ血症の迅速な解消が観察された。
【0225】
合計11名の患者は6ヶ月超の生存率を達成し、慢性GVHDについて評価することができた。フォローアップ中央値の481日目では(範囲は212~1887日である)、11名の対象のうちの2名は慢性GVHDを発症し、両名とも初期プロトコルコホートにあった。両名とも以前のグレードIII急性GVHDを有し、慢性GVHDの発現は皮膚に限定され、ステロイド応答性であった。プロトコル修正後、第2のコホートの患者は、慢性GVHDを発症しなかった。
【0226】
プロトコル修正後、ブスルファンおよびシクロホスファミド前処置により前処置し、GVHD予防のためにシロリムスを受けた1人の患者は、軽度のSOSを有し、デフィブロタイドおよび支持療法で処置されて解消された。12人の患者のうち11人が粘膜炎を経験した(グレード1が4人、グレード2が3人、グレード3が4人)。
【0227】
免疫再構成
本研究に登録された患者の免疫再構築を評価するために、骨髄破壊的HCTを受け、かつ、急性または慢性のGVHDまたは再発を有しなかった5人の同時並行患者からなる比較標準治療対照コホートを同定した。フローサイトメトリーを使用して、免疫細胞サブセットを、HCT後の標準化時点で凍結および解凍PBMCから定量化した(
図10)。
【0228】
Tregの事前注入を有するまたは有しないBMT患者由来のPBMCを液体窒素から回収した。PBMCをMACS緩衝液で洗浄し、汎PBMCパネルまたはTreg活性化パネルで4℃で1時間染色した。MACS緩衝液で洗浄した後、染色細胞を4%ホルムアルデヒドで4℃で一晩固定した。フローサイトメトリー分析をLSR IIで行い、データをFlowJoソフトウェアによって分析した。0.5μMシスプラチナム(Fluidigmカタログ番号201064)を使用して、生存染色を室温で5分間行った。細胞表面抗体マスターミックスを調製し、0.2μmフィルターを通して濾過した。細胞をマスターミックス中に再懸濁し、30分間インキュベートした。細胞を洗浄し、製造業者の推奨に従って調製した固定溶液(eBiosciencesカタログ番号00-5523)中でインキュベートした。細胞を室温で1時間固定し、洗浄し、次いで、細胞内抗体混合物と共に、透過緩衝液(eBiosciencesカタログ番号00-5523)中で1時間インキュベートした。
【0229】
初期コホートでの患者は、修正プロトコルまたは標準治療下で処置された患者と比較して、比較的低いT、B、NK、およびTreg再構成を示した(
図10)。新鮮なTregを用いる修正プロトコルで処置された患者は、標準治療対照と比較して、T、B、NK、DC、および単球集団において概して同程度の免疫再構築を有するように見えた。iNKT細胞の絶対数は、対照と比較した場合、初期および修正された患者コホートの両方では、最初の6ヶ月には有意に低かった(スチューデント両側T検定、p<0.01)。
【0230】
新鮮なTregを用いる修正プロトコルで処置された患者は、急性または慢性のGVHDを発症しなかった標準治療対照と比較して、HCT後のTregの割合および絶対値において同程度の免疫再構築を有するように見えた(スチューデント両側T検定、p=0.01)。フローサイトメトリーによるTregの表現型特徴付けにより、表面受容体CTLA-4、PD-1、CD62L、CD45RO、またはFOXP3の発現の統計学的差異は示されなかった。これはCyTOFによって確認され、エクスビボにおいて、刺激なしで、細胞内IFN-γ、TNF-α発現の増加がないように見えたことが追加で観察された。
図11Aは、HCT後60日目にフローサイトメトリーによって定量化されたTreg(CD4+CD25+CD127dimでゲーティングされる(gated))の特徴を示す。
図11Bは、HCT後60日目にCyTOFによって定量化されたTreg(CD4+CD25+CD127dimでゲーティングされる)の特徴を示す。
【0231】
Treg TCRレパートリー分析
HCT後におけるTregコンパートメントのTCRレパートリー再構成を評価するために、FACSを使用して、移植後約90日目に患者由来のCD4+CD25+CD127dimTregを精製した。TCRレパートリー分析のために、2段階の単離手順により、Tregを患者のPBMCから濃縮した。CD25 MicroBeads II(Miltenyi Biotech)を使用し、製造業者の説明書に従って、CD25+細胞をPBMCから単離した。抗CD3(OKT3、BioLegend)、-CD4(OKT4、BioLegend)、-CD8(RPA-T8、BioLegend)、-CD25(BC96、BioLegend)、および-CD127(A019D5、BioLegend)抗体で染色した後、CD3+、CD4+、CD8-、CD25+、CD127dim細胞を単離し、TRIzol(登録商標)Plus試薬によって溶解し、-80℃で保存した。2,700~48,000個のTreg細胞を単離した。
【0232】
RNAを鋳型として使用し、TCRAまたはTCRB定常領域において修飾遺伝子特異的プライマーを用いた5’RACE方法論を使用して、TCR Rep-Seqを行った。精製した5’RACE PCR生成物を処理して、KAPA Hyper Prepキットを使用して配列決定ライブラリを作製した。Illumina MiSeq試薬500サイクルV2キットを使用して、ペアエンド(paired-end)250×2サイクルにより、配列決定を行った。TCRAおよびTCRB再配列分析のために、MiSeqからのペアエンド読み取りをMixCRに提出した。各試料において特有のCDR3アミノ酸配列(CDR3クローン)をMixCR結果に基づいて要約した。単一コピーのCDR3クローンを除去した。クロノタイプの頻度は、クロノタイプのコピー数を試料中のすべてのクロノタイプの総コピー数で割って計算した。データをバイオインフォマティクス分析に供した。標準治療または新鮮なTregが投与された修正臨床試験プロトコル後、Tregの多様性に統計学的差異はなかった(
図11C)。
【0233】
相互参照
本出願は、2018年2月8日に出願された米国仮特許出願第62/628,105号の利益を主張し、この米国仮特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。