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特開2024-41944高解像度FET VDSゼロボルト交差タイミング検出方式
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041944
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】高解像度FET VDSゼロボルト交差タイミング検出方式
(51)【国際特許分類】
   H03K 17/13 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
H03K17/13 A
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024005046
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2019558720の分割
【原出願日】2018-04-26
(31)【優先権主張番号】15/498,385
(32)【優先日】2017-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】ジンウェイ シュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィジャヤラクシュミ デヴァラヤン
(72)【発明者】
【氏名】ガンチアン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ ウィリアム ペレイラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電界効果トランジスタにおけるゼロボルト交差を検出する制御モジュール及びトランジスタを制御する方法を提供する。
【解決手段】ゼロボルトスイッチング検出回路において用いるためのコンパレータ(200)は、トランジスタのドレインソース電圧(Vds)を閾値電圧(VTH-ds)と比較する。トランジスタのゲート電圧信号(Vgs)が、コンパレータ(200)のクロック入力に供給されて、ゲート電圧信号(Vgs)が、コンパレータ(200)の出力との比較の結果をラッチするために用いられるようにする。コンパレータ(200)出力の値に基づいて、トランジスタに対する制御機能が行われる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート、ドレイン、及びソースを有する電界効果トランジスタを制御するための制御モジュールであって、
前記トランジスタのドレインソース電圧を受信し、それを閾値電圧と比較するように動作し得るコンパレータであって、前記コンパレータが、前記トランジスタのゲート電圧を受信するように動作し得るクロック入力を含み、受信した前記ゲート電圧が、前記コンパレータの出力に対する比較の結果をラッチするために用いられる、前記コンパレータ、及び
前記コンパレータの出力を受信し、前記コンパレータ出力の値に基づいて前記トランジスタに対して制御機能を実施するように動作し得る制御回路要素、
を含む、制御モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の制御モジュールであって、
前記コンパレータが、
前記ゲート電圧が、前記ドレインソース電圧が高から低に向かう前に前記トランジスタをオンにしたか又は前記ドレインソース電圧が高から低に向かった後に前記トランジスタをオンにしたかを示す、on-lateフラグを提供するように構成され得る第1の出力であって、受信した前記ゲート電圧の立ち上がりエッジが、前記コンパレータの前記第1の出力に対する比較の結果をラッチするために用いられる、前記第1の出力、及び
前記ゲート電圧が、前記ドレインソース電圧が低から高に向かう前に前記トランジスタをオフにしたか又は前記ドレインソース電圧が低から高に向かった後に前記トランジスタをオフにしたかを示す、off-lateフラグを提供するように構成され得る第2の出力であって、受信した前記ゲート電圧の立ち下がりエッジが、前記コンパレータの前記第2の出力に対する比較の結果をラッチするために用いられる、前記第2の出力、
を含む、制御モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、前記on-lateフラグの値及び前記off-lateフラグの値に基づいて、前記トランジスタに対して少なくとも一つの制御機能を実施するように動作し得る、制御モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、前記on-lateフラグの前記値に基づいて前記トランジスタを駆動するゲートドライバ信号の立ち上がりエッジのタイミングを調節し、前記off-lateフラグの前記値に基づいて前記ゲートドライバ信号の立ち下がりエッジのタイミングを調節するように動作し得る、制御モジュール。
【請求項5】
請求項3に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、前記on-lateフラグの前記値に基づいて前記トランジスタを駆動するゲートドライバ信号を生成するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号の立ち上がりエッジのタイミングを調節し、前記off-lateフラグの前記値に基づいて前記PWM信号の立ち下がりエッジのタイミングを調節するように動作し得る、制御モジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、
複数のPWMサイクルにわたって前記on-lateフラグの前記値を平均し、
複数のPWMサイクルにわたって前記off-lateフラグの前記値を平均し、
前記on-lateフラグの前記平均値に基づいて前記PWM信号の前記立ち上がりエッジの前記タイミングを調節し、及び
前記off-lateフラグの前記平均値に基づいて前記PWM信号の前記立ち下がりエッジの前記タイミングを調節する、
ように動作し得る、制御モジュール。
【請求項7】
ゲート、ドレイン、及びソースを有する電界効果前記トランジスタを制御するための制御モジュールであって、前記制御モジュールが、
前記トランジスタのドレインソース電圧(Vds)を受信し、それをVds閾値と比較するように動作し得るドレインソース電圧(Vds)コンパレータであって、前記Vds閾値と交差するVdsを示すVdsエッジ遷移信号を提供するように構成される少なくとも一つの出力を有する、前記Vdsコンパレータ、
前記トランジスタのゲートソース電圧(Vgs)を受信し、それをVgs閾値と比較するように動作し得るゲートソース電圧コンパレータ(Vgs)であって、前記Vgs閾値と交差するVgsを示すVgsエッジ遷移信号を提供するように構成される少なくとも一つの出力を有する、前記Vgsコンパレータ、及び
データ入力、クロック入力、及び出力を有する少なくとも一つのラッチ要素であって、前記データ入力が、前記VdsコンパレータからVdsエッジ遷移信号を受け取るように動作可能に結合され、前記クロック入力が、前記VgsコンパレータからVgsエッジ遷移信号を受け取るように動作可能に結合されて、前記Vdsエッジ遷移信号が前記ラッチ要素の出力にラッチするように働くようになっている、前記少なくとも一つのラッチ要素、
を含む、制御モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の制御モジュールであって、
遅延マッチングモジュールを更に含み、
前記遅延マッチングモジュールが、
前記Vdsコンパレータからの前記Vdsエッジ遷移信号及び前記Vgsコンパレータからの前記Vgsエッジ遷移信号を受信し、
前記Vdsコンパレータ及び前記Vgsコンパレータにおいて固有である遅延における任意の相違を相殺するために前記Vdsエッジ遷移信号及び前記Vgsエッジ遷移信号の少なくとも一方にマッチング遅延を適用し、
前記少なくとも一つのラッチ要素の前記データ入力に遅延調節されたVdsエッジ遷移信号を、及び前記少なくとも一つのラッチ要素の前記クロック入力に遅延調節されたVgsエッジ遷移信号を提供する、
ように動作可能に結合される、制御モジュール。
【請求項9】
請求項7に記載の制御モジュールであって、
制御回路要素を更に含み、
前記制御回路要素が、
前記少なくとも一つのラッチ要素の前記出力を受信し、
前記少なくとも一つのラッチ要素の前記出力の値に基づいて前記トランジスタに対して制御機能を実施する、
ように動作し得る、制御モジュール。
【請求項10】
請求項7に記載の制御モジュールであって、
前記少なくとも一つのラッチ要素が少なくとも一つのDフリップフロップを含む、制御モジュール。
【請求項11】
請求項7に記載の制御モジュールであって、
前記Vdsコンパレータが第1及び第2の出力を含み、第1の出力が、前記Vds閾値を上回って上昇するVdsを示すVds立ち上がりエッジ信号を提供するように構成され、第2の出力が、前記Vds閾値を下回って下がるVdsを示すVds立ち下がりエッジ信号を提供するように構成され、
前記Vgsコンパレータが第1及び第2の出力を含み、第1の出力が、前記Vgs閾値を上回って上昇するVgsを示すVgs立ち上がりエッジ信号を提供するように構成され
、第2の出力が、前記Vgs閾値を下回って下がるVgsを示すVgs立ち下がりエッジ信号を提供するように構成される、制御モジュール。
【請求項12】
請求項11に記載の制御モジュールであって、
前記少なくとも一つのラッチ要素が、
データ入力と、クロック入力と、出力とを有する第1のラッチ要素であって、前記データ入力が、前記Vdsコンパレータから前記Vds立ち下がりエッジ信号を受け取るように動作可能に結合され、前記クロック入力が、前記Vgs立ち上がりエッジ信号が前記Vds立ち下がりエッジ信号を前記第1のラッチ要素の前記出力にラッチするように、前記Vgsコンパレータから前記Vgs立ち上がりエッジ信号を受け取るように動作可能に結合され、従って、前記ラッチラッチ要素の前記出力が、前記ドレインソース電圧が高から低に向かう前に前記トランジスタをオンにしたか又は高から低に向かった後に前記トランジスタをオンにしたかを示すon-lateフラグとして働く、前記第1のラッチ要素、及び
データ入力と、クロック入力と、出力とを有する第2のラッチ要素であって、前記データ入力が、前記Vdsコンパレータから前記Vds立ち上がりエッジ信号を受け取るように動作可能に結合され、前記クロック入力が、前記Vgs立ち下がりエッジ信号が前記Vds立ち上がりエッジ信号を前記第2のラッチ要素の前記出力にラッチするように、前記Vgsコンパレータから前記Vgs立ち下がりエッジ信号を受け取るように動作可能に結合され、従って、前記第2のラッチ要素の前記出力が、前記ドレインソース電圧が低から高に向かう前に前記トランジスタをオフにしたか又は低から高に向かった後に前記トランジスタをオフにしたかを示すoff-lateフラグとして働く、前記第2のラッチ要素、
を含む、制御モジュール。
【請求項13】
請求項12に記載の制御モジュールであって、
前記on-lateフラグ及び前記off-lateフラグを受信し、前記on-lateフラグの値及び前記off-lateフラグの値に基づいて、前記トランジスタに対して少なくとも一つの制御機能を実施するように動作し得る制御回路要素を更に含む、制御モジュール。
【請求項14】
請求項12に記載の制御モジュールであって、
前記Vdsコンパレータ及び前記Vgsコンパレータにおいて固有の遅延の任意の相違を補償するために前記Vds立ち上がりエッジ信号にマッチング遅延を適用し、遅延調節されたVds立ち上がりエッジ信号を前記第2のラッチ要素の前記データ入力に提供するように動作し得る第1の遅延マッチング要素、
前記Vdsコンパレータ及び前記Vgsコンパレータにおいて固有の遅延の任意の相違を補償するために前記Vds立ち下がりエッジ信号にマッチング遅延を適用し、遅延調節されたVds立ち下がりエッジ信号を前記第1のラッチ要素の前記データ入力に提供するように動作し得る第2の遅延マッチング要素、
前記Vdsコンパレータ及び前記Vgsコンパレータにおいて固有の前記コンパレータの任意の相違を補償するために前記Vgs立ち下がりエッジ信号にマッチング遅延を適用し、遅延調節されたVgs立ち下がりエッジ信号を前記第2のラッチ要素の前記クロック入力に提供するように動作し得る第3の遅延マッチング要素、及び
前記Vdsコンパレータ及び前記Vgsコンパレータの任意の相違を補償するために前記Vgs立ち上がりエッジ信号にマッチング遅延を適用し、遅延調節されたVgs立ち上がりエッジ信号を前記第1のラッチ要素の前記クロック入力に提供するように動作し得る第4の遅延マッチング要素、
を更に含む、制御モジュール。
【請求項15】
電界効果前記トランジスタを制御する方法であって、
コンパレータを用いて、前記トランジスタの前記ドレインソース電圧を閾値電圧と比較すること、
前記コンパレータのクロック入力に前記トランジスタのゲート電圧信号を供給することであって、前記ゲート電圧信号が、前記コンパレータの出力に対する比較の結果をラッチするために用いられるようにすること、及び
前記コンパレータの出力の値に基づいて、前記トランジスタに対して制御機能を実施すること、
を含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、更に、
前記コンパレータの第1の出力において、前記ドレインソース電圧が高から低に向かう前に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオンにしたか又は高から低に向かった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオンにしたかを示すon-lateフラグを提供すること、
前記コンパレータの第2の出力において、前記ドレインソース電圧が低から高に向かう前に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオフにしたか又は低から高に向かった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオフにしたかを示すoff-lateフラグを提供すること、
前記クロック入力における前記ゲート電圧信号の立ち上がりエッジを受け取ることに応答して、前記コンパレータの前記第1の出力に対する比較の結果をラッチすること、及び
前記クロック入力における前記ゲート電圧信号の立ち下がりエッジを受け取ることに応答して、前記コンパレータの前記第2の出力に対する比較の結果をラッチすること、
を含む、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、
前記制御機能を実施することが、前記on-lateフラグの値及び前記off-lateフラグの値に基づいて前記トランジスタに対して少なくとも一つの制御機能を実施することを含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記制御機能を実施することが、前記on-lateフラグの前記値に基づいて前記トランジスタを駆動するゲートドライバ信号の前記立ち上がりエッジのタイミングを調節すること、及び、前記off-lateフラグの前記値に基づいて前記ゲートドライバ信号の前記立ち下がりエッジの前記タイミングを調節することを含む、方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、
前記制御機能を実施することが、前記on-lateフラグの前記値に基づいて、前記トランジスタを駆動するゲートドライバ信号を生成するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号の立ち上がりエッジのタイミングを調節すること、及び、前記off-lateフラグの前記値に基づいて、前記PWM信号の立ち下がりエッジのタイミングを調節することを含む、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、
前記制御機能を実施することが、複数のPWMサイクルにわたって前記on-lateフラグの前記値を平均化すること、複数のPWMサイクルにわたって前記off-lateフラグの前記値を平均化すること、前記on-lateフラグの前記平均値に基づいて前記PWM信号の前記立ち上がりエッジの前記タイミングを調節すること、及び前記off-lateフラグの前記平均値に基づいて前記PWM信号の前記立ち下がりエッジの前記タイミングを調節すること、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ゼロボルトスイッチング(ZVS)方式では、ドレインソース電圧がゼロボルトであるか又はゼロボルト付近であるとき、負荷に電力を搬送する電界効果トランジスタ(FET)がオン又はオフに切り換えられる。ZVSはパルス幅変調(PWM)を用いるが、ZVSオペレーションを可能にするために、PWMタイミングへの付加的な別個の位相を有する。ゼロボルトスイッチングは、電圧レギュレータが「ソフトスイッチング」に関与することを可能にし、そのため、従来のPWMオペレーション及びタイミングの間に典型的に被るスイッチング損失を回避する。
【背景技術】
【0002】
ZVSは、より高い入力電圧及び電圧降下で高いスイッチング周波数を必要とする種々の電力変換システムに有用である。ワイヤレス電力伝送及び充電システムは、ゼロボルトスイッチングから大いに利点を得ることができる技術の一例である。A4WP(Alliance for Wireless Power)は、距離にわたってワイヤレスエネルギー伝送システムを開発するために磁気共鳴の原理を用いる、業界標準グループである。A4WPワイヤレス電力伝送は、従来の電源コードを置換するために、指向され制御された磁場を用いる。これを行うために、トランスミッタは、その表面の上で均一な磁場を誘導するため一つ又は複数の一次巻線を有する。磁場内のレシーバが、磁気エネルギーを捕捉し、それを電気エネルギーに変換する二次巻線を有する。A4WPワイヤレス電力伝送では、スイッチング周波数は6.78MHzの倍数である。正確なゼロ電圧交差(ZVC)検出は、高効率ZVS制御の出発点である。このような高周波数スイッチングの場合、ゼロボルトスイッチングのタイミング精度はおよそナノ秒である必要がある。従来のゼロ電圧交差検出方法は、遅延が非常に少ない非常に高速のコンパレータ及びゲートドライバを用いる。しかし、典型的なコンパレータ遅延はすでに前述のナノ秒範囲を超えている。
【発明の概要】
【0003】
電界効果トランジスタを制御するための制御モジュールの記載される例において、制御モジュールは、コンパレータ及び制御回路要素を含む。コンパレータは、トランジスタのドレインソース電圧を受信し、それを閾値電圧と比較する。コンパレータは、受信したゲート電圧がコンパレータの出力との比較の結果をラッチするために用いられるように、トランジスタのゲート電圧を受信するクロック入力を有する。制御回路要素は、コンパレータ出力を受信し、コンパレータ出力の値に基づいてトランジスタに対する制御機能を実施する。
【0004】
電界効果トランジスタを制御するための制御モジュールのその他の記載される例において、制御モジュールは、ドレインソース電圧コンパレータ、ゲートソース電圧コンパレータ、及び少なくとも一つのラッチ要素を含む。ドレインソース電圧コンパレータは、トランジスタのドレインソース電圧(Vds)を受信し、それをVds閾値と比較する。Vdsコンパレータは、Vds閾値と交差するVdsを示すVdsエッジ遷移信号を提供するように構成される少なくとも一つの出力を有する。ゲートソース電圧コンパレータは、トランジスタのゲートソース電圧(Vgs)を受信し、それをVgs閾値と比較する。Vgsコンパレータは、Vgs閾値と交差するVgsを示すVgsエッジ遷移信号を提供するように構成される少なくとも一つの出力を有する。少なくとも一つのラッチ要素は、データ入力、クロック入力、及び出力を有する。データ入力は、VdsコンパレータからVdsエッジ遷移信号を受け取るように動作可能に結合され、クロック入力は、Vgsエッジ遷移信号がVdsエッジ遷移信号をラッチ出力にラッチするように働くように、VgsコンパレータからVgsエッジ遷移信号を受け取るように動作可能に結合される。
【0005】
電界効果トランジスタを制御する方法において、コンパレータが、トランジスタのドレインソース電圧を閾値電圧と比較する。トランジスタのゲート電圧信号が、コンパレータの出力との比較の結果をラッチするためにゲート電圧信号が用いられるように、コンパレータのクロック入力に供給される。コンパレータ出力の値に基づいて、トランジスタに対する制御機能が実施される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】例示的なワイヤレス電力伝送システムの概略ブロック図である。
【0007】
図2】例示的な実施例に従ったゼロボルトスイッチング検出回路において用いるためのコンパレータの機能ブロック図である。
【0008】
図3】例示的な実施例に従った、Vds信号、Vgs信号、ON_LATEフラグ、及びOFF_LATEフラグ間のタイミング関係を例示するタイミング図である。
【0009】
図4】例示的実施例に従って図2に関連して説明されたコンパレータなどの、コンパレータを実装し得るコンパレータシステムの機能ブロック図である。
【0010】
図5】例示的なタイミング及び制御方式に従って図4に示されるものなどの、コンパレータシステムにおける種々の信号のためのタイミング関係を示すタイミング図である。
【0011】
図6】例示的な実施例に従った電界効果トランジスタを制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
例示的な態様は、高周波数ゼロボルトスイッチングシステムにおいて正確かつ効率的なゼロボルト交差検出を達成するための手法を対象とする。例示のため、ゼロボルト交差検出方法は、本願においてA4WPワイヤレス電力伝送及び充電システムに関連して説明される。しかしながら、例示の実施例の態様は、ゼロボルトスイッチングを用いる実質的に任意のシステムに適用可能である。
【0013】
図1は、例示的なワイヤレス電力伝送システム100の概略ブロック図である。ワイヤレス電力伝送システム100の一次側105は、例示的に集積回路コントローラを含む、一次側制御モジュール110を含む。一次側制御モジュール110は、制御信号を生成し、制御信号を外部スイッチQ1、Q2、Q3、及びQ4に提供する。図1において示される例示の実施例において、スイッチQ1、Q2、Q4、及びQ4は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)であり、一次側制御モジュール110によって提供される制御信号は、ゲートドライバ信号である。スイッチQ1とQ3の接合はタンクノードN1を画定し、スイッチQ2とQ4の接合はタンクノードN2を画定する。具体的には、図1の例示の実施例において、タンクノードN1は、トランジスタQ1のソースとトランジスタQ3のドレインとの接合によって画定される。タンクノードN2は、トランジスタQ2のソースとトランジスタQ4のドレインとの接合によって画定される。トランジスタQ1及びQ2のドレインは、入力電圧Vinに結合される。トランジスタQ3及びQ4のソースは接地に結合される。タンクノードN1及びN2は、一次側コンデンサCprimary及び一次側インダクタLprimaryを含む一次側LCタンク回路に結合される。タンクノードN1は、一次側コンデンサCprimaryの第1の端子に結合される。一次側インダクタLprimaryは、コンデンサCprimaryの第2の端子とタンクノードN2との間に結合される。
【0014】
一次側インダクタLprimaryは、エアギャップMを横切って二次側インダクタLsecondaryに誘導結合される。ワイヤレス電力伝送システム100の二次側115では、二次側インダクタLsecondary及び二次側コンデンサCsecondaryを含むLCタンク回路が、タンクノードN3及びN4に結合される。タンクノードN3は、二次側インダクタLsecondaryの第1の端子に接続される。二次側コンデンサCsecondaryは、インダクタLsecondaryの第2の端子とタンクノードN4との間に結合される。例示的な実施例において集積回路コントローラを備える二次側制御モジュール120が、制御信号を生成し、Hブリッジ構成に配される外部スイッチQ5、Q6、Q7、及びQ8に制御信号を提供する。例示的な実施例では、一次側制御モジュール110及び二次側制御モジュール120は、単一の集積回路の一部である。図1において示される例示の実施例において、スイッチQ5、Q6、Q7、及びQ8はMOSFETであり、二次側制御モジュール120によって提供される制御信号はゲートドライバ信号である。スイッチQ5とQ7の接合はタンクノードN3を画定し、スイッチQ6とQ8の接合はタンクノードN4を画定する。具体的には、図1の例示の実施例では、タンクノードN3は、トランジスタQ5のソースとトランジスタQ7のドレインとの接合によって画定される。タンクノードN4は、トランジスタQ6のソースとトランジスタQ8のドレインとの接合によって画定される。トランジスタQ7及びQ8のソースは接地に結合される。トランジスタQ5及びQ6のドレインは、出力電圧VBRIDGE_OUTを提供する出力ノードNOを画定する。
【0015】
例示的な実施例において、集積位相ロックループ(PLL)(図示せず)が、外部高周波数水晶発振器(これも図示せず)にロックする。位相ロックループは、例示的に、一次側制御モジュール110及び二次側制御モジュール120として同じ集積回路上に集積される。一次側制御モジュール110は、一次側制御モジュール110における4つのゲートドライバ回路を駆動する駆動波形を生成するために、位相ロックループと連動して作用するデジタルパルス幅変調(PWM)生成状態機械を含む。これら4つのゲートドライバ回路は、一次側トランジスタQ1、Q2、Q3、及びQ4のゲート、及び直列LC共振器タンクを駆動して、エアギャップMを横切って電力を伝送する。二次側115では、位相ロックループのためのデジタル基準信号を生成するために、共振キャパシタCsecondaryを横切って捕捉された回復された信号がスライスされる。二次側制御モジュール120は、同期整流のために二次側HブリッジのトランジスタQ5、Q6、Q7、及びQ8のゲートを駆動することを試みるPWM生成状態機械を含む。一次側105及び二次側115の効率を最大化するためには、トランジスタQ1~Q8に対するスイッチング時間を最適化することが大切である。ゼロボルトスイッチング(ZVS)は、これらのスイッチング時間を最適化する効果的な手段である。厳密なゼロボルト交差(ZVC)検出は、ZVS方式の効率を最大化するために重要である。
【0016】
ゼロボルトスイッチング事象は、一次側トランジスタQ1~Q4の各々のターンオン事象を決定する。ターンオフエッジは、システム全体のタイミング基準を設定する基準クロックに都合よく同期される。二次側115では、タイミング基準は、一次側インダクタLprimaryを介する電流波形Iに基づく。二次側制御モジュール120は、フルブリッジダイオード整流器をエミュレートする同期整流を行う。ゼロボルトスイッチング条件は、二次側トランジスタQ5~Q8のターンオン及びターンオフエッジ両方に対して検出される。
【0017】
例示の実施例に従ったスイッチング制御の態様を例示するため、トランジスタQ1のオペレーション及び制御がこれ以降に説明される。トランジスタQ1に関するこの説明は、その他の一次側トランジスタQ2~Q4、及び多くの点において、二次側トランジスタQ5~Q8にも関連する。トランジスタQ1のドレインソース電圧信号Vdsは、トランジスタのボンドワイヤによって生成されるリンギングに起因して複素である。Lprimary(dI/dt)から生じる付加的な電圧はIdsdsより大きくなり得る。一次側制御モジュール110におけるZVS検出回路が、対応するトランジスタQ1のVdsが所定の閾値VTH-dsより上であるか下であるかを検出する。例示的な実施例において、ZVS検出回路は、Vdsを所定の閾値VTH-dsと比較するコンパレータを含む。図2は、例示の態様に従ってこのようなZVS検出回路において用いるためのコンパレータ200の機能ブロック図である。例示的な実施例において、図2のコンパレータ200などのコンパレータが、外部トランジスタQ1~Q8の各々に対応する。理想的には、閾値VTH-dsは0Vに設定される。しかし例示的な実施例において、VTH-dsは、1Vなど、依然としてZVS条件に適度に近いが、寄生効果に対して比較的影響を受けない値に設定される。トランジスタのゲートソース電圧Vgsは、コンパレータ出力をラッチするためのクロックとして用いられる。コンパレータ200は2つの入力を有し、これらは、本明細書ではON_LATE及びOFF_LATEと呼ぶ。ラッチされた出力、ON_LATE及びOFF_LATEは、スイッチングエッジがZVS条件に対して早いか遅いかを示す。一次側制御モジュール105は、ON_LATEフラグ及びOFF_LATEフラグを用いて、トランジスタQ1に供給されたゲートドライバ信号のタイミング制御を調節し、トランジスタスイッチング時間とVdsゼロ交差時間との間の遅延を最小化する。フラグは、例示的に、所望のスイッチング波形を生成するためにPWM状態機械によって用いられる。例示的な実施例において、ON_LATE信号及びOFF_LATE信号はいずれも、複数の(例えば、8)PWMサイクルにわたって平均化されて、より長い時間期間にわたって平均値を取得し、それによってノイズ感度を低減する。ここでも、このスイッチング制御方式をトランジスタQ1に関連して説明したが、同一又は類似の原理が、その他の一次側トランジスタQ2~Q4及び二次側トランジスタQ5~Q8に適用されることに注意されたい。
【0018】
gsがゲートソース閾値電圧VTH-gsと交差することによって示されるように、Vgs信号が低から高に遷移すると、ドレインソース閾値電圧VTH-dsとのVds信号の比較の結果が、コンパレータ200のON_LATE出力にラッチされる。ドレインソース電圧Vdsが、Vgs信号が高に向かう(それによって、コンパレータ出力をラッチする)ときの閾値電圧より小さい場合、ON_LATE出力信号は1(論理高)になり(又は1のままであり)、Vds信号が0まで低下した後にゲートドライバ信号が高に向かった(トランジスタQ1をオンにした)ことを示す。従って、ゲートドライバ信号は、トランジスタQ1を遅れてオンにした。一方、Vgs信号が高に向かうときにドレインソース電圧Vdsが依然として閾値電圧より大きい場合、ON_LATE出力信号は0(論理低)になり(又は0のままであり)、Vds信号が0まで下がる前にゲートドライバ信号が高に向かったことを示す。Vds信号は、ゲートドライバ信号が、関連する負荷によってLCタンク回路を介して駆動される電流の効果に起因してトランジスタをオン又はオフに切り替えるよりも早く又は遅く変化し得ることに留意されたい。いずれの場合でも、Vdsは、Vgsが高になる前に低になる。最大スイッチング効率では、ゲートドライバ信号(及びそのためVgs信号)が高に向かい、Vds信号が可能な限り同時に低に向かうことが望ましい。
【0019】
gs信号が高から低に遷移すると、閾値電圧VTH-dsに対するVds信号の比較の結果が、コンパレータ200のOFF_LATE出力にラッチされる。ドレインソース電圧Vdsが、上昇し始め、Vgs信号が低に向かった(それによって信号をラッチした)直後に回路VTH-dsと交差すると、OFF_LATE出力は1(論理高)になり(又は1のままであり)、ゲートドライバ信号がトランジスタQ1をオンに保ちVdsを低に維持したことを示し、そうでなければ、LCタンク回路はVdsを高に(そのオフ状態電圧レベルに)駆動したであろう。従って、ゲートドライバ信号はトランジスタQ1を遅れてオフにした。一方、Vgs信号が低に向かうときにドレインソース電圧Vdsが即座に上昇しない場合、OFF_LATE出力信号は0(論理低)になり、Vds信号が0まで下がる前にゲートドライバ信号が低に向かったことを示す。最大スイッチング効率では、ゲートドライバ信号(及びそのためVgs信号)が低に向かい、Vds信号が可能な限り同時に高に向かうことが望ましい。
【0020】
図3は、Vds信号、Vgs信号、ON_LATEフラグ、及びOFF_LATEフラグ間の例示的なタイミング関係を示すタイミング図である。VdsコンパレータをラッチするためのVgs信号の利用を例示するために、図3のタイミング図は、現実世界のシステムに存在する種々のシステム遅延を考慮することのない理想的なシステムを表す。このような遅延は、これ以降で、説明され、考慮されている。上述したように、ゲートソース電圧Vgsは、コンパレータ200の出力をラッチするために用いられる。Vgs信号が高に向かうと、ドレインソース電圧Vdsの閾値電圧VTH-dsに対する比較の結果が、ON_LATEにラッチされる。図3の時間tに、Vgs信号は、一次側制御モジュール110によって(又は、二次側トランジスタQ5~Q8については二次側制御モジュールによって)によって提供されるゲートドライバ信号のために、高に向かう。図3に示されるように、時間tにおいて、ドレインソース電圧Vdsはコンパレータ閾値電圧VTH-ds未満にすでに低下しており、これは、図3の例示的な実施例では約1Vであることが示されている。そのため、VdsはVTH-dsより小さく、ON_LATEフラグは高に向かい、ゲートドライバ信号が遅れて、即ち、Vds信号がすでに低に向かった後に、トランジスタをオンにしたことを示す。
【0021】
上述したように、Vgs信号が低に向かうと、ドレインソース電圧Vdsの閾値電圧VTH-dsとの比較の結果がOFF_LATE出力にラッチされる。図3の時間tにおいて、一次側制御モジュール110によって(又は、二次側トランジスタQ5~Q8については二次側制御モジュールによって)提供されるゲートドライバ信号に基づいて、Vgs信号は低に向かう。図3に示すように、ドレインソース電圧Vdsは、時間tにおいて上昇し始め、Vgs信号が低に向かった直後に閾値電圧VTH-dsと交差する。従って、OFF_LATEフラグは高に向かい、ゲートドライバ信号がトランジスタを遅れてオフにしたことを示す。
【0022】
図3における時間tにおいて、Vgs信号は再び高に向かう。図3に示されるように、時間tにおいて、ドレインソース電圧Vdsは依然として閾値電圧VTHより大きいので、ON_LATEフラグは低に向かい、ゲートドライバ信号が早期に、即ち、Vds信号が低に向かう前に、トランジスタをオンにしたことを示す。図3の時間tにおいて、Vgs信号は再び低に向かう。時間tにおいて、ドレインソース電圧Vdsは依然として閾値電圧VTHより小さく、従って、OFF_LATEフラグは低に向かい、ゲートドライバ信号が早期に、即ち、Vds信号が高に向かう前に、トランジスタをオフにしたことを示す。
【0023】
例示的な実施例において、一次側制御モジュール110におけるPWM状態機械が、位相ロックループへの制御ビットをレギュレートするために、一次側トランジスタQ1~Q4の各々に対応するVdsコンパレータからのラッチされた出力を用いる。同様に、二次側制御モジュール120におけるPWM状態機械が、二次側トランジスタQ5~Q8の各々に対応するVdsコンパレータからのラッチされた出力を用いて、位相ロックループへの制御ビットをレギュレートする。PWM状態機械は、ゲートドライバ波形の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジのためのロック位置を得ることを試みる制御アルゴリズムを用いる。これらのアルゴリズムは、例示的に、ゲートドライバ波形のための初期パルス幅値を用いる。例えば、例示的な実施例において、探索アルゴリズムの開始時の初期パルス幅のためのハードコーディングされた値が、一次側で~40%DCに設定され、二次側で~10%DCに設定される。オペレーションの間、Vds信号及びVgs信号のアラインメントを最大化するために、ON_LATEフラグ及びOFF_LATEフラグ(例示的に、複数のPWMサイクルにわたって平均化される)の値に基づいて、パルス幅が動的に調節される。
【0024】
例示的な実施例において、一次側PWM状態機械及び二次側PWM状態機械が、各々、まず、ゲートドライバ波形の立ち上がりエッジをON_LATEフラグにロックすることを試みる。これは、ON_LATEフラグが状態を変えるまで、ゲートドライバ信号の立ち上がりエッジの位置を連続的にシフトすることによって行われる。例示的な実施例において、位置変化間の時間期間は、不揮発性メモリ(NVM)を介してプログラム可能であり、システムの帯域幅要件に基づいて調整され得る。次に、PWM状態機械は、立ち下がりエッジのためのプロセスを反復する。PWM状態機械は、4つすべての外部トランジスタ(一次側PWM状態機械の場合はトランジスタQ1~Q4、二次側PWM状態機械の場合はトランジスタQ5~Q8)に対してこのプロセスを実施する。4つすべての外部トランジスタに対する立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジ両方がゼロボルトスイッチングのための最適位置に達したとき、状態機械はそれらの位置の辺りのエッジをトグルする。
【0025】
図4は、例示的な実施例に従って図2及び図3に関連して説明したコンパレータ200などのコンパレータを実装する、コンパレータシステム400の機能ブロック図である。コンパレータシステム400は、図2及び3に関連して説明したタイミング制御方式を実装し、それによって、Vgs信号は、コンパレータ200の出力(又は、コンパレータシステム400の出力)のラッチを制御するクロック信号として用いられる。また、コンパレータシステム400は、実際のシステムにおける上述のタイミング遅延の一部を構成する。図4に示すように、コンパレータシステム400は、実際は2つのコンパレータ、Vdsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420、を用いる。Vdsコンパレータ410は、ドレインソース電圧Vdsを受信し、それを所定の閾値VTH-dsと比較する。図2に関連して説明したように、理想的には、閾値VTH-dsは0Vに設定される。しかし、例示的な実施例において、VTH-dsは、依然としてZVS条件にかなり近いが、寄生効果に対して比較的影響を受けない、1Vなどの値に設定される。Vdsコンパレータ410は、本明細書ではRISE_P及びFALL_Pと呼ぶ2つの入力を有する。RISE_P出力は、Vds信号が電圧閾値VTH-dsを上回って上昇するときに高に向かうことによってVds信号の立ち上がりエッジに応答する。FALL_P出力は、Vds信号が電圧閾値VTH-dsを下回って下がるときに高に向かうことによってVds信号の立ち下がりエッジに応答する。
【0026】
gsコンパレータ420は、ゲートソース電圧Vdsを受信し、それを、関連するトランジスタのターンオン閾値電圧に対応する所定の値と比較する。例示的な実施例において、Vgsコンパレータ420のVgs入力が、ゲートドライバ回路のゲートアップピン及びゲートダウンピンに直接結合される。Vgsコンパレータ420は、本明細書ではON_CLK及びOFF_CLKと呼ぶ、2つの出力を有する。ON_CLK出力は、Vgs信号が電圧閾値VTH-gsを上回って上昇するときに高に向かうことによってVds信号の立ち上がりエッジに応答する。OFF_CLK出力は、Vgs信号が電圧閾値VTH-gsを下回って低下するときに高に向かうことによってVds信号の立ち下がりエッジに応答する。
【0027】
dsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420はいずれも、固有量の遅延を受ける。従って、Vds信号が状態を変化させる(即ち、電圧閾値VTH-dsを上回って上昇するか下回って下がる)時間と、対応するVds出力(RISE_P又はFALL_P)が状態を変化させる(即ち、高に向かうか低に向かう)時間との間に、固有量の遅延が存在する。同様に、Vgs信号が状態を変更させる(即ち、電圧閾値VTH‐gsを上回って上昇するか下回って下がる)時間と、対応するVdsが状態を変更させる時間との間に、固有量の遅延が存在する。Vdsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420によって導入される遅延の量は、部分毎に、また、プロセス変動にも応答して、変化し得る。遅延マッチング/トリミングモジュール430は、これらの固有の遅延を考慮及び調節する回路要素を含む。Vdsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420両方の各出力は、遅延マッチング/トリミングモジュール430における遅延要素に提供される。具体的には、RISE_P信号が遅延要素435に供給され、FALL_P信号が遅延要素440に供給され、OFF_CLK信号が遅延要素445に供給され、ON_CLK信号が遅延要素450に供給される。遅延要素435~450の各々は、対応する遅延要素によって導入されるべき遅延の量を指示するトリム値を受けるためのトリム入力(図示せず)もむ。これらのトリム値は、試験を含み得る種々の方法によって製造の間又は製造の後に決定され得る。例示的な実施例において、トリム値は不揮発性メモリに記憶される。このようにして、遅延マッチング/トリミングモジュール430は、Vdsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420において固有である遅延を補償することができる。例示的な実施例において、遅延マッチング/トリミングモジュール430が更に、ゲートドライバ回路を制御するPWM信号が状態を変更させる時間とゲート電圧がそれに応答して変化する時間との間に存在する遅延を補償する。
【0028】
このように、遅延マッチング/トリミングモジュール430は、Vdsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420から受け取った信号の遅延調節されたバージョンを生成する。具体的には、遅延要素435が、本明細書においてRISE_P_DLYと呼ぶ信号を出力し、遅延要素440が、本明細書においてFALL_P_DLYと呼ぶ信号を出力し、遅延要素445が、本明細書においてOFF_CLK_DLYと呼ぶ信号を出力し、遅延要素450が、本明細書においてON_CLK_DLYと呼ぶ信号を出力する。
【0029】
出力ラッチ及び平均化論理モジュール460は、遅延マッチング/トリミングモジュール430からVdsコンパレータ410及びVgsコンパレータ420の遅延調節された出力を受け取る。出力ラッチ及び平均化論理モジュール460は、Vgsコンパレータ420の出力によって表されるように、Vgs信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジによって指示される時間に、Vdsコンパレータ410の出力のラッチを実装する。図4によって表される例示的な実施例において、ON_LATEフラグ及びON_LATEフラグのラッチは、2つのDフリップフロップ465及び470を用いて実装される。Dフリップフロップ470は、そのD入力において遅延マッチング/トリミングモジュール430からFALL_P_DLY信号を受信し、そのクロック入力においてON_CLK_DLY信号を受信する。そのため、ON_CLK_DLY信号が高に向かって、ゲートソース電圧Vgsが高に向かったことを示すとき、D入力に存在する値、即ち、FALL_P_DLY信号の値は、ON_LATEフラグとして出力Qにラッチされる。この値は、Vgs信号がVgs閾値VTH-gsを上回って上昇する前に、Vds電圧がVds閾値VTH-ds未満に下がった場合、デジタル1(論理高)となる。言い換えると、ON_LATE=1は、トランジスタが「遅れて」、即ち、ドレインソース電圧がその閾値VTH-ds未満に下がった後に、オンになったことを示す。
【0030】
Dフリップフロップ465は、D入力で遅延マッチング/トリミングモジュール430からRISE_P_DLY信号を受信し、クロック入力でOFF_CLK_DLY信号を受信する。そのため、OFF_CLK_DLY信号が高に向かって、ゲートソース電圧Vgsが低に向かったことを示すとき、D入力に存在する値、即ち、RISE_P_DLY信号の値は、OFF_LATEフラグとして出力Qにラッチされる。この値は、Vgs信号がVgs閾値VTH-gs未満に下がる前にVds電圧がVds閾値VTH-dsを上回って上昇した場合、デジタル1(論理高)となる。言い換えると、OFF_LATE=1は、トランジスタが「遅れて」、即ち、ドレインソース電圧がその閾値VTH-dsを上回って上昇した後に、オフになったことを示す。
【0031】
図2及び図3に関連して上述したように、一次側制御モジュール110及び二次側制御モジュール120のPWM状態機械は、ON_LATEフラグ及びOFF_LATEフラグを用いて、トランジスタQ1~Q8に供給されるゲートドライバ信号を生成するために用いられるPWM信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの位置を、ON_LATEフラグ及びOFF_LATEフラグに基づいて、反復的に調節することなどによって、所望のスイッチング波形を生成する。例示的な実施例において、出力ラッチ及び平均化論理モジュール460は平均化論理を含み、平均化論理は、複数の(例えば8)PWMサイクルにわたってON_LATE信号及びOFF_LATE信号を平均して、より長い時間期間にわたって平均値を取得し、それによってノイズ感度を低減するように働く。
【0032】
図5は、例示的なタイミング及び制御方式に従った図4のコンパレータシステム400などのコンパレータシステムにおける、種々の信号のためのタイミング関係を示すタイミング図である。図5のタイミング図は、PWM制御信号、ゲートソース電圧Vgs、ドレインソース電圧Vds、ON_CLK信号、ON_CLK_DLY信号、FALL_P信号、FALL_P_DLY信号、及びON_LATEフラグを示す。これらの信号は図4に関連して上述されている。PWM/Vgsのグラフは、パルス幅変調信号PWM及びゲートソース電圧Vgs両方を示す。PWM信号は、例示的に、パルス幅変調状態機械によって生成され、PWM信号に基づいてゲートドライバ信号を生成するゲートドライバ回路に提供される。ゲートソース電圧Vgsは、ゲートドライバ回路によってトランジスタのゲートに提供されるゲートドライバ信号を表す。図5の時間tにおいて、PWM信号は高に向かう。ドライバ遅延500の後、ゲートソース電圧Vgsはトランジスタターンオン閾値VTH-gsと交差し、これは、図5の例示的な実施例において、時間tにおける2.5Vである。Vgsコンパレータ遅延510の後、Vgsコンパレータ420のON_CLK出力は、時間tでVTH-gs閾値と交差するVgs信号に応答して時間tに高に向かう。時間tにおいて、トランジスタのドレインソース電圧Vdsはドレインソース電圧閾値VTH-dsと交差し、これは、図5の例示的な実施例において1Vに設定される。Vdsコンパレータ遅延520の後、時間tにVTH-ds閾値と交差するVds信号に応答して、Vdsコンパレータ410のFALL_P出力は時間tに高に向かう。
【0033】
図5に示されるように、Vgsコンパレータ遅延510とVdsコンパレータ遅延520との間に遅延ミスマッチが存在する。従って、図5の例示的な例において、Vgsコンパレータ420は、Vdsコンパレータ410よりも長い遅延を受ける。遅延マッチング/トリミングモジュール430は、ON_CLK信号とFALL_P信号に対して遅延マッチングを実施することによってこの遅延ミスマッチを補償する。具体的には、遅延要素440及び450は、それぞれ、FALL_P信号及びON_CLK信号に遅延を適用する。適用される遅延の量は、遅延要素440及び450に供給されるトリム値によって定義される。トリム値は、例示的に、テスト及びその他の手段を介して製造の間及び製造の後に決定されるように、コンパレータ410及び420の各々において固有の遅延の量に基づく。遅延要素440の出力は、FALL_P_DLYと呼ばれ、FALL_P信号の遅延調節されたバージョンを構成し、遅延要素450の出力は、ON_CLK_DLYと呼ばれ、ON_CLK信号の遅延調節されたバージョンを構成する。実装された遅延調節に従って、FALL_P_DLY信号はtにおいて高に向かい、ON_CLK_DLY信号はtにおいて高に向かう。FALL_P_DLY信号は、出力ラッチ及び平均化論理モジュール460のDフリップフロップ470に供給され、ON_CLK_DLY信号はDフリップフロップ470のクロック入力に供給される。そのため、時間tにON_CLK_DLY信号が高に向かうと、D入力の値はフリップフロップのQ出力にラッチされ、これは、ON_LATEフラグを提供する。FALL_P_DLY信号は時間tに高であるので、ON_LATEフラグはそれに応じて進む。Dフリップフロップ460において固有の小さな遅延に起因して、ON_LATEは時間tに高に向かい、Vgs信号が高に向かったことを反映し、それによってトランジスタを遅れて(即ち、ドレインソース電圧VdsがVTH-ds未満に低下した後)、オンにする。
【0034】
図6は、例示的な実施例に従って電界効果トランジスタを制御する方法のフローチャートである。ブロック600において、コンパレータが、トランジスタのドレインソース電圧を閾値電圧と比較する。ブロック610において、トランジスタのゲート電圧信号がコンパレータのクロック入力に供給されて、ゲート電圧信号が、コンパレータの出力に対する比較の結果をラッチするために用いられるようにする。ブロック620において、コンパレータ出力の値に基づいて、トランジスタに対する制御機能が実施される。
【0035】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に改変が成され得、その他の実施例が可能である。例えば、説明される実施例は、コンパレータ出力をラッチするためのクロック入力としてトランジスタのゲート電圧を用いるVdsコンパレータによって実施されるゼロボルト交差検出方式を含むが、その他の変形が可能である。また、例えば、説明される実施例は、ゼロボルトスイッチングを用いるワイヤレス電力伝送システムを含むが、その他のシステムも同様にゼロボルトスイッチングを用い得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-02-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランジスタのゲートドライブ信号を制御する制御モジュールであって、
前記トランジスタのドレイン・ソース電圧(V ds )を受信するように構成されるクロック入力としての第1の入力と、ドレイン・ソース閾値電圧を受信するように構成される第2の入力と、前記トランジスタのゲート・ソース電圧(V gs )を受信するように構成される第3の入力と、ゲート・ソース閾値電圧を受信するように構成される第4の入力と、第1の出力と、第2の出力とを含む比較器であって、
前記ドレイン・ソース電圧と前記ドレイン・ソース閾値電圧との間の比較結果を判定し、
第1の遷移において前記ゲート・ソース電圧が前記ゲート・ソース閾値電圧と交差することに応答して第1の遷移指標を判定し、
第2の遷移において前記ゲート・ソース電圧が前記ゲート・ソース閾値電圧と交差することに応答して第2の遷移指標を判定し、
前記第1の遷移指標に応答して前記第1の出力に前記比較結果を出力し、
前記第2の遷移指標に応答して前記第2の出力に前記比較結果を出力する、
ように構成される、前記比較器と、
前記第1の出力と前記第2の出力とに結合される制御回路要素であって、
前記第1の出力から受信される前記比較結果に応答して前記ゲートドライブ信号の立ち上がりエッジの位置を連続的にシフトすることによって前記ゲートドライブ信号のエッジのタイミングを調整し、
前記第2の出力から受信される前記比較結果に応答して前記ゲートドライブ信号の立ち下がりエッジの位置を連続的にシフトすることによって前記ゲートドライブ信号のエッジを調整する、
ように構成される、前記制御回路要素と、
を含む、制御モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の制御モジュールであって、
前記第1の遷移が、第1の電圧から前記第1の電圧よりも高い第2の電圧へのゲート・ソースイ電圧遷移を含み、
前記第2の遷移が、第3の電圧から前記第3の電圧よりも低い第4の電圧へのゲート・ソース電圧遷移を含み、
前記第1の出力における比較結果が、前記ドレイン・ソース電圧が第5の電圧から前記第5の電圧よりも低い第6の電圧に遷移する前又は遷移した後に前記ゲート・ソース電圧が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示すON_LATEフラグを含み、
前記第2の出力における比較結果が、前記ドレイン・ソース電圧が第7の電圧から前記第7の電圧よりも高い第8の電圧になる前又はなった後に前記ゲート・ソース電圧が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示すOFF_LATEフラグを含む、制御モジュール。
【請求項3】
請求項1に記載の制御モジュールであって、
前記比較器が、
前記トランジスタのドレイン・ソース電圧(V ds )を受信し、前記V ds をV ds 閾値と比較する、ように動作可能なドレイン・ソース電圧(V ds )比較器であって、前記V ds が前記V ds 閾値と交差することを示すV ds エッジ遷移信号を提供するように構成される少なくとも1つの出力を有する、前記V ds 比較器と、
前記トランジスタのゲート・ソース電圧(V gs )を受信し、前記V gs をV gs 閾値と比較する、ように動作可能なゲート・ソース電圧(V gs )比較器であって、前記V gs が前記V gs 閾値と交差することを示すV gs エッジ遷移信号を提供するように構成される少なくとも1つの出力を有する、前記V gs 比較器と、
ラッチ出力と、前記V ds 比較器比較器から前記V ds エッジ遷移信号を受信するように結合されるデータ入力と、前記V gs エッジ遷移信号が前記ラッチ出力に前記V ds エッジ遷移信号をラッチするように働くように前記V gs 比較器から前記V gs エッジ遷移信号を受信するように結合されるクロック入力とを有するラッチ要素と、
を含む、制御モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の制御モジュールであって、
前記V ds 比較器からのV ds エッジ遷移信号と前記V gs 比較器からのV gs エッジ遷移信号とを受信するように動作可能に結合される遅延調和モジュールであって、
前記V ds 比較器と前記V gs 比較器とに固有の遅延における不一致を補償するために前記V ds エッジ遷移信号と前記V gs エッジ遷移信号との少なくとも1つに調和遅延を適用し、
遅延調整V ds エッジ遷移信号を前記ラッチ要素のデータ入力に提供して遅延調整V gs エッジ遷移信号を前記ラッチ要素のクロック入力に提供する、
ように構成される、前記遅延調和モジュールを更に含む、制御モジュール。
【請求項5】
請求項3に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、前記ラッチ要素の出力信号を受信するように更に結合され、前記ラッチ要素の出力信号の値に基づいて前記ゲートドライブ信号のエッジのタイミングを調整するように更に構成される、制御モジュール。
【請求項6】
請求項3に記載の制御モジュールであって、
前記ラッチ要素が、少なくとも1つのDフリップフロップを含む、制御モジュール。
【請求項7】
請求項3に記載の制御モジュールであって、
前記V ds 比較器が、V ds 立ち上がりが前記V ds 閾値より上にあることを示すV ds 立ち上がりエッジ信号を提供するように構成される第1の出力と、V ds 立ち下がりが前記V ds 閾値より下にあることを示すV ds 立ち下がりエッジ信号を提供するように構成される第2の出力とを含み、
前記V gs 比較器が、V gs 立ち上がりが前記V gs 閾値より上にあることを示すV gs 立ち上がりエッジ信号を提供するように構成される第1の出力と、V gs 立ち下がりが前記V gs 閾値より下にあることを示すV gs 立ち下がりエッジ信号を提供するように構成される第2の出力とを含む、制御モジュール。
【請求項8】
ゲートとドレインとソースとを有する電界効果トランジスタを駆動するゲートドライブ信号を制御する制御モジュールであって、
前記トランジスタのゲート電圧を受信するクロック入力と、第1の出力と、第2の出力とを有する比較器であって、
前記トランジスタのドレイン・ソース電圧を受信し、
前記ドレイン・ソース電圧を閾値電圧と比較し、
前記比較の結果を示す比較結果信号を生成し、
前記受信したゲート電圧の立ち上がりエッジに応答して前記ドレイン・ソース電圧がハイからローになる前又はなった後に前記ゲート電圧が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示す前記比較結果信号のON_LATEフラグを前記第1の出力に提供し、
前記受信したゲート信号の立ち下がりエッジに応答して前記ドレイン・ソース電圧がローからハイになる前又はなった後に前記ゲート電圧が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示す前記比較結果信号のOFF_LATEフラグを前記第2の出力に提供する、
ように動作可能な、前記比較器と、
前記ON_LATEフラグと前記OFF_LATEフラグとを受信するように動作可能な制御回路要素であって、前記ON_LATEフラグの値と前記OFF_LATEフラグの値とに基づいて前記トランジスタを駆動する前記ゲートドライブ信号を生成するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号の1つ又はそれ以上のエッジのタイミングを調整するように構成される、前記制御回路要素と、
を含む、制御モジュール。
【請求項9】
請求項8に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、
前記ON_LATEフラグの値に基づいて前記トランジスタを駆動する前記ゲートドライブ信号の立ち上がりエッジのタイミングを調整し、
前記OFF_LATEフラグの値に基づいて前記ゲートドライブ信号の立ち下がりエッジのタイミングを調整する、
ように更に構成される、制御モジュール。
【請求項10】
請求項8に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、
前記ON_LATEフラグの値に基づいて前記トランジスタを駆動する前記ゲートドライブ信号を生成するために用いられる前記PWM信号の立ち上がりエッジのタイミングを調整し、
前記OFF_LATEフラグの値に基づいて前記PWM信号の立ち下がりエッジのタイミングを調整する、
ように更に構成される、制御モジュール。
【請求項11】
請求項10に記載の制御モジュールであって、
前記制御回路要素が、
複数のPWMサイクルにわたり前記ON_LATEフラグの値を平均化し、
複数のPWMサイクルにわたり前記OFF_LATEフラグの値を平均化し、
前記ON_LATEフラグの平均値に基づいて前記PWM信号の立ち上がりエッジのタイミングを調整し、
前記OFF_LATEフラグの平均値に基づいて前記PWM信号の立ち下がりエッジのタイミングを調整する、
ように更に構成される、制御モジュール。
【請求項12】
ゲートとドレインとソースとを有する電界効果トランジスタを駆動するゲートドライブ信号を制御する制御モジュールであって、
ドレイン・ソース電圧(V ds )比較器であって、
前記トランジスタのドレイン・ソース電圧(V ds )を受信し、
前記V ds をV ds 閾値と比較し、
ds 立ち上がりが前記V ds 閾値の上にあることを示すV ds 立ち上がりエッジ信号を第1の出力に提供し、
ds 立ち下がりが前記V ds 閾値の下にあることを示すV ds 立ち下がりエッジ信号を第2の出力に提供する、
ように動作可能な、前記V ds 比較器と、
ゲート・ソース電圧(V gs )比較器であって、
前記トランジスタのゲート・ソース電圧(V gs )を受信し、
前記V gs をV gs 閾値と比較し、
gs 立ち上がりが前記V gs 閾値の上にあることを示すV gs 立ち上がりエッジ信号を第1の出力に提供し、
gs 立ち下がりが前記V gs 閾値の下にあることを示すV gs 立ち下がりエッジ信号を第2の出力に提供する、
ように動作可能な、前記V gs 比較器と、
第1のラッチ要素であって、ラッチ出力と、前記V ds 比較器から前記V ds 立ち下がりエッジ信号を受信するように動作可能に結合されるデータ入力と、前記V gs 立ち上がりエッジ信号が前記V ds 立ち下がりエッジ信号を前記ラッチ出力にラッチするように働くように前記V gs 比較器から前記V gs 立ち上がりエッジ信号を受信するように動作可能に結合されるクロック入力とを有し、前記ドレイン・ソース電圧がハイからローになる前又はなった後に前記V gs が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示すON_LATEフラグとして前記ラッチ出力が働く、前記第1のラッチ要素と、
第2のラッチ要素であって、ラッチ出力と、前記V ds 比較器から前記V ds 立ち上がりエッジ信号を受信するように動作可能に結合されるデータ入力と、前記V gs 立ち下がりエッジ信号が前記V ds 立ち上がりエッジ信号を前記ラッチ出力にラッチするように働くように前記V gs 比較器から前記V gs 立ち下がりエッジ信号を受信するように動作可能に結合されるクロック入力とを有し、前記ドレイン・ソース電圧がローからハイになる前又はなった後に前記V gs が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示すOFF_LATEフラグとして前記ラッチ出力が働く、前記第2のラッチ要素と、
前記ON_LATEフラグと前記OFF_LATEフラグとを受信するように動作可能な制御回路要素であって、前記ON_LATEフラグの値と前記OFF_LATEフラグの値とに基づいて前記ゲートドライブ信号を生成するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号のエッジのタイミングを調整するように構成される、前記制御回路要素と、
を含む、制御モジュール。
【請求項13】
請求項12に記載の制御モジュールであって、
前記V ds 比較器と前記V gs 比較器とに固有の遅延における不一致を補償するために前記V ds 立ち上がりエッジ信号に調和遅延を適用し、前記第2のラッチ要素のデータ入力に遅延調整されたV ds 立ち上がりエッジ信号を提供する、ように動作可能な第1の遅延調和要素と、
前記V ds 比較器と前記V gs 比較器とに固有の遅延における不一致を補償するために前記V ds 立ち下がりエッジ信号に調和遅延を適用し、前記第1のラッチ要素のデータ入力に遅延調整されたV ds 立ち下がりエッジ信号を提供する、ように動作可能な第2の遅延調和要素と、
前記V ds 比較器と前記V gs 比較器とに固有の遅延における不一致を補償するために前記V gs 立ち下がりエッジ信号に調和遅延を適用し、前記第2のラッチ要素のクロック入力に遅延調整されたV gs 立ち下がりエッジ信号を提供する、ように動作可能な第3の遅延調和要素と、
前記V ds 比較器と前記V gs 比較器とに固有の遅延における不一致を補償するために前記V gs 立ち上がりエッジ信号に調和遅延を適用し、前記第1のラッチ要素のクロック入力に遅延調整されたV gs 立ち上がりエッジ信号を提供する、ように動作可能な第4の遅延調和要素と、
を更に含む、制御モジュール。
【請求項14】
トランジスタのためのゲートドライブ信号を制御する方法であって、
比較器によって、前記トランジスタのドレイン・ソース電圧(V ds )を受信することと、
前記比較器によって、ドレイン・ソース閾値電圧を受信することと、
前記比較器によって、前記トランジスタのゲート・ソース電圧(V gs )を受信することと、
前記比較器によって、ゲート・ソース閾値電圧を受信することと、
前記比較器によって、前記ドレイン・ソース電圧と前記ドレイン・ソース閾値電圧との間の比較結果を判定することと、
前記比較器によって、第1の遷移において前記ゲート・ソース電圧が前記ゲート・ソース閾値電圧と交差することに応答して第1の遷移指標を判定することと、
前記比較器によって、第2の遷移において前記ゲート・ソース電圧が前記ゲート・ソース閾値電圧と交差することに応答して第2の遷移指標を判定することと、
前記比較器によって、前記第1の遷移指標に応答して前記比較器の第1の出力に前記比較結果を出力することと、
前記比較器によって、前記第2の遷移指標に応答して前記比較器の第2の出力に前記比較結果を出力することと、
制御回路要素によって、前記第1の出力から受信される比較結果に応答して前記ゲート・ドライブ信号の立ち上がりエッジの位置をシフトすることと、
前記制御回路要素によって、前記第2の出力から受信される比較結果に応答して前記ゲートドライブ信号の立ち下がりエッジの位置をシフトすることと、
を含む、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記第1の遷移が、第1の電圧から前記第1の電圧よりも高い第2の電圧へのゲートソース電圧遷移を含み、
前記第2の遷移が、第3の電圧から前記第3の電圧よりも低い第4の電圧へのゲート・ソース電圧遷移を含み、
前記第1の出力における比較結果が、前記ドレイン・ソース電圧が第5の電圧から前記第5の電圧よりも低い第6の電圧に遷移する前又は遷移した後に前記ゲート・ソース電圧が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示すON_LATEフラグを含み、
前記第2の出力における比較結果が、前記ドレイン・ソース電圧が第7の電圧から前記第7の電圧よりも高い第8の電圧になる前又はなった後に前記ゲート・ソース電圧が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示すOFF_LATEフラグを含む、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記ゲートドライブ信号のエッジのタイミングが、前記ON_LATEフラグの値と前記OFF_LATEフラグの値とに基づく、方法。
【請求項17】
電界効果トランジスタのためのゲートドライブ信号を制御する方法であって、
比較器を用いて、前記トランジスタのドレイン・ソース電圧を閾値電圧と比較して前記比較の結果を示す比較欠陥信号を生成することと、
前記比較器のクロック入力に前記トランジスタのゲート電圧信号を受信することと、
前記受信されたゲート電圧信号に応答して前記ドレイン・ソース電圧がハイからローになる前又はなった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示す前記比較結果信号のON_LATEフラグを前記比較器の第1の出力に提供することと、
前記受信されたゲート電圧信号に応答して前記ドレイン・ソース電圧がローからハイになる前又はなった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示す前記比較結果信号のOFF_LATEフラグを前記比較器の第2の出力に提供することと、
前記クロック入力に前記ゲート電圧信号の立ち上がりエッジを受信することに応答して前記比較器の第1の出力に前記ON_LATEフラグをラッチすることと、
前記クロック入力に前記ゲート電圧信号の立ち下がりエッジを受信することに応答して前記比較器の第2の出力に前記OFF_LATEフラグをラッチすることと、
前記ON_LATEフラグの値に基づいて前記トランジスタを駆動する前記ゲートドライブ信号の立ち上がりエッジのタイミングを調整し、前記OFF_LATEフラグの値に基づいて前記ゲートドライブ信号の立ち下がりエッジのタイミングを調整することと、
を含む、方法。
【請求項18】
電界効果トランジスタのためのゲートドライブ信号を制御する方法であって、
比較器を用いて、前記トランジスタのドレイン・ソース電圧を閾値電圧と比較して前記比較の結果を示す比較結果信号を生成することと、
前記比較器のクロック入力に前記トランジスタのゲート電圧信号を受信することと、
前記受信されたゲート電圧信号に応答して前記ドレイン・ソース電圧がハイからローになる前に又はなった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示す前記比較結果信号のON_LATEフラグを前記比較器の第1の出力に提供することと、
前記受信されたゲート電圧信号に応答して前記ドレイン・ソース電圧がローからハイになる前に又はなった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示す前記比較結果信号のOFF_LATEフラグを前記比較器の第2の出力に提供することと、
前記クロック入力に前記ゲート電圧信号の立ち上がりエッジを受信することに応答して前記比較器の第1の出力に前記ON_LATEフラグをラッチすることと、
前記クロック入力に前記ゲート電圧信号の立ち下がりエッジを受信することに応答して前記比較器の第1の出力に前記OFF_LATEフラグをラッチすることと、
前記比較結果信号に基づいて前記ゲートドライブ信号を生成するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号のエッジのタイミングを調整することであって、前記ON_LATEフラグの値に基づいて前記PWM信号の立ち上がりエッジのタイミングを調整することと、前記OFF_LATEフラグの値に基づいて前記PWM信号の立ち下がりエッジのタイミングを調整することとを含む、前記PWM信号のエッジのタイミングを調整することと、
を含む、方法。
【請求項19】
電界効果トランジスタのためのゲートドライブ信号を制御する方法であって、
比較器を用いて、前記トランジスタのドレイン・ソース電圧を閾値電圧と比較して前記比較の結果を示す比較結果信号を生成することと、
前記比較器のクロック入力に前記トランジスタのゲート電圧信号を受信することと、
前記受信されたゲート電圧信号に応答して前記ドレイン・ソース電圧がハイからローになる前に又はなった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオンにしたかどうかを示す前記比較結果信号のON_LATEフラグを前記比較器の第1の出力に提供することと、
前記受信されたゲート電圧信号に応答して前記ドレイン・ソース電圧がローからハイになる前に又はなった後に前記ゲート電圧信号が前記トランジスタをオフにしたかどうかを示す前記比較結果信号のOFF_LATEフラグを前記比較器の第2の出力に提供することと、
前記クロック入力に前記ゲート電圧信号の立ち上がりエッジを受信することに応答して前記比較器の第1の出力に前記ON_LATEフラグをラッチすることと、
前記クロック入力に前記ゲート電圧信号の立ち下がりエッジを受信することに応答して前記比較器の第1の出力に前記OFF_LATEフラグをラッチすることと、
前記比較結果信号に基づいて前記ゲートドライブ信号を生成するために用いられるパルス幅変調(PWM)信号のエッジのタイミングを調整することであって、複数のPWMサイクルにわたって前記ON_LATEフラグの値を平均化することと、複数のPWMサイクルにわたって前記OFF_LATEフラグの値を平均化することと、前記ON_LATEフラグの平均化された値に基づいて前記PWM信号の立ち上がりエッジのタイミングを調整することと、前記OFF_LATEフラグの平均化された値に基づいて前記PWM信号の立ち下がりエッジのタイミングを調整することとを含む、前記PWM信号のエッジのタイミングを調整することと、
を含む、方法。