(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041949
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】SMAの新たな処置
(51)【国際特許分類】
C07D 519/00 20060101AFI20240319BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20240319BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240319BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240319BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240319BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240319BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240319BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240319BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240319BHJP
【FI】
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
A61K31/519 ZNA
A61P21/00
A61K9/08
A61K47/12
A61K9/14
A61K47/26
A61K47/22
A61K47/18
A61K47/34
A61P25/00
C12N15/12
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005144
(22)【出願日】2024-01-17
(62)【分割の表示】P 2020519035の分割
【原出願日】2018-10-01
(31)【優先権主張番号】17194520.7
(32)【優先日】2017-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】プファフェン,ジャン-ポール
(72)【発明者】
【氏名】クレッツル,ハイデマリー
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,ルッツ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置において使用するための化合物、処置の方法、および医薬組成物を提供する。
【解決手段】脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法は、患者、特にヒトである患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでSMAの処置において使用するための、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【請求項2】
患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで、請求項1に記載のSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【請求項3】
経口投与される、請求項1又は2に記載のSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【請求項4】
患者がヒト(例えば、男性又は女性のヒト)であり、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される、請求項1~3のいずれか一項に記載のSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【請求項5】
SMAがタイプII SMAである、請求項1~4のいずれか一項に記載のSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【請求項6】
1日1回投与される、請求項1~5のいずれか一項に記載のSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【請求項7】
脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む、方法。
【請求項8】
前記投与用量が1日当たりのものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを1日1回投与する、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与する、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを一度に投与する、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、十分に高い薬物濃度を提供するために7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩をpH4未満、特にpH3.8未満、より特にpH3.6未満、最も特にpH3.0~3.2の緩衝系、例えばクエン酸緩衝系、リンゴ酸塩緩衝系、マレイン酸塩緩衝系又は酒石酸塩緩衝系、最も特に酒石酸塩緩衝系に溶解させることにより経口水溶液として製剤化された、医薬組成物。
【請求項13】
経口溶液の構成のために乾燥粉末又は顆粒として7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
緩衝系、例えば三塩基性クエン酸ナトリウム及びクエン酸、リンゴ酸二ナトリウム及びリンゴ酸、酒石酸カリウムナトリウム及び酒石酸又は酒石酸二ナトリウム及び酒石酸、特に酒石酸カリウムナトリウム及び酒石酸が、微粉末として有機酸及びその塩の選択により乾燥製剤に組み込まれ得る、請求項12又は13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩、希釈剤、例えばソルビトール、イソマルト又は特にマンニトール及びそれらの組み合わせを含み、それにより、経口溶液の構成中の粉末ブレンドの急速溶解を保証し、場合により、流動性を改善してロバストな均一性を保証するために、充填剤を添加して乾式圧縮により顆粒化し得る、請求項12又は13に記載の医薬組成物。
【請求項16】
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;及び
・クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸
を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;及び
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール
を含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;及び
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール
を含む、請求項12~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;及び
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム
を含む、請求項12~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;及び
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム
を含む、請求項12~19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
・1~10%wtの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・5~15%wtの緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・40~70%wtの希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・1~4%wtの抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・0.5~2%wtの安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・0.5~2%wの潤滑剤、特にPEG6000;
・0~3%wtの甘味料、特にスクラロース又はサッカリンナトリウム、最も特にスクラロース;及び
・0~20%wtの香味料、特にストロベリーフレーバー又はバニラフレーバー
を含み;
成分の総量が100%wtを超えない、請求項12~20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
上記本明細書に記載される、本発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、SMAの処置において使用すべきその医薬組成物、その処置のその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
脊髄性筋萎縮症(SMA)は、その最も広い意味において、筋衰弱及び筋委縮を引き起こす脊髄及び脳幹における進行性運動ニューロン喪失を特徴とする遺伝性及び後天性中枢神経系(CNS)疾患の集合を表す。SMAは、筋委縮につながり麻痺をもたらす脊髄の前角由来のアルファ運動ニューロンの変性を特徴とする。したがって、このアルファ運動ニューロン変性は、患者の生命予後を実質的に損なう。健常被験者では、これらのニューロンは、情報を脳から筋肉に伝達して、後者の収縮をもたらす。このような刺激の非存在下では、筋肉は委縮する。続いて、筋肉の、より特に胴、上腕及び大腿の筋肉の全般的な低下及び麻痺に加えて、これらの障害は、重度の呼吸器問題を伴い得る。
【0003】
乳児SMAは、この神経変性障害の最も重度の形態である。症候としては、筋衰弱、不十分な筋緊張、弱い泣き声、虚弱又は転倒傾向、吸込み又は嚥下の困難、肺又は喉における分泌物の蓄積、授乳困難及び呼吸器感染に対する感受性の増加が挙げられる。脚は腕よりも弱い傾向があり、発達の節目、例えば頭の持ち上げ又はお座りを達成することができない。一般に、症候が現れるのが早いほど、寿命は短い。運動ニューロン細胞が劣化するにつれて、症候はそのすぐ後に現れる。疾患の重度の形態は致命的であり、全ての形態について治療法がない。SMAの経過は、運動ニューロン細胞劣化の速度及びその結果として生じる衰弱の重症度に直接関連する。重度の形態のSMAを有する乳児は、呼吸を支援する筋肉の衰弱による呼吸器疾患で頻繁に死亡する。より軽度の形態のSMAを有する子供は、広範な医療支援、特にスペクトルのより重度の終末での医療支援を必要とし得るが、かなり長く生存する。SMA障害の臨床スペクトルは、以下の5つのグループに分類される:
【0004】
1)タイプ0 SMA(子宮内SMA)は、疾患の最も重度の形態であり、出生前から始まる。通常、タイプ0 SMAの最初の症候は、妊娠30~36週目に最初に観察され得る胎児の運動低下である。出生後、これらの新生児はほとんど動かず、嚥下及び呼吸が困難である。
【0005】
2)タイプI SMA(乳児SMA又はウェルドニッヒ・ホフマン病)は、0~6カ月に症候を示す;この形態のSMAは非常に重度である。患者は全く座ることができず、通常、補助換気がなければ最初の2年以内に死亡する。
【0006】
3)タイプII SMA(中間型SMA)は、7~18カ月に発症年齢を有する。患者は、支援なしで座ることができるが、補助なしでは立つことも歩くこともできない。このグループの予後は、呼吸器合併症の程度に主に依存する。
【0007】
4)タイプIII SMA(若年性SMA又はクーゲルバーグ・ウェランダー病)は、一般に、18カ月後に診断される。タイプ3 SMA個体は、その疾患経過中のいくつかの時点で独りで歩くことができるが、多くの場合、青年又は成人の間に車椅子生活になる。
【0008】
5)タイプIV SMA(成人発症型SMA)。衰弱は、通常、後期青年期に舌、手又は足で始まり、次いで、他の身体領域に進行する。成人型SMAの経過はかなり遅く、平均寿命に対する影響はほとんど又は全くない。
【0009】
全ての形態の脊髄性筋萎縮症は、脊髄の前角由来のニューロンの変性後に、進行性筋衰弱及び麻痺を伴う。現在、SMAは、最も一般的な乳児死亡原因の1つを構成する。世界の全ての地域において、それは少女又は少年に等しく影響を及ぼし、発生率は1/6000~1/10000である。
【0010】
現在、運動機能の安定化又は改善を提供する承認された経口SMA処置はない。現在、いくつかの薬物候補が非臨床段階及び臨床段階で調査中であり(Lewelt A, et al, Curr Neurol Neurosci Rep. 2012; 12:42-532; Arnold et al., Muscle Nerve. 2015;51:157-67)、最近、SMN2プレmRNAへのエクソン7の組み込みを促進する髄腔内投与用アンチセンスオリゴヌクレオチドであるヌシネルセンは、米国、EU及び他の管轄区域において承認を受けた。
【発明の概要】
【0011】
SMAの遺伝的基盤及び病態生理のより良い理解並びにいくつかの処置戦略が探究されているにもかかわらず、臨床において副作用が限定された経口処置として成功を実証したものはまだない。本発明は、この経口処置の必要性に応えることを意図する。現在、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは臨床第II相で調査中である。
【0012】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンに関する無作為化二重盲検プラセボコントロール第II相研究(NTC02908685又はBP39055)は、2~25歳のSMAタイプII及びタイプIIIの患者に対して実施されている。
【0013】
驚くべきことに、FMO3は、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの排除経路に関与し、薬物の投与量に対して効果を有する可能性があることが見出された。
【0014】
研究BP39055の第1部において、驚くべきことに、12~25歳のSMA患者における5mgの最高評価用量では、ベースラインと対比して151%(49%~251%の範囲)のSMNタンパク質増加中央値が観察され、2~11歳のグループにおける0.25mg/kgの最高試験用量では、SMNタンパク質の96%(17%~150%の範囲)の増加が認められたことが見出された。
【0015】
その結果として、驚くべきことに、最適用量は、体重20kg未満の患者の場合には1日1回0.25mg/kgであり、体重20kg以上の患者の場合には5mgであることが見出された。したがって、選択したBP39055第2部の用量の予測平均曝露(AUC0-24h,ss)は、2~25歳の全ての患者について1690ng・h/mL[95%CI 1600~1780ng・h/mL]であると予想される。
【0016】
サル研究に基づくと、驚くべきことに、SMNがさらに増加し得ると予想される場合であっても、いかなる網膜変性も回避するために、用量は、それぞれ男性及び女性において1870/2060ng・h/mLのAUC0-24hの曝露を超えるべきではないことが見出された。
【0017】
さらに、驚くべきことに、上限投与量もまた、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンによるFOX M1及びMADDのスプライシングに関連することが見出された。上限投与量は、網膜変性に関連するものと同一である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1a】
図1a及び1b:in vivoにおけるSMNタンパク質発現の増加 HET=ヘテロ接合体。C/C-対立遺伝子マウス及びSMNΔ7マウスをRO7034067で処置した。最終投与の1時間後、脳及び大腿四頭筋を収集し、HTRFによりSMNタンパク質のレベルを評価した。A.C/C対立遺伝子マウスの脳におけるSMNタンパク質。B.SMNΔ7マウスの脳におけるSMNタンパク質。C.C/C-対立遺伝子マウスの大腿四頭筋におけるSMNタンパク質。D.SMNΔ7マウスの大腿四頭筋におけるSMNタンパク質。データは、動物5~6匹/群の平均±SEMを表し、ビヒクル処置コントロールと対比した変化倍率として表される。未処置コントロールと対比して*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001。
【
図1b】
図1a及び1b:in vivoにおけるSMNタンパク質発現の増加 HET=ヘテロ接合体。C/C-対立遺伝子マウス及びSMNΔ7マウスをRO7034067で処置した。最終投与の1時間後、脳及び大腿四頭筋を収集し、HTRFによりSMNタンパク質のレベルを評価した。A.C/C対立遺伝子マウスの脳におけるSMNタンパク質。B.SMNΔ7マウスの脳におけるSMNタンパク質。C.C/C-対立遺伝子マウスの大腿四頭筋におけるSMNタンパク質。D.SMNΔ7マウスの大腿四頭筋におけるSMNタンパク質。データは、動物5~6匹/群の平均±SEMを表し、ビヒクル処置コントロールと対比した変化倍率として表される。未処置コントロールと対比して*=p<0.05、**=p<0.01、***=p<0.001。
【
図2a】
図2a及び2b:RO7034067は、in vitroでSMN mRNA及びタンパク質産生を増加させる。SMAタイプ1患者由来の線維芽細胞を24時間(A)又は48時間(B)培養した;SMAタイプ1患者iPSC由来の運動ニューロンを72時間(C)培養し、RO7034067の存在下又は非存在下で健常志願者(HV)由来の全血細胞を4時間(D)培養した。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によりSMNスプライシングを評価し、線維芽細胞溶解物における均一時間分解蛍光法(HTRF)により、及び運動ニューロンにおけるSMNの免疫染色により、SMNタンパク質レベルを評価した。A.SMAタイプ1線維芽細胞におけるSMN2スプライシング。B.SMAタイプ1線維芽細胞におけるSMNタンパク質。C.SMAタイプ1運動ニューロンのSMNタンパク質。D.HV由来の全血におけるSMN1及びSMN2スプライシング。データは、評価3回/データポイントの平均±SEMを表し、未処置コントロールと対比した変化倍率として表される。
【
図2b】
図2a及び2b:RO7034067は、in vitroでSMN mRNA及びタンパク質産生を増加させる。SMAタイプ1患者由来の線維芽細胞を24時間(A)又は48時間(B)培養した;SMAタイプ1患者iPSC由来の運動ニューロンを72時間(C)培養し、RO7034067の存在下又は非存在下で健常志願者(HV)由来の全血細胞を4時間(D)培養した。逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)によりSMNスプライシングを評価し、線維芽細胞溶解物における均一時間分解蛍光法(HTRF)により、及び運動ニューロンにおけるSMNの免疫染色により、SMNタンパク質レベルを評価した。A.SMAタイプ1線維芽細胞におけるSMN2スプライシング。B.SMAタイプ1線維芽細胞におけるSMNタンパク質。C.SMAタイプ1運動ニューロンのSMNタンパク質。D.HV由来の全血におけるSMN1及びSMN2スプライシング。データは、評価3回/データポイントの平均±SEMを表し、未処置コントロールと対比した変化倍率として表される。
【
図3】sdOCT、ERG及び組織病理学により網膜において記録された効果と、39週間の研究期間及び22週間の回復段階(組織病理学の場合)中の個々のサルにおける曝露との関連。研究終了時の個々の動物曝露(AUC0-24h)は、RO7034067の慢性処置のサルにおけるsdOCT及びERGにより検出された網膜効果に対してプロットされている。3つの時点のいずれかにおける最悪sdOCT/ERG評定を採用した。X軸の数字は、研究における個々の動物数を指す。+記号は、組織学における網膜所見の存在を示す。R:動物が依然として回復段階にあることを示す。グラフにおける黒色の数字1、2、3は、以下のように、処置段階の終了時のsdOCTによる網膜効果の重症度評定を指す:1.軽度:周辺においてのみ見られる網膜変化(層の崩壊/薄化);層は薄化/崩壊し得るが非存在ではない;反射率の増加又は減少、陰影が網膜層に見られ得る;高反射スポット(HRS)は、網膜内層及び内部セグメント/外部セグメント接合部(IS/OS)に見られ得る。2.中等度:黄斑の近くに見られる網膜変化(崩壊/薄化);層(例えば、IS/OS)は不連続又は非存在であり得る;MMDは存在し得るが、視神経頭に対して側頭の小領域に限られる;FAF画像における斑状の周辺部;IS/OSが非存在であるRPEにおいて、HRSが見られ得る)。3.顕著:例えば黄斑の両側により広がったMMD;断絶、内境界膜及び外核層における光学的空隙。グラフにおける赤色の数字1及び2は、ERGによる網膜効果を指す。300匹を超える動物の履歴サンプルに基づいて、「1」の評定は、予測平均よりも1.96標準偏差(SD)未満2.36*SD以上低いB波振幅に割り当てられ、「2」の評定は、予測平均から2.36SD低いB波振幅に割り当てられる。一貫して低下したB波振幅を有する動物を、処置段階の最後に評定した。偶発的に低いB波を有するコントロール及び処置動物を除外した。
【
図4】in vitroにおけるFoxM1の選択的スプライシング SMAタイプ1患者線維芽細胞をRO7034067で24時間処置し、FoxM1全長(FL)及びエクソン9欠如(Δ9)mRNAをRT-qPCRにより分析した。データは、6回反復の平均±SEMを表し、未処置コントロールと対比した変化倍率として表される。
【
図5】ヒト及びカニクイザルiPSCにおけるFOXM1 mRNA発現レベルに対するRO7034067の効果 細胞をRO7034067で24時間処置し、RT-PCRによりFOXM1B/C転写産物変異体を分析した。データは、3回反復の平均±SEMを表し、コントロールと対比した変化倍率として表される。IC50値が示されている。A)ヒトiPSC。B)カニクイザルiPSC
【
図6】RG7916の血漿濃度。時間に対するRG7916の血漿濃度が用量ごとにプロットされている。
【
図7】SMN2 mRNAレベルに対するRG7916の血漿濃度。(A)SMNΔ7mRNAに対するSMN2全長mRNAの比、(B)SMN2全長mRNA、又は(C)SMNΔ7mRNAと対比したRG7916の時間一致濃度がプロットされている
【
図8】SMNタンパク質レベル。(A)用量ごとの血中SMNタンパク質濃度。(B)では、血中のベースラインからのSMNタンパク質変化の比が用量ごとにプロットされている
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で言及される刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は全て、その全体が参照により組み入れられる。
【0020】
本出願で使用される命名法は、特に記述がない限り、IUPAC体系命名法に基づく。
【0021】
本発明の様々な特徴及び実施態様が本明細書に開示されるが、しかしながら、提供される教示に基づけば、本発明の他の特徴、改変物及び均等物は当業者に明らかであろう。記載される本発明は、提供される実施例及び実施態様に限定されず、様々な代替的な均等物が当業者により認識されよう。本明細書で使用される場合、「a」、「an」及び「the」という単数形は、文脈上特に明確な指示がない限り、複数形を含む。例えば、「a」個体(individual)はまた、複数の個体(individuals)を含む。
【0022】
特に記述がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される以下の用語は、以下に示されている意味を有する:
【0023】
「FMO3」という用語は、その酵素委員会番号(EC番号)EC1.14.13.148、MGI参照1100496、細胞遺伝学的位置:1q24.3及びゲノム座標(GRCh38):1:171,090,872-171,117,818を有するジメチルアニリンモノオキシゲナーゼ[N-オキシド形成]3及びトリメチルアミンモノオキシゲナーゼとしても公知のフラビン含有モノオキシゲナーゼ3を指す。
【0024】
本明細書で互換的に使用される「個体」又は「被験体」は哺乳動物である。哺乳動物としては、限定されないが、飼育動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及び非ヒト霊長類、例えば、サル)、ウサギ、及び齧歯類(例えば、マウス及びラット)が挙げられる。特定の実施態様では、個体又は被験体はヒトである。本発明の特定の実施態様では、被験体は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を有するヒトである。別の特定の実施態様では、被験体は、SMN1遺伝子機能の喪失をもたらす両染色体上のSMN1遺伝子の活性化突然変異若しくは欠失により引き起こされるSMAを有するヒトである。
【0025】
「脊髄性筋萎縮症」(又はSMA)という用語は、SMN1遺伝子機能の喪失をもたらす両染色体上のSMN1遺伝子の活性化突然変異若しくは欠失により引き起こされる疾患に関する。SMAのタイプに依存するSMAの症候としては、筋衰弱、不十分な筋緊張、弱い泣き声、弱い咳、虚弱又は転倒傾向、吸込み又は嚥下の困難、呼吸困難、肺又は喉における分泌物の蓄積、汗ばんだ手を伴う握り拳、舌のフリック/振動、臥床時でさえ頭部の頻繁な傾斜傾向、腕よりも弱い傾向の脚、「カエル脚」位置を頻繁に呈する脚、授乳困難、呼吸器感染に対する感受性の増加、腸/膀胱の衰弱、正常体重未満、補助なしで座ることができない、歩行不全、這いずり不全、及び筋緊張低下、無反射、並びに前角細胞の喪失に関連する多発性先天拘縮(関節拘縮症)が挙げられる。
【0026】
「脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置する」又は「脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置」という用語は、以下の効果:(i)SMAの重症度の低下若しくは改善;(ii)SMA発症の遅延;(iii)SMAの進行阻害;(iv)被験体の入院の減少;(v)被験体の入院期間の減少;(vi)被験体の生存の増加;(vii)被験体の生活の質の改善;(viii)SMAに関連する症候の数の減少;(ix)SMAに関連する1つ以上の症候の減少若しくはその重症度の改善;(x)SMAに関連する症候の期間の減少;(xi)SMAに関連する症候の再発の予防;(xii)SMAの症候の進行若しくは発症の阻害、並びに/又は(xiii)SMAに関連する症候の進行の阻害の1つ以上を含む。より特に、「SMAを処置する」は、以下の有益な効果:(i)筋肉強度の喪失の減少;(ii)筋肉強度の増加;(iii)筋肉麻痺の減少;(iv)運動機能の喪失の減少;(v)運動ニューロンの増加;(vii)運動ニューロンの喪失の減少;(viii)変性からのSMN欠損運動ニューロンの保護;(ix)運動機能の増加;(x)肺機能の増加;及び/又は(xi)肺機能の喪失の減少の1つ以上を表す。
【0027】
詳細には、「SMAの処置」は、ヒト乳児若しくはヒト幼児が補助なしで座る機能的能力をもたらすか若しくは前記機能的能力の保持を支援するか、又はヒト乳児、ヒト幼児、ヒト子供若しくはヒト成人が補助なしで立つ、補助なしで歩く、補助なしで走る、補助なしで呼吸する、補助なしで睡眠中に寝返りを打つ若しくは補助なしで嚥下する機能的能力をもたらすか若しくは前記機能的能力の保持を支援する。
【0028】
「mg/kg」という用語は、処置すべき被験体の体重1キログラム当たりに使用される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンのミリグラム単位の用量を指す。例えば、0.25mg/kgは、処置すべき患者の体重1キログラム当たり0.25ミリグラムの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを意味する。
【0029】
「患者」という用語は、SMAと診断されたヒト(例えば、男性又は女性のヒト)を指す。
【0030】
「活性医薬成分」(又は「API」)という用語は、特定の生物学的活性を有する医薬組成物中の化合物又は分子を表す。
【0031】
「薬学的に許容し得る賦形剤」、「薬学的に許容し得る担体」及び「治療的に不活性な賦形剤」という用語は互換的に使用され得、医薬組成物中の任意の薬学的に許容し得る成分であって、治療活性を有さず、投与される被験体に対して非毒性である任意の薬学的に許容し得る成分、例えば医薬品の製剤化において使用される崩壊剤、結合剤、充填剤、溶媒、緩衝液、等張化剤、安定剤、抗酸化剤、界面活性剤、担体、希釈剤又は潤滑剤を表す。
【0032】
「医薬組成物」という用語は、それに含まれる活性成分の生物学的活性が有効であることを可能にするような形態の調製物であって、組成物が投与される被験体に対して許容し得ない毒性のさらなる成分を含有しない調製物を指す。「薬学的に許容し得る」という用語は、医薬組成物の調製において有用な材料の特質であって、一般には、安全であり、非毒性であり、生物学的に及び他の点で望ましくないものではなく、獣医学及びヒト医薬用途のために許容し得る特質を表す。
【0033】
「緩衝液」又は「緩衝系」という用語は、医薬調製物のpHを安定化する薬学的に許容し得る賦形剤又は賦形剤混合物を表す。適切な緩衝液は当技術分野で周知であり、文献に見られ得る。特定の薬学的に許容し得る緩衝液は、クエン酸緩衝液、リンゴ酸塩緩衝液、マレイン酸塩緩衝液又は酒石酸塩緩衝液、最も特に酒石酸塩緩衝液を含む。本発明の特定の緩衝系は、有機酸とその選択塩との組み合わせ、例えば、三塩基性クエン酸ナトリウム及びクエン酸、リンゴ酸及びリンゴ酸ナトリウム、酒石酸カリウムナトリウム及び酒石酸、又は酒石酸二ナトリウム及び酒石酸、特に酒石酸カリウムナトリウム及び酒石酸。あるいは、有機酸(特に、酒石酸)は、酸と対応する塩との組み合わせの代わりに「酸性化剤」として単独で用いられ得る。使用される緩衝液とは別に、pHは、当技術分野で公知の酸又は塩基、例えば塩酸、酢酸、リン酸、硫酸及びクエン酸、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムを用いて調整され得る。特定の酸性化剤は酒石酸である。
【0034】
「薬学的に許容し得る担体」は、活性成分以外の医薬組成物中の成分であって、被験体に対して非毒性の成分を指す。薬学的に許容し得る担体としては、限定されないが、緩衝液若しくは酸性化剤、賦形剤、安定剤又は保存剤が挙げられる。
【0035】
「抗酸化剤」という用語は、活性医薬成分の酸化を防止する薬学的に許容し得る賦形剤を表す。抗酸化剤は、アスコルビン酸、グルタチオン、システイン、メチオニン、クエン酸、EDTAを含む。
【0036】
「界面活性剤」という用語は、撹拌及び剪断のような機械的ストレスからタンパク質組成物を保護するために使用される薬学的に許容し得る賦形剤を表す。薬学的に許容し得る界面活性剤の例としては、ポロキサマー、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(BRIJ(登録商標))、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(TRITON-X(登録商標))、又はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。
【0037】
「ポロキサマー」という用語は、ポリ(プロピレン)オキシド(PPO)の中央の疎水鎖にポリ(エチレンオキシド)(PEO)の2本の親水鎖が隣接して構成される非イオン性トリブロックコポリマーを表し、各PPO又はPEOの鎖は、異なる分子量のものであり得る。ポロキサマーは、商品名Pluronicsとしても公知である。特定のポロキサマーは、PPO鎖が1800g/モルの分子量及び80%(w/w)のPEO含量を有するポロキサマーであるPoloxamer 188である。
【0038】
「ポリソルベート」という用語は、典型的にはエチレンオキシドと共重合するソルビトールのオレイン酸エステル及びその無水物を表す。特定のポリソルベートは、Polysorbate 20(ポリ(エチレンオキシド)(20)ソルビタンモノラウラート、TWEEN 20(登録商標))又はPolysorbate 80(ポリ(エチレンオキシド)(80)ソルビタンモノラウラート、TWEEN 80(登録商標))である。
【0039】
「親水性-親油性バランス」(HLB)値は、非イオン性界面活性剤の親水性の程度を表す。HLB値は、Griffin W.C., Journal of the Society of Cosmetic Chemists (1949) 1:311に記載されているように、界面活性剤の親水性部分の分子量とその全体の分子量との間の比により決定される。
【0040】
「親水性」という用語は、極性溶媒、特に水と、又は水素結合、双極子-イオン相互作用及び/若しくは双極子-双極子相互作用により駆動される他の極性部分と相互作用する分子又は分子の一部の能力を表す。
【0041】
「親油性」及び「疎水性」という用語は互換的に使用され得、ロンドン分散力により駆動される非極性環境、例えば脂肪、油及び非極性溶媒に溶解する分子又は分子の一部の傾向を表す。
【0042】
(pg/mLの単位で表される)「Cmax」という用語は、最大観察血漿濃度を意味し、本明細書ではコルヒチンのものを指す。
【0043】
(時間の単位で、又は研究集団におけるTmaxの時間数の中央値として表される)「Tmax」という用語は、薬物投与後にCmaxに到達するまでの観察時間を意味する;それが複数の時点で生じる場合、Tmaxは、この値を伴う最初の時点として定義される。
【0044】
(pg・h/mLの単位で表される)「AUCT0-24h」という用語は、0~24時間の時間における台形法を使用して計算された累積血漿時間濃度曲線(AUC)下面積を意味する。
【0045】
「sdOCT」という用語は、スペクトル領域光コヒーレンストモグラフィーを指す。
【0046】
「NOAEL」という用語は、副作用レベルが観察されないことを指す。換言すれば、NOAELという用語は、実験又は観察により見出された物質の最大濃度又は最大量であって、規定の曝露条件下で患者の形態、機能的能力、成長、発達又は寿命の検出可能な有害変化を引き起こさない最大濃度又は最大量を指す。
【0047】
「NOEL」という用語は、効果レベルが観察されないことである。
【0048】
「ERG」という用語は、網膜電図を指す。網膜電図は、光(光)刺激による角膜の電位の変動を測定することにより生成される波形である。一般に、直接及び接地電極は、電位を記録するために被験体の角膜上又はその近くに適用される。
【0049】
「FoxM1」という用語は、フォークヘッドボックスタンパク質M1(以前はHFH11と称された)を指す。現在、FOXM1遺伝子は、ヒトガン原遺伝子として公知である。
【0050】
「MADD」という用語は、MAPキナーゼ活性化デスドメインを指す。
【0051】
本発明の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、RG7916、RO7034067、CAS番号1825352-65-5としても公知の式(I)
【化1】
の化合物を指し、化合物を作製及び使用する方法は、欧州特許出願公開第3143025号に記載されている。
【0052】
医薬組成物を作製及び使用する方法は、国際公開公報第2017080967号に記載されている。
【0053】
一実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでSMAの処置において使用するための、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0054】
特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0055】
特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には1日1回0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には1日1回5mgでSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0056】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0057】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでタイプII SMA又はタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0058】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでタイプII SMA及びタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0059】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでタイプII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0060】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0061】
より特に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでSMA、特にタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン
【0062】
別の実施態様では、本発明は、SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0063】
特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0064】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、タイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0065】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、タイプII SMA又はタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0066】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、タイプII SMA及びタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0067】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、タイプII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。
【0068】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者において、タイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンであって、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで投与、特に経口投与される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを提供する。より特に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgでSMA、特にタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン。
【0069】
一実施態様では、本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0070】
特定の実施態様では、本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、SMAの処置のための方法であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを1日1回投与する方法を提供する。
【0071】
さらなる特定の実施態様では、本発明は、タイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、タイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0072】
別の特定の実施態様では、本発明は、タイプII SMA又はタイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、タイプII SMA又はタイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0073】
別の特定の実施態様では、本発明は、タイプII SMA及びタイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、タイプII SMA及びタイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0074】
別の特定の実施態様では、本発明は、タイプII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、タイプII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト、例えば男性又は女性のヒトである患者に、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0075】
別の特定の実施態様では、本発明は、タイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。より特に、本発明は、タイプIII SMAの処置のための方法であって、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者に、経口投与により、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kg/日で及び体重20kg以上の患者の場合には5mg/日で、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0076】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には1日当たり体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0077】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には1日当たり体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。
【0078】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には1日当たり体重1キログラム当たり0.25mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0079】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重1キログラム当たり0.25mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には1日当たり体重1キログラム当たり0.25mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。
【0080】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの投与量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には1日当たり体重1キログラム当たり0.25mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0081】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの投与量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg未満の患者の場合には1日当たり体重1キログラム当たり0.25mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。
【0082】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には1日当たり5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0083】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には1日当たり5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。
【0084】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には5mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には1日当たり5mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0085】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、5mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には1日当たり5mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。
【0086】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には5mgの投与量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には1日当たり5mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0087】
別の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には5mgの投与量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。特に、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者における脊髄性筋萎縮症(SMA)の処置のための方法であって、体重20kg以上の患者の場合には1日当たり5mgの用量の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを経口投与することを含む方法を提供する。
【0088】
さらなる実施態様では、本発明は、脊髄性筋萎縮症(SMA)を処置する方法であって、患者に、体重20kg未満の患者の場合には0.25mg/kgで及び体重20kg以上の患者の場合には5mgで、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを投与することを含む方法を提供する。
【0089】
別の実施態様では、本発明は、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。
【0090】
別の実施態様では、本発明は、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。
【0091】
別の実施態様では、本発明は、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。
【0092】
別の実施態様では、本発明は、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。
【0093】
別の実施態様では、本発明は、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。
【0094】
別の実施態様では、本発明は、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。
【0095】
医薬組成物は、患者、特にヒト(すなわち、男性又は女性のヒト)における脊髄性筋萎縮症(SMA)、特にタイプII SMA及びタイプIII SMAを処置するために使用され得る。
【0096】
本発明の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは、高い水溶性を有することが見出された。全ての年齢群のSMA患者における嚥下障害により、溶液の投与が好ましいことが見出された。
【0097】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含み、十分に高い薬物濃度を提供するために7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンをpH4未満、特にpH3.8未満、より特にpH3.6未満、最も特にpH3.0~3.2の緩衝系、例えばクエン酸緩衝系、リンゴ酸塩緩衝系、マレイン酸塩緩衝系又は酒石酸塩緩衝系、最も特に酒石酸塩緩衝系に溶解させることにより経口水溶液として製剤化された医薬組成物を提供する。
【0098】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、経口溶液の構成のために乾燥粉末又は顆粒として7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物を提供する。緩衝系、例えば三塩基性クエン酸ナトリウム及びクエン酸、リンゴ酸二ナトリウム及びリンゴ酸、酒石酸カリウムナトリウム及び酒石酸又は酒石酸二ナトリウム及び酒石酸、特に酒石酸カリウムナトリウム及び酒石酸が、微粉末として有機酸及びその塩の選択により乾燥製剤に組み込まれ得る。あるいは、有機酸(特に、酒石酸)は、酸と対応する塩との組み合わせに代えて、酸性化剤として単独で使用され得る。
【0099】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、希釈剤、例えばソルビトール、イソマルト又は特にマンニトール及びそれらの組み合わせを含み、それにより、経口溶液の構成中の粉末ブレンドの急速溶解を保証する医薬組成物を提供する。場合により、流動性を改善してロバストな均一性を保証するために、充填剤を添加して乾式圧縮により顆粒化し得る。
【0100】
7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンのための溶媒系の構成のための成分は、別個の製剤として製剤化され得る。構成溶媒は、経口溶液の使用期間の開始時にボトル中の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの溶解に使用され得る。
【0101】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、経口溶液の構成のために粉末形態で7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含む医薬組成物を提供する。
【0102】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、経口ディスペンサーの使用のためのアダプターを有する複数回投与ボトルに充填された医薬組成物を提供する。経口ディスペンサーの使用のためのアダプターを有するこのような複数回投与ボトルは、高い投与フレキシビリティ、例えば体重調整投与を可能にし、安全かつ便利な用量投与を提供することが見出された。
【0103】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、ローラー圧縮による乾式造粒、続いてボトル充填により調製された医薬組成物を提供する。このような加工は、分離を防止するために(特に水溶性充填剤の場合に)有益であることが見出された。
【0104】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、経口水溶液であるか、又は経口水溶液の構成に適切な乾燥粉末である医薬組成物を提供する。
【0105】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、エアロゾルを含まない経口水溶液であるか、又は経口水溶液の構成に適切な乾燥粉末である医薬組成物を提供する。
【0106】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、エアロゾルではない医薬組成物を提供する。
【0107】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、等張化剤、例えば塩化ナトリウムなどの塩を含まない医薬組成物を提供する。
【0108】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、経口水溶液であるか、又は経口水溶液の構成に適切な乾燥粉末であり、前記経口水溶液がpH4未満、特にpH3.8未満、より特にpH3.6未満、最も特にpH3.0~3.2を有する医薬組成物を提供する。
【0109】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩及びクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩緩衝系、特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩緩衝系、最も特に酒石酸塩緩衝系;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸を含み;経口水溶液であるか、又は経口水溶液の構成に適切な乾燥粉末である医薬組成物を提供する。
【0110】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、経口水溶液である医薬組成物を提供する。
【0111】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、pH4未満、特にpH3.8未満、より特にpH3.6未満、最も特にpH3.0~3.2の緩衝系中の経口水溶液である医薬組成物を提供する。
【0112】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩緩衝系、特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩緩衝系、最も特に酒石酸塩緩衝系;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸中の経口水溶液である医薬組成物を提供する。
【0113】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、経口水溶液の構成に適切な乾燥粉末である医薬組成物を提供する。
【0114】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、pH4未満、特にpH3.8未満、より特にpH3.6未満、最も特にpH3.0~3.2の経口水溶液の構成に適切な緩衝系を含む乾燥粉末である医薬組成物を提供する。
【0115】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩緩衝系、特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩緩衝系、最も特に酒石酸塩緩衝系;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸を含む乾燥粉末であって、経口水溶液の構成に適切な乾燥粉末である医薬組成物を提供する。
【0116】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、外部粒状充填剤、例えばラクトース、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム又はそれらの組み合わせを場合によりさらに含む医薬組成物を提供する。
【0117】
本発明の特定の実施態様では、外部粒状充填剤は、ソルビトール、イソマルト、マンニトール又はそれらの組み合わせ、特にマンニトール、より特に結晶性マンニトール、最も特に160μmの平均直径を有する結晶性マンニトール(Pearlitol(登録商標)160C)である。
【0118】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、希釈剤、例えばラクトース、デンプン、加水分解デンプン、マルトデキストリン、微結晶性セルロース、マンニトール、イソマルト(E 953、(2ξ)-6-O-α-D-グルコピラノシル-D-アラビノ-ヘキシトール)、ソルビトール、スクロース、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム又はそれらの組み合わせを場合によりさらに含む医薬組成物を提供する。
【0119】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、希釈剤、例えばラクトース、デンプン、加水分解デンプン、微結晶性セルロース、マンニトール、ソルビトール、スクロース、デキストロース、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム又はそれらの組み合わせを場合によりさらに含む医薬組成物を提供する。
【0120】
本発明の特定の実施態様では、希釈剤は、マンニトール、特に、直接圧縮に適切なD-マンニトール、例えば、Parteck(登録商標)M100である。
【0121】
本発明の特定の実施態様では、希釈剤は、マンニトール及びイソマルト、特に、D-マンニトール及び(2ξ)-6-O-α-D-グルコピラノシル-D-アラビノ-ヘキシトール)の混合物である。
【0122】
第2の希釈剤としてのイソマルトは、顆粒の特性を改善することが見出された。
【0123】
緩衝液中の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの構成経口溶液は、安定剤、及び抗酸化剤、例えば、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンE TPGS、パルミチン酸レチニル、セレン、システイン、メチオニン、クエン酸、クエン酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、エデト酸二ナトリウム、ブチルヒドロキシトルオール、リボフラビン、アスコルビン酸、又はこれらの組み合わせを使用することにより、2週間以上の使用時間を提供され得る。
【0124】
緩衝液中の7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの構成経口溶液は、安定剤、及び抗酸化剤、例えば、ビタミンE TPGS、エデト酸二ナトリウム、ブチルヒドロキシトルオール、リボフラビン、アスコルビン酸、又はこれらの組み合わせを使用することにより、2週間以上の使用時間を提供され得る。
【0125】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、抗酸化剤及び/又は安定剤、例えばビタミンE TPGS(D-αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート)、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム、Na2EDTA)、ブチルヒドロキシルトルオール、リボフラビン、アスコルビン酸又はそれらの組み合わせを場合によりさらに含む医薬組成物を提供する。抗酸化剤及び/又は安定剤は、複数回投与容器における長期使用時間に、又は使用期間にわたる溶液中の薬物安定性を改善するために有益であり得ることが見出された。
【0126】
本発明の特定の実施態様では、抗酸化剤は、アスコルビン酸((5R)-[(1S)-1,2-ジヒドロキシエチル]-3,4-ジヒドロキシフラン-2(5H)-オン)である。
【0127】
本発明の特定の実施態様では、安定剤は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(エデト酸二ナトリウム、Na2EDTA)。
【0128】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、潤滑剤を場合によりさらに含む医薬組成物を提供する。潤滑剤は、ローラー圧縮のための加工助剤として使用され得ることが見出された。さらに、潤滑剤は、外観の許容性を保証するために、PEGなどの水溶性成分に使用され得る。
【0129】
本発明の特定の実施態様では、潤滑剤は、ポリ(エチレングリコール)、特に6000の数平均分子量Mnを有するポリ(エチレングリコール)(PEG6000)である。
【0130】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含み、嗜好性を改善するために甘味料及び/又は香味料を場合によりさらに含む医薬組成物を提供する。
【0131】
本発明の特定の実施態様では、フレーバーは、ストロベリーフレーバー又はバニラフレーバーである。
【0132】
本発明の特定の実施態様では、甘味料は、スクラロース(1,6-ジクロロ-1,6-ジデオキシ-β-D-フルクトフラノシル-4-クロロ-4-デオキシ-α-D-ガラクトピラノシド、E955)又はサッカリンナトリウムである。
【0133】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;及び
・クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩又は酒石酸塩から選択される緩衝系、特にリンゴ酸塩又は酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸
を含む医薬組成物を提供する。
【0134】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;及び
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール
を含む医薬組成物を提供する。
【0135】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・ 7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;及び
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール
を含む医薬組成物を提供する。
【0136】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・ 7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;及び
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム
を含む医薬組成物を提供する。
【0137】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;及び
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム
を含む医薬組成物を提供する。
【0138】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;及び
・潤滑剤、特にPEG6000
を含む医薬組成物を提供する。
【0139】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・潤滑剤、特にPEG6000
を含む医薬組成物を提供する;並びに
【0140】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・潤滑剤、特にPEG6000;
・場合により甘味料、特にスクラロース又はサッカリンナトリウム、最も特にスクラロース;及び
・場合により香味料、特にストロベリーフレーバー又はバニラフレーバー
を含む医薬組成物を提供する。
【0141】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・1~10%wtの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・5~15%wtの緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・40~70%wtの希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・1~4%wtの抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・0.5~2%wtの安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・0.5~2%wの潤滑剤、特にPEG6000;
・0~3%wtの甘味料、特にスクラロース又はサッカリンナトリウム、最も特にスクラロース;及び
・0~20%wtの香味料、特にストロベリーフレーバー又はバニラフレーバー;
を含み、
成分の総量が100%wtを超えない医薬組成物を提供する。
【0142】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、
・2~6%wtの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・9~13%wtの酒石酸塩緩衝系;
・第1の希釈剤として45~55%wtのマンニトール及び第2の希釈剤として8~10%wtのイソマルト;
・抗酸化剤として1~3%wtのアスコルビン酸;
・安定剤として0.5~2%wtのエデト酸二ナトリウム;
・潤滑剤として0.5~2%wのPEG6000;
・甘味料として1.5~2%wtのスクラロース;並びに
・13~17%wtのストロベリーフレーバー
を含み、
成分の総量が100%wtを超えない医薬組成物を提供する。
【0143】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物の調製のためのキットであって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩を含む粉末ブレンド、及び
・構成のための溶媒としての水
を含むキットを提供する。
【0144】
さらに別の実施態様では、本発明は、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンで投与、特に1日1回経口投与される、SMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物の調製のためのキットであって、
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩,
・構成のためのビヒクルとしての粉末ブレンド、及び
・場合により構成のための溶媒としての水
を含むキットを提供する。
【0145】
特に、本明細書に記載される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩の構成のためのビヒクルとしての粉末ブレンドは、
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;及び
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール
を含む。
【0146】
特に、本明細書に記載される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩の構成のためのビヒクルとしての粉末ブレンドは、
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・潤滑剤、特にPEG6000
を含む;及び
【0147】
特に、本明細書に記載される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩の構成のためのビヒクルとしての粉末ブレンドは、
・緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・潤滑剤、特にPEG6000;
・場合により甘味料、特にスクラロース又はサッカリンナトリウム、最も特にスクラロース;及び
・場合により香味料、特にストロベリーフレーバー又はバニラフレーバー
を含む。
【0148】
特に、本明細書に記載される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩の構成のためのビヒクルとしての粉末ブレンドは、
・4~15%wtの緩衝系、特にクエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩若しくは酒石酸塩から選択される緩衝系、より特にリンゴ酸塩若しくは酒石酸塩、最も特に酒石酸塩;又はあるいは酸性化剤としての緩衝系の対応する酸のみ、特に酒石酸;
・40~70%wtの希釈剤、特にマンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物、より特にマンニトール;
・1~4%wtの抗酸化剤、特にアスコルビン酸;
・0.2~2%wtの安定剤、特にエデト酸二ナトリウム;
・0.5~2%wの潤滑剤、特にPEG6000;
・0~3%wtの甘味料、特にスクラロース又はサッカリンナトリウム、最も特にスクラロース;及び
・0~20%wtの香味料、特にストロベリーフレーバー又はバニラフレーバー
を含み、
成分の総量は100%wtを超えない。
【0149】
特に、本明細書に記載される7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩の構成のためのビヒクルとしての粉末ブレンドは、
・9~13%wtの酒石酸塩緩衝系又は酒石酸;
・第1の希釈剤として45~55%wtのマンニトール及び第2の希釈剤として8~10%wtのイソマルト;
・抗酸化剤として1~3%wtのアスコルビン酸;
・安定剤として0.3~0.9%wtのエデト酸二ナトリウム;
・潤滑剤として0.5~2%wのPEG6000;
・甘味料として0.8~2.0%wtのスクラロース;並びに
・7.5~19%wtのストロベリーフレーバー
を含み、
成分の総量は100%wtを超えない。
【0150】
特定の実施態様では、本発明は、本明細書に記載されるSMA(より特に、タイプII又は/及びタイプIII SMA)の処置において使用するための医薬組成物であって、1日1回経口投与される医薬組成物を提供する。
【0151】
別の実施態様では、本発明は、SMA、特にタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0152】
別の実施態様では、本発明は、SMA、特にタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0153】
特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるSMAの処置のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0154】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0155】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるタイプII SMA又はタイプIII SMAの処置のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0156】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるタイプII SMA及びタイプIII SMAの処置のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0157】
別の実施態様では、本発明は、SMA、特にタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための医薬の調製のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0158】
特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるSMAの処置のための医薬の調製のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0159】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるタイプII SMA又は/及びタイプIII SMAの処置のための医薬の調製のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0160】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるタイプII SMA又はタイプIII SMAの処置のための医薬の調製のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0161】
より特定の実施態様では、本発明は、患者(特に、それを必要とする患者)、特にヒト(例えば、男性又は女性のヒト)である患者におけるタイプII SMA及びタイプIII SMAの処置のための医薬の調製のための、投与、特に1日1回経口投与される、体重20kg未満の患者の場合には体重1キログラム当たり0.25mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン、又は体重20kg以上の患者の場合には5mgの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンの使用を提供する。
【0162】
本発明の患者は、特にヒト、より特に男性又は女性のヒトである。ヒトは、任意の人種のもの(例えば、白人又は東洋人)であり得る。
【0163】
特定の実施態様では、本発明の方法、使用、医薬組成物、7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンは1日1回投与される。
【0164】
以下の実施例は、本発明の実施を例示することのみを意図し、限定として提供されるものではない。
【実施例0165】
実施例1:
研究BP39055は、タイプ2及び3脊髄性筋萎縮症(SMA)におけるRO7034067の安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬理動態(PD)及び有効性を調査する2部構成の実施的にシームレスな多施設無作為化プラセボコントロール二重盲検研究である。研究は、探索用量設定部分(第1部)及び確認部分(第2部)からなる。
【0166】
第1部の主な目的は、タイプ2及びタイプ3(外来又は非外来)SMAを有する患者におけるRO7034067の安全性、忍容性、PK及びPDを評価し、研究の第2部の用量を選択することである。
【0167】
第1部は、タイプ2及びタイプ3(外来及び非外来)SMA患者における二重盲検プラセボコントロール無作為化(2:1のRO7034067:プラセボ)探索用量設定研究であった。この後、研究の第2部で選択したのと同じ用量による非盲検継続投与(OLE)が続く。
【0168】
研究の第1部は、2つの年齢グループの患者を登録した:
・グループA:12~25歳の青年及び成人患者
・グループB:2~11歳の子供
【0169】
両方の年齢グループにおいて、時差的な用量漸増方法でRO7034067用量レベルを調査した。
【0170】
プロトコールにしたがって、研究の第1部の実行のために以下の工程を実施した。
【0171】
-最初に、1日1回の盲検RO7034067 3mg(プロトコールで定義される初回用量レベル、700ng・h/mLのAUC0-24h,ssをターゲットとする)を受ける成人及び青年患者(コホートA1)に研究参加を開放した;12・16歳の患者 10人がコホートA1に参加した。
【0172】
-この用量レベルのRO7034067が、コホートA1に参加した患者 9人において少なくとも4週間にわたって安全かつ忍容性良好であることが示されたら(プロトコールによる最小は、12・17歳の積極的処置患者 3人であり、2:1の無作為化で患者 最低6人が保証された)、より若年患者のコホート(コホートB1)に参加を開放した。ターゲットAUC0-24h,ss 700ng・h/mLにしたがってこの年齢グループについてIMCが推奨する用量は0.02mg/kgであった(添付資料1の2016年12月12日のIMC推奨を参照のこと);3~11歳の患者 10人がコホートB1に参加した。
【0173】
-同じ時点で(すなわち、コホートA1の患者 9人における1日1回3mgの少なくとも4週間の処置のレビューに基づいて安全性及び忍容性が確認されたら)、1日1回のRO7034067 5mgを受ける成人及び青年患者 9人の別のコホート(コホートA2)に参加を開放した(添付資料1の2017年1月19日のIMC推奨を参照のこと)。プロトコールにしたがって、より高い用量レベルは、例えば曝露上限を超えずに、最大SMNタンパク質増加を達成することを決定した(Cmax 400ng/mL;平均AUC024h,ss 2000ng・h/mL);13・24歳の患者 10人がコホートA2に参加した。
【0174】
-コホートB1に参加した患者 9人における0.02mg/kgによる最低4週間の処置のレビューに基づいて、IMCにより以下の推奨が行われた:i)これらの患者における用量を、上限用量 3mgを超えずに0.05mg/kgに増加させること、及びii)2・6歳の患者 少なくとも5人をターゲットとし、上限用量 3mgを超えずに用量 0.05mg/kgで2・11歳の追加患者 最低9人を参加させること(コホートB2)(添付資料1の2017年3月13日のIMC推奨を参照のこと);2・6歳の患者 11人がこの追加コホート(コホートB2)に参加した。
【0175】
-RO7034067が、用量 0.05mg/kgでコホートB2に参加した患者 9人において少なくとも4週間にわたって安全かつ忍容性良好であることが示されたら、コホートB1及びB2の全ての進行中の患者における用量を、上限用量 3mgを超えずに0.15mg/kgに増加させるように、IMCにより推奨された(添付資料1の2017年5月23日のIMC推奨を参照のこと)。同じ時点で、上限用量 5mgを超えない用量 0.25mg/kgの患者 9人の別のコホート(コホートB3)に参加を開放し、例えば曝露上限を超えずに、最大運動ニューロン生存(SMN)タンパク質増加を達成することを決定した(Cmax 400ng/mL;平均AUC024h,ss 2000ng・h/mL);2・11歳の患者 10人がコホートB3に参加した。
【0176】
-各コホートの患者 最低9人による少なくとも12週間のプラセボコントロール処置の完了後、IMCは、コホートからの全ての利用可能なデータをレビューして、プラセボ患者を、それらの各コホートで試験した用量による積極的処置に切り替えることを決定した。各コホートにおいてプラセボ患者を積極的処置に切り替えるIMC決定の日付は、セクション1.3に提供されている。
【0177】
-第1部の最後のコホート(コホートB3)では、9人目の患者による最低4週間の処置の完了後の全ての利用可能な安全性、忍容性、PK及びPDデータ(9人目の患者の約1週間後に参加した最後のコホートの10人目の患者の全ての利用可能なデータ、及び全ての以前のコホートからの全ての利用可能なデータを含む)は、研究の第2部において投与すべき用量を選択するために、IMCによりレビューされた。この用量選択は、同じデータパッケージのレビュー後に外部iDMCにより確認された。この用量決定の根拠となったデータは、この報告において要約されている。
【0178】
-iDMCによる全ての利用可能な第1部データのレビュー及びIMC用量選択の確認後、第2部を開始し、第1部の全ての患者を、この研究のOLE段階の一部として第2部のために選択した用量に切り替える。第1部の最後のコホートの患者は、OLEの開始前に、それらのコホートの12週間の処置期間の終了までに処置を完了する必要がある。RO7034067処置の長期データを提供するために、研究のOLE段階の一部として安全性、忍容性及び有効性について、患者を引き続き追跡する。これらの患者は、研究の第2部において行った確認的有効性分析に寄与しない。
【0179】
患者 合計51人が研究の第1部に参加した。5つの異なるセンター(イタリア[2つのセンター]、ドイツ、フランス及びベルギー)において、患者が参加した。患者は、プラセボ及び積極的処置の患者を1:2の比で含む5つのコホートに参加した。
【表1】
【0180】
プロトコールは、研究の第2部の用量選択基準を、第1部のデータに基づいて安全かつ忍容性良好であると思われる用量であって、i)タイプ2及び3SMA患者における運動ニューロン生存(SMN)タンパク質の臨床関連増加をもたらす曝露を達成すると予想される用量として定義し、ii)RO7034067の平均AUC0 24h,ss(投与後0時間と24時間との間の曲線下定常状態面積)は、曝露上限 2000ng.h/mL未満のままでなければならない。
【表2】
【0181】
研究プロトコールで定義されているように、利用可能なデータは、SMNタンパク質レベルの100%の増加がより重度のSMA表現型をより軽度の形態に変えると実際に予想されるが、さらなる増加はさらに大きな利益を提供する可能性があることを示唆している。
【表3】
【0182】
実施例2:(BI§4.1.2.2からの採用)
成体C/C対立遺伝子マウスをビヒクル又はRO7034067(1、3又は10mg/kgを毎日経口[PO])で10日間処置し、PND3 SMNΔ7マウスをビヒクル又はRO7034067(0.1、0.3、1又は3mg/kgを毎日腹腔内[IP])で7日間処置した。RO7034067は、脳及び筋肉組織中のSMNタンパク質レベルを用量依存的に増加させ、成体C/C対立遺伝子マウスでは10mg/kgにおいて、及び新生児SMNΔ7マウスでは1~3mg/kgにおいて、2~3倍の増加の最大効果が達成された(
図1a及び1b)。したがって、用量 10mg/kgのC/C対立遺伝子マウスの筋肉では、達成されたSMNレベルは、ヘテロ接合型マウスにおけるものと同様であった。SMNΔ7マウスでは、SMNタンパク質増加は、脳及び筋肉の両方において部分的であったにすぎず、ヘテロ接合型マウスにおけるタンパク質レベルの約43%(脳)及び55%(筋肉)に達した。これらのデータは、RO7034067が、SMAのトランスジェニックマウスモデルの脳及び筋肉組織の両方におけるSMNタンパク質を増加させ、重度SMNΔ7マウスモデルでは、100%を超えるSMNタンパク質の増加の可能性があることを実証している。
【0183】
実施例3:
強制飼養により、試験品を経口投与した。動物は、剖検の日を含む39週間の期間にわたって投与された。動物は、sdOCT評価の日に投与されなかった。試験品に関連する臨床徴候により、グループ4動物(7.5mg/kg/日を投与)は、13~25日目に投与されなかった。臨床症状不良により、7.5mg/kg/日を投与した雌(動物0114) 1匹は、12日目に投与されなかった。回復した動物は、273日目(39週目)以降に投与されなかった。
【0184】
研究デザイン及び用量レベル
以下の研究デザイン及び用量レベルを選択した:
【表4】
【0185】
5.5 投与量
投与量 5mL/kgを使用した。個々の投与量は、個々の体重に基づいた。
【0186】
試験品の製剤化
調製
製剤を毎週調製した。
【0187】
pH3の10mMアスコルビン酸/0.0064mg/mLチオ硫酸ナトリウムの溶液として試験品を製剤化した。
【0188】
保存
製剤を酸素の非存在下(窒素下)、2~8℃で保存し、密閉容器内で光から保護した。投与前にそれらを室温に到達させ、動物室への到着後直ぐに撹拌し、次いで、投与の間は引き続き撹拌した。
【0189】
製剤分析
試験品の含有量について、製剤を分析した。
【0190】
安定性
安定性データにより、0.025~5mg/mLの範囲内の製剤は、酸素の非存在下(すなわち、窒素下)、2~8℃で保存した場合に、最大4週間安定であったことが実証された。
【0191】
達成濃度
(グループ4の投与の中断及び再開と一致する)投与段階の1、13、26及び39週目並びに12及び26日目に使用するために調製したサンプル(試験品製剤の3×1mLアリコート;コントロール品製剤の2×1mLアリコート)を達成濃度の分析に採用した。サンプリング時期が一致した達成濃度として、均一性結果の平均を採用した。
【0192】
9週目に使用するために調製した製剤からはサンプルを採用せず、投与段階の13週目にサンプルを収集した。
【0193】
試験系
種、系統及び供給業者
各性別の健常動物 16匹を提供するために、目的繁殖カニクイザル(Macaca fascicularis)32匹をNoveprim Ltd (Mauritius)から入手した。
【0194】
詳細
投与開始時において、動物は24~26カ月齢であった。
【0195】
環境
実験手順が別途示されている短期間を除いて、以下の環境で動物を飼育した。1時間当たり最低15回の空気交換を提供するように空調されている専用部屋にそれらを収容した。一般に、温度及び相対湿度範囲をそれぞれ21~25℃及び40~70%の指定範囲内に維持した。蛍光灯を自動でコントロールして、12時間の光(0600時~1800時)及び12時間の闇のサイクルを与えた。
【0196】
the Code of practice for the housing and care of animals bred, supplied or used for scientific purposes (Home Office, London, 2014)に準拠した檻に動物を収容した。同じグループ及び性別の動物を同じ檻に集団収容した。
【0197】
食餌、水及び寝床
各動物に、霊長類用認定実験食(LabDiet 5048)のペレットを少なくとも1日2回提供した(およそ、午前に6つのペレット及び午後に6つのペレット);時折、午後の健康診断で追加ペレットを提供した。新鮮果物又は野菜も平日に1日1回提供し、他の機会では乾燥代替品を提供した。
【0198】
水筒を介して、水道水を自由に供給した。水は、特定の汚染物質について定期的に分析されている。
【0199】
清潔なAspen wood chips (Datesand Ltd, Manchester, UK)及びLignocel mix (International Product Supplies Ltd, London, UK)の使用により、寝具を各ケージに毎週提供した。
【0200】
栄養補助食品及び環境強化
報酬として以下のものを提供した:ブドウ、ブルーベリー、ヒマワリの種、パスタ、ナッツ、ウッドウール及び飼料ミックス;これらは、環境強化の形態として分析を必要としなかった。
【0201】
多くの追加アイテム/戦略、例えば玩具(ボール、不活性ナイロンチュウ)、ブランコ及び採餌材料の提供を使用して、動物の環境及び福祉を強化した。
【0202】
実験前手順
試験系の識別
電子インプラントにより、動物を個別に識別した。
【表5】
【0203】
眼科検査
標準的な眼科検査
投与開始前並びに投与段階の4、13、23及び36週目に全ての動物に対して、調査を実施した。
【0204】
23及び36週目の調査は、投与段階の22及び35週目を指定したプロトコールに反していた。時間差は最小限であり、研究の完全性に対して影響がなかった。
【0205】
動物をケタミンで軽く鎮静させ、間接及び細隙灯眼科検査前に、散瞳剤を眼に注入した。
【0206】
網膜電図検査(ERG)
投与段階の20、26及び34週目に全ての動物に対して、並びに回復段階の8、13及び22週目に全ての回復動物に対して、調査を実施した。
【0207】
ERG手順前に動物を少なくとも2時間絶食させ、暗所視試験前に少なくとも2時間暗順応させ、明所視試験前に少なくとも10分間明順応させた。
【0208】
動物をケタミンで軽く鎮静させ、検査前に、散瞳剤を眼に注入した。
【0209】
スペクトル領域光コヒーレンストモグラフィー
投与段階の22、27及び35週目並びに回復段階の8、13及び22週目に全ての動物に対して、スペクトル領域光コヒーレンストモグラフィー(sdOCT)を実施した。検査前に動物は一晩絶食され、sdOCT評価の日に投与されなかった。
【0210】
動物をケタミンで軽く鎮静させ、検査前に、散瞳剤を眼に注入した。
【0211】
毒性動態
投与段階の1、12(2週目)、26(グループ4のみ)、57(9週目)、92(14週目)、180(26週目)及び267日目(39週目)に以下の時点で、全ての試験品処置動物から毒性動態用の血液サンプル(名目上0.5mL)を採取した:
・0(投与前)、投与後1、3、7及び24時間
【0212】
12日目の投与後72時間(すなわち、15日目)に、全てのグループ4動物から追加サンプルを採取した。
【0213】
汚染を回避するために、(26週目を除く)異なる日に、コントロールグループ(グループ1)からのサンプルを採取した:投与段階の3、15(3週目)、59(9週目)、89(13週目)、180(26週目)及び269日目(39週目)。
【0214】
投与段階の180日目(26週目)に、3mg/kg/日を投与した雌(動物0111)1匹からの1時間サンプルを6分早く採取したが、これは、SOPが許可する偏差域から2分はずれていた。この時間的逸脱は最小限であったので、研究の完全性に対して影響はなかった。
【0215】
大腿静脈/動脈からサンプルを採取した。各血液サンプルを手で穏やかに混合し、次いで、約4℃、2300gで10分間遠心分離するまで、湿った砕氷上に置いた。得られた血漿を分離し、2つのユニークなラベル付き透明ポリプロピレンチューブに分注し、-50℃未満(名目上-80℃)で凍結した。分析のために、一方のサンプルをドライアイス上で冷凍して主任研究者に送り、他方をCovanceに保管した。
【0216】
方法及び結果は、添付資料13及び添付資料17に示されている。
【0217】
臨床病理学
サンプル及び時期
投与開始前;投与段階の4、13、26、35及び39週目;並びに回復段階の13及び22週目に、全ての動物の大腿静脈/動脈から、血液サンプル(名目上、EDTA抗凝固剤に収集した0.5mL、クエン酸三ナトリウム抗凝固剤に収集した0.5mL、及びヘパリンリチウム抗凝固剤に収集した0.6mL)を採取した。誤って一晩飢餓させなかった動物の13週目回復段階サンプルを除いて、一晩絶食期間後にサンプルを収集した。これは影響がなかった。
【0218】
終了手順
全ての動物を剖検に供した。
【0219】
毒性動態組織サンプリング
毒性動態調査のために剖検時に、動物 1匹/性別/グループの左眼の硝子体液及び房水から眼サンプルを採取し、ラベル付きエッペンドルフチューブに等分し、計量した。切除後、網膜、脈絡膜、RPE、角膜、虹彩、強膜及び水晶体をそれぞれ別個のPrecellysホモジナイズチューブ(2mL)に入れた:次いで、チューブを液体窒素で瞬間凍結し、名目上-70℃で凍結保存した。
【0220】
電子顕微鏡検査
メイングループ剖検時の動物 2匹/性別/グループ及び回復剖検時の動物 1匹/性別/グループの左眼を、剖検時にホルマリン/グルタルアルデヒド混合物で固定した。小さな(25~27ゲージ)針を有するシリンジを使用して、眼の上部から、4%緩衝グルタルアルデヒドと10%NBFとの1:1混合物を、長後毛様動脈に対して垂直の位置で強膜を通して硝子体に注入した。固定液 約0.2~0.3mLを眼に注入し、次いで、4%緩衝グルタルアルデヒドと10%NBFとの1:1混合物を充填した容器に36~48時間浸漬した。
【0221】
データ評価
概要の表の見出しに掲載されている動物の数は、それぞれの各剖検区間に割り当てられた動物の数を示す病理学の表を除いて、それぞれの各段階の開始時に各グループに割り当てられた動物の数を反映する。観察結果に関する概要の表は、特定の性質、重症度、可逆性、発生率/動物の数、又は症状が持続した時間の長さに関係なく、症状が観察された動物の数を示す。
【0222】
試験品処置動物からのデータをコントロールデータと比較した。
【0223】
この報告におけるいくつかの表は、コンピューターで作成されている。このシステムでは、個々の数値及び派生した数値は丸められる。それにより、いくつかの場合では、報告に示されている個々のデータからの派生値の再計算はわずかなばらつきをもたらすであろう。
【0224】
ERGデータに対して、統計分析を実施した。
【0225】
処置をモデルの単一因子とする分散分析(ANOVA;Winer et al., 1991)を使用して、以下に掲載されている網膜電図検査パラメータのA波(該当する場合)及びB波振幅並びに潜時を分析した。有意な全処置効果(P=0.05)が認められた場合、ダネット検定(Dunnett, 1955 and 1964)により、グループ比較(グループ2、3及び4対グループ1)を評価した。雄及び雌のデータを別個に分析した。
・暗所視-34dB青色単一フラッシュ
・暗所視-8dB赤色単一フラッシュ
・暗所視0dB白色単一フラッシュ
・振動電位
・明所視0dB単一フラッシュ
・明所視0dB 30.3Hz白色
・VEP 4.1Hz
【0226】
加えて、レーベン検定(Levene, 1960)を使用して、グループ間の分散の同等性を試験した。レーベン検定が有意である場合(P=0.01)、ランク変換データ(Draper and Hunter, 1969)をANOVAモデルで使用した。
【0227】
各動物の2つの眼(右及び左)の間の平均を計算し、分析に使用した。
【0228】
結果
製剤
全ての試験品製剤の測定含有量は名目上94~103%の範囲であったが、これは、許容し得る濃度が投与のために調製されたことを実証している。
【0229】
コントロールサンプルでは、試験品は検出されなかった。
【0230】
生物分析及び毒性動態
血漿中の結果は以下を示した:
【0231】
コントロールグループのサンプルは、定量可能な血漿濃度のRO7034067を含有していなかった。全ての結果は、定量下限(<5.00ng/mL)未満であった。
【0232】
1.5、3又は7.5/.5mg/kg/日を投与した全ての動物をRO7034067に曝露し、全ての調査日に、サンプリング区間全体(24時間)の完全な血漿濃度-時間プロファイルを得た。
【0233】
特に7.5/.5mg/kg/日を投与したグループでは、このグループの動物 2匹(動物0112及び0114;動物0112の毒性動態[TK]サンプリング日ではない)において高頻度で、投与直後に逆流が観察された。89、90及び91日目における3日間の逆流の後、動物0114における92日目のRO7034067への曝露は、5mg/kg/日を投与した全ての他の動物と比較して明らかに低かった。この動物についても逆流が観察された57日目(TKサンプリング日)に、これはあまり顕著ではなかった。その結果として、57及び92日目の比及び統計計算から、動物0114における曝露を除外した。
【0234】
全体として、各評価日に、AUC(0-24h)のおよその用量比例増加が1.5~5mg/kg/日で観察された。1及び12日目に、これは1.5~7.5mg/kg/日でも観察された。
【0235】
全体として、39週間の投与段階において、AUC(0-24h)又はCmaxの関連性差は、いかなる用量レベルでも観察されなかった。
【0236】
12及び267日目の主な結果(平均値)は、以下の表に要約されている:
【表6】
【0237】
網膜電図検査(非GLP)
定性的評価
International Society for Clinical Electrophysiology of Vision(ISCEV)プロトコール下で誘発した網膜電図検査(ERG)応答の目視検査により、投与20週目に、7.5/5mg/kg/日を投与したいくつかの動物でERGの顕著な低下が認められた。3mg/kg/日を投与した雄 1匹(動物0009)及び7.5/5mg/kg/日を投与した雄 2匹(動物0013及び0014)は、暗所視-34dB青色B波振幅の低下が認められた。3mg/kg/日を投与した雌 2匹(動物0110及び0111)及び7.5/5mg/kg/日を投与した雌 3匹(動物0114、0115及び0116)もまた、暗所視-34dB青色状態のB波振幅の顕著な低下が認められた。7.5/5mg/kg/日を投与した雄 1匹(動物0014)及び雌 2匹(動物0114及び0115)もまた、投与段階の20週目に、明所視0dB白色及び30Hzフリッカー振幅の減少が認められた。
【0238】
投与段階の26週目におけるERG応答の定性的評価により、7.5/5mg/kg/日を投与した雄 2匹(動物0013及び0014)では暗所視-34dB青色B波振幅が低下し、7.5/5mg/kg/日を投与した雌 2匹(動物0114及び0115)ではさらに明所視改善の証拠があり、明所視0dB単一白色B波振幅が低下したことが示された。
【0239】
投与段階の34週目におけるERG応答の定性的評価により、雄 3匹(動物0012、0014及び0015)及び雌 4匹(動物0113、0114 0115及び0116)では、7.5/5mg/kg/日で暗所視-34dB青色B波振幅が低下したことが示された。7.5/5mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0114)は、ほぼ消滅した暗所視及び明所視応答を示した。1.5mg/kg/日を投与した雄 1匹(動物0004)は、34週目時点で、予想よりも低い暗所視-34dB B波振幅を有していた。
【0240】
コントロール及び7.5/5mg/kg/日グループの両方の雄及び雌 2匹において、回復段階の8、13及び22週目に、網膜電図検査(ERG)及びVEPを記録した。コントロール動物 4匹から記録されたERGは全て、3つの回復時点で、予想正常範囲内であった。7.5/5mg/kg/日を以前に投与した雌 1匹(動物0114)は、回復段階の8及び13週目に、振幅ERG応答が引き続き減少していた;しかしながら、回復段階の22週目に、この動物のERG B波の振幅は以前の試験と比較して著しく増加したが、それは依然として、わずかに予想正常範囲未満であった。雄のグループ4動物 2匹は、3つの各回復区間で、予想正常範囲内の暗所視及び明所視B波を有していた。
【0241】
網膜電図検査評定
各動物の-34dB暗所視青色B波振幅を、同一の装置及び麻酔を用いて試験したカニクイザルの大きなサンプル(N=320)から得られた値(Ver Hoeve et al., 2014)と比較することにより、ERG評定を半定量的に実施した。その研究からの大きなサンプル量を使用して、1.96*標準偏差及び2.36*標準偏差に基づいて低い信頼区間を計算したところ、平均は187.8であり、標準偏差は51.7マイクロボルトであったが、これらは、それぞれ0.05又は0.01未満の確率で逸脱に対応する。これらの値に基づいて、0の評定は、1.96標準偏差内のB波振幅に割り当てられ;1の評定は、予想平均よりも1.96標準偏差未満しかし2.36*標準偏差以上高いB波振幅に割り当てられ、2の評定は、予想平均から2.36標準偏差低いB波振幅に割り当てられた。
【0242】
投与段階
前述の評定基準に基づくと、7.5/5mg/kg/日を投与した雌 5匹のうち4匹は、20週目に桿体反応が低下し;7.5/5mg/kg/日を投与した雌 5匹のうち2匹は、26週目に桿体反応が低下し;7.5/5mg/kg/日を投与した雌 5匹のうち4匹は、投与段階の34週目に桿体反応が低下した。7.5/5mg/kg/日を投与した雄 5匹のうち4匹は、20週目に桿体反応が低下し;7.5/5mg/kg/日を投与した雄 5匹のうち2匹は、26週目に桿体反応が低下し;7.5/5mg/kg/日を投与した雄 5匹のうち5匹は、投与段階の34週目に桿体反応が低下した。
【0243】
これらの評定基準を使用すると、3mg/kg/日を投与した雌 3匹は全て、22週目に桿体反応が低下し;これらの雌はいずれも、27週目に桿体反応が低下せず;3mg/kg/日を投与した雌 3匹のうち1匹は、投与段階の35週目に桿体反応が低下した。3mg/kg/日を投与した雄については、3匹のうち1匹は、22週目に桿体反応が低下したが、いずれも、投与段階の26又は35週目に桿体反応が低下しなかった。
【0244】
1mg/kg/日を投与した雌 2匹は、投与段階の34週目に基準未満の桿体ERGを有していた。1mg/kg/日を投与した雄は、予想範囲未満の桿体反応を有していなかった。
【0245】
コントロール動物のうち、雌 1匹(動物0102)のみが予想範囲外の桿体反応を有しており、これは、投与段階の22及び34週目に発生した。コントロール雄 1匹のみが基準未満の桿体反応を有しており、これは、投与段階の34週目に発生した。
【0246】
コントロール又は1mg/kg/日を投与したグループでは、OCT及びERG所見はわずかであったか又は存在しなかった。3mg/kg/日を投与した動物では、OCT及びERGにより比較的軽度の異常が見出され、7.5/5mg/kg/日を投与した動物では、両方とも、高い割合の異常が存在することを示していた。
【0247】
回復期間
コントロール動物 2匹/性別及び7.5/5mg/kg/日を投与した動物 2匹/性別を回復中に追跡し、回復段階の8、13及び22週目に試験した。
【0248】
投与段階に7.5/5mg/kg/日を投与した雌 2匹のうち1匹は、投与段階の22、26及び34週目に桿体反応が有意に減少し(動物0114)、回復8週目及び回復13週目に依然として低下していた。回復22週目に、番号114は、回復8週目の34.1、33.5(mcV、右、左眼)から回復22週目の43.4、52.7mcVへのB波振幅の大きな増加を示した。しかしながら、この応答は依然として、予想平均よりも2.36標準偏差超低かった。影響がある他のグループ4の雌である番号0115では、ERG B波にあまり影響がなく、回復8及び13週目に依然として予想範囲未満であり、回復段階の22週目に完全に回復した。グループ4の雄は両方とも、3回の各回復試験で予想正常範囲内の暗所視及び明所視b波を有していた。
【0249】
定量的評価
投与段階の34週目に収集したデータからのERG A波及びB波のピーク潜時(潜在的時間)並びに振幅の統計的評価は、Covance統計学者が実施した。
【0250】
暗所視-34dB青色単一フラッシュB波振幅は、B波潜時(P<0.0370)と同様に、グループ間で有意差があったが(P<0.0047)、このスモールN分析では、コントロールとの個々のグループ比較(ダネット検定)は有意に達しなかった。
【0251】
暗所視0dB白色A波の潜時はグループ間で有意差があり(P<0.0116)、ダネット検定では、7.5/5mg/kg/日グループとコントロールグループとの間の差は有意であった(P<0.0095)。
【0252】
最後に、明所視0dB白色B波振幅はグループ間で有意差があったが(P<0.0449)、コントロールとのグループ比較では有意性に達しなかった。
【0253】
要約すると、7.5/5mg/kg/日を投与した動物 数匹は、投与段階の20週目に暗所視及び明所視ERGの顕著な低下が認められた。これらの動物では、網膜機能は依然として、投与段階の26及び34週目に低下しており、7.5/5mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0114)は、進行性ERG機能不全の兆候を明らかに示した。当然のことながら、番号0114は、回復段階の22週目までに回復の明確な兆候を示した。一般に、中用量及び低用量グループ動物(3.0及び1.5mg/kg/日)は依然として予想範囲内であり、投与段階の間に、ERG振幅の減少傾向の証拠はなかった。
【0254】
影響がある動物では、桿体光レセプター媒介性暗所視-34dB青色単一フラッシュの顕著な低下が認められた。最も影響がある動物(7.5/5mg/kg/日を投与した雄 3匹[動物0012、0014及び0015]及び雌 2匹[動物0114及び0116])では、暗所視0dB単一白色(混合桿体錐体刺激))A波は、B波よりもあまり低下していないと思われた。これは、RO7034067が、光レセプター活性化自体よりも光レセプター-双極細胞間伝搬に対して比較的大きな効果を有していたことを示唆していた。この推論は、7.5/5mg/kg/日を投与した動物では、双極細胞層が網膜機能不全の主要な遺伝子座であった可能性につながる。
【0255】
また、注目すべきことに、RO7034067の投与に応じて顕著な個体差が認められ、7.5/5mg/kg/日を投与したいくつかの動物は正常ERGを示し、他の動物は、前述のようにERGの低下が認められた。7.5/5mg/kg/日を投与した動物でさえ、フラッシュ誘発VEPが依然として存在していた。これは、網膜反応に影響があった動物でさえ、RO7034067投与が、網膜神経節細胞又は視覚皮質へのそれらの軸索投射を有意に損なわなかったことを示唆していた。これは、周辺網膜(これは網膜のかなり大部分を占めており、全視野ERGに大きな役割を果たす)と比較して黄斑部が比較的余分にある場合に起こり得る。sdOCT及び組織病理学により、実際に、黄斑部は実質的な網膜損傷を免れていることが示された。
【0256】
1.5mg/kg/日又はコントロール品(ビヒクル)を投与した動物は、ERG欠損が認められなかった。
【0257】
スペクトル領域光コヒーレンストモグラフィー(sdOCT、非GLP)
投与段階
7.5/5mg/kg/日を投与した雄 3匹(動物0012、0014及び0016)は、27週目に、22週目と比較してわずかに悪化したように思われた。動物0014は、微小類嚢胞黄斑変性(MMD)及び周辺のONLにおける液腔が増加していたが、動物0016は、周辺における薄化及び組織崩壊がより多かった。MMD腔はINLにおいてのみ認められ、周辺のONLにおいて認められた腔とは様相が異なっていた。35週目に、動物0014もまた、27週目よりもわずかに悪化したように思われ、MMD並びに周辺のINL及びONLにおける液腔の数が継続的に増加し、周辺における網膜層の薄化及び組織崩壊がわずかに増加した。
【0258】
27週目に、7.5/5mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0113)は、視神経頭及び黄斑付近のMMD腔が22週目よりも少なかったが、周辺における網膜層の組織崩壊がより多かった;7.5/5mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0114)はMMDがより多く、INLにおける嚢胞腔が周辺に伸びており、周辺における組織崩壊及び薄化が22週目よりもわずかに多かった;7.5/5mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0116)は、周辺におけるINL及び視神経付近に腔があった。35週目に、7.5/5mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0113)は依然として、視神経頭及び黄斑付近にMMD腔があった;しかしながら、周辺では、27週目よりも多くの網膜層の組織崩壊が認められ、(右よりも左眼において)ILM下で光学的空隙が認められた;動物0114は、35週目に、MMDが27週目よりも多く、INLにおける嚢胞腔が周辺に伸びており、周辺で組織崩壊及び薄化がより多く、ONL及びILMで光学的空隙が増加していた。また、35週目に、動物0115は、周辺に伸びるINLのMMD腔が27週目と比較して増加しており、ONLにおける腔がほとんどなかった。
【0259】
3mg/kg/日を投与した雄は、sdOCT区間全体にわたって、周辺における最小/軽度の網膜組織崩壊があった(投与段階の22、27及び35週目)。3mg/kg/日を投与した雌 2匹(動物0109及び0110)は、27週目に、22週目よりもわずかに悪化したように思われ、ONL浸潤/反射スポット及び内部セグメント/外部セグメント(IS/OS)脱落が多かった。35週目に、3mg/kg/日を投与した雌 1匹(動物0109)は、IS/OSが周辺中に存在しないより大きな領域を示した。
【0260】
コントロール及び1.5mg/kg/日を投与した動物は、正常な網膜様相を保持した。
【0261】
眼底自発蛍光(FAF)画像により、コントロール品(ビヒクル)、1.5又は3mg/kg/日を投与したグループでは、経時的な変化がほとんどないことが示された。7.5/5mg/kg/日を投与した最も影響がある動物においてのみ、斑状の低蛍光が認められた。7.5/5mg/kg/日を投与したいくつかの動物では、これらの暗色点状スポットは、網膜変性が最も顕著であった遠周辺において、より大きな暗色斑点と一体化するように思われた。広範なMMDを有する眼のFAF画像では、中心窩周囲において暗色環が認められた。このFAF所見は、ヒト患者のMMDを記録した多くの眼科学術論文において報告されている。
【0262】
考察
この研究において認められた主要な効果は、網膜の完全性及び機能に対するRO7034067の用量及び発生率関連効果であった。類似の薬理学的特性の別の試験品を用いた慢性サル毒性研究における網膜変化のその後の同定のために、投与段階の20週目からERG及びsdOCTを行った。生存中の網膜変化をモニタリングするために、投与期間を13週間から39週間に延長した。RO7034067による処置中に、sdOCTにより構造異常と識別された動物と、ERGにより機能異常と識別された動物との間で明らかな関連が認められ、sdOCTによるより重度の異常はERG波反応の低下と関連していた。この関連は、投与段階の20/22週目の初回調査時に存在しており、投与段階の以下の2つの調査において継続していた。用量 3mg/kg/日グループにおけるわずかなsdOCT異常のみを有するいくつかの動物は、ERGによるいかなる機能的変化も示さなかった。加えて、7.5/5mg/kg/日を投与した動物 3匹(動物0014、0114及び0116)は、sdOCT評定によれば最も影響がある動物であり、最大のERG低下を有していた。
【0263】
図3は、sdOCT、ERG及び組織病理学的変化と、研究期間の終了時(及び組織病理学については22週間の回復段階の終了時)の個々の動物曝露との曝露効果相関を示す。それぞれ雄及び雌で平均1870/2060ng・h/mL AUC0-24h並びに個別に最大2300ng・h/mL AUC0-24hに曝露した動物は、網膜に対する効果がなかった。網膜所見を伴う中用量による動物の最低曝露は、動物番号11、109、111では4540/4560/4560ng・h/mL AUC0-24hであった。効果は、sdOCT及び組織学により、用量 3mg/kg/日、曝露 4880/4850ng・h/mL(M/FでAUC0-24h)で見られた。ERGの低下及びINLにおける微小嚢胞腔は、高用量(5mg/kg/日)で曝露 5880/6470ng・h/mL(M/FでAUC0-24h)の動物で主に見られた。研究中、曝露は、非常に低い経時的変動のみを示した。
【0264】
ある程度まで3mg/kg/日以上を投与した全ての動物のOCT所見は、IS/OSの組織崩壊及び薄化並びに反射率の増加及び網膜周辺におけるONLの薄化を含んでいた。INLにおける微小嚢胞腔の独特のパターンを特徴とする微小類嚢胞黄斑変性(MMD)も認められた。ILM及びONLでは、体液蓄積であると思われるものが認められた。これらの効果は、3mg/kg/日を投与した雌 1匹及び7.5/5mg/kg/日を投与した動物 2匹/性別の網膜の中央から周辺部における変性の有害な組織病理学的所見と相関しており、光レセプター層のいくらかの喪失を伴う網膜の外顆粒層及び光レセプター層の多巣性組織崩壊;網膜色素上皮細胞の多巣性肥大;内顆粒層のいくらかの薄化、組織崩壊及び空胞化;並びに神経節細胞層の空胞化を特徴としていた。
【0265】
微小類嚢胞黄斑変性(MMD)は、ILM及びONLにおける液腔からの明確な所見である;微小類嚢胞黄斑浮腫として文献で頻繁に報告されているように、MMDは、通常、MS又は緑内障などの変性疾患に関連する。その病因はほとんど理解されていないが、通常の提示は、傍中心窩領域の微小嚢胞腔の独特のパターンであり、周辺ではさらに外側に伸びることもあるが常にINLの中にあり、常に細長く、腔に対して垂直の様相であるのに対して、ONL又はILMにおける液腔の様相は様々であり、形状が不規則であり、縦よりも横長であり得る。遠周辺におけるINLの薄化性質により、腔の正確な形状を認識することが困難であった;いくつかは古典的MMDのように見え、黄斑周囲に認められる腔の突起であると思われたが、周辺のINLにおける他の腔はそうではなかった。
【0266】
網膜の周辺では、ONLのいくらかの薄化及び光レセプター/RPE層のいくらかの組織崩壊は通常である。特にサルでは、それらのより小さな目及び曲率の増加に部分的に起因して、遠周辺に向かって画質は低下するので、その場所では、網膜層の完全性に関する確定的結論がより困難であった。しかしながら、グループ間で画像を比較したところ、sdOCTでは用量反応があるように思われ、より高用量グループは、IS/OSにおけるより多くの組織崩壊及び薄化と、周辺のONL及びINL並びにILMにおけるより多くの液体蓄積と、黄斑周囲のMMD腔とを示した。また、3又は7.5/5mg/kg/日を投与した雌は、これらのグループの雄よりも影響があったと思われた。
【0267】
眼底自発蛍光(FAF)イメージングにより、最も顕著な変性変化を有する動物の周辺においてのみ、斑点のある低蛍光及び高蛍光の領域が示された。FAFは、眼において自然に発生し得るか又は疾患プロセスの副産物として蓄積し得る蛍光を記録するために使用され、RPEの健康が重要な役割を果たす状況に関する有用な情報を提供し得る。高自発蛍光は、変性変化又は酸化傷害を示し得るリポフスチン蓄積の増加の兆候であり得る。低自発蛍光の領域は、RPE細胞の欠落又は変化を示し得る。今回の研究におけるFAF変化により、周辺網膜の変性変化及び中心窩周囲のMMDが示された。
【0268】
遠周辺に認められる高AFシグナルの明るい斑点領域は、RPEの障害により損なわれた光レセプター細胞の変性におけるリポフスチン形成の増加に起因し得る。一般に、低AF(暗い)領域は、RPE細胞の欠落又は変化を示し、最変性変化-光レセプターの喪失及びONLの組織崩壊-が認められた場所である。経時的に、病的RPE細胞を示唆する高AF領域は低AFの領域になり得るが、これは、RPEの喪失を示唆している。7.5/5mg/kg/日を投与した動物の遠周辺に認められる白色高AFスポットのバンドは、細胞が機能障害を有し得る移行部とみなすことができた;しかしながら、回復の可能性は依然として存在する。回復段階の早期において遠周辺の移行部は依然として同じあったが、回復段階の22週目までに減少するように思われたという事実は、不可逆的損傷の転換点がその領域に到達しておらず、経時的な回復が可能であったことを示していた可能性がある。OCT所見及びERG試験により、特に最終区間である回復段階の22週目に、全ての動物において明らかな改善が示された。4匹のうち動物 1匹のみにおいて、ERGは正常範囲未満であった。
【0269】
FAFイメージングでは、特にサルにおいて、方向及び/又は眼球運動のわずかな変化に起因するFAF様相の微妙な変化があり得ることに留意すべきである。ソフトウェアは、最大100フレームを平均化して最終的な画像を作成するが、その結果、いくらかの画像コントラスト又は陰影のばらつきが生じ得る。最も影響がある動物の遠周辺において収集された画像は、より顕著な変性変化と相関すると思われる変化を示した。結果の解釈における注意点は、各区間で全ての動物をイメージングしたわけではなく、FAF様相、用量反応、及びこのような小さなサンプルサイズによる経時的な進行について確定的な発表を行うことが困難であったことである。
【0270】
OCT所見は、周辺の光レセプター層の多巣性喪失を伴う網膜の外顆粒層及び光レセプター層の組織崩壊を特徴とする網膜変性の病理学的所見と相関していた。内顆粒層の薄化、組織崩壊及び空胞化の病理学的所見はMMDのOCT所見と一致しており、神経節細胞層の空胞化は、ILMの光学的空隙(流体)の増加のOCT所見と一致していた。INLにおけるMMDのOCT所見は本来は局所的であり、組織病理学切片では腔(又は液胞)が組織病理学的に必ずしも認められず、回復段階中に網膜変性は可逆的ではなかったが、内顆粒層の空胞化はもはや存在しなかった。網膜変性は有害であると考えられた。
【0271】
結論
39週間にわたるカニクイザルへの1.5、3又は7.5/5mg/kg/日RO7034067の投与は、7.5/5mg/kg/日を投与した動物の皮膚の臨床兆候に主に関連し、表皮過形成の非有害顕微鏡的所見と相関していた。加えて、3又は7.5/5mg/kg/日を投与した動物では、眼における用量関連発生率並びに重症度の機能的(ERGにより測定)及び形態学的(有害網膜変性)の変化が観察され、7.5/5mg/kg/日を投与した雌の胸腺(非有害)もまた、試験品関連組織病理学的変化の部位として識別された。
【0272】
この研究の条件下では、3又は7.5/5mg/kg/日を投与した動物の眼の所見、及び1.5mg/kg/日を投与した動物における試験品効果の欠如に基づいて、観察可能な有害効果がないレベル(NOAEL)は1.5mg/kg/日であると考えられ、雄/雌に関する投与段階の39週目の414/396ng/mL(Cmax)及び1870/2060ng・hr/mL(AUC0-24)の全身RO7034067曝露に対応する。
【0273】
サルの39週間慢性毒性研究(22週間の回復段階あり)では、4260ng・h/mL AUC0-24hの曝露において、sdOCTにより、周辺網膜変性(光レセプター喪失)、高反射RPE、及びより多くの中心MMD(液胞)が検出された(処置の20週目以降から評価)。ERGデータの補完取得はB波の低下を示した。
【0274】
サルにおける39週間慢性毒性研究からの網膜では、sdOCTにより検出された、サルの網膜内層における肥大RPE及び微小嚢胞腔(液胞)を伴う光レセプター層における多巣性周辺網膜変性が認められた。これは、ERGにおける暗所視(桿体)B波の低下及び幾分影響が少ない明所視(錐体)B波に関連していた。20週目(その分子を用いた慢性サル毒性研究の終了時にRO6885247の網膜変化を報告した後)にsdOCT及びERG評価を開始し、研究の35週目まで継続した。組織病理学により、これらの所見を確認した。39週間の処置による網膜所見のNOELは、4880/4850ng.h/mL(M/FでAUC0-24h)の曝露でsdOCT及び組織学により効果が見られた1870/2060ng.h/mL(M/FでAUC0-24h)である。5880/6470ng.h/mL(M/FでAUC0-24h)の曝露による高用量の動物では、ERGの低下及びINLにおける微小嚢胞腔が見られた。
【0275】
実験的証拠は、網膜に対する効果が組織増殖に対する効果に直接関連しないが、網膜における高メラニン結合及び組織保持のin vitro証拠に関係することを示唆している。サル及び有色ラットRPE/網膜における高い組織蓄積及び組織保持にもかかわらず、有色ラットでは、処置の26週間後にいかなる網膜効果の証拠も存在しなかったが、サルでは、この時点で網膜変化が明らかに見られた。したがって、メラニン結合RO7034067は毒性自体を付与せず、高レベルのメラニン結合RO7034067の存在以外の因子が、サルにおけるその網膜効果において役割を果たすはずである。in vitroのヒトRPE細胞では、リソソーム機能/オートファゴソーム蓄積の障害が見られた。
【0276】
組織病理学により網膜変性の全ての特徴を確認したところ、高曝露の動物 数匹ではB波の低下が顕著であったにもかかわらず、(一般的な行動及び眼科評価に基づいて)動物の視力を損なうように思われなかった。MMD及びERGの低下は、サル研究の22週間回復段階にほぼ完全に回復したが、周辺光レセプターの喪失及び高反射/肥大RPEは回復しなかった。RO7034067については、最大15,100ng.h/mL AUC0-24hの個体曝露を用いた2週間サル毒性研究では、網膜変化は見られなかった。RO7034067を用いた39週間サル毒性研究の生存期間にわたって、低用量は依然として、評価の最終週(35週目)まで、sdOCT及びERGのいかなる試験品関連変化もなかった。この低用量 1.5mg/kg/日では、それぞれ雄/雌について、網膜はまた、39週目に、全身RO7034067曝露 414/396ng/mL(Cmax)及び1870/2060ng.h/mL(AUC0-24)に対応するいかなる組織病理学的変化もなかった。
【0277】
実施例4
他のスプライシング改変化合物により選択的にスプライシングされる遺伝子FoxM1は、細胞周期レギュレーターをコードする。FoxM1a(FL)及びFoxM1b/c(Δ9)の特異的プライマーを用いたRT-qPCRを使用して、RO7034067処理後のFoxM1の選択的スプライシングの改変を確認した(FLについてはEC
5067±32nM、Δ9 mRNAについては139±43nM;_
図4を参照のこと)。スプライシング変化が生物学的に重要なレベルである場合、FoxM1Aアイソフォームの存在量の増加は、エクソン9を欠くFoxM1アイソフォームの存在量の減少と共に、細胞周期進行を妨害及び阻害する能力を有する。したがって、RO7034067は、SMN2及びFoxM1スプライシング機構に対して同様に作用するが、タンパク質機能に関する結果は逆である。アポトーシスプロセスに関与する遺伝子であるMADDもまた、二次スプライシングターゲットとして同定されている。
【0278】
RO7034067を用いた毒性学的研究(細胞周期分析及び動物組織のRNAシーケンシング調査を含む)において同定されたFoxM1及びMADDの機能不全の機能的結果は、以下に記載されている。
【0279】
RO7034067を含む一連のSMN2スプライシング改変因子を用いて行われたin vitro研究では、異なる数の遺伝子転写産物が選択的スプライシングにより影響を受け得ることが示唆された(Palacino J. et al. Nat Chem Biol. 2015; 11:511-7.)。したがって、RO7034067による処置により引き起こされる毒性の機構的理解を高めるために、RNAシーケンシング分析とそれに続くスプライシングされた遺伝子の詳細な分析を、RO7030467についてラット及びサルにおいて行った2週間用量範囲所見反復投与毒性研究に統合した。2週間処置したラットの脾臓、十二指腸及び精巣において、遺伝子発現分析を実施した(MADD遺伝子)。RO7034067処置動物の遺伝子発現分析により、最高用量 7.5mg/kg/日の際に、MADD遺伝子転写産物について、脾臓、十二指腸及び精巣におけるスプライシング応答が明らかになった。MADD遺伝子産物はアポトーシスプロセスに干渉すると報告されているので、MADD転写産物のスプライシングの変化は、同じ用量で観察されたGI管におけるアポトーシスの観察結果と一致する。
【0280】
同様の調査を、RO7034067を用いてカニクイザルにおいて行った2週間用量範囲所見毒性研究に統合した。この目的のために、0.75、1.5、3及び6mg/kg/日で処置した動物から脾臓、十二指腸及び精巣を分析した。mRNAアイソフォーム特異的qPCRアッセイを用いた分析により、最高用量の際に、MADD遺伝子転写産物について、3つ全ての器官においてRO7034067処置に対する二次薬理学的応答が明らかになった。脾臓では二次薬理学が検出されたので、RNAシーケンシングにより、トランスクリプトームワイドmRNAスプライシング又は発現変化について、この器官をさらに分析した。この分析により、上記スプライシング転写産物とは別に、mRNAの大多数は、RO7034067による処置の際の選択的スプライシングの変化に関して、選択的スプライシングの変化又は用量依存的傾向を示さなかったことが明らかになった。さらに、経路発現変化の用量依存的傾向は検出されなかった。したがって、RO7034067媒介性選択的転写産物スプライシングのいくつかの変化は、in vitroデータ及び他のSMN2スプライシング改変因子のものと一致するが、この研究の条件下では、それらは、生物学的経路又はプロセスに基本的に影響を及ぼさないようである。
【0281】
実施例5
試験品及びコントロール品
【表7】
ラパマイシン、Sigma-Aldrich# R8781、2.5mg/ml(2.74mM)ストック溶液(DMSO中2mM)をDMSOで3.75μMに希釈し、等分して-20℃で保存した。
【0282】
人工多能性幹細胞の培養
標準培地としてmTeSR1(Stem Cell Technologies)中でヒトiPSC(hIPS_Neo_Clone_1)を培養し、10ng/mlアクチビンA及び15ng/ml FGF2を補充したMT培地中でカニクイザルiPSC(cips_54-1285_cFIB_Clone_8)を培養した。
【0283】
遺伝子発現プロファイリングでは、Accutase(Stem Cell Technologies)を用いて幹細胞を分離し、10μM Rock阻害剤Y-27632(Sigma-Aldrich)を補充した各標準培地中、Matrigel(BD Biosciences)でコーティングした12ウェルプレートにプレーティングした。十分なRNAを得るために、処置の24時間前に、サル幹細胞を細胞15000個/cm2で播種し、ヒト幹細胞を細胞40000個/cm2で播種した。その後、0.64nM~約10μMの濃度範囲で、新鮮予温培地中、試験品の系列希釈物(1:5)で幹細胞を24時間処置した。実験を停止するために、ベータメルカプトエタノールを含むQiaGen溶解緩衝液RLTで細胞を溶解した。
【0284】
細胞周期の分析では、Accutase(Stem Cell Technologies)を用いてサル幹細胞を分離し、10ng/mlアクチビンA、15ng/ml FGF2及び10μM Rock阻害剤を補充したMT培地中、Matrigel(BD Biosciences)でコーティングした6ウェルプレートに細胞15000個/cm2でプレーティングした。細胞を1日エクスパンションさせ、次いで、補充物質のFGF2及びアクチビンAを含まないMT培地中で7時間飢餓させることにより同調させた。フローサイトメトリーの前に、補充物質のFGF2及びアクチビンAと、80nM、400nM及び2000nMの試験品又は30nMラパマイシン(ポジティブコントロールとして)とを含有する新鮮MT培地と共に細胞を24時間インキュベーションして、細胞をG1期で停止させた。Accutase(Stem Cell Technologies)を用いてヒト幹細胞を分離し、10μM Rock阻害剤Y-27632 (Sigma-Aldrich)を補充したmTeSR1培地中、Matrigel(BD Biosciences)でコーティングした6ウェルプレートに細胞40000個/cm2でプレーティングした。培地を毎日交換して、細胞を3日間エクスパンションさせた。成長因子除去による飢餓中に、ヒトiPSCはそれらの特性を喪失するので、200ng/mlノコダゾール(Sigma-Aldrich)で幹細胞を5時間同調させ、続いて、mTesR1培地で2回洗浄した。フローサイトメトリーの前に、80nM、400nM及び2000nMの試験品又は30nMラパマイシン(ポジティブコントロールとして)を含有する新鮮TesR1培地と共に細胞を24時間インキュベーションして、細胞をG1期で停止させた。
【0285】
フローサイトメトリー及びDNA染色
細胞周期分析では、ヒトiPSCをPBSで洗浄し、Accutase(Stem Cell Technologies)を用いて分離し、遠心分離により収集した。7AAD/サポニン/RNAseミックス(25μg/ml 7AAD (#559925, BD)、50μg/ml RNase及び0.03%サポニンを溶解させたFACS緩衝液(PBS、5%FBS、10mM Hepes))600ulを用いて、細胞を37℃で1時間染色した。カニクイザルiPSCをPBSで洗浄し、Accutase(Stem Cell Technologies)を用いて分離し、遠心分離により収集した。培地1ml当たりVybrant Dye Cycle Violet Stain (#V35003, 1000x stock, Invitrogen)1ulを含有する(FGF2及びアクチビンAを含む)標準MT培地 300ulで、細胞を37℃で30分間染色した。加えて、透過処理なしで7AAD(50μg/ml 7AAD)2ulを添加して、死細胞を標識した;細胞を37℃で10分間インキュベーションした。Canto IIサイトメーター(BD Biosciences)を使用してフローサイトメトリー分析を実施し、FlowJoソフトウェアを使用してデータを分析した。
【0286】
定量的リアルタイムPCR
カスタムプライマーと、RocheのFAM蛍光標識ユニバーサルプローブライブラリー(UPL)プローブ、又は5’FAM標識及び3’末端BlackHole Dark Quencher 1(BHQ1)を含有するMicrosynthのプローブとを用いて、ヒト及びカニクイザルmRNA発現を測定した。プライマー及びFAM標識プローブの配列は、以下のように掲載されている:
【表8】
【0287】
定量的リアルタイムPCRでは、12ウェルプレートで培養してRoche化合物で24時間処置した細胞を、ベータメルカプトエタノールを含む1ウェル当たりQiaGen溶解緩衝液RLT 500ulで溶解させた。固相支持体上のDNase処理と組み合わせてRNeasy Mini kitを用いて、全RNAを抽出した。Nanodrop吸収分光法及びAgilent Bioanalyzer 2100のマイクロ流体キャピラリーアレイ電気泳動プロファイルを使用することにより、RNAの完全性をコントロールした。
【0288】
オリゴdTプライマーを用いて全RNA 300ng~800ngを逆転写し、製造業者の推奨プロトコールにしたがってTranscriptor First Strand cDNA Synthesis Kit (Roche Applied Science # 04379012001)を使用して、最終濃度 10ng/uLでMS2 RNAをスパイクした。1x LightCycler 480 Probes Master、0.4μMフォワードプライマー及びリバースプライマー並びに0.2μM FAM標識加水分解プローブを含有する混合物 20μl中、インプットとして全RNA由来cDNA 67.5ngを使用してLightCycler 480 qPCRマシンにより、定量的PCRを実施した。温度プログラムは、95℃で10分間のプレインキュベーションと、それに続く50サイクルの増幅(95℃で10秒間、60℃で30秒間、72℃で5秒間)から構成されていた。cDNAテンプレートの非存在下でネガティブコントロール反応を行って、マスターミックスにおけるcDNA混入の非存在を確認した。各サンプル-mRNA組み合わせについて、Ct(サイクル閾値)値の測定を実施した。2-ΔΔCt法(Livak KJ et al. Method. Methods. 2001; 25(4):402-8.)を使用して、データは、未処置コントロールと比べた、内因性参照遺伝子に対して正規化した遺伝子発現の変化倍率として示されている。個々のΔCt値を求めるために、各サンプルの各ターゲットmRNAのCt値を、GAPDH(グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ)の内因性参照mRNAのCt値に対して正規化した。各処置グループの各ΔCt値からビヒクルコントロールグループのΔCt値を差し引くことにより、ΔCt値を計算した。得られた発現比(2-ΔΔCt)は、ビヒクルコントロールと対比した処置関連mRNA発現変化を反映していた。IC50は、最大(上)応答と最大阻害(下)応答との間の中間で応答を引き起こす阻害剤の濃度として定義される。IC50を求めるためのモデルは、用量反応曲線が-1.0のヒルスロープ(又はスロープファクター)に等しい標準スロープを有すると想定する。モデル方程式:Y=下+(上-下)/(1+10^((X-LogIC50)));Yは応答データであり、Xはlog10濃度(μM単位)である。
【0289】
結果
FOXM1 mRNA変異体(FOXM1B/C)の発現に対する濃度-効果関係について、RO7034067をin vitroで試験した。0.64nM~約10μMの試験品で24時間処置したヒト及びサルiPSCにおいて、RT-qPCRにより、GAPDHと比べてFOXM1B/C転写産物変異体の発現レベルを測定した。RO7034067による処置は、ヒト及びサル細胞においてFOXM1B/C転写産物変異体の濃度依存的ダウンレギュレーションをもたらした(表1及び表2)。RO7034067がFOXM1B/Cの発現レベルに影響を及ぼしていたヒト及びサル細胞では、IC50値は、それぞれヒト及びサル細胞において114nM及び155nMであった(
図5)。
【0290】
iPSCの細胞周期に対するその濃度依存的効果について、RO7034067をin vitroで試験した。サルiPSCでは、化合物RO7034067は、G2期の細胞周期停止を濃度依存的に誘導した。ヒトiPSCでは、RO7034067は、S期の細胞周期停止を濃度依存的に誘導した(表3及び表4)。30nMラパマイシンによる処置は、予想通り、G1期のヒト及びサル細胞の停止をもたらした(Metcalfe et al. Oncogene 15, 1635-1642)。
【0291】
【表9】
GAPDHに対してリアルタイムPCRシグナルを正規化し、各処置サンプルについて、ヒトiPSCのコントロールサンプルに対してmRNA発現比(2
-ΔΔCt)を計算した。
【0292】
【表10】
GAPDHに対してリアルタイムPCRシグナルを正規化し、各処置サンプルについて、カニクイザルiPSCのコントロールサンプルに対してmRNA発現比(2-ΔΔCt)を計算した。
【0293】
【0294】
結論
FOXM1マーカーmRNA発現及び細胞周期に対するRO7034067スプライシング改変因子の効果を評価するために、ヒト及びカニクイザル由来の人工多能性幹細胞を用いて、濃度効果関係のin vitro試験を行った。0.64nM~約10μMのRO7034067で24時間処置すると、化合物は、FOXM1B/C転写産物変異体の濃度依存的ダウンレギュレーションを示した。濃度反応曲線から求めたIC50値は、ヒト及びカニクイザル細胞間で同程度であったが、これは、薬理学的反応における高い種類似性を実証している。RO7034067について、カニクイザル細胞において有糸分裂停止を誘導する濃度依存的効果が検出された。ヒトIPSCの細胞周期分析により、RO7034067による細胞周期を変化させる濃度依存的効果が明らかになった。ヒト及びカニクイザル細胞の両方において、FOXM1B/Cのダウンレギュレーションは細胞周期関連所見に関連するようであるが、これは、細胞周期移行の媒介におけるFOXM1の重要な役割と一致する。このダウンレギュレーションは顕著でなければならず、約80%以上の発現の減少は細胞周期の有意な変化に関連する。
SMAがタイプII SMAである、請求項1~4のいずれか一項に記載のSMAの処置において使用するための7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オンを含む医薬組成物。
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;及び
・酒石酸
を含む、請求項7に記載の医薬組成物。
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・酒石酸;及び
・マンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物
を含む、請求項7又は11に記載の医薬組成物。
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;及び
・マンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物
を含む、請求項7、11、及び12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・酒石酸;
・アスコルビン酸;及び
・エデト酸二ナトリウム
を含む、請求項7及び11~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
・7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・酒石酸;
・マンニトール又はマンニトールとイソマルトとの混合物;
・アスコルビン酸;及び
・エデト酸二ナトリウム
を含む、請求項7及び11~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
・1~10%wtの7-(4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル)-2-(2,8-ジメチルイミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン又はその薬学的に許容し得る塩;
・5~15%wtの酒石酸;
・40~70%wtのマンニトール;
・1~4%wtのアスコルビン酸;
・0.5~2%wtのエデト酸二ナトリウム;
・0.5~2%wtのPEG6000;
・0~3%wtのスクラロース;及び
・0~20%wtの香味料
を含み;
成分の総量が100%wtを超えない、請求項7及び11~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。