(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024041965
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】低電圧クラスAB演算相互コンダクタンス増幅器
(51)【国際特許分類】
H03F 1/30 20060101AFI20240319BHJP
H03F 3/45 20060101ALI20240319BHJP
H03F 3/34 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H03F1/30
H03F3/45 110
H03F3/34 230
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024005801
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2020569040の分割
【原出願日】2019-10-07
(31)【優先権主張番号】16/259,934
(32)【優先日】2019-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】デュフレーヌ,クシシュトフ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】装置は、広範囲のプロセス、電圧、及び温度変動にわたって所望の機能性(例えば、信頼できる起動動作、明確に定義されたバイアス電流、改善された安定性のための位相マージン)を保ちながら、低い供給電圧(例えば、0.9Vを下回る)で動作可能な高電流ドライブクラスAB演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)出力を提供する。
【解決手段】クラスAB OTAは、前置増幅器段と、前置増幅器段へ結合された差動OTA出力段102とを有し、差動OTA出力段102は、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタMP5a、MP5b、MN5a、MN5bを有する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1入力及び第2入力を受け、夫々前記第1入力及び前記第2入力の増幅されたバージョンである第1出力及び第2出力を生成する前置増幅器と、
前記前置増幅器へ結合され、前記第1出力及び前記第2出力を受け、第1電流出力及び第2電流出力を生成する差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)と
を有し、
前記差動OTAが少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有する、
装置。
【請求項2】
前記差動OTAは、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、それらの対応するゲート端子で夫々前記第1入力及び前記第2入力の前記増幅されたバージョンを受け、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタの第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ夫々結合され、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第2フォールデッドカスコードトランジスタは第1導電型である、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記差動OTAは、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第1電流源と、第1基準供給レールとを有する、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記差動OTAは、前記第2フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第2電流源と、第2基準供給レールとを有する、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスを受け、前記少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタは、前記第1バイアスとは別の第2バイアスを受ける第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタを更に有する、
請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第4フォールデッドカスコードトランジスタは、第2導電型である、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記差動OTAは、前記第2導電型の少なくとも4つのトランジスタを有し、前記少なくとも4つのトランジスタは、制御電圧を供給する制御ノードへ結合されたゲート端子を備え、前記少なくとも4つのトランジスタのうちの第1トランジスタは、前記第1入力の前記増幅されたバージョンを受ける前記第1トランジスタへ結合され、前記少なくとも4つのトランジスタのうちの第2トランジスタは、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタへ結合される、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも4つのトランジスタのうちの第3トランジスタは、前記第2入力の前記増幅されたバージョンを受ける前記第2トランジスタへ結合され、前記少なくとも4つのトランジスタのうちの第4トランジスタは、前記第2フォールデッドカスコードトランジスタへ結合される、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記制御電圧は、前記少なくとも4つのトランジスタを、起動期間後にオフさせる、
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記制御電圧は、起動期間に前記少なくとも4つのトランジスタへ供給される、
請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも4つのトランジスタの夫々は、前記第1入力及び前記第2入力の前記増幅されたバージョンを夫々受ける前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの夫々よりも小さい、
請求項7に記載の装置。
【請求項12】
前記制御電圧はプログラム可能である、
請求項7に記載の装置。
【請求項13】
前置増幅器へ結合された相互コンダクタンス段を有し、
前記相互コンダクタンス段は、前記第1入力及び前記第2入力を受け、第1電流及び第2電流を供給し、
前記相互コンダクタンス段からの前記第1電流及び前記第2電流は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタのドレイン端子へ供給され、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、それらの対応するゲート端子で前記第1入力及び前記第2入力の前記増幅されたバージョンを夫々受ける、
請求項2乃至12のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
第1入力及び第2入力を受け、夫々前記第1入力及び前記第2入力の増幅されたバージョンである第1出力及び第2出力を生成する前置増幅器と、
前記前置増幅器へ結合された差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)と
を有し、
前記差動OTAは、
前記第1入力及び前記第2入力の前記増幅されたバージョンを夫々受ける、第1導電型の第1トランジスタ及び第2トランジスタと、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタへ結合された、第2導電型の第3トランジスタ及び第4トランジスタと
を有し、
前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタのゲート端子は、夫々前記第1入力及び前記第2入力を受ける、
装置。
【請求項15】
前記差動OTAは、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有し、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタのうち夫々第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ結合され、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1導電型である、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記差動OTAは、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第1電流源と、第1基準供給レールとを有する、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記差動OTAは、前記第2フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第2電流源と、第2基準供給レールとを有する、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスを受け、
前記少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタは、前記第1バイアスとは別の第2バイアスを受ける第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタを更に有し、前記第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第4フォールデッドカスコードトランジスタは、第2導電型である、
請求項15乃至17のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
アンテナと、
前記アンテナへ結合されたRFフロントエンドと、
前記RFフロントエンドへ結合されたクラスAB差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)と
を有し、
前記差動OTAは、請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載の装置を有する、
システム。
【請求項20】
アンテナと、
前記アンテナへ結合されたRFフロントエンドと、
前記RFフロントエンドへ結合されたクラスAB差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)と
を有し、
前記差動OTAは、請求項14乃至18のうちいずれか一項に記載の装置を有する、
システム。
【請求項21】
前置増幅器によって第1入力及び第2入力を受けることと、
前記前置増幅器によって、夫々前記第1入力及び前記第2入力の増幅されたバージョンである第1出力及び第2出力を生成することと、
前記前置増幅器へ結合されている差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)によって、前記第1出力及び前記第2出力を受けることと、
前記差動OTAによって第1電流出力及び第2電流出力を生成するとと
を有し、
前記差動OTAが少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有する、
方法。
【請求項22】
前記差動OTAは、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、当該方法は、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタによって、それらの対応するゲート端子で夫々前記第1入力及び前記第2入力の前記増幅されたバージョンを受けることを有し、
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、前記少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタの第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ夫々結合され、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第2フォールデッドカスコードトランジスタは第1導電型である、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記差動OTAは、前記第1フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第1電流源と、第1基準供給レールとを有する、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記差動OTAは、前記第2フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第2電流源と、第2基準供給レールとを有する、
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び前記第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスを受け、前記少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタは、前記第1バイアスとは別の第2バイアスを受ける第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタを更に有する、
請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
演算相互コンダクタンス増幅器(operational trans-conductance amplifier,OTA)は、差動入力電圧を受け、出力電流を生成する。電源電圧レベルが0.8V以下に下がり、一方、トランジスタの閾電圧がそれに応じて減じられない場合に、既存のOTAアーキテクチャは様々な課題に苦労する。例えば、既存のOTA性能(例えば、ゲイン、位相マージン、出力電流ドライブ、など)は、電源レベルが0.8V以下に達すると、プロセス、電圧、及び温度(process, voltage, and temperature,PVT)変動に対して極めて敏感になる。更に、通信デバイスでは、アナログベースバンドに到達する干渉レベルが、低下したフロントエンド選択性及びキャリアアグリゲーションシナリオにより増大すると、既存のOTAは、より低い電源電圧(例えば、0.8V)で動作するときに、大信号干渉に対応することができない。
【0002】
本明細書で与えられている背景技術の記載は、一般的に、本開示の文脈を提示するためのものである。本明細書に別段の記載がない限りは、この項で記載されている材料は、本願の特許請求の範囲の先行技術ではなく、この項に含まれることによって先行技術であると認められない。
【0003】
本開示の実施形態は、以下で与えられている詳細な説明から、及び本開示の様々な実施形態の添付の図面から、より十分に理解されるだろう。なお、詳細な説明及び図面は、本開示を具体的な実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、もっぱら説明及び理解のためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】いくつかの実施形態に従って、入力段及び出力段を備えるハイレベルクラスAB OTAを表す。
【
図2】いくつかの実施形態に従って、低電圧クラスAB OTA出力段を表す。
【
図4】いくつかの実施形態に従って、フォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段を表す。
【
図5A】いくつかの実施形態に従って、PVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段のためのnバイアス回路を表す。
【
図5B】いくつかの実施形態に従って、PVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段のためのpバイアス回路を表す。
【
図6】いくつかの実施形態に従って、フォールデッドカスコード及び起動回路を備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段を表す。
【
図7】いくつかの実施形態に従って、フィードフォワードメカニズムを用いて位相マージンを改善するデバイス及びフォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段を表す。
【
図8】いくつかの実施形態に従って、位相マージンを改善するgmフィードフォワードメカニズム及びフォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段を表す。
【
図9A】いくつかの実施形態に従って、入力段及び出力を備えかつフィードフォワード電気パスを備えたハイレベルクラスAB OTAを表す。
【
図9B】いくつかの実施形態に従って、フィードフォワード電気パスの概略を表す。
【
図10】いくつかの実施形態に従って、クラスAB OTAを備えたデバイスを表す。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態に従って、1つ以上のクラスAB OTAを備えたスマートデバイス、コンピュータシステム、又はSoC(System-on-Chip)を表す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
いくつかの実施形態において、広範囲のプロセス、電圧、及び温度変動にわたって所望の機能性(例えば、信頼できる起動動作、明確に定義されたバイアス電流、改善された安定性のための位相マージン)を保ちながら、低い供給電圧(例えば、0.9Vを下回る)で動作可能な高電流ドライブクラスAB演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)出力段について記載する。いくつかの実施形態のクラスAB OTAは、前置増幅器段と、前置増幅器段へ結合された差動OTA出力段とを有し、差動OTA出力段は、少なくとも4つのフォールデッドカスコード(folded cascode)トランジスタを有する。フォールデッドカスコードトランジスタは、電源電圧が0.9V以下に下げられる場合でさえ、駆動トランジスタを飽和領域に保つよう適切なバイアス電流を供給する。いくつかの実施形態で、入力段又は前置増幅器をバイパスすることによって、OTA出力段の中でフィードフォワードパスが設けられる。いくつかの実施形態で、OTA出力段の入力トランジスタのドレイン端子に電流を投入することによって、相互コンダクタンスフィードフォワードパスが設けられる。いくつかの実施形態で、入力トランジスタを通る電流フローを確かにするよう、起動回路が設けられる。そのようなものとして、OTA出力段のトランジスタはバイアスをかけられ、起動時に期待されるように動作する。
【0006】
様々な実施形態の多数の技術的効果がある。例えば、OTA出力段は、動作電源を0.9V未満に下げながら、PVTに対するロバスト性を改善する。フィードフォワードパスおよび相互コンダクタンスフィードフォワードパスは、OTA出力段の安定性を改善するよう位相マージンを増大させる。他の技術的効果は、様々な実施形態及び図から明らかである。
【0007】
以下の記載では、多数の詳細が、本開示の実施形態のより完全な説明を提供するよう議論されている。なお、当業者に明らかなように、本開示の実施形態は、それらの具体的な詳細によらずに実施されてもよい。他の事例では、よく知られている構造及びデバイスは、本開示の実施形態を不明りょうにしないように、詳細にではなく、ブロック図形式で示されている。
【0008】
実施形態の対応する図面で、信号は線により表されている点に留意されたい。いくつかの線は、より多くの構成信号パスを示すよう、より太くされ、かつ/あるいは、主たる情報フロー方向を示すよう、片側又は両側に矢印を付されることがある。そのような表示は、限定であるよう意図されない。むしろ、線は、回路又は論理ユニットのより容易な理解を促すよう、1つ以上の例となる実施形態に関連して使用される。表されている如何なる信号も、設計ニーズ又は好みによって決定づけられるように、実際には、いずれかの方向で移動してよくかつ任意の適切なタイプの信号スキームで実施されてよい1つ以上の信号を有し得る。
【0009】
「デバイス」との語は、一般的に、その語の使用の文脈に従って装置を指し得る。例えば、デバイスは、レイヤ又は構造のスタック、単一の構造又はレイヤ、能動及び/又は受動素子を有する様々な構造の接続、などを指し得る。一般的に、デバイスは、x-y-z直角座標系のx-y方向に沿った平面及びz方向に沿った高さを有している3次元構造である。デバイスの平面はまた、デバイスを有する装置の平面であってもよい。
【0010】
明細書を通して、及び特許請求の範囲において、「接続される」との語は、如何なる中間デバイスもなしで接続されているモノの間の電気的、機械的、又は磁気的な接続などの直接接続を意味する。
【0011】
「結合される」との語は、接続されているモノの間の直接的な電気的、機械的、又は磁気的な接続、あるいは、1つ以上の受動的又は能動的な中間デバイスを通じた間接的な接続などの、直接又は間接続を意味する。
【0012】
ここでの「隣接する」との語は、一般的に、他のモノの隣にある(例えば、直ぐとなりあるか、又はそれらの間に1つ以上のモノを有して近くにある)か又はそれと隣接している(例えば、それと境を接している)モノの位置を指す。
【0013】
「回路」又は「モジュール」との語は、所望の機能を提供するように互いと協働するよう配置される1つ以上の受動及び/又は能動コンポーネントを指し得る。
【0014】
「信号」との語は、少なくとも1つの電流信号、電圧信号、磁気信号、又はデータ/クロック信号を指し得る。「1つの」(不定冠詞「a」又は「an」)及び「前記」(定冠詞「the」)の意味は、複数参照を含む。「~における」(in)の意味は、「~の中」(in)及び「~の上」(on)を含む。
【0015】
「スケーリング」との語は、一般的に、設計(結線図及びレイアウト)を1つのプロセス技術から他のプロセス技術へ変換し、実質的にレイアウト面積を低減させることを指す。「スケーリング」との語は、一般的に、同じ技術ノード内でレイアウト及びデバイスをダウンサイズすることも指す。「スケーリング」との語はまた、他のパラメータ、例えば、電源レベルに対する信号周波数の調整(例えば、減速又は加速、すなわち、夫々、スケーリングダウン又はスケーリングアップ)も指し得る。
【0016】
「実質的に」(substantially)、「近い」(close)、「近似的に」(approximately)、「近い」(near)、及び「およそ」(about)との語は、一般的に、目標値の±10%内にあることを指す。例えば、それらの使用の明示的な文脈中で別段示されない限りは、「実質的に等しい」、「およそ等しい」、及び「近似的に等しい」との語は、そのように記載されるモノの間で付随的な変動しかないことを意味する。当該技術で、そのような変動は、通常は、所定の目標値の±10%に満たない。
【0017】
別段示されない限り、共通の対象を記載するための順序形容詞「第1」、「第2」及び「第3」などの使用は、単に、同じ対象の異なるインスタンスが参照されていることを示すにすぎず、そのように記載されている対象が時間的に、空間的に、順位付けにおいて、又は任意の他の方法において所与の順序にあるべきことを暗示する意図はない。
【0018】
本開示のために、「A及び/又はB」及び「A又はB」との表現は、(A)、(B)、又は(A及びB)を意味する。本開示のために、「A、B、及び/又はC」との表現は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)、又は(A、B、及びC)を意味する。
【0019】
明細書中及び特許請求の範囲中の「左」、「右」、「前」、「後ろ」、「上」(top)、「下」(bottom)、「~の上」(over)、「~の下」(under)、などの語は、便宜的に使用されており、必ずしも恒久的な相対位置を示すためではない。例えば、本願で使用される「~の上」(over)、「~の下」(under)、「前側」、「後ろ側」、「上」、「下」、「~の上」(over)、「~の下」(under)、及び「~の上」(on)との語は、デバイス内での他の参照されるコンポーネント、構造又は材料に対する1つのコンポーネント、構造、又は材料の相対位置を指し、そのような物理的関係は注目に値する。それらの語は、本願では、主としてデバイスz軸の文脈内で単に便宜上用いられており、従って、デバイスの位置付けに関係があり得る。
【0020】
「~の間」との語は、デバイスのz軸、x軸、又はy軸に関して用いられ得る。2つの他のデバイスの間にあるデバイスは、それらのデバイスの一方又は両方へ直接接続されてよく、あるいは、それは、1つ以上の介在するデバイスによって他の2つのデバイスの両方から分離されてもよい。
【0021】
ここで、「バックエンド」との語は、一般的に、「フロントエンド」の反対側であって、IC(integrated circuit)パッケージがICダイバンプへ結合するところのダイの選択を指す。例えば、ダイパッケージにより近いハイレベル金属レイヤ(例えば、10金属スタックダイにおける6以上の金属レイヤ)及び対応するビアは、ダイのバックエンドの部分と見なされる。対照的に、「フロントエンド」との語は、一般的に、アクティブ領域(例えば、トランジスタが製造される場所)と、アクティブ領域により近いローレベル金属レイヤ及び対応するビア(例えば、10金属スタックダイの例では5以下の金属レイヤ)とを含むダイの選択を指す。
【0022】
いずれかの他の図の要素と同じ参照番号(又は名称)を有している図の要素は、記載されているものと同様の方法で動作又は機能することができるが、それに限定されないことが指摘される。
【0023】
図1は、いくつかの実施形態に従って、入力段及び出力段を備えるハイレベルクラスAB OTA100を表す。OTA100は、入力段101及び出力段102を有する。いくつかの実施形態で、入力段101は、差動入力電圧OTA_Vin+及びOTA_Vin-を受け、増幅された差動電圧Vin+及びVin-を生成する前置増幅器を有する。それらの増幅された差動電圧Vin+及びVin-は、差動電流Iout+及びIout-を生成するOTA出力段によって受け取られる。いくつかの実施形態で、入力段101及びOTA出力段102は、その出力部での明確に定義されたコモンモード電圧を内部で設定するよう基準電圧Vref(例えば、((Vin+)+(Vin-)/2))を受ける。
【0024】
様々な実施形態で、差動OTA出力段102は、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有する。いくつかの実施形態で、差動OTA出力段102は、第1及び第2トランジスタを有し、第1及び第2トランジスタは、それらの対応するゲート端子で夫々第1及び第2入力の増幅されたバージョン(例えば、Vin+及びVin-)を受ける。第1及び第2トランジスタは、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタの夫々第1及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ結合され、第1及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは第1導電型である(例えば、n型)。いくつかの実施形態で、差動OTA出力段102は、第1フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第1電流源と、第1基準供給レールとを有する。いくつかの実施形態で、差動OTA出力段102は、第2フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第2電流源と、第2基準供給レールとを有する。
【0025】
いくつかの実施形態で、第1及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスを受けるべきである。いくつかの実施形態で、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスとは別の第2バイアスを受ける第3及び第4フォールデッドカスコードトランジスタを更に有する。いくつかの実施形態で、第3及び第4フォールデッドカスコードトランジスタは、第2導電型である(例えば、p型)。いくつかの実施形態で、差動OTA出力段102は、第1導電型の少なくとも4つのトランジスタを有し、少なくとも4つのトランジスタは、リファレンスへ結合されたゲート端子を有している。いくつかの実施形態で、少なくとも4つのトランジスタの第1トランジスタは、Vin+を受ける第1トランジスタへ結合される。いくつかの実施形態で、少なくとも4つのトランジスタの第2トランジスタは、第1フォールデッドカスコードトランジスタへ結合される。いくつかの実施形態で、少なくとも4つのトランジスタの第3トランジスタは、第2入力の増幅されたバージョンを受ける第2トランジスタへ結合される。いくつかの実施形態で、少なくとも4つのトランジスタの第4トランジスタは、第2フォールデッドカスコードトランジスタへ結合される。いくつかの実施形態で、リファレンスは、少なくとも4つのトランジスタを、起動期間後にオフさせる。いくつかの実施形態で、リファレンスは、起動期間に少なくとも4つのトランジスタへ供給される。いくつかの実施形態で、少なくとも4つのトランジスタの夫々は、第1及び第2入力の増幅されたバージョンを夫々受ける第1及び第2トランジスタの夫々よりも小さい(例えば、より小さいW/L)。いくつかの実施形態で、リファレンスはプログラム可能である。いくつかの実施形態で、相互コンダクタンス段が設けられ、前置増幅器101へ結合される。相互コンダクタンス段は、第1及び第2入力を受け、第1及び第2電流を供給する。いくつかの実施形態で、相互コンダクタンス段からの第1及び第2電流は、第1及び第2入力の増幅されたバージョンをそれらの対応するゲート端子で夫々受ける第1及び第2トランジスタのドレイン端子へ供給される。
【0026】
図2は、いくつかの実施形態に従って、低電圧クラスAB OTA出力段200を表す。いくつかの実施形態で、出力段200は、図示されるように結合されている4つの電流ミラーと、4つの電流源Isrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1、及びIsrcn_b1と、n型入力トランジスタMN4a及びMN4bと、入力ノードVin+及びVin-と、出力ノードIout+及びIout-とを有する。4つの電流ミラーは、2つのn型電流ミラー及び2つのp型電流ミラーを含む。第1n型電流ミラーは、p型電流源Isrcp_a1及び第1リファレンス供給(例えば、接地)へ結合されたn型トランジスタMN1a、MN2a及びMN3aを有する。第2n型電流ミラーは、p型電流源Isrcp_b1及び第1リファレンス供給(例えば、接地)結合されたn型トランジスタMN1b、MN2b及びMN3bを有する。第3n型電流ミラーは、n型電流源Isrcn_a1及び第2リファレンス供給(例えば、電源Vdd)へ結合されたp型トランジスタMP1a、MP2a及びMP3aを有する。第4n型電流ミラーは、n型電流源Isrcn_b1及び第2リファレンス供給へ結合されたp型トランジスタMP1b、MP2b及びMP3bを有する。
【0027】
いくつかの実施形態で、Vin+は、n型トランジスタMN3aを制御し、一方、Vin-は、n型トランジスタMN3bを制御する。いくつかの実施形態で、バイアス信号biasdrvpは、p型トランジスタMP3a及びMP3bを制御し又はそれらにバイアスをかける。ここで、トランジスタMN2a及びMN3aは、入力トランジスタMN4aのソースで低インピーダンス点を提供する電流バッファループを形成する。一定ゲート電圧がMN3aのゲートにバイアスをかけるとき、MN2aのドレインは事実上固定される。そのようなものとして、MN4aのゲートで印加される電圧は、動作の領域に応じて、三角波(exponential)又は二次(quadratic)電流を生成する。
図2の実施形態では、Vin+がトランジスタにバイアスをかける。電流バッファループ構成は、トランジスタMN3aを流れる定電流を維持することを可能にし、電圧フォロワとして動作する。この例で、MN2aのドレインは、差動入力信号が印加される場合に、MN4aのゲートで印加される信号とは反対の電圧エクスカーションを確認する。そのようなものとして、MN4aのゲート-ソース電圧(例えば、Vgs,MN4a)が2倍になると、MN4aを流れる電流はより大きくなる。この構成は、トランジスタMN4aによって生成される電流を2回使用する。
【0028】
例えば、最初に、電流はトランジスタMN2aを通って流れ、Iout+にミラーリングされ、第2に、電流はまた、他の電流バッファループ(トランジスタMP2b及びMP3b)によってトランジスタMN4aのドレインで回復され、Iout-にミラーリングされる。この他の電流バッファは、低電圧電流ミラーとして動作する。
【0029】
出力段200の回路トポロジは、非常に電力消費効率が良く(例えば、静止電流が低い一方で、非常に大きなAC電流を供給できる)、トランスリニア電流ミラーバッファを使用するため、線形性が高い。電流ミラーバッファは、入力インピーダンスが非常に低いため、AC電圧振幅が低くなる。更に、交差結合アーキテクチャは、コモンモードへの望ましくない差動励起応答を抑制する。
【0030】
図3は、
図2のOTA出力段の部分300を表す。部分300は、左側の電流ミラーを拡大し、関連するトランジスタは、MN1a、MN2a、MN3a及びMN4aを有する。出力電流ミラーデバイスMN1a及びMN2aのゲート-ソース電圧は、ダイオード側トランジスタMN2a及びドライバトランジスタMN3aのドレイン-ソース電圧の和に等しい(例えば、Vgs_MN2a=Vds_MN2a+Vds_MN3a)。ドレイン-ソース電圧Vds_MN2aは、ドライバデバイスMN3a及びMN4aが、適度に高いレベル(供給電圧Vddの半分)で固定されたゲート入力コモンモード電圧を有していることにより、低く保たれる。これは、Vds_MN3aのためにある程度のヘッドルームを残す。しかし、いくつかの場合に、ヘッドルームは、プロセス及び温度を通じた変動に適応するには十分でないことがある。
【0031】
例えば、Vdd=1V、トランジスタ公称閾電圧Vth=300mV、及びその電圧(クラスABモード)、例えばVgs=325mVをわずかに上回ってバイアスをかけられるデバイスを考えると、Vds_MN2a=175mV及びVds_MN3a=325mV-175mV=150mVが得られ、MN3aデバイスを飽和に保つ。あいにく、Vthはプロセスを通じて通常は±50mVだけ、温度を通じて約1mV/Kだけ変動するので、低速-低温(slow-cold)(例えば、-40℃)コーナーから高速-高温(fast-hot)(例えば、+100℃)コーナーへの予測される変動は、±120mVである。これは、高速-高温コーナーでVgs_MN2a=200mVをもたらす。つまり、高速-高温コーナーで、MN3aデバイスを飽和に保つことは困難である可能性があり、その結果、バイアス及び動作点が明確に定義されず、性能が低下し、機能障害のリストが生じる。
図4~9の実施形態は、より低いVdd(例えば、0.8V)でOTA出力段を動作させるために、出力段200に追加の拡張を提供する。
【0032】
図4は、いくつかの実施形態に従って、フォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段400を表す。
図4の実施形態を不明りょうにしないように、
図2と
図4との間の相違点が議論される。いくつかの実施形態で、出力段400は、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタMP5a、MP5b、MN5a及びMN5bを有する。バイアス電圧biasfcsp及びbiasfcsnは、フォールデッドカスコードトランジスタにバイアスをかける。例えば、biasfcspは、p型フォールデッドカスコードトランジスタMP5a、MP5bにバイアスをかけ、一方、biasfcsnは、n型フォールデッドカスコードトランジスタにバイアスをかける。追加の電流源が、各フォールデッドカスコードトランジスタと直列に結合されている。例えば、n型電流源Isrcn2_a2は、p型フォールデッドカスコードトランジスタMP5aと直列に結合され、n型電流源Isrcn2_b2は、p型フォールデッドカスコードトランジスタMP5bと直列に結合され、p型電流源Isrcp2_a2は、n型フォールデッドカスコードトランジスタMN5aと直列に結合され、p型電流源Isrcp2_b2は、n型フォールデッドカスコードトランジスタMN5bと直列に結合される。
【0033】
フォールデッドカスコードトランジスタ及びそれらの対応する電流源の追加は、
図4のアーキテクチャを超低電圧供給と互換性を保つ。更に、カスコードデバイスが小さいので、寄生容量が大幅に増加することはない。フォールデッドカスコードトランジスタMP5a、MP5b、MN5a及びMN5bは、高い出力インピーダンスをもたらし、これは、OTA出力段200と比較してOTA出力段400のゲインを直接に増大させる。フォールデッドカスコードトランジスタMP5a、MP5b、MN5a及びMN5bはまた、高いバンド幅及び高い振幅を達成することを助ける。様々な実施形態で、クラスAB OTA出力段400におけるフォールデッドカスコードトランジスタは、フォールデッドカスコードトランジスタの利点を達成しながら、ヘッドルーム要件を最小限に保つよう配置される。例えば、フォールデッドカスコードデバイスは、トランジスタMN3a、MN3bMP3a、MP3bが、極端なプロセス及び温度コーナーでも飽和領域にとどまることを保証する。更に、フォールデッドカスコードデバイスのソースに接続されたノードは、フォールデッドカスコードデバイスのソース側の低入力インピーダンスにより低電圧AC振幅を受け、増幅器全体の線形性は改善される。
【0034】
いくつかの実施形態で、電流源Isrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1及びIsrcn_b1は、より大きくされる(例えば、OTA出力段200におけるIsrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1及びIsrcn_b1のサイズの2倍の大きさ)。より大きい電流源Isrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1及びIsrcn_b1を有する1つの理由は、新しい電流源Isrcp2_a2、Isrcp2_b2、Isrcn2_a2及びIsrcn2_b2を通る電流フローを供給しながら、従前通り全てのデバイスへ適切な電流を供給するためである。一例において、各電流源Isrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1及びIsrcn_b1は50μAを供給し、一方、約25μAが電流源Isrcp2_a2、Isrcp2_b2、Isrcn2_a2及びIsrcn2_b2を通って流れる。
【0035】
フォールデッドカスコードデバイスのサイズは、それらを通って流れる選択されたバイアス電流に基づいて選択される。1つの実施形態では、元の電流源Isrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1及びIsrcn_b1が、2倍の電流(すなわち、元の25μAに対して50μA)を供給するよう幅を2倍にされる場合に、余分の25μAがフォールデッドカスコードデバイスに流れるべきであり、それらは、元のドライバトランジスタと同様に(最適に同じであるが必ずしも厳密に同じでない)サイジングされる必要がある(すなわち、MN3a及びMN3bと類似した又は最適に同じサイズのMN5a、MN5b、MP3a及びMP3bと類似した又は最適に同じサイズのMP5a、MP5b)。新しい電流源Isrcp2_a2、Isrcp2_b2、Isrcn2_a2及びIsrcn2_b2は、この場合に25μAを供給(PMOSソース用)し又はシンク(例えば、NMOSソース用)し、従って、OTA出力段200における元の電流源Isrcp_a1、Isrcp_b1、Isrcn_a1及びIsrcn_b1と同じ寸法を有することになる。
【0036】
図5A及び5Bは、いくつかの実施形態に従って、PVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段400のためのnバイアス及びpバイアス回路500及び520を夫々表す。同じnバイアス及びpバイアス回路500及び520は、ここで望まれる他のOTA出力段回路のために使用され得る。いくつかの実施形態で、バイアス回路500は、biasp及びbiasdrvpを生成し、biaspは、p型電流源Isrcn2_a2、Isrcp2_b2、Isrcp_a1、Isrcp_b1によって使用される。いくつかの実施形態で、バイアス回路500は、抵抗R及びn型電流源ibias_srcnと直列に結合されたp型トランジスタMP1及びMP2を有する。バイアス電圧は、バイアス電圧をレギュレートする自己バイアスシステムによって生成される。例えば、biaspは、MP2のドレイン端子をMP1のゲート端子へ結合することによって生成され、一方、biasdrvpは、抵抗Rの端子をMP2のゲート端子と結合することによって生成される。いくつかの実施形態で、biasdrvp電圧は、フォールデッドカスコードトランジスタMP5a及びMP5bのバイアス電圧biasfcspとして再利用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態で、バイアス回路520は、biasn及びbiasdrvnを生成し、biasnは、n型電流源Isrcn2_a2、Isrcn2_b2、Isrcn_a1、Isrcn_b1によって使用される。いくつかの実施形態で、バイアス回路520は、抵抗R及びp型電流源ibias_srcpと直列に結合されたn型トランジスタMN1及びMN2を有する。バイアス電圧は、バイアス電圧をレギュレートする自己バイアスシステムによって生成される。例えば、biasnは、MN2のドレイン端子をMN1のゲート端子へ結合することによって生成され、一方、biasdrvnは、抵抗Rの端子をMN2のゲート端子と結合することによって生成される。いくつかの実施形態で、biasdrvnは、フォールデッドカスコードトランジスタMN5a及びMN5bのバイアス電圧biasfcsnとして再利用され得る。
【0038】
いくつかの実施形態で、抵抗Rは、線形領域で動作するトランジスタとして実装される。いくつかの実施形態で、抵抗Rは、プロセス技術ノードによって提供されるディスクリート抵抗素子である。例えば、抵抗Rは、ポリ抵抗(poly resistor)である。いくつかの実施形態で、抵抗Rは、プロセスノードによって利用可能な抵抗及びトランジスタの組み合わせである。
【0039】
図6は、いくつかの実施形態に従って、起動回路及びフォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段600を表す。いくつかの場合に(例えば、特定のPVT条件の下で)、OTA200又は400は、電力が立ち上がるときに、デバイスがOTAの交差結合アーキテクチャに電流を流すための電流及びバイアス電圧を受けないことがあるので、起動しない可能性がある。例えば、OTAがアクティブフィルタにおいて使用され、フィルタがその先行する回路から十分なサポートを受けない場合に、OTAは、OTAのデバイスにバイアスをかけそれらに電流を流すVin+及びVin-を受けないことがある。そのような場合に、n型起動デバイス(又はヘルパーデバイス)MN6a、MN7a、MN6b、MN7bが加えられる。
【0040】
それらのデバイスは、Vref(例えば、Vddの1/2、又はVin+及びVin-のコモンモード)によってバイアスをかけられる。一例において、Vin+及びVin-のコモンモードレベルをレギュレートするために使用される同じVrefが、起動トランジスタにバイアスをかけるためにも使用され得る。起動トランジスタMN7a及びMN7bは、夫々、入力トランジスタMN4a及びMN4bへ並列に結合される。起動トランジスタMN6a及びMN6bは、夫々、入力(又は駆動)トランジスタMN3a及びMN3bへ並列に結合される。そのようなヘルパーデバイスによらずに、先行するブロックのコモンモード制御強度の不足により起動フェーズ中に入力n型ドライバトランジスタ(例えば、MN3a、MN4a、MN3b、及びMN4b)がオフしたままであると、特定のPVTコーナーについて起動時間が過度に長くなることがある。そのような場合に、入力デバイスMN3a、MN4a、MN3b、及びMN4bはオフであり、OTA出力段は、相当な量のバイアス電流を引き込み、出力Iout+及びIout-を、及びフィードバックネットワークを介して入力ノードを接地へ引っ張る。いくつかのPVTケースにおいて、OTA出力は発振して、OTA出力段全体を不安定にする。そのようなケースを軽減するよう、ヘルパーデバイスMN6a、MN7a、MN6b及びMN7bが加えられ、Vrefによってバイアスをかけられる。
【0041】
いくつかの実施形態で、起動デバイスのゲート電圧は、OTAが稼働した後に起動デバイスをオフするよう接地にセットされる。例えば、起動期間(例えば、1ナノ秒(ns))後に、起動トランジスタのゲート電圧は0にセットされる。いくつかの実施形態で、起動デバイスは、OTAが動作している間ずっとオンのままである。起動期間は、OTAが起動して(例えば、OTAがVin+及びVin-を受ける場合に、Vddがその期待された値に立ち上げられるとき)から、OTA内の全てのデバイスが期待された値でバイアスをかけられて全てのトランジスタに電流が流れるまでの期間として定義される。
【0042】
いくつかの実施形態で、起動デバイスが起動後にオフされる場合に、それらは、コモンモードレギュレーションのためのリファレンスとして使用されるVrefと同じVrefを用いてバイアスをかけられ得る。いくつかの実施形態で、起動後に起動デバイスをオフすることが企図される場合に、それらのゲートは、Vrefから独立したバイアス電圧によって制御される。
【0043】
図7は、いくつかの実施形態に従って、フィードフォワードメカニズムを用いて位相マージンを改善するデバイス及びフォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段700を表す。「位相マージン」(phase margin,PM)との語は、一般的に、ゼロdBゲインでのOTAの入力に対するその出力信号について、OTAの位相と180°との間の差を指す。負帰還の存在下で、ループゲインが1を越える周波数でのゼロ又は負のPMは、不安定性をもたらす。従って、正のPMは、OTAの適切な(非発振)動作を確かにする。OTAをその動作中に安定した状態に保つために、一般的に、45°以上のPMが望ましい。PMが高ければ高いほど、より高いゲインでさえOTAはますます安定に動作する。
【0044】
図2の実施形態で、n型ドライバMN3a及びMN3bは、相互コンダクタとして動作し、一方、対応するp型デバイスMP3a及びMP3bは、コモンゲート増幅器として使用される。それらのコモンゲート増幅器は、低いソースノードインピーダンスをもたらすが、OTA全体の入力信号Vin+及びVin-を増幅しない。いくつかの実施形態で、それらのp型ドライバのゲートは、OTA出力段700に示されるように、何らかのバイアス電位で固定されるのではなく、OTA全体の差動入力電圧により駆動される。いくつかの実施形態で、MP3aは、OTA_Vin+によって駆動され、MP3bは、OTA_Vin-によって駆動される。それらの入力は、OTA入力段101への入力である。OTA出力段102内でOTA入力及び前置増幅器101の出力を適用することによって、フィードフォワードパスが形成され、PMを増大させる。例えば、OTA入力段をバイパスし、その入力を使用することによって、OTA出力段102の位相マージンに直接に影響を及ぼし、PVTコーナーに対して、かつ、大きい信号がOTA102によって処理される場合に、より安定した/ロバストな動作をもたらす。そのようなものとして、PMは、電力更なる増大なしで、
図4の設計を用いて増大される。
【0045】
図8は、いくつかの実施形態に従って、位相マージンを改善する相互コンダクタンス(gm)フィードフォワードメカニズム及びフォールデッドカスコードを備えたPVTトレラント低電圧クラスAB OTA出力段800を表す。gm(相互コンダクタンス)フィードフォワードメカニズムは、n型ドライバデバイスMN3a及びMN3bのドレインノードへ差動電流Iin+及びIin-を投入することに基づく。差動電流Iin+及びIin-は、メイン電圧モード前置増幅器101へ並列に置かれた専用のgm段を使用することによって、生成され得る。メイン前置増幅器101はドミナント周波数補償極を含むので、高速gmパスはそれをバイパスして、増幅器全体の位相特性に作用するよう高周波数で十分なゲインをもたらす。1つの例において、高速gm段にバイアスをかけるための追加の電流(例えば、25~50μA)は、
図7のフィードフォワードメカニズムよりも位相マージンを改善する。
【0046】
図9Aは、いくつかの実施形態に従って、入力段及び出力段を備えかつフィードフォワード電気パスを備えたハイレベルクラスAB OTA900を表す。入力段101は、入力電圧OTA_Vin+及びOTA_Vin-を受け、対応する増幅された電圧Vin+及びVin-を生成する電圧増幅器である。入力段101は、コモンモードフィードバックループを備え、ドミナント周波数補償極をもたらす。ここで、フィードフォワード回路903が入力段101へ並列に結合され、フィードフォワード回路903は、入力電圧OTA_Vin+及びOTA_Vin-を受け、それらを対応する電流Iin+及びIin-に変換する。電流Iin+及びIin-は、OTA出力段902(例えば、OTA出力段800)によって受電される。
【0047】
図9Bは、いくつかの実施形態に従って、フィードフォワード電気パスの概略
図920を表す。フィードフォワード回路920(例えば、903)は、図示されるように入力トランジスタMNff1及びMNff2へ結合されたp型電流源Isrc1_p及びIsrc2_p並びにn型電流源Isrc3_nを有する。OTA入力Vin+は、MNff1ノゲートによって受電され、MNff1は、対応するIin+を生成し、一方、入力Vin-は、MNff2によって受信され、MNff2は、対応するIin-を生成する。
【0048】
図10は、いくつかの実施形態に従って、クラスAB OTAを備えたデバイス1000を表す。いくつかの実施形態で、デバイス1000は、少なくとも図示されるように結合されたアプリケーション回路1002、ベースバンド回路1004、無線周波数(RF)回路1006、フロントエンドモジュール(FEM)回路1008、1つ以上のアンテナ1010、及び電力管理回路(PMC)1012を含んでよい。表されているデバイス1000のコンポーネントは、UE又はRANノードに含まれてよい。いくつかの実施形態で、デバイス1000に含まれる要素は、より少なくてもよい(例えば、RANノードは、アプリケーション回路1002を利用しなくてもよく、代わりに、EPCから受信されたIPデータを処理するためにプロセッサ/コントローラを含む)。いくつかの実施形態で、デバイス1000は、例えば、メモリ/ストレージ、ディスプレイ、カメラ、センサ、又は入出力(I/O)インターフェースのような追加の要素を含んでもよい。他の実施形態では、以下で記載されるコンポーネントは、1よりも多いデバイスに含まれてよい(例えば、上記の回路は、クラウドRAN(C-RAN)実施のために1よりも多いデバイスに別々に含まれてよい)。
【0049】
アプリケーション回路1002は、1つ以上のアプリケーションプロセッサを含んでよい。例えば、アプリケーション回路1002は、制限なしに、1つ以上のシングルコア又はマルチコアプロセッサのような回路を含んでよい。プロセッサは、汎用プロセッサ及び専用プロセッサ(例えば、グラフィクスプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、など)の任意の組み合わせを含んでよい。プロセッサは、メモリ/ストレージと結合されてよく又はそれを含んでもよく、様々なアプリケーション又はオペレーティングシステムがデバイス1000で実行されることを可能にするようにメモリ/ストレージに記憶されている命令を実行するよう構成されてよい。いくつかの実施形態で、アプリケーション回路1002のプロセッサは、EPCから受信されたIPデータパケットを処理してよい。
【0050】
ベースバンド回路1004は、制限なしに、1つ以上のシングルコア又はマルチコアプロセッサのような回路を含んでよい。ベースバンド回路1004は、RF回路1006の受信信号パスから受信されたベースバンド信号を処理し、かつ、RF回路1006の送信信号パスのためのベースバンド信号を生成するよう1つ以上のベースバンドプロセッサ又は制御ロジックを含んでよい。ベースバンド処理回路1004は、ベースバンド信号の生成及び処理のためにかつRF回路1006の動作を制御するためにアプリケーション回路1002とインターフェース接続してよい。
【0051】
例えば、いくつかの実施形態で、ベースバンド回路1004は、第三世代(3G)ベースバンドプロセッサ1004A、第四世代(4G)ベースバンドプロセッサ1004B、第五世代(5G)ベースバンドプロセッサ1004C、又は他の既存の世代、開発過程の世代若しくは将来開発される世代(例えば、第二世代(2G)、第六世代(6G)、など)のための他のベースバンドプロセッサ1004Dを含んでよい。ベースバンド回路1004(例えば、ベースバンドプロセッサ1004A~Dの1つ以上)は、RF回路1006を介した1つ以上の無線ネットワークとの通信を可能にする様々な無線制御機能を扱ってよい。他の実施形態では、ベースバンドプロセッサ1004A~Dの機能の一部又は全ては、メモリ1004Gに記憶されているモジュールに含まれ、中央演算処理装置(CPU)1004Eにより実行されてもよい。無線制御機能は、制限なしに、信号変調/復調、符号化/復号化、無線周波数シフト、などを含んでよい。いくつかの実施形態で、ベースバンド回路1004の変調/復調回路は、高速フーリエ変換(FFT)、プレコーディング、又はコンスタレーションマッピング/でマッピング機能を含んでよい。いくつかの実施形態で、ベースバンド回路1004の符号化/復号化回路は、畳み込み、テールバイティング畳み込み、ターボ、ビタビ(Viterbi)、又は低密度パリティチェック(LDPC)エンコーダ/デコーダ機能を含んでよい。変調/復調及びエンコーダ/デコーダ機能の実施形態は、これらの例に限られず、他の実施形態では他の適切な機能を含んでよい。
【0052】
いくつかの実施形態で、ベースは、1つ以上のオーディオデジタル信号プロセッサ(DSP)1004Fを含んでよい。オーディオDSP1004Fは、圧縮/圧縮解除及びエコーキャンセルのための要素を含んでよく、他の実施形態では他の適切な処理要素を含んでよい。ベースバンド回路のコンポーネントは、単一チップや単一チップセットにおいて適切に組み合わされ、あるいは、いくつかの実施形態では同じ回路基板上に配置されてもよい。いくつかの実施形態で、ベースバンド回路1004及びアプリケーション回路1002の構成コンポーネントの一部又は全ては、例えば、システム・オン・ア・チップ(SOC)上で、一緒に実装されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態で、ベースバンド回路1004は、1つ以上の無線技術と互換性がある通信を適用し得る。例えば、いくつかの実施形態で、ベースバンド回路1004は、エボルブド・ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(EUTRAN)又は他の無線メトロポリタン・エリア・ネットワーク(WMAN)、無線ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)、無線パーソナル・エリア・ネットワークとの通信をサポートし得る。ベースバンド回路1004が1よりも多い無線プロトコルの無線通信をサポートするよう構成される実施形態は、マルチモードベースバンド回路と呼ばれ得る。
【0054】
RF回路1006は、非固体媒体を通じて、変調された電磁放射を用いて、無線通信ネットワークとの通信を可能にし得る。様々な実施形態で、RF回路1006は、無線ネットワークとの通信を容易にするようスイッチ、フィルタ、増幅器などを含んでよい。RF回路1006は、FEM回路1008から受信されたRF信号をダウンコンバートし、ベースバンド信号をベースバンド回路1004へ供給する回路を含み得る受信信号パスを含んでよい。RF回路1006はまた、ベースバンド回路1004によって供給されたベースバンド信号をアップコンバートし、RF出力信号を伝送のためにFEM回路1008へ供給する回路を含み得る送信信号パスを含んでもよい。
【0055】
いくつかの実施形態で、RF回路1006の受信信号パスは、ミキサ回路1006A、増幅器回路1006B、及びフィルタ回路1006Cを含んでよい。いくつかの実施形態で、増幅器回路1006Bは、ここで記載されるOTAのいずれかに従うOTAを含む。いくつかの実施形態で、フィルタ回路1006Cは、ここで記載されるOTAのいずれかに従うOTAを含む。いくつかの実施形態で、増幅器を使用する他のブロックはまた、ここで記載されるOTAのいずれかを備えてよい。
【0056】
いくつかの実施形態で、RF回路1006の送信信号パスは、フィルタ回路1006C及びミキサ回路1006Aを含んでよい。RF回路1006はまた、受信信号パス及び送信信号パスのミキサ回路1006Aによる使用のために周波数を合成するシンセサイザ回路1006Dを含んでもよい。いくつかの実施形態で、受信信号パスのミキサ回路1006Aは、シンセサイザ回路1006Dによって供給される合成された周波数に基づいて、FEM回路1008から受信されたRF信号をダウンコンバートするよう構成されてよい。増幅器回路1006Bは、ダウンコンバートされた信号を増幅するよう構成されてよく、フィルタ回路1006Cは、出力ベースバンド信号を生成するように、ダウンコンバートされた信号から不要な信号を除くよう構成されたローパスフィルタ(LPF)又はバンドパスフィルタ(BPF)であってよい。出力ベースバンド信号は、更なる処理のためにベースバンド回路1004へ供給されてよい。いくつかの実施形態で、出力ベースバンド信号は、ゼロ周波数ベースバンド信号であってよいが、これは必要条件ではない。いくつかの実施形態で、受信信号パスのミキサ回路1006Aは、パッシブミキサを有してよいが、実施形態の範囲は、これに関して制限されない。
【0057】
いくつかの実施形態で、送信信号パスのミキサ回路1006Aは、FEM回路1008のためのRF出力信号を生成するように、シンセサイザ回路1006Dによって供給される合成された周波数に基づいて入力ベースバンド信号をアップコンバートするよう構成されてよい。ベースバンド信号は、ベースバンド回路1004によって供給されてよく、フィルタ回路1006Cによってフィルタリングされてよい。
【0058】
いくつかの実施形態で、受信信号パスのミキサ回路1006A及び送信信号パスのミキサ回路1006Aは、2つ以上のミキサを含んでよく、直交ダウンコンバージョンおよびアップコンバージョンのために夫々配置されてよい。いくつかの実施形態で、受信信号パスのミキサ回路1006A及び送信信号パスのミキサ回路1006Aは、イメージ除去(例えば、ハートレー(Hartley)イメージ除去)のために配置されてよい。いくつかの実施形態で、受信信号パスのミキサ回路1006A及び送信信号パスのミキサ回路1006Aは、夫々、直接ダウンコンバージョン及び直接アップコンバージョンのために配置されてよい。いくつかの実施形態で、受信信号パスのミキサ回路1006A及び送信信号パスのミキサ回路1006Aは、スーパーヘテロダイン動作のために構成されてよい。
【0059】
いくつかの実施形態で、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、アナログベースバンド信号であってよいが、実施形態の範囲はこれに関して制限されない。いくつかの代替の実施形態では、出力ベースバンド信号及び入力ベースバンド信号は、デジタルベースバンド信号であってよい。このような代替の実施形態で、RF回路1006は、アナログ-デジタルコンバータ(ADC)及びデジタル-アナログコンバータ(DAC)回路を含んでよく、ベースバンド回路1004は、RF回路1006と通信するようデジタルベースバンドインターフェースを含んでよい。
【0060】
いくつかのデュアルモード実施形態では、別個の無線IC回路が、各スペクトルについて信号を処理するために設けられてよいが、実施形態の範囲はこれに関して制限されない。
【0061】
いくつかの実施形態で、シンセサイザ回路1006Dは、フラクショナルNシンセサイザ又はフラクショナルN/N+1シンセサイザであってよいが、他のタイプの周波数シンセサイズが適切である場合に、実施形態の範囲はこれに関して制限されない。例えば、シンセサイザ回路1006Dは、デルタ-シグマシンセサイザ、周波数乗算器、又は分周器を備えた位相ロックループを有するシンセサイザであってよい。
【0062】
シンセサイザ回路1006Dは、周波数入力及び分割器制御入力に基づいてRF回路1006のミキサ回路1006Aによる使用のために出力周波数を合成するよう構成されてよい。いくつかの実施形態で、シンセサイザ回路1006Dは、フラクショナルN/N+1シンセサイザであってよい。
【0063】
いくつかの実施形態で、周波数入力は、電圧制御発振器(VCO)によって供給されるが、これは必要条件ではない。分割器制御入力は、所望の出力周波数に応じてベースバンド回路1004又はアプリケーションプロセッサ1002のどちらか一方によって供給されてよい。いくつかの実施形態で、分割器制御入力(例えば、N)は、アプリケーションプロセッサ1002によって示されるチャネルに基づいてルックアップテーブルから決定されてよい。
【0064】
RF回路1006のシンセサイザ回路1006Dは、分割器、遅延ロックループ(DLL)、マルチプレクサ及び位相アキュムレータを含んでよい。いくつかの実施形態で、分割器は、デュアルモジュラス分割器(DMD)であってよく、位相アキュムレータは、デジタル位相アキュムレータ(DPA)であってよい。いくつかの実施形態で、DMDは、分数分割比をもたらすようN又はN+1のどちらか一方によって(例えば、キャリーアウトに基づいて)入力信号を分割するよう構成されてよい。いくつかの例となる実施形態では、DLLは、カスケード接続された調整可能な遅延要素の組、位相検出器、電荷ポンプ、及びD型フリップフロップを含んでよい。このような実施形態で、遅延要素は、VCO周期を位相のNd個の等しいパケットに分けるよう構成され、Ndは、遅延ライン内の遅延要素の数である。このようにして、DLLは、遅延ラインを通る全遅延が1つのVCO周期であることを確かにすることを助けるよう負帰還をもたらす。
【0065】
いくつかの実施形態で、シンセサイザ回路1006Dは、出力周波数としてキャリア周波数を生成するよう構成されてよく、一方で、他の実施形態では、出力周波数は、キャリア周波数の倍数(例えば、キャリア周波数の2倍、キャリア周波数の4倍)であり、互いに異なる複数の位相によりキャリア周波数で複数の信号を生成するよう直交発生器及び分割回路とともに使用されてよい。いくつかの実施形態で、出力周波数は、LO周波数(fLO)であってよい。いくつかの実施形態で、RF回路1006は、IQ/極コンバータを含んでよい。
【0066】
FEM回路1008は、1つ以上のアンテナ1010から受信されたRF信号に作用し、受信された信号を増幅し、受信された信号の増幅されたバージョンを更なる処理のためにRF回路1006へ供給するよう構成された回路を含み得る受信信号パスを含んでよい。FEM回路1008はまた、1つ以上のアンテナ1010の1つ以上による伝送のために、RF回路1006によって供給された伝送のための信号を増幅するよう構成された回路を含み得る送信信号パスを含んでよい。様々な実施形態で、送信又は受信信号パスを通じた増幅は、もっぱらRF回路1006で、もっぱらFEM回路1008で、又はRF回路1006及びFEM回路1008の両方で行われてよい。
【0067】
いくつかの実施形態で、FEM回路1008は、送信モードと受信モードとの間で動作を切り替えるTX/RXスイッチを含んでよい。FEM回路1008は、受信信号パス及び送信信号パスを含んでよい。FEM回路1008の受信信号パスは、受信されたRF信号を増幅し、増幅された受信されたRF信号を出力として(例えば、RF回路1006へ)供給するLNAを含んでよい。FEM回路1008の送信信号パスは、入力されたRF信号(例えば、RF回路1006によって供給される)を増幅する電力増幅器(PA)と、その後の伝送のために(例えば、1つ以上のアンテナ1010の1つ以上による)RF信号を生成する1つ以上のフィルタとを含んでよい。
【0068】
いくつかの実施形態で、PMC1012は、ベースバンド回路1004へ供給される電力を管理してよい。特に、PMC1012は、電源選択、電圧スケーリング、バッテリ充電、又はDC-DC変換を制御してよい。PMC1012は、デバイス1000がバッテリに給電可能である場合に、例えば、デバイスがUEに含まれる場合に、しばしば含まれてよい。PMC1012は、望ましい実施サイズ及び放熱特性を提供しながら電力変換効率を向上させ得る。
【0069】
図10には、PMC1012がベースバンド回路1004にしか結合されないことが示されている。しかし、他の実施形態では、PMC1012は、更に、又は代替的に、制限なしに、アプリケーション回路1002、RF回路1006、又はFEM回路1008のような他のコンポーネントと結合され、それのための同様の電力管理動作を実行してよい。
【0070】
いくつかの実施形態で、PMC1012は、デバイス1000の様々な電力節約メカニズムを制御するか、あるいは、別なふうに、その部分であってよい。例えば、デバイス1000がRRC_Connected状態にあり、まもなくトラフィックを受信することを期待してRANノードに接続されたままの場合に、デバイス1000は、非アクティブな期間が経過すると、不連続受信モード(DRX)と呼ばれる状態になる。この状態の間、デバイス1000は、短い時間間隔で電源を切り、従って電力を節約することができる。
【0071】
期待された期間にデータトラフィック活動がない場合に、デバイス1000は、RRC_Idle状態に移り、ネットワークから切断し、チャネル品質フィードバック、ハンドオーバー、などのような動作を実行しない。デバイス1000は、非常に低い電力状態になり、ページングを実行する。ページングでは、ネットワークをリッスンするために定期的にウェイクアップしてから、再び電源を切る。デバイス1000は、この状態ではデータを受信しない可能性がある。データを受信するには、RRC_Connected状態に戻る必要がある。
【0072】
更なる電力節約モードは、ページングインターバル(数秒から数時間に及ぶ)よりも長い期間デバイスがネットワークに利用不可能であることを可能にし得る。この時間中、デバイスは、全くネットワークに到達不能であり、完全に電源を切ってもよい。この時間中に送信される如何なるデータも、大きい遅延を招き、遅延は、許可可能であると考えられる。
【0073】
アプリケーション回路1002のプロセッサ及びベースバンド回路1004のプロセッサは、プロトコルスタックの1つ以上のインスタンスの要素を実行するために使用されてよい。例えば、ベースバンド回路1004のプロセッサは、単独で又は組み合わせて、レイヤ3、レイヤ2、又はレイヤ1の機能を実行するために使用されてよく、一方、アプリケーション回路1002のプロセッサは、それらのレイヤから受信されるデータ(例えば、パケットデータ)を利用し、更にレイヤ4の機能(例えば、伝送通信プロトコル(transmission communication protocol,TCP)及びユーザデータグラムプロトコル(user datagram protocol,UDP)レイヤ)を実行してよい。ここで言及されるように、レイヤ3は、以下で更に詳細に記載される無線リソース制御(radio resource control,RRC)レイヤを有してよい。ここで言及されるように、レイヤ2は、以下で更に詳細に記載される媒体アクセス制御(medium access control,MAC)レイヤ、無線リンク制御(radio link control,RLC)レイヤ、及びパケットデータコンバージェンスプロトコル(packet data convergence protocol,PDCP)レイヤを有してよい。ここで言及されるように、レイヤ1は、以下で更に詳細に記載される、UE/RANノードの物理(PHY)レイヤを有してよい。
【0074】
図11は、本開示のいくつかの実施形態に従って、1つ以上のクラスAB OTAを有するスマートデバイス、コンピュータシステム、又はSoC(System-on-Chip)を表す。
図11は、平面インターフェースコネクタが使用され得るモバイルデバイスの実施形態のブロック図を表す。いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、コンピュータタブレット、携帯電話機若しくはスマートフォン、無線対応電子リーダー、又は他の無線モバイルデバイスなどのモバイルコンピュータデバイスを表す。特定の実施形態が一般的に示されており、そのようなデバイスの全てのコンポーネントがコンピュータデバイス1600において示されているわけではないことが理解される。
【0075】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、議論されているいくつかの実施形態に従う1つ以上のクラスAB OTAを備えたプロセッサ1610を含む。コンピュータデバイス1600の他のブロックも、いくつかの実施形態に従う1つ以上のクラスAB OTAを含んでよい。
【0076】
本開示の様々な実施形態はまた、システム実施形態が無線デバイス、例えば、携帯電話機又はパーソナルデジタルアシスタントに組み込まれ得るように、無線インターフェースなどのネットワークインターフェースを1670に有してもよい。
【0077】
いくつかの実施形態で、プロセッサ1610は、マイクロプロセッサ、アプリケーションプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラム可能論理デバイス、又は他のプロセッシング手段などの1つ以上の物理デバイスを含むことができる。プロセッサ1610によって実行されるプロセッシング動作は、アプリケーション及び/又はデバイス機能が実行されるオペレーティングプラットフォーム又はオペレーティングシステムの実行を含む。プロセッシング動作は、人間ユーザによる若しくは他のデバイスによるI/O(input/output)に関する動作、電力管理に関する動作、及び/又はコンピュータデバイス1600を他のデバイスへ接続することに関する動作を含む。プロセッシング動作はまた、オーディオI/O及び/又はディスプレイI/Oに関する動作を含んでもよい。
【0078】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、コンピュータデバイスにオーディオ機能を提供することに関連したハードウェア(例えば、オーディオハードウェア及びオーディオ回路)及びソフトウェア(例えば、ドライバ、コーデック)コンポーネントを表すオーディオサブシステム1620を含む。オーディオ機能は、スピーカ及び/又はヘッドホン出力並びにマイクロホン入力を含むことができる。そのような機能のためのデバイスは、コンピュータデバイス1600に組み込まれる、あるいは、コンピュータデバイス1600へ接続され得る。1つの実施形態において、ユーザは、プロセッサ1610によって受信及び処理されるオーディオコマンドを供給することによってコンピュータデバイス1600と対話する。
【0079】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、ディスプレイサブシステム1630を有する。ディスプレイサブシステム1630は、ユーザがコンピュータデバイス1600と対話するための視覚的及び/又は触覚的な表示を提供するハードウェア(例えば、ディスプレイデバイス)及びソフトウェア(例えば、ドライバ)コンポーネントを表す。ディスプレイサブシステム1630は、表示をユーザに提供するために使用される特定のスクリーン又はハードウェアデバイスを含むディスプレイインターフェース1632を含む。1つの実施形態において、ディスプレイインターフェース1632は、表示に関する少なくとも何らかの処理を実行する、プロセッサ1610とは別個のロジックを含む。1つの実施形態において、ディスプレイサブシステム1630は、出力及び入力の両方をユーザに提供するタッチスクリーン(又はタッチパッド)デバイスを含む。
【0080】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、I/Oコントローラ1640を有する。I/Oコントローラ1640は、ユーザとの相互作用に関するハードウェアデバイス及びソフトウェアコンポーネントを表す。I/Oコントローラ1640は、オーディオサブシステム1620及び/又はディスプレイサブシステム1630の部分であるハードウェアを管理するよう動作する。更に、I/Oコントローラ1640は、コンピュータデバイス1600に接続してユーザがシステムと相互作用することを可能にする追加のデバイスのための接続ポイントを表す。例えば、コンピュータデバイス1600に取り付け可能なデバイスには、マイクロホンデバイス、スピーカ若しくはステレオシステム、ビデオシステム若しくは他のディスプレイデバイス、キーボード若しくはキーパッドデバイス、又はカードリーダ若しくは他のデバイスなどの、特定の用途で使用される他のI/Oが含まれ得る。
【0081】
上述されたように、I/Oコントローラ1640は、オーディオサブシステム1620及び/又はディスプレイサブシステム1630と相互作用することができる。例えば、マイクロホン又は他のオーディオデバイスによる入力は、コンピュータデバイス1600の1つ以上のアプリケーション又は機能のための入力又はコマンドを供給することができる。更に、オーディオ出力が、ディスプレイ出力の代わりに、又はそれに加えて供給可能である。他の例では、ディスプレイサブシステム1630がタッチスクリーンを含む場合に、ディスプレイデバイスは、入力デバイスとしても動作し、それは、I/Oコントローラ1640によって少なくとも部分的に管理され得る。また、I/Oコントローラ1640によって管理されるI/O機能を提供するようコンピュータデバイス1600には追加のボタン又はスイッチも存在し得る。
【0082】
いくつかの実施形態で、I/Oコントローラ1640は、加速度計、カメラ、光センサ若しくは他の環境センサ、又はコンピュータデバイス1600に含まれ得る他のハードウェアなどのデバイスを管理する。入力は、システム動作(例えば、ノイズのフィルタリング、輝度検出のための表示調整、カメラのフラッシュの適用、又は他の機構)に作用するようシステムへ環境入力を供給することに加えて、直接的なユーザインタラクションの部分であることができる。
【0083】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、バッテリ電力使用、バッテリの充電、及び電力節約動作に関する機構を管理する電力管理1650を含む。メモリサブシステム1660は、コンピュータデバイス1600において情報を記憶するメモリデバイスを含む。メモリは、不揮発性(メモリデバイスへの電力が中断される場合に状態が変化しない)及び/又は揮発性(メモリデバイスへの電力が中断される場合に状態が不定である)メモリデバイスを含むことができる。メモリサブシステム1660は、コンピュータデバイス1600のアプリケーション及び機能の実行に関するシステムデータ(長期又は一時のどちらであってもよい)に加えて、アプリケーションデータ、ユーザデータ、音楽、写真、文書、又は他のデータを記憶することができる。
【0084】
実施形態の要素はまた、コンピュータ実行可能命令(ここで議論されている如何なる他のプロセスも実施するための命令)を記憶するマシン読み出し可能な媒体(例えば、メモリ1660)として提供されてもよい。マシン読み出し可能な媒体(例えば、メモリ1660)は、制限なしに、フラッシュメモリ、光ディスク、CD-ROM、DVD ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光学カード、相変化メモリ(PCM)、又は電子若しくはコンピュータ実行可能命令を記憶するのに適した他のタイプのマシン読み出し可能な媒体を含んでよい。例えば、本開示の実施形態は、通信リンク(例えば、モデム又はネットワーク接続)を介してデータ信号によって遠隔のコンピュータ(例えば、サーバ)から要求元のコンピュータ(例えば、クライアント)へ転送され得るコンピュータプログラム(例えば、BIOS)としてダウンロードされてよい。
【0085】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、コネクティビティ1670を有する。コネクティビティ1670は、コンピュータデバイス1600が外部デバイスと通信することを可能にするハードウェアデバイス(例えば、無線及び/又は有線コネクタ及び通信ハードウェア)及びソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)を含む。コンピュータデバイス1600は、他のコンピュータデバイス、無線アクセスポイント又は基地局などの別個のデバイス、及びヘッドセット、プリンタ、又は他のデバイスなどの周辺機器であってよい。
【0086】
コネクティビティ1670は、多種多様なタイプのコネクティビティを含むことができる。一般化するよう、コンピュータデバイス1600は、セルラーコネクティビティ1672及び無線コネクティビティ1674により表される。セルラーコネクティビティ1672は、一般的に、GSM(global system for mobile communications)又は変形若しくは派生物、CDMA(code division multiple access)又は変形若しくは派生物、TDM(time division multiplexing)又は変形若しくは派生物、あるいは、他のセルラーサービス標準により提供されるもののような、無線キャリアによって供給されるセルラーネットワークコネクティビティを指す。無線コネクティビティ(又は無線インターフェース)1674は、セルラーではない無線コネクティビティを指し、パーソナル・エリア・ネットワーク(例えば、Bluetooth(登録商標)、Near Fieldなど)、ローカル・エリア・ネットワーク(例えば、Wi-Fi)、及び/又はワイド・エリア・ネットワーク(例えば、WiMax)、あるいは、他の無線通信を含むことができる。
【0087】
いくつかの実施形態で、コンピュータデバイス1600は、ペリフェラル接続1680を有する。ペリフェラル接続1680は、ペリフェラル接続を形成するソフトウェアコンポーネント(例えば、ドライバ、プロトコルスタック)並びにハードウェアインターフェース及びコネクタを含む。コンピュータデバイス1600は、他のコンピュータデバイスへのペリフェラルデバイス(“to”1682)及びそれに接続されるペリフェラルデバイス(“from”1684)の両方を有し得ると理解される。コンピュータデバイス1600は、一般に、コンピュータデバイス1600でのコンテンツ管理(例えば、ダウンロード及び/又はアップロード、変更、同期化)などの目的のために他のコンピュータデバイスへ接続する“ドッキング”コネクタを備える。更に、ドッキングコネクタは、例えば、オーディオビジュアル又は他のシステムへのコンテンツ出力を制御することをコンピュータデバイス1600に可能にする特定の周辺機器へ接続することをコンピュータデバイス1600に可能にすることができる。
【0088】
独自仕様のドッキングコネクタ又は他の独自仕様の接続ハードウェアに加えて、コンピュータデバイス1600は、一般的な又は標準規格に基づいたコネクタによりペリフェラル接続1680を形成することができる。一般的なタイプには、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)コネクタ(多数の異なったハードウェアインターフェースのいずれかを含むことができる)、MiniDisplayPort(MDP)を含むディスプレイ・ポート、高精細マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、ファイアワイヤ(Firewire)、又は他のタイプが含まれ得る。
【0089】
「実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの実施形態」又は「他の実施形態」との明細書中の言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特徴、構造、又は特性が少なくともいくつかの実施形態に含まれるが、必ずしも全ての実施形態ではないことを意味する。「実施形態」、「1つの実施形態」、又は「いくつかの実施形態」の様々な出現は、必ずしも全てが同じ実施形態に言及しているわけではない。明細書において、コンポーネント、特徴、構造、又は特性が「含まれてよい」(may)、「含まれることがある」(might)、又は「含まれ得る」(could)と述べられている場合に、その特定のコンポーネント、特徴、構造、又は特性は含まれる必要がない。明細書又は特許請求の範囲が「1つ」(a又はan)の要素に言及する場合に、それは、その要素がただ1つしか存在しないことを意味するものではない。明細書又は特許請求の範囲が「更なる」(an additional)要素に言及する場合に、それは、その更なる要素が1よりも多いことを排除しない。
【0090】
更に、特定の特徴、構造、機能、又は特性は、1つ以上の実施形態で如何なる適切な様態でも組み合わされてよい。例えば、第1実施形態は、第1実施形態及び第2実施形態に関連した特定の特徴、構造、機能、又は特性が相互排他的でない場合にはいつでも第2実施形態と組み合わされてよい。
【0091】
本開示はその具体的な実施形態とともに記載されてきたが、そのような実施形態の多くの代替案、変更及び変形は、上記の説明に照らして当業者に明らかであろう。本開示の実施形態は、添付の特許請求の範囲の広い適用範囲内にあるように全てのそのような代替案、変更及び変形を包括的に捉えるよう意図される。
【0092】
加えて、集積回路(IC)チップ及び他のコンポーネントへのよく知られている電源/接地接続は、説明及び議論を簡単にするために、かつ、開示を不明りょうにしないために、提示されている図の中で示されても示されなくてもよい。更に、配置は、開示を不明りょうにしないように、また、そのようなブロック図の実施に関する詳細が、本開示が実施されるべきプラットフォームに大いに依存する(すなわち、そのような詳細は、当業者の範囲内に十分にあるべきである)という事実も考慮して、ブロック図で示されてよい。具体的な詳細(例えば、回路)が本開示の実施形態の例を記載するために示される場合に、当業者には当然に、本開示は、それらの具体的な詳細の変形の有無にかかわらず、実施可能である。よって、説明は、限定ではなく実例と見なされるべきである。
【0093】
下記の例は、様々な実施形態を表すために与えられる。それらの例は、如何なる適切な様態でも互いに従属することができる。
【0094】
例1:第1入力及び第2入力を受け、夫々第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンである第1出力及び第2出力を生成する前置増幅器と、前置増幅器へ結合され、第1出力及び第2出力を受け、第1電流出力及び第2電流出力を生成する差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)とを有し、差動OTAが少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有する、装置。
【0095】
例2:例1の装置であって、差動OTAは、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、それらの対応するゲート端子で夫々第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンを受け、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタの第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ夫々結合され、第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは第1導電型である、装置。
【0096】
例3:例2の装置であって、差動OTAは、第1フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第1電流源と、第1基準供給レールとを有する、装置。
【0097】
例4:例2の装置であって、差動OTAは、第2フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第2電流源と、第2基準供給レールとを有する、装置。
【0098】
例5:例2の装置であって、第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスを受け、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスとは別の第2バイアスを受ける第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタを更に有する、装置。
【0099】
例6:例5の装置であって、第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタは、第2導電型である、装置。
【0100】
例7:例6の装置であって、差動OTAは、第2導電型の少なくとも4つのトランジスタを有し、少なくとも4つのトランジスタは、制御電圧を供給する制御ノードへ結合されたゲート端子を備え、少なくとも4つのトランジスタの第1トランジスタは、第1入力の増幅されたバージョンを受ける第1トランジスタへ結合され、少なくとも4つのトランジスタの第2トランジスタは、第1フォールデッドカスコードトランジスタへ結合される、装置。
【0101】
例8:例7の装置であって、少なくとも4つのトランジスタの第3トランジスタは、第2入力の増幅されたバージョンを受ける第2トランジスタへ結合され、少なくとも4つのトランジスタの第4トランジスタは、第2フォールデッドカスコードトランジスタへ結合される、装置。
【0102】
例9:例7の装置であって、制御電圧は、少なくとも4つのトランジスタを、起動期間後にオフさせる、装置。
【0103】
例10:例7の装置であって、制御電圧は、起動期間に少なくとも4つのトランジスタへ供給される、装置。
【0104】
例11:例7の装置であって、少なくとも4つのトランジスタの夫々は、第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンを夫々受ける第1トランジスタ及び第2トランジスタの夫々よりもサイズが小さい、装置。
【0105】
例12:例7の装置であって、制御電圧はプログラム可能である、装置。
【0106】
例13:例2の装置であって、前置増幅器へ結合された相互コンダクタンス段を有し、相互コンダクタンス段は、第1入力及び第2入力を受け、第1電流及び第2電流を供給し、相互コンダクタンス段からの第1電流及び第2電流は、第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンを夫々それらの対応するゲート端子で受ける第1トランジスタ及び第2トランジスタのドレイン端子へ供給される、装置。
【0107】
例14:第1入力及び第2入力を受け、夫々第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンである第1出力及び第2出力を生成する前置増幅器と、前置増幅器へ結合された差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)とを有し、差動OTAは、第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンを夫々受ける第1導電型の第1トランジスタ及び第2トランジスタと、第1トランジスタ及び第2トランジスタへ結合された第2導電型の第3トランジスタ及び第4トランジスタとを有し、第3トランジスタ及び第4トランジスタのゲート端子は、夫々、第1入力及び第2入力を受ける、装置。
【0108】
例15:例14の装置であって、差動OTAは、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有し、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタの夫々第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ結合され、第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1導電型である、装置。
【0109】
例16:例15の装置であって、差動OTAは、第1フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第1電流源と、第1基準供給レールとを有する、装置。
【0110】
例17:例15の装置であって、差動OTAは、第2フォールデッドカスコードトランジスタへ直列に結合された第2電流源と、第2基準供給レールとを有する、装置。
【0111】
例18:例15の装置であって、第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスを受け、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタは、第1バイアスとは別の第2バイアスを受ける第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタを更に有し、第3フォールデッドカスコードトランジスタ及び第4フォールデッドカスコードトランジスタは、第2導電型である、装置。
【0112】
例19:アンテナと、アンテナへ結合されたRFフロントエンドと、RFフロントエンドへ結合されたクラスAB差動演算相互コンダクタンス増幅器(OTA)とを有し、前記差動OTAは、第1入力及び第2入力を受け、夫々第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンである第1出力及び第2出力を生成する前置増幅器と、前置増幅器へ結合され、第1出力及び第2出力を受け、第1電流出力及び第2電流出力を生成する差動OTA出力段とを有し、差動OTA出力段が少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタを有する、システム。
【0113】
例20:例19のシステムであって、差動OTA出力段は、第1トランジスタ及び第2トランジスタを有し、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、それらの対応するゲート端子で夫々第1入力及び第2入力の増幅されたバージョンを受け、第1トランジスタ及び第2トランジスタは、少なくとも4つのフォールデッドカスコードトランジスタの第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタへ夫々結合され、第1フォールデッドカスコードトランジスタ及び第2フォールデッドカスコードトランジスタは第1導電型である、システム。
【0114】
要約が与えられ、読者が技術的開示の性質及び主旨を確かめることを可能にする。要約は、特許請求の範囲の適用範囲又は意義を制限するために使用されないとの理解の下で提出される。続く特許請求の範囲は、これをもって詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として独立している。
【0115】
[優先権の主張]
本願は、2019年1月28日付けで出願された米国特許出願第16/259934号の優先権を主張する。なお、先の米国出願は、全ての目的のためにその全文を参照により援用される。
【外国語明細書】