(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042033
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】機械的係止装置を有するパネルのセット
(51)【国際特許分類】
F16B 12/46 20060101AFI20240319BHJP
F16B 12/12 20060101ALI20240319BHJP
F16B 12/26 20060101ALI20240319BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
F16B12/46 A
F16B12/12 B
F16B12/26
F16B12/46 B
F16B5/10 H
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024009607
(22)【出願日】2024-01-25
(62)【分割の表示】P 2021509827の分割
【原出願日】2019-08-28
(31)【優先権主張番号】1851028-9
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(71)【出願人】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】ヨーアン、スベンソン
(72)【発明者】
【氏名】ペーター、デレレブ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工具を使用せずに容易に組み立てられるパネルを提供する。
【解決手段】第1パネル10と、第2パネル20と、第1、第2パネル10、20を係止するための機械的係止装置と、を含むセットにおいて、前記機械的係止装置は、第1縁部面(11)から第1角度(α1)で延び出す少なくとも1つのロッド形状要素(31)と、前記第2パネル面(22)から第2角度(α2)で前記第2パネル面(22)内に延び入る挿入溝(32)と、を含み、更に少なくとも1つの係止溝(35)と少なくとも1つの係止部(34)とを含み、前記係止溝(35)は、前記第1縁部面(11)または前記第2パネル面(22)から第3角度(β)で延びる少なくとも1つの係止面(37)を含み、前記係止部(34)は、前記係止溝(35)に挿入されるとともに前記係止面(37)に対して係止するように構成され、前記第3角度(β)は、前記第1角度(α1)と異なる。
【選択図】
図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネル(10)と、第2パネル(20)と、前記第1パネル(10)を前記第2パネル(20)に係止するための機械的係止装置と、を備えるセットにおいて、
-前記第1パネル(10)は、第1縁部面(11)と第1パネル面(13)とを備え、
-前記第2パネル(20)は、第2パネル面(22)を備え、
-前記第1および第2パネル(10、20)の係止状態において、前記第1縁部面(11)は、前記第2パネル面(22)に面しており、または平行であり、
-前記機械的係止装置は、前記第1縁部面(11)における少なくとも1つのロッド形状要素(31)と、前記第2パネル面(22)における少なくとも1つの挿入溝(32)と、を備え、
-前記ロッド形状要素(31)は、前記係止状態において、前記挿入溝(32)と協働するように構成され、
-前記ロッド形状要素(31)は、前記第1縁部面(11)から第1角度(α1)で延び出し、
-前記挿入溝(32)は、前記第2パネル面(22)から第2角度(α2)で前記第2パネル面(22)内に延び入り、
-前記機械的係止装置は、前記第2パネル面(22)における係止溝(35)および前記第1縁部面(11)における係止部(34)、または、前記第1縁部面(11)における係止溝(35)および前記第2パネル面(22)における係止部(34)を更に備え、
-前記係止溝(35)は、前記第1縁部面(11)または前記第2パネル面(22)から第3角度(β)で延びる少なくとも1つの係止面(37)を備え、
-前記係止部(34)は、前記係止状態において、前記係止溝(35)と協働するとともに前記係止面(37)に対して係止するように構成され、
-前記第3角度(β)は、前記第1角度(α1)と異なり、
-前記第1角度(α1)は、約30°乃至60°の範囲にある、または約40°乃至約50°の範囲にある、または約45°であり、
-前記機械的係止装置は、前記第1パネル(10)を前記第2パネル(20)に対して、前記第1パネル面(13)に本質的に平行である組立方向に変位させることにより、前記係止状態を得るように構成され、
-前記組立方向(111、112、114)は、前記第1角度(α1)および前記第2角度(α2)のうちの少なくとも一方に対して本質的に平行である、
セット。
【請求項2】
前記第3角度(β)は、前記第1角度(α1)より約45°乃至約90°大きい、
請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記係止面(37)の前記第3角度(β)は、約70°乃至110°の範囲にある、または約80°乃至100°の範囲にある、または約85°乃至95°の範囲にある、または約90°である、
請求項1乃至2のいずれか一項に記載のセット。
【請求項4】
前記係止部(34)は、可撓性を有する、
請求項1乃至3のいずれかに記載のセット。
【請求項5】
非屈曲/非圧縮状態にある前記係止部(34)は、前記係止溝(35)に部分的に配置されるように構成される、
請求項1乃至4のいずれかに記載のセット。
【請求項6】
前記係止部(34)は、ばねを備える、
請求項1乃至5のいずれかに記載のセット。
【請求項7】
前記係止部(34)は、前記第1縁部面(11)または前記第2パネル面(22)に設けられた係止部溝(38)に配置される、
請求項1乃至6のいずれかに記載のセット。
【請求項8】
屈曲/圧縮状態にある前記係止部(34)は、前記係止部溝(38)に実質的に配置されるように構成される、
請求項8に記載のセット。
【請求項9】
前記挿入溝(32)および前記係止溝(35)のうちの少なくとも一方は、ドリル孔である、
請求項1乃至8のいずれかに記載のセット。
【請求項10】
前記ドリル孔は、有底のドリル孔である、
請求項9に記載のセット。
【請求項11】
前記ロッド形状要素(31)は、前記第1縁部面(11)に設けられたロッド要素溝(36)に配置される、
請求項1乃至10のいずれかに記載のセット。
【請求項12】
前記セットは、前記第1パネル(10)の前記第1パネル面(13)における第1パネル溝(12)と、前記第2パネル(20)の前記第2パネル面(22)における第2パネル溝(23)と、を備える、
請求項1乃至11のいずれかに記載のセット。
【請求項13】
前記第1パネル溝(12)の幅(W1)は、前記第2パネル溝(23)の幅(W2)と本質的に同一である、
請求項12に記載のセット。
【請求項14】
前記セットは、前記第1および第2パネル溝(12、23)に挿入されるとともに、選択的にこれらと協働するように構成される背面パネル(40)を更に備える、
請求項12乃至13のいずれかに記載のセット。
【請求項15】
前記第1パネル(10)は、第2縁部面(14)を備え、
前記第2パネル(20)は、第3縁部面(24)を備え、
前記第1パネル溝(12)は、前記第2縁部面(14)と実質的に平行であり、
前記第2パネル溝(23)は、前記第3縁部面(24)と実質的に平行である、
請求項12乃至14のいずれかに記載のセット。
【請求項16】
前記第1パネル溝(12)は、前記第2縁部面(14)の全体に実質的に沿って延び、 前記第2パネル溝(23)は、前記第3縁部面(24)の全体に本質的に沿って延びる、
請求項12乃至15のいずれかに記載のセット。
【請求項17】
前記第1パネル溝(12)および前記第2パネル溝(23)のうちの少なくとも一方は、有底である、
請求項12乃至16のいずれかに記載のセット。
【請求項18】
1つの第1パネルと、1つの第2パネルと、1つの背面パネルとが組み付けられたとき、前記背面パネル(40)の前記第1パネル(10)の前記第1縁部(11)からの延出部(H)は、前記ロッド形状要素(31)の前記第1パネル(10)の前記第1縁部面(11)からの延出部より小さい、
請求項14乃至17のいずれかに記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、互いに対して垂直に配置され得るとともに、機械的係止装置により互いに係止され得るパネルに関する。パネルは、本棚、食器棚、衣装だんす、箱、引出、家具部品等の家具製品を得るべく、組み立てられて互いに係止され得る。
【背景技術】
【0002】
WO2015/038059号から明らかなように、機械的係止装置を有する家具製品が本技術で知られている。家具製品は、挿入溝内に可撓性タングを備える機械的係止装置により第2パネルに垂直に接続された第1パネルを含んでいる。
【0003】
様々の既知の態様についての上記の説明は、出願人のものの特徴であり、上述の説明が先行技術とみなされることを認めるものではない。
【0004】
本発明の実施形態は、容易に組み立てられ得るパネルを提供する必要性に応える。
【発明の概要】
【0005】
本発明のある態様の目的は、上記技術および既知の技術を改善することであり、特に、工具を使用する必要なく組み立てられるように構成されたパネルの組立を容易にすることである。
【0006】
本発明の少なくとも特定の態様の更なる目的は、製造および使用が簡単な係止装置により組み立てるように構成されたパネルの組立を容易にすることであり、パネルを誤って設置するリスクを低減する。
【0007】
本発明の少なくとも特定の態様の更なる目的は、より安定した美しい態様で組み立てるように構成されたパネルの組立を容易にすることである。
【0008】
詳細説明から明らかになる以上の目的および他の目的、ならびに利点の少なくともいくつかは、第1パネルと、第2パネルと、前記第1パネルを前記第2パネルに係止するための機械的係止装置と、を備えるセットにおいて、前記第1パネルは、第1縁部面と第1パネル面とを備え、前記第2パネルは、第2パネル面を備え、前記第1および第2パネルの係止状態において、前記第1縁部面は、前記第2パネル面に面し、および/または平行であり、前記機械的係止装置は、前記第1縁部面における少なくとも1つのロッド形状要素と、前記第2パネル面における少なくとも1つの挿入溝と、を備え、前記ロッド形状要素は、前記挿入溝に挿入されるように構成され、前記ロッド形状要素は、前記第1縁部面から第1角度で延び出し、前記挿入溝は、前記第2パネル面から第2角度で前記第2パネル面内に延び入り、前記機械的係止装置は、前記第1縁部面または前記第2パネル面に設けられた少なくとも1つの係止溝と、少なくとも1つの係止部とを更に備え、前記係止溝は、前記第1縁部面または前記第2パネル面から第3角度で延びる少なくとも1つの係止面を備え、前記係止部は、前記係止溝に挿入されるとともに前記係止面に対して係止するように構成され、前記第3角度は、前記第1角度と異なるセットにより達成された。
【0009】
一態様によれば、前記機械的係止装置は、前記第1パネルを前記第2パネルに対して、前記第1パネル面に本質的に平行である組立方向に変位させることにより、前記係止状態を得るように構成される。
【0010】
一態様によれば、前記第3角度は、前記第1角度より約45°乃至約90°大きい。
【0011】
一態様によれば、前記係止部は、前記第1端部面または前記第2パネル面に配置され、前記係止溝は、対向する前記第2パネル面または第1縁部面に配置される。
【0012】
一態様によれば、前記第1角度は、約30°乃至約60°の範囲にある、または約40°乃至約50°の範囲にある、または約45°である。
【0013】
一態様によれば、前記組立方向は、前記第1角度および前記第2角度のうちの少なくとも一方に対して本質的に平行である。
【0014】
一態様によれば、前記係止部は、可撓性を有する。
【0015】
一態様によれば、非屈曲/非圧縮状態にある前記係止部は、前記係止溝に部分的に配置されるように構成される。
【0016】
一態様によれば、前記係止部は、ばねを備える。
【0017】
一態様によれば、前記係止部は、前記第1縁部面または前記第2パネル面に設けられた係止部溝に配置される。
【0018】
一態様によれば、屈曲/圧縮状態にある前記係止部は、前記係止部溝に実質的に配置されるように構成される。
【0019】
一態様によれば、前記挿入溝および/または前記係止溝は、ドリル孔である。
【0020】
一態様によれば、前記ドリル孔は、有底のドリル孔である。
【0021】
一態様によれば、前記ロッド形状要素は、前記第1縁部面におけるロッド要素溝に配置される。
【0022】
一態様によれば、前記セットは、前記第1パネルの前記第1パネル面に設けられた第1パネル溝と、前記第2パネルの前記第2パネル面に設けられた第2パネル溝と、を備える
【0023】
一態様によれば、前記第1パネル溝の幅は、前記第2パネル溝の幅と本質的に同一である。
【0024】
一態様によれば、前記セットは、前記第1および第2パネル溝に挿入されるとともに、選択的にこれらと協働するように構成される背面パネルを更に備える。
【0025】
一態様によれば、前記第1パネルは、第2縁部面を備え、前記第2パネルは、第3縁部面を備え、前記第1パネル溝は、前記第2縁部面と実質的に平行であり、前記第2パネル溝は、前記第3縁部面と実質的に平行である。
【0026】
一態様によれば、前記第1パネル溝は、前記第2縁部面の全体に実質的に沿って延び、前記第2パネル溝は、前記第3縁部面の全体に本質的に沿って延びる。
【0027】
一態様によれば、前記第1パネル溝および/または前記第2パネル溝は、有底である。
【0028】
一態様によれば、1つの第1パネルと、1つの第2パネルと、1つの背面パネルとが組み付けられたとき、前記背面パネルの前記第1パネルの前記第1縁部からの延出部は、前記ロッド形状要素の前記第1縁部面からの延出部より小さい。
【0029】
一態様によれば、前記第1パネルおよび/または前記第2パネル20のコアは、MDF、HDF、OSB、WPC、合板、またはパーチクルボード等の木材ベースのコアであり得る。また、コアは、熱硬化性プラスチック、または、ビニル、PVC、PUやPET等の熱可塑性プラスチックからなるプラスチックコアであり得る。プラスチックコアは、フィラーを含み得る。
【0030】
また、前記第1パネルおよび/または前記第2パネルは、無垢材であり得る。
【0031】
前記第1パネルおよび/または前記第2パネルは、単数または複数の面上に、箔やベニヤ等の装飾層を設けられ得る。
【0032】
説明から明らかになり得る上記の認定された目的および他の目的、ならびに利点の少なくともいくつかは、上述の家具製品用の係止装置により達成された。
【0033】
本発明の実施形態が可能である以上のおよび他の態様、特徴および利点は、添付図面を参照しつつなされる本発明の実施形態および態様に関する以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの上方からの立体図。
【
図2】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの上方からの立体図。
【
図3】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの上方からの立体図。
【
図4】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの立体側面図。
【
図5A】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの側面図。
【
図6】本発明の一態様の組み立てられた状態のセットの側面図。
【
図7】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの側面図。
【
図9】本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットの側面図。
【
図11】2つの第1パネルと、2つの第2パネルと、1つの背面パネルと、を備えたセットであって、本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットを示す図。
【
図12】本発明の一態様の組み立てられた状態のセットの側面図。
【
図16】2つの第1パネルと2つの第2パネルとを備えたセットであって、本発明の一態様の組み立てられていない状態のセットを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の特定の実施形態を、添付図面を参照して説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態において具現化され得るものであって、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧且つ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝達するように提供される。添付図面に示す実施形態の詳細な説明において使用される用語は、本発明を限定することを意図したものではない。図面において、同様の符号は同様の要素を指す。
【0036】
本明細書中で使用される用語は、開示の特定の態様を単に説明することを目的としているにすぎず、開示を限定しようとするものではない。本明細書中で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び、「その(the)」は、文脈が別途明確に示唆しなければ、複数形も含むように意図される。
【0037】
図面および明細書において、本開示の例示的な態様が開示されている。しかしながら、本開示の原理から実質的に逸脱することなく、これらの態様を様々に変更および変形することができる。したがって、本開示は、限定的ではなく例示的であるとみなされるべきであり、上述の特定の態様に限定されるものではない。したがって、特定に用語が使用されるが、それらは一般的且つ説明的な意味でのみ使用されるものであり、限定を目的とするものではない。例えば、幅、または横幅、または高さ、または長さ、または直径等の寸法の定義は、例示的な態様がいかに描写されるかに依存する。したがって、描写が異なった態様でなされる場合、ある描写で示された幅または直径は、別の描写では長さまたは厚さである。
【0038】
「備える」という単語が挙げられた要素又はステップ以外の要素又はステップの存在を必ずしも排除するものではなく、また、要素に先行する「1つの(a)」又は「1つの(an)」という単語が複数のそのような要素の存在を排除しないことに留意すべきである。更に、参照符号のいずれも特許請求の範囲を限定するものではなく、態様の例がハードウェア及びソフトウェアの両方によって少なくとも部分的に実施されてもよく、及び、幾つかの「手段」、「ユニット」、又は、「装置」がハードウェアの同一アイテムにより表わされてもよいことに留意すべきである。
【0039】
本明細書中に開示される本発明の異なる態様、代替物、及び、実施形態は、本明細書中に記載される他の態様、代替物、及び、実施形態のうちの1つ以上と組み合わせられ得る。2つ以上の態様を組み合わせることができる。
【0040】
セットを含む本発明の実施形態を
図1乃至16に示す。セットは、第1パネル10と、第2パネル20と、第1パネル10を第2パネル20に係止するための機械的係止装置と、を備えている。第1パネル10は、第1縁部面11と第1パネル面13とを備えている。第2パネル20は、第2パネル面22を備えている。第1および第2パネル10、20の係止状態において、第1縁部面11は、第2パネル面22に面している、または平行である。機械的係止装置は、第1縁部面11における少なくとも1つの要素31と、第2パネル面22おける少なくとも1つの挿入溝32と、を備えている。要素31はロッド形状を有し得る。ロッド形状要素31は、挿入溝32内に挿入されるように構成されている。ロッド形状要素31は、第1縁部面11から第1角度α1で延び出し、挿入溝32は、第2パネル面22から第2角度α2で第2パネル面22内に延び入る。複数の要素31が存在する場合、各要素31は、他の各要素31と互いに平行に配置され得る。複数の挿入溝32が存在する場合、各挿入溝32は、他の挿入溝32と互いに平行に配置され得る。機械的係止装置は、第1縁部面11または第2パネル面における少なくとも1つの係止溝35と、少なくとも1つの係止部34と、を更に備える。係止溝35は、第1縁部面11または第2パネル面22から第3角度βで延びる少なくとも1つの係止面37を備えている。係止部34は、係止溝35に挿入されるとともに係止面37に対して係止するように構成される。第3角度βは、第1角度α1と異なっている。
【0041】
第1パネル10および第2パネル20は、家具製品用のパネルであり得るとともに、家具製品のフレームの一部であり得る。
【0042】
当該セットは、第1パネル面13が第2パネル面22に対して垂直または本質的に垂直である状態で、第1パネルを第2パネル20に係止するように構成され得る。
【0043】
第2パネル20は、第4縁部面25を備え得る。挿入溝32は、第4縁部面25に隣接して配置され得る。当該セットは、第1パネル面13が第4縁部面25に対して平行または本質的に平行である状態で、第1パネル10を第2パネル20に係止するように構成され得る。
【0044】
図1-3、5A、7、8、11および16は、一態様による組み立てられていない状態のセットを開示する。
図4、6、9および12-14は、一態様による組み立てられた状態のセットを開示する。セットは、第1パネルを第2パネル20に対して、第1パネル面13に本質的に平行である組立方向111、112、114に変位させることにより、組み立てられ得る。ロッド形状要素31が挿入溝32内に挿入されるとともに、係止部34が係止溝35に挿入されて係止面37に対して係止したとき、機械的係止装置は、第1パネル10を第2パネル20に自動的に係止するように構成され得る。第1縁部面11が第1パネル面22に対して配置されると、セットは係止され得る。
【0045】
第3角度βは、第1角度α1および/または第2角度α2より約45°乃至約90°大きくてもよい。
【0046】
係止部34は、第1縁部面11または第2パネル面22に配置され得る。係止溝35は、対向する第2パネル面22または第1縁部面11に配置される。
【0047】
第1角度α1および/または第2角度α2は、約30°乃至60°の範囲にある、または約40°乃至50°の範囲にある、または約45°であり得る。第1角度α1と第2角度α2とは、平行または本質的に平行であり得る。
【0048】
組立方向111、112、114は、第1角度α1および/または第2角度α2に対して本質的に平行であり得る。
【0049】
係止面37の第3角度βは、約70°乃至110°の範囲にあり得る、または約80°乃至100°の範囲にある、または約85°乃至95°の範囲にあり得る、または約90°であり得る。
【0050】
係止部34は、可撓性を有し得る。
【0051】
非屈曲/非圧縮状態にある係止部34は、係止溝35に部分的に配置されるように構成され得る。
【0052】
係止部34は、ばねを備え得る。
【0053】
係止部34は、第1縁部面11または第2パネル面22に設けられた係止部溝38に配置され得る。
【0054】
屈曲/圧縮状態にある係止部34は、係止部溝38に実質的に配置されるように構成され得る。
【0055】
第1パネル10と第2パネル20とが一体に組み付けられたとき、係止部34は、圧縮されるとともに係止部溝38に実質的に配置される。係止部34は、係止部34の圧縮を容易にするばねを備え得る。第1パネル10を第2パネル20に対して組立方向に変位させると、ロッド形状要素31が挿入溝32に挿入されるようになる。係止部34が係止溝35に接触すると、係止部34は係止部溝38から進展して係止溝35内に突出し得る。係止部34の一部が係止溝35に配置されていることにより、第パネル10が第2パネルに対して組立方向と反対の方向に変位することが防止されるため、第1パネル10と第2パネル20とはこうして互いに係止されるであろう。
【0056】
挿入溝32および/または係止溝35は、ドリル孔であり得る。ドリル孔は、有底のドリル孔であり得る。
【0057】
挿入溝32は、直径D2を有し得る。
【0058】
図8に示すように、挿入溝32は、組立中にロッド形状要素を案内するように構成された面取部60または丸みを備え得る。
【0059】
ロッド形状要素31は、第1パネル10の第1縁部面11に設けられた、または第2パネル20の第2パネル面22に設けられたロッド要素溝36に配置され得る。
【0060】
ロッド形状要素31は、直径D1を有し得る。挿入溝32の直径D2は、ロッド形状要素31の直径D1より大きくてもよい。最適な組立を目的として、挿入溝32の直径D2は、ロッド形状要素31の直径D1より約0.3乃至約0.8mm大きくてもよい。
【0061】
一態様によれば、セットは、第1パネル10の第1パネル面13における第1パネル溝12、および/または第2パネル20の第2パネル面22における第2パネル溝23を備え得る。
【0062】
第1パネル面13における第1パネル溝12は、幅W1を備え得る。
【0063】
第2パネル面22における第2パネル溝23は、幅W2を備え得る。
【0064】
第1パネル溝12の幅W1は、第2パネル溝23の幅W2と本質的に同一であり得る。
【0065】
セットは、背面パネル40を更に備え得る。背面パネル40は、第1パネル溝12および第2パネル溝23に挿入されるとともに、選択的にこれらと協働するように構成され得る。
【0066】
図6は、背面パネル40を第1パネル10および第2パネル20に対して、第2パネル20の第2パネル面22に対して本質的に垂直である組立方向113に変位させることにより、背面パネル40が第1パネル10および第2パネル20に組み付けられ得ることを示す。背面パネル40の厚さTは、第1パネル溝12および/または第2パネル溝23の幅W1、W2と本質的に同一であり得る。
【0067】
背面パネル40と第1パネル溝12および/または第2パネル溝23との間には、遊びがあってもよい。これにより、背面パネル40の縁部が、第1パネル溝12および/または第2パネル溝23において変位しやすくなる。この遊びは、約0mm乃至約0.5mm、または約0.1mm乃至約0.2の範囲にあり得る。
【0068】
一態様において、第1パネル溝12および/または第2パネル溝23の幅W1、W2から背面パネル40の厚さTを引いたもの、すなわち、ΔWは、第1パネル10、第2パネル20、および背面パネル40が組み付けられた後の第1パネル10または第2パネル20に対する背面パネル40の延出部Hに等しいか、またはこれより大きい。すなわち、ΔW≧Hである。
図12-15を参照されたい。
【0069】
図13は、背面パネル40を第1パネル溝12および/または第2パネル溝23に対して位置決めするための位置決め要素50を備える実施形態を示す。位置決め要素50は、第1楔要素51と第2楔要素52とを備え得る。
【0070】
一実施形態において、Hは、ロッド形状要素31の第1縁部面11からの延出部Dより小さい。
【0071】
ロッド形状要素31は、第1縁部面11に沿った延出部Eを有し得る。
【0072】
一態様において、2つの第1パネル10および2つの第2パネル20を備えるセットを組み立てる場合、少なくとも1つのパネル10、20は、第1パネル溝12および/または第2パネル溝23内で背面パネル40の延出部Hが変位することを許容する第1パネル溝12および/または第2パネル溝23の幅W1、W1を有し得る。変位は、ΔW以上である。一態様において、パネルの製造を容易とすべく、全てのパネル10、20が、同一の第1パネル溝12および/または第2パネル溝23の幅W1、W2を有している。
【0073】
背面パネル40の長さは、背面パネル40の延出部Hを避けて設計され得る。背面パネル40の縁部は、第1パネル10の第1縁部面11と本質的に同一平面であり得る。
【0074】
図15は、第1パネル溝12を有する第1パネル10の実施形態の側面図である。第1パネル溝12は、幅W1及び高さH1を有し得る。第1パネル10は、第2縁部面14を備え得る。第2パネル20は、第3縁部面24を備え得る。第1パネル溝12は、第2縁部面14に対して実質的に平行であり得る。第2パネル溝23は、第3縁部面24に対して実質的に平行であり得る。
【0075】
第1パネル溝12は、第2縁部面14の全体に実質的に沿って延び得る。第2パネル溝23は、第3縁部面24の全体に本質的に沿って延び得る。
【0076】
第1パネル溝12および/または第2パネル溝23は、有底であり得る。
【0077】
第1パネル溝12および/または第2パネル溝23は、フライス加工または鋸引き等の機械的切削により形成され得る。
【0078】
第1パネル溝12は、第1パネル面13において第1パネル10のコアに形成され得る。第2パネル溝23は、第2パネル面22において第2パネル20のコアに形成され得る。
【0079】
第1縁部面11は、2つ以上の前記ロッド形状要素31を備え得るとともに、第2パネル面22は、2つ以上の前記挿入溝32を備え得て、この逆も可能であり、2つ以上の前記挿入溝32は、直線状に配置され得る。各ロッド形状要素31は、1つの挿入溝32に挿入されるように構成されている。
【0080】
第1パネル10の第2パネル20に対する第2パネル面22に平行な方向における係止は、係止溝46に挿入されるとともに係止面37に対して係止する係止部45によって得られ得る。係止面は、第1縁部面11から第3角度βで延びる。第3角度βは、第1角度α1より約45°乃至約90°大きい。
【0081】
第2パネル面22に平行な面に設けられた挿入溝32の横断面は、第1縁部面11に平行な平面に設けられたロッド形状要素31の横断面に対応する形状を有し得る。これは、第1パネル10の第2パネル20に対する係止が向上するという点、およびパネルのセットの組立が容易になるという点で有利であり得る。
【0082】
ロッド形状要素31および挿入溝32を、
図5A-8および10により詳細に開示する。これらの図は、ロッド形状要素31および挿入溝32に沿った横断面を示す。
【0083】
図5Aは、係止部34の外縁部に設けられたガイド面87を備える係止部34の実施形態を示す。ガイド面は、係止部34を係止溝35内に挿入する際に、係止溝35の外縁部と協働するように構成されている。
【0084】
図5Bは、ロッド形状要素31の実施形態を示す。ロッド形状要素31は、細長い形状を有し得るとともに、長さ方向86と、幅方向85と、長さ方向に延びる中心線81と、を備え得る。一態様によれば、ロッド形状要素31は、第1縁部面11に設けられたロッド要素溝36に挿入されるように構成される。
【0085】
一態様によれば、ロッド形状要素31は、第2パネル面22におけるロッド要素溝36に挿入されるように構成される。
【0086】
一態様によれば、ロッド形状要素31は、ロッド要素溝36内に摩擦により取り付けられるように構成され得る。
【0087】
一態様によれば、ロッド形状要素31は、ロッド要素溝36内に接着されるように構成され得る。
【0088】
一態様によれば、ロッド形状要素31、ロッド要素溝36、および挿入溝32は、実質的に円形の形状を有し得るが、三角形、長方形、正方形等の他の形状も可能である。
【0089】
一態様によれば、係止溝35および係止部34は、実質的に円形の形状を有し得るが、三角形、長方形、正方形等の他の形状も可能である。
【0090】
図7に示す一態様によれば、第1縁部面11は、少なくとも1つの要素31を有し得る一方、対向する縁部面は、少なくとも1つの挿入溝32を有し得る。
【0091】
別の態様によれば、第1縁部面11は、少なくとも1つの要素31と少なくとも1つの挿入溝32とを組み合わせて有し得る。対応する第2パネル面22は、少なくとも1つの挿入溝32と少なくとも1つの要素31とを対応するように組み合わせて有し得る。
【0092】
図8に示す一態様によれば、少なくとも1つのロッド形状要素31の位置は、第2縁部面14から第1距離83を置いて配置され得る。第1距離は、第2縁部面14からロッド形状要素31の中心線81までの寸法であり得る。対応する挿入溝32は、第3縁部面24から第2距離84を置いて配置され得る。第2距離は、第3縁部面24から挿入溝32の中心線82までの寸法であり得る。第1距離は、第2距離と異なり得る。これにより、係止力が増大し得る。
【0093】
第1距離と第2距離との差は、約0.1mm乃至約0.5mmの範囲にあり得る。
【0094】
一態様によれば、ロッド形状要素31は、木質材料やポリマー材料のうちの1つ以上から構成される。ポリマー材料は、ガラスファイバーや金属等の補強材を含み得る。
【0095】
一態様によれば、組立を容易とするように、ロッド形状要素31は、ワックス加工された表面を有し得る。
【0096】
一態様によれば、ロッド形状要素31は、係止状態において、挿入溝32の底面と協働するように構成され得る。
【0097】
挿入溝32および係止溝35の側壁は、第1パネル10または第2パネル20のコアの材料から構成され得る。これは、これらがいずれのパネルに作製されるかに依存する。一態様によれば、それらは、例えば金属やガラスファイバーで補強され得る。
【0098】
一態様によれば、第1パネル溝12および/または第2パネル溝23は、液体で含侵され得る/補強され得る。
【0099】
一態様によれば、第1パネル10と第2パネル20とは、第1パネル10を第2パネル20に対して、
図5A、11および16に示すように、第1パネル面13に本質的に平行である組立方向に変位させることにより組み付けられ得る。一態様によれば、第1パネル10の第2パネル20に対する前記変位により、ロッド形状要素31が挿入溝32内に挿入されるとともに、係止部34が係止溝35に挿入されて係止面37に対して係止したとき、機械的係止装置は、第1パネル10を第2パネル20に自動的に係止するように構成される。第1縁部面11が第1パネル面22に対して配置されると、セットは係止され得る。
【0100】
一態様によれば、第1パネル10は、2つ以上の上述の前記第2縁部面11を備え得る。換言すれば、
図2-4、9、11、12、および16に開示するように、単数または複数のロッド形状要素31が、第1パネル10の2つ以上の縁部に配置され得る。
【0101】
一態様によれば、第2パネル20は、2つ以上の上述の前記第4縁部面25を備え得る。換言すれば、
図1-4、9、11、12および16に開示するように、単数または複数の前記挿入溝32が、第2パネル10の2つ以上の縁部に隣接して配置され得る。
【0102】
一態様によれば、
図11に示すように、2つの第1パネル10と、2つの第2パネル20と、1つの背面パネル40とが、組み付けられ得る。
【0103】
第1パネル10の左側の実施形態は、第2パネル20の底部側の実施形態に、第1パネル10の左側の実施形態を第2パネル20の底部側の実施形態に対して組立方向111に変位させることにより組み付けられ得る。第1パネル10の右側の実施形態は、第2パネル20の底部側の実施形態に、第1パネル10の右側の実施形態を第2パネル20の底部側の実施形態に対して組立方向112に変位させることにより組み付けられ得る。背面パネル40の実施形態は、第1パネル10の左側および右側の実施形態および第2パネル20の底部側の実施形態に、背面パネル40の実施形態を第2パネル20の底部側の実施形態の第2パネル面22に対して本質的に垂直である組立方向113に変位させることにより組み付けられ得る。第2パネル20の頂部側の実施形態は、第1パネル10の左側および右側の実施形態および背面パネル40の実施形態に、第2パネル20の頂部側の実施形態を組立方向114に変位させることにより組み付けられ得る。
【0104】
一態様によれば、
図16に示すように、2つの第1パネル10と2つの第2パネル20とが、組み付けられ得る。
【0105】
第1パネル10の左側の実施形態は、第2パネル20の底部側の実施形態に、第1パネル10の左側の実施形態を第2パネル20の底部側の実施形態に対して組立方向111に変位させることにより組み付けられ得る。第1パネル10の右側の実施形態は、第2パネル20の底部側の実施形態に、第1パネル10の右側の実施形態を第2パネル20の底部側の実施形態に対して組立方向112に変位させることにより組み付けられ得る。第2パネル20の頂部側の実施形態は、第1パネル10の左側および右側の実施形態および背面パネル40の実施形態に、第2パネル20の頂部側の実施形態を組立方向114に変位させることにより組み付けられ得る。
【0106】
係止状態において第1パネル10のパネル溝12に挿入され得る背面パネル40の長さ93は、第1パネルの第2縁部面14での第1パネル10の長さ94と本質的に同一であり得るか、またはこれより大きくてもよい。背面パネル40の長さ93は、第1パネル10の長さ94に、パネル溝12の高さH1の約半分乃至パネル溝12の高さH1の約2倍を加えたものに等しくてもよいし、または第1パネル10の長さ94に、パネル溝12の高さH1を加えたものに等しくてもよい。
図11は、背面パネルの上側縁部87と背面パネルの下側縁部88との間で延びる背面パネル40の長さ93を示す。
【0107】
図17A-Dは、組立中のセットの実施形態の部分拡大図である。
図17Aは、背面パネル40が第1パネル10のパネル溝12に挿入された第1状態の実施形態を示す。背面パネル40の上側縁部87は、第1パネル第1縁部面11の下方にある。
図17Cは、この第1状態において、背面パネルの下側縁部88が、下側の第2パネル20のパネル溝23の下面89に接触し得ることを示す。
図17Bは、上側の第2パネル20を114に変位させて第1パネル10に組み付けるとともに、背面パネル40を、背面パネル40の上側縁部87が上側の第2パネル20のパネル溝23内に達する位置まで変位させた第2状態の実施形態を示す。
図17Dは、この第2状態において、背面パネルの下側縁部88が、下側の第2パネル20のパネル溝23の下面89から距離91を置き得ることを示す。背面パネル40の下側縁部88は、第2パネルの第2パネル面22から距離91を置いて配置され得る。この距離は、第2パネルのパネル溝23の高さH2の約1/3乃至約2/3の範囲にあり得る、または第2パネルのパネル溝23の高さH2の約半分であり得る。
【0108】
下側の第2パネル溝のパネル溝23の高さH2は、上側の第2パネル溝のパネル溝23の高さH2より大きくてもよい。セットを回転させて、重力によって背面パネルが変位することにより、背面パネル40の上側縁部87が上側の第2パネル20のパネル溝23内に入る状態を得るようにしてもよい。
【0109】
背面パネルは、重力または手で変位させることができる。背面パネル40の上側縁部87が上側の第2パネル20のパネル溝23内にある状態は、位置決め要素92をパネルと第1パネルのパネル溝12との間、および/または背面パネルと第2パネルのパネル溝23との間に配置することによって維持され得る。
【0110】
第1パネル溝12の実施形態は、背面パネル40の厚さTと本質的に同一の幅W1を含み得る。第1パネル溝12の一部は、より幅広であってもよい。これにより、位置決め要素50の実施形態を背面パネルと第1パネル溝12との間に配置することが可能となり得るため、背面パネル40の上側縁部87が上側の第2パネル20のパネル溝23内にある状態が維持される。
【0111】
第2パネル溝24の実施形態は、背面パネル40の厚さTと本質的に同一の幅Wを含み得る。第2パネル溝23の一部は、より幅広であってもよい。これにより、位置決め要素50の実施形態を背面パネル40と第2パネル溝23との間に配置することが可能となり得るため、背面パネル40の上側縁部87が上側の第2パネル20の第2パネル溝23内にある状態が維持される。
【0112】
WO2019125292またはWO2019125291に開示された係止装置4の実施形態により、背面パネルは変位可能であり得るとともに、背面パネル40の上側縁部87が上側の第2パネル20のパネル溝23内にある状態が維持され得る。
【0113】
第1パネル10および/または第2パネル20のコアは、MDF、HDF、OSB、WPC、合板、またはパーチクルボード等の木材ベースのコアであり得る。また、コアは、熱硬化性プラスチック、または、ビニル、PVC、PUやPET等の熱可塑性プラスチックからなるプラスチックコアであり得る。プラスチックコアは、フィラーを含み得る。
【0114】
また、第1パネル10および/または第2パネル20は、無垢材であり得る。
【0115】
第1パネル10および/または第2パネル20は、単数または複数の面上に、箔やベニヤ等の装飾層を設けられ得る。
【0116】
一態様によれば、パネルのセットは、弾性を有するパネルである。弾性を有するパネルは、熱可塑性材料からなるコアを備え得る。熱可塑性材料は発泡させてもよい。
【0117】
熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらの組み合わせを含み得る。コアは、複数の層で形成され得る。
【0118】
上述の態様は、熱可塑性材料からなる装飾箔等の装飾層を備え得る。装飾層の熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらの組み合わせであり得る、またはこれらを含み得る。装飾箔は、例えば直接印刷、グラビア印刷、またはデジタル印刷により印刷され得る。一態様によれば、装飾層は、メラミン、高圧ラミネート(HPL)またはベニヤからなる。
【0119】
上述の態様は、フィルムまたは箔等の摩耗層を備え得る。摩耗層は、熱可塑性材料からなり得る。熱可塑性材料は、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート、メタクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリブチレンテレフタレート、またはこれらの組み合わせであり得る。
【0120】
上述の態様は、HDF、MDF、合板、パーチクルボード、OSBまたはメゾナイト等の木材ベースコアを備え得る。
【0121】
上述の種々の態様、実施形態および代替案は、記載された別の態様、実施形態及び代替案の単数または複数の組み合わせることができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1パネル(10)と、第2パネル(20)と、前記第1パネル(10)を前記第2パネル(20)に係止するための機械的係止装置と、を備えるセットにおいて、
-前記第1パネル(10)は、第1縁部面(11)と第1パネル面(13)とを備え、
-前記第2パネル(20)は、第2パネル面(22)を備え、
-前記第1および第2パネル(10、20)の係止状態において、前記第1縁部面(11)は、前記第2パネル面(22)に面しており、または平行であり、
-前記機械的係止装置は、前記第1縁部面(11)における少なくとも1つのロッド形状要素(31)と、前記第2パネル面(22)における少なくとも1つの挿入溝(32)と、を備え、
-前記ロッド形状要素(31)は、前記係止状態において、前記挿入溝(32)と協働するように構成され、
-前記ロッド形状要素(31)は、前記第1縁部面(11)から第1角度(α1)で延び出し、
-前記挿入溝(32)は、前記第2パネル面(22)から第2角度(α2)で前記第2パネル面(22)内に延び入り、
-前記機械的係止装置は、前記第2パネル面(22)における係止溝(35)および前記第1縁部面(11)における係止部(34)を更に備え、前記係止部(34)は、可撓性を有し、且つ、ばねを備え、
-前記係止溝(35)は、前記第1縁部面(11)または前記第2パネル面(22)から第3角度(β)で延びる少なくとも1つの係止面(37)を備え、
-前記係止部(34)は、前記係止状態において、前記係止溝(35)と協働するとともに前記係止面(37)に対して係止するように構成され、
-前記第3角度(β)は、前記第1角度(α1)と異なり、
-前記第1角度(α1)は、約30°乃至60°の範囲にある、または約40°乃至約50°の範囲にある、または約45°であり、
-前記機械的係止装置は、前記第1パネル(10)を前記第2パネル(20)に対して、前記第1パネル面(13)に本質的に平行である組立方向に変位させることにより、前記係止状態を得るように構成され、
-前記組立方向(111、112、114)は、前記第1角度(α1)および前記第2角度(α2)のうちの少なくとも一方に対して本質的に平行であり、
非屈曲/非圧縮状態にある前記係止部(34)は、前記係止溝(35)に部分的に配置されるように構成され、
前記係止部(34)は、前記第1縁部面(11)に設けられた係止部溝(38)に配置され、
屈曲/圧縮状態にある前記係止部(34)は、前記係止部溝(38)に実質的に配置されるように構成される、
セット。
【請求項2】
前記第3角度(β)は、前記第1角度(α1)より約45°乃至約90°大きい、
請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記挿入溝(32)および前記係止溝(35)のうちの少なくとも一方は、ドリル孔である、
請求項1又は2のいずれかに記載のセット。
【請求項4】
前記ドリル孔は、有底のドリル孔である、
請求項3に記載のセット。
【請求項5】
前記ロッド形状要素(31)は、前記第1縁部面(11)に設けられたロッド要素溝(36)に配置される、
請求項1乃至4のいずれかに記載のセット。
【請求項6】
前記セットは、前記第1パネル(10)の前記第1パネル面(13)における第1パネル溝(12)と、前記第2パネル(20)の前記第2パネル面(22)における第2パネル溝(23)と、を備える、
請求項1乃至5のいずれかに記載のセット。
【請求項7】
前記第1パネル溝(12)の幅(W1)は、前記第2パネル溝(23)の幅(W2)と本質的に同一である、
請求項6に記載のセット。
【請求項8】
前記セットは、前記第1および第2パネル溝(12、23)に挿入されるとともに、選択的にこれらと協働するように構成される背面パネル(40)を更に備える、
請求項6又は7に記載のセット。
【請求項9】
前記第1パネル(10)は、第2縁部面(14)を備え、
前記第2パネル(20)は、第3縁部面(24)を備え、
前記第1パネル溝(12)は、前記第2縁部面(14)と実質的に平行であり、
前記第2パネル溝(23)は、前記第3縁部面(24)と実質的に平行である、
請求項6乃至8のいずれかに記載のセット。
【請求項10】
前記第1パネル溝(12)は、前記第2縁部面(14)の全体に実質的に沿って延び、
前記第2パネル溝(23)は、前記第3縁部面(24)の全体に本質的に沿って延びる、
請求項9に記載のセット。
【外国語明細書】