(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042039
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】コンベヤシステムの状態を監視する方法、および方法を実行するための制御装置、電動ローラ、およびコンベヤシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 43/02 20060101AFI20240319BHJP
B65G 39/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
B65G43/02 Z
B65G39/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024010444
(22)【出願日】2024-01-26
(62)【分割の表示】P 2020550912の分割
【原出願日】2018-12-10
(31)【優先権主張番号】102017129459.7
(32)【優先日】2017-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】521268576
【氏名又は名称】インターロール ホールディング アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Interroll Holding AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ハンペ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルベルト・ヘンツェ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンベヤシステムの状態監視のための改善された方法、および、この方法を実行するための改善された制御装置、電動ローラ、コンベヤ領域、コンベヤ部、およびコンベヤシステムを提供する。
【解決手段】方法は、参照動作状態の存在をチェックするステップ、参照動作状態が存在する場合に電動ローラの電流を決定するステップ、および決定された電動ローラの電流を参照動作状態に対する参照値と比較するステップを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ローラおよび制御装置を有するコンベヤシステムにおける状態監視の方法であって
、
参照動作状態の存在をチェックするステップと、
前記参照動作状態が存在する場合、前記電動ローラの電流を決定するステップと、
決定された前記電動ローラの電流を前記参照動作状態に対する参照値と比較するステップと、を含む、方法。
【請求項2】
決定された前記電動ローラの電流が前記参照動作状態に対する前記参照値から逸脱しているかどうかをチェックするステップ、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
決定された前記電動ローラの電流の前記参照動作状態に対する前記参照値との比較に基づいて障害状態を導出するステップ、を含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンベヤシステムの動作状態センサからの信号を受信して、前記信号を使用して決定された前記電流を制限するステップを含む、および/または、
温度を決定して、決定された前記温度を使用して決定された前記電流を制限するステップを含む、および/または、
前記電動ローラの動作時間を検出して、検出された前記動作時間を使用して決定された前記電流を制限するステップを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記動作状態センサの信号が、前記電動ローラの所定の状況、例えばアイドリング状況または加速状況を示すこと、
決定された前記温度が所定の範囲内にあること、および、
検出された前記動作時間が所定の範囲内にあること、
のうち少なくとも2つ、好ましくは3つまたはすべての以下の条件が存在する場合に、前記参照動作状態の前記存在を識別するステップを含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記電動ローラと、コンベヤローラ、例えばベルトのような前記電動ローラから前記コンベヤローラへ駆動力を伝達する伝達要素、および、前記電動ローラおよび/または前記コンベヤローラを回転可能に取り付けるためのベアリング、のうち1つ、2つ以上、またはすべての要素と、を含むコンベヤ領域が提供される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
2つ以上のコンベヤローラが提供される、および/または、
制御装置により制御される2つ以上の電動ローラが提供される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の1つ、2つ以上、またはすべてのステップが、それぞれの電動ローラおよび/またはそれぞれのコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域のそれぞれのさらなる要素に対して個別に実行される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の1つ、2つ以上、またはすべてのステップが、2つ以上の電動ローラおよび/または2つ以上のコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域の2つ以上のさらなる要素に対して、共通の制御装置により実行される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
コンベヤ領域の2つ以上の前記電動ローラの決定された前記電流を比較するステップ、を含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
同じコンベヤ領域のさらなる電動ローラの決定された前記電流は比較に対する参照値として使用される、
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記参照動作状態に対する前記参照値を決定するステップ、を含み、
前記参照動作状態に対する前記参照値を決定するステップは、
前記制御装置が参照値の決定を要求すること、
前記制御装置および/または前記電動ローラが交換および/または変更されること、
コンベヤ領域の要素が交換および/または変更されること、
前記電動ローラおよび/または前記制御装置および/または前記コンベヤ領域の要素が作動状態となった後であること、
特定の温度を、すでに、少なくとも1回達成する、または下回る、または超えること
、
前記電動ローラが最小回転数および/または最小動作時間を達成するまたは超えること、
特定の温度が存在すること、
特定の温度が知られていること、および、
特定の温度に対する温度計数が存在し、前記参照値の決定において考慮されること、 のうち、好ましくは少なくとも2つ、好ましくは3つまたはすべての条件が存在する場合に、前記電動ローラの電流を決定することを含む、
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記参照動作状態を達成するように、前記電動ローラおよび/または前記コンベヤ領域および/または前記コンベヤシステムを作動させるステップ、を含む、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記電動ローラおよび/または前記コンベヤ領域および/または前記コンベヤシステムの作動は、
決定された前記温度が所定の範囲内にあること、および、
決定された前記動作時間が所定の範囲内にある、
のうち少なくとも1つの条件が存在する場合に前記参照動作状態を達成するように、実行される、
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記参照動作状態を達成するように、前記電動ローラおよび/または前記コンベヤ領域および/または前記コンベヤシステムの作動が実行され、
前記電動ローラを所定の状況、例えば、アイドリング状況または加速状況に至らせる制御信号を生成するステップ、を含む、
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
決定された前記電動ローラの電流の前記参照動作状態に対する前記参照値との比較に基づいて制御信号を生成するステップ、を含む、
請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
制御信号は、決定された前記電動ローラの電流の前記参照動作状態に対する前記参照値からの逸脱に依存して、前記電動ローラの電力の変化を提供する、
請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
電動ローラおよび/またはコンベヤシステムのコンベヤ領域のための制御装置であって、
請求項1から17のいずれか1項に記載の状態監視の方法を実行するよう設計される、
制御装置。
【請求項19】
コンベヤシステムのための電動ローラであって、
請求項1から17のいずれか1項に記載の状態監視の方法を実行するよう設計される、
電動ローラ。
【請求項20】
電動ローラおよび制御装置を有するコンベヤシステムであって、
請求項1から17のいずれか1項に記載の状態監視の方法を実行するよう設計される、
コンベヤシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベヤシステムにおける状態監視の方法、およびこの方法を実行するための制御装置、電動ローラ、コンベヤ領域、コンベヤ部、およびコンベヤシステムに関する
。
【0002】
コンベヤシステムは、物流用途において様々な目的で使用されている。したがって、コンベヤシステムは、例えば、パレット搬送、小包配送センタでの小包の搬送、様々なタイプの保管場所におけるコンテナの搬送、または空港における手荷物輸送、および多くの他の用途で使用することができる。ここで、コンベヤシステムは、通常、互いに隣接して配置された複数のローラをそれぞれが含み、その周面がそれぞれ搬送物(conveyable items)を受けるのに役立つ、1つまたは複数のコンベヤ部を備える。同様に、電動ローラは、電動ローラによりベルトおよび/またはバンドを駆動するベルトコンベヤおよび/またはバンドコンベヤを有するコンベヤシステムで使用することができる。ベルトおよび/またはバンドは、搬送物を受け取るのに役立つ。
【0003】
これらのコンベヤ部において、一方では、駆動なしで(driveless)、コンベヤフレーム内でのみ回転可能なように取り付けられた、アイドルローラ(idling rollers)またはスレーブローラ(slave rollers)とも呼ばれる非駆動コンベヤローラを配置することができる。これらのコンベヤ部において、駆動コンベヤローラとも呼ばれ、電動式であり、電気駆動ユニットによって回転するよう設定された電動ローラも配置することができる。一方、電動ローラは、そのローラ本体の外周面を介して直接搬送物を輸送する役割を果たすことができる。一方で、電動ローラにより、伝達要素、例えば、ベルト駆動により1つまたは複数のアイドルローラに対して電動ローラの回転を伝達することにより、1つまたは複数のアイドルローラが、その外周面を介して搬送物を駆動することもできるような回転状態に設定されることも可能となる。
【0004】
コンベヤローラ、および特に電動ローラは、例えば、本出願人の、DE 10 2006 054 575 A1、EP 1 02 1664 B1、DE 20 2009 012 822 U1、DE 10 2015 104 130、DE 10 2015 114
030、またはDE 10 2016 120 415から知られている。
【0005】
コンベヤ部から制御装置へ実際の状態を伝達し、制御装置から電動ローラへ所望の状態を伝達するための特定の伝達機構を必要とする一般的な制御および規制要件に加えて、そのような電動ローラに課される1つの要件は、高い信頼性でそのようなコンベヤ部の動作を実行することが望ましいという事実である。これは、典型的なイントラロジスティック(intralogistic)用途は、通常、搬送の要件を含むという事実に基づく。搬送の要件において、コンベヤ部の故障は、深刻な時間遅延および妨害を引き起こすコンポーネントを交換するための純粋な金銭的の投入をはるかに超える金銭的な損失を伴う。さらに、コンベヤ部において、多数の技術的に同一のシステムを構成する多数のそのような電動ローラが使用されているということは、多くの場合事実である。しかし、単一の電動ローラの故障は、コンベヤ部全体の機能を制限するまたは完全に中断してしまうことも事実である。したがって、電動ローラが使用されるそのようなコンベヤ部の動作の信頼性を向上させることは、重要な目的である。
【0006】
ドイツ商標特許庁は、本出願への優先権主張出願において調査して、DE 10 2011 053 1
45 A1.をさらなる先行技術として挙げている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、コンベヤシステムの状態監視のための改善された方法、および、この方法を実行するための改善された制御装置、改善された電動ローラ、改善されたコンベヤ領域、改善されたコンベヤ部、および改善されたコンベヤシステムを提供することである。特に、本発明の目的は、信頼性を向上させた、コンベヤシステムにおける状態監視のための方法、および、この方法を実行するための制御装置、電動ローラ、コンベヤ領域、コンベヤ部、およびコンベヤシステムを提供することである。
【0008】
この目的は、電動ローラを有するコンベヤシステム、例えばコンベヤ部および/またはコンベヤシステムのコンベヤ領域における状態監視のための方法、および制御装置、特に、電動ローラを制御するための制御装置、により達成される。方法は、参照動作状態、特に電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤ部および/またはコンベヤシステムの動作状態の存在をチェックするステップ、参照動作状態が存在する場合に電動ローラの電流を決定するステップ、および、決定された電動ローラの電流を参照動作状態に対する参照値と比較するステップを含む。
【0009】
コンベヤローラ、特に電動ローラは、好ましくは、ローラ本体が少なくとも特定の部分が中空であるよう設計され、特に、1つの端部が中空、好ましくは2つの端部が中空であるように構成される。電動ローラの場合、駆動部は、好ましくは、ローラ本体の内部に配置される。駆動部がローラ本体内に配置される場合、ローラの回転を生成するのに必要な、ローラ本体の外部に配置される機械部品は不要である。ローラ本体の内部に配置された駆動部は、例えば、駆動部からローラ本体の内部の内周面にトルクを伝達するよう設計され配置された結合部を有していてもよい。この設計タイプの電動ローラは、物流用途における様々な目的のために使用され、例えば、ドラムモータシャフト(drum motor shaft)およびドラムモータ軸(drum motor axle)によりフレームに取り付けられて使用される。電気駆動部は、典型的には、ドラムモータシャフトからドラムチューブに搬送トルクを伝達するよう設計される。この伝達は、電動ローラに含まれるドラムモータギア機構を介して行うことができる。対照的に、ドラムモータ軸は、典型的には、フレームに電動ローラを取り付けることにだけ役立つ。
【0010】
電動ローラは、ベルトまたは同様のものにより、他の装置、例えば、複数のコンベヤローラからなるコンベヤ部を駆動するのに役立つ。さらに、電動ローラは、コンベヤ部にコンベヤ部材として直接挿入され、搬送物を支え、電動ローラの回転によりそれらを搬送することができる。好ましい用途は、コンベヤバンド部において電動ローラを駆動要素、好ましくは端部側駆動要素として使用し、コンベヤバンドまたはベルトをドラム本体のまわりに部分的に巻き付けて案内し、ドラム本体の回転による移動においてバンドまたはベルトを設定することにある。
【0011】
電動ローラは、物流センタ、工業生産、郵便発送センタ、手荷物処理などにおいて、例えば、手荷物、製品、小包、コンテナ、パレットなどの搬送のために様々な用途のイントラロジスティクスにおいて使用される。ここでは、そのような電動ローラは、通常、比較的大きなコンベヤシステムのコンベヤ部で使用され、搬送物を動かすのに役立つ。電動ローラは、駆動ベルト、チェーンなどにより隣接した付随して動くアイドルローラに結合されてもよく、後者を駆動して均一に作動するコンベヤ領域を定義することができる。複数のそのようなコンベヤ領域は、コンベヤ部に沿って搬送物を搬送するために、コンベヤ部に連続して配置することができる。この形式の電動ローラは、電動コンベヤローラ、またはローラ駆動とも呼ばれ、またはいくつかの他の方法で指定される。電動ローラは、例えば、端部側偏向ローラとしてコンベヤバンドを駆動するのに使用されるドラムモータ、または、いくつかの他の形式で、コンベヤバンドを有するコンベヤ部または他の方法で設計されたコンベヤ部であってもよい。
【0012】
原則として、コンベヤ部および搬送用途において使用されるそのような電動ローラは、特定の方法で搬送物を搬送するために開ループ制御または閉ループ制御で操作できることが要件である。したがって、例えば、いわゆるZPA(zero pressure accumulation)と言われる蓄積圧力のない搬送、またはいわゆるLPA(low pressure accumulation)と言われる小さい蓄積圧力を有する搬送が期待されることが多く、この場合、コンベヤ部の上に置かれた搬送物がお互いに接触しない、または、小さい蓄積圧力でのみ互いに接触するため、接触力が加算された結果としての搬送物の損傷は生じ得ない。さらに、単一搬出またはブロック搬出によりコンベヤ部の上で搬送物を搬送すること、すなわち、搬送物の搬送を、それぞれの場合において、1つの搬送物がさらに搬送され、後続の搬送物が搬送され、同様に個別に、結果として生じる隙間に搬送されるように動作すること、または、複数の搬送物をそれらの間隔を維持しつつ同時に搬送すること、が知られている。この閉ループ制御および開ループ制御の目的で、搬送物の位置を介してコントローラに情報を入力することができるようにするため、さらに、制御コマンドを電動ローラに送信して、電動ローラを動作中または停止中に設定するため、または、例えばその回転速度を制御するために、例えば、ライトバリアセンサを介してコンベヤ部から特定のデータを取得するのが慣例である。ここで、回転速度とは、1分あたりの回転数である。この回転速度は、モータの1分あたりの回転数またはコンベヤローラの1分あたりの回転数に基づき、駆動部がギア機構を含む場合お互いに異なってもよい。
【0013】
本発明による解決策は、決定された電動ローラの電流に基づいて実行される状態監視を提供する。これは、状態に関する記述(statement)が導出され得る複数のまたは多数の異なる値を記録する必要がないという点で有利である。しかし、好ましくは、決定された電流はこの目的のために十分である。これを可能にするために、電流は特定の状況、すなわち、参照動作状態において決定され、参照動作状態に対する参照値と比較される。
【0014】
本発明は、とりわけ、電動ローラの電流、特に入力電流の特定の値および/またはプロファイルが特定の動作状態に対して特有であるという知見に基づく。特に、そのような特有な値および/またはプロファイルは、参照値として使用される。さらに、本発明は、決定された電動ローラの電流を特定の参照動作状態に対する参照値と比較することにより、電動ローラの状態に関する結論が得られることを見出したことに基づく。さらに、この比較はまた、コンベヤ領域のさらなる構成要素およびその状態に関する結論を得ることが可能であることも認識されている。このようにして、特定の参照動作状態における電動ローラの電流を決定することにより、コンベヤシステムにおける状態監視の、特に簡単で、効率的で、同時に信頼性の高い可能性を提供することができる。
【0015】
制御装置は、好ましくは、方法の、1つ、2つ、3つ以上、またはすべての、場合によってはさらなるステップを実行するよう設計される。
【0016】
本明細書において参照値として理解され得るのは、好ましくは、単一の値、および/または値の範囲、および/または特に特定の期間にわたる値プロファイル、および/または複数の個々の変数から導出された変数(例えば平均値)である。
【0017】
好ましい実施の形態によると、方法は、電動モータの決定された電流が参照動作状態に対する参照値から逸脱しているかどうかをチェックするステップを含む。また、方法は、決定された電動ローラの電流の、参照動作状態に対する参照値からの逸脱が所定の値を超えているかどうかをチェックするステップを含むことが好ましい。さらに、方法は、決定された電動ローラの電流が、参照動作状態に対する参照値を所定の値だけ下回る、または所定の値だけ超えるかどうかをチェックするステップを含むことが好ましい。これは、好ましくは、決定された電動ローラの電流を参照動作状態に対する参照値と比較するステップの一部である。
【0018】
決定された電動ローラの電流が所定の値だけ参照動作状態の参照値を超える場合、これは、例えば、電動ローラおよび/またはベアリングおよび/またはコンベヤ領域の他の要素の閉塞などの、特定の障害状態を示す可能性がある。決定された電動ローラの電流が所定の値だけ参照動作状態の参照値を下回る場合、これは、例えば、スレーブローラの障害および/またはギア機構の損傷および/または伝達要素の欠陥などの、特定の障害状態を示す可能性がある。
【0019】
さらに好ましい実施の形態によると、方法は、決定された電動ローラの電流が参照動作状態に対する参照値から逸脱する場合に、特に、逸脱が所定の値を超える場合または下回る場合に、偏向信号を生成するステップを含む。さらに好ましい実施の形態において、方法は、障害状態、好ましくは、決定された電動ローラの電流の参照動作状態に対する参照値との比較に基づいて、電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤ部および/またはコンベヤシステムの障害状態を導出することを含む。偏向信号の生成および/または障害状態の導出により、有利に、例えば望ましくないさらなるまたは他の状態が発生する前に、対策を開始することができる。対策は、例えば、同僚に通知すること、および/または電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤ部および/またはコンベヤシステムの制御を変更することであり得る。制御の変更は、例えば、電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤ部および/またはコンベヤシステムの動作を停止するまたは別の動作状態に移行することである。
【0020】
決定された電動ローラの電流の参照動作状態に対する参照値からの逸脱に依存して、出力される障害状態の導出が行われることもまた好ましい。上述のように、上向きの逸脱は、特定の障害状態を示すことがあり、下向きの逸脱も同様である。さらに、逸脱の程度は
、特定の障害状態の指標となることもある。
【0021】
好ましい実施の形態は、障害状態の導出は、決定された電動ローラの電流が参照動作状態に対する参照値を特に所定の値だけ下回る場合、電動ローラの正常に機能しない過少負荷状態を認識することを含むという事実により区別される。
【0022】
障害状態の導出は、決定された電動ローラの電流が参照動作状態の参照値を特に所定の値だけ超える場合、電動ローラの正常に機能しない過大負荷状態を識別することを含むことも好ましい。
【0023】
さらに好ましい実施の形態では、方法は、コンベヤシステムの動作状態センサから信号を受信するステップと、例えば、動作状態に関する情報を導出するために、特に、参照動作状態が存在するかどうかをチェックするために、信号を使用して決定された電流を制限するステップと、を含む。
【0024】
信号は、好ましくは、動作状態センサからのデータを含む、またはデータ信号である。好ましい展開は、動作状態センサがライトバリアセンサとして設計される、またはライトバリアセンサを含むという事実により区別される。動作状態センサは、好ましくは、搬送物の、コンベヤ領域、特にコンベヤ領域の特定の部分への出入りがあるかを検出するよう設計されてもよい。
【0025】
方法は、例えば温度センサを使用して温度を決定するステップと、例えば、動作状態に関する情報を導出するために、特に、参照動作状態が存在するかどうかをチェックするために、決定された温度を使用して決定された電流を制限するステップと、を含む。
【0026】
本明細書における温度として理解されるのは、電動ローラの内部温度および電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの環境温度、例えば室温の両方である。
【0027】
方法が、例えば環境温度センサを使用して環境温度を決定するステップと、例えば動作状態に関する情報を導出するために、特に参照動作状態が存在するかどうかをチェックするために、決定された環境温度を使用して決定された電流を制限するステップと、を含むことが特に好ましい。
【0028】
方法が、例えば内部温度センサを使用して電動ローラの内部温度を決定するステップと、例えば、動作状態に関する情報を導出するために、特に参照動作状態が存在するかどうかをチェックするために、電動ローラの決定された内部温度を使用して決定された電流を制限するステップと、を含む。
【0029】
電動ローラの内部温度を考慮に入れることで、過熱状態を特定することができるという利点がある。電動ローラの環境温度を考慮に入れることで、電動ローラの内部温度に作用する電動ローラの外部の影響因子(例えば、強い日差しによる空間の過熱など)を考慮することができるという利点がある。このようにして、電動ローラの内部温度は、特にさらなる使用のために、室温と異なって、および/または室温と相関して評価されてもよい。
【0030】
好ましい実施の形態によると、方法は、電動ローラの動作時間を検出するステップと、例えば、動作状態に関する情報を導出するために、特に参照動作状態が存在するかどうかをチェックするために、検出された動作時間を使用して決定された電流を制限するステップと、を含む。このようにして、参照動作状態が識別される前に電動ローラが「ならし運転(run in)」中であること、および/または参照動作状態が一定の間隔で生成されることを確実にすることができる。
【0031】
方法は、少なくとも2つ、好ましくは3つまたはすべての次の条件が存在する場合、参照動作状態の存在を認識するステップを含むことが好ましい。
-動作状態センサの信号が電動ローラの所定の状況、例えば、アイドリング状況または加速状況を示す。
-決定された温度、特に、電動ローラの内部温度、および/または電動ローラおよび
/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの環境温度が、所定の範囲にある
。
-検出された動作時間が所定の範囲にある。
【0032】
2つ以上のまたはすべてのこれらの条件が満たされる場合、決定された電流に基づく状態監視を、特に簡単で信頼性の高い方法で実行することができる。
【0033】
好ましい実施の形態では、コンベヤ領域が提供され、コンベヤ領域は、電動ローラと、
1つ、2つ以上、またはすべての次の要素もまた含む。
-コンベヤローラ。特に、スレーブローラなどの非駆動コンベヤローラ。
-電動ローラからコンベヤローラへ駆動力を伝達する伝達要素。例えばベルト。
-電動ローラおよび/またはコンベヤローラを回転可能に取り付けるベアリング。
【0034】
コンベヤ領域は、好ましくは、2つ、3つ、またはそれ以上のコンベヤローラ、特に非駆動コンベヤローラ、および/または、2つ、3つ、またはそれ以上の伝達要素、および/または、2つ、3つ、またはそれ以上のベアリングを含む。さらに、コンベヤ領域は、好ましくは電動ローラに含まれるギア機構を好ましくは含む。
【0035】
さらに好ましい実施の形態は、2つ以上のコンベヤローラが提供され、および/または
、2つ以上の電動ローラが提供され、これは好ましくは共通の制御装置により制御される
、という事実により区別される。
【0036】
1つ、2つ以上、またはすべての請求項1に記載されたステップは、それぞれの電動ローラおよび/またはそれぞれのコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域のそれぞれのさらなる要素に対して個別に実行されることもまた好ましい。
【0037】
さらに、好ましくは、請求項1に記載されたステップの1つ、2つ以上、またはすべてが、共通の制御装置により、2つ以上の電動ローラおよび/または2つ以上のコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域の2つ以上のさらなる要素に対して実行されるという規定がある。
【0038】
制御装置は、好ましくは、2つ以上のコンベヤローラおよび/または2つ以上の電動ローラを制御し、および/または1つ、2つ以上、またはすべての請求項1に記載のステップを、それぞれの電動ローラおよび/またはそれぞれのコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域のそれぞれのさらなる要素に対して個別に実行し、および/または1つ、2つ以上、またはすべての請求項1に記載のステップを、2つ以上の電動ローラおよび/または2つ以上のコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域の2つ以上のさらなる要素に対して一緒に実行するよう設計される。
【0039】
方法が、コンベヤ領域の2つ以上の決定された電動ローラの電流を比較するステップを含むこともまた好ましい。同じコンベヤ領域のさらなる決定された電動ローラの電流が比較に対する参照値として使用されることもまた好ましい。このようにして、コンベヤ領域のコンベヤローラ、特に電動ローラの状態における相対的な違いを、特に簡単な方法で識別することが可能になる。
【0040】
複数の変数から導出された変数、例えば平均値などは、比較に対する参照値としても使用することができる。この目的のために、適切な場合には、別のコンベヤ領域からのコンベヤローラの値、特に、別のコンベヤ領域の比較可能な位置にあるコンベヤローラの値を考慮することができる。このようにして、異なるコンベヤ領域の同様の位置で使用されるコンベヤローラ、特に電動ローラの間での相対的な違いを、特に簡単な方法で識別することができる。
【0041】
さらに好ましい実施の形態では、方法は、参照動作状態に対する参照値を決定するステップを含む。好ましい展開は、参照動作状態に対する参照値を決定するステップは、少なくとも2つ、好ましくは3つまたはすべての次の条件が存在する場合に、電動ローラの電流を決定することを含むという事実により区別される。
-制御装置は参照値の決定を要求する。
-制御装置および/または電動ローラは交換および/または変更される。
-コンベヤ領域の1つの要素は交換および/または変更される。
-コンベヤ領域の2つ以上の要素は交換および/または変更される。
-電動ローラおよび/または制御装置および/またはコンベヤ領域の1つの要素および/またはコンベヤ領域の2つ以上の要素が作動状態となった後。「作動状態となった後
」とは、特に作動状態となった後の所定の期間を含む。
-特定の温度がすでに少なくとも1回以上達成される、または超えている。
-電動ローラの特定の内部温度をすでに少なくとも1回達成する、または超えている
。
-電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度、例えば室温を、すでに少なくとも1回達成する、または超えている。
-電動ローラが最小回転数および/または最小動作時間を達成するまたは超えている
。
-特定の温度、特に電動ローラの特定の内部温度、および/または電動ローラおよび
/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度が存在する。
-特定の温度範囲、特に電動ローラの特定の内部温度範囲、および/または電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度範囲が存在する。
-特定の温度、特に電動ローラの特定の内部温度、および/または電動ローラおよび
/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度が知られている
。
-特定の温度範囲、特に電動ローラの特定の内部温度範囲、および/または電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度範囲が知られている。
-特定の温度、特に電動ローラの特定の内部温度、および/または電動ローラおよび
/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度に対する温度計数が存在し、参照値の決定において考慮される。
-特定の温度範囲、特に電動ローラの特定の内部温度範囲、および/または電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの特定の環境温度範囲に対する温度計数が存在し、参照値の決定において考慮される。
【0042】
温度計数は、例えば、この温度範囲に対する参照値の決定を改善するために特定の温度範囲に対して提供される補正係数であってもよい。
【0043】
好ましい実施の形態によると、参照動作状態に対する参照値の決定は繰り返し実施され、好ましくは、繰り返し実施された複数の結果が、例えば平均値および/または値の範囲にわたって考慮されるという規定がある。
【0044】
方法が、参照動作状態が達成されるように、電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムを作動させるステップを含むこともまた好ましい。このようにして、例えば所定の期間にわたって存在しなかった場合に、参照動作状態を目標とされた方法で生成することができる。
【0045】
さらなる好ましい実施の形態では、方法は、少なくとも1つ、2つまたはすべての次の条件が存在する場合に参照動作状態が達成されるように、電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムを作動させるステップを含む。
-決定された温度、電動ローラの決定された内部温度、および/または電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの決定された環境温度が所定の範囲内にある。
-検出された動作時間が所定の範囲内にある。
【0046】
好ましい展開は、参照動作状態が達成されるように電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの作動が行われ、電動ローラおよび/またはコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムの作動が電動ローラを所定の状況、例えばアイドリング状況または加速状況に至らせる制御信号の生成を含む、という事実により区別される。
【0047】
好ましい展開は、方法が、決定された電動ローラの電流の参照動作状態に対する参照値との比較に基づいて、特に電動ローラに対する制御信号を生成するステップを含む、という事実により区別される。
【0048】
制御信号が、参照動作状態に対する参照値からの決定された電動ローラの電流の逸脱に依存して、電動ローラの電力の変化を提供することもまた好ましい。好ましい実施の形態では、制御信号が、決定した電動ローラの電流が参照動作状態に対する参照値を超える場合に、電動ローラの電力の減少を提供する、という規定がある。さらに好ましい実施の形態では、制御信号が、決定された電動ローラの電流が参照動作状態に対する参照値を下回る場合に、電動ローラの電力の増加を提供するという規定がある。
【0049】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、電動ローラおよび/またはコンベヤシステムのコンベヤ領域および/またはコンベヤシステムのコンベヤ部に対する制御装置により達成される。制御装置は、上述の状態監視方法を実行するよう設計される。
【0050】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、上述の制御装置を有する電動ローラにより達成される。
【0051】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、コンベヤシステムに対する電動ローラにより達成される。電動ローラは、上述の状態監視方法を実行するよう設計される
。
【0052】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、上述の電動ローラおよび/または上述の制御装置を有するコンベヤ領域により達成される。
【0053】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、コンベヤシステムに対するコンベヤ領域により達成される。コンベヤ領域は、上述の状態監視方法を実行するよう設計される。
【0054】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、上述の電動ローラおよび/または上述の制御装置を有するコンベヤ部により達成される。
【0055】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、コンベヤシステムに対するコンベヤ部により達成される。コンベヤ部は、上述の状態監視方法を実行するよう設計される
。
【0056】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、上述のコンベヤ領域および/または上述のコンベヤ部および/または上述の電動ローラおよび/または上述の制御装置を有するコンベヤシステムにより達成される。
【0057】
本発明のさらなる態様によると、最初に述べた目的は、電動ローラおよび制御装置を有するコンベヤシステムにより達成される。コンベヤシステムは、上述の状態監視方法を実行するよう設計される。
【0058】
本発明による態様および可能な展開は、上述の方法および/または上述の装置での使用、およびそれぞれの展開での使用に特に適する特徴を有する。本発明による態様および可能な展開の利点、実施の形態の変形例、および実施の形態の詳細に関して、対応する方法の特徴に関する上述の説明を参照する。
【0059】
本発明の好ましい実施の形態は、添付の図面に基づいて例示的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図3】異なる動作状態における4つの電動ローラの比較を示す図
【
図4】決定された電動ローラの電流と、4つの動作状態におけるそれぞれの参照値 との比較を示す図
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1は、状態監視の方法の一実施の形態を示す概略図である。方法は、参照動作状態の存在をチェックするステップAから開始される。チェックによって参照動作状態が明らかにされない場合、好ましくは、所定時間の満了後、および/または一定の間隔で、および/または特定のイベントの前後で、および/またはユーザリクエストに応答して、矢印A
2に示すように参照動作状態の存在の新たなチェックが実行される。
【0062】
参照動作状態が存在する場合(矢印A1)、電動ローラの電流は、次のステップ11において決定される。続いて、ステップ12において、決定された電動ローラの電流が参照動作状態に対する参照値と比較される。次に、ステップBにおいて、決定された電動ローラの電流が参照動作状態の参照値から逸脱しているかどうかがチェックされる。そうでない場合(矢印B2)、障害メッセージは出力されないが、好ましくは、所定時間の満了後、および/または一定の間隔で、および/または特定のイベントの前後で、および/またはユーザリクエストに応答して、方法が新たに開始される。
【0063】
ステップBにおいて、決定された電動ローラの電流が参照動作状態の参照値から逸脱している場合、ステップ13において比較に基づいて障害状態を導出することができる。さらに、ステップ14において、特に電動ローラの作動に対する制御信号を比較に基づいて生成することができる。
【0064】
図2は、決定された4つの電動ローラの電流(電流1、電流2、電流3、電流4)と、4つの動作状態センサ(センサ1、センサ2、センサ3、センサ4)の関連信号を時間の経過とともに示す。
【0065】
4つの動作状態センサの4つの信号のプロファイルは、線101、201、301、401で表されている。第1動作状態センサの信号プロファイルは、第1の最大値101aおよび第2の最大値101bを有する。これらの最大値101a、101bは、搬送物が第1電動ローラ、または関連する第1コンベヤ領域に到達したことを示す。対応するが時間的にずれた最大値はまた、さらなる動作状態センサの信号プロファイル102、202
、302、402においても明白である。
【0066】
最大値101a、101bの前では、決定された第1電動ローラの電流は、最大値112a、112bもまた示す。極小値に下降した後、決定された第1電動ローラの電流は、次に、極大値132a、132bへの上昇フェーズ112a、112bを示し、最小値152a、152bを有する後続のアイドリング状況142a、142bも示す。対応するが時間的にずれたプロファイルは、さらなる決定された電動ローラの電流のプロファイル
202、302、402においても明白である。
【0067】
図3は、異なる動作状態における4つの電動ローラの比較を示す。
図3の上部において
、まず、コンベヤシステム900が概略的に示されている。コンベヤシステム900は、4つのコンベヤ領域Z0、Z1、Z3、Z3において、複数のコンベヤローラ910(電動ローラおよび非駆動コンベヤローラの両方)を有する。それぞれのコンベヤ領域Z0、Z1、Z2、Z3は、それぞれの動作状態センサおよび電動ローラを有する。また、コンベヤ領域からコンベヤ領域へ、搬送方向930に移動する搬送物920も概略的に図示されている。
【0068】
図3の下部において、4つの動作状態センサS0、S1、S2、S3の状態と、4つのコンベヤ領域における4つの電動ローラの状態とが時間の経過とともに概略的に示されている。Z0、Z1、Z2、Z3で示されるものは、まず、一般的なコンベヤ領域のアクティビティである。搬送物による積載状態は、積載(LOAD)Z0、積載(LOAD)Z1、積載(LOAD)Z2、積載(LOAD)Z3で表され、積載なしの状態が、非積載
(NO LOAD)Z0、非積載(NO LOAD)Z1、非積載(NO LOAD)Z
2、非積載(NO LOAD)Z3で表される。
【0069】
図4は、決定された電動ローラの電流と、4つの動作状態BZ1、BZ2、BZ3、BZ4におけるそれぞれの参照値との比較を示す。動作状態BZ1は積載状態に相当し、動作状態BZ2は輸送状態に相当し、動作状態BZ3は荷下ろし状態に相当し、動作状態B
Z4はアイドリング状況に相当する。
【0070】
搬送物のそれぞれの動作状態BZ1、BZ2、BZ3、BZ4における電流に対する参照値は、1101、1102、1103、1104で表されている。
【0071】
また、
図4には、それぞれの動作状態BZ1、BZ2、BZ3、BZ4において、具体的には1201、1202、1203、1204により、搬送物の決定された電流の値も示されている。
【0072】
明らかなように、決定された電流の値1201、1202、1203、1204は、参照値を上回っている。これは、比較的大きな質量慣性(relatively high mass inertia)の克服をもたらす障害または妨害を示す可能性がある。これは、例えば、摂動体(disturbing body)または駆動コンポーネントの欠陥により引き起こされる可能性がある。駆動コンポーネントは、動きを引き起こす任意のコンポーネントであってもよい。例えば、駆動コンポーネントは、電動ローラ、スレーブローラ、駆動ベルト、駆動要素、または駆動ユニットであってもよい。
【0073】
また、
図4には、それぞれの動作状態BZ1、BZ2、BZ3、BZ4において、具体的には1301、1302、1303、1304により、搬送物の決定された電流の値も示されている。
【0074】
明らかなように、決定された電流の値1301、1302、1303、1304は、参照値を下回っている。これは、例えば、遮断された動力伝達/駆動ベルトなどの受動駆動装置を切り離す障害または妨害を示す可能性がある。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動ローラおよび制御装置を有するコンベヤシステムにおける状態監視の方法であって、
参照動作状態の存在をチェックするステップと、
前記参照動作状態が存在する場合、前記電動ローラの電流を決定するステップと、
決定された前記電動ローラの電流を前記参照動作状態に対する参照値と比較するステップと、
2つ以上の前記電動ローラの決定された電流を互いに比較するステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
決定された前記電動ローラの電流が前記参照動作状態に対する前記参照値から逸脱しているかどうかをチェックするステップ、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
決定された前記電動ローラの電流の前記参照動作状態に対する前記参照値との比較に基づいて障害状態を導出するステップ、を含む、
請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記コンベヤシステムの動作状態センサからの信号を受信して、前記信号を使用して決定された前記電流を制限するステップを含む、および/または、
温度を決定して、決定された前記温度を使用して決定された前記電流を制限するステップを含む、および/または、
前記電動ローラの動作時間を検出して、検出された前記動作時間を使用して決定された前記電流を制限するステップを含む、
請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記動作状態センサの信号が、前記電動ローラのアイドリング状況または加速状況を含む所定の状況を示すこと、
決定された前記温度が所定の範囲内にあること、および、
検出された前記動作時間が所定の範囲内にあること、
のうち少なくとも2つ、好ましくは3つまたはすべての条件が存在する場合に、前記参照動作状態の前記存在を識別するステップを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電動ローラと、コンベヤローラ、前記電動ローラから前記コンベヤローラへ駆動力を伝達する伝達要素、および、前記電動ローラおよび/または前記コンベヤローラを回転可能に取り付けるためのベアリング、のうち1つ、2つ以上、またはすべての要素と、を含むコンベヤ領域が提供される、
請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
2つ以上のコンベヤローラが提供される、および/または、
前記電動ローラは前記制御装置により制御される、
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1に記載の1つ、2つ以上、またはすべてのステップが、それぞれの電動ローラおよび/またはそれぞれのコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域のそれぞれのさらなる要素に対して個別に実行される、
請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1に記載の1つ、2つ以上、またはすべてのステップが、2つ以上の電動ローラおよび/または2つ以上のコンベヤローラおよび/またはコンベヤ領域の2つ以上のさらなる要素に対して、共通の制御装置により実行される、
請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記コンベヤシステムはさらに、1つのコンベヤ領域内に2つ以上の前記電動ローラを含む、
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
1つのコンベヤ領域の1つの電動ローラの決定された前記電流は比較に対する参照値として使用される、
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記参照動作状態を達成するように、前記電動ローラおよび/または前記コンベヤ領域および/または前記コンベヤシステムを作動させるステップ、を含む、
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記電動ローラおよび/または前記コンベヤ領域および/または前記コンベヤシステムの作動は、
決定された前記温度が所定の範囲内にあること、および、
決定された前記動作時間が所定の範囲内にある、
のうち少なくとも1つの条件が存在する場合に前記参照動作状態を達成するように、実行される、
請求項1から4および6から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記参照動作状態を達成するように、前記電動ローラおよび/または前記コンベヤ領域および/または前記コンベヤシステムの作動が実行され、
前記電動ローラをアイドリング状況または加速状況を含む所定の状況に至らせる制御信号を生成するステップ、を含む、
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
決定された前記電動ローラの電流の前記参照動作状態に対する前記参照値との比較に基づいて制御信号を生成するステップ、を含む、
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
制御信号は、決定された前記電動ローラの電流の前記参照動作状態に対する前記参照値からの逸脱に依存して、前記電動ローラの電力の変化を提供する、
請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
電動ローラおよび/またはコンベヤシステムのコンベヤ領域のための制御装置であって、
請求項1から16のいずれか1項に記載の状態監視の方法を実行するよう設計される、
制御装置。
【請求項18】
コンベヤシステムのための電動ローラであって、
請求項1から16のいずれか1項に記載の状態監視の方法を実行するよう設計される、
電動ローラ。
【請求項19】
電動ローラおよび制御装置を有するコンベヤシステムであって、
請求項1から16のいずれか1項に記載の状態監視の方法を実行するよう設計される、
コンベヤシステム。
【請求項20】
前記2つ以上の前記電動ローラの決定された電流を互いに比較するステップは、異なるコンベヤ領域の2つ以上の電動ローラの決定された電流を比較する、
請求項1に記載の方法。
【外国語明細書】