(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042053
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】検査装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/88 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
G01N21/88 J
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024012523
(22)【出願日】2024-01-31
(62)【分割の表示】P 2022118129の分割
【原出願日】2016-10-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 平成28年6月7日~10日に、FOOMAJAPAN2016国際食品工業展にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】込山 峰義
(72)【発明者】
【氏名】川島 啓祐
(57)【要約】
【課題】検査装置は、検査対象の物品に対して異なる種類の検査を行うことで、検査ラインの長大化を防ぐ。検査対象の物品を撮像する撮像部による撮像画像に関する画像処理等の設定操作を、容易に、効率よく短時間で行うことができる検査装置を提供する。
【解決手段】検査装置は、検査対象の物品を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像される物品の撮像位置とは異なる位置から物品の識別情報を取得する取得手段と、検査物品の比較対象となる正情報を記憶する記憶手段と、物品を搬送する搬送手段と、撮像手段による撮像画像と取得手段による識別情報を、記憶手段が記憶する正情報と比較し正否判定を行う制御手段とを有する。記憶手段は、搬送手段により物品が搬送されると、撮像手段による撮像結果と取得手段による識別情報とを関連付け、正情報として記憶する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の物品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像される前記物品の撮像位置とは異なる位置から前記物品の識別情報を取得する取得手段と、
検査物品の比較対象となる正情報を記憶する記憶手段と、
前記物品を搬送する搬送手段と、
前記撮像手段による撮像画像と前記取得手段による前記識別情報を、前記記憶手段が記憶する前記正情報と比較し正否判定を行う制御手段と、
を有することを特徴とする検査装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、前記搬送手段により前記物品が搬送されると、前記撮像手段による撮像結果と前記取得手段による前記識別情報とを関連付け、前記正情報として記憶することを特徴とする請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記撮像手段により撮像された前記検査物品の画像を表示する表示手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に含まれる一つの検査物品に固有の固有画像と、複数の検査物品に共通の共通画像とを特定する特定手段と、を備え、
前記記憶手段は、前記特定手段により特定された前記固有画像、又は前記共通画像を記憶することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記固有画像と前記共通画像との組み合わせにより正画像を記憶し、
前記制御手段は、前記撮像手段により撮像された前記撮像画像と前記記憶手段により記憶されている前記正画像とを比較することを特徴とする請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記記憶手段により記憶される前記正画像の固有画像と前記共通画像との組み合わせを変更する変更手段を有することを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
【請求項6】
前記表示手段は、撮像手段の設定画面を表示する第1の表示領域と、
前記第1の表示領域の近傍に併設され、前記設定画面の補助情報を表示する第2の表示領域と、を有し、
前記第1の表示領域、又は前記第2の表示領域のいずれか一方の表示内容を切替えた場合、その切替えに応じて他方の表示内容を切替える切替手段を備えることを特徴とする請求項3から請求項5の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記撮像画像と前記正情報との比較に基づいて、該撮像画像と該正情報とが相関しているか否かの結果を前記第1の表示領域に表示し、
前記第2の表示領域は、前記結果に基づく検査情報を表示することを特徴とする請求項6に記載の検査装置。
【請求項8】
前記制御手段が前記比較の結果、否と判定した場合、前記搬送手段により搬送される物品を搬送経路から排除する排除手段を備えることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の検査を行う物品検査システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この物品検査システムでは、検査ラインに各種検査装置を検査ラインに直列に配置し、製造ラインから検査ラインに送られた物品を検査装置にて検査を行う。
また、検査対象物の外観を撮像して得られた画像と、複数種類の良品画像および不良品画像とを比較することで、検査対象物の良否判定を行う外観検査装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-219420号公報
【特許文献2】特開2002-8013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の物品検査システムでは、検査の項目が増えるごとに、検査の種類に応じた検査装置を直列配置することを要し、検査ラインが長大となってしまうという問題があった。また、各検査項目それぞれに特化した検査装置の搬送部の搬送面の高さ調整、検出位置調整、搬送スピード調整等を要し、それらの調整が不十分である場合、検査物品に対して正しく検査を行うことができないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の検査装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
検査装置は、検査対象の物品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像される前記物品の撮像位置とは異なる位置から前記物品の識別情報を取得する取得手段と、
検査物品の比較対象となる正情報を記憶する記憶手段と、
前記物品を搬送する搬送手段と、
前記撮像手段による撮像画像と前記取得手段による前記識別情報を、前記記憶手段が記憶する前記正情報と比較し正否判定を行う制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、検査対象の物品に対して異なる種類の検査を一つの検査装置にて行うことで、検査ラインの長大化を防ぐことができる。
また、本発明の検査装置は、検査対象物を撮像する撮像手段や撮像画像に関する画像処理等の設定操作を、容易に、効率よく短時間で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施形態に係る検査装置の一例を示す側面図。
【
図3】検査装置の検査対象物の一例を示す図、(a)は検査対象物の表ラベルの一例を示す図、(b)は検査対象物の裏ラベルの一例を示す図。
【
図4】本発明の実施形態に係る検査装置の一例を示す電気的な機能ブロック図。
【
図5】本発明の実施形態に係る検査装置の動作の一例を示すフローチャート。
【
図6】検査装置の設定登録モード時の第1の表示領域、及び第2の表示領域の一例を示す図。
【
図7】検査装置の設定登録モードの開始時の第1の表示領域、及び第2の表示領域の一例を示す図。
【
図8】設定登録モード時の第1の表示領域、及び第2の表示領域の一例を示す図。
【
図9】商品名領域設定時の第1の表示領域、及び第2の表示領域の一例を示す図。
【
図10】価格領域設定時の第1の表示領域、及び第2の表示領域の一例を示す図。
【
図11】正画像に関する固有画像と共通画像を説明するための図。
【
図12】検査装置の記憶手段に記憶されている正画像に関する情報の一例を示す図。
【
図13】検査モードの合否判定の基準を変更する変更手段の一例を示す図。
【
図15】本発明の実施形態に係る検査装置の検査モード時の動作の一例を説明するためのフローチャート。
【
図16】検査モード時の判定表示の一例を示す図、(a)は判定結果がOKの場合、(b)は判定結果がNGの場合をそれぞれ示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る検査装置は、検査対象の物品(検査物品)を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像される物品の撮像位置とは異なる位置から物品の識別情報を取得する取得手段と、検査物品の比較対象となる正情報を記憶する記憶手段と、物品を搬送する搬送手段と、撮像手段による撮像画像と取得手段による識別情報を、記憶手段が記憶する正情報と比較し正否判定を行う制御手段とを有する。
また、本発明の実施形態に係る検査装置は、検査対象物を撮像手段により撮像して得られた撮像画像と、予め記憶された正画像とを比較することで該検査対象物の良否判定を行う。検査装置は、撮像手段により得られる撮像画像に対する画像処理の設定に関する設定画面を操作可能に表示する第1の表示領域と、第1の表示領域の設定画面に対する操作を補助するための操作補助画面を操作可能に表示する第2の表示領域とを有する。第1の表示領域は、第2の表示領域の近傍に併設されている。
この検査装置は、検査対象物を撮像する撮像手段や撮像画像に関する画像処理等の設定操作を、容易に、効率よく短時間で行うことが可能である。
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る検査装置(ラベル検査装置)を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。
尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0010】
本実施形態では、本発明に係る検査装置をラベル検査装置に採用した例を説明する。
図1、
図2に示したように、本発明の実施形態に係る検査装置100は、台座42上に支持部材41により支持された操作表示装置40を有する。操作表示装置40は、第1の表示領域としてのカメラ側表示入力部14、第2の表示領域としてのメイン表示入力部24、各種スイッチや各種ボタンなどの操作入力部25を有する。
【0011】
台座42上には、検査対象物wを搬送路(搬送経路)に沿って搬送する搬送部としてのベルトコンベア261が設けられている。ベルトコンベア261は、無端ベルト262が所定距離だけ離れて配置された一対の回転軸263、264やプーリー(不図示)に掛け渡されている。回転軸263、264の一方又は両方は、コンベア駆動部により回転駆動される。
【0012】
ベルトコンベア261の載置面よりも所定距離だけ上方には、一対の長尺のガイド部材Gがベルトコンベア261の搬送路に沿って設けられている。このガイド部材Gの高さは、ベルトコンベア261の載置面上に載置された検査対象物wの高さよりも低く設定されており、ベルトコンベア261上の検査対象物wが倒れないように支持可能に構成されている。また、一対のガイド部材Gの間隔は、検査対象物wの厚みよりも幅広に設定されている。
【0013】
また、
図2に示したように、一対のガイド部材Gの搬送方向上流側の端部付近の間隔は、中央部よりも幅広となるように設定されている。すなわち、ガイド部材Gは、検査対象物wをベルトコンベア261の幅方向の中央部に載置しやすい構造となっている。また、検査対象物wがベルトコンベア261の載置面の幅方向の中央部からずれた位置に載置された場合であっても、コンベア駆動時、ガイド部材Gは、ベルトコンベア261の幅方向の中央部に検査対象物wを導く構造となっている。
【0014】
ベルトコンベア261の搬送方向の上流側の両サイドには、カメラなどの撮像部12、コードスキャナ22が配置されている。つまり、撮像部12とコードスキャナ22の間にベルトコンベア261が配置されている。
【0015】
本実施形態では、
図3に示したように、検査対象物としての商品の表側には表ラベルLA(第1のラベル)が貼付されており、裏側には裏ラベルLB(第2のラベル)が貼付されている。ラベルLとしての表ラベルLAには商品名81、本体価格82などが印字されている。また、ラベルLとしての裏ラベルLBには、コード情報83(バーコードや2次元コード等)、商品詳細情報84などが印字されている。商品詳細情報84は、例えば、原材料名、アレルゲン名、食品添加物名、消費期限、保存方法、栄養成分表示(カロリー、栄養成分名、その含有量)、製造者名、住所などが記載されている。
尚、商品情報は、樹脂製の包装シートに直接印字されていてもよいし、包装シートに貼付されるラベルLに印字されていてもよい。
【0016】
図1、
図2に示すように、撮像部12は、搬送路に沿って搬送される検査対象物wの表ラベルLAを撮像可能に配置されている。撮像部12の撮像領域12ARは、例えば、
図1に示したように、ガイド部材Gとベルトコンベア261との間の所定領域に設定されている。撮像部12よりも搬送方向上流側の所定位置に、検査対象物検出部としての光センサ等のセンサ27A(27)が設けられている。
搬送される検査対象物wがセンサ27A(27)により検出された時から、搬送速度に応じた設定時間後、撮像領域12AR内に検査対象物wが位置するタイミングで、撮像部12が検査対象物wの表ラベルLAを撮像する。尚、撮像部12は常時撮像していてもよい。
【0017】
また、
図1、
図2に示すように、コードスキャナ22は、搬送路に沿って搬送される検査対象物wの裏ラベルLBに印字されたコード情報を読み取り可能に配置されている。コードスキャナ22の読取り領域22ARは、
図1に示したように、ガイド部材Gとベルトコンベア261との間の所定領域に設定されている。コードスキャナ22は、例えば、
図2に示したように、光を検査対象物wへ照射する発光部22aと、検査対象物wで反射された光を受光する受光部22bとを有し、搬送される検査対象物wの裏ラベルLBに印刷されたコード情報83(バーコードや2次元コード等)を読み取るように構成されている。
【0018】
撮像部12やコードスキャナ22よりも搬送方向下流側には、検査対象物wを良品と不良品に振分ける振分け部29(排除手段)、不良品を一時的に収納する容器291が設けられている。振分け部29と容器291の間にベルトコンベア261が配置されている。
容器291は振分け部側に開口部を有する。
【0019】
本実施形態では、振分け部29はガスを噴射可能な噴射装置を有し、検査対象物wが不良品であった場合、ベルトコンベア261で搬送された不良品にガスを噴射して、不良品を容器291へ移動させる。検査対象物が良品であった場合、振分け部29はガスを噴射せず、良品の検査対象物wはベルトコンベア下流側の次工程領域300へ搬送される。
詳細には、振分け部29よりも搬送方向上流側の所定位置に、検査対象物検出部としての光センサ等のセンサ27B(27)が設けられている。搬送される検査対象物wがセンサ27B(27)により検出された時から、搬送速度に応じた設定時間後、振分け部29のガス吹出し口からのガス吹き出し方向と重なる位置に、不良品の検査対象物wが位置するタイミングで、振分け部29から検査対象物wに向かってガスが噴射される。
【0020】
次に、検査装置100の各構成要素を詳細に説明する。
図4に示したように、検査装置100は、カメラ側制御部11、カメラなどの撮像部12(撮像手段)、カメラ制御側記憶部13、カメラ側表示入力部14(第1の表示領域)、メイン制御部21、コードスキャナ22、メイン制御側記憶部23、メイン表示入力部24(第2の表示領域)、操作入力部25、コンベア駆動部26、センサ27、及び振分け部29などを有する。
【0021】
本実施形態では、カメラ側制御部11とメイン制御部21により制御部10が構成されている。制御部10は、検査装置100の各構成要素を統括的に制御する。メイン制御部21とカメラ側制御部11は通信可能に接続されている。
また、カメラ側制御部11は、撮像部12、カメラ制御側記憶部13、カメラ側表示入力部14と電気的に接続されている。
また、メイン制御部21には、メイン表示入力部24、操作入力部25、コンベア駆動部26、センサ27、振分け部29などが電気的に接続されている。
【0022】
カメラ側制御部11は、主に、撮像部12、カメラ制御側記憶部13、カメラ側表示入力部14について統括的に制御を行う。また、カメラ側制御部11は、必要に応じてメイン制御部21と通信を行う。詳細には、カメラ側制御部11は、検査対象物の撮像画像と、予めカメラ制御側記憶部13に記憶された正画像(良品の撮像画像)とを比較し、比較の結果を示す信号(OK信号、NG信号等)をメイン制御部21へ出力する。
また、カメラ側制御部11は、メイン制御部21から設定開始信号を受信した場合、設定登録モードに設定され、設定登録モードに関する処理を行う。
【0023】
また、カメラ側制御部11は、所定の制御プログラムを実行することにより、特定手段111、比較手段112などの機能を検査装置(コンピュータ)に実現する。
特定手段111は、撮像手段により撮像された画像に含まれる一つの検査物品に固有の固有画像と、複数の検査物品に共通の共通画像とを特定する処理を行う。
比較手段112は、撮像手段により撮像された検査画像と記憶手段により記憶されている正画像とを比較する処理を行う。
カメラ側制御部11の詳細な動作については後述する。
【0024】
カメラなどの撮像部12は、検査対象物wを撮像して得られた撮像画像をカメラ側制御部11へ出力する。
【0025】
カメラ制御側記憶部13は、撮像部12により撮像された良品の撮像画像(正画像)、撮像画像(正画像)から抽出された商品名、価格などの商品情報の画像、品種連動番号(登録番号)などを関連付けて記憶する。
品種連動番号(登録番号)は、設定登録モード時に、ユーザ等により設定された良品の登録番号(識別情報)である。
【0026】
カメラ側表示入力部14(第1の表示領域)は、カメラ側制御部11の制御により、撮像手段(撮像部12)により得られる撮像画像に対する画像処理の設定に関する設定画面を操作可能に表示する。カメラ側表示入力部14は、例えば、表示装置付きタッチパネル等である。
【0027】
メイン制御部21は、主に、メイン制御側記憶部23、メイン表示入力部24、操作入力部25、コンベア駆動部26、振分け部29等について統括的に制御を行う。メイン制御部21は、必要に応じてカメラ側制御部11と通信を行う。
また、メイン制御部21は、カメラ側制御部11から、検査対象物の撮像画像と予め記憶された正画像(良品の撮像画像)とを比較した結果を示す信号を受信し、一致していない場合、検査対象物を不良品と判断し、一致している場合、検査対象物のラベルに表示されているコード情報と、予め記憶された正コード情報(良品のコード情報)とを比較し、比較の結果、一致していない場合に不良品と判断し、一致している場合、検査対象物に関して良品であると判断する。
つまり、本実施形態では、検査対象物に表ラベルLAに印字されている商品名や価格などの商品情報と、裏ラベルLBに記載されているコード情報の両方が、基準となる良品のものと一致している場合に検査対象物を良品と判断し、いずれか一方または両方が不一致の場合に検査対象物を不良品と判断する。
【0028】
また、メイン制御部21は、設定登録モード時に、カメラ側制御部11に設定開始信号を出力する。
【0029】
また、メイン制御部21は、制御プログラムを実行することにより、切替手段211、変更手段212等の機能を検査装置(コンピュータ)に実現する。
切替手段211は、第1の表示領域、又は第2の表示領域のいずれか一方の表示内容を切替えた場合、その切替えに応じて他方の表示内容を切替える処理を行う。
変更手段212は、後述するように、記憶手段により記憶される正画像の固有画像と共通画像との組み合わせを変更する処理を行う。
メイン制御部21の動作の詳細については後述する。
【0030】
コードスキャナ22は、上述したように、検査対象物wのラベルLに印刷されているコード情報(バーコードや2次元コード等)を読み取り、そのコード情報をメイン制御部21に出力する。
【0031】
メイン制御側記憶部23は、制御プログラムや各種情報を記憶する。また、メイン制御側記憶部23により記憶されている各種情報や制御プログラムは、必要に応じてメイン制御部21により読み出される。また、メイン制御側記憶部23は、メイン制御部21の制御により、コードスキャナ22により読み取られた良品のコード情報(正コード情報)、品種連動番号(登録番号)などを関連付けて記憶する。
【0032】
メイン表示入力部24(第2の表示領域)は、メイン制御部21の制御により、第1の表示領域の設定画面に対する操作を補助するための操作補助画面を操作可能に表示する。
また、メイン表示入力部24は、設定登録モード、検査モードなどの各種モードを選択可能なモード選択画面を、メイン制御部21の制御により操作可能に表示する。メイン表示入力部24は、例えば、表示装置付きタッチパネル等である。
【0033】
操作入力部25は、コンベア始動ボタン、緊急停止ボタンなどの各種ボタンや各種スイッチ等を有し、操作に応じた信号をメイン制御部21に出力する。
【0034】
コンベア駆動部26は、メイン制御部21の制御により、回転軸263、264の一方または両方に設けられた駆動モータを回転駆動して無端ベルト262を回転させることにより、ベルトコンベア261を稼働させる。
【0035】
センサ27は、搬送路に沿って搬送される検査対象物wを検出し、検出結果をメイン制御部21に出力する。センサ27は、発光部及び受光部を備えた光センサ等であり、上述したように、所定位置に配置されたセンサ27A、及びセンサ27Bを有する。
【0036】
振分け部29は、メイン制御部21の制御により、良品と判断された検査対象物としての商品をベルトコンベアの搬送路に沿って次工程領域300へ搬送させ、不良品と判断された検査対象物としての商品を、搬送路から外れさせる。振分け部29としては、例えば、ガス噴射装置、搬送方向を変更可能な可動装置などを採用することができる。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る検査装置100の動作の一例を説明する。
図5に示したように、ステップST1において、メイン制御部21は、メイン表示入力部24からの信号に基づいて、設定登録モード、検査モードなどに設定される。具体的には、メイン制御部21は、設定登録モードや検査モードなどと関連付けられたモード選択ボタンをメイン表示入力部24に操作可能に表示する処理を行う。
【0038】
ステップST2において、メイン制御部21は、メイン表示入力部24からの信号に基づいて、設定登録モードや検査モードが選択されたか否かを判断し、設定登録モードが選択されたと判断した場合、ステップST3の処理に進み、検査モードが選択されたと判断した場合、ステップST11の処理に進む。ステップST11の検査モード時の処理の後、ステップST1に進む。尚、ステップST11の検査モード時の処理については、後述する。
【0039】
ステップST3において、設定登録モード時、メイン制御部21は、登録対象物としての良品の品種連動番号(登録番号などの登録情報)と、良品の品名を入力可能な設定画面をメイン表示入力部24に操作可能に表示する処理を行う。
ユーザによるメイン表示入力部24の操作により品種連動番号と品名が入力された場合、メイン制御部21は、品種連動番号と品名を関連付けてメイン制御側記憶部23に記憶する。
また、メイン制御部21は、カメラ側制御部11へ、設定登録モードの開始を示す信号及び品種連動番号と品名を示す信号を出力する。カメラ側制御部11は、品種連動番号と品名を関連付けてカメラ制御側記憶部13に記憶する処理を行う。
【0040】
ステップST4において、登録対象物としての良品をベルトコンベア261の載置面上に載置する。メイン制御部21は、ベルトコンベア261を駆動して、登録対象物を搬送方向に沿って搬送させる。登録対象物の表側には表ラベルLAが設けられ、裏側には裏ラベルLBが設けられている。
コードスキャナ22は、登録対象物の裏ラベルに印刷されているコード情報(商品コード等を示すバーコードや2次元コード)を読み取り、メイン制御部21へ出力する。メイン制御部21は、そのコード情報をメイン表示入力部24に表示するとともに、ユーザに商品コードの確認を促す処理を行う。
また、カメラ側制御部11は、撮像部12により登録対象物(物品)の表ラベルを撮像し、得られた撮像画像をカメラ側表示入力部14に表示する処理を行う(
図6右側のカメラ側表示入力部14を参照)。
【0041】
図6に示したように、画面左(メイン表示入力部24(第2の表示領域))には、コードスキャナで読み取られた識別情報が表示され、画面右(カメラ側表示入力部14(第1の表示領域))には撮像部(カメラ)で撮像された画像情報が表示される。画面左には識別情報だけでなく、「右の画面でラベルが中央に写っていることを確認してください」等の文言が表示されている。
図6に示した例では、コードスキャナで読み取られた識別情報は「0123456789012」である。この識別情報には、商品名や商品の販売日・販売時間・賞味期限や商品が配送される便の情報や商品が製造された製造元の情報などが含まれている、又はその情報が関連付けられている。また、この「0123456789012」等の識別情報は、ラベルに印刷されているバーコードの全桁数であるが、検査の対象は全桁ではなく、一部の桁だけであってもよい。
【0042】
ユーザにより、コード情報の確認が行われ、且つ、カメラ側表示入力部14の中央部にラベルが表示されていることが確認された場合、メイン表示入力部24の確認ボタンが操作される。NGの場合、ユーザによりメイン表示入力部24のキャンセルボタンが操作される。
メイン制御部21は、確認ボタンが操作された場合、そのコード情報、品種連動番号、品名をメイン制御側記憶部23に記憶する処理を行う。
また、メイン制御部21は、カメラ側制御部11へコード情報、品種連動番号、品名を示す信号を出力し、カメラ側制御部11は、コード情報、品種連動番号、品名を関連付けてカメラ制御側記憶部13に記憶する処理を行う。
キャンセルボタンが操作された場合には、メイン制御部21は、ステップST1の処理に進む。
【0043】
ステップST5において、メイン制御部21は、
図7の左側に示したように、メイン表示入力部24に、”ここからは登録手順をこちらの画面でナビゲートします 右の画面を操作しながら「つぎ1へ(ボタン)」を押してください”などの表示を行うとともに、確認ボタン241を操作可能に表示する処理を行う。
確認ボタン241が操作された場合、メイン制御部21は、
図8左側に示したように、メイン表示入力部24に操作補助画面242を表示する。メイン制御部21は、カメラ側制御部11へ、確認ボタン241が操作された旨を示す信号を出力する。カメラ側制御部11はその信号を受けて、
図8右側に示したように、カメラ側表示入力部14に設定画面を操作可能に表示する。詳細には、カメラ側表示入力部14に設定画面には、例えば、品名、価格、販促シール、包材などに関する設定を選択可能なメニューが操作可能に表示されている。
本実施形態では、メイン制御部21は、メイン表示入力部24(第2の表示領域)に、操作補助画面242における設定手順を示す表示内容を切り替えるための切替手段として、次へボタン243、戻るボタン244を操作可能に表示する。次へボタン243は、操作補助画面242の次の設定手順を表示させるときに操作される。戻るボタン244は、操作補助画面242の前の設定手順を表示させるときに操作される。
メイン制御部21は、切替手段により、メイン表示入力部24の操作補助画面242の表示内容を切り替える処理を行う。
ユーザは、メイン表示入力部24(第2の表示領域)に表示される操作補助画面242を見てその操作説明に従って、カメラ側表示入力部14(第1の表示領域)の設定画面を操作することで、容易に撮像画像に対する画像処理の設定を行うことができる。カメラ側制御部11は、カメラ側表示入力部14への操作に応じて、撮像画像に対する画像処理の設定を行う。
つまり、メイン制御部21及びカメラ側制御部11は、第2の表示領域における操作補助画面と第1の表示領域の設定画面との協働により、画像処理の設定に関する処理を行う。
【0044】
具体的には、
図9に示した例は、品名の正画像を登録する処理の一例であり、メイン制御部21はメイン表示入力部24に、商品名表示領域の設定の操作を補助するための操作補助画面を表示する処理を行う。
ユーザはカメラ側表示入力部14を操作することで、カメラ側表示入力部14に表示された撮像画像から商品名表示領域を設定する。
図9の例では、4つの頂点により規定される矩形領域により商品名表示領域が設定される。
カメラ側制御部11は、カメラ側表示入力部14のOKボタンが操作された場合、上記矩形領域を商品名表示領域として設定する。
ユーザは商品名表示領域の設定が完了した場合、メイン表示入力部24の次へボタン243を操作する。次へボタン243が操作された場合、メイン制御部21は次の設定手順を示す操作補助画面をメイン表示入力部24に表示する処理を行う。
図9に示した例では、商品名の2文字目以降の部分を、検査対象物の良否判定に用いることで、画像処理の負荷を軽減させている。尚、商品名の全ての部分を検査対象物の良否判定に用いてもよい。
また、
図9の右側に示したように、メイン制御部21は、メイン表示入力部24に、取扱説明書の何ページの内容であるかを示す情報を表示する処理を行ってもよい。
【0045】
次に、例えば、
図10に示したように、メイン制御部21はメイン表示入力部24に、価格表示領域の設定の操作を補助するための操作補助画面を表示する処理を行う。
ユーザはカメラ側表示入力部14を操作することで、カメラ側表示入力部14に表示された撮像画像から価格表示領域を設定する。
図10の例では、4つの頂点により規定される矩形領域により価格表示領域が設定される。
カメラ側制御部11は、カメラ側表示入力部14のOKボタンが操作された場合、上記矩形領域を価格表示領域として設定する。
ユーザは価格表示領域の設定が完了した場合、メイン表示入力部24の次へボタン243を操作する。次へボタン243が操作された場合、メイン制御部21は次の設定手順を示す操作補助画面をメイン表示入力部24に表示する処理を行う。
【0046】
メイン制御部21は全ての設定が完了した場合、メイン表示入力部24に登録ボタンを操作可能に表示する処理を行う(不図示)。
ユーザにより登録ボタンが操作された場合、メイン制御部21は、設定登録指示を示す信号をカメラ側制御部11に出力する。カメラ側制御部11は、その信号を受けて、上記価格表示領域の画像、商品名表示領域の画像、品種連動番号、品名を関連付けてカメラ制御側記憶部13に記憶する処理を行う。
上記設定登録モードの処理が終了した場合、ステップST1の処理に進む。
【0047】
図11は正画像に関する固有画像と共通画像の一例を説明するための図である。本実施形態では、検査装置は、
図11に示したように、正画像を検査装置に設定登録する際、ある商品に固有の情報を示す画像(固有画像)と、複数の異なる種類の商品に共通する情報を示す画像(共通画像)を特定し、その固有画像と共通画像の組み合わせ(関連付け)により正画像を記憶手段に記憶(登録)することが可能である。特定処理としては、制御部が画像認識処理により、撮像画像から所定の領域を自動で特定してもよいし、カメラ側表示入力部からの信号に基づいて制御部が、撮像画像から所定の領域を特定してもよい。
【0048】
詳細には、固有画像は、検査物品(おにぎりなどの商品)に固有の画像である。
図11に示すように、固有画像は、例えば、検査物品に貼付されている商品ラベルに印刷された商品名を示す画像401であり、他の商品の画像とは共通しない画像である。この固有画像を予め正画像として記憶手段に記憶しておく。検査モード時、記憶手段に記憶されている固有画像と、撮像された検査物品の所定領域の画像とを比較することで、検査物品を容易に検査することができる。
【0049】
共通画像は、複数の異なる種類の検査物品(おにぎりなどの商品)に共通する画像である。例えば、
図11に示すように、共通画像は、商品ラベルに印字された商品価格を示す画像402、商品ラベルの近傍に貼付されている販促シール(販売促進シール)を示す画像403、商品(おにぎりなど)を包装している包材に印刷されている包材情報404、などである。この共通画像は、他の種類の商品にも共通して使われる画像である。この記憶手段に記憶されている共通画像は、他の検査物品を検査する場合に、必要に応じて参照することが可能である。つまり、共通画像は、異なる種類の検査部品を検査する場合に、必要に応じて使いまわしをすることができる。
すなわち、異なる種類の複数の商品を検査装置に登録する場合、共通画像については、一度登録すればよく、設定作業の簡易化、設定時間の短縮を実現することができる。
【0050】
また、検査装置は、
図12に示したように、正画像に関する情報を記憶手段に記憶する。
図12に示した例では、品番、品名、識別情報(商品コード等)、品名を示す品名画像、価格を示す価格画像、販促シールを示す販促シール画像、包材を示す包材画像、合否判定の判定条件を示す情報が、検査装置の記憶手段に関連付けて記憶されている。
図12に示したように、検査装置の記憶手段には、画像情報と識別情報を組み合わせて記憶していることで、商品に関する正情報を容易に読み出すことができる。
尚、本実施形態では、正情報=識別情報(バーコード等の情報)+正画像(画像の情報)であり、正画像=固有画像+共通画像である。
【0051】
また、検査装置は、
図12に示した品番、品名、識別情報(商品コード等)、品名画像、価格画像、販促シール画像、包材画像、合否判定の判定条件を示す情報と、さらに、品名画像、価格画像、販促シール画像、包材画像それぞれの領域を示す位置情報(領域情報)を関連付けて、記憶手段に記憶してもよい。
位置情報(領域情報)は、例えば、撮影手段により物品を撮像して得られた画像の基準点に基づいて規定される。座標の基準点(原点)は、撮像画像の任意の位置に設定してよく、例えば、撮像画像の左下隅の位置としてもよいし、撮像された商品の目印となる部分、詳細には、商品と背景のエッジ部分などであってもよい。
矩形状の画像の場合、位置情報(領域情報)としては、四隅の一つの点の座標と、その点の対角位置の座標とで表現することができる。また、矩形状の画像の場合、位置情報(領域情報)としては、四隅の一つの点の座標と、画像の縦サイズと横サイズとで表現することもできる。
【0052】
図12に示した例では、合否判定の判定条件を示す情報に関し、その条件を満たした場合に、記憶手段に記憶されている正画像と、検査モード時に撮像して得られた撮像画像とが一致していると判断し、その条件を満たしていない場合、正画像と撮像画像とが一致していないと制御部が判断する。
具体的には、
図12に示した品番001の場合、合否判定の判定条件が[1][2]と規定されており、つまり、固有画像としての品名画像と、共通画像としての価格画像の組み合せで規定されている。つまり、このウメを示す品名画像と、100円を示す共通画像の両方が一致している場合に、正画像と撮像画像とが一致していると制御部が判断し、一方または両方が一致していない場合、正画像と撮像画像とが一致していないと判断する。
【0053】
また、
図12に示した品番005の場合、合否判定の判定条件が[1][2][3]/[1][2]と規定されており、つまり、固有画像としての品名画像、共通画像としての価格画像、共通画像としての販促シール画像の組み合わせ、又は固有画像としての品名画像、共通画像としての価格画像の組み合わせで規定されており、その条件を満たす場合に、正画像と検査モード時の撮像画像が一致していると判断される。
【0054】
また、
図12に示した品番009の場合、合否判定の判定条件が[1][2]/[1][2][3]/[1][2][4]/[1][2][3][4]と規定されており、つまり、上述した例と略同様に、その各条件を満たす場合に、正画像と検査モード時の撮像画像が一致していると判断される。
【0055】
図13は、検査モード時、第2表示領域としての操作入力部25に表示される設定画面の一例である。この設定画面は、検査モードの合否判定の基準を変更する変更手段212Aを有する。
詳細には、
図13に示した設定画面は、検査対象に関する情報として、品番31、品名32、表ラベルLA(POPラベル)として、販促シールのあり/なしを示す操作表示部(変更手段212A)、撮像された表ラベルLAの判定結果33(登録された正画像と撮像された撮像画像とを比較した結果を表示)、バーコード読取結果を示す表示部34(コードスキャナによって読み取られた読取結果の全体)、登録コードを示す表示部35(正情報として登録された識別情報の一部桁を表示している、この数値が読取結果と比較される)、読取コードを示す表示部36(読取結果(34)のうち、正情報と比較される桁部だけを表示)、判定結果を示す表示部37(撮像結果と読み取り結果のいずれも正情報と一致している場合にOKと判定する、総合判定結果を表示。どちらかの情報が不一致であった場合はNGと判断される)、検査数を示す表示部38(検査された総数量を表示)、NG数を示す表示部39(総合判定結果がNGだった数量を表示=排出手段により排出された数と見ることもできる)、通過ボタン310(検査モードから通過モードに切り替えるボタン。通過モードでは搬送される物品に対して判定を行わないため排出もされない。
単に物品を流す際に利用する)、終了ボタン311(検査対象を選択する選択画面(図示しない)に戻る)などの操作入力部を有する。
上記各表示部(33~39)は一つの物品が検査されるごとに表示内容が更新される。
登録コードを示す表示部35には、正情報として登録されている識別情報のうち、予め比較の対象とする桁部のみを表示している。
図13の例では全桁数のうち、3桁目~8桁目を比較の対象としている。また、数値内にある「*」には、どの数値であってもよい旨を示している。本実施形態では、例えば、変更手段212Aを操作した場合、販促シールあり/販促シールなしの切替え設定、つまり、商品の合否の判断条件として、販促シールを示す画像を含めるか否かを設定することができる。
【0056】
尚、図示しないが、変更手段は、商品の合否の判断条件として、包材画像を含めるか否かを略同様のGUI(グラフィカルユーザインタフェース)で設定可能に構成されている。
【0057】
図14は、相関値の閾値の設定画面の一例を示す図である。
詳細には、検査モード時、制御部10のカメラ側制御部11は、記憶手段(カメラ制御側記憶部13やメイン制御側記憶部23)に記憶している正画像、その正画像に関連付けられている固有画像(商品名を示す画像)や共通画像(価格を示す画像、販促シールを示す画像など)と、搬送される検査対象物を撮像して得られた撮像画像とを比較する処理として、相関値を算出する相関値算出処理や、類似度を算出する類似度算出処理を行う。本実施形態では、相関値や類似度は、%表示である。つまり、相関値は、照合する各項目の一致度を%で表した数値である。
算出された相関値または類似度が設定された閾値以上の場合、制御部は、撮像された商品の画像と、記憶手段に記憶されている正画像とが相関していると判断し、OK表示などのOK処理を行う。相関値の閾値が大きいほど、検査が厳しく処理される(高精度に検査可能)。
また、算出された相関値または類似度が、設定された閾値未満の場合、制御部は、撮像された商品の画像と記憶手段に記憶されている正画像とが相関していないと判断し、NG表示などのNG処理を行う。
【0058】
相関値または類似度に関する閾値は、検査毎に商品毎に、商品名画像、価格画像、販促シール画像等それぞれで設定可能である。
詳細には、
図14に示したように、固有画像としての商品名を示す画像部分、共通画像としての価格を示す画像部分、共通画像としての販促シールを示す画像部分それぞれに関し、閾値50として80、85、80(%)に設定されている。カメラ側制御部11やメイン制御部21などの制御部10は、操作入力部25やカメラ側表示入力部14などの操作入力部からの信号に基づいて上記閾値50を変更する処理を行う。
例えば、商品名を示す画像や販促シールを示す画像には文字が含まれており、価格を示す画像には数字が含まれており、文字と比べて数値のほうが相関値を高精度に算出することができる。すなわち、品名を示す画像や販促シールを示す画像に関する相関値の閾値が、価格を示す画像に関する相関値の閾値よりも低く設定されていることが好ましい。
【0059】
次に、
図15等を参照しながら、本発明の実施形態に係る検査装置100の検査モード(ST11)時の動作の一例を説明する。詳細には、ステップST11以降は、検査装置100の検査モード時の動作の一例を示す。検査対象物wは表側に表ラベルLAが設けられ、裏側に裏ラベルLBが設けられている。
【0060】
ステップST12において、検査モード時、メイン制御部21は、メイン表示入力部24に、品種連動番号の入力を促す表示処理を行う。ユーザは、メイン表示入力部24を操作して品種連動番号を入力する。
【0061】
ステップST13において、メイン制御部21は、メイン表示入力部24から入力された品種連動番号に基づいて、メイン制御側記憶部23から、品種連動番号に関連付けられた商品情報(登録情報)を読み出す。詳細には、メイン制御部21は、品種連動番号に関連付けられた品名、コード情報などの商品情報(登録情報)をメイン制御側記憶部23から読み出す。
また、メイン制御部21は、検査モードの開始を示す信号と品種連動番号を示す信号をカメラ側制御部11へ出力する。カメラ側制御部11は、その信号を受けて、カメラ制御側記憶部13から、品種連動番号に関連付けられている品名、価格表示領域の画像、商品名表示領域の画像などを読み出す。
【0062】
ステップST14において、操作入力部25のスイッチによりベルトコンベアを駆動状態とさせる操作が行われた場合、メイン制御部21は、駆動モータ等のコンベア駆動部26によりベルトコンベア261の無端ベルトを所定方向に回転させる。
ユーザは検査対象物wとしての商品をベルトコンベア261の載置面上に載置する。
搬送部としてのベルトコンベア261は、検査対象物wを搬送路に沿って搬送方向へ搬送する。
【0063】
ステップST15において、検査モード時、カメラ側制御部11は、メイン制御部21の指示を受けて、撮像部12により検査対象物wである商品のラベルL、詳細には表ラベルLAを撮像する処理を行う。
カメラ側制御部11は、撮像部12により取得した撮像画像と、予めカメラ制御側記憶部13から読み出された品種連動番号に関連付けられた価格表示領域の画像、商品名表示領域の画像などの正画像(良品の撮像画像)と比較する。また、カメラ側制御部11は、上記比較の結果、一致している場合に、撮像画像に関して正画像と一致していることを示すOK表示をカメラ側表示入力部14に表示し、一致していない場合に、撮像画像に関して正画像と不一致であることを示すNG表示をカメラ側表示入力部14に表示する処理を行い、その比較結果を示す信号をメイン制御部21に出力する。
【0064】
ステップST16において、コードスキャナ22が検査対象物wの裏ラベルLBに印刷されているコード情報を読み取り、コード情報をメイン制御部21に出力する。
ステップST15、ステップST16の処理は、カメラ側制御部11とメイン制御部21により並列処理される。
【0065】
ステップST17において、制御部10は、撮像部12により得た撮像画像中の商品名や価格、及びコードスキャナ22により読み取られたコード情報などの登録情報が、品種連動番号に関連付けられた登録情報(正画像における価格表示領域の画像、商品名表示領域の画像、コード情報等)と比較して、一致しているか否かを判別し、一致している場合にステップST18の処理に進み、一致していない場合にステップST19の処理に進む。
詳細には、カメラ側制御部11は、検査対象物の表ラベルLAの撮像画像と、予め記憶された正画像(良品の撮像画像)の価格表示領域の画像、商品名表示領域の画像等を比較し、
図16に示したように、比較の結果を、カメラ側表示入力部14に表示する処理を行い、その比較の結果を示す信号をメイン制御部21に出力する。
図16(a)に示した例では、検査モード時、表ラベルLAの正画像と撮像画像で、価格表示領域の画像、商品名表示領域の画像それぞれが一致し、一致していることを示す「OK」がそれぞれの近傍に表示されるとともに、その結果の基づいた判定の結果、「OK」が画面左下部分に表示される。
図16(b)に示した例では、検査モード時、表ラベルLAの正画像と撮像画像とで、撮像画像の価格表示領域の数値に印字かすれ等の印字不良が生じており、価格表示領域の画像が一致しないことを示す「NG」がその近傍に表示され、価格表示領域の画像が一致していることを示す「OK」がその近傍に表示されるとともに、その結果に基づいた判定の結果、「NG」が画面左下部分に表示される。
【0066】
また、メイン制御部21は、検査対象物wの裏ラベルLBに表示されているコード情報と、予め記憶された正コード情報(良品のコード情報)とを比較する。
メイン制御部21は、カメラ側制御部11からの受信結果に基づいて、表ラベルLAの価格や価格などの商品情報が正画像一致しており(A条件)、且つ、コードスキャナにより読み取られた裏ラベルLBのコード情報が正コード情報と一致している(B条件)場合に、検査対象物wを良品と判断してステップST18の処理に進み、A条件とB条件のいずか一方又は両方が満たされていない場合、検査対象物wを不良品と判断してステップST19の処理に進む。
【0067】
ステップST18において、メイン制御部21は、検査対象物wを良品と判断して、OK処理として、ベルトコンベア261により次工程領域300へ検査対象物wを搬送する処理を行い、ステップST21の処理に進む。
【0068】
ステップST19において、メイン制御部21は、検査対象物wを不良品と判断して、NG処理として、振分け部29により検査対象物wを容器291へ移動させて一時保管させる処理を行い、NG数をカウントアップし、詳細にはNG数に1を加算し(ST20)、ステップST21の処理に進む。
尚、メイン制御部21は、検査対象物wを不良品(NG)と判断した場合、NG処理として、検査対象物wの全体または不良箇所を撮像して得られる画像(NG画像)を、メイン制御側記憶部23やカメラ制御側記憶部13等の記憶手段に記憶してもよい。また、検査装置の制御部は、NG画像を上位装置である管理装置(コンピュータ)へ画像を送信してもよい。このNG画像は、例えば、ログや、検査後の確認処理、製造工程等の改善のためなどに参考に用いられる。
【0069】
ステップST21において、検査数をカウントアップする、詳細には、検査数に1を加算する。
そして、上述した検査モードに関する処理を、所定の個数の検査対象物wに対して行った後、検査モードを終了して、
図5に示すステップST1の処理に進む。
【0070】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る検査装置100(ラベル検査装置)は、検査対象の物品(検査物品)を撮像する撮像手段としての撮像部12と、撮像手段により撮像される物品の撮像位置とは異なる位置から物品の識別情報を取得する取得手段(コードスキャナ22等)と、検査物品の比較対象となる正情報を記憶する記憶手段(カメラ制御側記憶部13やメイン制御側記憶部23)と、物品を搬送する搬送手段(ベルトコンベア261等)と、撮像手段による撮像画像と取得手段(コードスキャナ22等)による識別情報を、記憶手段が記憶する正情報と比較し、検査対象の物品に関する正否判定を行う制御手段(制御部10)とを有する。
すなわち、検査装置100は、撮像手段(撮像部12)により物品を撮像して得られた画像に基づいた検査と、コードスキャナ22等の取得手段による物品の識別情報(バーコードなどのコード情報)を読み取り、その識別情報に基づいた検査を、一つの検査装置で行う。詳細には、検査モード時、制御手段が上記画像や識別情報と正情報と比較して、検査対象の物品に関する正否判定を行い、画像と識別情報の両方が正しい場合、検査対象の物品を正しい(適正物)と判断し、それ以外の場合に、検査対象の物品を正しくない(不適正物)と判断するので、高精度に物品を検査することができ、簡単な構造で小型の検査装置を提供することができる。
具体的には、本発明の実施形態に係る検査装置100は、物品(商品)の被貼付面に貼付された表ラベルと裏ラベルが正しく貼付されているかを検査する装置であり、表ラベルと裏ラベルを組み合わせてひとつの正情報として記憶手段に記憶し、両方のラベルが正と判断されたときにのみ、検査対象の物品を良品(適正物)と判断するので、高精度に物品を検査することができ、簡単な構造で小型の検査装置を提供することができる。
【0071】
<検査ラインの長大化の防止や調整工数の短縮>
また、本発明の実施形態に係る検査装置は、撮像手段により物品を撮像して得られた画像に基づいた検査処理と、コードスキャナ22等の取得手段により取得された識別情報に基づいて検査処理を一つの検査装置で実現することにより、検査ラインの長大化を防ぐことができ、さらに搬送部などの設置調整等が一台分になるため、メンテナンス性(保守性)が優れている。
【0072】
<品種連動>
ところで、従来、検査ラインに沿って配置された複数の検査装置は、検査時に、検査対象の物品と比較するための正情報(適正物に関する情報)を記憶装置からそれぞれ読み出し、各検査装置で煩雑な設定操作を行うことを要する。また、従来、各検査装置間を通信手段により接続して、各検査装置を連動させながら物品の検査を行うには、各検査装置で煩雑な設定操作を行うことを要する。
一方、本発明の実施形態に係る検査装置は、撮像手段により撮像される物品の画像の比較検査に用いる正情報と、取得手段により取得された物品の識別情報の比較検査に用いる正情報を組みで一括で記憶手段から読み出して設定処理を行うので、短時間で設定操作を完了することができ、良好な操作性を有する。
【0073】
<品種登録>
従来、検査ラインに複数の検査装置が配置された物品検査システムでは、新規の検査対象が追加される都度、各検査装置で新規検査対象の商品に関する正情報を設定、記憶させることを要する。
一方、本発明の実施形態に係る検査装置は、新規の検査対象を追加設定する場合、一つの検査装置で、撮像手段により撮像される物品の画像の比較検査に用いる正情報と、取得手段により取得された物品の識別情報の比較検査に用いる正情報を設定登録する処理を簡易化することができる。
【0074】
また、本発明の実施形態に係る検査装置は撮像手段(撮像部)を備えているので、搬送中の物品(商品)に正しい商品ラベル(表ラベル)が貼付されているかを容易に確認(商品ラベルの有無)することができる(A1)、物品に貼付されている商品ラベルの印字内容や欠けや汚れはないかを容易に確認(商品ラベルの状態)することができる(A2)、物品に貼付されている商品ラベル、販促シール、包材の組み合わせに間違いは無いかを容易に確認することができる(A3)。
【0075】
また、本発明の実施形態に係る検査装置は、取得手段として読取装置(コードスキャナ22)を備えているので、搬送中の物品(商品)に正しいPOSラベル(裏ラベル)が貼付されているかを容易に確認(POSラベルの有無)することができる(B1)、物品に貼付されているPOSラベルの印字内容に問題は無いかを容易に確認することができる(B2)、また、POSラベルのバーコードには複数の情報が含まれており、これらの情報が事前記憶されている正情報と合致しているか否かを容易に判定することができる(B3)。バーコードには含まれる情報としては、例えば、商品名や商品の識別番号に関する情報、商品の販売日・販売時間・賞味期限、商品が配送される便の情報、商品が製造された製造元の情報などを挙げることができる。
【0076】
また、本発明の実施形態に係る検査装置100は、設定登録モード時、搬送手段(ベルトコンベア261等)により物品(設定登録対象の物品)が搬送されると、制御手段(制御部10)は、撮像手段(撮像部12)による撮像結果と取得手段による識別情報とを関連付け、正情報として記憶手段に記憶する処理を行う。
すなわち、設定登録モード時、簡単に、物品(商品)を関する撮像画像と識別情報とを関連付けた正情報を記憶手段に記憶させることができる。
【0077】
ところで、従来、特許文献2に記載の外観検査装置などの一般的な検査装置では、撮像画像の画像処理に関する設定を行う際に高度で煩雑な操作を行うことを要し、設定完了までに時間が掛かる場合がある。また、従来、ガイダンスを設定画面上に重畳して表示する装置が知られているが、この装置では設定画面上にガイダンスが重畳表示されるので、利用者にとって煩わしく感じられ、設定操作の効率がよくない場合がある。
【0078】
一方、本発明の実施形態に係る検査装置100(ラベル検査装置)は、商品に貼付されているラベルや商品を包装する包装物が予め規定されたものと一致しているか否かを検査する、つまり、合否判定を行う。検査装置100は、検査対象物を撮像手段としての撮像部12により撮像して得られた撮像画像と、予め記憶された正画像(良品の撮像画像)とを比較することで該検査対象物の良否判定を行う制御部10(メイン制御部21、カメラ側制御部11)を有する。検査装置100は、撮像装置の設定画面を表示する第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)と、設定画面の補助情報を表示する第2の表示領域(メイン表示入力部24)とを有する。第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)は、第2の表示領域(メイン表示入力部24)の近傍に併設されている。
詳細には、第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)は、撮像手段(撮像部12)により得られる撮像画像に対する画像処理の設定に関する設定画面を操作可能に表示する。
第2の表示領域(メイン表示入力部24)は、第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)の設定画面に対する操作を補助するための補助情報(操作補助画面)を操作可能に表示する。
【0079】
すなわち、簡単な構成で、検査対象物を撮像する撮像部12や撮像画像に関する画像処理等の設定操作を、効率よく行うことができる検査装置を提供することができる。
また、第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)に対して、設定操作を効率よく行うことができる。つまり、設定操作を短時間で完了可能な検査装置を提供することができる。
また、簡単な操作により、検査対象物としての商品のラベルに印字された商品名、価格、コード情報などの商品情報が規定のものであるか否かを検査する、簡単な構造の検査装置を提供することができる。
【0080】
また、本発明の実施形態に係る検査装置は、第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)、又は第2の表示領域(メイン表示入力部24)のいずれか一方の表示内容を切替えた場合、その切替えに応じて他方の表示内容を切り替える切替手段(切替手段211)を有する。尚、上述した実施形態では、メイン制御部21の切替手段211が上記切替制御を行ったが、この実施形態に限られるものではない。例えば、カメラ側制御部11がプログラムを実行することで切替手段を実現してもよい。また、メイン制御部21とカメラ側制御部11が協働することで切替手段を実現してもよい。
つまり、メイン表示入力部24(第2の表示領域)の表示内容を切替えた場合、切替手段は、この切替えに連動してカメラ側表示入力部14(第1の表示領域)の表示内容を切り替える制御を行う。例えば、メイン表示入力部24に表示される確認ボタン等が押下された場合、切替手段は、カメラ側表示入力部14の表示内容を設定画面に切替える処理を行う。
【0081】
また、カメラ側表示入力部14の表示内容を切り替えた場合、切替手段は、この切替えに連動して、メイン表示入力部24(第2の表示領域)の表示内容を切替える制御を行う。例えば、具体的には、カメラ側表示入力部14において、矩形領域により商品名表示領域を設定する処理や価格表示領域を設定する処理に連動して、メイン表示入力部24にて次の設定のための操作補助画面を表示するように、表示内容を切替える制御を切替手段が行う。
すなわち、両表示領域の一方が主、他方が従の関係、又は逆の関係となるように構成されている。
【0082】
また、本発明の実施形態に係る検査装置100では、表示手段としてのカメラ側表示入力部14(第1の表示領域)は、撮像手段(撮像部12)により撮像された検査物品の画像を表示する。検査装置100は、撮像手段(撮像部12)により撮像された画像に含まれる一つの検査物品に固有の固有画像と、複数の検査物品に共通の共通画像とを特定する特定手段111と、特定手段111により特定された固有画像、又は共通画像を記憶する記憶手段(カメラ制御側記憶部13、メイン制御側記憶部23)と、を有する。
【0083】
特定手段111は、撮像手段により検査物品を撮像して得られた画像から、固有画像(品名を示す画像など)、共通画像(販促シールを示す画像、包材情報を示す画像など)を特定する処理を行う。また、特定手段111は、
図9、
図10に示したように、撮像手段により検査物品を撮像して得られた画像から、品名などを示す領域の部分を固有画像とし、包材情報を示す領域の部分を固有画像とする。
【0084】
また、本発明の実施形態に係る検査装置の記憶手段(カメラ制御側記憶部13、必要に応じてメイン制御側記憶部23)は、固有画像と共通画像との組み合わせにより正画像を記憶する。検査装置100は、撮像手段により検査物品を撮像して得られた検査画像と、記憶手段により記憶されている正画像とを比較する比較手段112を有する。
詳細には、特定した固有画像や共通画像の組合せにより、商品毎に比較手段による比較の判定基準が異なる。
例えば、登録モードの場合、検査装置の記憶手段が共通画像を記憶していない状態で、商品「鮭」を撮像した場合、商品「鮭」の固有画像である「サケ」(品名を示す画像)を特定する処理を行い、固有画像(品名画像)を記憶手段に記憶することができる。
さらに、商品「鮭」おにぎりに、「新商品」を示す販促シールが貼付されていた場合、登録モード時、商品「鮭」を撮像手段により撮像して得られた画像から、「新商品」のシール部分の画像を特定して抽出し、抽出された部分の画像を共通画像として記憶手段へ記憶することができる。
共通画像の特徴は、例えば、「新商品」という共通画像を、商品「鮭」だけに用いるのではなく、他の商品の正画像の登録の際にも、この共通画像を使い回すことができる。
また、共通画像として、例えば、価格を示す画像(価格画像)、包材を示す画像(包材画像)も同様に、他の商品の登録の際に、共通に利用することができる。
【0085】
共通画像を用いる具体的なメリットとしては、例えば、共通画像として、価格画像、販促シール画像、包材画像が記憶手段に既に記憶されている場合、登録モード時、商品「ねぎとろ」の正画像を登録するときに、商品「ねぎとろ」を撮像して得られた撮像画像から、品名を示す「ねぎとろ」の部分だけを特定して抽出し、その品名画像を固有画像として、商品「ねぎとろ」の品番、品名等と関連付けて記憶手段に記憶する。
そして、商品「ねぎとろ」と、共通画像の価格画像、販促シール画像、包材画像を関連付ける。すなわち、撮像画像から価格、販促シール、包材等の部分を特定して抽出する必要がなく、登録にかかる処理が軽減し、短い時間で商品「ねぎとろ」の登録を行うことができる。
また、本発明の実施形態に係る検査装置は、検査のバリエーションの数だけ、正画像を撮像する必要がなく、異なる種類の検査物品の検査で、共通画像を使い回しができるので、固有画像と共通画像の組み合わせにより、複数のバリエーションの正画像(合否判定の基準となる画像)を生成することができ、正画像の撮像回数や共通画像の設定処理等を減らすことができる。
【0086】
また、本発明の実施形態に係る検査装置100は、記憶手段(カメラ制御側記憶部13やメイン制御側記憶部23)により記憶されている、正画像の固有画像と共通画像との組み合せを示す組合せ情報を変更する変更手段212を有する。
検査時、第2の表示領域(メイン表示入力部24)において、「販促シールなし」の表示部分は、操作可能なボタンであり、このボタンが操作された場合、「販促シールあり」、「販促シールなし」と表示内容が切り替わるように制御部が制御を行う。詳細には、変更手段212は、「販促シールあり」、又は「販促シール」なしに応じて合格判定基準(判定基準)を変更する。
【0087】
また、本発明の実施形態に係る検査装置の比較手段112は、撮像手段により検査物品を撮像して得られた検査画像と、記憶部に記憶されている正画像との比較に基づいて、該検査画像と該正画像とが相関しているか否かの結果を第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)に表示する処理を行う。また、第2の表示領域(メイン表示入力部24)は、その結果に基づく検査情報(判定結果がOK、またはNG)を表示するように、制御部のメイン制御部21が制御を行う。
【0088】
また、本発明の実施形態に係る検査装置の制御部10のメイン制御部21は、第2の表示領域(メイン表示入力部24)の操作補助画面に、設定手順を示す表示内容を切り替える切替手段(進むボタン又は戻るボタン等)を操作可能に表示する処理を行う。
制御部10は、切替手段(進むボタン又は戻るボタン等)への操作に応じて、第2の表示領域(メイン表示入力部24)の操作補助画面の表示内容を切り替える処理を行うとともに、第2の表示領域(メイン表示入力部24)における操作補助画面と第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)の設定画面との協働により、画像処理の設定に関する処理を行う制御部10を有する。
【0089】
詳細には、制御部10は、メイン制御部21とカメラ側制御部11を有する。
カメラ側制御部11は、設定登録モード時、撮像部12により基準となる良品のラベルを撮像して得られた撮像画像をカメラ制御側記憶部13に記憶する。ラベルには、商品情報(ラベル情報)として、商品名、価格、コード情報などが印字されている。また、カメラ側制御部11は、カメラ側表示入力部14による設定情報に基づいて、撮像画像からラベル(本実施形態では表ラベルLA)の規定位置に印字された商品名、価格などの商品情報を抽出し、それと撮像画像とを関連付けてカメラ制御側記憶部13に記憶する。
また、カメラ側制御部11は、検査モード時、撮像部12により検査対象物のラベル(本実施形態では表ラベル)を撮像して得られた撮像画像と、カメラ制御側記憶部13から読み出した、基準となる良品の撮像画像、商品名や価格などの商品情報とを比較して、該検査対象物の良否判定を行い、良否判定の結果をメイン制御部21へ出力する。また、カメラ側制御部11は、その良否結果をカメラ側表示入力部14に表示する。
【0090】
メイン制御部21は、検査モード時、コードスキャナ22により読み取られた、検査対象物のラベル(本実施形態では裏ラベル)に印刷されているコード情報が基準となる情報と比較して適切であるか否かを判定し、適切である場合に、裏ラベルに関して良品であると判断する。
そして、メイン制御部21は、検査モード時、カメラ側制御部11からの表ラベルの良否結果、及びコードスキャナ22により読み取られたコード情報の良否の結果に基づいて、総合的に検査対象物の良否判定を行う。つまり、本実施形態では、検査装置100のメイン制御部21は、検査対象物の表ラベルと裏ラベルそれぞれが基準のものと一致している場合に検査対象物が良品であると判断し、表ラベルと裏ラベルのうち少なくとも一方が基準と一致していない場合に不良品であると判断する。
すなわち、上述したように、メイン制御部21とカメラ側制御部11が協働して、検査モードに関する処理を並列処理することにより、検査対象物を短時間に高精度に検査することができる検査装置を提供することができる。
また、検査対象物の表ラベルと裏ラベルを一度に短時間に検査することができる、簡単な構成の検査装置を提供することができる。
【0091】
また、メイン制御部21は、設定登録モード時、第2の表示領域(メイン表示入力部24)に操作補助画面を操作可能に表示する処理を行い、且つ、設定登録モードの開始を示す信号をカメラ側制御部11に出力する処理を行う。カメラ側制御部11は、メイン制御部21から設定登録モードの開始を示す信号を受信した場合、第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)にて設定画面による設定処理を開始する処理を行う。すなわち、設定登録モード時、メイン制御部21とカメラ側制御部11が設定登録に関する処理を略同時に開始するとともに、設定登録に関する処理を協働して並列に処理することができる検査装置を提供することができる。
【0092】
また、制御部は、設定登録モード時、良品の撮像画像のうち、商品情報が印字されている部分を第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)にて設定するための手順を第2の表示領域(メイン表示入力部24)に表示する処理を行い、且つ、第1の表示領域(カメラ側表示入力部14)にて商品情報が印字されている部分を設定する処理を行う。
すなわち、利用者にとって、第2の表示領域(メイン表示入力部24)に表示された操作補助画面を見て、必要に応じて操作補助画面を操作して、設定手順の進み具合と連動させながら、撮像画像に対する画像処理に関する設定画面を効率よく操作することができる検査装置を提供することができる。
【0093】
ところで、従来の物品検査システムでは、検査ラインに複数配置された検査装置で不適正と判断された物品を排出する場合、検査装置毎に不適正な物品を排出するための排出手段を設けたり、又は下流側の検査装置にのみ排出手段を設け、上流側の検査装置からエラー判定の旨を示す検査信号を下流側の検査装置に送信して、下流側の排出手段により不適正な物品を排出するという複雑な制御を行うことを要する。
一方、本発明の実施形態に係る検査装置100は、制御手段としての制御部10が撮像手段及び取得手段による検査結果に基づいて物品の検査に関する正否判定を行い、検査処理としての比較の結果、検査対象の物品を否(不適正な物品)と判定した場合、搬送手段(ベルトコンベア261等)により搬送される物品を搬送経路(搬送路)から排除する排除手段として振分け部29を有する。
すなわち、簡単な構造で、排出手段により不適正な物品を簡単に排出することができる搬送装置を提供することができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0095】
本発明の実施形態に係る検査装置は、例えば、商品の製造ラインで利用される。
詳細には、製造ラインの上流側に、おにぎりなどの商品を包装する包装装置や、包装された商品にラベルを貼付する貼付装置などが配置され、製造ラインの下流側に検査装置が配置され、それぞれ相互に通信可能に構成されている。検査装置は、必要に応じて、上流側の包装装置や貼付装置から、検査対象物に関する商品情報を受信し、その商品情報に基づいて、検査対象物を切替えて、各種設定を変更する処理を行ってもよい。すなわち、検査対象物の種類などが変更となった場合であっても、検査装置は、手動にて検査対象物を切替えることなく、自動で各種設定を変更することができる。
また、検査装置は、製造ラインを統括している上位の制御装置等から、必要に応じて商品情報を受信し、その商品情報に基づいて、検査対象物を切替える処理を行ってもよい。
【符号の説明】
【0096】
10…制御部(制御手段)
11…カメラ側制御部
12…撮像部(撮像手段)
13…カメラ制御側記憶部(記憶手段)
14…カメラ側表示入力部(第1の表示領域、表示手段)
21…メイン制御部
22…コードスキャナ(コード情報取得部)
23…メイン制御側記憶部(記憶手段)
24…メイン表示入力部(第2の表示領域、表示手段)
25…操作入力部
26…コンベア駆動部
27…センサ
29…振分け部(排除手段)
40…操作表示装置
100…検査装置(ラベル検査装置)
111…特定手段(特定部)
112…比較手段(比較部)
211…切替手段(切替部)
212…変更手段(変更部)
243…次へボタン(切替手段)
244…戻るボタン(切替手段)
261…ベルトコンベア(搬送手段)
L…ラベル
LA…表ラベル
LB…裏ラベル
w…検査対象物(検査物品)