(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042067
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】医療デバイス送達システム用のコアアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61F 2/966 20130101AFI20240319BHJP
【FI】
A61F2/966
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024014698
(22)【出願日】2024-02-02
(62)【分割の表示】P 2020567848の分割
【原出願日】2019-06-04
(31)【優先権主張番号】16/001,842
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アショク ナゲスワラン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ステント送達システムを提供する。
【解決手段】ステント送達システム100は、身体内腔内への挿入のためにサイズ決めされ、かつ身体内腔内の治療部位に向かってステント105を前進させるために構成されたコアアセンブリ103を含み得る。コアアセンブリは、長手方向に延在するチューブ106を含み得、チューブは、内腔111、およびチューブに沿って延在する螺旋状切り欠き115を有する。細長いワイヤ104が、チューブの内腔を通って延在し得る。ワイヤは、チューブの遠位に配設された中間部分114を有し得る。システムはまた、中間部分によって運ばれるステントを含み得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月6日に出願された米国特許出願第16/001,842号に対する優先権の利益を主張し、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
血管系の壁、特に動脈壁は、動脈瘤と呼ばれる病的に拡張した領域を生じることがあり、たいていその壁は薄く弱くなり、破裂しやすい。動脈瘤は一般に、疾患、けが、または先天性異常による血管壁の脆弱化によって引き起こされる。動脈瘤は体の様々な部分に発生し、最も一般的なものは、腹部大動脈瘤と神経血管系の脳(例えば、大脳)動脈瘤である。動脈瘤の脆弱化した壁が破裂すると、特に脳動脈瘤の破裂である場合は、死に至る可能性がある。
【0003】
動脈瘤は一般に、血管の脆弱化した部分を動脈循環から排除するか、または少なくとも部分的に分離することによって治療される。例えば、従来の動脈瘤治療には、(i)外科的クリッピング術により、動脈瘤の頸部の周りを金属クリップで固定する、(ii)動脈瘤に細く柔軟なワイヤコイル(マイクロコイル)を詰める、(iii)動脈瘤を塞栓物質で「埋める」、(iv)取り外し可能なバルーンまたはコイルを使用して、動脈瘤が発生している親血管を閉塞する、(v)血管内ステント留置が含まれる。
【0004】
血管内ステントは、血管狭窄または動脈瘤の治療のための医療分野でよく知られている。ステントは、血管または内腔内で放射状または別様に拡張して、血管を支えて崩壊を防ぐ人工装具である。これらの血管内ステントを送達する方法もよく知られている。
【0005】
圧縮されたステントを血管に導入し、狭窄または動脈瘤の領域内に位置付ける従来の方法は、ガイドカテーテルの遠位部分を患者の血管系に通して経皮的に前進させ、遠位部分を狭窄または動脈瘤に近接させることを含む。第2の内側カテーテルおよび内側カテーテル内のガイドワイヤは、ガイドカテーテルの遠位部分を通って前進される。ガイドワイヤは、次いで、圧縮されたステントを運ぶガイドワイヤの遠位部分が血管内の病変部に位置付けられるまで、ガイドカテーテルの遠位部分から出て血管内に前進される。次いで、圧縮されたステントが解放および拡張され、そのため、病変部で血管を支持する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、例えば、以下に記載される様々な態様に従って例示される。本技術の態様の様々な例は、便宜上、番号を付けた条項(1、2、3など)として説明される。これらは、例として提供されており、本技術を限定するものではない。従属条項のいずれも、任意の組み合わせで組み合わせられ得、かつそれぞれの独立条項、例えば、条項1または条項25に組み込まれ得ることに留意されたい。他の条項も、同様に提示することができる。
【0007】
1.ステント送達システムであって、
身体内腔内への挿入のためにサイズ決めされたコアアセンブリであって、コアアセンブリが、身体内腔内の治療部位に向かってステントを前進させるために構成され、コアアセンブリが、
長手方向に延在するチューブであって、内腔、およびチューブに沿って延在する螺旋状切り欠きを有する、長手方向に延在するチューブ、ならびに
チューブ内腔を通って延在する細長いワイヤであって、ワイヤが、チューブの遠位に配設された中間部分を有する、細長いワイヤを含む、コアアセンブリと、
中間部分によって運ばれるステントと、を備える、ステント送達システム。
【0008】
2.ワイヤが、チューブの近位端に近位に延在している、条項1に記載のシステム。
【0009】
3.チューブの近位部分が、ワイヤに固着されている、条項1または2に記載のシステム。
【0010】
4.チューブの近位部分が、ワイヤに溶接されている、条項3に記載のシステム。
【0011】
5.チューブの遠位部分が、ワイヤに対して固着されている、条項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【0012】
6.拘束具が、ワイヤに結合され、チューブの遠位部分が、拘束具に溶接されている、条項5に記載のシステム。
【0013】
7.システムは、内腔を有するカテーテルをさらに備え、内腔が、内腔を通してコアアセンブリを受容するように構成されている、条項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【0014】
8.チューブが、カテーテルの内腔を実質的に満たすようにサイズ決めされている、条項7に記載のシステム。
【0015】
9.チューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約80%を満たす、条項7に記載のシステム。
【0016】
10.チューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約90%を満たす、条項7に記載のシステム。
【0017】
11.チューブの近位および遠位部分が固定され、それによって、チューブの圧縮または伸長を防止する、条項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【0018】
12.チューブが、約50~60ミクロンの壁厚さを有する、条項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【0019】
13.チューブが、約400~600mmの長手方向長さを有する、条項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【0020】
14.ワイヤが、ワイヤの遠位端に向かって遠位に先細になる直径を有する、条項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【0021】
15.ワイヤの中間部分のセグメントが、その長さに沿って実質的に一定の直径を有する、条項1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【0022】
16.ワイヤが、チューブの遠位端と重なる一定直径セグメントを有する、条項1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【0023】
17.一定直径セグメントが、約3~5インチである、条項16に記載のシステム。
【0024】
18.ワイヤに結合され、チューブの遠位端に固着された拘束具をさらに備える、条項1~17のいずれか一項に記載のシステム。
【0025】
19.チューブが、ワイヤよりも先に優先的に曲がるように構成されている、条項1~18のいずれか一項に記載のシステム。
【0026】
20.カテーテルをさらに備え、カテーテルが、カテーテルを通してコアアセンブリを受容するように構成され、チューブの曲げ剛性が、カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、条項1~19のいずれか一項に記載のシステム。
【0027】
21.チューブの曲げ剛性が、チューブの少なくとも遠位部分に沿ったカテーテルの曲げ剛性の300%未満である、条項20に記載のシステム。
【0028】
22.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも15インチに及ぶ、条項21に記載のシステム。
【0029】
23.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも30インチに及ぶ、条項21に記載のシステム。
【0030】
24.コアアセンブリの曲げ剛性が、螺旋状切り欠きのピッチによって調節されている、条項1~24のいずれか一項に記載のシステム。
【0031】
25.身体内腔内に挿入するようにサイズ決めされたコアアセンブリであって、コアアセンブリが、身体内腔内の治療部位に向かってステントを前進させるように構成され、コアアセンブリは、
ハイポチューブであって、近位端、遠位端、内腔、およびハイポチューブに沿って延在する螺旋状切り欠きを有する、ハイポチューブと、
ハイポチューブ内腔を完全に通って延在する細長いワイヤであって、ハイポチューブ内腔を越えて遠位に延在する遠位部分を有する、ワイヤと、を備える、コアアセンブリ。
【0032】
26.ワイヤが、ハイポチューブの近位端に近位に延在している、条項25に記載のコアアセンブリ。
【0033】
27.ハイポチューブの近位部分が、ワイヤに固着されている、条項25または26に記載のコアアセンブリ。
【0034】
28.ハイポチューブの近位部分が、ワイヤに溶接されている、条項27に記載のコアアセンブリ。
【0035】
29.ハイポチューブの遠位部分が、ワイヤに対して固着されている、条項25~28のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0036】
30.拘束具が、ワイヤに結合され、ハイポチューブの遠位部分が、拘束具に溶接されている、条項29に記載のコアアセンブリ。
【0037】
31.システムが、内腔を有するカテーテルをさらに備え、内腔が、内腔を通してコアアセンブリを受容するように構成されている、条項25~30のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0038】
32.ハイポチューブが、カテーテルの内腔を実質的に満たすようにサイズ決めされている、条項31に記載のコアアセンブリ。
【0039】
33.ハイポチューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約80%を満たす、条項31に記載のコアアセンブリ。
【0040】
34.ハイポチューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約90%を満たす、条項31に記載のコアアセンブリ。
【0041】
35.ハイポチューブの近位および遠位部分が固定され、それによって、ハイポチューブの圧縮または伸長を防止する、条項25~34のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0042】
36.ハイポチューブが、約50~60ミクロンの壁厚さを有する、条項25~36のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0043】
37.ハイポチューブが、約400~600mmの長手方向長さを有する、条項25~36のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0044】
38.ワイヤが、ワイヤの遠位端に向かって遠位に先細になる直径を有する、条項25~37のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0045】
39.ワイヤの中間部分が、その長さに沿って実質的に一定の直径を有する、条項25~38のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0046】
40.ワイヤが、ハイポチューブの遠位端と重なる一定直径セグメントを有する、条項25~39のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0047】
41.一定直径セグメントが、約3~5インチである、条項40に記載のコアアセンブリ。
【0048】
42.ワイヤに結合され、ハイポチューブの遠位端に固着された拘束具をさらに備える、条項25~41のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0049】
43.ハイポチューブが、ワイヤよりも先に優先的に曲がるように構成されている、条項25~42のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0050】
44.カテーテルをさらに備え、カテーテルが、カテーテルを通してコアアセンブリを受容するように構成され、ハイポチューブの曲げ剛性が、カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、条項25~43のいずれか一項に記載のコアアセンブリ。
【0051】
45.ハイポチューブの曲げ剛性が、ハイポチューブの少なくとも遠位部分に沿ったカテーテルの曲げ剛性の300%未満である、条項44に記載のコアアセンブリ。
【0052】
46.ハイポチューブの遠位部分が、ハイポチューブの遠位端から少なくとも15インチに及ぶ、条項45に記載のコアアセンブリ。
【0053】
47.ハイポチューブの遠位部分が、ハイポチューブの遠位端から少なくとも30インチに及ぶ、条項45に記載のコアアセンブリ。
【0054】
48.医療デバイス送達システムであって、
内腔を有するカテーテルと、
カテーテル内腔を通って延在するように構成されたコアアセンブリと、を備え、コアアセンブリが、
細長いシャフトと、
シャフト上に配設された長手方向に延在するチューブと、を含み、チューブが、近位端と遠位端との間に延在する内腔を含み、遠位端が、第1の位置でシャフトに対して固着され、チューブの近位端が、第2の位置でシャフトに対して固着され、それにより、チューブの全長が、実質的に固定されている、医療デバイス送達システム。
【0055】
49.シャフトが、実質的に固定された長さを有する、条項48に記載のシステム。
【0056】
50.チューブが、チューブの近位端とチューブの遠位端との間の中間部分でシャフトに固着されていない、条項48または49に記載のシステム。
【0057】
51.シャフトが、チューブの遠位端まで遠位に延在している、条項48~50のいずれか一項に記載のシステム。
【0058】
52.チューブが、チューブの側壁に、チューブの長さに沿って延在している、螺旋状切り欠きを含む、条項48~51のいずれか一項に記載のシステム。
【0059】
53.シャフトが、チューブの近位端の近位に延在している、条項48~52のいずれか一項に記載のシステム。
【0060】
54.チューブの近位端が、シャフトに溶接されている、条項48~53のいずれか一項に記載のシステム。
【0061】
55.拘束具が、シャフトに結合され、チューブの遠位端が、拘束具に溶接されている、条項48~54のいずれか一項に記載のシステム。
【0062】
56.チューブが、カテーテルの内腔を実質的に満たすようにサイズ決めされている、条項48~55のいずれか一項に記載のシステム。
【0063】
57.チューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約80%を満たす、条項48~56のいずれか一項に記載のシステム。
【0064】
58.チューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約90%を満たす、条項48~57のいずれか一項に記載のシステム。
【0065】
59.チューブが、約50~60ミクロンの壁厚さを有する、条項48~58のいずれか一項に記載のシステム。
【0066】
60.チューブが、約400~600mmの長手方向長さを有する、条項48~59のいずれか一項に記載のシステム。
【0067】
61.シャフトが、シャフトの遠位端に向かって遠位に先細になる直径を有する、条項48~60のいずれか一項に記載のシステム。
【0068】
62.シャフトの中間部分が、その長さに沿って実質的に一定の直径を有する、条項48~61のいずれか一項に記載のシステム。
【0069】
63.シャフトが、チューブの遠位端と重なる一定直径セグメントを有する、条項48~62のいずれか一項に記載のシステム。
【0070】
64.一定直径セグメントが、約3~5インチである、条項63に記載のシステム。
【0071】
65.シャフトに結合され、チューブの遠位端に固着された拘束具をさらに備える、条項48~64のいずれか一項に記載のシステム。
【0072】
66.チューブが、シャフトよりも先に優先的に曲がるように構成されている、条項48~65のいずれか一項に記載のシステム。
【0073】
67.チューブの曲げ剛性が、カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、条項48~66のいずれか一項に記載のシステム。
【0074】
68.チューブの曲げ剛性が、チューブの少なくとも遠位部分に沿ったカテーテルの曲げ剛性の300%未満である、条項48~67のいずれか一項に記載のシステム。
【0075】
69.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも15インチに及ぶ、条項68に記載のシステム。
【0076】
70.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも30インチに及ぶ、条項68に記載のシステム。
【0077】
71.医療デバイス送達システムを動作させる方法であって、方法は、
蛇行構成でカテーテルの内腔内にコアアセンブリを挿入することであって、コアアセンブリが、
チューブであって、近位端、遠位端、内腔、およびチューブに沿って延在する螺旋状切り欠きを有する、チューブ、ならびに
チューブ内腔を完全に通って延在する細長いワイヤであって、チューブ内腔を越えて遠位に延在する遠位部分を有する、ワイヤを備える、挿入することと、
蛇行カテーテルを通してコアアセンブリを押すことと、
コアアセンブリを押すことによって、チューブの長さを実質的に圧縮または伸長せずに螺旋状切り欠きに沿ってチューブを屈曲させ、それによって、蛇行カテーテルを通るコアアセンブリの前進を容易にすることと、を含む、方法。
【0078】
72.チューブが、その近位端および遠位端で細長いワイヤに対して固着されている、条項71に記載の方法。
【0079】
73.チューブが、その近位端および遠位端で細長いワイヤに溶接されている、条項71または72に記載の方法。
【0080】
74.ステントが、コアアセンブリによって運ばれる、条項71~73のいずれか一項に記載の方法。
【0081】
75.ワイヤが、チューブの近位端の近位に延在している、条項71~74のいずれか一項に記載の方法。
【0082】
76.チューブが、カテーテルの内腔を実質的に満たしている、条項71~75のいずれか一項に記載の方法。
【0083】
77.チューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約80%を満たす、条項76に記載のシステム。
【0084】
78.チューブが、カテーテルの内腔の少なくとも約90%を満たす、条項76に記載のシステム。
【0085】
79.チューブが、約50~60ミクロンの壁厚さを有する、条項71~78のいずれか一項に記載のシステム。
【0086】
80.チューブが、約400~600mmの長手方向長さを有する、条項71~79のいずれか一項に記載の方法。
【0087】
81.ワイヤが、ワイヤの遠位端に向かって遠位に先細になる直径を有する、条項71~80のいずれか一項に記載の方法。
【0088】
82.ワイヤの中間部分が、その長さに沿って実質的に一定の直径を有する、条項71~81のいずれか一項に記載の方法。
【0089】
83.ワイヤが、チューブの遠位端と重なる一定直径セグメントを有する、条項71~82のいずれか一項に記載の方法。
【0090】
84.一定直径セグメントが、約3~5インチである、条項83に記載の方法。
【0091】
85.ワイヤに結合され、チューブの遠位端に固着された拘束具をさらに備える、条項71~84のいずれか一項に記載の方法。
【0092】
86.チューブが、ワイヤよりも先に優先的に曲がる、条項71~85のいずれか一項に記載の方法。
【0093】
87.チューブの曲げ剛性が、カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、条項71~86のいずれか一項に記載の方法。
【0094】
88.チューブの曲げ剛性が、チューブの少なくとも遠位部分に沿ったカテーテルの曲げ剛性の300%未満である、条項87に記載の方法。
【0095】
89.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも約15インチに及ぶ、条項88に記載の方法。
【0096】
90.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも30インチに及ぶ、条項88に記載の方法。
【0097】
91.ステント送達システムであって、
身体内腔内に挿入するようにサイズ決めされたコアアセンブリであって、コアアセンブリが、身体内腔内の治療部位に向かってステントを前進させるように構成され、コアアセンブリが、
長手方向に延在するチューブであって、内腔、およびチューブに沿って延在する螺旋状切り欠きを有する、長手方向に延在するチューブ、ならびに
チューブに結合された細長いワイヤであって、ワイヤが、チューブの遠位に配設された中間部分を有する、細長いワイヤを含む、コア部材と、
コア部材によって運ばれるステントと、
カテーテルであって、カテーテルを介してコアアセンブリを受容するように構成された、カテーテルと、を備え、チューブの曲げ剛性が、カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、ステント送達システム。
【0098】
92.チューブの曲げ剛性が、チューブの少なくとも遠位部分に沿ったカテーテルの曲げ剛性の300%未満である、条項91に記載のシステム。
【0099】
93.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも15インチに及ぶ、条項92に記載のシステム。
【0100】
94.チューブの遠位部分が、チューブの遠位端から少なくとも30インチに及ぶ、条項92に記載のシステム。
【0101】
本技術の追加的特徴および利点を以下の記載において説明する。一部はその説明から明らかになるか、あるいは本技術の実施によって習得され得る。本技術の利点は、発明を実施するための形態および特許請求の範囲、ならびに添付の図面において特に指摘された構造によって実現および達成される。
【0102】
前述の一般的な記述と以下の発明を実施するための形態とは、ともに例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲で請求された本技術にさらなる説明を加えることを意図していると理解されたい。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
ステント送達システムであって、
身体内腔内への挿入のためにサイズ決めされたコアアセンブリであって、前記コアアセンブリが、前記身体内腔内の治療部位に向かってステントを前進させるために構成され、前記コアアセンブリが、
長手方向に延在するチューブであって、内腔、および前記チューブに沿って延在する螺旋状切り欠きを有する、長手方向に延在するチューブ、ならびに
前記チューブ内腔を通って延在する細長いワイヤであって、前記ワイヤが、前記チューブの遠位に配設された中間部分を有する、細長いワイヤを含む、コアアセンブリと、
前記中間部分によって運ばれるステントと、を備える、ステント送達システム。
(項目2)
前記ワイヤが、前記チューブの近位端に近位に延在している、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記チューブの近位部分が、前記ワイヤに固着されている、項目1に記載のシステム。(項目4)
前記チューブの前記近位部分が、前記ワイヤに溶接されている、項目3に記載のシステム。
(項目5)
前記チューブの遠位部分が、前記ワイヤに対して固着されている、項目1に記載のシステム。
(項目6)
拘束具が、前記ワイヤに結合され、前記チューブの前記遠位部分が、前記拘束具に溶接されている、項目5に記載のシステム。
(項目7)
前記システムは、内腔を有するカテーテルをさらに備え、前記内腔が、前記内腔を通して前記コアアセンブリを受容するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記チューブが、前記カテーテルの前記内腔を実質的に満たすようにサイズ決めされている、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記チューブの近位および遠位部分が固定され、それによって、前記チューブの圧縮または伸長を防止する、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記ワイヤが、前記ワイヤの遠位端に向かって遠位に先細になる直径を有する、項目1に記載のシステム。
(項目11)
前記チューブが、前記ワイヤよりも先に優先的に曲がるように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目12)
カテーテルをさらに備え、前記カテーテルが、前記カテーテルを通して前記コアアセンブリを受容するように構成され、前記チューブの曲げ剛性が、前記カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記チューブの前記曲げ剛性が、前記チューブの少なくとも遠位部分に沿った前記カテーテルの前記曲げ剛性の300%未満である、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記コアアセンブリの曲げ剛性が、前記螺旋状切り欠きのピッチによって調節されている、項目1に記載のシステム。
(項目15)
身体内腔内に挿入するようにサイズ決めされたコアアセンブリであって、前記コアアセンブリが、前記身体内腔内の治療部位に向かってステントを前進させるように構成され、前記コアアセンブリは、
ハイポチューブであって、近位端、遠位端、内腔、および前記ハイポチューブに沿って延在する螺旋状切り欠きを有する、ハイポチューブと、
前記ハイポチューブ内腔を完全に通って延在する細長いワイヤであって、前記ハイポチューブ内腔を越えて遠位に延在する遠位部分を有する、ワイヤと、を備える、コアアセンブリ。
(項目16)
システムは、内腔を有するカテーテルをさらに備え、前記内腔が、前記内腔を通して前記コアアセンブリを受容するように構成されている、項目15に記載のコアアセンブリ。(項目17)
前記ハイポチューブが、前記カテーテルの前記内腔を実質的に満たすようにサイズ決めされている、項目16に記載のコアアセンブリ。
(項目18)
前記ハイポチューブが、前記ワイヤよりも先に優先的に曲がるように構成されている、項目15に記載のコアアセンブリ。
(項目19)
カテーテルをさらに備え、前記カテーテルが、前記カテーテルを通して前記コアアセンブリを受容するように構成され、前記ハイポチューブの曲げ剛性が、前記カテーテルの曲げ剛性に適合するように構成されている、項目15に記載のコアアセンブリ。
(項目20)
前記ハイポチューブの前記曲げ剛性が、前記ハイポチューブの少なくとも遠位部分に沿った前記カテーテルの前記曲げ剛性の300%未満である、項目19に記載のコアアセンブリ。
(項目21)
前記ハイポチューブの前記遠位部分が、前記ハイポチューブの遠位端から少なくとも15インチに及ぶ、項目20に記載のコアアセンブリ。
(項目22)
前記ハイポチューブの前記遠位部分が、前記ハイポチューブの遠位端から少なくとも30インチに及ぶ、項目20に記載のコアアセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0103】
本開示の多くの態様は、以下の図面を参照してよりよく理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも縮尺どおりではない。代わりに、本技術の原理を明確に説明することに重点が置かれている。参照を容易にするために、本開示全体を通して、同一の参照番号を使用して、同一または少なくとも概ね同様または類似の構成要素または特徴を識別することがある。
【
図1】いくつかの実施形態による、医療デバイス送達システムの側面断面図である。
【
図2A】
図1に示される医療デバイス送達システムのコアアセンブリの側面図である。
【
図3】
図2Aに示されるコアアセンブリの一部分の拡大詳細図である。
【
図4】
図2Bに示されるコアアセンブリの部分の拡大詳細図である。
【
図5】
図2Bに示されるコアアセンブリの部分の拡大詳細図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、医療デバイス送達システムの構成要素の曲げ剛性のグラフである。
【
図6B】いくつかの実施形態による、医療デバイス送達システムの構成要素の曲げ剛性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0104】
従来の医療デバイス送達システムは、カテーテルを通して医療デバイスを運ぶように構成されたコア部材またはコアアセンブリを含み得る。コアアセンブリは、単一の連続ワイヤであり得るか、またはいくつかの実施形態では、コアアセンブリは、ワイヤセグメントが管状セグメントに端から端まで接続されている複数部材構築物であり得る。例えば、コアアセンブリは、近位ワイヤ、近位ワイヤの遠位端に近位端で接続されたチューブ(例えば、ハイポチューブ)、およびチューブの遠位端に近位端で接続された遠位ワイヤを含み得る。より可撓性を有するようにより薄く、またはより小さい直径で作製されなければならない単線と比較して、チューブは、特定の使用環境でカテーテルの長さに沿ったカテーテルのキンクまたは座屈を低減し得る、カテーテル内腔の大部分を占める一貫して比較的大きい外径を有する利点を提供する。チューブはまた、例えば、チューブの直径を変化または縮小することを必要とせずに、チューブの異なるセグメントで螺旋状に延在する切欠きのピッチを変化させることによって、チューブの長さに沿った異なる部分での所望の可撓性を有するように精密に調整され得る。
【0105】
しかしながら、管状コアアセンブリは、カテーテルを通る操縦中に圧縮および/または伸長の影響を受け易い。これは、チューブの長さに沿って1つ以上の螺旋状に延在する切り欠きを有するチューブに特に当てはまる。そのような伸長または圧縮は、可撓性、柱強度、および操縦性などのコアアセンブリの性能特性を不利に変更し得る。加えて、伸長および圧縮は、コアアセンブリの近位端で臨床医によって行われた移動が、送達システムの遠位部分のコアアセンブリの移動と1対1の様式で伝達しないため、送達システムの動作中に臨床医に所望の応答性を失わせ得る。
【0106】
例えば、コアアセンブリが遠位に前進されると、コアアセンブリの一部分は、コアアセンブリの別の部分よりも移動に抵抗し得る(例えば、カテーテルの内壁との摩擦係合に起因して)。コアアセンブリの遠位部分がコアアセンブリの近位部分よりも遠位の移動に大きく抵抗する場合、遠位部分および近位部分は、互いに向かって近づくように移動することになり、その結果、コアアセンブリの圧縮または座屈、およびその全長の短縮をもたらす。代わりに、コアアセンブリの近位部分が遠位部分よりも近位の移動に大きく抵抗する場合、近位および遠位部分は、さらに離れるように移動することになり、その結果、コアアセンブリの伸長、およびその全長の増加をもたらす。いくつかの例では、管状コアアセンブリは、ある部分での圧縮および他の部分での伸長の両方を同時に受け得る。本技術の実施形態は、圧縮または伸長のリスクを低減しながら、管状部材の利点を提案するコアアセンブリを提供する。例えば、コアアセンブリは、長手方向に延在するワイヤまたはシャフトと、ワイヤの長さの一部分に沿ってワイヤを取り囲むチューブ(例えば、螺旋状に延在する切り欠きを有するハイポチューブ)と、を含み得る。チューブは、チューブの近位および遠位部分でワイヤに固着され得、それによって、ワイヤに対して伸長または圧縮するチューブの能力を制限する。
【0107】
本技術のいくつかの実施形態の特定の詳細は、
図1~6Bを参照して、本明細書に説明される。実施形態の多くは、ステントおよび他の医療デバイスの送達のためのデバイス、システム、および方法に関して説明されるが、本明細書に説明されるものに加えて、他の用途および他の実施形態は、本技術の範囲内である。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に示されるかまたは説明されるものとは異なる構成、構成要素、および/または手順を有し得る。さらに、本技術の実施形態は、本明細書に示されるかまたは説明されるものに加えて、構成、構成要素、および/または手順を有することができ、これらおよび他の実施形態は、本技術から逸脱せずに、本明細書に示されるかまたは説明される構成、構成要素、および/または手順のうちのいくつかを有しないことがある。
【0108】
本明細書で使用される「遠位」および「近位」という用語は、臨床医または臨床医の制御デバイス(例えば、送達カテーテルのハンドル)に対する位置または方向を定義する。例えば、「遠位」および「遠位に」という用語は、デバイスの長さに沿って、臨床医または臨床医の制御デバイスから遠い位置または遠ざかる方向を指す。関連する例では、「近位」および「近位に」という用語は、デバイスの長さに沿って、臨床医または臨床医の制御デバイスに近い位置または近づく方向を指す。本明細書で提供される見出しは、便宜上のものに過ぎず、開示された主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0109】
図1~5は、限定されるものではないが、ステントなどの医療デバイスを、血管などの中空解剖学的構造内に送達および/または展開するために使用され得る医療デバイス送達システムの実施形態を図示する。ステントは、編組ステント、または織ステント、編物ステント、レーザ切断ステント、巻上げステントなどの他の形態のステントを含み得る。ステントは、任意選択的に、脳内もしくは頭蓋内の動脈を含む血管内、または末梢動脈などの身体内の他の部位内で見つかるものなどの動脈瘤の治療用の「分流器」デバイスとして作用するように構成され得る。ステントは、Medtronic Neurovascular(Irvine,California USA)が販売しているPIPELINE(商標)Embolization Deviceのバージョンまたはサイズのいずれかと任意に同様のものであってもよい。代替的に、ステントは、本明細書に説明されるように、任意の好適な管状医療デバイスおよび/または他の特徴を備え得る。いくつかの実施形態では、ステントは、「VASCULAR EXPANDABLE DEVICES」と題された2018年2月8日に出願された米国特許出願第15/892,268号に記載されているステントのいずれか1つであってもよく、その全体は参照により本明細書に組み入れられ、本明細書の一部をなす。
【0110】
図1は、本技術の実施形態に従って構成された医療デバイス送達システム100の側面断面図である。送達システム100は、その上でステント(または他の血管インプラントもしくはデバイス)105を、周囲の細長いチューブまたはカテーテル101を通して患者内の標的部位、例えば、血管などの身体内腔113内の部位まで前進されるように運ぶために構成され得る。カテーテル101は、コア部材またはコアアセンブリ103を摺動可能に受容し得、コア部材またはコアアセンブリ103は、その上でステント105を運ぶように構成されている。図示されたカテーテル101は、患者内の治療部位に位置付けられ得る近位部分107および反対側の遠位部分109と、近位部分107から遠位部分109まで延在する内腔111と、を有する。遠位部分109では、カテーテル101は、遠位開口部を有し、これを通して、コアアセンブリ103が、遠位部分109を越えて前進されて、身体内腔113内でステント105を拡張または展開し得る。近位部分107は、カテーテルハブ(図示せず)を含み得る。カテーテル101は、近位部分107と遠位部分109との間に延在する略長手方向の寸法を画定し得る。送達システム100が使用されているとき、長手方向の寸法は、その長さの一部またはいずれかに沿って直線である必要はない。
【0111】
送達システム100は、任意の数のカテーテルと共に使用され得る。例えば、カテーテルは、任意選択的に、Medtronic Neurovascular(Irvine,California USA)から入手可能なMARKSMAN(商標)カテーテルの様々な長さのいずれかを備え得る。カテーテルは、任意選択的に、約0.030インチ以下の内径、および/または遠位部分の近くで3フレンチ以下の外径を有するマイクロカテーテルを含み得る。これらの仕様の代わりに、またはこれらに加えて、カテーテルは、内頸動脈、または内頸動脈の遠位の神経血管系内の別の部位に経皮的にアクセスするように構成されたマイクロカテーテルを備え得る。
【0112】
コアアセンブリ103は、概して、カテーテル101を通して、ステント105または他の医療デバイスを動かすのに十分な可撓性および柱強度を有する任意の部材(複数可)を備え得る。したがって、コアアセンブリ103は、ワイヤ、チューブ(例えば、ハイポチューブ)、編組、コイル、もしくは他の好適な部材(複数可)、またはワイヤ(複数可)、チューブ(複数可)、編組(複数可)、コイル(複数可)などの組み合わせを含み得る。
図1に図示されるコアアセンブリ103の実施形態は、長手方向に延在するシャフトまたはワイヤ104と、ワイヤ104の少なくとも一部分を取り囲む細長いチューブ106と、を含む、複数部材構築物のものである。PTFE(ポリテトラフルオロエチレンもしくはTEFLON(登録商標))または他の潤滑性ポリマーなどの潤滑性材料の層を備え得る外層117が、チューブ106および/またはワイヤ104の一部または全部を覆い得る。
【0113】
ワイヤ104は、近位部分108および遠位部分110を有し、これらは、任意選択的に、先端コイル112を含み得る。ワイヤ104は、ポリマーを含む材料、ならびにニチノールおよびステンレス鋼を含む金属から構築され得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ104は、遠位方向に先細になっており、近位部分108でより大きい直径を有し、遠位部分110でより小さい直径を有する。先細は、ワイヤ104の長さに沿って漸進的かつ連続的であってもよく、またはいくつかの実施形態では、先細は、ワイヤ104の異なる部分で変化してもよい。以下により詳細に説明されるように、いくつかの実施形態では、ワイヤ104は、ワイヤ104が先細にならない1つ以上の一定直径セグメントを含み得る。そのような一定直径セグメントは、異なる長さのチューブ106およびステント105と組み合わせて単一のワイヤを利用するのに有用であり得る。
【0114】
ワイヤ104はまた、近位部分108と遠位部分110との間に位置する中間部分114を含み得る。中間部分114は、コアアセンブリ103の一部分を含み、その上またはその全体で、ステント105は、コアアセンブリ103が
図1に示されるように展開前構成にあるときに、延在する。ワイヤ104は、1つ以上の蛍光安全マーカ(図示せず)を含み得、そのようなマーカ(複数可)は、外層117によって覆われていない(例えば、外層117の近位の)ワイヤ104の一部分に位置し得る。マーカ(複数可)によってマークされた、および/または任意の外層117の近位にある、ワイヤ104のこの部分は、露出金属外面を含み得る。
【0115】
チューブ106は、近位部分116から遠位部分118まで延在し、ワイヤ104の長さの少なくとも一部分に沿ってワイヤ104を取り囲む。いくつかの実施形態では、チューブ106の遠位部分118は、ワイヤ104の中間部分114の近位で終端し、それにより、動作中に、ステント105は、チューブ106の遠位の位置でワイヤ104の中間部分114によって運ばれる。
【0116】
チューブ106は、側壁を有し得、側壁は、「切断されていない」か、またはその中に形成された開口部もしくボイドを有していない。あるいは、チューブ106は、チューブの可撓性を高めるために、側壁内に形成された開口部、ボイド、または切り欠きを有し得る。これは、チューブの長さの一部または全部に沿って側壁に一連のスロットを切断するか、側壁内に他の開口部のパターンを切断もしくは穿孔するか、または側壁内に渦巻き形状ボイドまたは螺旋状切り欠きを切断することによって行われ得る。例えば、
図1に示されるように、チューブ106は、近位部分116から遠位部分118まで延在する側壁内に螺旋状に延在するボイドまたは切り欠き115を有する。切り欠き115は、異なるピッチを有する複数のセグメントを含み得、例えば、第1のセグメント115aは、第2のセグメント115bよりも狭いピッチを有する。切り欠き115の異なるセグメントでピッチを変化させることによって、チューブ106の曲げ剛性は、チューブ106の長さに沿って精密に調整され得る。切り欠き115の2つのセグメントが
図1に例示されているが、チューブ106は、異なるピッチ寸法を有する多数の異なるセグメントを有し得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、例えば、送達システムが神経血管系などの狭いおよび/または蛇行した血管系で使用される場合、チューブ106は、比較的小さい外径(例えば、0.040インチ以下、0.030インチ以下、0.027インチ以下、約0.020インチ、または約0.016インチ)であり得る。いくつかの実施形態では、チューブ106の外径は、カテーテル101の内腔を実質的に満たすように構成され得る。本明細書に使用される際、「満たす」は、チューブ106の外径が、実質的にカテーテル101の内腔111の内径にわたって延在することを意味する。いくつかの実施形態では、チューブ106は、カテーテルの内腔の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、またはそれ以上を満たす。
【0118】
チューブ106は、比較的薄い側壁厚さ(例えば、80ミクロン以下、70ミクロン以下、60ミクロン以下、50ミクロン以下、または約50~60ミクロン)を有し得る。チューブ106はまた、比較的長い全長(例えば、400mm以上、500mm以上、600mm以上、700mm以上、800mm以上、約400~600mm、または約514mm)を有し得る。そのような寸法のいずれか1つまたは組み合わせの代わりに、またはそれに加えて、チューブ106は、400mm以上、500mm以上、600mm以上、700mm以上、800mm以上、または約514mmの比較的長い切り欠き長さ(開口部(複数可)、ボイド(複数可)、渦巻き(複数可)、または切り欠き(複数可)115が存在するチューブ106の一部分の長さ)を有し得る。
【0119】
比較的長い、小径、および/または薄壁の渦巻き状切り欠きチューブは、神経血管系などの狭いおよび/または蛇行した血管系のコアアセンブリ103で使用するための特定の利点を提案する。チューブ106は、適切な渦巻きのピッチの使用によって、必要に応じて非常に可撓性を有する(または場合によっては可撓性がない)ようにされ得、チューブ106の柱強度または「押し込み性」は、チューブ106の直径がその長さに沿って一定のままであり得る場合、チューブ106の可撓性とはほとんど無関係に維持され得る。高い柔軟性および押し込み性の組み合わせは、困難な蛇行血管部位内へのより容易な操縦を容易にし得る。
【0120】
チューブ106の様々な実施形態では、螺旋状または渦巻き状切り欠き115は、比較的長く連続的であり得る。例えば、チューブ106は、チューブ106について上記または本明細書の他の箇所で指定された様々な切り欠き長さのいずれかにわたって、そのような螺旋状または渦巻き状切り欠き115を有し得る。そのような螺旋状または渦巻き状切り欠き115を有するチューブ106はまた、チューブ106について上記または本明細書の他の箇所で指定された様々な外径、側壁厚さ、および/または全長のうちのいずれか1つまたは組み合わせを有し得る。螺旋状または渦巻き状切り欠きは、チューブの全長、またはほぼ全長、例えば、渦巻き状切り欠きが応力緩和孔で終端される遠位端に関して
図2Aに示されるように、遠位および/または近位端の小さい、切り欠きのない部分を除く全長に沿って延在し得る。
【0121】
長い隣接または連続する螺旋状または渦巻き状切り欠き115は、任意の数の技術を使用して実装され得る。1つのアプローチでは、2つ以上の長手方向に隣接する渦巻き、切り欠き、スロットまたはボイドが、チューブ106の側壁内に隣接または連続して形成され、それらの隣接する端で接続開口(複数可)によって結合されて、チューブ106の全長に沿ってまたは切り欠き長さに沿って隣接または連続する、渦巻き状または螺旋状切り欠き、スロット、またはボイドを形成し得る。いくつかの実施形態では、個々の渦巻き、切り欠き、スロット、またはボイドは、長さが約150mm、または長さが150mm以下であり得る。これらは、チューブまたは切り欠き長さに沿って長さが均一である必要はなく、例えば、最初または最後の渦巻き、切り欠き、スロット、またはボイドは、個々の渦巻きの長さの偶数倍ではない切り欠き長さを達成するためにいくらか短くされてもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、1つ以上の終端開口は、渦巻き状または螺旋状切り欠き、スロット、またはボイドに採用され得る。チューブ106のさらに他の実施形態では、渦巻き状または螺旋状の切り欠き、スロット、またはボイドが、一方または両方の終端で終端開口(複数可)を含み、切り欠き長さに沿って接続開口を含まずに採用される。1つまたは複数のそのような渦巻きが、単一のチューブ106の側壁内に形成され得る。採用される場合、終端開口(複数可)は、応力緩和として、または渦巻きの端(複数可)での側壁亀裂形成に対する措置として機能し得る。
【0123】
チューブ106の比較的長い全長または切り欠き長さにわたって隣接または連続する渦巻き状切り欠き115の代わりに、またはそれに加えて、渦巻きのピッチは、長い全長または切り欠き長さにわたって精密に制御され得る。例えば、渦巻き状切り欠き115のピッチは、特定の大きさのピッチが、切り欠き長さの比較的短いセグメント、例えば、5mm以下、3mm以下、2mm以下、または約1.0mmに沿って優勢であり得るように、切り欠き長さにわたって変化し得る。このようにして、渦巻きピッチは、切り欠き長さの小さい増分で微調整され得、それによって、チューブの様々な部分におけるチューブ106の機械的特性(例えば、曲げ剛性、柱強度)に対する優れた制御を容易にする。したがって、チューブ106は、チューブの全長または切り欠き長さに沿って大きさが変化するピッチ(特定の「第1のピッチの大きさ」を含む)を有し得、第1のピッチの大きさは、切り欠き長さの第1のセグメントに沿って優勢であり得る。第1のセグメントは、5mm以下、3mm以下、2mm以下、または約1.0mmの長さ(チューブ106の長手方向の寸法に沿って測定される)を有し得る。ピッチの大きさは、第1のセグメントの一方または両方の端で第1の大きさから変化し得る。第1のセグメントは、切り欠き長さの端点から比較的遠い部位、例えば、切り欠き長さの端点から100mm超離れている、200mm超離れている、または300mm超離れている部位を含む、切り欠き長さに沿った任意の場所に位置し得る(例えば、隣接または連続するボイド内に)。
【0124】
切り欠き長さの1つ以上の短いセグメント(および/またはチューブ106の比較的長い全長または切り欠き長さにわたって隣接または連続する渦巻き)の特定のピッチの大きさの達成の代わりに、またはそれに加えて、ピッチの大きさは、比較的小さい増分で変化され得るように精密に制御され得る。(ピッチは、mm/回転で表され得る。)例えば、ピッチは、0.2mm/回転以下、0.1mm/回転以下、0.01mm/回転以下、または0.005mm/回転以下で大きさが変化し得る。これは、チューブ106の様々な部分で所望の機械的特性を容易にするために渦巻きが細かく制御され得る別の様式を提供する。したがって、チューブ106は、チューブの全長または切り欠き長さに沿って大きさが変化するピッチ(特定の「第1のピッチの大きさ」を含む)を有し得、第1のピッチの大きさは、切り欠き長さの第1のセグメントに沿って優勢であり得る。ピッチの大きさは、第1のセグメントの一端または両端で、第1の大きさから0.2mm/回転以下、0.1mm/回転以下、0.01mm/回転以下、または0.005mm/回転以下だけ変化し得る。第1のセグメントは、切り欠き長さの端点から比較的遠い部位、例えば、切り欠き長さの端点から100mm超離れている、200mm超離れている、または300mm超離れている部位を含む、切り欠き長さに沿った任意の場所に位置し得る(例えば、隣接または連続するボイド内に)。
【0125】
以下でより詳細に説明されるように、チューブ106は、チューブ106がワイヤ104に固着されるように、ワイヤ104上に装着され得る。例えば、チューブ106は、1つ以上の接触点でワイヤ104に固着され得る。一実施形態では、チューブ106は、近位部分116の1つ以上の接触点、およびチューブ106の遠位部分118の1つ以上の接触点でワイヤ104に固着される。チューブ106は、はんだ付け、溶接、接着剤、または他の好適な固定技術によって、これらの接触点でワイヤ104に固着され得る。いくつかの実施形態では、チューブ106がワイヤ104に固着される2つ、3つ、4つ、またはそれ以上の接触点が存在し得る。他の実施形態では、チューブ106は、単一の接触点のみでワイヤ104に固着されてもよい。さらに他の実施形態では、チューブ106は、ワイヤ104に固着されなくてもよい。本明細書に使用される際、「固着」は、直接および間接固定の両方を含み、例えば、ワイヤ104は、接触点でチューブ106に直接溶接または接着されてもよく、またはチューブは、介在する部材(例えば、近位拘束具119)に溶接されるかまたは別様に取り付けられ、次いで、介在する部材がワイヤ104に直接的に固着されてもよい。
【0126】
チューブ106の部分をワイヤ104に固着することは、送達システム100の動作中のチューブ106の伸長または圧縮を低減または排除し得る。上記のように、チューブ106の比較的大きい直径は、コアアセンブリ103の押し込み性を高め得る。しかしながら、可撓性を高める切り欠き(例えば、チューブの長さに沿って延在する螺旋状切り欠き115)の存在は、カテーテル101に対するコアアセンブリ103の移動中にチューブ106を伸長または圧縮させ得る。例えば、コアアセンブリ103の遠位への前進中、チューブ106の遠位部分118は、チューブ106の近位部分116よりも移動に抵抗し得る(例えば、カテーテル101の内壁との摩擦係合に起因して)。結果として、近位部分116および遠位部分118は、互いに向かって近づくように移動することになり、その結果、チューブ106の圧縮および全長の短縮をもたらす。代わりに、チューブ106の遠位部分118が近位部分116よりも近位の移動に大きく抵抗する場合、近位部分116および遠位部分118は、さらに離れるように移動することになり、その結果、チューブ106の伸長およびその全長の増加をもたらす。伸長および圧縮の両方が、チューブ106、したがって、コアアセンブリ103の性能特性を不利に変更し得る。例えば、伸長または圧縮は、コアアセンブリ103の可撓性、柱強度、および操縦性を変更し得る。チューブ106を下にあるワイヤ104に1つ以上の接触点で固着することによって、チューブ106の圧縮または伸長のリスクが低減され得る。いくつかの実施形態では、チューブ106の近位および遠位端がワイヤ104に固着され得、それによって、チューブ106の全長を効果的に固定し、送達システム100の動作中のチューブ106の圧縮または伸長を実質的に排除する。他の実施形態では、チューブ106は、チューブ106の近位および遠位端から離隔されている接触点でワイヤ104に固着されてもよい。
【0127】
システム100はまた、コアアセンブリ103に対して医療デバイスまたはステント105を解放可能に保持するように構成された結合アセンブリ120または再被覆アセンブリ120を含み得る。結合アセンブリ120は、ステント105の細孔およびフィラメントとの機械的連動、ステント105の近位端もしくは縁の当接、ステント105の内壁との摩擦係合、またはこれらの作用モードの任意の組み合わせを介して、ステント105と係合するように構成され得る。したがって、結合アセンブリ120は、その上を覆うカテーテル101の内面と協働して、ステント105を把持および/またはステント105に当接し得、それにより、結合アセンブリ120は、ステント105をカテーテル101に沿って、かつカテーテル101内で移動させ得、例えば、カテーテル101に対するコアアセンブリ103の遠位および/または近位の移動は、カテーテル内腔111内のステント105の対応する遠位および/または近位の移動を結果的にもたらす。
【0128】
結合アセンブリ120(またはその部分(複数可))は、いくつかの実施形態では、コアアセンブリ103の周りを回転するように構成され得る。そのようないくつかの実施形態では、結合アセンブリ120は、近位緩衝器または拘束具119、および遠位拘束具121を備え得る。近位および遠位拘束具119、121は、コアアセンブリ103に固定されて、コアアセンブリ103の長手方向の寸法に沿った結合アセンブリ120の近位または遠位移動を防止または制限し得る。例えば、近位および遠位拘束具119、121は、コアワイヤ104にはんだ付けされるか、または接着剤で固定され得る。近位および遠位拘束具119、121の一方または両方は、結合アセンブリ120全体の外径または他の半径方向最外寸法より小さい外径または他の半径方向最外寸法を有していてもよく、それによって、拘束具119、121の一方または両方は、システム100の動作中にステント105の内面に接触しない。いくつかの実施形態では、近位拘束具119は、ステント105の近位端に当接するようにサイズ決めされ、送達中にステントを遠位に押すために採用され得る。
【0129】
結合アセンブリ120はまた、近位および遠位拘束具119、121間でコアアセンブリ103の周りに配設された、第1および第2のステント係合部材(またはデバイス係合部材、または再被覆部材)123a、b(まとめて「係合部材123」)と、第1および第2のスペーサ125a、b(まとめて「スペーサ125」)と、を含み得る。図示の実施形態では、近位から遠位に向かって、結合アセンブリ120の要素は、近位拘束具119と、それに続いて第1のスペーサ125aと、第1のステント係合部材123aと、第2のスペーサ125bと、第2のステント係合部材123bと、最後に遠位拘束具121と、を含む。この構成では、第1のスペーサ125aは、第1の係合部材123aと近位拘束具119との相対的な位置付けを画定する。第2のスペーサ125bは、第1の係合部材123aと第2の係合部材123bとの間の相対的な長手方向の間隔を画定する。
【0130】
スペーサ125の一方または両方は、結合アセンブリ120の隣接する構成要素を長手方向に分離するために、コアアセンブリ103上に装着され得る、ワイヤコイル、中実チューブ、または他の構造要素の形態をとり得る。いくつかの実施形態では、スペーサ125の一方または両方は、平坦化された端を有するゼロピッチコイルであり得る。いくつかの実施形態では、スペーサ125の一方または両方は、コアアセンブリ103に回転可能に装着されるか、または回転不能に固定(例えば、はんだ付け)され得る、中実チューブ(例えば、レーザ切断チューブ)であり得る。スペーサ125は、スペーサ125がシステム100の通常の動作中にステント105と接触しないように、係合部材123の半径方向最外寸法よりも小さい半径方向最外寸法を有していてもよい。スペーサ125の寸法、構造、および構成は、結合アセンブリ120とその上を覆うステント105との間の改善された把持を達成するように選択され得る。
【0131】
ステント105は、近位結合アセンブリ120を介して、上を覆うカテーテル101内で遠位または近位に移動され得る。いくつかの実施形態では、ステント105は、カテーテルの遠位開口部からのステント105の部分展開後に、近位結合アセンブリ120を介して再被覆され得る。近位拘束具119がステント105の近位端に当接するようにサイズ決めされ、送達中にステントを遠位に押すように採用される実施形態では、第1および第2のステント係合部材123a、bは、送達中にステントを遠位に押すことに関与せずに(または実質的に関与せずに)、部分展開後にステント105を再被覆するために採用され得る。例えば、第1および第2のステント係合部材123a、bは、そのような実施形態では、送達中にステント105に遠位押圧力を伝達しないか、または実質的に伝達しなくてもよい。
【0132】
任意選択的に、近位結合アセンブリ120の近位縁は、送達構成にあるときに、ステント105の近位縁のすぐ遠位に位置付けられ得る。いくつかのそのような実施形態では、これは、ステントのわずか数ミリメートルがカテーテル内に残っているときに、ステント105が再被覆されることを可能にする。したがって、典型的な長さのステントを使用すると、75%以上の再被覆性を実現することができる(つまり、ステントの75%以上が展開されているときに、ステントを再被覆できる)。
【0133】
引き続き
図1を参照すると、遠位界面アセンブリ122は、例えば、遠位デバイスカバーまたは遠位ステントカバー(総称して、「遠位カバー」)の形態をとり得る遠位係合部材124を備え得る。遠位カバー124は、ステント105(例えば、その遠位部分)と周囲のカテーテル101の内面との間の摩擦を低減するように構成され得る。例えば、遠位カバー124は、ステント105の少なくとも一部分および/またはコアアセンブリ103の中間部分108にわたって延在し得る第1の自由端または区分124aと、コアアセンブリ103に結合され得る(直接的または間接的に)第2の固定端または区分124bと、を有する潤滑性の可撓性構造として構成され得る。
【0134】
遠位カバー124は、遠位カバーが遠位先端に対して近位に、または第2の区分124bまたはコアアセンブリ103への遠位カバーの(直接または間接)取り付けから近位に延在し、ステント105の遠位部分を少なくとも部分的に取り囲むかまたは覆い得る、第1のまたは送達位置、構成、または配向を有し得る。遠位カバー124は、第1のまたは送達配向から、コアアセンブリ103によって運ばれるステント105を伴うか、またはステント105なしで、コアアセンブリ103の再被覆を可能にするように、遠位カバーの第1の端124aが遠位カバー124の第2の端124bに対して遠位に位置付けられるように、遠位カバーが裏返され得る、第2のまたは再被覆位置、構成、もしくは配向(図示せず)に移動可能であり得る。
図1に示されるように、遠位カバー124の第1の区分124aは、第2の区分124bの近位端から生じ得る。別の実施形態では、第1の区分124aは、第2の区分124bの遠位端から生じ得る。
【0135】
遠位カバー124は、PTFEまたはTeflon(登録商標)などの潤滑性および/または親水性材料を使用して製造され得るが、他の好適な潤滑性材料または潤滑性ポリマーから作製されてもよい。遠位カバーはまた、放射線不透過性を付与するために主材料(例えば、PTFE)に混合され得る放射線不透過性材料を備え得る。遠位カバー124は、約0.0005インチ~約0.003インチの厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、遠位カバーは、約0.001インチの厚さを有するPTFEの1つ以上の細片であり得る。
【0136】
遠位カバー124(例えば、その第2の端124b)は、長手方向/摺動様式または半径方向/回転様式のいずれかで、コアアセンブリ103に対して移動不能であるように、コアアセンブリ103に(例えば、そのワイヤ104または遠位先端に)固定され得る。あるいは、
図1に図示されるように、遠位カバー124(例えば、その第2の端124b)は、遠位カバー124が、コアアセンブリ103の(例えば、ワイヤ104の)長手方向軸の周りを回転する、および/またはコアアセンブリ103に沿って長手方向に移動もしくは摺動し得るように、コアアセンブリ103に結合(例えば、装着)され得る。そのような実施形態では、第2の端124bは、遠位カバー124がコア部材103に対して摺動および/または回転し得るように、コアアセンブリ103を内部に受容する内腔を有し得る。加えて、そのような実施形態では、遠位界面アセンブリ122は、コアアセンブリ103に固定され、かつ遠位カバー124(の第2の端124b)の近位に位置する近位拘束具126、および/またはコアアセンブリ103に固定され、かつ遠位カバー124(の第2の端124b)の遠位に位置する遠位拘束具128をさらに備え得る。遠位界面アセンブリ122は、コアアセンブリ103の(例えば、ワイヤ104の)外面と第2の端124bの内面との間に半径方向の間隙を備え得る。そのような半径方向の間隙は、第2の端124bが、コアアセンブリ103の対応する部分の外径よりもいくらか大きい内腔径で構築されるときに形成され得る。半径方向の間隙は、存在するとき、遠位カバー124および/または第2の端124bが、拘束具126、128の間でコアアセンブリ103の長手方向軸の周りを回転することを可能にする。
【0137】
いくつかの実施形態では、近位および遠位拘束具126、128の一方または両方は、拘束具126、128の一方または両方がコアアセンブリ103の動作中にカテーテルの内面に当接または接触しようとしないように、遠位カバー124の(例えば、展開前)外径または他の半径方向最外寸法よりも小さい外径または他の半径方向最外寸法を有し得る。あるいは、拘束具126および128の外径を、展開前遠位カバー124の半径方向最大寸法よりも大きくすること、および/または近位拘束具126の外径を、遠位拘束具128の外径よりも大きくすることが好ましい場合がある。この構成は、ステント展開後のカテーテル内への遠位カバー124および拘束具126、128の容易かつ円滑な回収を可能にする。
【0138】
動作中、遠位カバー124、特に第1の区分124aは、ステント105が周囲のカテーテルを通って遠位に移動される際、ステント105の遠位部分を概ね覆って保護し得る。遠位カバー124は、例えば、ステント105および/もしくはカテーテルを損傷させるか、またはステント105の構造的完全性を損ない得る、ステント105の遠位部分のフィラメント端(ステントが編組ステントを含む場合)がカテーテルの内面に接触することを抑制するベアリングまたはバッファ層として機能し得る。遠位カバー124が潤滑性材料で作製され得るため、遠位カバー124は、ステントの遠位部分がカテーテル内で比較的容易に軸方向に摺動することを可能にする、低摩擦係数を呈し得る。遠位カバー124とカテーテル101の内面との間の摩擦係数は、約0.02~約0.4とすることができる。例えば、遠位カバーおよびカテーテルがPTFEから形成される実施形態では、摩擦係数を約0.04とすることができる。そのような実施形態は、特に蛇行した血管系内でカテーテルを通過するコアアセンブリ103の能力を有利に改善し得る。
【0139】
本明細書に説明される遠位カバー124の実施形態以外の構造が、ステント105の遠位部分を覆うか、または別様に相互作用するために、コアアセンブリ103および/または遠位界面アセンブリ122で使用されてもよい。例えば、長手方向に向けられ、近位方向に開いた内腔を有する保護コイルまたは他のスリーブを採用してもよい。他の実施形態では、遠位界面アセンブリ122が、遠位カバー124を省略し得るか、または遠位カバーが、近位結合アセンブリ120と同様の構成要素と置き換えられ得る。遠位カバー124が採用される場合、遠位カバー124は、遠位先端コイル112に接続され得るか(例えば、遠位先端コイル112の巻き線の一部または全部の周囲で巻き付けられるか、もしくはそれらを包囲することによって)、または接着剤もしくは周囲の収縮チューブによってコイルの外面に接着もしくは結合され得る。遠位カバー124は、ワイヤ104などのコアアセンブリ103の他の部分に(直接的または間接的に)結合され得る。
【0140】
回転可能な近位結合アセンブリ120および回転可能な遠位カバー124の両方を採用するコアアセンブリ103の実施形態では、ステント105は、近位結合アセンブリ120と遠位カバー124との回転可能な接続によって、コアアセンブリ103に対してその長手方向軸を中心として回転可能であり得る。そのような実施形態では、ステント105、近位結合アセンブリ120、および遠位カバー124は、このようにして、コア部材103を中心として一緒に回転し得る。ステント105がコアアセンブリ103を中心として回転し得るとき、コアアセンブリ103は、ステント105および/またはコアアセンブリ103をねじる血管の傾向が、コアアセンブリ103を中心としたステント105、近位結合アセンブリ120、および遠位カバー124の回転によって打ち消されるため、蛇行した血管をより容易に前進され得る。加えて、ユーザの入力押圧力がステント105および/またはコアアセンブリ103のねじれに転換されないため、必要とされる押圧力または送達力が低減される。ねじれたステント105および/またはコアアセンブリ103が、ステント105の既存のねじれまたは展開時に突然ほどけるか、または「急に動く」傾向、ならびにねじれたステントが展開時に拡張に抵抗する傾向もまた、低減または排除される。さらに、コアアセンブリ103のいくつかのそのような実施形態では、特に、コイル112が、その応力を受けていない構成で、ある角度で曲げられている場合、ユーザは、コイル112を介してコアアセンブリ103を「誘導」することができる。そのようなコイル先端は、コアアセンブリ103の遠位部分110を回転させることによって、ステント105、結合アセンブリ120および/または遠位カバー124に対してシステム100の長手方向軸を中心として回転され得る。したがって、ユーザは、コアアセンブリ103の所望の移動方向にコイル先端112を向けることができ、コアアセンブリの前進の際に、先端は、選択された方向にコアアセンブリをガイドすることになる。
【0141】
図2Aは、
図1に示される医療デバイス送達システム100のコアアセンブリ103の側面図であり、
図2Bは、線2B-2Bに沿った
図2Aのコアアセンブリ103の側面断面図である。上記のように、コアアセンブリ103は、細長いシャフトまたはワイヤ104と、ワイヤ104の長さの少なくとも一部に沿ってワイヤ104を取り囲む長手方向に延在するチューブ106と、を含む。ワイヤ104は、近位部分108と、遠位部分110と、上でステント105(
図1)を運ぶように構成された中間部分114と、を含む。チューブ106は、ワイヤ104がチューブ106の内腔を通って延在するように、ワイヤ104上に配設される。ワイヤ104は、ワイヤ104がチューブ106の近位部分116の近位に延在し、かつチューブ106の遠位部分118の遠位にも延在するように、チューブ106の長さよりも長い長さを有し得る。
【0142】
上記のように、チューブ106は、チューブ106の長さの少なくとも一部分に沿って延在する渦巻き状または螺旋状のボイドまたは切り欠き115を有し得、切り欠き115は、チューブ106の長さに沿ってチューブ106の異なる部分に変化する曲げ剛性を付与するために異なるピッチ寸法を有する1つ以上のセグメント115a、115bを含み得る。切り欠き115は、チューブ106の側壁内に形成された開口232で終端し得る。開口232は、チューブ106の側壁内に形成され(例えば、切断され)、ボイドまたは切り欠き115と隣接または連続する、追加のボイドを含み得る。開口232は、
図2Aに示されるような円、または楕円もしくは多角形などの他の任意の好適な形状を含み得る。採用されるとき、開口232は、螺旋状切り欠き115の端での側壁亀裂形成に対する応力緩和または措置として機能し得る。いくつかの実施形態では、切り欠き115の異なるセグメント(例えば、第1のセグメント115aおよび第2のセグメント115b)は、接続開口によって接続され得、それによって、単一の、隣接または連続するボイドを形成する。接続開口は、それらが切り欠き115の隣接するセグメント間(例えば、第1のセグメント115aと第2のセグメント115bとの間)に位置付けられることを除いて、開口232と実質的に同様であり得る。
【0143】
ワイヤ104は、遠位方向に半径方向内向きに先細になる外形を有し得、近位部分108でより大きい外形(例えば、直径)を有し、遠位部分110でより小さい外形を有する。先細は、ワイヤ104の長さに沿って漸進的かつ連続的であってもよく、またはいくつかの実施形態では、先細は、ワイヤ104の異なる部分で変化してもよい。
図2Aおよび2Bに例示される実施形態では、ワイヤ104は、2つ(またはそれ以上)の一定直径セグメント、すなわち、第1の一定直径セグメント234および第2の一定直径セグメント236を含み得る。これらのセグメント234、236の各々にわたって、ワイヤ104は、実質的に均一な(すなわち、先細ではない)外形を有し得る。第1の一定直径セグメント234は、チューブ106の近位部分116の下に位置付けられ得、第2の一定直径セグメント236は、チューブ106の遠位部分118の下に位置付けられ得る。ワイヤ104が、第1の一定直径セグメント234から第2の一定直径セグメント236まで遠位に先細になるため、いくつかの実施形態では、第1の一定直径セグメント234の外形(例えば、直径)は、第2の一定直径セグメント236の外形(例えば、直径)よりも大きい。いくつかの実施形態では、第1の一定直径セグメント234は、約1インチ~8インチ、2インチ~6インチ、3インチ~5インチ、または約4インチの長さを有し得る。いくつかの実施形態では、第2の一定直径セグメント236は、同様に、約1インチ~8インチ、2インチ~6インチ、3インチ~5インチ、または約4インチの長さを有し得る。
【0144】
これらの第1および第2の一定直径セグメント234および236は、周囲のチューブ106の対応する部分に固着されるように構成されたワイヤ104の部分を提供し得る。チューブ106は、チューブ106の近位部分116の第1の接触点238でワイヤ104に固着され得、かつチューブ106の遠位部分118の第2の接触点240でもワイヤ104に固着され得る。第1の接触点238は、第1の一定直径セグメント234内の任意の長手方向位置に位置付けられ得、第2の接触点240は、第2の一定直径セグメント236内の任意の長手方向位置に位置付けられ得る。したがって、第1および第2の一定直径セグメント234、236は、ワイヤ104が、第1および第2の一定直径セグメント234、236内の異なる長手方向位置の範囲で、第1および第2の接触点238、240をそれぞれ収容することを可能にする。例えば、様々な実施形態では、第1の接触点238は、第1の一定直径セグメント234の長さに沿って任意の長手方向位置に位置付けられ得、第2の接触点240は、第2の一定直径セグメント236の長さに沿って任意の長手方向位置に位置付けられ得る。
【0145】
この特徴は、異なる長さのチューブ106および/またはステント105(
図1)と組み合わせてワイヤ104の単一の構成を利用するために有用であり得る。例えば、ワイヤ104の中間部分114は、異なるステントサイズの範囲を有するステントを収容し得る。より長いステントの場合、ステントの近位端は、より短いステントよりもワイヤに沿ってより近位に延在し得る。近位緩衝器または拘束具119をステントの近位端に隣接して位置付けるために、拘束具119は、ステントの長さおよび位置に応じて、第2の一定直径セグメント236に沿った異なる長手方向位置に配置され得る。より短いステントを用いると、拘束具119は(チューブ106の遠位部分118と共に)、より長いステントを用いるよりも遠位に位置付けられることになる。拘束具119、およびチューブ106の遠位部分118を第2の一定直径セグメント236に沿って移動させることによって、チューブ106の近位部分116もまた、第1の一定直径セグメント234に沿って同等の量だけ移動される。したがって、第1および第2の一定直径セグメント234、236の長さは、長手方向位置の範囲を提供し得、その範囲にわたって、第1および第2の接触点238、240が位置し得る。
【0146】
ワイヤ104およびチューブ106は、送達システムの動作中に、チューブ106がワイヤ104よりも先に優先的に曲がるように構成され得る。例えば、チューブ106の側壁厚さ、材料区分、および螺旋状切り欠き115は、全て、チューブ106の長さに沿った異なる部分で所望の曲げ剛性を提供するように変化され得る。同様に、ワイヤ104の材料および寸法は、ワイヤ104の長さに沿って変化されて、その長さに沿って変化した曲げ剛性を提供し得る。ワイヤ104およびチューブ106の相対的な曲げ剛性は、コアアセンブリ103を曲げるとき(例えば、蛇行した解剖学的構造の操縦中)、チューブ106がワイヤ104よりも先に曲がるように構成され得る。これは、歪みが、主にチューブ106によって負担されることを可能にし、このことは、ワイヤ104によって負担される荷重を低減し、必要とされる送達力を減少させ得る。
【0147】
上記のように、チューブ106は、第1の接触点238で第1の一定直径セグメント234に沿ってワイヤ104に固着され得る。
図5に最良に見られるように、第1の接触点238は、チューブ106の最近位端にあり得る。ワイヤ104は、溶接、はんだ付け、接着剤、または他の任意の好適な固定技術を介して、第1の接触点238でチューブ106に固着され得る。ワイヤ104の外形(例えば、直径)は、第1の接触点238でのチューブ106へのワイヤ104の固定を容易にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ワイヤ104の外形は、チューブ106の内腔の内形とほぼ同じ大きさであり、それにより、ワイヤ104は、第1の接触点238でチューブ106の内腔を実質的に満たす。これは、ワイヤ104をチューブ106に溶接、はんだ付け、または別様に固着するかもしくは取り付けることを容易にし得る。チューブ106の外形が、第1の一定直径セグメント234に沿って実質的に一定であり得るため、チューブ106は、第1の一定直径セグメント234の長さに沿った任意の点の第1の接触点238でワイヤ104に固着され得る。
【0148】
チューブ106は、第2の接触点240で第2の一定直径セグメント236に沿って拘束具119に固着され得る。
図3および4に最良に見られるように、近位緩衝器または拘束具119は、ワイヤ104の第2の一定直径セグメント236内の長手方向位置でワイヤ104上に装着され得る。拘束具119は、それを介してワイヤ104を受容するように構成された内腔441を含む。内腔441は、第2の一定直径セグメント236に沿ったワイヤ104の外形(例えば、直径)に対応するようにサイズ決めされ得る。いくつかの実施形態では、拘束具119は、ワイヤ104に対して回転または並進することができないように、ワイヤ104に対して溶接、はんだ付け、または別様に固定される。他の実施形態では、拘束具119は、ワイヤ104に対して所定の範囲内で回転および/または並進を許容するように構成され得る。
【0149】
拘束具119は、第1の外形を有する遠位区分442と、第1の外形よりも小さい第2の外形を有する近位区分444と、をさらに含む。近位区分444の外形は、チューブ106の内腔内に収まるようにサイズ決めおよび構成され得、一方、遠位区分442の外形は、チューブ106の遠位端に隣接するようにサイズ決めおよび構成され得る。いくつかの実施形態では、遠位区分442の外形は、チューブ106の外形に一致するか、またはそれを超え、それにより、チューブ106の遠位部分118は、拘束具119の遠位区分442を越えて遠位に移動することができない。チューブ106が拘束具119の近位区分444上に位置付けられるとき(
図3に見られるように)、近位区分444は、チューブ106の側壁内の開口232と部分的に重なり得る。いくつかの実施形態では、近位区分444は、開口232に、30%を超えて、40%を超えて、50%を超えて、60%を超えて、または70%を超えて、重ならない。いくつかの実施形態では、近位区分444は、開口232と全く重ならない。
【0150】
チューブ106は、溶接、はんだ付け、接着剤、または他の任意の好適な固定技術を介して、第2の接触点240で拘束具119に固着され得る。拘束具119の外形(例えば、直径)は、第2の接触点240でのチューブ106への拘束具119の固定を容易にするように構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、拘束具119の近位区分444の外形は、チューブ106の内腔の内形とほぼ同じ大きさであり、それにより、拘束119の近位区分444は、第2の接触点240でチューブ106の内腔を実質的に満たす。これは、拘束具119をチューブ106に溶接、はんだ付け、または別様に固着するかもしくは取り付けることを容易にし得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、チューブ106は、例えば、溶接、はんだ付け、接着剤、または他の固定技術を介して、第2の接触点240でワイヤ104に直接的に固着され得る。いくつかの実施形態では、拘束具119の代わりに、チューブ106は、別の介在する部材に接続され得、介在する部材が、次いで、ワイヤ104に取り付けられる。例えば、拘束具119とは別の取り付け部材がワイヤ104に固着され得、チューブ106が、次いで、第2の接触点240で取り付け部材に固着され得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、ワイヤ104は、第1の一定直径セグメント234のみを含み、第2の一定直径セグメント236を省略し得るが、他の実施形態では、ワイヤ104は、第2の一定直径セグメント236のみを含み、第1の一定直径セグメントを省略し得る。さらに他の実施形態では、ワイヤ104は、第1および第2の一定直径セグメント234、236の両方を省略し、代わりに、ワイヤ104のこれらのセグメントに先細または別様に変化する外形を有してもよい。
【0153】
第1および第2の接触点238、240が、チューブ106の近位および遠位端またはその近くにあるように示されているが、いくつかの実施形態では、第1および第2の接触点のうちの1つ以上が、チューブ106の近位および遠位端から離隔された位置に位置し得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、ワイヤに沿った他の長手方向部位に位置する追加の接触点が存在し得る。例えば、追加の接触点が第1および第2の接触点の間に提供され得、それによって、チューブとワイヤとの間に別の固定点を提供し、ワイヤに対するチューブの圧縮または伸長をさらに防止する。
【0154】
図6Aおよび
図6Bは、いくつかの実施形態による、医療デバイス送達システムの構成要素の曲げ剛性のグラフである。
図6Aを参照すると、線601は、ハイポチューブの曲げ剛性を、その遠位端からの距離の関数として図示する。曲げ剛性は、概して、近位方向に増加し、それにより、最遠位部分(グラフの左側)が最低曲げ剛性を有し、最近位部分(グラフの右側)が最高曲げ剛性を有する。曲げ剛性は、一連の段階的変化で増加し得る。線603は、ハイポチューブを通過させて受容するように構成されたカテーテルの曲げ剛性を図示する。ハイポチューブと同様に、カテーテルの曲げ剛性は、遠位端からの距離と共に増加する。しかしながら、カテーテルは、その長さ全体にわたってより少ない曲げ剛性の増加を有する。線605は、パーセンテージで表された、ハイポチューブとカテーテルとの間の各点での曲げ剛性の差を図示する。カテーテルおよびハイポチューブの曲げ剛性の間の高度な不一致は、特に、神経血管系などの蛇行した解剖学的構造を操縦するときに、カテーテルのキンクの増加に寄与し得る。
図6Aに示されるように、5~15インチの線605で大きい増加が存在し、この長さの範囲にわたるカテーテルとハイポチューブとの間の曲げ剛性の大きい差を反映している。これは、不利なことに、カテーテルを通してコア部材またはハイポチューブを前進させるために必要とされる全体的な送達力を増加させ得る、キンクまたは他の障害に繋がり得る。
【0155】
これらの問題を改善するために、ハイポチューブおよび/またはカテーテルの曲げ剛性は、それらの長さの少なくとも一部分にわたって2つの間の差を低減するように変更され得る。
図6Bは、
図6Aのハイポチューブと比較して5~15インチの範囲で減少した曲げ剛性を有するようにハイポチューブが変更されている、送達システムの構成要素の曲げ剛性を例示する。
図6Bを参照すると、線603は、カテーテルの曲げ剛性を再び反映しており、これは、
図6Aと比較して変化していない。線607は、ハイポチューブの曲げ剛性を図示しており、これは、
図6Aと比較して5~15インチの範囲で低減されている。線609は、ハイポチューブとカテーテルとの間の曲げ剛性のパーセンテージの差を図示する。
図6Bに見られるように、線609は、5~15インチの範囲に沿って低いままであり、
図6Aと比較して、この範囲でのハイポチューブおよびカテーテルの同様の曲げ剛性を反映している。したがって、チューブの曲げ剛性を5~15インチの範囲で低減することによって、ハイポチューブの曲げ剛性は、カテーテルの曲げ剛性により近づいて適合される。送達および再被覆力は、
図6Aおよび6Bに例示される設計について評価され、
図6Bの設計は、
図6Aの設計と比較して、送達力の21%の低減および再被覆力の32%の低下を結果的にもたらすことが見出された。これは、送達システム性能が、カテーテルの曲げ剛性を、それらの長さの少なくとも一部分に沿ったハイポチューブの曲げ剛性に、より厳密に適合させることによって、改善され得ることを実証する。
【0156】
チューブの曲げ剛性をカテーテルの曲げ剛性に、より厳密に適合させるために、チューブは、チューブの少なくとも遠位部分に沿ったカテーテルの曲げ剛性の500%未満、400%未満、300%未満、または200%未満である曲げ剛性を有するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハイポチューブの遠位部分は、ハイポチューブの遠位端から少なくとも5インチ、少なくとも10インチ、少なくとも15インチ、少なくとも20インチ、少なくとも25インチ、または少なくとも30インチに及ぶ。
【0157】
結論
本開示は、網羅的であること、または本技術を本明細書に開示された正確な形態に限定することを意図していない。特定の実施形態が例示の目的で本明細書に開示されているが、当業者が認識するように、本技術から逸脱することなく、様々な同等の変更が可能である。場合によっては、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを回避するために、周知の構造および機能は、詳細に図示および/または説明されていない。本明細書では方法のステップが特定の順序で提示され得るが、代替的な実施形態では、ステップは、別の好適な順序を有し得る。同様に、特定の実施形態の文脈で開示された本技術の特定の態様は、他の実施形態では組み合わされるかまたは排除することができる。さらにまた、特定の実施形態に関連する利点がそれらの実施形態の文脈で開示されている可能性があるが、他の実施形態もそのような利点を示すことができ、全ての実施形態が本技術の範囲内に含まれるように本明細書に開示されるそのような利点または他の利点を必ずしも示す必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書に明示的に示されないおよび/または説明されない他の実施形態を包含することができる。
【0158】
本開示全体を通して、単数形の用語「a」、「an」、および「the」は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語が2つ以上の項目のリストに関して他の項目から除外される単一の項目のみを意味するように明確に限定されていない限り、そのようなリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の任意の単一の項目、(b)リスト内の全ての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものと解釈されるべきである。さらに、「備える」などの用語は、本開示全体で、同じ特徴および/または1つ以上の追加のタイプの特徴がそれ以上多数排除されないように、少なくとも列挙された特徴を含むことを意味するために使用される。本明細書では、「上部」、「下部」、「前部」、「後部」、「垂直」、および「水平」などの方向を示す用語が使用され、様々な要素間の関係を表現および明確化することができる。そのような用語は、絶対的な方向を示すものではないことを理解されたい。本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、または同様の系統的論述への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、動作、または特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書におけるそのような語句または系統的論述の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではない。さらにまた、様々な特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わせることができる。
【外国語明細書】