(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042078
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】エアロゾル供給デバイス
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240319BHJP
A24F 40/465 20200101ALI20240319BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/465
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024015526
(22)【出願日】2024-02-05
(62)【分割の表示】P 2021570885の分割
【原出願日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】1908204.9
(32)【優先日】2019-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】1910758.0
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】62/938,058
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファロン, ゲイリー
(72)【発明者】
【氏名】ウォーレン, ルーク
(72)【発明者】
【氏名】ローチ, アダム
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツ, ゾルタン
(72)【発明者】
【氏名】ナウル, スリカンス
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン, トーマス
(72)【発明者】
【氏名】トールセン, ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】クオムビー, ジャック
(72)【発明者】
【氏名】レオニ, チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ラッシュフォース, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】バーカー, ティモシー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するエアロゾル供給デバイスが提供される。
【解決手段】物品がエアロゾル供給デバイス100’’’’に挿入される際に、物品の遠位端が制限位置を超えて遠位方向に移動するのを防止するストッパ105と、エアロゾル生成材料を加熱するための加熱アセンブリであって、加熱要素を備え、加熱アセンブリを使用している間、加熱要素の中で熱が生成される、加熱アセンブリとを備え、物品がデバイスの中に完全に挿入され、物品の遠位端が制限位置に位置すると、物品を加熱するために加熱することができる加熱要素と全く重畳しない、エアロゾル生成材料の長さのうちの第1の部分が存在し、第1の部分が、エアロゾル生成材料の遠位端から近位に向かう第1の距離151、又はエアロゾル生成材料の近位端から遠位に向かう第1の距離のいずれかの全体にわたって延在する。
【選択図】
図7a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、
使用期間中、前記エアロゾル生成材料を加熱するための誘導加熱ユニットと、
内部表面を有するコンジットであって、前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットと
を備え、前記エアロゾル供給デバイスが、使用期間中、前記コンジットの前記内部表面の少なくとも一部が加熱され、以て前記コンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するように構成される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、
使用期間中、前記エアロゾル生成材料が前記加熱チャンバー内に位置すると、前記エアロゾル生成材料を加熱するための誘導加熱ユニットと、
内部表面を有するコンジットであって、前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットと
を備え、前記エアロゾル供給デバイスが、使用期間中、前記コンジットの前記内部表面が加熱され、前記内部表面の少なくとも一部が85℃以上の温度に達するように構成される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記内部表面の少なくとも一部が1W/m/Kより大きい熱伝導率を有する熱伝導材料で形成される、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、
使用期間中、前記エアロゾル生成材料を加熱するための加熱ユニットと、
内部表面を有するコンジットであって、前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットと
を備え、前記内部表面の少なくとも一部が1W/m/Kより大きい熱伝導率を有する熱伝導材料で形成される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
前記加熱ユニットが誘導加熱ユニットである、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記熱伝導材料が10W/m/Kより大きく、任意選択で20W/m/Kより大きく、さらに任意選択で50W/m/Kより大きい熱伝導率を有する、請求項3~5のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記コンジットが第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部が前記第2の端部よりも前記加熱チャンバーに近く、
熱伝導材料で形成された前記内部表面の前記少なくとも一部が第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部が前記第2の端部よりも前記加熱チャンバーに近く、
熱伝導材料で形成された前記内部表面の前記少なくとも一部の前記第2の端部が前記コンジットの前記第2の端部よりも前記加熱チャンバーに近く、及び/又は熱伝導材料で形成された前記内部表面の前記少なくとも一部の前記第1の端部が前記コンジットの前記第1の端部に配置される、
請求項3~6のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
通路を画定している内部表面を有するコンジットサポートをさらに備え、熱伝導材料で形成された前記コンジットの前記内部表面の前記少なくとも一部が前記コンジットサポートの前記内部表面の熱伝導材料の層によって形成される、請求項3~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
熱伝導材料で構築された管状構成要素をさらに備え、熱伝導材料で形成された前記内部表面の前記少なくとも一部が前記管状構成要素によって形成され、
任意選択で前記管状構成要素が前記コンジットの前記内部表面全体を形成する、
請求項3~7のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項10】
前記熱伝導材料がアルミナ又はジルコニアなどのセラミック材料であるか、或いはアルミニウム、黄銅又はステンレス鋼などの金属材料である、請求項3~9のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項11】
前記熱伝導材料が導電材料である、請求項3~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記熱伝導材料が強磁性材料及び/又はフェリ磁性材料である、請求項3~11のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項13】
使用期間中の前記コンジットの前記内部表面の加熱が、少なくとも部分的に、前記加熱ユニットによって生成された熱の伝導によるものである、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項14】
使用期間中、前記コンジットが加熱され、以て前記内部表面の少なくとも一部が85℃以上の温度に達し、任意選択で90℃以上、さらに任意選択で95℃以上、さらに任意選択で100℃以上の温度に達するように前記エアロゾル供給デバイスが構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項15】
使用期間中、前記コンジットの前記内部表面が加熱され、以て前記コンジットの第1の端部と第2の端部の間の中間である前記内部表面の少なくとも中央部分が70℃以上の温度に達し、任意選択で80℃、さらに任意選択で90℃、さらに任意選択で100℃以上の温度に達するように前記エアロゾル供給デバイスが構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項16】
前記コンジットの前記内部表面を加熱することにより、前記コンジット内の空気が120℃以上の温度に加熱され、任意選択で150℃以上、さらに任意選択で170℃以上、さらに任意選択で200℃以上の温度に加熱される、請求項1~15のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項17】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、
使用期間中、前記エアロゾル生成材料を加熱するための加熱ユニットと、
前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットと、
前記コンジット内の空気を加熱し、以て前記コンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するための空気加熱ユニットと
を備えるエアロゾル供給デバイス。
【請求項18】
前記空気加熱ユニットが1つ又は複数の加熱要素を備える、請求項17に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項19】
前記空気加熱ユニットの前記1つ又は複数の加熱要素の各々が前記デバイスの前記外部から間隔を隔てる、請求項17又は18に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項20】
前記1つ又は複数の加熱要素のうちの少なくともいくつか、及び任意選択ですべてが抵抗加熱要素である、請求項17~19のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項21】
エアロゾル生成材料が前記加熱チャンバー内に存在しているかどうかを知覚するようになされた少なくとも1つのエアロゾル生成材料センサをさらに備え、
前記空気加熱ユニットが前記少なくとも1つのエアロゾル生成材料センサからの出力信号に基づいて制御されるように前記デバイスが構成される、
請求項17~20のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項22】
前記空気加熱ユニットが、エアロゾル生成材料が前記加熱チャンバーから除去されたことを示す前記少なくとも1つのエアロゾル生成材料センサからの前記出力信号に応答して、前記コンジット内の空気を閾値温度より高い温度に加熱するように構成される、請求項21に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項23】
前記デバイスによって生成されたエアロゾルをユーザが吸入しているかどうかを知覚するようになされた少なくとも1つの吸入センサをさらに備え、
前記空気加熱ユニットが前記少なくとも1つの吸入センサからの出力信号に基づいて制御されるように前記デバイスが構成される、
請求項17~22のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項24】
前記空気加熱ユニットが、前記デバイスによって生成されたエアロゾルをユーザが吸入したことを示す前記少なくとも1つの吸入センサからの前記出力信号に応答して、前記コンジット内の空気を閾値温度より高い温度に加熱するように構成される、請求項23に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項25】
前記閾値温度が120℃以上であり、任意選択で150℃以上、さらに任意選択で170℃以上、さらに任意選択で200℃以上である、請求項22又は24に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項26】
前記空気加熱ユニットが、120℃以上であり、任意選択で150℃以上、さらに任意選択で170℃以上、さらに任意選択で200℃以上である閾値温度より高い温度に前記コンジット内の空気を加熱するように構成される、請求項17~19、21及び23のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項27】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
インダクタを備える加熱アセンブリと、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーであって、前記加熱チャンバーの中で前記加熱アセンブリによって前記エアロゾル生成材料を加熱することができる、加熱チャンバーと、
前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部の開口とを流体接続するコンジットであって、前記コンジットの少なくとも一部が第1のサセプタを備える構成要素によって画定される、コンジットと
を備え、前記デバイスが、前記コンジットを加熱するために前記インダクタによって前記第1のサセプタを加熱することができ、以て前記コンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するように構成される、エアロゾル供給デバイス。
【請求項28】
前記第1のサセプタが前記コンジットの少なくとも一部を取り囲む、請求項27に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項29】
前記加熱アセンブリが、前記加熱チャンバーに前記エアロゾル生成材料が存在している場合、前記インダクタによって前記エアロゾル生成材料を加熱することができるように構成される、請求項27又は28に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項30】
前記加熱アセンブリが前記インダクタによって加熱することができる第2のサセプタを備え、以て前記加熱チャンバーを加熱する、請求項29に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項31】
前記第2のサセプタが前記加熱チャンバーの少なくとも一部を取り囲む、請求項30に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項32】
前記第1のサセプタが前記第2のサセプタと当接し、したがって前記第2のサセプタからの熱伝導によって前記第1のサセプタを加熱することができる、請求項30又は31に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項33】
前記コンジットが前記加熱チャンバーより広い幅又は狭い幅を有する、請求項27~32のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項34】
前記インダクタがコイルを備え、前記インダクタコイルの少なくとも一部が前記第1のサセプタの少なくとも一部を取り囲む、請求項27~33のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項35】
熱絶縁材料を含み、第1の端部及び第2の端部を有するサポートをさらに備え、前記第1の端部が前記第2の端部よりも前記加熱チャンバーに近く、前記第1の端部と第2の間を通路が延在し、前記第1のサセプタの少なくとも一部が前記通路内に配置される、請求項27~34のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項36】
前記第1のサセプタが前記サポートの前記第2の端部から間隔を隔て、したがって前記開口から間隔を隔てる、請求項35に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項37】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
加熱アセンブリであって、前記加熱アセンブリによって加熱することができる加熱要素を備える、加熱アセンブリと、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーであって、前記加熱チャンバーの中で前記加熱要素によって前記エアロゾル生成材料を加熱することができる、加熱チャンバーと、
前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部の開口とを流体接続するコンジットであって、前記コンジットの少なくとも一部が熱伝導材料を含む構成要素によって画定される、コンジットと
を備え、前記構成要素の前記熱伝導材料が前記加熱要素と当接し、したがって前記コンジットを加熱するために前記加熱要素からの熱伝導によって前記熱伝導材料を加熱することができ、以て前記コンジット内の復水の蓄積を実質的に防止する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項38】
前記熱伝導材料が前記コンジットの少なくとも一部を取り囲む、請求項37に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項39】
前記構成要素の近位端が前記加熱要素の遠位端を円周状に取り囲む、請求項37又は38に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項40】
前記加熱アセンブリが誘導加熱ユニットを備え、前記加熱要素がサセプタである、請求項37~39のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項41】
前記加熱要素が前記加熱チャンバーの少なくとも一部を取り囲む、請求項37~40のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項42】
前記コンジットが前記加熱チャンバーより広い幅又は狭い幅を有する、請求項37~41のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項43】
熱絶縁材料を含み、第1の端部及び第2の端部を有するサポートをさらに備え、前記第1の端部が前記第2の端部よりも前記加熱チャンバーに近く、前記第1の端部と第2の間を通路が延在し、前記構成要素の少なくとも一部が前記通路内に配置される、請求項37~42のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項44】
前記構成要素が前記サポートの前記第2の端部から間隔を隔て、したがって前記開口から間隔を隔てる、請求項43に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項45】
前記コンジットが入口コンジットである、請求項1~44のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項46】
前記コンジットが出口コンジットである、請求項1~44のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項47】
エアロゾル生成材料を含む物品を受け取り、前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記物品が前記エアロゾル供給デバイスに挿入される際に、前記物品の遠位端が制限位置を超えて遠位方向に移動するのを防止するストッパと、
使用期間中、前記エアロゾル生成材料を加熱するための加熱アセンブリであって、加熱要素を備え、前記加熱アセンブリを使用している間、前記加熱要素の中で熱が生成される、加熱アセンブリと
を備え、前記物品が前記デバイスの中に完全に挿入され、前記物品の前記遠位端が前記制限位置に位置すると、前記物品を加熱するために加熱することができる加熱要素と全く重畳しない、前記エアロゾル生成材料の長さのうちの第1の部分が存在し、前記第1の部分が、前記エアロゾル生成材料の前記遠位端から近位に向かう第1の距離、又は前記エアロゾル生成材料の近位端から遠位に向かう第1の距離のいずれかの全体にわたって延在する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項48】
前記加熱ユニットが誘導加熱ユニットであり、前記加熱要素がサセプタである、請求項47に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項49】
前記加熱要素が外側に向かって朝顔形に広がっている遠位端を有する、請求項47又は48に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項50】
加熱チャンバーをさらに備え、前記加熱要素が前記加熱チャンバーの一部を取り囲む、請求項47~49のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項51】
入口コンジットをさらに備え、前記入口コンジットが前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部の開口とを流体接続し、前記加熱チャンバーの幅が前記入口コンジットの幅より広い、請求項50に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項52】
前記加熱チャンバーが前記加熱要素の遠位端から前記ストッパまで延在している遠位部分を有し、前記遠位部分が前記遠位部分の近位に配置された前記加熱チャンバーの一部の幅に等しいか、或いはそれより広い幅を有する、請求項50又は51に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項53】
前記加熱チャンバーの前記遠位部分が熱絶縁材料によって画定される、請求項52に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項54】
前記熱絶縁材料がプラスチックであり、任意選択でポリエーテルエーテルケトンである、請求項53に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項55】
エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
加熱アセンブリと、
1つ又は複数の構成要素であって、
前記エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーであって、前記加熱チャンバーの中で前記加熱アセンブリによって前記エアロゾル生成材料を加熱することができる、加熱チャンバーと、
前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットと
を画定する1つ又は複数の構成要素と
を備え、前記1つ又は複数の構成要素が、前記加熱チャンバーと前記コンジットが合致する部分に気密封止を形成する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項56】
前記1つ又は複数の構成要素が、前記コンジットを画定する少なくとも1つのコンジット画定構成要素と、前記加熱チャンバーを画定する少なくとも1つの加熱チャンバー画定構成要素とを備え、前記少なくとも1つのコンジット画定構成要素が前記少なくとも1つの加熱チャンバー画定構成要素に封止結合される、請求項55に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項57】
前記少なくとも1つのコンジット画定構成要素が溶接又はろう付けによって前記少なくとも1つの加熱チャンバー画定構成要素に封止結合される、請求項56に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項58】
前記溶接又はろう付けが前記少なくとも1つのコンジット画定構成要素及び前記加熱チャンバー画定構成要素の外部の周りである、請求項57に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項59】
前記少なくとも1つのコンジット画定構成要素のうちの少なくとも1つが熱伝導材料を含む、請求項56~58のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項60】
前記1つ又は複数の構成要素が単一の一体形成構成要素からなる、請求項55に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項61】
前記加熱アセンブリが誘導加熱アセンブリであり、少なくとも1つのインダクタを備え、
前記1つ又は複数の構成要素が、前記少なくとも1つのインダクタによって加熱することができ、以て前記エアロゾル生成材料を加熱して前記エアロゾルを生成する第1のサセプタを形成する、
請求項55~60のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項62】
前記少なくとも1つの加熱チャンバー画定構成要素が前記第1のサセプタを備える、請求項56~59及び61のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項63】
前記少なくとも1つのコンジット画定構成要素が前記少なくとも1つのインダクタによって加熱することができる第2のサセプタを備える、請求項62に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項64】
前記少なくとも1つのインダクタが第1のインダクタ及び第2のインダクタを備え、
前記第1のインダクタによって前記第1のサセプタを加熱することができ、
前記第2のインダクタによって前記第2のサセプタを加熱することができる、
請求項63に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項65】
前記少なくとも1つのインダクタが第1のインダクタ及び第2のインダクタを備え、
前記一体形成構成要素の第1の部分を誘導加熱するように前記第1のインダクタを動作させることができ、前記第1の部分が前記加熱チャンバーを画定して前記第1のサセプタを形成し、
前記一体形成構成要素の第2の部分を誘導加熱するように前記第2のインダクタを動作させることができ、前記第2の部分が前記コンジットを画定する、
請求項60又は61に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項66】
前記コンジットが前記加熱チャンバーの第1の端部と前記エアロゾル供給デバイスの前記外部の第1の開口とを流体接続し、
前記1つ又は複数の構成要素が、前記加熱チャンバーの第2の反対側の端部と前記エアロゾル供給デバイスの前記外部の第2の開口とを流体接続する追加コンジットをさらに画定し、
前記1つ又は複数の構成要素が、前記加熱チャンバーと前記追加コンジットが合致する部分に気密封止を追加形成する、
請求項55~65のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項67】
前記加熱チャンバーの前記第1の端部と前記第1の開口とを流体接続している前記コンジットが前記加熱チャンバーより狭い内部幅を有する、請求項66に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項68】
前記追加コンジットが前記加熱チャンバーより広い内部幅を有する、請求項66又は67に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項69】
エアロゾルを生成する方法であって、エアロゾル生成材料を加熱して前記エアロゾルを生成するために、請求項1~68のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを使用するステップを含む、エアロゾルを生成する方法。
【請求項70】
請求項1~68のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料と
を備えるエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル供給デバイス、エアロゾル供給デバイスを使用してエアロゾルを生成する方法、及びエアロゾル供給デバイスを備えるエアロゾル生成システムに関する。
【背景】
【0002】
シガレット、シガー、等々などの物品は、使用中、タバコを燃やしてタバコ煙をもたらす。燃やすことなく化合物を放出する製品を創出することにより、タバコを燃やすこれらのタイプの物品の代替を提供する試行がなされている。喫煙材を加熱して喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させ、典型的には、喫煙材を燃やす、即ち燃焼させることなく吸入可能なエアロゾルを形成する装置が知られている。このような装置は、時によっては「非燃焼加熱式」装置若しくは「タバコ加熱製品」(THP)又は「タバコ加熱デバイス」或いは類似のものとして記述されている。喫煙材の少なくとも1つの成分を揮発させるための様々な異なる構成体が知られている。
【0003】
材料は、例えばタバコ製品又は他の非タバコ製品であってよく、或いはブレンドミックスなどの組み合わせたものであってよく、それはニコチンを含有していても、含有していなくてもよい。
【発明の概要】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、エアロゾル供給デバイスであって、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、使用期間中、エアロゾル生成材料を加熱するための誘導加熱ユニットと、内部表面を有するコンジットであって、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットとを備えるエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、使用期間中、コンジットの内部表面が加熱され、以てコンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するように構成される。
【0005】
本発明の他の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、使用期間中、エアロゾル生成材料が加熱チャンバー内に位置すると、エアロゾル生成材料を加熱するための誘導加熱ユニットと、内部表面を有するコンジットであって、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットとを備え、エアロゾル供給デバイスは、使用期間中、コンジットの内部表面が加熱され、内部表面の少なくとも一部が85℃以上の温度に達するように構成される。
【0006】
本発明のさらに他の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、使用期間中、エアロゾル生成材料を加熱するための加熱ユニットと、内部表面を有するコンジットであって、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットとを備え、内部表面の少なくとも一部は1W/m/K以上の熱伝導率を有する。
【0007】
本発明のさらに他の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、使用期間中、エアロゾル生成材料を加熱するための加熱ユニットと、内部表面を有するコンジットであって、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットとを備え、エアロゾル供給デバイスは、使用期間中、コンジットの内部表面が加熱され、以て、コンジットの近位端と遠位端の間の中間である内部表面の少なくとも中央部分が70℃以上の温度に達するように構成される。
【0008】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーと、使用期間中、エアロゾル生成材料を加熱するための加熱ユニットと、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットと、コンジット内の空気を加熱し、以てコンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するための空気加熱ユニットとを備える。
【0009】
本発明のさらに他の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、インダクタを備える加熱アセンブリと、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーであって、この加熱チャンバーの中で加熱アセンブリによってエアロゾル生成材料を加熱することができる、加熱チャンバーと、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部の開口とを流体接続するコンジットであって、コンジットの少なくとも一部が第1のサセプタを備える構成要素によって画定される、コンジットとを備え、デバイスは、コンジットを加熱するためにインダクタによって第1のサセプタを加熱することができ、以てコンジット内の復水の蓄積を実質的に防止するように構成される。
【0010】
本発明のさらに他の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、加熱アセンブリであって、該加熱アセンブリによって加熱することができる加熱要素を備える、加熱アセンブリと、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーであって、この加熱チャンバーの中で加熱要素によってエアロゾル生成材料を加熱することができる、加熱チャンバーと、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部の開口とを流体接続するコンジットであって、コンジットの少なくとも一部が熱伝導材料を含む構成要素によって画定される、コンジットとを備え、構成要素の熱伝導材料は加熱要素と当接し、したがってコンジットを加熱するために加熱要素からの熱伝導によって熱伝導材料を加熱することができ、以てコンジット内の復水の蓄積を実質的に防止する。
【0011】
本発明のさらに別の態様によれば、エアロゾル生成材料を含む物品を受け取り、また、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、物品がエアロゾル供給デバイスに挿入される際に、物品の遠位端が制限位置を超えて遠位方向に移動するのを防止するストッパと、使用期間中、エアロゾル生成材料を加熱するための加熱アセンブリであって、加熱要素を備え、加熱アセンブリを使用している間、この加熱要素の中で熱が生成される、加熱アセンブリとを備え、物品がデバイスの中に完全に挿入され、物品の遠位端が制限位置に位置すると、物品を加熱するために加熱することができる加熱要素と全く重畳しない、物品の長さのうちの第1の部分が存在し、第1の部分は、物品の遠位端から近位に向かう第1の距離、又は物品の近位端から遠位に向かう第1の距離のいずれかの全体にわたって延在する。
【0012】
本発明のさらに別の態様によれば、エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスが提供され、エアロゾル供給デバイスは、加熱アセンブリと、1つ又は複数の構成要素であって、エアロゾル生成材料を受け取るための加熱チャンバーであって、この加熱チャンバーの中で加熱アセンブリによってエアロゾル生成材料を加熱することができる、加熱チャンバーと、加熱チャンバーとエアロゾル供給デバイスの外部とを流体接続するコンジットとを画定する1つ又は複数の構成要素とを備え、1つ又は複数の構成要素は、加熱チャンバーとコンジットが合致する部分に気密封止を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】エアロゾル供給デバイスの例の正面図である。
【
図2】エアロゾル供給デバイス内の加熱アセンブリの拡大横断面図である。
【
図3a】入口コンジットの内部表面に熱伝導材料の層を含む、
図1及び
図2のデバイスの修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図3b】
図1及び
図2のデバイスの代替修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図3c】
図1及び
図2のデバイスの他の修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図3d】
図1及び
図2のデバイスのさらに他の修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図4】デバイスの入口コンジット内の空気を加熱するための空気加熱ユニットを含む、
図1及び
図2のデバイスの修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図5a】入口コンジットを画定している、誘導加熱される構成要素を含む、
図1及び
図2のデバイスの修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図5b】入口コンジット及び出口コンジットを画定している、誘導加熱されるそれぞれの構成要素を含む、
図1及び
図2のデバイスの代替修正バージョンの略図である。
【
図6a】コンジット及び加熱チャンバーを画定している構成要素が互いに封止結合されている、
図1及び
図2のデバイスの別の修正バージョンの略図である。
【
図6b】入口コンジット、出口コンジット及び加熱チャンバーを画定している構成要素を加熱するためにそれぞれのインダクタが提供されている、
図6aのデバイスの修正バージョンの略図である。
【
図6c】単一構成要素が入口コンジット及び出口コンジット並びに加熱チャンバーを画定している、
図1及び
図2のデバイスのさらに別の修正バージョンの略図である。
【
図6d】入口コンジット、出口コンジット及び加熱チャンバーを画定している構成要素を加熱するためにそれぞれのインダクタが提供されている、
図6cのデバイスの修正バージョンの略図である。
【
図7a】挿入された物品中のエアロゾル生成材料の遠位端部分が加熱されないように構成されている、
図1及び
図2のデバイスの修正バージョンの断面の詳細図である。
【
図7b】挿入された物品中のエアロゾル生成材料の近位端部分及び遠位端部分が加熱されないように構成されている、
図1及び
図2のデバイスの代替修正バージョンの略図である。
【
図8】外部カバーが取り外された
図1のエアロゾル供給デバイスの正面図である。
【
図9】
図1のエアロゾル供給デバイスの横断面図である。
【
図10】
図1のエアロゾル供給デバイスの分解図である。
【詳細な説明】
【0014】
使用中、エアロゾルの形成を容易にするために、エアロゾル供給デバイス(例えばタバコ加熱製品)のためのエアロゾル生成材料は、通常、可燃性喫煙品内の喫煙材よりも多くの水及び/又はエアロゾル生成物質を含有している。このより高い水及び/又はエアロゾル生成物質含有量は、使用中、エアロゾル供給デバイス内のとりわけ(1つ又は複数の)加熱ユニットから離れた位置に復水がたまる危険を増し得る。
【0015】
本発明者らは、この問題は、密閉された加熱チャンバーを有するデバイスにおいてより重大であり得ると考えている。このようなデバイスでは、加熱チャンバーは、コンジット、例えば入口コンジット又は出口コンジットによってデバイスの外部と流体接続することができる。このようなコンジットを有するデバイスの試験結果を研究し、本発明者らは、コンジット内に復水がたまる特定の危険が存在していると考えている。
【0016】
たまったこのような復水は、いくつかの事例ではデバイスから漏れて、不愉快な喫煙経験をユーザにもたらし得る。さらに、或いはその代わりに、このような復水は、時間が経つと乾燥して、潜在的にコンジットの内部表面にガムを形成し得る。このガムは、場合によっては除去が困難であり、したがって時間が経つと塊り得る。さらに、エアロゾル生成材料が消耗品に含まれている場合、消耗品にガムが粘着して、潜在的にその消耗品を変色させ、或いは使用後におけるガムの除去を妨げることがある。
【0017】
しかしながら本発明者らは、使用期間中、所与のコンジットの内部表面が加熱されるようにデバイスを構成することにより、当該コンジット内の復水の蓄積を制限することができ、いくつかの事例では実質的に防止することができることを決定した。詳細には、コンジットの内部表面への復水の堆積を少なくすることができる。
【0018】
図1を参照すると、
図1は、エアロゾル生成媒体/材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイス100の例の側面図である。大ざっぱに言えば、デバイス100は、エアロゾル生成媒体を含む交換可能物品110を加熱して、デバイス100のユーザによって吸入されるエアロゾル又は他の吸入可能媒体を生成するために使用することができる。
【0019】
デバイス100は、デバイス100の様々な構成要素を取り囲んで収納するハウジング102(外部カバーの形態の)を備えている。デバイス100は、加熱アセンブリによって加熱するために物品110を挿入することができる開口104を一方の端部に有している。使用中、物品110は、完全に、又は部分的に加熱アセンブリに挿入することができ、そこでヒーターアセンブリの1つ又は複数の構成要素によって物品110を加熱することができる。
【0020】
図2は、
図1のデバイス100の選択された内部構成要素の断面を描写したものである。示されているように、デバイス100は、エアロゾル生成材料110aを受け取るための加熱チャンバー101を含む。デバイス100は、加熱チャンバー101とデバイス100の外部とを流体接続する入口コンジット103aをさらに含む。使用中、加熱チャンバー101に流入する前に、入口コンジット103aに沿って流れる空気をデバイス100中に引き込むことができる。
【0021】
図2から明らかであるように、入口コンジット103aの幅は加熱チャンバー101の幅と異なっていてもよく、例えば加熱チャンバー101の幅未満であってもよい。例えば入口コンジット103aの平均幅値は加熱チャンバー101の平均幅値未満であってもよい。これは、例えば望ましい引込み量、即ち流れに対するインピーダンスをユーザに提供することができる。
【0022】
デバイス100は、加熱チャンバー101とデバイス100の外部とを流体接続する出口コンジット103bをさらに含む(また、デバイス100は、示されている特定の例では延長チャンバー144を含む)。使用中、加熱チャンバー101内で生成されたエアロゾルは、デバイス100から流出する前に、出口コンジット103bに沿って流れることができる。
【0023】
図2から明らかであるように、出口コンジット103bの幅は加熱チャンバー101の幅と異なっていてもよく、例えば加熱チャンバー101の幅より広くてもよい。例えば出口コンジット103bの平均幅値は加熱チャンバー101の平均幅値より大きくてもよい。これは、例えばエアロゾルの膨張を許容することができ、ユーザによって吸入される前に冷却することができる。
【0024】
図2に同じく示されているように、デバイス100は、エアロゾル生成材料110aを加熱するための2つの加熱ユニット161、162を含む。示されている例は2つの加熱ユニット161、162を含んでいるが、これは何ら本質ではなく、デバイス100は、適切である場合、加熱ユニットを1つだけ含むことができ、或いは3つ以上の加熱ユニットを含むことができることを理解されたい。
【0025】
本発明者らは、
図1及び
図2のデバイス100と同様の構造のデバイスの試験結果を研究した。これらの試験結果に基づいて、本発明者らは、入口コンジット103a及び出口コンジット103bなどの、加熱チャンバー101とデバイスの外部とを流体接続しているコンジット内に復水がたまる特定の危険を予知した。
【0026】
可能な寄与要因は、いくつかの事例では、デバイス内を通っている通路全体のうちの加熱されない部分が、とりわけ加熱チャンバーを含む加熱される部分と比較して圧力降下に遭遇し得ることである。したがって熱い加熱チャンバーとの圧力差のために、デバイス内に形成されるあらゆる復水が加熱チャンバーの上流側及び下流側のより冷たい領域、即ち入口及び出口コンジット103a、103bに向かって移動する傾向を示すことになる。
【0027】
他の可能な寄与要因は、いくつかの事例では、デバイス100を通る空気の流れを調整するために、デバイス中への空気の流れに対するレジスタンス又はインピーダンスを提供するようにデバイス100を設計することができることであり、このようなレジスタンス/インピーダンスは、復水形成物質が入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bから出ていくのを妨害し得る。
【0028】
追加寄与要因は、入口コンジット103aの場合、多くの事例では、復水形成物質が入口コンジット103aから出ていくためには、使用中、入口コンジット103aに沿った空気の流れとは反対の方向にそれらを移動させることが必要になることである。
(
【0029】
寄与要因についてのこの理解によって拘束されることを探求することなく、本発明者らは、使用期間中、入口コンジット103a及び出口コンジット103bのうちの一方又は両方の内部表面が加熱されるようにデバイス100を構成することにより、(1つ又は複数の)当該コンジット内の復水の蓄積を制限することができ、また、いくつかの事例では実質的に防止することができることを決定した。入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bの内部表面のこのような加熱は、復水の再蒸発を促進することができ、復水形成物質が入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bから出ていくのを補助することができる。追加又は別法として、入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bの内部表面のこのような加熱は、当該コンジット内の空気を加熱することができ、以て空気によって保持される水分の量を多くすることができ、延いては当該コンジットにおける復水形成の可能性を低くすることができる。
【0030】
本開示の一態様によるデバイスでは、内部表面を加熱することにより、内部表面の少なくとも一部が85℃以上の温度に達する。本発明者らは、内部表面の少なくとも一部の温度が85℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の少なくとも一部が少なくとも90℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも95℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。認識され得るように、これは、復水の再蒸発を促進することができ、復水形成物質が入口コンジットから出ていくのを補助することができる。
【0031】
本開示の別の態様によるデバイスでは、内部表面を加熱することにより、当該コンジットの第1の端部と第2の端部の間の中間である内部表面の中央部分が70℃以上の温度に達する。この中央部分の温度は、通常、例えば加熱チャンバーに最も近い、加熱チャンバーからの残留熱によって復水が追加加熱され得る端部部分の温度と比較すると、内部表面によって復水に提供される加熱の程度を表し得るため、この中央部分の温度は技術的に重要であると考えられている。本発明者らは、内部表面の中央部分の温度が少なくとも70℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の中央部分が少なくとも80℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも90℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0032】
上で言及したように、入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bの内部表面を加熱することにより、当該コンジット内の空気を加熱することができ、以て空気によって保持される水分の量を多くすることができ、延いては当該コンジットにおける復水形成の可能性を低くすることができる。したがって本発明者らは、上で言及した態様によるいくつかのデバイスでは、入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bの内部表面を加熱することにより、当該コンジット内の空気を120℃以上の温度に加熱することができることを想定している。本発明者らは、このような空気温度に達すると、それは多くの場合、当該コンジットにおける復水形成の可能性を実質的に低くするには十分であると考えている。しかしながら本発明者らは、他の事例では、空気が150℃以上の温度に加熱されるようにデバイスを構成することが適切であり得ると考えており、又はさらに他の事例では170℃以上、或いはさらに他の事例では200℃以上の温度に加熱されるようにデバイスを構成することが適切であり得ると考えている。
【0033】
図1及び
図2に戻ると、示されている特定の例示的デバイスでは、加熱ユニット161、162は誘導加熱ユニットであることに留意されたい。誘導加熱ユニットはエアロゾル生成材料の速やかな加熱を提供することができる。しかしながら本発明者らは、例えば誘導加熱ユニットは、取り除き得る速度より速い速度で復水形成物質を生成し得るため、このような速やかな加熱は復水が蓄積する危険要因であり得ると考えている。
【0034】
図2に示されている特定の例示的デバイス100では、個々の誘導加熱ユニット161、162は、それぞれのコイル124、126及びそれぞれの加熱要素134、136を備えている。示されている特定の例では、2つの加熱ユニット161、162の導電加熱要素134、136は、単一の金属管132のそれぞれのセクションに対応している。しかしながら他の例では、個々の加熱要素は、個別の全く異なる構造であってもよい。より一般的には、デバイスは、エアロゾル生成材料を加熱するための任意の適切な数の加熱要素を含むことができ、例えば2つ、3つ又はそれ以上の加熱を提供することができることを理解されたい。
【0035】
一般に、誘導加熱ユニットのコイルは、例えばこのような導電加熱要素からエアロゾル生成材料に熱エネルギーを導き、以てエアロゾル生成材料を加熱することができるよう、例えば1つ又は複数の導電加熱要素の加熱をもたらすように構成することができる。誘導加熱ユニットは、少なくとも1つの加熱要素に侵入し、以て少なくとも1つの加熱要素を誘導加熱する可変磁界をコイルが生成するように構成することができる。
図2に示されているデバイス100では、個々の誘導加熱ユニット161、162のコイル124、126は、その対応する導電加熱要素134、136を加熱する。個々の加熱要素134、136は、次にエアロゾル生成材料110aに熱を導く。
【0036】
認識されるように、他の例では誘導加熱ユニット以外の加熱ユニットを使用することも可能である。例えばデバイスは1つ又は複数の抵抗加熱ユニットを含むことができる。例として、誘導加熱ユニット161、162の各々を抵抗加熱ユニットに置き換えることができる。抵抗加熱ユニットは、1つ又は複数の抵抗加熱要素を備えることができる(或いは本質的に1つ又は複数の抵抗加熱要素からなっていてもよい)。「抵抗加熱要素」は、要素に電圧が印加されると、その要素を通って電流が流れ、要素の電気抵抗が電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、この熱エネルギーがエアロゾル生成基板を加熱することを意味している。抵抗加熱要素は、例えば抵抗線、メッシュ、コイル及び/又は複数の線の形態であってもよい。熱源は薄膜発熱体であってもよい。
【0037】
次に
図3aを参照すると、
図3aは、
図1及び
図2のデバイス100の修正バージョン100’の断面の詳細図である。
図3aに示されているデバイス100’では、入口コンジット103aの内部表面の一部1035は熱伝導性である。実験的試験に基づいて、本発明者らは、この熱伝導部分1035は、1W/m/Kより大きい熱伝導率を適切に有し得ると考えている。例えばジルコニア又はアルミナなどの熱伝導性セラミックを使用することができる。このような熱伝導率は、加熱チャンバー101からの伝導による熱の伝達を補助することができる。伝達された熱は、次に復水の再蒸発を促進することができ、復水形成物質が入口コンジット103aから出ていくのを補助することができる。
【0038】
いくつかの事例では、例えばより大きい熱伝導率を有するセラミック材料(例えばアルミナ又は窒化アルミニウム)を使用して、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分が形成される場合、デバイス100は、熱伝導部分の熱伝導率が5W/m/K以上になるように構築することができる。いくつかの事例では、例えば金属材料、例えば金属又は合金を使用して、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分が形成される場合、デバイス100は、熱伝導部分の熱伝導率が10W/m/Kより大きくなるように構築することができる。適切な金属材料の例証例には、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼、例えばステンレス鋼がある。(ほとんどの金属及びほとんどの鋼は10W/m/Kより大きい熱伝導率を有していることに留意され得る)。他の事例では、例えば黄銅、銅、アルミニウムなどの金属材料が使用される場合、デバイスは、熱伝導部分の熱伝導率が20W/m/Kより大きくなるように、或いは50W/m/Kより大きくなるように構築することができる。(例えばアルミニウム及びアルミニウム合金は、典型的には100W/m/Kよりもかなり大きい熱伝導率を有していることに留意され得る)。
【0039】
図3aは、入口コンジット103aの内部表面の一部1035が熱伝導性になるように構成されている例を示したものであるが、出口コンジット103bの内部表面の一部も、例えば上で説明した材料を使用することによって本質的に同じ手法を使用して熱伝導性になるように構成することができることを認識されたい。
【0040】
したがって
図3aのデバイス100’は、より一般的には、加熱ユニットによって生成される熱の伝導によって、使用期間中、少なくとも部分的にコンジットの内部表面が加熱されるデバイスの例として見ることができる。さらにより一般的には、
図3aのデバイス100’は、使用期間中、コンジットの内部表面が加熱されるようにデバイスを構成することができる唯一の方法として見ることも可能である。
【0041】
図3aに示されている特定の例に戻ると、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分1035は、入口コンジットサポート131に熱伝導材料をコーティングすることによって都合よく形成されていることに留意され得る。
図3aに示されているように、この入口コンジットサポート131は、例えば入口コンジット103aの内部表面の残りの部分を形成している。いくつかの例では、入口コンジットサポート131は成形によって構築することができ、したがって(或いはそうでなければ)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの成形可能重合材料から適切に構築することができる。したがって、或いはそうでなければ、入口コンジットサポート131は、いくつかの例では一体で形成することができるが(例えば単一の均質材料から構築される)、他の例では、入口コンジットサポート131は複数の構成要素を備えることができ、及び/又は複合構造の入口コンジットサポートであってもよい。
【0042】
さらに、デバイス100’は熱伝導材料の単一の部分、即ちコーティング1035しか含んでいないが、他の例では、デバイスは熱伝導材料の複数の部分を含むことができ、それらの各々がコンジット103aの内部表面のそれぞれの部分を形成する。熱伝導材料の異なる部分は異なる(熱伝導)材料を含むことができる。
【0043】
図3aに示されている特定のデバイス100’では、コーティング1035の遠位端は入口コンジット103aの遠位端1031の近くに位置していることに留意され得る。これは、例えばユーザがデバイスの熱い表面に触れる危険を低減することができる。同じ理由で、入口コンジット103aの内部表面の一部を形成する熱伝導材料の複数の部分を有するデバイスでは、熱伝導材料のこのような部分の遠位端は、入口コンジット103aの遠位端1031の近くに位置し得る。
【0044】
図3aに示されている特定のデバイス100’では、コーティング1035は、入口コンジット103aの近位端1032まで延在していることに同じく留意され得る。これは、コーティングの熱伝導材料による加熱チャンバー101からの熱伝達、とりわけ(それには限定されないが)
図3の場合のように入口コンジットの近位端が加熱チャンバー101の遠位端と当接する部分からの熱伝達を補助することができる。一般に、入口コンジット103aの内部表面の一部を形成する熱伝導材料のうちの1つ又は複数の部分を有するデバイスでは、これらの部分のうちの少なくともいくつかは、熱の伝達を補助するために入口コンジットの近位端まで延在することができる。
【0045】
もう一度
図3aを参照すると、示されている特定の例示的デバイス100’は多くの開口141を含み、これらの開口141の各々は、その一方の側が入口コンジット103aの遠位端1031に向かって開き、また、その反対側ではデバイスの外部に向かって開いていることに留意され得る。したがってこのような開口141は、例えば入口コンジットをデバイスの外部に流体接続している、として説明することができる。デバイスを使用している間、空気は、これらの開口141を通って入口コンジット103に流入することができる。このような開口141は、デバイス中への空気の流れに対する適切なインピーダンスを提供することができ、それによりデバイス100を通る空気の流れを調整することができる。しかしながらこのようなインピーダンスは、入口コンジット103a内に復水がたまる危険を同じく増し得る。しかしながらデバイス100’の構成により、本開示の態様のうちの1つによれば、入口コンジット内の復水の蓄積を制限することができ、また、いくつかの事例では実質的に防止することができる。
【0046】
本明細書においてはコーティング1035が参照されているが、これは、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分1035を形成している熱伝導材料の層(より詳細には共形層)の単なる例にすぎないことは当然認識されよう。したがってこの教示は、コーティング技法によって形成される層に限定されない。理解されるように、材料の共形層を形成するための、物理的又は化学的堆積技法などの多くの技法が存在しており、特定の例としてめっき技法(例えば電気めっき)を使用して熱伝導材料の層を形成することができる。
【0047】
さらに、デバイス100’では、入口コンジット103aの内部表面のごく一部が熱伝導性であるが、他の例では、実質的に内部表面全体を、1W/m/K、5W/m/K(又は特定の構成体に応じて20W/m/K或いは50W/m/K)より大きい熱伝導率を有する熱伝導性にすることができることを理解されたい。このような例は
図3bに示されており、コーティング1035’は、入口コンジット103aの遠位端1031まで、その全体にわたって延在している。
【0048】
さらに、デバイスがコーティング1035などの熱伝導材料の共形層を含むことは全く本質ではないことは当然である。実際、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分を形成するための様々な構造的手法が存在している。一例として、デバイスはライナーを入口コンジット103aに含むことができる。
【0049】
他の例として、デバイスは、その全体が熱伝導材料(例えば金属又は合金などの金属材料であって、適切なその例証例として、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼、例えばステンレス鋼を含む金属材料、或いはジルコニア又はアルミナなどの熱伝導性セラミック材料)で構築された管状/円筒状構成要素1036を含むことができ、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分は管状構成要素によって形成されている。このような例は
図3cに示されており、デバイスは、入口コンジット103aの内部表面全体を画定している管状構成要素1036を含む。特定の例では、管状構成要素1036は、その全体を黄銅、アルミニウム、鋼(例えばステンレス鋼)及び/又は銅などの金属材料から適切に構築することができる。示されている特定の例では、管状構成要素1036は、
図3a及び
図3bに示されている入口コンジットサポート131と概ね同じ形を有しており、したがって2つの加熱要素134、136を形成している金属管132を含むデバイスの他の構成要素に接続して支持しているが、これは当然本質ではなく、管状構成要素1036は任意の適切な形を有することができる。
【0050】
入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分を形成する構造のさらに他の例が
図3dに示されており、その全体が熱伝導材料(例えば金属又は合金などの金属材料であって、適切なその例証例として、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼、例えばステンレス鋼を含む金属材料、或いはジルコニア又はアルミナなどの熱伝導性セラミック材料)で構築された管状構成要素1037は、例えば重合材料などの絶縁材料で構築することができる別の構成要素内に挿入されるものとして提供されている。
図3dに示されている特定の例では、管状構成要素1037は、上で言及したようにポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの成形可能重合材料でできていてもよい入口コンジットサポート131内のインサートとして提供されている。管状構成要素1037は、その全体を黄銅、アルミニウム、鋼(例えばステンレス鋼)及び/又は銅などの金属材料から適切に構築することができる。
【0051】
上で説明した、入口コンジット103aの内部表面の熱伝導部分1035を形成するための任意の手法を同様に取り入れて、出口コンジット103bの内部表面の熱伝導部分を形成することができることを同じく理解されたい。したがって出口コンジット103bは、例えば上で説明したコーティング1035、管状/円筒状構成要素1036及び/又は管状インサート1037を含むことができる。
【0052】
さらに、コーティング1035、管状/円筒状構成要素1036及び管状インサート1037は、熱伝導材料で形成されているものとして説明されているが、それらは、金属材料、例えば金属又は合金などの導電材料で同じく形成することができることを理解されたい。適切な金属材料の例証例には、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼(例えばステンレス鋼)がある。これらは、より一般的には、入口コンジットの内部表面の少なくとも一部が導電材料で形成されるデバイスの例として理解されたい。さらに、このようなデバイスがデバイスの加熱チャンバーを加熱する少なくとも1つの誘導加熱ユニット(デバイス100’の誘導加熱ユニット161、162など)を含む場合、誘導加熱ユニットは、入口コンジットの内部表面の導電部分を同じく誘導加熱することになることを認識されたい。さらに、この導電部分は、いくつかの例では、磁気ステリシス損の結果として追加加熱されるよう、強磁性及び/又はフェリ磁性材料で形成することも可能である。
【0053】
さらにより一般的には、このような誘導加熱は、使用期間中、コンジットの内部表面を加熱することができる追加(又は代替)方法として見ることができる。
【0054】
本開示の教示の利点によれば、使用期間中、入口コンジット又は出口コンジットの内部表面を加熱する他の方法が明らかになるはずである。例えば他の例では、1つ又は複数の専用加熱ユニットを提供してコンジットの内部表面を加熱することも可能である。
【0055】
さらに、本開示の他の態様によれば、入口コンジット又は出口コンジット内の空気を加熱する加熱ユニットを提供することができることが想定されている。この点に関して、本開示のこの態様によるデバイス100’’を示す
図4が参照される。一般に、デバイス100’’は、
図1及び
図2のデバイス100の修正バージョンである。
【0056】
注目すべきことには、デバイス100’’は、入口コンジット103a内の空気を加熱するための空気加熱ユニット163を含む。本開示のこの態様によれば、コンジット103a内の空気のこの加熱により、コンジット103a内の復水の蓄積が実質的に防止される。特定の例では、空気は120℃以上の温度に加熱される。本発明者らは、このような空気温度に達することは、多くの事例において、当該コンジット内における復水形成の可能性を実質的に低くするには十分であると考えている。しかしながら本発明者らは、他の事例では、空気が150℃以上の温度に加熱されるようにデバイス100’’を構成することが適切であり得ると考えており、或いはさらに他の事例では170℃以上、さらに他の事例では200℃以上の温度に加熱されるようにデバイス100’’を構成することが適切であり得ると考えている。
【0057】
図4の例示的デバイス100’’では、加熱ユニット163は、デバイス100’’の入口コンジット103a内の空気を加熱するように配置されているが、他の例では、同様の加熱ユニットを提供して出口コンジット103b内の空気を加熱することも可能であることを理解されたい。実際、さらに他の実施形態では、入口コンジット及び出口コンジット103a、103bに対してそれぞれの空気加熱ユニットを提供することができる。
【0058】
図4に示されている特定の例では、空気加熱ユニット163は抵抗加熱要素1034を含む。抵抗加熱要素は、それらが比較的コンパクトであるため、適切であり得る。しかしながら他の例によるデバイスは他のタイプの加熱要素を利用することも可能である。
【0059】
図4に示されているように、加熱要素1034は、例えば入口コンジット103aの内部表面の一部を画定することができる。しかしながらこれは本質ではなく、他の例では他の構成要素がコンジットの内部表面を画定することができる。このような例では、加熱要素は、例えば伝導によって熱をコンジット画定構成要素に伝達するように配置することができる。したがってコンジット画定構成要素は、上で考察した熱伝導材料のうちの1つから構築することができる。
【0060】
図4から明らかなように、加熱要素1034は入口コンジット103aの周りを円周状に延在している。しかしながら他の例では、その代わりにコンジット103aの端部、例えば加熱チャンバー101から最も遠い端部に加熱ユニット163の(1つ又は複数の)加熱要素を提供することも可能である。このような例では、空気がコンジットに入る際に(入口コンジット103aの場合)、或いは空気がコンジットから出ていく際に(出口コンジット103bの場合)、(1つ又は複数の)加熱要素を通過するように、或いは加熱要素同士の間を通過するように(1つ又は複数の)加熱要素を配置することができる。特定の例では、コンジットをデバイスの外部から分離しているキャップ140又は扉の上又は中に(1つ又は複数の)加熱要素を提供することも可能である。
【0061】
同じく
図4に示されているように、加熱要素1034は、例えばデバイス100’’を使用している間、ユーザがアクセスできないよう、デバイスの外部から間隔を隔てている。加熱ユニット163の(1つ又は複数の)加熱要素がデバイスの外部から間隔を隔てるようにそれらを配置することにより、例えばユーザがデバイス100’’の熱い表面に触れる危険を低減することができる。
【0062】
多くの例では、空気加熱ユニット163は、デバイス100’’の加熱チャンバー101内のエアロゾル生成材料を加熱する(1つ又は複数の)加熱ユニット161、162とは別に制御される。したがって空気加熱ユニット163は、加熱チャンバー101のための(1つ又は複数の)加熱ユニット161、162とは異なる時間に動作させることができる。一般に、例えばエアロゾル生成材料が有意な時間期間にわたって加熱されるまでは復水の形成が期待されないため、加熱チャンバー101のための(1つ又は複数の)加熱ユニット161、162は、コンジット103aのための空気加熱ユニット163に先立って起動することができる。
【0063】
空気加熱ユニット163は、1つ又は複数のセンサからの出力に依存して制御することも可能であることがさらに想定されている。1つ又は複数のセンサからの出力は、いくつかの例では、マイクロコントローラなどのコントローラに提供することができ、コントローラは、今度は、このような出力に基づいて空気加熱ユニット163を制御し、或いは他の例では、1つ又は複数のセンサからの出力は空気加熱ユニット163に直接提供することも可能であり、空気加熱ユニット163は、例えば空気加熱ユニット163の動作を制御するための適切な論理回路機構を含むことができる。
【0064】
一例では、1つ又は複数のセンサは、使用されている加熱チャンバー101内にエアロゾル生成材料が存在しているかどうかを知覚する1つ又は複数のセンサを備えることができる。このようなセンサは、例えば圧力センサを含むことができ、これらの圧力センサは、チャンバー内に存在するあらゆるエアロゾル生成材料がそれらの圧力センサに圧力を印加するように配置され、或いはこのようなセンサは、例えば光センサを含むことができ、これらの光センサは、あらゆるエアロゾル生成材料がこれらの光センサに到達する光の量を少なくするように配置される。このようなセンサからの出力を使用して、エアロゾル生成材料が加熱チャンバーから除去されたことを示すセンサ出力に応答して、コンジット内の空気を加熱する(例えば閾値温度を超える温度に)ように空気加熱ユニット163を制御することができる。このような例では、空気加熱ユニット163は、使用期間中にユーザによって生成された水分のデバイス100’’からの除去を補助することができる。
【0065】
別の例では、1つ又は複数のセンサは、ユーザがデバイスによって生成されたエアロゾルを吸入しているかどうかを知覚する1つ又は複数のセンサを備えることができる。このようなセンサは、例えば音声センサ(例えばマイクロホン)又は空気圧センサであってもよい。このようなセンサからの出力を使用して、ユーザがエアロゾルを吸入したことを示すセンサ出力に応答して、コンジット内の空気を加熱する(例えば閾値温度を超える温度に)ように空気加熱ユニット163を制御することができる。例えば空気加熱ユニット163は、ユーザが吸入を終えた少し後に閾値温度を達成することができる。したがって、或いはそうでなければ、空気加熱ユニット163は、ユーザによる一吹かしと一吹かしの間に動作することができる。
【0066】
次に
図5aに注目すると、
図5aは、本開示の他の態様によるデバイス100’’’を示したものであり、入口コンジット103aの少なくとも一部を画定している構成要素1038aは、インダクタ126によって加熱することができるサセプタ1039aを含む。
図5aに示されているように、サセプタ1039aは、例えば入口コンジットの一部を取り囲むことができる。
【0067】
図5aに示されている特定の例では、構成要素1038aは、その全体が同じ導電材料で構築されている。例えば構成要素1038aは、金属材料、例えば金属又は金属合金で形成することができる。適切な金属材料の例証例には、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼、例えばステンレス鋼がある。しかしながら他の例では、サセプタ1039aは、構成要素1038aの他の部分と比較して異なる材料から構築することも可能である。
【0068】
図5aに示されているように、いくつかの実施形態では、サセプタ1039aは、単純に、インダクタ126によって取り囲まれている構成要素1038aの近位部分に対応し得る。さらに他の例では、サセプタ1039aは、実質的に構成要素1038a全体を構成することも可能である。このような一例では、インダクタ126は、入口コンジット画定構成要素1038aの遠位端を越えて延在し、
図5aの場合と同様、構成要素1038aの近位部分だけでなく、構成要素1038a全体を取り囲むことができる。
【0069】
図5aに示されている特定の例では、サセプタ1039aはサセプタ136と当接していることに留意され得る。したがってサセプタ1039aは、サセプタ136からの熱伝導によって追加加熱される。しかしながらこれは本質ではなく、この態様による他の例示的デバイスでは、サセプタ1039a及びサセプタ136は互いに間隔を隔てることも可能であり、実際、互いに熱絶縁することができる。
【0070】
図5aに示されているように、構成要素1038aの近位端はサセプタ136の遠位端を円周状に取り囲んでいることにさらに留意され得る。これは、デバイス組立て中におけるサセプタ136の信頼性の高い配置を補助することができ、及び/又はサセプタから構成要素1038aへの効果的な熱伝導を提供することができる。
【0071】
同じく
図5aに示されているように、デバイス100’’’は、熱絶縁材料を含む(或いは実質的に全体が熱絶縁材料で構築される)サポート131をさらに含むことができる。例えばサポート131は、成形可能重合材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの塑性材料即ち重合材料を含むことができる(或いは実質的に全体を塑性材料即ち重合材料で構築することができる)。明らかなように、サポート131は、サポート131の2つの端部の間を延在している通路を含み、構成要素1038aはこの通路内に配置されている。
【0072】
同じく
図5aに示されているように、サセプタ1039a及び構成要素1038aは、一般に、サポート131内の通路の最も外側の端部から間隔を隔てている。これは、例えばユーザがデバイスの熱い表面に触れる危険を低減することができる。
【0073】
図5aに示されている特定の例では、インダクタ126は、サセプタ1039a内(以て入口コンジット103を加熱する)及びサセプタ136内(以て加熱チャンバー101を加熱する)の両方に熱を生成するように動作することができることにさらに留意されよう。しかしながら本開示のこの態様によるいくつかの実施形態では、その代わりに個別の専用加熱ユニットによって加熱チャンバー101を加熱することができることが想定されている。したがって例えば個別のインダクタを提供してサセプタ136内に熱を生成することができる。追加又は別法として、サセプタ1039aは、誘導加熱に対して本質的にサセプタ136よりも鈍感であるように構成することも可能である。例えばサセプタ1039aは、サセプタ136が構築される材料よりも本質的に誘導加熱に対して鈍感である材料から構築することができる。一例では、サセプタ1039aはステンレス鋼から構築することができ、また、サセプタ136は軟鋼即ち炭素鋼から構築することができる。
【0074】
さらに、いくつかの実施形態では、加熱チャンバー101のための加熱ユニットは、場合によっては誘導加熱ユニットでなくてもよく、その代わりに例えば抵抗加熱ユニットであってもよい。したがってデバイスは、例えば抵抗加熱線のコイル、又は基板の上に提供された、1つ又は複数の相互接続された導電トラック(例えば膜発熱体の一部を形成する)などの抵抗加熱要素を含むことができる。
【0075】
より一般的には、上で説明した、入口コンジット103aを誘導加熱するための任意の手法は、追加又は別法として、出口コンジット103bを加熱するために使用することも可能であることが想定されている。この点に関して、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bの両方が誘導加熱されるデバイスの略図である
図5bが参照される。
図5bは、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bの両方が誘導加熱されるデバイスを示したものであるが、デバイスは、出口コンジット画定構成要素1038bのみが誘導加熱されるように同様に構成することも可能であることを理解されたい。
【0076】
図5bを参照すると、図から分かるように、出口コンジット画定構成要素1038bは、サセプタ1039bとして作用し、したがってインダクタコイル126によって誘導加熱される一部(又は部分)を含む。示されている特定の例では、インダクタコイル126はサセプタ136を誘導加熱し、そのサセプタ136は加熱チャンバー101(及び加熱チャンバー101内のあらゆるエアロゾル生成材料)を加熱し、また、インダクタコイル126は、出口コンジット画定構成要素1038bのサセプタ1039bを誘導加熱し、且つ、出口コンジット画定構成要素1038aのサセプタ1039aを誘導加熱する。しかしながらこれは何ら本質ではなく、他の実施形態では、それぞれのインダクタコイルを提供して、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bを誘導加熱することも可能である。さらに、上で言及したように、加熱チャンバー101は、誘導である必要がない専用加熱ユニットを備えることも可能であり、したがっていくつかの実施形態では、1つ又は複数の抵抗加熱要素によって加熱チャンバー101を加熱することができる。
【0077】
さらに、いくつかの実施形態では、加熱チャンバー101を加熱するサセプタ136よりも誘導加熱に対して本質的に鈍感であるように、コンジット画定構成要素1038a、1038bのサセプタ1039a、1039bのうちの一方又は両方を構成することができる。例えばコンジット画定構成要素1038a、1038bのサセプタ1039a、1039bのうちの一方又は両方は、サセプタ136が構築される材料よりも本質的に誘導加熱に対して鈍感である材料から構築することができる。一例では、コンジット画定構成要素1038a、1038bのサセプタ1039a、1039bのうちの一方又は両方はステンレス鋼から構築することができ、一方、サセプタ136は軟鋼即ち炭素鋼から構築することができる。
【0078】
さらに、本開示のこの態様によるデバイスでは、サセプタを加熱することにより、関連する入口コンジット又は出口コンジットの内部表面が85℃以上の温度に達し得る。上で言及したように、本発明者らは、内部表面の少なくとも一部の温度が85℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の少なくとも一部が少なくとも90℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも95℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0079】
別法又は追加として、本開示のこの態様によるデバイスでは、コンジットを加熱することにより、当該コンジットの第1の端部と第2の端部の間の中間である、そのコンジットの内部表面の中央部分が70℃以上の温度に達し得る。この中央部分の温度は、通常、例えば加熱チャンバーに最も近い、加熱チャンバーからの残留熱によって復水が追加加熱され得る端部部分の温度と比較すると、内部表面によって復水に提供される加熱の程度を表し得るため、この中央部分の温度は技術的に重要であると考えられている。本発明者らは、内部表面の中央部分の温度が少なくとも70℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の中央部分が少なくとも80℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも90℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0080】
図5bに戻ると、加熱チャンバー101の幅は、加熱チャンバー101の長さ全体にわたって実質的に一定であることに留意され得る。したがって加熱チャンバーのその遠位端における幅w2は、その近位端における加熱チャンバーの幅w3、及びその中央における加熱チャンバーの幅w1と実質的に同じである。しかしながらこれは本質ではない。他の例では、チャンバーの幅は、チャンバーの中央からその近位端及び/又は遠位端に向かって広くすることができる(したがってチャンバーは例えば砂時計の形である)。詳細には(それには限定されないが)、チャンバーのための加熱要素がチャンバーを取り囲んでいるか、或いはチャンバーを画定している場合、チャンバーの近位端部分及び遠位端部分の幅が広くなると、喫煙品の近位端及び/又は遠位端が受け取る加熱が少なくなることになり得る。喫煙品の端部部分、詳細には喫煙品内のエアロゾル生成材料の端部部分における加熱が減少すると、これらの端部部分は、復水を集め、及び/又は復水を吸収するように作用することになり得る。さらに、喫煙品の近位端における加熱が減少すると、その喫煙品がその近位端にフィルターを含んでいる場合、そのフィルターに対する損傷の危険が低減され得るため、それはとりわけ適切であり得る。
【0081】
本発明者らは、
図5aのデバイス100’’’及び
図5bのデバイス100’’’を以下で説明される本開示の他の態様を具体化するものとして見ていることに留意されたい。
【0082】
図5aから分かるように、デバイス100’’’の入口コンジット103aの少なくとも一部を画定している構成要素1038aはサセプタ136と当接している。したがってこの構成要素1038aが熱伝導材料を含んでいる場合、構成要素1038aはサセプタ136からの熱伝導によって加熱され得ることが理解され得る。構成要素1038aが加熱されると、今度は入口コンジット103aが加熱されることになり、以て入口コンジット103a内の復水の蓄積の防止を補助することができる。
【0083】
図5bのデバイスでは、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bの両方がサセプタ136と当接している。したがって構成要素1038a及び1038bが熱伝導材料を含んでいる場合、サセプタ136からの熱伝導によって構成要素1038a及び1038bの各々を加熱することができ、構成要素1038a及び1038bが加熱されると、今度は入口コンジット103a及び出口コンジット103bが加熱されることになる。
【0084】
この態様によれば、対応する(1つ又は複数の)コンジット画定構成要素1038a、1038bがサセプタ1039aなどの誘導加熱される何らかの部分を含む必要なく、このような伝導熱を使用して入口コンジット103a及び/又は出口コンジット103bを加熱することができ、以て関連する(1つ又は複数の)コンジット103a、103b内の復水の蓄積を防止することができることが想定されている。さらに、このような誘導加熱は本開示のこの態様におけるオプションであると仮定して、本発明者らは、対応するコンジット画定構成要素1038a、1038bを非誘導加熱要素に当接させることができることを想定している。したがってこの態様によるデバイスでは、コンジット画定構成要素1038a、1038bは、
図5に示されているようにサセプタ136に当接させるのではなく、例えば抵抗加熱要素に当接させることができる。
【0085】
図5aに示されている実施形態では、構成要素1038a及びサセプタ136は、当接しているだけでなく、「キー」が掛けられ、回転ロック即ちインターリンクされている。しかしながら他の実施形態では、構成要素1038a及びサセプタ136は、全体的相対移動を防止するために、はんだ付け、溶接、ろう付け、接着、機械的インターリンク、その他などによって互いに固定することも可能である。
【0086】
いくつかの実施形態では、例えばジルコニア又はアルミナなどの熱伝導性セラミックが使用される場合、コンジット画定構成要素の熱伝導材料は1W/m/K以上の熱伝導率を有することができる。他の実施形態では、例えばより大きい熱伝導率を有するセラミック材料(例えばアルミナ又は窒化アルミニウム)が使用される場合、熱伝導材料は5W/m/K以上の熱伝導率を有することができる。さらに他の実施形態では、例えば金属材料、例えば金属又は合金が使用される場合、熱伝導材料は10W/m/Kより大きい熱伝導率を有することができる。適切な金属材料の例証例には、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼、例えばステンレス鋼がある。(ほとんどの金属及びほとんどの鋼は10W/m/Kより大きい熱伝導率を有していることに留意され得る)。さらに他の実施形態では、例えば黄銅、銅、アルミニウムなどの金属材料が使用される場合、熱伝導材料は、20W/m/Kより大きい、或いは50W/m/Kより大きい熱伝導率を有することができる。(例えばアルミニウム及びアルミニウム合金は、典型的には100W/m/Kよりもかなり大きい熱伝導率を有していることに留意され得る)。
【0087】
いくつかの実施形態では、コンジット画定構成要素1038a、1038bの実質的に全体を上で説明した熱伝導材料から構築することができる。
【0088】
本開示のこの態様によるデバイスでは、入口コンジット及び/又は出口コンジットを加熱することにより、(1つ又は複数の)当該コンジットの内部表面が85℃以上の温度に達し得る。上で言及したように、本発明者らは、内部表面の少なくとも一部の温度が85℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の少なくとも一部が少なくとも90℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも95℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0089】
別法又は追加として、本開示のこの態様によるデバイスでは、入口コンジット及び/又は出口コンジットを加熱することにより、(1つ又は複数の)当該コンジットの内部表面の中央部分が70℃以上の温度に達し得る(コンジットの中央部分は、そのコンジットの第1の端部と第2の端部の間の中間部分として画定されている)。この中央部分の温度は、通常、例えば加熱チャンバーに最も近い、加熱チャンバーからの残留熱によって復水が追加加熱され得る端部部分の温度と比較すると、内部表面によってすべての復水に提供される加熱の程度を表し得るため、この中央部分の温度は技術的に重要であると考えられている。本発明者らは、内部表面の中央部分の温度が少なくとも70℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の中央部分が少なくとも80℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも90℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0090】
図5aは、回転ロック即ちインターリンクされている入口コンジット画定構成要素1038a及びサセプタ136を示しているが、それらは、その代わりに、上で言及したように全体的相対移動を防止するために互いに固定することも可能である。例えばそれらは、はんだ付け、溶接、ろう付け、接着及び機械的アタッチメント(例えば圧着又は押込みばめ)或いは機械的インターリンクによって一体に固定することができる。本開示のさらに別の態様によれば、入口コンジット画定構成要素1038a及びサセプタ136は、加熱チャンバー101と入口コンジット103aが合致する部分に気密封止が形成されるよう、互いに封止結合することができる(例えば溶接、はんだ付け、ろう付け、接着又は機械的アタッチメントによって)ことが想定されている。いくつかの実施形態は、加熱チャンバー101と入口コンジット103aの合流部即ち接合部の近傍に気密封止を形成するものとして説明することができる。
【0091】
実際、出口コンジット画定構成要素1038bに関しても同じ手法を使用することができる。例えば
図5bの出口コンジット画定構成要素1038bは、加熱チャンバー101と出口コンジット103bが合致する部分に気密封止が形成されるようにサセプタ136に封止結合することができる。いくつかの実施形態は、加熱チャンバー101と出口コンジット103bの合流部即ち接合部の近傍に気密封止を形成するものとして説明することができる。
【0092】
加熱チャンバーが入口コンジット又は出口コンジットと合致する部分には復水形成物質が漏れる特定の危険が存在していると考えられている。このような物質は、例えば加熱チャンバー101と、加熱チャンバー101の半径方向に外側の絶縁部材128(以下で説明される)との間の空間を汚染し得る。このような気密封止はこの危険を著しく低減する。
【0093】
次に
図6aを参照すると、
図6aは、本開示のこの態様の実施形態によるデバイス100を示したものである。図から分かるように、デバイス100は、一方の端部で入口コンジット画定構成要素1038aに溶接又はろう付けされ(太い線1033aで示されている)、また、もう一方の端部で出口コンジット画定構成要素1038bに溶接又はろう付けされる(太い線1033bで示されている)サセプタ136を含む。図から分かるように、溶接/ろう付け1033a、1033bは、サセプタ136及びコンジット画定構成要素1038a、1038bの外部の周りで実施されている。これは、溶接又はろう付けが、加熱チャンバー101と入口コンジット及び出口コンジット103a、103bとを含む内部通路の形状に影響を及ぼすのを回避する。しかしながら他の実施形態では、溶接又はろう付けは、外部に加えて、或いは外部の代わりに内部で実施することも可能である。
【0094】
いくつかの実施形態では、入口コンジット画定構成要素1038a及び/又は出口コンジット画定構成要素1038bのうちの少なくとも一部は熱伝導材料を含む(或いは熱伝導材料で形成される)。
【0095】
いくつかの実施形態では、例えばジルコニア又はアルミナなどの熱伝導性セラミックが使用される場合、コンジット画定構成要素の熱伝導材料は1W/m/K以上の熱伝導率を有することができる。他の実施形態では、例えばより大きい熱伝導率を有するセラミック材料(例えばアルミナ又は窒化アルミニウム)が使用される場合、熱伝導材料は5W/m/K以上の熱伝導率を有することができる。さらに他の実施形態では、例えば金属材料、例えば金属又は合金が使用される場合、熱伝導材料は10W/m/Kより大きい熱伝導率を有することができる。適切な金属材料の例証例には、黄銅、銅、アルミニウム及び鋼、例えばステンレス鋼がある。(ほとんどの金属及びほとんどの鋼は10W/m/Kより大きい熱伝導率を有していることに留意され得る)。さらに他の実施形態では、例えば黄銅、銅、アルミニウムなどの金属材料が使用される場合、熱伝導材料は、20W/m/Kより大きい、或いは50W/m/Kより大きい熱伝導率を有することができる。(例えばアルミニウム及びアルミニウム合金は、典型的には100W/m/Kよりもかなり大きい熱伝導率を有していることに留意され得る)。
【0096】
いくつかの実施形態では、コンジット画定構成要素1038a、1038bの実質的に全体を上で説明した熱伝導材料から構築することができる。他の実施形態では、入口コンジット画定構成要素及び/又は出口コンジット画定構成要素1038a、1038bの内部表面の一部のみを熱伝導材料から構築することができる。
【0097】
加熱チャンバー101は、
図6aの実施形態ではサセプタ136によって画定されているが、これは何ら本質ではなく、他の実施形態では、加熱チャンバー101は、どれもサセプタとして作用しない1つ又は複数の構成要素によって画定することができる。例えば加熱チャンバー101を画定している構成要素は熱伝導構成要素(熱伝導材料で形成された管など)を含むことができ、この熱伝導構成要素の上に1つ又は複数の抵抗加熱要素が取り付けられる。
【0098】
図6aに示されている特定の実施形態では、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bはそれぞれサセプタとして作用しており、サセプタ136を加熱する同じインダクタ126によって加熱することができる。しかしながら
図6bに示されている実施形態などの他の実施形態では、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bの各々は、それぞれの専用のインダクタ127a、127bによって加熱することができる。いずれの場合においても、デバイスは、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bの加熱を個々に制御するように構成することができる。
【0099】
さらに他の実施形態では、複数のインダクタを提供してサセプタ136のそれぞれの部分を加熱することも可能である。例えば複数のインダクタは、
図2に示されている、インダクタ124及び126を含むデバイスの場合と同様、サセプタ136のそれぞれの縦方向の部分を加熱することができる。複数のインダクタが提供されるいくつかの実施形態では、第1のインダクタ(又は第1のグループのインダクタ)は、加熱チャンバーを画定しているサセプタの一部、並びに入口コンジット又は出口コンジットのうちの一方を画定しているサセプタの一部を加熱するように配置することができる。一方、第2のインダクタ(又は第2のグループのインダクタ)は、加熱チャンバーを画定しているサセプタの異なる一部、並びに入口コンジット及び出口コンジットのうちのもう一方を画定しているサセプタの一部を加熱するように配置することができる。
【0100】
使用期間中、コンジットの内部表面が加熱されるようにエアロゾル供給デバイスを構成するさらに他の手法については、以上の考察から明らかであろう。例えば熱は、加熱チャンバー101のための加熱要素(例えばサセプタ136)からの熱伝達によって伝達することができる。したがって入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bがサセプタとして作用することは何ら本質ではないことは理解されよう。
【0101】
加熱チャンバーを画定している構成要素を入口コンジット又は出口コンジットを画定している構成要素に封止結合することは、加熱チャンバーが入口コンジット又は出口コンジットと合致する部分に気密封止を形成するための単なる1つの手法と考えられていることを理解されたい。代替手法は
図6cに示されており、
図6cは、加熱チャンバー101、入口コンジット103a及び出口コンジット103bを画定している単一、即ち一体形成された構成要素1011を含むデバイスを示したものである。示されているように、連続通路即ち内腔は、単一構成要素1011を貫通して延在することができる。示されている実施形態では、この通路は、加熱チャンバー101、入口コンジット103a及び出口コンジット103bを含む。いくつかの実施形態では、この通路全体を気密封止することができ、したがって例えば通路の縦方向の端部を除き、復水形成物質が漏れるのを実質的に禁止することができる。
【0102】
実質的にその長さ全体に沿って封止されているこのような通路は、単一構成要素を含む実施形態を参照して説明されているが、このような実質的に封止された通路は、
図6a及び
図6bに示されている、複数の構成要素が加熱チャンバー及び入口コンジット及び/又は出口コンジットを画定している実施形態などの実施形態にも同様に存在し得ることを理解されたい。
【0103】
図6cの実施形態に戻ると、単一構成要素1011は、様々な適切なプロセスによって形成することができることを認識されたい。例えば単一構成要素1011は、とりわけ単一構成要素1011が金属又は合金で形成される場合、スピンフォーミングプロセス又はフローフォーミングプロセスで形成することができる。他の例では、単一構成要素1011は、付加的製造/3D印刷プロセスによって、押出によって、或いは鋳造によって形成することも可能である。
【0104】
図6cに示されている特定の実施形態では、一体形成構成要素1011の第1の部分1361は加熱チャンバー101を画定し、加熱チャンバー101内のエアロゾル生成材料を加熱する第1のサセプタとして作用している。一体形成構成要素1011の第2の部分及び第3の部分1362、1363は、それぞれ入口コンジット103a及び出口コンジット103bを画定し、第1の部分1361を誘導加熱する同じインダクタ126によって誘導加熱することができる。
【0105】
しかしながら
図6dに示されている実施形態などの他の実施形態では、一体形成構成要素1011の第2の部分及び第3の部分1362、1363は、それぞれのインダクタ127a、127bによって加熱することができる。このような事例では、デバイスは、入口コンジット画定構成要素1038a及び出口コンジット画定構成要素1038bの加熱を個々に制御するように構成することができる。
【0106】
図6c及び
図6dの実施形態では、同じ一体形成構成要素1011が加熱チャンバー101、入口コンジット103a及び出口コンジット103bを画定しているが、他の実施形態では、一体形成構成要素は、その代わりに加熱チャンバー101及び入口コンジット103aのみ、或いは加熱チャンバー101及び出口コンジット103bのみを画定することも可能である。このような事例では、1つ又は複数の個別の構成要素が出口コンジット103b又は入口コンジット103aをそれぞれ画定することができ、これらの構成要素は、例えば溶接(例えば上で説明したように)、はんだ付け、ろう付け又は接着によって、例えば単一構成要素に封止結合される。
【0107】
本開示のこの態様によるデバイスでは、入口コンジット及び/又は出口コンジットを加熱することにより、(1つ又は複数の)当該コンジットの内部表面が85℃以上の温度に達し得る。上で言及したように、本発明者らは、内部表面の少なくとも一部の温度が85℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の少なくとも一部が少なくとも90℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも95℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0108】
別法又は追加として、本開示のこの態様によるデバイスでは、入口コンジット及び/又は出口コンジットを加熱することにより、(1つ又は複数の)当該コンジットの内部表面の中央部分が70℃以上の温度に達し得る(コンジットの中央部分は、そのコンジットの第1の端部と第2の端部の間の中間部分として画定されている)。この中央部分の温度は、通常、例えば加熱チャンバーに最も近い、加熱チャンバーからの残留熱によって復水が追加加熱され得る端部部分の温度と比較すると、内部表面によってすべての復水に提供される加熱の程度を表し得るため、この中央部分の温度は技術的に重要であると考えられている。本発明者らは、内部表面の中央部分の温度が少なくとも70℃に達すると、それは多くの場合、復水を有意に再蒸発させるには十分であると考えている。しかしながらいくつかの事例では、内部表面の中央部分が少なくとも80℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能であり、他の事例では少なくとも90℃、さらに他の事例では少なくとも100℃の温度に達するようにデバイスを構成することも可能である。
【0109】
次に
図7aを参照すると、
図7aは、本開示のさらに他の態様によるデバイス100’’’’を示したものである。
図1~
図5dに示されているデバイスと同様、
図7aのデバイス100’’’’はエアロゾル生成材料を含む物品110を受け取るように構成され、また、デバイス100’’’’は、物品110がデバイス100’’’’内に受け取られると、エアロゾル生成材料1105からエアロゾルを生成するように構成されている。したがってデバイス100’’’’は、使用期間中、エアロゾル生成材料1105を加熱するための加熱アセンブリを含む。加熱アセンブリは、
図7aに示されているサセプタ136などの少なくとも1つの加熱要素を含む。
【0110】
図7aのデバイスはストッパ105をさらに含む。ストッパ105は、物品110がエアロゾル供給デバイスに挿入される際に、物品110の遠位端が制限位置を超えて遠位方向に移動するのを防止する。図から分かるように、
図7に示されている特定の例では、ストッパ105は、サセプタ136の遠位端の遠位に位置している制限位置を画定している。それとは対照的に、
図1~
図5bに示されているデバイスでは、ストッパ105は、サセプタ136の遠位端に制限位置を画定している。
【0111】
認識され得るように、制限位置をサセプタ136の遠位端の遠位に配置することにより、物品110がデバイスに完全に挿入されると、加熱要素と全く重畳しない、エアロゾル生成材料1105の長さのうちの一部が喫煙品内に存在することになる。この部分は、エアロゾル生成材料1105の遠位端1101から第1の距離151だけ近位方向に延在する。本発明者らは、この部分は、エアロゾル生成材料1105の他の部分よりも加熱される程度が著しく劣り、したがってさもなければデバイス内、例えば入口コンジット内又は出口コンジット内に蓄積し得る復水を集め、及び/又は吸収するように作用し得ると考えている。
【0112】
図7aに示されている特定の例では、ストッパ105は環状表面を備えている。しかしながらその代わりに、円周状に間隔を隔てた突起のアレイ、又は任意の適切な構造を備えることも可能である。
【0113】
多くの事例では、ストッパ105は、物品110が挿入されるデバイス100の開口104と整列することになる(また、物品受取りチャンバー101と同じく整列する)。さらに、ストッパ105は、開口104の最小内径より小さい(例えば2mm以上小さい)最小内径を有することができ、したがって物品は開口104を通って自由に移動することができるが、その動きはストッパ105によって阻止される。
【0114】
図7aに示されている特定の実施形態では、サセプタ136の遠位端は、外側に向かって朝顔形に広がっていることに同じく留意され得る。いくつかの実施形態では、この朝顔形に広がった遠位端は、サセプタの長さ方向に2mm以下の延長部を有することができる。朝顔形に広がった遠位端は、デバイスを組み立てている間、サセプタ136の信頼性の高い配置を補助することができる。例えば
図7aに示されているように、朝顔形に広がった遠位端はアバットメント1315と係合する(即ち当接する)ことができる。
図7aに示されている特定の例では、アバットメント1315は環状表面を備えている。しかしながらアバットメント1315は、その代わりに円周状に間隔を隔てた突起のアレイ、又は任意の適切な構造を備えることも可能である。
【0115】
図7aに示されている特定の例では、アバットメント1315は、入口コンジット103aを画定している(少なくとも部分的に)構成要素1038によって提供されている。したがって
図7aに示されている例では、構成要素1038はストッパ105とアバットメント1315の両方を提供している。しかしながらこれは単なる例証構成体にすぎず、アバットメント1315は、デバイス1の任意の適切な構成要素によって提供することができる。
【0116】
図7aから分かるように、デバイス100’’’’は、物品受取りチャンバー即ち加熱チャンバー1010及び入口コンジット103aを含む。明らかなように、入口コンジット103aの幅は物品受取りチャンバー1010の幅より狭く、これは、例えば望ましい引込み量、即ち流れに対するインピーダンスをユーザに提供することができる。
【0117】
同じく
図7aから分かるように、サセプタ136の遠位端から(或いはより一般的には、デバイス100’’’’が複数の加熱要素を有する、最も遠位の加熱要素の遠位端から)延在している物品受取りチャンバー1010の遠位部分1015は、近位に位置している物品受取りチャンバー1010の一部と同じか、それより広い幅を有している。このような構成体は、物品受取りチャンバー1010の遠位部分1015への物品の挿入を補助することができる。
【0118】
図7aに示されているように、物品受取りチャンバー1010の遠位部分1015は、ストッパ105によって入口コンジット103aから分離することができる。示されている特定の例では、ストッパ105は、物品受取りチャンバー1010の遠位部分1015と入口コンジット103aの接合部に提供されている。
【0119】
いくつかの実施形態では、物品受取りチャンバー1010の遠位部分1015は熱絶縁材料によって画定することができる。これは、喫煙品の遠位部分に加えられる熱の量の低減をさらに補助することができる。適切には、熱絶縁材料はプラスチック、例えばポリエーテルエーテルケトンであってもよい。
【0120】
サセプタ136は、
図7aのデバイス100’’’’では加熱要素として使用されているが、この態様はそれには限定されないことを理解されたい。実際、特定のアプリケーションに応じて様々な異なるタイプの加熱要素を利用することができると考えられている。例えばサセプタ136は、抵抗線コイル、又は基板の上に提供された、1つ又は複数の相互接続された導電トラック(例えば膜発熱体の一部を形成する)などの抵抗加熱要素に置き換えることができる。
【0121】
さらに、本発明者らは、追加(又は別法)として、加熱されない部分を喫煙品110内のエアロゾル生成材料1105の近位端1102に提供することが適切であり得ることを想定している。
【0122】
本開示のこの態様の広い範囲を例証するために
図7bを参照すると、
図7bは、本開示のこの態様の他の実施形態によるデバイスの中に完全に挿入された喫煙品110を示す略図である。説明を容易にするために、
図7bに示されているデバイスは、概略的に示されている単一の加熱要素1200しか含んでいないが、デバイスは、特定のアプリケーションに応じて、2つ、3つ又はそれ以上の加熱要素を含むことができることは理解されよう。
【0123】
明らかなように、
図7bは、デバイスの中に完全に挿入された物品110を示したものであり、物品110の遠位端111は、ストッパ105によって画定された制限位置に位置している。
【0124】
図7bは、物品110内のエアロゾル生成材料1105をさらに示している。エアロゾル生成材料1105の長さは、
図8に両矢印1005によって示されている。
【0125】
図7bに示されているように、いくつかの実施形態では、物品110の遠位端111はエアロゾル生成材料1105の遠位端1101によって画定することができる。同じく
図7bに示されているように、エアロゾル生成材料1105は、細長いボディー、例えば円筒状ボディーの形態であってもよい。
図7bに示されている特定の例では、物品110は、エアロゾル生成材料1105の近位端1102から延在しているフィルター1106を含むことにさらに留意され得る。
【0126】
図7bに示されているように、物品110が完全に挿入された位置に位置すると、エアロゾル生成材料1105の遠位端1101から近位へ第1の距離1001だけ延在している、加熱要素と全く重畳しない、エアロゾル生成材料1105の長さのうちの第1の部分が存在する。
【0127】
同じく
図7bに示されているように、さらに、エアロゾル生成材料1105の近位端1102から遠位へ第2の距離1002だけ延在している、同様に加熱要素と全く重畳しない、エアロゾル生成材料1105の長さのうちの第2の部分が存在する。
【0128】
物品の第1の部分及び第2の部分は、それぞれ、さもなければデバイス内、例えば入口コンジット内又は出口コンジット内に蓄積し得る復水を集め、及び/又は吸収するように作用することができる。
【0129】
第1の距離1001は、例えば2mm以上で、且つ、10mm以下にすることができる。特定の事例では、第1の距離1001は3mm以上で、且つ、7mm以下にすることができる。他の事例では、第1の距離1001は約5mmにすることができる。同様に、第2の距離1002も、例えば2mm以上で、且つ、10mm以下にすることができる。特定の事例では、第2の距離1002は3mm以上で、且つ、7mm以下にすることができる。他の事例では、第2の距離1002は約5mmにすることができる。いくつかの事例では、第1の距離及び第2の距離1001、1002は実質的に等しくてもよい。
【0130】
図7bは、エアロゾル生成材料1105の長さのうちの第1の部分1001も第2の部分1002も加熱要素と全く重畳しないデバイスを示しているが、他の実施形態では、デバイスは、エアロゾル生成材料1105の長さのうちの第2の部分のみが加熱要素と全く重畳しないように構成することも可能であることを理解されたい。(したがってこのような実施形態は、エアロゾル生成材料1105の近位端と重畳する少なくとも1つの加熱要素を有することになる。)
【0131】
次に
図8~
図11Bを参照すると、これらの図は、
図1~
図3のデバイスの構造及び動作の様々な特徴を示している。
図5a~
図7bのデバイスにも同様の特徴を使用することができる。
【0132】
最初に
図8を参照すると、デバイス100は、示されているように第1の端部部材106を備えることができ、この第1の端部部材106は、物品110が所定の位置に位置していない場合、開口104を閉じるために第1の端部部材106に対して動かすことができる蓋108を備えている。
図1では、蓋108は開いた構成で示されているが、蓋108は閉じた構成に移動することができる。例えばユーザは、蓋108を矢印「A」の方向にスライドさせることができる。
【0133】
デバイス100は、押されるとデバイス100を動作させるボタン又はスイッチなどの、ユーザが動作させることができる制御要素112を同じく含むことができる。例えばユーザは、スイッチ112を操作することによってデバイス100をターンオンさせることができる。
【0134】
また、デバイス100は、デバイス100のバッテリーを充電するためのケーブルを受け取ることができるソケット/ポート114などの電気構成要素を同じく備えることができる。例えばソケット114は、USB充電ポートなどの充電ポートであってもよい。
【0135】
図8は、外部カバー102が取り外され、また、物品110が存在しない
図1のデバイス100を描写したものである。デバイス100は縦方向の軸線180を画定している。
【0136】
図8に示されているように、第1の端部部材106はデバイス100の一方の端部に配置され、また、第2の端部部材116はデバイス100の反対側の端部に配置されている。第1の端部部材及び第2の端部部材106、116は、相俟って少なくとも部分的にデバイス100の端部表面を画定している。例えば第2の端部部材116の底部表面は、少なくとも部分的にデバイス100の底部表面を画定している。外部カバー102の縁も同じく端部表面の一部を画定することができる。この例では蓋108は、デバイス100の頂部表面の一部を同じく画定している。
【0137】
開口104に最も近いデバイスの端部は、使用中、ユーザの口に最も近いため、この開口104に最も近いデバイス100の端部は、場合によってはデバイス100の近位端(又は口端部)として知られている。使用中、ユーザは、物品110を開口104に挿入し、ユーザ制御112を動作させてエアロゾル生成材料の加熱を開始し、また、デバイス中に生成されたエアロゾルをふかす。これによりエアロゾルがデバイス100を通って、流路に沿ってデバイス100の近位端に向かって流れる。
【0138】
開口104から最も遠いデバイスのもう一方の端部は、使用中、ユーザの口から最も遠い端部であるため、この開口104から最も遠いデバイスのもう一方の端部は、場合によってはデバイス100の遠位端として知られている。デバイス中に生成されたエアロゾルをユーザがふかすと、エアロゾルはデバイス100の遠位端から離れる方向に流れる。
【0139】
デバイス100は電力源118をさらに備えることができる。電力源118は、例えば充電式バッテリー又は非充電式バッテリーなどのバッテリーであってもよい。適切なバッテリーの例には、例えばリチウムバッテリー(リチウムイオンバッテリーなど)、ニッケルバッテリー(ニッケル-カドミウムバッテリーなど)及びアルカリバッテリーがある。バッテリーは、エアロゾル生成材料を加熱するために、要求されると、コントローラ(図示せず)の制御の下で電力を供給するべく加熱アセンブリに電気結合されている。この例ではバッテリーは、バッテリー118を所定の位置に保持する中央サポート120に接続されている。
【0140】
デバイスは少なくとも1つの電子工学モジュール122をさらに備えることができる。電子工学モジュール122は、例えば印刷回路基板(PCB)を備えることができる。PCB122は、プロセッサなどの少なくとも1つのコントローラ及びメモリを支持することができる。PCB122は、デバイス100の様々な電子構成要素を一体に電気接続するための1つ又は複数の電気トラックを同じく備えることができる。例えばバッテリー端子は、デバイス100全体に電力を分配することができるよう、PCB122に電気接続することができる。また、ソケット114も、電気トラックを介して同じくバッテリーに電気結合することができる。
【0141】
上で言及したように、例示的デバイス100では、加熱アセンブリは誘導加熱アセンブリであり、誘導加熱プロセスによってエアロゾル生成材料110aを加熱するための様々な構成要素を備えている。誘導加熱は、電磁誘導によって導電対象(サセプタなど)を加熱するプロセスである。誘導加熱アセンブリは、誘導素子、例えば1つ又は複数のインダクタコイル、及び交流電流などの可変電流を誘導素子を通して流すためのデバイスを備えることができる。誘導素子中の可変電流は可変磁界をもたらす。可変磁界は、誘導素子に対して適切に配置されたサセプタに侵入し、サセプタの内部に渦電流を生成する。サセプタは渦電流に対して電気抵抗を有し、したがってこの抵抗に逆らう渦電流の流れにより、ジュール加熱によってサセプタが加熱される。サセプタが鉄、ニッケル又はコバルトなどの強磁性体を含んでいる場合、サセプタ中の磁気ヒステリシス損、即ち可変磁界との磁気双極子の整列の結果として、磁気材料中の磁気双極子の可変配向によって同じく熱が生成され得る。例えば伝導による加熱と比較すると、誘導加熱では、熱はサセプタの内部に生成され、したがって速やかに加熱することができる。さらに、誘導ヒーターとサセプタとの間の何らかの物理的接触は不要であり、したがって構築及びアプリケーションの自由が促進される。
【0142】
例示的デバイス100の誘導加熱アセンブリは、サセプタ構成体132(本明細書においては「サセプタ」と呼ばれている)、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126を備えている。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は導電材料からできている。この例では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、螺旋インダクタコイル124、126を提供するために螺旋状に巻かれるリッツ線/ケーブルからできている。リッツ線は、個々に絶縁され、且つ、まとめて撚られて単一の線に形成される複数の個別の線を備えている。リッツ線は、導体の表皮効果損を小さくするように設計されている。例示的デバイス100では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、長方形の断面を有する銅リッツ線からできている。他の例では、リッツ線は円などの他の形の断面を有することができる。
【0143】
第1のインダクタコイル124は、サセプタ132の第1のセクション134を加熱するための第1の可変磁界を生成するように構成され、また、第2のインダクタコイル126は、サセプタ132の第2のセクション136を加熱するための第2の可変磁界を生成するように構成されている。したがって
図2を参照して上で考察したように、第1のインダクタコイル124及びサセプタ132の第1のセクション134は第1の加熱ユニット161の一部と考えることができ、サセプタ132の第1のセクション134は、エアロゾル生成材料に伝達される熱を生成する加熱要素として作用する。一方、第2のインダクタコイル126及びサセプタ132の第2のセクション136は第2の加熱ユニット162の一部と考えることができ、サセプタ132の第2のセクション136は、エアロゾル生成材料に伝達される熱を生成する加熱要素として作用する。
【0144】
図8に示されている例では、第1のインダクタコイル124は、デバイス100の縦方向の軸線180に沿った方向に第2のインダクタコイル126と隣り合わせになっている(即ち第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は重畳していない)。サセプタ構成体132は、単一のサセプタ又は2つ以上の個別のサセプタを備えることができる。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の端部130はPCB122に接続することができる。
【0145】
第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、いくつかの例では、互いに異なる少なくとも1つの特性を有することができることは認識されよう。例えば第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる少なくとも1つの特性を有することができる。より詳細には、一例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なるインダクタンス値を有することができる。
図10では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、第1のインダクタコイル124が第2のインダクタコイル126よりもサセプタ132の短いセクションにわたって巻かれるよう、長さが異なっている。したがって第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる数の回を備えることができる(個々の回同士の間の間隔は実質的に同じであることを仮定して)。さらに別の例では、第1のインダクタコイル124は、第2のインダクタコイル126とは異なる材料で構築することも可能である。いくつかの例では、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は実質的に全く同じであってもよい。
【0146】
この例では、第1のインダクタコイル124及び第2のインダクタコイル126は逆方向に巻かれている。これは、インダクタコイルが異なる時間に駆動される場合に有用であり得る。例えば最初に第1のインダクタコイル124を動作させて物品110の第1のセクション/部分を加熱することができ、後の時間に第2のインダクタコイル126を動作させて物品110の第2のセクション/部分を加熱することができる。コイルを逆方向に巻くことにより、特定のタイプの制御回路と共に使用される場合、非駆動コイルに誘導される電流の低減が促進される。
図8では、第1のインダクタコイル124は右巻き螺旋であり、第2のインダクタコイル126は左巻き螺旋である。しかしながら別の実施形態では、インダクタコイル124、126は同じ方向に巻くことも可能であり、或いは第1のインダクタコイル124を左巻き螺旋にし、第2のインダクタコイル126を右巻き螺旋にすることも可能である。
【0147】
この例のサセプタ132は中空であり、したがってエアロゾル生成材料が受け取られる加熱チャンバー101を画定している。例えば物品110はサセプタ132に挿入することができる。この例ではサセプタ120は管状であり、円形の断面を有している。
【0148】
サセプタ132は1つ又は複数の材料からできていてもよい。一例では、サセプタ132は、ニッケル又はコバルトのコーティングを有する炭素鋼を含む。
【0149】
いくつかの例では、サセプタ132は少なくとも2つの材料を含むことができ、それらは、それらの選択的エアロゾル化のために2つの異なる周波数で加熱され得る。例えばサセプタ132の第1のセクション(第1のインダクタコイル124によって加熱される)は第1の材料を含むことができ、また、第2のインダクタコイル126によって加熱されるサセプタ132の第2のセクションは、第2の異なる材料を含むことができる。別の例では、第1のセクションは第1の材料及び第2の材料を含むことができ、第1の材料及び第2の材料は、第1のインダクタコイル124の動作に基づいて別様に加熱することができる。第1の材料及び第2の材料は、サセプタ132によって画定される軸線に沿って隣り合わせにすることができ、或いは異なる層をサセプタ132内に形成することができる。同様に、第2のセクションは第3の材料及び第4の材料を含むことができ、第3の材料及び第4の材料は、第2のインダクタコイル126の動作に基づいて別様に加熱することができる。第3の材料及び第4の材料は、サセプタ132によって画定される軸線に沿って隣り合わせにすることができ、或いは異なる層をサセプタ132内に形成することができる。例えば第3の材料は第1の材料と同じであってもよく、また、第4の材料は第2の材料と同じであってもよい。別法としては、これらの材料の各々は異なっていてもよい。サセプタは、例えば炭素鋼又はアルミニウムを含むことができる。
【0150】
図8のデバイス100は、概ね管状で、少なくとも部分的にサセプタ132を取り囲むことができる絶縁部材128をさらに備えている。絶縁部材128は、例えばプラスチックなどの任意の絶縁材料から構築することができる。この特定の例では、絶縁部材は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から構築されている。絶縁部材128は、サセプタ132内に生成された熱からのデバイス100の様々な構成要素の絶縁を促進することができる。
【0151】
また、絶縁部材128は、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126を完全に、或いは部分的に支持することも可能である。例えば
図8に示されているように、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は絶縁部材128の周りに配置されており、また、絶縁部材128の半径方向に外側に向かっている表面と接触している。いくつかの例では、絶縁部材128は第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126と当接していない。例えば絶縁部材128の外部表面と、第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の内部表面との間に小さいギャップが存在していてもよい。
【0152】
特定の例では、サセプタ132、絶縁部材128並びに第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126は、サセプタ132の縦方向の中心軸線の周りに同軸である。
【0153】
図9は、デバイス100の側面図を部分断面で示したものである。この例では外部カバー102が存在している。第1のインダクタコイル及び第2のインダクタコイル124、126の長方形の断面形状をより明確に見ることができる。
【0154】
デバイス100は入口コンジットサポート131をさらに備えており、入口コンジットサポート131は、示されている特定の例では、サセプタ管132の一方の端部と係合してサセプタ管132を所定の位置に保持する。入口コンジットサポート131は第2の端部部材116に接続されている。
【0155】
デバイスは、制御要素112内で連携された第2の印刷回路基板138を同じく備えることができる。
【0156】
デバイス100は、デバイス100の遠位端に向かって配置された第2の蓋/キャップ140及びばね142をさらに備えている。ばね142によって第2の蓋140を開き、サセプタ管132へのアクセスを提供することができる。ユーザは、第2の蓋140を開いてサセプタ管132及び/又は入口コンジット103aの内部表面をきれいにすることができる。
【0157】
デバイス100は、サセプタ132の近位端から遠ざかる方向にデバイスの開口104に向かって延在している延長チャンバー144をさらに備えている。上で言及したように、延長チャンバー144は、
図1及び
図2に示されている例示的デバイス1では出口コンジット103bの一部を形成している。保持クリップ146は少なくとも部分的に延長チャンバー144内に配置されており、物品110がデバイス100内に受け取られると、物品110と当接して保持する。延長チャンバー144は端部部材106に接続されている。
【0158】
図10は
図1のデバイス100の分解図であり、外部カバー102は省略されている。
【0159】
図11Aは、
図8のデバイス100の一部の断面を描写したものである。
図11Bは、
図11Aのある領域の詳細を描写したものである。
図11A及び
図11Bは、サセプタ132内に受け取られた物品110を示しており、物品110は、物品110の外部表面がサセプタ132の内部表面と当接するように寸法化されている。これは、加熱が最も有効であることを保証する。この例の物品110はエアロゾル生成材料110aを含んでいる。エアロゾル生成材料110aはサセプタ132内に配置されている。物品110は、フィルター、ラッピング材料及び/又は冷却構造などの他の構成要素を備えることも同じく可能である。
【0160】
図11Bは、サセプタ132の外部表面は、サセプタ132の縦方向の軸線158に対して直角の方向に測定した距離150だけインダクタコイル124、126の内部表面から間隔を隔てていることを示している。特定の一例では、距離150は約3mm~4mm、約3mm~3.5mm又は約3.25mmである。
【0161】
図11Bは、絶縁部材128の外部表面は、サセプタ132の縦方向の軸線158に対して直角の方向に測定した距離152だけインダクタコイル124、126の内部表面から間隔を隔てていることをさらに示している。特定の一例では、距離152は約0.05mmである。別の例では、距離152は、インダクタコイル124、126が絶縁部材128と当接して接触するよう、実質的に0mmである。
【0162】
一例では、サセプタ132は約0.025mm~1mm又は約0.05mmの壁厚154を有している。
【0163】
一例では、サセプタ132は約40mm~60mm、約40mm~45mm又は約44.5mmの長さを有している。
【0164】
一例では、絶縁部材128は約0.25mm~2mm、0.25mm~1mm又は約0.5mmの壁厚156を有している。
【0165】
図1~
図11Bに示されているデバイスは、加熱チャンバーを取り囲んでいるエアロゾル生成材料のための加熱要素を有しているが、本明細書において開示されている様々な態様を具体化している他のデバイスは、内側から外側に向かってエアロゾル生成材料を加熱するために、加熱チャンバーの中へ突出している少なくとも1つの加熱要素(例えばピン、ロッド又はブレードのような形の)を有することも可能であることを理解されたい。この少なくとも1つの加熱要素は、例えば加熱チャンバーの縦方向の軸線と整列させることができる。
【0166】
本明細書において使用されている「使用期間」は、ユーザによるエアロゾル供給デバイスの単一の使用周期を意味している。使用期間は、加熱アセンブリに存在している少なくとも1つの加熱ユニットに電力が最初に供給された時点で始まる。この使用期間が始まってから一定の時間期間が経過すると、いつでもデバイスを使用することができる。使用期間は、エアロゾル供給デバイス内の加熱要素のどれにも電力が供給されなくなると、その時点で終わる。使用期間の終わりは、喫煙品が空になる時点(一吹かし毎の総微粒物質生成量(mg)がユーザによって許容不可能に少ないと思われる時点)と一致し得る。期間は、複数の一吹かしの継続期間を有することになる。前記期間は、7分未満、6分未満、5分未満、4分30秒未満、4分未満又は3分30秒未満の継続期間を有することができる。いくつかの実施形態では、使用期間は、2分~5分、3分~4.5分、3.5分~4.5分又は適切には4分の継続期間を有することができる。期間は、ユーザがデバイスのボタン又はスイッチを起動して、少なくとも1つの加熱要素の温度が上昇し始めると開始し得る。
【0167】
本明細書において使用されている「加熱チャンバー」は、例えば少なくとも1つの加熱ユニットの少なくとも1つの加熱要素によって加熱される空間を意味し得る。いくつかの例では、加熱チャンバーは2つの開端部(例えば開近位端及び開遠位端)を有することができ、例えばこれらの開端部のうちの一方又は両方における断面積の急激な変化が存在し得る。いくつかの例では、入口コンジットの近位端は加熱チャンバーの遠位端の中に開くことができ、或いは加熱チャンバーの遠位端に直接接続することができる。したがって入口コンジットの近位端と加熱チャンバーの遠位端の間に断面積の急激な変化が存在し得る。したがって(或いはそうでなければ)、入口コンジットの近位端の断面積は、加熱チャンバーの遠位端の断面積より狭くすることができる。
【0168】
上記実施形態は、本発明の例証例として理解されたい。本発明の他の実施形態が想定されている。任意の1つの実施形態に関連して説明されている特徴は、すべて、単独で、又は説明されている他の特徴と組み合わせて使用することができ、また、任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて、或いは任意の他の実施形態の任意の組合せで使用することも可能であることを理解されたい。さらに、添付の特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、上では説明されていない等価物及び修正を使用することも可能である。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成材料を含む物品を受け取り、前記エアロゾル生成材料からエアロゾルを生成するためのエアロゾル供給デバイスであって、
前記物品が前記エアロゾル供給デバイスに挿入される際に、前記物品の遠位端が制限位置を超えて遠位方向に移動するのを防止するストッパと、
使用期間中、前記エアロゾル生成材料を加熱するための加熱アセンブリであって、加熱要素を備え、前記加熱アセンブリを使用している間、前記加熱要素の中で熱が生成される、加熱アセンブリと
を備え、前記物品が前記デバイスの中に完全に挿入され、前記物品の前記遠位端が前記制限位置に位置すると、前記物品を加熱するために加熱することができる加熱要素と全く重畳しない、前記エアロゾル生成材料の長さのうちの第1の部分が存在し、前記第1の部分が、前記エアロゾル生成材料の前記遠位端から近位に向かう第1の距離、又は前記エアロゾル生成材料の近位端から遠位に向かう第1の距離のいずれかの全体にわたって延在する、エアロゾル供給デバイス。
【請求項2】
前記加熱ユニットが誘導加熱ユニットであり、前記加熱要素がサセプタである、請求項1に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項3】
前記加熱要素が外側に向かって朝顔形に広がっている遠位端を有する、請求項1又は2に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項4】
加熱チャンバーをさらに備え、前記加熱要素が前記加熱チャンバーの一部を取り囲む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項5】
入口コンジットをさらに備え、前記入口コンジットが前記加熱チャンバーと前記エアロゾル供給デバイスの外部の開口とを流体接続し、前記加熱チャンバーの幅が前記入口コンジットの幅より広い、請求項4に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項6】
前記加熱チャンバーが前記加熱要素の遠位端から前記ストッパまで延在している遠位部分を有し、前記遠位部分が前記遠位部分の近位に配置された前記加熱チャンバーの一部の幅に等しいか、或いはそれより広い幅を有する、請求項4又は5に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項7】
前記加熱チャンバーの前記遠位部分が熱絶縁材料によって画定される、請求項6に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項8】
前記熱絶縁材料がプラスチックであり、任意選択でポリエーテルエーテルケトンである、請求項7に記載のエアロゾル供給デバイス。
【請求項9】
エアロゾルを生成する方法であって、エアロゾル生成材料を加熱して前記エアロゾルを生成するために、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスを使用するステップを含む、エアロゾルを生成する方法。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル供給デバイスと、
エアロゾル生成材料と
を備えるエアロゾル生成システム。
【外国語明細書】