IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ グローバル アライアンス フォー ティービー ドラッグ デベロップメント, インコーポレイテッドの特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042090
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】プレトマニド組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/5365 20060101AFI20240319BHJP
   A61P 31/06 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 9/16 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/14 20170101ALI20240319BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20240319BHJP
   A61K 47/04 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
A61K31/5365
A61P31/06
A61K9/16
A61K9/20
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/32
A61K47/12
A61K47/14
A61K47/02
A61K47/20
A61K47/04
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024016412
(22)【出願日】2024-02-06
(62)【分割の表示】P 2022503853の分割
【原出願日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】62/876,257
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BRIJ
(71)【出願人】
【識別番号】518015402
【氏名又は名称】ザ グローバル アライアンス フォー ティービー ドラッグ デベロップメント, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ブラッド ゴールド
(72)【発明者】
【氏名】グラハム スタンリー レオナルド
(72)【発明者】
【氏名】ラジニーシ タネジャ
(57)【要約】
【課題】本開示の目的は、薬学的に有効な量のプレトマニドまたは薬学的に許容可能な溶媒和物を含む顆粒を含む経口医薬組成物を提供することである。
【解決手段】薬学的に有効な量のプレトマニドまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含有する顆粒を含む経口医薬組成物が開示される。そのような顆粒は、約0.3~0.8g/mLの範囲のかさ密度、および/または顆粒の約30重量%以下がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布を有してもよい。特に、組成物は、USP-II装置で、37±2℃、0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMA)の0.1N HCl溶液で測定される場合、プレトマニドの少なくとも40重量%(例えば、少なくとも60重量%)の20分以内の溶出を提供してもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬学的に有効な量のプレトマニドまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含む顆粒を含む経口医薬組成物であって、前記顆粒が約0.3~0.8g/mLの範囲のかさ密度を有し、前記顆粒が、顆粒の約30重量%以下がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布を有し、USP-II装置で、37±2℃、0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMA)の0.1N HCl溶液で測定した場合に、前記プレトマニドの少なくとも40重量%が20分以内に溶解する、医薬組成物。
【請求項2】
前記かさ密度の範囲が、約0.47~約0.53g/mLである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
前記粒度分布が、顆粒の約5~約30重量%がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、請求項1または2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
前記粒度分布が、顆粒の少なくとも80重量%がASTM#200(75μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記組成物が、10分未満(例えば、5分以内)の崩壊時間を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
前記プレトマニドの少なくとも60重量%が、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液に10分以内に溶出し、またはプレトマニドの少なくとも75重量%が、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液に40分以内に溶出する、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
前記プレトマニドが、前記医薬組成物の10重量%~30重量%を構成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記顆粒および1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒外賦形剤を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、前記顆粒が、前記プレトマニドおよび1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項9】
それぞれの賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動化剤、および滑沢剤からなる群から独立して選択される、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
それぞれの希釈剤が、単糖、二糖、糖アルコール、多糖および多糖誘導体からなる群から選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記希釈剤が、ラクトース一水和物(例えば、噴霧乾燥ラクトース一水和物)および微結晶セルロースを含む、請求項9または10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記結合剤が、高分子結合剤を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドクサートナトリウム、ジノニルスルホコハク酸アンモニウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジカプリルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘプチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含む、請求項9~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含む、請求項9~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記滑沢剤が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸もしくはその薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、もしくはステアリン酸亜鉛など、またはそれらの混合物を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項16】
前記流動化剤が、タルク、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、アルミノケイ酸マグネシウム、またはそれらの混合物を含む、請求項9または15に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物が、
a)10重量%~30重量%のプレトマニド、
b)60重量%~85重量%の希釈剤、
c)1重量%~10重量%の崩壊剤、
d)0.1重量%~1重量%の界面活性剤、
e)1重量%~5重量%の結合剤、
f)0.1重量%~1重量%の流動化剤、および
g)0.1重量%~3重量%の滑沢剤
を含む、請求項9~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
前記組成物が、50mg~250mgのプレトマニドを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
前記組成物が、錠剤の形態である、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記錠剤が、7~13Kpの範囲内の硬度を有する、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
結核を治療するための方法であって、その治療を必要とする患者に、請求項1~20のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与する工程を含む、方法。
【請求項22】
経口医薬組成物を調製するためのプロセスであって、
薬学的に有効な量のプレトマニド、および1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤を含む顆粒を調製する工程と、
前記顆粒を1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒外賦形剤と混合してブレンドを提供する工程と、
を含み、
前記顆粒が、約0.3~0.8g/mLの範囲のかさ密度を有し、
前記顆粒が、前記顆粒の約30重量%以下がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布を有する、
プロセス。
【請求項23】
前記顆粒の粒度分布が、前記組成物の少なくとも80重量%がASTM#200(75μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、請求項22に記載のプロセス。
【請求項24】
請求項22または23に記載のプロセスにしたがって調製された経口医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2019年7月19日に出願された米国仮出願番号第62/876257号の優先権を主張し、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、プレトマニドまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)は、結核感染症(TB)の原因病原体であり、それは世界の死因のトップの1つである。世界保健機関(WHO)によると、2017年に結核に罹患した人は推定1,000万人であり、そのうち160万人がこの疾患で亡くなった。
【0004】
結核の治療が適切にされないと、結核菌に世界的な薬剤耐性が引き起こされており、したがって、イソニアジドおよびリファンピンなどの代表的な第一選択薬が無効になっている。WHOによると、これは依然として公衆衛生上の危機および健康上の安全の脅威であり、毎年およそ50万人の多剤耐性結核が新たに発生している。第二選択治療の選択肢は限られており、高価かつ毒性のある薬を使用した広範な化学療法(最長2年間の治療)が必要である。さらに、多剤耐性結核の治療に利用できる多くの経口治療レジメンは複雑かつ長期であり、典型的には、18か月以上にわたって投与される少なくとも5つの薬剤の併用が必要である。
【0005】
プレトマニドは、PA-824としても知られ、ニトロイミダゾオキサジン抗酸菌薬であり、近年単独で、または他の抗結核薬と組み合わせて、臨床試験において研究されている。プレトマニドは、新しい作用機序、試験されたすべての薬剤耐性臨床単離株に対するインビトロ活性、マウスにおける強力な殺菌(bactericidal)および滅菌(sterilizing)剤の両方としての活性を含む、結核治療に使用するための多くの魅力的な特性を備えている。ただし、プレトマニドは難溶性のバイオ医薬品分類システム(BCS)クラスII/IV化合物である。これらのクラスの化合物は、効果的な経口送達に対して、低い水溶解度、低透過性、および低吸収性を含む問題のある特性を示すことが知られている。このように、これらの薬物を含有する医薬組成物の投与形態、例えば即放性剤への製剤化および開発は、非常に困難かつ予測不可能であり、試行錯誤によって進めることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の特定の実施形態の目的は、薬学的に有効な量のプレトマニドまたは薬学的に許容可能な溶媒和物を含む顆粒を含む経口医薬組成物を提供することである。本開示の様々な態様は、以下の項の1つまたは複数によってさらに特徴付けられ得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1項:薬学的に有効な量のプレトマニドまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含む顆粒を含む経口医薬組成物であって、顆粒が約0.3~0.8g/mLの範囲のかさ密度を有し、顆粒が、顆粒の約30重量%以下がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布を有し、USP-II装置で、37±2℃、0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMA)の0.1N HCl溶液で測定した場合に、プレトマニドの少なくとも40重量%(例えば、少なくとも60重量%)が20分以内に溶出する。
【0008】
第2項:かさ密度の範囲が約0.47~約0.53g/mLである、第1項に記載の医薬組成物。
【0009】
第3項:粒度分布が、顆粒の約5重量%~約30重量%がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、第1項または第2項に記載の医薬組成物。
【0010】
第4項:粒度分布が、顆粒の少なくとも80重量%がASTM#200(75μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、第1~3項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0011】
第5項:組成物が、10分未満の崩壊時間を有する、第1~4項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0012】
第6項:プレトマニドの少なくとも60重量%が、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液に10分以内に溶出する、第1~5項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0013】
第7項:プレトマニドの少なくとも75重量%が、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液に40分以内に溶出する、第1~6項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0014】
第8項:組成物が、5分以下の崩壊時間を有する、第1~7項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0015】
第9項:プレトマニドが、医薬組成物の少なくとも10重量%(例えば、10重量%~50重量%または10重量%から30重量%)を構成する、第1~8項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0016】
第10項:顆粒および1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒外賦形剤を含む、第1~9項のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、顆粒が、プレトマニドおよび1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤を含む。
【0017】
第11項:それぞれの賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動化剤、および滑沢剤からなる群から独立して選択される、第10項に記載の医薬組成物。
【0018】
第12項:1つまたは複数の顆粒内賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および界面活性剤を含む、第10項または第11項に記載の医薬組成物。
【0019】
第13項:それぞれの希釈剤が、単糖、二糖、糖アルコール、多糖、および多糖類誘導体からなる群から選択される、第11項または第12項に記載の組成物。
【0020】
第14項:それぞれの希釈剤が、二糖または多糖である、第11~13項のいずれか1項に記載の組成物。
【0021】
第15項:希釈剤がラクトース一水和物(例えば、噴霧乾燥ラクトース一水和物)および微結晶セルロースを含む、第11~14項のいずれか一項に記載の組成物。
【0022】
第16項:結合剤が、高分子結合剤を含む、第11~15項のいずれか一項に記載の組成物。
【0023】
第17項:結合剤が、ポリビニルピロリドンを含む、第11~16項のいずれか一項に記載の組成物。
【0024】
第18項:界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドクサートナトリウム、ジノニルスルホコハク酸アンモニウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジカプリルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘプチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含む、第11~17項のいずれか一項に記載の組成物。
【0025】
第19項:界面活性剤が、アルキルフェノール、脂肪酸グリセリド、ソルビタンエステル、エトキシル化脂肪酸、エトキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化硬化植物油、エトキシル化ソルビタンエステル、エトキシル化脂肪酸アミド、またはそれらの混合物を含む、第11~17項のいずれか一項に記載の組成物。
【0026】
第20項:界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウムを含む、第11~19項のいずれか一項に記載の組成物。
【0027】
第21項:崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含む、第11~20項のいずれか一項に記載の組成物。
【0028】
第22項:崩壊剤が、デンプングリコール酸ナトリウムを含む、第11~21項のいずれか一項に記載の組成物。
【0029】
第23項:顆粒外賦形剤が、滑沢剤、崩壊剤、および流動化剤を含む、第10項または第11項に記載の組成物。
【0030】
第24項:滑沢剤が、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、もしくはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、もしくはステアリン酸亜鉛など、またはそれらの混合物を含む、第11項または第23項に記載の組成物。
【0031】
第25項:滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムを含む、第11、23、または24項のいずれか一項に記載の組成物。
【0032】
第26項:崩壊剤が、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含む、第23~25項のいずれか一項に記載の組成物。
【0033】
第27項:崩壊剤が、デンプングリコール酸ナトリウムを含む、第23~26項のいずれか一項に記載の組成物。
【0034】
第28項:流動化剤が、タルク、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、アルミノケイ酸マグネシウム、またはそれらの混合物を含む、第11項および第23~27項のいずれか一項に記載の組成物。
【0035】
第29項:流動化剤がコロイド状二酸化ケイ素を含む、第11項および第23~28項のいずれか一項に記載の組成物。
【0036】
第30項:組成物が、10重量%~30重量%のプレトマニド、60重量%~85重量%の希釈剤、1重量%~10重量%の崩壊剤、0.1重量%~1重量%の界面活性剤、1重量%~5重量%の結合剤、0.1重量%~1重量%の流動化剤、および0.1重量%~3重量%の滑沢剤を含む、第11~29項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0037】
第31項:組成物が、50mg~250mgのプレトマニドを含む、第1~30項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0038】
第32項:組成物が、200mgのプレトマニドを含む、第1~31項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0039】
第33項:組成物が、100mgのプレトマニドを含む、第1~32項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0040】
第34項:組成物が、錠剤の形態である、第1~33項のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0041】
第35項:錠剤が、7~13Kpの範囲内の硬度を有する、第34項に記載の医薬組成物。
【0042】
第36項:結核を治療するための方法であって、その治療を必要とする患者に、第1~35項のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む。
【0043】
第37項:ベダキリン、モキシフロキサシン、リネゾリド、ピラジナミド、およびそれらの薬学的に許容可能な塩または溶媒和物からなる群から選択される、治療上有効な量の追加の医薬品有効成分(API)を含む1つまたは複数の分離した剤形を患者に併用投与(co-administering)することをさらに含む、第36項に記載の方法。
【0044】
第38項:1つまたは複数のフマル酸ベダキリン経口錠剤および1つまたは複数のリネゾリド経口錠剤を患者に併用投与することを含む、第37項に記載の方法。
【0045】
第39項:1つまたは複数のフマル酸ベダキリン経口錠剤、1つまたは複数のモキシフロキサシン塩酸塩経口錠剤、および1つまたは複数のピラジナミド経口錠剤を患者に併用投与することを含む、第38項に記載の方法。
【0046】
第40項:結核が、薬剤感受性結核(DS-TB)である、第36~39項のいずれか一項に記載の方法。
【0047】
第41項:結核が、多剤耐性結核(MDR-TB)である、第36~39項のいずれか一項に記載の方法。
【0048】
第42項:結核が、超多剤耐性結核(XDR-TB)である、第36~39項のいずれか一項に記載の方法。
【0049】
第43項:経口医薬組成物を調製するためのプロセスであって、薬学的に有効な量のプレトマニド、および1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤を含む顆粒を調製する工程と、顆粒を1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒外賦形剤と混合してブレンドを提供する工程と、を含む。
【0050】
第44項:ブレンドの少なくとも一部を圧縮して固形剤を提供する工程をさらに含む、第43項に記載のプロセス。
【0051】
第45項:顆粒が、プレトマニドおよび1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤の混合物を混合する工程と、続いて混合物を造粒する工程と、により調製される、第43項または第44項に記載のプロセス。
【0052】
第46項:混合物を造粒する工程が、湿式造粒法を含む、第43~45項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0053】
第47項:混合物を造粒する工程が、乾式造粒法を含む、第43~45項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0054】
第48項:混合物を造粒する工程が、溶融造粒法を含む、第43~45項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0055】
第49項:それぞれの賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動化剤、および滑沢剤からなる群から独立して選択される、第43~48項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0056】
第50項:1つまたは複数の顆粒内賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および界面活性剤を含む、第43~49項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0057】
第51項:1つまたは複数の顆粒外賦形剤が、滑沢剤、崩壊剤、および流動化剤を含む、第43~50項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0058】
第52項:プレトマニドおよび1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤の混合物を混合する工程が、プレトマニドおよび1つまたは複数の顆粒内賦形剤を乾式混合して乾燥混合物を形成する工程と、乾燥混合物に結合剤溶液を添加する工程と、を含む、第45~51項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0059】
第53項:結合剤溶液が、結合剤、界面活性剤、および溶媒を含む、第52項に記載のプロセス。
【0060】
第54項:顆粒が、約0.3~0.8g/mLの範囲のかさ密度を有する、第43~53項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0061】
第55項:顆粒が、顆粒の約30wt%以下がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布を有する、第43~54項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0062】
第56項:顆粒の粒度分布が、顆粒の約5重量%~約30重量%がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、第43~55項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0063】
第57項:顆粒の粒度分布が、組成物の少なくとも80重量%がASTM#200(75μm)ふるい上に保持されるような粒度分布である、第43~56項のいずれか一項に記載のプロセス。
【0064】
第58項:薬学的に有効な量のプレトマニドおよび1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含むブレンドを調製する工程と、ブレンドの少なくとも一部を圧縮して固形剤を提供する工程と、を含む、経口医薬組成物を調製するためのプロセス。
【0065】
第59項:それぞれの賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、流動化剤、および滑沢剤からなる群から独立して選択される、第58項に記載のプロセス。
【0066】
第60項:第43~59項のいずれか一項に記載のプロセスにしたがって調製された経口医薬組成物。
【0067】
第61項:薬学的に有効な量のプレトマニドまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含む顆粒を含む経口医薬組成物であって、USP-II装置で、37±2℃、0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMA)の0.1N HCl溶液で測定した場合に、プレトマニドの少なくとも70重量%が10分以内に溶出し、顆粒が、約0.47~0.53g/mLのかさ密度を有し、顆粒が、顆粒の約5重量%~約30重量%がASTM#60(250μm)ふるい上に保持されるような粒度分布を有する。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下の詳細な説明の目的のために、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、さまざまな代替的な変形および工程の順序を前提としてもよいことは理解されよう。さらに、任意の操作例を除いて、または他に示された場合を除いて、例えば、明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数値は、すべての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、逆に示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られるべき所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用をクレームの範囲に限定することを企図するものとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも報告された有効数字に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0069】
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示される数値は可能な限り正確に報告される。ただし、あらゆる数値は、それぞれの試験測定で見つかった標準的な変動に必然的に起因する特定の誤差を本質的に含む。
【0070】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含むことを意図されていることが理解されるべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載された最小値1と記載された最大値10との間の(およびそれらを含む)すべてのサブ範囲、すなわち、1以上の最小値と10以下の最大値を有する範囲を含むことを意図されている。
【0071】
本出願において、特に明記しない限り、単数形の使用は複数形を含み、複数形の使用は単数形を含む。さらに、本出願において、「または」の使用は、「および/または」が特定の場合に明示的に使用され得るとしても、特に明記しない限り、「および/または」を意味する。さらに、本出願において、「a」または「an」の使用は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」を意味する。例えば、「1つの」希釈剤("a" diluent)、「1つの」顆粒内賦形剤("an" intragranular excipient)、「1つの」崩壊剤("a" disintegrant)などは、これらの項目のいずれか1つまたは複数を指す。
【0072】
本明細書で使用される医薬組成物の各成分の割合は、「%重量」、すなわち、医薬組成物の総重量に基づいて計算される重量パーセントとして定義される。
【0073】
本書で使用する「約」とは、基準値の±10%を意味する。特定の実施形態において、「約」は、基準値の±9%、または±8%、または±7%、または±6%、または±5%、または±4%、または±3%、または±2%または±1%を意味する。
【0074】
本開示は、薬学的に有効な量のプレトマニドまたはその薬学的に許容可能な溶媒和物を含む顆粒を含む医薬組成物に関する。医薬組成物は、これらに限定されるものではないが、カプセル、錠剤、丸薬、粉末、および顆粒などの経口投与用の固体剤形を含む、いくつかの剤形に製剤化することができる。
【0075】
プレトマニドは、結核菌に対して有効なニトロイミダゾール抗菌薬である。プレトマニドは、具体的には、IUPAC化学名(65)-2-ニトロ-6-{[4-(トリフルオロメトキシ)ベンジル]オキシ}-6,7,-ジヒドロ-5H-イミダゾール[2.1b][1.3]オキサジンを有するニトロイミダゾオキサジンである。プレトマニドの構造を以下の式Iに示す。
【0076】
【化1】
【0077】
プレトマニドは、生物薬剤学分類システム(BCS)の低溶解性クラスII/IV化合物に分類される。これらのクラスの化合物は、低い水溶解度、低透過性、および低吸収性を含む、効果的な経口送達のための問題のある特性を示すことが知られている。そのため、これらのクラスの化合物に対する溶解方法の製剤化および開発は非常に困難であり、予測不可能である。本発明の医薬組成物は、以下に記載されるような1つまたは複数の薬学的賦形剤を含み、このBCSクラスII/IV化合物の組成物が効果的な放出をできるようにすることが見出された。
【0078】
プレトマニドは、医薬組成物の少なくとも1重量%、少なくとも5重量%、または少なくとも10重量%を構成することができる。プレトマニドは、医薬組成物の最大50重量%、最大40重量%、または最大30重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、1重量%~50重量%、5重量%~40重量%、または10重量%~30重量%の範囲内、例えば25重量%または12重量%のプレトマニドを含むことができる。
【0079】
「薬学的に許容可能な塩」は、これらに限定されるものではないが、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびNR4 +(RはC1~C10アルキルである)などの適切な塩基、フマル酸、酢酸、コハク酸などの有機酸、または塩酸もしくは臭化水素酸などの無機酸に由来する塩を含むことができる。水素原子またはアミノ基の生理学的に許容可能な塩は、酢酸、安息香酸、乳酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸、イセチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸などの有機カルボン酸の塩、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸の塩、塩酸、硫酸、リン酸、およびスルファミン酸などの無機酸の塩を含む。化合物のヒドロキシ基またはカルボキシ基の生理学的に許容可能な塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム、および亜鉛、並びにNR4 +(Rは独立してHまたはC1~C10アルキル基から選択される)などの適切なカチオンと組み合わされた前記化合物のアニオンを含む。本明細書で使用される「アルキル」は、直鎖または分岐アルカンから任意の炭素原子から水素原子を除去することにより得られる一価の基(-Cn2n+1)を意味する。アルキル基の例としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、イソプロピル、sec-ブチル、n-ブチル、ヘキシル、オクチル、およびデシルが挙げられる。
【0080】
本明細書で使用される「溶媒和物」は、溶質(参照される化合物)および溶媒によって形成される可変化学量論の複合体を意味する。溶媒は、例として、水(「水和物」と呼ばれることもある)、メタノール、エタノール、および酢酸が挙げられる。「塩および/または溶媒和物」という句は、塩(例えば、モキシフロキサシン塩酸塩)、溶媒和物、および塩の溶媒和物(例えば、モキシフロキサシン塩酸塩一水和物)のそれぞれを意味する。
【0081】
本開示の医薬組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤を含むことができる。適切な賦形剤としては、これらに限定されるものではないが、希釈剤、結合剤(例えば、高分子結合剤)、保湿剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、滑沢剤、表面安定化剤(界面活性剤)、増粘剤、流動化剤、緩衝剤、および香料の1つまたは複数を挙げることができる。1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤は、顆粒内および/または顆粒外賦形剤でもよい。
【0082】
1つまたは複数の賦形剤は、医薬組成物の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、または少なくとも75重量%を構成することができる。1つまたは複数の賦形剤は、医薬組成物の最大99重量%、最大95重量%、または最大90重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、50重量%~99重量%、60重量%~95重量%、または75重量%~90重量%などの範囲内の1つまたは複数の賦形剤を含むことができる。
【0083】
適切な薬学的に許容可能な希釈剤は、固体担体または充填剤としても知られ、1つまたは複数の単糖類、二糖類、およびラクトースなどの糖アルコール(例えば、噴霧乾燥ラクトース、α-ラクトース、およびβ-ラクトース、例えばSuperTab(登録商標)(DFE Pharma、ゴッホ、ドイツから入手可能)の商標で入手可能な噴霧乾燥ラクトース一水和物、ラクチトール、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デキストロース;デキストレート、デキストリン、マルトデキストリン、デキストラン、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース(例えば、AVICELの商標で、FMC Corp.、フィラデルフィア、ペンシルベニアから入手可能な微結晶セルロース;D10、15~55μm、D50、80~140μm、およびD90、170~283μmの粒度分布を有するAvicel(登録商標)PH-102など)、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロースポリマー(例えば、METHOCEL A、METHOCEL A4C、METHOCEL A15C、METHOCEL A4M;Dow Chemical、ミッドランド、ミシガン)、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、デンプン(ジャガイモデンプン、コーンスターチ、トウモロコシデンプンおよび米デンプンを含む)、および変性デンプンなどの多糖類および多糖類誘導体;並びにそれらの混合物を含んでもよい。
【0084】
一実施形態において、それぞれの希釈剤は、無機化合物、糖、二糖、糖アルコール、多糖、および多糖誘導体からなる群から独立して選択される。好適な無機化合物としては、これらに限定されるものではないが、炭酸カルシウム、二塩基リン酸カルシウム、三塩基リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化ナトリウム、およびタルクが挙げられる。一実施形態において、それぞれの希釈剤は、糖、二糖、糖アルコール、多糖、および多糖誘導体からなる群から独立して選択される。一実施形態において、希釈剤は、糖、二糖、または糖アルコール、および多糖または多糖誘導体を含む。別の実施形態において、希釈剤は、二糖および多糖を含む。別の実施形態において、希釈剤は、ラクトース、ラクチトール、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デキストリン、デキストロース、マルトデキストリン、微結晶セルロース、デンプン、またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、希釈剤は、糖、二糖、または糖アルコール、および微結晶セルロースを含む。別の実施形態において、希釈剤は、二糖および微結晶セルロースを含む。別の実施形態において、希釈剤は、ラクトース一水和物などのラクトース、および微結晶セルロースを含む。前述の実施形態のいずれにおいても、ラクトース一水和物は、D10が約50μm、D50が約120μm、およびD90が約220μmの粒度分布を有する噴霧乾燥ラクトースであるSuperTab(登録商標)11SDとすることができる。
【0085】
希釈剤は、医薬組成物の少なくとも25重量%、少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%を構成することができる。希釈剤は、医薬組成物の最大90重量%、最大85重量%、または最大80重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、25重量%~90重量%、50重量%~85重量%、または60重量%~85重量%などの範囲内の希釈剤を含むことができる。
【0086】
好適な結合剤(例えば、高分子結合剤)としては、例えば、ポリビニルピロリドン(ポビドン、Kollidon(登録商標)30、BASF、またはPVP K-30、40kDa~80kDaのMWを有する、Ashland Specialty、コビントン、ケンタッキーから入手可能など);ポリエチレングリコール(類)、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースを含むセルロース誘導体;ヒドロキシプロピルスターチまたはアルファ化ヒドロキシプロピルスターチなどの加工デンプン誘導体;デンプンおよびデンプンベースポリマー、例えば、アルファ化デンプンを含む多糖類;キトサン、アルギン酸塩;マルトデキストリン;これらに限定されるものではないが、アカシア、ローカストビーンガム、寒天、デキストリン、カラギーナン、カラギーナンカルシウム、カゼイン、ゼイン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、グアーガム、フェヌグリークガム、アラビアガム、ガラクトマンナン、ジェラン、コンニャク、イヌリン、カラヤガム、トラガカントガム、およびそれらの組み合わせなどの多糖ガム;並びにアクリル酸のカルボマーホモポリマー類、またはペンタエリスリトール、スクロース、もしくはプロピレングリコールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のカルボマーポリマー類が挙げられる。結合剤はまた、ベントナイトまたはケイ酸アルミニウムマグネシウムなどの無機結合剤を含んでもよい。
【0087】
一実施形態において、結合剤は親水性ポリマーを含む。別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン(ポビドン);ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシプロピルスターチまたはアルファ化ヒドロキシプロピルスターチ;アルファ化デンプン;カルボマーホモポリマー、および架橋カルボマーポリマーからなる群から選択される1つまたは複数の親水性ポリマーを含んでもよい。別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチまたはアルファ化ヒドロキシプロピルスターチ;およびアルファ化デンプンからなる群から選択される1つまたは複数の親水性ポリマーを含んでもよい。別の実施形態において、結合剤は、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群から選択される1つまたは複数の親水性ポリマーを含んでもよい。別の実施形態において、高分子結合剤は、ポリビニルピロリドン(ポビドン)を含む。
【0088】
結合剤は、医薬組成物の少なくとも0.1重量%、少なくとも0.5重量%、または少なくとも1重量%を構成することができる。結合剤は、医薬組成物の最大10重量%、最大5重量%、または最大3重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、0.1重量%~10重量%、0.5重量%~5重量%、または1重量%~5重量%などの範囲内の結合剤を含むことができる。
【0089】
適切な崩壊剤(disintegrating agents、または「disintegrants」)としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、低置換度HPC(15%未満、例えば、8%または11%のヒドロキシプロピル含有量を有する)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、CMCナトリウム、CMCカルシウム、結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチ、アルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、変性スターチ、微結晶セルロース、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム 、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0090】
一実施形態において、崩壊剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウムからなる群から選択される1つまたは複数の崩壊剤を含むことができる。別の実施形態において、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムを含む。
【0091】
崩壊剤は、医薬組成物の少なくとも0.1重量%、少なくとも1重量%、または少なくとも3重量%を構成することができる。崩壊剤は、医薬組成物の最大15重量%、最大10重量%、または最大7重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、0.1重量%~15重量%、1重量%~10重量%、または3重量%~7重量%などの範囲内の崩壊剤を含むことができる。
【0092】
好適な界面活性剤としては、両性、非イオン性、カチオン性、またはアニオン性界面活性剤を挙げることができる。両性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、レシチン、コカミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスタミンオキシド、ココアミノプロピオネート、ラウリルイミノジプロピオン酸ナトリウム、オクチルイミノジプロピオン酸ナトリウム、ココイミノモノ/ジプロピオン酸ナトリウム、オレイルジメチルベタイン、およびN-ココアミドエチルN-ヒドロキシエチルグリシンナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0093】
非イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、4-(2,4-ジメチルヘプタン-3-イル)フェノールなどのアルキルフェノール;グリセリルジベヘネート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプリロカプレート、グリセリルモノステアレート、およびグリセリルトリステアレートなどの脂肪酸グリセリド;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、およびソルビタントリステアレートなどのソルビタンエステル;ステアリン酸エトキシレートおよびラウリン酸エトキシレートなどのエトキシル化脂肪酸;ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij)などのエトキシル化脂肪族アルコール;ノニルフェノールエトキシレートおよびエトキシル化p-tert-オクチルフェノールなどのエトキシル化アルキルフェノール;ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor EL)および水素化ポリオキシル40ヒマシ油(Cremophor RH 40)などのエトキシル化水素化植物油;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(ポリソルベート40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(ポリソルベート60)、およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(ポリソルベート80)などのエトキシル化ソルビタンエステル;ココアミドモノエタノールアミンおよびコカミドジエタノールアミンなどのエトキシル化脂肪酸アミド;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0094】
カチオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、セチルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、メチルベンゼトニウムクロリド、およびヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミドなどの第四級アンモニウム塩;ラウリルヒドロキシエチルイミダゾリンおよびステアリルヒドロキシエチルイミダゾリンなどの2-アルキル-1-ヒドロキシエチル-2-イミダゾリン;エチレンジアミンテトラキス(エトキシレート-ブロック-プロポキシレート)テトロールおよびエチレンジアミンテトラキス(プロポキシレート-ブロック-エトキシレート)テトロールなどのN,N,N,N-テトラキス置換エチレンジアミン;ステアリルアミンエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、タローアミンエトキシレートおよびココアミンエトキシレートなどの脂肪族アミンエトキシレート;並びにそれらの混合物が挙げられる。
【0095】
陰イオン性界面活性剤の例としては、これらに限定されるものではないが、ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)およびラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩;デオキシコール酸ナトリウムおよびコール酸ナトリウムなどの胆汁酸塩:ドクサートナトリウム、ジノニルスルホコハク酸アンモニウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジカプリルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘプチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、およびジトリデシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホコハク酸ジエステル;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸;Sonneborn LLC、ペトローリア、ペンシルベニアからPETRONATEの商品名で入手可能なものなどの石油スルホン酸ナトリウム、Nease Performance Chemicals、ウエストチェスタータウンシップ、オハイオからNAXANの商品名で入手可能なものなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム;ラウリルモノグリセリルサルフェートおよび硫酸化ヒマシ油などの硫酸化天然油およびグリセリド;ラウレス硫酸ナトリウムおよびミレス硫酸ナトリウムなどの硫酸化エトキシル化脂肪族アルコール;およびそれらの混合物が挙げられる。
【0096】
特定の実施形態において、界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤を含んでもよい。一実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドクサートナトリウム、ジノニルスルホコハク酸ジノニルアンモニウム、ジアミルスルホコハク酸ナトリウム、ジカプリルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘプチルスルホコハク酸ナトリウム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、ジイソブチルスルホコハク酸ナトリウム、ジトリデシルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウムを含む。
【0097】
界面活性剤は、医薬組成物の少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.2重量%を構成することができる。界面活性剤は、医薬組成物の最大5重量%、最大2重量%、または最大1重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、0.05重量%~5重量%、0.1重量%~5重量%、または0.1重量%~1重量%などの範囲内の界面活性剤を含むことができる。
【0098】
好適な流動化剤は、これらに限定されるものではないが、 タルク、粉末セルロース、リン酸カルシウム(例えば、三塩基リン酸カルシウム)、酸化マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ケイ酸またはその誘導体もしくは塩(例えば、シリケート、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、疎水性二酸化ケイ素、およびそれらのポリマー)、ケイ酸アルミン酸マグネシウム (富士化学工業株式会社、日本から入手可能なノイシリンなど)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、並びにそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0099】
一実施形態において、流動化剤は、タルク、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、流動化剤は、タルク、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、流動化剤はコロイド状二酸化ケイ素を含む。
【0100】
流動化剤は、医薬組成物の少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.2重量%を構成することができる。流動化剤は、医薬組成物の最大5重量%、最大3重量%、最大2重量%、または最大1重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、0.05重量%~5重量%、0.1重量%~3重量%、または0.1重量%~1重量%などの範囲内の流動化剤を含むことができる。
【0101】
好適な滑沢剤は、これらに限定されるものではないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸などの脂肪酸、並びにそれらの薬学的に許容可能な塩またはエステル(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛または他のステアリン酸金属塩)、タルク、ポリエチレングリコール(PEG)、軽質鉱油、BASF、Ludqigshafen、ドイツから入手可能なKOLLIPHOR P188およびP407などのポロキサマー、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、およびポリソルベート80などのポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエートおよびソルビタントリオレエートなどのソルビタンエステル、ポリオキシル40ステアレートおよびポリオキシル15ヒドロキシステアレートなどのエトキシル化脂肪酸、ポリオキシル20セトステアリルエーテルおよびポリオキシル10オレイルエーテルなどのエトキシル化アルカノール、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor EL)および硬化ポリオキシル40ヒマシ油(Cremophor RH40)などのエトキシル化植物油およびエトキシル化硬化植物油、ワックス(例えば、マイクロクリスタリンワックス)、グリセリルジベヘネート、グリセリルモノカプリレート、グリセリルモノカプリロカプレート、グリセリルモノステアレート、およびグリセリルトリステアレートなどのグリセリド、ステアリン酸スクロースなどの脂肪酸のスクロースエステル、硬化植物油(例えば、硬化ヒマシ油および硬化パーム油)、およびそれらの混合物のうちの1つまたは複数を含んでもよい。
【0102】
一実施形態において、滑沢剤は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、もしくはステアリン酸亜鉛またはそれらの混合物を含む。別の実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛またはそれらの混合物を含む。一実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムを含む。
【0103】
滑沢剤は、医薬組成物の少なくとも0.05重量%、少なくとも0.1重量%、または少なくとも0.5重量%を構成することができる。滑沢剤は、医薬組成物の最大5重量%、最大3重量%、または最大2重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、0.05重量%~5重量%、0.1重量%~3重量%、または0.2重量%~2重量%などの範囲内の滑沢剤を含むことができる。
【0104】
一実施形態において、医薬組成物は、プレトマニドと、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、およびそれらの混合物からなる群から独立して選択される1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。
【0105】
別の実施形態において、医薬組成物は、プレトマニドと、希釈剤、崩壊剤、界面活性剤、結合剤、流動化剤、および滑沢剤である1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含む。
【0106】
特定の一実施形態において、医薬組成物は、(i)プレトマニドと1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒内賦形剤とを含む顆粒、および(ii)1つまたは複数の薬学的に許容可能な顆粒外賦形剤を含む。
【0107】
顆粒は、医薬組成物の少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%を構成することができる。顆粒は、医薬組成物の最大99重量%、最大98重量%、または最大97重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、75重量%~99重量%、90重量%~98重量%、または95重量%~97重量%などの範囲内の顆粒を含むことができる。
【0108】
1つまたは複数の顆粒外賦形剤は、医薬組成物の少なくとも1重量%、少なくとも2重量%、または少なくとも3重量%を構成することができる。1つまたは複数の顆粒外賦形剤は、医薬組成物の最大25重量%、最大10重量%、または最大5重量%を構成することができる。例えば、医薬組成物は、1重量%~25重量%、2重量%~10重量%、または3重量%~5重量%などの範囲内の1つまたは複数の顆粒外賦形剤を含むことができる。
【0109】
一実施形態において、1つまたは複数の顆粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から独立して選択される。別の実施形態において、1つまたは複数の顆粒内賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、および界面活性剤である。
【0110】
別の実施形態において、1つまたは複数の顆粒内賦形剤は、単糖、二糖、または糖アルコール、および多糖または多糖誘導体を含む希釈剤;低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム並びにそれらの混合物からなる群から選択される崩壊剤;ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、アルファ化ヒドロキシプロピルデンプン、アルファ化デンプン、カルボマーホモポリマー、架橋カルボマーポリマー、およびそれらの混合物からなる群から選択される高分子結合剤;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドクサートナトリウム、スルホコハク酸ジノニルアンモニウム、スルホコハク酸ジアミルナトリウム、スルホコハク酸ジカプリルナトリウム、スルホコハク酸ジヘプチルナトリウム、スルホコハク酸ジヘキシルナトリウム、スルホコハク酸ジイソブチルナトリウム、スルホコハク酸ジトリデシルナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、またはそれらの混合物からなる群から選択される界面活性剤、を含む。
【0111】
別の実施形態において、1つまたは複数の顆粒内賦形剤は、ラクトース一水和物および微結晶セルロースを含む希釈剤、デンプングリコール酸ナトリウムを含む崩壊剤、ポリビニルピロリドンを含む高分子結合剤、ラウリル硫酸ナトリウムを含む界面活性剤を含む。
【0112】
一実施形態において、顆粒外賦形剤は、崩壊剤、流動化剤、滑沢剤、およびそれらの混合物からなる群から独立して選択される。特定の実施形態において、顆粒外賦形剤は、崩壊剤、流動化剤、および滑沢剤を含む。
【0113】
一実施形態において、顆粒外賦形剤は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびデンプングリコール酸ナトリウム並びにそれらの混合物からなる群から選択される崩壊剤と;タルク、リン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、アルミノケイ酸マグネシウム、およびそれらの混合物からなる群から選択される流動化剤と;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはそれらの薬学的に許容可能な塩もしくはエステル、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、もしくはステアリン酸亜鉛またはそれらの混合物からなる群から選択される滑沢剤と、を含む。
【0114】
別の実施形態において、1つまたは複数の顆粒外賦形剤は、デンプングリコール酸ナトリウムを含む崩壊剤、コロイド状二酸化ケイ素を含む流動化剤、およびステアリン酸マグネシウムを含む滑沢剤を含む。
【0115】
別の実施形態において、1つまたは複数の顆粒内成分は、ラクトース一水和物および微結晶セルロースを含む希釈剤と;デンプングリコール酸ナトリウムを含む希釈剤と;ポリビニルピロリドンを含む高分子結合剤と;ラウリル硫酸ナトリウムを含む界面活性剤とを含み、1つまたは複数の顆粒外成分は、デンプングリコール酸ナトリウムを含む崩壊剤と、コロイド状二酸化ケイ素を含む流動化剤と、ステアリン酸マグネシウムを含む滑沢剤とを含む。
【0116】
医薬組成物は、250mg~1000mgの範囲、例えば、400mg~1000mg、例えば、800mgの総重量を有してもよい。
【0117】
医薬組成物は、プレトマニドおよび1つまたは複数の顆粒内賦形剤を含む顆粒を調製する工程と、顆粒を1つまたは複数の顆粒外賦形剤と混合してブレンドを提供する工程と、を含むプロセスに従って調製することができる。顆粒内および顆粒外賦形剤の実施形態は上記の通りである。医薬組成物はまた、薬学的に有効な量のプレトマニドと1つまたは複数の薬学的に許容可能な賦形剤とを含むブレンドを調製する工程を含むプロセスに従って調製することができる。
【0118】
そのようなブレンドの一部は、カプセルシェルに充填され、または圧縮されて、固形剤(例えば、錠剤またはカプレット)を提供してもよい。カプセルに充填された、または圧縮されたブレンドの部分は、薬学的に有効な量のプレトマニドを含む。例えば、薬学的に有効な量のプレトマニドは、50mg~300mgのプレトマニド、例えば100mgまたは200mgのプレトマニドに相当する量を含有する。
【0119】
顆粒は、例えば、プレトマニドと顆粒内賦形剤との組み合わせを混合し、続いて、当業者によく知られている湿式または乾式法(溶融造粒を含む)で混合物を造粒することにより調製されて、顆粒を提供してもよい。
【0120】
一実施形態において、顆粒は乾式造粒法により調製されてもよく、その中でプレトマニドおよび1つまたは複数の顆粒内賦形剤は乾式混合されて乾燥混合物を形成し、当該混合物は、例えば、圧縮および/またはスラッグ法による乾式造粒の対象となる。得られた乾式造粒の生成物は、任意選択的に、所望の粒径に粉砕され、および/または必要に応じてその後の取り扱いおよび/またはプロセスを助けるためにふるいにかけられてもよい。乾式造粒プロセスが利用される場合、結合剤は、アルファ化デンプン、無水ラクトース、二塩基リン酸カルシウム、またはそれらの混合物などの乾燥結合剤を含んでもよい。
【0121】
一実施形態において、顆粒は、溶融造粒法により調製されてもよく、その中でプレトマニドおよび1つまたは複数の顆粒内賦形剤(例えば、結合剤、希釈剤、および/または崩壊剤)は乾式混合されて乾燥混合物を形成し、当該混合物は(例えば、溶融結合剤を溶融するのに適した温度、例えば、70~130℃での一軸または二軸押出機における)溶融押し出しの対象となる。得られた溶融造粒の生成物は、任意選択的に、必要に応じてその後の取り扱いおよび/またはプロセスを助けるために、所望の粒径に粉砕され、および/またはふるいにかけられてもよい。溶融造粒プロセスが利用される場合、結合剤は、ポリエチレングリコール(PEG)、ポロキサマー、脂肪酸、脂肪族アルコール、ワックス、硬化植物油、およびそれらの混合物などの溶融結合剤を含んでもよい。
【0122】
一実施形態において、顆粒は、湿式造粒法により調製されてもよく、その中でプレトマニドおよび1つまたは複数の顆粒内賦形剤(例えば、希釈剤および/または崩壊剤)は乾式混合されて乾燥混合物を形成し、結合剤を含有する結合剤溶液、界面活性剤、および/または溶媒を当該乾燥混合物に加えて混合物を形成し、次に当該混合物は湿式造粒の対象となる。湿式造粒プロセスは、高剪断ラピッドミキサー造粒機を使用して実施することができる。得られた顆粒は、必要に応じて、その後の取り扱いおよび/またはプロセスを助けるために、任意選択的に乾燥および/またはふるいにかけられてもよい。
【0123】
一実施形態において、医薬組成物は、プレトマニドおよび1つまたは複数の顆粒内賦形剤を含む混合物を乾式混合する工程と、当該混合物に結合剤溶液を加える工程と、混合物を混練して湿潤顆粒を形成する工程と、混練された混合物を湿式粉砕して顆粒を提供する工程と、顆粒を乾燥させる工程と、顆粒を1つまたは複数の顆粒外賦形剤と混合してブレンドを提供する工程と、ブレンドを錠剤に圧縮する工程と、を含むプロセスによって調製することができる。
【0124】
乾式混合は、適切なブレンド均一性を達成するために、5分~15分間、例えば10分間実施することができる。いくつかの実施形態において、乾式混合は、100rpmのインペラ速度で実施することができる。結合剤溶液は、乾燥混合物の30~60重量%の範囲の水を含んでもよい。いくつかの実施形態において、結合剤添加時間は、約2~3分である。混練ステップは、2~10分間、5~7分間、または3~6分間実施することができる。いくつかの実施形態において、造粒プロセスは、50~200rpm、例えば100rpmのインペラ速度で実行される。いくつかの実施形態において、顆粒は、45~75分間乾燥されてもよい。
【0125】
いくつかの実施形態において、混合ステップ(顆粒を1つまたは複数の顆粒外賦形剤と混合してブレンドを提供する工程)は、顆粒を1つまたは複数の顆粒外賦形剤、例えば崩壊剤および流動化剤などと混合して予備滑沢(pre-lubrication)ブレンドを形成する予備滑沢ステップと、予備滑沢ブレンドを滑沢剤と混合して滑沢ブレンドを形成する滑沢ステップと、を含む。予備滑沢ステップは、5~15分間、例えば5分間実施することができる。滑沢ステップは、2~6分間、例えば4分間実施することができる。
【0126】
本開示に従って形成された圧縮錠剤は、4~17Kp(キロポンド)の範囲、例えば4~17Kp、4~10Kp、10~16Kp、4~10Kp、7~13Kp、7~8Kp、または11~13Kpの錠剤硬度を有してもよい。錠剤は、0.8%未満、例えば0.2%未満の摩損度を有してもよい。
【0127】
一般に、前述の剤形は、任意選択的にコーティング(フィルムコーティングまたは非フィルムコーティング)されてもよい。コーティングプロセスに使用されるフィルム形成剤は、例えば、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、メタクリル酸/アクリレートコポリマー、HPMC、ビニルポリマーなどのセルロース誘導体、またはシェラックなどの天然フィルム形成剤でもよい。商業的に入手可能なフィルム形成剤の例としては、これらに限定されるものではないが、Opadry(登録商標)(HPMC)、Opadry(登録商標)II(ポリ(ビニルアルコール))、およびSurelease(登録商標)(エチルセルロース分散 Type B NF)フィルムコーティングシステム(それぞれColorcon,Inc.、ノースウェールズ、ペンシルベニアから入手可能)、並びにそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態において、剤形はコーティングされていない。
【0128】
本開示の医薬組成物の顆粒は、顆粒の30重量%以下、例えば25重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下、10重量%以下が、American Standard Test Sieve Series(ASTM)#60ふるい上に保持されるような粒度分布を、例えば、250μmを超える粒径を有しながら、有することができる。本開示の医薬組成物の顆粒は、顆粒の5~30重量%、例えば、9重量%~25重量%または10重量%~25重量%が#60ふるいに保持されるような粒度分布を有することができる。本開示の医薬組成物の顆粒は、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、または約30重量%の顆粒が#60ふるいに保持される粒度分布を有することができる。本開示の医薬組成物の顆粒は、約5重量%~約30重量%、約10重量%~約30重量%、約10重量%~約25重量%または約5重量%~約25重量%の範囲の顆粒が#60ふるい上に保持される粒度分布を有することができる。
【0129】
医薬組成物の顆粒はまた、顆粒の少なくとも80重量%がASTM#200ふるい上に保持されるような粒度分布を、例えば、75μmを超える粒径を有しながら、有することができる。
【0130】
本開示の医薬組成物の滑沢ブレンドは、滑沢ブレンドの30重量%以下、例えば25重量%以下、例えば20重量%以下、例えば15重量%以下、10重量%以下が、American Standard Test Sieve Series(ASTM)#60ふるい上に保持される粒度分布を、例えば、250μmを超える粒径を有しながら、有することができる。本開示の医薬組成物の滑沢ブレンドは、滑沢ブレンドの5~30重量%、例えば、9重量%~25重量%または10重量%~25重量%が#60ふるい上に保持されるような粒度分布を有することができる。
【0131】
医薬組成物の滑沢ブレンドはまた、滑沢ブレンドの少なくとも80重量%がASTM#200ふるい上に保持されるような粒度分布を、例えば、75μmを超える粒径を有しながら、有してもよい。
【0132】
本開示の医薬組成物の顆粒は、0.3g/mL~0.8g/mLの範囲内、例えば0.45g/mL~0.58g/mL、または0.47~0.58g/ml、または0.47~0.53g/mL、または0.47~0.526g/mL、または0.50~0.58g/mL、または0.50~0.55g/mL、または0.50~0.53g/mL、または0.50~0.526g/mLのかさ密度を有してもよい。
【0133】
本開示の医薬組成物の滑沢ブレンドは、0.3g/mL~0.8g/mLの範囲内、例えば、0.45g/mL~0.58g/mL、または0.47~0.58g/ml、または0.47~0.53g/mL、または0.47~0.526g/mL、または0.50~0.58g/mL、または0.53~0.58g/mLのかさ密度を有してもよい。
【0134】
かさ密度は、当業者によく知られている方法に従って測定することができる。例えば、多量の粉体を1.0mm以上の開口部を有するふるいに通し、必要に応じて、凝集体を粉砕する。次に、およそ100gの試験試料(m;0.1%の精度で計量)を、圧縮せずに、乾いたメスシリンダー(例えば、250mL、2mLまで読み取り可能)に静かに入れる。粉体を圧縮せずに注意深く水平にし、未確定の見かけの体積(V0)を最も近い目盛り単位に読み取る。かさ密度(g/ml)は、式m/V0を使用して計算する。
【0135】
特定の実施形態において、本開示に従って調製されたプレトマニドを含む医薬組成物は、経口投与される即放性組成物に好適な溶出プロファイルを示すことが見出された。本明細書に記載される「即放性」組成物は、経口投与後に活性薬物(API)を迅速に放出するように製剤化された組成物を意味する。API放出の速度は、溶出に関するUSP42-NF37の章〈711〉の方法に従って、37+/-2℃においてUSP装置2(パドル装置)で測定することができ、これは参照により本明細書に組み込まれる。例えば、USP装置2で使用される好適な溶出媒体は、0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMA)の0.1N HCl溶液とすることができる。特定の実施形態において、「即放性」は、組成物が約40重量%を超える、または50重量%を超える、または約55重量%を超える、または約60重量%を超えるAPIを、前述の方法および溶出媒体内で30分以内に放出することを意味する。特定の実施形態において、「即放性」は、組成物が40重量%を超える、または約50重量%を超える、または約55重量%を超える、または約60重量%を超えるAPIを、前述の方法および溶出媒体内で20分以内に放出することを意味する。
【0136】
本明細書の組成物のいくつかの実施形態において、医薬組成物中のプレトマニドの少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも65重量%、または少なくとも70重量%、または少なくとも75重量%が、0.1N HCl中に0.5%ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(HDTMA)を含む溶出媒体内で20分以内に溶出する。
【0137】
他の実施形態において、医薬組成物中のプレトマニドの少なくとも40重量%、または少なくとも50重量%、または少なくとも60重量%、または少なくとも65重量%、例えば、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%が、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液で10分以内に溶出する。
【0138】
他の実施形態において、医薬組成物中のプレトマニドの少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%、または少なくとも85重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%が、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液で40分以内に溶出する。
【0139】
本開示の医薬組成物は、崩壊に関するUSP42-NF37の章〈701〉の方法に従って、37±2℃で測定される場合に10分未満の崩壊時間を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、医薬組成物は、5分以下、または3分以下の崩壊時間を有する。
【0140】
他の実施形態において、組成物は、USPの章<711>および<701>によってそれぞれ測定される場合に、表1に列挙された以下の実施形態のいずれかに従うプレトマニド溶出時間および組成物崩壊時間を有する。
【0141】
【表1】
【0142】
本開示の医薬組成物は、結核の治療に有用であり得る。「治療上有効な量」とは、記載された疾患または状態、例えば結核などの治療に有効な量である。患者に関する「治療する」または「治療」という用語は、患者の疾患の少なくとも1つの症状を改善することを指す。治療は、疾患を治癒、改善、または少なくとも部分的に向上させることであり得る
【0143】
一実施形態において、結核を治療するための方法は、そのような治療を必要とする患者に本明細書に記載の医薬組成物を投与することを含む。特に、医薬組成物は、患者に経口的に投与することができる。
【0144】
一実施形態において、結核を治療するための方法は、治療上有効な量の結核の治療に有効な医薬品有効成分(API)をそれぞれに含む、1つまたは複数の別個の剤形を患者に併用投与することをさらに含む。このような併用投与は、同時または連続的でもよい。好適な別個の剤形は、ベダキリン(例えば、Sirturo(登録商標)錠剤としてのフマル酸ベダキリン、100mgベース、Janssen Therapsから入手可能)、モキシフロキサシン(例えば、Avelox(登録商標)経口錠剤としてのモキシフロキサシン塩酸塩、400mgベース、Bayer Healthcare Pharma.Inc.から入手可能)、リネゾリド(例えば、Zyvox(登録商標)経口錠剤として、600mg、Pharmacia and Upjohn Company LLCから入手可能)、ピラジナミド(例えば、ピラジナミド経口錠剤、500mg、Akorn Inc.から入手可能)、または上述のものの薬学的に許容可能な塩からなる群から選択されるAPIを含有する商業的に入手可能な剤形から選択されてもよい。
【0145】
1つの特定の実施形態において、フマル酸ベダキリン錠剤およびリネゾリド経口錠剤が、本明細書のプレトマニド製剤と併用投与される。別の実施形態において、フマル酸ベダキリン錠剤、モキシフロキサシン塩酸塩経口錠剤、およびピラジナミド経口錠剤が、本明細書のプレトマニド製剤と併用投与される。
【0146】
本明細書においてAPIの治療上有効な量としては、50mg~2000mgのピラジナミド、10mg~800mgのモキシフロキサシン、10mg~400mgプレトマニド(例えば、100mgまたは200mg);100mg~2000mgのリネゾリド(例えば、600mgまたは1200mg);および10mg~400mgのベダキリン(例えば、200mgまたは400mg)の範囲の1日用量を挙げることができる。モキシフロキサシンおよびベダキリンの量は、遊離塩基に基づいて計算することができるが、等量のフマル酸ベダキリンおよび/またはモキシフロキサシン塩酸塩として存在してもよい。
【0147】
本開示の治療方法は、結核の治療に十分な期間または頻度で、本明細書に記載の医薬組成物を投与することをさらに含んでもよい。例えば、治療上有効な量のプレトマニド、例えば200mgのプレトマニドを1日1回26週間経口投与してもよい。治療方法は、ベダキリン剤形およびリネゾリド剤形の併用投与をさらに含んでもよい。例えば、1つの非限定的な実施形態によれば、治療方法は、400mg(ベース)のベダキリンを含む剤形を1日1回2週間、続いて200mg(ベース)のベダキリンを含む剤形を1週あたり3回(投与の間に少なくとも48時間)合計26週間経口投与し、かつ毎日1200mgのリネゾリドを含む剤形を最大26週間経口投与することをさらに含む。ある非限定的な実施形態によれば、プレトマニド-ベダキリン-リネゾリドレジメンの逃してしまった投与は、治療の終わりに補うことができる。
【0148】
いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、薬剤感受性結核(DS-TB)の治療に使用することができる。DS-TBとは、いかなる結核薬にも耐性のない結核を意味する。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、多剤耐性結核(MDR-TB)の治療に使用することができる。MDR-TBとは、最も重要な第一選択結核薬であるイソニアジド(INH)およびリファンピン(RIF)の2つに耐性のある細菌によって引き起こされる結核を意味する。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、超多剤耐性結核(XDR-TB)の治療に使用することができる。XDR-TBは、INHおよびRIFに耐性があり、さらにシプロフロキサシン、レボフロキサシン、オフロキサシン、またはスパルフロキサシンなどの何らかのフルオロキノロン、およびアミカシン、カナマイシン、またはカプレオマイシンなどの3つの注射可能な第二選択薬の少なくとも1つに耐性がある、珍しいタイプのMDR-TBを意味する。
【0149】
以下の実施例は、本開示の発明の一般的な原理を実証するために提示されている。本発明は、提示された特定の実施例に限定されると見なされるべきではない。実施例のすべての部分およびパーセンテージは、特に明記しない限り、医薬組成物の総重量に基づくパーセント重量である。
【実施例0150】
実施例1 プレトマニド組成物
表2は、本開示の例示的組成例(実施例1)を示す。
【0151】
【表2】
【0152】
製造手順
1.乾燥顆粒内原料(プレトマニド、ラクトース一水和物、微結晶セルロース、およびデンプングリコール酸ナトリウム)を#16 ASTMに通し、ポリバッグに回収した。
2.必要な量の水をビーカーに移した。ポビドン(K-30)を精製水に分散させ、透明な溶液が形成されるまで撹拌した。ラウリル硫酸ナトリウムをポビドン溶液に加え、透明な結合剤溶液が形成されるまで撹拌した。空気の閉じ込めを避けるように注意が払われた。
3.ステップ1のふるいにかけた原料を、高速混合造粒機に移した。
4.ステップ3のブレンドを5分間乾式混合した。
5.ステップ2の結合剤溶液を、インペラ速度を変えながら、ステップ4のブレンドに移した。
6.ステップ5の湿った塊を、計画に従ってさまざまなインペラ速度でさまざまな時間混練した。顆粒をポリバッグに排出した。
7.ステップ6の湿った塊を、375Qを使用しながら1200rpmでQuadro co-millに通した。
8.ステップ7の顆粒は、1.5%w/w以下の乾燥損失(LOD)が達成されるまで、流動床乾燥機を使用して50℃の入口空気温度で乾燥した。
9.ステップ8の乾燥顆粒を、50Gふるいを使用しながら1200rpmでQuadro co-millに通した。
10.デンプングリコール酸ナトリウムおよびコロイド状二酸化ケイ素を#20 ASTMふるいに通し、ステップ9の粉砕顆粒とブレンダーで20rpm、10分間ブレンドした。
11.ステアリン酸マグネシウムを#60 ASTMふるい(250μm)に通し、ステップ番号10の顆粒に移した。顆粒をブレンダーで20rpm、4分間滑沢化した。
12.ステップ11の滑沢ブレンドを圧縮して、錠剤を形成した。
【0153】
実施例2 湿式造粒プロセスがプレトマニド錠剤の溶出および崩壊に与える影響
【0154】
【表3】
【0155】
表2(上記)の処方およびプロセスを使用した表3に示す運転#1~8において、水の取込量(30~60%)、混練時間(2~10分)、およびインペラ速度(50~200rpm)における変動の要因計画配置で、得られた顆粒およびそれらから形成された錠剤(表2)への影響を調べた。
【0156】
水取込量の%が増加するにつれて、#60 ASTM上に保持される顆粒の%の対応する増加が認められ、これは、混練時間を増加させることによってさらに強化された。同様に、インペラ速度の増加に伴い水取込量を増加させると、#60 ASTM上に保持される顆粒の%が大幅に増加した。インペラ速度の影響は、混練時間の影響よりも比較的大きかった。水取込量の%、混練時間、およびインペラ速度の増加もまた、顆粒のかさ密度において対応する増加を示した。一定のインペラ速度では、残りの2つの要因(水取込量の%および混練時間)の両方の増加に伴い、溶出速度が大幅に低下した。同様に、一定の混練時間では、インペラ速度の増加に伴って溶出速度が低下したが、これは水取込量の増加により大幅に促進された。一定の水取込量において、混練時間およびインペラ速度の増加に伴い、溶出速度が低下した。
【0157】
特に、顆粒(滑沢前)のかさ密度が約0.53g/mL未満であり、#60(ASTM)ふるいへの保持が約30%未満であったときに、改善された崩壊(3分未満)および溶出(10分間で70%超(0.5%HDTMAの0.1N HCL溶液中、USP-II(パドル)、75rpm、1000mL))の両方が認められた。
【0158】
実施例3 バルクでのプレトマニド錠の製剤化およびプロセス
60.0kgの共通ブレンドの1バッチは、表2の組成を有し、以下に従って製造された。
【0159】
ふるいがけ
プレトマニド、ラクトース一水和物(噴霧乾燥グレード;SuperTab(登録商標)11SD、DFE Pharma、ゴッホ、ドイツ)、微結晶セルロース(Avicel(登録商標)PH-102)、顆粒内デンプングリコール酸ナトリウム(Type-A)を、75Rふるいを取り付けたQuadroシフターに700RPMの速度で通して同時にふるいにかけ、ふるいにかけた原料を二重のポリバッグを敷いた容器に回収した。
【0160】
コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil 200)および顆粒外デンプングリコール酸ナトリウム(Type-A)を、55Rふるいを取り付けたQuadroシフターに700RPMの速度で通して同時にふるいにかけ、ふるいにかけた原料を二重のポリバッグを敷いた容器に回収した。
【0161】
ステアリン酸マグネシウムは、18Rふるいを取り付けたQuadroシフターに700RPMの速度で通してふるいにかけ、ふるいにかけた原料を二重のポリバッグを敷いた容器に回収した。
【0162】
原料には、ふるいをかける前後で塊および異物はなかった。
【0163】
乾式混合
ふるいにかけたプレトマニド、ラクトース一水和物(SuperTab(登録商標)11SD)、微結晶セルロース(Avicel(登録商標)PH-102)、顆粒内デンプングリコール酸ナトリウム(Type-A)を高せん断ミキサー造粒機(高速ミキサー造粒機-RMG)に投入し、60RPMのインペラ速度およびチョッパーなしで、適切なブレンドの均一性が得られるまで5~15分間混合した。
【0164】
湿式造粒
結合剤溶液は、透明な溶液が形成されるまで空気圧式攪拌機を使用して撹拌しながら、精製水にポビドン(PVP K-30)を加えることによって調製した。ラウリル硫酸ナトリウム(Texapon K12 P)を上記の溶液に加え、透明な溶液が形成されるまで撹拌した。結合剤溶液を高速ミキサー造粒機内の乾燥混合原料に3分間かけて添加し(注いだ、必要量のために噴霧せず)、続いて60RPMのインペラ速度およびチョッパーなしで6分間混練した。造粒プロセスの最後に良好な手触り(texture)の顆粒が得られ、これは湿った塊の一部を取り、手で圧縮し、指で容易に分割することができた場合に評価された。
【0165】
湿式粉砕
50RPMのインペラ速度を使用して、上記のステップの湿潤顆粒を、インラインQuadro Comilに取り付けた250Qふるいに720RPMで通し、粉砕された顆粒を、乾燥のために真空搬送システムを介して流動床装置に直接移送した。
【0166】
乾燥
湿潤顆粒を流動床装置で乾燥させた。乾燥プロセス中に記録されたパラメータを表4および5に示す。
【0167】
【表4】
【0168】
【表5】
【0169】
乾燥後、試料を回収し、乾燥損失(LOD)を測定した。回収した試料の乾燥損失は2.0%w/w未満であり、1.18~1.36%の範囲であった。
【0170】
乾式粉砕
上記のステップの乾燥顆粒を、Quadro Comilに取り付けた50Gふるいに700RPMで通過させ、粉砕された顆粒を、二重のポリバッグを敷いた容器に回収した。粉砕後、プールされた1試料を回収し、粒度分布を分析した。詳細を表6に示す。
【0171】
【表6】
【0172】
乾燥顆粒はQuadro Comilを容易に通過し、Quadro Comilに取り付けたふるいに残ったものはなかった。#60(250μm)および#200(75μm)ふるいに保持された累積重量%は、それぞれ14.8%および84.9%であった。
【0173】
粉砕された顆粒は、ふるいにかけられた顆粒外原料(コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(登録商標)200)およびデンプングリコール酸ナトリウム(Type-A))と、10RPMのビンブレンダーで3~7分の間の適切な時間ブレンドした。ふるいにかけたステアリン酸マグネシウムをビンブレンダー内の予備滑沢顆粒に加え、2~6分の間の適切な時間滑沢化した。4分間の滑沢化後、かさ密度、粒度分布、乾燥損失(LOD)、および含有率の測定のための試料を取り出した。観察結果を表7に示す。
【0174】
【表7】
【0175】
滑沢ブレンドは2つ、すなわち、パートA:プレトマニド錠100mg用のブレンド20.00kg、およびパートB:プレトマニド錠200mg用のブレンド40.00kgに分けた。
【0176】
100mg錠
滑沢ブレンド(パートA)を、14.5×5.6mmの修正カプセル形状の深い凹型パンチを使用してプレトマニド錠100mgに圧縮した。対応するダイにより片側に「T100」がエンボス加工され、反対側は無地である。
【0177】
プレトマニド錠100mgは、30ステーションの圧縮機で、2つの異なる圧縮速度、300錠毎分(TPM)および1500TPMで圧縮した。それぞれの圧縮速度で試料を回収し、外観(description)、重量変化、崩壊時間、厚さ、硬度、および摩損度について試験した。プールされた試料をそれぞれの圧縮速度から回収し、10個を選択し、投与単位の均一性について試験した。結果を表8に示す。
【0178】
【表8】
【0179】
300TPMから1500TPMの範囲内での圧縮速度の変化は、圧縮錠剤の硬度、厚さ、重量の均一性、崩壊、摩損度、および内容物の均一性に大きな影響を与えなかった。許容値は、どちらの速度も5.0未満である。
【0180】
プレトマニド錠100mgを、30ステーションの圧縮機で900TPMの目標速度で圧縮した。錠剤の特性に対する硬度の影響を評価するために、錠剤をさまざまな硬度で圧縮した。
【0181】
試料を回収し、外観、重量変化、厚さ、崩壊時間、および摩損度について試験した。プールされたサンプルを各硬度範囲から回収し、溶出について試験した。結果を以下の表9および10に示す。溶出媒体は、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液、USP-II装置、75rpmのパドル撹拌機、1000mL体積であった。
【0182】
【表9】
【0183】
【表10】
【0184】
200mg錠
滑沢ブレンド(パートB)を、17.9× 8.9mmの楕円形の凹型パンチを使用し、プレトマニド錠200mgに圧縮した。対応するダイにより片側に「T200」がエンボス加工され、反対側は無地である。
【0185】
プレトマニド錠200mgは、30ステーションの圧縮機で2つの異なる圧縮速度、300TPMおよび1500TPMで圧縮した。それぞれの圧縮速度で試料を回収し、外観、重量変化、硬度、厚さ、崩壊時間(DT)、および摩損度について試験した。プールされた試料をそれぞれの圧縮速度から回収し、10個を選択し、投与単位の均一性について試験した。結果を表11に示す。
【0186】
【表11】
【0187】
300TPMから1500TPMの範囲内での圧縮速度の変化は、圧縮錠剤の硬度、厚さ、重量の均一性、崩壊、摩損度、および内容物の均一性に大きな影響を与えなかった。許容値は、どちらの速度も5.0未満である。
【0188】
プレトマニド錠200mgを、30ステーションの圧縮機で900TPMの目標速度で圧縮した。錠剤の特性に対する硬度の影響を評価するために、錠剤をさまざまな硬度で圧縮した。試料を回収し、外観、重量変化、厚さ、崩壊時間、および摩損度について試験した。プールされた試料をそれぞれの硬度範囲から回収し、溶出について試験した。結果を以下の表12および13に示す。溶出媒体は、0.5%HDTMAの0.1N HCl溶液、USP-II(パドル)、75rpm、1000mLであった。
【0189】
【表12】
【0190】
【表13】
【0191】
実施例4 薬物動態分析
表14および15は、高カロリー、高脂質の食事の約30分後に投与された場合(摂食状態)および最低10時間の絶食後に投与された場合(絶食状態)の、健康な成人男性および女性被験者における本発明の医薬組成物(錠剤形態のプレトマニド200mg)の単回経口投与のTmax、Cmax、AUCt、およびAUCによって測定される吸収の速度および程度を示す。摂食状態の被験者には、USFDAのガイダンスに従って、標準的な高カロリー、高脂質の食事が提供され、それは「バターで焼いた目玉焼き2枚、ベーコン2枚、バター付きトースト2枚、ハッシュブラウンポテト4オンス、および全乳8オンス」である。食事が、タンパク質、炭水化物、および脂質から同程度のカロリーを提供し、同等の食事量および粘度を有する限り、代替が許可された。絶食状態の被験者は、各投与の前に最低10時間をオーバーナイトで、その後少なくとも4時間の絶食を要求され、投与の1時間前から1時間後まで水分を排除された。
【0192】
被験者16例を2つの処置グループに分けた。グループ1は、絶食状態で200mgのプレトマニドを1回投与され、約8日後に摂食状態でプレトマニドをもう1回投与された。グループ2はグループ1と並行して投与されたが、逆の順序で、すなわち最初に摂食状態で、次に絶食状態で投与された。両グループが収容され、並行して処置された。各グループには約4人の男性および4人の女性がいた。被験者は240mLの水で投薬を受け、240mLの水すべてを飲むことを要求された。
【0193】
表14および15に示す各薬物動態パラメータは、WinNonlin ProfessionalなどのPKソフトウェアを使用し、非コンパートメントアプローチを適用することにより、絶食状態対摂食状態における投与後のプレトマニドの血漿濃度を使用して、個別に決定された。血液試料(10ml)は、次の時間:投与前、1日目および9日目の投与後0.5、1、2、3、4、6、8、12、および16時間、1日目および9日目の投与後24時間および36時間(すなわち、2日目および10日目)、並びに3日目から5日目および11日目から13日目の毎日の投薬が行われたであろうおおよその時間に回収された。血漿サンプルは、LC/MS/MS(液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析)法を使用してプレトマニドについて分析した。
【0194】
「Cmax」は、観察された最大薬物濃度を意味する。「Tmax」は、最大薬物濃度の観測時間(内挿なしで取得)を意味する。「AUCt」は、時間ゼロから時間tまでの線形台形の積算を使用して計算された薬物濃度-時間曲線下面積を意味し、式中、tは最後の測定可能な濃度(Ct)の時間である。「AUC」は、時間ゼロから無限大までの薬物濃度-時間曲線下面積を意味し、AUC=AUCt+Ct/Kelである。「Kel」は、log濃度対時間曲線の消失相の直線部分の線形回帰によって計算されたみかけの消失速度定数を意味する。表14および15に示すように、各パラメータの算術平均および%CV(変動係数)が、摂食状態および絶食状態について決定された。
【0195】
【表14】
【0196】
【表15】
【0197】
本発明の特定の実施形態は、例示の目的のために上記で説明されてきたが、当業者には、本発明の詳細の多数の変更が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱することなく行われ得ることが明らかであろう。