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特開2024-4210バッテリの接続構造、及び当該バッテリの接続構造を備えた電動作業機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004210
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】バッテリの接続構造、及び当該バッテリの接続構造を備えた電動作業機
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20240109BHJP
   H01R 11/12 20060101ALI20240109BHJP
   H01R 4/34 20060101ALI20240109BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20240109BHJP
   H01M 50/202 20210101ALI20240109BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01R11/12 D
H01R4/34
H01M50/296
H01M50/202 401D
H01M10/48 P
H01M10/48 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103748
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丹波 大樹
(72)【発明者】
【氏名】河端 真一
(72)【発明者】
【氏名】高木 貴大
【テーマコード(参考)】
3D235
5E012
5H030
5H040
【Fターム(参考)】
3D235AA14
3D235BB25
3D235CC12
3D235CC13
3D235CC14
3D235DD12
3D235DD33
5E012BA12
5H030AA10
5H030AS08
5H030FF26
5H030FF27
5H040AA36
5H040AS06
5H040AY03
5H040DD26
(57)【要約】
【課題】バッテリの着脱を繰り返した場合に、当該バッテリに設けられたコネクタの劣化することを抑制する。
【解決手段】バッテリの接続構造は、電動作業機に着脱可能に設けられたバッテリの第1コネクタに対して、取り外し可能に接続される第2コネクタを有する第1伝達部と、電動作業機に設けられ且つバッテリから電力を供給される電気機器と電気的に接続された第2伝達部と、第1伝達部と第2伝達部とを電気的に接続する接続装置と、を備え、第1伝達部は、第1開口部が形成され、且つ第2コネクタと電気的に接続された第1端子を有し、接続装置は、第1開口部に挿通される第1軸部材を含み、且つ第2伝達部と電気的に接続された第2端子と、第1軸部材に取り付けられて、第1端子と第2端子とを固定し、第1軸部材から取り外されることで、第1端子と第2端子との固定を解除する第1固定具と、を有している。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動作業機に着脱可能に設けられたバッテリの第1コネクタに対して、取り外し可能に接続される第2コネクタを有する第1伝達部と、
前記電動作業機に設けられ且つ前記バッテリから電力を供給される電気機器と電気的に接続された第2伝達部と、
前記第1伝達部と前記第2伝達部とを電気的に接続する接続装置と、
を備え、
前記第1伝達部は、第1開口部が形成され、且つ前記第2コネクタと電気的に接続された第1端子を有し、
前記接続装置は、
前記第1開口部に挿通される第1軸部材を含み、且つ前記第2伝達部と電気的に接続された第2端子と、
前記第1軸部材に取り付けられて、前記第1端子と前記第2端子とを固定し、前記第1軸部材から取り外されることで、前記第1端子と前記第2端子との固定を解除する第1固定具と、
を有しているバッテリの接続構造。
【請求項2】
前記第1伝達部は、
複数の前記第1端子と、
前記第1開口部の開口方向に直交する方向に、複数の前記第1端子をそれぞれ離間して支持する支持部と、
を有し、
前記接続装置は、複数の前記第1端子にそれぞれ対応する複数の前記第2端子を有している請求項1に記載のバッテリの接続構造。
【請求項3】
複数の前記第1端子のうち、正極の前記第1端子の前記第1開口部の内径と、負極の前記第1端子の前記第1開口部の内径と、は大きさが異なっており、
前記第1軸部材の外径は、前記第1開口部の内径の大きさに対応しており、
正極の前記第1端子の前記第1開口部に挿通される前記第1軸部材の外径と、負極の前記第1端子の前記第1開口部に挿通される前記第1軸部材の外径と、は大きさが異なっている請求項2に記載のバッテリの接続構造。
【請求項4】
前記第1軸部材は、スタッドボルトであり、
前記第1固定具は、前記第1軸部材に締結されるナットである請求項1~3のいずれか1項に記載のバッテリの接続構造。
【請求項5】
前記第1端子は、丸形端子である請求項4に記載のバッテリの接続構造。
【請求項6】
前記第2伝達部は、
前記電気機器の第3コネクタに対して、取り外し可能に接続される第4コネクタと、
第2開口部が形成され、且つ前記第4コネクタと電気的に接続された第3端子と、
を有し、
前記接続装置は、
前記第2開口部に挿通される第2軸部材を含み、且つ前記第2端子と電気的に接続された第4端子と、
前記第2軸部材に取り付けられて、前記第3端子と前記第4端子とを固定し、前記第2軸部材から取り外されることで、前記第3端子と前記第4端子との固定を解除する第2固定具と、
を有している請求項1に記載のバッテリの接続構造。
【請求項7】
前記第2軸部材は、スタッドボルトであり、
前記第2固定具は、前記第2軸部材に締結されるナットである請求項6に記載のバッテリの接続構造。
【請求項8】
前記第2伝達部は、
前記電気機器の第3コネクタに対して、取り外し可能に接続される第4コネクタと、
第2開口部が形成され、且つ前記第4コネクタと電気的に接続された第3端子と、
を有し、
前記第1軸部材は、前記第1開口部及び前記第2開口部が挿通され、
前記第1固定具は、前記第1端子、前記第2端子、及び前記第3端子を固定接続する請求項1に記載のバッテリの接続構造。
【請求項9】
前記第2端子は、丸形端子である請求項6~8のいずれか1項に記載のバッテリの接続構造。
【請求項10】
請求項1に記載のバッテリの接続構造と、
前記電気機器と、
前記電気機器が設けられた車体と、
前記バッテリを前記車体に着脱可能に取り付ける取付部と、
前記車体に設けられ、且つ前記バッテリから供給された電力によって駆動する電動モータと、
を備えている電動作業機。
【請求項11】
前記接続装置に設けられ、且つ前記第2端子又は当該第2端子の近傍の温度を検出する温度検出部と、
前記温度検出部が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、作業者に報知を行う報知装置と、
を備えている請求項10に記載の電動作業機。
【請求項12】
前記電動モータを制御する制御装置と、
前記接続装置に設けられ、且つ前記第2端子又は当該第2端子の近傍の温度を検出する温度検出部と、
を備え、
前記電気機器は、前記バッテリから前記電動モータに供給する電力を制御するインバータを含み、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、前記インバータを制御して、前記電動モータに供給する電力を低減する請求項10に記載の電動作業機。
【請求項13】
前記車体に設けられ、且つ前記電動モータが発生させた動力によって駆動する走行装置と、
前記車体に設けられ、且つ前記電動モータが発生させた動力によって駆動する作業装置と、
前記走行装置及び前記作業装置を制御する制御装置と、
前記接続装置に設けられ、且つ前記第2端子又は当該第2端子の近傍の温度を検出する温度検出部と、
を備え、
前記制御装置は、前記温度検出部が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、前記走行装置の駆動を許可し、前記作業装置の駆動を制限する請求項10に記載の電動作業
機。
【請求項14】
前記第2伝達部は、前記電気機器の第3コネクタに対して、取り外し可能に接続される第4コネクタを有し、
前記電気機器は、前記バッテリから供給された電力によって前記電動モータを駆動させるインバータ、及び前記バッテリから供給された電力の電圧を変換するDC/DCコンバータのいずれかを含んでいる請求項10~13のいずれか1項に記載の電動作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの接続構造、及び当該バッテリの接続構造を備えた電動作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された電動トラクタや、特許文献2に開示された電動バックホーが知られている。
特許文献1に開示された電動トラクタは、走行装置を駆動する電動モータと、バッテリと、バッテリからの電力を電動モータへ供給するインバータと、を備えている。
また、特許文献2に開示された電動バックホーは、油圧ポンプと、油圧ポンプを駆動する電動モータと、電動モータに電力を供給するバッテリと、を備え、バッテリは、主二次電池と、旋回台フレームに着脱可能な補助二次電池と、を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-60665号公報
【特許文献2】特開2014-237943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された電動トラクタのように、バッテリからの電力によって駆動する作業機の場合、負荷が大きい作業を行う場合には、バッテリに蓄電されている電力を大きく消費することで、作業の途中でバッテリの充電が必要となることがある。このため、充電時間を削減するために、特許文献2に開示された電動バックホーのように、バッテリ(補助二次電池)を着脱可能な作業機がある。
【0005】
しかしながら、バッテリを着脱可能なものとした場合、当該バッテリを取り付けたり、取り外したりする際に、バッテリのコネクタと、当該バッテリから電力を取り出すハーネス等のコネクタと、を挿抜する必要があり、バッテリを着脱するたびにコネクタを挿抜することで当該コネクタが劣化することがある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、バッテリの着脱を繰り返した場合に、当該バッテリに設けられたコネクタの劣化することを抑制できるバッテリの接続構造、及び当該バッテリの接続構造を備えた電動作業機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るバッテリの接続構造は、電動作業機に着脱可能に設けられたバッテリの第1コネクタに対して、取り外し可能に接続される第2コネクタを有する第1伝達部と、前記電動作業機に設けられ且つ前記バッテリから電力を供給される電気機器と電気的に接続された第2伝達部と、前記第1伝達部と前記第2伝達部とを電気的に接続する接続装置と、を備え、前記第1伝達部は、第1開口部が形成され、且つ前記第2コネクタと電気的に接続された第1端子を有し、前記接続装置は、前記第1開口部に挿通される第1軸部材を含み、且つ前記第2伝達部と電気的に接続された第2端子と、前記第1軸部材に取り付けられて、前記第1端子と前記第2端子とを固定し、前記第1軸部材から取り外されることで、前記第1端子と前記第2端子との固定を解除する第1固定具と、を有している。
【0007】
前記第1伝達部は、複数の前記第1端子と、前記第1開口部の開口方向に直交する方向に、複数の前記第1端子をそれぞれ離間して支持する支持部と、を有し、前記接続装置は、複数の前記第1端子にそれぞれ対応する複数の前記第2端子を有していてもよい。
複数の前記第1端子のうち、正極の前記第1端子の前記第1開口部の内径と、負極の前記第1端子の前記第1開口部の内径と、は大きさが異なっており、前記第1軸部材の外径は、前記第1開口部の内径の大きさに対応しており、正極の前記第1端子の前記第1開口部に挿通される前記第1軸部材の外径と、負極の前記第1端子の前記第1開口部に挿通さ
れる前記第1軸部材の外径と、は大きさが異なっていてもよい。
【0008】
前記第1軸部材は、スタッドボルトであり、前記第1固定具は、前記第1軸部材に締結されるナットであってもよい。
前記第1端子は、丸形端子であってもよい。
前記第2伝達部は、前記電気機器の第3コネクタに対して、取り外し可能に接続される第4コネクタと、第2開口部が形成され、且つ前記第4コネクタと電気的に接続された第3端子と、を有し、前記接続装置は、前記第2開口部に挿通される第2軸部材を含み、且つ前記第2端子と電気的に接続された第4端子と、前記第2軸部材に取り付けられて、前記第3端子と前記第4端子とを固定し、前記第2軸部材から取り外されることで、前記第3端子と前記第4端子との固定を解除する第2固定具と、を有していてもよい。
【0009】
前記第2軸部材は、スタッドボルトであり、前記第2固定具は、前記第2軸部材に締結されるナットであってもよい。
前記第2伝達部は、前記電気機器の第3コネクタに対して、取り外し可能に接続される第4コネクタと、第2開口部が形成され、且つ前記第4コネクタと電気的に接続された第3端子と、を有し、前記第1軸部材は、前記第1開口部及び前記第2開口部が挿通され、前記第1固定具は、前記第1端子、前記第2端子、及び前記第3端子を固定接続してもよい。
【0010】
前記第2端子は、丸形端子であってもよい。
電動作業機は、バッテリの接続構造と、前記電気機器と、前記電気機器が設けられた車体と、前記バッテリを前記車体に着脱可能に取り付ける取付部と、前記車体に設けられ、且つ前記バッテリから供給された電力によって駆動する電動モータと、を備えている。
前記接続装置に設けられ、且つ前記第2端子又は当該第2端子の近傍の温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、作業者に報知を行う報知装置と、を備えていてもよい。
【0011】
電動作業機は、前記電動モータを制御する制御装置と、前記接続装置に設けられ、且つ前記第2端子又は当該第2端子の近傍の温度を検出する温度検出部と、を備え、前記電気機器は、前記バッテリから前記電動モータに供給する電力を制御するインバータを含み、前記制御装置は、前記温度検出部が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、前記インバータを制御して、前記電動モータに供給する電力を低減してもよい。
【0012】
電動作業機は、前記車体に設けられ、且つ前記電動モータが発生させた動力によって駆動する走行装置と、前記車体に設けられ、且つ前記電動モータが発生させた動力によって駆動する作業装置と、前記走行装置及び前記作業装置を制御する制御装置と、前記接続装置に設けられ、且つ前記第2端子又は当該第2端子の近傍の温度を検出する温度検出部と、を備え、前記制御装置は、前記温度検出部が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、前記走行装置の駆動を許可し、前記作業装置の駆動を制限してもよい。
【0013】
前記第2伝達部は、前記電気機器の第3コネクタに対して、取り外し可能に接続される第4コネクタを有し、前記電気機器は、前記バッテリから供給された電力によって前記電動モータを駆動させるインバータ、及び前記バッテリから供給された電力の電圧を変換するDC/DCコンバータのいずれかを含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、バッテリの着脱を繰り返した場合に、当該バッテリに設けられたコネクタの劣化することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】電動作業機(トラクタ)の側面図である。
図2】電動作業機のシステム全体を示す図である。
図3A】第1実施形態のバッテリ、電気機器、及びバッテリの接続構造の概要を説明する図である。
図3B】第1実施形態のバッテリの接続構造の斜視図である。
図3C】第1実施形態の接続装置への第1伝達部の取り付けを説明する斜視図である。
図4A】第1実施形態の接続装置及び第1伝達部を示す平面図である。
図4B】第1実施形態の接続装置及び第2伝達部を示す平面図である。
図5】第2実施形態のバッテリ、電気機器、及びバッテリの接続構造の概要を説明する図であ
図6】第3実施形態のバッテリ、電気機器、及びバッテリの接続構造の概要を説明する図である。
図7A】第4実施形態のバッテリ、電気機器、及びバッテリの接続構造の概要を説明する図である。
図7B】第4実施形態のバッテリの接続構造の斜視図である。
図7C】第4実施形態の接続装置への第1伝達部及び第2伝達部の取り付けを説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、電動作業機1の一実施形態を示す側面図である。本実施形態の場合、電動作業機1は、バッテリ40aから供給された電力によって駆動するトラクタである。なお、電動作業機1は、トラクタに限定されず、コンバインや移植機等の農業機械(農業車両)であってもよいし、バックホーやローダ作業機等の建設機械(建設車両)等であってもよい。
【0017】
図1に示すように、電動作業機1は、車体2を備えている。車体2には、作業者が着座する運転席7が設けられている。本実施形態においては、以下、電動作業機1の運転席7に着座した作業者が向く方向(図1の矢印A1方向)を前方、その反対方向(図1の矢印A2方向)を後方、作業者の左側(図1の手前側)を左方、作業者の右側(図1の奥側)を右方として説明する。
【0018】
図2は、電動作業機1のシステム全体を示す図である。図1図2に示すように、電動作業機1は、バッテリユニット40と、電動モータ45と、電気機器50と、走行装置4と、変速装置5と、作業装置6と、を備えている。バッテリユニット40、電動モータ45、電気機器50、走行装置4、変速装置5、及び作業装置6は、車体2に設けられている。
【0019】
バッテリユニット40は、蓄電可能であり、蓄電した電力を出力する構造体である。バッテリユニット40は、ハウジング(筐体)40bの内部にバッテリ40aを有している。バッテリ40aは、蓄電可能であり、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池等の二次電池である。バッテリ40aは、内部に複数のセルを有しており、複数のセルが電気的に直列及び並列に接続されている。
【0020】
バッテリ40aは、BMU(battery management unit)40a1を有している。BMU40a1は、バッテリ40aを監視及び制御するバッテリ監視装置である。このため、BMU40a1は、例えばバッテリ40aの電圧、温度、電流、内部のセルの端子電圧等を取得でき、バッテリ40aを監視することができ、バッテリ40aの充電制御及び放電制御を行うことができる。
【0021】
また、電動作業機1は、バッテリ40aを車体2に着脱可能に取り付ける取付部を備えており、本実施形態においては、車体2に設けられたバッテリユニット40の筐体40bが取付部を兼用している。バッテリ40aは、ボルト等の締結部材や、バッテリ40aの筐体に対する相対移動を規制する固定部材(図示略)によって、取付部(筐体)40bに着脱可能に取り付けられている。
【0022】
なお、図2に示す例において、バッテリユニット40が単一のバッテリ40aを有している場合を示しているが、バッテリユニット40は、並列又は直列に接続された複数のバッテリ40aを有していてもよい。
電動モータ45は、バッテリ40a(バッテリユニット40)から供給された電力によって駆動する。電動モータ45は、電動作業機1の駆動源である。電動モータ45は、バッテリ40aから供給された電力によって駆動軸(図示略)を回転させる。電動モータ45は、永久磁石埋込式の三相交流同期モータである。電動モータ45は、回転可能なロータ(回転子)と、ロータを回転させるための力を発生させるステータ(固定子)と、を有する。
【0023】
電気機器50は、バッテリ40a(バッテリユニット40)と接続された電装品などの機器である。詳しくは、電気機器50は、バッテリ40aと直接的又は間接的に接続され、バッテリ40aが供給する電力を他の機器に伝達する機器や、当該電力によって動作する機器等である。電気機器50は、例えばインバータ51及びDC/DCコンバータ52を含んでいる。
【0024】
インバータ51は、バッテリ40a及び電動モータ45と接続されている。インバータ51は、電動モータ45を駆動させる装置であり、バッテリ40aが供給する直流電力を三相交流電力に変換して電動モータ45に供給する。即ち、電動モータ45は、インバータ51を介してバッテリ40aと接続されている。なお、インバータ51は、電動モータ45に供給する電力の電流や電圧を任意に変更可能である。
【0025】
DC/DCコンバータ52は、バッテリ40aと接続されており、バッテリ40aから供給された直流電力の電圧を異なる電圧に変換する。本実施形態において、DC/DCコンバータ52は、入力された電圧から低い電圧に変換を行う降圧コンバータである。DC/DCコンバータ52は、例えば電動作業機1に設けられた電子機器に電源を供給する車載バッテリ55に電力の供給を行う。
【0026】
なお、電気機器50は、インバータ51及びDC/DCコンバータ52に限定されず、バッテリ40aと電気的に接続された電装品であればよく、電動作業機1に設けられた充電器53を含んでいてもよい。充電器53は、バッテリ40aに充電を行うケーブルが接続されるソケットである。バッテリ40aは、充電器53を介して外部から供給される電力によって充電可能である。以下、説明の都合上、電気機器50は、インバータ51及びDC/DCコンバータ52を例に説明する。
【0027】
走行装置4は、電動モータ45が発生させた動力によって駆動する装置である。図1に示すように、走行装置4は、回転駆動する前輪4A及び後輪4Bを有する装置であり、車体2は、走行装置4によって走行可能である。なお、前輪4A及び後輪4Bは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。
変速装置5は、電動モータ45の駆動軸と接続されている。このため、電動モータ45が出力した動力は、変速装置5に伝達され、当該変速装置5で変速された動力によって走行装置4が駆動する。変速装置5には、電動モータ45が出力した動力を外部に出力する出力軸(PTO軸)16が設けられている。PTO軸16は、車体2の後部から後方に突出して設けられている。
【0028】
図2に示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、主変速部5bと、副変速部5cと、シャトル部5dと、PTO動力伝達部5eとを備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケースに回転自在に支持され、当該推進軸5aには、電動モータ45の駆動軸からの動力が伝達される。主変速部5bは、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。主変速部5bは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、推進軸5aから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
【0029】
副変速部5cは、主変速部5bと同様に、複数のギア及び当該ギアの接続を変更するシフタを有している。副変速部5cは、複数のギアの接続(噛合)をシフタで適宜変更することによって、主変速部5bから入力された回転を変更して出力する(変速する)。
シャトル部5dは、シャトル軸12と、前後進切換部13とを有している。シャトル軸12には、副変速部5cから出力された動力がギア等を介して伝達される。前後進切換部13は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸12の回転方向、即ち、電動作業機1の前進及び後進を切り換える。
【0030】
PTO動力伝達部5eは、PTO推進軸20と、PTOクラッチ21とを有している。PTO推進軸20は、回転自在に支持され、推進軸5aからの動力が伝達可能である。PTO推進軸20は、ギア等を介してPTO軸16に接続されている。PTOクラッチ21は、推進軸5aの動力をPTO推進軸20に伝達する第1動作と、推進軸5aの動力をP
TO推進軸20に伝達しない第2動作とに切換可能なクラッチである。具体的には、PTOクラッチ21は、油圧クラッチで構成され、PTO推進軸20と一体回転可能なハウジング21aと、推進軸5aと一体回転自在なクラッチ部材21bと、作動油によりハウジング21a内を移動自在なピストン21cとを有している。
【0031】
したがって、ピストン21cを移動させて、クラッチ部材21bをハウジング21aに接合すれば、PTOクラッチ21は第1動作に移行して、電動モータ45からの動力が推進軸5a及びPTOクラッチ21を介してPTO推進軸20に伝達され、当該PTO推進軸20の動力はPTO軸16に伝達される。即ち、PTO軸16は、変速装置5を介して電動モータ45の動力によって駆動する。一方、ピストン21cを移動させて、クラッチ部材21bをハウジング21aから離反すれば、PTOクラッチ21は第2動作に移行して、推進軸5aの動力はPTO推進軸20に伝達されず、推進軸5aの動力が切断状態になる。
【0032】
なお、PTOクラッチ21による動力の伝達(接続)又は切断は、運転席7の近傍に設けられたPTO切換スイッチ32等で行う。例えば、PTO切換スイッチ32をONにすると、ピストン21cに油路を介して接続された作動弁(電磁弁)17のソレノイドが励磁され、PTOクラッチ21が接続状態になる。PTO切換スイッチ32をOFFにすると、作動弁17のソレノイドが消磁され、PTOクラッチ21が切断状態になる。
【0033】
作業装置6は、電動モータ45が発生させた動力によって駆動する装置である。本実施形態において、作業装置6は、PTO軸16から入力された動力によって作動する。作業装置6は、車体2に揺動自在に設けられた連結部8に着脱可能に取り付けられている。作業装置6は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置(ロールベーラ)等である。
【0034】
なお、上述した実施形態では電動モータ45の駆動軸と変速装置5とが接続されており、電動モータ45が出力した動力が変速装置5に伝達され、走行装置4及び作業装置6が変速装置5で変速された動力によって駆動するが、走行装置4及び作業装置6は、電動モータ45が発生させた動力によって駆動すればよく、その構成はこれに限るものではない。
【0035】
例えば、電動作業機1は、変速装置5を備えておらず、走行装置4及び作業装置6に動力を出力する電動モータ45をそれぞれ備え、走行装置4及び作業装置6は、電動モータ45の駆動軸から直接動力を入力される構成であってもよい。
また、電動作業機1は、走行装置4及び作業装置6を駆動させる油圧アクチュエータを備え、電動モータ45の動力によって油圧ポンプを駆動し、油圧ポンプから出力される作動油によって油圧アクチュエータを駆動するようにしてもよい。
【0036】
図2に示すように、電動作業機1は、制御装置30と、記憶装置31と、を備えている。制御装置30は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成された装置であり、電動作業機1が有する様々な機器を制御する。制御装置30は、走行装置4と作業装置6を制御する。また、制御装置30は、運転席7の周囲に設けられた操作可能な操作装置である回転数操作具(アクセルペダル)33の操作に基づいて、電動モータ45の回転数を制御する。
【0037】
記憶装置31は、不揮発性のメモリ等であり、制御装置30の制御に関する様々な情報等を記憶している。例えば、記憶装置31は、回転数操作具33の操作量に対する電動モータ45の回転数に関するテーブル等の情報を記憶している。
図2に示すように、制御装置30は、第1制御部30aと、第2制御部30bと、を有している。第1制御部30a及び第2制御部30bは、制御装置30に設けられた電気・電子部品、及び記憶装置31に組み込まれたプログラム等から構成されている。
【0038】
第1制御部30aは、例えば、インバータ51を制御する車両制御装置である。第1制御部30aは、例えば回転数操作具33の操作及び記憶装置31に記憶されているテーブルに基づいて、インバータ51を制御し、バッテリ40aから電動モータ45に供給され
る電力を制御する。
第2制御部30bは、例えば、作動弁17を制御する車両制御装置である。第2制御部30bは、例えばPTO切換スイッチ32の操作に基づいて、作動弁17のソレノイドの励磁及び消磁を切り換え、PTOクラッチ21を制御する。
【0039】
制御装置30は、例えばCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークN1を介して、BMU40a1、記憶装置31、図示しない他のECUなどの他の装置に接続されている。
図2に示すように、電動作業機1は、バッテリ40aの接続構造60を備えている。バッテリ40aの接続構造60は、バッテリ40a(バッテリユニット40)と電気機器50とを接続する構造体である。図3Aは、第1実施形態のバッテリ40a、電気機器50、及びバッテリ40aの接続構造60の概要を説明する図である。図2図3Aに示すように、バッテリ40aの接続構造60は、第1伝達部70と、第2伝達部80と、接続装置90と、を備えている。
【0040】
第1伝達部70は、バッテリ40aと電気的に接続され、当該バッテリ40aから供給された電力を伝達したり、バッテリ40aへ電力を伝達したりするケーブル(強電ハーネス)である。第1伝達部70は、第1電線71と、第2コネクタ72と、第1端子73と、を有している。
第1電線71は、P、N線を構成する電線であって、第1伝達部70は、複数(一対)の第1電線71を有している。
【0041】
第2コネクタ72は、一対の第1電線71の一端に設けられた接続部材であり、正極の端子(図示略)と負極の端子(図示略)とを含んでいる。第2コネクタ72の正極の端子は、P線を構成する第1電線71と電気的に接続されている。第2コネクタ72の負極の端子は、N線を構成する第1電線71と電気的に接続されている。第2コネクタ72は、バッテリ40aに設けられた第1コネクタ41に対して、取り外し可能に接続されるコネクタ(カプラ)である。
【0042】
第1端子73は、第2コネクタ72と電気的に接続された端子である。具体的には、第1端子73は、第1電線71を介して第2コネクタ72と電気的に接続されている。第1端子73は、導体から形成され、且つ第1電線71の他端に設けられた端子である。第1伝達部70は、正極の第1端子73aと、負極の第1端子73bと、を有している。以下、説明の都合上、正極の第1端子73aを「第1P端子」とし、負極の第1端子73bを「第1N端子」として説明する場合がある。
【0043】
図3Bは、第1実施形態のバッテリ40aの接続構造60の斜視図である。図3Cは、第1実施形態の接続装置90への第1伝達部70の取り付けを説明する斜視図である。図4Aは、第1実施形態の接続装置90及び第1伝達部70を示す平面図である。図3B図3C図4Aに示すように、第1端子73には、第1接続部74と、第1開口部75と、が形成されている。第1接続部74は、第1端子73の基端部を構成し、且つ第1電線71の他端の芯線が挿入される略筒状の部分である。第1接続部74は、圧着工具によってかしめられることで、第1電線71の他端と接続される。第1接続部74には、不導体から形成された絶縁被覆が取り付けられる。
【0044】
第1開口部75は、第1端子73の先端において、当該第1端子73の板面の垂直方向に貫通された貫通孔である。本実施形態において、第1開口部75は、円形の孔である。また、第1端子73の先端は、当該第1開口部75と同心円状の円を描く外縁部が形成されている。即ち、図3B図3C図4Aに示す例において、第1端子73は、丸形端子である。
【0045】
図4Aに示すように、複数の第1端子73のうち、第1P端子73aの第1開口部75の内径R1と、第1N端子73bの第1開口部75の内径R2と、は大きさが異なっている(R1≠R2)。具体的には、第1P端子73aの第1開口部75の内径R1は、第1N端子73bの第1開口部75の内径R2よりも大きく形成されている(R1>R2)。なお、図4Aに示すように、第1端子73は、第1開口部75の大きさに応じて、外縁部の大きさも異なっている。
【0046】
また、第1伝達部70は、支持部(第1支持部)76を有している。第1支持部76は、第1開口部75の開口方向に直交する方向に、複数の第1端子73をそれぞれ離間して支持する部材である。第1支持部76は、不導体から形成されており、第1接続部74が挿通される孔が形成されている。これにより、第1支持部76は、支持する複数の第1端子73の距離を保持することができる。図4Aに示すように、第1支持部76は、第1端子73の第1開口部75の中心と、当該第1端子73に隣接する第1端子73の第1開口部75の中心と、の距離(第1距離)L1が一定となるように保持する。
【0047】
なお、バッテリ40aの接続構造60は、バッテリ40aに対応する第1伝達部70を備えており、図3Aに示す例においては、電動作業機1が単一のバッテリ40aを備えている場合を示しているため、バッテリ40aの接続構造60が備える第1伝達部70は、単一であるが、バッテリユニット40に複数のバッテリ40aが設けられている場合、バッテリ40aの接続構造60は、当該バッテリ40aの個数に対応する数の第1伝達部70を備えていればよい。つまり、バッテリ40aが2つの場合、第1伝達部70も2つであり、バッテリ40aが3つの場合、第1伝達部70も3つである。
【0048】
また、本実施形態において第1伝達部70は、一対の第1電線71と、一対の第1端子73と、単一の第2コネクタ72と、を有している場合を例に説明したが、第1伝達部70が有する第1電線71、第1端子73、及び第2コネクタ72は、それぞれ単一であってもよいし、第1電線71及び第1端子73は3つでも、4つでもよく、一対に限定されない。
【0049】
第2伝達部80は、電気機器50と電気的に接続され、当該電気機器50へ電力を伝達したり、電気機器50から供給された電力を伝達したりするケーブル(強電ハーネス)である。図3Aに示すように、第2伝達部80は、第2電線81と、第4コネクタ82と、第3端子83と、を有している。
第2電線81は、P、N線を構成する電線であって、第2伝達部80は、複数(一対)の第2電線81を有している。
【0050】
第4コネクタ82は、一対の第2電線81の一端に設けられた接続部材であり、正極の端子と負極の端子とを含んでいる。第4コネクタ82の正極の端子は、P線を構成する第2電線81と電気的に接続されている。第4コネクタ82の負極の端子は、N線を構成する第2電線81と電気的に接続されている。第4コネクタ82は、電気機器50の第3コネクタ54に対して、取り外し可能に接続されるコネクタ(カプラ)である。
【0051】
第3端子83は、第4コネクタ82と電気的に接続された端子である。具体的には、第3端子83は、第2電線81を介して第4コネクタ82と電気的に接続されている。第3端子83は、導体から形成され、且つ第2電線81の他端に設けられた端子である。第2伝達部80は、正極の第3端子83aと、負極の第3端子83bと、を有している。以下、説明の都合上、正極の第3端子83aを「第3P端子」とし、負極の第3端子83bを「第3N端子」として説明する場合がある。
【0052】
図4Bは、第1実施形態の接続装置90及び第2伝達部80を示す平面図である。図3B図4Bに示すように、第3端子83には、第2接続部84と、第2開口部85と、が形成されている。第2接続部84は、第3端子83の基端部を構成し、且つ第2電線81の他端の芯線が挿入される略筒状の部分である。第2接続部84は、圧着工具によってかしめられることで、第2電線81の他端と接続される。第2接続部84には、不導体から形成された絶縁被覆が取り付けられる。
【0053】
第2開口部85は、第3端子83の先端において、当該第3端子83の板面の垂直方向に貫通された貫通孔である。本実施形態において、第2開口部85は、円形の孔である。また、第3端子83の先端は、当該第2開口部85と同心円状の円を描く外縁部が形成されている。即ち、図3B図4Bに示す例において、第3端子83は、丸形端子である。
また、第2開口部85も、第1開口部75と同様に、複数(一対)の第3端子83のうち、第2P端子92aの第2開口部85の内径R3と、第2N端子92bの第2開口部85の内径R4と、は大きさが異なっていてもよい(R3≠R4)。図4Bに示すように、第2P端子92aの第2開口部85の内径R3は、第2N端子92bの第2開口部85の内径R4よりも大きく形成されている(R3>R4)。なお、図4Bに示すように、第3端子83は、第2開口部85の大きさに応じて、外縁部の大きさも異なっている。
【0054】
また、第2伝達部80は、第2支持部86を有している。第2支持部86は、第2開口部85の開口方向に直交する方向に、複数(一対)の第3端子83をそれぞれ離間して支持する部材である。第2支持部86は、不導体から形成されており、第2接続部84が挿通される孔が形成されている。これにより、第2支持部86は、支持する複数の第3端子83の距離を保持することができる。
【0055】
図4Bに示すように、第2支持部86は、第3端子83の第2開口部85の中心と、当該第3端子83に隣接する第3端子83の第2開口部85の中心と、の第2距離L2が第1距離L1となるように保持する(L2=L1)。なお、上述した例においては、第2支持部86は、第2距離L2が第1距離L1となるように保持する場合を例に説明したが、第2距離L2は、第1距離L1と同値に限定されず、第1距離L1よりも長くしてもよいし、短くしてもよい。
【0056】
また、バッテリ40aの接続構造60は、それぞれの電気機器50に対応する第2伝達部80を備えており、図3Aに示す例においては、インバータ51の第3コネクタ54に接続される第2伝達部80と、DC/DCコンバータ52の第3コネクタ54に接続される第2伝達部80と、を備えている。
また、本実施形態において第2伝達部80は、一対の第2電線81と、一対の第3端子83と、単一の第4コネクタ82と、を有している場合を例に説明したが、第2伝達部80が有する第2電線81、第3端子83、及び第4コネクタ82は、それぞれ単一であってもよいし、第2電線81及び第3端子83は3つでも、4つでもよく、一対に限定されない。
【0057】
接続装置90は、第1伝達部70と第2伝達部80とを電気的に接続する装置(端子台)である。図3A図3B図3Cに示すように、接続装置90は、ベース部91と、第2端子92と、第4端子95と、導電部材98と、を有している。ベース部91は、電動作業機1の車体2等にボルトやブラケット等によって取り付けられる設置台である。ベース部91は、例えば樹脂等の不導体によって形成されている。
【0058】
第2端子92、第4端子95、及び導電部材98は、導体から形成され、且つ第1伝達部70と第2伝達部80とを電気的に接続する経路を構成する。接続装置90は、正極の第2端子92a、第4端子95a、及び導電部材98と、負極の第2端子92b、第4端子95b、及び導電部材98を有している。以下、説明の都合上、正極の第2端子92aを「第2P端子」とし、負極の第2端子92bを「第2N端子」として説明する場合がある。また、正極の第4端子95aを「第4P端子」とし、負極の第4端子95bを「第4N端子」として説明する場合がある。第2端子92、第4端子95、及び導電部材98は、ベース部91に設けられている。
【0059】
第2端子92は、第1伝達部70の第1端子73が取り付けられ、当該第1端子73と接点を形成する端子である。第2端子92は、第1端子73に対応しており、本実施形態においては、第1端子73と同数だけベース部91に設けられている。つまり、図3A等に示す例において、第1伝達部70が1つであって、第1端子73が2つであるため、ベース部91には、2つの第2端子92が設けられている。
【0060】
また、第4端子95は、第2伝達部80の第3端子83が取り付けられ、当該第2端子92と接点を形成する端子である。第4端子95は、第3端子83に対応しており、本実施形態においては、第3端子83と同数だけベース部91に設けられている。つまり、図3A等に示す例において、第2伝達部80が2つであって、第3端子83が4つであるため、ベース部91には、4つの第4端子95が設けられている。
【0061】
導電部材98は、第2端子92と第4端子95とを電気的に接続する経路である。このため、第4端子95に第3端子83が取り付けられている状態において、第2端子92は、当該第4端子95を介して、第2伝達部80と電気的に接続されている。導電部材98は、例えばベース部91の内部に設けられたバスバーである。
図3C図4Aに示すように、第2端子92は、第1軸部材93と、第1設置部94と
、を含んでいる。第1軸部材93は、第1開口部75に挿通される軸状の部材である。第1軸部材93は、ベース部91から突設されている。第1軸部材93は、導体から形成されており、本実施形態においては、スタッドボルトである。なお、第1軸部材93は、第1開口部75に挿通可能であればよく、スタッドボルトに限定されず、不導体から形成されていてもよい。また、以下の説明において、複数の第1軸部材93のうち、正極の第1軸部材93a、即ち第1P端子73aの第1開口部75に挿通される第1軸部材93aのことを「第1P軸」といい、負極の第1軸部材93b、即ち第1N端子73bの第1開口部75に挿通される第1軸部材93bのことを「第1N軸」ということがある。
【0062】
複数の第2端子92は、それぞれ第1伝達部70に対応するようベース部91に配置されている。具体的には、図4Aに示すように、第2P端子92aと、第2N端子92bは、ベース部91の同一面において、対応する第1伝達部70ごとに、第1軸部材93の軸心間の距離L3が、第1端子73の第1距離L1と一致するよう設けられている(L3=L1)。複数の第2端子92は、ベース部91の一端において、それぞれ離間して一直線状に配置されている。
【0063】
図4Aに示すように、第1軸部材93の外径R5,R6は、第1開口部75の内径R1,R2の大きさに対応している。つまり、第1P軸93aの外径R5と、第1N軸93bの外径R6と、は大きさが異なっている(R5≠R6)。本実施形態においては、第1P軸93aの外径R5は、第1N軸93bの外径R6よりも大きい(R5>R6)。さらに詳しくは、第1P軸93aの外径R5は、第1N端子73bの第1開口部75の内径R2よりも大きくてもよい(R5>R2)。これにより、第1P端子73aと第2P端子92aとを強固に接続することと、第1N端子73bと第2N端子92bとを小さく形成することによる接続装置90の設置スペースの省スペース化を両立することができる。
【0064】
なお、上述した実施形態において、第1P軸93aの外径R5が第1N軸93bの外径R6よりも大きく(R5>R6)、第1P軸93aの外径R5が第1N端子73bの第1開口部75の内径R2よりも大きい場合(R5>R2)を例に説明したが、第1P軸93aの外径R5と、第1N軸93bの外径R6と、は大きさが異なっていればよく(R5≠R6)、第1N軸93bの外径R6が第1P軸93aの外径R6よりも大きくてもよい(R6>R5)。斯かる場合、第1N軸93bの外径R6は、第1P端子73aの第1開口部75の内径R1よりも大きくてもよい(R6>R1)。これにより、通常、第1N端子73bよりも先に第1P端子73aを第2端子92に接続するが、第1P端子73aの第1開口部75を、第1N軸93bを挿通することができないため、作業者が第1端子73を正極と負極とで極性を誤って第2端子92に接続してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0065】
第1設置部94は、導体から形成され、且つ第1端子73と接点を形成する部分である。第1設置部94は、第1軸部材93の基端であって、ベース部91に設けられている。本実施形態において、第1設置部94は、第1軸部材93の基端を囲う円環状の金属片である。
また、図3B図3C図4Bに示すように、第4端子95は、第2軸部材96と、第2設置部97と、を含んでいる。第2軸部材96は、第2開口部85に挿通される軸状の部材である。第2軸部材96は、ベース部91から突設されている。第2軸部材96は、導体から形成されており、本実施形態においては、スタッドボルトである。なお、第2軸部材96は、第2開口部85に挿通可能であればよく、スタッドボルトに限定されず、不導体から形成されていてもよい。また、以下の説明において、複数の第2軸部材96のうち、正極の第2軸部材96a、即ち第2P端子92aの第2開口部85に挿通される第2軸部材96aのことを「第2P軸」といい、負極の第2軸部材96b、即ち第2N端子92bの第2開口部85に挿通される第2軸部材96bのことを「第2N軸」ということがある。
【0066】
図3B図3C図4Bに示すように、複数の第3端子83は、それぞれ第2伝達部80に対応するようベース部91に配置されている。具体的には、第2P端子92aと、第2N端子92bは、ベース部91の同一面において、対応する第2伝達部80ごとに、第2軸部材96の軸心間の距離L4が、第3端子83の第2距離L2と一致するよう設けられている(L4=L2)。複数の第4端子95は、ベース部91の他端において、それぞれ離間して一直線状に配置されている。つまり、ベース部91には、複数の第2端子92が形成する一直線状の列と、複数の第4端子95が形成する一直線状の列と、が並行に形成される。
【0067】
なお、複数の第4端子95は、ベース部91の一端において、第2端子92と離間して配置されてもよい。斯かる場合、ベース部91には、複数の第2端子92と複数の第4端子95とが一直線状の列を形成する。
第2軸部材96の外径R7,R8は、第2開口部85の内径R3,R4の大きさに対応している。つまり、第2P軸96aの外径R7と、第2N軸96bの外径R8と、は大きさが異なっている(R7≠R8)。本実施形態においては、第2P軸96aの外径R7は、第2P軸96aの外径R8よりも大きい(R7>R8)。さらに詳しくは、第2P軸96aの外径R7は、第3N端子83bの第2開口部85の内径R4よりも大きくてもよい(R7>R4)。このため、作業者が第3N端子83bの第2開口部85へ第3P軸を挿通できないため、作業者が正極と負極を誤って、第3端子83を第4端子95に取り付けることを抑止できる。これにより、第3P端子83aと第4P端子95aとを強固に接続することと、第3N端子83bと第4N端子95bとを小さく形成することによる接続装置90の設置スペースの省スペース化を両立することができる。
【0068】
なお、上述した実施形態において、第2P軸96aの外径R7が第2N軸96bの外径R8よりも大きく(R7>R8)、第2P軸96aの外径R7が第3N端子83bの第2開口部85の内径R4よりも大きい場合(R7>R4)を例に説明したが、第2P軸96aの外径R7と、第2N軸96bの外径R8と、の大きさが異なっていればよく(R7≠R8)、第2N軸96bの外径R8が第2P軸96aの外径R7よりも大きくてもよい(R8>R7)。斯かる場合、第2N軸96bの外径R8は、第2P端子92aの第2開口部85の内径R3よりも大きくてもよい(R8>R3)。これにより、通常、第3N端子83bよりも先に第3P端子83aを第4端子95に接続するが、第3P端子83aの第2開口部85を、第3N軸を挿通することができないため、作業者が第3端子83を正極と負極とで極性を誤って第4端子95に接続してしまうことをより確実に抑制することができる。
【0069】
第2設置部97は、導体から形成され、且つ第3端子83と接点を形成する部分である。第2設置部97は、第2軸部材96の基端であって、ベース部91に設けられている。本実施形態において、第2設置部97は、第2軸部材96の基端を囲う円環状の金属片である。
次に、第1端子73の第2端子92への取り付け、及び第3端子83の第4端子95への取り付けについて説明する。図3B図3Cに示すように、第1伝達部70は、第1固定具77を有している。第1固定具77は、第1端子73と第2端子92とを固定し、第1軸部材93から取り外されることで、第1端子73と第2端子92との固定を解除する部材である。第1固定具77は、第1軸部材93に締結される締結具(ナット77a)である。このため、図3Cに示すように、作業者は、第1端子73の第1開口部75に第1軸部材93を挿通し、ナット77aを第1軸部材93に取り付け、所定のトルクで締め付けることで、第1端子73と第2端子92とを確実に固定接続(固定し且つ接続)することができる。また、作業者は、ナット77aを第1軸部材93から取り外すことで、第1端子73と第2端子92との固定を簡単に解除することができる。
【0070】
これにより、電動作業機1のバッテリ40aを着脱した場合であっても、第1固定具77を取り外すことで、バッテリ40aの接続を解除できる。このため、バッテリ40aの第1コネクタ41を第2コネクタ72から挿抜する必要がないため、第1コネクタ41が損傷することを抑制できる。
また、第1伝達部70と同様に、図3Bに示すように、第2伝達部80は、第2固定具87を有している。第2固定具87は、第2端子92と第2端子92とを固定し、第2軸部材96から取り外されることで、第2端子92と第2端子92との固定を解除する部材
である。第2固定具87は、第2軸部材96に締結される締結具(ナット87a)である。このため、作業者は、第2端子92の第2開口部85に第2軸部材96を挿通し、ナット87aを第2軸部材96に取り付け、所定のトルクで締め付けることで、第2端子92と第2端子92とを確実に固定接続することができる。また、作業者は、ナット87aを第2軸部材96から取り外すことで、第2端子92と第2端子92との固定を簡単に解除することができる。
【0071】
これにより、電動作業機1の電気機器50を着脱した場合であっても、第2固定具87を取り外すことで、電気機器50の接続を解除できる。このため、電気機器50の第3コネクタ54を第4コネクタ82から挿抜する必要がないため、第3コネクタ54が損傷することを抑制できる。
なお、第1P端子73aと第2P端子92aとを第1固定具77によって取り付けた状態で、当該第1P端子73a、第2P端子92a、及び第1固定具77を覆うカバー(図示略)を取り付けてもよい。また、第3P端子83aと第4P端子95aとを第2固定具87によって取り付けた状態で、当該第3P端子83a、第4P端子95a、及び第2固定具87を覆うカバーを取り付けてもよい。カバーは、一つの第1伝達部70ごとに第1端子73、第2端子92、及び第1固定具77を覆ってもよいし、一つの第2伝達部80ごとに第3端子83、第4端子95、及び第2固定具87を覆ってもよいし、すべての第1~第4端子95、第1固定具77、及び第2固定具87の全体を覆ってもよい。
【0072】
また、図2に示すように、電動作業機1は、温度検出部34と、報知装置35と、を備えている。
温度検出部34は、第2端子92又は当該第2端子92の近傍の温度を検出する一又は複数のセンサである。温度検出部34は、例えば、第2端子92や第2端子92の近傍に設けられたサーミスタや熱電対である。温度検出部34は、絶縁処理を施されたうえで、直接第2端子92に設けられる。なお、温度検出部34は、第1端子73及び第2端子92を覆うカバーの内部に取り付けられてもよい。温度検出部34は、制御装置30に接続され、検出した温度を信号(検出信号)として制御装置30に出力する。制御装置30は、温度検出部34から検出信号を入力されると、当該検出信号及び記憶装置31に記憶された演算式に基づいて、第2端子92又は第2端子92の近傍の温度を演算する。
【0073】
報知装置35は、例えば制御装置30に接続され、運転席7の近傍に設けられた表示装置である。表示装置は、作業機に関する様々な情報を表示する表示画面を有しており、制御装置30によって制御される。
制御装置30は、判断部30cと、第3制御部30dと、を有している。判断部30c及び第3制御部30dは、制御装置30に設けられた電気・電子部品、及び記憶装置31に組み込まれたプログラム等から構成されている。判断部30cは、温度検出部34が検出した温度が所定の閾値を超過しているか否かを判断する。閾値は、実験やシミュレーションによって定義された値であり、判断部30cは、温度検出部34が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、第1端子73と第2端子92との固定接続が十分ではない、即ち第1固定具77の締め付けトルクが小さい、第1端子73と第2端子92とが劣化している、又は第1端子73と第2端子92との接触面に汚れが付着している等の異常が発生していると判断する。なお、閾値は、記憶装置31に記憶されており、表示装置に設けられた操作スイッチや操作画面を操作することで数値等の定義を変更できてもよい。
【0074】
第3制御部30dは、判断部30cの判断結果に応じて報知装置35を制御する。具体的には、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合、第3制御部30dは、報知装置35に制御信号を出力し、当該報知装置35に作業者への報知を実行させる。例えば、第3制御部30dは、表示装置に報知画面(図示略)を表示させて、作業者に異常を報知する。詳しくは、報知画面は、作業者に対して、第1端子73と第2端子92との固定接続の確認と、第1端子73及び第2端子92のメンテナンスを促すメッセージ(報知メッセージ)を表示する。
【0075】
なお、上述した実施形態において、報知装置35が表示装置である場合を例に説明したが、報知装置35は、表示装置に限定されず、音声や警告音によって報知を行うスピーカ
や、点灯や点滅により報知を行うランプであってもよい。報知装置35がスピーカであって、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合、第3制御部30dは、スピーカから報知メッセージを出力させる。
【0076】
また、報知装置35がランプであって、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合、第3制御部30dは、ランプを点滅させる。斯かる場合、当該ランプの近傍に第1端子73及び第2端子92の異常であることを示す表記を配置しておくことが好ましい。
これにより、第1端子73と第2端子92との接続が不十分であったり、第1端子73又は第2端子92が劣化していたりする場合には、温度検出部34が検出する第2端子92又は第2端子92の近傍の温度が上昇するため、当該温度の情報に応じて、異常を報知することができる。
【0077】
なお、上述した実施形態では、温度検出部34が第2端子92又は第2端子92の近傍の温度を検出する場合を例に説明したが、温度検出部34は、第2端子92に代えて、或いは加えて第4端子95又は第4端子95の近傍の温度を検出し、報知装置35が当該温度に基づいて報知を行ってもよい。
また、上述した実施形態においては、電動作業機1が報知装置35を備え、温度検出部34が検出した温度が閾値を超過している場合に、当該報知装置35が作業者に報知を行う場合を例に説明したが、制御装置30は、報知装置35に代えて、或いは加えてインバータ51を制御してもよい。
【0078】
具体的には、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合、第1制御部30aは、回転数操作具33の操作量と、記憶装置31に記憶されたテーブルから演算した電力(演算電力)を補正して、インバータ51を制御する。例えば、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合に、第1制御部30aは、インバータ51を制御して、所定の上限値を超えて、バッテリ40aから電動モータ45に電力を供給しないように制御する。
【0079】
これにより、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過している場合には、第1制御部30aが演算電力を補正して、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を制限することができる。このため、第1端子73と第2端子92との接続が不十分であったり、第1端子73又は第2端子92が劣化していたりする場合に、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を低減することで、第2端子92の発熱を抑制することができる。
【0080】
なお、当該上限値は、温度と比例関係にあってもよいし、表示装置等を操作して変更可能であってもよい。
また、第1制御部30aは、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過している場合に、演算電力を補正すればよく、補正後の補正電力が当該演算電力よりも小さくなるように、記憶装置31に記憶された所定の演算式に基づいて演算電力を補正してもよい。
【0081】
また、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過している場合、第3制御部30dは、報知装置(表示装置)35を制御して、報知メッセージに加えて、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を制限している旨を表示するメッセージ(警告メッセージ)を表示させてもよい。
また、制御装置30は、温度検出部34が検出した温度が閾値を超過している場合に、インバータ51に代えて、或いは加えて走行装置4及び作業装置6を制御してもよい。具体的には、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合、制御装置30は、走行装置4の駆動を許可し、作業装置6の駆動を制限する。
【0082】
詳しくは、判断部30cが、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過していると判断した場合、PTO切換スイッチ32の操作によらず、作動弁17のソレノイドを消磁に切り換え、PTOクラッチ21を切断状態に切り換える。これにより、電動モータ45からの動力が推進軸5a及びPTOクラッチ21を介してPTO推進軸20に伝達さ
れないため、制御装置30は、走行装置4の駆動を許可し、作業装置6の駆動を制限することができる。このため、第1端子73と第2端子92との接続が不十分であったり、第1端子73又は第2端子92が劣化していたりする場合には、作業装置6の駆動を停止させて、電動モータ45の消費電力を低下させ、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を低減することで、第2端子92の発熱を抑制することができる。さらに、作業者は、電動作業機1を走行させることができるため、第1端子73及び第2端子92をメンテナンスするために納屋等へ移動することができる。
【0083】
また、温度検出部34の検出した温度が所定の閾値を超過している場合に、第3制御部30dは、報知メッセージに加えて、作業装置6の駆動を制限している旨を表示するメッセージ(制限メッセージ)を表示してもよい。
なお、上述した実施形態においては、第2制御部30bがPTOクラッチ21を制御することで、作業装置6の駆動を制限する場合を例に説明したが、電動作業機1が走行装置4及び作業装置6に動力を出力する電動モータ45をそれぞれ備えている場合、制御装置30(第1制御部30a)は、インバータ51を制御して、作業装置6の駆動を制限してもよい。詳しくは、制御装置30は、温度検出部34が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、インバータ51を制御して、バッテリ40aから作業装置6用の電動モータ45に供給される電力を零に補正し、作業装置6の駆動を制限する。
【0084】
上述したバッテリ40aの接続構造60は、電動作業機1に着脱可能に設けられたバッテリ40aの第1コネクタ41に対して、取り外し可能に接続される第2コネクタ72を有する第1伝達部70と、電動作業機1に設けられ且つバッテリ40aから電力を供給される電気機器50と電気的に接続された第2伝達部80と、第1伝達部70と第2伝達部80とを電気的に接続する接続装置90と、を備え、第1伝達部70は、第1開口部75が形成され、且つ第2コネクタ72と電気的に接続された第1端子73を有し、接続装置90は、第1開口部75に挿通される第1軸部材93を含み、且つ第2伝達部80と電気的に接続された第2端子92と、第1軸部材93に取り付けられて、第1端子73と第2端子92とを固定し、第1軸部材93から取り外されることで、第1端子73と第2端子92との固定を解除する第1固定具77と、を有している。
【0085】
上記構成によれば、電動作業機1のバッテリ40aを着脱した場合であっても、第1コネクタ41に対して第2コネクタ72を挿抜せずに、接続装置90で第1端子73と第2端子92との固定を解除できるため、第1コネクタ41が損傷することを抑制できる。即ち、第1コネクタ41が損傷することでバッテリ40aが使用不可となることを抑制できる。また、第1端子73を第1軸部材93に挿通し、第1固定具77によって第1端子73及び第2端子92を固定接続するという簡単な構造であるため、第1端子73と第2端子92との固定と固定解除とを繰り返した場合であっても、第1端子73及び第2端子92が劣化することを抑制できる。
【0086】
また、第1伝達部70は、複数の第1端子73と、第1開口部75の開口方向に直交する方向に、複数の第1端子73をそれぞれ離間して支持する支持部76と、を有し、接続装置90は、複数の第1端子73にそれぞれ対応する複数の第2端子92を有している。
上記構成によれば、第1端子73及び第2端子92が複数である場合であっても、作業者は、簡単に第1端子73を第2端子92に接続することができる。このため、バッテリ40aの着脱時の作業性を向上させることができる。
【0087】
また、複数の第1端子73のうち、正極の第1端子73aの第1開口部75の内径R1と、負極の第1端子73bの第1開口部75の内径R2と、は大きさが異なっており、第1軸部材93の外径R5,R6は、第1開口部75の内径R1,R2の大きさに対応しており、正極の第1端子73aの第1開口部75に挿通される第1軸部材93aの外径R5と、負極の第1端子73bの第1開口部75に挿通される第1軸部材93bの外径R6と、は大きさが異なっている。
【0088】
上記構成によれば、作業者が第1端子73を正極と負極とで極性を誤って接続することを簡単に抑制できる。
また、第1軸部材93は、スタッドボルトであり、第1固定具77は、第1軸部材93
に締結されるナット77aである。
上記構成によれば、作業者は、ナット77aを締結することで簡単且つ確実に第1端子73と第2端子92とを接続することができる。
【0089】
また、第1端子73は、丸形端子である。
上記構成によれば、第1端子73が劣化した場合であっても簡単に交換することができる。
また、第2伝達部80は、電気機器50の第3コネクタ54に対して、取り外し可能に接続される第4コネクタ82と、第2開口部85が形成され、且つ第4コネクタ82と電気的に接続された第3端子83と、を有し、接続装置90は、第2開口部85に挿通される第2軸部材96を含み、且つ第2端子92と電気的に接続された第4端子95と、第2軸部材96に取り付けられて、第3端子83と第4端子95とを固定し、第2軸部材96から取り外されることで、第3端子83と第4端子95との固定を解除する第2固定具87と、を有している。
【0090】
上記構成によれば、規格が異なる電気機器50に乗せ換える場合であっても特殊なコネクタを備えた専用のハーネスがなくとも電気機器50を簡単に接続することができる。
また、第2軸部材96は、スタッドボルトであり、第2固定具87は、第2軸部材96に締結されるナット87aである。
上記構成によれば、作業者は、ナット87aを締結することで簡単且つ確実に第3端子83と第4端子95とを接続することができる。
【0091】
また、第2端子92は、丸形端子である。
上記構成によれば、第2端子92が劣化した場合であっても簡単に交換することができる。
また、電動作業機1は、バッテリ40aの接続構造60と、電気機器50と、電気機器50が設けられた車体2と、バッテリ40aを車体2に着脱可能に取り付ける取付部40bと、車体2に設けられ、且つバッテリ40aから供給された電力によって駆動する電動モータ45と、を備えている。
【0092】
上記構成によれば、上述した特有の効果を奏する電動作業機1を実現することができる。
また、接続装置90に設けられ、且つ第2端子92又は当該第2端子92の近傍の温度を検出する温度検出部34と、温度検出部34が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、作業者に報知を行う報知装置35と、を備えている。
【0093】
上記構成によれば、第1端子73と第2端子92との接続が不十分であったり、第1端子73又は第2端子92が劣化していたりする場合には、温度検出部34が検出する第2端子92又は第2端子92の近傍の温度が上昇するため、当該温度の情報に応じて、異常を報知することができる。
また、電動作業機1は、電動モータ45を制御する制御装置30と、接続装置90に設けられ、且つ第2端子92又は当該第2端子92の近傍の温度を検出する温度検出部34と、を備え、電気機器50は、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を制御するインバータ51を含み、制御装置30は、温度検出部34が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、インバータ51を制御して、電動モータ45に供給する電力を低減する。
【0094】
上記構成によれば、第1端子73と第2端子92との接続が不十分であったり、第1端子73又は第2端子92が劣化していたりする場合に、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を低減することで、第2端子92の発熱を抑制することができる。
また、電動作業機1は、車体2に設けられ、且つ電動モータ45が発生させた動力によって駆動する走行装置4と、車体2に設けられ、且つ電動モータ45が発生させた動力によって駆動する作業装置6と、走行装置4及び作業装置6を制御する制御装置30と、接続装置90に設けられ、且つ第2端子92又は当該第2端子92の近傍の温度を検出する温度検出部34と、を備え、制御装置30は、温度検出部34が検出した温度が所定の閾値を超過している場合、走行装置4の駆動を許可し、作業装置6の駆動を制限する。
【0095】
上記構成によれば、第1端子73と第2端子92との接続が不十分であったり、第1端子73又は第2端子92が劣化していたりする場合には、作業装置6の駆動を停止させて、電動モータ45の消費電力を低下させ、バッテリ40aから電動モータ45に供給する電力を低減することで、第2端子92の発熱を抑制することができる。
また、第2伝達部80は、電気機器50の第3コネクタ54に対して、取り外し可能に接続される第4コネクタ82を有し、電気機器50は、バッテリ40aから供給された電力によって電動モータ45を駆動させるインバータ51、及びバッテリ40aから供給された電力の電圧を変換するDC/DCコンバータ52のいずれかを含んでいる。
【0096】
上記構成によれば、電動作業機1のバッテリ40aを着脱した場合であっても、電気機器50の第3コネクタ54に対して第4コネクタ82を挿抜することがないため、第3コネクタ54が損傷することを抑制できる。即ち、第3コネクタ54が損傷することでインバータ51や、DC/DCコンバータが使用不可となることを抑制できる。
[第2実施形態]
図5は、バッテリ40aの接続構造60の別の実施形態(第2実施形態)を示す。第1実施形態において、第2伝達部80が複数の第3端子83を有し、接続装置90が複数の第4端子95を有していたが、少なくとも第1伝達部70が第1端子73を有し、接続装置90が第2端子92を有していればよい。図5に示すように、第2実施形態においては、第2伝達部80は、複数の第3端子83に代えて、第5コネクタ88を有し、接続装置90は、複数の第4端子95に代えて、第6コネクタ89を有している。以下、第2実施形態のバッテリ40aの接続構造60について、上述した実施形態(第1実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0097】
第5コネクタ88は、一対の第2電線81の他端に設けられた接続部材であり、正極の端子と負極の端子とを含んでいる。第5コネクタ88の正極の端子は、P線を構成する第2電線81と電気的に接続されている。第6コネクタ89の負極の端子は、N線を構成する第2電線81と電気的に接続されている。
また、第6コネクタ89は、接続装置90に設けられた接続部材であり、正極の端子と負極の端子とを含んでいる。第6コネクタ89の正極の端子は、正極の導電部材98と電気的に接続されている。第6コネクタ89の負極の端子は、負極の導電部材98と電気的に接続されている。
【0098】
図3Aに示す第1実施形態の接続装置90に比べ、図5に示す第2実施形態の接続装置90は、第4端子95を省略できるため、ベース部91の大きさを小さくすることができる。また、第4端子95が省略できるため、作業者が第1端子73を誤って第4端子95に接続することを抑制できる。
[第3実施形態]
図6は、バッテリ40aの接続構造60の別の実施形態(第3実施形態)を示す。第1実施形態において、接続装置90は、第4端子95を有していたが、第2端子92が第4端子95を兼用する構成であってもよい。斯かる場合、第1端子73及び第3端子83は、第2端子92に取り付けられる。以下、第3実施形態のバッテリ40aの接続構造60について、上述した実施形態(第1、第2実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1、第2実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0099】
図6に示すように、第3実施形態においては、バッテリユニット40が2つのバッテリ40aを有している場合を示している。つまり、図6に示す例において、第1伝達部70が2つであって、第1端子73が4つであるため、ベース部91には、4つの第2端子92が設けられている。このため、作業者は、第1端子73の第1開口部75と、第3端子83の第2開口部85と、に第1軸部材93を挿通し、第1固定具77(ナット)を第1軸部材93に取り付け、所定のトルクで締め付け、第1端子73と第3端子83を共締めする。
【0100】
なお、図6に示す例においては、ベース部91に4つの第2端子92が設けられている場合を例に説明したが、第1端子73と第3端子83とが固定接続され、接点が形成でき
ればよく、ベース部91は、少なくとも1つ以上の第2P端子92aと、1つ以上の第2N端子92bを有していればよい。斯かる場合、バッテリ40aの接続構造60が有している全ての第1伝達部70の第1P端子73aと、全ての第2伝達部80の第3P端子83aと、を単一の第2P端子92aに共締めし、全ての第1伝達部70の第1N端子73bと、全ての第2伝達部80の第3N端子83bと、を単一の第2N端子92bに共締めしてもよい。
【0101】
このため、図3Aに示す第1実施形態の接続装置90に比べ、図6に示す第3実施形態の接続装置90は、第4端子95を省略できるため、ベース部91の大きさを小さくすることができる。
上述した第2伝達部80は、電気機器50の第3コネクタ54に対して、取り外し可能に接続される第4コネクタ82と、第2開口部85が形成され、且つ第4コネクタ82と電気的に接続された第3端子83と、を有し、第1軸部材93は、第1開口部75及び第2開口部85が挿通され、第1固定具77は、第1端子73、第2端子92、及び第3端子83を固定接続する。
【0102】
上記構成によれば、接続装置90をコンパクトに構成することができる。このため、接続装置90を設置するスペースが狭小な電動作業機1であっても容易にバッテリ40aの接続構造60を採用することができる。
[第4実施形態]
図7A~7Cは、バッテリ40aの接続構造60の別の実施形態(第4実施形態)を示す。上述した第1~第3実施形態において、第1固定具77は、第1軸部材93(スタッドボルト)に取り付けられるナット77aであったが、第1固定具77は、少なくとも第1軸部材93に取り付けられて、第1端子73と第2端子92とを固定し、第1軸部材93から取り外されることで、第1端子73と第2端子92との固定を解除できればよく、ナット77aに限定されない。また、第2固定具87も同様にナット77aに限定されない。
【0103】
以下、第4実施形態のバッテリ40aの接続構造60について、上述した実施形態(第1~第3実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1~第3実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
図7A図7Cに示すように、複数の第2端子92及び複数の第4端子95は、ベース部91の一端において、それぞれ離間して一直線状に配置されている。また、第4実施形態において、第1固定具77は、固定ブラケット77bと、一対のナット77cと、を有している。
【0104】
固定ブラケット77bは、長尺の板状部材であり、外周面に絶縁処理が施されている。固定ブラケット77bの長手方向の長さは、ベース部91に設けられた複数の第2端子92及び複数の第4端子95のうち、両端の端子(第2端子92又は第4端子95)の間の長さよりも長い。また、固定ブラケット77bには、複数の挿通孔77b1が形成されている。複数の挿通孔77b1は、それぞれ第1軸部材93又は第2軸部材96が挿通される孔であって、第1軸部材93又は第2軸部材96に対応する位置に形成されている。また、複数の挿通孔77b1の数は、ベース部91に設けられた第2端子92の数及び複数の第4端子95の数の合計と一致している。図7A図7Cに示す例において、複数の第2端子92と複数の第4端子95とが一直線状に配置されているため、複数の挿通孔77b1も一直線状に並んで形成されている。
【0105】
一対のナット77cは、ベース部91に設けられた複数の第2端子92及び複数の第4端子95のうち、両端の端子(第2端子92又は第4端子95)に取り付けられる。つまり、図7Cに示すように、作業者は、第1端子73の第1開口部75に第1軸部材93を挿通し、第3端子83の第2開口部85に第2軸部材96を挿通する。そして、作業者は、第1軸部材93に第1開口部75を挿通し、第2軸部材96に第2開口部85を挿通した状態で、複数の挿通孔77b1をそれぞれ第1軸部材93又は第2軸部材96に挿通し、両端の軸部材(第1軸部材93又は第2軸部材96)にナット77cを取り付け、所定のトルクで締め付ける。
【0106】
これにより、固定ブラケット77bが第1端子73を第2端子92に押し付けて、第1端子73と第2端子92との接点を形成することができる。また、固定ブラケット77bが第3端子83を第4端子95に押し付けて、第3端子83と第4端子95との接点を形成することができる。このため、ナット77cによって、固定ブラケット77bを両端の軸部材(第1軸部材93又は第2軸部材96)に取り付けることで、第1端子73と第2端子92とを固定接続し、第3端子83と第4端子95とを固定接続することができる。
【0107】
また、作業者は、両端のナット77cを両端の軸部材(第1軸部材93又は第2軸部材96)から取り外すことで、固定ブラケット77bが固定接続している全ての端子(第1端子73又は第3端子83)の固定を解除できるため、作業性を向上させることができる。
なお、上述した実施形態において、第1固定具77が第2固定具87を兼用する構成を例に説明したが、第1固定具77は、少なくとも2つ以上の第1端子73をそれぞれまとめて共通の部材で、第2端子92に固定接続する構成であってもよいし、第1端子73と第2端子92との固定接続と第3端子83と第4端子95との固定接続する構成であってもよい。
【0108】
また、固定ブラケット77bの形状は、図7B図7Cで示した形状に限定されず、例えば、縁部がベース部91に向かって屈曲し、第1~第4端子73,83,92,94の周囲を包囲するケースを兼用するような形状であってもよい。
また、固定ブラケット77bは、ベース部91に取り付けられて、第1端子73と第2端子92とを固定接続し、第3端子83と第4端子95とを固定接続することができればよく、ナット77cは、両端の軸部材(第1軸部材93又は第2軸部材96)ではなく、ベース部91に設けられたスタッドボルトに取り付けられてもよい。また、固定ブラケット77bは、ナット77cに代えて、ボルト等の締結部材によってベース部91に取り付けられてもよい。
【0109】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0110】
1 電動作業機(トラクタ)
2 車体
4 走行装置
6 作業装置
30 制御装置
34 温度検出部
35 報知装置
40a バッテリ
40b 取付部
41 第1コネクタ
45 電動モータ
50 電気機器
51 インバータ
52 DC/DCコンバータ
54 第3コネクタ
60 接続構造
70 第1伝達部
72 第2コネクタ
73 第1端子
73a 正極の第1端子(第1P端子)
73b 負極の第1端子(第1N端子)
75 第1開口部
76 支持部(第1支持部)
77 第1固定具
77a ナット
80 第2伝達部
82 第4コネクタ
83 第3端子
85 第2開口部
87 第2固定具
87a ナット
90 接続装置
92 第2端子
93 第1軸部材
93a 正極の第1軸部材(第1P軸)
93b 負極の第1軸部材(第1N軸)
95 第4端子
96 第2軸部材
R1~R4 内径
R5~R8 外径
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図7C