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特開2024-42115吸収性衛生製品用の弾性複合材構造体を製造する装置および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042115
(43)【公開日】2024-03-27
(54)【発明の名称】吸収性衛生製品用の弾性複合材構造体を製造する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/15 20060101AFI20240319BHJP
【FI】
A61F13/15 355B
A61F13/15 355C
A61F13/15 351Z
A61F13/15 390
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024018462
(22)【出願日】2024-02-09
(62)【分割の表示】P 2020541440の分割
【原出願日】2019-01-29
(31)【優先権主張番号】62/623,381
(32)【優先日】2018-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/666,508
(32)【優先日】2018-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518127956
【氏名又は名称】カート ジー.ジョア、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アンドリューズ,ロバート アール
(72)【発明者】
【氏名】シューエッテ,デヴィッド,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ,ジェフリー ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ラファーティ,ジャスティン マーシャル
(57)【要約】      (修正有)
【課題】弾性複合材構造体を製造する装置および方法により、弾性糸を対向するウェブ層に固着するための消耗接着剤の使用を排除または最小化する。
【解決手段】吸収性衛生製品用の弾性複合材構造体を製造するための装置は、少なくとも1つの固定領域および少なくとも1つの不活性化領域を備える溶接パターンを有するアンビルを含む。固定領域は、対向するウェブ層に対して所定位置に弾性糸を固定する固定溶接部を含む。不活性化領域は弾性糸を切離するように構築されたブレークバーを含む。弾性複合材構造体を製造する方法は、ウェブ層の間に張架弾性糸を配置するステップと、ウェブ層を融合してその間に張架弾性糸を固定する固定接合部を含む固定ゾーンを形成するためにウェブ層を融合するステップと、張架糸のない固定ゾーンの隣り合う部分の間に不活性ゾーンを形成するために糸を切断するステップとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向するウェブ層の間に固着された少なくとも1つの弾性糸を備える弾性複合材構造体を製造するための接合装置であって、
少なくとも1つの固定領域および少なくとも1つの不活性化領域を備える溶接パターンを有する面を有する回転アンビルを備え、
前記少なくとも1つの固定領域は、前記一対の対向するウェブ層を互いに融合し、前記少なくとも1つの弾性糸を前記一対の対向するウェブ層に対して所定位置に固定する固定接合部を形成するように構築された、複数の固定溶接部を備え、
前記少なくとも1つの不活性化領域は、前記少なくとも1つの弾性糸を切離するように構築されたブレークバーを備える、接合装置。
【請求項2】
前記ブレークバーの作用表面から離間した作用表面と、前記複数の固定溶接部のランド表面とを有するホーンをさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記ホーンは超音波ホーンを備える、請求項2に記載の接合装置。
【請求項4】
前記ホーンが固定接合部を形成するために前記回転アンビルと連絡する下降位置と、前記ホーンが固定接合部の形成を防ぐ距離で前記回転アンビルから離間している上昇位置との間で前記ホーンを振動させるための手段をさらに備える、請求項2に記載の接合装置。
【請求項5】
前記ブレークバーによって切離された弾性糸を、前記一対の対向するウェブ層の上流移動に対して下流方向に選択的にはじき戻し、所定の期間後に前記一対の対向するウェブ層の間の下流移動を再開するように構成された張力装置をさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項6】
前記不活性化領域は、前記一対の対向するウェブ層に対して所定位置に少なくとも1つの弾性糸を固定することなく前記一対の対向するウェブ層を融合する積層接合部を形成するように構築された少なくとも1つの積層溶接部をさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項7】
前記複数の固定溶接部は、前記回転アンビルの面にパターンを画定する固定溶接線に配置されている、請求項1に記載の接合装置。
【請求項8】
前記不活性化領域は、前記一対の対向するウェブ層に対して所定位置に少なくとも1つの弾性糸を固定することなく前記一対の対向するウェブ層を融合する積層接合部を形成するように構築された複数の積層溶接部をさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項9】
前記複数の固定溶接部および前記複数の積層溶接部は、前記回転アンビルの面に全体パターンを画定する溶接線に配置されている、請求項8に記載の接合装置。
【請求項10】
前記ブレークバーは、前記一対の対向するウェブ層の間に接合部を形成するようにさらに構築されており、前記接合部は、前記全体パターンの一部を画定する幾何形状を有する、請求項9に記載の接合装置。
【請求項11】
前記接合線は正弦状である、請求項9に記載の接合装置。
【請求項12】
前記複数の積層溶接部の隣り合う積層溶接部は、前記複数の固定溶接部の隣り合う固定溶接部よりも長い距離で離間している、請求項9に記載の接合装置。
【請求項13】
前記ブレークバーは少なくとも1つの溝を含む、請求項1に記載の接合装置。
【請求項14】
弾性複合材構造体を製造する方法であって、
第1ウェブ層と第2ウェブ層との間に張架弾性糸を配置するステップと、
前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合してその間に張架弾性糸を固定する複数の別個の固定接合部を備える固定ゾーンを形成するために前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合するステップと、
前記張架弾性糸のない前記弾性複合材構造体の不活性ゾーンを形成するために前記張架弾性糸を切断するステップであって、前記不活性ゾーンは前記固定ゾーンの隣り合う部分の間に配置される、ステップと、
前記不活性ゾーン内で前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
超音波ホーンおよびアンビルを用いて前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
回転アンビルの面から外向きに延在する固定溶接部のパターンを有する少なくとも1つの回転アンビルを用いて前記固定ゾーンを形成するステップであって、前記固定溶接部のパターンは前記固定ゾーンの複数の別個の固定接合部を形成するように構成されている、ステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの回転アンビルの面から外向きに延在するブレークバーを用いて前記張架弾性糸を切断するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの回転アンビルの下流に配置された切断ユニットを用いて前記張架弾性糸を切断するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの回転アンビルに対して上昇位置と下降位置との間でホーンを振動させるステップをさらに含み、前記ホーンは、前記下降位置では前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合するように前記少なくとも1つの回転アンビルと相互作用し、前記上昇位置では前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合しない、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記張架弾性糸を切断した後、前記切断弾性糸を上流方向に後退させるために前記張架弾性糸の張力を増加させるステップと、
所定の期間後に、前記張架弾性糸に下流方向への移動を再開させるために前記張架弾性糸の張力を減少させるステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
弾性複合材構造体であって、
張架弾性糸と、
前記張架弾性糸の第1の側に配置された第1ウェブ層と、
前記張架弾性糸の第2の側に配置された第2ウェブ層と、
前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合する接合部のパターンと、
を備え、
前記接合部のパターンは、
少なくとも1つの接合部のパターンと、前記張架弾性糸の第1部分の切断端部と、
前記張架弾性糸の第2部分の切断端部と、を備え、不活性ゾーンには前記張架弾性糸がない、不活性ゾーンと、
前記不活性ゾーンの両端を区切る固定ゾーンであって、前記張架弾性糸の第1部分を前
記第1および第2ウェブ層に固定する前記接合部のパターンの第1の複数の接合部と、前記張架弾性糸の前記第2部分を前記第1および第2ウェブ層に固定する前記接合部のパターンの第2の複数の接合部と、を備える固定ゾーンと、
を備える、弾性複合材構造体。
【請求項22】
前記不活性ゾーンの前記少なくとも1つの接合部は、前記第1ウェブ層を前記第2ウェブ層に融合する複数の積層接合部を備える、請求項21に記載の弾性複合材構造体。
【請求項23】
前記固定ゾーン内の前記第1の複数の接合部および前記第2の複数の接合部は、前記弾性複合材構造体に全体パターンを画定する複数の固定接合線に配置されている、請求項21に記載の弾性複合材構造体。
【請求項24】
前記不活性ゾーンの少なくとも1つの接合部は、前記弾性複合材構造体上の前記全体パターンの一部を形成する複数の不活性接合線に配置された複数の積層を備える、請求項23に記載の弾性複合材構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本発明は、2018年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/623,381号明細書および2018年5月3日に出願された米国仮特許出願第62/666,508号明細書の恩典を主張し、これらの開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の実施形態は、概して吸収性衛生製品に関し、より具体的には、グルーなどの消耗接着剤の使用を最小限に抑制または排除しながら弾性化された領域および比較的非弾性の領域を含む、吸収性衛生製品で使用するための弾性複合材構造体を製造するための改良された装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
使い捨ておむつなどの吸収性衛生製品は、通常、1つ以上の弾性糸を含む弾性複合材構造体を備えている。これらの弾性複合材構造体は、ウエストバンド、レッグカフ領域内を含む製品全体、ならびに製品の前面または背面パネルの全てまたは一部の、様々な場所に配置される。弾性複合材構造体の典型的な製造プロセスの間、弾性糸は張架状態にあり、不織布材料またはウェブの2つの対向する層の間に弾性糸を固着するために接着剤が使用される。その後、弾性糸の張力が解放され、接着した弾性糸を含む領域でウェブ材料にしわを寄せるかまたは折り畳む。いくつかの用途では、弾性複合材構造体に比較的非弾性の領域を設けることが望ましい。これらの異なる領域を作成するために、ウェブ材料のいくつかの領域に接着剤が塗布され、ほかの領域では省略される。弾性糸は、回転ナイフユニットなどの切断ユニットによって接着剤のない領域で切断され、弾性糸の切断端部は、隣接する接着領域にはじき戻る。
【0004】
弾性複合材構造体内の弾性糸と接合するための接着剤の使用は、消耗材に関連する費用および最終製品の望ましくない触覚特性(たとえば、剛性)を含む、最終製品および製造方法の両方における多くの不都合を呈する。弾性複合材構造体内の弾性糸を接合および/または切断するための代替え案として熱または超音波溶接技術が提案されてきたが、弾性糸を切離するための既知の超音波技術はウェブ材料に切り込みまたはスリットを作成する傾向があり、これによりウェブの切離部分のウェブ張力を低減し、最終製品に望ましくない穴ができる。弾性糸の切断に関する別の問題は、弾性の切断端部が、弾性化領域の所望の境界を越えて後退し、弾性化領域内のどこかに着地する傾向を有することである。これにより、弾性パターンを不完全にし、最終製品の美的および機能的特性を低下させる。
【0005】
したがって、製品の弾性化領域内で弾性ストランドの張力を維持し、比較的非弾性の領域でウェブ材料を切断しない吸収性衛生製品の、弾性複合材構造体を製造するための改良された装置および方法が必要とされている。このような装置および方法により、弾性糸を対向するウェブ層に固着するための消耗接着剤の使用を排除または最小化することは、さらに望ましいだろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、一対の対向するウェブ層の間に固着した少なくとも1つの弾性糸を有する弾性複合材構造体を製造するための接合装置が開示される。接合装置は、少なくとも1つの固定領域および少なくとも1つの不活性化領域を備える溶接パターンを有する面を有する回転アンビルを含む。少なくとも1つの固定領域は、一対の対向するウェ
ブ層を互いに融合し、少なくとも1つの弾性糸を一対の対向するウェブ層に対して所定位置に固定する固定接合部を形成するように構築された、複数の固定溶接部を含む。少なくとも1つの不活性化領域は、少なくとも1つの弾性糸を切離するように構築されたブレークバーを含む。
【0007】
本発明の別の態様によれば、弾性複合材構造体を製造する方法は、第1ウェブ層と第2ウェブ層との間に張架弾性糸を配置するステップと、第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合してその間に張架弾性糸を固定する複数の別個の固定接合部を備える固定ゾーンを形成するために第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合するステップとを含む。方法はまた、張架弾性糸のない弾性複合材構造体の不活性ゾーンを形成するために張架弾性糸を切断するステップであって、不活性ゾーンは固定ゾーンの隣り合う部分の間に配置される、ステップも含む。方法は、不活性ゾーン内で第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合するステップをさらに含む。
【0008】
本発明の別の態様によれば、弾性複合材構造体は、張架弾性糸と、張架弾性糸の第1の側に配置された第1ウェブ層と、張架弾性糸の第2の側に配置された第2ウェブ層と、第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合する接合部のパターンとを含む。接合部のパターンは、少なくとも1つの接合部のパターンと、張架弾性糸の第1部分の切断端部と、張架弾性糸の第2部分の切断端部とを含む、不活性ゾーンを含む。不活性ゾーンには張架弾性糸がない。接合部のパターンはまた、不活性ゾーンの両端を区切る固定ゾーンも含む。固定ゾーンは、張架弾性糸の第1部分を第1および第2ウェブ層に固定する接合部のパターンの第1の複数の接合部と、張架弾性糸の第2部分を第1および第2ウェブ層の第2部分に固定する接合部のパターンの第2の複数の接合部とを含む。
【0009】
これらおよびその他の利点および特徴は、添付図面に関連して提供される本発明の好適な実施形態の以下の詳細な説明から、より容易に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図面は、本発明を実行するために現在考えられる実施形態を示す。
【0011】
図中、
【0012】
図1】弾性複合材構造体を製造するための製造ラインの一部の概略斜視図である。
【0013】
図2】本発明の一実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な回転アンビルの概略斜視図である。
【0014】
図3】本発明の一実施形態による、図2の回転アンビルを含み、図1の製造ラインで使用可能な、接合装置の概略断面図である。
【0015】
図4】本発明の一実施形態による、回転アンビル上の固定溶接部と位置合わせされたホーンを示す、図3の接合装置の一部の詳細図である。
【0016】
図5】本発明の一実施形態による、回転アンビル上のブレークバーと位置合わせされたホーンを示す、図3の接合装置の一部の詳細図である。
【0017】
図6】本発明の一実施形態による、図2の回転アンビルを使用して製造された連続弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0018】
図7】本発明の様々な実施形態による、非張架弾性糸、一対の固定接合部、一対の挟持接合部、および積層接合部の間の離間した関係を示す概略上面図である。
【0019】
図8】本発明の別の実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な回転アンビルの概略斜視図である。
【0020】
図9】本発明の一実施形態による、図1の製造ラインを使用して製造された連続弾性複合材構造体を含む複数の非セグメント化吸収性衛生製品の上面図である。
【0021】
図10】本発明の一実施形態による、図9の連続弾性複合材構造体を製造するために使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0022】
図10A図10の回転アンビルの一部の詳細図である。
【0023】
図11】本発明の実施形態による、図10の回転アンビルを使用して製造された連続弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0024】
図11A図11Aの弾性複合材構造体の一部の詳細図である。
【0025】
図12】本発明の別の実施形態による、図9の弾性複合材構造体のうちの1つを製造するために使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0026】
図13】本発明の別の実施形態による、図12の回転アンビルを使用して製造される連続弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0027】
図13A図13の弾性複合材構造体の一部の詳細図である。
【0028】
図14】本発明の別の実施形態による、図9の連続弾性複合材構造体を製造するために使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0029】
図15】本発明の別の実施形態による、図14の回転アンビルを使用して製造される連続弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0030】
図16】本発明のさらに別の実施形態による、図9の連続弾性複合材構造体を製造するために使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0031】
図17】本発明の別の実施形態による、図16の回転アンビルを使用して製造される連続弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0032】
図18】本発明の別の実施形態による、弾性複合材構造体を製造するための技術を示す図である。
【0033】
図19】本発明の一実施形態による、図18の技術にしたがって弾性複合材構造体を製造するために使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0034】
図20】本発明の一実施形態による、図18の技術にしたがって弾性複合材構造体を製造するために使用可能な例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0035】
図21】本発明の別の実施形態による、図19および図20の回転アンビルを使用して製造された弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0036】
図22】本発明のさらに別の実施形態による、弾性複合材構造体を製造するための技術を示す図である。
【0037】
図23】本発明のさらに別の実施形態による、弾性複合材構造体を製造するための技術を示す図である。
【0038】
図24】本発明の一実施形態による、図23の技術にしたがって弾性複合材構造体を製造するために使用可能な切断ユニットの一部の断面図である。
【0039】
図25】本発明のさらに別の実施形態による、弾性複合材構造体を製造するための技術を示す図である。
【0040】
図26】本発明の一実施形態による、図25の技術にしたがって弾性複合材構造体を製造するために使用され得る第1の回転アンビル上の例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0041】
図27】本発明の一実施形態による、図25の技術にしたがって弾性複合材構造体を製造するために使用可能な切断ユニットの外周面の平坦化された表現である。
【0042】
図28】本発明の一実施形態による、図25の技術にしたがって弾性複合材構造体を製造するために使用され得る第2の回転アンビル上の例示的なアンビルパターンの平坦化された表現である。
【0043】
図29】本発明の別の実施形態による、図26および図28の回転アンビルおよび図27の切断ユニットを使用して製造された連続弾性複合材構造体の一部の上面図である。
【0044】
図30】本発明の実施形態による、図1の製造ラインで使用可能な接合装置の概略断面図である。
【0045】
図31】本発明の一実施形態による、図30の接合装置を使用して製造された連続弾性複合材構造体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の実施形態は、1つ以上の張架弾性糸が対向するウェブ層に対して所定位置に固定または固着された1つ以上の活性化または弾性化ゾーンと、弾性化ゾーンに対して非弾性である1つ以上の不活性ゾーンとを含む弾性複合材構造体を製造するための、方法および装置を提供する。得られた弾性複合材構造体は、たとえば、おむつ、使い捨て成人用パンツ、または女性用ケア製品など吸収性衛生製品に使用され得る。1つの非限定例として、本明細書に記載される弾性複合材構造体は、吸収性コアがウエストバンドに結合された領域に不活性ゾーンを含む、おむつ用のウエストバンドであってもよい。
【0047】
ここで図1を参照すると、本発明の一実施形態による例示的な製造ライン10の一部が示されている。図示されるように、第1ウェブ層12は機械方向14に供給される。第2ウェブ層16も同様に機械方向14に供給される。第1ウェブ層12および第2ウェブ層16は、グルーなどの接着剤の中間層を使用せずにウェブ12、16の一方または両方を軟化または溶融および互いに結合させる印加エネルギーの印加時に、互いに融合することが可能な材料である。対向するウェブ層12、16の対は、代替実施形態により、同じタイプの材料であっても異なる材料であってもよい。非限定例として、第1および第2ウェブ層12、16は、不織布材料、織材料、フィルム、発泡体、および/またはこれらの材
料タイプの複合体または積層体を含み得る。
【0048】
1つ以上の弾性糸18は、第1および第2ウェブ層12、16の間に配置される。以下の説明は複数形の弾性糸に言及しているが、本明細書に記載される方法が、単一の弾性糸または任意の数の複数の弾性糸を含む弾性複合材構造体を製造するために使用され得ることは、理解されるべきである。弾性糸18は、クリールアセンブリ(図示せず)または類似の装置からの張力下で機械方向14に移動する。弾性糸18は、非限定例として、たとえば熱可塑性エラストマー、天然または合成ゴム、またはLYCRAのシート、ストランド、またはリボンを含む、いずれか適切な弾性材料で構成され得る。各弾性糸18は、個々のエラストマーストランドの形態で提供されてもよく、または単一の癒合した弾性糸18を形成するために、乾式紡糸製造プロセスなどによって、互いに結合した多くの個々のエラストマーフィラメントを含む製造マルチフィラメント製品であってもよい。
【0049】
弾性糸18は、所望の弾性、視覚的美観、および製造可能性を有する弾性複合材構造体の形成を容易にする、いずれの適切な断面形状を有してもよい。非限定例として、弾性糸18は、各弾性糸18がマルチフィラメント製品である場合のように、円形、長方形、正方形、または不規則な断面形状を有し得る。
【0050】
第1ウェブ層12および第2ウェブ層16は物理的に別個の構成要素として図1に示され本明細書に記載されているが、代替実施形態は、単一ウェブ構造の上層と下層との間に弾性糸18を捕捉するために、折り畳まれた単一ウェブ構造を利用してもよいと考えられる。このような実施形態では、弾性糸18の下に位置する単一構造の部分は第1ウェブ層12と呼ばれ、弾性糸18の上に位置する単一構造の部分は第2ウェブ層16と呼ばれる。
【0051】
製造ライン10は、弾性糸18が接合装置22に向かって機械方向14に移動する際にこれらを正確に位置決めして(任意選択的に)張力をかけるために採用される、ガイドローラなどの1つ以上の供給アセンブリ20を含む。接合装置22のすぐ上には、第1および第2ウェブ層12、16ならびに弾性糸18を接合装置22に供給および案内する1つ以上のアセンブリがある。図示される実施形態では、これらの供給アセンブリは、上部ローラ24、下部ローラ26、ならびに第1ウェブ層12、第2ウェブ層16、および弾性糸18を含む複合アセンブリ30を接合装置22内に案内するストランドガイドローラ28を含む。代替実施形態では、ローラ24、26、28は他の既知のタイプの供給アセンブリに置き換えられてもよく、および/または単一のローラユニットまたは他の既知のタイプの供給アセンブリに置き換えられてもよいと考えられる。
【0052】
接合装置22は、代替実施形態では、非限定例として回転超音波溶接システムまたはブレード超音波溶接システムを含む、いずれの既知の超音波溶接システムであってもよい。図示される実施形態では、接合装置22は、回転アンビル32と、第1ウェブ層12を第2ウェブ層16に接合(すなわち、融合)するために互いに協働する、ソノトロードとしても知られる超音波固定ブレードホーン34とを含む。代替実施形態は、複数の固定ブレードホーン、または1つ以上の回転ホーンを含んでもよい。接合プロセス中、弾性糸18は、以下に詳細に説明されるように、第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固着または固定される。
【0053】
接合装置22はまた、超音波ホーン34を駆動するモータ(図示せず)と、ホーン34を超音波によって励磁してホーン34を振動させる振動制御ユニット(図示せず)と、アンビル32を駆動する第2のモータ(図示せず)とを支持および/または収容する、1つ以上のフレーム36も含む。ホーン34およびアンビル32は、弾性糸18がホーン34とアンビル32の間の空間内に保持されている間に第1および第2ウェブ層12、16を
互いに超音波接合するのを容易にするために、互いに対して離間した関係で配置される。接合プロセス中、第1および第2ウェブ層12、16は、第1および第2ウェブ層12、16内の粒子の振動を増加させる、ホーン34からの超音波放射に曝される。超音波放射またはエネルギーは、消耗接着剤を必要とせずに摩擦熱が第1および第2ウェブ層12、16を互いに融合する特定の接合点に集中する。接合装置22は、第1ウェブ層12を第2ウェブ層16に超音波で融合する超音波接合アセンブリとして本明細書に記載されるが、本明細書に記載される技術は、音波、熱、または圧力接合技術、および業界で知られるその他の様々な形態の溶接を含む、接着剤を使用せずに2つ以上の材料層を融合するその他いずれの既知の溶接または接合技術にも及び得ると考えられる。
【0054】
ここで図2を参照すると、本発明の一実施形態によるアンビルが示されている。図示されるように、アンビル32は、アンビル面40から外向きに延在する別個の突起または溶接部38の配置を含む。これらの溶接部38は、(A)第1および第2ウェブ層12、16を互いに融合し、(B)製造された弾性複合材構造体の中で第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に弾性糸18を保持または固定するように、構築される。以下により詳細に説明されるように、固定溶接部38は、アンビル32の面40上の2つの隣り合う固定溶接部38の間を通過する弾性糸18が、一対の得られた接合部を弾性糸18が摺動するのを防ぐ摩擦抵抗によって、第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固定されるように、設計されている。固定溶接部38の位置は、アンビル32の固定領域42を画定する。
【0055】
アンビル32はまた、本明細書では積層溶接部44と呼ばれる、1つ以上の追加の突起も含む。拘束または固定溶接部38と同様に、積層溶接部44は第1および第2ウェブ層12、16を互いに融合する。積層溶接部44は、第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に弾性糸18を固定しないので、固定溶接部38とは異なる。
【0056】
アンビル32はまた、アンビル面40から外向きに延在する、1つ以上の縁部またはブレークバー46も含む。各ブレークバー46は、張架弾性糸18が第1ウェブ層12または第2ウェブ層16を切断または穿孔することなくホーン34とアンビル32との間を通過する時に、弾性糸18を破壊するように構成されている。所与の弾性糸18がホーン34とブレークバー46との間を通過するときに弾性糸18にかかる圧力または挟持力は、弾性糸18を破壊する応力を弾性糸18に与える。好適な実施形態では、(1つまたは複数の)ブレークバー46は、第1および第2ウェブ層12、16を互いに接合しないように構築される。代替実施形態では、(1つまたは複数の)ブレークバー46は、第1および第2ウェブ層12、16の間に、それぞれのブレークバー46の作用表面の幾何形状を反映する幾何形状を有する接合部を形成する。固定溶接部38、(1つまたは複数の)積層溶接部44、および(1つまたは複数の)ブレークバー46は共に、アンビル32の面40から外向きに延在する突起のパターン48または溶接パターンを画定する。
【0057】
図示される実施形態では、ブレークバー46は、突起のパターン48の全長50に等しいかまたは実質的に等しい長さを有する。代替実施形態では、各ブレークバー46は、以下にさらに詳細に説明されるように、アンビル全長50の一部のみに及ぶサイズであってもよい。任意選択的に、(1つまたは複数の)ブレークバー46は、(1つまたは複数の)ブレークバー46の作用表面58内にくぼんだ1つ以上の溝56(透視的に示される)を含んでもよい。さらに別の実施形態では、ブレークバー46は、別個だが密接な間隔を空けた一連の突起または挟持溶接部で構築されており、こう呼ばれるのは、2つの隣り合う挟持溶接部の密接な間隔が、接合プロセス中に隣り合う挟持溶接部を通過する弾性糸18を切離する挟持点として機能するからである。(1つまたは複数の)ブレークバー46は、直線的であり、図示されるようにアンビル32の回転軸60と平行に配向され、回転軸60に対してある角度で配向され、または弾性糸18を切断する所望の結果を実現する
ための設計仕様に基づいて決定されたいずれかの代替の幾何学的構成を有してもよい。
【0058】
ブレークバー46の位置は、アンビル32の不活性化領域62を画定するが、これは製造された弾性複合材構造体における不活性化または破壊された弾性糸の領域に対応し、以後、不活性ゾーンと呼ばれる。1つ以上の積層溶接部44もまた、アンビル32の不活性化領域62内に位置している。図示される実施形態では、不活性化領域62は、ブレークバー46の両側に積層溶接部44が配置された、1つのブレークバー46を含む。代替実施形態は、各ブレークバー46の片側または両側に積層溶接部44が配置された、所与の不活性化領域62内の複数のブレークバー46を含んでもよい。さらに別の実施形態では、積層溶接部44は不活性化領域62から完全に省略されてもよい。
【0059】
固定溶接部38、積層溶接部44、およびブレークバー46の特定のサイズ、形状、および一般的な配置、ならびに図2に示される溶接部38、44および(1つまたは複数の)ブレークバー46の総数は、アンビル32上の突起の全体的なパターン48の代表的で非限定的な例を示すことを意図している。代替実施形態は、最終製品上で所望の接合部のパターンを実現するために、任意の数の代替構成で配置された任意の数の溶接部38、44および(1つまたは複数の)ブレークバー46を含み得る。固定溶接部38および積層溶接部44のそれぞれの作用表面は、代替実施形態において類似のサイズおよび形状の接合部、または異なるサイズおよび/または形状の接合部を形成するように構成され得る。非限定例として、固定溶接部38および積層溶接部44のそれぞれのランド表面は、円形、長方形、三日月形であってもよく、または最終製品上で所望の全体的なパターンを形成するために選択され得る不規則形状を有してもよい。上記で説明されたように、得られた接合部のパターンは、1つ以上の弾性糸18を張力下で第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固定する1つ以上の固定ゾーンと、張架弾性糸18のない1つ以上の不活性領域またはゾーンとを含むことになる。張架弾性糸18がないので、これらの不活性ゾーンは、得られた弾性複合材構造体内に比較的弾性の領域を画定する。
【0060】
好適な実施形態では、固定溶接部38、積層溶接部44、および(1つまたは複数の)ブレークバー46は、アンビル32の面40に対して所望の突起の隆起パターン48を作成するためにアンビル32からバルク材料を除去する機械加工プロセスを使用して、アンビル32上に形成される。あるいは、固定溶接部38、積層溶接部44、およびまたは(1つまたは複数の)ブレークバー46は、アンビル32の面40と機械的に結合される1つ以上のインサート上に設けられてもよい。
【0061】
ここで図3を参照すると、ホーン34の作用表面64は、非限定例な一実施形態では、平滑な、または実質的に平滑な表面輪郭を有する。あるいは、作用表面64は、第1ウェブ層12を第2ウェブ層16に融合すること、および弾性糸18を第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固着させることをさらに容易にするために、アンビル32上の突起のパターン48と一致または位置合わせした突起の配置を含んでもよい。
【0062】
製造プロセス中、第1および第2ウェブ層12、16は、図3に示されるように、アンビル32の面40とホーン34の作用表面64との間に配置される。弾性糸18は、第1および第2ウェブ層12、16の間に張架状態で配置される。図3に一般的に示され、図4にさらに詳細に示されるように、ホーン34の作用表面64は、ホーン34の作用表面64と固定溶接部38および積層溶接部44のランド表面68、70のそれぞれとの間にニップギャップ66を維持するように制御される。ニップギャップ66のサイズは、第1および第2ウェブ層12、16の間の接合を容易にするために、製造プロセスのパラメータに基づいて決定される。接合装置22は、ホーン34とアンビル32との間に所望のニップギャップ66を維持するためにホーン34およびアンビル32のうちの少なくとも1つに力を加える任意の既知の位置決め手段67を含み得る。位置決め手段67は、非限定
例として、空気圧アセンブリ(図示せず)または機械的カムシャフト(図示せず)であってもよい。
【0063】
固定溶接部38は、代替実施形態では、平らな作用表面、平らな側面、または湾曲および直線状の作用表面および側面の何らかの混合を有してもよい。図4に示される実施形態では、固定溶接部38のランド表面68は、弧状または湾曲した表面プロファイルを有する。この湾曲プロファイルは、第1および第2の溶接層12、16が接合プロセス中にアンビル32の面40に対して滑ることを可能にし、こうして張架弾性ストランド18ならびに第1および第2ウェブ層12、16を含む複合アセンブリ30が接合装置22に向かって前進する速度を、アンビル32の回転速度に対して上昇または低下させる。複合ウェブ/糸アセンブリ30がアンビル32の速度よりも速い速度で前進するとき、得られた接合部は、アンビル面40上の隣り合う溶接部38、44の間の径方向間隔よりも長い距離だけ離間する。同様に、アンビル32の速度に対して複合ウェブ/糸アセンブリ30の供給速度を低下させることで、アンビル面40上の隣り合う溶接部38、44の間の径方向間隔よりも短い距離だけ離間した接合部となる。ウェブ速度とアンビル速度との間の速度のミスマッチまたは差は、最終製品におけるサイズの変化に対応するために制御され得る。その結果、ワンサイズのおむつ用の弾性複合材の接合は、ほとんどまたは全く滑りなしで実行され得るが、より大きいまたは小さいおむつ用の弾性複合材の接合は、より大量の滑りを伴って実行され得る。異なるサイズの製品で使用するための複数のサイズの弾性複合材構造体を製造するために同じアンビル32を使用できるので、アンビル32が設けられた製造ライン10はこのように、製造ライン10の工具設定を変更する必要なしに、動的なサイズ変更を提供する。
【0064】
図5は、ホーン34とアンビル32上のブレークバー46との間の関係の詳細図である。図示される実施形態では、ブレークバー46は、固定溶接部38に関して上記で説明されたのと同様の方法で、アンビル32と第1および第2ウェブ層12、16との間で滑りを発生させられるように、直線状の側面72および湾曲した作用表面58を有する。あるいは、ブレークバー46の作用表面58全体が、図4の固定溶接部38と類似の連続的な弧状プロファイルを有してもよい。さらに別の実施形態では、作用表面58は平坦または平らであってもよく、側面72は湾曲していてもよく、またはブレークバー46は、弾性糸18を切断し、任意選択的に、第1および第2ウェブ層12、16を融合する、意図される機能を実現するその他いずれかの幾何学的プロファイルで構成されてもよい。
【0065】
図5に示されるように、ホーン34の作用表面64は、ニップギャップ76によって(1つまたは複数の)ブレークバー46の作用表面58から離間している。一実施形態では、ニップギャップ76は、ホーン34の作用表面64と固定または積層溶接部38、44のランド表面68、70との間のニップギャップ66と等しいかまたは実質的に等しい。代替実施形態では、(1つまたは複数の)ブレークバー46が、(1つまたは複数の)ブレークバー46の幾何形状、ニップギャップ76のサイズ、またはこれらの組み合わせのおかげで第1および第2ウェブ層12、16の間の接合部を形成することが望ましい。
【0066】
図6は、図2に示される突起のパターン48を有するアンビル32を使用して形成された弾性複合材構造体78の一部を示す。弾性複合材構造体78は、第1ウェブ層12および第2ウェブ層16が平坦または実質的に平坦となる点まで弾性糸18を伸張した延伸状態で示されている。弾性糸18は、第1および第2ウェブ層12、16の間に位置しており、弾性複合材構造体78の縦軸80に沿って配向されている。図示される実施形態は3つ(3)の弾性糸18を含むが、代替実施形態は、最終製品の設計仕様に基づいて、単一の弾性糸18または任意の数の複数の弾性糸18を含み得ると考えられる。
【0067】
第1および第2ウェブ層12、16は、アンビル32上の固定溶接部38(図2)がウ
ェブ層12、16と連絡する場所の固定接合部82によって、およびアンビル32上の積層溶接部44(図2)がウェブ層12、16と連絡する場所の積層接合部84によって、融合する。アンビル32の(1つまたは複数の)ブレークバー46は弾性糸18を破壊して、最も近い固定接合部82に向かってこれらをはじき返す。弾性複合材構造体78が弛緩できるとき、弾性糸18は、非張架状態または弛緩状態に戻るために、膨張または拡張しようとする。弾性糸18が拡張すると、摩擦力が、隣り合う固定接合部82と第1および第2ウェブ層12、16との間に糸18を拘束または固定する。その結果、アンビル32の固定領域86に対応する1つ以上の弾性または固定領域またはゾーン86と、アンビル32の不活性化領域62に対応する1つ以上の非弾性または不活性ゾーン88とを含む、弾性複合材構造体78が得られる。(1つまたは複数の)固定ゾーン86の長さ90および(1つまたは複数の)不活性ゾーン88の長さ92は、接合プロセス中の複合ウェブ/糸アセンブリ30の供給速度に対するアンビル32の回転速度およびアンビル幾何形状の制御によって画定される。
【0068】
ここで適宜図2と共に図7を参照すると、一実施形態では、隣り合う固定溶接部38の近位縁部は、非張架状態の所与の弾性糸18のストランド径96よりも短い距離94だけ互いに離間している。本明細書で使用するとき、語句「ストランド径」は、非張架状態の弾性糸18の最小の測定可能な断面幅を指す。所与の弾性糸18がモノフィラメント構造である実施形態では、ストランド径は、非張架状態のモノフィラメント構造の小径または最小の測定可能な幅である。所与の弾性糸18がマルチフィラメント構造である実施形態では、語句「ストランド径」は、一般に不規則な断面積を画定する外形の対向する縁部の間の最短距離を指す。アンビル32上の隣り合う固定溶接部38は、図7に示されるように、隣ある固定接合部82の近位縁部間の距離98が非張架弾性糸18のストランド径96よりも小さいので、弾性糸18を固着または固定するように作用する一対の隣り合う固定接合部82を形成する。
【0069】
ブレークバー46が別個の挟持溶接部で構成される実施形態では、隣り合う挟持溶接部は、ストランド径96および隣り合う固定接合部82間の距離98よりも短い距離102だけ離間した近位縁部を有する、一対の隣り合う挟持接合部100を形成する。
【0070】
図2のアンビル32が複数の隣り合う積層溶接部44を含む実施形態では、隣り合う溶接部44は、(A)図7の積層接合部84Aによって示されるように、単一の非張架弾性糸18のストランド径96より長い距離106、または(B)積層接合部84Bによって示されるように、2つ以上の非張架弾性糸18のストランド径96の総和より長い距離108のいずれかだけ離間した近位縁部を有する、一対の隣り合う積層接合部84を形成する距離104で離間している。
【0071】
図8は、本発明の代替実施形態によるアンビル32を示す。アンビル32は、より狭いブレークバー46を含み、積層溶接部44を含まないという点で、図2に関して説明された突起のパターン48とは異なる突起のパターン110を含む。このような実施形態では、得られた弾性複合材構造体は、図6に示される固定ゾーン86と類似の固定ゾーンと、ブレークバー46によって形成された接合線を含むが積層接合部を含まない不活性ゾーンとを含む。一実施形態では、不活性ゾーン内で第1および第2ウェブ層12、16を互いに結合するために、接着剤が使用されてもよい。あるいは、以下により詳細に説明されるように、アンビル32の下流に配置された第2アンビルユニットを使用して、不活性ゾーン内に図6の積層接合部84と類似の積層接合部が形成されてもよい。
【0072】
図2から図8を参照して説明された実施形態では、固定ゾーン86および不活性ゾーン88は、アンビル32上の(1つまたは複数の)ブレークバー46、(1つまたは複数の)積層溶接部44(使用時)、および固定溶接部38の特定の構成の結果として、機械横
断方向54の得られた弾性複合材構造体78の同様の幅に及ぶ。図10図12図14、および図16は、得られた弾性複合材構造体全幅の一部のみに及ぶ不活性ゾーン88を形成するために図1の接合装置22で使用され得る、代替のアンビル突起パターンを示す。これらの代替突起パターンは、図9に示される前ウエストパネル112および後ウエストパネル114などの連続弾性複合材構造体を製造するために使用され得る。図示されるように、前および後ウエストパネル112、114は、弾性糸18を固定する複数の固定接合部を含む固定ゾーン86と、使い捨ておむつまたはパンツのそれぞれの吸収性コア116の取り付け位置を画定する不活性ゾーン88とを含み、いくつかの実施形態では積層接合部を含んでもよい。線118は、製品切断線を表す。図10図12図14、および図16の各々は、ウエストパネル112、114を製造するための突起の1つの例示的で非限定的なパターンを示すと理解されるべきである。本明細書に記載される概念は、図10図12図14、および図16に関して説明されたものとは異なる突起の代替パターンを有するアンビルを使用して、1つ以上の固定ゾーンおよび1つ以上の不活性ゾーンを有する最終製品を製造することにも及び得る。したがって、アンビルの突起のパターンは、本明細書に具体的に示される実施形態に対してサイズおよび/または位置が異なる1つ以上の固定ゾーンおよび1つ以上の不活性ゾーンを含む弾性複合材構造体を作成するために、本明細書に示されるものから変更され得ると考えられる。
【0073】
図10は、アンビル32が、図9の不活性ゾーン88および固定ゾーン86を形成する突起のパターン120を含む実施形態による、アンビル32の外周面40の平坦化された表現である。突起のパターン120は、アンビル面40の周方向軸124に沿って互いに離間した複数の固定溶接線122を含む。固定溶接線122は、突起のパターン120の固定領域126を画定する。突起のパターン120はまた、ブレークバー128と、不活性化領域132を集合的に画定する複数の積層溶接線130とを含む。
【0074】
図10Aで提供される詳細図に示されるように、固定溶接線122の各々は、複数の別個の固定溶接部38を含む。同様に、積層溶接線130の各々は、複数の別個の積層溶接部44を含み、これらは固定溶接部38の距離よりも長い距離で互いに離間している。代替実施形態では、各積層溶接線130は単一の積層溶接部44で構成されてもよく、または積層溶接線130は全て省略されてもよい。ブレークバー128は、図示されるように連続的な作用表面を有して形成されてもよく、または図2の溝56と類似の1つ以上の溝を含んでもよい。
【0075】
図示される実施形態では、ブレークバー128、積層溶接線130、および固定溶接線122は、アンビル面40にわたって全体的に正弦パターンとなる類似の正弦幾何形状を有する。この実施形態では、ブレークバー128は、接合プロセス中に、第1および第2ウェブ層12、16を融合し、ブレークバー128とホーン34(図1)との間を通過する(1つまたは複数の)弾性糸18を切離するように構築されている。代替実施形態では、不活性化領域62の前縁および後縁に直接隣接する積層溶接線130のうちの1つ以上が省略されてもよい。ブレークバー128、積層溶接線130、および固定溶接線122は、直線、曲線であってもよく、または代替実施形態では、最終製品の連続的かつ反復的な全体パターンを作成するように別途配置されてもよい。
【0076】
図11に示されるように、接合プロセスは、図10の突起のパターン120内の固定溶接線122および積層溶接線130の幾何形状を反映する、得られた弾性複合材構造体138上の固定接合線134および積層接合線136の全体パターンを作成する。したがって、溶接線122、130が正弦状である実施形態では、得られた接合線134、136は類似の正弦パターンを有する。弾性複合材構造体138上の代替接合パターンは、アンビル32上の対応する溶接線122、130の幾何形状を変化させることによって実現され得る。図示される実施形態では、連続接合線140はブレークバー128によって形成
され、これは弾性糸18を切離する。弾性糸18の切離または切断端部142は、最も近い固定接合線134に向かってはじき戻り、これにより、所与の切断弾性糸18の2つのセグメント化部分18A、18Bを張力下で第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固定する。代替実施形態では、ブレークバー128は、第1および第2ウェブ層12、16を融合せずに弾性糸18を切離するように構成されてもよい。固定接合線134はまた、第1および第2ウェブ層12、16を互いに接合し、固定ゾーン86を画定する。第1および第2ウェブ層12、16は、ブレークバー128によって形成された連続接合線140によって、およびアンビル32上の積層溶接線130によって形成された積層接合線136によって、不活性ゾーン88内で互いに接合される。上記の実施形態と同様に、固定接合線134は、弾性複合材構造体138上に固定ゾーン86を集合的に画定する。不活性ゾーン88は、積層接合線136および連続接合線140(形成された場合)を画定する。
【0077】
図12は、本発明の代替実施形態によるアンビル32上の突起のパターン144を示す。突起のパターン144は固定溶接線122を含み、これは図10の突起のパターン120に含まれるものと同様に配置され、図10Aの固定溶接部38と類似の別個の固定溶接部を含む。突起のパターン144は一対のブレークバー128も含み、その一方は不活性化領域132の前縁に配置され、他方は不活性化領域132の後縁に配置される。一連の積層溶接線130は、各々が図10Aの積層溶接部44と類似の別個の積層溶接部を含む、ブレークバー128の間に配置される。
【0078】
突起のパターン144は、図13に示される接合部のパターンを含む弾性複合材構造体138を作成する。各ブレークバー128は、弾性糸18がその上を通過する際に弾性糸18を切離するので、2つのブレークバー128を使用することで、アンビル32の不活性化領域132を通過する所与の弾性糸18に2つの切断点を生成し、その結果、これらの弾性糸18の各々の切離弾性糸部分146を生じる。これらの切離弾性部分146は、図13に示されるように、得られた弾性複合材構造体138の不活性ゾーン88内に維持される。
【0079】
図14は、本発明の別の実施形態によるアンビル32上の突起の代替パターン148を示す。固定領域126は、図10および図10のものと類似の固定溶接線122を含む。不活性化領域132は、固定溶接線122とブレークバー128との交互のパターンを含む。一実施形態では、ブレークバー128は、第1および第2ウェブ層12、16を融合しないように構築される。接合プロセス中、アンビル32の不活性化領域132を通過する各弾性糸18は、ブレークバー128の各々によって切断される。その結果、不活性化領域132を通過する各弾性糸18に対応する一連の切離弾性糸部分146を含む、図15に示される弾性複合材構造体138が得られる。これらの切離弾性糸部分146は、固定ゾーン86内の固定接合線134によって、所定位置に固定される。
【0080】
突起のさらに別の代替パターン150が、図16に示されている。この実施形態では、図17に示されるように、得られた弾性複合材構造体138上に、パターン150の不活性化領域132は、弾性糸18を同時に切断し、対応する未破壊接合パターン154または幾何学的設計を形成する、連続溶接パターン152を含む。接合プロセス中に溶接パターン152とホーン34(図1)との間を通過する各弾性糸18は、溶接パターン152の幾何形状に基づいて、1回または複数回切断され得る。図示される実施形態では、溶接パターン152は、影響を受けた弾性糸18の各々を2回以上切断し、その結果、弾性複合材構造体138の接合パターン154内に含まれる多くの切離弾性糸部分146が得られる。図16に示される連続溶接パターン152は、突起のパターン150内で実施され得る溶接パターン幾何形状のほんの一例として理解されるべきである。代替実施形態では、突起のパターン150は、得られた弾性複合材構造体138上に任意の所望のパターン
、形状、設計、ロゴなどを形成する連続溶接パターン152を含み得る。
【0081】
図11図13図15、および図17の弾性複合材構造体138上に描かれた接合パターンは、最終製品上の固定および不活性ゾーンの位置および境界を画定する突起のパターンを有する単一のアンビル32を使用して形成されるものとして、上記で説明された。あるいは、各々が全体的な突起のパターンの一部を含む2つ以上のアンビルを使用して、類似の最終製品が製造されてもよい。このような実施形態では、複数のアンビルは、機械横断方向54(すなわち、機械方向14に垂直な方向)に互いに隣接して配置され、共通の回転軸の周りを同時に回転するように構成される。
【0082】
代替実施形態では、第1および第2ウェブ層12、16は、機械方向14に直列に配置された複数の接合装置を使用して、互いに融合する。図1を参照すると、第1接合装置22には、全体的な接合パターンの第1部分を形成する突起のパターンを含む第1アンビル32と、1つ以上のホーン34とが設けられている。第2接合装置156は、機械方向14で第1接合装置22の下流に配置されている。第2接合装置156は、第2ホーン158と、全体的な接合パターンを完成させる突起の第2パターンを含む第2アンビル160とを含む。第2接合装置156は、代替実施形態では、複数のホーンおよび/または複数のアンビルを含んでもよい。
【0083】
図18は、この2段階アンビル配置を利用する例示的な製造方法162を示す。方法162は、第1および第2ウェブ層12、16を互いに接合するためにホーン34と組み合わせて第1アンビル32を操作することにより、ステップ164で始まる。アンビル32は、弾性糸18を切断または切離する1つ以上のブレークバー46を含む。得られた中間製品166は、参照のためにホーン34および(1つまたは複数の)ブレークバー46の位置を中間製品166の上に重ねて、図18に示されている。中間製品166は固定ゾーン86および不活性ゾーン88を含み、これらは製造プロセスのこの時点では、積層接合部84を含んでいない。固定ゾーン86は、図11図13図15、および図17に関して説明されたものと同様に、固定溶接線122および図2図10図12図14、および図16に関して説明されたもののいずれかと類似の対応する固定溶接部38によって形成された、固定接合線134を含む。
【0084】
方法162は、図2図10図12図14、および図16に関して説明されたもののいずれかと類似の積層溶接部または積層溶接線のパターンを介して(1つまたは複数の)得られた不活性ゾーン88内で第1および第2ウェブ層12、16を融合することによって、ステップ168で継続する。その結果、1つ以上の固定ゾーン86および1つ以上の不活性ゾーン88を含む弾性複合材構造体138が得られる。
【0085】
図19および図20は、本発明の一実施形態による、第1アンビル32および第2アンビル160のそれぞれの外周面の平坦化された表現を示す。第1アンビル32は、固定溶接線122およびブレークバー128を有する突起の第1パターン170を含む。第2アンビル160は、一連の積層溶接線130を含む突起の第2パターン172を含む。アンビル32、160が図18の方法162に関して説明された方法で操作されると、突起の第1および第2パターン170、172は、図21に示される弾性複合材構造体138を形成する。図示される実施形態では、図19に示されるブレークバー128は、弾性複合材構造体138(図21)の第1および第2ウェブ層12、16の間に接合部を形成するように構成されていない。代替実施形態では、ブレークバー128の幾何形状は、不活性ゾーン88内に接合線を形成するように設計されてもよい。
【0086】
代替の2段階接合方法174は、図22に示されている。図18の方法162と同様に、技術174は、全体的な接合パターンを形成するために、機械方向14に直列に配置さ
れた一対のアンビル32、160を利用する。方法162、174は、アンビル32、160上で異なるパターンの突起を使用する点で互いに異なる。方法174の第1ステップ176の間、中間製品178を形成する突起のパターンを含む第1アンビル32を使用して、全体的な接合パターンの第1部分が形成される。図22に示されるように、中間製品178は、製品178の幅に及ぶ別個の固定ゾーン86を含む。第1アンビル32はまた、弾性体を切離して1つ以上の不活性ゾーン88を作成する、1つ以上のブレークバー46も含む。
【0087】
方法174の第2ステップ180の間、1つ以上の積層溶接線130に加えて固定溶接線122を含む第1アンビル160を使用して、全体的な接合パターンが完成する。第2アンビル160は、不活性ゾーン88および1つ以上の追加の固定ゾーン86内に1つ以上の積層接合部84を形成し、弾性複合材構造体138をもたらす。
【0088】
弾性複合材構造体138を形成するためのさらに別の代替方法182が、図23に示されている。方法182は、第1アンビル32と、図1に示されるように第1アンビル32の下流に配置された切断ユニット184と、切断ユニット184の下流に配置された第2アンビル160とを含む、製造ライン10を利用する。本発明の一実施形態による、切断ユニット184の一部の詳細図は、図24に提供されている。切断ユニット184は、回転アンビル188と位置合わせされた回転ナイフロール186を含む。ナイフ190は、回転ナイフロール186上のインサート192内に配置される。アンビルインサート194は、回転アンビル188内に挿入される。切断ユニット184は、単一のナイフ190および対応するアンビルインサート194、またはナイフユニット186および回転アンビル188のそれぞれの面の周りで互いに離間した複数のナイフ190/アンビルインサート194対を含み得る。各回転ナイフロール186および対応する回転アンビル188は、ナイフ190とアンビルインサート194の作用表面198との間にニップギャップ196を画定する距離だけ離間している。好適な実施形態では、ニップギャップ196は、アンビルインサート194に対するナイフ190の力が、第1および第2ウェブ層12、16を切離したり、これらにスリットを作成することなく弾性糸18を切離するのに十分な大きさとなるように、画定される。
【0089】
図示される実施形態では、アンビルインサート194の作用表面198は、その前縁200と後縁202との間で傾斜している。作用表面198の傾斜構成は、ナイフ190とアンビルインサート194との間の位相または相対回転位置を調整することにより、ニップギャップ196のサイズを調整できるようにする。代替実施形態では、作用表面198は、所望の切断機能を容易にするために、平坦、湾曲、またはその他の任意の幾何形状であってもよい。アンビルインサート194は、別の実施形態では、完全に省略されてもよい。切断ユニット184は、本明細書では、クラッシュカットユニットとして記載されている。別の実施形態では、切断ユニット184は、回転または非回転構成およびレーザーシステムを有するユニットを含む、当該技術分野において既知の代替タイプの切断ユニットに置き換えられてもよい。
【0090】
適宜図1から図3と組み合わせて図23を再び参照すると、方法182は、中間製品206上に別個の固定接合ゾーン86を形成するために第1アンビル32を使用するステップ204で始まる。一実施形態では、アンビル32は、アンビル32の外周面40の周りに延在する固定溶接部38の均一なパターンを含む。ホーン34は、接合プロセス中に、上昇位置と下降位置との間で矢印208、210(図3)の方向で上下に振動する。この振動は、ホーン34またはその他の既知の位置制御機構67に結合された機械的カムシャフトアセンブリを使用して実行され得る。ホーン34がその下降位置にあるとき、固定接合部82は所望の固定接合ゾーン86内に形成される。ホーン34がその上昇位置にあるとき、ホーン34はアンビル32との連絡から外れて、接合部のない領域212が中間製
品206内に形成される。ステップ214で、部分的に接合された中間製品206は切断ユニット184を通過し、これによって弾性糸18のうちの1つ以上を切離し、1つ以上の不活性ゾーン88を形成して中間製品216をもたらす。中間製品216はステップ218で第2アンビル160を通過するが、これは、弾性複合材構造体138上で接合パターンを完成させる固定溶接線および積層溶接線を含む突起のパターンを含む。
【0091】
図25は、図1の任意選択的な切断ユニット184および二重接合装置22、156の配置を使用して弾性複合材構造体138を形成するための代替方法220を示す。この方法220では、接合装置22は、少なくとも2つのホーン34A、34Bと、アンビル32の外周面40にわたる固定溶接部38の均一なパターンを有するアンビル32とを備えている。方法220の第1ステップ222の間、接合部のない領域226を生成するために、方法182のステップ204(図22)に関して説明された方法でホーン34Bを上昇位置と下降位置との間で振動させることによって、中間製品224が形成される。ステップ228で、(1つまたは複数の)ナイフ190は、弾性糸18のうちの1つ以上を切離し、得られた中間製品230に1つ以上の不活性ゾーン88を形成する。ステップ232で、第2アンビル160は、弾性複合材構造体138を完成させるために、不活性ゾーン88内に1つ以上の積層接合部を形成する。
【0092】
有利には、方法220は、ステップ222の間に振動しているホーン34Bが上昇位置および下降位置に保持される時間間隔を制御すること、ならびにステップ232の間に第2アンビル160の回転速度に対するウェブ速度を制御することによって、工具の変更なしに異なるサイズの最終製品を生産するために、実行され得る。より具体的には、振動しているホーン34Bは、接合部のない長い領域226を生成するために、より小さいサイズの製品に対してより大きいサイズの製品ではより長い時間間隔で、上昇位置に保持される。ステップ232の間、所望の量だけ得られた接合部のない領域226に及ぶ積層接合部のパターンを形成するために、ウェブ対アンビルの相対速度が制御される。
【0093】
図26図27、および図28は、第1アンビル32、ナイフユニット186、および第2アンビル160が図1に示される直列配置で配置され、図29に示される弾性複合材構造体138を生産する方法に従って操作される別の実施形態による、第1アンビル32、ナイフユニット186(切断ユニット184の-図1)、および第2アンビル160のそれぞれの面の例示的案平坦化された表現である。第1アンビル32は、図29の固定接合線134を作成する固定溶接線122を含む突起の第1パターン234を含む。図示される実施形態では、ナイフユニット186は、ナイフユニット186の回転軸に対してある角度で配向された2つのナイフ190を含む。このような場合、対応するアンビルインサート194(図24)は、回転アンビル188(図24)の回転軸に対して類似の角度で配置されてもよい。ナイフユニット186のナイフ190は、弾性糸18を切断し、弾性複合材構造体138の不活性ゾーン88を形成する。第2アンビル160(図28)は、不活性ゾーン88内に一連の積層接合線136(図29)を形成する一連の積層溶接線130を有する突起の第2パターン236を含む。
【0094】
図30は、図31に示されるような弾性複合材構造体240を作成するために、接合装置22の代わりに製造ライン10で使用され得る接合装置238を示す。一実施形態では、接合装置238は、上記のようなホーン34と、ブレークバー46(図2)と同様に、アンビル32上の固定溶接部38のパターンの長さに及ぶ、またはブレークバー128(図10)と同様に、全長の一部のみに及ぶ、少なくとも1つのブレークバー242を含むアンビル32とを含む。第1および第2ウェブ層12、16および1つ以上の張架弾性糸18は、共通の案内ローラ244または図3に示されるものと類似の複数のローラのいずれかによって、アンビル32の面40上に、およびアンビル32とホーン34との間のギャップ66内に配向される。1つ以上の弾性糸18がブレークバー242とホーン34と
の間を通過する際に、(1つまたは複数の)糸18が切断される。切断の直後に、張力装置246は、(1つまたは複数の)切断糸18がアンビル32の面40を横切って共通の案内ローラ244に向かって後方(上流)に引っ張られるように、切断糸18の張力を増加させる。(1つまたは複数の)切断弾性糸18と第1および第2ウェブ層12、16との間の摩擦力は、(1つまたは複数の)切断弾性糸18が(1つまたは複数の)案内ローラ244の上流の位置に後退するのを防ぐ。(1つまたは複数の)切断糸18が張力装置246を介して不活性ゾーン88の所望の長さ248に等しい距離だけ後退すると、アンビル32は方向250に回転し続け、ホーン34がアンビル32の面40の固定溶接部38に係合する際に第1および第2ウェブ層12、16を融合する固定接合部82が形成される。図31に示される不活性ゾーン88は、張力装置246が(1つまたは複数の)切断糸18を後退位置に保持している期間の間に形成される。
【0095】
(1つまたは複数の)切断糸18が不活性ゾーン88の後縁に後退している所定の期間が経過した後、張力装置246は、(1つまたは複数の)切断弾性糸18の張力を元の張架状態に調整し、ホーン34に向かう下流への(1つまたは複数の)切断弾性糸18の移動を再開させる。(1つまたは複数の)切断弾性糸18の(1つまたは複数の)切離端がホーン34に到達した後、これらは効率的に再度糸通しされ、引き続き形成される固定接合部によって、第1および第2ウェブ層12、16に対して所定位置に固定される。
【0096】
代替実施形態では、ホーン34は切断ナイフ(1つまたは複数の)たとえば、図24の切断ユニット184)によって置き換えられ、ホーン252が切断ナイフの下流に配置される。1つ以上の弾性糸18は、切断ナイフを使用して切離され、続いて上記と同様の方法で、張力装置246によって(1つまたは複数の)案内ローラ244に向かって後方に摺動させられる。(1つまたは複数の)切断弾性糸18が所望の不活性ゾーンの長さに等しい距離を滑ると、張力装置246は、(1つまたは複数の)切断弾性糸18がアンビル面40を横切って第1および第2ウェブ層12、16の間の移動を再開するように、(1つまたは複数の)切断弾性糸18の張力を調整する。ホーン252と固定溶接部38との間の相互作用により、得られた弾性複合材構造体240上に固定接合部82を作成する。
【0097】
さらに別の代替実施形態では、張力装置246は省略され、案内ローラ244は、(1つまたは複数の)弾性糸18が破壊されるときに同期するタイミングパターンに応じて複合ウェブ/糸アセンブリ30の張力を増減するために回転する偏心ローラテンショナ(図示せず)に置き換えられる。より具体的には、偏心ローラテンショナは、(1つまたは複数の)弾性糸18が切断されたとき、またはその直後に複合ウェブ/糸アセンブリ30の張力を減少させるように制御される。複合ウェブ/糸アセンブリ30の張力を減少させることで、(1つまたは複数の)切断弾性糸18と第1および第2ウェブ層12、16との間の摩擦が減少し、これにより、(1つまたは複数の)切断弾性糸18が偏心ローラテンショナに向かってはじき戻ることができる。(1つまたは複数の)切断弾性糸18が所望の不活性ゾーンの長さに等しい距離だけ滑ると、偏心ローラテンショナは、複合ウェブ/糸アセンブリ30の張力を増加させるために回転するように制御され、これにより、(1つまたは複数の)切断弾性糸18と第1および第2ウェブ層12、16との間の摩擦を増加させる。摩擦の増加により、(1つまたは複数の)切断弾性糸18は、アンビル面40を横切って第1および第2ウェブ層12、16と共に移動を再開する。(1つまたは複数の)弾性糸18はないが固定接合部82と類似の間隔で離間した接合部を含む不活性ゾーン88(図31)は、(1つまたは複数の)切断弾性糸18が切断されてからその後再度糸通しされるまでの間の時間間隔で、得られた弾性複合材構造体240上に形成される。
【0098】
本明細書に記載される装置および方法は、グルーを使用せずに、非限定例として、ワンピースまたはスリーピース式のおむつのウエスト領域、ウエスト下領域、および/またはレッグカフ領域の弾性複合材構造体を作成するために使用され得る。グルーの使用を排除
することにより、得られた弾性複合材は、肌触りがより柔らかく、機械横断方向により均一な波紋パターンを有する。本明細書に記載される装置および方法はまた、ウェブ層に切り込みまたはスリットを作成することなく、得られた弾性複合材に異なる弾性(すなわち、固定)ゾーンおよび非弾性(すなわち、不活性)ゾーンを形成する様々な手段を提供する。したがって、本明細書で開示される本発明の実施形態は、従来技術のアプローチよりも構造的に堅牢で、最終顧客にとって視覚的にも触覚的にもより快適な最終製品を作成する製造プロセスを可能にする。
【0099】
したがって、本発明の一実施形態によれば、一対の対向するウェブ層の間に固着した少なくとも1つの弾性糸を有する弾性複合材構造体を製造するための接合装置が開示される。接合装置は、少なくとも1つの固定領域および少なくとも1つの不活性化領域を備える溶接パターンを有する面を有する回転アンビルを含む。少なくとも1つの固定領域は、一対の対向するウェブ層を互いに融合し、少なくとも1つの弾性糸を一対の対向するウェブ層に対して所定位置に固定する固定接合部を形成するように構築された、複数の固定溶接部を含む。少なくとも1つの不活性化領域は、少なくとも1つの弾性糸を切離するように構築されたブレークバーを含む。
【0100】
本発明の別の実施形態によれば、弾性複合材構造体を製造する方法は、第1ウェブ層と第2ウェブ層との間に張架弾性糸を配置するステップと、第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合してその間に張架弾性糸を固定する複数の別個の固定接合部を備える固定ゾーンを形成するために第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合するステップとを含む。方法はまた、張架弾性糸のない弾性複合材構造体の不活性ゾーンを形成するために張架弾性糸を切断するステップであって、不活性ゾーンは固定ゾーンの隣り合う部分の間に配置される、ステップも含む。方法は、不活性ゾーン内で第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合するステップをさらに含む。
【0101】
本発明のさらに別の実施形態によれば、弾性複合材構造体は、張架弾性糸と、張架弾性糸の第1の側に配置された第1ウェブ層と、張架弾性糸の第2の側に配置された第2ウェブ層と、第1ウェブ層を第2ウェブ層に融合する接合部のパターンとを含む。接合部のパターンは、少なくとも1つの接合部のパターンと、張架弾性糸の第1部分の切断端部と、張架弾性糸の第2部分の切断端部とを含む、不活性ゾーンを含む。不活性ゾーンには張架弾性糸がない。接合部のパターンはまた、不活性ゾーンの両端を区切る固定ゾーンも含む。固定ゾーンは、張架弾性糸の第1部分を第1および第2ウェブ層に固定する接合部のパターンの第1の複数の接合部と、張架弾性糸の第2部分を第1および第2ウェブ層の第2部分に固定する接合部のパターンの第2の複数の接合部とを含む。
【0102】
本発明は、限られた数の実施形態のみに関連して詳細に説明されてきたが、本発明がこのような開示された実施形態に限定されないことは、容易に理解されるべきである。むしろ、本発明は、これまでに説明されていないが、本発明の精神および範囲に相応の変形、変更、置換、または同等の構成をいくつでも組み込むように修正されることが可能である。加えて、本発明の様々な実施形態が説明されてきたが、本発明の態様が、記載された実施形態の一部のみを含み得ることは、理解されるべきである。したがって、本発明は、上記の説明によって限定されると見なされるべきではなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図10A
図11
図11A
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の対向するウェブ層の間に固着された弾性糸を備える弾性複合材構造体を製造するための接合装置であって、
面を有する回転アンビルと、
前記回転アンビルの前記面から外側に延びる複数の第1の固定溶接部を含む第1の湾曲した輪郭部であって、隣接する前記第1の固定溶接部が、一対の対向するウェブ層を互いに融合させる一対の隣接する第1の固定接合部を形成し、隣接する前記第1の固定接合部の間を通過する前記弾性糸を一対の対向する前記ウェブ層に対して所定の位置に固定するするように構成されている、第1の湾曲した輪郭部と、
前記回転アンビルの前記面から外側に延び、前記弾性糸を切離するように構成された、湾曲したブレークバーと、を備え、
動作中、ブレードホーンに対する前記接合装置の連続する動作時の接触を提供するように、前記湾曲したブレークバーが、少なくとも部分的に、前記回転アンビルの周方向において前記第1の湾曲した輪郭部と重なり合っている、接合装置。
【請求項2】
前記回転アンビルの前記面から外側に延びる複数の第2の固定溶接部を含む第2の湾曲した輪郭部をさらに備え、隣接する前記第2の固定溶接部は、前記一対の対向するウェブ層を互いにさらに融合させる一対の隣接する第2の固定接合部を形成し、隣接する前記第2の固定接合部の間を通過する前記第1の弾性糸を一対の対向する前記ウェブ層に対して所定の位置に固定するように構成されている、請求項1に記載の接合装置。
【請求項3】
前記回転アンビルの前記面から外側に延び、前記弾性糸を切離するように構成された、第2の湾曲したブレークバーをさらに備え、前記固定溶接部の前記第1および第2の輪郭部が前記ブレークバーの間にある、請求項2に記載の接合装置。
【請求項4】
前記第1および第2のブレークバーは前記一対の対向するウェブ層の間に接合部を形成するようにさらに構成される、請求項3に記載の接合装置。
【請求項5】
前記回転アンビルの前記面から外側に延びる複数の第2の固定溶接部を含む湾曲した輪郭部をさらに備え、前記複数の第2の固定溶接部および前記湾曲したブレークバーはそれぞれ、前記回転アンビルの前記面から外側に延びる共通の湾曲した輪郭部の一部を画定する、請求項1に記載の接合装置。
【請求項6】
前記ブレークバーの作用表面および前記複数の第1の固定溶接部のランド表面から離間した作用表面有するホーンをさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項7】
前記ホーンは超音波ホーンを備える、請求項6に記載の接合装置。
【請求項8】
前記ホーンが前記第1の固定接合部を形成するために前記回転アンビルと連絡する下降位置と、前記ホーンが前記第1の固定接合部の形成を防ぐ距離で前記回転アンビルから離間している上昇位置との間で前記ホーンを振動させるための手段をさらに備える、請求項に記載の接合装置。
【請求項9】
前記ブレークバーによって切離された前記弾性糸を、前記一対の対向するウェブ層の上流移動に対して下流方向に選択的にはじき戻し、所定の期間後に前記一対の対向するウェブ層の間の下流移動を再開するように構成された張力装置をさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項10】
記一対の対向するウェブ層に対して所定位置に前記弾性糸を固定することなく前記一対の対向するウェブ層を融合する積層接合部を形成するように構築された複数の積層溶接部をさらに備える、請求項1に記載の接合装置。
【請求項11】
前記ブレークバーは、前記一対の対向するウェブ層の間に接合部を形成するようにさらに構築された、請求項に記載の接合装置。
【請求項12】
前記第1の湾曲した輪郭部は正弦状である、請求項に記載の接合装置。
【請求項13】
前記ブレークバーは少なくとも1つの溝を含む、請求項1に記載の接合装置。
【請求項14】
前記回転アンビルの前記面から外側に延び、前記弾性糸を切離するように構成された第2の湾曲したブレークバーをさらに備え、前記第1の湾曲した輪郭が前記ブレークバーの間にある、請求項1に記載の接合装置。
【請求項15】
前記第1および第2のブレークバーは、前記一対の対向するウェブ層の間に接合部を形成するようにさらに構成された、請求項14に記載の接合装置。
【外国語明細書】