(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042141
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】簡易構造物
(51)【国際特許分類】
E04B 1/343 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
E04B1/343 G
E04B1/343 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146636
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】東海 光喜
(72)【発明者】
【氏名】寺田 容一
(72)【発明者】
【氏名】原田 豪太
(72)【発明者】
【氏名】棚田 創一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡島 功洋
(57)【要約】
【課題】 施工を簡略化できる簡易構造物の提供。
【解決手段】 軒82と本体81とを備え、軒82の軒桁83、本体81の前桁3及び後桁4を構成する桁のうち本体81の前桁3は前側と後側に樋部32を有し、軒82及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7b,7aを下り傾斜に設けるときは、軒桁83及び後桁4の少なくとも何れか一方から前桁3の樋部32に向けて屋根7b,7aを下り傾斜に設けてあり、軒82及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7b,7aを山型に設けるときは、軒桁83及び後桁4の少なくとも何れか一方に樋部32を設け、軒桁83と前桁3の樋部32間、前桁3と後桁4の樋部32間に屋根7b,7aを山型に設けてある。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒と本体とを備え、軒の軒桁、本体の前桁及び後桁を構成する桁のうち本体の前桁は前側と後側に樋部を有し、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を下り傾斜に設けるときは、軒桁及び後桁の少なくとも何れか一方から前桁の樋部に向けて屋根を下り傾斜に設けてあり、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を山型に設けるときは、軒桁及び後桁の少なくとも何れか一方に樋部を設け、軒桁と前桁の樋部間、前桁と後桁の樋部間に屋根を山型に設けてあることを特徴とする簡易構造物。
【請求項2】
軒と本体とを備え、軒は、左右何れか一方の側桁と軒桁と前桁及び後桁を有し、本体は、左右の側桁と前桁と後桁を有し、軒の前桁と本体の前桁、軒の後桁と本体の後桁は、それぞれ長手方向に連続しており、軒及び本体の前桁は後側に樋部を有し、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を下り勾配に設けるときは、軒の後桁及び本体の後桁の少なくとも何れか一方から前桁の樋部に向けて屋根を下り傾斜に設けてあり、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を山型に設けるときは、軒の後桁及び本体の後桁の少なくとも何れか一方に樋部を設け、前桁の樋部と後桁の樋部間に屋根を山型に設けてあることを特徴とする簡易構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガーデンルーム等の簡易構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ガーデンルームのような建物の外壁に隣接して設置される簡易構造物が知られている。かかる簡易構造物においては、施工の簡略化が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、施工を簡略化できる簡易構造物の提供を目的とする。特に、軒を備える簡易構造物の施工の簡略化を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による簡易構造物は、軒と本体とを備え、軒の軒桁、本体の前桁及び後桁を構成する桁のうち本体の前桁は前側と後側に樋部を有し、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を下り傾斜に設けるときは、軒桁及び後桁の少なくとも何れか一方から前桁の樋部に向けて屋根を下り傾斜に設けてあり、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を山型に設けるときは、軒桁及び後桁の少なくとも何れか一方に樋部を設け、軒桁と前桁の樋部間、前桁と後桁の樋部間に屋根を山型に設けてあることを特徴とする。
【0005】
請求項2記載の発明による簡易構造物は、軒と本体とを備え、軒は、左右何れか一方の側桁と軒桁と前桁及び後桁を有し、本体は、左右の側桁と前桁と後桁を有し、軒の前桁と本体の前桁、軒の後桁と本体の後桁は、それぞれ長手方向に連続しており、軒及び本体の前桁は後側に樋部を有し、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を下り勾配に設けるときは、軒の後桁及び本体の後桁の少なくとも何れか一方から前桁の樋部に向けて屋根を下り傾斜に設けてあり、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を山型に設けるときは、軒の後桁及び本体の後桁の少なくとも何れか一方に樋部を設け、前桁の樋部と後桁の樋部間に屋根を山型に設けてあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明による簡易構造物は、軒と本体とを備え、軒の軒桁、本体の前桁及び後桁を構成する桁のうち本体の前桁は前側と後側に樋部を有し、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を下り傾斜に設けるときは、軒桁及び後桁の少なくとも何れか一方から前桁の樋部に向けて屋根を下り傾斜に設けてあり、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を山型に設けるときは、軒桁及び後桁の少なくとも何れか一方に樋部を設け、軒桁と前桁の樋部間、前桁と後桁の樋部間に屋根を山型に設けてあることで、軒を備える簡易構造物の施工を簡略化できる。軒を備えていることで、雨が入りにくい。
【0007】
請求項2記載の発明による簡易構造物は、軒と本体とを備え、軒は、左右何れか一方の側桁と軒桁と前桁及び後桁を有し、本体は、左右の側桁と前桁と後桁を有し、軒の前桁と本体の前桁、軒の後桁と本体の後桁は、それぞれ長手方向に連続しており、軒及び本体の前桁は後側に樋部を有し、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を下り勾配に設けるときは、軒の後桁及び本体の後桁の少なくとも何れか一方から前桁の樋部に向けて屋根を下り傾斜に設けてあり、軒及び本体の少なくとも何れか一方に屋根を山型に設けるときは、軒の後桁及び本体の後桁の少なくとも何れか一方に樋部を設け、前桁の樋部と後桁の樋部間に屋根を山型に設けてあることで、軒を備える簡易構造物の施工を簡略化できる。軒を備えていることで、雨が入りにくい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)は本発明の簡易構造物の第1実施形態を示す正面図、(b)は同簡易構造物の側面図、(c)は同簡易構造物の平面図である。
【
図3】(a)は
図1のB-B断面図、(b)は
図3(a)のC-C断面図である。
【
図4】同簡易構造物の外壁側の上部を拡大して示す縦断面図である。
【
図5】同簡易構造物の外壁側を拡大して示す横断面図である。
【
図6】同簡易構造物の構成を模式的に示す分解斜視図である。
【
図7】同簡易構造物の隙間塞ぎ材の施工手順を示す斜視図である。
【
図8】(a)は前桁及び後桁の小口に取付けられるキャップの一実施形態を示す平面図、(b)は同側面図、(c)はD-D断面図である。
【
図10】(a)は前桁及び後桁の小口に取付けられるキャップの他の実施形態を示す平面図、(b)は同側面図、(c)はE-E断面図である。
【
図12】隙間塞ぎ材(上隙間塞ぎ材)の他の実施形態を示す縦断面図である。
【
図13】隙間塞ぎ材(縦隙間塞ぎ材)の他の実施形態を示す横断面図である。
【
図14】(a)は本発明の簡易構造物の第2実施形態を示す正面図、(b)は同簡易構造物の側面図、(c)は同簡易構造物の平面図である。
【
図16】(a)は本発明の簡易構造物の第3実施形態を示す正面図、(b)は同簡易構造物の側面図、(c)は同簡易構造物の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1~6は、本発明の簡易構造物の第1実施形態を示している。本簡易構造物は、住宅の庭に設置されるガーデンルームに適用したものであって、
図1,2に示すように、建物の外壁Wから離して設置した簡易建物1と、外壁Wと簡易建物1の間の隙間を塞ぐ隙間塞ぎ材2とを備えている。簡易建物1は、土間G上に設置してあり、外壁Wには図示しない掃き出し窓が設置してあり、建物内より簡易建物1へと出入りできるようになっている。
【0010】
簡易建物1は、
図1に示すように、前桁3と後桁4と左右の側桁5,5とを四周枠組みして長方形の枠が形成され、その枠が前桁3の左右両端部と後桁4の左右両端部に配置された4本の柱6に支持されている。前桁3と後桁4と左右の側桁5,5は、何れも水平に配置され、4本の柱6は同じ長さになっている。桁3,4,5,5で構成された枠の開口部には屋根7が設けてあり、前桁3の下方の前面開口部と側桁5,5の下方の側面開口部には、折戸等の建具8が設けてある。
【0011】
前桁3と後桁4と側桁5は、同一のアルミニウム合金の押出形材を所定の長さに切断して形成したものであり、
図2,3に示すように、断面形状は全て共通となっている。桁3,4,5は、矩形断面の中空部9と、下側が開放したコ字形断面の凹部10を長手方向に連続して有している。凹部10は、柱6を呑み込ませた部分を除いて、下方より目板11を取付けて塞いである。凹部10の底壁10aの上面には、柱固定用の裏板12が桁3,4の長手方向に摺動可能に保持してある。
側桁5は、長手方向の端面(小口)を前桁3の後側面と後桁4の前側面に当接し、コ字形の連結金具13(
図3(a)参照)を用いて固定してある。前桁3及び後桁4の長手方向の端面(小口)には、
図3(b)に示すように、キャップ14が取付けてある。
【0012】
図8,9は、そのキャップ14の一実施形態を示している。キャップ14は、本体15と、本体15と前桁3及び後桁4の小口の間に挟む薄板16とで構成されている。
本体15は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、押出方向は上下の向きで、上下端面17が切断小口となっている。本体15の裏面側には、タッピングホール18を有する突状(取付部)19,19が左右方向に間隔をおいて2列設けてあり、突条19,19は上部と下部が切り欠かれており、
図8(c)に示すように、突状19,19が桁3,4の中空部9内に嵌まることで本体15が上下方向に位置決めされるようになっている。
薄板16は、ステンレスの薄板をプレス加工して形成したものであり、本体15の突状19,19を通すための穴20が形成してあるとともに、上下端部を本体15側に直角に折り曲げて、本体15の切断小口17,17を隠す小口隠し部21,21が形成してある。
本キャップ14は、
図8に示すように、薄板16を挟んだ状態で本体15を桁3,4の小口に突き当て、桁3,4の上壁に上方から挿通したねじ22を本体15のタッピングホール18に螺入することで固定して取付けられる。本体15の上下の切断小口17,17は、薄板16の小口隠し部21,21によって隠れる。
【0013】
図10,11は、キャップ14の他の実施形態を示している。本体15は、アルミニウム合金の押出形材で形成してあり、押出方向が左右方向となっており、左右端面23,23が切断小口となっている。本体15の裏面には板状の突状(取付部)19,19が上下方向に間隔をおいて設けてあり、突条19,19は左右の端部が切り欠かれており、
図10(c)に示すように、突条19,19が桁3,4の中空部9内に嵌まることで、本体15が上下方向及び左右方向に位置決めされるようになっている。上側の突状19には雌ねじ孔24が形成してある。
薄板16は、ステンレスの薄板をプレス加工して形成したものであり、本体15の突状19,19を通すための穴20が形成してあるとともに、左右端部を本体15側に直角に折り曲げて、本体15の切断小口23,23を隠す小口隠し部21,21が形成してある。
本キャップ14は、
図10に示すように、薄板16を挟んだ状態で本体15を桁3,4の小口に突き当て、桁3,4の上壁に上方から挿通したねじ22を本体15の突状19に形成した雌ねじ孔24に螺入することで固定して取付けられる。本体15の左右の切断小口23,23は、薄板16の小口隠し部21,21によって隠れる。
【0014】
このように、前桁3及び後桁4の小口に取付けられるキャップ14は、本体15と、本体15と前桁3及び後桁4の小口の間に挟む薄板16とからなり、薄板16は、本体15の小口17,17又は23,23を隠す小口隠し部21,21を有するので、前桁3及び後桁4の小口をキャップ14で簡便に塞ぐことができ、且つ本体15の小口17,17又は23,23が薄板16の小口隠し部21,21で隠れるため、意匠性を向上できる。
本体15は、アルミニウム合金の押出形材で形成したので、前桁3及び後桁4と色や質感を同じにすることができ、意匠性を向上できる。
本体15は、前桁3及び後桁4に上方からねじ止めしているので、ねじ頭が見えず意匠性が良い。
本体15は、前桁3及び後桁4とねじ止めするための突状(取付部)19を有し、薄板16は、本体15の突状(取付部)19を通すための穴20が設けてあるので、キャップ14の前桁3及び後桁4への取付けが容易である。
【0015】
柱6は、アルミニウム合金の押出形材で形成したものであり、
図3に示すように、左右の側面に矩形溝型の凹部25を長手方向に沿って有する柱本体26と、凹部25に嵌合取付けした目板27とで構成してある。目板27は、略矩形断面の中空状に形成してあり、後述するように、縦樋を兼ねるものとなっている。
図2,3に示すように、前桁3及び後桁4には、凹部10の底壁10aに当接して略U字形の柱取付金具28が裏板12に螺入するボルト29で取付けられ、柱5は、柱本体26の中空部内に柱取付金具28を差し入れつつ柱本体26の上端部を桁3,4の凹部10に呑み込ませ、柱本体26の上端面を桁3,4の凹部10の底壁10aに当接し、側方から挿入したねじ30を柱取付金具28に形成された雌ねじ孔に螺入することで、桁3,4の下面に連結固定されている。ねじ30は、目板27によって隠される。
なお、本実施形態では、柱6は前桁3及び後桁4の両端部に取付けられているが、前桁3、後桁4及び側桁5の長手方向の任意の位置に柱6を取付けることができる。
【0016】
屋根7は、
図1,2に示すように、桁3,4,5,5で構成された枠内に、前桁3側が低くなるように下り傾斜で設けてある。具体的には、
図2に示すように、後桁4の前側面の高い位置に垂木掛け31を取付け、前桁3の後側面の低い位置に樋部材32を取付け、垂木掛け31と樋部材32間に妻垂木33と垂木34を左右方向に間隔をおいて架設し(
図1(a)参照)、妻垂木33と垂木34の間、垂木34同士の間に樹脂製の屋根パネル35を取付けて構成してある。
図2に示すように、垂木掛け31を取付けるために後桁4の前側面には、係止部材36がねじで取付けてあり、垂木掛け31は係止部材36に引っ掛けた状態で係止部材36より下側でねじ37で固定してある。係止部材36は、アルミニウム合金の押出形材で形成した長尺材である。
また、樋部材32を取付けるために前桁3の後側面には、同様に係止部材36がねじで取付けてあり、樋部材32は係止部材36に引っ掛けた状態で係止部材36より上側でねじ37で固定してある。
【0017】
図2,3に示すように、柱6の近傍の位置の前桁3の下部の凹部10内には補助樋38が設けてある。補助樋38は、アルミニウム合金の押出形材で形成された扁平な角筒状の部材であり、前桁3の凹部10の両側の壁と対向する前後面が開放しており、左右の側壁の内側にタッピングホール39を有している(
図3(a)参照)。補助樋38は、
図2と
図3(b)に示すように、後面を樋部材32の前側の壁に当接し、タッピングホール39に螺入するねじ40で固定してある。樋部材32の前側の壁には横長の長方形の孔41が形成してあり、樋部材32に溜まった雨水はその孔41から補助樋38に流れる。前桁3の凹部10の後側の壁と目板11の後側の壁は、補助樋38と干渉する部分に切欠きが設けてある。補助樋38の前面は、蓋42を取付けて塞いである。補助樋38は、下から見ると目板11に隠れて見えない。
図3に示すように、補助樋38の柱6側の側面には排水部品43が取付けてあり、排水部品43の出口は柱6の側面に取付けられた目板27の上端部に差し込まれている。したがって、樋部材32から補助樋38に流れた雨水は、排水部品43を通じて目板27に流れ、目板27を通じて排水される。
【0018】
このように本簡易構造物は、樋部材(横樋)32が前桁3の内周側に設けてあるので樋部材32が外部に露出しない上、縦樋(目板)27も柱6の側面に設けた凹部25に収納して設けてあり、さらに横樋32と縦樋27を繋ぐ補助樋38も前桁3の下部の凹部10に収納して設けてあり、目板11で隠れているため、雨樋が外部に露出せず、すっきりした外観意匠を実現している。
【0019】
樋部材(横樋)32は、
図2,3に示すように、長手方向端部に止水板44を取付けた上で側桁(塞ぎ部材)5の内側面に当接して端部が塞がれている。
本簡易構造物は、樋部材32から雨水が溢れそうになったときに、雨水を外部に導くためのオーバーフロー管45を備えている。オーバーフロー管45は、
図3に示すように、止水板44と側桁5に形成した貫通孔46に挿通して保持してある。オーバーフロー管45は、樋部材32に雨水が2/3以上の高さまで溜まったときに排水できる高さ位置に設けてある。オーバーフロー管45は、両端部にキャップ47,47を両側から取付けることで、側桁5の貫通孔46から抜けないように保持されている。キャップ47には、
図2に示すように、網状部48が設けられており、オーバーフロー管45から虫やゴミ等が出入りするのを防いでいる。
【0020】
このように本簡易構造物は、横樋(樋部材)32と塞ぎ部材(側桁)5とオーバーフロー管45とを備え、塞ぎ部材5は、横樋32と交差する方向に設けた部材であり、横樋32の端部を塞いでおり、オーバーフロー管45は、塞ぎ部材5に形成した貫通孔46に挿通して保持してあるので、オーバーフロー管45の設置が容易で、施工を簡略化できる。オーバーフロー管45を備えていることで、横樋32から雨水が溢れそうになったときにオーバーフロー管45を通じて外部に雨水を流すことができるので、横樋32からの雨漏りを防止することができる。
本簡易構造物は、オーバーフロー管45の両端部にキャップ47,47を両側から取付けて貫通孔46から抜けないように保持してあるので、オーバーフロー管45の設置が容易であり、且つオーバーフロー管45を貫通孔46から抜けないように安定して取付けできる。
【0021】
隙間塞ぎ材2は、
図1,6に示すように、上隙間塞ぎ材49と左右の縦隙間塞ぎ材50,50とを有している。
上隙間塞ぎ材49は、
図4に示すように、外壁Wから庇のように屋外側にのび、後桁4の上面に間隔をおいて重なるように設けてある。上隙間塞ぎ材49は、外壁Wと対向する後壁51と、前方に向かって下り傾斜で傾斜した上面壁52と、水平な下面壁53を有している。上隙間塞ぎ材49は、後壁51の内周側に設けた内周側シーリング材54と、内周側シーリング材54の外周側に設けた両面テープ55とで外壁Wに接着して取付けられている。後壁51の内周側シーリング材54の内周側と外周側には、上隙間塞ぎ材49を外壁Wに押し付けたときに内周側シーリング材54が入り込む溝56が形成してある。さらに上隙間塞ぎ材49は、後壁51の外周側にシールポケット57を有し、該シールポケット57に外周側シーリング材58を充填して外壁Wとシールしてある。
下面壁53の前側端部にはタイト材59が垂下して設けてあり、タイト材59は中間部で前側に屈曲し、先端部が後桁4の上面に当接している。
【0022】
後桁4の上面の後側端部位置には、補助材60がねじで取付けてある。補助材60は、アルミニウム合金の押出形材で形成した長尺材で、後桁4の全長にわたって設けてあり、後桁4の後面より後側にはみ出した状態で取付けてある。補助材60の前面と後桁4の上面との間はシーリング材61でシールしてある。上隙間塞ぎ材49は、補助材60の上面に載せた状態で外壁Wに接着取付けされている。
【0023】
縦隙間塞ぎ材50は、
図5に示すように、簡易建物1の柱6に取付けられる柱補助材62と、外壁Wに取付けられる外壁取付材63と、柱補助材62と外壁取付材63とを繋ぐ側面タイト材64とで構成されている。
柱補助材62は、柱6の後側面にねじで取付けられる柱取付材65と、柱取付材65に嵌合取付けされるカバー材66とで構成されており、カバー材66に側面タイト材64を取付けるための溝67が形成されている。柱取付材65は、
図4に示すように、上端が後桁4の下縁に当接する位置で止まっており、カバー材66は後桁4上面に取付けられた補助材60の下面に当接する位置までのびている。
【0024】
外壁取付材63は、
図5に示すように、上隙間塞ぎ材49と同様に、内周側に設けた内周側シーリング材54と、内周側シーリング材54の外周側に設けた両面テープ55とで外壁Wに接着して取付けられている。内周側シーリング材54の内周側と外周側には、外壁取付材63を外壁Wに押し付けたときに内周側シーリング材54が入り込む溝56が形成してある。さらに外壁取付材63は、外周側にシールポケット57を有し、該シールポケット57に外周側シーリング材58を充填して外壁Wとシールしてある。外壁取付材63は、前面に側面タイト材64を取付けるための溝67を有している。
【0025】
側面タイト材64は、
図5に示すように、本体側壁68と、外壁側壁69と、両壁68,69を外周側で繋ぐ見込壁70とを有する断面コ字形に形成されており、本体側壁68に形成された取付部71を柱補助材62の溝67に嵌め込み、外壁側壁69に形成された取付部71を外壁取付材69の溝67に嵌め込むことで、柱補助材62と外壁取付材63にまたがって取付けられる。側面タイト材64は、本体側壁68及び外壁側壁69と見込壁70との各コーナー部と、本体側壁68と外壁側壁69の裏面とに肉盗み72が設けてあり、その部分で折れ曲がることで、簡易建物1と外壁Wとの間の相対変位を吸収し得るようになっている。
【0026】
上隙間塞ぎ材49は、
図4,5に示すように、縦隙間塞ぎ材50の上端に載せられており、縦隙間塞ぎ材50の上端部が上隙間塞ぎ材49と金具73で連結されている。
【0027】
次に、隙間塞ぎ材2の施工手順を説明する。まず、外壁Wに墨出し、マスキング、プライマー処理を行った後、縦隙間塞ぎ材50の外壁取付材63を内周側シーリング材54と両面テープ55とで外壁Wに接着して取付ける。
次に、縦隙間塞ぎ材50の柱補助材62を柱6に取付け、柱6及び桁3,4,5を設置する。
次に、
図7(a)に示すように、後桁4の上面に補助材60を取付ける。
次に、
図7(b)に示すように、予め後壁51に内周側シーリング材54と両面テープ55とが設けられた上隙間塞ぎ材49を、補助材60に載せた状態で外壁Wに押し付ける。すると、
図7(c)に示すように、上隙間塞ぎ材49が内周側シーリング材54と両面テープ55とで外壁Wに接着されて固定され、同時に上隙間塞ぎ材49が縦隙間塞ぎ材50の上端に載置される。
その後、縦隙間塞ぎ材50の外壁取付材63と上隙間塞ぎ材49とを金具73で連結する。
次に、縦隙間塞ぎ材50の柱補助材62と外壁取付材63との間に側面タイト材64を取付ける。
最後に、上隙間塞ぎ材49と縦隙間塞ぎ材50の外周側のシールポケット57に外周側シーリング材58を充填し、上隙間塞ぎ材49及び縦隙間塞ぎ材50を外壁Wとシールする。
【0028】
以上に述べたように本簡易構造物は、上隙間塞ぎ材49と縦隙間塞ぎ材50を何れも外壁Wに接着により取付けるようにしたので、施工を簡略化することができる。上隙間塞ぎ材49と縦隙間塞ぎ材50は、内周側シーリング材54とその外周側に設けられた両面テープ55とで二重に接着することで、外壁Wに安定して接着取付けできる。さらに、両面テープ54の外周側に設けた外周側シーリング材58で外壁Wとシールしてあることで、外壁Wとの接着強度を高めることができる。
後桁4の上面に補助材60を設け、上隙間塞ぎ材49を補助材60に載せた状態で外壁Wに押し付けることで、補助材60がガイドとなり上塞ぎ材49の位置出しが容易に行えるので、上隙間塞ぎ材49の取付作業が容易になる。さらに、上隙間塞ぎ材49は縦隙間塞ぎ材50の上端に載置されることで、補助材60と縦隙間塞ぎ材50がガイドとなり上塞ぎ材49の位置出しが容易に行えるので、上隙間塞ぎ材49の取付作業が一層容易になり、取付後に上隙間塞ぎ材49が落下するのを防止できる。
【0029】
図12,13は、隙間塞ぎ材2の他の実施形態を示している。上隙間塞ぎ材49は、
図12に示すように、後桁4の上面に取付けられる桁補助材74と、上面タイト材75とで構成されている。
桁補助材74は、後桁4の上面にねじで取付けられる桁取付材76と、桁取付材76に嵌合取付けされるカバー材77とで構成されており、カバー材77に上面タイト材75を取付けるための溝67が形成されている。
上面タイト材75は、前端部に設けた取付部71を桁補助材74の溝67に嵌め込んで取付けられており、外壁W側に向かってやや上り勾配で傾斜してのびており、中間部で上側に曲がり、その先が外壁Wに沿う形で外壁Wに当接している。
【0030】
縦隙間塞ぎ材50は、
図13に示すように、柱6に取付けられる柱補助材62と、側面タイト材64とで構成されている。
柱補助材62は、先に説明した実施形態のものと同じものであり、柱6の後側面にねじで取付けられる柱取付材65と、柱取付材65に嵌合取付けされるカバー材66とで構成されており、カバー材66に側面タイト材64を取付けるための溝67が形成されている。
【0031】
側面タイト材64は、内外周方向に間隔をおいて外壁Wに向かってのびる一対のヒレ片78a,78bと、一対のヒレ片78a,78bを柱6側で繋ぐ見付壁79とを有し、見付壁79に形成した取付部71を柱補助材62の溝67に嵌め込んで取付けられている。
各ヒレ片78a,78bは、外壁Wに至る少し手前の位置の裏面側に肉盗み72を設けることで、それぞれ外壁Wに沿って内側に曲がるように形成されており、先端部が外壁Wに沿う形で外壁Wに当接するようになっている。これにより、外壁Wと簡易建物1との間の相対変位を吸収可能とすると共に、外壁Wと簡易建物1間の隙間を一対のヒレ片78a,78bで二重に止水している。
【0032】
本実施形態の隙間塞ぎ材2は、上隙間塞ぎ材49と縦隙間塞ぎ材50が何れも簡易建物1側に取付けたタイト材64,75を外壁Wに沿う形で外壁Wに当接させることで外壁Wとの隙間を塞ぐようにしたので、外壁Wに部材を取付ける必要がないので、施工をより簡略化することができる。
縦隙間塞ぎ材50の側面タイト材64は、内外周方向に間隔をおいて外壁Wに向かってのびる一対のヒレ片78a,78bを有し、各ヒレ片78a,78bは先端部が外壁Wに沿って内側に曲がるように形成してあるので、簡易建物1と外壁W間の相対変位を吸収できるとともに、外周側のヒレ片78aを超えて雨水が浸入したとしても内周側のヒレ片78bで止水できるため、止水性が優れている。外周側のヒレ片78aを超えて浸入した雨水は、外周側のヒレ片78aと内周側のヒレ片78bとの間の空間80を通じて下方に排水される。
【0033】
図14,15は、本発明の簡易構造物の第2実施形態を示している。本簡易構造物は、第1実施形態と同様に、住宅の庭に設置されるガーデンルームに適用したものであり、建物の外壁Wから離して設置した簡易建物1と、外壁Wと簡易建物1の間の隙間を塞ぐ隙間塞ぎ材2とを備えている。簡易建物1は、
図14に示すように、本体81と、本体81の前側に張り出した軒82を有するものとなっている。
【0034】
本実施形態の簡易構造物は、軒82を形成するために左右の側桁5,5を前桁3よりも前方にのばし、左右の側桁5,5の前端部に軒桁83を架設している。前側の柱6は、側桁5の下面に取付けてある。そして、軒桁83の長手方向端面と後桁4の長手方向端面とにキャップ14が取付けてある。
【0035】
本体81には、
図15に示すように、屋根7aが山型に設けてある。具体的には、前桁3の後側面の低い位置に樋部材32を取付け、後桁4の前側面の低い位置に樋部材32を取付け、前桁3と後桁4の間の中間位置において左右の側桁5,5間に棟木84を架設し、棟木84と前後の樋部材32,32間に妻垂木33と垂木34を左右方向に間隔をおいて架設し(
図14(a)参照)、妻垂木33と垂木34の間、垂木34同士の間に樹脂製の屋根パネル35を取付けて構成してある。
【0036】
軒82には、
図15に示すように、屋根7bが前桁3側が低くなるように下り傾斜で設けてある。具体的には、前桁3の前側面の低い位置に樋部材32を取付け、軒桁83の後側面の樋部材32よりも高い位置に垂木掛け31を取付け、垂木掛け31と樋部材32間に樹脂製の屋根パネル35を横長の向きで取付けて構成してある。
【0037】
図15に示すように、前桁3の下部凹部10内の柱6近傍位置には、第1実施形態と同様に補助樋38が設けてあり、前桁3前面に取付けられた軒82の樋部材32と前桁3後面に取付けられた本体81の樋部材32に形成された孔41から補助樋38に雨水が流れ、補助樋38の柱6側の側面に取付けた排水部品43から柱6の目板27を通じて雨水が排水される。後桁4の下部凹部10内の柱6近傍位置にも同様に補助樋38が設けてあり、後桁4前面に取付けられた本体81の樋部材32に形成された孔41から補助樋38に雨水が流れ、補助樋38の柱6側の側面に取付けた排水部品43から柱6の目板27を通じて雨水が排水される。
3箇所の樋部材32には、それぞれ第1実施形態と同様にオーバーフロー管45が設けてあり、樋部材32から雨水が溢れそうになるとオーバーフロー管45を通じて簡易建物1の外部に雨水が排水される。
【0038】
本体81には、
図2に示す第1実施形態と同様に、屋根7aを前桁3側が低くなるように下り傾斜に設けることもできる。また、軒桁83の後面にも樋部材32を取付け、軒82に本体81と同様に屋根7bを山型に設けることもできる。屋根7a,7bを下り傾斜に設けるか山型に設けるかは、屋根7a,7bの前後方向の寸法に応じて決めればよく、屋根7a,7bの前後方向の寸法が所定の寸法以下であれば下り傾斜に設け、それより大きいときは山型に設けられる。
【0039】
このように本簡易構造物は、前桁3の前面及び後面に樋部材32が取付自在であり、前桁3の前面及び後面に樋部材32を取付けることで、軒82と本体81に前桁3側が低くなるように屋根7b,7aを下り傾斜に設けることができる。また、軒桁83の後側面及び後桁4の前側面にも樋部材32が取付自在であり、前桁3の前面及び後面に樋部材32を取付けると共に、軒桁83の後面と後桁4の前面の少なくとも何れか一方にも樋部材32を設け、軒桁83と前桁3の樋部材32間、前桁3と後桁4の樋部材32間に屋根7b,7aを山型に設けることもできる。これにより、本体81の前側に軒82を有する簡易構造物の施工を簡略化することができる。本体81の前側に軒82を有することで、本体81の前面の開口部に取付けた建具8を開けているときや、本体81の前面の開口部に建具8が取付けられていない場合であっても、簡易建物1内に雨が入るのを防ぐことができる。
樋部を桁(前桁3、軒桁83及び後桁4)に一体で形成することもできるが、実施形態のように桁3,4,83に別体の樋部材32を取付ける構造とすることで、桁3,4,83の断面を共通化し、必要な箇所に樋部材32を取付けて屋根7a,7bを自由に構成することができるので、コストダウンを図りつつ屋根の自由度を高めることができる。
本体81の屋根7aは屋根パネル35が前後方向の向きで配置されるのに対し、軒82の屋根7bは屋根パネル35を左右方向の向きで配置することで(
図14(a)参照)、軒82の屋根パネル35の枚数を少なくできるので、軒部の屋根の施工を簡略化できる。
【0040】
図16,17は、本発明の簡易構造物の第3実施形態を示している。本簡易構造物は、第1実施形態と同様に、住宅の庭に設置されるガーデンルームに適用したものであり、建物の外壁Wから離して設置した簡易建物1と、外壁Wと簡易建物1の間の隙間を塞ぐ隙間塞ぎ材2とを備えている。簡易建物1は、
図16に示すように、本体81と、本体81の側方(図示のものは正面から見て右側)に張り出した軒85を有するものとなっている。
【0041】
軒85は、
図16(a)に示すように、正面から見て右側の側桁5と軒桁86と前桁3a及び後桁4aを有し、本体81は、左右の側桁5,5と前桁3bと後桁4bを有し、軒85の前桁3aと本体81の前桁3b、軒85の後桁4aと本体81の後桁4bは、それぞれ長手方向に連続している。軒85の側桁5と本体81の側桁5とは同じ一つの部材である。なお、
図1に示す第1実施形態との比較で言えば、前桁3及び後桁4を側桁5よりも側方に突出させ、突出した前桁3と後桁4の端部間に軒桁86を架設したものとなっている。
【0042】
軒85及び本体81には、
図2に示す第1実施形態と同様に、屋根7c,7aを前桁3a,3b側が低くなるように下り傾斜に設けてある。具体的には、軒85及び本体81の後桁4a,4bの前側面の高い位置に垂木掛け31を取付け、軒85及び本体81の前桁3a,3bの後側面の低い位置に樋部材32を取付け、垂木掛け31と樋部材32間に妻垂木33と垂木34を左右方向に間隔をおいて架設し、妻垂木33と垂木34の間、垂木34同士の間に樹脂製の屋根パネル35を取付けて構成してある。
【0043】
軒85及び本体81には、
図15に示す第2実施形態の本体81と同様に、屋根7c,7aを山型に設けることもできる。その場合には、軒85及び本体81の後桁4a,4bの前側面にも樋部材32が取付けられる。
【0044】
軒85は、正面から見て本体81の左側に張り出して設けることもできるし、本体81の左右両側に張り出して設けることもできる。さらに、軒82を本体81の前方に張り出して設けると共に、軒85を本体81の少なくとも左右何れか一方に張り出して設けることもできる。
【0045】
このように本簡易構造物は、軒85及び本体81の前桁3a,3bの後面に樋部材32が取付自在であり、軒85及び本体81の前桁3a,3bの後面に樋部材32を取付けることで、軒85と本体81に前桁3a,3b側が低くなるように屋根7c,7aを下り傾斜に設けることができる。また、軒85及び本体81の後桁4a,4bの前側面にも樋部材32が取付自在であり、軒85及び本体81の前桁3a,3bの後側面に樋部材32を取付けると共に、軒85の後桁4a及び本体81の後桁4bの少なくとも何れか一方に樋部材32を取付け、前桁3a,3bの樋部材32と後桁4a,4bの樋部材32間に屋根7c,7aを山型に設けることもできる。これにより、本体81の側方に軒85を有する簡易構造物の施工を簡略化することができる。本体81の側方に軒85を有することで、本体81の側面の開口部に取付けた建具8を開けているときや、本体81の側面の開口部に建具8が取付けられていない場合であっても、簡易建物1内に雨が入るのを防ぐことができる。
樋部を桁(前桁3a,3b及び後桁4a,4b)に一体で形成することもできるが、実施形態のように桁3a,3b,4a,4bに別体の樋部材32を取付ける構造とすることで、桁3a,3b,4a,4bの断面を共通化し、必要な箇所に樋部材32を取付けて屋根7a,7cを自由に構成することができるので、コストダウンを図りつつ屋根の自由度を高めることができる。
【0046】
以上に述べたように本簡易構造物(第1,2,3実施形態)は、横樋(樋部材)32と塞ぎ部材(側桁)5とオーバーフロー管45とを備え、塞ぎ部材5は、横樋32と交差する方向に設けた部材であり、横樋32の端部を塞いでおり、オーバーフロー管45は、塞ぎ部材5に形成した貫通孔46に挿通して保持してあるので(
図3参照)、オーバーフロー管45の設置が容易で、施工を簡略化できる。オーバーフロー管45を備えていることで、横樋32から雨水が溢れそうになったときにオーバーフロー管45を通じて外部に雨水を流すことができるので、横樋32からの雨漏りを防止することができる。
本簡易構造物は、オーバーフロー管45の両端部にキャップ47,47を両側から取付けて貫通孔46から抜けないように保持してあるので、オーバーフロー管45の設置が容易であり、且つオーバーフロー管45を貫通孔46から抜けないように安定して取付けできる。
【0047】
請求項1記載の発明による本簡易構造物(第2実施形態、
図14,15参照)は、軒82と本体81とを備え、軒82の軒桁83、本体81の前桁3及び後桁4を構成する桁のうち本体81の前桁3は前側と後側に樋部(樋部材)32を有し、軒82及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7b,7aを下り傾斜に設けるときは、軒桁83及び後桁4の少なくとも何れか一方から前桁3の樋部32に向けて屋根7b,7aを下り傾斜に設けてあり、軒82及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7b,7aを山型に設けるときは、軒桁83及び後桁4の少なくとも何れか一方に樋部32を設け、軒桁83と前桁3の樋部32間、前桁3と後桁4の樋部32間に屋根7b,7aを山型に設けてあることで、軒82を備える簡易構造物の施工を簡略化できる。軒82を備えていることで、雨が入りにくい。
本簡易構造物(第2実施形態、
図14,15参照)は、軒82と本体81とを備え、軒82の軒桁83、本体81の前桁3及び後桁4を構成する桁のうち本体81の前桁3は前側と後側に樋部材32が取付けてあり、軒82及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7b,7aを下り傾斜に設けるときは、軒桁83及び後桁4の少なくとも何れか一方から前桁3の樋部材32に向けて屋根7b,7aを下り傾斜に設けてあり、軒82及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7b,7aを山型に設けるときは、軒桁83及び後桁4の少なくとも何れか一方に樋部材32を取付け、軒桁83と前桁3の樋部材32間、前桁3と後桁4の樋部材32間に屋根7b,7aを山型に設けてあることで、軒82を備える簡易構造物の施工を簡略化できる。軒82を備えていることで、雨が入りにくい。桁3,4,83に別体の樋部材32を取付ける構造とすることで、桁3,4,83の断面を共通化し、必要な箇所に樋部材32を取付けて屋根7b,7aを自由に構成することができるので、コストダウンを図りつつ屋根の自由度を高めることができる。
【0048】
請求項2記載の発明による本簡易構造物(第3実施形態、
図16,17参照)は、軒85と本体81とを備え、軒85は、左右何れか一方の側桁5と軒桁86と前桁3a及び後桁4aを有し、本体81は、左右の側桁5,5と前桁3bと後桁4bを有し、軒85の前桁3aと本体81の前桁3b、軒85の後桁4aと本体81の後桁4bは、それぞれ長手方向に連続しており、軒85及び本体81の前桁3a,3bは後側に樋部(樋部材)32を有し、軒85及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7c,7aを下り傾斜に設けるときは、軒85の後桁4a及び本体81の後桁4bの少なくとも何れか一方から前桁3a,3bの樋部32に向けて屋根7c,7aを下り傾斜に設けてあり、軒85及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7c,7aを山型に設けるときは、軒85の後桁4a及び本体81の後桁4bの少なくとも何れか一方に樋部32を設け、前桁3a,3bの樋部32と後桁4a,4bの樋部32間に屋根7c,7aを山型に設けてあることで、軒85を備える簡易構造物の施工を簡略化できる。軒85を備えていることで、雨が入りにくい。
本簡易構造物(第3実施形態、
図16,17参照)は、軒85と本体81とを備え、軒85は、左右何れか一方の側桁5と軒桁86と前桁3a及び後桁4aを有し、本体81は、左右の側桁5,5と前桁3bと後桁4bを有し、軒85の前桁3aと本体81の前桁3b、軒85の後桁4aと本体81の後桁4bは、それぞれ長手方向に連続しており、軒85及び本体81の前桁3a,3bは後側に樋部材32が取付けてあり、軒85及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7c,7aを下り傾斜に設けるときは、軒85の後桁4a及び本体81の後桁4bの少なくとも何れか一方から前桁3a,3bの樋部材32に向けて屋根7c,7aを下り傾斜に設けてあり、軒85及び本体81の少なくとも何れか一方に屋根7c,7aを山型に設けるときは、軒85の後桁4a及び本体81の後桁4bの少なくとも何れか一方に樋部材32を取付け、前桁3a,3bの樋部材32と後桁4a,4bの樋部材32間に屋根7c,7aを山型に設けてあることで、軒85を備える簡易構造物の施工を簡略化できる。軒85を備えていることで、雨が入りにくい。桁3a,3b,4a,4bに別体の樋部材32を取付ける構造とすることで、桁3a,3b,4a,4bの断面を共通化し、必要な箇所に樋部材32を取付けて屋根7c,7aを自由に構成することができるので、コストダウンを図りつつ屋根の自由度を高めることができる。
【0049】
本簡易構造物のキャップ付き形材(前桁及び後桁)3,4は、形材3,4と、形材3,4の小口に取付けるキャップ14とを備え、キャップ14は、本体15と、本体15と形材3,4の小口の間に挟む薄板16とからなり、薄板16は、本体15の小口17,23を隠す小口隠し部21を有するので(
図8~11参照)、形材3,4の小口をキャップ14で簡便に塞ぐことができ、且つ本体15の小口17,23が薄板16の小口隠し部21で隠れるため、意匠性を向上できる。
本簡易構造物(第1,2,3実施形態)は、同キャップ付き形材を桁(前桁3、後桁4、軒桁83)に用いることで、施工を簡略化できる。
本体15は、アルミ押出形材で形成してあり、薄板16の小口隠し部21で本体15の切断小口17,23を隠しているので、形材3,4,83とキャップ14の色や質感を同じにすることができ、意匠性を向上できる。
本体15は、形材3,4,83とねじ止めするための取付部(突状)19を有し、薄板16は、本体15の取付部19を通すための穴20が設けてあるので、キャップ14の取付けが容易に且つ安定して行える。
【0050】
本簡易構造物(第1,2,3実施形態)は、外壁Wから離して設置した簡易建物1と、外壁Wと簡易建物1の間の隙間を塞ぐ隙間塞ぎ材2とを備え、隙間塞ぎ材2は、内周側に設けた内周側シーリング材54と、内周側シーリング材54の外周側に設けた両面テープ55とで外壁Wに接着してあり、両面テープ55の外周側に設けた外周側シーリング材58で外壁Wとシールしてあることで(
図4参照)、外壁Wに孔を開けたりすることなく隙間塞ぎ材2の取付けが行えるので、施工を簡略化できる。
隙間塞ぎ材2は、内周側シーリング材54の内周側と外周側に、隙間塞ぎ材2を外壁Wに押し付けたときに内周側シーリング材54が入り込む溝56を有するので、内周側シーリング材54が所定の範囲に保持され、隙間塞ぎ材2を内周側シーリング材54で外壁Wと安定して接着できる。
【0051】
本簡易構造物(
図13に示す実施形態)は、外壁Wから離して設置した簡易建物1と、外壁Wと簡易建物1の間の隙間を塞ぐ隙間塞ぎ材2とを備え、隙間塞ぎ材2は、内外周方向に間隔をおいて外壁に向かってのびる一対のヒレ片78a,78bを有し、各ヒレ片78a,78bは、先端部が外壁Wに沿って内側に曲がるように形成してあるので、ヒレ片78a,78bを外壁Wに押し付けるだけで外壁Wと簡易建物1の間の隙間を塞ぐことができ、施工を簡略化できる。一対のヒレ片78a,78bが内外周方向に間隔をおいて設けてあることで、外周側のヒレ片78aを超えて雨水が浸入したとしても内周側のヒレ片78bで止水できるため、止水性が優れている。
隙間塞ぎ材2は、簡易建物1の柱6に取付けた補助材(柱補助材)62を介して簡易建物1に取付けてあるので、隙間塞ぎ材2の取付けが容易に行え、施工性が向上する。
【0052】
本簡易構造物の製造方法(第1,2,3実施形態)は、簡易建物1の上面に上隙間塞ぎ材49の取付高さを位置出しする補助材60を取付ける工程と、上隙間塞ぎ材49を補助材60に載せた状態で外壁Wに押し付けて固定する工程を有することで(
図7参照)、上塞ぎ材49の設置が容易に行え、施工を簡略化できる。
本簡易構造物の製造方法(第1,2,3実施形態)は、外壁Wに縦隙間塞ぎ材50を取付ける工程と、簡易建物1の上面に上隙間塞ぎ材49の取付高さを位置出しする補助材60を取付ける工程と、上隙間塞ぎ材49を補助材60に載せた状態で外壁Wに押し付けて固定することで縦隙間塞ぎ材50の上端に載置する工程とを有することで(
図7参照)、上塞ぎ材49の設置が容易に行え、施工を簡略化できる。上隙間塞ぎ材49を縦隙間塞ぎ材50の上端に載置することで、上隙間塞ぎ材49を所定の高さ位置に保持できる。
【0053】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。桁及び樋部材の材質、断面形状は、適宜変更することができる。桁に樋部を一体で形成することもできる。屋根の具体的な構造は問わない。軒と本体には、屋根を設ける代わりにパーゴラ等を設けることもできる。本発明は、ガーデンルームに限らず、カーポート、通路用シェルター等、あらゆる簡易構造物に適用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 簡易建物
2 隙間塞ぎ材
3 前桁
4 後桁
5 側桁
6 柱
7,7a,7b,7c 屋根
14 キャップ
15 本体
16 薄板
21 小口隠し部
32 樋部材(横樋、樋部)
45 オーバーフロー管
46 貫通孔
49 上隙間塞ぎ材
50 縦隙間塞ぎ材
54 内周側シーリング材
55 両面テープ
58 外周側シーリング材
60 補助材
78a,78b ヒレ片
81 本体
82,85 軒
83,86 軒桁