(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042153
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
H01M 8/04746 20160101AFI20240321BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20240321BHJP
H01M 8/04225 20160101ALI20240321BHJP
H01M 8/04302 20160101ALI20240321BHJP
H01M 8/0444 20160101ALI20240321BHJP
H01M 8/04664 20160101ALI20240321BHJP
H01M 8/0438 20160101ALI20240321BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20240321BHJP
【FI】
H01M8/04746
H01M8/04 H
H01M8/04225
H01M8/04302
H01M8/0444
H01M8/04664
H01M8/0438
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146658
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】井上 智之
(72)【発明者】
【氏名】中谷 優斗
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA39
5H127BA58
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB34
5H127BB37
5H127BB39
5H127BB40
5H127DA01
5H127DA05
5H127DA15
5H127DB02
5H127DB03
5H127DB13
5H127DB19
5H127DB22
5H127DB23
5H127DB33
5H127DB96
5H127DC22
5H127DC29
5H127DC32
5H127DC39
5H127FF02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】燃料電池システムの起動時における酸化剤ガス供給流量を少なくし、これにより、発電開始までの起動時間を短くする。
【解決手段】制御装置は、供給側封止弁と排出側封止弁を閉弁している起動時に、酸化剤ガス供給流量が、設定された起動時の酸化剤ガス供給流量(Q1又はQ2)に到達したときに、インジェクタによる燃料ガスの噴射を許容し、その後、供給側封止弁と排出側封止弁を開弁する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アノード流路を介してアノード電極に供給される燃料ガスと、カソード流路を介してカソード電極に供給される酸化剤ガスと、の電気化学反応により発電する燃料電池スタックを備えた燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタック内の前記カソード流路に、酸化剤ガス供給流路を通じて前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する酸化剤オフガス排出流路と、
前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とを接続し、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスを、前記燃料電池スタック内の前記カソード流路を迂回して前記酸化剤オフガス排出流路に通流するバイパス流路と、
前記燃料電池システムを制御する制御装置と、を備え、
該制御装置は、
前記燃料電池システムの運転時及びソーク時における燃料ガスのリークを検知し、検知結果に基づき、リークが検知されている場合に比較してリークが検知されていない場合の起動時の酸化剤ガス供給流量を少なく設定する
燃料電池システム。
【請求項2】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料ガスのリークは、前記燃料電池スタック内でのクロスリークにより発生し又は前記発電に供された燃料オフガスを前記燃料電池スタックから排出する燃料オフガス排出流路に設けられた燃料オフガス排出弁の開故障状態により発生する
燃料電池システム。
【請求項3】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックの前記アノード流路に燃料ガス供給流路を通じて前記燃料ガスを噴射するインジェクタを備え、
前記制御装置は、前記起動時において、前記酸化剤ガス供給流量が、設定された前記起動時の酸化剤ガス供給流量に到達したとき、前記インジェクタによる前記燃料ガスの噴射を許容する
燃料電池システム。
【請求項4】
請求項1記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池スタックの前記アノード流路に燃料ガス供給流路を通じて前記燃料ガスを噴射するインジェクタと、
前記酸化剤ガス供給流路に配され、前記酸化剤ガス供給流路に流れる前記酸化剤ガスの流量を調整する供給側封止弁と、
前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する前記酸化剤オフガス排出流路に配され、前記酸化剤オフガスの流量を調整する排出側封止弁と、を備え、
前記制御装置は、前記供給側封止弁と前記排出側封止弁を閉弁している起動時に、前記酸化剤ガス供給流量が、設定された前記起動時の酸化剤ガス供給流量に到達したときに、前記インジェクタによる前記燃料ガスの噴射を許容し、その後、前記供給側封止弁と前記排出側封止弁を開弁する
燃料電池システム。
【請求項5】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記ソーク時における燃料ガスのリークの検知を、前記ソーク中における前記燃料電池スタックの前記アノード流路の圧力の変化又は前記カソード流路の圧力の変化により検知する
燃料電池システム。
【請求項6】
請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記制御装置は、前記燃料電池システムの運転時における燃料ガスのリークの検知を、発電状態の変化に基づき検知する
燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電する燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人々が手頃で信頼でき、持続可能且つ先進的なエネルギへのアクセスを確保できるようにするため、エネルギの効率化に貢献する燃料電池(FC)に関する研究開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、燃料電池システムの停止時に、アノード側に残存していた燃料ガスが電解質膜を介してカソード側に拡散(透過)し、起動時における酸化剤ガスのカソード側への供給時に、高濃度の燃料ガスがカソード側の排気管から大気に放出されてしまうことを防止する燃料電池システムが開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された燃料電池システムでは、エアポンプから酸化剤ガスをカソード側に供給する供給管に、前記排気管に連通し、開閉可能なバイパス弁を有するバイパス流路を設けている。
【0005】
特許文献1に開示された燃料電池システムでは、起動時に、カソードの水素濃度が所定値以上か否かを判断する。所定値以上の場合には、前記エアポンプの運転を制限して酸化剤ガス供給流量を低減し、前記バイパス流路を通じて前記酸化剤ガスを前記排気管に供給し、大気に放出される燃料ガスの濃度を低下させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、起動時にエアポンプの運転を制限すると、エアポンプを通常運転状態にするまでの起動時間が長くなり、燃料電池スタックの起動時間が長くなるという課題がある。
【0008】
また、特許文献1に開示された燃料電池システムでは、アノード側排出弁が故障等により意図せずに開いてしまった場合にも、起動時にエアポンプの運転を制限することになるが、この場合においても、エアポンプを通常運転状態にするまでの起動時間が長くなり、燃料電池スタックの起動時間が長くなるという課題がある。
【0009】
この発明は、上記した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一態様に係る燃料電池システムは、アノード流路を介してアノード電極に供給される燃料ガスと、カソード流路を介してカソード電極に供給される酸化剤ガスと、の電気化学反応により発電する燃料電池スタックを備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタック内の前記カソード流路に、酸化剤ガス供給流路を通じて前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する酸化剤オフガス排出流路と、前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とを接続し、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスを、前記燃料電池スタック内の前記カソード流路を迂回して前記酸化剤オフガス排出流路に通流するバイパス流路と、前記燃料電池システムを制御する制御装置と、を備え、該制御装置は、前記燃料電池システムの運転時及びソーク時における燃料ガスのリークを検知し、検知結果に基づき、リークが検知されている場合に比較してリークが検知されていない場合の起動時の酸化剤ガス供給流量を少なく設定する。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、燃料電池システムの起動時に、運転時及びソーク時における燃料ガスのリークの検知結果に基づき、前記起動時の酸化剤ガス供給流量を設定するようにしたので、リークが検知されていない場合には、起動時における酸化剤ガス供給流量を少なくできる。これにより、発電開始までの起動時間を短くすることができる。
【0012】
起動時に、燃料ガスのリークが検知されていた場合には、リークが検知されていない場合に比較して、酸化剤ガス供給流量を大きな値に設定し、大気に放出される燃料ガスの濃度を低下させて希釈時間を短くすることで起動時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、この発明の実施形態に係る燃料電池システムが組み込まれた燃料電池自動車の概略構成図である。
【
図2】
図2は、制御装置による燃料電池システムの始動制御処理の動作説明に供されるフローチャートである。
【
図3】
図3は、
図2のフローチャートにより説明した動作の一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[構成]
図1は、この発明の実施形態に係る燃料電池システム10が組み込まれた燃料電池自動車12の概略構成図である。燃料電池システム10は、燃料電池自動車12以外の車両、船舶、航空機、ロボット等の移動体にも組み込み可能である。
【0015】
燃料電池自動車12は、該燃料電池自動車12全体を制御する制御装置16と、前記燃料電池システム10と、該燃料電池システム10に電気的に接続される出力部200とから構成される。
【0016】
制御装置16は、一つではなく、例えば、燃料電池システム10用と出力部200用等、二つ以上の制御装置に分けてもよい。
【0017】
燃料電池システム10は、燃料電池スタック18と、水素タンク(燃料ガスタンク)20と、酸化剤ガス供給装置22と、燃料ガス供給装置24と、を有する。
【0018】
出力部200は、駆動部204と、蓄電部206と、モータ208と、を有する。
駆動部204には、それぞれ不図示の昇圧コンバータ及び複数のインバータ等が含まれる。
【0019】
蓄電部206には、高電圧の電力を蓄電する蓄電装置(高圧バッテリ)、前記高電圧を低電圧に変換する降圧コンバータ、前記低電圧の電力を蓄電する蓄電装置(低圧バッテリ)が含まれる。
【0020】
駆動部204の入力端子には、燃料電池スタック18の負極端子106及び正極端子108がそれぞれ電線を通じて接続される。
負極端子106と正極端子108との間には、電圧センサ110が設けられる。
【0021】
該電圧センサ110は、負極端子106と正極端子108との間の電圧である燃料電池電圧(発電電圧)Vfcを測定(検出)する。
【0022】
電圧センサ110は、また、燃料電池スタック18を構成する各発電セル50の電圧(セル電圧)Vcellを測定(検出)する。
【0023】
前記電線の一方又は両方には、燃料電池スタック18の発電電流Ifcを測定(検出)する電流センサ112が挿入されている。
【0024】
駆動部204の前記昇圧コンバータは、発電電圧Vfcを昇圧する。前記インバータは、昇圧された直流電圧を3相交流に変換してモータ208に供給する。昇圧された前記直流電圧は、蓄電部206の前記高圧バッテリに蓄電される。
【0025】
モータ208は、蓄電部206中の前記高圧バッテリの高電圧の電力又は燃料電池スタック18の発電電圧Vfcが昇圧された高電圧の電力により動作する。
モータ208の回生電力は、インバータを通じて前記高圧バッテリに充電される。
【0026】
駆動部204は、さらに、コンプレッサ28に電線により接続され、インバータを通じてコンプレッサ28を回転駆動する。コンプレッサ28のロータの回転数N[rpm]は、レゾルバ(不図示)等を介して制御装置16により検出される。
【0027】
燃料電池スタック18は、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う。燃料ガスとして、水素ガスが挙げられる。酸化剤ガスとして、酸素ガスを含有する空気等が挙げられる。
【0028】
燃料電池スタック18には、複数の発電セル50が積層される。発電セル50は、電解質膜・電極構造体52と、該電解質膜・電極構造体52を挟持するセパレータ53、54とを備える。
【0029】
電解質膜・電極構造体52は、例えば、水分を含んだパーフルオロスルホン酸の薄膜である固体高分子電解質膜55と、前記固体高分子電解質膜55を挟持するカソード電極56及びアノード電極57とを備える。
【0030】
カソード電極56及びアノード電極57は、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)を有する。ガス拡散層の表面に、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子が一様に塗布されることにより、電極触媒層(図示せず)が形成される。電極触媒層は、固体高分子電解質膜55の両面に形成される。
【0031】
一方のセパレータ53の電解質膜・電極構造体52に向かう面には酸化剤ガス入口連通口101と酸化剤ガス出口連通口102とを連通するカソード流路58が形成される。
【0032】
他方のセパレータ54の電解質膜・電極構造体52に向かう面には、燃料ガス入口連通口103と燃料ガス出口連通口104とを連通するアノード流路59が形成される。
【0033】
アノード電極57では、燃料ガス(水素)が供給されることにより、触媒による電極反応によって水素分子から水素イオンを生じ、該水素イオンが固体高分子電解質膜55を透過してカソード電極56に移動する一方、水素分子から電子が解放される。水素分子から解放された電子は、負極端子106から駆動部204を含む負荷を通じ、正極端子108を介してカソード電極56に移動する。
【0034】
カソード電極56では、触媒の作用によって前記水素イオン及び前記電子と、供給された酸化剤ガスに含まれる酸素とが反応して水が生成される。
酸化剤ガス供給装置22は、酸化剤ガスを燃料電池スタック18に供給する。
酸化剤ガス供給装置22には、コンプレッサ(CP)28及び加湿器(HUM)30が含まれる。
【0035】
コンプレッサ28は、圧縮空気によって軸受けからロータを浮かせるエアベアリングを採用した電動エアコンプレッサであり、外気取入口113から外気(大気、空気)を吸引して加圧し、加湿器30を通じて燃料電池スタック18に供給する等の機能を有する。
外気取入口113には、外気温度Taを測定(検出)する温度センサ73が設けられている。
【0036】
加湿器30は、流路31Aと流路31Bとを有する。流路31Aには、コンプレッサ28により圧縮され高温化されて乾燥した空気(酸化剤ガス)が流通する。流路31Bには、燃料電池スタック18の酸化剤ガス出口連通口102から排出される排出ガス(酸化剤オフガス)が流通する。
【0037】
酸化剤ガス出口連通口102と加湿器30との間の酸化剤オフガス排出流路80には、酸化剤ガス出口のガス圧力Pkを測定(検出)する圧力センサ180が設けられる。
【0038】
ここで、燃料電池システム10の運転時(発電時)に、燃料電池スタック18から酸化剤オフガス排出流路80に排出される排出ガスは、ブリード弁70の閉弁時には、湿潤な酸化剤オフガス(湿潤なカソードオフガス、湿潤な酸化剤排ガス)とされ、ブリード弁70の開弁時には、前記湿潤な酸化剤オフガスと燃料オフガス(アノードオフガス、燃料排ガス)が混合された湿潤な排出ガス(オフガス)が流通する。
【0039】
加湿器30は、コンプレッサ28から供給された酸化剤ガスを加湿する機能を有する。すなわち、加湿器30は、前記排出ガス(オフガス)中に含まれる水分を、流路31Bから内部の多孔質膜を介して、流路31Aに流通する供給ガス(酸化剤ガス)に移動させて加湿し、加湿した酸化剤ガスを燃料電池スタック18に供給する。
【0040】
外気取入口113から酸化剤ガス入口連通口101までの酸化剤ガス供給流路60(酸化剤ガス供給流路60A、60Bを含む)には、外気取入口113から順に遮断弁114、エアフローセンサ(AFS:流量センサ)116、コンプレッサ28、供給側封止弁118及び加湿器30が設けられている。なお、二重線で描いている酸化剤ガス供給流路60等の流路は、配管により形成されている(以下、同様)。
遮断弁114は、酸化剤ガス供給流路60への空気の取り入れを解放又は遮断するために開閉される。
【0041】
エアフローセンサ116は、コンプレッサ28を通じて燃料電池スタック18に供給される酸化剤ガスの流量(質量流量[g/s])を測定(検出)する。なお、質量流量を、空気の温度(外気温度Ta)と気圧に基づき状態方程式を通じて計算される空気の密度[g/m3]で除することにより体積流量[m3/s]に一意に変換可能である。その地域の気圧は、例えば、気象庁のデータベースにアクセスすることにより取得可能である。
供給側封止弁118は、酸化剤ガス供給流路60Aを開閉する。
【0042】
酸化剤ガス出口連通口102に連通する酸化剤オフガス排出流路62には、酸化剤ガス出口連通口102から順に加湿器30及び背圧弁としても機能する排出側封止弁120が設けられている。
【0043】
供給側封止弁118の吸入口と排出側封止弁120の吐出口との間には、酸化剤ガス供給流路60と酸化剤オフガス排出流路62とを連通するバイパス流路64が設けられている。バイパス流路64は、酸化剤ガスを燃料電池スタック18からバイパス(迂回)するため、酸化剤ガス供給流路60と酸化剤オフガス排出流路62との間に接続される。バイパス流路64には、バイパス流路64を開閉するバイパス弁122が設けられている。バイパス弁122は、燃料電池スタック18をバイパスする酸化剤ガスの流量を調整する。
バイパス流路64及び酸化剤オフガス排出流路62が希釈ガス流路63に連通する。
【0044】
水素タンク20は、電磁作動式の遮断弁(不図示)を備え、高純度の水素を高い圧力で圧縮して収容する容器である。
【0045】
燃料ガス供給装置24は、水素タンク20から供給される燃料ガスを燃料電池スタック18に供給する。燃料ガス供給装置24には、インジェクタ(INJ)32、エジェクタ34及び気液分離器(GLS: Gas Liquid Separator)36が含まれる。インジェクタ32は、減圧弁に代替してもよい。
【0046】
水素タンク20から吐出される燃料ガスは、燃料ガス供給流路72に設けられたインジェクタ32及びエジェクタ34を通じ、燃料ガス入口連通口103を介して燃料電池スタック18のアノード流路59の入口に供給される。
【0047】
アノード流路59の出口は、燃料ガス出口連通口104及び燃料ガスの燃料オフガス排出流路74を通じて気液分離器36の入口151に連通され、該気液分離器36にアノード流路59から水素含有ガスである前記燃料オフガスが排出される。
【0048】
燃料ガス出口連通口104と気液分離器36との間の燃料オフガス排出流路74には、燃料ガス出口の(燃料オフガスの)ガス圧力Paを測定(検出)する圧力センサ174が設けられる。
【0049】
気液分離器36は、前記燃料オフガスを気体成分と液体成分(液水)とに分離する。燃料オフガスの気体成分(燃料排ガス)は、気液分離器36の気体排出口152から排出され、循環流路77を通じてエジェクタ34の吸込口に供給される一方、ブリード弁70が開弁されたとき、燃料オフガスは、接続流路(連絡流路)78、ブリード弁70を介し、酸化剤ガス供給流路60Bにも供給される。
【0050】
燃料排ガスの液体成分は、気液分離器36の液体排出口160からドレイン流路162を通じ、酸化剤オフガス排出流路62に連通する希釈ガス流路63との合流部分に設けられた希釈器170に供給される。
【0051】
希釈器170には、排出流路99が接続される。排出流路99は、酸化剤オフガス排出流路62から供給される酸化剤排ガスと、ドレイン流路162から供給される燃料排ガスとを混合し、排ガス排気口168を通じて外部に排出する。
【0052】
実際上、ドレイン流路162には、液体成分と共に、一部の燃料オフガス(水素含有ガス)が排出される。この燃料オフガス中の水素ガスを希釈して外部に排出するために、コンプレッサ28から吐出した酸化剤ガスの一部がバイパス流路64を通じて、希釈器170に供給されている。
【0053】
燃料オフガスの循環流路77と酸化剤ガス供給流路60Bを連通する接続流路78にブリード弁70が設けられる。
【0054】
ブリード弁70は、燃料電池システム10が搭載された移動体の移動中に、カソード流路58に存在する窒素ガスが電解質膜・電極構造体52を透過してアノード流路59内の水素濃度を低下させることを原因とするアノード電極57の劣化を防止するために開弁される。
【0055】
ブリード弁70が開弁されると、燃料電池スタック18から燃料オフガス排出流路74を通じ、気液分離器36を介して吐出される燃料オフガスを、接続流路78、酸化剤ガス供給流路60B及び酸化剤ガス入口連通口101を介してカソード流路58に流通させる。
【0056】
カソード流路58に流通された燃料オフガス中の燃料ガスは、カソード電極56での触媒反応により水素イオン化され、該水素イオンは酸化剤ガスと反応して水を生成する。反応しなかった残部の燃料オフガス(窒素ガスと未反応の僅かな水素ガスとからなる)は燃料電池スタック18の酸化剤ガス出口連通口102から酸化剤オフガスとして排出され、酸化剤オフガス排出流路62に流通する。
【0057】
酸化剤オフガス排出流路62に流通する酸化剤オフガス(前記反応しなかった残部の燃料オフガスを含む)に、バイパス流路64を通じて供給された酸化剤ガスが混合されて、酸化剤オフガス中の燃料オフガス(燃料ガスを含む)の濃度が希釈された酸化剤オフガスが、希釈器170に流通する。
【0058】
希釈器170に接続される排出流路99では、バイパス流路64から供給される酸化剤ガス及び/又は酸化剤オフガス排出流路62からの酸化剤オフガスにより、ドレイン流路162から吐出される液水と燃料オフガスの混合流体中の燃料ガスが希釈され、排ガス排気口168を通じて外部(大気)に排出される。
【0059】
制御装置16は、1以上のプロセッサ(CPU)と記憶媒体とを有し、プロセッサによる演算により各種の処理を実行する。記憶媒体は、RAM等の揮発性メモリと、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性メモリとを含む。記憶媒体の少なくとも一部は、プロセッサに備えられていてもよい。
【0060】
制御装置16は、コンプレッサ28、インジェクタ32、及びバイパス弁122等の全ての弁の制御を含む燃料電池システム10全体を制御する。
【0061】
制御装置16には、燃料電池システム10及び燃料電池自動車12を起動し、停止する電源スイッチ(電源SW)300が接続される。
【0062】
制御装置16は、電源スイッチ300がOFF状態からON状態に切り替えられると、燃料電池システム10の運転を開始させるための始動制御処理を実行する。
【0063】
[動作]
図2は、制御装置16による燃料電池システム10の始動制御処理の動作説明に供されるフローチャートである。
【0064】
ステップS1にて、制御装置16は、電源スイッチ300がOFF状態からON状態に遷移したか否かを判定する。
ON状態に遷移した(ステップS1:YES)と判定すると、処理をステップS2に進める。
【0065】
ステップS2にて、制御装置16は、コンプレッサ28の回転数Nをコンプレッサ28から第2供給流量Q2[m3/s]の酸化剤ガス供給流量が供給可能な回転数N2に設定し、駆動部204を通じてコンプレッサ28を駆動すると同時にコンプレッサ28の回転数(ロータの回転数)Nを監視する。
【0066】
ここで、第2供給流量Q2は、ドレイン弁(燃料オフガス排出弁)164が凍結等により開いたままの開故障状態となっていても、ドレイン弁164から排出される燃料オフガスを希釈器170により希釈し、水素濃度が所定濃度以下の排出ガスとして、排出流路99及び排ガス排気口168を通じて大気に排出可能な相対的に大きな酸化剤ガス供給流量である。
【0067】
また、第2供給流量Q2は、ソーク中にカソード流路58から電解質膜・電極構造体52を介してアノード流路59に透過(クロスリーク)した窒素ガスを、起動時に、燃料ガスを混合してドレイン弁164から希釈器170を通じて燃料ガス濃度を所定濃度以下に希釈しながら大気に排気可能な相対的に大きな酸化剤供給流量でもある(「アノードのガス置換処理」という)。
【0068】
なお、制御装置16により「ステップS1:YES」の判定がなされたとき、遮断弁114及びバイパス弁122は開弁される。一方、供給側封止弁118、排出側封止弁120、ブリード弁70及びドレイン弁164は、制御装置16により閉状態に維持される。また、インジェクタ32は、制御装置16によりOFF状態に維持されている。
【0069】
ステップS3にて、制御装置16は、前回運転時にクロスリークがあった否か、及び前回運転終了後のソーク時にクロスリーク又はアノード流路59に残存していた燃料ガスのリークがあったか否かを判定する。
【0070】
運転時のクロスリークは、発電中に、セル電圧Vcellが低下した発電セル50が電圧センサ110により検出された場合、運転時のクロスリーク(燃料ガスのアノード流路59からカソード流路58へのリーク)があるとして記憶装置に記録されている。
【0071】
ソーク時のリークは、電源スイッチ300がON状態からOFF状態にされたときの燃料オフガスの圧力センサ174により検出されるガス圧力Paの変動が所定値以上のときに、リークあり(ステップS3:YES)と判定される。この場合には、ドレイン弁164が開故障状態にあるとみなされる。
【0072】
また、ソーク時のクロスリークは、電源スイッチ300がON状態からOFF状態にされたときの圧力センサ180により検出されるガス圧力Pkの変動が所定値以上のときに、リークあり(ステップS3:YES)と判定される。
【0073】
制御装置16は、リークなし(ステップS3:NO)の場合には処理をステップS4に進め、リークあり(ステップS3:YES)の場合には処理をステップS5に進める。
【0074】
制御装置16は、ステップS4にて、コンプレッサ28から酸化剤ガス供給流路60Aに吐出される酸化剤ガスの供給流量が相対的に少ない小さい値の通常の第1供給流量Q1に設定し、処理をステップS6に進める。
【0075】
制御装置16は、ステップS5にて、コンプレッサ28から酸化剤ガス供給流路60Aに吐出される酸化剤ガスの供給流量が相対的に多い大きな値の第2供給流量Q2に設定し、処理をステップS6に進める。
【0076】
なお、第1供給流量Q1(回転数N1)及び第2供給流量Q2(回転数N2)は、インジェクタ32の動作を開始するのに必要な希釈に用いられる酸化剤ガスの供給流量の閾値として利用される。
【0077】
ステップS6にて、制御装置16は、監視中のコンプレッサ28の回転数Nが、ロータが浮上する浮上回転数Nf以上(N≧Nf)となったことでコンプレッサ28が正常に動作していることを確認する。
【0078】
同時に、ステップS6にて、制御装置16は、供給流量Q(回転数N)が、ステップS4又はステップS5で設定した第1供給流量Q1(回転数N1)又は第2供給流量Q2(回転数N2)に到達したか否かを判定する。
【0079】
制御装置16は、ステップS6の判定が成立した(N≧Nf及びQ≧Q1、又はN≧Nf及びQ≧Q2)とき、処理をステップS7に進める。
【0080】
ステップS7にて、制御装置16は、ステップS3にて、リークを検知していない場合には、コンプレッサ28の回転数Nが第1供給流量Q1に対応する回転数N1に到達したときに、インジェクタ32の動作を開始する一方、リークを検知している場合には、コンプレッサ28の回転数Nが第2供給流量Q2(Q2>Q1)に対応する回転数N2(N2>N1)に到達したときに、インジェクタ32の動作を開始する。
【0081】
制御装置16は、ステップS7にて、インジェクタ32の動作を開始した後、ステップS8にて、ガス置換処理を行う。
【0082】
制御装置16は、ステップS8にて、供給側封止弁118及び排出側封止弁120を開いて燃料電池スタック18による発電を開始させると共に、ソーク中にアノード流路59から電解質膜・電極構造体52を透過してカソード流路58に透過した燃料ガスを、希釈器170を通じて希釈して排出する(カソードのガス置換処理という)。
【0083】
さらに、制御装置16は、上記のカソードのガス置換処理後に、ドレイン弁164を開いて、ソーク中にカソード流路58から電解質膜・電極構造体52を介してアノード流路59に透過した窒素ガスを燃料ガスで置換するアノードのガス置換処理を行う。
【0084】
[タイミングチャートによる説明]
図2のフローチャートにより説明した動作の一例を
図3のタイミングチャートを参照して説明する。
【0085】
時点t0にて、電源スイッチ300がOFF状態からON状態に遷移したことを検知した(ステップS1:YES)制御装置16は、駆動部204のコンタクタ(不図示)等の接続を開始する。
【0086】
時点t1にて駆動部204の接続が完了すると、制御装置16は、時点t1にて、コンプレッサ28の回転数NをN=N2(第2供給流量Q2が得られる回転数)に設定して(ステップS2)、コンプレッサ28を駆動する。
【0087】
コンプレッサ28は、回転数Nが、N=Nfとなった時点t2にてロータの浮上が完了し、以降、酸化剤ガスの吐出流量が安定化する。
【0088】
前回運転時のクロスリーク又はソーク時のリークがなかった(所定値以下だった場合も含む)場合、制御装置16は、コンプレッサ28の回転数NがN=N1(第1供給流量Q1が得られる回転数)になった時点t3にて、実線で示すように、インジェクタ32の動作を開始する。
【0089】
次いで、コンプレッサ28の回転数NがN=N2(第2供給流量Q2が得られる回転数)になった時点t4にて、実線で示すように、供給側封止弁118及び排出側封止弁120を開弁してカソード流路58のガスを酸化剤ガスに置換する(カソードガス置換という)。
【0090】
なお、カソード流路58の酸化剤ガスへの置換後、ドレイン弁164を開きアノード流路59の燃料ガスへの置換処理を行う(アノードガス置換という)。
【0091】
通常、このアノードガス置換処理では、ソーク中に、電解質膜・電極構造体52を介してカソード流路58からアノード流路59に透過した窒素も大気に排出され、アノード流路59が燃料ガスに置換される。
【0092】
一方、前回運転時のクロスリーク又はソーク時のリークがあった場合、制御装置16は、コンプレッサ28の回転数NがN=N2(第2供給流量Q2が得られる回転数)になった時点t5にて、破線で示すように、インジェクタ32の動作を開始する。
【0093】
次いで、所定時間経過後の時点t5にて、制御装置16は、破線で示すように、供給側封止弁118及び排出側封止弁120を開弁してカソード流路58のガスを酸化剤ガスに置換する(カソードガス置換)。
【0094】
この場合にも、カソード流路58の酸化剤ガスへの置換後、ドレイン弁164を開きアノード流路59の燃料ガスへの置換処理(アノードガス置換)を行う。
【0095】
このように上記した実施形態によれば、リークを検知しない場合には、インジェクタ32の動作開始時点を早くすることで、起動時間を短くすることができ、リークを検知した場合でも、特許文献1に開示された技術のように、酸化剤ガス流量を制限しないので、起動時間を短くすることができる。
【0096】
[実施形態から把握し得る発明]
ここで、上記実施形態から把握し得る発明について、以下に記載する。なお、理解の便宜のために構成要素の一部には、上記実施形態で用いた符号を付けているが、該構成要素は、その符号を付けたものに限定されない。
【0097】
(1)この発明に係る燃料電池システム10は、アノード流路59を介してアノード電極57に供給される燃料ガスと、カソード流路58を介してカソード電極56に供給される酸化剤ガスと、の電気化学反応により発電する燃料電池スタック18を備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池スタック内の前記カソード流路に、酸化剤ガス供給流路60を通じて前記酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置22と、前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタック18から排出する酸化剤オフガス排出流路62と、前記酸化剤ガス供給流路と前記酸化剤オフガス排出流路とを接続し、前記酸化剤ガス供給装置から供給される前記酸化剤ガスを、前記燃料電池スタック内の前記カソード流路を迂回して前記酸化剤オフガス排出流路に通流するバイパス流路64と、前記燃料電池システムを制御する制御装置16と、を備え、該制御装置は、前記燃料電池システムの運転時及びソーク時における燃料ガスのリークを検知し、検知結果に基づき、リークが検知されている場合に比較してリークが検知されていない場合の起動時の酸化剤ガス供給流量を少なく設定する。
【0098】
この構成により、燃料電池システムの起動時に、運転時及びソーク時における燃料ガスのリークの検知結果に基づき、前記起動時の酸化剤ガス供給流量を設定するようにしたので、リークが検知されていない場合には、起動時における酸化剤ガス供給流量を少なくできる。これにより、発電開始までの起動時間を短くすることができる。
【0099】
起動時に、燃料ガスのリークが検知されていた場合には、リークが検知されていない場合に比較して、酸化剤ガス供給流量を大きな値に設定し、大気に放出される燃料ガスの濃度を低下させて希釈時間を短くすることで起動時間を短くすることができる。
延いてはエネルギの効率化に寄与する。
【0100】
(2)また、燃料電池システムにおいては、前記燃料ガスのリークは、前記燃料電池スタック内でのクロスリークにより発生し又は前記発電に供された燃料オフガスを前記燃料電池スタックから排出する燃料オフガス排出流路74に設けられた燃料オフガス排出弁の開故障状態により発生するとしてもよい。
【0101】
これにより、クロスリークが発生している場合又は燃料オフガス排出弁が開故障状態にある場合には、起動時の酸化剤ガス供給流量を大きな値に設定しているので、大気に排出される燃料ガスの濃度を希釈することができる。
【0102】
(3)さらに、燃料電池システムにおいては、前記燃料電池スタックの前記アノード流路に燃料ガス供給流路72を通じて前記燃料ガスを噴射するインジェクタ32を備え、前記制御装置は、前記起動時において、前記酸化剤ガス供給流量が、設定された前記起動時の酸化剤ガス供給流量に到達したとき、前記インジェクタによる前記燃料ガスの噴射を許容するようにしてもよい。
【0103】
これにより、起動時に、大気に排出される燃料ガスの濃度を希釈しつつ、起動時間を短くすることができる。
【0104】
(4)さらにまた、燃料電池システムにおいては、前記燃料電池スタックの前記アノード流路に燃料ガス供給流路を通じて前記燃料ガスを噴射するインジェクタと、前記酸化剤ガス供給流路に配され、前記酸化剤ガス供給流路に流れる前記酸化剤ガスの流量を調整する供給側封止弁118と、前記発電に供された酸化剤オフガスを前記燃料電池スタックから排出する前記酸化剤オフガス排出流路に配され、前記酸化剤オフガスの流量を調整する排出側封止弁120と、を備え、前記制御装置は、前記供給側封止弁と前記排出側封止弁を閉弁している起動時に、前記酸化剤ガス供給流量が、設定された前記起動時の酸化剤ガス供給流量に到達したときに、前記インジェクタによる前記燃料ガスの噴射を許容し、その後、前記供給側封止弁と前記排出側封止弁を開弁するようにしてもよい。
【0105】
これにより、酸化剤ガスが流通する供給側封止弁及び酸化剤オフガスが流通する排出側封止弁が閉弁されている起動時に、前記酸化剤ガス供給流量が、設定された前記起動時の酸化剤ガス供給流量に到達したときに、インジェクタによる燃料ガスの噴射を許容し、その後、前記供給側封止弁及び前記排出側封止弁を開弁することで、停止時にカソード側からアノード側にクロスリークされた窒素が含まれる燃料オフガスを希釈して大気に排出することができるので、起動時間を短くすることができる。
【0106】
(5)さらにまた、燃料電池システムにおいては、前記制御装置は、前記ソーク時における燃料ガスのリークの検知を、前記ソーク中における前記燃料電池スタックの前記アノード流路の圧力の変化又は前記カソード流路の圧力の変化により検知するようにしてもよい。
これにより、ソーク中のリーク(クロスリークを含む)の有無を簡易に検知することができる。
【0107】
(6)さらにまた、燃料電池システムにおいては、前記制御装置は、前記燃料電池システムの運転時における燃料ガスのリークの検知を、発電状態の変化に基づき検知するようにしてもよい。
これにより、発電中のクロスリークの有無を簡易に検知することができる。
【0108】
なお、この発明は、上述した開示に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0109】
10…燃料電池システム 12…燃料電池自動車
16…制御装置 18…燃料電池スタック
22…酸化剤ガス供給装置 24…燃料ガス供給装置
28…コンプレッサ 32…インジェクタ
36…気液分離器 50…発電セル
52…電解質膜・電極構造体 56…カソード電極
57…アノード電極 58…カソード流路
59…アノード流路
60、60A、60B…酸化剤ガス供給流路
62、80…酸化剤オフガス排出流路
63…希釈ガス流路 64…バイパス流路
72…燃料ガス供給流路 74…燃料オフガス排出流路
99…排出流路 116…エアフローセンサ
118…供給側封止弁 120…排出側封止弁
122…バイパス弁 174、180…圧力センサ
200…出力部 204…駆動部