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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042158
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】射出装置及びダイカストマシン
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/20 20060101AFI20240321BHJP
   B29C 45/53 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
B22D17/20 G
B29C45/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146667
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 博成
(72)【発明者】
【氏名】辻 眞
(72)【発明者】
【氏名】野田 三郎
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AJ08
4F206AR072
4F206AR12
4F206JA07
4F206JD04
4F206JL02
4F206JM04
4F206JQ31
(57)【要約】
【課題】プランジャチップの部品寿命を向上させる射出装置を提供する。
【解決手段】実施形態の射出装置は、プランジャロッドフランジを有するプランジャロッドと、射出ピストンロッドと、プランジャロッドと射出ピストンロッドを連結するカップリング部を備える。カップリング部は、第1のフランジを有する第1のセンタリングピンと、第2のフランジを有する第2のセンタリングピンと、第3のフランジを有する第3のセンタリングピンと、第1のセンタリングピンの動きを制限する第1のストッパ部と、第2のセンタリングピンの動きを制限する第2のストッパ部と、第3のセンタリングピンの動きを制限する第3のストッパ部と、を有する枠体と、第1のフランジを第1のストッパ部に押し付ける第1の弾性体と、第2のフランジを第2のストッパ部に押し付ける第2の弾性体と、第3のフランジを第3のストッパ部に押し付ける第3の弾性体と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端にブランジャチップを取り付け可能で、他端にプランジャロッドフランジを有するプランジャロッドと、
一端にピストンロッドフランジを有する射出ピストンロッドと、
前記プランジャロッドと前記射出ピストンロッドを連結するカップリング部であって、
前記プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第1のフランジを有する第1のセンタリングピンと、
前記プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第2のフランジを有する第2のセンタリングピンと、
前記プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第3のフランジを有する第3のセンタリングピンと、
前記プランジャロッドフランジと前記ピストンロッドフランジを覆う枠体であって、前記第1のセンタリングピンの前記プランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第1のストッパ部と、前記第2のセンタリングピンの前記プランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第2のストッパ部と、前記第3のセンタリングピンの前記プランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第3のストッパ部と、を有する枠体と、
前記第1のフランジを前記第1のストッパ部に押し付ける第1の弾性体と、
前記第2のフランジを前記第2のストッパ部に押し付ける第2の弾性体と、
前記第3のフランジを前記第3のストッパ部に押し付ける第3の弾性体と、
を含むカップリング部と、
を備えることを特徴とする射出装置。
【請求項2】
前記第1の弾性体、前記第2の弾性体、及び前記第3の弾性体は、皿ばねであることを特徴とする請求項1記載の射出装置。
【請求項3】
前記第1のフランジは前記第1のストッパ部に接し、前記第2のフランジは前記第2のストッパ部に接し、前記第3のフランジは前記第3のストッパ部に接することを特徴とする請求項1記載の射出装置。
【請求項4】
前記第2のセンタリングピン及び前記第3のセンタリングピンは、前記第1のセンタリングピンの下方に設けられ、前記第2のセンタリングピンと前記第3のセンタリングピンとの間の距離は前記第1のセンタリングピンと前記第2のセンタリングピンとの間の距離よりも短く、前記第2のセンタリングピンと前記第3のセンタリングピンとの間の距離は前記第1のセンタリングピンと前記第3のセンタリングピンとの間の距離よりも短い、ことを特徴とする請求項1記載の射出装置。
【請求項5】
前記プランジャロッドフランジの前記ピストンロッドフランジに対向する面は、クラウニング形状であることを特徴とする請求項1記載の射出装置。
【請求項6】
前記カップリング部を載置し、前記カップリング部を水平方向に移動可能とするガイドレールを、更に備えることを特徴とする請求項1記載の射出装置。
【請求項7】
前記カップリング部は、前記ガイドレールに接するローラーを、更に含むことを特徴とする請求項6記載の射出装置。
【請求項8】
一端にブランジャチップを取り付け可能で、他端にプランジャロッドフランジを有するプランジャロッドと、
一端にピストンロッドフランジを有する射出ピストンロッドと、
前記プランジャロッドと前記射出ピストンロッドを連結するカップリング部と、
前記カップリング部を載置し、前記カップリング部を水平方向に移動可能とするガイドレールと、
を備えることを特徴とする射出装置。
【請求項9】
前記カップリング部は、前記ガイドレールに接するローラーを、更に含むことを特徴とする請求項8記載の射出装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9いずれか一項記載の射出装置を備えたことを特徴とするダイカストマシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出装置及びダイカストマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイカストマシンは、型締装置を用いて型締めされた金型内の空洞(キャビティ)に、射出装置を用いて溶湯を充填することで、ダイカスト品を製造する。
【0003】
ダイカストマシンには、金型内の空洞につながる射出スリーブが水平方向に設けられる。射出装置は、射出スリーブに対し、先端にプランジャチップが設けられたプランジャロッドを前進移動させることにより、射出スリーブ内に供給された溶湯を金型内の空洞に充填する。
【0004】
プランジャロッドはカップリング部を用いて射出ピストンロッドに連結される。射出ピストンロッドが射出アクチュエータによって駆動され、前進移動することにより、プランジャロッドが前進移動する。
【0005】
射出スリーブの中心軸とプランジャロッドの中心軸とは、一致することが望ましい。仮に、射出スリーブの中心軸とプランジャロッドの中心軸とが一致しない場合、射出スリーブ内を移動するプランジャチップと射出スリーブとの間の摩擦が大きくなる。プランジャチップと射出スリーブとの間の摩擦が大きくなると、プランジャチップの摩耗が増大し、プランジャチップの部品寿命が低下する。また、プランジャチップと射出スリーブとの間の摩擦が増大することで、溶湯を金型内へ充填する射出動作が不安定となり、ダイカスト品の品質が低下する。
【0006】
射出スリーブの中心軸とプランジャロッドの中心軸とが一致することにより、射出スリーブ内を移動するプランジャチップと射出スリーブとの間の摩擦が低減する。プランジャチップと射出スリーブとの間の摩擦が低減することで、プランジャチップの摩耗が低減し、プランジャチップの部品寿命が向上する。また、プランジャチップと射出スリーブとの間の摩擦が低減することで、溶湯を金型内へ充填する射出動作が安定し、ダイカスト品の品質が向上する。
【0007】
特許文献1には、カップリング部に設けられた下弾性支持ユニットと左右弾性支持ユニットとにより、プランジャロッドを支持する射出装置が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の発明では、射出スリーブの中心軸とプランジャロッドの中心軸とを一致させることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2015-71169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、プランジャチップの部品寿命を向上させ、射出動作を安定させる射出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の射出装置は、一端にブランジャチップを取り付け可能で、他端にプランジャロッドフランジを有するプランジャロッドと、一端にピストンロッドフランジを有する射出ピストンロッドと、前記プランジャロッドと前記射出ピストンロッドを連結するカップリング部であって、前記プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第1のフランジを有する第1のセンタリングピンと、前記プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第2のフランジを有する第2のセンタリングピンと、前記プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第3のフランジを有する第3のセンタリングピンと、前記プランジャロッドフランジと前記ピストンロッドフランジを覆う枠体であって、前記第1のセンタリングピンの前記プランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第1のストッパ部と、前記第2のセンタリングピンの前記プランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第2のストッパ部と、前記第3のセンタリングピンの前記プランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第3のストッパ部と、を有する枠体と、前記第1のフランジを前記第1のストッパ部に押し付ける第1の弾性体と、前記第2のフランジを前記第2のストッパ部に押し付ける第2の弾性体と、前記第3のフランジを前記第3のストッパ部に押し付ける第3の弾性体と、を含むカップリング部と、を備える。
【0011】
上記態様の射出装置において、前記第1の弾性体、前記第2の弾性体、及び前記第3の弾性体は、皿ばねであることが好ましい。
【0012】
上記態様の射出装置において、前記第1のフランジは前記第1のストッパ部に接し、前記第2のフランジは前記第2のストッパ部に接し、前記第3のフランジは前記第3のストッパ部に接することが好ましい。
【0013】
上記態様の射出装置において、前記第2のセンタリングピン及び前記第3のセンタリングピンは、前記第1のセンタリングピンの下方に設けられ、前記第2のセンタリングピンと前記第3のセンタリングピンとの間の距離は前記第1のセンタリングピンと前記第2のセンタリングピンとの間の距離よりも短く、前記第2のセンタリングピンと前記第3のセンタリングピンとの間の距離は前記第1のセンタリングピンと前記第3のセンタリングピンとの間の距離よりも短いことが好ましい。
【0014】
上記態様の射出装置において、前記プランジャロッドフランジの前記射出ピストンロッドフランジに対向する面は、クラウニング形状であることが好ましい。
【0015】
上記態様の射出装置において、前記カップリング部を載置し、前記カップリング部を水平方向に移動可能とするガイドレールを、更に備えることが好ましい。
【0016】
上記態様の射出装置において、前記カップリング部は、前記ガイドレールに接するローラーを、更に含むことが好ましい。
【0017】
本発明の別の一態様の射出装置は、一端にブランジャチップを取り付け可能で、他端にプランジャロッドフランジを有するプランジャロッドと、一端にピストンロッドフランジを有する射出ピストンロッドと、前記プランジャロッドと前記ピストンロッドを連結するカップリング部と、前記カップリング部を載置し、前記カップリング部を水平方向に移動可能とするガイドレールと、を備えることが好ましい。
【0018】
上記態様の射出装置において、前記カップリング部は、前記ガイドレールに接するローラーを、更に含むことが好ましい。
【0019】
本発明の一態様のダイカストマシンは、上記態様の射出装置を備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、プランジャチップの部品寿命を向上させ、射出動作を安定させる射出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施形態のダイカストマシンの全体構成を示す模式図。
図2】第1の実施形態の射出装置のカップリング部の模式断面図。
図3】第1の実施形態の射出装置のカップリング部の模式断面図。
図4】比較例の射出装置のカップリング部の模式断面図。
図5】比較例の射出装置のカップリング部の模式断面図。
図6】第1の実施形態の変形例の射出装置のカップリング部の模式断面図。
図7】第2の実施形態のダイカストマシンの全体構成を示す模式図。
図8】第2の実施形態の射出装置の要部の模式断面図。
図9】第2の実施形態の射出装置の要部の模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0023】
なお、本明細書では、液圧の一例として、油圧を用いて説明する。例えば、液圧機構の一例として油圧機構、液圧を発生する液体の一例として油を用いて説明する。油圧にかえて、例えば、水圧を用いることも可能である。また、本明細書では、作動液の一例として、作動油を用いて説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の射出装置は、一端にブランジャチップを取り付け可能で、他端にプランジャロッドフランジを有するプランジャロッドと、一端にピストンロッドフランジを有する射出ピストンロッドと、プランジャロッドと射出ピストンロッドを連結するカップリング部であって、プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第1のフランジを有する第1のセンタリングピンと、プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第2のフランジを有する第2のセンタリングピンと、プランジャロッドフランジの外周に沿って設けられ、第3のフランジを有する第3のセンタリングピンと、プランジャロッドフランジとピストンロッドフランジを覆う枠体であって、第1のセンタリングピンのプランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第1のストッパ部と、第2のセンタリングピンのプランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第2のストッパ部と、第3のセンタリングピンのプランジャロッドフランジの方向への動きを制限する第3のストッパ部と、を有する枠体と、第1のフランジを第1のストッパ部に押し付ける第1の弾性体と、第2のフランジを第2のストッパ部に押し付ける第2の弾性体と、第3のフランジを第3のストッパ部に押し付ける第3の弾性体と、を含むカップリング部と、を備える。
【0025】
また、第1の実施形態のダイカストマシンは、上記射出装置を備える。
【0026】
図1は、第1の実施形態のダイカストマシンの全体構成を示す模式図である。図1は、一部に断面図を含む側面図である。
【0027】
第1の実施形態のダイカストマシン100は、コールドチャンバ式のダイカストマシンである。
【0028】
ダイカストマシン100は、型締装置10、押出装置12、射出装置14、金型16、及び制御ユニット20を備える。
【0029】
ダイカストマシン100は、ベース22、固定ダイプレート24、可動ダイプレート26、リンクハウジング28、及びタイバー30を備える。
【0030】
ダイカストマシン100は、金型16の内部(図1中の空洞Ca)に液状金属(溶湯)を射出して充填し、その液状金属を金型16内で凝固させることにより、ダイカスト品を製造する機械である。金属は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛合金、又は、マグネシウム合金である。
【0031】
金型16は、固定金型16aと可動金型16bを含む。金型16は、型締装置10と射出装置14との間に設けられる。
【0032】
固定ダイプレート24はベース22の上に固定される。固定ダイプレート24は、固定金型16aを保持することが可能である。
【0033】
可動ダイプレート26は、ベース22の上に型開閉方向に移動可能に設けられる。型開閉方向とは、図1に示す型開方向及び型閉方向の両方向を意味する。可動ダイプレート26は、可動金型16bを固定金型16aに対向して保持することが可能である。
【0034】
リンクハウジング28は、ベース22の上に設けられる。リンクハウジング28には、型締装置10を構成するリンク機構の一端が固定される。
【0035】
固定ダイプレート24とリンクハウジング28は、タイバー30により固定される。タイバー30は、固定金型16aと可動金型16bに型締力が加えられている間は、型締力を支える。
【0036】
型締装置10は、金型16の開閉及び型締めを行う機能を有する。
【0037】
射出装置14は、金型16の空洞Caに溶湯を射出して充填し、溶湯を加圧する機能を有する。射出装置14は、射出スリーブ40、プランジャチップ41、プランジャロッド42、カップリング部44、射出ピストンロッド46、射出アクチュエータ48、及び、支持部材49、を含む。プランジャロッド42は、プランジャロッドフランジ42aを有する。射出ピストンロッド46は、ピストンロッドフランジ46aを有する。
【0038】
射出スリーブ40は、金型16の空洞Caに通じる。射出スリーブ40は、水平方向に延びる。射出スリーブ40は、鉛直方向に対して垂直方向に延びる。
【0039】
射出スリーブ40は、例えば、固定金型16aに連結された筒状の部材である。射出スリーブ40は、例えば、円筒形状である。
【0040】
プランジャロッド42は、射出スリーブ40の中を摺動する。プランジャロッド42は、水平方向に延びる。
【0041】
プランジャロッド42の一端にはプランジャチップ41が取り付け可能である。プランジャロッド42に固定されたプランジャチップ41は、射出スリーブ40の中を前後方向に摺動する。射出スリーブ40の中をプランジャチップ41が前方へ摺動することにより、射出スリーブ40の中の溶湯が金型16の中に押し出される。
【0042】
プランジャロッド42は、金型16の空洞Caの中に溶湯が充填された後、溶湯を加圧して溶湯に圧力を加える。
【0043】
例えば、給湯口が射出スリーブ40の上部に設けられる。例えば、図示しないラドルにより溶湯が給湯口から射出スリーブ40内に供給される。
【0044】
カップリング部44は、プランジャロッド42と射出ピストンロッド46を連結する。射出ピストンロッド46は、射出アクチュエータ48を用いて水平方向に駆動される。射出アクチュエータ48は、例えば、油圧シリンダである。
【0045】
支持部材49は、例えば、固定ダイプレート24に対して射出アクチュエータ48を固定する。
【0046】
押出装置12は、製造されたダイカスト品を金型16から押し出す機能を有する。
【0047】
制御ユニット20は、制御装置32、入力装置34、表示装置36を含む。制御ユニット20は、型締装置10、押出装置12、及び、射出装置14を用いたダイカストマシン100の成形動作を制御する機能を有する。
【0048】
入力装置34は、オペレータの入力操作を受け付ける。オペレータは、入力装置34を用いて、ダイカストマシン100の成形条件等の設定が可能となる。入力装置34は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイを用いたタッチパネルである。
【0049】
表示装置36は、例えば、ダイカストマシン100の成形条件、動作状況等を画面に表示する。表示装置36は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイである。
【0050】
制御装置32は、各種の演算を行って、ダイカストマシン100の各部に制御指令を出力する機能を有する。制御装置32は、例えば、成形条件等を記憶する機能を有する。制御装置32は、例えば、射出装置14の動作を制御する。
【0051】
制御装置32は、例えば、ハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで構成される。制御装置32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、半導体メモリ、及び半導体メモリに記憶された制御プログラムを含む。
【0052】
図2及び図3は、第1の実施形態の射出装置のカップリング部の模式断面図である。図3は、図2のAA’断面である。
【0053】
カップリング部44は、枠体50、第1のセンタリングピン52a、第2のセンタリングピン52b、第3のセンタリングピン52c、第1の弾性体54a、第2の弾性体54b、第3の弾性体54c、第1の固定部材56a、第2の固定部材56b、及び第3の固定部材56cを含む。
【0054】
枠体50は、第1のストッパ部50a、第2のストッパ部50b、及び第3のストッパ部50cを含む。第1のセンタリングピン52aは、第1のフランジ52axを含む。第2のセンタリングピン52bは、第2のフランジ52bxを含む。第3のセンタリングピン52cは、第3のフランジ52cxを含む。
【0055】
プランジャロッド42は、プランジャチップ41が取り付け可能な一端と反対側の他端にプランジャロッドフランジ42aを有する。また、射出ピストンロッド46は、一端にピストンロッドフランジ46aを有する。
【0056】
カップリング部44は、プランジャロッド42と射出ピストンロッド46を連結する。枠体50は、プランジャロッドフランジ42aとピストンロッドフランジ46aを覆う。枠体50は、プランジャロッドフランジ42aとピストンロッドフランジ46aを囲む。
【0057】
枠体50とプランジャロッド42及びプランジャロッドフランジ42aの間には、所定のクリアランスが設けられる。枠体50とプランジャロッド42及びプランジャロッドフランジ42aの間にクリアランスが設けられることで、枠体50に対する、プランジャロッド42及びプランジャロッドフランジ42aの一定の動きが可能となる。
【0058】
枠体50と射出ピストンロッド46及びピストンロッドフランジ46aとの間には、例えば、クリアランスが設けられない。枠体50と射出ピストンロッド46及びピストンロッドフランジ46aとは、例えば、密着する。例えば、枠体50に対して射出ピストンロッド46及びピストンロッドフランジ46aが動かないように固定される。
【0059】
第1のセンタリングピン52a、第2のセンタリングピン52b、及び第3のセンタリングピン52cは、例えば、プランジャロッドフランジ42aの外周に沿って設けられる。例えば、第2のセンタリングピン52b及び第3のセンタリングピン52cは、第1のセンタリングピン52aの鉛直方向の下方に設けられる。
【0060】
第1のセンタリングピン52a、第2のセンタリングピン52b、及び第3のセンタリングピン52cは、プランジャロッド42のセンタリングを行う機能を有する。第1のセンタリングピン52a、第2のセンタリングピン52b、及び第3のセンタリングピン52cは、例えば、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xを一致させる。
【0061】
例えば、第2のセンタリングピン52bと第3のセンタリングピン52cとの間の距離(図3中のd1)は、第1のセンタリングピン52aと第2のセンタリングピン52bとの間の距離(図3中のd2)よりも短い。そして、第2のセンタリングピン52bと第3のセンタリングピン52cとの間の距離(図3中のd1)は第1のセンタリングピン52aと第3のセンタリングピン52cとの間の距離(図3中のd3)よりも短い。
【0062】
第1のセンタリングピン52aには第1のフランジ52axが設けられる。第1のフランジ52axは、枠体50の第1のストッパ部50aに接する。第1のストッパ部50aは、第1のセンタリングピン52aのプランジャロッドフランジ42aの方向への動きを制限する。
【0063】
第1のセンタリングピン52aの先端は、例えば、プランジャロッドフランジ42aに接する。
【0064】
第1の弾性体54aは、第1のセンタリングピン52aと第1の固定部材56aとの間に設けられる。第1の弾性体54aは、第1のフランジ52axと第1の固定部材56aとの間に設けられる。第1の固定部材56aは、枠体50に固定される。
【0065】
第1の弾性体54aは、第1のフランジ52axを第1のストッパ部50aに押し付ける機能を有する。プランジャロッド42と射出ピストンロッド46がカップリング部44で連結された状態で、第1のフランジ52axが第1のストッパ部50aに接するように、第1の弾性体54aの弾性力が設定される。
【0066】
第1の弾性体54aは、例えば、皿ばね、板バネ、又はコイルばねである。
【0067】
第2のセンタリングピン52bには第2のフランジ52bxが設けられる。第2のフランジ52bxは、枠体50の第2のストッパ部50bに接する。第2のストッパ部50bは、第2のセンタリングピン52bのプランジャロッドフランジ42aの方向への動きを制限する。
【0068】
第2のセンタリングピン52bの先端は、例えば、プランジャロッドフランジ42aに接する。
【0069】
第2の弾性体54bは、第2のセンタリングピン52bと第2の固定部材56bとの間に設けられる。第2の弾性体54bは、第2のフランジ52bxと第2の固定部材56bとの間に設けられる。第2の固定部材56bは、枠体50に固定される。
【0070】
第2の弾性体54bは、第2のフランジ52bxを第2のストッパ部50bに押し付ける機能を有する。プランジャロッド42と射出ピストンロッド46がカップリング部44で連結された状態で、第2のフランジ52bxが第2のストッパ部50bに接するように、第2の弾性体54bの弾性力が設定される。
【0071】
第2の弾性体54bは、例えば、皿ばね、板バネ、又はコイルばねである。
【0072】
第3のセンタリングピン52cには第3のフランジ52cxが設けられる。第3のフランジ52cxは、枠体50の第3のストッパ部50cに接する。第3のストッパ部50cは、第3のセンタリングピン52cのプランジャロッドフランジ42aの方向への動きを制限する。
【0073】
第3のセンタリングピン52cの先端は、例えば、プランジャロッドフランジ42aに接する。
【0074】
第3の弾性体54cは、第3のセンタリングピン52cと第3の固定部材56cとの間に設けられる。第3の弾性体54cは、第3のフランジ52cxと第3の固定部材56cとの間に設けられる。第3の固定部材56cは、枠体50に固定される。
【0075】
第3の弾性体54cは、第3のフランジ52cxを第3のストッパ部50cに押し付ける機能を有する。プランジャロッド42と射出ピストンロッド46がカップリング部44で連結された状態で、第3のフランジ52cxが第3のストッパ部50cに接するように、第3の弾性体54cの弾性力が設定される。
【0076】
第3の弾性体54cは、例えば、皿ばね、板バネ、又はコイルばねである。
【0077】
次に、第1の実施形態の射出装置の作用及び効果について説明する。
【0078】
図4及び図5は、比較例の射出装置のカップリング部の模式断面図である。図5は、図4のBB’断面である。また、図4及び図5は、比較例の射出装置のカップリング部の解決すべき課題の説明図である。
【0079】
比較例の射出装置のカップリング部94は、枠体50が第1のストッパ部50a、第2のストッパ部50b、及び第3のストッパ部50cを含まない点で、第1の実施形態のカップリング部44と異なる。
【0080】
例えば、比較例の射出装置において、カップリング部94でプランジャロッド42と射出ピストンロッド46を連結した場合、図4及び図5に示すように、プランジャロッド42のセンタリングが困難となる。
【0081】
例えば、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xが一致しなくなる。例えば、図4に示すように、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xが斜交する。
【0082】
例えば、プランジャロッド42の一端が、射出スリーブ40に挿入されている場合を考える。例えば、プランジャロッド42の自重により、図4及び図5に示すように、第1の弾性体54aが伸び、第2の弾性体54b及び第3の弾性体54cが縮むことで、プランジャロッドフランジ42aが下方に移動する。
【0083】
プランジャロッドフランジ42aが下方に移動した結果、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xが一致しなくなる。例えば、図4に示すように、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xが斜交する。
【0084】
例えば、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xが斜交すると、結果的に、射出スリーブ40の中心軸(図1の40x)とプランジャロッド42の中心軸42xが斜交することになる。このため、ダイカストマシンの射出動作の際に、射出スリーブ40内を移動するプランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が大きくなる。
【0085】
プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が大きくなると、プランジャチップ41の摩耗が増大し、プランジャチップ41の部品寿命が低下する。また、プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が増大することで、溶湯を金型16内へ充填する射出動作が不安定となり、ダイカスト品の品質が低下する。
【0086】
第1の実施形態の射出装置14は、枠体50が第1のストッパ部50a、第2のストッパ部50b、及び第3のストッパ部50cを含む。第1のストッパ部50a、第2のストッパ部50b、及び第3のストッパ部50cは、第1のセンタリングピン52a、第2のセンタリングピン52b、及び第3のセンタリングピン52cのプランジャロッドフランジ42aの方向への動きを制限する。
【0087】
さらに、プランジャロッド42と射出ピストンロッド46がカップリング部44で連結された状態で、第1のフランジ52axが第1のストッパ部50aに接するように、第1の弾性体54aの弾性力が設定される。また、プランジャロッド42と射出ピストンロッド46がカップリング部44で連結された状態で、第2のフランジ52bxが第2のストッパ部50bに接するように、第2の弾性体54bの弾性力が設定される。また、プランジャロッド42と射出ピストンロッド46がカップリング部44で連結された状態で、第3のフランジ52cxが第3のストッパ部50cに接するように、第3の弾性体54cの弾性力が設定される。
【0088】
したがって、プランジャロッド42の一端が、射出スリーブ40に挿入されている場合であっても、プランジャロッド42の自重により、プランジャロッドフランジ42aが下方に移動することが抑制される。よって、図2に示すように、例えば、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xは斜交することなく一致する。
【0089】
例えば、プランジャロッド42の中心軸42xと射出ピストンロッド46の中心軸46xが一致すると、結果的に、射出スリーブ40の中心軸(図1の40x)とプランジャロッド42の中心軸42xが一致することになる。このため、ダイカストマシンの射出動作の際に、射出スリーブ40内を移動するプランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が低減する。
【0090】
プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が低減することで、プランジャチップ41の摩耗が低減し、プランジャチップ41の部品寿命が向上する。また、プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が低減することで、溶湯を金型16内へ充填する射出動作が安定し、ダイカスト品の品質が向上する。
【0091】
また、例えば、射出動作中のプランジャチップ41の振動等による変位は、第1の弾性体54aの弾性力、第2の弾性体54bの弾性力、及び第3の弾性体54cの弾性力によって吸収することが可能である。
【0092】
なお、比較例のカップリング部94においても、第1の弾性体54aの弾性力、第2の弾性体54bの弾性力、及び第3の弾性体54cの弾性力を個別に最適化することにより、プランジャロッド42の自重により、プランジャロッドフランジ42aが下方に移動することが抑制でき、センタリングができるとも考えられる。しかしながら、例えば、プランジャロッド42は金型16の変更と共に変更され、プランジャロッド42の長さや重量も変化する。したがって、プランジャロッド42の変更のたびに、弾性力の最適化されたカップリング部94が必要となり、ダイカスト品の生産性が著しく低下する。また、ダイカスト品の製造コストも増加する。
【0093】
第1の実施形態のカップリング部44は、枠体50が第1のストッパ部50a、第2のストッパ部50b、及び第3のストッパ部50cを含むことで、例えば、プランジャロッド42の長さや重量が変化した場合でも、カップリング部44の変更が不要となる。したがって、ダイカスト品の生産性が低下しない。また、ダイカスト品の製造コストも増加しない。
【0094】
大きな弾性力を得る観点から、第1の弾性体54a、第2の弾性体54b、及び第3の弾性体54cは、皿ばねであることが好ましい。
【0095】
カップリング部44の自重による下方への移動を抑制する観点から、第2のセンタリングピン52b及び第3のセンタリングピン52cは、第1のセンタリングピン52aの鉛直方向の下方に設けられることが好ましい。さらに、第2のセンタリングピン52bと第3のセンタリングピン52cとの間の距離(図3中のd1)は、第1のセンタリングピン52aと第2のセンタリングピン52bとの間の距離(図3中のd2)よりも短いことが好ましい。そして、第2のセンタリングピン52bと第3のセンタリングピン52cとの間の距離(図3中のd1)は第1のセンタリングピン52aと第3のセンタリングピン52cとの間の距離(図3中のd3)よりも短いことが好ましい。
【0096】
なお、センタリングピンの数を4個以上とすることも可能でなる。
【0097】
(変形例)
第1の実施形態の変形例の射出装置は、プランジャロッドフランジのピストンロッドフランジに対向する面は、クラウニング形状である点で、第1の実施形態の射出装置と異なる。
【0098】
図6は、第1の実施形態の変形例の射出装置のカップリング部の模式断面図である。図6は、第1の実施形態の図2に対応する図である。
【0099】
図6に示すように、プランジャロッドフランジ42aのピストンロッドフランジ46aに対向する面は、クラウニング形状である。プランジャロッドフランジ42aのピストンロッドフランジ46aに対向する面が、クラウニング形状であることにより、例えば、射出動作中のプランジャチップ41の振動等による変位を吸収することが容易となる。
【0100】
以上、第1の実施形態によれば、プランジャチップの部品寿命を向上させ、射出動作を安定させる射出装置及びダイカストマシンが実現できる。
【0101】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の射出装置は、カップリング部を載置し、カップリング部を水平方向に移動可能とするガイドレールを、更に備える点で、第1の実施形態の射出装置と異なっている。以下、第1の実施形態と重複する内容については一部記述を省略する。
【0102】
第2の実施形態のダイカストマシンは、上記射出装置を備える。
【0103】
図7は、第2の実施形態のダイカストマシンの全体構成を示す模式図である。図7は、一部に断面図を含む側面図である。
【0104】
第2の実施形態のダイカストマシン200は、コールドチャンバ式のダイカストマシンである。
【0105】
第2の実施形態のダイカストマシン200は、射出装置14が、ガイドレール60を含む点で、第1の実施形態のダイカストマシン100と異なる。
【0106】
ガイドレール60は、例えば、支持部材49の上に固定される。ガイドレール60は、水平方向に延びる。ガイドレール60は、例えば、2本のレールで構成される。ガイドレール60は、カップリング部44を載置し、カップリング部44を水平方向に移動可能とする。
【0107】
図8及び図9は、第2の実施形態の射出装置の要部の模式断面図である。図9は、図8のCC’断面である。図8及び図9は、カップリング部44を含む断面図である。
【0108】
カップリング部44は、枠体50、第1のセンタリングピン52a、第2のセンタリングピン52b、第3のセンタリングピン52c、第1の弾性体54a、第2の弾性体54b、第3の弾性体54c、第1の固定部材56a、第2の固定部材56b、第3の固定部材56c、支持台70、支持軸72、及びローラー74を含む。
【0109】
支持台70は、枠体50を支持する。支持台70の上に枠体50が固定される。
【0110】
ローラー74は、支持軸72よって支持台70に固定される。ローラー74は、ガイドレール60の上に載置される。ローラー74は、例えば、ベアリングローラーである。
【0111】
次に、第2の実施形態の射出装置の作用及び効果について説明する。
【0112】
例えば、射出装置がガイドレール60を備えない場合を考える。この場合、カップリング部44を下方から支える機構は存在しない。
【0113】
例えば、プランジャロッド42の一端が、射出スリーブ40に挿入されている場合を考える。この場合、例えば、プランジャロッド42、カップリング部44、及び射出ピストンロッド46の自重により、プランジャロッド42及び射出ピストンロッド46が、下が凸となる方向に湾曲する場合がある。
【0114】
プランジャロッド42及び射出ピストンロッド46が、下が凸となる方向に湾曲すると、必然的に、射出スリーブ40の中心軸(図7の40x)とプランジャロッド42の中心軸42xが斜交することになる。このため、ダイカストマシンの射出動作の際に、射出スリーブ40内を移動するプランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が大きくなる。
【0115】
プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が大きくなると、プランジャチップ41の摩耗が増大し、プランジャチップ41の部品寿命が低下する。また、プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が増大することで、溶湯を金型16内へ充填する射出動作が不安定となり、ダイカスト品の品質が低下する。
【0116】
第2の実施形態の射出装置14は、支持部材49の上に固定されたガイドレール60を含む。ガイドレール60の上に、カップリング部44が載置される。カップリング部44は、ガイドレール60によって、下方から支えられる。
【0117】
このため、プランジャロッド42、カップリング部44、及び射出ピストンロッド46の自重により、プランジャロッド42及び射出ピストンロッド46が、下が凸となる方向に湾曲することが抑制される。したがって、例えば、射出スリーブ40の中心軸(図7の40x)とプランジャロッド42の中心軸42xが一致する。よって、ダイカストマシンの射出動作の際に、射出スリーブ40内を移動するプランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が低減する。
【0118】
プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が低減することで、プランジャチップ41の摩耗が低減し、プランジャチップ41の部品寿命が向上する。また、プランジャチップ41と射出スリーブ40との間の摩擦が低減することで、溶湯を金型16内へ充填する射出動作が安定し、ダイカスト品の品質が向上する。
【0119】
なお、ガイドレール60の上を、カップリング部44を水平方向に移動させる機構は、必ずしもローラー74に限定されるものではない。例えば、ガイドレール60がベアリング式のスライドレールで形成され、支持台70がガイドレール60の上をスライドする構成であっても構わない。
【0120】
また、支持台70の上に載置される枠体50やセンタリングピン等の構成は、必ずしも限定されるものではない。例えば、第1の比較例で説明したカップリング部94の構成を適用することも可能である。
【0121】
以上、第2の実施形態によれば、プランジャチップの部品寿命を向上させ、射出動作を安定させる射出装置及びダイカストマシンが実現できる。
【0122】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。射出装置やダイカストマシンなどで、本発明の説明に直接必要としない部分については記載を省略したが、必要とされる、射出装置やダイカストマシンなどに関わる要素を適宜選択して用いることができる。
【0123】
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての射出装置及び成形機は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。
【符号の説明】
【0124】
10 型締装置
12 押出装置
14 射出装置
16 金型
16a 固定金型
16b 可動金型
20 制御ユニット
22 ベース
24 固定ダイプレート
26 可動ダイプレート
28 リンクハウジング
30 タイバー
32 制御装置
34 入力装置
36 表示装置
40 射出スリーブ
41 プランジャチップ
42 プランジャロッド
42a プランジャロッドフランジ
44 カップリング部
46 射出ピストンロッド
46a ピストンロッドフランジ
48 射出アクチュエータ
49 支持部材
50 枠体
50a 第1のストッパ部
50b 第2のストッパ部
50c 第3のストッパ部
52a 第1のセンタリングピン
52ax 第1のフランジ
52b 第2のセンタリングピン
52bx 第2のフランジ
52c 第3のセンタリングピン
52cx 第3のフランジ
54a 第1の弾性体
54b 第2の弾性体
54c 第3の弾性体
56a 第1の固定部材
56b 第2の固定部材
56c 第3の固定部材
60 ガイドレール
70 支持台
72 支持軸
74 ローラー
94 カップリング部
100 ダイカストマシン
200 ダイカストマシン
Ca 空洞
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9