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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042162
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】開閉装置設置構造及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/17 20060101AFI20240321BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
E06B9/17 Z
E06B9/58 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146673
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 展行
(72)【発明者】
【氏名】猪俣 聡
(72)【発明者】
【氏名】津田 真伸
(72)【発明者】
【氏名】勝俣 陽介
【テーマコード(参考)】
2E042
【Fターム(参考)】
2E042AA01
2E042DA05
(57)【要約】
【課題】 開閉装置の止着部分の耐久性を向上する。
【解決手段】 開口部aを開閉する開閉装置10を、開口部aの側方に設けられた木製の柱状基部材21に固定するようにした開閉装置設置構造であって、開閉装置10は、柱状基部材21の見付け面側に設けられる見付け面取付部12bと、柱状基部材21の見込み面側に設けられる見込み面取付部12cとを具備し、見付け面取付部12bに挿通される第一の止着具31と、見込み面取付部12cに挿通される第二の止着具32との両方によって柱状基部材21に止着されている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、
前記開閉装置は、前記柱状基部材の見付け面側に設けられる見付け面取付部と、前記柱状基部材の見込み面側に設けられる見込み面取付部とを具備し、前記見付け面取付部に挿通される第一の止着具と、前記見込み面取付部に挿通される第二の止着具との両方によって前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
【請求項2】
前記柱状基部材の見付け面側及び見込み面側が、それぞれ、壁材により覆われており、
前記見付け面取付部と前記見込み面取付部は、それぞれ、見付け面側の前記壁材の表面と、見込み面側の前記壁材の表面に重ね合わせられ、
前記第一の止着具は、前記見付け面側の前記壁材及び前記見付け面取付部を貫通して、前記柱状基部材に止着され、
前記第二の止着具は、前記見込み面側の前記壁材及び前記見込み面取付部を貫通して、前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項3】
前記見付け面取付部と前記見込み面取付部とのうち、少なくともその一方が、前記柱状基部材に対し直接重ね合わせられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項4】
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、
前記ガイドレールに、前記見付け面取付部及び前記見込み面取付部が一体的に設けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項5】
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、
前記ガイドレールが、このガイドレールとは別体の前記見付け面取付部及び前記見込み面取付部に固定されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項6】
前記柱状基部材の前記見込み面側に設けられて前記見込み面取付部に接続された接続片部と、この接続片部から連続するとともに前記柱状基部材の見付け面側に対する反対面側に重ね合わせられた反対面側取付部とを有する補助取付部材を備え、
前記補助取付部材は、前記反対面側取付部に挿通される第三の止着具によって、前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項7】
前記接続片部及び前記見込み面取付部は、前記第二の止着具により共締めされていることを特徴とする請求項6記載の開閉装置設置構造。
【請求項8】
前記見込み面取付部には、見込み方向へ向かって開口部幅を拡大する段部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項9】
前記第一の止着具と前記第二の止着具のうち、少なくともその一方の止着具が、前記柱状基部材にねじ込まれたネジであることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項10】
前記第一の止着具と前記第二の止着具のうち、少なくともその一方の止着具が、前記柱状基部材を貫通するボルトであり、このボルトの先端側にナットが螺合していることを特徴とする請求項1記載の開閉装置設置構造。
【請求項11】
前記一方の止着具が、上下方向に間隔を置いて複数設けられ、これら複数の止着具は、一体状の座部材に挿通されていることを特徴とする請求項10記載の開閉装置設置構造。
【請求項12】
前記見付け面取付部を前記第一の止着具によって前記柱状基部材に止着する工程と、前記見込み面取付部を前記第二の止着具によって前記柱状基部材に止着する工程とを含むことを特徴とする請求項1~11何れか1項記載の開閉装置設置構造の施工方法。
【請求項13】
前記反対面側取付部を前記第三の止着具によって前記柱状基部材に止着する工程を含むことを特徴とする請求項6又は7記載の開閉装置設置構造の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に設置される開閉装置の設置構造及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明には、例えば特許文献1に記載されるように、空間を仕切るようにして下方へ閉鎖動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の両端側をそれぞれ開閉方向へ案内する左右二つのガイドレールと、開閉体をその開放側で収納する収納部とを備えた開閉装置がある。
このような開閉装置では、左右二つのガイドレールをそれぞれ開口部の両側の鉄柱に沿わせ、各ガイドレールにネジ等の止着具を挿通し、この止着具を前記鉄柱に螺合し締め付けることで、各ガイドレールを前記鉄柱に対し不動に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-178568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術によれば、経年劣化等により前記止着具が緩んだり抜けてしまったりするおそれがある。特に、近年では、建築基準法における大規模建築物の規制の緩和等により、大型の木造建築の開口部に重量シャッターを設置する場合が増えており、このような場合には、高重量なガイドレールやシャッターボックス等を木製の下地材等に止着してしまうと、下地材を構成する木材の経年劣化等に起因して、前記止着具の緩みや抜け落ち等の可能性が高くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、前記開閉装置は、前記柱状基部材の見付け面側に設けられる見付け面取付部と、前記柱状基部材の見込み面側に設けられる見込み面取付部とを具備し、前記見付け面取付部に挿通される第一の止着具と、前記見込み面取付部に挿通される第二の止着具との両方によって前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする開閉装置設置構造。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開閉装置の止着部分の耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る開閉装置設置構造の一例を示す正面図である。
図2】同開閉装置設置構造を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図3】同開閉装置設置構造において、ガイドレールの設置手順を(a)~(b)に順次に示す要部横断面図である。
図4】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図5】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図6】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図7】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図8】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図9】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図10】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
図11】本発明に係る開閉装置設置構造の他例を示し、(a)は要部横断面図、(b)は要部縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
以下の説明において、「見付け面」とは、開閉装置10によって開閉される開口部aを正面視した場合に手前側に位置する面を意味する。
例えば、柱状基部材21が壁材22により覆われている場合、見付け面は、開口部aを正面視した場合に最も手前側に位置する壁材22の表面f1になる(図2(a)参照)。
また、「見付け方向」とは、見付け面に沿う略水平な方向を意味する。
【0009】
また、以下の説明において、「見込み面」とは、開口部aを正面視した場合に、開口部aの奥側へ延設される面f2を意味する(図2(a)参照)。
例えば、柱状基部材21が壁材22により覆われている場合、見付け面は、柱状基部材21の開口部a側を覆う壁材22の表面になる。
また、「見込み方向」とは、見込み面に沿う奥行き方向を意味する。
【0010】
<開閉装置設置構造A>
図1に示す開閉装置設置構造Aは、開口部aを開閉する開閉装置10を、柱状基部材21に挿通された第一の止着具31及び第二の止着具32等により、開口部aの左右両側における木製の柱状基部材21に固定している。
【0011】
開口部aは、大型木造建築物において、壁部20を貫通する正面視矩形状の開口である。
この開口部aの周囲の壁部20は、開口部aの左右両側に立設された柱状基部材21、各柱状基部材21を覆う壁材22等により構成される。
【0012】
柱状基部材21は、木製の角材等からなる四角柱状の部材であり、開閉装置10の設置対象となる建築物に不動に固定されている。この柱状基部材21は、壁材22をその内側で支持しており、下地材等と呼称される場合がある。
【0013】
壁材22は、例えば石膏ボード等の耐火性の壁材であり、柱状基部材21の表面側(見付け面f1側)、同柱状基部材21の裏面側(反対面f3側)、及び同柱状基部材21の開口部a側(見込み面f2側)を、それぞれ覆っている。
この壁材22は、図示例によれば、耐火性向上の観点から複層状(図示例によれば二層状)に設けたが、単層とすることも可能である。
なお、表側の壁材22,22と、裏側の壁材22,22の間には、必要に応じて、図示しない下地材や断熱材等が設けられる。
【0014】
開閉装置10は、開口部aに沿って上下方向へ開閉動作する開閉体11と、この開閉体11の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレール12と、開閉体11を開放方向側で収納する収納部13とを備える。
【0015】
開閉体11は、横長略矩形状の金属板を曲げ加工してなるスラットを、上下に隣接する該スラット間で回動するように複数連接し、これらスラットの下端に、閉鎖方向の当接対象部位(例えば、床面や地面、枠部材等)に当接させるための座板部材を接続してなる。
【0016】
ガイドレール12は、硬質金属材料により上下方向へわたる長尺状に形成され、開閉体11の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するレール本体部12aと、このレール本体部12aから延設され柱状基部材21の見付け面側に位置する見付け面取付部12bと、レール本体部12aから延設され柱状基部材21の見込み面側に位置する見込み面取付部12cとを一体的に有する(図2参照)。
そして、このガイドレール12は、見付け面取付部12bに挿通される第一の止着具31と、見込み面取付部12cに挿通される第二の止着具32との両方の止着具によって、壁部20内の柱状基部材21に止着固定されている。
【0017】
レール本体部12aは、開閉体11の横幅方向の端部を囲む略凹状の横断面を、上下方向へわたる長尺状に連続している。
【0018】
見付け面取付部12bは、見付け面f1に沿って上下方向へ長尺状に連続する平板状に形成され、第一の止着具31を挿通するための貫通孔を、上下方向に間隔を置いて単数又は複数(図2によれば二つ)有する。
【0019】
見込み面取付部12cは、見込み面f2に沿って上下方向へ長尺状に連続する平板状に形成され、第二の止着具32を挿通するための貫通孔を、第一の止着具31の前記貫通孔とは異なる高さ位置に。単数又は複数(図2によれば一つ)有する。
【0020】
補強片12dは、略凹状の横断面を上下方向へ連続する溝形鋼状に形成され、レール本体部12aの内部側に溶接等により一体的に固定される。
なお、レール本体部12aのみで強度的に十分であれば、この補強片12dを省くことも可能である。
【0021】
また、レール本体部12a、見付け面取付部12b、見込み面取付部12c及び補強片12d等は、その一部を別体の部材から形成したり、全部を一体の部材により形成したりすることが可能である。
【0022】
収納部13は、開閉体11を巻き取ったり繰り出したりする巻取軸13aや、この巻取軸13aを覆う収納ケース13b、巻取軸13aを巻き取り方向へ駆動回転する開閉機(図示せず)等により構成され、巻取軸13aによって開閉体11を下方へ閉鎖動作したり上方へ開放動作したりする、
【0023】
第一の止着具31と第二の止着具32の各々は、先端側に木材に対しねじ込み可能なネジ部を有し、後端側に頭部を有する木ネジである。
【0024】
第一の止着具31は、上下方向に間隔を置いて複数(図2によれば二つ)設けられ、それぞれ、ガイドレール12の見付け面取付部12bに挿通されて、柱状基部材21にねじ込まれる。
【0025】
第二の止着具32は、第一の止着具31とは異なる高さ位置に単数又は複数(図2によれば一つ)設けられ、ガイドレール12の見込み面取付部12cに挿通されて、柱状基部材21にねじ込まれる。
【0026】
第一の止着具31と第二の止着具32は、平面視上において略直角に交差する位置関係にあるが(図2(a)参照)、高さ位置が異なるので干渉することはない(図2(b)参照)。
【0027】
次に、上記開閉装置設置構造Aの施工方法について説明する。
この施工方法には、見付け面取付部12bを第一の止着具31によって柱状基部材21に止着する工程と、見込み面取付部12cを第二の止着具32によって同柱状基部材21に止着する工程とを含む(図3(a)(b)参照)。
【0028】
詳細に説明すれば、先ず、ガイドレール12の見付け面取付部12bと見込み面取付部12cを、それぞれ、外側の壁材22の見付け面f1と見込み面f2に重ね合わせる。
次に、第一の止着具31を見付け面取付部12b及び壁材22,22に貫通状に挿通し、柱状基部材21にねじ込んで締め付ける。
さらに、第二の止着具32を見込み面取付部12c及び壁材22,22に貫通状に挿通し、柱状基部材21にねじ込んで締め付ける。
【0029】
なお、他例としては、先に第二の止着具32を見込み面取付部12c及び壁材22,22に貫通状に挿通し、柱状基部材21にねじ込んで締め付け、この後に、第一の止着具31を見付け面取付部12b及び壁材22,22に貫通状に挿通し、柱状基部材21にねじ込んで締め付けるようにしてもよい。
【0030】
よって、上記構成の開閉装置設置構造A及びその施工方法によれば、複数方向から挿入された第一の止着具31及び第二の止着具32によって、開閉装置10の止着部分の耐久性を向上することができる。
【0031】
<開閉装置設置構造B>
図4に示す開閉装置設置構造Bは、ガイドレール14と、このガイドレール14とは別体の取付部材15とを具備している。
【0032】
ガイドレール14は、上記ガイドレール12から見付け面取付部12b及び見込み面取付部12cを省いたものである。
このガイドレール14は、開閉体11の横幅方向の端部を横断面凹状に囲んで上下方向へ延設されたレール本体部14aと、このレール本体部14aを内部側で補強する補強片14bとを一体的に具備する。補強片14bは、上記補強片12dと同じ構成である。
【0033】
取付部材15は、金属製材料により、壁部20の見付け面f1に重なり合う見付け面取付部15aと、同壁部20の見込み面f2に重なり合う見込み面取付部15bとを有する一体の横断面L字状に形成される。この取付部材15は、ガイドレール14に沿って上下方向へ延設される。
【0034】
開閉装置設置構造Bの施工手順について説明すれば、先ず、取付部材15が壁部20の手前側の角部分に装着される。
詳細に説明すれば、先ず、取付部材15の見付け面取付部15aが見付け面f1に重ね合わせられ、同取付部材15の見込み面取付部15bが見込み面f2に重ね合わせられる。
そして、第一の止着具31を見付け面取付部15a及び壁材22,22に貫通状に挿通し、柱状基部材21にねじ込んで締め付ける。
さらに、第二の止着具32を見込み面取付部15b及び壁材22,22に貫通状に挿通し、柱状基部材21にねじ込んで締め付ける。
【0035】
次に、ガイドレール14を位置合わせし、取付部材15の見付け面取付部15aに対し溶接する。
なお、ガイドレール14を見付け面取付部15aに固定する手段は、溶接ではなく、ボルトやねじ、リベット等の止着具による止着とすることも可能である。
【0036】
よって、図4に示す開閉装置設置構造Bによれば、開閉装置10の止着部分の耐久性を向上することができる上、ガイドレール14を見付け面取付部15aに固定する際に、ガイドレール14の横方向の位置を容易に調整することができる。
【0037】
<開閉装置設置構造C>
図5に示す開閉装置設置構造Cは、上記開閉装置設置構造Bに対し、補助取付部材16を加えたものである。
【0038】
補助取付部材16は、硬質金属材料によって、柱状基部材21の見込み面側に位置する接続片部16aと、同柱状基部材21の見付け面側に対する反対面側に位置する反対側取付部16bとを有する一体の横断面L字状に形成され、取付部材15に沿って上下方向にわたる長尺状に延設される。
【0039】
接続片部16aは、取付部材15の見込み面取付部15bに重ね合わせられて接続される。また、反対側取付部16bは、接続片部16aから連続するとともに壁部20の反対面f3に重ね合わせられる。
【0040】
補助取付部材16の接続片部16aと、取付部材15の見込み面取付部15bとは、第二の止着具32により共締めされている。
すなわち、第二の止着具32は、接続片部16a、見込み面取付部15b、及び壁材22,22に、貫通状に挿通され、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられている。
【0041】
また、補助取付部材16は、反対側取付部16bに挿通される第三の止着具33によって、柱状基部材21に止着されている。
第三の止着具33は、第一の止着具31及び第二の止着具32と同様に、先端側にネジ部を有し後端側に頭部を有する木ネジである。この第三の止着具33は、第一の止着具31及び第二の止着具32とは異なる高さ位置で、反対側取付部16b、壁材22,22に貫通状に挿通され、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられている。
【0042】
なお、図5に示す一例によれば、第一の止着具31、第二の止着具32及び第三の止着具33をそれぞれ単数としているが、その一部または全部を複数にすることも可能である。
【0043】
よって、図5に示す開閉装置設置構造Cによれば、三方から柱状基部材21にねじ込まれた第一の止着具31、第二の止着具32及び第三の止着具33によって、開閉装置10の止着部分の耐久性をいっそう向上することができる。
【0044】
<開閉装置設置構造D>
図6に示す開閉装置設置構造Dは、上記開閉装置設置構造B(図4参照)において、取付部材15を取付部材17に置換したものである。
【0045】
取付部材17は、金属製材料により、壁部20の見付け面f1に重なり合う見付け面取付部17aと、同壁部20の見込み面f2に重なり合う見込み面取付部17bとを有する一体状に形成される。この取付部材17は、ガイドレール14に沿って上下方向にわたる長尺状に延設される。
【0046】
見込み面取付部17bは、見込み方向へ向かって開口部幅を拡大する段部17b1を有し、この段部17b1よりも見込み方向奥側の平坦状部分17b2を、壁部20の見込み面f2に接している。
見込み面取付部17bには、第二の止着具32が貫通状に挿通される。この第二の止着具32は、さらに壁材22,22に挿通され、柱状基部材21に対しねじ込まれ締め付けられる。
【0047】
よって、図6に示す開閉装置設置構造Dによれば、開閉装置10の止着部分の耐久性を向上することができる上、段部17b1よりも奥側の幅広部分に、図示しない部材(例えば、図示しない壁材や、化粧板、センサー、照明等)を設置することが可能になる。
<開閉装置設置構造E>
図7に示す開閉装置設置構造Eは、上記開閉装置設置構造D(図7参照)において、上記した補助取付部材16を加えたものである。
【0048】
補助取付部材16は、接続片部16aを取付部材17の見込み面取付部17b(詳細には平坦状部分17b2)に重ね合わせるとともに、反対側取付部16bを反対面f3に重ね合わせている。
【0049】
そして、補助取付部材16の接続片部16aと、取付部材17の平坦状部分17b2とは、第二の止着具32により共締めされている。
第二の止着具32は、接続片部16a、平坦状部分17b2、壁材22,22に貫通状に挿通され、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられている。
【0050】
また、反対側取付部16bは、第三の止着具33によって柱状基部材21に止着される。
すなわち、第三の止着具33は、第一の止着具31及び第二の止着具32とは異なる高さ位置で、反対側取付部16b、及び壁材22,22に貫通状に挿通され、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられている。
【0051】
よって、図7に示す開閉装置設置構造Dによれば段部17b1よりも奥側の幅広部分を有効利用できる上、三方向から挿入される第一の止着具31、第二の止着具32及び第三の止着具33によって、開閉装置10の止着部分の耐久性をいっそう向上することができる。
<開閉装置設置構造F>
図8に示す開閉装置設置構造Fは、ガイドレール14と、このガイドレール14とは別体の取付部材18とを具備している。
【0052】
取付部材18は、硬質金属材料によって、柱状基部材21の見付け面側に位置する見付け面取付部18aと、同壁部20の見込み面側に位置する見込み面取付部18bとを有する一体状に形成される。この取付部材18は、ガイドレール14に沿って上下方向へ延設される。
【0053】
見付け面取付部18aは、図8に横断面を示すように、柱状基部材21の見付け面側の表面に沿う平板部18a1を有する。平板部18a1の開口部a側には、手前方向へ突出する段部18a2が設けられる。そして、この段部18a2の突端側は、開口部a側へ延設されて、外部に露出した平坦状のあらわし部18a3を形成している。
【0054】
平板部18a1は、柱状基部材21の見付け面側の表面に直接重ね合わせられる。この平板部18a1には。第一の止着具31が貫通状に挿通される。第一の止着具31は、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられる。
【0055】
段部18a2には、見付け面側の壁材22,22の端部が突き当てられる。
【0056】
あらわし部18a3には、ガイドレール14が位置決めされ溶接等によって固定される。
【0057】
また、見込み面取付部18bは、見込み方向奥側に、柱状基部材21の表面に沿う平板部18b1を有するとともに、手前方向側に開口部a側へ突出する段部18b2を有し、この段部18b2よりも手前方向側に、開口部a側に露出した平坦状のあらわし部18b3を有する。
【0058】
平板部18b1は、柱状基部材21の表面に直接重ね合わせられる。この平板部18b1には、第一の止着具31とは異なる高さ位置で、第二の止着具32が貫通状に挿通される。この第二の止着具32は、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられる。
【0059】
段部18b2には、開口部a側の壁材22,22の端部が突き当てられる。
【0060】
よって、図8に示す開閉装置設置構造Fによれば、柱状基部材21に直接重ね合わせられる見付け面取付部18a及び見込み面取付部18bによって、開閉装置10の止着強度を効果的に向上することができる。
<開閉装置設置構造G>
図9に示す開閉装置設置構造Gは、上記開閉装置設置構造F(図8参照)において、上記した補助取付部材16を加えたものである。
【0061】
補助取付部材16は、接続片部16aを取付部材18の見込み面取付部18b(詳細には平板部18b1)に重ね合わせるとともに、反対側取付部16bを、柱状基部材21の反対側の面に直接重ね合わせている。
【0062】
そして、補助取付部材16の接続片部16aと、取付部材18の平板部18b1とは、第二の止着具32により共締めされている。
第二の止着具32は、接続片部16a、平板部18b1、壁材22,22に貫通状に挿通され、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられている。
【0063】
また、反対側取付部16bは、第三の止着具33によって柱状基部材21に直接止着される。第三の止着具33は、第一の止着具31及び第二の止着具32とは異なる高さ位置で、反対側取付部16bに貫通状に挿通され、柱状基部材21にねじ込まれ締め付けられている。
【0064】
よって、図9に示す開閉装置設置構造Gによれば、三方向から挿入される第一の止着具31、第二の止着具32及び第三の止着具33によって、開閉装置10の止着部分の耐久性をいっそう向上することができる。
この開閉装置設置構造Gは、特に、壁材22の施工前に、柱状基部材21に対しガイドレール14を固定する場合等に有用である。
【0065】
<開閉装置設置構造H>
図10に示す開閉装置設置構造Hは、ガイドレール14と柱状基部材21の間に介在する柱状補強部材50及び被覆部材70を、第一及び第二の止着具としてのボルト35,36、及びナット37によって止着している。
【0066】
柱状補強部材50は、柱状基部材21よりも硬質で剛性を有する材料(例えば、硬質金属材料等)により中空の四角柱状に形成される。
この柱状補強部材50の上下方向の長さは、ガイドレール14の上下方向の長さと同等以上に設定され、好ましくは柱状基部材21と略同じ長さに設定される。
この柱状補強部材50は、被覆部材70を介在するようにして、柱状基部材21に対しボルト36及びナット37によって固定される。
この柱状補強部材50において、柱状基部材21側の壁部には、ボルト36の軸部分を挿通するための貫通孔が設けられる。
【0067】
被覆部材70は、柱状基部材21よりも硬質の材料(例えば、金属材料等)によって形成され、柱状基部材21の表面を補強している。
この被覆部材70は、柱状基部材21の見込み面側の表面を覆うようにして該表面に固定される見込み面取付部71と、柱状基部材21の見付け面側の表面を覆うようにして該表面に固定される見付け面取付部72とを有する横断面略L字状に形成され、柱状基部材21に沿って上下方向へ連続している。
【0068】
一方のボルト35(第一の止着具)は、上下方向に間隔をおいて複数(図示例によれば二つ)設けられる。該ボルト35は、開閉装置10を正面視した場合の奥側から手前側へ向かいようにして、柱状基部材21に挿通される。このボルト35の頭部と柱状基部材21の間には、座金34が設けられる。
このボルト35は、柱状基部材21、被覆部材70の見付け面取付部72、及び柱状補強部材50の周壁を貫通する。そして、このボルト35の先端側には、ナット37が螺合し締め付けられる。
【0069】
他方のボルト36(第二の止着具)は、見込み面側(開口部a側)から、被覆部材70の見込み面取付部71及び柱状基部材21に貫通状に挿通される。このボルト36の先端側には、座金34を介してナット37が螺合し締め付けられる。
【0070】
なお、柱状補強部材50内のナット37は、柱状補強部材50内壁に予め溶接されたナットとしてもよいし、図示しない貫通孔から柱状補強部材50内に挿入されるようにしてもよい。
【0071】
図中、符号22aは、内側の壁材22を貫通する貫通部である。この貫通部22aは、ボルト35(又は36)の頭部及び座金34を内在する。ボルト35とボルト36は、それぞれ、貫通部22a内にて、柱状基部材21の表面と、被覆部材70の表面に直接接触する。
【0072】
この開閉装置設置構造Hにおいて、ガイドレール14は、適宜に位置決めされた上で、柱状補強部材50に対し溶接等によって固定される。
【0073】
なお、図中、符号22’は、壁部20の最表部を覆う化粧板である。
【0074】
よって、図10に示す開閉装置設置構造Hによれば、柱状補強部材50、被覆部材70及び公差状のボルト35,36により、柱状基部材21を効果的に補強するとともに、柱状基部材21に対する止着部分の耐久性を向上することができる。
【0075】
<開閉装置設置構造I>
図11に示す開閉装置設置構造Iは、上記開閉装置設置構造H(図10参照)において、複数のボルト35(又は36)毎の座金34を、複数のボルト35(又は36)にわたる一体状の座部材38に置換したものである。
【0076】
座部材38は、柱状基部材21よりも硬質な材料(例えば、硬質金属材料等)からなる矩形板状の部材であり、複数の35(又は36)を挿通して、柱状基部材21とボルト35(又は36)の頭部との間に挟まれている。
【0077】
よって、図11に示す開閉装置設置構造Iによれば、特にボルト35,36の頭部に押圧されて柱状基部材21が変形や損傷等するのを、座部材38によって効果的に防ぐことができ、ひいては、柱状基部材21に対する止着部分の耐久性をいっそう向上することができる。
【0078】
<その他の変形例>
上記実施形態では、開閉装置10の一部分であるガイドレール12(又は14)を柱状基部材21に固定するようにしたが、上記開閉装置設置構造A~Iは、例えば収納部13を柱状基部材21に固定する構造等、ガイドレール以外の部分を柱状基部材21に固定する構造として適用することが可能である。
【0079】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0080】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
開口部を開閉する開閉装置を、前記開口部の側方に設けられた木製の柱状基部材に固定するようにした開閉装置設置構造であって、前記開閉装置は、前記柱状基部材の見付け面側に設けられる見付け面取付部と、前記柱状基部材の見込み面側に設けられる見込み面取付部とを具備し、前記見付け面取付部に挿通される第一の止着具と、前記見込み面取付部に挿通される第二の止着具との両方によって前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする開閉装置設置構造(図1図11参照)。
(2)
前記柱状基部材の見付け面側及び見込み面側が、それぞれ、壁材により覆われており、前記見付け面取付部と前記見込み面取付部は、それぞれ、見付け面側の前記壁材の表面と、見込み面側の前記壁材の表面に重ね合わせられ、前記第一の止着具は、前記見付け面側の前記壁材及び前記見付け面取付部を貫通して、前記柱状基部材に止着され、前記第二の止着具は、前記見込み面側の前記壁材及び前記見込み面取付部を貫通して、前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする(1)に記載の開閉装置設置構造(図2図7参照)。
(3)
前記見付け面取付部と前記見込み面取付部とのうち、少なくともその一方が、前記柱状基部材に対し直接重ね合わせられていることを特徴とする(1)に記載の開閉装置設置構造(図8及び図9参照)。
(4)
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、前記ガイドレールに、前記見付け面取付部及び前記見込み面取付部が一体的に設けられていることを特徴とする(1)~(3)いずれかに記載の開閉装置設置構造(図2及び図3参照)。
(5)
前記開閉装置は、前記開口部に沿って上下方向へ開閉動作する開閉体と、この開閉体の横幅方向の端部側を開閉方向へ案内するガイドレールとを備え、
前記ガイドレールが、このガイドレールとは別体の前記見付け面取付部及び前記見込み面取付部に固定されていることを特徴とする(1)~(3)いずれかに記載の開閉装置設置構造(図4図11参照)。
(6)
前記柱状基部材の前記見込み面側に設けられて前記見込み面取付部に接続された接続片部と、この接続片部から連続するとともに前記柱状基部材の見付け面側に対する反対面側に重ね合わせられた反対面側取付部とを有する補助取付部材を備え、前記補助取付部材は、前記反対面側取付部に挿通される第三の止着具によって、前記柱状基部材に止着されていることを特徴とする(1)~(5)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図5参照)。
(7)
前記接続片部及び前記見込み面取付部は、前記第二の止着具により共締めされていることを特徴とする(6)に記載の開閉装置設置構造(図5参照)。
(8)
前記見込み面取付部には、見込み方向へ向かって開口部幅を拡大する段部が設けられていることを特徴とする(1)~(7)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図6図9参照)。
(9)
前記第一の止着具と前記第二の止着具のうち、少なくともその一方の止着具が、前記柱状基部材にねじ込まれたネジであることを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図2参照)。
(10)
前記第一の止着具と前記第二の止着具のうち、少なくともその一方の止着具が、前記柱状基部材を貫通するボルトであり、このボルトの先端側にナットが螺合していることを特徴とする(1)~(8)のいずれかに記載の開閉装置設置構造(図10及び図11参照)。
(11)
前記一方の止着具が、上下方向に間隔を置いて複数設けられ、これら複数の止着具は、一体状の座部材に挿通されていることを特徴とする(10)に記載の開閉装置設置構造(図11参照)。
(12)
前記見付け面取付部を前記第一の止着具によって前記柱状基部材に止着する工程と、前記見込み面取付部を前記第二の止着具によって前記柱状基部材に止着する工程とを含むことを特徴とする(1)~(11)のいずれかに記載の開閉装置設置構造の施工方法(図3参照)。
(13)
前記反対面側取付部を前記第三の止着具によって前記柱状基部材に止着する工程を含むことを特徴とする(6)または(7)に記載の開閉装置設置構造の施工方法(図5参照)。
【符号の説明】
【0081】
10:開閉装置
12,14:ガイドレール
12a,14a:レール本体部
15,17:取付部材
12b,15a,17a:見付け面取付部
12c,15b,17b:見込み面取付部
21:柱状基部材
31:第一の止着具
32:第二の止着具
35:ボルト(第一の止着具)
36:ボルト(第二の止着具)
37:ナット
a:開口部
f1:見付け面
f2:見込み面
f3:反対面
A~I:開閉装置設置構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11