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特開2024-42189断熱材ブロック用取付金具及びこれを用いた断熱材ブロック。
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  • 特開-断熱材ブロック用取付金具及びこれを用いた断熱材ブロック。 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042189
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】断熱材ブロック用取付金具及びこれを用いた断熱材ブロック。
(51)【国際特許分類】
   F27D 1/14 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
F27D1/14 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146732
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】591077645
【氏名又は名称】有限会社林製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100137327
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 勝義
(72)【発明者】
【氏名】林 隆文
【テーマコード(参考)】
4K051
【Fターム(参考)】
4K051BA02
4K051BB04
4K051BC04
(57)【要約】
【課題】簡易な構造で変形を効果的に防ぐことができる断熱材ブロック用取付金具及びこれを用いた断熱材ブロックを提供する。
【解決手段】断熱材ブロック用取付金具10は、断熱材ブランケット積層体40に嵌着固定され、長尺のC型レール形状の取付基材11と、取付基材11の長手方向の略中央にスライド固定可能に外嵌被着されたC型レール形状の補強材15とを備え、取付基材11のウェブ部略中央に炉殻固定用ボルト93を挿通する第1軸孔が貫設され、補強材15のウェブ部略中央に該炉殻固定用ボルト93を挿着する第2軸孔が貫設されている。断熱材ブロック1は、断熱材ブロック用取付金具10を断熱材ブランケット積層体40の表面に嵌着固定して形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱材ブランケット積層体に嵌着固定される、断熱材ブロック用取付金具であって、
長尺のC型レール形状の取付基材と、該取付基材の長手方向の略中央にスライド固定可能に外嵌被着されたC型レール形状の補強材と、を備え、
前記取付基材のウェブ部略中央に炉殻固定用ボルトを挿通する第1軸孔が貫設され、前記補強材のウェブ部略中央に該炉殻固定用ボルトを挿着する第2軸孔が貫設されたことを特徴とする断熱材ブロック用取付金具。
【請求項2】
前記第2軸孔の径は、前記炉殻固定用ボルトの軸径と略同径であり、前記第1軸孔は、該炉殻固定用ボルトが遊挿可能に形成されることにより、
前記炉殻固定用ボルトが、前記取付基材に対して前記長手両方向に移動可能である請求項1に記載の断熱材ブロック用取付金具。
【請求項3】
前記補強材のリップ部及びフランジ部を一対以上切り欠いた形状である請求項1又は2に記載の断熱材ブロック用取付金具。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の断熱材ブロック用取付金具を断熱材ブランケット積層体の表面に嵌着固定したことを特徴とする断熱材ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱材ブロック用取付金具及びこれを用いた断熱材ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
工業炉の炉殻は高温に晒されることから、その内面には断熱材ブロックによるライニング施工がされている。ライニング施工に際しては、例えば、断熱材ブランケット積層体に、取付金具を取着して断熱材ブロックを形成し、この取付金具を炉殻に固着することにより、ライニング施工する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に記載の取付金具は、長尺のC型レール形状であり、そのウェブ部をブランケット積層体の表面に当接固定して、断熱材ブロックを形成している。
ここで、断熱材ブロックを炉殻に固定するには、例えば、取付金具のボルト孔に挿着したボルトを、炉殻に貫通させ、炉殻の外側からナットで締め込むことにより、断熱材ブロックを炉殻に固定する。
この際、ナットをボルトに強く締め込むため、ボルト孔に負荷がかかり、その周辺の取付金具が浮き上がって変形しやすいという問題がある。
ここで、この変形を防ぐための補強材が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭57-20553号公報
【特許文献2】特許4180259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2によると、取付金具の中央に形成されたボルト孔周囲に補強材を取り付けることにより、取付金具の変形を防止することができる。
しかしながら、この特許文献2の補強材については、取付箇所がボルト孔周囲であるという記載はされてはいるものの、その具体的な構成、取付方法については開示されていない。
本発明は、上記課題を解決するものであり、断熱材ブロックを炉殻に固定する際に、簡易な構造で取付金具の変形を防ぐことができる断熱材ブロック用の取付金具及びこれを用いた断熱材ブロックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の通りである。
1.断熱材ブランケット積層体に嵌着固定される、断熱材ブロック用取付金具であって、
長尺のC型レール形状の取付基材と、該取付基材の長手方向の略中央にスライド固定可能に外嵌被着されたC型レール形状の補強材と、を備え、
前記取付基材のウェブ部略中央に炉殻固定用ボルトを挿通する第1軸孔が貫設され、前記補強材のウェブ部略中央に該炉殻固定用ボルトを挿着する第2軸孔が貫設されたことを特徴とする断熱材ブロック用取付金具。
2.前記第2軸孔の径は、前記炉殻固定用ボルトの軸径と略同径であり、前記第1軸孔は、該炉殻固定用ボルトが遊挿可能に形成されることにより、
前記炉殻固定用ボルトが、前記取付基材に対して前記長手両方向に移動可能である前記1.に記載の断熱材ブロック用取付金具。
3.前記補強材のリップ部及びフランジ部を一対以上切り欠いた形状である前記1.又は2.に記載の断熱材ブロック用取付金具。
4.前記1.又は2.に記載の断熱材ブロック用取付金具を断熱材ブランケット積層体の表面に嵌着固定したことを特徴とする断熱材ブロック。
【発明の効果】
【0006】
本発明の断熱材ブロック用取付金具(以下「取付金具」ともいう。)は、長尺のC型レール形状の取付基材と、取付基材の長手方向の略中央にスライド固定可能に外嵌被着されたC型レール形状の補強材と、を備え、取付基材のウェブ部略中央に炉殻固定用ボルトを挿着する第1軸孔が貫設され、補強材のウェブ部略中央に炉殻固定用ボルトを挿通する第2軸孔が貫設されているため、断熱材ブロックを炉殻に固定する際に、簡易な構造で取付金具の変形を防ぐことができる。
また、第2軸孔の径が、前記炉殻固定用ボルトの軸径と略同径であり、第1軸孔は、炉殻固定用ボルトが遊挿可能に形成されることにより、炉殻固定用ボルトが、取付基材に対して長手両方向に移動可能である場合には、炉殻固定用ボルトを炉殻に固着する際には、ボルト孔に対する炉殻固定用ボルトの位置の調整が可能となる。
更に、補強材のリップ部及びフランジ部を一対以上切り欠いた形状である場合には、断熱材ブロック用取付金具の軽量化を図ることができる。
そして、断熱材ブロックを炉殻に固定する際に、簡易な構造で取付金具の変形を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る断熱材ブロックの模式的な斜視図である。
図2】実施形態に係る取付基材及び補強具の模式的斜視図であり、(a)は、補強材を取付基材に外嵌被着する前の状態であり、(b)は、外嵌被着した状態である。
図3】実施形態に係る取付金具に炉殻固定用ボルトを固着した状態であり、(a)は、模式的斜視図、(b)は、(a)のX-X端面図、(c)は、(a)のY-Y端面図である。
図4】実施形態に係る取付金具及び嵌着部材の模式的な斜視図であり、(a)は嵌着部材の係止片を取付金具に挿着する前の状態であり、(b)は係止片を取付金具に挿着した状態である。
図5図4(b)の状態から嵌着部材の係止片を取付基材の係止用長孔に巻き込み固定して形成した断熱材ブロックの模式的な断面図である。
図6図5における断熱材ブロックを工業炉の炉殻に固着した状態を示す模式的な断面図である。
図7】他の実施形態に係り、取付金具を嵌着する、16層に積層したブランケット積層体の模式的な説明図である。
図8】更に他の実施形態に係り、取付金具を嵌着する、8層に積層したブランケットを2組重ね合わせたブランケット積層体の模式的な説明図である。
図9】更に他の実施形態に係り、取付金具を嵌着する、2層に積層したブランケットを4組重ね合わせたブランケット積層体の模式的な説明図である。
図10】更に他の実施形態に係り、取付基材及び補強材の模式的斜視図であり、(a)は、補強材を取付基材に外嵌被着する前の状態であり、(b)は、外嵌被着し、更に炉殻固定用ボルトを固着した状態であり、(c)は、(b)のZ-Z端面図である。
図11図10の取付金具を嵌着する、16層に積層したブランケット積層体の模式的な説明図である。
図12】更に他の実施形態に係り、取付基材及び補強材の模式的斜視図であり、(a)は、補強材を取付基材に外嵌被着する前の状態であり、(b)は、外嵌被着した状態である。
図13】更に他の実施形態に係り、取付基材及び補強材の模式的斜視図であり、(a)は、補強材を取付基材に外嵌被着する前の状態であり、(b)は、外嵌被着した状態である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施形態に基づき更に具体的に説明する。
[実施形態1]
実施形態1に係る断熱材ブロック1は、図1に示すように、断熱材ブロック用取付金具10を断熱材ブランケット積層体40の表面の中央付近に嵌着固定して形成されている。
断熱材ブランケット積層体40は、1枚の断熱材ブランケット40aをつづら状に折り畳み12層(6山)に積層し、両端それぞれに短冊状(矩形状)のブランケット40bを挟持して形成されている。なお、ブランケットの積層形態は特に限定されず、後述のように種々の形態を採用することができる。
【0009】
断熱材ブロック用取付金具10は、図2(a)に示すように、取付基材11と、取付基材11に外嵌被着される補強材15とからなる。
取付基材11は、長尺のC型レール形状であり、底部を構成するウェブ部11cと、ウェブ部11cの短手方向両側端から立設した一対のフランジ部11bと、フランジ部11bから水平方向内側に延出した一対のリップ部11aとからなる。
取付基材11のウェブ部11cの長手方向略中央には、後述の炉殻90に固定する炉殻固定用ボルト93を挿通するための第1軸孔11Hが貫設されている。第1軸孔11Hの形状及び大きさは、炉殻固定用ボルト93が挿通できれば特に限定はないが、後述のように、炉殻固定用ボルト93が遊挿可能に形成されていることが好ましい。すなわち、第1軸孔は、炉殻固定用ボルト93の軸径より大きな円形状、楕円形状又は長孔形状等とすることができる。
更に、ウェブ11cの短手方向に、後述の係止片85を挿通するための複数の係止用長孔11hが貫設されている。
【0010】
補強材15は、C型レール形状であり、底部を構成するウェブ部15cと、ウェブ部15cの両側端から立設した一対のフランジ部15bと、フランジ部15bから水平方向内側に延出した一対のリップ部15aとからなる。
補強材15のウェブ部15cの略中央には、前述の炉殻固定用ボルト93用の軸孔11Hと同軸となる軸孔15Hが貫設されている。
また、軸孔15Hの両側には、前述の係止用長孔11hと挿通可能な一対の係止用長孔15hが貫設されている。なお、後述のように、炉殻固定用ボルト93の位置の調整を可能とするため、係止用長孔15hは、係止用長孔11hより幅広に形成されていることが好ましい。
補強材15は、取付基材11の一端側から差し込んで、図2(b)に示すように、スライド固定することにより、取付基材11に外嵌被着される。
【0011】
取付基材11及び補強材15の材質は、耐熱性の金属であれば特に限定はないが、ステンレス製であることが好ましく、例えば、SUS304、SUS310Sであれば好適に使用することができる。
取付基材11及び補強材15は、板材を折り曲げ形成することにより作製することができる。板材の厚さは特に限定はないが、例えば、取付基材11用の板材の厚さを0.8~1.2mm、補強材15用の板材の厚さを1.3~1.7mmとすることができる。
取付基材11及び補強材15の寸法については特に限定はないが、例えば、取付基材11の幅45mm、長さ260mm、高さ7mmとした場合に、補強材15の挿着方向の長さが30~70mmであることが好ましく、40~60mmであることが更に好ましい。
【0012】
図3(a)~(c)に示すように、補強材15のウェブ部の略中央の第2軸孔15Hに炉殻固定用ボルト93が挿着されている。第2軸孔15Hの径は、炉殻固定用ボルト93が挿着できれば特に限定はないが、炉殻固定用ボルト93の軸径と略同径であることが好ましい。また、炉殻固定用ボルト93は、第2軸孔15Hに、溶接により固着されていることが好ましい。
ここで、取付基材11の第1軸孔11Hの径は第2軸孔15Hの径より大きく形成されていることで、同図(b)、(c)に示すように、炉殻固定用ボルト93は、軸孔11Hに遊挿される。そうすると、炉殻固定用ボルト93は同図(c)に示すように、取付基材11に対して長手両方向に移動可能となる。このため、炉殻固定用ボルト93を後述の炉殻90に固着するにあたり、炉殻固定用ボルト93の位置の調整が可能となる。
また、同図(c)に示すように、係止用長孔15hは係止用長孔11hより幅広に形成することで、係止用長孔11hに対する係止用長孔15hの位置がズレても、後述の係止片85が係止用長孔11hと係止用長孔15hの両方の挿通を可能にする。
【0013】
炉殻固定用ボルト93を固着した取付金具10を断熱材ブランケット積層体40に嵌着固定する方法を以下に説明する。
図4(a)に示すように、支持棒81に固着された一対の係止片85を有する嵌着部材80を4本用意する。本実施形態では、嵌着部材80は4本であるが、本数は特に限定されず、2本であってもよい。そして、断熱材ブランケット40aの折り部の内部40cに支持棒81を挿入し、係止片85を取付金具10側に突き刺す。そして、同図(b)に示すように、取付金具10の係止用長孔11hから係止片85を突出させる。
次いで、図5に示すように、突出したそれぞれ一対の係止片85を両側に開き、更に、両側の隣接する係止用長孔11h(補強材15と重なる箇所は係止用長孔11h及び係止用長孔15h)に、係止片85を挿入して、図示しない挟持具により、取付金具10の裏面側に巻き込み固定する。
以上により、断熱材ブロック用取付金具10を断熱材ブランケット積層体40の表面に嵌着固定した断熱材ブロック1が形成される。
断熱材ブロック1は、図6に示すように、工業炉の鉄皮91と92からなる炉殻90に貫設したボルト孔に炉殻用ボルト93を挿通させ、座金95を介してナット94により固着される。
この場合、このナット94により炉殻用ボルト93に強く締付けても、取付金具10は、補強材15を備えていることで、断熱材ブロック1を炉殻90に固定する際に、取付金具10の変形を防ぐことができる。
【0014】
[実施形態2]
実施形態2に係る断熱材ブロック2は、図7に示すように、断熱材ブロック用取付金具10を断熱材ブランケット積層体50の表面に嵌着固定して形成される。断熱材ブランケット積層体50は、断熱材ブランケットをつづら状に折り畳み16層(8山)に形成している。
取付金具10に炉殻固定用ボルト93を固着し、断熱材ブランケット積層体50に嵌着固定することにより、断熱材ブロック2が形成される。
取付金具10の構成及び作用効果については、前述の実施形態1において説明した通りである。
取付金具10を断熱材ブランケット積層体50に嵌着固定するには、支持棒81に固着された一対の係止片85を有する嵌着部材80を4本用意し、ブランケット50の折り部の内部に支持棒81を挿入し、係止片85を取付金具10側に突き刺す。取付金具10の係止用長孔11hから係止片85を突出させる。その他の手順及び作用効果については、実施形態1において説明した通りである。
【0015】
[実施形態3]
実施形態3に係る断熱材ブロック3は、図8に示すように、取付金具10を断熱材ブランケット積層体60の表面に嵌着固定して形成される。断熱材ブランケット積層体60は、断熱材ブランケット60aをつづら状に折り畳み8層(4山)に積層したブランケットを2組重ね合わせて形成している。
取付金具10の構成及び作用効果、並びに取付金具10の断熱材ブランケット積層体60への嵌着固定方法及び作用効果については、実施形態1において説明した通りである。
【0016】
[実施形態4]
実施形態4に係る断熱材ブロック4は、図9に示すように、取付金具10を断熱材ブランケット積層体70の表面に嵌着固定して形成される。断熱材ブランケット積層体70は、断熱材ブランケット70aをつづら状に折り畳み4層(2山)に積層したブランケットを4組重ね合わせて形成している。
取付金具10の構成及び作用効果、並びに取付金具10の断熱材ブランケット積層体70への嵌着固定方法及び作用効果については、実施形態1において説明した通りである。
【0017】
[実施形態5]
実施形態5に係る断熱材ブロック用取付金具20は、図10(a)に示すように、取付基材21と、取付基材21に外嵌被着される補強材25とからなる。
取付基材21は、長尺のC型レール形状であり、底部を構成するウェブ部21cと、ウェブ部21cの短手方向両側端から立設した一対のフランジ部21bと、フランジ部21bから水平方向内側に延出した一対のリップ部21aとからなる。
取付基材21のウェブ部21cの長手方向略中央には、炉殻固定用ボルト93を挿通するための第1軸孔21Hが貫設されている。第1軸孔21Hは、炉殻固定用ボルト93が遊挿可能となるように、長孔形状である。こうすることで、炉殻固定用ボルト93は、取付基材21に対して長手両方向に移動可能となる。
更に、ウェブ21cの短手方向に、後述の係止片85を挿通するための複数の係止用長孔21hが貫設されている。
取付基材21は、前述の取付基材11と比較して長手方向の長さが短く形成されている。そして、第1軸孔21Hの両側の係止用長孔21h間の長さは長く形成されており、後述の係止片85を嵌着の妨げとならないようにしてある。
【0018】
補強材25は、C型レール形状であり、底部を構成するウェブ部25cと、ウェブ部25cの両側端から立設した一対のフランジ部25bと、フランジ部25bから水平方向内側に延出した一対のリップ部25aとからなる。
補強材25のウェブ部25cの略中央には、前述の炉殻固定用ボルト93用の軸孔21Hと同軸となる軸孔25Hが貫設されている。
また、前述の補強材15と異なり、補強材25には係止用長孔は貫設されていない。取付基材21を後述のブランケット積層体50に固着するに際して、係止片85の嵌着には関わらないからである。
補強材25は、取付基材21の一端側から差し込んで、スライド固定することにより、取付基材21に外嵌被着される。
そして、図10(b)、(c)に示すように、補強材25のウェブ部25cの略中央の第2軸孔25Hに炉殻固定用ボルト93が挿着され、溶接されている。
以上の構成により、炉殻固定用ボルト93は、取付基材21に対して長手両方向に移動可能となる。このため、炉殻固定用ボルト93を後述の炉殻90に固着するにあたり、炉殻固定用ボルト93の位置の調整が可能となる。
特に、取付基材21の第1軸孔21Hは、長孔形状に形成されているため、炉殻固定用ボルト93が取付基材21の長手両方向に大きく移動可能であり、その位置の調整が広範囲(例えば、10~15mm)で可能になる。
【0019】
取付基材21及び補強材25の材質、厚さ、寸法及び作製方法等並びにその他の構成、作用効果については実施形態1と同様であり、前述の通りである。
【0020】
図11に示すように、炉殻固定用ボルト93(不図示)を固着した取付金具20を、断熱材ブランケット積層体50に嵌着固定することにより、断熱材ブロック5が形成される。
取付金具20を断熱材ブランケット積層体50に嵌着固定するには、支持棒81に固着された一対の係止片85を有する嵌着部材80を2本用意し、断熱材ブランケット積層体50の折り部の内部に支持棒81を挿入し、係止片85を取付金具20側に突き刺す。取付金具20の係止用長孔21hから係止片85を突出させる。突出したそれぞれ一対の係止片85を両側に開き、更に、両側の隣接する係止用長孔21hに、係止片85を挿入して、図示しない挟持具により、取付金具20の裏面側に巻き込み固定する。
以上により、断熱材ブロック用取付金具20を断熱材ブランケット積層体50の表面に嵌着固定した断熱材ブロック5が形成される。
ここで、補強材25が長手両方向に移動しても、係止用長孔21hに挿入固定した係止片85までは届かず、補強材25と、固定した係止片85は接触しない構成となっている。
取付金具20のその他の構成及び作用効果、並びに取付金具20の断熱材ブランケット積層体50への嵌着固定方法及び作用効果については、実施形態1において説明した通りである。
【0021】
[実施形態6]
実施形態6に係る取付金具30は、図12(a)に示すように、取付基材11と、取付基材11に外嵌被着される補強材35とからなる。補強材35は、実施形態1~4に係る補強材15において、リップ部15a及びフランジ部15bの中央部分を切り欠いた形状である。すなわち、補強材35は、ウェブ部35cと、ウェブ部35cの両側端から立設した一対づつのフランジ部35bと、フランジ部35bから水平方向内側に延出した一対づつのリップ部35aとからなる。
補強材35は、取付基材11の一端側から差し込んで、図12(b)に示すように、スライド固定することにより、取付基材11に外嵌被着され、取付金具30が形成される。
取付金具30は、前述の断熱材ブランケット積層体の表面に嵌着固定することにより断熱材ブロックが形成される。
取付金具30のその他の構成及び作用効果、並びに取付金具30の断熱材ブランケット積層体への嵌着固定方法及び作用効果については、実施形態1において説明した通りである。
【0022】
[実施形態7]
実施形態7に係る取付金具36は、図13(a)に示すように、取付基材11と、取付基材11に外嵌被着される補強材37とからなる。補強材37は、実施形態1~4に係る補強材15のリップ部15a及びフランジ部15bの外側部分を切り欠いた形状である。すなわち、補強材37は、ウェブ部37cと、ウェブ部37cの中央両側端から立設した一対のフランジ部37bと、フランジ部37bから水平方向内側に延出した一対のリップ部37aとからなる。
補強材37は、取付基材11の一端側から差し込んで、図13(b)に示すように、スライド固定することにより、取付基材11に外嵌被着され、取付金具36が形成される。
取付金具36は、前述の断熱材ブランケット積層体の表面に嵌着固定することにより断熱材ブロックが形成される。
取付金具36のその他の構成及び作用効果、並びに取付金具36の断熱材ブランケット積層体への嵌着固定方法及び作用効果については、実施形態1において説明した通りである。
【0023】
以上、本発明の実施形態に即して説明したが、本発明はこれらに制限されるものではなく、本発明の技術的思想に反しない限り、適宜変更して適用することができる。
【符号の説明】
【0024】
1、2、3、4、5・・・・・・・・断熱材ブロック
10、20、30、36・・・・・・断熱材ブロック用取付金具
11、21・・・・・・・・・・・・取付基材
11H、21H・・・・・・・・・・第1軸孔
15、25、35、37・・・・・・補強材
15H、25H・・・・・・・・・・第2軸孔
15a、25a、35a、37a・・リップ部
15b、25b、35b、37b・・フランジ部
15c、25c、35c、37c・・ウェブ部
40、50、60、70・・・・・・断熱材ブランケット積層体
93・・・・・・・・・・・・・・・炉殻固定用ボルト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13