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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042202
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】ウインチドラムの回転規制装置
(51)【国際特許分類】
   B66D 1/30 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
B66D1/30 A
B66D1/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146760
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000246273
【氏名又は名称】コベルコ建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】大貫 健次
(57)【要約】
【課題】ウインチドラムの回転を規制する位置を細かく調整することができるとともに、装着や取り外し、持ち運びを容易に行うことが可能なウインチドラムの回転規制装置を提供する。
【解決手段】治具4は、差込穴3に嵌合されるブロック71と、ブロック71のフランジ62a側に配置され、突起2に当接可能な当接部材73と、ウインチドラム62の軸方向に平行な所定の軸を中心に当接部材73を回転させることで、当接部材73を突起2に当接させることが可能な取っ手75と、当接部材73が突起2に当接した状態で、当接部材73が所定の軸を中心に回転するのを抑制するナット76と、を有する。ウインチドラム62の軸方向に直交する方向における当接部材73の中心は、所定の軸から偏心した位置に位置している。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フランジを有するウインチドラムと、
前記ウインチドラムの軸方向において、前記フランジに対向配置されたウインチプレートと、
を有するウインチに設けられたウインチドラムの回転規制装置であって、
前記フランジの側面または外周において、前記フランジの周方向に所定の間隔で設けられた複数の突起と、
前記ウインチプレートに形成された差込穴と、
前記差込穴に前記軸方向に挿通可能な治具と、
を有し、
前記治具は、
前記差込穴に嵌合されるブロックと、
前記ブロックの前記フランジ側に配置され、前記突起に当接可能な当接部材と、
前記軸方向に平行な所定の軸を中心に前記当接部材を回転させることで、前記当接部材を前記突起に当接させることが可能な回転部材と、
前記当接部材が前記突起に当接した状態で、前記当接部材が前記所定の軸を中心に回転するのを抑制する回転抑制部材と、
を有し、
前記軸方向に直交する方向における前記当接部材の中心は、前記所定の軸から偏心した位置に位置していることを特徴とするウインチドラムの回転規制装置。
【請求項2】
前記ブロックには、前記軸方向に貫通穴が形成されており、
前記治具は、前記貫通穴に挿通されるシャフトを有し、
前記当接部材は、前記シャフトの前記フランジ側の端部に設けられており、
前記回転部材は、前記シャフトの前記フランジとは反対側の端部に取り付けられ、前記所定の軸である前記シャフトの軸を中心に前記シャフトを回転させることで、前記シャフトの軸を中心に前記当接部材を回転させ、
前記回転抑制部材は、前記シャフトの回転を抑制することで、前記当接部材の回転を抑制することを特徴とする請求項1に記載のウインチドラムの回転規制装置。
【請求項3】
前記ブロックには、前記貫通穴が複数形成されており、
前記シャフトは、複数の前記貫通穴のいずれかに挿通されることを特徴とする請求項2に記載のウインチドラムの回転規制装置。
【請求項4】
前記ブロックは、前記軸方向を軸とする円柱状であり、
前記回転部材は、前記所定の軸である前記ブロックの軸を中心に前記ブロックを回転させることで、前記ブロックの軸を中心に前記当接部材を回転させ、
前記回転抑制部材は、前記ブロックの回転を抑制することで、前記当接部材の回転を抑制することを特徴とする請求項1に記載のウインチドラムの回転規制装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウインチドラムの回転を規制する、ウインチドラムの回転規制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ウインチドラムのフランジの外周に設けられた複数の係合溝と、係合溝に係合可能なパウルとを有するドラムロック装置が開示されている。複数の係合溝のいずれかにパウルを係合させることで、ウインチドラムの回転が規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-284696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のドラムロック装置では、ウインチドラムの回転を規制する位置を、係合溝のピッチ単位で調整することはできるが、係合溝のピッチよりも細かく調整することができない。例えば、クレーンにおいて、吊荷を吊った状態など、ウインチドラムに回転トルクが掛った状態で、故障したモータを交換する際には、回転トルクの掛ったウインチドラムを、モータが故障した位置で回転しないように規制する必要がある。よって、ウインチドラムの回転を規制する位置を細かく調整できることが望まれる。
【0005】
また、特許文献1のドラムロック装置では、ウインチとは別の構造体(旋回フレームなど)にパウルが配置されているので、係合溝とパウルとの位置を調整する必要がある。しかし、輸送制限のためにウインチはできるだけ低く搭載されるとともに、パウルは、2つの縦板(ウインチプレート)間かつドラムの下側に位置しているために、パウルを着脱したり、係合溝とパウルとの位置を調整したりするのは容易ではない。このように、特許文献1のドラムロック装置は、着脱や調整等の作業性が悪く、構造が複雑であるため、装着や取り外し、持ち運びが容易でない。
【0006】
本発明の目的は、ウインチドラムの回転を規制する位置を細かく調整することができるとともに、装着や取り外し、持ち運びを容易に行うことが可能なウインチドラムの回転規制装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フランジを有するウインチドラムと、前記ウインチドラムの軸方向において、前記フランジに対向配置されたウインチプレートと、を有するウインチに設けられたウインチドラムの回転規制装置であって、前記フランジの側面または外周において、前記フランジの周方向に所定の間隔で設けられた複数の突起と、前記ウインチプレートに形成された差込穴と、前記差込穴に前記軸方向に挿通可能な治具と、を有し、前記治具は、前記差込穴に嵌合されるブロックと、前記ブロックの前記フランジ側に配置され、前記突起に当接可能な当接部材と、前記軸方向に平行な所定の軸を中心に前記当接部材を回転させることで、前記当接部材を前記突起に当接させることが可能な回転部材と、前記当接部材が前記突起に当接した状態で、前記当接部材が前記所定の軸を中心に回転するのを抑制する回転抑制部材と、を有し、前記軸方向に直交する方向における前記当接部材の中心は、前記所定の軸から偏心した位置に位置していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、回転部材により、所定の軸を中心に当接部材が回転されることで、当接部材が突起に当接される。当接部材が突起に当接した状態で、回転抑制部材により、当接部材が所定の軸を中心に回転するのが抑制される。これにより、ウインチドラムの回転を規制することができる。そして、ウインチドラムの軸方向に直交する方向における当接部材の中心は、所定の軸から偏心した位置に位置している。よって、当接部材を回転させることで、当接部材が突起に当接する位置を細かく調整することができる。これにより、ウインチドラムの回転を規制する位置を細かく調整することができる。また、当接部材を回転させることで、特定の力(トルク)で当接部材を突起に当接させることができる。これにより、ウインチドラムの回転を、ガタつくことなく規制することができる。また、突起と差込穴と治具とが、ウインチに配置されているので、特許文献1のように、ウインチとは別の構造体に配置された部材との間で位置調整を行う必要がない。よって、回転規制装置の装着や取り外し、持ち運びを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】クレーンの側面図である。
図2】ウインチの側面図である。
図3図2のA方向からフランジを見た図である。
図4図2をA方向から見た図である。
図5】第1実施形態の治具の側面図である。
図6図5のB方向からブロックを見た図である。
図7図6のC-C断面図である。
図8】シャフト、当接部材、および、反力伝達部材の側面図である。
図9図8をD方向から見た図である。
図10図5をB方向から見た図である。
図11】第2実施形態の治具の側面図である。
図12図11の治具をE方向から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
[第1実施形態]
(クレーンの構成)
本発明の第1実施形態におけるウインチドラムの回転規制装置(回転規制装置)は、作業機械であるクレーンに設けられている。クレーン30の側面図である図1に示すように、クレーン30は、クローラ式の下部走行体31に上部旋回体32が旋回可能に搭載された構成となっている。なお、クレーン30は、クローラ以外の移動手段(例えばホイール)を用いた移動式クレーンであってもよいし、移動手段を持たない固定式クレーンであってもよい。また、作業機械は、クレーン30に限定されない。また、回転規制装置は、作業機械以外の車両などに設けられていてもよい。
【0012】
上部旋回体32は、旋回フレーム33と、ブーム34と、ガントリ36と、下部スプレッダ38と、フック用ウインチ44と、ブーム起伏用ウインチ45と、カウンタウエイト39と、を有している。
【0013】
旋回フレーム33は、旋回ベアリング(図示せず)を介して下部走行体31に取り付けられている。ブーム34は、旋回フレーム33の前部に、旋回フレーム33に対して起伏可能に連結されている。ブーム34の先端には、ブームガイライン49の一端が接続されている。
【0014】
ブーム34の先端には、ポイントシーブ41が設けられている。このポイントシーブ41からは巻上ロープ42を介してフック装置43が吊り下げられている。なお、ブーム34の先端にジブが取り付けられ、ジブの先端に設けられたポイントシーブ41から巻上ロープ42を介してフック装置43が吊り下げられた構成であってもよい。
【0015】
ガントリ36は、旋回フレーム33の後部に取り付けられている。なお、ガントリ36の代わりにマストが設けられた構成であってもよい。下部スプレッダ38は、ガントリ36の上端に取り付けられている。下部スプレッダ38と、ブームガイライン49の他端に連結した上部スプレッダ50との間には、ブーム起伏ロープ51が掛け渡されている。
【0016】
フック用ウインチ44、および、ブーム起伏用ウインチ45は、旋回フレーム33の中央部にそれぞれ配置されている。フック用ウインチ44は、巻上ロープ42を巻き取り又は繰り出してフック装置43の巻き上げ又は巻き下げを行う。ブーム起伏用ウインチ45は、ブーム起伏ロープ51を巻き取り又は繰り出すことで、ブーム34を、その支点であるブームフットピン回りに起伏させる。なお、フック用ウインチ44、および、ブーム起伏用ウインチ45以外のウインチが設けられていてもよい。以下、フック用ウインチ44、および、ブーム起伏用ウインチ45をまとめてウインチ60という。
【0017】
カウンタウエイト39は、旋回フレーム33の後部に搭載されている。
【0018】
(ウインチの構成)
ウインチ60の側面図である図2に示すように、ウインチ60は、ウインチ本体61と、ウインチドラム62と、ウインチプレート63と、を有している。ウインチ本体61は、油圧モータや減速機を有している。ウインチドラム62は、その軸方向の両端部に、フランジ62aをそれぞれ有している。ウインチプレート63は、ウインチドラム62の軸方向におけるウインチドラム62の両側にそれぞれ配置されている。ウインチプレート63は、ウインチドラム62の軸方向において、フランジ62aに対向配置されている。ウインチプレート63は、ウインチ60を上部旋回体32に取り付けるためのものである。
【0019】
(回転規制装置の構成)
図2のA方向からフランジ62aを見た図である図3に示すように、回転規制装置1は、突起2を有している。突起2は、フランジ62aのウインチプレート63側の側面において、フランジ62aの周方向に所定の間隔で複数設けられている。なお、突起2は、フランジ62aの外周において、フランジ62aの周方向に所定の間隔で複数設けられていてもよい。本実施形態において、所定の間隔は等間隔である。
【0020】
図2をA方向から見た図である図4に示すように、回転規制装置1は、差込穴3を有している。本実施形態において、差込穴3は、ウインチプレート63に複数(2つ)形成されている。本実施形態において、差込穴3は、略四角形の形状をしている。
【0021】
また、回転規制装置1は、治具4を有している。治具4の側面図を図5に示す。治具4は、ウインチドラム62の軸方向に差込穴3に挿通可能である。
【0022】
(治具の構成)
図5に示すように、治具4は、ブロック71と、シャフト72と、当接部材73と、反力伝達部材74と、取っ手75と、ナット76と、を有している。ブロック71は、ウインチプレート63の差込穴3に嵌合され、この状態でウインチプレート63にボルト77で固定される。ブロック71の外形寸法は、差込穴3の形状とほぼ同じである。
【0023】
図5のB方向からブロック71を見た図である図6に示すように、ブロック71は、略四角形の形状をしている。ブロック71には、ウインチドラム62の軸方向(紙面直交方向)に複数の貫通穴71aが形成されている。本実施形態では、貫通穴71aは、図中斜めの方向である所定方向に2列に2個ずつ並んで配置されている。ブロック71の4つの角のうち、対角線上の2つの角には、ボルト穴71bが形成されている。ボルト穴71bには、ブロック71をウインチプレート63に固定するボルト77が挿通される。
【0024】
図6のC-C断面図である図7に示すように、貫通穴71aは、大径部71cと小径部71dとを有している。図5に示すように、貫通穴71aの大径部71cには、反力伝達部材74が嵌められる。また、貫通穴71aの小径部71dには、シャフト72が挿通される。シャフト72の径は、小径部71dの穴径とほぼ同じである。
【0025】
シャフト72、当接部材73、および、反力伝達部材74の側面図である図8に示すように、シャフト72と当接部材73と反力伝達部材74とは一体にされている。ウインチドラム62の軸方向において、フランジ62a側(図中左側)からその反対側(図中右側)に向かって、当接部材73、反力伝達部材74、シャフト72の順に並んでいる。当接部材73は、反力伝達部材74を挟んで、シャフト72のフランジ62a側の端部に設けられている。
【0026】
シャフト72は、ブロック71に形成された複数の貫通穴71aのいずれかに挿通される。シャフト72の軸は、ウインチドラム62の軸方向に平行である。シャフト72の当接部材73とは反対側の端部には、取っ手75の取付部72aが設けられている。取付部72aの断面形状は四角にされている。シャフト72における取付部72aよりも反力伝達部材74側には、雄ねじが形成されたねじ部72bが設けられている。このねじ部72bには、ナット76が螺合される。
【0027】
当接部材73は、ブロック71のフランジ62a側に配置されている。当接部材73は、突起2に当接可能である(図5参照)。図8をD方向から見た図である図9に示すように、ウインチドラム62の軸方向に直交する方向(紙面に平行な方向)における当接部材73の中心は、シャフト72の軸(所定の軸)から偏心した位置に位置している。本実施形態において、当接部材73は、シャフト72の径方向におけるシャフト72の軸からの距離が連続的に変化する外形(卵型)を有している。
【0028】
図9に示すように、反力伝達部材74は、シャフト72よりも大径であり、その中心軸はシャフト72の軸に一致している。反力伝達部材74は、突起2から当接部材73に伝わる反力を、ブロック71を介してウインチプレート63に伝達する。ここで、シャフト72の径は、小径部71dの穴径とほぼ同じであるので、シャフト72からブロック71に反力を面で伝えることができる。また、ブロック71の外形寸法は、差込穴3の形状とほぼ同じであるので、ブロック71からウインチプレート63に反力を面で伝えることができる。なお、反力伝達部材74からブロック71に反力が直接的に伝わる場合には、シャフト72の径と小径部71dの穴径とは、必ずしもほぼ同じでなくてもよい。
【0029】
図5に示すように、取っ手(回転部材)75は、シャフト72の取付部72aに取り付けられる。つまり、取っ手75は、シャフト72のフランジ62aとは反対側の端部に取り付けられる。取っ手75は、棒状であり、その中心部が取付部72aに取り付けられる。図5をB方向から見た図である図10に示すように、シャフト72の軸回りに取っ手75を回転させることで、シャフト72の軸を中心にシャフト72を回転させることが可能である。シャフト72が回転されることで、シャフト72の軸を中心に当接部材73が回転される。当接部材73を回転させることで、当接部材73を突起2に当接させることが可能である。なお、取っ手75の代わりに、工具(スパナやインパクトレンチなど)を用いてもよい。
【0030】
図5に示すように、ナット(回転抑制部材)76は、シャフト72のねじ部72bに螺合される。当接部材73が突起2に当接した状態で、ナット76がブロック71に当接される。この状態で、シャフト72がその軸を中心に回転しようとすると、ナット76がブロック71の方に押さえ付けられるので、シャフト72の回転が抑制される。これにより、当接部材73がシャフト72の軸を中心に回転するのが抑制される。
【0031】
上記の構成において、ウインチドラム62の回転を規制する手順を説明する。まず、ブロック71に形成された複数の貫通穴71aのいずれかに、シャフト72を挿通させる。複数の貫通穴71aのいずれにシャフト72を挿通させるかは、ウインチドラム62の突起2とウインチプレート63の差込穴3との位置関係から決める。次に、図5に示すように、シャフト72が挿通されたブロック71を、ウインチプレート63の差込穴3に嵌合させ、ウインチプレート63にボルト77で固定する。
【0032】
次に、シャフト72に取っ手75を取り付け、取っ手75でシャフト72を回転させることで、図10に示すように、当接部材73を突起2に当接させる。次に、当接部材73が突起2に当接した状態で、図5に示すように、ナット76をブロック71に当接させる。これにより、当接部材73の回転が抑制される。以上により、ウインチドラム62の回転が規制される。
【0033】
以上のように、取っ手75により、シャフト72の軸(所定の軸)を中心に当接部材73が回転されることで、当接部材73が突起2に当接される。当接部材73が突起2に当接した状態で、ナット76により、当接部材73がシャフト72の軸を中心に回転するのが抑制される。これにより、ウインチドラム62の回転を規制することができる。そして、図9に示すように、ウインチドラム62の軸方向に直交する方向における当接部材73の中心は、シャフト72の軸から偏心した位置に位置している。よって、当接部材73を回転させることで、当接部材73が突起2に当接する位置を細かく調整することができる。これにより、ウインチドラム62の回転を規制する位置を細かく調整することができる。また、当接部材73を回転させることで、特定の力(トルク)で当接部材73を突起2に当接させることができる。これにより、ウインチドラム62の回転を、ガタつくことなく規制することができる。また、突起2と差込穴3と治具4とが、ウインチ60に配置されているので、特許文献1のように、ウインチ60とは別の構造体に配置された部材との間で位置調整を行う必要がない。よって、回転規制装置1の装着や取り外し、持ち運びを容易に行うことができる。
【0034】
また、取っ手75により、シャフト72の軸を中心にシャフト72が回転されることで、シャフト72の軸を中心に当接部材73が回転されて、当接部材73が突起2に当接される。当接部材73が突起2に当接した状態で、ナット76により、シャフト72の回転が抑制されることで、当接部材73の回転が抑制される。これにより、ウインチドラム62の回転を好適に規制することができる。
【0035】
また、シャフト72は、複数の貫通穴71aのいずれかに挿通される。シャフト72を挿通させる貫通穴71aを変えることで、当接部材73が突起2に当接する位置を大まかに調整することができる。これにより、ウインチドラム62の回転を規制する位置を大まかに調整することができる。
【0036】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る回転規制装置1によれば、取っ手75により、シャフト72の軸(所定の軸)を中心に当接部材73が回転されることで、当接部材73が突起2に当接される。当接部材73が突起2に当接した状態で、ナット76により、当接部材73がシャフト72の軸を中心に回転するのが抑制される。これにより、ウインチドラム62の回転を規制することができる。そして、図9に示すように、ウインチドラム62の軸方向に直交する方向における当接部材73の中心は、シャフト72の軸から偏心した位置に位置している。よって、当接部材73を回転させることで、当接部材73が突起2に当接する位置を細かく調整することができる。これにより、ウインチドラム62の回転を規制する位置を細かく調整することができる。また、当接部材73を回転させることで、特定の力(トルク)で当接部材73を突起2に当接させることができる。これにより、ウインチドラム62の回転を、ガタつくことなく規制することができる。また、突起2と差込穴3と治具4とが、ウインチ60に配置されているので、特許文献1のように、ウインチ60とは別の構造体に配置された部材との間で位置調整を行う必要がない。よって、回転規制装置1の装着や取り外し、持ち運びを容易に行うことができる。
【0037】
また、取っ手75により、シャフト72の軸を中心にシャフト72が回転されることで、シャフト72の軸を中心に当接部材73が回転されて、当接部材73が突起2に当接される。当接部材73が突起2に当接した状態で、ナット76により、シャフト72の回転が抑制されることで、当接部材73の回転が抑制される。これにより、ウインチドラム62の回転を好適に規制することができる。
【0038】
また、シャフト72は、複数の貫通穴71aのいずれかに挿通される。シャフト72を挿通させる貫通穴71aを変えることで、当接部材73が突起2に当接する位置を大まかに調整することができる。これにより、ウインチドラム62の回転を規制する位置を大まかに調整することができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の回転規制装置101について、図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と共通する構成およびそれにより奏される効果については説明を省略し、主に、第1実施形態と異なる点について説明する。なお、第1実施形態と同じ部材については、第1実施形態と同じ符号を付している。
【0040】
(治具の構成)
治具104の側面図である図11、および、図11の治具104をE方向から見た図である図12に示すように、本実施形態の回転規制装置101は、治具104を有している。治具104は、ブロック171と、当接部材173と、治具側フランジ175と、ボルト176と、を有している。
【0041】
ブロック171は、ウインチドラム62の軸方向を軸とする円柱状である。ブロック171は、ウインチプレート63の差込穴3に嵌合される。本実施形態において、ウインチプレート63の差込穴3は、円形である。ブロック171は治具側フランジ175と一体になっており、治具側フランジ175と一緒にボルト176でウインチプレート63に固定される。
【0042】
当接部材173は、ブロック171のフランジ62a側に設けられている。当接部材173は、断面円形であり、ブロック171の中心軸から偏心した位置に配置されている。当接部材173は、突起2に当接可能である。
【0043】
図12に示すように、治具側フランジ(回転部材)175には、長穴175aが形成されている。本実施形態では、治具側フランジ175の周方向に等間隔で4つの長穴175aが形成されている。長穴175aには、ボルト(回転抑制部材)176が挿通されている。ボルト176とウインチプレート63との螺合を緩めることで、ブロック171の軸(所定の軸)を中心にブロック171を回転させることができる。ブロック171が回転されることで、ブロック171の軸を中心に当接部材173が回転される。これにより、当接部材173が突起2に当接される。ボルト176とウインチプレート63との螺合を締めることで、ブロック171の回転が抑制される。これにより、当接部材173の回転が抑制される。なお、ブロック171を回転させる際に、治具側フランジ175に取っ手などを別途取り付けて、これでブロック171を回転させてもよい。
【0044】
上記の構成において、ウインチドラム62の回転を規制する手順を説明する。まず、図11に示すように、ブロック171を、ウインチプレート63の差込穴3に嵌める。次に、図12に示すように、ブロック171の軸を中心にブロック171を回転させることで、当接部材173を突起2に当接させる。次に、当接部材173が突起2に当接した状態で、ボルト176でブロック171をウインチプレート63に固定する。これにより、当接部材173の回転が抑制される。以上により、ウインチドラム62の回転が規制される。
【0045】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る回転規制装置101によれば、治具側フランジ175により、ブロック171の軸を中心にブロック171が回転されることで、当接部材173が突起2に当接される。当接部材173が突起2に当接した状態で、ボルト176により、ブロック171の回転が抑制されることで、当接部材173の回転が抑制される。これにより、ウインチドラム62の回転を好適に規制することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1,101 回転規制装置
2 突起
3 差込穴
4,104 治具
30 クレーン
31 下部走行体
32 上部旋回体
33 旋回フレーム
34 ブーム
36 ガントリ
38 下部スプレッダ
39 カウンタウエイト
41 ポイントシーブ
42 巻上ロープ
43 フック装置
44 フック用ウインチ
45 ブーム起伏用ウインチ
49 ブームガイライン
50 上部スプレッダ
51 ブーム起伏ロープ
60 ウインチ
61 ウインチ本体
62 ウインチドラム
62a フランジ
63 ウインチプレート
71,171 ブロック
71a 貫通穴
72 シャフト
73,173 当接部材
74 反力伝達部材
75 取っ手(回転部材)
76 ナット(回転抑制部材)
77 ボルト
175 治具側フランジ(回転部材)
176 ボルト(回転抑制部材)
図1
図2
図3
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図5
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図12