(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004221
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】傾斜面を有するトラス構造体およびそれに使用するテトラモジュール
(51)【国際特許分類】
E04B 1/32 20060101AFI20240109BHJP
E04B 1/19 20060101ALI20240109BHJP
E04C 3/17 20060101ALI20240109BHJP
E04B 7/20 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
E04B1/32 101B
E04B1/19 A
E04C3/17
E04B7/20 521C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103763
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】523360212
【氏名又は名称】テトラモジュール株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078695
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 司
(72)【発明者】
【氏名】梶川 泰司
【テーマコード(参考)】
2E163
【Fターム(参考)】
2E163FB32
(57)【要約】 (修正有)
【課題】傾斜面を形成することができる傾斜面を有するトラス構造体およびそれに使用するテトラモジュールを提供する。
【解決手段】テトラモジュールを内包する仮想的六面体ブロックの想定面の対角線上にフレームが位置するテトラモジュールを単位モジュールとし、このテトラモジュール同士を同じ長さの細長接合面を有するフレームの相互を接合させて連結させて形成するトラス構造体において、テトラモジュールは、六面体ブロックがひし形側面、矩形の傾斜上下面、矩形の垂直前後面を形成するもので、六面体ブロックの向かい合う3組6本のフレームのうち、2組4本のフレームは正四面体を形成する場合のフレームと同一の長さであり、残る1組2本のフレームのうち1本のフレームはそれより短く、残り1本のフレームはそれより長くした正四面体でない変形四面体であり、この変形四面体のテトラモジュールの組合せでトラス構造体の上床面を傾斜面13とした。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
四面体の稜線部分を細長接合面を有するフレームで形成し、これら細長接合面を有するフレーム端部を連結してなるもので、フレームが内接する面により六面体のブロックを仮想できるテトラモジュールを単位モジュールとし、このテトラモジュール同士を同じ長さの細長接合面を有するフレームの相互を接合させて連結させて形成するトラス構造体において、六面体のブロックの相対向する面のうち1組は平行四辺形、残りの2組は矩形であり、テトラモジュールを構成する6本のフレームのうち4本のフレームは正四面体を形成する場合のフレームと同一の長さであり、他の1本のフレームはそれより短く、残りの1本のフレームはそれより長くした正四面体でない変形四面体であり、この変形四面体のテトラモジュールの組合せでトラス構造体の上床面を傾斜面とすることを特徴とした傾斜面を有するトラス構造体。
【請求項2】
テトラモジュールは、フレームが内接する面により六面体のブロックを仮想できるもので、六面体のブロックが相対向する面のうち1組は平行四辺形、残りの2組は矩形であり、テトラモジュールを構成する6本のフレームのうち4本のフレームは正四面体を形成する場合のフレームと同一の長さであり、他の1本のフレームはそれより短く、残りの1本のフレームはそれより長くした正四面体でない変形四面体である傾斜面を有するトラス構造体に使用するテトラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の屋根、太陽電池の設置架台、林業その他のモノレール用設置架台、索道など傾斜面を必要とする場合のトラス構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トラス構造は、部材同士を三角形につなぎ合わせた構造形式であり、部材の両端がピン接合で三角形のため、外力を加えても軸力しか発生しない。
【0003】
例えば四角形に力を作用させると、四角形は力を受けて曲がってしまうが、一方、三角形は力に対して「曲がる」ではなく、「縮む」又は「伸びる」ような変形をする。「曲がる」という変形が起きる部材には、曲げモーメントが作用しているが、「縮む、伸びる」変形には軸力しか作用していない。
【0004】
同じ大きさの部材でも、曲げモーメントが作用する部材と、軸力のみ作用する部材では、後者が圧倒的に有利である。つまり、軸力のみ作用する部材は効率的な断面が選定できる。
【0005】
このようにして、トラス構造のメリットを下記に示すと、
・部材間には軸力しか作用しない。
・よって、細い部材で構造物を構成することが可能。
・大規模空間の屋根構造等にも適した構造形式である。
・軽快で細い部材で建築物を創ることができ、意匠的にも魅力がある。
ということが挙げられる。
【0006】
発明者は先に、立体トラスを用いた構造物のモジュール式骨組構造及びそれに用いる単位モジュールとして、
図11に示すような立体トラス構造の単位架構となる単位モジュールを造り、単位モジュールを相互に接合して立体トラス構造物を構築するモジュール式骨組構造であり、単位モジュールは、正四面体の稜線部分を細長接合面2を有するフレーム3で形成し、これら細長接合面2を有するフレーム3の端部を連結して正四面体状架構であるテトラモジュール1に組み立て、細長接合面2を有するフレーム3の相互を細長接合面2を接合させて単位モジュールであるテトラモジュール1同士を相互に連結して立体トラス構造物を形成する発明を特許出願した。
【特許文献1】特願2021-188771号
【0007】
この特許文献1のテトラモジュール1はフレーム3は細長接合面を有するものであれば種々の断面形状のものを用いることができ、平板、中空管材、H形その他の型鋼、アングル材、チャンネル材のいずれかを選択することが可能であり、その用途に応じた部材強度のものを用いることができる。
【0008】
前記発明によれば、単位モジュールはブロック的に用いることができるもので、立体トラス構造の構築にプレハブ化が可能となる。
【0009】
単位モジュールを立体トラス構造物を構築するように組み合わせるのに、正四面体の稜線部分となるフレームを細長接合面を有する部材の細長接合面を接合させて行うことができるので、特に、単位モジュール以外の部材を連結部材として用いることなく、単位モジュールだけの組み合わせで立体トラス構造物を構築することが可能となり、組立を少ない工数で簡易かつ迅速に行うことができる。
【0010】
さらに、単位モジュールを組み合わせるのに、正四面体の稜線部分となるフレームは相互に重なり、2重となるので強度が増し、これが立体トラス構造物の斜材の部分として立体トラス構造物自体が堅牢なものとなる。
【0011】
もしくは、正四面体の稜線部分となるフレームを重ね合わせて斜材強度を得ることができるので、薄いフレームで単位モジュールを形成することができ、単位モジュール自体の軽量化を図ることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記テトラモジュール1で組み立てる立体トラス構造物は、水平方向と垂直方向で直交させて構築することができる。
【0013】
例えば水平方向の盤状立体トラス構造を床または屋根、垂直方向の盤状立体トラス構造を壁とした場合に、床・壁としてテトラモジュールの組み合わせを水平または垂直展開させて、床部分と壁部分の結合は前記盤状立体トラス構造で水平または垂直にかつ直交方向に並ぶテトラモジュールのフレーム同士の接合となり、床・壁としての立体トラス構造物を直角に組むことができ、床に対して直角に立ち上がる(または立ち下がる)壁を形成することができる。
【0014】
しかし、建物の屋根、太陽電池の設置架台、林業その他のモノレール用設置架台、索道など傾斜面を必要とする場合のトラス構造体をテトラモジュールのみで組み立てることは出来なかった。
【0015】
本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、トラス構造体をテトラモジュールで組み立てる場合に、傾斜面を形成することができる傾斜面を有するトラス構造体およびそれに使用するテトラモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するため本発明は、傾斜面を有するトラス構造体としては、四面体の稜線部分を細長接合面を有するフレームで形成し、これら細長接合面を有するフレーム端部を連結してなるもので、フレームが内接する面により六面体のブロックを仮想できるテトラモジュールを単位モジュールとし、このテトラモジュール同士を同じ長さの細長接合面を有するフレームの相互を接合させて連結させて形成するトラス構造体において、六面体のブロックの相対向する面のうち1組は平行四辺形、残りの2組は矩形であり、テトラモジュールを構成する6本のフレームのうち4本のフレームは正四面体を形成する場合のフレームと同一の長さであり、他の1本のフレームはそれより短く、残りの1本のフレームはそれより長くした正四面体でない変形四面体であり、この変形四面体のテトラモジュールの組合せでトラス構造体の上床面を傾斜面とすることを要旨とするものである。
【0017】
トラス構造体に使用するテトラモジュールとしては、テトラモジュールは、フレームが内接する面により六面体のブロックを仮想できるもので、六面体のブロックが相対向する面のうち1組は平行四辺形、残りの2組は矩形であり、テトラモジュールを構成する6本のフレームのうち4本のフレームは正四面体を形成する場合のフレームと同一の長さであり、他の1本のフレームはそれより短く、残りの1本のフレームはそれより長くした正四面体でない変形四面体であることを要旨とするものである。
【0018】
本発明によれば、フレームが内接する面により六面体のブロックを仮想した場合に、特許文献1のテトラモジュール1のフレームが内接する面により仮想される立方体の六面体のブロックに比べて、扁平な六面体のブロックとするものであり、扁平な六面体のブロックが相対向する面のうち1組は平行四辺形となることで、傾斜面が確保でき、このような六面体のブロックを並べることを想定して変形四面体のテトラモジュール1′を組んでトラス構造体を形成すれば、トラス構造体の上床面は傾斜面となる。
【0019】
なお、本発明のトラモジュールはトラス構造を形成するものとして、四面体の稜線部分を細長接合面を有するフレームで形成したので、フレームを細長接合面を接合させてテトラモジュール同士を組み合わせることができる。
【0020】
さらに、テトラモジュールを組み合わせるのに、四面体の稜線部分となるフレームは相互に重なり、2重となるので強度が増し、これがトラス構造の斜材の部分としてトラス構造自体が堅牢なものとなる。
【0021】
また、モジュール以外の連結部材を用いることなく、モジュールだけの組み合わせでトラス構造を構築することが可能となり、組立を少ない工数で簡易かつ迅速に行うことができ、プレハブ化が向上する。
【0022】
床の場合は、モジュールを組み合わせるのに、正四面体の稜線部分となるフレームは相互に重なり、2重となるので強度が増し、これが水平材による上弦材と下弦材とこれらを結合する斜材による盤状立体トラス構造の斜材の部分としてトラス構造自体が堅牢なものとなる。
【0023】
一方、テトラモジュールという構成要素は、レゴ(登録商標)ブロック的な積木の技術思想と、トラス構造という構造技術をドッキングさせることで、トラス構造のブロックを生み出したものであり、積木を重ねる感覚でテトラモジュールを組合せて、立体トラス構造の展開を図ることができる。
【0024】
本発明はレゴ(登録商標)ブロック的な積木の技術思想と、トラス構造という構造技術をドッキングさせることで、トラス構造を形成する六面体の仮想ブロックを生み出したものである。
【発明の効果】
【0025】
以上述べたように本発明の傾斜面を有するトラス構造体およびそれに使用するテトラモジュールは、トラス構造体をテトラモジュールで組み立てる場合に、傾斜面を形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の傾斜面を有するトラス構造体の1実施形態を示す側面図である。
【
図2】本発明の傾斜面を有するトラス構造体の1実施形態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の傾斜面を有するトラス構造体の1実施形態を示す平面図である。
【
図4】本発明の傾斜面を有するトラス構造体を建築の屋根に適用した場合の説明図である。
【
図5】本発明の傾斜面を有するトラス構造体の平面図である。
【
図6】本発明の傾斜面を有するトラス構造体に用いる変形四面体のテトラモジュールの説明図である。
【
図7】変形四面体のテトラモジュールと正四面体テトラモジュールの接合状態を示す斜視図である。
【
図8】変形四面体のテトラモジュールを示す斜視図である。
【
図9】変形四面体のテトラモジュールを示す側面図である。
【
図10】変形四面体のテトラモジュールの他の角度からの斜視図である。
【
図11】正四面体テトラモジュールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面について本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の傾斜面を有するトラス構造体の1実施形態を示す側面図、
図2は同上斜視図で、図中13は傾斜面、
図14は平坦面である。
【0028】
傾斜面13を有するトラス構造体はテトラモジュール1′の組合せで形成するが、先に本発明のテトラモジュール1′について説明する。
図6の左が本発明の変形四面体のテトラモジュール1′、右が正四面体のテトラモジュール1である。
【0029】
正四面体のテトラモジュール1は
図11に示すように正確には正四面体を想定し、正四面体の稜線部分となるフレームを細長接合面2を有するフレーム3で形成し、これら細長接合面2を有するフレーム3の端部をジョイント部材4で連結して正四面体状架構に組み立てた。正四面体の正三角形は開口面となる。なお、フレーム3はすべて同一の長さである。
【0030】
前記細長接合面2を有するフレーム3は、正四面体状架構の軸材となるものであり、計6本がジョイント部材4で相互に組まれる。前記、正四面体状架構の「状」とは、テトラモジュール1では細長接合面2が計6面あり、また4つの頂点部分にジョイント部材4の天井部である正三角形の平面7があり、全部で14面体であるが、概正四面体状であることによる。
【0031】
前記細長接合面2を有するフレーム3は図示では帯状角材である長方形細長平板であるが、正四面体状架構として組んだ時に外側に向かう面が細長接合面2であれば、軸材としてその断面が蒲鉾形もしくは三角形その他の角形、もしくは中空のパイプ状など特に形状を問わない。フレーム3は細長接合面2を有するものであれば種々の断面形状のものを用いることができ、平板、中空管材、H形その他の型鋼、アングル材、チャンネル材のいずれかを選択することが可能である。このようなフレーム3の選択は後述のテトラモジュール1′も同様である。
【0032】
また、細長接合面2を有するフレーム3の材質も完成する立体トラス構造物の用途によって種々選択でき、鋼、アルミニュウムなどの金属、木、合成樹脂等である。木の場合は間伐材を利用することで建築費用の低減が期待できる。
【0033】
ジョイント部材4の材質も同様であり、用途によって種々選択でき、鋼、アルミニュウムなどの金属、木、合成樹脂等である。
【0034】
細長接合面2を有するフレーム3を組み立てるジョイント部材4はこの細長接合面2を有するフレーム3により正四面体架構に組み立てる事ができるものであれば特に形状を問わないが、細長接合面2を有するフレーム3への接合片部5を有し、これら接合片部5は天板7もしくは側板6で相互に連結するものが好適である。図示の例は側板6で相互に連結した。側板6はこれがなくてもよい。
【0035】
前記細長接合面2を有するフレーム3とジョイント部材4との結合に関しては、図示は省略するがジョイント部材4の接合片部5と長方形細長平板2の結合箇所では、双方を重ね合わせてから固定することや、細長接合面2を有するフレーム3にスリットを形成し、接合片部5をこのスリットへ差し込んで挟み込むものであり、接合片部5とフレーム3の双方の固定はボルト・ナットによる締結や溶接などによる。
【0036】
本発明のテトラモジュール1、1′はレゴ(登録商標)ブロック的な積木の技術思想と、トラス構造という構造技術をドッキングさせることで、トラス構造のブロックを生み出したものであり、フレーム3が内接する面により六面体のブロックを仮想できる。
【0037】
図6に示すように前記正四面体のテトラモジュール1はフレーム3が内接する面により六面体のブロックを仮想した場合に、すべての面が正方形面Rである立方体の六面体ブロック(H)となる。
【0038】
一方、テトラモジュール1′はかかる立方体の六面体ブロック(H)を扁平に変形させて、六面体のブロック(I)が相対向する面のうち1組(X,X)は平行四辺形(ひし形)、残りの組(Y,Y、Z,Z)は矩形(正方形)である。平行四辺形(ひし形)は一例として角度120°と60°である。
【0039】
テトラモジュール1′はフレームが内接する面により六面体のブロックを仮想できるもので、六面体のブロックが相対向する面のうち1組は平行四辺形、残りの2組は矩形であり、テトラモジュールを構成する6本のフレームのうち4本のフレーム3(a)は正四面体を形成する場合のフレーム3と同一の長さであり、他の1本のフレーム3(c)はそれより短く、残りの1本のフレーム3(b)はそれより長くした正四面体でない変形四面体である
【0040】
一例としてテトラモジュール1′は正四面体のテトラモジュール1と比較した場合に、フレーム3(a)はテトラモジュール1のフレーム3と同一長さの1.0、フレーム3(b)は1.23、フレーム3(c)は0.71とするが、特にこれに限定するものではない。
【0041】
変形四面体であるテトラモジュール1′は長いフレーム(b)が平行四辺形(ひし形)Xに角度60°のコーナー間に架け渡されるように内接し、短いフレーム3(c)が対向する平行四辺形(ひし形)Xに角度120°のコーナー間に架け渡されるように内接する。これによりフレーム3(a)は傾斜する面を構成するものとなり、これが連続することで傾斜面13を有するトラス構造体が形成できる。
【0042】
図4は傾斜面13により屋根11を形成した建物の例であり、水平方向の盤状立体トラス構造が床12を構成するもの、垂直方向の盤状立体トラス構造を壁10を構成するものとした場合に、床12はテトラモジュール1で、壁10および屋根11は変形四面体であるテトラモジュール1′で形成した。
【0043】
屋根11は傾斜を有するものであるが、テトラモジュール1′は前記のように変形四面体であるテトラモジュール1′はこれを六面体ブロックとして見た場合にはひし形側面X、矩形の傾斜上下面Y、矩形の垂直前後面Zの六面体にフレーム3が内接するものであり、このテトラモジュール1′を積上げてなる壁10の盤状立体トラス構造の上端面も傾斜面であり、傾斜する屋根11の接合が可能である。
【0044】
また、テトラモジュール1′を組み合わせて横および上下に積上げれば壁10としても形成できる。
【0045】
なお、これらテトラモジュールの相互を接合し、かつ固定するには、細長接合面2を有するフレーム3、3(a)、フレーム3(b)、フレーム3(c)の相互をフレームの部分で固定して行う場合と、細長接合面2を有するフレーム同士は固定せずにジョイント部材4相互を結合して行う場合と、その両方を採用する場合とがある。
【0046】
また、細長接合面2を有するフレーム3を重ね合わせての相互をこのフレーム3の部分で固定するには、ボルト・ナットによる締結、溶接、凹凸結合、バンド等による加締めなどの手段で結合することが可能である。壁10、屋根11および床12は、前記テトラモジュール1で構成された盤状立体トラス構造とテトラモジュール1′で構成された盤状立体トラス構造との組み合わせにより傾斜のある盤状の立体トラス構造として組立てる。
【0047】
傾斜面13を有するトラス構造体は、テトラモジュール1′同士の細長接合面2を有する同一の長さのフレーム3の相互を細長接合面2を接合させた結合の結果、
図5に示すように立体トラス構造物の内部に相補的(補間的)な四角錐状トラス架構領域Bが構成される。
【0048】
この相補的(補間的)な四角錐状トラス架構領域としての四角錐トラスBの相補的(補間的)とは直接四角錐トラスを部材をもって形成するのではなく、テトラモジュール1′を組む結果、テトラモジュール1′の相互間で自動生成される意味であり、四面体状架構である単位モジュールのテトラモジュール1′を2個稜線部分となる同一の長さのフレーム3の部分で細長接合面2を接合させると、この細長接合面2が重なるフレーム3は斜材となり、一方、他のフレーム3は細長接合面2を外側に向けて水平または垂直にかつ直交方向に並ぶ。これが組み合わさると前記相補的な四角錐状トラス架構領域Bの底辺面には正方形枠が形成される場合の一例である。
【0049】
ちなみに、前記相補的な四角錐状トラス架構領域Bの体積はテトラモジュール1′を2つ合わせた体積と同一である。
【0050】
このように連結するテトラモジュール1′が前後、左右に組まれた場合、単位モジュールの側面間に相補的な四角錐状トラス架構領域Bを形成することができ、テトラモジュールだけで安定したトラス構造を組み立てることができる。
【0051】
さらに、テトラモジュール1′を組み合わせるのに、四面体の稜線部分となるフレーム3は相互に重なり、2重となるので強度が増し、これが斜材の部分であれば立体トラス構造物の斜材が堅牢なものとなる。
【符号の説明】
【0052】
1、1′…テトラモジュール 2…細長接合面
3…フレーム 4…ジョイント部材
5…接合片部 6…側板
7…天板
10…壁 11…屋根
12…床 13…傾斜面
14…平坦面