(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042221
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】バンド用ハンガーの製造方法およびバンド用ハンガー向け細長クリッパー
(51)【国際特許分類】
A47G 25/28 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
A47G25/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146785
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】520179224
【氏名又は名称】大塚 元博
(74)【代理人】
【識別番号】100102738
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】大塚 元博
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA15
3K099BA12
3K099CA49
3K099CB34
3K099CB38
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バンドを衣服と同様に、簡便に保持および取り出し可能でありながら、安価なバンド用ハンガーの製造方法およびバンド用ハンガー向け細長クリッパーを提供する。
【解決手段】フック部と、各々、互いに逆向きにフック部から斜め下方に張り出す一対の肩部14と、一対の肩部14の下端部16同士を連結する杆18と、を有するハンガー10を一対、互いの上下方向中心軸線Xが重なり合うように、上下方向に所定間隔を隔てて重ね配置する段階と、細長クリッパーにより、一対のハンガー10の両右肩部14Aと両左肩部14Bとに及ぶ位置で、一対のハンガー10を挟み込み固定する段階とを有し、それにより、一対のハンガー10の両杆18の間に、バックル付バンドBの帯部は通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度の隙間を形成する、ことを特徴とするバンド用ハンガーの製造方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フック部と、
各々、互いに逆向きにフック部から斜め下方に張り出す一対の肩部と、
一対の肩部の下端部同士を連結する杆と、を有するハンガーを一対、互いの上下方向中心軸線が重なり合うように、上下方向に所定間隔を隔てて重ね配置する段階と、
細長クリッパーにより、一対のハンガーの両右肩部と両左肩部とに及ぶ位置で、一対のハンガーを挟み込み固定する段階とを有し、
それにより、一対のハンガーの両杆の間に、バックル付バンドの帯部は通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度の隙間を形成する、ことを特徴とするバンド用ハンガーの製造方法。
【請求項2】
前記隙間は、0.3センチないし0.7センチである、請求項1に記載のバンド用ハンガーの製造方法。
【請求項3】
フック部と、各々、互いに逆向きにフック部から斜め下方に張り出す一対の肩部と、一対の肩部の下端部同士を連結する杆と、を有するハンガーを上下方向に間隔を隔てて重ね配置される一対のハンガーの両肩部を挟み込み可能な巾を有し、
一対のハンガーのスペースに配置して、一対のハンガーを下方から挟み込み可能なように、一対のハンガーの両右肩部と両左肩部とに及ぶ長杆、有し、
一対のハンガー同士に形成される上下方向の隙間をバックル付きバンドの固定保持に利用可能とすることを特徴とする、バンド用ハンガー向け細長クリッパー。
【請求項4】
それぞれ、一方の縁部が挟み込む部、他方の縁部が押し込み操作部を有する一対の細長部材と、
長手方向に延びる枢軸であって、一対の細長部材それぞれの端部の幅方向中間部を回動可能に連結する枢軸と、
両挟み込む部を互いに接触する向きに、一対の細長部材を枢軸を中心に回動させる付勢手段と、
を有する、請求項3に記載のバンド用ハンガー向け細長クリッパー。
【請求項5】
前記細長クリッパーは、一対のハンガーを挟み込む際、該細長クリッパーにより横方向の所定位置に固定保持可能な厚みを有する薄板錘状のバランサーを有する、請求項4に記載のバンド用ハンガー向け細長クリッパー。
【請求項6】
前記細長クリッパーは、長手方向に摺動可能に保持される錘状のバランサーと、錘の横方向案内溝とを有する、請求項4に記載のバンド用ハンガー向け細長クリッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンド用ハンガーの製造方法およびバンド用ハンガー向け細長クリッパーに関し、より詳細には、バンドを衣服と同様に、簡便に保持および取り出し可能でありながら、安価なバンド用ハンガーを可能とするバンド用ハンガーの製造方法およびバンド用ハンガー向け細長クリッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、衣服用ハンガーが世界的に普及している。
衣服用ハンガーは、通常、樹脂製、針金状であり、フック部と、フック部の下方に設けられた衣服保持部とを有し、衣服保持部は、それぞれ横方向に張り出す、一対の肩部と、一対の肩部の一方の下端部同士を連結する横部材とを有し、衣服保持部に、シャツ、ジャケット、ズボン等の衣服を保持しつつ、洋服ダンス内の横方向支柱、または、家内の鴨居にフック部を引っ掛けて、衣服に皺を生じさせることなく、あるいは、ジャケットを型くずれさせることなく、簡易に衣服を整理保管することが可能である。
一方、ズボン、パンツに用いる細長バンドは、衣服とは別個に、たとえば、細長バンドの帯部をバックルを中心に丸めて、洋服ダンスの引き出しに保管されてきた。
【0003】
この点、特許文献1に開示のように、バンド用ハンガーが提案されている。
このバンド用ハンガーは、上端にフックを有するハンガー本体の垂直な前面から、この前面に対して平行でかつ水平方向に延びる有端状のかけ止杆を設け、かけ止杆とハンガー本体の前面との間に掛け止めすべきバンドの帯部分を挿入し得る間隙を形成せしめ、この間隙にバンドの帯部分を挿入することにより掛け止めの上部にバンドのバックル部分を係止させてバンドを掛け止めすべく構成してなる。
このようなバンド用ハンガーによれば、バンドのバックル部分に近い帯部分を掛け止杆とハンガー本体との間隙に単に差し込むだけの簡単な操作で迅速かつ容易にしかも確実にバンドを掛け止め杆に吊り掛けることができてバンドの整理収納に利用可能である。
【0004】
しかしながら、このようなバンド用ハンガーには、以下のような不具合がある。
第1に、両肩部を利用して、ジャケットを掛けつつ、バンドを吊り下げることは可能であるが、通常のハンガーとは別個にバンド用ハンガーを用意し、それを兼用に用いるに過ぎず、通常の樹脂製または針金製ハンガーは、たとえば、衣服をクリーニング仕立てする際にクリーニング代に含まれており、この樹脂製または針金製ハンガーをそのまま利用して、バンド用ハンガーにすることができれば、安価で経済的である。
第2に、このようなバンド用ハンガーに、金属製バックル付きバンドを奇数本掛けようとすると、バンド用ハンガーをフック部を介して吊り下げる際、左右アンバランスとなり、金属製バックル付きバンドの重さにより、バンド用ハンガーが斜めとなり、安定性に欠け、場合により、バンド用ハンガーのフック部が外れる恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上より、本発明の目的は、バンドを衣服と同様に、簡便に保持および取り出し可能でありながら、安価なバンド用ハンガーの製造方法およびバンド用ハンガー向け細長クリッパーを提供することにある。
【特許文献1】公開実用 昭56-114750
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するために、本発明のバンド用ハンガーの製造方法は、
フック部と、
各々、互いに逆向きにフック部から斜め下方に張り出す一対の肩部と、
一対の肩部の下端部同士を連結する杆と、を有するハンガーを一対、互いの上下方向中心軸線が重なり合うように、上下方向に所定間隔を隔てて重ね配置する段階と、
細長クリッパーにより、一対のハンガーの両右肩部と両左肩部とに及ぶ位置で、一対のハンガーを挟み込み固定する段階とを有し、
それにより、一対のハンガーの両杆の間に、バックル付バンドの帯部は通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度の隙間を形成する、構成としている。
【0007】
以上の構成を有するバンド用ハンガーの製造方法によれば、たとえば、衣服のクリーニング納品の際に提供されるハンガーを利用して、一対のハンガーを、互いの上下方向中心軸線が重なり合うように、上下方向に所定間隔を隔てて重ね配置し、細長クリッパーにより、一対のハンガーの両右肩部と両左肩部とに及ぶ位置で、一対のハンガーを挟み込み固定し、それにより、一対のハンガーの両杆の間に、バックル付バンドの帯部は通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度の隙間を形成することにより、バンドをバックルを隙間に引っ掛ける態様で、ハンガーに吊り下げ可能であり、別途、バンド用ハンガーを入手する必要なしに、バンドを衣服と同様に、簡便に保持および取り出し可能でありながら、安価なバンド用ハンガーを提供することが可能となる。
【0008】
また、前記隙間は、0.3センチないし0.7センチであるのがよい。
【0009】
上記課題を達成するために、本発明のバンド用ハンガー向け細長クリッパーは、
フック部と、各々、互いに逆向きにフック部から斜め下方に張り出す一対の肩部と、一対の肩部の下端部同士を連結する杆と、を有するハンガーを上下方向に間隔を隔てて重ね配置される一対のハンガーの両肩部を挟み込み可能な巾を有し、
一対のハンガーのスペースに配置して、一対のハンガーを下方から挟み込み可能なように、一対のハンガーの両右肩部と両左肩部とに及ぶ長杆、有し、
一対のハンガー同士に形成される上下方向の隙間をバックル付きバンドの固定保持に利用可能とする、構成としている。
【0010】
また、それぞれ、一方の縁部が挟み込む部、他方の縁部が押し込み操作部を有する一対の細長部材と、
長手方向に延びる枢軸であって、一対の細長部材それぞれの端部の幅方向中間部を回動可能に連結する枢軸と、
両挟み込む部を互いに接触する向きに、一対の細長部材を枢軸を中心に回動させる付勢手段と、
を有するのがよい。
さらに、前記細長クリッパーは、一対のハンガーを挟み込む際、該細長クリッパーにより横方向の所定位置に固定保持可能な厚みを有する薄板錘状のバランサーを有するのがよい。
さらにまた、前記細長クリッパーは、長手方向に摺動可能に保持される錘状のバランサーと、錘の横方向案内溝とを有するのでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図を参照しながら、本発明に係るズボン用ハンガーの製造方法およびズボン用ハンガー向け細長クリッパーの好適な実施の形態を説明する。
プラスチックからなるハンガー10は、全体が金型によって一体的に形成され、
図1に示すように、フック部12と、肩部14を構成するフック部12に連続して形成された左右に長い襟支持体と、一対の肩部14の下端部16同士を連結する杆18を構成する横方向ズボン掛け体とを備えている。
ハンガー10には、両肩部14A、14Bおよび杆18により取り囲まれたスペース21が形成され、後に説明する細長クリッパー100を用いるのに、スペース21を利用している。
【0012】
フック15は、フック15の先側に配置されたU字状片、及び、U字状片に上端が連結された上下に長いストレート片を備える。
ハンガー10は、たとえば、衣服についてクリーニング仕立てを委託する際、ズボン掛け体を形成する杆18がある限り、仕上げ衣服を納品する際に提供される樹脂製、針金製ハンガーを利用するのでよい。
【0013】
次に、バンド用ハンガー10向け細長クリッパー100について、説明する。
図2に示すように、バンド用ハンガー10向け細長クリッパー100は、フック部12と、各々、互いに逆向きにフック部12から斜め下方に張り出す一対の肩部14と、一対の肩部14の下端部16同士を連結する杆18と、を有するハンガー10を上下方向に間隔を隔てて重ね配置される一対のハンガー10の両肩部14を挟み込み可能な巾Wを有し、
一対のハンガー10のスペースに配置して、一対のハンガー10を下方から挟み込み可能なように、一対のハンガー10の両右肩部14Aと両左肩部14Bとに及ぶ長さLを有し、
一対のハンガー10同士に形成される上下方向の隙間20をバックル付きバンドの固定保持に利用可能とする。
よって、細長クリッパー100の全体的な大きさは、スペース21内に収まる程度である。
【0014】
より詳細には、バンド用ハンガー10向け細長クリッパー100は、材質は任意であるが、軽量性の観点から樹脂製が好ましく、それぞれ、一方の縁部22が挟み込む部24、他方の縁部26が押し込み操作部28を有する一対の細長部材30と、長手方向に延びる枢軸32であって、一対の細長部材30それぞれの端部の幅方向中間部34を回動可能に連結する枢軸32とを有する。
これにより、一対の細長部材30は、枢軸32を中心に回動可能であり、一対のハンガー10の挟み込む部24同士が離間したり、近づいたりすることが可能にしている。
さらに、両挟み込む部24を互いに接触する向きに、一対の細長部材30を枢軸32を中心に回動させる付勢手段36と、を有する。
付勢手段36は、たとえば、通常のコイルバネでよく、コイルバネの一端が一対の細長部材30の一方の内面に係合する一方、コイルバネの他端が一対の細長部材30の他方の内面に係合し、常時、一対の細長部材30の挟み込む部24同士が近づく向きに付勢力が負荷され、かかる付勢力に抗して、押し込み操作部28を指で押し込むことにより、一対の細長部材30の挟み込む部24同士が、一対のハンガー10の挟み込み可能な位置まで離間するように構成している。
【0015】
バネの付勢力は、一対のハンガー10同士を厚み方向に挟み込んで固定保持可能、より詳細には、数本のバンドを吊り下げても一対のハンガー10のうち下方に位置する側の肩部14が、下方向に移動しない程度の強さとすればよい。
巾Wは、想定される一対のハンガー10同士の杆18の上下方向隙間を考慮して選択すればよく、たとえば、バックルの厚みが厚い男性用バンド向けハンガーに使用する場合には、上下方向隙間は広く、それに応じて、巾Wは、広くなり、一方、バックルの厚みが薄い女性用バンド向けハンガーに使用する場合には、上下方向隙間は狭く、それに応じて、巾Wは、狭くてよい。
長さLは、ハンガー10の横方向長さより小さければよく、巾Wとの関係において、一対のハンガー10の両右肩部14Aと両左肩部14Bとに及ぶような好適な上下方向位置を選定して、細長クリッパー100を用いればよい。
以上の構成による細長クリッパー100によれば、一対のハンガー10の両右肩部14Aごと、一対のハンガー10の両左肩部14Bごとに固定する必要なしに、一対のハンガー10を上下方向に所定間隔ずらした状態でワンタッチで簡便に固定することが可能である。
【0016】
細長クリッパー100は、一対のハンガー10を挟み込む際、細長クリッパー100により横方向の所定位置に固定保持可能な厚みを有する薄板錘状のバランサー38有する。
このようなバランサー38を所定位置に位置決めすることにより、たとえば、1本目のバンドを右端から吊り下げる際、バランサー40の位置を左寄りとすることにより、ハンガー10の傾きを抑制することが可能である。
バランサー38の重さは、このような観点から定めればよく、材質は、金属製でも樹脂製でもよい。
【0017】
以上の構成を有する細長クリッパー100を利用したバンド用ハンガー10の製造方法について、説明する。
バンド用ハンガー10の製造方法は、まず、フック部12と、各々、互いに逆向きにフック部12から斜め下方に張り出す一対の肩部14と、
一対の肩部14の下端部16同士を連結する杆18と、を有するハンガー10を一対、互いの上下方向中心軸線Xが重なり合うように、上下方向に所定間隔を隔てて重ね配置する。
所定間隔、すなわち、隙間20は、バックルの厚みを考慮し、バックル付バンドBの帯部Cは通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度でよいが、通常、0.3センチないし0.7センチである。
次いで、細長クリッパー100により、一対のハンガー10の両右肩部14Aと両左肩部14Bとに及ぶ位置で、一対のハンガー10を挟み込み固定する。
より詳細には、細長クリッパー100を一対のハンガー10の両肩部14および杆18により取り囲まれるスペース21内に配置して、挟み込む部24を指で押して、付勢手段36の付勢力に抗して、一対の細長部材30を枢軸32を中心に回動することにより、押し込み操作部28を開いた状態で、一対のハンガー10の両右肩部14Aと両左肩部14Bとに及ぶ位置となるように、細長クリッパー100の上下方向の位置を位置決めして、押し込み操作部28から指を離して、一対のハンガー10を挟み込んで固定する。
それにより、一対のハンガー10の両杆18の間に、バックル付バンドBの帯部Cは通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度の隙間20を形成する。
次いで、形成した隙間20に、バックルに当たるまでバックル付バンドBの帯部Cを通し、バックル付バンドBを吊り下げる。この場合、バックル付バンドBの数、および吊り下げ位置に応じて、バランサーの横方向位置を調整することにより、バンド用ハンガー10の傾きを抑制して、バックル付バンドBを安定的に吊り下げることが可能である。
【0018】
以上の構成を有するバンド用ハンガー10の製造方法によれば、たとえば、衣服のクリーニング納品の際に提供されるハンガー10を利用して、一対のハンガー10を、互いの上下方向中心軸線Xが重なり合うように、上下方向に所定間隔を隔てて重ね配置し、細長クリッパー100により、一対のハンガー10の両右肩部14Aと両左肩部14Bとに及ぶ位置で、一対のハンガー10を挟み込み固定し、それにより、一対のハンガー10の両杆18の間に、バックル付バンドBの帯部Cは通り抜け可能で、バックルは通り抜け不能な程度の隙間20を形成することにより、バンドをバックルを隙間20に引っ掛ける態様で、ハンガー10に吊り下げ可能であり、別途、バンド用ハンガー10を入手する必要なしに、バンドを衣服と同様に、簡便に保持および取り出し可能でありながら、安価なバンド用ハンガー10を提供することが可能となる。
なお、クリーニング納品の際に提供されるハンガーを利用する際には、たとえば、現在は使用しない古いバンドを切断して、肩部の側面部に切断した帯部を固定することにより、美観性を向上させることが可能である。
【0019】
以下に、本発明の第2実施形態について、
図4および
図5を参照しながら説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様な構成要素については、同様な参照番号を付することによりその説明は省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。
本発明の第2実施形態の特徴は、細長クリッパー100におけるバランサー40の設置態様にあり、第1実施形態においては、細長クリッパー100の一対の細長部材30により挟み込んでいたが、本実施形態においては、バランサー40を横方向に移動可能に一対の細長部材30の外表面に設けた点にある。
より詳細には、
図4および
図5に示すように、細長クリッパー100は、長手方向に摺動可能に保持される錘状のバランサー40と、錘の横方向案内溝42とを有し、これにより、細長クリッパー100のハンガー10への固定とは別に、バランサー40を横方向案内溝42内で横方向に摺動させることにより、任意の位置に位置決めし、バックル付バンドBの吊り下げ位置に応じて、ハンガー10が傾斜しないようにすることが可能である。
【0020】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、バックルに厚みのある男性向けバンド用ハンガー10として、説明したが、それに限定されることなく、隙間20調整することにより、バックルに厚みのない女性向けバンド用ハンガー10にも適用可能である。
たとえば、本実施形態において、一対のハンガー10の杆18同士の上下方向の隙間20を調整し、そこをバンドを吊り下げるのに利用するバンド専用のハンガーとして説明したが、それに限定されることなく、細長クリッパー100の角部が肩部からあまり突出しないように上下方向に位置決めすることにより、一対のハンガー10同士の肩部を利用して、バンドを吊り下げるとともに、従前のように、ジャケット等衣服を吊り下げるのに兼用してもよい。
たとえば、本実施形態において、一対のハンガー10の杆18同士の上下方向の隙間20を調整し、そこをバンドを吊り下げるのに利用するものとして説明したが、それに限定されることなく、一対のハンガー10同士を横向きにずらして、クリップ固定することにより、斜めに張り出す互いの肩部14同士に隙間20を形成して、そこをバンドを吊り下げるのに利用するのでもよい。
【0021】
たとえば、本実施形態において、一対のハンガー10の杆18同士の上下方向の隙間20を調整し、そこをバンドを吊り下げるのに利用する際、たとえば、1本目のバンドを右端から吊り下げる際、バランサー40の位置を左寄りとすることにより、ハンガー10の傾きを抑制するものとして説明したが、それに限定されることなく、バランサー40の位置は中央に固定のまま、1本目のバンドは右端、2本目のバンドは左端、3本目のバンドは中央と、吊り下げる位置を工夫することにより、ハンガー10の安定性を確保可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバンド用ハンガーの平面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るバンド用ハンガー向け細長クリッパーの断面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るバンド用ハンガーにおいて、バンドを吊り下げる状況を示す図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るバンド用ハンガー向け細長クリッパーを示す
図1と同様な平面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るバンド用ハンガー向け細長クリッパーの
図2と同様な断面図である。
【符号の説明】
【0023】
W 巾
L 長さ
X 上下方向中心軸線
B バックル付バンド
C 帯部
10 ハンガー
12 フック部
14 肩部
16 下端部
18 杆
100 細長クリッパー
14A 右肩部
14B 左肩部
20 隙間
21 スペース
22 一方の縁部
24 挟み込み部
26 他方の縁部
28 押し込み操作部
30 細長部材
32 枢軸
34 幅方向中間部
36 付勢手段
40 バランサー
42 案内溝