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特開2024-4223空港灯火システム、電源切り換え方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004223
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】空港灯火システム、電源切り換え方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20240109BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20240109BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240109BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240109BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240109BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20240109BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240109BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20240109BHJP
   B64F 1/36 20240101ALI20240109BHJP
   B64F 1/20 20060101ALI20240109BHJP
【FI】
H02J3/46
H02J13/00 301A
H02J13/00 B
H02J3/32
H02J3/38 120
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J7/35 K
H02J7/34 G
H02J7/00 B
H02J9/06
B64F1/36
B64F1/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103766
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆和
(72)【発明者】
【氏名】菅原 進
(72)【発明者】
【氏名】市川 博則
【テーマコード(参考)】
5G015
5G064
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G015JA52
5G015JA64
5G015KA01
5G064AA09
5G064AB07
5G064AC01
5G064AC08
5G064BA02
5G064BA09
5G064CB06
5G066AA04
5G066AE07
5G066AE09
5G066HA15
5G066HB06
5G066HB09
5G066JA05
5G066JB03
5G503AA01
5G503BB01
5G503CA08
5G503CA10
5G503DA04
5G503DA05
5G503EA05
5G503GB06
5G503GD03
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】 灯火の点灯に関する運用コストを低く抑える空港灯火システムを提供する。
【解決手段】 一実施形態に係る空港灯火システム1は、蓄電池29と、出力電力を、蓄電池29の放電電力と、商用電源31から供給される電力とで切り換える切り換え装置30と、灯火18の点灯開始時における切り換え装置30の出力電力を蓄電池29の放電電力とし、蓄電池29の残容量に応じて切り換え装置30を切り換えるコントローラ35と、切り換え装置30から出力された電力により給電される電力線15に一次側を接続され、二次側から取り出される電力を灯火18に供給する複数のトランス16と、を備える。
【選択図】 図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池と、
出力電力を、前記蓄電池の放電電力と、商用電源から供給される電力とで切り換える切り換え装置と、
灯火の点灯開始時における前記切り換え装置の出力電力を前記蓄電池の放電電力とし、前記蓄電池の残容量に応じて前記切り換え装置を切り換えるコントローラと、
前記切り換え装置から出力された電力により給電される電力線に一次側を接続され、二次側から取り出される電力を灯火に供給する複数のトランスと、を備えた空港灯火システム。
【請求項2】
複数の前記電力線を備え、
前記切り換え装置は、
前記商用電源から電力が供給される第1入力端子と、前記蓄電池から電力が供給される第2入力端子と、第1出力端子と、を備えた運用切り換え部と、
前記第1出力端子の出力電力が供給される第3入力端子と、前記蓄電池から電力が供給される第4入力端子と、複数の前記トランスの一次側に接続された前記電力線の一部に電力を供給する第2出力端子と、を備えた複数の個別運用切り換え部と、を備えた請求項1記載の空港灯火システム。
【請求項3】
前記蓄電池の残容量を監視する容量監視部を備え、
前記容量監視部は、前記蓄電池の残容量が所定の閾値以下となったときに、前記切り換え装置の前記出力を商用電源から供給される電力に切り換える、請求項1記載の空港灯火システム。
【請求項4】
再生可能エネルギーにより前記蓄電池を充電する充放電装置と、
外部から供給される気象情報に基づいて、前記蓄電池の給電可能時間を算出する電源計画部と、を備え、
前記電源計画部は、前記灯火への電力供給を開始してから前記給電可能時間が経過したときに、前記切り換え装置の前記出力を商用電源から供給される電力に切り換える、請求項1記載の空港灯火システム。
【請求項5】
再生可能エネルギーにより前記蓄電池を充電する充放電装置と、
センサを用いて気象情報を取得する気象監視装置と、
気象観測地情報と前記気象情報とを紐づけて記憶する気象データ管理手段と、
前記気象情報から気象異常を検出する気象監視手段と、
前記気象異常が所定の条件を満たすときに、異常が検出された前記気象情報に対応する前記気象観測地情報に基づいて、再生可能エネルギー発電装置の停止信号を生成する機器監視手段と、を備える、請求項1記載の空港灯火システム。
【請求項6】
前記トランスの二次側と前記灯火との間に設けられる子局と、
前記電力線を介して前記子局と通信する親局と、を備え、
前記親局は、
周波数シフト及び位相シフトの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、キャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する変調部と、
前記変調信号を前記電力の電源周期に同期して前記電力線に注入する注入部と、を備え、
前記子局は、
前記トランスの二次側の電力波形から前記変調信号を受信する受信部と、
受信された前記変調信号を復調して前記コードを再生する復調部と、を備え、
前記親局は、気象監視システムから取得された気象情報に応じて、前記変調信号を補正する、請求項1記載の空港灯火システム。
【請求項7】
前記トランスの二次側と前記灯火との間に設けられる子局と、
前記電力線を介して前記子局と通信する親局と、を備え、
前記親局は、
周波数シフト及び位相シフトの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、キャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する変調部と、
前記変調信号を前記電力の電源周期に同期して前記電力線に注入する注入部と、を備え、
前記子局は、
前記トランスの二次側の電力波形から前記変調信号を受信する受信部と、
受信された前記変調信号を復調して前記コードを再生する復調部と、を備え、
前記親局は、変調信号未注入区間における周波数と前記変調信号未注入区間と周期が同一な変調信号注入区間における周波数を比較し、ノイズ信号の逆位相を変調信号注入区間に重畳する、請求項1記載の空港灯火システム。
【請求項8】
蓄電池と、
前記蓄電池から供給される電力から、商用電源から供給される電力へ出力を切り換える切り換え装置と、
前記蓄電池の残容量に応じて前記切り換え装置を切り換えるコントローラと、
前記切り換え装置から出力された電力により給電される電力線に一次側を接続され、二次側から取り出される電力を灯火に供給する複数のトランスと、を備え、
前記切り替え装置は、
前記商用電源から電力が供給される第1入力端子と、前記蓄電池から電力が供給される第2入力端子と、第1出力端子と、を備えた運用切り換え部と、
前記第1出力端子の出力電力が供給される第3入力端子と、前記蓄電池から電力が供給される第4入力端子と、複数の前記トランスの一次側に接続された前記電力線の一部に電力を供給する第2出力端子と、を備えた複数の個別運用切り換え部と、を備えた灯火電源システムの電源切り換え方法であって、
前記コントローラは、
前記灯火の点灯開始時前に、
前記運用切り換え部の、前記第1出力端子を前記第2入力端子と接続し、
全ての複数の前記個別運用切り換え部の前記第2出力端子を前記第3入力端子と接続し、
前記灯火の点灯開始時後に、前記蓄電池の残容量に応じて、前記運用切り換え部の前記第1出力端子を前記第1入力端子と接続するとともに、予め設定された優先順位に従って、複数の前記個別運用切り換え部の少なくとも一つの前記第2出力端子を前記第4入力端子と接続する、電源切り換え方法。
【請求項9】
前記蓄電池の残容量が所定のしきい値以下になったときに、複数の前記個別運用切り換え部のすべての前記第2出力端子を前記第3入力端子と接続する、請求項8記載の電源切り換え方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項8記載の電源切り換え方法を実行させる電源切り換えプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、空港灯火システム、電源切り換え方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
航空機が安全に離発着を行うために、空港の滑走路等に灯火が設置されている。空港の灯火システムは、視程により輝度を変化させて運用している。これまで、灯火に供給する電源は、一般送電事業者から供給される商用電源を主に利用し、例えば停電時など、送電線からの電源供給が停止した異常時に、補助電源である蓄電池による運転に切り換えていた。
【0003】
空港には多くの灯火が設置されているため、商用電源から空港灯火システムに供給される電力を低く抑えることにより、空港灯火システムの運用コストの低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4008693号公報
【特許文献2】特開2021-140895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
空港は、航空機の離発着の騒音問題等の環境アセスメントの見地から、海洋沖合や、山の中など、人里から離れた場所に建設されることが多い。そのため、周りに太陽光を遮断する建物等が無いことから、山の斜面や、海上の護岸等、太陽光パネルを設置する場所を、近傍に準備することが可能である。また、山の尾根、稜線に風車、海岸には風車を設置することが可能である。
【0006】
蓄電池に蓄えられたエネルギーを活用して灯火システムを運用することができれば、商用電源から供給される電力の消費を抑え、灯火システムの運用コストを低く抑えることができる。
【0007】
本発明の実施形態は、上記事情を鑑みて成されたものであって、灯火の点灯に関する運用コストを低く抑える空港灯火システム、電源切り換え方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係る空港灯火システムは、蓄電池と、出力電力を、前記蓄電池の放電電力と、商用電源から供給される電力とで切り換える切り換え装置と、前記灯火の点灯開始時における前記切り換え装置の出力電力を前記蓄電池の放電電力とし、前記蓄電池の残容量に応じて前記切り換え装置を切り換えるコントローラと、前記切り換え装置から出力された電力により給電される電力線に一次側を接続され、二次側から取り出される電力を灯火に供給する複数のトランスと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係る空港灯火システムの一構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、一実施形態に係る空港灯火システムの灯火監視装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、一実施形態に係る空港灯火システムの親局の構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、一実施形態に係る空港灯火システムの子局の構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、図3に示す親局のノイズキャンセル信号の注入パターンの一例について説明するための図である。
図6図6は、一実施形態に係る空港灯火システムの気象監視システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7図7は、一実施形態に係る空港灯火システムにおける気象監視処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、一実施形態に係る空港灯火システムにおける気象異常登録処理の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、一実施形態に係る空港灯火システムにおける警報アドバイス処理の一例を示すフローチャートである。
図10図10は、一実施形態に係る空港灯火システムの灯火電源システムの構成の一例を示すブロック図である。
図11図11は、図10に示す灯火電源システムの切り換え装置の切り換え処理の一例を示す図である。
図12図12は、図10に示す切り換え装置の動作の一例を説明するためのタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態に係る空港灯火システム、電源切り換え方法及びプログラムについて図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる図面において、各部の縮尺は適宜変更されている。また、以下の実施形態の説明に用いる図面において、説明のために、構成を適宜省略している場合がある。
【0011】
図1は、一実施形態に係る空港灯火システムの一構成例を概略的に示す図である。
図1に示す空港灯火システム1は、空港に設置された灯火を管理するシステムであって、灯火監視装置2と、運行計画装置3と、画像解析装置4と、気象監視システム5と、灯火電源システム6と、LAN(Local Area Network)7と、監視モニタ8と、を備えている。
【0012】
灯火監視装置2と、運行計画装置3と、画像解析装置4と、気象監視システム5と、灯火電源システム6と、監視モニタ8とは、LAN7を介して接続されており、当該構成間でデータの送受信を可能にしている。なお、灯火監視装置2と、運行計画装置3と、画像解析装置4と、気象監視システム5と、灯火電源システム6と、監視モニタ8とは、無線ネットワーク等で接続され、データの送受信を行う構成でもよい。
【0013】
運行計画装置3は、航空機の交通量調査及びシミュレーションを行い、航空機の運航計画情報及び航空機情報を作成し、当該情報を出力する。
【0014】
画像解析装置4は、空港に設置された航空機等からの反射波を捉える空港地表レーダによって補足される画像データの大まかな位置と運行計画情報及び航空機センサの出力とから航空機の便名及び航空機の現在位置を特定し、当該便名航空機情報を取得及び出力する。
【0015】
図2は、一実施形態に係る空港灯火システムの灯火監視装置の構成の一例を示す図である。
灯火監視装置2は、空港内に設置された灯火の状態監視をする装置であり、LAN9と、親機10と、定電流電源装置(CCR)11と、安定化装置(OP/C)12と、親局13と、バイパスフィルタ装置14と、電力線15と、トランス16と、子局17と、灯火18と、を備える。親機10と、親局13とは、LAN9を通してデータの送受信を行っている。
【0016】
灯火監視装置2は、複数の灯火の少なくとも一つに異常があることを検知すると、異常のある灯火についての情報を出力する。また、灯火監視装置2は、視程と連動して灯火の輝度を調整する。視程の指標は、気象監視システム5からの情報に基づいて灯火監視装置2が判断してもいいし、空港管制官等の目視による判断を基準にしてもよい。
【0017】
定電流電源装置11は、空港の電源局舎に敷設されている。定電流電源装置11は、バイパスフィルタ装置14を介して電力線(灯火回路ケーブル)15に接続される。
【0018】
電力線15は、複数のトランス16の一次側を直列に接続する。複数のトランス16の二次側には、それぞれ子局17が接続される。さらに、各子局17に灯火18が接続される。
【0019】
トランス16により電力線15と子局17とは電気的に絶縁されている。電力線15からトランス16に供給される電力により、トランス16の二次側に生じる基準電位の異なる電流が子局17、および灯火18に供給され、一定の電流が各灯火に流れるようになっている。
【0020】
バイパスフィルタ装置(BPF装置)14は、例えば定電流電源装置11の近傍に敷設され、電力線15の通信ルートにおけるノイズと電源ノイズとを分離する。バイパスフィルタ装置14は、例えば、LRC共振回路に流れる電流を取得し、フィルタにより精製することで商用電源波形を取得する。定電流電源装置11側と灯火18への電力線15側との間にバイパスフィルタ装置14を介入させることで、定電流電源装置11と灯火18とで使用する信号周波数帯が分離される。すなわち、L(コイル)R(抵抗)C(コンデンサ)によりLRC共振回路を構築し、灯火回路側で使用する信号は灯火回路側で循環し、CCRノイズは電源側で循環するようにする。
【0021】
親局13はバイパスフィルタ装置14に接続される。親局13は、定電流電源装置11からの電力供給を受けて機能し、電力線搬送により、電力線15を介して配下の子局17と通信する。定電流電源装置11は、常用電源と予備電源とに多重化されていてもよい。また、定電流電源装置11とバイパスフィルタ装置14との間に、安定化装置(OP/C)12を設けてもよい。
【0022】
親局13は、LAN9を介して親機10に収容される。親機10は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)等の、堅牢なコンピュータである。親機10はさらにLAN7を介して監視モニタ8に接続される。監視モニタ8は例えば汎用のサーバコンピュータであり、滑走路の状態をリアルタイムで表示するモニタ等を備える。
【0023】
親局13は、共通の電力線15に接続される配下の子局17に、例えば定期的に質問コマンドを送信する。
【0024】
子局17は、自らに割り当てられたアドレスに応じたタイミングで親局13に応答信号を送信する。子局17は、灯火18の状態を監視し、玉切れ等の不具合が生じるとそのことを親局13に通知する。これにより断芯位置がただちに検出され、監視モニタ8に表示される。オペレータは、この表示を参照して、適切な処置をとることができる。
【0025】
灯火18を制御する停止線灯システム、あるいはRWSLシステム(いずれも図示せず)においても同様に、電力線15を用いた電力線搬送通信により、灯火18に対する制御が実施される。航空機検知センサ、あるいは空港地表レーダにより取得された情報に基づいて、親局13から子局17に制御指令が与えられ、子局17は、配下の灯火をON/OFF制御する。これにより、灯火制御による航空機の地表誘導を実現することができる。
【0026】
図3は、一実施形態に係る空港灯火システムの親局の構成の一例を示すブロック図である。
図3において、定電流電源装置11との関係におけるIN側の電源ラインをF側と称し、OUT側の電源ラインをR側と称する。子局17からの信号は、F側、R側の2箇所で受信される。すなわち、一方の信号の受信レベルが低い場合でも、他方で補うことの可能なダイバーシティ構成をとっている。本実施形態では、電力線15への信号注入をF側において行うこととする。
【0027】
親局13は、信号処理部50、プロセッサ53、インタフェース部54、59、波形整形部55、増幅部56、信号注入部57、および、電源波形取得部58を備える。このうち電源波形取得部58は、バイパスフィルタ装置14から取得した電源波形をディジタル変換してプロセッサ53に渡す。
【0028】
信号処理部50は、モデム部(F側)51、モデム部(R側)52を備える。モデム部51は、周波数シフトと位相シフトとの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、F側のキャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する。生成された変調信号は、波形整形部55、増幅部56を経て信号注入部57に入力される。信号注入部57は、変調信号を、定電流電源装置11の電力の電源周期に同期して、電力線15に注入する。本実施形態における信号注入部57は、周波数シフトと位相シフトとの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、F側のキャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する変調部と、変調信号を、定電流電源装置11の電力の電源周期に同期して、電力線15に注入する注入部とに分けられていてもよい。
【0029】
モデム部52は、周波数シフトと位相シフトとの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、R側のキャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する。実施形態では、異なる2つの周波数および位相で表される4つのシンボルに、2ビットコードを対応付ける変調方式を採用する。この方式を、デュアル変調方式と称しても良い。
【0030】
プロセッサ53は、子局17に送信すべきコマンド、親局13のアドレスなどを含む複数ビットのコードを信号処理部50に与え、変調信号を生成させる。プロセッサ53は、親局13から子局17へのコードの送信と、子局17から親局13への応答コードの送信とを含む送受信シーケンスを、繰り返し実行する。
【0031】
またプロセッサ53は、後述する気象監視システム5から気象情報を取得してもよい。プロセッサ53は、取得した気象情報が予め設定された条件を満たす場合に、信号処理部50に対して変調信号を補正するように制御することが出来る。例えば、空港を含む地域の気温や湿度などの気象条件に応じて、電力線15により送信する信号波形に与えられる影響を予め測定し、取得した気象情報に対する補正値を得るためのテーブルや数式が、図示しないメモリに予め記憶されていてもよい。
【0032】
また、モデム部51は、F側で抽出された信号波形を復調し、子局17からの応答コードを再生する。モデム部52は、R側で抽出された信号波形を復調し、子局17からの応答コードを再生する。再生されたコードはプロセッサ53に渡され、処理される。そうして、応答コードに含まれる各種のデータが、インタフェース部59からLAN9を介して親機10に伝送される。
【0033】
図4は、一実施形態に係る空港灯火システムの子局の構成の一例を示すブロック図である。
子局17は、処理ユニット60と、電力線ユニット61とを備える。図4に示されるように、子局17は、トランス16と灯火18との間に敷設される。電力線ユニット61は、トランス16の二次側に接続され、電力を灯火18に供給するとともに、電力波形を処理ユニット60の受信部62に入力する。灯火18の状態は信号取得部69で取得され、処理ユニット60の断芯制御部66に渡される。子局17の駆動電力は、電源取得部70により電力線15から取得される。航空機を検知する航空機検知センサ71が、トランス16の二次側に接続される。灯火側は短絡接続とする。
【0034】
処理ユニット60の受信部62は、トランス16の二次側の電力波形から、親局13から送信された変調信号を受信する。受信された変調信号は、PLD(Programmable Logic Device)63に入力される。PLD63は、変調信号を復調し、親局13から送信されたコードを再生する。再生されたコードはプロセッサ64に渡される。本実施形態におけるPLD63は、復調部である。
【0035】
プロセッサ64は、PLD63からのコードと、断芯制御部66からのデータ、および、センサインタフェース65を介して航空機検知センサ71からのデータ等を処理して、親局13への応答コードを生成する。応答コードはPLD63に入力される。PLD63は、実施形態の変調方式(デュアル変調方式)により、キャリア信号を応答コードで変調して応答信号を生成する。応答信号は、送信制御部67に渡される。
【0036】
送信制御部67は、電力線ユニット61の送信回路68を制御して、応答信号を電力線15に注入する。これにより、電力線15を介して応答信号が親局13に送信される。特に実施形態では、送信回路68は電源周期に同期してトランスの二次側を短絡/開放して過電圧を生じさせ、この過電圧により応答信号を送信する。
【0037】
送信回路68は、電源回路をスイッチの様にOPEN/CLOSEする事で、トランス16の二次側に過電圧を発生させる。この過電圧を信号として用いることで、10W以下の省電力での信号発生が可能となる。
【0038】
図5は、図3に示す親局のノイズキャンセル信号の注入パターンの一例について説明するための図である。
親局13が備えるプロセッサ53が生成した変調信号の子局17への注入周期は決まっている。このことから、変調信号の無い区間と変調信号の有る区間が存在することになる。
【0039】
親局13は、変調信号の無い区間(変調信号未注入区間)の周波数を取得し、当該周波数の逆位相を生成する。次に親局13は、変調信号未注入区間と周期が同一な変調信号の有る区間(変調信号注入区間)の周波数を特定する。親局13は、周期が同一な変調信号未注入区間と変調信号注入区間を比較し、比較結果からノイズ信号を取得する。
【0040】
親局13は、取得したノイズ信号の逆位相を生成し、上記変調信号注入区間に重畳する。当該ノイズ信号の逆位相信号をノイズキャンセリング信号とする。なお、親局13がノイズ信号を取得するタイミングは、例えば、気象監視システム5において異常気象を検出したタイミングなどでありうる。
【0041】
従って、本実施形態に係る空港灯火システム1は、トランス16の二次側と灯火18との間に設けられる子局17と、電力線15を介して子局17と通信する親局13と、を備え、親局13は、周波数シフト及び位相シフトの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、キャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する変調部と、変調信号を電力の電源周期に同期して電力線15に注入する注入部と、を備え、子局17は、トランス16の二次側の電力波形から変調信号を受信する受信部と、受信された変調信号を復調してコードを再生する復調部と、を備え、親局13は、変調信号未注入区間における周波数と当該変調信号未注入区間と周期が同一な変調信号注入区間における周波数を比較し、ノイズ信号の逆位相を変調信号注入区間に重畳する。
【0042】
図6は、一実施形態に係る空港灯火システムの気象監視システムの一構成例を示すブロック図である。
気象監視システム5は、気象監視装置72と、気象監視サーバ19と、を備えており、無線通信ネットワーク等を介してデータの送受信を行っている。
【0043】
気象監視装置72は、風向、風速、降水確率、温度、湿度及び視程等の気象情報を観測するための種々のセンサを備え、当該気象情報に時間と地点とを紐づけて記憶装置等に記憶する。気象監視装置72は、リアルタイムで気象情報を観測及び記憶し、ネットワークを介して所定の周期で気象監視サーバ19に気象情報を送信する。
【0044】
気象監視サーバ19は、気象データ管理手段20と、エンジニアリング手段21と、通信手段23と、機器監視手段24と、バス通信線25と、を備える。エンジニアリング手段は、気象監視手段22を含む。
気象データ管理手段20と、エンジニアリング手段21と、通信手段23と、機器監視手段24とは、バス通信線25を介してデータの送受信を行っている。
【0045】
通信手段23は、専用のネットワークを介して、気象監視装置から送信される気象情報データを受信する。通信手段23が受信した気象情報データは、気象データ管理手段20に記憶される。
【0046】
気象データ管理手段20は、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体である。気象データ管理手段20は、例えば、EEPROM(登録商標)(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などである。なお、気象データ管理手段20には、プラント情報、一般情報(名称、住所)、構成機器情報、設備配置情報及び制御監視情報が予め記憶されている。この情報は一例であり、気象データ管理手段20が予め記憶している情報は、設計者や使用者等が設定できるよう構成されている。
【0047】
エンジニアリング手段21は、CPU(Central Process Unit)、MPU(micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)などのプロセッサを少なくとも1つ含む。エンジニアリング手段21は、気象データ管理手段20に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、気象監視サーバ19の種々の機能を実現することが可能である。
【0048】
エンジニアリング手段21は、気象情報の編集、集計及び気象情報に基づいて気象傾向管理等を行う。エンジニアリング手段21に含まれる気象監視手段22は、気象データ管理手段20から気象情報を取得し、気象の異常検出を灯火電源システム6に通知し、当該灯火電源システムが変調信号を補正する。上記処理の詳細については後述する。
【0049】
図7は、一実施形態に係る空港灯火システムにおける気象監視処理の一例を示すフローチャートである。
図8は、一実施形態に係る空港灯火システムにおける気象異常登録処理の一例を示すフローチャートである。
図9は、一実施形態に係る空港灯火システムにおける警報アドバイス処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
以下、気象監視システム5により、気象異常を検出し、気象異常の傾向から再生可能エネルギー発電装置の動作を停止する手順の一例について説明する。なお、以下の動作の説明における処理の内容は一例であって、同様の効果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0051】
気象監視システム5は、例えば、気象監視装置72が備えるセンサを用いて気象情報を取得する。気象監視装置72は取得した気象情報を、ネットワークを介して気象監視サーバ19へ送信し、通信手段23が当該気象情報を受信する。
【0052】
気象監視サーバ19は、受信した気象情報を気象データ管理手段20で記憶する。ここから気象監視手段は、図7に示す異常監視処理を開始する。気象監視手段22は、当該気象情報と気象情報観測地情報を取得し、予め気象データ管理手段20に記憶されている正常な気象情報のパラメータデータと取得した気象情報のパラメータデータを比較する(ステップS1)。ステップS1の比較結果から、気象監視手段22は、気象の異常を検出すると(ステップS1、YES)、図8に示す気象異常登録処理に遷移する。なお、気象データ管理手段20が予め記憶するデータとして、異常気象情報のパラメータデータがあり、気象監視手段22は、当該異常気象情報のパラメータを比較する構成であってもよい。
【0053】
気象監視手段22は、気象異常登録処理を開始する。気象監視手段22は、気象の異常が新規発生警報であるかを判断する(ステップS12)。ここで警報とは、気象の異常を表す指標であり、例えば、降雨量が所定の閾値より多い場合や、風速が所定の閾値より早い場合、温度が所定の閾値より高い場合等がある。
【0054】
気象監視手段22は、新規発生警報であることを検出すると(ステップS12、YES)、警報の発生日時を取得する(ステップS13)。次に、気象監視手段22は、モニタ等の表示手段を用いて警報の詳細な情報を表示する(ステップS14)。
【0055】
気象監視手段22は、上記警報の発生回数をカウントし(ステップS15)、図9に示す警報アドバイス処理に遷移する。気象監視手段22は、警報アドバイス処理を開始する。気象監視手段22は、前日までの警報データ収集時刻を過ぎたか判定する(ステップS19)。収集時刻は、例えば、日付が変わった直後に設定されていてもいいし、その日の朝若しくは夜の任意の時間に設定されていてもよい。
【0056】
気象監視手段22は、前日までの警報データ収集時刻を過ぎたと判定すると(ステップS19、YES)、前日までの異常気象情報を警報ごとに収集する(ステップS20)。次に、気象監視手段22は、解析実施範囲における各警報発生データベースを作成する(ステップS21)。本実施形態における解析実施範囲は、例えば一週間前から前日までの範囲としている。解析実施範囲は、一か月前から若しくは一年前から等予め設定することができる。
【0057】
ステップS21で作成したデータベースは、例えば、一週間の間に異常気象と定義される警報が何回起こったかをデータベース化している。気象監視手段22は、当該データベースに基づいて算出される警報発生回数結果を予め設定されている判定基準と比較する(ステップS22)。
【0058】
気象監視手段22は、ステップS22での比較結果に基づいて傾向条件を満たすかを判定する(ステップS23)。傾向条件とは、例えば、一週間前から前日まで風速警報が一定回数異常発生していることを条件に設定され、風速警報が出やすい傾向にあることを示す指標になる。
【0059】
気象監視手段22は、比較結果に基づいて傾向条件を満たすと判定すると(ステップS23、YES)、傾向を登録し(ステップS24)、警報アドバイス処理を終了する。
【0060】
気象異常登録処理に戻る。気象監視手段22は、ノイズ信号取得周期を変更するように親局13に通知する(ステップS16)。ノイズ信号は、時々刻々と変化し、常に一定であることはないため、警報が出たタイミング等にノイズ信号取得周期を変更することでノイズキャンセリング機能を実現することが可能になる。
【0061】
次に、気象監視手段22は、親局13に送信タイミングの補正をするように通知する(ステップS17)。気象監視手段22は、警報発生時の気象情報を参照し、親局13の送信タイミングにズレが発生する可能性があることを通知する。これにより、親局13は、送信タイミングと位相のズレが発生した場合に補正を行うことができる。
上記ステップS16とステップS17との処理は、気象監視手段22ではなく機器監視手段24が行うように構成されていてもよい。
【0062】
気象監視手段22は、新規発生警報ではないことを検出すると(ステップS12、NO)、ステップS13からステップS17までの処理を行わず、気象監視処理を継続する(ステップS18)。
【0063】
気象監視処理に戻り、気象監視手段22は、気象の異常を検出し(ステップS1、YES)、気象異常登録処理を終了する若しくは気象監視手段22は、気象の異常を検出しない場合(ステップS1、NO)、S2の処理に遷移する。
【0064】
気象監視手段22は、気象監視装置72の各センサによる異常検出処理を開始する(ステップS2)。センサによる異常検出とは、気象の異常ではないが、例えば、気温の上昇や湿度の上昇等、センサにより検出される気象情報パラメータの一つが異常である場合をいう。
【0065】
気象監視手段22は、気象監視装置72の各センサによる異常を一つでも検出すると(ステップS3、YES)、異常を検出した気象情報パラメータの状況をモニタ等に表示する(ステップS8)。気象監視手段22は、気象情報パラメータに基づく警報発生をカウントする(ステップS9)。
【0066】
ステップS9の処理後、再度警報アドバイス処理を実行する。警報アドバイス処理の実行後、再び気象監視処理に戻る。気象監視手段22は、ノイズ信号取得周期を変更するように親局13に通知する(ステップS10)。その後、気象監視手段22は、親局13に送信タイミングの補正をするように通知する(ステップS11)。
【0067】
気象監視手段22は、気象監視装置72の各センサによる異常を一つも検出しなかった場合(ステップS3、NO)若しくはステップS11の処理から遷移した場合、モニタ等に異常の表示をする(ステップS4)。次に、気象監視手段22は、警報の詳細な情報を警報アドバイス処理で作成したデータベースに出力する(ステップS5)。
【0068】
気象監視手段22は、当日と一週間の異常気象や警報の発生を調査する(ステップS6)。気象監視手段22は、調査結果に基づいて算出された気象の傾向を、灯火監視装置2と、監視モニタ8と、灯火電源システム6と、機器監視手段24に出力する(ステップS7)。
【0069】
例えば、気象の傾向として風速が強い傾向にあることを気象監視手段22が出力し、当該気象の傾向に紐づく気象観測地周辺に風力発電装置26が設置されているとすると、機器監視手段24は、停止信号を生成し、風力発電装置26に出力する。
【0070】
従って、本実施形態に係る空港灯火システム1は、再生可能エネルギーにより蓄電池29を充電する充放電装置28と、センサを用いて気象情報を取得する気象監視装置72と、気象観測地情報と前記気象情報とを紐づけて記憶する気象データ管理手段20と、気象情報から気象異常を検出する気象監視手段22と、気象異常が所定の条件を満たすときに、異常が検出された気象情報に対応する気象観測地情報に基づいて、再生可能エネルギー発電装置の停止信号を生成する機器監視手段24と、を備える
【0071】
また、本実施形態に係る空港灯火システム1は、トランス16の二次側と灯火18との間に設けられる子局17と、電力線15を介して子局17と通信する親局13と、を備え、親局13は、周波数シフト及び位相シフトの組み合わせでシンボルを表す変調方式により、キャリア信号を複数ビットのコードで変調して変調信号を生成する変調部と、変調信号を電力の電源周期に同期して電力線15に注入する注入部と、を備え、子局17は、トランス16の二次側の電力波形から変調信号を受信する受信部と、受信された変調信号を復調してコードを再生する復調部と、を備え、親局13は、気象監視システム5から取得された気象情報に応じて、変調信号を補正する。
【0072】
図10は、一実施形態に係る空港灯火システムの灯火電源システムの構成の一例を示すブロック図である。
灯火電源システム6は、UPS電源41と、切り換え装置30と、商用電源31と、スマートメータ32と、高圧受電設備33と、分電盤34と、コントローラ35と、発電機38と、定電圧定周波数装置(CVCF)39と、電力線40と、を備えている。
【0073】
なお、図2に示す灯火監視装置2は、灯火電源システム6に含まれていてもよい。風力発電装置26と、太陽光発電装置27と、充放電装置28と、蓄電池29と、切り換え装置30と、商用電源31と、スマートメータ32と、高圧受電設備33と、分電盤34と、コントローラ35と、発電機38と、定電圧定周波数装置39とは、電力線40を介してデータの送受信を行っている。
【0074】
灯火電源システム6は、例えば風力発電装置26と太陽光発電装置27とに接続されている。
【0075】
例えば、風力発電装置26は、空港が山麓にある場合、当該山麓の稜線に沿って設置され、空港が埋立地に設定された場合には、洋上に設置される。
太陽光発電装置27は、空港の設置場所に関わらず、例えば、南側斜面や遊休スペース等に設置される。
【0076】
なお、灯火電源システム6は、再生可能エネルギーによる発電装置に接続されていればよい。風力発電装置26と太陽光発電装置27以外であっても、波力、潮力、潮汐、地熱などのエネルギーを利用した発電装置と接続されてもよい。
【0077】
風力発電装置26及び太陽光発電装置27が発電した電力は充放電装置28を介して蓄電池29に充電される。UPS電源41は、充放電装置28と少なくとも一つの蓄電池29を含む。図10では、風力発電装置26、太陽光発電装置27、充放電装置28及び蓄電池29が、それぞれ一つずつある構成になっているが、風力発電装置26、太陽光発電装置27、充放電装置28及び蓄電池29の数は複数存在していてもよい。
【0078】
風力発電装置26及び太陽光発電装置27が発電した電力の余剰分は、一般送電事業者に売電する。売電する際には、一般送電事業者との取り合いを行うものとし、電力給電指令所から、出力制御情報送受信装置に対して売電の許可が出ている場合に開閉器を通して、電力を供給する。
【0079】
なお、風力発電装置26及び太陽光発電装置27が発電した電力は、コントローラ35の制御により直接定電流電源装置11に供給することも可能である。
【0080】
蓄電池29は、充放電装置28を介して充電をする。蓄電池29の残容量は、電流計等によって測定され、容量監視部36によって管理されている。
【0081】
また、灯火18に供給する電力は運行計画装置3、画像解析装置4及び気象監視システムが出力する情報に基づいて予め算出されていることから、蓄電池29は、充電終了後から給電開始前までに電源計画部37からの計画に従って、給電時間を決定する。
【0082】
切り換え装置30は、蓄電池の残容量に応じて、灯火18に供給する電力の供給元を蓄電池29から商用電源31に切り換える。切り換え装置30が、蓄電池29から供給される電力から、商用電源31から供給される電力に切り換えるトリガーは、例えば、蓄電池29の残容量が所定の閾値以下になったときである。当該処理の詳細な説明は後述する。
【0083】
切り換え装置30は、例えば、風力発電装置26及び太陽光発電装置27から直接灯火に電力を供給するように切り換えることもできる。
【0084】
商用電源31は、一般送電事業者からの電力をスマートメータ32、高圧受電設備33及び分電盤34を介して切り換え装置30に送電する。また、商用電源31は、切り換え装置30を介さずに直接灯火18に電力を供給することもできる。
【0085】
コントローラ35は、CPU(Central Process Unit)、MPU(micro processing unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)などのプロセッサを少なくとも1つ含む。コントローラ35は、蓄電池29の状態を監視し、蓄電池29の状態に応じて切り換え装置30を制御する。
コントローラ35は、容量監視部36と、電源計画部37と、を備える。
【0086】
容量監視部36は、蓄電池29の残容量を監視する。容量監視部36は、蓄電池29の残容量が所定の閾値以下となったときに、切り換え装置30の出力電力を、蓄電池29の放電電力から商用電源から供給される電力に切り換える。所定の閾値は、灯火電源システム6の設計者若しくは使用者等により予め定められている。
【0087】
電源計画部37は、蓄電池29の充電終了後に当該蓄電池29の残容量を取得する。電源計画部37は、蓄電池29の残容量と、運行計画装置3及び画像解析装置4が出力した情報と、気象監視システム5が出力した情報とに基づいて、灯火18への電力給電可能時間を算出する。電源計画部37は、灯火18への電力供給を開始してから算出した給電可能時間経過後に切り換え装置30の出力を商用電源から供給される電力に切り換える。
【0088】
定電圧定周波数装置39は、負荷変動や電源品質の変動による瞬間的な電圧や周波数変動に対し、定電流電源装置11に定電圧定周波数の電源を供給する。定電圧定周波数装置39は、風力発電装置26、太陽光発電装置27、蓄電池29、商用電源31若しくは発電機38の電圧や周波数と同期せず、常に一定電圧と一定周波数の電源を供給する。
【0089】
従って、本実施形態に係る空港灯火システム1は、蓄電池29と、蓄電池29の残容量に応じて、出力電力を、蓄電池29の放電電力と、商用電源31から供給される電力とで切り換える切り換え装置30と、灯火18の点灯開始時における切り換え装置30の出力電力を蓄電池29の放電電力とし、蓄電池29の残容量に応じて切り換え装置30を切り換えるコントローラ35と、切り換え装置30から出力された電力により給電される電力線15に一次側を接続され、二次側から取り出される電力を灯火18に供給する複数のトランス16と、を備える。
【0090】
次に、灯火電源システム6の切り換え装置30が電力の供給元を蓄電池29から商用電源31に切り換える処理の説明をする。
【0091】
図11は、一実施形態に係る切り換え装置30の切り換え処理の一例を示す図である。
切り換え装置30は、運用切り換え部42と、個別運用切り換え部46とを備えている。運用切り換え部42は、第1入力端子43と、第2入力端子44と、第1出力端子45とを含む。個別運用切り換え部46は、第3入力端子47と、第4入力端子48と、第2出力端子49とを含む。
【0092】
切り換え装置30の運用切り換え部42は、第1入力端子43と商用電源31とが(分電盤を介して)接続されており、商用電源31から電力線を通して電力が送電される。また、切り換え装置30の運用切り換え部42は、第2入力端子44とUPS電源41とが接続されており、UPS電源41から電力線を通して電力が送電される。UPS電源41は例えば一又は複数の蓄電池29と充放電装置28と、を備えている。
【0093】
複数の個別運用切り換え部46の各々において、第3入力端子47には第1出力端子45の出力電力が供給され、第4入力端子48にはUPS電源41の出力電力が供給される。第2出力端子49は、(定電圧定周波数装置(CVCF)39を介して)複数のトランス16の一次側に接続された電力線15の各々に電力を供給する。なお、第2出力端子49は、複数の電力線15へ電力を供給するように構成されてもよい。
【0094】
灯火18の電力供給開始までに、運用切り換え部42は、第2入力端子44と第1出力端子45を接続する。また、個別運用切り換え部46は、第3入力端子47と第2出力端子49を接続する。この状態で、UPS電源41の放電電力が、複数の灯火18に供給される。
【0095】
容量監視部36は、UPS電源41に含まれる蓄電池29の残容量を監視し、当該残容量が所定の閾値(以下第1閾値とする)以下となったことを検出すると、第2入力端子44の接続を解除し、第1入力端子43と第1出力端子45を接続するよう運用切り換え部42を制御する。このことから、運用切り換え部42は、商用電源31から電力が送電される状態となる。
【0096】
容量監視部36は、蓄電池29の残容量が第1閾値以下となったことを検出すると、少なくとも一つの個別運用切り換え部46を除いて、第3入力端子47の接続を解除し、第4入力端子48と第2出力端子49を接続するよう複数の個別運用切り換え部を制御する。これにより、少なくとも一つの個別運用切り換え部46が商用電源31から電力を送電される状態となり、残りの個別運用切り換え部46が引き続きUPS電源41から電力を送電される状態となる。
【0097】
次に、容量監視部36は、蓄電池29の残容量が第1閾値よりも小さい第2閾値となったことを検出すると、蓄電池29から電力を送電されている個別運用切り換え部46の少なくとも一つの個別運用切り換え部46において、第4入力端子48の接続を解除し、第3入力端子47と第2出力端子49を接続するよう制御する。
【0098】
閾値の数は、上記に限定されず、例えば、灯火18の個数(電力線15により電力が供給されるグループ数)、つまり個別運用切り換え部46の数に応じて設定されていてもよい。なお、個別運用切り換え部46が切り換えを行う順序(優先順位)は、閾値に紐づいて制御が行われる個別運用切り換え部46に接続されている灯火18の優先度に応じて設定されている。例えば、灯火18として、標準式進入灯と、進入側列灯と、滑走路中心線灯と、があるとすると、滑走路中心灯と第1閾値を紐づけ、最も早く蓄電池29による電力供給から、商用電源31からの電力供給に切り換える。次に標準式進入灯と第2閾値を紐づけ、電力供給元を切り換える。
【0099】
なお、上記複数の灯火18の優先度は、灯火電源システム6の設計者若しくは使用者等によって予め決定されているものとする。また、優先度の設定は適宜変更可能とする。
【0100】
また、個別運用切り換え部46は、直接灯火18に接続されているわけではなく、複数のトランス16の一次側に接続された電力線15の各々に電力を供給し、複数のトランス16の一次側と対になる複数のトランス16の二次側と接続された複数の灯火18に電力が供給される構成であってもよい。
【0101】
容量監視部36は、蓄電池29の使用可能な残容量が0又は0に近い数値(以下最終閾値とする)となったことを検出すると、第4入力端子と第2出力端子が接続されているすべての個別運用切り換え部46を第3入力端子と第2出力端子が接続されるように切り換える。これにより、灯火18の電力供給元は、すべて商用電源31になる。
【0102】
電源計画部37は、蓄電池29の充電終了後に当該蓄電池29の残容量を取得する。電源計画部37は、例えば、蓄電池29の残容量と、運行計画装置3及び画像解析装置4が出力した情報と、気象監視システム5が出力した情報とに基づいて、灯火18への電力給電可能時間を算出する。電源計画部37は、例えば、運行計画装置3及び画像解析装置4が出力した情報と、気象監視システム5から取得した気象情報とに基づいて、灯火18の点灯開始時刻と点灯終了時刻とを設定する。また電源計画部37は、蓄電池29の残容量から蓄電池29の電力給電可能時間を算出する。電源計画部37は、灯火18の点灯開始時刻から蓄電池29の電力供給可能時間が経過した時刻において、灯火18への電力供給源が商用電源に切り替わるように、切り換え装置30の切り換え時刻を設定する。
【0103】
灯火18の電力供給開始直前に、運用切り換え部42は、第2入力端子44と第1出力端子45を接続する。また、個別運用切り換え部46は、第3入力端子47と第2出力端子49を接続する。この状態で、UPS電源41は、複数の灯火18に電力を供給する。
【0104】
電源計画部37は、電力給電可能時間を参照し、所定の時間(以下第1時刻とする)が経過したことを検出すると、第2入力端子44の接続を解除し、第1入力端子43と第1出力端子45を接続するよう運用切り換え部42を制御する。このことから、運用切り換え部42は、商用電源31から電力が送電される状態となる。
【0105】
電源計画部37は、蓄電池29の残容量が第1時刻以下となったことを検出すると、少なくとも一つの個別運用切り換え部46を除いて、第3入力端子47の接続を解除し、第4入力端子48と第2出力端子49を接続するよう複数の個別運用切り換え部を制御する。これにより、少なくとも一つの個別運用切り換え部46が商用電源31から電力を送電される状態となり、残りの個別運用切り換え部46が引き続きUPS電源41から電力を送電される状態となる。
【0106】
次に、電源計画部37は、電力給電可能時間における第1時刻よりも時間が経過し、所定の時間(以下第2時刻とする)となったことを検出すると、蓄電池29から電力を送電されている個別運用切り換え部46の少なくとも一つの個別運用切り換え部46において、第4入力端子48の接続を解除し、第3入力端子47と第2出力端子49を接続するよう制御する。
【0107】
電源計画部37が個別運用切り換え部46を制御する時刻の数は、上記に限定されず、例えば、個別運用切り換え部46の数に応じて設定されていてもよい。なお、個別運用切り換え部46が切り換えを行う順序は、個々の個別運用切り換え部46から給電される灯火18のグループごとに、予め設定された優先度に応じて設定されている。例えば、優先度の高い灯火18のグループは、他のグループよりも先に、UPS電源41から商用電源に電源が切り替えられる。
【0108】
電源計画部37は、電力給電可能時間において最後の切り換えを行うタイミング(以下最終時刻とする)になったことを検出すると、第4入力端子と第2出力端子が接続されているすべての個別運用切り換え部46を第3入力端子と第2出力端子が接続されるように切り換える。これにより、灯火18の電力供給元は、すべて商用電源31になる。
【0109】
上記容量監視部36における処理と電源計画部37における処理は、適宜灯火電源システム6の使用者が選択的に実行するものであり、並列処理は基本的に行われないものとする。しかし、例えば、電源計画部37にて算出された電力給電可能時間における蓄電池29の残容量が想定と乖離した場合、容量監視部36に処理を変更し、蓄電池29の残容量に応じて蓄電池29からの電力供給を商用電源31の電力供給に切り換えるよう構成されていてもよい。
【0110】
上記のように、切り換え装置30は、商用電源31から電力が供給される第1入力端子43と、蓄電池29から電力が供給される第2入力端子44と、第1出力端子45と、を備えた運用切り換え部42と、第1出力端子45の出力電力が供給される第3入力端子47と、蓄電池29から電力が供給される第4入力端子48と、複数のトランス16の一次側に接続された電力線15の各々(若しくは一部)に電力を供給する第2出力端子49と、を備える。
【0111】
コントローラ35は、蓄電池の残容量を監視する容量監視部36を備え、容量監視部36は、蓄電池29の残容量が所定の閾値以下となったときに、切り換え装置30の出力を商用電源31から供給される電力に切り換える。
【0112】
また、コントローラ35は、再生可能エネルギーにより蓄電池29を充電する充放電装置28と、外部から供給される気象情報に基づいて、蓄電池29の給電可能時間を算出する電源計画部37と、を備え、電源計画部37は、灯火18への電力供給を開始してから給電可能時間が経過したときに、切り換え装置30の出力を商用電源31から供給される電力に切り換える。
【0113】
なお、コントローラ35は、容量監視部36と、電源計画部37との両方を備える必要はなく、容量監視部36と電源計画部37との少なくとも一方を備えていればよい。
【0114】
図12は、図10に示す切り換え装置の動作の一例を説明するためのタイムチャートである。
図12において、灯火運用開始タイミングをT1とし、その後の任意のタイミングを時系列に沿ってT2、T3、T4、T5、T6、T7とする。上記タイミング間に行われる処理は一例であり、商用電源31と、蓄電池29と、コントローラ35の動作を限定するものではない。
【0115】
灯火運用開始時点T1では、切り換え装置30の運用切り換え部42は、第2入力端子44と第1出力端子45とが接続された状態であり、複数の個別運用切り換え部46の全ては、第3入力端子47と第2出力端子49とが接続された状態である。したがって、商用電源31は、灯火運用開始時点T1では、商用電源31から灯火18への電力供給を行なわず、タイミングT2まで電力供給停止状態を維持する。蓄電池29は、灯火運用開始時点T1で、充放電装置28を介して放電電力を空港灯火システム1に含まれる全ての灯火18に出力する。
【0116】
タイミングT2において、コントローラ35の容量監視部36は、蓄電池29の残容量が所定の閾値C1以下であることを検知する。このとき、コントローラ35は、商用電源31から電力線15の一部に電力が供給されるように切り換え装置30を制御する。つまり、コントローラ35は、切り換え装置30の運用切り換え部42を第1入力端子43と第1出力端子45とが接続された状態とし、複数の個別運用切り換え部46の一部を、第4入力端子48と第2出力端子49とが接続された状態とする。
【0117】
したがって、タイミングT2からタイミングT3までの間、商用電源31は、一部の電力線15を介して灯火18に電力を供給し、蓄電池29は、電力線15を介して、商用電源31が電力を供給する灯火18を除く残りの灯火18に放電電力を出力する。
【0118】
タイミングT3において、コントローラ35の容量監視部36は、蓄電池29の残容量がさらに低下し、所定の閾値C2(<C1)以下であることを検知する。このとき、コントローラ35は、商用電源31から電力が供給される電力線15の数を更に増やすように切り換え装置30を制御する。つまり、コントローラ35は、切り換え装置30の運用切り換え部42を第1入力端子43と第1出力端子45とが接続された状態とし、第3入力端子47と第2出力端子49とが接続されている複数の個別運用切り換え部46の一部を、第4入力端子48と第2出力端子49とが接続された状態とする。
【0119】
したがって、タイミングT3からタイミングT4までの間、商用電源31は、タイミングT2からタイミングT3までの間に電力を供給した電力線15を少なくとも上回る数の電力線15を介して灯火18に電力を供給する。蓄電池29は、電力線15を介して、タイミングT3から商用電源31が電力を供給する灯火18を除く残りの灯火18に放電電力を出力する。
【0120】
タイミングT4からタイミングT5まで間の処理は、タイミングT3からタイミングT4間の処理と同様であり、商用電源31が電力線15を介して灯火18へ供給する電力が増え、蓄電池29が電力線15を介して灯火18へ出力する放電電力が減少する。
【0121】
タイミングT6において、コントローラ35の容量監視部36は、蓄電池29の残容量がさらに低下し、所定の閾値C3(<C2)以下であることを検知する。このとき、コントローラ35は、商用電源31から全ての電力線15に電力が供給されるように切り換え装置30を制御する。つまり、コントローラ35は、切り換え装置30の運用切り換え部42を第1入力端子43と第1出力端子45とが接続された状態とし、複数の個別運用切り換え部46の全てを、第3入力端子47と第2出力端子49とが接続された状態とする。
【0122】
したがって、タイミングT5からタイミングT6までの間、商用電源31は、すべての電力線15を介して灯火18に電力を供給する。一方で蓄電池29が出力する放電電力は0になり、放電を停止する。
【0123】
タイミングT6からタイミングT7までの間、コントローラ35は、切り換え装置30により、商用電源31から継続して灯火18に電力を供給する。コントローラ35は、充放電装置を制御して、タイミングT6から再生可能エネルギー発電装置等による蓄電池29の充電処理を開始する。なお、蓄電池29は、充電処理中に放電電力を灯火18に出力することは原則としてないが、例えば、商用電源31からの電力供給が断たれた場合等に充電処理と並行して放電電力を出力することもある。
なお、タイミングT7以降の処理は、タイミングT1以降と同様の処理を繰り返す。
【0124】
上記のように、本実施形態の空港灯火システム1によれば、灯火電源システム6において、灯火18の電源を蓄電池29と商用電源31とで切り換え可能である。灯火電源システム6は、蓄電池29の残容量が低下したときに商用電源31から灯火18へ電源供給を行うように切り換え、再度蓄電池29を充電することで、蓄電池29を含むUPS電源41を空港灯火システム1のメインの電力供給源にすることができる。
【0125】
また、蓄電池29の充電方法として再生可能エネルギーを用いることで、商用電源の利用を抑制し、運用コストを削減することが可能になる。また、蓄電池29のバッテリー残容量を監視し、若しくは予め給電可能時間を算出することにより優先度の高い灯火18から段階的に商用電源31に切り換える構成をとることが可能になり、蓄電池29の残容量が低下した場合であっても優先度の高い灯火18への電力供給を維持させることができる。
【0126】
また、本実施形態の空港灯火システム1によれば、気象監視システム5から出力される気象情報やその他の情報を灯火監視装置2、灯火電源システム6等が取得することで、気象情報等に応じて親局13が送信する変調信号の送信タイミングを補正し、変調信号のノイズを低減することができる。また、空港灯火システム1は、ノイズ信号の逆位相を重畳することで、ノイズキャンセリング機能を実現する。このことにより、空港灯火システム1の信頼性を担保することができる。
【0127】
上記のように、本実施形態の空港灯火システム、電源切り換え方法及びプログラムによれば、灯火の点灯に関する運用コストを低く抑えることができる。
【0128】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0129】
1…空港灯火システム
2…灯火監視装置
3…運行計画装置
4…画像解析装置
5…気象監視システム
6…灯火電源システム
7…LAN
8…監視モニタ
9…LAN
10…親機
11…定電流電源装置
12…安定化装置
13…親局
14…バイパスフィルタ装置
15…電力線
16…トランス
17…子局
18…灯火
19…気象監視サーバ
20…気象データ管理手段
21…エンジニアリング手段
22…気象監視手段
23…通信手段
24…機器監視手段
25…バス通信線
26…風力発電装置
27…太陽光発電装置
28…充放電装置
29…蓄電池
30…切り換え装置
31…商用電源
32…スマートメータ
33…高圧受電設備
34…分電盤
35…コントローラ
36…容量監視部
37…電源計画部
38…発電機
39…定電圧定周波数装置
40…電力線
41…UPS電源
42…運用切り換え部
43…第1入力端子
44…第2入力端子
45…第1出力端子
46…個別運用切り換え部
47…第3入力端子
48…第4入力端子
49…第2出力端子
50…信号処理部
51…モデム部
52…モデム部
53…プロセッサ
54…インタフェース部
55…波形整形部
56…増幅部
57…信号注入部
58…電源波形取得部
59…インタフェース部
60…処理ユニット
61…電力線ユニット
62…受信部
63…PLD
64…プロセッサ
65…センサインタフェース
66…断芯制御部
67…送信制御部
68…送信回路
69…信号取得部
70…電源取得部
71…航空機検知センサ
72…気象監視装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12