(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042236
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】可溶化剤および可溶化溶液
(51)【国際特許分類】
A61K 47/40 20060101AFI20240321BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/405 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/4704 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/4709 20060101ALI20240321BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20240321BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240321BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240321BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240321BHJP
A61P 37/08 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
A61K47/40
A61K9/08
A61K31/405
A61K31/4704
A61K31/4709
A61K31/196
A61P29/00
A61P1/04
A61P9/10
A61P37/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146818
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000125347
【氏名又は名称】学校法人近畿大学
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(72)【発明者】
【氏名】長井 紀章
(72)【発明者】
【氏名】山口 瑞季
(72)【発明者】
【氏名】松田 将
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】小林 滉
(72)【発明者】
【氏名】古波津 春希
(72)【発明者】
【氏名】原田 英治
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076EE39E
4C076FF15
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC15
4C086BC28
4C086BC62
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA17
4C086NA02
4C086ZA36
4C086ZA68
4C086ZB11
4C206AA01
4C206AA02
4C206GA07
4C206GA33
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA05
4C206MA37
4C206NA02
4C206ZB13
(57)【要約】
【課題】難水溶性物質を、水または水溶液に溶解させることができる可溶化剤および該剤を含有する可溶化溶液を提供することである。
【解決手段】、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)とカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)を含有する共重合体が難水溶性物質可溶化剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)とカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)を含有し、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)のモル比n及びカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)のモル比mがn/(n+m)=0.50~0.90かつm/(n+m)=0.10~0.50である共重合体を含む、難水溶性物質用可溶化剤。
【化1】
(式(A)中、xは1~3の整数、kは6~8の整数を示す。)
【化2】
【請求項2】
前記難水溶性物質がインドメタシン、レバミピド、シロスタゾール及びトラニラストからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の可溶化剤。
【請求項3】
請求項1または2に記載の可溶化剤並びに水若しくは水溶液を含む、難水溶性物質用可溶化溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、難水溶性物質のための可溶化剤および可溶化溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
難水溶性物質の水に対する溶解性を向上させることは、洗剤や塗料、化粧品、医薬品等の分野において重要な課題である。従来、これらの難水溶性物質の水への溶解性を向上させる方法の一つとして、シクロデキストリンを用いた方法が知られている。
シクロデキストリンは、α-D-グルコース単位から構成される環状化合物であり、疎水性物質を分子内に取り込み包摂化合物を形成する。シクロデキストリンは、このような包接作用を利用して難水溶性物質を包摂することで可溶化することが知られているが、水や有機溶媒への溶解性が低く、十分にその可溶化能を発揮できない場合がある。そのため、各種化学修飾法により置換基を導入することで溶解性を改善したヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンやメチル-β-シクロデキストリンのような様々なシクロデキストリン誘導体が合成され、可溶化剤として使用されている(特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-63965
【特許文献2】特許第4028009号
【特許文献3】特許第6625206号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シクロデキストリン誘導体を用いた難水溶性物質を可溶化した製剤の開発が行われているが、難水溶性物質のさらなる可溶化を可能とする可溶化剤を開発する余地があった。
そこで、本発明の課題は、難水溶性物質を、水または水溶液に溶解させることができる可溶化剤および該剤を含有する可溶化溶液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)とカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)を含有する共重合体が難水溶性物質可溶化剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)とカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)を含有し、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)のモル比n及びカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)のモル比mがn/(n+m)=0.50~0.90かつm/(n+m)=0.10~0.50であり、数平均分子量が5,000~500,000である共重合体を含む、難水溶性物質用可溶化剤。
【化1】
(式(A)中、xは1~3の整数、kは6~8の整数を示す。)
【化2】
〔2〕前記難水溶性物質がインドメタシン、レバミピド、シロスタゾール及びトラニラストからなる群から選ばれる少なくとも一つである前記〔1〕に記載の可溶化剤。
〔3〕〕前記〔1〕または〔2〕に記載の可溶化剤並びに水若しくは水溶液を含む、難水溶性物質用可溶化溶液。
【発明の効果】
【0007】
本発明の可溶化剤は、難水溶性物質の水または水溶液への溶解性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、好ましい数値範囲(例えば、濃度や重量・数平均分子量の範囲)を段階的に記載した場合、各下限値および上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは90以下」という記載において、「好ましい下限値:10」と「より好ましい上限値:90」とを組み合わせて、「10以上90以下」とすることができる。また、例えば、「好ましくは10~100、より好ましくは20~90」という記載においても、同様に「10~90」とすることができる。
【0009】
「難水溶性物質」
本発明において「難水溶性物質」とは、その水溶性が、第十七改正日本薬局方に記載される「やや溶けにくい」、「溶けにくい」、「極めて溶けにくい」、「ほとんど溶けない」のいずれかに当てはまる物質を意味する。なお、第十七改正日本薬局方での上記水溶性は、次の基準により判定される。
対象物が固形の場合は粉末とした後、水中に入れ、20±5℃で5分ごとに強く30秒間振り混ぜて、30分以内に溶ける度合いを検討し、対象物1gまたは1mLを溶かすのに要する水の量が30mL以上100mL未満のものを「やや溶けにくい」、100mL以上1,000mL未満のものを「溶けにくい」、1,000mL以上10,000mL未満のものを「極めて溶けにくい」、10,000mL以上のものを「ほとんど溶けない」と判定する。
本発明の「難水溶性物質」は、以下の実施例で示されるシロスタゾール、トラニラスト、インドメタシン、レバミピドに加えて、ケトプロフェン、デキサメタゾン、フルオロメトロン、イブプロフェン、ニルバジピン、イルベサルタンなどを例示することができる。
【0010】
「難水溶性物質用可溶化剤」
本発明の「難水溶性物質用可溶化剤」とは、以下で説明する、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)とカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)を含有する共重合体(P)を含み、難水溶性物質を水または水溶液(例えば、緩衝液、点眼液、外用液、点鼻液、注射液等)に溶解させるために用いられる剤を意味する。
本発明の難水溶性物質用可溶化剤中の共重合体(P)の含有量は、可溶化剤全体に対して、好ましくは50~100質量%である。本発明の可溶化剤は、より好ましくは共重合体(P)からなる。
本発明の難水溶性物質用可溶化剤は、難水溶性物質の溶解度を増加させるために使用される添加剤として使用可能である。具体的には、本発明の可溶化剤は、点眼剤、外用剤、注射剤、経口剤などに難水溶性物質を溶解させる用途で使用することができる。
さらに、本発明の難水溶性物質用可溶化剤は、水に溶解しにくい化合物や薬物を溶解するために添加される他の可溶化剤及び各種界面活性剤等を含んでも良い。
本発明の難水溶性物質用可溶化剤を用いて難水溶性物質を溶解させる方法としては、例えば、本発明の難水溶性物質用可溶化剤並びに水若しくは水溶液を混合して、以下で説明する難水溶性物質用可溶化溶液を調製する。難水溶性物質自体または難水溶性物質を含む混合物を難水溶性物質用可溶化溶液に加えて、攪拌する方法等が挙げられる。
【0011】
「難水溶性物質用可溶化溶液」
本発明の「難水溶性物質用可溶化溶液」とは、本発明の難水溶性物質用可溶化剤並びに水若しくは水溶液を含み、難水溶性物質を溶解させるために用いられる溶液を意味する。
さらに、本発明の難水溶性物質用可溶化剤は、共重合体(P)並びに水若しくは水溶液以外の成分、例えば、ビタミン類、アミノ酸類、糖類、界面活性剤、多価アルコール、清涼化剤、金属封鎖剤、無機塩、有機酸の塩、酸、塩基、酸化防止剤、安定化剤、防腐剤を含んでも良い。
水は、例えば、精製水、純水、イオン交換水等を例示することができる。
水溶液は、例えば、緩衝液(リン酸緩衝液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、HEPES緩衝液等を例示することができる。
ビタミン類として、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、シアノコバラミン、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、パンテノール、パントテン酸ナトリウム、及びパントテン酸カルシウム等を例示することができる。
アミノ酸類として、アスパラギン酸及びその塩、アミノエチルスルホン酸等を例示することができる。
糖類として、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等を例示することができる。
界面活性剤として、高級脂肪酸またはその塩、アルキル硫酸またはその塩、アルキルスルホン酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸またはその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、糖エステル、糖エーテル、糖アミド、イミダゾリン、ベタイン等を例示することができる。
多価アルコールとして、プロピレングリコール、グリセリン、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロース等を例示することができる。
清涼化剤として、メントール、カンフル等を例示することができる。
金属封鎖剤として、エチレンジアミン四酢酸、クエン酸、エチドロン酸等を例示することができる。
無機塩として、ホウ砂、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウム等を例示することができる。
有機酸の塩として、クエン酸ナトリウム等を例示することができる。
酸として、ホウ酸、リン酸、硫酸、酢酸、塩酸等を例示することができる。
塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トロメタモール、モノエタノールアミン等を例示することができる。
酸化防止剤として、酢酸トコフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン等を例示することができる。
安定化剤として、エデト酸ナトリウム、グリシン等を例示することができる。
防腐剤として、塩化ベンザルコニウム、クロルヘキシジングルコン酸塩、ソルビン酸カリウム、塩酸ポリヘキサニド等を例示することができる。
本発明の難水溶性物質用可溶化溶液中の共重合体(P)の含有量は、可溶化性能の観点から、可溶化溶液全体に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。本発明の共重合体(P)の含有量の上限は、本発明の共重合体が可溶化溶液に溶解する限りとくに制限はない。本発明の難水溶性物質用可溶化溶液中の共重合体(P)の含有量は、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
【0012】
「本発明の共重合体」
本発明の可溶化剤に用いられる(含まれる)共重合体(P)は、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)とカチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)を構成単位とし、数平均分子量が5,000~500,000である共重合体である。
【0013】
〔シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)〕
本発明で用いられる共重合体(P)は、下記一般式(A)で表される構成単位、すなわち、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(以下、「CD構成単位」ともいう)を含む。共重合体(P)がCD構成単位を有することにより、共重合体(P)にシクロデキストリンの包摂能に由来する可溶化能が付与され、難水溶性物質を可溶化することができる。
【0014】
【0015】
上記式(A)中、xは1~3の整数、kは6~8の整数を示す。
CD構成単位は、例えば、下記式(A’、x:1、k:7)で表される単量体であるモノ-6-デオキシ-6-(2-メタクリロイロキシエチルコハク酸アミド)-β-シクロデキストリンから得ることができる。
【0016】
【0017】
式(A)中のxの値は、1~3の整数である。xの値は、1又は2であることが好ましく、1であることが更に好ましい。一方、xの値が3よりも大きくなると、共重合体水溶液の粘度が高くなるため取扱いが困難となるか、あるいは水に不溶の共重合体となるおそれがある。
xの値が1の場合、式(A)中のkの値は、6~8の整数であり、α-D-グルコース単位の数を表す。式(A)において、k=6の場合、α-シクロデキストリン(以下、α-CDと記す場合もある。)が構成され、k=7の場合、β-シクロデキストリン(以下、β-CDと記す場合もある。)が構成され、k=8の場合、γ-シクロデキストリン(以下、γ-CDと記す場合もある。)が構成される。各シクロデキストリン(α-CD、β-CD,γ-CD)は、各々単独で使用してもよく、混合して使用してもよい。また、入手性の観点からは、k=6であるα-CD又はk=7であるβ-CDの使用が好ましく、k=7であるβ-CDの使用が更に好ましい。
【0018】
共重合体(P)中のCD構成単位の含有量は、難水溶性物質の可溶化能を発現する観点から、例えば、50mol%以上、好ましくは55mol%以上、より好ましくは60mol以上であり、そして、90mol%以下、好ましくは85mol%以下、より好ましくは80mol%以下である。
【0019】
〔カチオン性基含有単量体に基づく構成単位〕
本発明で用いられる共重合体(P)は、下記一般式(B)で表される構成単位、すなわち、カチオン性基含有単量体に基づく構成単位(以下、「カチオン構成単位」ともいう。)を有する。共重合体(P)がカチオン構成単位を有することにより、難水溶性物質の可溶能を向上させることができる。
【0020】
【0021】
カチオン構成単位は、下記式(B’)で表される単量体であるN、N、N-トリメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)-アンモニウムクロライドから得ることができる。
【0022】
【0023】
本発明の共重合体に含まれる単量体のモル比率をそれぞれn、mで表すと、nおよびmの比は、任意に調整可能であるが、n/(n+m)=0.50~0.90、好ましくは0.55~0.85、より好ましくは0.60~0.80、m/(n+m)=0.10~0.50、好ましくは0.15~0.45、より好ましくは0.20~0.40を満たすものである。
一方、当該比が小さすぎる場合もまた、難水溶性物質の可溶化が不十分となるおそれがある。
共重合体(P)の分子量は、通常、数平均分子量が5,000~500,000であり、好ましくは10,000以上、より好ましくは20,000以上であり、そして、好ましくは400,000以下、より好ましくは300,000以下、さらに好ましくは100,000以下である。
共重合体(P)の数平均分子量が5,000未満の場合、精製が困難となる場合がある。共重合体(P)の数平均分子量が500,000を超える場合は、粘度が増大して取り扱いが困難となる恐れがある。
【0024】
「その他の構成単位」
本発明の共重合体は、難水溶性物質の可溶化能に悪影響を与えない範囲で、シクロデキストリン基含有単量体に基づく構成単位(A)、カチオン性基含有単量体に基づく構成単位(B)以外のその他の構成単位を含有させることができる。
その他の構成単位として、以下を例示することができる。
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等の各種(メタ)アクリル酸エステル
イソブチルビニルエーテル等の各種ビニルエーテル
アクリルアミド、N,N’-ジメチルアクリルアミド等の各種アクリルアミド
アクリロニトリル、酢酸ビニル、N-ビニルピロリドン、スチレン、塩化ビニル、イタコン酸、イタコン酸エステル、フマル酸、フマル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸エステル等の各種ラジカル重合性単量体
【0025】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例の範囲に限定されない。
【実施例0026】
下記実施例においては、下記合成例1(本発明の共重合体(P))、比較合成例1(比較単重合体)及び比較合成例2(比較共重合体)で得られた化合物を可溶化剤として用いた。
また、モノ-6-デオキシ-6-(2-(メタクリロイロキシ)エチルコハク酸アミド)-β―シクロデキストリンは、特許第6561728号公報を参照に合成した。
【0027】
(合成例1)
50mL三口ナスフラスコにモノ-6-デオキシ-6-(2-(メタクリロイロキシ)エチルコハク酸アミド)-β-シクロデキストリン(β-CD-MSAm)4.6525 g(3.45mmol)、N、N、N-トリメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-メタクリロイルオキシプロピル)-アンモニウムクロライド(50%水希釈)(MPQA)(日油(株)製、ブレンマーQA)0.7071 g(1.49mmol)、N、N’-ジメチルホルムアミド(DMF)14.5773 g、水5.1895gを秤量し、溶解後、0.1(L/min)で窒素バブリングを30分間行い、フラスコ内を窒素置換した。50℃に昇温後、N、N’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)10%エタノール溶液0.3049 g(0.186mmol)を添加し、4時間反応させた。反応後、透析精製により精製し、凍結乾燥を行うことで白色粉体の固体2.3015g(収率:43%)を回収した。
化合物の特性は、以下の通りである。
x:1、k:7
重量(又は数)平均分子量:52,000
構成単位(A)のモル比n及び構成単位(B)のモル比mであるn/(n+m):0.
7
【0028】
(合成例1の共重合体の1H NMR測定結果)
1H NMR(重溶媒:DMSO-d6):0.2-1.5ppm(-CH
3
)、1.6-2.2(-CH
2
-C(CH3)-)、2.3-2.5ppm(-CO-CH
2
-CH
2
-CO-)、3.2-3.9ppm(-NH-CH
2
-、-CH(OH)-、-O-CH-CH-、-N+
(CH
3
)
3
、-CH
2
-N+(CH3)3)、3.9-4.6ppm(-O-CH
2
-CH
2
-O-、-CH2-CH(OH)-CH2)、4.6-5.1ppm(-O-CH-O-)、5.2-5.9ppm(-CH2-OH、-CH2-CH(OH)-CH2-)、7.3-7.7ppm(-NH-)
【0029】
[数平均分子量の測定(GPC)]
移動相の調製:臭化リチウム2.61gとリン酸2.94gとをDMF1Lに溶解させた。
測定試料の調製:サンプル2mgを移動相1gに溶解させた。
その他の測定条件は以下の通りである。
カラム:KD-806M(昭和電工社製)、標準物質:PEO(東ソー社製)、検出:視差屈折率計RI-8020(東ソー社製)、数平均分子量(Mn)の算出:分子量計算プログラム(SC-8020用GPCプログラム)、流速:1.0mL/分、カラム温度:40℃、試料溶液注入量:100μL,測定時間:30分
【0030】
(比較合成例1)
50mL三口ナスフラスコにβ-CD-MSAm 5.0000 g(3.71mmol)、DMF 14.7709 g、水 4.9236 gを秤量し、溶解後、0.1(L/min)で窒素バブリングを30分間行い、フラスコ内を窒素置換した。50℃に昇温後、AIBN10%エタノール溶液0.3055 g(0.186mmol)を添加し、4時間反応させた。反応後、透析精製により精製し、凍結乾燥を行うことで白色粉体の固体2.4112 g(収率:48%)を回収した。
【0031】
(比較合成例2)
50mL三口ナスフラスコにβ-CD-MSAm 4.8666 g(3.62mmol)、メタクリル酸(MA)0.1334 g(1.55mmol)、DMF 14.7709 g、水 5.0570 gを秤量し、溶解後、0.1(L/min)で窒素バブリングを30分間行い、フラスコ内を窒素置換した。50℃に昇温後、AIBN10%エタノール溶液0.3055 g(0.186mmol)を添加し、4時間反応させた。反応後、透析精製により精製し、凍結乾燥を行うことで白色粉体の固体2.2112 g(収率:44%)を回収した。
【0032】
(可溶化溶液の調製)
以下の手順により、可溶化溶液を調製した。
〇調製例1-1-1
合成例1で得られた化合物を、その濃度が0.2質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇調製例1-1-2
合成例1で得られた化合物を、その濃度が0.4質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇調製例1-1-3
合成例1で得られた化合物を、その濃度が0.8質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇調製例1-1-4
合成例1で得られた化合物を、その濃度が1.2質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇調製例1-1-5
合成例1で得られた化合物を、その濃度が1.6質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-1-1
比較合成例1で得られた化合物を、その濃度が0.4質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-1-2
比較合成例1で得られた化合物を、その濃度が1.6質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-2-1
比較合成例2で得られた化合物を、その濃度が0.4質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-2-2
比較合成例2で得られた化合物を、その濃度が1.6質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-3-1
ヒドロキシプロピルβシクロデキストリン(HPβCD)を、その濃度が0.4質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-3-2
HPβCDを、その濃度が1.6質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-4-1
メチルβシクロデキストリン(MeβCD)を、その濃度が0.4質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-4-2
MeβCDを、その濃度が1.6質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-5
βCD-MSAmを、その濃度が0.2質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-6
MPQAを、その濃度が0.2質量%となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
〇比較調製例1-7
βCD-MSAmとMPQAを、その濃度が0.2質量%(βCD-MSAm/MPQA=7/3(モル比))となるように、精製水に溶解させて、可溶化溶液を調製した。
【0033】
(トラニラストの可溶化試験)
以下の方法により、可溶化溶液のトラニラスト濃度を測定した。
【0034】
(実施例1-1-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液にトラニラスト10mgを入れ、スターラーで一晩攪拌した。遠心分離機を用いて角速度15,000rpmで20分間遠心分離を行い、上清を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過した。ろ液を精製水で希釈し、HPLCにて下記測定条件で可溶化されたトラニラスト濃度を測定した。
〇測定条件(HPLC)
検出波長:230nm
温度:35℃
流速:0.25 mL/min
移動相:50 mM酢酸アンモニウム:アセトニトリル=4:1(v/v)
【0035】
(実施例1-1-2)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに調製例1-1-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(実施例1-1-3)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに調製例1-1-3で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(実施例1-1-4)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに調製例1-1-4で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-1-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-1-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-1-2)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-1-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-2-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-2-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-2-2)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-2-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-3-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-3-2)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-4-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-4-2)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-5)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-5で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-6)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-6で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
(比較例1-7)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-7で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例1-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
【0036】
使用した可溶化溶液、使用した可溶化剤、可溶化溶液中の可溶化剤濃度、溶解したトラニラスト濃度(溶解濃度)を以下表1に示す。
【0037】
【0038】
上記表1に示す通りに、実施例1-1-1~実施例1-1-5における溶解したトラニラスト濃度は、溶解剤濃度を考慮すると、比較例1-1-1~比較例1-7におけるトラニラスト濃度と比較して非常に高いことを確認した。
実施例1-1-1~実施例1-1-5で使用した可溶化剤及び可溶化溶液は、比較例1-2-1~比較例1~7で使用したものと比べて、難水溶性物質であるトラニラストを可溶化する性能が優れていることを確認した。
【0039】
(シロスタゾールの可溶化試験)
以下の方法により、可溶化溶液のシロスタゾール濃度を測定した。
【0040】
(実施例2-1-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液にシロスタゾール10mgを入れ、スターラーで一晩攪拌した。遠心分離機を用いて角速度15,000rpmで20分間遠心分離を行い、上清を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過した。ろ液を精製水で希釈し、HPLCにて下記測定条件で可溶化されたシロスタゾール濃度を測定した。
〇測定条件(HPLC)
検出波長:254nm
温度:35℃
流速:0.25mL/min
移動相:アセトニトリル:メタノール:精製水=7:3:10(v/v)
【0041】
〇実施例2-1-2
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに調製例1-1-4で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-1-1
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-1-2
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-2-1
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-2-2
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-3
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-5で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-4
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-6で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例2-5
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-7で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例2-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
【0042】
使用した可溶化溶液、使用した可溶化剤、可溶化溶液中の可溶化剤濃度、溶解したシロスタゾール濃度(溶解濃度)を以下表2に示す。
【0043】
【0044】
上記表2に示す通りに、実施例2-1-1及び実施例2-1-2における溶解したシロスタゾール濃度は、溶解剤濃度を考慮すると、比較例2-1-1~比較例2-5におけるシロスタゾール濃度と比較して非常に高いことを確認した。
実施例2-1-1~実施例2-1-2で使用した可溶化剤及び可溶化溶液は、比較例2-1-1~比較例2~5で使用したものと比べて、難水溶性物質であるシロスタゾールを可溶化する性能が優れていることを確認した。
【0045】
(レバミピドの可溶化試験)
以下の方法により、可溶化溶液のレバミピド濃度を測定した。
【0046】
(実施例3-1-1)
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液にレバミピド10mgを入れ、スターラーで一晩攪拌した。遠心分離機を用いて角速度15,000rpmで20分間遠心分離を行い、上清を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過した。ろ液を精製水で希釈し、HPLCにて可溶化されたレバミピド濃度を測定した。
〇レバミピド測定条件(HPLC)
検出波長:254nm
温度:35℃
流速:0.25mL/min
移動相:リン酸緩衝液(pH6.5):アセトニトリル=83:17
【0047】
〇実施例3-1-2
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに調製例1-1-4で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-1-1
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-1-2
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-2-1
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-1で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-2-2
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-3
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-5で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-4
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-6で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例3-5
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-7で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例3-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
【0048】
使用した可溶化溶液、使用した可溶化剤、可溶化溶液中の可溶化剤濃度、溶解したレバミピド濃度(溶解濃度)を以下表3に示す。
【0049】
【0050】
上記表3に示す通りに、実施例3-1-1及び実施例3-1-2における溶解したレバミピド濃度は、溶解剤濃度を考慮すると、比較例3-1-1~比較例3-5におけるレバミピド濃度と比較して非常に高いことを確認した。
実施例3-1-1~実施例3-1-2で使用した可溶化剤及び可溶化溶液は、比較例3-1-1~比較例3~5で使用したものと比べて、難水溶性物質であるレバミピドを可溶化する性能が優れていることを確認した。
【0051】
(インドメタシンの可溶化試験)
以下の方法により、可溶化溶液のインドメタシン濃度を測定した。
【0052】
(実施例4-1-1)
調製例1-1-4で得られた可溶化溶液にインドメタシン10mgを入れ、スターラーで一晩攪拌した。遠心分離機を用いて角速度15,000rpmで20分間遠心分離を行い、上清を孔径0.45μmのフィルターを用いてろ過した。ろ液を精製水で希釈し、HPLCにて可溶化されたインドメタシン濃度を測定した。
〇インドメタシン測定条件(HPLC)
検出波長:254nm
温度:35℃
流速:0.25mL/min
移動相:0.05M酢酸:アセトニトリル=8:7
【0053】
〇比較例4-1-1
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-3-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例4-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
〇比較例4-2-1
調製例1-1-1で得られた可溶化溶液の代わりに比較調製例1-4-2で得られた可溶化溶液を用いたこと以外は実施例4-1-1と同様にして可溶化試験を行った。
【0054】
使用した可溶化溶液、使用した可溶化剤、可溶化溶液中の可溶化剤濃度、溶解したインドメタシン濃度(溶解濃度)を以下表4に示す。
【0055】
【0056】
上記表4に示す通りに、実施例4-1-1における溶解したインドメタシン濃度は、比較例4-1-1~比較例4-2―1における溶解したレバミピド濃度と比較して非常に高いことを確認した。
実施例4-1-1で使用した可溶化剤及び可溶化溶液は、比較例4-1-1~比較例4―2―1で使用したものと比べて、難水溶性物質であるインドメタシンを可溶化する性能が優れていることを確認した。
【0057】
以上の結果から、本発明の可溶化剤又は可溶化溶液を使用することにより、難水溶性物質を容易に可溶化することができる。