(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042238
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】箱詰め装置、箱詰め方法
(51)【国際特許分類】
B65B 5/06 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
B65B5/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146820
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000206093
【氏名又は名称】大森機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112689
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100128934
【弁理士】
【氏名又は名称】横田 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 駿人
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 伸之介
【テーマコード(参考)】
3E003
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AA07
3E003AB03
3E003BA07
3E003BC05
3E003BD05
3E003CB06
3E003DA02
3E003DA03
(57)【要約】
【課題】箱への物品の収容中に、物品が箱外へ脱落してしまうことを抑制し、作業効率を向上することのできる箱詰め装置を提供する。
【解決手段】
制御装置が、第一プッシャー11および第二プッシャー12を搬送幅方向に向けて進出させて段積物品Sを箱Bの第一開口O1から箱B内に押し込む押込み処理部と、段積物品Sが箱B内に押し込まれた後に第一プッシャー11および第二プッシャー12のうちの第一プッシャー11のみを退避させる第一プッシャー退避処理部と、第一プッシャー11の退避途中または退避後に第一折込み体41を動作させて、箱Bの第一フラップHa1を第二プッシャー12に干渉しない位置まで折り込む第一フラップ折込み処理部と、第一プッシャー11の退避タイミングに遅れて第二プッシャー12を退避させる第二プッシャー退避処理部と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め装置であって、
前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、
前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、
前記物品押込み部および前記第一フラップ折込み部の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記物品押込み部は、
前記第一フラップおよび前記第二フラップの対向方向に並ぶように配置され、各々が独立して前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な第一プッシャー及び第二プッシャーを有し、
前記物品押込み部における前記第一プッシャーは前記第一フラップの側に配置されるとともに、前記第二プッシャーは前記第二フラップの側に配置され、
前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、
前記制御装置は、
前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み処理部と、
前記押込み処理部によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記第一プッシャーおよび第二プッシャーのうちの前記第一プッシャーのみを退避させる第一プッシャー退避処理部と、
前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避途中または退避後に、前記第一折込み体を動作させて、前記第一フラップを前記第二プッシャーに干渉しない位置まで折り込む第一フラップ折込み処理部と、
前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避タイミングに遅れて前記第二プッシャーを退避させる第二プッシャー退避処理部と、
を有する箱詰め装置。
【請求項2】
前記第二プッシャー退避処理部は、前記第一フラップ折込み処理部による前記第一フラップの折込み開始後に、前記第二プッシャーを退避させる請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項3】
前記第一フラップ折込み部は、前記第一開口における前記搬送方向の下流側の縁に設けられた前記第一フラップを、前記搬送方向の上流側に折り込むように構成され、
前記第一折込み体は前記搬送方向に進退自在に構成され、
前記第一折込み体は、前記第一フラップの外側面に接触する第一フラップ接触面と、前記第一フラップ接触面から連続して前記下流側に延び、前記搬送幅方向に前記箱の側を向く第一フラップ案内面と、を有し、
前記制御装置は、
前記第一フラップ折込み処理部によって前記第一折込み体を進出させて前記第一フラップを折り込んだ後、前記箱の前記下流側への搬送と同期して、前記第一折込み体を前記下流側へ移動させる第一折込み体移動処理部を有する請求項1に記載の箱詰め装置。
【請求項4】
前記第一開口における前記搬送方向の上流側の縁に設けられた前記第二フラップを、前記下流側に折り込む第二フラップ折込み部をさらに備え、
前記第二フラップ折込み部は、前記第二フラップを押圧する第二折込み体を有し、
前記制御装置は、
前記第一折込み体移動処理部による前記第一折込み体の前記下流側への移動後または移動中に前記第一折込み体の前記上流側において前記第二折込み体を前記第二フラップに接触する押圧位置に配置して前記第二フラップを折り込む第二フラップ折込み処理部と、
前記第二フラップ折込み処理部によって前記第二フラップが折り込まれた後または折り込み途中において、かつ、前記第一折込み体移動処理部によって前記第一折込み体を前記下流側へ移動させた後に、前記第一折込み体の前記第一フラップ案内面を前記第二フラップに対して前記搬送幅方向の外側から対向する位置まで前記上流側へ移動させる第二フラップ迎え処理部と、
を有する請求項3に記載の箱詰め装置。
【請求項5】
複数の前記箱が前記搬送方向に並んで連続的に搬送され、
前記制御装置では、前記第二フラップ迎え処理部による前記第一折込み体の前記上流側への移動の後に、該第二フラップ迎え処理部による処理が行われた前記箱の前記上流側に隣接する前記箱に対して、前記第一フラップ折込み処理部によって前記第一フラップを前記第二プッシャーに干渉しない位置まで折り込む請求項4に記載の箱詰め装置。
【請求項6】
前記物品押込み部によって前記段積物品を前記箱内まで押し込む際に、前記段積物品を上方から押さえ込む物品上方支持部をさらに備え、
前記物品上方支持部は、前記搬送幅方向に進退可能で、かつ、前記鉛直方向に動作可能な支持体を有し、
前記制御装置は、
前記押し込み処理部によって前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させる前に、前記支持体を前記段積物品の上方に配置した状態で下降させて前記段積物品の上面を押さえ込む支持体下降処理部と、
前記押込み処理部によって前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させる動作と同期して、下降済みの前記支持体を前記搬送幅方向に前記箱の側に進出させる支持体前進処理部と、
前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避と同時または退避前に、前記支持体を搬送幅方向に退避させる支持体退避処理部と、
を有する請求項1~5のいずれか一項に記載の箱詰め装置。
【請求項7】
前記箱には、前記搬送幅方向の他方側において第二開口が形成され、
前記搬送幅方向の前記第二開口の側において、該第二開口から前記箱外に突出しようとする前記段積物品を受け止める物品受け部と、
前記搬送幅方向の前記第二開口の側において、該第二開口を閉じるために該第二開口の縁に互いに対向状態で設けられる第三フラップ及び第四フラップのうちの前記第三フラップを、前記第二開口を閉じる方向に折り込む第三フラップ折込み部と、
を備え、
前記物品受け部は、前記搬送幅方向に進退可能であるとともに前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な受側プッシャーを有し、
前記第三フラップ折込み部は、前記第三フラップを押圧する第三折込み体を有し、
前記制御装置は、
前記押込み処理部による前記第一プッシャーおよび第二プッシャーが進出する動作と同期して、前記受側プッシャーを前記搬送幅方向に向けて前記箱を通過するように進出させて、前記段積物品を前記受側プッシャーと、前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーとの間に挟み込む受側プッシャー進出処理部と、
前記第三折込み体を動作させて、前記第三フラップを前記受側プッシャーに干渉しない位置まで折り込む第三フラップ折込み処理部と、
を有する請求項1~5のいずれか一項に記載の箱詰め装置。
【請求項8】
搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め方法であって、
前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、
前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、
前記物品押込み部および前記第一フラップ折込み部の動作を制御する制御装置と、
を備え、
前記物品押込み部は、
前記第一フラップおよび前記第二フラップの対向方向に並ぶように配置され、各々が独立して前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な第一プッシャー及び第二プッシャーを有し、
前記物品押込み部における前記第一プッシャーは前記第一フラップの側に配置されるとともに、前記第二プッシャーは前記第二フラップの側に配置され、
前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、
前記制御装置は、
前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み処理部と、
前記押込み処理部によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記第一プッシャーおよび第二プッシャーのうちの前記第一プッシャーのみを退避させる第一プッシャー退避処理部と、
前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避途中または退避後に、前記第一折込み体を動作させて、前記第一フラップを前記第二プッシャーに干渉しない位置まで折り込む第一フラップ折込み処理部と、
前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避タイミングに遅れて前記第二プッシャーを退避させる第二プッシャー退避処理部と、
を有する箱詰め装置。
【請求項9】
搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め装置であって、
前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、
前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、
を備え、
前記物品押込み部は、前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能なプッシャー有し、
前記プッシャーは、
前記段積物品の側面に接触する押側接触面と、
前記押側接触面を前記段積物品の側面に接触させた状態で、前記押側接触面の一部を前記段積物品から離反させる、前記押側接触面の接触面積を縮小させる又は前記押側接触面を移動させることで、前記押側接触面の接触態様に変動を生じさせる駆動源と、
を有し、
前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、
前記プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記押側接触面によって前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込んだ後に、前記駆動源によって前記押側接触面の前記接触態様に変動を生じさせることで、前記第一折込み体によって折り込まれる前記第一フラップとの干渉を回避する
箱詰め装置。
【請求項10】
前記プッシャーは、前記押側接触面によって前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込んだ後に、前記押側接触面を、前記搬送方向の上流側に移動させることを特徴とする請求項9の箱詰め装置。
【請求項11】
箱詰め装置を利用して、搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め方法であって、
前記箱詰め装置は、
前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、
前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられて鉛直方向に延びる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、
を備え、
前記物品押込み部は、
前記第一フラップおよび前記第二フラップの対向方向に並ぶように配置され、各々が独立して前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な第一プッシャー及び第二プッシャーを有し、
前記物品押込み部における前記第一プッシャーは前記第一フラップの側に配置されるとともに、前記第二プッシャーは前記第二フラップの側に配置され、
前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、
前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み工程と、
前記押込み工程によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記第一プッシャーおよび第二プッシャーのうちの前記第一プッシャーのみを退避させる第一プッシャー退避工程と、
前記第一プッシャー退避工程による前記第一プッシャーの退避途中または退避後に、前記第一折込み体を動作させて、前記第一フラップを折り込む第一フラップ折込み工程と、
前記第一プッシャー退避工程による前記第一プッシャーの退避タイミングに遅れて前記第二プッシャーを退避させる第二プッシャー退避工程と、
を有する箱詰め方法。
【請求項12】
箱詰め装置を利用して、搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め方法あって、
前記箱詰め装置は、
前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、
前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられて鉛直方向に延びる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、
を備えており、
前記物品押込み部は、前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能なプッシャー有し、
前記プッシャーは、前記段積物品の側面に接触する押側接触面を有し、
前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、
前記プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記押側接触面によって、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み工程と、
前記押込み工程によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記押側接触面を前記段積物品に接触させたま、前記押側接触面の前記搬送方向の一部を前記段積物品から退避させる、前記押側接触面の接触面積を縮小させる又は前記押側接触面を移動させることで、前記第一折込み体によって折り込まれる前記第一フラップとの干渉を回避する押側接触面変動工程と、
を有する箱詰め方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を箱に収容する箱詰め装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば段ボールケース等の箱に、物品を自動で箱詰めする箱詰め装置が知られている。箱内の狭いスペースに複数の物品を効率よく自動で箱詰めすることができる点で、この種の装置へのニーズが高まっている。
【0003】
ところで箱詰め装置は例えば特許文献1に示されているように、箱の開口方向に進退するロッドによって物品を保持しつつ、シリンダによってロッドを動作させることで箱内に物品を案内し、一度に複数の物品を箱内に収容するようになっている。なお、物品が箱内に収容された後にはロッドは退避するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、例えば複数の物品を上下に積み重ねた状態で、上述した特許文献1のようなロッドによって物品を箱内に収容した後にロッドを退避させると、重力や振動等によって上方の物品が滑り落ちて荷崩れし、箱の開口から箱外に飛び出してしまう可能性がある。
【0006】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、箱への物品の収容中に、物品が箱外へ脱落してしまうことを抑制し、作業効率を向上することのできる箱詰め装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る箱詰め装置は、搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め装置であって、前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、前記物品押込み部および前記第一フラップ折込み部の動作を制御する制御装置と、を備え、前記物品押込み部は、前記第一フラップおよび前記第二フラップの対向方向に並ぶように配置され、各々が独立して前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な第一プッシャー及び第二プッシャーを有し、前記物品押込み部における前記第一プッシャーは前記第一フラップの側に配置されるとともに、前記第二プッシャーは前記第二フラップの側に配置され、前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、前記制御装置は、前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み処理部と、前記押込み処理部によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記第一プッシャーおよび第二プッシャーのうちの前記第一プッシャーのみを退避させる第一プッシャー退避処理部と、前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避途中または退避後に、前記第一折込み体を動作させて、前記第一フラップを前記第二プッシャーに干渉しない位置まで折り込む第一フラップ折込み処理部と、前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避タイミングに遅れて前記第二プッシャーを退避させる第二プッシャー退避処理部と、を有する。
【0008】
上記箱詰め装置では、前記第二プッシャー退避処理部は、前記第一フラップ折込み処理部による前記第一フラップの折込み開始後に、前記第二プッシャーを退避させてもよい。
【0009】
上記箱詰め装置では、第一折込み体は前記搬送方向に進退し、進出時に前記第一フラップを押圧してもよい。
【0010】
上記箱詰め装置では、前記第一折込み体は、退避時において、前記第一開口を開放している状態での前記第一フラップの外側面に対向するとともに、進出時において前記外側面に接触する第一フラップ接触面を有し、前記第一フラップ接触面は、前記搬送方向に進出する側に向かうにしたがって、前記搬送幅方向に前記箱から離れる側に向かって傾斜していてもよい。
【0011】
上記箱詰め装置では、前記第一フラップ折込み部は、前記第一開口における前記搬送方向の下流側の縁に設けられた前記第一フラップを、前記搬送方向の上流側に折り込むように構成され、前記第一折込み体は前記搬送方向に進退自在に構成され、前記第一折込み体は、前記第一フラップの外側面に接触する第一フラップ接触面と、前記第一フラップ接触面から連続して前記下流側に延び、前記搬送幅方向に前記箱の側を向く第一フラップ案内面と、を有し、前記制御装置は、前記第一フラップ折込み処理部によって前記第一折込み体を進出させて前記第一フラップを折り込んだ後、前記箱の前記下流側への搬送と同期して、前記第一折込み体を前記下流側へ移動させる第一折込み体移動処理部を有してもよい。
【0012】
上記箱詰め装置は、前記第一開口における前記搬送方向の上流側の縁に設けられた前記第二フラップを、前記下流側に折り込む第二フラップ折込み部をさらに備え、前記第二フラップ折込み部は、前記第二フラップを押圧する第二折込み体を有し、前記制御装置は、前記第一折込み体移動処理部による前記第一折込み体の前記下流側への移動後または移動中に前記第一折込み体の前記上流側において前記第二折込み体を前記第二フラップに接触する押圧位置に配置して前記第二フラップを折り込む第二フラップ折込み処理部と、前記第二フラップ折込み処理部によって前記第二フラップが折り込まれた後または折り込み途中において、かつ前記第一折込み体移動処理部によって前記第一折込み体を前記下流側へ移動させた後に、前記第一折込み体の前記第一フラップ案内面を前記第二フラップに対して前記搬送幅方向の外側から対向する位置まで前記第一折込み体を前記上流側へ移動させる第二フラップ迎え処理部と、前記第二フラップ迎え処理部による前記第一折込み体の前記上流側への移動の後または移動中に、前記第二折込み体を動作させて前記第二フラップと干渉しない非押圧位置に配置する第二折込み体逃げ処理部と、を有してもよい。
【0013】
上記箱詰め装置では、前記制御装置における前記第二フラップ迎え処理部は、前記第一折込み体における前記第一フラップ案内面を前記第二フラップに対して前記搬送幅方向の外側から対向する位置まで前記上流側へ移動させてもよい。
【0014】
上記箱詰め装置では、複数の前記箱が前記搬送方向に並んで連続的に搬送され、前記制御装置では、前記第二フラップ迎え処理部による前記第一折込み体の前記上流側への移動の後に、該第二フラップ迎え処理部による処理が行われた前記箱の前記上流側に隣接する前記箱に対して、前記第一フラップ折込み処理部によって前記第一フラップを前記第二プッシャーに干渉しない位置まで折り込んでもよい。
【0015】
上記箱詰め装置では、前記制御装置における前記第一フラップ折込み処理部は、前記第二プッシャーが退避する際の移動軌跡と前記第一フラップが干渉しないように、前記第一折込み体によって前記第一フラップを折り込んでもよい。
【0016】
上記箱詰め装置では、前記制御装置における前記第一フラップ折込み処理部は、前記第一折込み体によって、前記第一フラップの先端縁が、前記第一開口における前記対向方向の中央位置よりも前記第一フラップ側に留まる範囲内で、前記第一フラップを折り込んでもよい。
【0017】
上記箱詰め装置は、前記物品押込み部によって前記段積物品を前記箱内まで押し込む際に、前記段積物品を上方から押さえ込む物品上方支持部をさらに備え、前記物品上方支持部は、前記搬送幅方向に進退可能で、かつ、前記鉛直方向に動作可能な支持体を有し、前記制御装置は、前記押し込み処理部によって前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させる前に、前記支持体を前記段積物品の上方に配置した状態で下降させて前記段積物品の上面を押さえ込む支持体下降処理部と、前記押込み処理部によって前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させる動作と同期して、下降済みの前記支持体を前記搬送幅方向に前記箱の側に進出させる支持体前進処理部と、前記第一プッシャー退避処理部による前記第一プッシャーの退避と同時または退避前に、前記支持体を搬送幅方向に退避させる支持体退避処理部と、を有してもよい。
【0018】
上記箱詰め装置では、前記支持体は、前記搬送幅方向に延びる板状もしくは棒状をなし、前記第一プッシャーと前記第二プッシャーとの間に配置されていてもよい。
【0019】
上記箱詰め装置において前記箱には、前記搬送幅方向の他方側において第二開口が形成され、上記箱詰め装置は、前記搬送幅方向の前記第二開口の側において、該第二開口から前記箱外に突出しようとする前記段積物品を受け止める物品受け部と、前記搬送幅方向の前記第二開口の側において、該第二開口を閉じるために該第二開口の縁に互いに対向状態で設けられる第三フラップ及び第四フラップのうちの前記第三フラップを、前記第二開口を閉じる方向に折り込む第三フラップ折込み部と、を備え、前記物品受け部は、前記搬送幅方向に進退可能であるとともに前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な受側プッシャーを有し、前記第三フラップ折込み部は、前記第三フラップを押圧する第三折込み体を有し、前記制御装置は、前記押込み処理部による前記第一プッシャーおよび第二プッシャーが進出する動作と同期して、前記受側プッシャーを前記搬送幅方向に向けて前記箱を通過するように進出させて、前記段積物品を前記受側プッシャーと、前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーとの間に挟み込む受側プッシャー進出処理部と、前記第三折込み体を動作させて、前記第三フラップを前記受側プッシャーに干渉しない位置まで折り込む第三フラップ折込み処理部と、を有してもよい。
【0020】
上記箱詰め装置では、前記受側プッシャーは、前記第三フラップおよび前記第四フラップの対向方向のうちの前記第四フラップ側に寄った位置に配置されてもよい。
【0021】
上記箱詰め装置では、前記段積物品を構成する各々の前記物品は扁平状をなし、前記受側プッシャーは、前記段積物品に対して前記搬送幅方向から対向する受側接触面を有し、前記受側接触面には、前記鉛直方向に互いに間隔を空けて配置されて該鉛直方向に交差する面幅方向に延びる複数の横溝が形成されていてもよい。
【0022】
本発明の一態様に係る箱詰め装置は、搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め装置であって、前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、を備え、前記物品押込み部は、前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能なプッシャー有し、前記プッシャーは、前記段積物品の側面に接触する押側接触面と、前記押側接触面を前記段積物品の側面に接触させた状態で、前記押側接触面の一部を前記段積物品から離反させる、前記押側接触面の接触面積を縮小させる又は前記押側接触面を移動させることで、前記押側接触面の接触態様に変動を生じさせる駆動源と、を有し、前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、前記プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記押側接触面によって前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込んだ後に、前記駆動源によって前記押側接触面の前記接触態様に変動を生じさせることで、前記第一折込み体によって折り込まれる前記第一フラップとの干渉を回避する。
上記箱詰め装置において前記プッシャーは、前記押側接触面によって前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込んだ後に、前記押側接触面を、前記搬送方向の上流側に移動させてもよい。
【0023】
上記箱詰め装置において前記プッシャーは、前記押側接触面の前記一部を構成し、前記段積物品における搬送方向の中央位置に対して下流側に寄った位置で前記段積物品の側面に接触する第一押側接触面と、前記押側接触面の残部を構成し、前記段積物品における搬送方向の中央位置に対して上流側に寄った位置で前記段積物品の側面に接触する第二押側接触面と、を有し、前記駆動源は、前記第二押側接触面を前記段積物品の側面に接触させた状態で、前記第一押側接触面を前記段積物品から離反させる又は前記第一押側接触面を上流側に移動させてもよい。
【0024】
本発明の一態様に係る箱詰め方法は、箱詰め装置を利用して、搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め方法であって、前記箱詰め装置は、前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられて鉛直方向に延びる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、を備え、前記物品押込み部は、前記第一フラップおよび前記第二フラップの対向方向に並ぶように配置され、各々が独立して前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能な第一プッシャー及び第二プッシャーを有し、前記物品押込み部における前記第一プッシャーは前記第一フラップの側に配置されるとともに、前記第二プッシャーは前記第二フラップの側に配置され、前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、前記第一プッシャーおよび前記第二プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み工程と、前記押込み工程によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記第一プッシャーおよび第二プッシャーのうちの前記第一プッシャーのみを退避させる第一プッシャー退避工程と、前記第一プッシャー退避工程による前記第一プッシャーの退避途中または退避後に、前記第一折込み体を動作させて、前記第一フラップを折り込む第一フラップ折込み工程と、前記第一プッシャー退避工程による前記第一プッシャーの退避タイミングに遅れて前記第二プッシャーを退避させる第二プッシャー退避工程と、を有する。
【0025】
本発明の一態様に係る箱詰め方法は、箱詰め装置を利用して、搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される箱内に対して、鉛直方向に積み重ねられた複数の物品からなる段積物品を、前記箱の搬送幅方向から収容する箱詰め方法あって、前記箱詰め装置は、前記箱の前記搬送幅方向の一方側に形成される第一開口から、前記段積物品を、該箱内に向かって前記搬送幅方向に押し込む物品押込み部と、前記第一開口を閉じるために該第一開口の縁に互いに対向状態で設けられて鉛直方向に延びる第一フラップ及び第二フラップのうちの前記第一フラップを、前記第一開口を閉じる方向に折り込む第一フラップ折込み部と、を備えており、前記物品押込み部は、前記搬送幅方向に進退可能であるとともに、前記搬送幅方向から前記段積物品に接触可能なプッシャー有し、前記プッシャーは、前記段積物品の側面に接触する押側接触面を有し、前記第一フラップ折込み部は、前記第一フラップを押圧する第一折込み体を有し、前記プッシャーを前記搬送幅方向に向けて進出させて、前記押側接触面によって、前記段積物品を前記第一開口から前記箱内に押し込む押込み工程と、前記押込み工程によって前記段積物品が前記箱内に押し込まれた後に、前記押側接触面を前記段積物品に接触させたま、前記押側接触面の前記搬送方向の一部を前記段積物品から退避させる、前記押側接触面の接触面積を縮小させる又は前記押側接触面を移動させることで、前記第一折込み体によって折り込まれる前記第一フラップとの干渉を回避する押側接触面変動工程と、を有する。
【発明の効果】
【0026】
上記の箱詰め装置等によれば、箱への物品の収容中に物品が箱外へ脱落してしまうことを抑制でき、作業効率を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る箱詰め装置の全体上面図である。
【
図2】上記箱詰め装置の収容領域における側面図である。
【
図3】上記箱詰め装置の収容領域を拡大して示す上面図である。
【
図4】上記箱詰め装置の内フラップ閉め領域を拡大して示す上面図である。
【
図5】上記箱詰め装置の制御装置のハードウェア構成図である。
【
図6】上記箱詰め装置の制御装置の機能ブロック図である。
【
図7】上記箱詰め装置の収容領域における側面図であって、(a)は上側支持体を下降させた状態を示し、(b)は受側プッシャーを進出させて段積物品を挟み込む様子を示す。
【
図8】上記箱詰め装置の収容領域における側面図であって、(a)は段積物品を物品供給路まで前進させた状態を示し、(b)は段積物品を箱内に進入させた状態を示す。
【
図9】上記箱詰め装置の収容領域を拡大して示す上面図であって、第一フラップおよび第三フラップを折り込む様子を示す。
【
図10】上記箱詰め装置の内フラップ閉め領域を拡大して示す上面図であって、第二フラップおよび第四フラップを折り込む様子を示す。
【
図11】上記箱詰め装置の収容領域を拡大して示す上面図であって、第一フラップおよび第三フラップを折り込む様子の変形例を示す。
【
図12】上記箱詰め装置の収容領域を拡大して示す上面図であって、第一フラップおよび第三フラップを折り込む様子の変形例を示す。
【
図13】上記箱詰め装置の第1変形実施形態の収容領域を拡大して示す上面図であって、第一フラップおよび第三フラップを折り込む様子を示す。
【
図14】上記箱詰め装置の第2変形実施形態の収容領域を拡大して示す上面図であって、第一フラップおよび第三フラップを折り込む様子を示す。
【
図15】上記箱詰め装置の第2変形実施形態の応用例の収容領域を拡大して示す上面図であって、第一フラップおよび第三フラップを折り込む様子を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1および
図2に示すように、本実施形態の箱詰め装置100は、水平方向に沿って箱Bを箱搬送路110によって搬送しながら、上下方向に積み重ねされた複数の物品Saからなる段積物品Sを、箱搬送路110上の箱B内に自動で収容する装置である。
【0030】
本実施形態の箱Bは例えば段ボール箱であって、矩形状をなす第一開口O1および第二開口O2が対向して形成され、かつ、第一開口O1および第二開口O2の縁には、それぞれ一対の内フラップHaおよび一対の外フラップHbが設けられている。内フラップHaおよび外フラップHbの形状は特に限定されるものではない。
【0031】
箱搬送路110は、水平方向に沿って延びるとともに下方から箱Bを支持する例えばベルトコンベア等によって構成されている。本実施形態では、箱搬送路110の搬送方向Xと搬送幅方向Yを基準にすべての方向を説明する。箱搬送路110は、複数の箱Bを載置した状態で水平方向に沿う搬送方向Xの上流側から下流側に向けて連続的に箱Bを搬送する。箱搬送路110上は、搬送方向Xに並ぶ複数の区画板111によって、複数の箱配置領域に区画され、箱Bが各箱配置領域に予め配置された状態で、区画板111と箱Bが共に搬送方向Xの下流側に移動させられる。箱搬送路110は、搬送方向Xの最も上流側に確保された箱搬入準備領域A1と、箱搬入準備領域A1の下流側に確保された収容領域A2と、収容領域A2のさらに下流側に確保された内フラップ閉め領域A3と、内フラップ閉め領域A3のさらに下流側に確保された外フラップ閉め領域A4とを有している。
【0032】
箱搬入準備領域A1は、詳細な構造説明は省略するが、平らに折り畳まれた箱Bを上方側から搬入しつつ、例えば不図示の吸着装置等によって立ち上げて立方体形状とし、箱Bに第一開口O1および第二開口O2が形成された状態とする。収容領域A2は、詳しく後述するように段積物品Sを箱B内に押し込んで収容する領域である。また内フラップ閉め領域A3は、詳しく後述するように箱の内フラップHaを折り込む領域である。外フラップ閉め領域A4は、詳細な構造説明は省略するが、段積物品Sが収容され、かつ内フラップHaが折り込まれた状態で、外フラップHbを不図示の押し棒等によって折り込んで第一開口O1および第二開口O2を完全に閉塞する領域である。
【0033】
ここで箱Bが箱搬送路110に載置された状態では、箱Bの第一開口O1は、搬送方向Xに交差する搬送幅方向の一方側に配置されて搬送幅方向に開口し、箱Bの第二開口O2は搬送幅方向の他方側に配置されて搬送幅方向に開口している。そして第一開口O1および第二開口のO2各々において内フラップHaが設けられた一対の縁Eaのそれぞれは、鉛直方向に延びるとともに搬送方向Xに並んでいる。よって各々の内フラップHaは搬送方向Xの上流側および下流側に開閉動作する。一方で箱Bの第一開口O1および第二開口O2の各々において外フラップHbが設けられた一対の縁Ebのそれぞれは、搬送方向Xに延びるとともに上下方向に並んでいる。よって各々の外フラップHbは鉛直方向の上下に開閉動作する。
【0034】
以下、箱Bの第一開口O1の下流側の縁Eaに設けられた内フラップHaを第一フラップHa1とし、第一開口O1の上流側の縁Eaに設けられて第一フラップHa1に対向状態で設けられる内フラップHaを第二フラップHa2とし、第二開口O2の下流側の縁Eaに設けられた内フラップHaを第三フラップHa3とし、第二開口O2の上流側の縁Eaに設けられて第三フラップHa3に対向状態で設けられる内フラップHaを第四フラップHa4と呼称する。
【0035】
ところで箱搬送路110に対する搬送幅方向の一方側には、箱搬送路110と間隔を空けて、この搬送方向Xと同一方向(平行)に延びるように配置された物品供給路120が併設されている。物品供給路120は例えばベルトコンベア等によって構成され、下方から段積物品Sを支持して搬送方向Xの上流側から下流側に向けて段積物品Sを供給する。より具体的には、物品供給路120上は、搬送方向Xに並ぶ複数の区画板121によって複数の物品配置領域A10に区画され、段積物品Sが各物品配置領域A10に予め配置された状態で、区画板121と段積物品Sが共に搬送方向Xの下流側に移動させられる。段積物品Sを構成する複数の物品Saの各々は扁平状をなしており、各々の物品Saの厚さ方向を鉛直方向に一致させた状態で積み重ねられて、各々の物品配置領域A10に配置されている。
【0036】
また箱搬送路110の収容領域A2に隣接する場所において、箱搬送路110と物品供給路120の隙間、物品搬入路130が配置されている。物品搬入路130は、段積物品Sを下方から支持するとともに搬送幅方向に延びている。段積物品Sは、物品搬入路130の上を搬送幅方向に滑動する。物品搬入路130には、搬送方向Xに間隔を空けて一対の搬入案内板131が設けられている。
図2に示すように各々の搬入案内板131は搬送幅方向Yに広がるプレートであって、板厚方向を搬送方向Xに向けた状態で、搬送幅方向Yに進退可能に設けられており、進出時は収容領域A2に接近し、退避時は収容領域A2から離反する。進出時は退避時に比較して、搬入案内板131の先端同士の搬送方向Xの間隔が大きくなるように動作する。結果、進出時において、一対の搬入案内板131は、箱Bの第一フラップHa1および第二フラップHa2、または、第一開口O1の近傍を、第一開口O1の内側から搬送方向Xに支持する。なお、一対の外フラップHbにおける下側の外フラップHbは、物品搬入路130の下側に潜り込む。上側の外フラップHbは、フラップ支持部材110Bによって、上方に開いた状態で支持される。
【0037】
(全体構成)
箱詰め装置100は、箱搬送路110上の箱B内に段積物品Sを押し込む物品押込み部1と、箱Bに段積物品Sを押し込む際に段積物品Sを上方から押さえ込む物品上方支持部2と、箱Bに段積物品Sを押し込む際に段積物品Sを下方から支持する物品下側支持部9と、段積物品Sを受け止める物品受け部3と、箱Bの内フラップHaを折り込む第一フラップ折込み部4、第二フラップ折込み部5、第三フラップ折込み部6、および第四フラップ折込み部7とを備えている。そして箱詰め装置100はさらに、これら物品押込み部1、物品上方支持部2、物品受け部3、第一フラップ折込み部4、第二フラップ折込み部5、第三フラップ折込み部6、および第四フラップ折込み部7の動作を制御する制御装置8を備えている。
【0038】
(物品押込み部)
【0039】
図3に示すように物品押し込み部1は、箱搬送路110の収容領域A2において、箱搬送路110に対して搬送幅方向の一方側で箱Bの第一開口O1から段積物品Sを箱B内に押し込むようになっている。すなわち物品押込み部1は、第一フラップHa1および第二フラップHa2の対向方向となる搬送方向Xに間隔を空けて並ぶ第一プッシャー11および第二プッシャー12と、第一プッシャー11を動作させる第一プッシャー用駆動源13および第二プッシャー12を動作させる第二プッシャー用駆動源14とを有している。
【0040】
第一プッシャー11および第二プッシャー12の各々は棒状をなし、搬送幅方向Yの一方側において、搬送幅方向Yの外側から段積物品Sの搬送幅方向Yの側面に接触可能となっている。第一プッシャー11は収容領域A2に配置された箱Bの搬送方向Xの中央位置Mに対して下流側に寄った位置に設けられ、第二プッシャー12は収容領域A2に配置された箱Bの搬送方向Xの中央位置Mに対して上流側に寄った位置に設けられている。すなわち第一プッシャー11は第一フラップHa1の側に配置され、第二プッシャー12は第二フラップHa2の側に配置されている。そして各々のプッシャー11、12が段積物品Sに対向して接触する第一押側接触面11a、第二押側接触面12aは、平面状をなしている。第一プッシャー11の第一押側接触面11aは段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して下流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触し、第二プッシャー12の第二押側接触面12aは段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して上流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触するようになっている。なお、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aの上端は、段積物品Sの高さよりも高く設定されている。
【0041】
第一プッシャー用駆動源13および第二プッシャー用駆動源14は例えばモータであって、第一プッシャー11および第二プッシャー12を搬送幅方向Yにそれぞれ独立して進退させる。第一プッシャー用駆動源13はベルト等によって構成された第一伝達機構15によって第一プッシャー11に接続され、第二プッシャー用駆動源14はベルト等によって構成された第二伝達機構16によって第二プッシャー12に接続されている。このようにして各駆動源13、14の回転運動を直線運動に変換して各々のプッシャー11、12に独立して伝達するようになっている。これにより、第一プッシャー11および第二プッシャー12は独立して進退動作可能となっている。
【0042】
(物品上方支持部)
物品上方支持部2は、物品供給路120において段積物品Sを上方から押さえ込んで、物品下方支持部9との間に挟み込む。物品上方支持部2は、段積物品Sの上方に配置される上側支持体21と、上側支持体21を搬送幅方向Yに進退させ、かつ、鉛直方向に動作させる支持体用駆動部22とを有している。
【0043】
上側支持体21は搬送幅方向Yに延びる板状もしくは棒状をなすフォークとなっており、搬送幅方向Yの一方側において、搬送方向Xに第一プッシャー11と第二プッシャー12との間に配置されている。
【0044】
支持体用駆動部22は、上側支持体21を搬送幅方向Yに進退させる進退動作用駆動源23、および鉛直方向の上下に進退させる上下動作用駆動源24を有している。進退動作用駆動源23は例えばアクチュエータであり、上下動作用駆動源24は例えばモータである。なお、本実施形態では、上側支持体21が上下動作用駆動源24に保持されており、この上下動作用駆動源24が、進退動作用駆動源23によって搬送幅方向Yに進退するようになっている。つまり、上下動作用駆動源24及び上側支持体21が一体となって搬送幅方向Yに進退する。
【0045】
本実施形態では、進退動作用駆動源23が台座25を介して第一プッシャー11に支持されている。結果、第一プッシャー11の進退に連動して、上側支持体21、進退動作用駆動源23および上下動作用駆動源24の全体が搬送幅方向Yに進退する。更に、進退動作用駆動源23および上下動作用駆動源24が動作すると、第一プッシャー11に対して、上側支持体21が相対的に進退および上下動する。
【0046】
(物品下方支持部)
物品下方支持部9は、物品供給路120において段積物品Sを下方から支持する。物品下方支持部9は、段積物品Sの下方に挿入される下側支持体26と、下側支持体26の上面に設けられる突起27を有している。
【0047】
下側支持体26は、搬送幅方向Yに延びる板状もしくは棒状をなすフォークとなっており、搬送幅方向Yの一方側において、搬送方向Xに第一プッシャー11と第二プッシャー12との間に配置される。下側支持体26は、物品上方支持部2の上下動作用駆動源24の下端に固定される。下側支持体26が段積物品Sを支持した状態で、上下動作用駆動源24によって上側支持体21が下降すると、上側支持体21と下側支持体26によって段積物品Sが挟み込まれる。上下動作用駆動源24が搬送幅方向Yに進退すると、上側支持体21と下側支持体26が一緒に搬送幅方向Yに進退する。
【0048】
なお、物品供給路120及び物品搬入路130の上面には、下側支持体26が搬送幅方向Yに通過するための溝120A、130Aが形成されている。物品供給路120の上面は、溝120Aに進入する下側支持体26の上面よりも高い位置に設定される。一方、物品搬入路130の上面は、溝130Aに進入する下側支持体26の上面よりも低い位置に設定される。また、下側支持体26は、箱Bの内部の底面よりも高い位置に設定される。
図7(a)に示すように、物品供給路120に段積物品Sが配置されている状態で、上側支持体21及び下側支持体26を物品供給路120に進入させると、溝120Aを介して段積物品Sの下側に下側支持体26を挿入できる。この際、突起27が、段積物品Sの最下段の物品Saの側面と係合する。
図7(b)に示すように、上側支持体21を下降させると、上側支持体21と物品供給路120の間に段積物品Sが上下方向に挟み込まれる。この状態で、第一プッシャー11、第二プッシャー12、上側支持体21及び下側支持体26をまとめて前進させると、第一プッシャー11及び第二プッシャー12に押圧されるようにして、段積物品Sが物品供給路120の上面を滑動し、
図8(a)に示すように、物品搬入路130の上まで移動する。この際、下側支持体26の上面は、物品搬入路130の上面よりも高い位置となるので、段積物品Sが、上側支持体21と下側支持体26で挟持された状態に遷移する。このまま更に、第一プッシャー11、第二プッシャー12、上側支持体21及び下側支持体26を前進させると、
図8(b)に示すように、箱B内に、上側支持体21と下側支持体26によって挟持された段積物品Sが搬入される。
【0049】
(物品受け部)
物品受け部3は、箱搬送路110の収容領域A2において箱搬送路110に対して搬送幅方向Yの他方側で箱Bの第二開口O2から箱B外へ突出しようとする段積物品Sを受け止める。すなわち物品受け部3は、搬送幅方向Yから段積物品Sに接触する受側プッシャー31と、受側プッシャー31を箱搬送路110に対して搬送幅方向Yに進退させる受側プッシャー用駆動源32とを有している。
【0050】
受側プッシャー31は棒状をなし、収容領域A2に配置された箱Bにおける搬送方向Xの中央位置Mに対して上流側に寄った位置に設けられている。すなわち受側プッシャー31は、第三フラップHa3と第四フラップHa4との対向方向のうち、第四フラップHa4の側に寄った位置に配置されている。そして受側プッシャー31が段積物品Sに対向して接触する受側接触面31aは平面状をなしており、段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して上流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触するようになっている。受側接触面31aには、鉛直方向に互いに間隔を空けて配置され、鉛直方向に交差する面幅方向となる搬送方向Xに延びる複数の横溝31xが形成されている(
図2参照)。
【0051】
受側プッシャー用駆動源32は例えばモータである。受側プッシャー用駆動源32と受側プッシャー31とはベルト等によって構成された伝達機構33によって接続され、受側プッシャー用駆動源32の回転運動を直線運動に変換して受側プッシャー31に伝達するようになっている。
【0052】
(第一フラップ折込み部)
第一フラップ折込み部4は、箱搬送路110の収容領域A2において、箱搬送路110に対して搬送幅方向Yの一方側で箱Bの第一開口O1に設けられた第一フラップHa1を、第一開口O1を閉じる方向となる上流側に折り込むようになっている。すなわち第一フラップ折込み部4は、搬送方向Xに進退して進出時に第一フラップHa1を押圧する第一折込み体41と、第一折込み体41を搬送方向Xに進退させる第一折込み用駆動源42とを有している。
【0053】
第一折込み体41は、箱搬送路110に沿って搬送方向Xに延び、かつ板厚方向を搬送幅方向Yに位置させて配置された板状をなしている。そして第一折込み体41は、第一フラップ接触面41aと、第一フラップ接触面41aから連続して搬送方向Xの下流側に延び、搬送幅方向Yに箱Bの側を向く第一フラップ案内面41bとを有している。第一フラップ接触面41aは、下流側に移動する退避時において、箱Bの第一開口O1を開放している姿勢の第一フラップHa1の外側面に非接触で対向するとともに、上流側に移動する進出時において、第一フラップHa1の外側面に接触する。
【0054】
第一フラップ接触面41aは、搬送方向Xに進出する側となる上流側に向かうにしたがって、搬送幅方向Yの外側となる箱Bから離れる側に向かって傾斜している。より具体的には、第一フラップ接触面41aは、搬送幅方向Yの内側に配置された平面状の内側傾斜面41xと、内側傾斜面41xの搬送幅方向Yの外側端に連続し、かつ上流側に向かうにしたがって内側傾斜面41xよりも大きく搬送幅方向Yの外側に傾斜する平面状の外側傾斜面41yとを有している。
【0055】
第一フラップ案内面41bは、第一フラップ接触面41aにおける内側傾斜面41xの搬送幅方向Yの内側端に連続し、平面状をなしている。
【0056】
第一折込み用駆動源42は例えばモータであって、第一折込み体41を搬送方向Xに進退させる。第一折込み用駆動源42はボールネジ等によって構成された伝達機構43によって接続され、第一折込み用駆動源42の回転運動を直線運動に変換して第一折込み体41に伝達するようになっている。
【0057】
(第二フラップ折込み部)
図4に示すように第二フラップ折込み部5は、箱搬送路110の内フラップ閉め領域A3において、箱搬送路110に対して搬送幅方向Yの一方側で箱Bの第一開口O1に設けられた第二フラップHa2を、第一開口O1を閉じる方向となる下流側に折り込む。すなわち第二フラップ折込み部5は、第二フラップHa2を押圧する第二折込み体51と、第二折込み体51を、搬送幅方向Yの外側の非押圧位置P1と、非押圧位置P1に対して搬送幅方向Yの内側となる押圧位置P2との間で移動させる第二折込み用駆動源52とを有している。
【0058】
第二折込み体51は板状をなし、押圧位置P2において第二フラップHa2の外側面に対向する第二フラップ対向面51aを有している。また非押圧位置は、第二折込み体51が第二フラップHa2の外側面に干渉しない位置となっている。
【0059】
第二折込み用駆動源52は例えばモータであって、第二折込み体51を例えば鉛直方向に延びる軸線L1回りに回転させることで押圧位置P2と非押圧位置P1との間で移動させる。具体的には、第二折込み体51を非押圧位置P1から押圧位置P2に揺動するように移動させて、自身の先端が、上流側から第二フラップHa2の外面に回り込むようする。
【0060】
(第三フラップ折込み部)
図3に戻って第三フラップ折込み部6は、第一フラップ折込み部4と同様の構成を有している。すなわち第三フラップ折込み部6は、箱搬送路110の収容領域A2において、箱搬送路110に対して搬送幅方向Yの他方側で箱Bの第二開口O2に設けられた第三フラップHa3を、第二開口O2を閉じる方向となる上流側に折り込むようになっている。すなわち第三フラップ折込み部6は、搬送方向Xに進退して進出時に第三フラップHa3を押圧する第三折込み体61と、第三折込み体61を搬送方向Xに進退させる第三折込み用駆動源62とを有している。
【0061】
第三折込み体61は、箱搬送路110に沿って搬送方向Xに延び、かつ板厚方向を搬送幅方向Yに位置させて配置された板状をなしている。そして第三折込み体61は、第三フラップ接触面61aと、第三フラップ接触面61aから連続して搬送方向Xの下流側に延び、搬送幅方向Yに箱Bの側を向く第三フラップ案内面61bとを有している。第三フラップ接触面61aは、搬送方向Xの下流側に移動する退避時において、箱Bの第二開口O2を開放している姿勢の第三フラップHa3の外側面に対向するとともに、上流側へ移動する進出時において、第三フラップHa3の外側面に接触する。
【0062】
第三フラップ接触面61aは、搬送方向Xに進出する側となる上流側に向かうにしたがって、搬送幅方向Yの外側となる箱Bから離れる側に向かって傾斜している。より具体的には、第三フラップ接触面61aは、搬送幅方向Yの内側に配置された平面状の内側傾斜面61xと、内側傾斜面61xの搬送幅方向Yの外側端に連続し、かつ上流側に向かうにしたがって内側傾斜面61xよりも大きく搬送幅方向Yの外側に傾斜する平面状の外側傾斜面61yとを有している。
【0063】
第三フラップ案内面61bは、第三フラップ接触面61aにおける内側傾斜面61xの搬送幅方向Yの内側端に連続し、平面状をなしている。
【0064】
第三折込み用駆動源62は例えばモータであって、第三折込み体61を搬送方向Xに進退させる。第三折込み用駆動源62はボールネジ等によって構成された伝達機構63によって接続され、第三折込み用駆動源62の回転運動を直線運動に変換して第三折込み体61に伝達するようになっている。
【0065】
(第四フラップ折込み部)
図4に示すように第四フラップ折込み部7は、箱搬送路110の内フラップ閉め領域A3において、箱搬送路110に対して搬送幅方向Yの他方側で箱Bの第二開口O2に設けられた第四フラップHa4を、第二開口O2を閉じる方向となる下流側に折り込む。すなわち第四フラップ折込み部7は、第四フラップHa4を押圧する第四折込み体71と、第四折込み体71を、搬送幅方向Yの外側の非押圧位置P3と、非押圧位置P3に対して搬送幅方向Yの内側となる押圧位置P4との間で移動させる第四折込み用駆動源72とを有している。
【0066】
第四折込み体71は板状をなし、押圧位置P4において第四フラップHa4の外側面に対向する第四フラップ対向面71aを有している。また非押圧位置P3は、第四折込み体71が第四フラップHa4の外側面に干渉しない位置となっている。
【0067】
第四折込み用駆動源72は例えばモータであって、第四折込み体71を例えば鉛直方向に延びる軸線L2回りに回転させることで押圧位置P4と非押圧位置P3との間で移動させる。具体的には、第四折込み体71を非押圧位置P3から押圧位置P4に揺動するように移動させる際、自身の先端が、上流側から第四フラップHa4の外面に回り込むようにする。
【0068】
(制御装置)
制御装置8は、物品押込み部1における第一プッシャー用駆動源13および第二プッシャー用駆動源14と、物品上方支持部2における支持体用駆動部22と、物品受け部3における受側プッシャー用駆動源32と、第一フラップ折込み部4における第一折込み用駆動源42と、第二フラップ折込み部5における第二折込み用駆動源52と、第三フラップ折込み部6おける第三折込み用駆動源62と、第四フラップ折込み部7における第四折込み用駆動源72とに対して、通信回線を介して電気的に接続されている。
【0069】
図5に示すように制御装置8は計算機を有し、計算機は、CPU(Central Processing Unit)800と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ810と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの不揮発性の記憶装置820と、電源装置830と、入力インターフェース840と、出力インターフェース850と、これらを接続するバス配線860とを有している。
【0070】
CPU800は中央演算処理装置であって、プログラムを実行する。メモリ810はCPU800の作業領域や記憶領域として使用され、記憶装置820はCPU800で実行されるオペレーティングシステムやプログラム等を記憶する。本実施形態では後述する箱詰めプログラムが記憶装置820に記憶され、CPU800によって実行される。
【0071】
そして制御装置8は、支持体下降処理部80と、支持体前進処理部81と、押込み処理部82と、第一プッシャー退避処理部83と、支持体退避処理部84と、第一フラップ折込み処理部85と、第二プッシャー退避処理部86と、第一折込み体移動処理部87と、第二フラップ折込み処理部88と、第二フラップ迎え処理部89と、第二折込み体逃げ処理部90と、受側プッシャー進出処理部91と、第三フラップ折込み処理部92と、受側プッシャー退避処理部93と、第三折込み体移動処理部94と、第四フラップ折込み処理部95と、第四フラップ迎え処理部96と、第四折込み体逃げ処理部97とを有している。
【0072】
支持体下降処理部80は、物品供給路120において上側支持体21を段積物品Sの上方に配置した状態で下降させて、段積物品Sの上面を押さえ込み、上側支持体21と物品供給路120によって、段積物品Sを上下方向に挟み込む。
【0073】
支持体前進処理部81は、上側支持体21と物品供給路120によって上下方向に挟み込まれている段積物品Sを、搬送幅方向Yの内側となる箱Bの側に向けて進出させる。なお、物品搬入路130から箱Bまでの移送範囲では、段積物品Sは、上側支持体21及び下側支持体26によって上下方向に挟み込まれる。上側支持体21及び下側支持体26は、先端側が箱Bの内部まで進入することで、段積物品Sを箱Bの内部に搬入する。
【0074】
押込み処理部82は、第一プッシャー11および第二プッシャー12を搬送幅方向Yに向けて進出させて、段積物品Sを箱Bの第一開口O1から箱B内に押し込む。押込み処理部82による第一プッシャー11および第二プッシャー12の進出動作と、支持体前進処理部81による上側支持体21及び下側支持体26の進出動作とは同期して行われる。
【0075】
第一プッシャー退避処理部83は、押込み処理部82によって段積物品Sが箱B内に押し込まれた後に、第一プッシャー11および第二プッシャー12のうちの第一プッシャー11のみを退避させる。
【0076】
支持体退避処理部84は、第一プッシャー退避処理部83が第一プッシャー11を退避させると同時または退避させる前に、上側支持体21を搬送幅方向Yの外側となる箱Bから離れる側に退避させる。なお、本実施形態では、上側支持体21と下側支持体26が一緒に搬送幅方向Yに退避する。
【0077】
第一フラップ折込み処理部85は、第一プッシャー退避処理部83による第一プッシャー11の退避途中または退避後に、第一折込み体41を動作させて、第一フラップHa1を、第一プッシャー11及び第二プッシャー12に干渉しない位置まで折り込む。第一折込み体41の動作中又は動作前に、第一プッシャー11が退避するので、第一フラップHa1と第一プッシャー11との干渉量が低減される。結果、第一折込み体41による第一フラップHa1の折り込み量を増大させることができる。
【0078】
第二プッシャー退避処理部86は、第一プッシャー退避処理部83による第一プッシャー11の退避タイミングに遅れて、第二プッシャー12を退避させる。また第二プッシャー退避処理部86は、第一フラップ折込み処理部85による第一フラップHa1の折込み開始後に、第二プッシャー12を退避させる。好ましくは、第二プッシャー退避処理部86は、第一フラップ折込み処理部85による第一フラップHa1の折込み途中の後半または折込み完了後(仮折り込み姿勢後)に第二プッシャー12を退避させる。
【0079】
なお、第一プッシャー11および第二プッシャー12を合わせた全体を「プッシャー」と定義し、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを合わせた全体を「押側接触面」と定義した場合、第一プッシャー退避処理部83は、第一プッシャー11を動作させることで、押側接触面を段積物品Sに接触させたまま、押側接触面の一部(第一押側接触面11a)のみを段積物品Sから退避させる制御を実行する。これは、押側接触面の接触面積を減少させることと同義となる。従って、第一プッシャー退避処理部83は、押側接触面の接触態様に変動を生じさせる制御を実施することから、「押側接触面変動処理部」と読み替えることができる。更に第二プッシャー退避処理部86は、押側接触面の接触態様の変動タイミングに遅れて、第二プッシャー12を動作させることで、押側接触面の残部全体(第一押側接触面11a)を退避させる制御を実行する。つまり、第二プッシャー退避処理部86は、押側接触面について、接触状態から完全に退避させる退避制御を実施することから「押側接触面退避処理部」と読み替えることができる。
【0080】
第一折込み体移動処理部87は、第一フラップ折込み処理部85によって第一折込み体41を進出させて第一フラップHa1を折り込んだ後、箱Bの下流側への搬送、すなわち箱Bの収容領域A2から内フラップ閉め領域A3への移動と同期して、第一折込み体41を下流側へ移動させる。
【0081】
第二フラップ折込み処理部88は、第一折込み体移動処理部87による第一折込み体41の下流側への移動後または移動中に第一折込み体41の上流側において、第二折込み体51を第二フラップHa2に接触する押圧位置P2に配置して第二フラップHa2を折り込む。
【0082】
第二フラップ迎え処理部89は、第二フラップ折込み処理部88によって第二フラップHa2が折り込まれた後または折り込み途中において、かつ第一折込み体移動処理部87によって第一折込み体41を下流側へ移動させた後に、第一折込み体41を上流側へ移動させる。本実施形態では第二フラップ迎え処理部89は、第一折込み体41の第一フラップ案内面41bが第二フラップHa2に対して搬送幅方向Yの外側から対向する位置まで、第一折込み体41を上流側へ移動させる。
【0083】
第二折込み体逃げ処理部90は、第二フラップ迎え処理部89による第一折込み体41の上流側への移動の後、または移動中に、第二折込み体51を非押圧位置P1に配置する。これにより、第二折込み体51が、次の箱Bのフラップ折り込みの為に更に上流側に移動する第一折込み体41や、次の箱Bの第一フラップHa1、第二フラップHa2と干渉しないようにする。
【0084】
受側プッシャー進出処理部91は、押込み処理部82による第一プッシャー11および第二プッシャー12が進出する動作と同期して、受側プッシャー31を搬送幅方向Yに向けて箱Bの内部を搬送幅方向Yに通過するように進出させて、物品配置領域A10の段積物品Sを、受側プッシャー31と、第一プッシャー11および第二プッシャー12との間に挟み込む。なお、その後に、押込み処理部82によって段積物品Sが箱B内に押し込まれる。
【0085】
第三フラップ折込み処理部92は、第三折込み体61を動作させて、第三フラップHa3を受側プッシャー31に干渉しない位置まで折り込む。本実施形態では、受側プッシャー進出処理部91による受側プッシャー31の進出後であって、第一フラップ折込み処理部85による第一フラップHa1の折り込みと同時に第三フラップ折込み処理部92による第三フラップHa3の折り込みが行われる。
【0086】
受側プッシャー退避処理部93は、押込み処理部82による第一プッシャー11および第二プッシャー12の進出による箱B内への段積物品Sの押し込みと同期して受側プッシャー31を退避させて、一旦、第二開口O2で停止させる。更にその後、第三フラップ折込み処理部92による第三フラップHa3の折込み途中または折込み後、第二プッシャー退避処理部86による第二プッシャー12の退避と同時に、受側プッシャー31をさらに第二開口O2から退避させる。
【0087】
第三折込み体移動処理部94は、第三フラップ折込み処理部92によって第三折込み体61を進出させて第三フラップHa3を折り込んだ後、箱Bの下流側への搬送、すなわち箱Bの収容領域A2から内フラップ閉め領域A3への移動と同期して、第三折込み体61を下流側へ移動させる。本実施形態では、第一折込み体移動処理部87による第一折込み体41の下流側への移動と同時に、第三折込み体移動処理部94による第三折込み体61の下流側への移動が行われる。
【0088】
第四フラップ折込み処理部95は、第三折込み体移動処理部94による第三折込み体61の下流側への移動後または移動中に第三折込み体61の上流側において、第四折込み体71を第四フラップHa4に接触する押圧位置P4に配置して第四フラップHa4を折り込む。本実施形態では、第二フラップ折込み処理部88による第二折込み体51の押圧位置P2への移動と同時に、第四フラップ折込み処理部95による第四折込み体71の押圧位置P4への移動が行われる。
【0089】
第四フラップ迎え処理部96は、第四フラップ折込み処理部95によって第四フラップHa4が折り込まれた後または折り込み途中において、かつ第三折込み体移動処理部94によって第三折込み体61を下流側へ移動させた後に、第三折込み体61を上流側へ移動させる。本実施形態では第四フラップ迎え処理部96は、第三折込み体61の第三フラップ案内面61bが第四フラップHa4に対して搬送幅方向Yの外側から対向する位置まで、第三折込み体61を上流側へ移動させる。また本実施形態では、第二フラップ迎え処理部89による第一折込み体41の上流側への移動と同時に、第四フラップ迎え処理部96による第三折込み体61の上流側への移動が行われる。
【0090】
第四折込み体逃げ処理部97は、第四フラップ迎え処理部96による第三折込み体61の上流側への移動の後、または移動中に、第四折込み体71を非押圧位置P3に配置する。これにより、第四折込み体71が、次の箱Bのフラップ折り込みの為に更に上流側に移動する第三折込み体61や、次の箱Bの第三フラップHa3、第四フラップHa4と干渉しないようにする。本実施形態では、第二折込み体逃げ処理部90による第二折込み体51の非押圧位置P1への移動と同時に、第四折込み体逃げ処理部97による第四折込み体71の非押圧位置P3への移動が行われる。
【0091】
次に、箱搬送路110の収容領域A2に配置された段積物品Sを箱Bへ収容する箱詰め方法(箱詰めプログラム)について説明する。
図7(a)に示すように、まず、進退動作用駆動源23によって、上下動作用駆動源24を進出させることで、上側支持体21及び下側支持体26を、段積物品Sの上下方向に位置決めしてから、上下動作用駆動源24によって上側支持体21を下降させ、段積物品Sを上側支持体21及び物品供給路120によって上下方向に挟み込む(矢印Q参照)。本実施形態では、収容領域A2において、第一プッシャー11および第二プッシャー12は、予め、段積物品Sの側面に接近する場所に待機させている。なお、
図7(a)において、第一プッシャー11および第二プッシャー12を進退させて、段積物品Sの側面に高精度に位置決めしても良い。
【0092】
その後、
図7(b)に示すように、受側プッシャー31を進出させて箱B内を通過させて段積物品Sの側面に接触させ、受側プッシャー31と、第一プッシャー11および第二プッシャー12との間に段積物品Sを挟み込む。結果、段積物品Sは、上側支持体21及び物品供給路120(物品搬入路130や箱B内では上側支持体21及び下側支持体26)によって上下方向に挟み込まれると同時に、受側プッシャー31と、第一プッシャー11および第二プッシャー12によって搬送幅方向Yに挟み込まれる。この状態で、
図8(a)(b)に示すように、上側支持体21及び下側支持体26、並びに、第一プッシャー11及び第二プッシャー12をさらに進出させると同時に、受側プッシャー31を退避させることで、段積物品Sを、物品搬入路130を経て箱B内に収容する。この際、段積物品Sが物品搬入路130を通過するタイミングで、物品搬入路130に設けられた搬入案内板131を進出させて、箱Bの第一フラップHa1、第二フラップHa2、および一対の外フラップHbを第一開口O1の内側から支持し、これらの開状態を維持する。なお、搬入案内板131の進退動作は上記の制御装置8で制御してもよいし、不図示の制御装置で制御してもよい。
【0093】
段積物品Sが箱B内に収容された後、搬入案内板131を退避させる。これと同時に、収容領域A2の箱Bの内部において、上側支持体21を余裕隙間分だけ上昇させてから、
図9に示すように、上側支持体21及び下側支持体26を退避させた後、第一プッシャー11を退避させる。その後、上側支持体21及び下側支持体26、並びに第一プッシャー11と干渉しないタイミングを見計らって、第一折込み体41および第三折込み体61を進出させ、第一フラップHa1および第三フラップHa3を折り込む。この際、第一フラップHa1の先端縁が、第一開口O1における対向方向(搬送方向X)の中央位置Mよりも第一フラップHa1の側に留まる範囲内で、第一フラップHa1を折り込む。同様に第三フラップHa3の先端縁が、第二開口O2における対向方向(搬送方向X)の中央位置Mよりも第三フラップHa3の側に留まる範囲内で、第三フラップHa3を折り込む。この第一フラップHa1及び第三フラップHa3の折り込み状態を、ここでは「仮折り込み姿勢」と呼ぶ。なお、ここでは第一フラップHa1の仮折り込み姿勢の角度が、搬送幅方向Yに対して閉鎖方向に60°程度となる場合を例示しているが、この角度は特に限定されない。一方、この第一フラップHa1の仮折り込み姿勢は、箱B内の段積物品Sの荷崩れを抑止する役割を有することから、搬送幅方向Yに対する同角度は30°以上とすることが好ましく、望ましくは45°とし、更に望ましくは60°以上とする。
【0094】
本実施形態では、第一フラップHa1及び第三フラップHa3の仮折り込みが開始された後、第二プッシャー12および受側プッシャー31を退避させる。具体的には、第一フラップHa1及び第三フラップHa3が仮折り込み姿勢に向かっている折り込み動作の進展中、または、第一フラップHa1及び第三フラップHa3が仮折り込み姿勢となった後において、第二プッシャー12および受側プッシャー31を退避させる。その後、箱Bを、内フラップ閉め領域A3へ搬送するのと連動して、第一折込み体41および第三折込み体61も、内フラップ閉め領域A3に移動させる(
図4参照)。そして
図10の内フラップ閉め領域A3に示すように、第二フラップHa2および第四フラップHa4を折り込んでから、第一折込み体41および第三折込み体61を上流側に移動させる。結果、第一折込み体41の第一フラップ案内面41bが、第二フラップHa2に対して搬送幅方向Yの外側から対向するようになり、第三折込み体61の第三フラップ案内面61bが、第四フラップHa4に対して搬送幅方向Yの外側から対向する。その後、第一フラップ案内面41b及び第三フラップ案内面61bに沿ってこれらのフラップを滑動させるようにして、箱Bを、内フラップ閉め領域A3から下流側の外フラップ閉め領域A4へ搬送する。内フラップ閉め領域A3で閉じられた内フラップHaは、第一折込み体41および第三折込み体61から、外フラップ閉め領域A4側の別のサイドガイドG(
図1参照)に受け渡され、その閉じた状態が維持される。外フラップ閉め領域A4では、一工程又は二工程以上の複数工程を経て、箱Bの一対の外フラップHbが閉じられる。
【0095】
段積物品Sを収容済みの箱Bを内フラップ閉め領域A3から外フラップ閉め領域A4へ搬送するタイミングと同期して、第二折込み体51および第四折込み体71を非押圧位置P1、P3に移動させる。その後、収容領域A2に配置される次の箱Bに向かって、第一折込み体41および第三折込み体61をさらに上流側に進出させて第一フラップHa1および第三フラップHa3を折り込む。
【0096】
以上の工程を連続的に繰り返す結果、上記の一連の箱詰め方法(箱詰めプログラム)では、収容領域A2の箱Bに対して段積物品Sを箱B内に押し込んで収容する工程と、内フラップ閉め領域A3において、第一折込み体41及び第三折込み体61を箱Bの第二フラップHa2及び第四フラップHa4に対向させる工程と、外フラップ閉め領域A4で箱Bの外フラップHbを閉じる工程が、同時並行的に実行される。
【0097】
(作用効果)
以上説明した本実施形態の箱詰め装置100によれば、独立して進退可能な二つのプッシャーである第一プッシャー11および第二プッシャー12を設けたことで、第一プッシャー11および第二プッシャー12を進出させて段積物品Sを箱B内へ押し込んだ後に、先に第一プッシャー11のみを退避させて第一折込み体41によって第一フラップHa1を仮折り込みすることが可能となる。この結果、箱Bへの段積物品Sの収容中に段積物品Sに荷崩れが発生しそうになっても、仮折り込み姿勢となる第一フラップHa1で、段積物品Sを受け止めることができる。
【0098】
よって段積物品Sが箱Bの外へ脱落してしまうことを、機械的に抑制できるので、収容動作の速度向上も実現可能となり、収容作業の効率を向上させることが可能となる。
【0099】
更に本実施形態では、第一フラップHa1を箱Bの第一開口O1における搬送方向Xの中央位置Mよりも第一フラップHa1の側となる下流側に留まるように仮折り込みしている。結果、第一フラップHa1が仮折り込み姿勢になるまで、或いは、第一フラップHa1が仮折り込み姿勢に近い状態となるまで、第二プッシャー12を段積物品Sに接触させておくことができる。つまり、第二プッシャー12による段積物品Sの接触時間を稼ぐことができるので、第一プッシャー11を退避させた後から、第一フラップHa1が仮折り込み姿勢となるまでの隙間時間における段積物品Sの荷崩れを回避することができる。たとえ、第二プッシャー12が退避した直後に第一フラップHa1を仮り折りする場合であっても、第一プッシャー11が退避した後も第二プッシャー12による段積物品Sの接触時間を稼ぐことができるので、段積物品Sの荷崩れを抑制できる。
【0100】
また、第一折込み体41の第一フラップ接触面41aが、搬送幅方向Yに傾斜しているため、上流側に進出して第一フラップHa1を折り込む際には、この第一フラップ接触面41aに沿わせながら第一フラップHa1を円滑に案内して折り込むことができる。これにより、第一フラップHa1に接触痕を残さないで済む。
【0101】
特に本実施形態では、第一フラップ接触面41aが内側傾斜面41xと外側傾斜面41yとによって構成されている。このため、第一フラップHa1を上流側に押し込む際には、まず外側傾斜面41yに対して第一フラップHa1が接触する。第一フラップHa1は、外側傾斜面41yに沿うようにして折り込まれる。そして、外側傾斜面41yによってある程度第一フラップHa1が折り込まれると、第一フラップHa1の搬送幅方向Yへの傾斜が緩くなるが、この際、外側傾斜面41yよりも搬送幅方向Yへの傾斜が緩い内側傾斜面41xに、第一フラップHa1が接触する。仮折り込み姿勢に到達する第一フラップHa1の最後の折り込みは、外側傾斜面41yに沿って実行される。このように第一フラップHa1に対して、その傾斜状態に応じて二つの傾斜面41y、41xを切り替えて案内することができ、第一フラップHa1を円滑に折り込むことができる。
【0102】
また第一折込み体41が搬送方向Xに延びる第一フラップ案内面41bを有している。このため、箱Bを下流側に搬送する動作に連動させて、この第一フラップ案内面41bによって第一フラップHa1を搬送幅方向Yの外側から押さえ込むことができるので、第一フラップHa1が開いてしまうことを回避できる。よって仮折り込み姿勢の第一フラップHa1に対して、折り込み姿勢を更に深めながら、箱Bを下流側に搬送できるので、箱Bの搬送中における段積物品Sの荷崩れを回避することができる。
【0103】
また、第二フラップHa2を折り込むために、収容領域A2から内フラップ閉め領域A3への箱Bの搬送に同期させて、第一折込み体41も収容領域A2から内フラップ閉め領域A3に移動させるので、搬送の間、第一フラップHa1の仮折り込み姿勢を維持でき、搬送中の段積物品Sの荷崩れも抑制できる。更に、内フラップ閉め領域A3から外フラップ閉め領域A4に箱Bを搬送する際には、第一折込み体41のみを独立して収容領域A2側に前進させることができるので、次に箱詰めが行われる箱Bに対する第一フラップHa1の折り込みに備えることができる。よって箱詰め作業の効率化を図ることができる。
【0104】
さらに、内フラップ閉め領域A3では、第二折込み体51によって第二フラップHa2を折り込んだ後、第一折込み体41を第二フラップHa2に近づくように上流側に移動させる。よって、第二フラップHa2に関して、第二折込み体51による折り込み態様から、第一折込み体41の第一フラップ案内面41bによる折り込み態様に受け渡しが実行されるので、箱Bを外フラップ閉め領域A4に搬送する際に、第二フラップHa2が開いてしまうことを回避できる。
【0105】
特に本実施形態では、第一フラップHa1を「仮折り込み姿勢」とする第一フラップ接触面41aと、この第一フラップHa1と第二フラップHa2を同時に押さえ込む第一フラップ案内面41bが、連続面で構成されている。これにより、収容領域A2における第一フラップ接触面41aによる第一フラップHa1の仮折り込み動作と、内フラップ閉め領域A3及び外フラップ閉め領域A4における第一フラップ接触面41aによる第一フラップHa1及び第二フラップHa2の押さえ込み動作の間に、第一フラップHa1を解放するタイミングが一切存在しないので、箱Bのフラップを完全に閉じるまでの段積物品Sの荷崩れを確実に回避することができる。また例えば、第一折込み用駆動源42及び第三折込み用駆動源62にサーボモータ等を採用することによって、第一折込み体41と第三折込み体61が互いに独立して搬送方向に移動可能、及び/又は、互いに独立して搬送方向に位置調整可能に構成できる。結果、第一折込み体41や第三折込み体61を交換せずに、駆動源側の制御によって、収容領域A2における第一フラップHa1の折り込みタイミングと第三フラップHa3の折り込みタイミングを独立して設定したり、第一フラップHa1の折り込み量と第三フラップHa3の折り込み量(折り込み角度)を独立して設定したりできる。これにより、箱Bのサイズやフラップの仕様が変更された場合であっても、制御側の設定変更で柔軟に対応できる。また、内フラップ閉め領域A3における第二フラップHa2の折り込み動作や、第四フラップHa4の折り込み動作も、独立して制御することが可能となる。
【0106】
また段積物品Sを箱Bに収容する際には、上側支持体21及び下側支持体26によって、段積物品Sを上下方向に挟み込んだ状態で、第一プッシャー11および第二プッシャー12によって、段積物品Sを箱Bまで滑動させることができる。よって第一プッシャー11および第二プッシャー12によって箱Bに段積物品Sを押し込む際に、段積物品Sが荷崩れしてしまうことを回避できる。
【0107】
さらに上側支持体21は、搬送方向Xに分離している第一プッシャー11と第二プッシャー12との間に配置されているため、上側支持体21を進退および上下動させる際、上側支持体21が第一プッシャー11および第二プッシャー12に干渉することがなくなり、上側支持体21の可動範囲を広くすることができる。
【0108】
また、第一折込み体41と同様に第三折込み体61を設けたことで、第三フラップHa3を仮折り込みでき、第二開口O2の側においても箱Bの搬送中に段積物品Sの荷崩れを回避できる。また第二折込み体51と同様に第四折込み体61を設けたことで、第四フラップHa4を仮折り込みでき、箱Bの搬送中に段積物品Sの荷崩れを回避できる。
【0109】
また段積物品Sを箱Bに収容する際には、受側プッシャー31と、第一プッシャー11および第二プッシャー12とによって搬送幅方向Yに段積物品Sを挟み込んで箱B内に移動させるが、受側プッシャー31は、箱Bに対して、搬送方向Xの上流側に寄った位置に配置されているため、受側プッシャー31が段積物品Sを受け止めている状態のまま、第三折込み体61によって第三フラップHa3を仮折り込みすることができる。これによっても段積物品Sの荷崩れを回避できる。
【0110】
また受側プッシャー31の受側接触面31aには複数の横溝31xが形成されているため、段積物品Sを構成する各物品Saの縁を横溝31xに係合させるようにして、段積物品Sを受け止めることができる。よって段積物品Sの荷崩れ回避の効果を高めることができる。
【0111】
ここで本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0112】
上記実施の形態では、第一フラップHa1の先端縁が第一開口O1における対向方向(搬送方向X)の中央位置Mよりも第一フラップHa1の側に留まる範囲内で、第一折込み体41が第一フラップHa1を折り込む場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば
図11に示すように、閉鎖時における第一フラップHa1の先端縁が、第一開口O1の中央位置Mを超える長尺タイプの場合、第一折込み体41による第一フラップHa1の仮折り込み姿勢において、第一フラップHa1の先端縁が中央位置Mよりも上流側に位置しても良い。いずれにおいても、第一折込み体41によって仮折り込み姿勢まで遷移する第一フラップHa1と、退避する第二プッシャー12を干渉させないようにすればよい。
【0113】
更に上記実施の形態では、第一折込み体41による第一フラップHa1の仮折り込みが開始された後に、第二プッシャー12を退避させる場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば
図12に示すように、第二プッシャー12の退避が開始された後に、第一折込み体41が第一フラップHa1の折り込みを開始してもよい。いずれにおいても、第一フラップHa1の折り込みを開始するためには、予め、第一フラップHa1と干渉しない位置まで第一プッシャー11側を完全に退避させる必要がある。その退避に要する最小時間t(点線矢印参照)において、第二プッシャー12が、段積物品Sを継続的に保持しておくことが肝要である。
【0114】
(第1変形実施形態)
図13に、本実施形態の箱詰め装置100の第1変形実施形態を示す。この箱詰め装置100は、物品押込み部1として、単体となるプッシャー11Tを有する。このプッシャー11Tは、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを有している。第一押側接触面11aは、段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して下流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触し、第二押側接触面12aは、段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して上流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触する。プッシャー11Tは、プッシャー用駆動源13T及び伝達機構15Tによって搬送幅方向Yに進退する。
【0115】
更にプッシャー11Tは、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを段積物品Sに接触させた状態で、揺動アーム11Yを、矢印U1のように揺動させることで、第一押側接触面11aのみを旋回させて段積物品Sから離反させる駆動源500を有する。第一フラップ折込み処理部85は、駆動源500による第一押側接触面11aの退避途中または退避後に、第一折込み体41を動作させて、第一フラップHa1を、プッシャー11Tに干渉しない位置まで折り込む。駆動源500によって、第一押側接触面11aが搬送方向Xの下流側から上流側に移動するので、第一フラップHa1との干渉量が低減される。結果、第一折込み体41による第一フラップHa1の折り込み量を増大させることができる。その後、特に図示しないが、プッシャー11Tの全体を退避させることで、第二押側接触面12aを段積物品Sから完全に退避させる。
【0116】
第1変形実施形態において、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを合わせた全体を「押側接触面」と定義した場合、駆動源500は、押側接触面の一部(第一押側接触面11a)のみの退避動作を実行できる。これは、押側接触面の接触面積を減少させることと同義となる。この一部退避動作や接触面積の減少動作は「押側接触面の接触態様の変動動作」と定義できる。
【0117】
(第2変形実施形態)
図14に、本実施形態の箱詰め装置100の第2変形実施形態を示す。この箱詰め装置100は、物品押込み部1として、単体となるプッシャー11Tを有する。このプッシャー11Tは、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを有している。第一押側接触面11aは、段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して下流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触し、第二押側接触面12aは、段積物品Sにおける搬送方向Xの中央位置Nに対して上流側に寄った位置で段積物品Sの側面に接触する。プッシャー11Tは、プッシャー用駆動源13T及び伝達機構15Tによって搬送幅方向Yに進退する。
【0118】
更にプッシャー11Tは、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを段積物品Sに接触させた状態で、スライドアーム11Sを、矢印U2のように搬送方向Xに移動させることで、第一押側接触面11aのみを上流側にスライドさせる駆動源500を有する。
【0119】
本第2変形例では、例えば第一フラップ折込み処理部85は、駆動源500によって第一押側接触面11aをスライドさせる前に、第一折込み体41を動作させて、第一フラップHa1を、プッシャー11Tに干渉しない位置まで折り込む。
【0120】
その後、駆動源500によって、第一押側接触面11aを搬送方向Xの下流側から上流側に移動させると、事後的に、第一フラップHa1と第一押側接触面11aとの干渉が回避される。このまま、プッシャー11Tの全体を退避させることで、上流側にスライドした第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを段積物品Sから完全に退避させる。
【0121】
第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを合わせた全体を「押側接触面」と定義した場合、駆動源500は、押側接触面の接触面積を変えることなく、押側接触面の移動動作を実行する。この押側接触面の移動動作は「押側接触面の接触態様の変動動作」の一種となる。
【0122】
本第2変形実施形態では、第一押側接触面11aやスライドアーム11Sを、搬送方向Xにスライドさせているので、その占有領域が、搬送幅方向Yに広がらない。結果、第一フラップHa1を十分に折り込んだ後に、第一押側接触面11aやスライドアーム11Sを、搬送方向Xの上流側にスライドさせても、第一フラップHa1と干渉しないで済む。結果、段積物品Sの荷崩れを、より確実に防止できる。
【0123】
なお、本第2変形実施形態では、第一押側接触面11aのみを上流側に移動させる場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、第二押側接触面12aも同時に上流側に移動させることもできる。例えば
図15に示すように、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを単一の平面で構成しておき、平面全体を、駆動源500によって搬送方向Xの上流側にスライドさせることで、第一押側接触面11aと第一フラップHa1の干渉を抑制できる。更に、この際に、第一押側接触面11aを上流側に移動させつつ、第二押側接触面12aを段積物品Sから離反させることで、上流側の第二押側接触面12aを第一押側接触面11aに代替することできる。これは、押側接触面の接触面積の減少態様と押側接触面の移動態様が同時に実行されることを意味する。また、本第2変形実施形態では、第一押側接触面11aをスライドさせる前に、第一折込み体41を動作させる場合を例示するが、第一押側接触面11aのスライド途中やスライド後に、第一折込み体41を動作させてもよい。
【0124】
更に、第1及び第2変形実施形態では、第一押側接触面11aを上流側に移動させて、第一フラップHa1との干渉を回避する場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、第一押側接触面11aを、第一フラップHa1に対して鉛直上下方向に逃げるように移動させることで、第一フラップHa1との干渉を回避することもできる。
【0125】
また更に、第1及び第2変形実施形態では、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aが、プレート材の平面で構成される場合を例示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、回転ローラの周面のような曲面であってもよい。回転ローラの場合、段積物品Sの側面に沿って転動させることが可能となり、この転動によって、第一押側接触面11a及び第二押側接触面12aを段積物品Sの側面に沿って移動させることができる。更にまた、第1及び第2変形実施形態では、上側支持体21及び/又は下側支持体26が、第一プッシャー11及び第二プッシャー12の間に配置される場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。上側支持体21及び/又は下側支持体26が、第一プッシャー11及び第二プッシャー12の両外側に配置されてもよい。
【0126】
本実施形態では、押側接触面を、伸縮可能な弾性部材、伸縮ベルトコンベア、蛇腹構造、テレスコピック構造等の伸縮構造で構成することで、その接触面積を自ら可変としてもよい。
【0127】
また本実施形態では、箱搬送路110が水平方向となる場合を例示したが、例えば、箱搬送路110は鉛直方向に沿って延び、箱Bを鉛直方向に搬送してもよい。
【0128】
本実施形態では、物品受け部3においても物品押し込み部1と同様に一対のプッシャーを設け、当該一対のプッシャー同士の退避タイミングをずらすように制御してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の箱詰め装置によれば、箱への物品の収容中に物品が箱外へ脱落してしまうことを抑制でき、作業効率を向上することが可能となる。
【符号の説明】
【0130】
1…物品押込み部
2…物品上方支持部
3…物品受け部
4…第一フラップ折込み部
5…第二フラップ折込み部
6…第三フラップ折込み部
7…第四フラップ折込み部
8…制御装置
9…物品下方支持部
11…第一プッシャー
12…第二プッシャー
21…上側支持体
22…支持体用駆動部
26…下側支持体
31…受側プッシャー
31a…受側接触面
31x…横溝
41…第一折込み体
41a…第一フラップ接触面
41b…第一フラップ案内面
51…第二折込み体
61…第三折込み体
71…第四折込み体
80…支持体下降処理部
81…支持体前進処理部
82…押込み処理部
83…第一プッシャー退避処理部
84…支持体退避処理部
85…第一フラップ折込み処理部
86…第二プッシャー退避処理部
87…第一折込み体移動処理部
88…第二フラップ折込み処理部
89…第二フラップ迎え処理部
90…第二折込み体逃げ処理部
91…受側プッシャー進出処理部
92…第三フラップ折込み処理部
93…受側プッシャー退避処理部
94…第三折込み体移動処理部
95…第四フラップ折込み処理部
96…第四フラップ迎え処理部
97…第四折込み体逃げ処理部
100…箱詰め装置
110…箱搬送路
120…物品供給路
130…物品搬入路
B…箱
Ha…内フラップ
Ha1…第一フラップ
Ha2…第二フラップ
Ha3…第三フラップ
Ha4…第四フラップ
Hb…外フラップ
O1…第一開口
O2…第二開口
S…段積物品