(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042242
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】基板処理装置、および、フィルタの気泡除去方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
H01L21/304 648F
H01L21/304 643A
H01L21/304 651B
H01L21/304 648K
H01L21/304 648G
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146824
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】土橋 裕也
(72)【発明者】
【氏名】石川 秀和
(72)【発明者】
【氏名】藤井 定
(72)【発明者】
【氏名】テン ポーリン
(72)【発明者】
【氏名】長尾 隆
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB45
5F157AB49
5F157AB51
5F157AB64
5F157AB90
5F157BB23
5F157BB42
5F157CC41
5F157CD32
5F157CE08
5F157CE10
5F157CF04
5F157CF14
5F157CF34
5F157CF42
5F157CF44
5F157CF60
5F157CF74
5F157CF99
5F157DC21
5F157DC88
(57)【要約】
【課題】フィルタの交換頻度を抑えることが可能な基板処理装置とフィルタの気泡除去方法とを提供する。
【解決手段】基板処理装置100は、基板処理ユニット10と、配管32と、フィルタ141と、上流側配管151と、下流側配管161と、除去液供給部165とを備える。基板処理ユニット10は、基板Wを処理する。配管32は、基板処理ユニット10に処理液を流通する。フィルタ141は、配管32に配置される。上流側配管151は、フィルタ141の上流側で配管32に接続される。下流側配管161は、フィルタ141の下流側で配管32に接続される。除去液供給部165は、気泡除去液を、上流側配管151および下流側配管161の一方に供給する。基板処理装置100は、気泡除去液を、上流側配管151および下流側配管161の一方から、フィルタ141を介して上流側配管151および下流側配管161の他方に通過させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための基板処理ユニットと、
前記基板処理ユニットに処理液を流通する処理液配管と、
前記処理液配管に配置されるフィルタと、
前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される上流側配管と、
前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される下流側配管と、
前記上流側配管および前記下流側配管の一方に接続され、前記フィルタに詰まった気泡を除去する気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方に供給する除去液供給部と
を備え、
前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、基板処理装置。
【請求項2】
前記フィルタの上流側または下流側で前記処理液配管に接続される洗浄配管と、
前記洗浄配管に接続され、前記処理液を洗い流す洗浄液を、前記洗浄配管に供給する洗浄液供給部と
をさらに備え、
前記洗浄液を、前記洗浄配管から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記フィルタの上流側で前記処理液配管に配置される第1バルブと、
前記フィルタの下流側で前記処理液配管に配置される第2バルブと、
前記上流側配管に配置される第3バルブと、
前記下流側配管に配置される第4バルブと、
前記洗浄配管に配置される第5バルブと
をさらに備え、
前記第3バルブ、前記第4バルブおよび前記第5バルブを閉じ、前記第1バルブおよび前記第2バルブを開くことにより、前記処理液を、前記処理液配管の上流側から、前記フィルタを介して前記処理液配管の下流側に通過させ、
前記第1バルブ、前記第2バルブおよび前記第5バルブを閉じ、前記第3バルブおよび前記第4バルブを開くことにより、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させ、
前記第1バルブおよび前記第2バルブと、前記第3バルブおよび前記第4バルブの一方とを閉じ、前記第3バルブおよび前記第4バルブの他方と、前記第5バルブとを開くことにより、前記洗浄液を、前記洗浄配管から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理液配管に配置され、前記フィルタを通過する処理液の流量を計測する流量計をさらに備え、
前記流量計の計測値が閾値未満である場合、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
定期的に、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記フィルタを通過する液の流量を計測する流量計をさらに備え、
前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させた後、
前記流量計の計測値が所定値未満である場合、再度、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板処理ユニットに繋がる処理液配管に配置されたフィルタに対して、基板を処理する処理液を通液する処理液流通工程と、
前記フィルタに詰まった気泡を除去する気泡除去液を、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される上流側配管と前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される下流側配管との一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる除去液流通工程と
を含む、フィルタの気泡除去方法。
【請求項8】
前記除去液流通工程の前に、
前記処理液を洗い流す洗浄液を、前記フィルタの上流側または下流側で前記処理液配管に接続される洗浄配管から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる洗浄液流通工程をさらに含む、請求項7に記載のフィルタの気泡除去方法。
【請求項9】
前記処理液流通工程において、前記フィルタを通過する処理液の流量を計測し、
前記処理液の流量が閾値未満である場合に、前記除去液流通工程を行う、請求項7または請求項8に記載のフィルタの気泡除去方法。
【請求項10】
前記除去液流通工程は、定期的に行われる、請求項7または請求項8に記載のフィルタの気泡除去方法。
【請求項11】
前記除去液流通工程の後に、
前記フィルタを通過する液の流量を計測する計測工程をさらに含み、
前記流量計の計測値が所定値未満である場合に、再度、前記除去液流通工程を行う、請求項7または請求項8に記載のフィルタの気泡除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置とフィルタの気泡除去方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の製造に好適に用いられる。基板処理装置は、薬液等の処理液を用いて基板を処理する。処理液は、フィルタおよびバルブ等が取り付けられた配管を流通して基板を処理する。フィルタは、配管内部を通過する処理液に含まれるパーティクルを捕捉する。このような基板処理装置として、処理液を貯留するタンクと、タンクから出てタンクに戻る循環ラインとを備え、循環ラインを介して液処理ユニットに処理液が供給される液処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。液処理装置は、処理液に含まれるパーティクルを除去するフィルタを備える。特許文献1の液処理装置では、所定時間使用されたフィルタは、新しいフィルタに交換される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば、気泡を含む処理液を配管に流通させる場合、気泡がフィルタに溜まることがある。この場合、フィルタのうち気泡に接触する部分が乾き、乾いた部分については処理液が通過しなくなる。そして、気泡を含む処理液を配管に流通し続けると、フィルタのうち気泡に接触する部分が増加するので、配管を流通する処理液の流量が確保できなくなる。このため、フィルタを新しいフィルタに交換する必要がある。
【0005】
しかしながら、フィルタを交換することは環境負荷の増大に繋がるので、環境負荷低減の観点から、フィルタの交換頻度を抑えることが望ましい。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルタの交換頻度を抑えることが可能な基板処理装置とフィルタの気泡除去方法とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板処理ユニットと、処理液配管と、フィルタと、上流側配管と、下流側配管と、除去液供給部とを備える。前記基板処理ユニットは、基板を処理する。前記処理液配管は、前記基板処理ユニットに処理液を流通する。前記フィルタは、前記処理液配管に配置される。前記上流側配管は、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される。前記下流側配管は、前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される。前記除去液供給部は、前記上流側配管および前記下流側配管の一方に接続される。前記除去液供給部は、前記フィルタに詰まった気泡を除去する気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方に供給する。基板処理装置は、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0008】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、洗浄配管と、洗浄液供給部とをさらに備える。前記洗浄配管は、前記フィルタの上流側または下流側で前記処理液配管に接続される。前記洗浄液供給部は、前記洗浄配管に接続される。前記洗浄液供給部は、前記処理液を洗い流す洗浄液を、前記洗浄配管に供給する。前記基板処理装置は、前記洗浄液を、前記洗浄配管から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0009】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、第1バルブと、第2バルブと、第3バルブと、第4バルブと、第5バルブとをさらに備える。前記第1バルブは、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に配置される。前記第2バルブは、前記フィルタの下流側で前記処理液配管に配置される。前記第3バルブは、前記上流側配管に配置される。前記第4バルブは、前記下流側配管に配置される。前記第5バルブは、前記洗浄配管に配置される。前記基板処理装置は、前記第3バルブ、前記第4バルブおよび前記第5バルブを閉じ、前記第1バルブおよび前記第2バルブを開くことにより、前記処理液を、前記処理液配管の上流側から、前記フィルタを介して前記処理液配管の下流側に通過させる。前記基板処理装置は、前記第1バルブ、前記第2バルブおよび前記第5バルブを閉じ、前記第3バルブおよび前記第4バルブを開くことにより、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。前記基板処理装置は、前記第1バルブおよび前記第2バルブと、前記第3バルブおよび前記第4バルブの一方とを閉じ、前記第3バルブおよび前記第4バルブの他方と、前記第5バルブとを開くことにより、前記洗浄液を、前記洗浄配管から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0010】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記処理液配管に配置され、前記フィルタを通過する処理液の流量を計測する流量計をさらに備える。前記基板処理装置は、前記流量計の計測値が閾値未満である場合、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0011】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、定期的に、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0012】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記フィルタを通過する液の流量を計測する流量計をさらに備える。前記基板処理装置は、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させた後、前記流量計の計測値が所定値未満である場合、再度、前記気泡除去液を、前記上流側配管および前記下流側配管の一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる。
【0013】
本発明の別の局面によれば、フィルタの気泡除去方法は、基板処理ユニットに繋がる処理液配管に配置されたフィルタに対して、基板を処理する処理液を通液する処理液流通工程と、前記フィルタに詰まった気泡を除去する気泡除去液を、前記フィルタの上流側で前記処理液配管に接続される上流側配管と前記フィルタの下流側で前記処理液配管に接続される下流側配管との一方から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる除去液流通工程とを含む。
【0014】
ある実施形態では、フィルタの気泡除去方法は、前記除去液流通工程の前に、前記処理液を洗い流す洗浄液を、前記フィルタの上流側または下流側で前記処理液配管に接続される洗浄配管から、前記フィルタを介して前記上流側配管および前記下流側配管の他方に通過させる洗浄液流通工程をさらに含んでもよい。
【0015】
ある実施形態では、前記処理液流通工程において、前記フィルタを通過する処理液の流量を計測し、前記処理液の流量が閾値未満である場合に、前記除去液流通工程を行ってもよい。
【0016】
ある実施形態では、前記除去液流通工程は、定期的に行われてもよい。
【0017】
ある実施形態では、フィルタの気泡除去方法は、前記除去液流通工程の後に、前記フィルタを通過する液の流量を計測する計測工程をさらに含み、前記流量計の計測値が所定値未満である場合に、再度、前記除去液流通工程を行ってもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、フィルタの交換頻度を抑えることが可能な基板処理装置とフィルタの気泡除去方法とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態の基板処理装置の模式的な平面図である。
【
図2】第1実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図3】第1実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図4】第1実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図5】第1実施形態のフィルタの気泡除去方法を示すフローチャートである。
【
図6A】第1実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図6B】第1実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図6C】第1実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図7】第2実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図8】第2実施形態のフィルタの気泡除去方法を示すフローチャートである。
【
図9A】第2実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図9B】第2実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図9C】第2実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【
図10】第1変形例の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図11】第2変形例の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図12】第3実施形態のフィルタの気泡除去方法を示すフローチャートである。
【
図13】第4実施形態のフィルタの気泡除去方法を示すフローチャートである。
【
図14】第5実施形態のフィルタの気泡除去方法を示すフローチャートである。
【
図15】第6実施形態の基板処理装置における配管構成を説明するための模式図である。
【
図16】第7実施形態のフィルタの気泡除去方法を示すフローチャートである。
【
図17】第7実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置とフィルタの気泡除去方法との実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。本実施形態では、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0021】
(第1実施形態)
図1~
図5、
図6A~
図6Cを参照して、本発明の第1実施形態による基板処理装置100について説明する。
図1は、第1実施形態の基板処理装置100の模式的な平面図である。
【0022】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去、および、洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0023】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは略円板状である。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0024】
図1に示すように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10と、処理液キャビネット110と、処理液ボックス120と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。
【0025】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理ユニット10との間で基板Wを搬送する。基板処理ユニット10の各々は、基板Wに処理液を吐出して、基板Wを処理する。処理液は、例えば、薬液、洗浄液、除去液および/または撥水剤を含む。処理液キャビネット110は、処理液を収容する。なお、処理液キャビネット110は、ガスを収容してもよい。
【0026】
具体的には、複数の基板処理ユニット10は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図1では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理ユニット10(
図1では3つの基板処理ユニット10)を含む。処理液ボックス120は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。処理液キャビネット110内の液体は、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。また、処理液キャビネット110内のガスは、いずれかの処理液ボックス120を介して、処理液ボックス120に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット10に供給される。
【0027】
基板処理装置100において、センターロボットCRおよび基板処理ユニット10の設置された領域と、処理液キャビネット110の設置された領域との間には、境界壁BWが配置される。処理液キャビネット110は、基板処理装置100のうちの境界壁BWの外側部分の領域の一部の空間を区画する。
【0028】
典型的には、処理液キャビネット110は、処理液を調製するための調製槽(タンク)を有する。処理液キャビネット110は、1種類の処理液のための調製槽を有してもよく、複数種類の処理液のための調製槽を有してもよい。また、処理液キャビネット110は、処理液を流通するためのポンプ、ノズルおよび/またはフィルタを有する。
【0029】
ここでは、処理液キャビネット110は、第1処理液キャビネット110Aと、第2処理液キャビネット110Bとを有する。第1処理液キャビネット110Aおよび第2処理液キャビネット110Bは互いに対向して配置される。
【0030】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。
【0031】
制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0032】
記憶部104は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0033】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0034】
次に、
図2を参照して、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10を説明する。
図2は、第1実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット10の模式図である。
【0035】
基板処理ユニット10は、チャンバー11と、基板保持部20と、処理液供給部30とを備える。
【0036】
チャンバー11は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー11は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー11には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー11内に収容され、チャンバー11内で処理される。チャンバー11には、基板保持部20および処理液供給部30のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0037】
基板保持部20は、基板Wを保持する。基板保持部20は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部20は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。例えば、基板Wの上面Waには、リセスの形成された積層構造が設けられている。基板保持部20は、基板Wを保持したまま基板Wを回転させる。
【0038】
例えば、基板保持部20は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部20は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部20は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部20は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部20は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0039】
例えば、基板保持部20は、スピンベース21と、チャック部材22と、シャフト23と、電動モーター24と、ハウジング25とを含む。チャック部材22は、スピンベース21に設けられる。チャック部材22は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース21には、複数のチャック部材22が設けられる。
【0040】
シャフト23は、中空軸である。シャフト23は、回転軸線Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト23の上端には、スピンベース21が結合されている。基板Wは、スピンベース21の上方に載置される。
【0041】
スピンベース21は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト23は、スピンベース21の中央部から下方に延びる。電動モーター24は、シャフト23に回転力を与える。電動モーター24は、シャフト23を回転方向に回転させることにより、回転軸線Axを中心に基板Wおよびスピンベース21を回転させる。ハウジング25は、シャフト23および電動モーター24の周囲を囲んでいる。
【0042】
処理液供給部30は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液供給部30の少なくとも一部は、チャンバー11内に収容される。
【0043】
処理液供給部30は、基板Wの上面Waに処理液を供給する。処理液は、いわゆる薬液を含んでもよい。薬液は、例えば、フッ酸を含む。例えば、フッ酸は、40℃以上70℃以下に加熱されてもよく、50℃以上60℃以下に加熱されてもよい。ただし、フッ酸は、加熱されなくてもよい。また、薬液は、水または燐酸を含んでもよい。
【0044】
さらに、薬液は、過酸化水素水を含んでもよい。また、薬液は、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)または王水(濃塩酸と濃硝酸との混合物)を含んでもよい。
【0045】
または、処理液は、いわゆる洗浄液(リンス液)を含んでもよい。例えば、洗浄液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。
【0046】
処理液供給部30は、配管32と、ノズル34と、バルブ36とを含む。なお、配管32は、本発明の「処理液配管」の一例である。ノズル34は基板Wの上面Waに処理液を吐出する。ノズル34は、配管32に接続される。配管32には、供給源から処理液が供給される。バルブ36は、配管32内の流路を開閉する。ノズル34は、基板Wに対して移動可能に構成されていることが好ましい。
【0047】
バルブ36は、配管32内の流路を開閉する。バルブ36は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ36は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0048】
ノズル34は移動可能であってもよい。ノズル34は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動できる。なお、本明細書において、図面が過度に複雑になることを避けるために移動機構を省略していることに留意されたい。
【0049】
基板処理ユニット10は、カップ80をさらに備える。カップ80は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ80は昇降する。例えば、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ80は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ80は、処理液供給部30が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0050】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、基板保持部20、処理液供給部30および/またはカップ80を制御する。一例では、制御部102は、電動モーター24、バルブ36および/またはカップ80を制御する。
【0051】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0052】
なお、
図2に示した基板処理ユニット10では、処理液供給部30は、1種類の処理液を供給可能である。ただし、本実施形態はこれに限定されない。処理液供給部30は、複数種類の処理液を供給してもよい。例えば、処理液供給部30は、用途の異なる複数種類の処理液を基板Wに順次供給可能であってもよい。あるいは、処理液供給部30は、用途の異なる複数種類の処理液を基板Wに同時に供給可能であってもよい。
【0053】
次に、
図1~
図3を参照して、第1実施形態の基板処理装置100の配管構成を説明する。
図3は、第1実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。なお、
図1および
図2から理解されるように、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット10を有しており、基板Wは複数種の処理液で処理され得ることが好ましい。ただし、ここでは、説明が過度に複雑になることを避ける目的で、1つの基板処理ユニット10に対して1種類の処理液が供給される態様を説明する。
【0054】
図3に示すように、基板処理装置100は、調製槽112と、ヒータ113と、ポンプ114と、バルブ115と、フィルタユニット140と、流量計116と、バルブ117とを備える。なお、バルブ115は、本発明の「第1バルブ」の一例である。バルブ117は、本発明の「第2バルブ」の一例である。
【0055】
調製槽112は、処理液を貯留する。処理液は、基板処理ユニット10に供給され、基板Wを処理する。典型的には、処理液は、薬液である。処理液は、特に限定されるものではないが、例えば、アルカリ性薬液である。第1実施形態では、処理液は、界面活性剤を含有する発泡性の薬液である。また、第1実施形態では、処理液は、例えば、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)である。なお、処理液は、例えば、TEAOH(テトラエチルアンモニウムヒドロキシド)、または、クエン酸を含んでもよい。また、処理液は、洗浄液であってもよい。処理液は、調製槽112において調製される。典型的には、調製槽112は、処理液キャビネット110に配置される。
【0056】
配管32は、調製槽112と基板処理ユニット10とを連絡する。配管32には、ヒータ113、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、流量計116、バルブ117およびバルブ36が取り付けられる。ヒータ113、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、流量計116、バルブ117およびバルブ36は、処理液供給部30を構成する。なお、
図3では、バルブ36は1つだけ描かれているが、バルブ36は、ノズル34毎に設けられる。このため、1つのフィルタユニット140に対して複数のバルブ36が配置されている。
【0057】
処理液キャビネット110は、筐体111を有する。典型的には、筐体111内に、調製槽112、ヒータ113、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、流量計116およびバルブ117が収容される。
【0058】
処理液ボックス120は、筐体121を有する。典型的には、バルブ36は、筐体121に収容される。
【0059】
配管32は、処理液キャビネット110から処理液ボックス120を通過して基板処理ユニット10まで延びる。処理液は、調製槽112において調製された後、調製槽112から配管32を通って基板処理ユニット10まで流れる。例えば、配管32は、樹脂から形成される。
【0060】
ヒータ113は、配管32を通過する液体を加熱する。第1実施形態では、ヒータ113は、配管32を通過する処理液を所定温度に加熱する。
【0061】
ポンプ114は、調製槽112の処理液をノズル34に向けて送る。
【0062】
バルブ115は、後述するフィルタ141の上流側で配管32に接続される。バルブ115は、配管32内の流路を開閉する。詳細には、バルブ115は、配管32のうちフィルタユニット140よりも上流側の上流部分32aの流路を開閉する。バルブ115は、配管32の開度を調節して、配管32に供給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ115は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0063】
フィルタユニット140は、配管32に取り付けられる。フィルタユニット140は、配管32に対して着脱可能である。フィルタユニット140が配管32に取り付けられた場合、処理液は、フィルタユニット140を流れる。一方で、フィルタユニット140は、配管32から取り外しできる。このため、フィルタユニット140が劣化すると、フィルタユニット140は交換される。
【0064】
フィルタユニット140は、例えば、樹脂から形成される。典型的には、フィルタユニット140は、樹脂成型によって形成される。一例では、フィルタユニット140は、樹脂成形物を金属の加工具で切削することによって作製される。なお、フィルタユニット140は、金属から形成されてもよい。
【0065】
フィルタユニット140は、配管32内を流れる処理液をろ過する。フィルタユニット140は、フィルタ141と、フィルタハウジング142とを含む。フィルタ141は、配管32に配置される。フィルタ141は、例えば、多孔質形状を有する。フィルタ141は、処理液の液体成分を通過させる。一方、フィルタ141は、処理液に含有されるパーティクルを捕捉する。また、フィルタ141は、処理液に含有される気泡の一部を捕捉する。言い換えると、処理液に含有される気泡の一部は、フィルタ141を通過しない。
【0066】
フィルタハウジング142は、フィルタ141を収容する。フィルタハウジング142は、フィルタ141の上流側に配置される上流室142aと、フィルタ141の下流側に配置される下流室142bとを有する。なお、上流室142aおよび下流室142bに、気体を外部に排出するためのベント管、および、液体を外部に排出するためのドレイン管が接続されていてもよい。ただし、上流室142aにベント管が接続されている場合であっても、例えば、後述するように調製槽112の処理液に多くの気泡が含まれる場合には、ベント管を介して気体を十分に排出することができない。従って、後述するように、フィルタ141に気泡が溜まってしまう。
【0067】
流量計116は、配管32を通過する液体の流量を計測する。
【0068】
バルブ117は、フィルタ141の下流側で配管32に配置される。バルブ117は、配管32内の流路を開閉する。詳細には、バルブ117は、配管32のうちフィルタユニット140よりも下流側の下流部分32bの流路を開閉する。バルブ117は、配管32の開度を調節して、配管32を通過する処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ117は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0069】
基板処理装置100は、調製槽112に処理液を供給する処理液補給部210を備える。処理液補給部210は、配管211と、バルブ212とを含む。配管211には、供給源から処理液が補給される。バルブ212は、配管211内の流路の開度を調節して、配管211に補給される処理液の流量を調整する。具体的には、バルブ212は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0070】
第1実施形態では、基板処理装置100は、調製槽112に洗浄液を供給する洗浄液供給部220を備える。洗浄液供給部220は、配管221と、バルブ222とを含む。配管221には、供給源から洗浄液が供給される。洗浄液供給部220が供給する洗浄液は、例えば、脱イオン水(DIW)である。バルブ222は、配管221内の流路の開度を調節して、配管221に供給される洗浄液の流量を調整する。具体的には、バルブ222は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0071】
また、第1実施形態では、基板処理装置100は、調製槽112に気体を供給する気体供給部230を備える。気体供給部230は、配管231と、バルブ232とを含む。配管231は、例えば、調製槽112の下面に接続される。配管231には、供給源から気体が供給される。第1実施形態では、気体供給部230が供給する気体は、例えば、N2ガスである。なお、気体供給部230が供給する気体は、例えば、空気であってもよい。バルブ232は、配管231内の流路の開度を調節して、配管231に供給される気体の流量を調整する。具体的には、バルブ232は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0072】
気体供給部230から調製槽112に気体を供給することによって、処理液の溶存酸素を低減することが可能である。なお、気体供給部230から調製槽112に気体を供給すると、処理液内に気泡が発生する。
【0073】
また、第1実施形態では、基板処理装置100は、調製槽112から液体を排出する液体排出部240を備える。液体排出部240は、配管241と、バルブ242とを含む。配管241は、例えば、調製槽112の下面に接続される。バルブ242は、配管241内の流路の開度を調節して、配管241から排出する液体の流量を調整する。具体的には、バルブ242は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0074】
引き続き
図3を参照して、基板処理装置100について説明する。基板処理装置100は、上流側配管151と、下流側配管161とを備える。
【0075】
上流側配管151は、フィルタ141の上流側で配管32に接続される。上流側配管151は、フィルタ141の上流側で、配管32の上流部分32aに接続される。第1実施形態では、上流側配管151は、配管32に直接接続される。言い換えると、上流側配管151は、フィルタユニット140を介さずに配管32に接続される。
【0076】
下流側配管161は、フィルタ141の下流側で配管32に接続される。下流側配管161は、フィルタ141の下流側で、配管32の下流部分32bに接続される。第1実施形態では、下流側配管161は、配管32に直接接続される。言い換えると、下流側配管161は、フィルタユニット140を介さずに配管32に接続される。
【0077】
基板処理装置100は、バルブ152およびバルブ162を備える。バルブ152は、上流側配管151に配置される。バルブ152は、上流側配管151内の流路の開度を調節して、上流側配管151を通過する液体の流量を調節する。バルブ162は、下流側配管161に配置される。バルブ162は、下流側配管161内の流路の開度を調節して、下流側配管161を通過する液体の流量を調節する。具体的には、バルブ152およびバルブ162の各々は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。なお、バルブ152は、本発明の「第3バルブ」の一例である。また、バルブ162は、本発明の「第4バルブ」の一例である。
【0078】
基板処理装置100は、除去液供給部165を備える。除去液供給部165は、上流側配管151および下流側配管161の一方に接続される。除去液供給部165は、フィルタ141に詰まった気泡を除去する気泡除去液を、上流側配管151および下流側配管161の一方に供給する。除去液供給部165は、例えば、気泡除去液を貯留するタンク、および/または、気泡除去液を送るポンプを含む。第1実施形態では、除去液供給部165は、上流側配管151に接続され、気泡除去液を上流側配管151に供給する。気泡除去液は、気泡を除去する液であれば特に限定されないが、例えば、IPA(イソプロピルアルコール)またはPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)を含む。第1実施形態では、気泡除去液は、IPAを含む。第1実施形態では、気泡除去液は、例えば、希釈されたIPAである。
【0079】
次に、
図1~
図4を参照して、第1実施形態の基板処理装置100を説明する。
図4は、第1実施形態の基板処理装置100のブロック図である。
【0080】
図4に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、バルブ152、162、処理液補給部210、洗浄液供給部220、気体供給部230および液体排出部240を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、バルブ152、162、処理液補給部210、洗浄液供給部220、気体供給部230および液体排出部240に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部20、処理液供給部30、バルブ152、162、処理液補給部210、洗浄液供給部220、気体供給部230および液体排出部240を制御する。
【0081】
さらに具体的には、制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0082】
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数の基板処理ユニット10のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wを基板処理ユニット10から受け取って、基板Wを搬出する。
【0083】
制御部102は、基板保持部20を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部20を制御して、基板保持部20の回転数を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部20の電動モーター24の回転数を変更することによって、基板Wの回転数を変更できる。
【0084】
制御部102は、バルブ115、バルブ117およびバルブ36を制御して、バルブ115、バルブ117およびバルブ36の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ115を開状態または閉状態にすることによって、配管32の上流部分32a内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。また、制御部102は、バルブ117を開状態または閉状態にすることによって、配管32の下流部分32b内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。また、制御部102は、バルブ36を開状態または閉状態にすることによって、バルブ117を通過した液体をノズル34に供給したり、供給しなかったりすることができる。
【0085】
制御部102は、ヒータ113を制御して、配管32を通過する液体を加熱する。制御部102は、ヒータ113を制御して、配管32を通過する液体を所定温度に加熱する。制御部102は、ポンプ114を制御して、調製槽112内の液体を下流側に送り出す。具体的には、制御部102は、ポンプ114を駆動することによって、調製槽112内の液体をノズル34に向けて送り出す。制御部102には、流量計116の計測結果が送られる。
【0086】
制御部102は、バルブ152を制御して、バルブ152の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ152を開状態または閉状態にすることによって、上流側配管151内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。また、制御部102は、バルブ162を制御して、バルブ162の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ162を開状態または閉状態にすることによって、下流側配管161内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。
【0087】
制御部102は、処理液補給部210を制御して、調製槽112に対する処理液の補給を制御する。具体的には、制御部102は、バルブ212を開状態または閉状態にすることによって、調製槽112に処理液を補給したり、補給を停止したりすることができる。
【0088】
制御部102は、洗浄液供給部220を制御して、調製槽112に対する洗浄液の供給を制御する。具体的には、制御部102は、バルブ222を開状態または閉状態にすることによって、調製槽112に洗浄液を供給したり、供給を停止したりすることができる。
【0089】
制御部102は、気体供給部230を制御して、調製槽112に対する気体の供給を制御する。具体的には、制御部102は、バルブ232を開状態または閉状態にすることによって、調製槽112に気体を供給したり、供給を停止したりすることができる。
【0090】
制御部102は、液体排出部240を制御して、調製槽112からの液体の排出を制御する。具体的には、制御部102は、バルブ242を開状態または閉状態にすることによって、調製槽112から液体を排出したり、排出を停止したりすることができる。
【0091】
上述したように、記憶部104は、複数のレシピデータを記憶してもよい。複数のレシピは、フィルタユニット140に詰まった気泡を除去する処理内容および処理手順を規定してもよい。
【0092】
第1実施形態の基板処理装置100は、半導体素子を形成するために好適に用いられる。例えば、基板処理装置100は、積層構造の半導体素子として用いられる基板Wを処理するために好適に利用される。半導体素子は、いわゆる3D構造のメモリ(記憶装置)である。一例として、基板Wは、NAND型フラッシュメモリとして好適に用いられる。
【0093】
次に、
図5、
図6A、
図6Bおよび
図6Cを参照して、第1実施形態の基板処理装置100によるフィルタ141の気泡除去方法について説明する。
図5は、第1実施形態のフィルタ141の気泡除去方法を示すフローチャートである。
図6A~
図6Cは、第1実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット140周辺における液の流れを矢印で示す図である。第1実施形態のフィルタ141の気泡除去方法は、ステップS101~ステップS108を含む。ステップS101~ステップS108は、制御部102によって実行される。なお、ステップS101は、本発明の「処理液流通工程」の一例である。また、ステップS105は、本発明の「除去液流通工程」の一例である。また、ステップS106は、本発明の「洗浄液流通工程」の一例である。
【0094】
図5に示すように、ステップS101において、制御部102は、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であるか否かを判定する。閾値は、予め決められた値である。具体的には、ステップS101では、バルブ115およびバルブ117は、開状態になっており、バルブ152およびバルブ162は、閉状態になっている。バルブ36は、基板Wに対して処理液を吐出するタイミングに合わせて開状態と閉状態とに切り替えられる。つまり、ステップS101では、配管32に配置されたフィルタ141に対して処理液を通液する。また、ステップS101では、処理液を配管32に流通して基板処理ユニット10に供給する。制御部102は、配管32を処理液が通過可能な状態(例えば、バルブ36が開状態)において、流量計116の計測値が閾値未満であるか否かを判定する。なお、例えば、フィルタ141が新品の状態では、流量計116の計測値は閾値以上を示す。一方、フィルタ141に気泡が詰まると、フィルタ141を通過する処理液の流量が低下するため、流量計116の計測値は低下する。そして、フィルタ141に詰まる気泡の量が所定量以上になると、流量計116の計測値は、閾値未満になる。
【0095】
ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS101を繰り返す。言い換えると、流量計116の計測値が閾値以上である場合、処理はステップS101を繰り返す。
【0096】
一方、ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。言い換えると、流量計116の計測値が閾値未満である場合、処理はステップS102に進む。
【0097】
次に、ステップS102において、制御部102は、処理液の供給を停止する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を開状態から閉状態に切り替える。
【0098】
次に、ステップS103において、制御部102は、調製槽112内を処理液から洗浄液に置換する。具体的には、制御部102は、バルブ242を閉状態から開状態に切り替える。これにより、調製槽112内の処理液は、配管241を介して排出される。その後、制御部102は、バルブ242を開状態から閉状態に戻す。そして、制御部102は、バルブ222を閉状態から開状態に切り替える。これにより、調製槽112に洗浄液が送り込まれ、調製槽112内が洗浄液に置換される。その後、制御部102は、バルブ222を開状態から閉状態に戻す。
【0099】
次に、ステップS104において、制御部102は、フィルタ141に洗浄液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図6Aに示すように、調製槽112内の洗浄液は、配管32およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。そして、制御部102は、バルブ115を開状態から閉状態に戻す。このようにして、フィルタユニット140内が処理液から洗浄液に置換される。なお、本実施形態では、ステップS102において、バルブ117を開状態から閉状態に切り替えるが、バルブ117を開状態から閉状態に切り替えるタイミングは、例えば、ステップS104であってもよいし、ステップS103であってもよい。
【0100】
次に、ステップS105において、制御部102は、フィルタ141に気泡除去液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ152を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図6Bに示すように、除去液供給部165の気泡除去液は、上流側配管151およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。このとき、気泡除去液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まった気泡が除去される。つまり、フィルタ141の通液性能が回復する。そして、制御部102は、バルブ152を開状態から閉状態に戻す。
【0101】
次に、ステップS106において、制御部102は、フィルタ141に洗浄液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ115を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図6Aに示すように、調製槽112内の洗浄液は、配管32およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。そして、制御部102は、バルブ115を開状態から閉状態に戻す。このようにして、フィルタユニット140内が気泡除去液から洗浄液に置換される。
【0102】
次に、ステップS107において、制御部102は、調製槽112内を洗浄液から処理液に置換する。具体的には、制御部102は、バルブ242を閉状態から開状態に切り替える。これにより、調製槽112内の洗浄液は、配管241を介して排出される。その後、制御部102は、バルブ242を開状態から閉状態に戻す。そして、制御部102は、バルブ212を閉状態から開状態に切り替える。これにより、調製槽112に処理液が送り込まれ、調製槽112内が処理液に置換される。その後、制御部102は、バルブ212を開状態から閉状態に戻す。
【0103】
次に、ステップS108において、制御部102は、処理液の供給を再開する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を閉状態から開状態に切り替えるとともに、バルブ162を開状態から閉状態に切り替える。これにより、
図6Cに示すように、調製槽112内の処理液は、フィルタユニット140およびバルブ117を通過する。
【0104】
詳細には、制御部102は、バルブ115を閉状態から開状態に切り替える。これにより、配管32およびフィルタユニット140内の洗浄液は、下流側配管161を介して排出される。制御部102は、バルブ115を閉状態から開状態に切り替えてから所定時間経過後に、バルブ162を開状態から閉状態に切り替えるとともに、バルブ117を閉状態から開状態に切り替える。従って、配管32およびフィルタユニット140内の洗浄液がバルブ117を通過することを抑制できる。なお、バルブ115を閉状態から開状態に切り替えるタイミングで、バルブ117を閉状態から開状態に切り替えるとともに、バルブ162を開状態から閉状態に切り替えてもよい。
【0105】
以上のようにして、第1実施形態のフィルタ141の気泡除去が終了する。
【0106】
以上、
図1~
図5、
図6A~
図6Cを参照して本発明の第1実施形態を説明した。第1実施形態では、上記のように、気泡除去液を、上流側配管151から、フィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、フィルタ141に詰まった気泡を除去できる。つまり、フィルタ141の通液性能を回復することができる。よって、フィルタ141の交換頻度を抑制できる。その結果、環境負荷を低減できる。
【0107】
また、フィルタ141の交換頻度を抑制することによって、フィルタ141の交換および復旧のための時間(ダウンタイムともいう)を少なくできる。
【0108】
また、上記のように、洗浄液を、洗浄配管171から、フィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、処理液と気泡除去液とが混ざる、または、接触することを抑制できる。処理液と気泡除去液とが互いに反応する場合、例えば、高温・高圧になって配管32、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、流量計116またはバルブ117等に悪影響を及ぼすことがある。そこで、第1実施形態では、洗浄液を通過させることにより、処理液と気泡除去液とが混ざる、または、接触することを抑制することによって、処理液および気泡除去液が高温・高圧になることを抑制できる。その結果、配管32、ポンプ114、バルブ115、フィルタユニット140、流量計116またはバルブ117等に悪影響が及ぶことを抑制できる。
【0109】
また、上記のように、フィルタ141を通過する処理液の流量を計測し、処理液の流量が閾値未満である場合に、気泡除去液を上流側配管151から、フィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、直接的に観察することが困難な気泡の詰まりを、流量計116を用いて容易に確認することができる。また、処理液の流量がある閾値未満になった場合に気泡を除去するので、大量の気泡が詰まる前に、気泡除去を行うことができる。よって、フィルタ141に対して処理液および洗浄液を通液する際にかかる時間が長くなることを抑制できる。
【0110】
(第2実施形態)
次に、
図7および
図8を参照して、本発明の第2実施形態による基板処理装置100について説明する。
図7は、第2実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第2実施形態では、配管32に接続される洗浄配管171と、洗浄配管171に接続される洗浄液供給部175とが設けられる例について説明する。
【0111】
図7に示すように、基板処理装置100は、洗浄配管171、バルブ172および洗浄液供給部175を備える。なお、バルブ172は、本発明の「第5バルブ」の一例である。
【0112】
洗浄配管171は、フィルタ141の上流側または下流側で配管32に接続される。第2実施形態では、洗浄配管171は、フィルタ141の上流側で配管32に接続される。また、第2実施形態では、洗浄配管171は、配管32に直接接続される。言い換えると、洗浄配管171は、フィルタユニット140を介さずに配管32に接続される。なお、洗浄配管171は、
図7に示すように上流側配管151に合流した後に、配管32に接続されてもよい。言い換えると、洗浄配管171の一部と上流側配管151の一部とが共通配管となって配管32に接続されてもよい。また、図示しないが、洗浄配管171は、上流側配管151に合流することなく、配管32に接続されてもよい。
【0113】
バルブ172は、洗浄配管171に配置される。バルブ172は、洗浄配管171内の流路の開度を調節して、洗浄配管171を通過する液体の流量を調節する。具体的には、バルブ172は、弁座が内部に設けられたバルブボディ(図示しない)と、弁座を開閉する弁体と、開位置と閉位置との間で弁体を移動させるアクチュエータ(図示しない)とを含む。
【0114】
洗浄液供給部175は、洗浄配管171に接続される。洗浄液供給部175は、洗浄液を洗浄配管171に供給する。洗浄液供給部175は、例えば、洗浄液を貯留するタンク、および/または、洗浄液を送るポンプを含む。洗浄液は、例えば、脱イオン水(DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。第2実施形態では、洗浄液供給部175が供給する洗浄液は、脱イオン水(DIW)である。
【0115】
制御部102は、バルブ172を制御して、バルブ172の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、バルブ172を開状態または閉状態にすることによって、洗浄配管171内の液体を通過させたり、通過させなかったりすることができる。なお、第2実施形態では、洗浄液供給部220が設けられていなくてもよい。
【0116】
第2実施形態のその他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0117】
次に、
図8、
図9A、
図9Bおよび
図9Cを参照して、第2実施形態の基板処理装置100によるフィルタ141の気泡除去方法について説明する。
図8は、第2実施形態のフィルタ141の気泡除去方法を示すフローチャートである。
図9A~
図9Cは、第2実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット140周辺における液の流れを矢印で示す図である。第2実施形態のフィルタ141の気泡除去方法は、ステップS101、S102、S204、S105、S206、S108を含む。なお、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、調製槽112内の液を置換するステップを含んでいない。第2実施形態のステップS204およびS206は、第1実施形態のステップS104およびS106に対応している。なお、ステップS206は、本発明の「洗浄液流通工程」の一例である。
【0118】
図8に示すように、ステップS101において、制御部102は、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であるか否かを判定する。なお、ステップS101では、バルブ172は、閉状態になっている。
【0119】
ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS101を繰り返す。
【0120】
一方、ステップS101で、配管32を通過する処理液の流量が閾値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。
【0121】
次に、ステップS102において、制御部102は、処理液の供給を停止する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を開状態から閉状態に切り替える。
【0122】
次に、ステップS204において、制御部102は、フィルタ141に洗浄液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ172およびバルブ162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図9Aに示すように、洗浄液供給部175の洗浄液は、洗浄配管171およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。そして、制御部102は、バルブ172を開状態から閉状態に戻す。このようにして、フィルタユニット140内が処理液から洗浄液に置換される。
【0123】
次に、ステップS105において、制御部102は、フィルタ141に気泡除去液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ152を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図9Bに示すように、除去液供給部165の除去液は、上流側配管151およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。このとき、除去液がフィルタ141を通過することによって、フィルタ141に詰まった気泡が除去される。つまり、フィルタ141の通液性能が回復する。そして、制御部102は、バルブ152を開状態から閉状態に戻す。
【0124】
次に、ステップS206において、制御部102は、フィルタ141に洗浄液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ172を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図9Aに示すように、洗浄液供給部175の洗浄液は、洗浄配管171およびフィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。そして、制御部102は、バルブ172を開状態から閉状態に戻す。このようにして、フィルタユニット140内が気泡除去液から洗浄液に置換される。
【0125】
次に、ステップS108において、制御部102は、処理液の供給を再開する。これにより、
図9Cに示すように、調製槽112内の処理液は、フィルタユニット140およびバルブ117を通過する。
【0126】
以上のようにして、第2実施形態のフィルタ141の気泡除去が終了する。
【0127】
第2実施形態では、上記のように、配管32に接続される洗浄配管171を備え、洗浄液を、洗浄配管171から、フィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、調製槽112内を洗浄液に置換する工程(ステップS103)、および、調製槽112内を処理液に置換する工程(ステップS107)を設ける必要がない。よって、フィルタ141を回復させる工程を簡素化できる。また、調製槽112内を洗浄液に置換したり、調製槽112内を処理液に置換したりする必要がないので、処理液および洗浄液の消費量を削減できる。従って、環境負荷をより低減できる。
【0128】
第2実施形態のその他の気泡除去方法およびその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0129】
(第1変形例)
次に、
図10を参照して、本発明の第1変形例による基板処理装置100について説明する。
図10は、第1変形例の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第1変形例では、第1実施形態および第2実施形態とは異なり、下流側配管161がフィルタユニット140に接続される例について説明する。なお、ここでは、
図7に示した第2実施形態の配管構成の一部を変更して説明するが、
図3に示した第1実施形態の配管構成の一部を変更してもよい。
【0130】
図10に示すように、第1変形例の基板処理装置100では、下流側配管161は、フィルタ141の下流側で、配管32の下流部分32bに接続される。具体的には、下流側配管161は、フィルタユニット140を介して配管32に接続される。下流側配管161は、フィルタユニット140の下流室142bを介して配管32に接続される。
【0131】
第1変形例では、第1実施形態および第2実施形態と同様、フィルタ141を通過した液を、下流側配管161を介して排出できる。
【0132】
下流側配管161は、例えば、下流室142bの下部に接続される。例えば、フィルタユニット140の下流室142bに、フィルタ141を通過した液体を外部に放出するためのドレイン管が接続されている構成においては、ドレイン管を下流側配管161として用いてもよい。言い換えると、予め設けられているドレイン管が、下流側配管161を兼ねてもよい。このように構成すれば、別途、下流側配管161を設ける必要がないため、基板処理装置100の部品点数が増加することを抑制できる。
【0133】
第1変形例のその他の構成、気泡除去方法、および、その他の効果は、第1実施形態および第2実施形態と同様である。
【0134】
(第2変形例)
次に、
図11を参照して、本発明の第2変形例による基板処理装置100について説明する。
図11は、第2変形例の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第2変形例では、第1変形例とは異なり、下流側配管161がフィルタユニット140の下流室142bの上部に接続される例について説明する。なお、ここでは、
図7に示した第2実施形態の配管構成の一部を変更して説明するが、
図3に示した第1実施形態の配管構成の一部を変更してもよい。
【0135】
図11に示すように、第2変形例の基板処理装置100では、第1変形例と同様、下流側配管161は、フィルタユニット140の下流室142bを介して配管32に接続される。第2変形例では、第1変形例と同様、フィルタ141を通過した液を、下流側配管161を介して排出できる。
【0136】
第2変形例では、下流側配管161は、例えば、下流室142bの上部に接続される。例えば、フィルタユニット140の下流室142bに、フィルタ141を通過した気体を外部に放出するためのベント管が接続されている構成においては、ベント管を下流側配管161として用いてもよい。言い換えると、予め設けられているベント管が、下流側配管161を兼ねてもよい。このように構成すれば、別途、下流側配管161を設ける必要がないため、基板処理装置100の部品点数が増加することを抑制できる。
【0137】
第2変形例のその他の構成、気泡除去方法、および、その他の効果は、第1変形例と同様である。
【0138】
(第3実施形態)
次に、
図12を参照して、本発明の第3実施形態による基板処理装置100について説明する。第3実施形態では、第1実施形態および第2実施形態とは異なり、定期的に気泡除去を行う例について説明する。なお、ここでは、
図5に示した第1実施形態の気泡除去方法の一部を変更して説明するが、
図8に示した第2実施形態の気泡除去方法の一部を変更してもよい。
【0139】
第3実施形態の基板処理装置100の構成は、第1実施形態または第2実施形態と同様である。ただし、第3実施形態では、基板処理装置100は、流量計116を備えなくてもよい。
【0140】
図12は、第3実施形態のフィルタ141の気泡除去方法を示すフローチャートである。第3実施形態のフィルタ141の気泡除去方法は、ステップS301、S102~S108を含む。なお、ステップS301は、本発明の「処理液流通工程」の一例である。ステップS301では、上記ステップS101と同様、フィルタ141に対して処理液を通液する。また、ステップS301では、処理液を配管32に流通して基板処理ユニット10に供給する。
【0141】
図12に示すように、ステップS301において、制御部102は、所定期間経過したか否かを判定する。所定期間は、予め決められた期間である。所定期間は、例えば、前回、フィルタ141が交換または気泡除去されてからの、経過時間または基板処理装置100の積算駆動時間である。また、所定期間は、例えば、前回、フィルタ141が交換または気泡除去されてからの、処理液を通液した積算時間であってもよい。処理液を通液した積算時間は、処理液の流量に対応する。上記所定期間を計測するために、基板処理装置100は、タイマーまたは流量計を備えることが好ましい。
【0142】
また、前回、フィルタ141が交換された場合の所定期間と、フィルタ141が気泡除去された場合の所定期間とは、異なっていてもよい。この場合、フィルタ141が交換された場合の所定期間は、フィルタ141が気泡除去された場合の所定期間に比べて長く設定されてもよい。
【0143】
ステップS301で、所定期間が経過していないと制御部102が判定した場合、処理はステップS301を繰り返す。
【0144】
一方、ステップS301で、所定期間が経過したと制御部102が判定した場合、処理はステップS102に進む。
【0145】
そして、ステップS102~ステップS108が実行される。
【0146】
第3実施形態のその他の気泡除去方法は、第1実施形態または第2実施形態と同様である。
【0147】
第3実施形態では、上記のように、定期的に、気泡除去液を、上流側配管151からフィルタ141を介して下流側配管161に通過させる。従って、大量の気泡が詰まる前に、気泡除去を行うことができる。よって、フィルタ141に対して処理液および洗浄液を通液する際にかかる時間が長くなることを抑制できる。
【0148】
第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態または第2実施形態と同様である。
【0149】
(第4実施形態)
次に、
図13を参照して、本発明の第4実施形態による基板処理装置100について説明する。第4実施形態では、第1実施形態~第3実施形態とは異なり、フィルタ141が回復したことを確認した後に処理液の供給を再開する例について説明する。なお、ここでは、
図5に示した第1実施形態の気泡除去方法の一部を変更して説明するが、
図12に示した第3実施形態の気泡除去方法の一部を変更してもよい。
【0150】
第4実施形態の基板処理装置100の構成は、第1実施形態および第3実施形態と同様である。
【0151】
図13は、第4実施形態のフィルタ141の気泡除去方法を示すフローチャートである。第4実施形態のフィルタ141の気泡除去方法は、ステップS101~S107、S401、S402、S108を含む。なお、ステップS402は、本発明の「計測工程」の一例である。
【0152】
図13に示すように、ステップS101~ステップS107は、第1実施形態と同様である。ステップS107の後、処理は、ステップS401に進む。ステップS401は、ステップS108よりも前に実行される。
【0153】
ステップS401において、制御部102は、フィルタ141に処理液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を閉状態から開状態に切り替える。これにより、調製槽112内の処理液は、配管32およびフィルタユニット140を通過した後、流量計116を通過する。
【0154】
次に、ステップS402において、制御部102は、流量計116を通過する処理液の流量が所定値以上であるか否かを判定する。つまり、制御部102は、フィルタ141を通過する処理液の流量が所定値以上であるか否かを判定する。言い換えると、制御部102は、フィルタ141が回復したか否かを判定する。なお、ステップS402の「所定値」は、ステップS101の「閾値」よりも大きい。ただし、ステップS402の「所定値」は、ステップS101の「閾値」と同じ大きさであってもよい。
【0155】
ステップS402で、流量計116を通過する処理液の流量が所定値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に戻る。これにより、フィルタ141への処理液の通液が、再度実行される。
【0156】
一方、ステップS402で、流量計116を通過する処理液の流量が所定値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS108に進む。そして、例えば、ノズル34への処理液の供給が再開される。
【0157】
以上のようにして、第4実施形態のフィルタ141の気泡除去が終了する。
【0158】
第4実施形態のその他の気泡除去方法は、第1実施形態および第3実施形態と同様である。
【0159】
第4実施形態では、上記のように、除去液流通工程(ステップS105)の後に、流量計116の計測値が所定値未満である場合に、再度、除去液流通工程を行う。従って、フィルタ141を確実に回復させた後に、基板処理ユニット10への処理液の供給を再開できる。
【0160】
また、第4実施形態では、ステップS402を経由した後に行われるステップS104での通液時間を、ステップS402を経由せずに行われるステップS104(1回目のステップS104)での通液時間よりも短くしてもよい。このように構成すれば、気泡除去液の使用量が増加することを抑制することが可能である。
【0161】
また、第4実施形態では、ステップS105でフィルタ141に気泡除去液を通液する時間は、制御部102によって変更されてもよい。具体的には、ステップS108に進むまでにステップS105で要した積算通液時間に基づいて、ステップS402を経由せずに行われるステップS104(1回目のステップS104)での通液時間を、制御部102が自動的に変更してもよい。なお、通液時間の変更は、ユーザによって手動で行われてもよい。このように、ステップS108に進むまでにステップS105で要した積算通液時間に基づいて、ステップS402を経由せずに行われるステップS104(1回目のステップS104)での通液時間を変更することによって、1回目のステップS104での通液時間を最適化することが可能である。従って、ステップS102~ステップS107が複数回行われることを抑制できる。よって、洗浄液の使用量が増加することを抑制したり、気泡除去に要する時間が長くなることを抑制したりすることができる。
【0162】
第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態および第3実施形態と同様である。
【0163】
(第5実施形態)
次に、
図14を参照して、本発明の第5実施形態による基板処理装置100について説明する。第5実施形態では、第4実施形態とは異なり、調製槽112内の液を置換するステップを含んでいない例について説明する。なお、ここでは、
図8に示した第2実施形態の気泡除去方法の一部を変更して説明するが、
図12に示した第3実施形態の気泡除去方法の一部を変更してもよい。
【0164】
第5実施形態では、第2実施形態と同様、基板処理装置100は、フィルタ141の上流側または下流側で配管32に接続される洗浄配管171を備える。洗浄配管171は、フィルタ141の上流側で配管32に接続される。
【0165】
第5実施形態の基板処理装置100の構成は、第2実施形態および第3実施形態と同様である。
【0166】
図14は、第5実施形態のフィルタ141の気泡除去方法を示すフローチャートである。第5実施形態のフィルタ141の気泡除去方法は、ステップS101、S102、S204、S105、S206、S401、S402、S108を含む。
【0167】
図14に示すように、ステップS101、S102、S204、S105、S206、S108は、第2実施形態と同様である。ステップS206の後、処理は、ステップS401に進む。ステップS401は、ステップS108よりも前に実行される。
【0168】
ステップS401において、制御部102は、フィルタ141に処理液を通液する。具体的には、制御部102は、バルブ115およびバルブ117を閉状態から開状態に切り替える。これにより、調製槽112内の処理液は、配管32およびフィルタユニット140を通過した後、流量計116を通過する。
【0169】
次に、ステップS402において、制御部102は、流量計116を通過する処理液の流量が所定値以上であるか否かを判定する。
【0170】
ステップS402で、流量計116を通過する処理液の流量が所定値未満であると制御部102が判定した場合、処理はステップS102に戻る。これにより、フィルタ141への処理液の通液が、再度実行される。
【0171】
一方、ステップS402で、流量計116を通過する処理液の流量が所定値以上であると制御部102が判定した場合、処理はステップS108に進む。そして、例えば、ノズル34への処理液の供給が再開される。
【0172】
以上のようにして、第5実施形態のフィルタ141の気泡除去が終了する。
【0173】
第5実施形態のその他の気泡除去方法は、第2実施形態および第4実施形態と同様である。
【0174】
第5実施形態では、上記のように、第4実施形態と同様、除去液流通工程(ステップS105)の後に、流量計116の計測値が所定値未満である場合に、再度、除去液流通工程を行う。従って、フィルタ141を確実に回復させた後に、基板処理ユニット10への処理液の供給を再開できる。
【0175】
第5実施形態のその他の効果は、第2実施形態および第4実施形態と同様である。
【0176】
(第6実施形態)
次に、
図15を参照して、本発明の第6実施形態による基板処理装置100について説明する。
図15は、第6実施形態の基板処理装置100における配管構成を説明するための模式図である。第6実施形態では、バルブ117を通過した処理液の一部が調製槽112に戻る例について説明する。つまり、第6実施形態では、処理液が循環するように配管32が構成される例について説明する。なお、ここでは、
図3に示した第1実施形態の配管構成の一部を変更して説明するが、
図7に示した第2実施形態の配管構成の一部を変更してもよい。
【0177】
図15に示すように、第6実施形態では、配管32は、共通配管32c、分岐配管32d、戻り配管32e、共通配管32fおよび分岐配管32gを含む。共通配管32cは、配管32の下流部分32bに接続される。共通配管32cには、複数(ここでは、4つ)の分岐配管32dが接続される。分岐配管32dは、共通配管32cから分岐する。分岐配管32dは、バルブ117を通過した処理液を処理液ボックス120に供給する。
【0178】
戻り配管32eは、共通配管32cに接続される。戻り配管32eは、調製槽112まで延びる。戻り配管32eは、共通配管32cを通過した処理液を調製槽112に戻す。
【0179】
共通配管32fは、例えば、処理液ボックス120内に配置される。共通配管32fは、分岐配管32dに接続される。また、共通配管32fには、複数(ここでは、3つ)の分岐配管32gが接続される。分岐配管32gは、共通配管32fから分岐する。分岐配管32gは、共通配管32fを通過した処理液をノズル34に供給する。
【0180】
第6実施形態のその他の構成、気泡除去方法および効果は、第1実施形態~第5実施形態と同様である。
【0181】
(第7実施形態)
次に、
図6A、
図6C、
図16および
図17を参照して、本発明の第7実施形態による基板処理装置100について説明する。第7実施形態では、第1実施形態~第6実施形態とは異なり、処理液の供給を開始する際に気泡除去液を通液する例について説明する。
【0182】
第7実施形態では、第6実施形態と同様、配管32は、処理液を循環させるように構成されている。なお、配管32は、処理液を循環させるように構成されていなくてもよい。また、第7実施形態では、基板処理装置100は、気体供給部230を備えていなくてもよい。
【0183】
第7実施形態では、後述するように、処理液と気泡除去液とが混ざる、または、接触する。よって、処理液および気泡除去液は、互いに反応しない、または、反応しにくい液体である。第7実施形態の処理液および気泡除去液の少なくとも一方は、第1実施形態とは異なる液体である。
【0184】
第7実施形態のその他の構成は、第6実施形態と同様である。
【0185】
図16は、第7実施形態のフィルタ141の気泡除去方法を示すフローチャートである。
図17は、第7実施形態の気泡除去方法を説明するための模式図であり、フィルタユニット周辺における液の流れを矢印で示す図である。第7実施形態のフィルタ141の気泡除去方法は、ステップS501~ステップS503を含む。ステップS501~ステップS503は、制御部102によって実行される。なお、ステップS501は、本発明の「処理液流通工程」および「除去液流通工程」の一例である。
【0186】
図16に示すように、ステップS501において、制御部102は、処理液および気泡除去液をフィルタ141に通液する。具体的には、ステップS501は、処理液の供給を開始する前に行われる。例えば、ポンプ114が停止した状態から処理液の供給を開始する際に、フィルタユニット140内に気泡が混入する場合がある。フィルタユニット140内に混入した気体は、フィルタ141の詰まりの原因となる。ポンプ114が停止した状態とは、例えば、処理液の循環を停止したアイドル状態、または、調製槽112内の処理液を交換した後の状態等が挙げられる。なお、ステップS501の前において、バルブ115、117、152および162は、閉状態になっている。
【0187】
ステップS501で、制御部102は、バルブ115、152および162を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図17に示すように、処理液および気泡除去液は、フィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。このとき、気泡除去液がフィルタ141を通過するので、フィルタユニット140内に気泡が混入したとしても、フィルタ141に気泡が詰まることを抑制できる。なお、バルブ115を閉状態から開状態に切り替えるタイミングと、バルブ152を閉状態から開状態に切り替えるタイミングとは、同じであってもよいし、いずれか一方が他方に比べて早くてもよい。そして、処理液および気泡除去液の通液を開始してから例えば数秒経過すると、処理はステップS502に進む。
【0188】
次に、ステップS502において、制御部102は、気泡除去液の通液を停止する。具体的には、制御部102は、バルブ152を開状態から閉状態に切り替える。これにより、
図6Aに示すように、処理液は、フィルタユニット140を通過した後、下流側配管161を介して排出される。
【0189】
次に、ステップS503において、制御部102は、処理液の供給を開始する。具体的には、バルブ162を開状態から閉状態に切り替えるとともに、バルブ117を閉状態から開状態に切り替える。これにより、
図6Cに示すように、処理液は、フィルタユニット140を通過した後、バルブ117に向かって流れる。
【0190】
以上のようにして、第7実施形態のフィルタ141の気泡除去が終了する。
【0191】
第7実施形態では、上記のように、ポンプ114が停止した状態から処理液の供給を開始する際に、処理液および気泡除去液をフィルタ141に通液する。従って、フィルタユニット140内に気泡が混入したとしても、気泡がフィルタ141に詰まることを抑制できる。
【0192】
第7実施形態のその他の効果は、第1実施形態~第6実施形態と同様である。
【0193】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0194】
例えば、第1実施形態~第6実施形態では、気泡除去液を通液する前に洗浄液を通液し、気泡除去液を通液した後に洗浄液を通液する例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、処理液の供給を停止した後、洗浄液を通液することなく気泡除去液を通液してもよい。また、気泡除去液を通液した後、洗浄液を通液することなく処理液を通液してもよい。ただし、処理液と気泡除去液とが互いに反応することにより、配管、バルブまたはフィルタユニット等の部品に悪影響を及ぼすおそれがある場合は、第1実施形態~第6実施形態で説明したように洗浄液を通液することが好ましい。
【0195】
また、例えば、第1実施形態~第6実施形態では、除去液供給部165を上流側配管151に接続し、気泡除去液を上流側配管151からフィルタ141を介して下流側配管161に通過させる例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、除去液供給部165を下流側配管161に接続し、気泡除去液を下流側配管161からフィルタ141を介して上流側配管151に通過させてもよい。
【0196】
また、例えば第2実施形態および第5実施形態では、洗浄配管171をフィルタ141の上流側で配管32に接続し、洗浄液を洗浄配管171からフィルタ141を介して下流側配管161に通過させる例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、洗浄配管171をフィルタ141の下流側で配管32に接続し、洗浄液を洗浄配管171からフィルタ141を介して上流側配管151に通過させてもよい。
【0197】
また、例えば第4実施形態および第5実施形態では、フィルタ141が回復したことを確認するために、計測工程(ステップS402)において処理液の流量を用いる例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、フィルタ141が回復したことを確認するために、洗浄液の流量を用いてもよい。この場合、フィルタ141を通過する洗浄液の流量を計測する流量計を、例えば、下流側配管161、配管32または洗浄配管171に配置してもよい。また、例えば、フィルタ141が回復したことを確認するために、気泡除去液の流量を用いてもよい。この場合、フィルタ141を通過する気泡除去液の流量を計測する流量計を、例えば、下流側配管161、配管32または上流側配管151に配置してもよい。
【0198】
また、上記実施形態では、基板処理装置100が気体供給部230を備える例について示したが、本発明はこれに限らず、調製槽112に気体を供給しなくてもよい。例えば、フィルタ141を交換する際に、フィルタユニット140内に気泡が混入する場合がある。混入した気体は、フィルタ141の詰まりの原因となるが、本発明によれば、フィルタ141を回復させることができる。
【0199】
また、上記実施形態では、バルブ36、115、117、152、162、172、212、222、232および242が、液の流量を調整可能なバルブである例について説明したが、本発明はこれに限らない。例えば、バルブ36、115、117、152、162、172、212、222、232および242は、液の流量を調節できないバルブであってもよい。つまり、バルブ36、115、117、152、162、172、212、222、232および242は、流路を開状態または閉状態のみに切り替え可能であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0200】
本発明は、基板処理装置とフィルタの気泡除去方法とに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0201】
10 :基板処理ユニット
32 :配管(処理液配管)
100 :基板処理装置
115 :バルブ(第1バルブ)
116 :流量計
117 :バルブ(第2バルブ)
141 :フィルタ
151 :上流側配管
152 :バルブ(第3バルブ)
161 :下流側配管
162 :バルブ(第4バルブ)
165 :除去液供給部
171 :洗浄配管
172 :バルブ(第5バルブ)
175 :洗浄液供給部
220 :洗浄液供給部
S101、S301 :ステップ(処理液流通工程)
S105 :ステップ(除去液流通工程)
S106、S206 :ステップ(洗浄液流通工程)
S402 :ステップ(計測工程)
S501 :ステップ(処理液流通工程、除去液流通工程)
W :基板