(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042283
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】複合部材、車両用外装部品及び複合部材製造方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20240321BHJP
G01S 13/931 20200101ALI20240321BHJP
B60R 13/00 20060101ALI20240321BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G01S7/03 246
G01S13/931
B60R13/00
H01Q1/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146885
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】504136889
【氏名又は名称】株式会社ファルテック
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】秋山 陽一
【テーマコード(参考)】
3D024
5J046
5J070
【Fターム(参考)】
3D024BA03
3D024BA15
3D024BA20
5J046RA03
5J046RA07
5J046RA12
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC06
5J070AF03
5J070AK40
(57)【要約】
【課題】フィルム部材が設けられた樹脂部材をフィルム部材側から強固に保持可能とする。
【解決手段】イルミネーションレーダカバー1であって、フィルム部材2bと、フィルム部材2bの正面21に溶着された透明部材2aと、フィルム部材2bの背面22に溶着されたハウジング2cとを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム部材と、
前記フィルム部材の一方側の面に溶着された第1樹脂部材と、
前記フィルム部材の他方側の面に溶着された第2樹脂部材と
を備えることを特徴とする複合部材。
【請求項2】
前記第1樹脂部材及び前記第2樹脂部材の少なくとも一方が前記フィルム部材の端部を覆うことを特徴とする請求項1記載の複合部材。
【請求項3】
可視光が透過可能な透光部が部分的に設けられた前記フィルム部材と、
透明な前記第1樹脂部材である透明部材と、
前記透光部を避けて前記フィルム部材の他方側の面に溶着される前記第2樹脂部材であるハウジングと
を有する請求項1または2記載の複合部材と、
前記フィルム部材の他方側の面との間に空隙を形成するように前記フィルム部材と対向配置された反射部材と、
前記空隙に向けて前記可視光を射出する光源部と
を備えることを特徴とする車両用外装部品。
【請求項4】
前記フィルム部材は、
前記可視光が通過可能な開口部を有する遮光層と、
前記遮光層を支持すると共に前記可視光を透過する基材と
を備えることを特徴とする請求項3記載の車両用外装部品。
【請求項5】
前記フィルム部材は、前記遮光層と前記基材との間に前記開口部を覆うように配置されると共に前記可視光を拡散透過する拡散層を備えることを特徴とする請求項4記載の車両用外装部品。
【請求項6】
前記フィルム部材は、前記遮光層と前記基材との間に前記開口部を避けるように配置されると共に前記可視光を反射する反射層を備えることを特徴とする請求項4記載の車両用外装部品。
【請求項7】
前記ハウジングは、
前記フィルム部材と前記透明部材と前記ハウジングとの積層方向から見て前記空隙の外側に位置すると共に前記反射部材に挿入固定される挿入部と、
前記積層方向から見て前記挿入部よりも前記空隙側に位置すると共に前記空隙を囲う環状の溝部と
を有し、
前記溝部の内部に充填されて前記ハウジングと前記反射部材とを接着するシール部を備える
ことを特徴とする請求項3記載の車両用外装部品。
【請求項8】
フィルム部材の一方側の面に第1樹脂部材を射出成形により溶着する第1インサート成形工程と、
前記フィルム部材の他方側の面に第2樹脂部材を射出成形により溶着する第2インサート成形工程と
を有することを特徴とする複合部材製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合部材、車両用外装部品及び複合部材製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ミリ波等の電波を用いて車両の周囲の障害物等を検知するレーダユニットが車両に搭載されている。このようなレーダユニットは、車両の外部の人から視認されないよう、電波透過性を有するレーダカバー等の車両用外装部品に覆われた状態で配置されることが一般的である。ところで、車両用外装部品は、外部から視認可能であることから、車両の外観印象に大きく影響する。このため、車両用外装部品は、電波の透過性を確保しつつ、意匠性を高める必要がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、このような車両用外装部品は、意匠性を高めるために、パターニングされたフィルム部材が背面に設けられた樹脂製の透明部材を有する場合がある。この透明部材を正面側から見た場合には、フィルム部材のパターニング形状(模様やマーク)が視認可能である。車両用外装部品は、このような透明部材を背面側から保持する保持部を備え、保持部が車体等に接続されることで固定される。
【0005】
ところで、正面側からビス等が視認可能であると外観印象に影響する。このため、このような保持部は、透明部材の背面側から透明部材が係止されるように取り付けられる。しかしながら、保持部を透明部材に係止した場合には、保持部と透明部材とを強固に固定することが難しい。したがって、長期間に亘る車両の走行振動等の影響により、例えば、保持部と透明部材との間に隙間が生じる可能性がある。
【0006】
また、このような課題は、パターニングされたフィルム部材が背面に設けられた透明部材を保持する場合に限られるものではなく、フィルム部材が背面に設けられた樹脂部材を背面側から保持する場合に生じる。
【0007】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、フィルム部材が設けられた樹脂部材をフィルム部材側から強固に保持可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0009】
本発明の第1の態様は、複合部材であって、フィルム部材と、上記フィルム部材の一方側の面に溶着された第1樹脂部材と、上記フィルム部材の他方側の面に溶着された第2樹脂部材とを備えるという構成を採用する。
【0010】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様において、上記第1樹脂部材及び上記第2樹脂部材の少なくとも一方が上記フィルム部材の端部を覆うという構成を採用する。
【0011】
本発明の第3の態様は、車両用外装部品であって、可視光が透過可能な透光部が部分的に設けられた上記フィルム部材と、透明な上記第1樹脂部材である透明部材と、上記透光部を避けて上記フィルム部材の他方側の面に溶着される上記第2樹脂部材であるハウジングとを有する上記第1または第2の態様の複合部材と、上記フィルム部材の他方側の面との間に空隙を形成するように上記フィルム部材と対向配置された反射部材と、上記空隙に向けて上記可視光を射出する光源部とを備えるという構成を採用する。
【0012】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様において、上記フィルム部材が、上記可視光が通過可能な開口部を有する遮光層と、上記遮光層を支持すると共に上記可視光を透過する基材とを備えるという構成を採用する。
【0013】
本発明の第5の態様は、上記第4の態様において、上記フィルム部材は、上記遮光層と上記基材との間に上記開口部を覆うように配置されると共に上記可視光を拡散透過する拡散層を備えるという構成を採用する。
【0014】
本発明の第6の態様は、上記第4または第5の態様において、上記フィルム部材が、上記遮光層と上記基材との間に上記開口部を避けるように配置されると共に上記可視光を反射する反射層を備えるという構成を採用する。
【0015】
本発明の第7の態様は、上記第3~第6のいずれかの態様において、上記ハウジングが、上記フィルム部材と上記透明部材と上記ハウジングとの積層方向から見て上記空隙の外側に位置すると共に上記反射部材に挿入固定される挿入部と、上記積層方向から見て上記挿入部よりも上記空隙側に位置すると共に上記空隙を囲う環状の溝部とを有し、上記溝部の内部に充填されて上記ハウジングと上記反射部材とを接着するシール部を備えるという構成を採用する。
【0016】
本発明の第8の態様は、複合部材製造方法であって、フィルム部材の一方側の面に第1樹脂部材を射出成形により溶着する第1インサート成形工程と、上記フィルム部材の他方側の面に第2樹脂部材を射出成形により溶着する第2インサート成形工程とを有するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、第1樹脂部材に対してフィルム部材の一方側の面が溶着される。さらに、フィルム部材の他方側の面には第2樹脂部材が溶着される。このため、フィルム部材と第2樹脂部材との間に隙間が生じることがなく、フィルム部材に対して第2樹脂部材が強固に固定される。つまり、本発明によれば、フィルム部材が設けられた第1樹脂部材を、フィルム部材の他方側の面に溶着された第2樹脂部材によって、フィルム部材側から強固に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態におけるイルミネーションレーダカバーの概略構成を示す模式図であり、(a)が正面図であり、(b)が(a)のA-A断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態におけるイルミネーションレーダカバーが備えるフィルム部材の模式的な拡大図である。
【
図3】本発明の第1実施形態におけるイルミネーションレーダカバーの製造工程を示す模式図である。
【
図4】本発明の第2実施形態におけるイルミネーションレーダカバーの概略構成を示す模式的な断面図である。
【
図5】本発明の第3実施形態における複合部材の模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明に係る複合部材、車両用外装部品及び複合部材製造方法の一実施形態について説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1(車両用外装部品)の概略構成を示す模式図であり、(a)が正面図であり、(b)が(a)のA-A断面図である。本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、車両に搭載され、
図1(b)に示すように、レーダユニットRに対向するように配置されている。
【0021】
レーダユニットRは、例えばミリ波を発信する発信部、反射波を受信する受信部、及び、演算処理を行う演算部等を有している。このレーダユニットRは、イルミネーションレーダカバー1を透過する電波の送受信を行い、受信した電波に基づいて車両の周囲状況を検知する。例えば、レーダユニットRは、障害物までの距離や障害物の相対速度等を算出して出力する。
【0022】
イルミネーションレーダカバー1は、レーダユニットRに対して車両の外側に配置されている。イルミネーションレーダカバー1は、全体として板状に形成されており、背面側をレーダユニットRに対向させるように配置されている。なお、イルミネーションレーダカバー1の背面側と反対側を正面側と称する。つまり、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、正面側を車両の外側に向け、背面側を車両の内側に向けるように配置される。正面側と背面側とを結ぶ方向は、板厚方向と称する。
【0023】
このイルミネーションレーダカバー1は、レーダユニットRで用いる電波を透過する。つまり、イルミネーションレーダカバー1は、電波透過性を有している。レーダユニットRから射出された電波は、
図1(a)に示すように、イルミネーションレーダカバー1の中央部を透過する。つまり、イルミネーションレーダカバー1の中央部が電波透過領域R1である。電波透過領域R1の周囲の領域は、電波が透過しない非電波透過領域R2である。
【0024】
図1(b)に示すように、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、カバー本体部2(複合部材)と、拡散リフレクタ3(反射部材)と、LEDユニット4(光源部)とを備えている。
【0025】
カバー本体部2は、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1の最も正面側(外側)に配置されている。
図1(b)に示すように、カバー本体部2は、透明部材2a(第1樹脂部材)と、フィルム部材2bと、ハウジング2c(第2樹脂部材)とが一体化された複合部材である。
【0026】
透明部材2aは、フィルム部材2bよりも正面側に配置された板状の部位であり、可視光を透過可能である。透明部材2aは、例えば、有色透明のPC(ポリカーボネート)やPMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の透明合成樹脂によって形成されている。透明部材2aの正面側の面は、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1の外壁面である。なお、透明部材2aの正面側の面には、必要に応じてハードコート層が設けられる。このハードコート層は、透明なコーティング層であり、透明部材2aの表面が傷つくことを抑止する。
【0027】
透明部材2aの背面には、フィルム部材2bが溶着されている。フィルム部材2bの正面21(一方側の面)が透明部材2aに溶着されている。このような透明部材2aとフィルム部材2bとは、例えばインサート成形によって一体化されている。つまり、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、フィルム部材2bの正面に溶着された透明部材2aを備える。
【0028】
フィルム部材2bは、上述のように、正面21が透明部材2aに溶着されている。また、フィルム部材2bは、背面22(他方側の面)にハウジング2cが溶着されている。つまり、フィルム部材2bは、透明部材2aとハウジング2cとの間に位置する。
図2は、フィルム部材2bの模式的な拡大図である。この図に示すように、フィルム部材2bは、基材2dと、拡散透過膜2e(拡散層)と、反射膜2f(反射層)と、遮光膜2g(遮光層)とが積層されてなる。
【0029】
基材2dは、拡散透過膜2e、反射膜2f及び遮光膜2gを支持し、可視光を透過する。基材2dは、可視光を透過可能な樹脂材料によって形成されている。基材2dは、フィルム部材2bのなかで最も車両の内側に位置し、ハウジング2cが溶着されている。
【0030】
拡散透過膜2eは、基材2dの正面に設けられており、背面側から遮光膜2gを覆う。つまり、拡散透過膜2eは、透明部材2aの背面側に設けられている。拡散透過膜2eは、可視光を拡散透過する膜部材である。
図2に示すように、拡散透過膜2eは、遮光膜2gの後述する開口部2g1を覆うように設けられている。このような拡散透過膜2eは、拡散透過膜2eの形成材料(例えばインク)を基材2dに対して印刷や塗装することで形成できる。また、シート状に形成された拡散透過膜2eを基材2dに貼付してもよい。
【0031】
なお、シート状の拡散透過膜2eを用いる場合には、拡散透過膜2eの正面側の面に遮光膜2gを予め形成しておくことも可能である。遮光膜2gが形成されたシート状の拡散透過膜2eを透明部材2aの背面に固着することで、遮光膜2gと拡散透過膜2eとを簡易に透明部材2aに対して固定することができる。
【0032】
このような拡散透過膜2eは、LEDユニット4から射出された可視光を背面側から正面側に向けて拡散透過させる。このため、遮光膜2gの開口部2g1の全体を電飾時に均一な明るさとすることができる。また、拡散透過膜2eは、LEDユニット4が点灯していない状態であっても、可視光を拡散透過する。このため、イルミネーションレーダカバー1の外側から、カバー本体部2の背面側が視認されることを防止できる。
【0033】
反射膜2fは、拡散透過膜2eと遮光膜2gとの間に配置されており、可視光を反射する。このような反射膜2fは、拡散透過膜2eと基材2dとの間に配置されてもよい。また、反射膜2fは、基材2dの背面に設けられてもよい。反射膜2fは、可視光を通過可能な開口部2f1を有する。開口部2f1は、遮光膜2gの後述する開口部2g1と重なるように形成されている。つまり、反射膜2fは、遮光膜2gと基材2dとの間に遮光膜2gの開口部2g1を避けるように配置された反射膜2fを備えている。このような反射膜2fは、反射膜2fの形成材料(例えば白色インク)を拡散透過膜2eに対して印刷や塗装することで形成できる。また、シート状に形成された反射膜2fを、拡散透過膜2eに貼付してもよい。
【0034】
遮光膜2gは、フィルム部材2bのうち、最も車両の外側に位置する。この遮光膜2gは、透明部材2aの背面が溶着されている。つまり、遮光膜2gは、透明部材2aの背面側に設けられている。遮光膜2gは、可視光を遮蔽する。この遮光膜2gは、例えば、有色のインクを乾燥させることで形成されている。また、遮光膜2gを塗装膜で形成することも可能である。
図2に示すように、遮光膜2gには、板厚方向に貫通する開口部2g1が設けられている。可視光は、開口部2g1を通過可能である。
【0035】
背面側から可視光が開口部2g1を介して正面側に通過する場合には、イルミネーションレーダカバー1の外部の者に、開口部2g1が明るく視認される。つまり、外部の者に、開口部2g1によって形成された図形や文字等が視認される。本実施形態のイルミネーションレーダカバー1においては、LEDユニット4から射出された可視光を、背面側から正面側に開口部2g1を通過させることで、電飾される。
【0036】
なお、
図1(a)においては、円弧状の開口部2g1が、1つの円を描くように上下に配列されている。このため、LEDユニット4を点灯した場合には、上下に分断された円状の模様が外部の者に視認される。なお、開口部2g1の形状は、変更可能である。例えば、開口部2g1の形状を車両メーカのエンブレム形状とすることも可能である。
【0037】
このようなフィルム部材2bは、遮光膜2gに開口部2g1が設けられることで、可視光が部分的に透過可能である。つまり、遮光膜2gに開口部2g1は透光部として機能する。つまり、フィルム部材2bは、可視光が透過可能な透光部が部分的に設けられている。このようなフィルム部材2bを設けることで、上述のような模様や図形を外部の者に視認させることができる。
【0038】
図1に戻り、ハウジング2cは、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1を車両に対して固定する部位である。また、ハウジング2cは、拡散リフレクタ3及びLEDユニット4を支持する。
【0039】
ハウジング2cは、樹脂材料から形成された樹脂部材である。このようなハウジング2cは、例えば、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)、AES(アクリロニトリル・エチレン・スチレン共重合合成樹脂)、ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、有色のPC、PET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂、又はこれらの複合樹脂からなる。
【0040】
ハウジング2cは、フィルム部材2bの背面に溶着されている。このハウジング2cは、フィルム部材2bを介して透明部材2aと接続されている。このようなハウジング2cは、フィルム部材2bごと透明部材2aを保持する。つまり、ハウジング2cは、フィルム部材2b側から透明部材2aを支持する。本実施形態においてハウジング2cが、フィルム部材2bに対して溶着されているため、フィルム部材2bとの接続面とフィルム部材2bとの間に隙間が生じることを防止できる。
【0041】
このようにハウジング2cの正面には、フィルム部材2bが溶着されている。つまり、フィルム部材2bの背面22(他方側の面)がハウジング2cに溶着されている。フィルム部材2bが設けられた透明部材2aとハウジング2cとは、例えばインサート成形によって一体化されている。このように本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、フィルム部材2bの背面22に溶着されたハウジング2cを備える。
【0042】
また、
図1(b)に示すように、ハウジング2cは、エンジンルーム側に突出する係合部2c1を有している。この係合部2c1は、先端部が爪状に成形されており、当該先端部が例えばラジエータグリル本体に係止される。また、ハウジング2cは、複数のボス2c2(挿入部)と、溝部2c3とを有している。
【0043】
各々のボス2c2は、フィルム部材2bと透明部材2aとハウジング2cとの積層方向(板厚方向)から見て後述する空間A(フィルム部材2bと拡散リフレクタ3との間に設けられた空隙)の外側に位置する。各々のボス2c2は、拡散リフレクタ3に挿入固定される。なお、各々のボス2c2の先端部が変形されることで、拡散リフレクタ3がハウジング2cに固定されている。つまり、拡散リフレクタ3は、加締め加工により、ハウジング2cに固定されている。
【0044】
溝部2c3は、上述の積層方向(板厚方向)から見て、ボス2c2よりも空間A側に位置し、環状に形成されている。この溝部2c3は、背面側から正面側に向けて窪むように形成されており、内部にシール部2hが充填されている。シール部2hは、ハウジング2cと拡散リフレクタ3とを接着すると共に、ハウジング2cと拡散リフレクタ3との境界面から空間Aに水分等が侵入することを防止する。このようなシール部2hが溝部2c3に充填されていることで、シール部2hとハウジング2cとの接着強度を高めることができ、シール性を向上させることができる。
【0045】
拡散リフレクタ3は、カバー本体部2の背面側に配置されている。本実施形態においては、拡散リフレクタ3は、ハウジング2cに対して支持されている。
図1(b)に示すように、拡散リフレクタ3は、フィルム部材2bの背面22に空間A(空隙)を形成するように対向配置されている。拡散リフレクタ3の内壁面3a(カバー本体部2の背面に対向配置された対向面)は、可視光の反射面である。拡散リフレクタ3の内壁面3aは、可視光を拡散反射する。本実施形態では、拡散リフレクタ3の内壁面3aは、LEDユニット4から射出された可視光を拡散反射して、カバー本体部2に向けて案内する。
【0046】
拡散リフレクタ3は、例えば電波透過性を有する発泡材によって形成されている。ここで言う発泡材とは、内部に気泡が分散された状態で硬化された材料を指す。つまり、ここで言う発泡材には、合成樹脂を用いた材料、セラミックスを用いた材料が含まれる。ただし、加工及び製造が容易な合成樹脂の発泡材を用いることが、より好ましい。例えば、合成樹脂を用いた発泡材としては、ポリエステル製の発泡材、ポリエチレン製の発泡材、ポリスチレン製の発泡材、ポリプロピレン製の発泡材、ポリウレタン製、ポリカーボネート製の発泡材の発泡材を用いることができる。
【0047】
発泡材に含まれるガスは、空気でよい。ただし、空気以外のガスを発泡材に含むようにしてもよい。このような発泡材は、内部に多くの気泡が含まれていることから、通常の樹脂材料と比較して、誘電率が空気に近い。このため、空気と同様に、透過する電波に与える影響が小さい。
【0048】
本実施形態においては、拡散リフレクタ3は、シート状の拡散リフレクタ3を賦形することで、形成することができる。このように形成された拡散リフレクタ3は、表面が例えば白色の散乱面となる。このため拡散リフレクタ3の内壁面3aを可視光の拡散反射面として用いることができる。
【0049】
LEDユニット4は、可視光を射出するユニットである。LEDユニット4は、板厚方向に沿った方向から見て、電波透過領域R1と重ならない位置に配置されている。本実施形態においては、LEDユニット4は、電波透過領域R1の下方に位置し、ハウジング2cに支持されている。
【0050】
LEDユニット4は、発光する発光素子と、発光素子が実装される基板等を備えている。発光素子は、例えば複数設けられている。LEDユニット4は、カバー本体部2と拡散リフレクタ3との間に設けられた空間Aに向けて可視光を射出する。また、LEDユニット4は、ハウジング2cに設けられた貫通孔を介してハウジング2cの外側に引き出される配線を有している。なお、配線が通るハウジング2cの貫通孔は、必要に応じてシールされる。
【0051】
このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1では、LEDユニット4から可視光が射出されると、射出光が空間A内にて、拡散リフレクタ3の内壁面3aで拡散反射される。拡散リフレクタ3の内壁面3aで拡散反射された射出光は、フィルム部材2bの背面に照射される。フィルム部材2bの背面に照射された射出光は、拡散透過膜2eで拡散され、その一部が反射膜2fの開口部2f1及び遮光膜2gの開口部2g1を通過して透明部材2aに入射する。透明部材2aに入射した射出光は、透明部材2aの正面側の面から、イルミネーションレーダカバー1の外部に射出される。
【0052】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1では、レーダユニットRから射出された電波は、拡散リフレクタ3、空間A、カバー本体部2を順に透過して、透明部材2aの正面側の面から、イルミネーションレーダカバー1の外部に射出される。また、レーダユニットRに向かう電波は、カバー本体部2、空間A、拡散リフレクタ3を順に透過して、拡散リフレクタ3の背面側の面からレーダユニットRに向けて射出される。
【0053】
続いて、
図3を参照して本実施形態のイルミネーションレーダカバー1の製造方法(複合部材製造方法)について説明する。
【0054】
まず、
図3(a)に示すように、フィルム部材2bを準備する。続いて、
図3(b)に示すように、フィルム部材2bの一方側の面(正面21)に対して溶着されるように透明部材2aを形成する。ここでは、フィルム部材2bを金型の内部に収容し、金型の内部に溶融樹脂を射出する射出成形により、透明部材2aを形成する。つまり、フィルム部材2bは、インサート成形により、透明部材2aの背面に溶着される。このような
図3(b)に示す工程は、フィルム部材2bの正面21に透明部材2aを射出成形により溶着する第1インサート成形工程である。
【0055】
続いて、
図3(c)に示すように、フィルム部材2bの他方側の面(背面22)に対して溶着されるようにハウジング2cを形成する。ここでは、フィルム部材2bが設けられた透明部材2aを金型の内部に収容し、金型の内部に溶融樹脂を射出する射出成形により、ハウジング2cを形成する。つまり、ハウジング2cは、インサート成形により、フィルム部材2bの背面22に溶着される。このような
図3(d)に示す工程は、フィルム部材2bの背面22にハウジング2cを射出成形により溶着する第2インサート成形工程である。
【0056】
このように、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1の製造方法においては、上述の2回のインサート工程により、カバー本体部2が形成される。この結果、フィルム部材2bを間に挟む2つの樹脂部材(透明部材2a及びハウジング2c)のいずれもが、フィルム部材2bに溶着されたカバー本体部2が形成される。
【0057】
続いて、
図3(d)に示すように、ハウジング2cに対してLEDユニット4を設置する。さらに、ハウジング2cの溝部2c3を埋設するようにシール部2hを形成する。その後、拡散リフレクタ3をハウジング2cに対して固定する。ここでは、ハウジング2cのボス2c2をハウジング2cに挿通し、ボス2c2の先端を変形させることで、拡散リフレクタ3をハウジング2cに対して固定する。このような工程を経て、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1が製造される。
【0058】
以上のような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1のカバー本体部2は、フィルム部材2bと、透明部材2aと、ハウジング2cとを備える複合部材である。また、透明部材2aは、フィルム部材2bの正面21に溶着されている。また、ハウジング2cは、フィルム部材2bの背面22に溶着されている。
【0059】
このようなカバー本体部2によれば、透明部材2aに対してフィルム部材2bの正面21が溶着される。さらに、フィルム部材2bの背面22にはハウジング2cが溶着される。このため、フィルム部材2bとハウジング2cとの間に隙間が生じることがなく、フィルム部材2bに対してハウジング2cが強固に固定される。つまり、カバー本体部2によれば、フィルム部材2bが設けられた透明部材2aを、フィルム部材2bの背面22に溶着されたハウジング2cによって、フィルム部材2b側から強固に保持することができる。
【0060】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、車両用外装部品であって、カバー本体部2と、拡散リフレクタ3と、LEDユニット4とを備えている。カバー本体部2は、可視光が透過可能な透光部(開口部2f1、開口部2g1)が部分的に設けられたフィルム部材2bと、透明な透明部材2aと、透光部(開口部2f1、開口部2g1)を避けてフィルムの背面22に溶着されるハウジング2cとを有する。また、拡散リフレクタ3は、フィルム部材2bの背面22との間に空間Aを形成するようにフィルム部材2bと対向配置されている。また、LEDユニット4は、空間Aに向けて可視光を射出する。
【0061】
このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、上述の複合部材からなるカバー本体部2を備える。このため、フィルム部材2bが設けられた透明部材2aを、フィルム部材2bの背面22に溶着されたハウジング2cによって、フィルム部材2b側から強固に保持することができる。また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、LEDユニット4から射出された可視光をフィルム部材2bの透光部を介して外部に射出することで、電飾が可能である。
【0062】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1においてフィルム部材2bは、遮光膜2gと、基材2dとを備える。遮光膜2gは、可視光が通過可能な開口部2g1を有する。また、基材2dは、遮光膜2gを支持すると共に可視光を透過する。このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1によれば、遮光膜2gを用いて、容易に、部分的に可視光な透光部をカバー本体部2に形成することができる。
【0063】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1においてフィルム部材2bは、拡散透過膜2eを備える。拡散透過膜2eは、遮光膜2gと基材2dとの間に開口部2g1を覆うように配置されると共に可視光を拡散透過する。このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1によれば、拡散透過膜2eにおいて可視光が拡散透過するため、拡散透過膜2eよりも背面側が外部から視認されることを防止できる。
【0064】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1においてフィルム部材2bは、反射膜2fを備える。反射膜2fは、遮光膜2gと基材2dとの間に開口部2g1を避けるように配置されると共に可視光を反射する。このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1によれば、LEDユニット4から射出された可視光がフィルム部材2bに吸収されることを抑制することができる。反射膜2fで反射された可視光は、拡散リフレクタ3との間で反射され、最終的に開口部2g1から射出される。このため、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1によれば、可視光の利用効率を高めることができる。
【0065】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1においてハウジング2cは、ボス2c2と、溝部2c3とを有する。ボス2c2は、フィルム部材2bと透明部材2aとハウジング2cとの積層方向から見て空間Aの外側に位置する。また、ボス2c2は、拡散リフレクタ3に挿入固定される。溝部2c3は、積層方向から見てボス2c2よりも空間A側に位置する。また、溝部2c3は、積層方向から見て空間Aを囲う環状に形成されている。さらに、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1は、溝部2c3の内部に充填されてハウジングと拡散リフレクタ3とを接着するシール部2hを備える。
【0066】
このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1によれば、ボス2c2の内側に溝部2c3が設けられているため、シール部2hをボス2c2よりも空間A側に強固に固定することができる。このため、シール性を高め、空間Aに水分等が侵入することを抑止できる。
【0067】
また、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1の製造方法は、フィルム部材2bの正面21に透明部材2aを射出成形により溶着する第1インサート成形工程と、フィルム部材2bの背面22にハウジング2cを射出成形により溶着する第2インサート成形工程とを有する。このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1の製造方法によれば、フィルム部材2bが設けられた透明部材2aを、フィルム部材2bの背面22に溶着されたハウジング2cによって、フィルム部材2b側から強固に保持することが可能なカバー本体部2を製造することができる。
【0068】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、
図4を参照して説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第1実施形態と同様の部分については、その説明を省略あるいは簡略化する。
【0069】
図4は、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1Aの概略構成を示す模式的な断面図である。この図に示すように、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1Aにおいて、ハウジング2cは、フィルム部材2bの端部を覆う被覆部2c4を有している。被覆部2c4は、板厚方向から見て、フィルム部材2bの外縁を外側から覆うように環状に設けられている。また、被覆部2c4の先端部(正面側の端部)は、透明部材2aの外周面に接続している。
【0070】
このような本実施形態のイルミネーションレーダカバー1Aは、ハウジング2cがフィルム部材2bの端部を覆う。このため、フィルム部材2bの端部が水分等に触れることを防止できる。このため、本実施形態のイルミネーションレーダカバー1Aによれば、フィルム部材2bの劣化を抑止することが可能である。
【0071】
なお、本実施形態においては、ハウジング2cがフィルム部材2bの端部を覆う被覆部2c4を備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透明部材2aがフィルム部材2bの端部を覆う被覆部を備える構成を採用することも可能である。
【0072】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態の複合部材100の概略構成を示す模式的な断面図である。この図に示すように、本実施形態の複合部材100は、フィルム部材101と、第1樹脂部材102と、第2樹脂部材103とを備えている。
【0073】
フィルム部材101は、第1樹脂部材102と第2樹脂部材103との間に位置する薄膜状の部材である。フィルム部材101は、例えば、フィルムアンテナ、フィルムヒータ、電磁シールドフィルム、及び、フィルム型RFID(Radio Frequency Identifier)等である。
【0074】
第1樹脂部材102は、フィルム部材101の一方側の面に溶着されている。第2樹脂部材103は、フィルム部材101の他方側の面に溶着されている。第1樹脂部材102は、フィルム部材101の一方側の面に第1樹脂部材を射出成形により溶着する第1インサート成形工程で形成される。第2樹脂部材103は、フィルム部材の他方側の面に第2樹脂部材を射出成形により溶着する第2インサート成形工程で形成される。
【0075】
第1樹脂部材102と第2樹脂部材103とは、同一の樹脂材料で形成されても、異なる樹脂材料で形成されてもよい。第1樹脂部材102と第2樹脂部材103との形成材料は、特に限定されるものではなく、射出成形が可能な樹脂材料であればよい。
【0076】
このような本実施形態の複合部材100は、フィルム部材101の機能を有する。また、第1樹脂部材102に対してフィルム部材101の一方側の面が溶着される。さらに、フィルム部材101の他方側の面には第2樹脂部材103が溶着される。このため、フィルム部材101と第2樹脂部材103との間に隙間が生じることがなく、フィルム部材101に対して第2樹脂部材103が強固に固定される。つまり、本実施形態の複合部材100によれば、フィルム部材101が設けられた第1樹脂部材102を、フィルム部材101の他方側の面に溶着された第2樹脂部材103によって、フィルム部材101側から強固に保持することができる。
【0077】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0078】
例えば、上記第1実施形態及び第2実施形態では、フィルム部材2bが、基材2dと、拡散透過膜2e(拡散層)と、反射膜2f(反射層)と、遮光膜2g(遮光層)とを備える構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、フィルム部材2bが拡散透過膜2e及び反射膜2fのいずれか一方あるいは両方を備えない構成を採用することも可能である。また、フィルム部材2bが、基材2d、拡散透過膜2e、反射膜2f、及び遮光膜2gと異なる機能層を備える構成を採用することも可能である。
【0079】
また、例えば、上記第1実施形態及び第2実施形態において、フィルム部材2bの正面21及び背面22のいずれかあるいは両方に接着剤層を設けることも可能である。この場合、透明部材2a及びハウジング2cのいずれかあるいは両方に対してフィルム部材2bを強固に固定できる。また、同様に、上記第3実施形態において、フィルム部材101の正面及び背面のいずれかあるいは両方に接着剤層を設けることも可能である。
【0080】
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、フィルム部材2bのなかで基材2dが最も車両の内側に位置する構成について説明した。しかしながら、フィルム部材2bのなかで基材2bが最も車両の外側に位置するような構成とすることも可能である。この場合、基材2dの背面側に、遮光膜2g(遮光層)、反射膜2f(反射層)、拡散透過膜2e(拡散層)が順に積層される。
【符号の説明】
【0081】
1……イルミネーションレーダカバー(車両用外装部品)、1A……イルミネーションレーダカバー(車両用外装部品)、2……カバー本体部(複合部材)、2a……透明部材(第1樹脂部材)、2b……フィルム部材、2c……ハウジング(第2樹脂部材)、2c1……係合部、2c2……ボス(挿入部)、2c3……溝部、2c4……被覆部、2d……基材、2e……拡散透過膜(拡散層)、2f……反射膜(反射層)、2f1……開口部、2g……遮光膜(遮光層)、2g1……開口部、2h……シール部、3……拡散リフレクタ(反射部材)、3a……内壁面、4……LEDユニット(光源部)、21……正面(一方側の面)、22……背面(他方側の面)、100……複合部材、101……フィルム部材、102……第1樹脂部材、103……第2樹脂部材、A……空間(空隙)