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特開2024-42287電気電子機器収納用箱の設計支援システム及び電気電子機器収納用箱の選定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042287
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】電気電子機器収納用箱の設計支援システム及び電気電子機器収納用箱の選定方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20240321BHJP
   G06F 30/12 20200101ALI20240321BHJP
   G06F 16/90 20190101ALI20240321BHJP
【FI】
G06F30/10
G06F30/12
G06F16/90
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146890
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 悟
(72)【発明者】
【氏名】高田 裕基
(72)【発明者】
【氏名】神山 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】宮田 徹哉
【テーマコード(参考)】
5B146
5B175
【Fターム(参考)】
5B146DC05
5B146DE03
5B146DL01
5B146DL08
5B175HB03
(57)【要約】
【課題】電気電子機器収納用箱の設計支援システムにおいて、データベースに備えられた箱データに紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度を定めることができるようにすること。
【解決手段】利用者が入力手段を用いて入力した仕様情報を基に、筐体内に電気電子機器を収納する電気電子機器収納用箱の設計を支援することが可能な電気電子機器収納用箱の設計支援システムであって、電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報により特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、を備える構成とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が入力手段を用いて入力した仕様情報を基に、筐体内に電気電子機器を収納する電気電子機器収納用箱の設計を支援することが可能な電気電子機器収納用箱の設計支援システムであって、
電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報により特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、
箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、
を備える電気電子機器収納用箱の設計支援システム。
【請求項2】
箱データ若しくは箱データの内容を表す図面情報を出力可能な出力手段を備え、
出力手段は、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が最も高い箱データ、若しくは、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が最も高い箱データの内容を表す図面情報を出力可能な請求項1に記載の電気電子機器収納用箱の設計支援システム。
【請求項3】
箱データ若しくは箱データの内容を表す図面情報を複数出力可能な出力手段を備え、
出力手段は、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が高い箱データから順番に箱データを出力可能、若しくは、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が高い箱データから順番に箱データの内容を表す図面情報を出力可能な請求項1に記載の電気電子機器収納用箱の設計支援システム。
【請求項4】
利用者が入力手段を用いて入力可能な仕様情報の項目に、
電気電子機器収納用箱に収納される電気電子機器に関する項目と、
電気電子機器収納用箱に関する項目、配線に関する項目、輸送に関する項目、価格に関する項目、納期に関する項目、客先に関する項目のうちの少なくとも1つの項目と、
を含む請求項1から3の何れかに記載の電気電子機器収納用箱の設計支援システム。
【請求項5】
複数の仕様情報の項目に項目充足値が定められており、
演算手段は、利用者が入力した項目の仕様情報とデータベースに備えられた格納仕様情報とが一致すると認定する場合若しくは一致しないと認定する場合に、初期値に対して項目充足値を増減させ、比較値を導くように演算するものであり、
仕様情報の項目に設定した優先度に応じて項目充足値を異なるものとした請求項4に記載の電気電子機器収納用箱の設計支援システム。
【請求項6】
電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報によって特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、
箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、
演算された箱データの比較値を出力可能な出力手段と、
を備える電気電子機器収納用箱の設計支援システムに仕様情報を入力することにより電気電子機器収納用箱を選定する電気電子機器収納用箱の選定方法であって、
入力手段を用いて仕様情報を入力するステップと、
箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を演算するステップと、
演算された箱データの比較値若しくは比較値の最も高い箱データを出力するステップと、
を含む電気電子機器収納用箱の選定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気電子機器収納用箱の設計支援システム及び電気電子機器収納用箱の選定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、分電盤、配電盤、システムラック、高圧受電設備などの電気電子機器収納用箱の設計を支援する設計支援システムが知られている。また、従来の設計支援システムでは、入力された仕様情報とデータベースに格納された電気電子機器収納用箱の仕様に関するデータとを比較して、一致した電気電子機器収納用箱を一つ選定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-326219号公報
【0004】
ところで、電気電子機器収納用箱は、電気電子機器とそれを収納する筐体とで構成されるが、条件によっては、入力された仕様情報と、データベースに備えられたデータを比較したとしても、電気電子機器収納用箱を一つに決定することができないおそれがあった。例えば、入力された仕様情報だけでは、複数のバリエーションが考えられる場合や、利用者が筐体の非標準的な形状を仕様情報として入力した場合である。このような場合でも設計支援システムの利用者に、設計する電気電子機器収納用箱に関する仕様情報を従来のシステムに多く入力させることで、特定の電気電子機器収納用箱に決定することが可能であるが、多くの情報を入力するための労力は計り知れない。また、この問題は、入力された仕様情報が必須のものであり、かつ、一つの電気電子機器収納用箱を選定するように処理しようとする限り、解決するのは難しい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、電気電子機器収納用箱の設計支援システムにおいて、データベースに備えられた箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を定めることができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、利用者が入力手段を用いて入力した仕様情報を基に、筐体内に電気電子機器を収納する電気電子機器収納用箱の設計を支援することが可能な電気電子機器収納用箱の設計支援システムであって、電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報により特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、を備える電気電子機器収納用箱の設計支援システムとする。
【0007】
また、箱データ若しくは箱データの内容を表す図面情報を出力可能な出力手段を備え、出力手段は、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が最も高い箱データ、若しくは、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が最も高い箱データの内容を表す図面情報を出力可能な構成とすることが好ましい。
【0008】
また、箱データ若しくは箱データの内容を表す図面情報を複数出力可能な出力手段を備え、出力手段は、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が高い箱データから順番に箱データを出力可能、若しくは、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が高い箱データから順番に箱データの内容を表す図面情報を出力可能な構成とすることが好ましい。
【0009】
また、利用者が入力手段を用いて入力可能な仕様情報の項目に、電気電子機器収納用箱に収納される電気電子機器に関する項目と、電気電子機器収納用箱に関する項目、配線に関する項目、輸送に関する項目、価格に関する項目、納期に関する項目、客先に関する項目のうちの少なくとも1つの項目と、を含む構成とすることが好ましい。
【0010】
また、複数の仕様情報の項目に項目充足値が定められており、演算手段は、利用者が入力した項目の仕様情報とデータベースに備えられた格納仕様情報とが一致すると認定する場合若しくは一致しないと認定する場合に、初期値に対して項目充足値を増減させ、比較値を導くように演算するものであり、仕様情報の項目に設定した優先度に応じて項目充足値を異なる構成とすることが好ましい。
【0011】
また、電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報によって特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、演算された箱データの比較値を出力可能な出力手段と、を備える電気電子機器収納用箱の設計支援システムに仕様情報を入力することにより電気電子機器収納用箱を選定する電気電子機器収納用箱の選定方法であって、入力手段を用いて仕様情報を入力するステップと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を演算するステップと、演算された箱データの比較値若しくは比較値の最も高い箱データを出力するステップと、を含む電気電子機器収納用箱の選定方法とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、電気電子機器収納用箱の設計支援システムにおいて、データベースに備えられた箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を定めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】管理番号と格納仕様情報と箱データが紐づけられている例を示す図である。
図2】管理番号と格納仕様情報と箱データが紐づけられている例を示す図である。ただし、格納仕様情報により「主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×8」が特定されている。
図3】全ての入力仕様情報の欄が埋められた後に、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度(一致率)を演算し、その結果を表示することを表す図である。
図4】入力仕様情報の欄をひとつだけ埋めた後に、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度(一致率)を演算し、その結果を表示した例を表す図である。
図5図4に示す状態から、入力仕様情報の欄を更にひとつだけ埋めた後に、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度(一致率)を演算しなおし、その結果を表示した例を表す図である。
図6図5に示す状態から、入力仕様情報の欄を更にひとつだけ埋めた後に、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度(一致率)を演算しなおし、その結果を表示した例を表す図である。
図7】客先情報が「○○○(株)」で共通なデータをまとめた例を示す図である。
図8】電気電子機器が「主幹ブレーカ(100A)×1、分岐ブレーカ(20A)×16」で共通なデータをまとめた例を示す図である。
図9】入力仕様情報を6つの欄分埋めた後に箱データの一致の程度(一致率)とイメージ図が出力された例を示す図である。
図10】選定回数もデータベースに備えられていることを示す例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に発明を実施するための形態を示す。実施形態の電気電子機器収納用箱の設計支援システムは、利用者が入力手段を用いて入力した仕様情報を基に、筐体内に電気電子機器を収納する電気電子機器収納用箱の設計を支援することが可能な電気電子機器収納用箱の設計支援システムであって、電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報により特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、を備えている。このため、電気電子機器収納用箱の設計支援システムにおいて、データベースに備えられた箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を定めることが可能となる。
【0015】
また、電気電子機器収納用箱に関する情報である格納仕様情報と、格納仕様情報によって特定可能な電気電子機器収納用箱の構成に関する情報に紐づけられたデータである箱データと、を備えたデータベースと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算可能な演算手段と、演算された箱データの比較値を出力可能な出力手段と、を備える電気電子機器収納用箱の設計支援システムに仕様情報を入力することにより電気電子機器収納用箱を選定する電気電子機器収納用箱の選定方法であって、入力手段を用いて仕様情報を入力するステップと、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を演算するステップと、演算された箱データの比較値若しくは比較値の最も高い箱データを出力するステップと、を含む電気電子機器収納用箱の選定方法とするのが好ましい。
【0016】
なお、実施形態においては主に、分電盤、配電盤、制御盤、高圧受電設備などの配電を目的とした電気電子機器収納用箱の設計支援システムについて説明を行うが、もちろんサーバや通信装置、演算装置などを備えたシステムラックの設計支援システムや、通信装置や照明機器、机、椅子などを備え、内部で人が作業するための作業用ボックスなどの設計支援システムであってもよい。
【0017】
電気電子機器収納用箱は、筐体と、筐体に収納される電気電子機器を備えている。なお、電気電子機器は、いかなるものであっても良く、ブレーカ、開閉器、端子台、タイムスイッチ、避雷器、コンセント、変圧器、継電器、通信装置、計測装置、制御装置、センサ機器、空調機器などが典型例として挙げられるが、電気や電子に関連する機器や、非常回路や自動点滅回路などの電子機器で構成された回路などでもよい。
【0018】
実施形態の電気電子機器収納用箱の設計支援システムは、少なくともデータベースに電気電子機器収納用箱に関する仕様情報である格納仕様情報と、格納仕様情報により特定される電気電子機器収納用箱に関する箱データを備えている。設計支援システムの利用者が入力する電気電子機器収納用箱に関する仕様情報である入力仕様情報と、格納仕様情報とを比較することで、「比較値」として入力仕様情報に対する箱データの一致率を演算し、一致率に基づいて最適な電気電子機器収納用箱を選定できるように構成している。
【0019】
仕様情報の詳細については以下に記すが、ここで、入力仕様情報と格納仕様情報の違いについて説明をする。入力仕様情報とは、本発明の設計支援システムを用いて電気電子機器収納用箱を選定する際に、利用者により入力される仕様情報である。一方、格納仕様情報は、データベースの構築時や更新時にデータベースに備えられる仕様情報であり、入力仕様情報と比較可能な仕様情報である。実施形態では、特定の格納仕様情報と箱データに紐づけるように管理番号が付与され、データベースに備えられる(図1及び図2参照)。また、設計支援システムに、データベースに格納されない箱データを選定可能とする機能を持たせた場合などには、設計支援システムを利用した際に入力した入力仕様情報と、選定された箱データをデータベースに新たに備えることができるようにするものであってもよい。それまでデータベースに備えられていない仕様情報である入力仕様情報がデータベースに備えられることにより、その入力仕様情報は格納仕様情報の位置づけになる。
【0020】
ところで、本発明における「仕様情報」は、電気電子機器収納用箱や電気電子機器を特定するための仕様に関する情報であり、例えば、以下に記す項目別にグループ分けすることができる。
【0021】
例えば、電気電子機器収納用箱に収納される電気電子機器に関する仕様情報は以下の項目を挙げることができる。
【0022】
「電気電子機器の種類に関する項目(各電気電子機器の有する性能に関するデータも含む。)」
例えば、協約形ブレーカ、漏電ブレーカ、サーキットブレーカ、プラグイン式ブレーカ、端子台、リレー、電流計、電力計、通信機器、タイムスイッチ、SPD、制御回路などを電気電子機器の種類として挙げることができる。なお、性能とは、定格電流や定格遮断容量などの電気的性能や、強度などの物理的性能などである。
【0023】
「筐体内における電気電子機器の配置・位置に関する項目」
例えば、主幹ブレーカの位置(筐体の上側や下側など)、主幹ブレーカに対する分岐ブレーカの位置(主幹ブレーカの下や横など)、分岐ブレーカの配置(ブレーカを一列に配置又はブレーカを複数列で配置など)などを筐体内における電気電子機器の配置・位置として挙げることができる。なお、筐体の内部に複数の電気電子機器を収納する場合、それらの配置や位置が筐体のサイズや形状に大きな影響を与える。
【0024】
「筐体内における電気電子機器の役割に関する項目」
例えば、「協約形ブレーカが2つ入力された場合に、一方を主幹ブレーカとして使用し、もう一方を該主幹ブレーカの二次側に接続して二次送り用として使用する。」、「協約形ブレーカが2つ入力された場合に、両方とも主幹ブレーカとして使用し、筐体内に2系統を形成する」などを筐体内における電気電子機器の役割として挙げることができる。なお、筐体内に複数の電気電子機器を収納する場合、それらの役割が筐体サイズや形状に大きな影響を与える。
【0025】
もちろん、電気電子機器収納用箱に収納される電気電子機器に関する仕様情報は、その他の項目でも構わず、例えば、「電気電子機器の個数に関する項目」などでもよい。
【0026】
電気電子機器収納用箱に関する仕様情報の項目の例としては、以下に記載するものを挙げることができる。
【0027】
「電気電子機器収納用箱の筐体(扉若しくは筐体に収納されない部材を含む)に関する項目」
例えば、筐体サイズ(W×H×D)、筐体の材質(鉄製、ステンレス製、樹脂製等)、筐体の色、筐体に対する加工(筐体に収納されない機器と取り付けるための孔加工や溶接加工など)、筐体内に電気電子機器とは異なる部材を別途収納するために設定するスペース、扉のサイズ、扉の材質、扉の色、扉の数(1枚扉、2枚扉等)、扉の開く方向(右開き、左開き等)に関するデータ、筐体に収納されない部材の種類や個数、配置や位置などを挙げることができる。なお、筐体に収納されない部材とは、扉を回動するためのヒンジ、扉を鎖錠するための鎖錠装置(ハンドルなど)、筐体に取り付けられる熱対策機器(ファン、ルーバなど)や、配線用部材、水抜き用部材、防水対策用に取り付けられるパッキン、筐体を壁に取り付けるための取付部材や、屋外設置用の屋根部材などを例示することができる。
【0028】
「電気電子機器収納用箱の性能や種類に関する項目」
例えば、電気電子機器収納用箱の性能としては防水性能、耐震性能、耐熱性能などを挙げることができる。また、電気電子機器収納用箱の種類としては、電灯・動力混合分電盤、耐熱分電盤、仮設コンセント用分電盤などを挙げることができる。
【0029】
「電気電子機器収納用箱の設置に関する項目」
電気電子機器収納用箱の設置の中でも、設置方法に関する項目としては、例えば基台を用いて自立設置、壁・支柱への設置、壁への埋め込み設置などを挙げることができる。また、設置場所や設置環境に関する項目としては、屋内設置、屋外設置、塩害地域への設置、豪雪地域への設置、標高の高い場所への設置などを挙げることができる。
【0030】
電気電子機器収納用箱に配線に関する仕様情報の項目例としては、以下に記載するものを挙げることができる。
【0031】
「筐体への入出線に関する項目」
例えば、上入線上出線(筐体の上面から入線かつ、上面へ出線)、下入線下出線(筐体の下面から入線かつ、下面から出線)などを挙げることができる。もちろん筐体の側面や背面から入線若しくは出線するものであってもよい。
【0032】
「電気電子機器同士の配線に関する項目」
例えば、電気電子機器同士の電線による配線、電気電子機器同士の銅バーによる配線などを挙げることができる。
【0033】
「配線のために必要な配線空間に関する項目」
例えば、標準で設定された配線空間よりも大きな空間を設定するなどを挙げることができる。
【0034】
また、電気電子機器収納用箱の輸送に関する仕様情報の項目例としては、以下に記載するものを挙げることができる。
【0035】
「梱包方法に関する項目」、「輸送方法に関する項目」例えば、トラックを用いた輸送や鉄道を用いた輸送や船舶を用いた輸送などを挙げることができる。
【0036】
その他、電気電子機器収納用箱を購入する際の価格などの「電気電子機器収納用箱の価格に関する項目」の分類や、電気電子機器収納用箱の購入確定から、納品までの納期などの「電気電子機器収納用箱の納期に関する項目」の分類や、客先の氏名、会社名、住所など、客先を特定するために必要な情報などの「客先に関する項目」の分類も例示することができる。
【0037】
なお、仕様情報の各項目は、独立したものであってもよいし、それぞれ関連するものであってもよい。例えば、「筐体に関する項目」として「パッキンあり」と入力した入力仕様情報と、「性能に関する項目」における「防水性能あり」との格納仕様情報とを比較した場合、各項目を独立したものとする場合には「一致しない」と判断することになるが、項目を関連するように扱う場合は、「一致する」と判断するようにしてもよい。
【0038】
利用者が入力手段を用いて入力可能な仕様情報の項目は、どのようなものとしても構わないが、利用者が入力手段を用いて入力可能な仕様情報の項目に、電気電子機器収納用箱に収納される電気電子機器に関する項目と、電気電子機器収納用箱に関する項目、配線に関する項目、輸送に関する項目、価格に関する項目、納期に関する項目、客先に関する項目のうちの少なくとも1つの項目と、を含む構成とするのが好ましい。
【0039】
ところで、利用者は入力手段を用いて仕様情報を入力することができる。この入力手段は、パソコンやスマートフォンなどへ入力する際に一般的に使用される手段(キーボードやマウスを使用した入力、ディスプレイ上で指などを動かすことによる入力など)を含むのはもちろんである。また、仕様情報が記載された書類を光学文字認識により取り込むようなものであっても良い。また、音声を検出することによる入力や視線を検出することによる入力であってもよい。また、仕様情報の入力は、各種情報に付与された品名番号などにより入力されるものであってもよい。
【0040】
ところで、実施形態のデータベースには、電気電子機器収納用箱に関する仕様情報である格納仕様情報と、格納仕様情報により特定可能な電気電子機器収納用箱に関する箱データが少なくとも備えられている。このデータベースに備えられたデータは、少なくとも格納仕様情報と箱データを組み合わせたデータに対して、管理番号が付与される(図1及び図2参照)。
【0041】
実施形態では格納仕様情報は項目ごとにデータが整理されている。具体的には次のようなものが例示できる。「筐体に関する項目」:サイズ500×600×120、「電気電子機器に関する項目」:主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×14、「配線に関する項目」:上入線、上出線、「客先に関する項目」:〇〇〇(株)など。
【0042】
管理番号は、データベースに備えられた順に付与されるものであってもよいし、特定の格納仕様情報を含むデータや、特定の箱データを含むデータに対して、関連する管理番号を付与するようにしてもよい。
【0043】
例えば、格納仕様情報では、電気電子機器の種類に関する項目として、定格電流が60Aの主幹ブレーカを1個と、定格電流が20Aの分岐ブレーカを8個、を含むデータに対して、一桁の管理番号(0001~0005)を付与すると定めるものとしてもよい。また、例えば、箱データとしてAAA10-20を含むデータに対して、関連する管理番号を付与するものとしてもよい。もちろん、管理番号は、4桁の数字に限らず必要に応じて英字や記号などを含んで構成されるものであってもよい。
【0044】
データベースに格納されるデータを管理番号で管理することができるようにすれば、各種データの管理が容易となり、一致率の演算を効率的に行うことができる。
【0045】
格納仕様情報や箱データの他に、電気電子機器収納用箱を構成する筐体や電気電子機器の図面に関する図面データや、筐体や電気電子機器の種類や個数に関する部品図データ、筐体や電気電子機器の価格に関する価格データなど、電気電子機器収納用箱を選定した後の設計作業、製作作業、販売作業のために必要なデータも同様に管理番号により管理できるものであってもよい。
【0046】
ところで、入力仕様情報と格納仕様情報に基づいて、箱データに紐づけられた情報が、入力された仕様情報を満たしている程度を示す比較値を定めるように演算するには、入力手段により入力された入力仕様情報と、データベースに格納された格納仕様情報を比較し、その格納仕様情報と同じ管理番号が付与された箱データの入力仕様情報に対する一致の程度を演算することが例示できる。
【0047】
また、一致の程度を演算する場合、演算手段は、入力仕様情報及び格納仕様情報が一致する場合若しくは一致しない場合に値を増減させることで演算するものが例示できる。例えば、入力仕様情報が4つの場合であって、そのうちの1つが格納仕様情報と一致する場合には、一致した1つの情報に定められた所定の量(25%)を増加させて、一致の程度が25%と演算手段で演算できるように構成してもよい。また、一致しない3つの情報に定められた所定の量(25%)を100%から減少させて(100%-(25%×3))、一致の程度が25%と演算手段で演算できるように構成してもよい。
【0048】
仕様情報は、全て同様に扱う必要はない。仕様情報に対して優先度を設定可能とし、優先度により加算又は減算される量を異なるようにしてもよい。例えば、入力仕様情報が4つの場合であって、そのうち1つが優先度:高、2つが優先度:中、1つが優先度:低のように設定した場合においては、優先度:高については35%、優先度:中については25%、優先度:低については15%のように数値を設定してもよい。もちろん、各数値については、任意に設定すればよい。
【0049】
より具体的には、例えば、「電気電子機器に関する項目」、「配置・位置に関する項目」、「客先に関する項目」、「輸送に関する項目」に対してそれぞれ1つずつ仕様情報が入力され、入力仕様情報が4つの場合であって、「電気電子機器に関する項目」、「配置・位置に関する項目」の入力仕様情報が優先度:中、「客先に関する項目」の入力仕様情報が優先度:高、「輸送に関する項目」の入力仕様情報が優先度:低と設定された場合を仮定する。このとき、客先に関する項目の入力仕様情報のみが一致する場合には一致の程度が35%、電気電子機器に関する項目及び客先に関する項目の入力仕様情報が一致する場合には、一致の程度が60%となる。
【0050】
これらの例から理解されるように、複数の仕様情報の項目に項目充足値が定められており、演算手段は、利用者が入力した項目の仕様情報とデータベースに備えられた格納仕様情報とが一致すると認定する場合若しくは一致しないと認定する場合に、初期値に対して項目充足値を増減させ、比較値を導くように演算するものであり、仕様情報の項目に設定した優先度に応じて項目充足値を異なるものとすることが好ましい。
【0051】
また、一致の程度を演算する際に使用する仕様情報や、入力仕様情報と格納仕様情報が一致するか否かの判断、仕様情報の優先度の設定など、本システムの一部若しくは全部について人工知能を用いて実行するようにしてもよい。
【0052】
例えば、入力された全ての入力仕様情報と、それに対応する格納仕様情報とを比較する場合に、一致の程度を人口知能を用いて演算するようにしてもよい。また、入力された入力仕様情報のうち人口知能により判断された一部の入力仕様情報と、それに対応する格納仕様情報とを比較して、一致率を演算するようにしてもよい。
【0053】
また、入力仕様情報とそれに対応する格納仕様情報が、完全に一致する場合にのみ「一致する」と判断するものでもよいが、人工知能の判断により部分的に一致する場合にも一致の程度を演算できるように構成してもよい。例えば、電気電子機器に関する項目のうち、電気電子機器の種類に関する入力仕様情報は一致するが、電気電子機器の個数に関する入力仕様情報が一致しない場合であっても、一致する分だけ一致の程度を変化させるように構成してもよい。
【0054】
また、仕様情報への優先度の設定を人工知能により実行されるように構成してもよい。これらの例から理解されるように、本システムの一部若しくは全部を人工知能を用いて実行するものとすることにより、入力仕様情報と格納仕様情報との一致の程度をより柔軟に判断させることが可能となる。
【0055】
演算手段により演算された結果は、出力手段を用いて出力される。なお、出力手段をもちいた出力は、入力手段と同様パソコンやスマートフォンなどを介して出力される際に一般的に使用される手段(ディスプレイに出力、印刷機等により紙へ出力など)を含むのはもちろん。音声による出力であってもよい。
【0056】
出力手段により出力されるものは、少なくとも箱データと、演算手段により演算された箱データの一致の程度の結果に関するものである。全ての箱データの一致の程度を出力するものであってもよいが、一致の程度が最大である箱データとその一致の程度を出力するものや、一致の程度が高いものから順に複数の箱データとそれらの一致の程度を出力するものであることが好ましい。
【0057】
箱データ若しくは箱データの内容を表す図面情報を出力可能な出力手段を備え、出力手段は、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が最も高い箱データ、若しくは、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が最も高い箱データの内容を表す図面情報を出力可能な構成とすれば、箱データどうしを比較した上で、最も望ましい箱データを利用者が知ることができる。
【0058】
また、箱データ若しくは箱データの内容を表す図面情報を複数出力可能な出力手段を備え、出力手段は、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が高い箱データから順番に箱データを出力可能、若しくは、複数の箱データのうち紐づけられた情報が入力された仕様情報を満たしている程度が高い箱データから順番に箱データの内容を表す図面情報を出力可能な構成とすれば、利用者は、利用者の希望に近い箱データを複数知ることができる。
【0059】
このとき、箱データとして、各電気電子機器収納用箱に付与された品名番号を出力するようにしてもよいし、電気電子機器収納用箱の概要を表示した箱イメージを出力するようにしてもよい。
【0060】
箱イメージを出力する場合、箱イメージは、実際の電気電子機器収納用箱を縮尺したものを表す図であることが好ましく、筐体に収納される電気電子機器が選定された位置に配置されている状態を表す図として出力されることが好ましい。なお、電気電子機器収納用箱を構成する筐体や電気電子機器の価格や、輸送費用、納期などについても出力できる構成としてもよい。
【0061】
ここで、具体的な例を挙げて説明をおこなう。データベースに、格納仕様情報として電気電子機器に関する項目:主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×8を含むデータに管理番号0001~0005が付与されて管理されているものとする。
【0062】
管理番号0001では、配置・位置に関する項目として、主幹ブレーカが上方、分岐ブレーカが下方に配置されるとともに、分岐ブレーカは2列で配置される旨が特定できるように管理されている。また、設置場所に関する項目として、屋内設置である旨が特定できるように管理されている。また、配線に関する項目として、上から入線、上から出線である旨が特定できるように管理されている。また、箱データとして、AAA6-08が備えられている。
【0063】
これに対して、入力手段により入力される入力仕様情報が、「電気電子機器に関する項目」:主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×8、「配置・位置に関する項目」:主幹ブレーカが上方、分岐ブレーカが下方、分岐ブレーカが2列配置、「設置場所に関する項目」:屋内設置、「配線に関する項目」:上から入線、上から出線、であるものとする。
【0064】
実施形態では、各管理番号が付与される箱データの入力仕様情報に対する一致の程度が演算され、イメージとともに出力手段により出力される(図3参照)。このとき、一致率が高い順に並べられることが好ましい。なお、入力仕様情報を全て入力した後に、演算開始ボタンをクリックするなどの演算開始指示をおこなうことにより、演算が開始され、その結果が出力されるようにしても構わない。
【0065】
一方、入力仕様情報が入力される度に、演算が実行され、その結果が出力されるものであってもよい。例えば、入力仕様情報として、「電気電子機器に関する項目」で「主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×8」が入力された場合には、管理番号0001~0005が付与された各箱データの一致の程度が100%と演算された(図4参照)。
【0066】
続いて、「配置・位置に関する項目」で「主幹ブレーカが上方、分岐ブレーカが下方」の旨の入力がされると、管理番号0001、0003、0004が付与された箱データは一致の程度が100%、管理番号0002、0005が付与された箱データは一致の程度が50%と演算された(図5参照)。
【0067】
さらに、「配置・位置に関する項目」で「分岐ブレーカが2列配置」が入力されると、管理番号0001、0003が付与された箱データは一致の程度が100%、管理番号0002、0004が付与された箱データは一致の程度が67%、管理番号0005が付与された箱データは一致の程度が33%と演算された(図6参照)。
【0068】
このようなことが、入力仕様情報の入力が終了するまで、繰り返されるようにしてもよい。
【0069】
なお、電気電子機器に関する項目(主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×8)や配線に関する項目(上から入線、上から出線)など、1つの項目に対して複数の入力仕様情報が入力される場合には、全ての入力仕様情報が一致するか否かを演算(例えば、格納仕様情報が主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×6の場合には、一致しないと判断し、一致の程度は0%と演算)するようにしてもよいし、各入力仕様情報が一致するか否かを演算(例えば、格納仕様情報が主幹ブレーカ(60A)×1、分岐ブレーカ(20A)×6の場合には、前者は一致し、後者は一致しないと判断し、一致率は50%と演算)するようにしてもよい。
【0070】
また、データベースに、格納仕様情報として「客先情報」として「〇〇〇(株)」を含むデータが備えられているとする(図7参照)。また、その客先に関する情報として管理番号0101~0103が付与されているデータが存在しているとする。
【0071】
管理番号0101では、「電気電子機器に関する項目」として、主幹ブレーカ(150A)×1、分岐ブレーカ(20A)×16である旨が特定でき、「筐体に関する項目」として、下部スペースが30mmである旨が特定でき、「配線に関する項目」として、上から入線、上から出線である旨が特定でき、箱データとして、AAA15-16-SP3が備えられているものとする。なお、0102及び0103に関しては図7に示すような情報の特定などが可能であるが、その説明は省略する。
【0072】
データベースに備えられた多数のデータ(管理番号や格納仕様情報、箱データなど)から、複数の格納仕様情報の関連性について、把握することができるようにしてもよい。つまり、ある格納仕様情報と別の格納仕様情報を含んだ管理番号が複数格納されていることから、両仕様情報は関連性が高い傾向にあると把握することができるようにしてもよい。例えば、管理番号0101~0103から、「客先に関する項目」における「〇〇〇(株)」と、「筐体に関する項目」における「下部スペース」は、複数の管理番号に含まれる仕様情報であり、関連性が高い傾向にあると捉えることができる。そのような状態において、データベースに、格納仕様情報として「電気電子機器に関する項目」に「主幹ブレーカ(100A)×1、分岐ブレーカ(20A)×16」を含むデータに管理番号0301~0303が付与されて管理されているとする。
【0073】
管理番号0301としては、「筐体に関する項目」として、サイズ500×700×120である旨が特定でき、「価格に関する項目」として、X万円(このとき、X<Yとする)である旨が特定でき、「配線に関する項目」として、上から入線、上から出線である旨が特定でき、「客先に関する項目」として、△△△(株)が特定でき、箱データとして、AAA10-16が備えられているものとする(図8参照)。なお、0302及び0303に関しては図8に示すような情報の特定などが可能であるが、その説明は省略する。
【0074】
これに対して、入力手段により入力される入力仕様情報が、電気電子機器に関する項目:主幹ブレーカ(100A)×1、分岐ブレーカ(20A)×16、筐体に関する項目:高さが低いもの、及び30mmの下部スペース、価格に関する項目:安いもの、配線に関する項目:上から入線、下から出線、客先に関する項目:〇〇〇(株)であるとする(図9参照)。なお、この例から理解されるように、各項目への入力は、具体的な入力(筐体の高さは1000mmなど)に限られず、抽象的な入力(筐体の高さが最も低いものや、価格が安いものなど)であってもよい。
【0075】
図8及び図9に示す例では、0301~0303については、6つの項目中4項目が一致するため、0301~0303の一致の程度は全て約67%となる。その一方で、客先に関する項目:〇〇〇(株)と筐体に関する項目:30mmの下部スペースは関連性が高いと判断される場合には、それらを含む管理番号0302(図8参照)を優先的に並べて出力するようにしても良い(図9参照)。
【0076】
図9に示す例においては、管理番号0301~0303を同じ一致率だと演算した上で、管理番号0301を優先的に出力したが、関連性が高いと判断される仕様情報を含むものの一致の程度の数値の大きさを高めることで、優先的に出力するようにしてもよい。具体的には、管理番号0301、0303については一致の程度を67%とするが、管理番号0302については一致の程度を例えば80%にするようにしてもよい。
【0077】
データベースに備えられる多数のデータ(管理番号や格納仕様情報、箱データなど)から複数の格納仕様情報の関連性について特定する例について、別の例について説明をする。
【0078】
データベースに、箱データとして、AAA20-28関連を含むデータに管理番号1001~1005が付与されて管理されたものとする。管理番号1001としては、「筐体に関する項目」として、サイズ500×1100×160である旨が特定でき、「配置・位置に関する項目」として、分岐ブレーカは2列で配置される旨が特定でき、箱データとして、AAA20-28が備えられており、過去の選定回数として、50回というデータが備えられている。なお、1002から1005に関しては図10に示すような情報の特定などが可能であるが、その説明は省略する。
【0079】
この例では、本システムを利用して選定された箱データの回数を集計している。この選定された回数の多い箱データの管理番号に含まれる複数の格納仕様情報の関連性が高い傾向にあると認定してもよい。また、関連性の高い傾向にある格納仕様情報の組み合わせを把握し、関連性の高い傾向のある格納仕様情報に対応する入力仕様情報の有無により、特別な処置を実行するようにしてもよい。例えば、関連性の高い傾向にある仕様情報を含んだ箱データの一致の程度と、関連性の高い傾向にある仕様情報を含まない箱データの一致の程度が同じ場合に、前者のみを出力若しくは前者を優先的に出力するようにしてもよい。
【0080】
関連性が高い傾向にある仕様情報のうち、一方は入力されるが、他方が入力されない場合に、他方が入力されない旨を出力手段により出力するようにしてもよい。例えば、「客先に関する項目」:〇〇〇(株)と、「筐体に関する項目」:下部スペースとが関連性が高い場合に、入力仕様情報として、客先に関する項目:〇〇〇(株)を入力するが、筐体に関する項目:下部スペースが入力されない場合には、筐体に関する項目:下部スペースの欠落を通知するようにしてもよい。
【0081】
仕様情報の項目同士の関連性については、人により設定されるものであってもよいが、人工知能が判断するものであってもよい。つまり、データベースに格納される格納仕様情報から人工知能が所定の項目の組合せの関連性が高いと判断し、特別な処置を実行するようにしてもよい。
【0082】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。一致の程度は数値で表す必要はなく、「特におすすめ」、「おすすめ」、「最有力候補」、「有力候補」などの文字表記や、そのような意図が伝わる図などを出力しても良い。
図1
図2
図3
図4
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