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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004230
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】漏れ検査方法及び漏れ検査システム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/20 20060101AFI20240109BHJP
【FI】
G01M3/20 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103795
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100209048
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 元嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(72)【発明者】
【氏名】冨金原 勉
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA44
2G067BB12
2G067BB22
2G067CC13
2G067DD17
(57)【要約】
【課題】内容液と一緒に容器に封入された不活性ガスの容器からの漏れを検知する場合において、容器に不活性ガスが適切に封入される漏れ検査方法を提供すること。
【解決手段】漏れ検査方法では、不活性ガスが溶解した内容液を容器に充填し、内容液が充填された容器に蓋を取り付け、容器を密封する。漏れ検査方法では、密封された容器から漏れる不活性ガスを検知したことに基づいて、容器における漏れの発生を検知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不活性ガスが溶解した内容液を容器に充填することと、
前記内容液が充填された前記容器に蓋を取り付け、前記容器を密封することと、
密封された前記容器から漏れる前記不活性ガスを検知したことに基づいて、前記容器における漏れの発生を検知することと、
を具備する漏れ検査方法。
【請求項2】
前記内容液が溜められたタンクに前記不活性ガスを供給することにより、バブリングによって前記内容液に前記不活性ガスを溶解させることをさらに具備する、請求項1の漏れ検査方法。
【請求項3】
前記蓋による前記容器の密封部分を覆う状態に、前記容器に検査ヘッドを取付けることをさらに具備し、
前記漏れの前記発生の検知では、前記容器に前記検査ヘッドが取付けた状態において、前記検査ヘッドに覆われる空間へ漏れた前記不活性ガスを検知する、
請求項1又は2の漏れ検査方法。
【請求項4】
前記容器に前記検査ヘッドが取付けた状態において、前記検査ヘッドに覆われる空間で吸引を行うことをさらに具備する、請求項3の漏れ検査方法。
【請求項5】
内容液に不活性ガスを溶解させ、前記不活性ガスが溶解された前記内容液を容器へ供給することにより、前記不活性ガスが溶解された前記内容液を前記容器に充填する液体供給部と、
前記内容液が充填された前記容器が蓋によって密封された状態において、前記容器から漏れる前記不活性ガスを検知するガス検知器と、
を具備する、漏れ検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漏れ検査方法及び漏れ検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
内容液が容器に充填された製品は、容器への内容液の充填後、蓋によって容器が密封された状態で、出荷等される。このような容器では、蓋によって容器が密封された後、密封不良等に起因して容器において漏れが発生しているか否かが、検査される。特許文献1の漏れ検査方法では、蓋による容器の密封部分を吸引する。そして、密封不良等に起因して吸引によって容器から内容液が漏れた場合は、カメラ画像を用いて容器から漏れた内容液を検知することにより、容器における漏れの発生を発見する。
【0003】
また、特許文献2の漏れ検査方法では、内容液とともにヘリウムガス等の不活性ガスを容器に充填した状態で、容器を密封し、内容液と一緒に不活性ガスを容器に封入する。そして、内容液と一緒に不活性ガスが封入された状態で、密封部分が位置する空間を減圧する。そして、密封不良等に起因して減圧によって容器から不活性ガスが漏れた場合は、ガス検知器を用いて容器から漏れた不活性ガスを検知することにより、容器における漏れの発生を検知する。容器から漏れた不活性ガスを検知結果に基づいて容器における漏れの発生について判定することにより、カメラ画像を用いて容器から漏れた内容液を検知する場合等に比べて、容器における漏れの発生についての判定精度が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012-42264号公報
【特許文献2】特開2006-105736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献2のように内容液と一緒に容器に封入された不活性ガスの容器からの漏れを検知する漏れ検査方法では、空気より軽いヘリウムガス等の不活性ガスを、容器に適切に封入することが、求められている。例えば、充填された内容液と容器の天壁との間のヘッドスペースに、空気より軽い不活性ガスが適切に封入されることが、求められている。
【0006】
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、内容液と一緒に容器に封入された不活性ガスの容器からの漏れを検知する場合において、容器に不活性ガスが適切に封入される漏れ検査方法及び漏れ検査システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様の漏れ検査方法では、不活性ガスが溶解した内容液を容器に充填し、内容液が充填された容器に蓋を取り付け、容器を密封する。漏れ検査方法では、密封された容器から漏れる不活性ガスを検知したことに基づいて、容器における漏れの発生を検知する。
【0008】
本発明のある態様の漏れ検査システムは、液体供給部及びガス検知器を備える。液体供給部は、内容液に不活性ガスを溶解させ、不活性ガスが溶解された内容液を容器へ供給することにより、不活性ガスが溶解された内容液を容器に充填する。ガス検知器は、内容液が充填された容器が蓋によって密封された状態において、容器から漏れる不活性ガスを検知する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内容液と一緒に容器に封入された不活性ガスの容器からの漏れを検知する場合において、容器に不活性ガスが適切に封入される漏れ検査方法及び漏れ検査システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施形態に係る漏れ検査システムにおいて、容器に内容液を注入する構成を示す概略図である。
図2図2は、実施形態において、不活性ガスが溶解した内容液を容器に充填した後、容器を密封した状態を示す概略図である。
図3図3は、図2の密封された容器を、高さ方向について天壁が位置する側から視た状態で概略的に示す平面図である。
図4図4は、実施形態に係る漏れ検査システムにおいて、封入した不活性ガスの容器からの漏れについて検査している状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
実施形態では、内容液が充填された容器が密封された状態において、密封不具合等に起因する容器での漏れについて検査する漏れ検査方法及び漏れ検査システムが提供される。図1は、実施形態に係る漏れ検査システムにおいて、容器1に内容液Lを注入する構成を示す概略図である。図1に示すように、漏れ検査システムは、容器1への内容液Lの供給源となる液体供給部10を備える。漏れ検査システムでは、液体供給部10を用いて、容器1の内部に内容液Lが充填される。内容液Lとしては、飲料水、牛乳及びジュース等の飲料用液体が挙げられるが、これに限るものではない。
【0013】
容器1は、底壁2、天壁3及び周壁5を備える。底壁2及び天壁3は、容器1の高さ方向(矢印H1及び矢印H2で示す方向)に互いに対して離れる。また、底壁2及び天壁3は、内容液Lが充填される内部空洞を間に挟んで、互いに対して対向する。周壁5は、内容液Lが充填される内部空洞を、容器1の外周側から全周に渡って囲む。周壁5では、底壁2から天壁3まで、容器1の高さ方向に沿って延設される。天壁3には、開口6が形成され、内容液Lが充填される内部空洞は、開口6において容器1の外部へ開口する。なお、図1の一例では、容器1は、底壁2及び天壁3付きの円筒形状又は略円筒形状に形成されるが、容器1の形状及び寸法等は、図1の一例に限るものではなく、適宜の形状及び寸法等に形成される。
【0014】
液体供給部10は、タンク11、ノズル12、弁ユニット13及び供給ライン15を備える。タンク11には、容器1に充填される内容液Lが溜められる。タンク11は、供給ライン15を間に介して、ノズル12に接続される。タンク11に溜められた内容液Lは、供給ライン15を通してノズル12へ供給可能であり、ノズル12は、タンク11から供給された内容液Lを、容器1の内部空洞へ向かって吐出する。容器1の内部空洞へは、天壁3の開口6を通して、内容液Lが注入される。ノズル12によって容器1の内部空洞へ内容液Lが注入されることにより、容器1に内容液Lが充填される。
【0015】
弁ユニット13は、供給ライン15において、タンク11とノズル12との間に設けられる。弁ユニット13によって、ノズル12へ内容液Lが供給される状態とノズルへの内容液Lの供給が停止される状態との間が、切替わる。また、ノズル12へ内容液Lが供給される状態では、弁ユニット13によって、ノズル12への内容液Lの供給量が調整される。これにより、ノズル12からの内容液Lの吐出量が調整される。
【0016】
液体供給部10では、タンク11に2つのガスライン16,17が接続される。タンク11において内容液Lが溜められる空洞には、ガスライン16を通して、空気(陽圧エア)が供給される(図1の矢印A1)。タンク11において内容液Lが溜められる空洞に空気が導入されることにより、導入された空気によって加圧され、内容液Lが溜められる空洞が陽圧になる。内容液Lが溜められる空洞が陽圧になることにより、タンク11から供給ライン15へ内容液Lが流出され、ノズル12へ内容液Lを供給可能となる。
【0017】
また、タンク11において内容液Lが溜められる空洞には、ガスライン17を通して、不活性ガスが供給される(図1の矢印A2)。不活性ガスは、フィルタリングされた状態で、タンク11に供給される。タンク11において内容液Lが溜められる空洞では、ガスライン17は、内容液Lに浸される。このため、タンク11において内容液Lが溜められる空洞では、内容液Lの液体中に不活性ガスが供給され、不活性ガスのバブリングを行うことが可能である。不活性ガスのバブリングが行われることにより、不活性ガスが内容液Lに溶解される。内容液Lに溶解させる不活性ガスとしては、これに限るものではないが、例えば、ヘリウムガスが挙げられる。
【0018】
タンク11からノズル12へは、不活性ガスが溶解した内容液Lが供給される。そして、ノズル12は、不活性ガスが溶解した内容液Lを容器1の内部空洞へ注入する(図1の矢印A3)。このため、容器1の内部空洞には、不活性ガスが溶解した内容液Lが充填される。前述のようにして不活性ガスが溶解した内容液Lを容器1に充填した後、容器1は、密封される。
【0019】
図2は、実施形態において、不活性ガスが溶解した内容液Lを容器1に充填した後、容器1を密封した状態を示す概略図である。また、図3は、図2の密封された容器1を、高さ方向について天壁3が位置する側(矢印H1側)から視た状態で概略的に示す平面図である。図2及び図3の一例では、容器1の天壁3に蓋21を取付けることにより、容器1を密封する。蓋21は、開口6を塞ぐ状態で、天壁3に取付けられる。
【0020】
容器1が密封された状態では、開口6を全周に渡って囲む状態に、密封部分22が形成される。密封部分22では、蓋21と天壁3との間が、隙間ない状態に形成される。そして、密封不具合等が発生しない限り、ガスは、密封部分22を通過不可能である。このため、密封不具合等が発生しない限り、容器1の内部空洞から密封部分22を通して、容器1の外部へガスが流出せず、容器1の外部から密封部分22を通して、容器1の内部にガスが流入しない。なお、密封部分22は、図3において破線で示される。
【0021】
また、漏れ検査システムを用いた容器1に対する作業等は、容器1の高さ方向が鉛直方向と一致又は略一致し、かつ、底壁2に対して天壁3が鉛直上側に位置する状態で、行われる。このため、内容液Lが容器1の内部空洞に充填された状態では、容器1の内部空洞において、充填された内容液Lと天壁3との間にヘッドスペース23が形成される。不活性ガスが溶解した内容液Lが内部空洞に充填され、かつ、容器1が密封された状態では、内容液Lに溶解した不活性ガスは、ヘッドスペース23において気化する(図2の矢印A4)。そして、ヘッドスペース23では、気化した不活性ガスが滞留する。これにより、容器1の内部空洞において、ヘッドスペース23に不活性ガスが封入される。
【0022】
漏れ検査システムを用いた検査では、容器1の内部空洞に封入された不活性ガスが容器1へ漏れているか否かを判定する。図4は、実施形態に係る漏れ検査システムにおいて、封入した不活性ガスの容器1からの漏れについて検査している状態を示す概略図である。図4に示すように、漏れ検査システムは、検査ヘッド31、弁ブロック32及びガス検知器33を備える。封入した不活性ガスの容器1からの漏れについての検査では、検査ヘッド31は、容器1の天壁3に取付けられる。検査ヘッド31は、蓋21による容器1の密封部分22を検査ヘッド31が覆う状態で、容器1に取付けられる。検査ヘッド31が天壁3に取付けられることにより、検査ヘッド31に覆われる空間35が、天壁3に対して底壁2が位置する側とは反対側に隣接して形成される。検査ヘッド31が天壁3に取付けられた状態では、シール部材36によって、検査ヘッド31の外部から空間35へのガスの流入、及び、空間35から検査ヘッド31の外部へのガスの流出が、防止される。
【0023】
ガス検知器33は、ヘリウムガス等の不活性ガスを検知する。図4の一例では、ガス検知器33は、弁ブロック32を間に介して、検査ヘッド31に取付けられる。弁ブロック32には、流路41,42,43,44が形成される。不活性ガスの容器1からの漏れについての検査では、流路41が、検査ヘッド31に覆われる空間35と連通し、流路42がガス検知器33に接続される。また、不活性ガスの容器1からの漏れについての検査では、流路43は、吸引源(図示しない)に接続され、吸引源からの吸引力が流路43に作用する(図4の矢印A5)。また、不活性ガスの容器1からの漏れについての検査では、流路44は、空気の供給源(図示しない)に接続され、供給源から供給される空気(真空破壊エア)が流路44に流入する(図4の矢印A6)。
【0024】
弁ブロック32は、流路41が流路42に接続される状態、流路41が流路43に接続される状態、及び、流路41が流路44に接続される状態のいずれか1つに切替わる。流路41が流路42に接続された状態では、検査ヘッド31に覆われる空間35が、流路41,42を介して、ガス検知器33と連通する。また、流路41が流路43に接続された状態では、検査ヘッド31に覆われる空間35が、流路41を介して流路43と連通し、吸引源によって、空間35で吸引が行われる。また、流路41が流路44に接続された状態では、検査ヘッド31に覆われる空間35が、流路41を介して流路44と連通し、空気の供給源からの空気(真空破壊エア)が、空間35に流入する。
【0025】
不活性ガスの容器1からの漏れについての検査では、検査ヘッド31を容器1に前述のようにして取付けた状態で、弁ブロック32において流路41を流路43に接続する。これにより、空間35において吸引が行われ、空間35が減圧される。空間35を減圧することにより、空間35は、例えば、大気圧より低い真空状態となる。また、空間35において吸引が行われることにより、密封部分22、蓋21及び容器1の天壁3等に吸引力が作用する。容器1と蓋21との密封部分22において密封不具合等が存在する場合は、空間35での吸引によって、容器1に封入された不活性ガスが、空間35へ漏れる(図4の矢印A7)。すなわち、内容液Lに溶解した不活性ガスが、ヘッドスペース23において気化し(図4の矢印A4)、気化した不活性ガスが、ヘッドスペース23から空間35へ流出する。一方、密封部分22において密封不具合等が存在しない場合は、空間35で吸引を行っても、封入された不活性ガスが容器1の外部へ流出しない。なお、図4の状態では、密封不具合等に起因して、容器1のヘッドスペース23から空間35に不活性ガスが漏れている。
【0026】
不活性ガスの容器1からの漏れについての検査では、前述のようにして空間35で吸引を行った後、弁ブロック32において流路41を流路42に接続する。これにより、減圧された空間35から、流路41,42を通して、ガス検知器33にガスが流入する(図4の矢印A8)。ここで、容器1に封入された不活性ガスが空間35に漏れている場合は、容器1から漏れた不活性ガスが空間35からガス検知器33に流入し、ガス検知器33によって不活性ガスが検知される。このため、容器1から空間35へ漏れた不活性ガスをガス検知器33が検知したことに基づいて、容器1における漏れの発生が検知される。なお、図4の状態では、流路41,42が接続され、空間35からガス検知器33に不活性ガスが流入している。
【0027】
一方、容器1に封入された不活性ガスが空間35に漏れていない場合は、空間35にガス検知器33が連通しても、ガス検知器33において不活性ガスが検知されない。前述のように、実施形態では、容器1から漏れた不活性ガスを検知結果に基づいて、容器1における漏れの発生について判定可能となる。また、不活性ガスの容器1からの漏れについての検査が終了すると、空間35を真空状態等の減圧された状態から、大気圧程度の圧力に戻す。この際、弁ブロック32において流路41を流路44に接続する。これにより、空気の供給源から空気(真空破壊エア)が空間35に供給され、減圧された状態から大気圧程度まで、空間35の圧力が上昇する。
【0028】
ここで、可視光カメラ又は赤外線カメラのカメラ画像を用いて容器から漏れた内容液Lを検知することにより、容器における漏れの発生を検知する場合を、比較例とする。比較例では、蓋21の摘みと容器1の天壁3との間等に漏れた内容液Lが、カメラ画像に映らない可能性があり、漏れた内容液Lが検知されない可能性がある。また、比較例では、内容液Lの容器1への充填において天壁3の表面に付着した内容液L等を、漏れた内容液Lとして検知する可能性がある。
【0029】
実施形態では、容器1に封入した不活性ガスの漏れを検知することにより、容器1における漏れの発生を検知する。このため、比較例のような誤検知が、有効に防止される。したがって、実施形態等では、容器1から漏れた不活性ガスを検知結果に基づいて容器1における漏れの発生について判定するため、カメラ画像を用いて容器1から漏れた内容液Lを検知する比較例等に比べて、容器1における漏れの発生についての判定精度が向上する。
【0030】
また、実施形態等では、不活性ガスを溶解した内容液Lが容器1に充填される。そして、不活性ガスが溶解した内容液Lが容器1に充填された状態で、容器1に蓋21を取付け、容器1を密封する。内容液Lに溶解した状態で不活性ガスが容器1に注入されるため、空気より軽いヘリウムガス等の不活性ガスが、適切に容器1に封入される。そして、容器1を封入した状態において、内容液Lに溶解した不活性ガスが気化することにより、容器1の内部空洞のヘッドスペース23に、不活性ガスが適切に滞留する。したがって、実施形態等では、内容液Lと一緒に容器1に封入された不活性ガスの容器からの漏れを検知する場合において、容器1に不活性ガスが適切に封入される。
【0031】
また、実施形態等では、内容液Lが溜められたタンク11に不活性ガスを供給することにより、バブリングによって内容液Lに不活性ガスを溶解させる。このため、タンク11において、内容液Lに不活性ガスが適切に溶解する。そして、不活性ガスが適切に溶解した内容液Lが容器1に充填されるため、容器1に不活性ガスがさらに適切に封入される。
【0032】
また、実施形態等では、不活性ガスの容器1からの漏れについての検査において、蓋21による容器1の密封部分22を覆う状態に、容器1に検査ヘッド31が取付けられる。そして、容器1に検査ヘッド31が取付けられた状態において、検査ヘッド31に覆われる空間35へ漏れた不活性ガスを検知する。このため、容器1から漏れた不活性ガスが適切に検知され、容器1における漏れの発生についての判定精度が、さらに向上する。
【0033】
また、実施形態等では、容器1に検査ヘッド31が取付けられた状態において、検査ヘッド31に覆われる空間35で吸引が行われる。これにより、密封部分22、蓋21及び容器1の天壁3等に吸引力が作用し、容器1と蓋21との密封部分22において密封不具合等が存在する場合は、空間35での吸引によって、容器1に封入された不活性ガスが、確実に空間35へ漏れる。したがって、容器1における漏れの発生についての判定精度が、さらに向上する。
【0034】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0035】
1…容器、2…底壁、3…天壁、5…周壁、6…開口、10…液体供給部、11…タンク、12…ノズル、13…弁ユニット、15…供給ライン、16,17…ガスライン、21…蓋、22…密封部分、23…ヘッドスペース、31…検査ヘッド、32…弁ブロック、33…ガス検知器、35…空間、36…シール部材、41~44…流路、L…内容液。
図1
図2
図3
図4