(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042309
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】焚火台
(51)【国際特許分類】
F24B 1/20 20060101AFI20240321BHJP
A47J 37/07 20060101ALI20240321BHJP
F24C 15/10 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
F24B1/20
A47J37/07
F24C15/10 H
F24C15/10 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146929
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】521225085
【氏名又は名称】松原 広樹
(74)【代理人】
【識別番号】100070507
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 俊男
(72)【発明者】
【氏名】松原 広樹
【テーマコード(参考)】
4B040
【Fターム(参考)】
4B040AA04
4B040AA08
4B040AC13
4B040AD04
4B040CA03
4B040CA16
4B040GD02
(57)【要約】
【課題】繰り返し組立、解体することが容易で、携帯時には軽量かつコンパクトで、少ない部品点数で構成できる焚火台の提供。
【解決手段】台座形成板と保持部形成板とが組合されてなる焚火台であって、前記保持部形成板は、前方に前方右片と前方左片を備え、後方に後方右片と後方左片を備え、中央部に通気用穴を備え、前記台座形成板は、前方係合片と後方係合片とを備え、前方右片と前記前方左片が重合されてなる前方重合部と、後方右片と後方左片が重合されてなる後方重合部とが形成されて当該保持部形成板が器状に形成され、前方重合部および後方重合部の係合穴と前方係合片、後方係合片が係合し、台座形成板の前方部と後方部が、載置面に対して起立する構成を有する焚火台を解決手段とする。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座(F1)を形成するための台座形成板(1)と、焚火を保持する保持部(F2)を形成するための保持部形成板(2)とを備え、前記台座形成板(1)と前記保持部形成板(2)とが組み合わされてなる構成を有する焚火台(F)であって、
前記保持部形成板(2)は、前方に前方右片(27A)と前方左片(26A)を形成するための前方側切欠(20A)を備え、後方に後方右片(26B)と後方左片(27B)を形成するための後方側切欠(20B)を備え、
前記台座形成板(1)は、前方側に切込若しくは切欠によって形成される前方係合片(11)と、後方側に切込若しくは切欠によって形成される後方係合片(12)と、を備え、
前記保持部形成板(2)における前記前方右片(27A)と前記前方左片(26A)とが重合されてなる前方重合部と、前記後方右片(27B)と前記後方左片(26B)とが重合されてなる後方重合部と、が形成されることによって、当該保持部形成板(2)が器状に形成され、
前記前方重合部および前記後方重合部はそれぞれ係合穴(22A、23A、22B、23B)を有し、
前記台座形成板(1)の前記前方係合片(11)と前記保持部形成板(2)の前記前方重合部の係合穴(22A、23A)が係合し、
前記台座形成板(1)の前記後方係合片(12)と前記保持部形成板(2)の前記後方重合部の係合穴(22B、23B)が係合した状態で、前記台座形成板(1)の前方部(15)と後方部(16)が、載置面(G)に対して起立する構成を有することを特徴とする焚火台。
【請求項2】
前記台座形成板(1)は、右側部に切込若しくは切欠によって形成される右側係合片(14)と、左側部に切込若しくは切欠によって形成される左側係合片(13)とを備え、前記右側係合片(14)は前記保持部形成板(2)の右側部に係合し、前記左側係合片(13)は前記保持部形成板(2)の左側部に係合したことを特徴とする請求項1に記載の焚火台。
【請求項3】
前記保持部形成板(2)は中央に通気用穴(26)を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の焚火台。
【請求項4】
前記保持部形成板(2)は、棒状部材を通すための貫通穴(29)を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の焚火台。
【請求項5】
前記保持部形成板(2)は、棒状部材を通すための貫通穴(29)を備えたことを特徴とする請求項3に記載の焚火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるアウトドア(アウトドア・アクティビティ)等において使用される焚火台に関し、特には、携帯性を有する組立式の焚火台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、アウトドア等において暖を取ったり、バーベキューに使用したりする焚火を行うために、焚火台が用いられる。焚火台は、携帯性、利便性の観点から、複数の板状部品から組み立て可能なものがある(例えば、特許文献1、2参照。)。
【0003】
また、携帯性をさらに向上すべく、1枚の板から構成され、その一部を屈曲することで焚火台と近似する構成となるものがある(例えば、特許文献3、4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-127864
【特許文献2】実登3233580号公報
【特許文献3】実開昭63-188403号公報
【特許文献4】実公昭50-29655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る焚火台は、不使用時においては、基本構成として、一対の板状の脚板、一対の板状の側板及び板状の火格子を分解して、5部材を積重状態に収納配置することができるものであるが、5部材もあるため、携帯や組立が煩雑となりやすい欠点がある。
【0006】
特許文献2に係る焚火台は、少なくとも立て板3個と少なくとも底板1個と、横板ストリップ数個とを有する構成であり、特許文献1と同様に多くの部材を組立なければならず、組立、携帯が煩雑となりやすい欠点がある。
【0007】
一方、特許文献3に係る簡易コンロ基板は、固形燃料を燃焼させるものであり焚火台ではないものの、1枚の金属板からなり、携帯性に優れる。しかしながら、組立は金属板を屈曲させなければならないところ、屈曲された部分の強度を保つためには金属板にある程度の厚みが必要となり、厚みが増加すると、屈曲作業が行い難くなるとともに、全体の重量が増加する。また、一度組立を行い使用した後に、屈曲された部分をもとの平板状に戻そうとしても完全にもとの平板状に戻すことは困難であり、何度も繰り返し折畳みを行うには適さないものであった。
【0008】
特許文献4に係る加熱用支持具は、特許文献3と同様に、固形燃料を燃焼させるものであり、1枚の金属板からなるものであり、使用前における携帯性に優れ、繰り返し使用も可能であるとの記載がされているが、繰り返しの折り畳みについてまでは記載されておらず、結局、特許文献3と同様に、屈曲された部分をもとの平板状に戻そうとしても完全にもとの平板状に戻すことは困難であり、何度も繰り返し折畳みを行うには適さないものであった。
【0009】
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、繰り返し組立、解体することが容易であり、携帯時には軽量かつコンパクトとすることができ、少ない部品点数で構成することができる焚火台の提供を、発明が解決しようとする課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、台座を形成するための台座形成板と、焚火を保持する保持部を形成するための保持部形成板とを備え、前記台座形成板と前記保持部形成板とが組み合わされてなる構成を有する焚火台であって、
前記保持部形成板は、前方に前方右片と前方左片を形成するための前方側切欠を備え、後方に後方右片と後方左片を形成するための後方側切欠を備え、
前記台座形成板は、前方側に切込若しくは切欠によって形成される前方係合片と、後方側に切込若しくは切欠によって形成される後方係合片と、を備え、
前記保持部形成板における前記前方右片と前記前方左片とが重合されてなる前方重合部と、前記後方右片と前記後方左片とが重合されてなる後方重合部と、が形成されることによって、当該保持部形成板が器状に形成され、
前記前方重合部および前記後方重合部はそれぞれ係合穴を有し、
前記台座形成板の前記前方係合片と前記保持部形成板の前記前方重合部の係合穴が係合し、
前記台座形成板の前記後方係合片と前記保持部形成板の前記後方重合部の係合穴が係合した状態で、前記台座形成板の前方部と後方部が、載置面に対して起立する構成を有することを特徴とする焚火台を、上記課題を解決するための手段とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、台座形成板と保持部形成板との立体的な組み合わせによって、強度の高い焚火台を容易に形成することができるとともに、繰り返し組立および解体を行うことができる。携帯時には2枚の板状体とすることができるため、携帯性にも優れたものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例に係る焚火台を構成する台座形成板の平面図である。
【
図2】実施例に係る焚火台を構成する保持部形成板の平面図である。
【
図3】台座形成板の前方係合片および後方係合片を保持部形成板の前方中央切欠および後方中央切欠に通した状態を示す平面図である。
【
図4】台座形成板の左側係合片および右側係合片を保持部形成板の左側切欠および右側切欠に係止させた状態を示す平面図である。
【
図5】(a)
図4の左側面図、(b)台座形成板の前方係合片および後方係合片を起立させることで台座形成板の前方部と後方部を載置面に対して起立させた状態を示す左側面図である。
【
図6】(a)前方係合片を前方左側挿通穴および前方右側挿通穴と係合させ、後方係合片を後方左側挿通穴および後方右側挿通穴と係合させることで、完成した実施例に係る焚火台の左側面図、(b)実施例に係る焚火台の正面図である。
【
図7】(a)実施例に係る焚火台の平面図、(b)実施例に係る焚火台の底面図である。
【
図8】実施例に係る焚火台の背面、左側面、平面を示す斜視図である。
【
図9】保持部形成板の2箇所に棒部材通し穴を設けた他の実施例に係る焚火台にコ字状の枠体を取り付けた状態を示す説明斜視図である。
【
図10】保持部形成板の4箇所に棒部材通し穴を設けた他の実施例に係る焚火台にコ字状の枠体を取り付けた状態を示す説明平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の第1実施形態に係る焚火台は、台座を形成するための台座形成板と、焚火を保持する保持部を形成するための保持部形成板とを備え、前記台座形成板と前記保持部形成板とが組み合わされてなる構成を有する焚火台であって、
前記保持部形成板は、前方に前方右片と前方左片を形成するための前方側切欠を備え、後方に後方右片と後方左片を形成するための後方側切欠を備え、
前記台座形成板は、前方側に切込若しくは切欠によって形成される前方係合片と、後方側に切込若しくは切欠によって形成される後方係合片と、を備え、
前記保持部形成板における前記前方右片と前記前方左片とが重合されてなる前方重合部と、前記後方右片と前記後方左片とが重合されてなる後方重合部と、が形成されることによって、当該保持部形成板が器状に形成され、
前記前方重合部および前記後方重合部はそれぞれ係合穴を有し、
前記台座形成板の前記前方係合片と前記保持部形成板の前記前方重合部の係合穴が係合し、
前記台座形成板の前記後方係合片と前記保持部形成板の前記後方重合部の係合穴が係合した状態で、前記台座形成板の前方部と後方部が、載置面に対して起立する構成を有することを特徴とする焚火台である(第1の構成)。
【0014】
上記第1の構成によれば、台座形成板と保持部形成板との立体的な組み合わせによって、強度の高い焚火台を容易に形成することができるとともに、繰り返し組立および解体を行うことができる。携帯時には2枚の板状体とすることができるため、携帯性にも優れたものとすることができる。
【0015】
上記第1の構成において、前記台座形成板は、右側部に切込若しくは切欠によって形成される右側係合片と、左側部に切込若しくは切欠によって形成される左側係合片とを備え、前記右側係合片は前記保持部形成板の右側部に係合し、前記左側係合片は前記保持部形成板の左側部に係合したものとすることができる(第2の構成)。
【0016】
上記第2の構成によれば、上記第1の構成の作用効果を奏する上に、台座形成板と保持部形成板の側面同士が係合することによって、台座の強度が向上し、より安定性を高めることができる。
【0017】
上記第1の構成又は第2の構成において、前記保持部形成板は中央に通気用穴を有するものとすることができる(第3の構成)。
【0018】
上記第3の構成によれば、上記第1の構成または第2の構成の作用効果を奏する上に、通気用穴から空気が入ることで、焚火の燃焼を向上させることができる。
【0019】
上記構成において、保持部形成板には、棒状体を通すための貫通穴を備えた構成とすることができる(第4の構成)。
【0020】
上記第4の構成によれば、上記いずれかの構成の作用効果を奏する上に、貫通穴に棒状体やコ字状の枠体などを通すことができ、これによって加熱対象物を焚火台上に配置することができ、利便性が向上する。
【実施例0021】
本発明の実施例に係る焚火台Fは、
図1に示す台座形成板1と、
図2に示す保持部形成板2とを用いて構成される。
図1に示す台座形成板1、
図2に示す保持部形成板2はいずれも平面図を示し、本発明の説明においては、
図1、
図2における下方を前方、図面における上方を後方、図面における右方を右方、図面における左方を左方として説明する。尚、実施例に係る焚火台Fは、右側面図と左側面図は対称、背面図と正面図は同一に表れる。
【0022】
実施例に係る焚火台Fを構成する台座形成板1は、厚さ0.2mm、概ねA4サイズとなる可撓性を有するステンレス板(SUS304)からなる。その切欠等の加工はレーザー加工によるものとしている。
【0023】
台座形成板1は、
図1に示すように、その中央部に略H字状輪郭の中央切欠10が形成されており、当該中央切欠10によって、前後において対向する前方係合片11および後方係合片12、左右において対向する左側係合片13および右側係合片14がそれぞれ形成されている。
【0024】
前方係合片11と後方係合片12は対称形であり、それぞれ幅寸法が37mm程度、基端から先端までの長さ寸法は80mm程度の舌状片として形成されている。
【0025】
左側係合片13と右側係合片14は対称形であり、それぞれ幅寸法が65mm程度、基端から先端までの長さ寸法は10mm程度とし、円弧状輪郭を有する。
【0026】
実施例に係る焚火台Fを構成する保持部形成板2は、厚さ0.2mm、概ねA4サイズとなる可撓性を有するステンレス板(SUS304)からなる。その切欠等の加工は台座形成板1と同様にレーザー加工によるものとしている。
【0027】
保持部形成板2は、
図2に示すように、その前方側において幅方向中央位置から後方に向けて、対向する円弧輪郭形状を有する前方側切欠20Aを設け、当該前方側切欠20Aの後端に連続して当該後端相互を結ぶ幅方向に亘る円弧によって形成される前方中央切欠21Aを設けている。前方側切欠20Aとこれに連続する前方中央切欠21Aによって、保持部形成板2の前方部分は、前方左片26Aおよび前方右片27Aに分断される。
【0028】
前方左片26Aには、円形輪郭の前方左側挿通穴22Aが形成される。前方右片27Aには、円形輪郭の前方右側挿通穴23Aが形成される。前方左側挿通穴22Aおよび前方右側挿通穴23Aは合同となる正円形であり、直径寸法は37mm程度である。
【0029】
また保持部形成板2の後方側は、前方側と対称形を有しており、後方側において幅方向中央位置から前方に向けて、対向する円弧輪郭形状を有する後方側切欠20Bを設け、当該後方側切欠20Bの前端に連続して当該前端相互を結ぶ幅方向に亘る円弧によって形成される後方中央切欠21Bを設けている。後方側切欠20Bとこれに連続する後方中央切欠21Bによって、保持部形成板2の後方部分は、後方左片26Bおよび後方右片27Bに分断される。
【0030】
後方左片26Bには、円形輪郭の後方左側挿通穴22Bが形成される。後方右片27Bには、円形輪郭の後方右側挿通穴23Bが形成される。後方左側挿通穴22Bおよび後方右側挿通穴23Bは合同となる正円形であり、直径寸法は37mm程度である。
【0031】
保持部形成板2の中央左右位置には、複数の長穴を前後方向に列設してなる通気用穴26を設けてある。
【0032】
保持部形成板2の左側縁の中央位置には、2つの対向する小円弧の切込とこれに連続する直線状の切込とこれらの対向する切込の端点相互を結ぶ大円弧の切込によって形成された左側切欠24を設けている。また保持部形成板2の右側縁の中央位置には、2つの対応する小円弧とこれに連続する直線状の切込とこれらの切込の端点相互を結ぶ大円弧の切込によって形成された右側切欠25を設けている。左側切欠24と右側切欠25は対称に形成される。
【0033】
以上の台座形成板1および保持部形成板2を組み立てることによって、実施例に係る焚火台Fは構成される。以下に、実施例に係る焚火台Fの組み立てについて説明する。
【0034】
先ず、
図3に示すように、台座形成板1の上に保持部形成板2を重合し、台座形成板1の前方係合片11を前方側切欠20Aと一体となった前方中央切欠21Aへ通す。これによって、保持部形成板2上に前方係合片11が配置されることとなる。同様に、台座形成板1の後方係合片12を後方側切欠20Bと一体となった後方中央切欠21Bへ通す。これによって、保持部形成板2上に後方係合片12が配置されることとなる。
【0035】
次に、台座形成板1の右側縁を右方向へ拡げるように変形させ、台座形成板1の右側係合片14を保持部形成板2の右側切欠25へ係合させる。同様に、台座形成板1の左側縁を左方向へ拡げるように変形させ、台座形成板1の左側係合片13を保持部形成板2の左側切欠24へ係合させる(
図4参照。)。この状態において、
図5(a)に示すように、台座形成板1は変形により立体的に形成され、保持部形成板2は前後方向中央が下に凸となるように少し湾曲する。
【0036】
そして、保持部形成板2上に当接している前方係合片11を保持部形成板2に対して起立させる。前方係合片11の起立に伴って、前方係合片11の基端側に連続して形成されている前方部15は、載置面Gに対して概ね起立した状態となる。同様に、後方係合片12を保持部形成板2に対して起立させる。後方係合片12の起立に伴って、後方係合片12の基端側に連続して形成されている後方部16は、載置面Gに対して概ね起立した状態となる。前方部15および後方部16が起立した状態となることによって、台座F1が形成される(
図5(b)参照。)。
【0037】
起立した前方係合片11を前方左片26Aの前方左側挿通穴22Aおよび前方右片27Aの前方右側挿通穴23Aに通すことで、係合させる。これによって前方左片26Aと前方右片27Aが重なった前方重合部が、前方係合片11と係合した構成となる。また起立した後方係合片12を後方左片26Bの後方左側挿通穴22Bおよび後方右片27Bの後方右側挿通穴23Bに通すことで、係合させる。これによって後方左片26Bと後方右片27Bが重なった後方重合部が、後方係合片12と係合した構成となる。当該係合によって、保持部形成板2の前後方向および左右方向の内面が反り上がって器状となり、焚火を保持するための保持空間28を備えた保持部F2が形成される。
【0038】
この状態において、前方係合片11は前方側にやや傾斜して反り上がり、後方係合片12は後方側にやや傾斜して反り上がった状態となる。当該状態に伴って、前方係合片11の基端側に連続して形成されている前方部15ならびに後方係合片12の基端側に連続して形成されている後方部16は、載置面Gに対してほぼ直立し、強度が増加した状態となる。以上によって、本実施例に係る焚火台Fが完成する。完成した本実施例に係る焚火台Fを
図6から
図8に示す。
【0039】
本実施例に係る焚火台Fは、保持部形成板2によって形成された保持空間28内に焚火を載置し、当該焚火に引火することで使用することができる。
本実施例に係る焚火台Fはそのまま焚火を保持して使用することができるほか、焚火台F上に図示されない金属ネットを載置して、加熱対象物を金属ネット上で加熱することも可能である。
【0040】
本実施例に係る焚火台Fの分解は、組み立てと逆手順で行うことができる。
即ち、先ず、前方係合片11を前方左側挿通穴22Aおよび前方右側挿通穴23Aから外して係合を解除し、後方係合片12を後方左側挿通穴22Bおよび後方右側挿通穴23Bから外して係合を解除する。尚、前方側と後方側は対称であるため、前方係合片11、後方係合片12のいずれの係合を先に解除するかについてはどちらが先でもよい。
【0041】
次に、台座形成板1の左側係合片13と保持部形成板2の左側切欠24との係合の解除又は台座形成板1の右側係合片14と保持部形成板2の右側切欠25との係合の解除を行う。これによって、台座形成板1と保持部形成板2は容易に分離可能となる。
【0042】
以上に示した本発明の実施例に係る焚火台Fは、解体した状態において、基本的に台座形成板1と保持部形成板2とから構成されるものであるため、携帯性に優れることは勿論、その洗浄も非常に容易である。
【0043】
本発明においては、他の実施例として、保持部形成板2に棒状体を通すための貫通穴29を形成した構成とすることもできる。例えば、
図9に示すように、保持部形成板2の後方左片26Bおよび後方右片27Bに対向するように貫通穴29を設ける構成として、コ字状の枠体3の一辺を、これらの貫通穴29に差し込むようにすることもできる。また、
図10に示すように、保持部形成板2の前方左片26A、前方右片27A、後方左片26B、後方右片27Bの4箇所に貫通穴29を設け、コ字状の枠体3の二辺を、これらの貫通穴29に差し込むようにすることもできる。このようにすることで、コ字状の枠体3に加熱対象物を載置することができる。また、図示省略するが、コ字状の枠体3に代えて2本の棒状体を貫通穴29に差し込むこともできる。
【0044】
上記実施例においては、前方係合片11は前方中央切欠21Aを通すこととしているが、前方中央切欠21Aを設けることなく、前方側切欠20Aを通す構成とすることもできる。同様に、後方係合片12は後方中央切欠21Bを通すこととしているが、後方中央切欠21Bを設けることなく、後方側切欠20Bを通す構成とすることもできる。本実施例において、前方中央切欠21A、後方中央切欠21Bを設けたことによって、前方係合片11および後方係合片12の差し込みが容易となり、組立容易性を高めることができる。
【0045】
上記実施例においては、台座形成板1および保持部形成板2はいずれもステンレスを用いているが、本発明においては上記実施例に限定されるものではなく、例えば、チタン等を用いることもできる。
【0046】
また上記実施例においては、金属板の厚さ寸法を0.2mmとしているが、本発明においては上記実施例に限定されるものではなく、厚さ寸法は、金属板が可撓性を損なわない範囲で任意に設定することができる。
【0047】
また上記実施例においては、通気用穴26は、複数の長穴を前後方向に列設した構成としているが、本発明においては、当該構成に限定されるものではなく、通気用穴26は必ずしも設けることを要しない。また、通気用穴26を設ける場合には、通気用穴26の形状、大きさ、数、配置等は自由に設定することができ、通気用穴26で模様を構成することもできる。
【0048】
また上記実施例においては、保持部形成板2の前方側切欠20Aと前方中央切欠21A、ならびに、後方側切欠20Bと後方中央切欠21Bは、それぞれ一体に形成した構成としているが、本発明は当該構成に限定されるものではなく、例えば、前方側切欠20A、後方側切欠20Bのみとして、前方中央切欠21A、後方中央切欠21Bを設けない構成とすることもできる。一方で、保持部形成板2の前方側切欠20Aと前方中央切欠21A、ならびに、後方側切欠20Bと後方中央切欠21Bをそれぞれ一体に形成した構成とすることで、台座形成板1の前方係合片11および後方係合片12の差し込み、起立操作を容易とすることができる。
【0049】
また上記実施例においては、台座形成板1および保持部形成板2の加工はいずれもレーザー加工によるものとしているが、本発明においては上記実施例に限定されるものではなく、例えば、プレス加工によって形成することもできる。
【0050】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明が開示する技術的思想の範囲内において、適宜、変形、設計変更等が可能な範囲に及ぶ。