(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042315
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】風管内気流測定装置、風管内気流測定方法
(51)【国際特許分類】
G01P 5/165 20060101AFI20240321BHJP
G01F 1/46 20060101ALI20240321BHJP
E21F 1/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
G01P5/165
G01F1/46
E21F1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022146938
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000149930
【氏名又は名称】株式会社谷沢製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】小野 亮
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CA04
2F030CC11
2F030CF13
(57)【要約】
【課題】坑内の上方空間に仮設された風管を流れる気体の測定をより正確に行うことができると共に、径の異なる風管にも対応することができる風管内気流測定装置、及び風管内気流測定方法を提供すること。
【解決手段】風管1の内部に設置される基体10と、気体の圧力測定に用いる複数のピトー管20とを備え、基体10は、風管1の径の一端から他端にかけて鉛直に延在し複数のピトー管20が取り付けられる棒状の測定体取付部11を有し、測定体取付部11は、風管1の径に合わせて長さを変えられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑内の上方空間に仮設された風管を流れる気体の測定を行う風管内気流測定装置であって、
前記風管の内部に設置される基体と、
前記気体の圧力測定に用いる複数のピトー管とを備え、
前記基体は、前記風管の径の一端から他端にかけて鉛直に延在し複数の前記ピトー管が取り付けられる棒状の測定体取付部を有し、前記測定体取付部は、前記風管の前記径に合わせて長さを変えられることを特徴とする風管内気流測定装置。
【請求項2】
前記ピトー管は、前記測定体取付部に取付位置が変更可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の風管内気流測定装置。
【請求項3】
前記風管を吊っている吊線へ前記基体を吊り下げるための取付具を備えることを特徴とする請求項1に記載の風管内気流測定装置。
【請求項4】
前記基体は、前記測定体取付部の上端から前記測定体取付部に対して垂直に設けられた上部フレームを有し、
前記吊線と前記上部フレームとを前記取付具を介して接続することで、前記基体が前記吊線に吊り下げられることを特徴とする請求項3に記載の風管内気流測定装置。
【請求項5】
前記基体は、一方のU字フレームと他方のU字フレームとが逆向きに組み合わされてなる四角形状であり、前記一方のU字フレームと前記他方のU字フレームとをスライド可能に接続するフレーム接続材を備え、
前記測定体取付部の長さの変更は、前記一方のU字フレーム又は前記他方のU字フレームをスライドさせることにより行うことを特徴とする請求項1に記載の風管内気流測定装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の風管内気流測定装置の基体を風管の内部に所定間隔で複数設置し、前記風管を流れる気体の圧力測定を、複数箇所において同時刻に行うことを特徴とする風管内気流測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、坑内の上方空間に仮設された風管を流れる気体の測定を行う風管内気流測定装置、及び風管内気流測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トンネル工事現場や採掘現場等では、切羽への送気を目的として、送風機に接続された軟質又は硬質の風管が坑内の上方空間に仮設的に設けられる。この風管については、定期的に風量や風速をチェックすることにより、規定を満たす通気が行われているかを確認しているが、風量や風速は、作業員がピトー管を風管内部に挿入して測定した気体の圧力に基づいて算出するのが一般的である。
ここで、特許文献1には、流体の流れる本管中に小管を挿し込み、小管内に絞り機構を設け、本管内の流れの一部分を小管内に分流せしめ、小管内で発生する差圧を検出器で検出して本管内の流量を計測する流量測定装置が開示されている。
また、特許文献2には、送風管内の気流の流れ軸方向に対して長手方向が交差するように多孔ピトー管を配置し、多孔ピトー管を、長尺のセンサ管と、センサ管の一端に設けられた圧力出力プラグと、センサ管の他端を封止する封止プラグとで構成し、多孔ピトー管を、封止プラグ側が送風管の導管の壁面を貫通させるようにして、多孔ピトー管を送風管に取り付ける流体圧力検出装置が開示されている。
また、特許文献3には、ピトー管や多孔管と整流格子との組み合わせが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭51-50755号公報
【特許文献2】特開2019-196913号公報
【特許文献3】特開2011-232316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
定期的な通気確認は風管の出口のみならず風管の途中箇所でも実施するが、風管の長さは数百メートル以上に及ぶことも少なくないため、一箇所ずつ作業員がピトー管を風管内部に挿入して圧力を測定する方法では手間がかかる。また、手作業での測定はデータの信頼性に課題が残る。また、風管の口径は様々であるが、口径ごとにそれと対応した測定装置が必要となるとコストが高くなってしまう。
ここで、特許文献1に記載の発明は、ピトー管の代わりに小型の絞り機構を用いて流体の流速を計測するものであるが、坑内に仮設される風管に適用することは困難である。
また、特許文献2、3に記載の発明は、口径が異なる複数の風管に対して一種類の多孔ピトー管等で対応できるものではない。
そこで本発明は、坑内の上方空間に仮設された風管を流れる気体の測定をより正確に行うことができると共に、径の異なる風管にも対応することができる風管内気流測定装置、及び風管内気流測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明の風管内気流測定装置は、坑内の上方空間に仮設された風管1を流れる気体の測定を行う風管内気流測定装置であって、風管1の内部に設置される基体10と、気体の圧力測定に用いる複数のピトー管20とを備え、基体10は、風管1の径の一端から他端にかけて鉛直に延在し複数のピトー管20が取り付けられる棒状の測定体取付部11を有し、測定体取付部11は、風管1の径に合わせて長さを変えられることを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の風管内気流測定装置において、ピトー管20は、測定体取付部11に取付位置が変更可能に取り付けられていることを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項1に記載の風管内気流測定装置において、風管1を吊っている吊線3へ基体10を吊り下げるための取付具50を備えることを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項3に記載の風管内気流測定装置において、基体10は、測定体取付部11の上端から測定体取付部11に対して垂直に設けられた上部フレーム12を有し、吊線3と上部フレーム12とを取付具50を介して接続することで、基体10が吊線3に吊り下げられることを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載の風管内気流測定装置において、基体10は、一方のU字フレーム10Aと他方のU字フレーム10Bとが逆向きに組み合わされてなる四角形状であり、一方のU字フレーム10Aと他方のU字フレーム10Bとをスライド可能に接続するフレーム接続材15を備え、測定体取付部11の長さの変更は、一方のU字フレーム10A又は他方のU字フレーム10Bをスライドさせることにより行うことを特徴とする。
請求項6記載の本発明の風管内気流測定方法は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の風管内気流測定装置の基体10を風管1の内部に所定間隔で複数設置し、風管1を流れる気体の圧力測定を、複数箇所において同時刻に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、坑内の上方空間に仮設された風管を流れる気体の測定をより正確に行うことができると共に、径の異なる風管にも対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例による風管内気流測定装置を設置した状態を示す図
【
図3】同風管内に配置した基体及びピトー管を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の第1の実施の形態による風管内気流測定装置は、坑内の上方空間に仮設された風管を流れる気体の測定を行う風管内気流測定装置であって、風管の内部に設置される基体と、気体の圧力測定に用いる複数のピトー管とを備え、基体は、風管の径の一端から他端にかけて鉛直に延在し複数のピトー管が取り付けられる棒状の測定体取付部を有し、測定体取付部は、風管の径に合わせて長さを変えられるものである。
本実施の形態によれば、複数のピトー管が取り付けられた基体を風管の内部に予め設置できるため、手作業でピトー管を風管の内部に挿入する場合と比べて圧力測定を正確に行うことができる。また、風管の径に合わせて測定体取付部の長さを任意に変えることができるため、径の異なる様々な風管に対応することができる。
【0009】
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による風管内気流測定装置において、ピトー管は、測定体取付部に取付位置が変更可能に取り付けられているものである。
本実施の形態によれば、風管の径ごとに規定されている全圧の測定位置(風管内高さ)に全圧測定用のピトー管を簡便に位置合わせ(高さ合わせ)することができる。
【0010】
本発明の第3の実施の形態は、第1の実施の形態による風管内気流測定装置において、風管を吊っている吊線へ基体を吊り下げるための取付具を備えるものである。
本実施の形態によれば、基体を風管に直接的に接続するのではなく吊線に吊り下げることで、風管には基体の重量が殆どかからないため、基体が内部に配置されることによる風管の変形又は損傷等を効果的に防止できる。
【0011】
本発明の第4の実施の形態は、第3の実施の形態による風管内気流測定装置において、基体は、測定体取付部の上端から測定体取付部に対して垂直に設けられた上部フレームを有し、吊線と上部フレームとを取付具を介して接続することで、基体が吊線に吊り下げられるものである。
本実施の形態によれば、風圧による基体の揺動を抑制することができる。
【0012】
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態による風管内気流測定装置において、基体は、一方のU字フレームと他方のU字フレームとが逆向きに組み合わされてなる四角形状であり、一方のU字フレームと他方のU字フレームとをスライド可能に接続するフレーム接続材を備え、測定体取付部の長さの変更は、一方のU字フレーム又は他方のU字フレームをスライドさせることにより行うものである。
本実施の形態によれば、測定体取付部の長さの変更を簡便に行うことができる。
【0013】
本発明の第6の実施の形態による風管内気流測定方法は、第1から第5のいずれか一つの風管内気流測定装置の基体を風管の内部に所定間隔で複数設置し、風管を流れる気体の圧力測定を、複数箇所において同時刻に行うものである。
本実施の形態によれば、各計測箇所における測定データの取得時間を同時とすることができるため、風管の途中にある計測箇所のデータから推定する切羽(風管出口)での風量や風速等の予測精度を向上させることができる。
【実施例0014】
本発明の一実施例による風管内気流測定装置、及び風管内気流測定方法について説明する。
図1は本実施例による風管内気流測定装置を設置した状態を示す図である。
風管1は、トンネル工事や採掘作業等において、入口から切羽にかけて坑内の上方空間に仮設される。風管1は、例えば、全長10000mm、直径1800mmの円筒状に膨らむ塩化ビニル樹脂製等の可撓性(軟質)の風管体を200本ほど連結してなる。なお、風管体を非可撓性(硬質)とすることもできる。
風管1の入口側は送風機と接続されており、送風機によって気体(空気)が出口側(切羽側)に送られる。
【0015】
風管内気流測定装置は、硬質の基体10と、基体10に取り付けられた複数のL型ピトー管20と、ピトー管20から延びる耐圧ホース30と、耐圧ホース30が接続されている測定結果表示部40を備える。
基体10及びピトー管20は風管1の内部に設置され、測定結果表示部40は坑道の側面に設置されている。耐圧ホース30は、水抜きプラグ2が設けられている孔を介して風管1の内部に挿通されており、その一端はピトー管20に接続され、他端は測定結果表示部40に接続されている。
測定結果表示部40には、ピトー管20により測定された風管1内の全圧及び静圧に基づく風速や風量等のデータが表示される。なお、測定結果表示部40にパソコン等を接続して、測定データを取り込んだり外部へ転送したりすることも可能である。
【0016】
図2は基体を示す図であり、
図2(a)は一方のU字フレームと他方のU字フレームを組み合わせた状態を示し、
図2(b)は一方又は他方のU字フレーム単体を示している。
基体10は、ピトー管20よりも大径の棒状部材を略U字型とした一対のU字フレームを互いの向きを逆にして端部側から組合せることにより四角形状をなしており、前部フレーム11と、前部フレーム11の上端から前部フレーム11に対して垂直に設けられた上部フレーム12と、前部フレーム11の下端から前部フレーム11に対して垂直に設けられた下部フレーム13と、前部フレーム11と平行に設けられた後部フレーム14を有する。U字フレームは、例えばSUS製である。
前部フレーム11は、本実施例における測定体取付部であり、複数のピトー管20が取り付けられる。
上部フレーム12を有する一方のU字フレーム10Aと下部フレーム13を有する他方のU字フレーム10Bは、前部フレーム11と後部フレーム14に一箇所ずつ設けられたフレーム接続材15によりスライド可能に接続されている。
フレーム接続材15は、フレーム挿通部15Aとフレーム留部15Bを有する。フレーム挿通部15Aは、内径がU字フレームの外径よりも僅かに大きい二つの中空短管を並列的に有し、一方の中空短管には一方のU字フレーム10Aの一端が挿通され、他方の中空短管には他方のU字フレーム10Bの一端が逆向きに挿通される。フレーム留部15Bは、例えば中空短管の側面に設けられている孔に通す蝶ボルト・ナットであり、蝶ボルトを締めてボルト先端をU字フレームに当接させることで、U字フレームがスライドしないように留めることができる。
測定体取付部11の長さの変更は、フレーム留部15Bの蝶ボルトを緩めてボルト先端をU字フレームから離し、一方のU字フレーム10A又は他方のU字フレーム10Bをスライドさせ上部フレーム12と下部フレーム13との間隔、すなわち基体10の長さを変えることにより行うことができる。
【0017】
図3は風管内に配置した基体及びピトー管を示す図であり、
図3(a)は側面図、
図3(b)は正面図である。
基体10は、流通する気体の抵抗とならないように、幅方向を風管1の軸と平行として配置する。風管1の内部に基体10を設置した状態において、上部フレーム12は風管1の上内面と接し、下部フレーム13は風管1の下内面と接し、前部フレーム11は後部フレーム14よりも上流側に位置する。
測定体取付部(前部フレーム)11は、上述のようにU字フレームをスライドさせることにより風管1の径に合わせて長さを任意に変えることができるため、径の異なる様々な風管1に対応可能である。測定体取付部(前部フレーム)11の長さは、例えば最小1000mmから最大3000mmの範囲で調節可能とする。
測定体取付部(前部フレーム)11及び後部フレーム14は、長さが風管1の径と略同一となるように調節され、風管1の中心軸と交差して上内面から下内面にかけて鉛直に延在している。
【0018】
複数のピトー管20が取り付けられる測定体取付部である前部フレーム11には、全圧測定用の5個のピトー管20と静圧測定用の1個のピトー菅20が、鉛直方向に所定間隔で取り付けられている。5個の全圧測定用のピトー管20は、規定の位置(風管内高さ)にそれぞれ配置されており、先端は上流側に向けられている。このように複数のピトー管20が取り付けられた基体10を風管1の内部に予め設置することで、手作業でピトー管20を風管1の内部に挿入する場合と比べて圧力測定を正確に行うことができる。
L型のピトー管20は、前部フレーム11への取付位置を任意に変更できるように、ボルト・ナット等を介して留められている。前部フレーム11への取付位置が変更可能であることにより、風管1の径に応じて前部フレーム(測定体取付部)11の長さだけでなくピトー管20の風管内高さも変えることができるため、風管1の径ごとに規定されている全圧の測定位置に、全圧測定用のピトー管20を簡便に位置合わせ(高さ合わせ)することができる。
【0019】
図4は吊線に吊り下げた基体を示す図である。
風管1は、坑道の上面近傍に張り渡されているメッセンジャーワイヤー等の吊線3に、複数の風管吊金具4を介して吊り下げられている。
風管内気流測定装置は、取付具50によって吊線3に吊り下げられている。取付具50は、例えば複数の吊金具等である。取付具50は、風管1の上面を貫通して設けられ、一端側は吊線3と接続し、他端側は基体10の上部フレーム12と接続している。
基体10を風管1に直接的に接続するのではなく吊線3に吊り下げることで、風管1には基体10の重量が殆どかからないため、基体10が内部に配置されることによる風管1の変形又は損傷等を効果的に防止できる。また、吊線3と上部フレーム12とを取付具50を介して接続することによって基体10を吊線3に吊り下げることで、風管1の上内面に接している上部フレーム12が抵抗となり、風圧による基体10の揺動を抑制することができる。また、環状の風管1(丸型ダクト)における全圧の測定位置(計測点)は中心点から同心円状の複数箇所に設定されているところ、基体10を吊線3に吊り下げることで、風管1の垂れ下がりや膨張等に関わらず測定体取付部11が自然と風管1の幅方向中心に位置することとなるため、全圧の規定の測定位置にピトー管20を簡便かつ精度よく配置することができる。
【0020】
図5は別の形態の取付具を示す図であり、
図5(a)は取付具の組合せイメージ図、
図5(b)は吊線との接続状態を示す側面図、
図5(c)は吊線との接続状態を示す正面断面図である。
本形態の取付具50は、風管1の上外面に配置される一対の上部パーツ51と、風管1の上内面に配置される下部パーツ52と、上部パーツ51と下部パーツ52とを接続するボルト等の上下パーツ接続材53と、環状部分を有し上部パーツ51に取り付けられる吊り手54と、吊線3と吊り手54とを接続するカラビナ等の吊金具55を有する。また、風管1の上面には、上下パーツ接続材を通す孔が設けられている。
一対の上部パーツ51は、風管1の上外面に設けられた風管吊部5の一方に配置される第一上部パーツ51Aと、他方に配置される第二上部パーツ51Bからなる。第一上部パーツ51Aと第二上部パーツ51Bには、上下パーツ接続材53を通す孔が前方と後方に一箇所ずつ設けられている。
下部パーツ52は、上部フレーム12を受ける凹部が幅方向中央に設けられ、両側には上下パーツ接続材53を通す孔が前方と後方に一箇所ずつ設けられている。
基体10を吊線3に吊り下げる際は、上部パーツ51を風管1の上外面に配置し、下部パーツ52を風管1の上内面に配置し、上下パーツ接続材53により両者を接続する。また、前方側の上下パーツ接続材53に吊り手54を取り付け、その吊り手54と吊線3とを吊金具55で接続する。
本形態の取付具50によれば、吊線3に基体10を吊り下げた状態を比較的長期間にわたり安定して維持することができる。
【0021】
風管内気流測定装置を用いた風管内気流測定方法としては、ピトー管20を取り付けた基体10を風管1の内部に所定間隔で複数設置し、風管1を流れる気体の圧力測定を、同時刻に複数箇所で一斉に行うことが好ましい。
従来は、作業員が各計測箇所(計測ポイント)を巡回して全圧及び静圧を測定しているため計測箇所ごとに測定データの取得時間に差が生じるが、本発明の風管内気流測定方法によれば、各計測箇所における測定データの取得時間を同時とすることができるため、風管1の途中にある計測箇所のデータから推定する切羽(風管出口)での風量や風速等の予測精度を向上させることができる。また、測定のたびに作業員が風管1の内部にピトー管20を挿し込む場合と比べて、測定が正確となりデータの信頼性を高めることができ、作業員の負荷も軽減される。