(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042346
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】携帯端末
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147007
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 勇太
【テーマコード(参考)】
5D208
【Fターム(参考)】
5D208CA02
5D208CA08
5D208CA09
5D208CF05
(57)【要約】
【課題】カラオケ演奏に合わせて得られた飼い犬の吠え声の評価を行うコンテンツを実行可能とする携帯端末を提供する。
【解決手段】利用者の飼い犬に対して楽曲のカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるための指示を含むサイン映像を楽曲識別情報と紐付けて記憶する映像記憶部、ある楽曲に対応するあるサイン映像に基づいて犬用リファレンスデータを生成する生成部、楽曲のカラオケ演奏を行う演奏処理部、ある楽曲のカラオケ演奏に合わせて、表示手段にあるサイン映像を表示させる表示処理部、表示されたあるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声に対応する音声データ及び犬用リファレンスデータに基づいて、飼い犬の吠え声の評価を求める第1の評価部を有する携帯端末。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の飼い犬に対して楽曲のカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるための指示を含むサイン映像を、当該楽曲の楽曲識別情報と紐付けて記憶する映像記憶部と、
利用者が選曲したある楽曲に対応するあるサイン映像に基づいて、当該あるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声を評価するための犬用リファレンスデータを生成する生成部と、
楽曲のカラオケ演奏を行う演奏処理部と、
前記ある楽曲のカラオケ演奏に合わせて、表示手段に前記あるサイン映像を表示させる表示処理部と、
表示された前記あるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声に対応する音声データ、及び前記犬用リファレンスデータに基づいて、前記飼い犬の吠え声の評価を求める第1の評価部と、
を有する携帯端末。
【請求項2】
楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者が行ったカラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声データ、及び当該楽曲のリファレンスデータに基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を求める第2の評価部であって、前記第1の評価部による吠え声の評価に基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を補正する第2の評価部を有することを特徴とする請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記第2の評価部は、飼い犬の吠え声に対応する音声データの周波数特性と、利用者が行ったカラオケ歌唱に対応する音声データの周波数特性との比較に基づいて、前記カラオケ歌唱の評価を補正することを特徴とする請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記犬用リファレンスデータに基づいて、前記ある楽曲の演奏区間のうち、前記所定のタイミングを含む第1の演奏区間、及び前記所定のタイミングを含まない第2の演奏区間を特定する特定部と、
前記ある楽曲のカラオケ演奏中において、特定された前記第1の演奏区間では、第1のカメラで撮影された飼い犬の映像を録画し、特定された前記第2の演奏区間では第2のカメラで撮影された利用者の映像を録画する録画処理部と、
を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
楽曲の音源制作を行う際に、楽曲に合わせて動物の鳴き声を収録することがある。たとえば、英国のロックバンドであるピンク・フロイドの楽曲「Seamus」では、人間が歌唱を行っているような犬の吠え声が収録されている。
【0003】
また、犬を訓練することにより、人間の指示に応じて任意のタイミングで吠えさせることができる(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「愛犬を自在に吠えさせる訓練が無駄吠え防止に!しつけ教室の技とは。」、[令和4年9月10日検索]、インターネット<URL:https://wanko-training.com/u-can-let-ur-dog-to-speak-or-bark-anytime-u-want/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、カラオケ演奏に合わせて得られた飼い犬の吠え声の評価を行うコンテンツを実行可能とする携帯端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための一の発明は、利用者の飼い犬に対して楽曲のカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるための指示を含むサイン映像を、当該楽曲の楽曲識別情報と紐付けて記憶する映像記憶部と、利用者が選曲したある楽曲に対応するあるサイン映像に基づいて、当該あるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声を評価するための犬用リファレンスデータを生成する生成部と、楽曲のカラオケ演奏を行う演奏処理部と、前記ある楽曲のカラオケ演奏に合わせて、表示手段に前記あるサイン映像を表示させる表示処理部と、表示された前記あるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声に対応する音声データ、及び前記犬用リファレンスデータに基づいて、前記飼い犬の吠え声の評価を求める第1の評価部と、を有する携帯端末である。
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カラオケ演奏に合わせて得られた飼い犬の吠え声の評価を行うコンテンツを実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る携帯端末を示す図である。
【
図2】第1実施形態に係る携帯端末を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る携帯端末の処理を示すフローチャートである。
【
図4】第2実施形態に係る携帯端末を示す図である。
【
図5】第2実施形態に係る携帯端末の処理を示すフローチャートである。
【
図6】第3実施形態に係る携帯端末を示す図である。
【
図7】第3実施形態に係る携帯端末の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
図1から
図3を参照して、第1実施形態に係る携帯端末について説明する。
【0010】
==携帯端末==
携帯端末は、利用者が所有するスマートフォンやタブレット端末である。携帯端末は、たとえばミュージックプレーヤ機能のような、一般的なスマートフォン等に備えられる機能を有する。利用者は、バウカラコンテンツを利用する者である。バウカラコンテンツは、カラオケ演奏に合わせて得られた飼い犬の吠え声の評価を行うコンテンツである。
【0011】
本実施形態における携帯端末には、カラオケ演奏機能、映像記憶機能、及び評価機能を組み合わせたバウカラコンテンツを利用するための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「バウカラプリ」)がインストールされている。カラオケ演奏機能は、携帯端末においてカラオケ演奏を実行する機能である。映像記憶機能は、サイン映像を記憶する機能である(詳細は後述)。評価機能は、飼い犬の吠え声を評価する機能である(詳細は後述)。バウカラプリは、所定のWebサイトからダウンロードすることで入手できる。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯端末Mは、利用者Uが所有するスマートフォンである。携帯端末Mには、バウカラプリがインストールされている。利用者Uは、バウカラコンテンツを利用し、飼い犬である愛犬Dの吠え声の評価を得ることができる。
【0013】
図2に示すように、携帯端末Mは、記憶手段10、通信手段11、表示手段12、入力手段13、放音手段14、集音手段15、撮影手段16、及び制御手段17を備える。各構成はインターフェース(図示なし)を介してバスBに接続されている。
【0014】
[記憶手段]
記憶手段10は、各種のデータを記憶する記憶装置である。たとえば、記憶手段10は、楽曲データを記憶する。楽曲データは、楽曲識別情報が付与されている。楽曲識別情報は、楽曲を識別するための楽曲ID等、各楽曲に固有の情報である。楽曲データは、カラオケ演奏データ、リファレンスデータ、区間情報等を含む。カラオケ演奏データは、カラオケ演奏を行うためのデータ(すなわち、カラオケ演奏音の元となるデータ)である。カラオケ演奏データは、携帯端末Mが備えるミュージックプレーヤ機能やバウカラプリで再生可能な形式のデータである。リファレンスデータは、カラオケ演奏された楽曲の主旋律を示すデータである。区間情報は、演奏区間を示す。演奏区間は、カラオケ演奏が行われる区間である。演奏区間は、歌唱区間及び非歌唱区間を含む。歌唱区間は、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されている区間(たとえば、1番のAメロ、Bメロ、サビ)である。非歌唱区間は、たとえば前奏、間奏、後奏のような、楽曲において歌唱すべき歌詞が設定されていない区間である。
【0015】
(映像記憶部)
携帯端末Mにおいてバウカラプリが実行された場合、記憶手段10の記憶領域の一部は、映像記憶部100として機能する。映像記憶部100は、利用者の飼い犬に対して楽曲のカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるための指示を含むサイン映像を、当該楽曲の楽曲識別情報と紐付けて記憶する。
【0016】
サイン映像に含まれる指示は、たとえば、犬のしつけで用いるハンドサインのような、犬を吠えさせるためのものである。所定のタイミングは、たとえば楽曲の1番のサビの最後の拍、間奏やサビの最初の拍のように、楽曲のカラオケ演奏中の任意のタイミングである。
【0017】
バウカラプリを起動した場合、携帯端末Mは、映像記憶機能を実行するための「映像記憶モード」、または評価機能を実行するための「評価モード」を選択するための画面を表示手段12に表示させる。サイン映像の記憶を行う場合、利用者は、入力手段13を介して「映像記憶モード」を選択する。
【0018】
携帯端末Mは、楽曲を選曲するための選曲画面を表示手段12に表示させる。利用者は、入力手段13を介して飼い犬の吠え声の評価を希望する楽曲を選曲する。携帯端末Mは、選曲された楽曲の楽曲識別情報に基づいて記憶手段10から対応する楽曲データを読み出す。
【0019】
携帯端末M(演奏処理部300(後述))は、バウカラプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、読み出した楽曲データに含まれるカラオケ演奏データに基づくカラオケ演奏を行う。カラオケ演奏の演奏音は、放音手段14から放音される。利用者は、自ら楽曲のカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで指示(たとえばハンドサイン)を行い、その姿を撮影手段16で撮影する。なお、利用者は、ドッグトレーナーのような専門家にハンドサインを行ってもらい、その姿を撮影手段16で撮影してもよい。
【0020】
楽曲のカラオケ演奏終了後、携帯端末Mは、撮影手段16で撮影された映像をサイン映像として、当該楽曲の楽曲識別情報と紐付けて映像記憶部100に記憶させる。
【0021】
なお、携帯端末Mは、外部のサーバ装置(図示なし)から楽曲データを取得してもよい。この場合、携帯端末Mは、選曲された楽曲の楽曲識別情報を、自己の端末識別情報と対応付けてサーバ装置(図示なし)に送信する。端末識別情報は、携帯端末を識別するための端末ID等、各携帯端末に固有の情報である。サーバ装置は、受信した楽曲識別情報に対応する楽曲データを、携帯端末Mに送信する。携帯端末M(演奏処理部300(後述))は、バウカラプリが提供するカラオケ演奏機能を用いて、受信した楽曲データに含まれるカラオケ演奏データに基づくカラオケ演奏を行うことができる。
【0022】
[通信手段、表示手段、入力手段、放音手段、集音手段、撮影手段]
通信手段11は、外部のサーバ装置等(図示なし)との通信を行うためのインターフェースを提供する。表示手段12は、各種情報を表示させるディスプレイである。入力手段13は、利用者が各種指示入力を行うための構成である。なお、タッチパネル形式で構成されている表示手段12が、入力手段13として機能してもよい。放音手段14は、スピーカのような、音声を放音するための構成である。集音手段15は、マイクロフォンのような、利用者や飼い犬が発した音声を集音するための構成である。撮影手段16は、カメラのような、被写体を撮影するための構成である。
【0023】
[制御手段]
制御手段17は、携帯端末Mにおける各種の制御を行う。制御手段17は、CPUおよびメモリ(いずれも図示無し)を備える。CPUは、メモリに記憶されたプログラムを実行することにより各種の機能を実現する。
【0024】
本実施形態において、携帯端末Mでバウカラプリを起動した場合、制御手段17は、生成部200、演奏処理部300、表示処理部400、及び第1の評価部500として機能する。
【0025】
(生成部)
生成部200は、利用者が選曲したある楽曲に対応するあるサイン映像に基づいて、犬用リファレンスデータを生成する。
【0026】
犬用リファレンスデータは、あるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声を評価するためのデータである。犬用リファレンスデータは、公知の映像解析技術を用いて生成することができる。たとえば、生成部200は、サイン映像を解析し、指示の動作が検出されたタイミング(たとえば、サイン映像に映る利用者の手が動いたタイミング)を特定する。指示の動作が検出されたタイミングは、飼い犬の吠え声が発せられるべきタイミングである。生成部200は、指示の動作が検出されたタイミングに対して吠え声に相当する情報(たとえば、サイン映像に紐付けられた楽曲識別情報が示す楽曲のノートに対応する情報)を紐付けることにより犬用リファレンスデータを生成する。
【0027】
犬用リファレンスデータを生成するタイミングは、特に限定されない。たとえば、利用者は、入力手段13を介して「評価モード」を選択したとする。この場合、携帯端末Mは、楽曲を選曲するための選曲画面を表示手段12に表示させる。利用者は、入力手段13を介して飼い犬の吠え声の評価を希望する楽曲を選曲する。生成部200は、選曲された楽曲の楽曲識別情報に基づいて映像記憶部100から対応するサイン映像を読み出し、犬用リファレンスデータの生成を行う。生成部200は、生成した犬用リファレンスデータを第1の評価部500に出力する。
【0028】
或いは、生成部200は、あるタイミングで生成した犬用リファレンスデータを楽曲識別情報と紐付けて記憶手段10に記憶させておいてもよい。「評価モード」において利用者が楽曲を選曲した場合、生成部200は、選曲した楽曲の楽曲識別情報に対応する犬用リファレンスデータを読み出し、第1の評価部500に出力する。
【0029】
(演奏処理部)
演奏処理部300は、楽曲のカラオケ演奏を行う。
【0030】
上述の通り「映像記憶モード」において、演奏処理部300は利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏を行う。また「評価モード」において、演奏処理部300は、犬用リファレンスデータが生成された後、利用者が選曲した楽曲のカラオケ演奏を行う。「評価モード」において、演奏処理部300は、表示処理部400に対してカラオケ演奏に伴う同期信号を出力する。
【0031】
(表示処理部)
表示処理部400は、ある楽曲のカラオケ演奏に合わせて、表示手段にあるサイン映像を表示させる。
【0032】
表示手段は、サイン映像を表示させるためのものである。表示処理部400は、たとえば、携帯端末Mの表示手段12にサイン映像を表示させてもよいし、携帯端末MとBluetooth(登録商標)等を用いて通信可能に接続された大型のディスプレイにサイン映像を表示させてもよい。
【0033】
「評価モード」において、演奏処理部300がある楽曲のカラオケ演奏を開始したとする。この場合、表示処理部400は、映像記憶部100からある楽曲の楽曲識別情報に紐付けられたサイン映像を読み出す。表示処理部400は、演奏処理部300から出力される同期信号に応じて、ある楽曲のサイン映像を表示手段12に表示させる。
【0034】
表示手段12に表示されるサイン映像を見た飼い犬は、所定のタイミングで示される指示に応じて吠えることができる。集音手段15は、サイン映像(具体的にはサイン映像に含まれる指示)に応じた飼い犬の吠え声を集音し、音声データとして第1の評価部500に出力する。なお、サイン映像は、冒頭に飼い犬の名前を呼ぶ利用者の動画を含んでいてもよい。表示処理部400は、当該動画を表示させた後に、カラオケ演奏に合わせてサイン映像を表示させてもよい。これにより、飼い犬の注意を表示手段12に向けさせることができる。
【0035】
(第1の評価部)
第1の評価部500は、表示されたあるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声に対応する音声データ、及び犬用リファレンスデータに基づいて、飼い犬の吠え声の評価を求める。
【0036】
吠え声の評価は公知の手法を用いることができる。たとえば、第1の評価部500は、公知技術(特開2005-295980号公報等)を用いて集音手段15で集音された飼い犬の吠え声の音声データを解析することにより、吠え声が集音された集音タイミングを検出する。
【0037】
第1の評価部500は、犬用リファレンスデータに含まれる指示の動作が検出されたタイミング(サインタイミング)を、検出された集音タイミングと比較する。第1の評価部500は、一のサインタイミングに対して所定範囲内(たとえば、+1秒以内)に集音タイミングがある場合、加点を行う。第1の評価部500は、犬用リファレンスデータに含まれる全てのサインタイミングに対して上記処理を行い、得られた値を加算することにより評価を求める。評価は、たとえば100点を満点とする0~100の数値で示すことができる。より具体的には、犬用リファレンスデータに10個のサインタイミングが含まれる場合、一のサインタイミングに対応する加点を+10点とする。
【0038】
第1の評価部500は、求めた評価を表示手段12の表示画面に表示させることにより、利用者に対して提示する。或いは、第1の評価部500は、求めた評価を放音手段14から放音させることにより、利用者に対して提示する。
【0039】
なお、第1の評価部500は、サインタイミングに対して所定範囲内にない集音タイミングの数に応じて減点(たとえば-5点)を行ってもよい。また、第1の評価部500は、評価が所定値以上の場合(たとえば、100点満点中70点以上の場合)、評価と合わせて「褒めてあげてください」、「おやつをあげてください」といったメッセージを表示手段12に表示させたり、放音手段14から放音させることができる。
【0040】
==携帯端末の動作(評価の処理における動作)について==
次に、
図3を参照して本実施形態における携帯端末Mの動作(評価の処理における動作)の具体例について述べる。
図3は、携帯端末Mにおける動作を示すフローチャートである。この例では、
図1に示した利用者Uが、バウカラコンテンツを利用し、愛犬Dの吠え声の評価を得る。携帯端末Mにはバウカラプリがインストールされている。またこの例において、映像記憶部100は、愛犬Dに対して楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるためのハンドサインを含むサイン映像SXを、楽曲Xの楽曲ID***Xと紐付けて記憶しているとする。また、サイン映像SXに含まれるハンドサインは、異なるタイミングt1~t10それぞれで行われているとする。
【0041】
利用者Uは、携帯端末Mを操作しバウカラプリを起動させる。利用者Uは、入力手段13を介して「評価モード」を選択する。携帯端末Mは、楽曲を選曲するための選曲画面を表示手段12に表示させる。利用者Uは、携帯端末Mの入力手段13を介して愛犬Dの吠え声の評価を希望する楽曲Xを選曲する(楽曲を選曲。ステップ10)。
【0042】
生成部200は、ステップ10で選曲された楽曲Xの楽曲ID***Xに基づいて映像記憶部100から対応するサイン映像SXを読み出し、犬用リファレンスデータDRの生成を行う(犬用リファレンスデータを生成。ステップ11)。生成部200は、生成した犬用リファレンスデータDRを第1の評価部500に出力する。犬用リファレンスデータDRは、サインタイミングt1~t10に対して、それぞれ吠え声に相当する情報が紐付けられている。
【0043】
演奏処理部300は、楽曲Xのカラオケ演奏を開始する(カラオケ演奏を開始。ステップ12)。演奏処理部300は、表示処理部400に対してカラオケ演奏に伴う同期信号を出力する。
【0044】
表示処理部400は、演奏処理部300から出力される同期信号に応じ、楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて、表示手段12にサイン映像SXを表示させる(サイン映像を表示。ステップ13)。表示手段12に表示されるサイン映像SXを見た愛犬Dは、サインタイミングt1~t10で順次示されるハンドサインに応じて吠えることができたり、できなかったりする。集音手段15は、愛犬Dの吠え声を集音する(吠え声を集音。ステップ14)。集音手段15は、集音した吠え声を音声データとして第1の評価部500に出力する。
【0045】
楽曲Xのカラオケ演奏が終了した場合(ステップ15でYの場合)、第1の評価部500は、表示されたサイン映像SXに応じた愛犬Dの吠え声に対応する音声データ、及びステップ11で生成した犬用リファレンスデータDRに基づいて、愛犬Dの吠え声の評価を求める(吠え声を評価。ステップ16)。
【0046】
たとえば、第1の評価部500は、集音手段15で集音された愛犬Dの吠え声の音声データを解析することにより、吠え声が集音された集音タイミングCT1~CT8を検出したとする。
【0047】
第1の評価部500は、犬用リファレンスデータに含まれるサインタイミングt1を、検出された集音タイミングCT1~CT8と比較する。ここで、第1の評価部500は、サインタイミングt1に対して所定範囲内(+1秒以内)に集音タイミングCT1があると判断したとする。この場合、第1の評価部500は、10点の加点を行う。
【0048】
同様に、第1の評価部500は、犬用リファレンスデータに含まれるサインタイミングt2~t10毎に、検出された集音タイミングCT1~CT8と比較を行い、一のサインタイミングに対して所定範囲内に集音タイミングがあるかどうかを判断する。この例では、サインタイミングt2に対して所定範囲内に集音タイミングCT2があり、サインタイミングt4に対して所定範囲内に集音タイミングCT3があり、サインタイミングt5に対して所定範囲内に集音タイミングCT4があり、サインタイミングt6に対して所定範囲内に集音タイミングCT5があり、サインタイミングt7に対して所定範囲内に集音タイミングCT6があり、サインタイミングt9に対して所定範囲内に集音タイミングCT7があり、サインタイミングt10に対して所定範囲内に集音タイミングCT8があると判断されたとする。一方、集音タイミングCT3及び集音タイミングCT8については、いずれのサインタイミングに対しても所定範囲内にないと判断されたとする。
【0049】
この場合、第1の評価部500は、一のサインタイミングに対して所定範囲内にある集音タイミング一つにつき10点を加点することにより、評価として「80点」を求める。
【0050】
楽曲Xのカラオケ演奏が終了した後、第1の評価部500は、利用者Uに対して求めた愛犬Dの吠え声の評価を提示する(吠え声の評価を提示。ステップ17)。上記例によれば、第1の評価部500は、吠え声の評価として求めた「80点」を利用者Uに対して提示する。
【0051】
なお、第1の評価部500は、集音手段15から吠え声の音声データが出力される都度、吠え声の評価を行うことも可能である。
【0052】
以上から明らかなように、本実施形態に係る携帯端末Mは、利用者の飼い犬に対して楽曲のカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるための指示を含むサイン映像を、当該楽曲の楽曲識別情報と紐付けて記憶する映像記憶部100と、利用者が選曲したある楽曲に対応するあるサイン映像に基づいて、当該あるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声を評価するための犬用リファレンスデータを生成する生成部200と、楽曲のカラオケ演奏を行う演奏処理部300と、ある楽曲のカラオケ演奏に合わせて、表示手段にあるサイン映像を表示させる表示処理部400と、表示されたあるサイン映像に応じた飼い犬の吠え声に対応する音声データ、及び犬用リファレンスデータに基づいて、飼い犬の吠え声の評価を求める第1の評価部500と、を有する。
【0053】
このような携帯端末Mによれば、サイン映像を用いて所定のタイミングで飼い犬を吠えさせることにより、飼い犬に疑似的なカラオケ歌唱を行わせることができる。また、吠え声に対応する音声データ及びサイン映像に基づいて生成した犬用リファレンスデータを用いることにより、飼い犬の吠え声の評価を得ることができる。このように、利用者は飼い犬と一緒にバウカラコンテンツを楽しむことができる。すなわち、本実施形態に係る携帯端末Mによれば、カラオケ演奏に合わせて得られた飼い犬の吠え声の評価を行うコンテンツを実行できる。
【0054】
<第2実施形態>
次に、
図4及び
図5を参照して、第2実施形態に係る携帯端末について説明する。本実施形態では、利用者がカラオケ歌唱を行う例について述べる。第1実施形態と同様の構成等については詳細な説明を省略する。
【0055】
[制御手段]
本実施形態において、携帯端末Mでバウカラプリを起動した場合、制御手段17は、生成部200、演奏処理部300、表示処理部400、第1の評価部500、及び第2の評価部600として機能する(
図4参照)。
【0056】
(第2の評価部)
第2の評価部600は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者が行ったカラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声データ、及び当該楽曲のリファレンスデータに基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を求める。
【0057】
カラオケ歌唱の評価は公知の手法を用いることができる。たとえば、第2の評価部600は、カラオケ歌唱に伴う歌唱音声に対応する音声データと、カラオケ演奏された楽曲の主旋律を示すリファレンスデータとを比較することにより、カラオケ歌唱の巧拙を、たとえば100点を満点とする0~100の数値で示すことで、カラオケ歌唱の評価を行うことができる。
【0058】
また、本実施形態に係る第2の評価部600は、第1の評価部500による吠え声の評価に基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を補正する。
【0059】
評価の補正は、様々な方法により行うことができる。たとえば、第2の評価部600は、カラオケ歌唱の評価に対し、第1の評価部500による評価の値の10%を加算することで評価の補正を行う。或いは、第2の評価部600は、予め、第1の評価部500による評価の値に対する倍率を決定しておく(たとえば、80点以上:1.5倍、60点以上80点未満:1.2倍、60点未満:1.0倍)。第2の評価部600は、カラオケ歌唱の評価に対し、第1の評価部500の評価の値に対する倍率を乗算することで評価の補正を行う。また、第2の評価部600は、犬と飼い主に対する総合評価として、カラオケ歌唱の評価及び吠え声の評価の平均点または加重平均点を算出してもよい。
【0060】
なお、本実施形態のように利用者がカラオケ歌唱を行う場合、利用者のカラオケ歌唱と飼い犬の吠え声が重ならないようにすることが望ましい。すなわち、サイン映像における所定のタイミングは、前奏や間奏のような非歌唱区間であることが望ましい。
【0061】
==携帯端末の動作(評価の処理における動作)について==
次に、
図5を参照して本実施形態における携帯端末Mの動作(評価の処理における動作)の具体例について述べる。
図5は、携帯端末Mにおける動作を示すフローチャートである。この例では、
図1に示した利用者Uが、バウカラコンテンツを利用し、愛犬Dの吠え声の評価と合わせて自らのカラオケ歌唱の評価を得る。携帯端末Mにはバウカラプリがインストールされている。またこの例において、映像記憶部100は、愛犬Dに対して楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるためのハンドサインを含むサイン映像SXを、楽曲Xの楽曲ID***Xと紐付けて記憶しているとする。また、サイン映像SXに含まれるハンドサインは、異なるタイミングt1~t10それぞれで行われているとする。
【0062】
ステップ20からステップ24は、第1実施形態のステップ10からステップ14に対応する。
【0063】
本実施形態において、利用者Uは、楽曲Xのカラオケ演奏に合わせてカラオケ歌唱を行う。集音手段15は、利用者Uのカラオケ歌唱に伴う歌唱音声を集音する(歌唱音声を集音。ステップ25)。集音手段15は、集音した歌唱音声を音声データとして第2の評価部600に出力する。
【0064】
楽曲Xのカラオケ演奏が終了した場合(ステップ26でYの場合)、第1の評価部500は、表示されたサイン映像SXに応じた愛犬Dの吠え声に対応する音声データ、及びステップ11で生成した犬用リファレンスデータDRに基づいて、愛犬Dの吠え声の評価を求める(吠え声を評価。ステップ27)。
【0065】
一方、第2の評価部600は、楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて利用者Uが行ったカラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声データ、及び楽曲Xのリファレンスデータに基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を求める(カラオケ歌唱を評価。ステップ28)。
【0066】
その後、第2の評価部600は、ステップ27で得られた吠え声の評価に基づいて、ステップ28で求めたカラオケ歌唱の評価を補正する(吠え声の評価に基づいてカラオケ歌唱の評価を補正。ステップ29)。
【0067】
たとえば、第1実施形態で述べた通り、第1の評価部500が愛犬Dの吠え声の評価として「80点」を求めたとする。また、第2の評価部600が利用者Uのカラオケ歌唱の評価として「85点」を求めたとする。この場合、第2の評価部600は、愛犬Dの吠え声の評価「80点」の10%である「8点」を、利用者Uのカラオケ歌唱の評価「85点」に加算する補正を行うことで、評価「93点」を求める。
【0068】
第1の評価部500は、利用者Uに対して求めた愛犬Dの吠え声の評価を提示する。また、第2の評価部600は、利用者Uに対して求めたカラオケ歌唱の評価を提示する(吠え声の評価及び補正したカラオケ歌唱の評価を提示。ステップ30)。上記例によれば、第1の評価部500は、吠え声の評価として求めた「80点」を利用者Uに対して提示する。また、第2の評価部600は、カラオケ歌唱の評価として求めた「93点」(補正した評価)を利用者Uに対して提示する。
【0069】
なお、第1の評価部500は、集音手段15から吠え声の音声データが出力される都度、吠え声の評価を行うことも可能である。また、第2の評価部600は、集音手段15から歌唱音声の音声データが出力される都度、カラオケ歌唱の評価を行い、吠え声の評価に基づいて補正を行うことも可能である。
【0070】
以上から明らかなように、本実施形態に係る携帯端末Mは、楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者が行ったカラオケ歌唱の歌唱音声に対応する音声データ、及び当該楽曲のリファレンスデータに基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を求める第2の評価部600であって、第1の評価部500による吠え声の評価に基づいて、当該カラオケ歌唱の評価を補正する第2の評価部600を有する。
【0071】
このような携帯端末Mによれば、飼い犬の吠え声の評価を考慮して利用者が行ったカラオケ歌唱を評価できる。よって、利用者は、飼い犬とより一体感を持ってバウカラコンテンツを楽しむことができる。
【0072】
<変形例>
第2実施形態の例において、カラオケ歌唱の評価に吠え声の評価が加算されることを知っている利用者の中には、サイン映像における所定のタイミングで飼い犬の吠え声を真似て発声することにより、カラオケ歌唱の評価を高くしようとする者がいる可能性がある。
【0073】
そこで、第2の評価部600は、飼い犬の吠え声に対応する音声データの周波数特性と、利用者が行ったカラオケ歌唱に対応する音声データの周波数特性との比較に基づいて、カラオケ歌唱の評価を補正してもよい。
【0074】
周波数特性は公知の技術を用いて算出することができる。第2の評価部600は、吠え声に対応する音声データ及びカラオケ歌唱に対応する音声データのそれぞれについて周波数特性を算出する。そして、第2の評価部600は、算出した周波数特性を比較し、一致度を求める。ここで、周波数特性の一致度が高い場合、利用者が飼い犬の吠え声を真似ていると推測できる。よって、第2の評価部600は、周波数特性の一致度が所定条件を満たす場合(たとえば、80%以上の場合)、カラオケ歌唱の評価を補正しない。一方、周波数特性の一致度が所定条件を満たさない場合(たとえば、80%未満の場合)、カラオケ歌唱の評価を補正する。
【0075】
<第3実施形態>
次に、
図6及び
図7を参照して、第3実施形態に係る携帯端末について説明する。本実施形態では、カラオケ演奏に合わせて吠える飼い犬と利用者とを撮影した映像を録画する例について述べる。第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成等については詳細な説明を省略する。
【0076】
[撮影手段]
本実施形態において、撮影手段16は、インカメラ16a及びアウトカメラ16bを含む(
図6参照)。インカメラ16aは携帯端末Mの前面に設けられている撮影手段であり、アウトカメラ16bは携帯端末Mの背面に設けられている撮影手段である。
【0077】
[制御手段]
本実施形態において、携帯端末Mでバウカラプリを起動した場合、制御手段17は、生成部200、演奏処理部300、表示処理部400、第1の評価部500、第2の評価部600、特定部700、及び録画処理部800として機能する(
図6参照)。
【0078】
(特定部)
特定部700は、犬用リファレンスデータに基づいて、ある楽曲の演奏区間のうち、所定のタイミングを含む第1の演奏区間、及び所定のタイミングを含まない第2の演奏区間を特定する。
【0079】
特定部700は、生成部200が生成した犬用リファレンスデータを解析し、指示の動作が検出されたタイミング(すなわち、サイン映像における所定のタイミング)を抽出する。特定部700は、ある楽曲の演奏区間のうち、抽出したタイミングを含む演奏区間を第1の演奏区間として特定し、それ以外の演奏区間(すなわち、抽出したタイミングを含まない演奏区間)を第2の演奏区間として特定する。第1の演奏区間及び第2の演奏区間の長さは、たとえば2小節分のように予め一の基準が設定されている。
【0080】
(録画処理部)
録画処理部800は、ある楽曲のカラオケ演奏中において、特定された第1の演奏区間では、第1のカメラで撮影された飼い犬の映像を録画し、特定された第2の演奏区間では第2のカメラで撮影された利用者の映像を録画する。
【0081】
第1のカメラは、飼い犬を撮影するためのカメラである。本実施形態においてアウトカメラ16bは「第1のカメラ」に相当する。第2のカメラは、利用者を撮影するためのカメラである。本実施形態においてインカメラ16aは「第2のカメラ」に相当する。なお、アウトカメラ16bで利用者を撮影し、インカメラ16aで飼い犬を撮影してもよい。この場合、アウトカメラ16bは「第2のカメラ」に相当し、インカメラ16aは「第1のカメラ」に相当する。
【0082】
演奏処理部300によりある楽曲のカラオケ演奏が開始された場合、インカメラ16aは利用者の撮影を開始し、アウトカメラ16bは飼い犬の撮影を開始する。インカメラ16a及びアウトカメラ16bは、撮影した映像に対応する映像データを録画処理部800に順次出力する。
【0083】
録画処理部800は、ある時点においてカラオケ演奏が行われた演奏区間が、特定部700により特定された第1の演奏区間または第2の演奏区間のいずれに相当するかを判断する。
【0084】
ここで、第1の演奏区間は所定のタイミングを含む演奏区間である。すなわち、第1の演奏区間のカラオケ演奏が行われている場合、飼い犬がサイン映像を見て吠える可能性がある。従って、録画処理部800は、ある時点においてカラオケ演奏が行われた演奏区間が第1の演奏区間であると判断した場合、アウトカメラ16bから出力された映像データ(すなわち、飼い犬を撮影した映像に対応する映像データ)に対応する映像を録画する。
【0085】
一方、第2の演奏区間は所定のタイミングを含まない演奏区間である。すなわち、第2の演奏区間のカラオケ演奏が行われている場合、飼い犬がサイン映像を見て吠える可能性はない。従って、録画処理部800は、ある時点においてカラオケ演奏が行われた演奏区間が第2の演奏区間であると判断した場合、インカメラ16aから出力された映像データ(すなわち、利用者を撮影した映像に対応する映像データ)に対応する映像を録画する。ここで、第2実施形態のように利用者のカラオケ歌唱を評価する場合、利用者がカラオケ歌唱を行う映像が録画される。
【0086】
また、録画処理部800は、利用者または飼い犬の映像を録画する際、楽曲のカラオケ演奏音や、集音手段15で集音された利用者が行ったカラオケ歌唱の歌唱音声または飼い犬の吠え声を併せて録音する。
【0087】
録画処理部800は、録画した映像及び録音したカラオケ演奏音等を合成することにより、歌唱動画を生成することができる。このような歌唱動画は、楽曲のカラオケ演奏に合わせて利用者または飼い犬の映像が順次切り替わって表示され、且つ歌唱音声や吠え声が放音される動画となる。
【0088】
==携帯端末の動作(録画の処理における動作)について==
次に、
図7を参照して本実施形態における携帯端末Mの動作(録画の処理における動作)の具体例について述べる。
図7は、携帯端末Mにおける動作を示すフローチャートである。この例では、
図1に示した利用者Uが、バウカラコンテンツを利用し、愛犬Dの吠え声の評価を得る際に、利用者U及び愛犬Dを撮影した映像の録画を希望している。携帯端末Mにはバウカラプリがインストールされている。またこの例において、映像記憶部100は、愛犬Dに対して楽曲Xのカラオケ演奏に合わせて所定のタイミングで吠えさせるためのハンドサインを含むサイン映像SXを、楽曲Xの楽曲ID***Xと紐付けて記憶しているとする。また、サイン映像SXに含まれるハンドサインは、異なるタイミングt1~t10それぞれで行われているとする。なお、本実施形態において、利用者Uはカラオケ歌唱を行う。また、利用者Uのカラオケ歌唱の評価及び愛犬Dの吠え声の評価は第2実施形態と同様に実行されるため以下の説明では省略する。
【0089】
ステップ40及びステップ41は、第1実施形態のステップ10及びステップ11に対応する。この例において、利用者Uは「評価モード」を選択した後、「録画」のアイコンを選択する。「録画」のアイコンが選択された場合、携帯端末Mは、以下で述べる愛犬Dと利用者Uを撮影した映像を録画する処理を実行する。
【0090】
特定部700は、ステップ41で生成された犬用リファレンスデータに基づいて、楽曲Xの演奏区間のうち、所定のタイミングを含む第1の演奏区間、及び所定のタイミングを含まない第2の演奏区間を特定する(第1の演奏区間及び第2の演奏区間を特定。ステップ42)。この例において、特定部700は、楽曲Xを構成する演奏区間のうち、タイミングt1~t10のいずれかを含む演奏区間を第1の演奏区間とし、それ以外の演奏区間を第2の演奏区間として特定する。
【0091】
その後、演奏処理部300は、楽曲Xのカラオケ演奏を開始する(カラオケ演奏を開始。ステップ43)。携帯端末Mのインカメラ16aは利用者Uの撮影を開始し、アウトカメラ16bは愛犬Dの撮影を開始する(利用者及び愛犬の撮影を開始。ステップ44)。インカメラ16a及びアウトカメラ16bは、撮影した映像に対応する映像データを録画処理部800に順次出力する。
【0092】
録画処理部800は、現在行われている楽曲Xのカラオケ演奏の演奏区間が、第1の演奏区間か第2の演奏区間かを判断する。
【0093】
第1の演奏区間のカラオケ演奏が行われている場合(ステップ45でYの場合)、録画処理部800は、アウトカメラ16bで撮影された愛犬Dの映像を録画する(愛犬の映像を録画。ステップ46)。
【0094】
一方、第1の演奏区間のカラオケ演奏が行われていない場合(すなわち、第2の演奏区間のカラオケ演奏が行われている場合。ステップ45でNの場合)、録画処理部800は、インカメラ16aで撮影された利用者Uの映像を録画する(利用者の映像を録画。ステップ47)。
【0095】
また、録画処理部800は、利用者または飼い犬の映像を録画する際、楽曲のカラオケ演奏音や、集音手段15で集音された利用者のカラオケ歌唱の歌唱音声または飼い犬の吠え声を録音する(カラオケ演奏音等を録音。ステップ48)。
【0096】
携帯端末Mは、楽曲Xのカラオケ演奏が終了するまで(ステップ49でYの場合)、ステップ45からステップ48の処理を繰り返し行う。
【0097】
録画処理部800は、録画した映像及び録音したカラオケ演奏音等を合成することにより、歌唱動画を生成する(歌唱動画を生成。ステップ50)。
【0098】
以上から明らかなように、本実施形態に係る携帯端末Mは、犬用リファレンスデータに基づいて、ある楽曲の演奏区間のうち、所定のタイミングを含む第1の演奏区間、及び所定のタイミングを含まない第2の演奏区間を特定する特定部700と、ある楽曲のカラオケ演奏中において、特定された第1の演奏区間では、第1のカメラで撮影された飼い犬の映像を録画し、特定された第2の演奏区間では第2のカメラで撮影された利用者の映像を録画する録画処理部800とを有する。
【0099】
このような携帯端末Mによれば、カラオケ演奏に合わせて吠える飼い犬の映像と利用者の映像(たとえば、カラオケ歌唱を行う利用者の映像)とが、カラオケ演奏に伴って順次切り替わる映像を得ることができる。よって、利用者は、飼い犬とより一体感を持ってバウカラコンテンツを楽しむことができる。
【0100】
なお、本実施形態の第1の評価部500は、集音手段15で集音された飼い犬の吠え声の音声データを解析する代わりに、アウトカメラ16bで飼い犬を撮影した映像に対応する映像データを解析して、吠える姿が撮影された撮影タイミングを検出してもよい。また、本実施形態において、利用者がカラオケ歌唱を行うことは必須ではない。たとえば、インカメラ16aは、カラオケ歌唱をせずに飼い犬の評価を行うコンテンツを楽しんでいる利用者を撮影してもよい。
【0101】
<その他>
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。上記の構成は、適宜組み合わせて実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
100 映像記憶部
200 生成部
300 演奏処理部
400 表示処理部
500 第1の評価部
600 第2の評価部
700 特定部
800 録画処理部
M 携帯端末