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特開2024-4235使用材料チェック装置、使用材料チェック方法、および、使用材料チェックプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024004235
(43)【公開日】2024-01-16
(54)【発明の名称】使用材料チェック装置、使用材料チェック方法、および、使用材料チェックプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/04 20120101AFI20240109BHJP
【FI】
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022103806
(22)【出願日】2022-06-28
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 裕次郎
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC04
(57)【要約】
【課題】加工指示時点で使用する材料の性能および顧客の要求仕様のチェックを行うことや、製品に使用できる材料を限定することで、使用材料の選択ミスを防止し、無駄な製造の削減および納期遵守率の向上に貢献し、SDGsにも寄与することができる使用材料チェック装置、使用材料チェック方法、および、使用材料チェックプログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】製品の向け先を設定した受注データを取得し、製品の加工指示が設定された際に、仕様マスタ、客先成分規格マスタ、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、在庫引当された材料の向け先の仕様に対する判定結果を取得する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた使用材料チェック装置であって、
前記記憶部は、
製品の仕様管理、向け先、および、前記製品を紐付けて設定した仕様マスタと、
前記製品の前記仕様管理、材料の材料成分の検査項目、前記材料成分の上限値、および、前記材料成分の下限値を紐付けて設定した客先成分規格マスタと、
前記材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
前記材料毎の前記材種、前記メーカー、前記材料成分の前記検査項目、および、前記材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶する材料成分記憶手段と、
を備え、
前記制御部は、
前記製品の前記向け先を設定した受注データを取得する受注取得手段と、
前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の仕様に対する判定結果を取得する材料チェック手段と、
を備えたことを特徴とする使用材料チェック装置。
【請求項2】
前記材料チェック手段は、
前記製品の前記加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、前記材料成分の前記実績値が、前記材料成分の下限値以上、且つ、前記材料成分の上限値以下である場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする請求項1に記載の使用材料チェック装置。
【請求項3】
前記材料チェック手段は、
前記製品および前記仕様管理を設定した前記加工指示が加工指示入力受入明細画面に設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の前記仕様に対する前記判定結果を取得することを特徴とする請求項1に記載の使用材料チェック装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
前記向け先、前記製品、前記材料の前記材種、および、前記メーカーを紐付けて設定した引当可能材種マスタ、
を更に備え、
前記在庫データは、
更に、前記材料毎の製造番号が紐付けて設定され、
前記材料チェック手段は、
更に、前記引当可能材種マスタ、前記在庫データ、および、前記受注データに基づいて、前記在庫データに前記メーカー、または、前記製造番号が不備無く設定されている場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする請求項2に記載の使用材料チェック装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
前記向け先、前記製品、前記材料の前記材種、および、前記メーカーを紐付けて設定した引当可能材種マスタ、
を更に備え、
前記材料チェック手段は、
更に、前記引当可能材種マスタ、前記仕様マスタ、前記在庫データ、および、前記受注データに基づいて、前記在庫データに設定された前記材種、および、前記メーカーが前記向け先の前記仕様を満たす場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする請求項2に記載の使用材料チェック装置。
【請求項6】
前記在庫データは、
更に、前記材料毎の製造番号が紐付けて設定され、
前記材料チェック手段は、
更に、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、前記在庫データに設定された前記材種、前記製造番号、および、前記メーカーが前記材料成分データに設定された前記材種、前記製造番号、および、前記メーカーに一致する場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする請求項2に記載の使用材料チェック装置。
【請求項7】
前記記憶部は、
前記材料成分の検査項目を設定した検査項目マスタ、
を更に備え、
前記制御部は、
前記メーカーのミルシートを設定した材料仕入データを取得する仕入取得手段と、
前記検査項目マスタ、および、前記材料仕入データに基づいて、前記材料成分データを取得する材料成分取得手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の使用材料チェック装置。
【請求項8】
前記製造番号は、
チャージ番号であることを特徴とする請求項4または6に記載の使用材料チェック装置。
【請求項9】
前記在庫データは、
更に、前記材料のロット番号が紐付けて設定され、
前記材料チェック手段は、
前記ロット番号を設定した前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記ロット番号の前記材料の前記向け先の前記仕様に対する前記判定結果を取得することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の使用材料チェック装置。
【請求項10】
記憶部と制御部とを備えた使用材料チェック装置に実行させるための使用材料チェック方法であって、
前記記憶部は、
製品の仕様管理、向け先、および、前記製品を紐付けて設定した仕様マスタと、
前記製品の前記仕様管理、材料の材料成分の検査項目、前記材料成分の上限値、および、前記材料成分の下限値を紐付けて設定した客先成分規格マスタと、
前記材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
前記材料毎の前記材種、前記メーカー、前記材料成分の前記検査項目、および、前記材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶する材料成分記憶手段と、
を備え、
前記制御部で実行させる、
前記製品の前記向け先を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、
前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の仕様に対する判定結果を取得する材料チェックステップと、
を含むことを特徴とする使用材料チェック方法。
【請求項11】
記憶部と制御部とを備えた使用材料チェック装置に実行させるための使用材料チェックプログラムであって、
前記記憶部は、
製品の仕様管理、向け先、および、前記製品を紐付けて設定した仕様マスタと、
前記製品の前記仕様管理、材料の材料成分の検査項目、前記材料成分の上限値、および、前記材料成分の下限値を紐付けて設定した客先成分規格マスタと、
前記材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、
前記材料毎の前記材種、前記メーカー、前記材料成分の前記検査項目、および、前記材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶する材料成分記憶手段と、
を備え、
前記制御部において、
前記製品の前記向け先を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、
前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の仕様に対する判定結果を取得する材料チェックステップと、
を実行させるための使用材料チェックプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用材料チェック装置、使用材料チェック方法、および、使用材料チェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、材料の入庫時に材料の幅・高さ・長さの成分が許容範囲内にある場合、材料を入庫するように入庫材料チェックを行う構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-293413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、加工指示時に製品に使用できる材料かをチェックすることができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、加工指示時点で使用する材料の性能および顧客の要求仕様のチェックを行うことや、製品に使用できる材料を限定することで、使用材料の選択ミスを防止し、無駄な製造の削減および納期遵守率の向上に貢献し、SDGsにも寄与することができる使用材料チェック装置、使用材料チェック方法、および、使用材料チェックプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る使用材料チェック装置は、記憶部と制御部とを備えた使用材料チェック装置であって、前記記憶部は、製品の仕様管理、向け先、および、前記製品を紐付けて設定した仕様マスタと、前記製品の前記仕様管理、材料の材料成分の検査項目、前記材料成分の上限値、および、前記材料成分の下限値を紐付けて設定した客先成分規格マスタと、前記材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、前記材料毎の前記材種、前記メーカー、前記材料成分の前記検査項目、および、前記材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶する材料成分記憶手段と、を備え、前記制御部は、前記製品の前記向け先を設定した受注データを取得する受注取得手段と、前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の仕様に対する判定結果を取得する材料チェック手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記材料チェック手段は、前記製品の前記加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、前記材料成分の前記実績値が、前記材料成分の下限値以上、且つ、前記材料成分の上限値以下である場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記材料チェック手段は、前記製品および前記仕様管理を設定した前記加工指示が加工指示入力受入明細画面に設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の前記仕様に対する前記判定結果を取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記記憶部は、前記向け先、前記製品、前記材料の前記材種、および、前記メーカーを紐付けて設定した引当可能材種マスタ、を更に備え、前記在庫データは、更に、前記材料毎の製造番号が紐付けて設定され、前記材料チェック手段は、更に、前記引当可能材種マスタ、前記在庫データ、および、前記受注データに基づいて、前記在庫データに前記メーカー、または、前記製造番号が不備無く設定されている場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記記憶部は、前記向け先、前記製品、前記材料の前記材種、および、前記メーカーを紐付けて設定した引当可能材種マスタ、を更に備え、前記材料チェック手段は、更に、前記引当可能材種マスタ、前記仕様マスタ、前記在庫データ、および、前記受注データに基づいて、前記在庫データに設定された前記材種、および、前記メーカーが前記向け先の前記仕様を満たす場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記在庫データは、更に、前記材料毎の製造番号が紐付けて設定され、前記材料チェック手段は、更に、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、前記在庫データに設定された前記材種、前記製造番号、および、前記メーカーが前記材料成分データに設定された前記材種、前記製造番号、および、前記メーカーに一致する場合、在庫引当された前記材料が前記向け先の前記仕様を満たすとの前記判定結果を取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記記憶部は、前記材料成分の検査項目を設定した検査項目マスタ、を更に備え、前記制御部は、前記メーカーのミルシートを設定した材料仕入データを取得する仕入取得手段と、前記検査項目マスタ、および、前記材料仕入データに基づいて、前記材料成分データを取得する材料成分取得手段と、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記製造番号は、チャージ番号であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る使用材料チェック装置において、前記在庫データは、更に、前記材料のロット番号が紐付けて設定され、前記材料チェック手段は、前記ロット番号を設定した前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記ロット番号の前記材料の前記向け先の前記仕様に対する前記判定結果を取得することを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る使用材料チェック方法は、記憶部と制御部とを備えた使用材料チェック装置に実行させるための使用材料チェック方法であって、前記記憶部は、製品の仕様管理、向け先、および、前記製品を紐付けて設定した仕様マスタと、前記製品の前記仕様管理、材料の材料成分の検査項目、前記材料成分の上限値、および、前記材料成分の下限値を紐付けて設定した客先成分規格マスタと、前記材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、前記材料毎の前記材種、前記メーカー、前記材料成分の前記検査項目、および、前記材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶する材料成分記憶手段と、を備え、前記制御部で実行させる、前記製品の前記向け先を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の仕様に対する判定結果を取得する材料チェックステップと、を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る使用材料チェックプログラムは、記憶部と制御部とを備えた使用材料チェック装置に実行させるための使用材料チェックプログラムであって、前記記憶部は、製品の仕様管理、向け先、および、前記製品を紐付けて設定した仕様マスタと、前記製品の前記仕様管理、材料の材料成分の検査項目、前記材料成分の上限値、および、前記材料成分の下限値を紐付けて設定した客先成分規格マスタと、前記材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶する在庫記憶手段と、前記材料毎の前記材種、前記メーカー、前記材料成分の前記検査項目、および、前記材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶する材料成分記憶手段と、を備え、前記制御部において、前記製品の前記向け先を設定した受注データを取得する受注取得ステップと、前記製品の加工指示が設定された際に、前記仕様マスタ、前記客先成分規格マスタ、前記在庫データ、前記材料成分データ、および、前記受注データに基づいて、在庫引当された前記材料の前記向け先の仕様に対する判定結果を取得する材料チェックステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、材料成分特性および機械特性の検査項目があるなかで、使用する材料を選択する加工指示段階で材料成分チェックを可能とすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、業務プロセスを構築することによってIATF16949認証取得を後押しすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、指定材料に対するチェックとして、引当材料の成分検査データを用いたチェックをすることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、材料成分チェックにロット検索等を付加することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、製品完成時でなく、使用する材料選択時点から顧客の要求仕様にあう材料かどうかを判断するため、歩留が向上し投入に対する付加価値である生産性が向上するという効果を奏する。また、本発明によれば、材料特性が強い、電磁鋼板事業等のCO2削減から求められている事業に活用することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、顧客要件に合わせて使用材料のチェックを行うことによって、加工の手戻りや手戻による納期遅延といった取引上のトラブル、作業部門の手間を防止することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、誤加工による材料のロスや完成品の廃棄によるコスト増の抑制ができ、ロスが減ることで地球環境の保護にもつながるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
図2図2は、本実施形態における使用材料チェック装置の構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、本実施形態におけるマスタの一例を示す図である。
図4図4は、本実施形態における使用材料チェック装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
図6図6は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
図7図7は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
図9図9は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
図10図10は、本実施形態における加工指示入力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0020】
[1.概要]
まず、図1を参照して、本発明の概要を説明する。図1は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
【0021】
鉄鋼業界等における品質不正問題への対応として、加工メーカーは、品質管理の徹底が求められている。
【0022】
ここで、従来から、材料の成分特性(例えば、Fe以外の成分値等)、および、加工製品の機械特性(例えば、引張り強さ、硬さ等)について、顧客要求仕様を満たしているかチェックしており、チェックタイミングとしては、利便性の観点から出荷時点で検査成績表(ミルシート)を用いてチェックを行っていた。そのため、従来は、材料起因で不合格になった場合、チェックタイミングの時期の関係で、再製造による納期遅延や製造ロスなどの問題が発生していた。また、従来は、完成品の出荷時に顧客要件と合致するかをチェックしていたため、誤出荷によるトラブルの防止には寄与するが、条件に合致する在庫を選択、または、製造する必要があった。
【0023】
そこで、本実施形態においては、判定対象が完成品を構成する材料である点、および、判定タイミングが加工指示時である点が従来とは異なり、加工指示時に使用する材料が、得意先が要求する成分性能仕様を満たしているかをチェックする仕組みを提供している。
【0024】
すなわち、本実施形態においては、検査項目を登録できる検査項目マスタが作成され、材料成分をチェックする/しないのチェック区分が商品(材料)毎に仕様マスタに設定され、材料の検査データを登録する材料成分入力機能、および、材料成分取込機能が作成され、得意先、向け先、商品、および、検査項目別に検査規格(上限値、下限値)を登録できる客先成分規格マスタが作成され、加工指示入力の払出明細で材料データが入力時および伝票登録時に、仕様マスタに保持している向け先(エンドユーザー)、商品および材料データより材料成分データや客先成分規格データを参照してチェックされる。
【0025】
例えば、図1に示すように、本実施形態においては、加工指示入力の払出明細で材料データを入力時または伝票登録時に材料の性質(成分データ)が顧客仕様を満たしているかのチェックが行われる。ここで、本実施形態においては、製品の仕様管理番号の仕様マスタが参照され、「試験成績表発行区分=0:不要」、または、「成分印字区分=0:不要」の場合、引当可能材種マスタに登録されている材種かどうかのチェックのみ行われてもよい。すなわち、本実施形態においては、「試験成績表発行区分=1:必要」、且つ、「成分印字区分=1:必要」の場合、(1)材料の登録に不備があるかどうか、(2)引当可能な材種かどうか、(3)材料成分入力がされてないかどうか、および、(4)引当した材料の成分検査データが客先成分規格マスタの規格値範囲外かどうか、(1)から順にチェックが行われ、1件でも「エラー条件」に当てはまる明細が存在した場合、エラーとされ、エラーとなった時点でエラーチェック終了となってもよい。
【0026】
[2.構成]
本実施形態に係る使用材料チェック装置100の構成の一例について、図2および図3を参照して説明する。図2は、本実施形態における使用材料チェック装置100の構成の一例を示すブロック図である。図3は、本実施形態におけるマスタの一例を示す図である。
【0027】
図2に示すように、使用材料チェック装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、使用材料チェック装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0028】
使用材料チェック装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。使用材料チェック装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0029】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、使用材料チェック装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、使用材料チェック装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0030】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0031】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、材料加工データベース106aと仕様マスタ106bと客先成分規格マスタ106cと引当可能材種マスタ106dと検査項目マスタ106eと材種マスタ106fと商品マスタ106gとメーカーマスタ106hと得意先マスタ106iと向け先マスタ106jと汎用名称マスタ106kとを備えている。
【0032】
材料加工データベース106aは、材料データ、および、加工データを記憶する。ここで、材料加工データベース106aは、材料毎の材種、および、メーカーを紐付けて設定した在庫データを記憶していてもよい。ここで、在庫データは、材料毎の製造番号、および/または、材料のロット番号が紐付けて設定されていてもよい。ここで、製造番号は、チャージ番号であってもよい。また、材料加工データベース106aは、材料毎の材種、メーカー、材料成分の検査項目、および、材料成分の実績値を紐付けて設定した材料成分データを記憶していてもよい。また、材料加工データベース106aは、受注データ、および/または、材料仕入データを記憶していてもよい。
【0033】
仕様マスタ106bは、製品の仕様を設定したマスタである。ここで、仕様マスタ106bは、製品の仕様管理、向け先、および、製品が紐付けて設定されていてもよい。
【0034】
客先成分規格マスタ106cは、客先製品の材料の材料成分の検査項目を設定したマスタである。ここで、客先成分規格マスタ106cは、製品の仕様管理、材料の材料成分の検査項目、材料成分の上限値、および、材料成分の下限値が紐付けて設定されていてもよい。
【0035】
引当可能材種マスタ106dは、製品に使用できる材料の材種、および、メーカーを設定したマスタである。ここで、引当可能材種マスタ106dは、向け先、製品、材料の材種、および、メーカーが紐付けて設定されていてもよい。
【0036】
ここで、図3に示すように、本実施形態における引当可能材種マスタ106dは、向け先コード、商品コード、行番号、材種コード、および、メーカーコードが紐付けて設定されている。
【0037】
図2に戻り、検査項目マスタ106eは、成分入力する検査項目を設定したマスタである。ここで、検査項目マスタ106eは、材料成分の検査項目が設定されていてもよい。
【0038】
ここで、図3に示すように、本実施形態における検査項目マスタ106eは、検査項目コード、検査項目名、および、小数桁数が紐付けて設定されている。
【0039】
図2に戻り、材種マスタ106fは、製品または材料の材種を設定したマスタである。
【0040】
ここで、図3に示すように、本実施形態における材種マスタ106fは、材種コード、および、材種名が紐付けて設定されている。
【0041】
図2に戻り、商品マスタ106gは、製品または材料である商品を設定したマスタである。
【0042】
ここで、図3に示すように、本実施形態における商品マスタ106gは、商品コード、商品名、資産分類、および、材種コードが紐付けて設定されている。
【0043】
図2に戻り、メーカーマスタ106hは、材料の購入先であるメーカーを設定したマスタである。
【0044】
ここで、図3に示すように、本実施形態におけるメーカーマスタ106hは、メーカーコード、および、メーカー名が紐付けて設定されている。
【0045】
図2に戻り、得意先マスタ106iは、得意先を設定したマスタである。
【0046】
ここで、図3に示すように、本実施形態における得意先マスタ106iは、得意先コード、および、得意先名が紐付けて設定されている。
【0047】
図2に戻り、向け先マスタ106jは、エンドユーザー等である向け先を設定したマスタである。
【0048】
ここで、図3に示すように、本実施形態における向け先マスタ106jは、向け先コード、および、向け先名が紐付けて設定されている。
【0049】
図2に戻り、汎用名称マスタ106kは、汎用的なコードまたは区分を設定したマスタである。
【0050】
ここで、図3に示すように、本実施形態における汎用名称マスタ106kは、種別コード、コード値、種別名、および、名称が紐付けて設定されている。
【0051】
図2に戻り、制御部102は、使用材料チェック装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、仕入取得部102aと材料成分取得部102bと受注取得部102cと材料チェック部102dとを備えている。
【0052】
仕入取得部102aは、仕入データを取得する。ここで、仕入取得部102aは、メーカーのミルシートを設定した材料仕入データを取得してもよい。
【0053】
材料成分取得部102bは、材料の材料成分データを取得する。ここで、材料成分取得部102bは、検査項目マスタ106e、および、材料仕入データに基づいて、材料の材料成分データを取得してもよい。また、材料成分取得部102bは、材料成分データを材料加工データベース106aに格納してもよい。
【0054】
受注取得部102cは、製品の受注データを取得する。ここで、受注取得部102cは、製品の向け先を設定した製品の受注データを取得してもよい。
【0055】
材料チェック部102dは、材料の向け先の仕様に対する判定結果を取得する。ここで、材料チェック部102dは、製品の加工指示が設定された際に、仕様マスタ106b、客先成分規格マスタ106c、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、在庫引当された材料の向け先の仕様に対する判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、製品の加工指示が設定された際に、仕様マスタ106b、客先成分規格マスタ106c、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、材料成分の実績値が、材料成分の下限値以上、且つ、材料成分の上限値以下である場合、在庫引当された材料が向け先の仕様を満たすとの判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、製品および仕様管理を設定した加工指示が加工指示入力受入明細画面に設定された際に、仕様マスタ106b、客先成分規格マスタ106c、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、在庫引当された材料の向け先の仕様に対する判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、引当可能材種マスタ106d、在庫データ、および、受注データに基づいて、在庫データにメーカー、または、製造番号が不備無く設定されている場合、在庫引当された材料が向け先の仕様を満たすとの判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、引当可能材種マスタ106d、仕様マスタ106b、在庫データ、および、受注データに基づいて、在庫データに設定された材種、および、メーカーが向け先の仕様を満たす場合、在庫引当された材料が向け先の仕様を満たすとの判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、在庫データに設定された材種、製造番号、および、メーカーが材料成分データに設定された材種、製造番号、および、メーカーに一致する場合、在庫引当された材料が向け先の仕様を満たすとの判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、材料のロット番号を設定した製品の加工指示が設定された際に、仕様マスタ106b、客先成分規格マスタ106c、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、在庫引当されたロット番号の材料の向け先の仕様に対する判定結果を取得してもよい。また、材料チェック部102dは、否定的な判定結果を取得した場合、エラーメッセージを出力させてもよい。
【0056】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、図4から図10を参照して説明する。
【0057】
[使用材料チェック処理]
ここで、図4を参照して、本実施形態における使用材料チェック処理の一例について説明する。図4は、本実施形態における使用材料チェック装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0058】
図4に示すように、仕入取得部102aは、メーカーのミルシートを設定した材料仕入データを取得する(ステップSA-1)。
【0059】
そして、材料成分取得部102bは、検査項目マスタ106e、および、材料仕入データに基づいて、材料の材料成分データを取得し、材料成分データを材料加工データベース106aに格納する(ステップSA-2)。
【0060】
そして、受注取得部102cは、製品の向け先を設定した製品の受注データを取得する(ステップSA-3)。
【0061】
そして、材料チェック部102dは、製品および仕様管理を設定した加工指示が加工指示入力受入明細画面に設定された際に、仕様マスタ106b、客先成分規格マスタ106c、在庫データ、材料成分データ、および、受注データに基づいて、在庫引当された材料の向け先の仕様に対する判定結果を取得し(ステップSA-4)、処理を終了する。
【0062】
ここで、図5から図9を参照して、本実施形態における使用材料チェック処理の一例について説明する。図5から図9は、本実施形態における使用材料チェック処理の一例を示す図である。
【0063】
本実施形態においては、材料データの登録漏れを防ぎ、正しくチェックするために、材料の必要データの登録に不備がある場合、エラーメッセージが通知される。例えば、図5に示すように、本実施形態においては、払出明細の商品コード、および、ロット番号より在庫データが参照され、メーカーコード、および、チャージ番号のいずれかがNULLの場合、「材料データが未登録の項目があります。材料購入部門に確認してください。」とのエラーメッセージが通知される。
【0064】
また、本実施形態においては、引当可能な材種ではない場合、エラーメッセージが通知される。すなわち、本実施形態においては、1)受入明細の仕様管理番号より仕様マスタ106bが参照し、仕様マスタ106b.向け先、および、仕様マスタ106b.商品コードが取得され、取得された仕様マスタ106b.向け先、および、仕様マスタ106b.商品コードより引当可能材種マスタ106dが参照され、材種コード、および、メーカーコードが取得される。そして、本実施形態においては、2)払出明細の商品コードより商品マスタ106gが参照され、材種コードが取得され、払出明細の商品コード、および、ロット番号より在庫データが参照され、メーカーコードが取得される(なお、メーカーコードがNULLの場合、汎用名称マスタ106k.種別=20096、および、コード値=1のコード名称がセットされてもよい)。そして、本実施形態においては、3)ステップ2)で取得された材種コード、および、メーカーコードが、ステップ1)で取得された材種コード、および、メーカーコードのどちらか片方でも合致しない場合、エラーとされる、「引当可能な材種ではありません。テクニカル部門に確認してください。」とのエラーメッセージが通知される(但し、ステップ1)にて取得されたメーカーが汎用名称マスタ106k.種別=20096、および、コード値=1のコード名称と一致する場合、材種コードのみでチェックされてもよい)。
【0065】
例えば、図6に示すように、本実施形態においては、1)製品の仕様データが向け先=MU0001、および、商品コード=SUS301製品について、向け先、および、商品コードが加工指示入力画面.仕様管理番号より仕様マスタ106bから取得され、材種および/またはメーカーが異なる材料の場合、エラーメッセージが通知され、2)製品の仕様データが向け先=MU9999、および、商品コード=SUS304製品について、向け先、および、商品コードが加工指示入力画面.仕様管理番号より仕様マスタから取得され、材種および/またはメーカーが異なる材料の場合、エラーメッセージが通知される。
【0066】
また、本実施形態においては、材料成分入力がされていない場合(例えば、払出明細の材種コード、チャージ番号、材料メーカー、および、加工指示日以前の適用開始日で材料成分データが参照され、1件も取得できない場合)、エラーメッセージが通知される。すなわち、本実施形態においては、1)払出明細の商品コードより商品マスタ106gが参照され、材種コードが取得され、払出明細の商品コード、および、ロット番号より在庫データが参照され、チャージ番号、および、メーカーコードが取得され、2)ステップ1)で取得された材種コード、チャージ番号、メーカーコード、および、画面.加工指示日(加工指示日>材料成分データ.適用開始日の直近データ)で材料成分データが参照され、1件も取得できない場合、「成分入力がされていません。品質管理部門に確認してください。」とのエラーメッセージが通知される。
【0067】
例えば、図7に示すように、本実施形態においては、加工指示日を2021/1/1とする払出明細に、材種、メーカーコードおよびチャージ番号が一致しない在庫データが選択された場合、エラーメッセージが通知される。
【0068】
また、本実施形態においては、引き当てられた材料の成分検査データが、客先成分規格マスタの規格値範囲外の場合、エラーメッセージが通知される。すなわち、本実施形態においては、1)受入明細の仕様管理番号より客先成分規格マスタ106cが参照され、検査項目コード、倍率、下限値、および、上限値が取得され、2)払出明細の商品コードより商品マスタ106gが参照され、材種コードが取得され、払出明細の商品コード、および、ロット番号より在庫データが参照され、チャージ番号、および、メーカーコードが取得され、3)ステップ2)で取得された材種コード、チャージ番号、メーカーコード、および、画面.加工指示日(加工指示日>材料成分データ.適用開始日の直近データ)より材料成分データが参照され、検査項目コード、倍率、および、実績値が取得され、4)客先成分規格ワーク(メインテーブル)と材料成分ワーク(サブテーブル)とが検査項目コードで紐付けられて、材料成分ワーク.検査項目コードがNULLの場合、「客先成分規格に対応する材料成分データがありません。テクニカル部門に確認してください。」とのエラーメッセージが通知される。また、本実施形態においては、5)客先成分規格ワーク(メインテーブル)と材料成分ワーク(サブテーブル)とが検査項目コードで紐付けられて、1件でも、A)客先成分規格ワーク.上限値/客先成分規格ワーク.倍率<材料成分ワーク.実績値/材料成分ワーク.倍率の場合、または、B)客先成分規格ワーク.下限値/客先成分規格ワーク.倍率>材料成分ワーク.実績値/材料成分ワーク.倍率の場合、「成分規格外の材料です。テクニカル部門に確認してください。」とのエラーメッセージが通知される。
【0069】
例えば、図8に示すように、本実施形態においては、加工指示日を2021/1/1とする払出明細に、(1)、(2)または(3)の在庫データが選択された場合、材料成分データおよび客先成分規格マスタ106cが特定される。ここで、材料成分データに設定された倍率は、検査項目によって小数点が大きくなるため、ミルシート上見やすくするように倍率を掛けて表現されている。そして、図9に示すように、本実施形態においては、1)仕様管理番号=SUS301製品-001、および、加工指示日=2021/5/1に、在庫データ(1)が引当られた場合、在庫の材種:SUS301、メーカー:MA0001、チャージ番号:C801、および、適用開始日=2021/5/1以前の直近の材料成分データの実績値(S実績値=8、P実績値=90)が取得され、仕様管理番号=SUS301製品-001で客先成分規格マスタ106cの規格値(0≦S規格値≦12、70≦P規格値≦89)が取得され、判定結果として、P実績値が上限値を超えている(90)ため、エラーとなり、在庫データ(2)が引当られた場合、在庫の材種:SUS309、メーカー:MA0002、チャージ番号:C802、および、適用開始日=2021/5/1以前の直近の材料成分データの実績値(該当データなし)が取得され、仕様管理番号=SUS301製品-001で客先成分規格マスタ106cの規格値(0≦S規格値≦12、70≦P規格値≦89)が取得され、材料成分データが存在しないため、エラーとなり、在庫データ(3)が引当られた場合、在庫の材種:SUS304、メーカー:MA0002、チャージ番号:C802、および、適用開始日=2021/5/1以前の直近の材料成分データの実績値(S実績値=7、P実績値=81)が取得され、仕様管理番号=SUS301製品-001で客先成分規格マスタ106cの規格値(0≦S規格値≦12、70≦P規格値≦89)が取得され、正常に引当される。また、本実施形態においては、仕様管理番号=SUS304製品-001、および、加工指示日=2021/5/1に、在庫データ(1)が引当られた場合、在庫の材種:SUS301、メーカー:MA0001、チャージ番号:C801、および、適用開始日=2021/5/1以前の直近の材料成分データの実績値(S実績値=8、P実績値=90)が取得され、仕様管理番号=SUS304製品-001で客先成分規格マスタ106cの規格値(0≦S規格値≦10、10≦P規格値≦120、17≦Pb規格値≦27)が取得され、Pbの材料成分データが存在しないため、エラーとなる。
【0070】
また、図10を参照して、本実施形態における加工指示入力画面の一例を説明する。図10は、本実施形態における加工指示入力画面の一例を示す図である。
【0071】
図10に示すように、本実施形態における加工指示入力画面においては、左上の項目から入力することにより加工指示が入力され、受入明細データとして引当された材料が入力され、商品およびロット番号入力時、および、伝票登録時にチェック処理が実行される。
【0072】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0073】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0074】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0075】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0076】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0077】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0078】
また、使用材料チェック装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0079】
例えば、使用材料チェック装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて使用材料チェック装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0080】
また、このコンピュータプログラムは、使用材料チェック装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0081】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0082】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0083】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0084】
また、使用材料チェック装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、使用材料チェック装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0085】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、電磁鋼板事業等の素材に特異性がでる事業を営む鉄鋼業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0087】
100 使用材料チェック装置
102 制御部
102a 仕入取得部
102b 材料成分取得部
102c 受注取得部
102d 材料チェック部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 材料加工データベース
106b 仕様マスタ
106c 客先成分規格マスタ
106d 引当可能材種マスタ
106e 検査項目マスタ
106f 材種マスタ
106g 商品マスタ
106h メーカーマスタ
106i 得意先マスタ
106j 向け先マスタ
106k 汎用名称マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10