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特開2024-42370植物生育用の温度調整システムおよび温度調整パネル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042370
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】植物生育用の温度調整システムおよび温度調整パネル
(51)【国際特許分類】
   A01G 31/00 20180101AFI20240321BHJP
   A01G 7/02 20060101ALI20240321BHJP
   A01G 9/02 20180101ALI20240321BHJP
【FI】
A01G31/00 612
A01G31/00 601A
A01G7/02
A01G9/02 103H
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147042
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100218132
【弁理士】
【氏名又は名称】近田 暢朗
(72)【発明者】
【氏名】上松 康二
(72)【発明者】
【氏名】杉本 明男
【テーマコード(参考)】
2B022
2B314
2B327
【Fターム(参考)】
2B022DA05
2B022DA11
2B022DA17
2B022EA01
2B314MA12
2B314NC44
2B314PD45
2B327QD02
2B327QD03
2B327RA06
2B327RA11
(57)【要約】
【課題】 より広い品種の植物の生育に寄与する温度調整システムを提供する。
【解決手段】 温度調整システム1が、培地3を受容する1列以上の長尺の栽培ベッド10A~Cと、その厚さ方向に互いに対向される一対の主壁31,32を有する温度調整パネル20A~Bとを備える。一対の主壁31,32は、環境温度よりも高温または低温の熱媒が通流する熱媒流路51を画定し、横断面において壁厚t20よりも長尺な輪郭を形成する。温度調整パネル20A~Bは、栽培ベッド10A~Cのベッド長手方向に沿って延び、一対の主壁31,32の少なくとも一方の外表面が、培地3または植物2に近接して配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地に植栽される植物の生育を補助するための温度調整システムであって、
前記培地を受容する1列以上の長尺の栽培ベッドと、
壁厚を有するパネル状に形成され、環境温度よりも高温または低温の熱媒が通流する熱媒流路をその内部に形成する温度調整パネルと、を備え、
前記温度調整パネルが、前記温度調整パネルの厚さ方向に互いに対向される一対の主壁を有し、前記一対の主壁は、横断面において、前記壁厚よりも長尺な輪郭を形成し、前記熱媒流路が、前記一対の主壁により画定され、
前記温度調整パネルが、前記栽培ベッドのベッド長手方向に沿って延び、前記一対の主壁の少なくとも一方の外表面が、前記培地または前記植物に近接して配置される、
植物生育用の温度調整システム。
【請求項2】
前記1列以上の栽培ベッドが、複数列の前記栽培ベッドを含み、
前記温度調整パネルが、複数列の前記栽培ベッドのうちベッド幅方向において互いに隣接する2列の間に配置され、または、1列の前記栽培ベッドが、前記ベッド幅方向において2つの前記温度調整パネルの間に配置され、
前記温度調整パネルの前記厚さ方向が、前記ベッド幅方向に向けられ、前記一対の主壁が、前記ベッド長手方向および鉛直方向に延びる、
請求項1に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項3】
前記一対の主壁の少なくとも一方の前記外表面が、光拡散性または光反射性を有する、
請求項2に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項4】
前記温度調整パネルが、前記栽培ベッドの底部を構成する、
請求項1に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項5】
前記温度調整パネルが、液状の前記培地を受容する受容部を有する、
請求項4に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項6】
前記温度調整パネルが、前記受容部の一端から上方に延長されて前記植物と近接する縦壁部を有する、
請求項5に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項7】
前記温度調整パネルが、前記熱媒流路とは独立して設けられ、二酸化炭素を含むガスを通流させるガス流路を有し、
前記一対の主壁の前記少なくとも一方の前記外表面に、前記ガス流路内のガスを前記植物に向けて噴出する噴出口が設けられている、
請求項1に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項8】
前記温度調整パネルは、互いに平行に延びる複数の前記熱媒流路を形成する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項9】
前記複数の熱媒流路が、前記一対の主壁の間で、前記主壁の前記横断面の前記輪郭に沿って並べられている、
請求項8に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項10】
前記複数の前記熱媒流路が、前記ベッド延在方向に延びる、
請求項8に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項11】
前記複数の前記熱媒流路が、前記熱媒を一方向に流通させる1以上の第1熱媒流路と、熱媒を前記一方向とは逆方向に流通させる1以上の第2熱媒流路とを含む、
請求項10に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項12】
前記第1熱媒流路と前記第2熱媒流路とが、前記一対の主壁の前記横断面に沿って交互に並べられている、
請求項11に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項13】
前記複数の前記熱媒流路が、前記ベッド延在方向と交差する方向に延びる、
請求項8に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項14】
前記温度調整パネルが、前記熱媒流路を構成する中空部を有し、押出材で成形された本体部を含む、
請求項1から7のいずれか1項に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項15】
前記温度調整パネルが、前記押出材の両端部それぞれにおいて前記中空部の開口を塞ぐ一対のヘッダを更に含み、
前記一対のヘッダに、前記熱媒を前記熱媒流路に流入させる流入口と、前記熱媒を前記熱媒流路から流出させる流出口とが設けられている、
請求項14に記載の植物生育用の温度調整システム。
【請求項16】
ベッド長手方向に延びる1列以上の栽培ベッドに受容された培地に植栽される植物の生育を補助するための温度調整パネルであって、
壁厚を有するパネル状に形成され、環境温度よりも高温または低温の熱媒が通流する熱媒流路をその内部に形成する本体部、を備え、
前記本体部が、前記栽培ベッドの底部を構成し、前記一対の主壁の一方の前記外表面が、前記栽培ベッドの内底面を成す、
植物生育用の温度調整パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物生育用の温度調整システムおよび温度調整パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および特許文献2は、熱媒が通流する通水管を有し、植物または培地の周辺の温度を調整する生育装置を開示している。例えば、イチゴのような植物の苗の根元が通水管の外表面上に這わせられており、それにより植物の生育促進が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-148020号公報
【特許文献2】特開2017-153471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記装置においては、温度を調整可能な領域が局所に限定されるため、生育を促進可能な植物の品種に限りがある。この点で上記装置には改良の余地がある。
【0005】
本発明は、より広い品種の植物の生育に寄与する温度調整システムおよび温度調整パネルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、培地に植栽される植物の生育を補助するための温度調整システムであって、前記培地を受容する1列以上の長尺の栽培ベッドと、壁厚を有するパネル状に形成され、環境温度よりも高温または低温の熱媒が通流する熱媒流路をその内部に形成する温度調整パネルと、を備え、前記温度調整パネルが、前記温度調整パネルの厚さ方向に互いに対向される一対の主壁を有し、前記一対の主壁は、横断面において、前記壁厚よりも長尺な輪郭を形成し、前記温度調整パネルが、前記栽培ベッドのベッド長手方向に沿って延び、前記一対の主壁の少なくとも一方の外表面が、前記培地または前記植物に近接して配置される、植物生育用の温度調整システムを提供する。
【0007】
上記の構成によれば、温度調整パネルが、熱媒が通流する熱媒流路を画定する一対の主壁を有する。一対の主壁は、横断面(すなわち、長手方向に直交する断面)において壁厚よりも長尺な輪郭を形成し、そのため、比較的に広い面積の外表面を有する。外表面は、熱媒との間の固体伝熱により熱媒とほぼ同等の温度を有する。その外表面が、培地または植物に近接して配置される。これにより、培地および植物の周辺における広い領域で、温度を調整可能になる。苗の根元のような局所で温度が限定的に調整されるシステムと対比して、より広い品種の植物の生育に適用可能となる。
【0008】
前記1列以上の栽培ベッドが、複数列の前記栽培ベッドを含み、前記温度調整パネルが、前記複数列の前記栽培ベッドのうちベッド幅方向において互いに隣接する2列の間に配置され、または、1列の前記栽培ベッドが、前記ベッド幅方向において2つの前記温度調整パネルの間に配置され、前記温度調整パネルの前記厚さ方向が、前記ベッド幅方向に向けられ、前記一対の主壁が、前記ベッド長手方向および鉛直方向に延びてもよい。
【0009】
これにより、栽培ベッド内の培地の周辺の広い領域で温度が調整される。広い品種の植物の生育を補助できる。
【0010】
前記一対の主壁の少なくとも一方の前記外表面が、光拡散性または光反射性を有してもよい。
【0011】
これにより、温度調整パネルで拡散または反射された光で植物を照射でき、光合成が促進される。また、光を忌避する害虫を植物および培地から遠ざけることができる。
【0012】
前記温度調整パネルが、前記栽培ベッドの底部を構成してもよい。
【0013】
これにより、培地の温度を調整しやすい。広い品種の植物の生育を補助できる。
【0014】
前記温度調整パネルが、液状の前記培地を受容する受容部を有してもよい。
【0015】
これにより、液状の培地の温度を調整できる。
【0016】
前記温度調整パネルが、前記受容部の一端から上方に延長されて前記植物と近接する縦壁部を有してもよい。
【0017】
これにより、液状の培地の温度を受容部で調整できるとともに、培地から上方へ延びる植物の周囲における温度を縦壁部で調整できる。
【0018】
前記温度調整パネルが、前記熱媒流路とは独立して設けられ、二酸化炭素を含むガスを通流させるガス流路を有し、前記一対の主壁の前記少なくとも一方の前記外表面に、前記ガス流路内のガスを前記植物に向けて噴出する噴出口が設けられていてもよい。
【0019】
これにより、植物の光合成を促進できる。
【0020】
前記温度調整パネルは、互いに平行に延びる複数の前記熱媒流路を形成してもよい。
【0021】
これにより、広い範囲で温度を調整しやすくなる。
【0022】
前記複数の熱媒流路が、前記一対の主壁の間で、前記主壁の前記横断面の前記輪郭に沿って並べられていてもよい。
【0023】
これにより、なるべく壁厚を薄くして一対の主壁の外表面の面積を広くすることができる。
【0024】
前記複数の前記熱媒流路が、前記ベッド延在方向に延びてもよい。
【0025】
これにより、培地の広い範囲にわたって温度を調整できる。
【0026】
前記複数の前記熱媒流路が、前記熱媒を一方向に流通させる1以上の第1熱媒流路と、熱媒を前記一方向とは逆方向に流通させる1以上の第2熱媒流路とを含んでもよい。
【0027】
これにより、ベッド長手方向において温度を均質に調整しやすくなる。
【0028】
前記第1熱媒流路と前記第2熱媒流路とが、前記一対の主壁の前記横断面に沿って交互に並べられていてもよい。
【0029】
これにより、熱媒流路が並べられる方向において、温度を均質に調整しやすくなる。
【0030】
前記複数の前記熱媒流路が、前記ベッド延在方向と交差する方向に延びてもよい。
【0031】
これにより、ベッド長手方向において温度を均質に調整しやすくなる。
【0032】
前記温度調整パネルが、前記熱媒流路を構成する中空部を有し、押出材で成形された本体部を含んでもよい。
【0033】
これにより、温度調整パネルを簡便に提供できる。
【0034】
前記温度調整パネルが、前記押出材の両端部それぞれにおいて前記中空部の開口を塞ぐ一対のヘッダを更に含み、前記一対のヘッダに、前記熱媒を前記熱媒流路に流入させる流入口と、前記熱媒を前記熱媒流路から流出させる流出口とが設けられていてもよい。
【0035】
これにより、押出材を用いて密閉された熱媒流路を有する温度調整パネルを簡便に提供できる。
【0036】
本発明の一形態は、ベッド長手方向に延びる1列以上の栽培ベッドに受容された培地に植栽される植物の生育を補助するための温度調整パネルであって、壁厚を有するパネル状に形成され、環境温度よりも高温または低温の熱媒が通流する熱媒流路をその内部に形成する本体部、を備え、前記本体部が、前記栽培ベッドの底部を構成し、前記一対の主壁の一方の前記外表面が、前記栽培ベッドの内底面を成す、植物生育用の温度調整パネルを提供する。
【0037】
これにより、培地の温度を調整しやすく、広い品種の植物の生育を補助できる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、より広い品種の植物の生育に寄与する温度調整システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明の第1実施形態に係る温度調整システムが適用された農業ハウスの斜視図。
図2】第1実施形態に係る温度調整パネルの斜視図。
図3】第1実施形態に係る温度調整パネルの分解斜視図。
図4】第1実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図5】第1実施形態に係る温度調整パネルの縦断面図。
図6】第1実施形態に係る温度調整システムにおける熱媒の流れを示す系統図。
図7A】本発明の第2実施形態に係る温度調整パネルの分解斜視図。
図7B】第2実施形態に係る温度調整パネルの縦断面図。
図7C】第2実施形態に係る温度調整システムにおける熱媒の流れを示す系統図。
図8A】第3実施形態に係る温度調整パネルの分解斜視図。
図8B】第3実施形態に係る温度調整パネルの縦断面図。
図8C】第3実施形態に係る温度調整システムにおける熱媒の流れを示す系統図。
図9】第4実施形態に係る温度調整システムにおける熱媒の流れを示す系統図。
図10】第5実施形態に係る温度調整システムにおける熱媒の流れを示す系統図。
図11A】第6実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図11B】第7実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図11C】第8実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図12A】第9実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図12B】第10実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図13A】第11実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図13B】第12実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図14A】第13実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図14B】第14実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図15A】第15実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図15B】第16実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図16A】第17実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図16B】第18実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図17A】第19実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
図17B】第20実施形態に係る温度調整パネルおよび栽培ベッドの横断面図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0041】
(第1実施形態)
図1を参照して、第1実施形態に係る温度調整システム1は、植物2の生育を補助するために利用される。植物2は、好ましくは、作物(飼料作物、園芸作物、および工芸作物等の農作物)である。温度調整システム1は、植物2およびこれが植栽された培地3の周辺温度を調整する。温度は、閉鎖環境においてより効果的に調整可能であり、温度調整システム1は、農業ハウス100のような閉鎖環境に好適に適用される。植物2も、ハウス栽培に適していれば好適であり、この点で、一般作物および園芸作物は、農作物のなかでも好適例である。一般作物は、麦類、稲類、イモ類、および豆類を含む。園芸作物は、野菜、果樹および花卉を含む。培地3は、植物2の生育媒体である。培地3は、栽培される植物2との相性を考慮して、土壌、ロックウール、および培養液などから適宜選択される。
【0042】
農業ハウス100は、略水平な長方形状の敷地に建設される。農業ハウス100は、鋼材あるいはアルミ押出材で成形される躯体101を有する。躯体101の全体が、光透過性を有する材料(例えば、ポリ塩化ビニル)で成形された外皮(図示せず)で覆われる。それにより、農業ハウス100の内部は、風雨から防護される。
【0043】
躯体101は、敷地の四隅およびその中間に立設された柱102、柱102の上端部に横架された一対の桁103、桁102間に横架された複数の梁104、および桁103および梁104上に設けられた小屋組105を含む。屋根の形状は、特に限定されず、例えば切妻形あるいはアーチ形である。敷地の長辺および桁103は、南北に向けられ、敷地の短辺および梁104は、東西に向けられている。以下、桁103が延びる方向を「桁方向」、梁104が延びる方向を「梁方向」と称する。
【0044】
温度調整システム1は、複数列の栽培ベッド10A,10B,10C、および1以上の温度調整パネル20A,20Bを備えている。栽培ベッド10A,10B,10Cおよび温度調整パネル20A,20Bは、農業ハウス100内に設置される。栽培ベッド10A,10B,10Cの列数は3に限定されず、1列でもよいし、3以外の複数列でもよい。
【0045】
各栽培ベッド10A,10B,10Cは、平面視において細長の長方形状である。以下、栽培ベッド10A,10B,10Cの長手方向を「ベッド長手方向」、ベッド長手方向に直交する方向を「ベッド幅方向」と称する。
【0046】
各栽培ベッド10A,10B,10Cは、培地3を受容する。本実施形態では、培地3が土壌である。各栽培ベッド10A,10B,10Cにおいて、複数の植物2が、ベッド長手方向に間隔をおいて培地3に植栽される。
【0047】
栽培ベッド10Aは、要求される培地3を受容可能であれば、どのような構造を有していてもよい。図4も参照して、一例として、栽培ベッド10Aは、容器体11を備える。容器体11は、底壁12、および底壁12の周縁から立設される周壁13を有し、底壁12および周壁13が、培地3を受容する受容部14を形成する。受容部14は、上方に開放されている。栽培ベッド10Aは、底壁12から下向きに延びる脚部19を介して農業ハウス100の敷地上に支持される。培地3は、上方から受容部14内に受容される。栽培ベッド10Aの材質は、特に限定されない。その他の栽培ベッド10B,10Cについても、これと同様である。
【0048】
各栽培ベッド10A,10B、10Cは、ベッド長手方向を桁方向に向けた姿勢で、農業ハウス100内に設置される。複数列の栽培ベッド10A,10B、10Cは、互いに平行に延び、梁方向あるいはベッド幅方向において間隔をおいて並べられる。
【0049】
図1および図2を参照して、温度調整パネル20A,20Bは、壁厚t20(図4を参照)を有するパネル状である。本実施形態では、温度調整パネル20A,20Bが、平坦な矩形パネル状であり、栽培ベッド10A,10B,10Cから独立している。
【0050】
この場合において、温度調整パネル20A,20Bは、複数列の栽培ベッド10A,10B、10Cのうちベッド幅方向において互いに隣接する2列の間に配置される。温度調整パネル20Aは、栽培ベッド10A,10Bの間に配置され、温度調整パネル20Bは、栽培ベッド10B,10Cの間に配置される。換言すれば、中央の栽培ベッド10Bは、ベッド幅方向において2つの温度調整パネル20A,20Bの間に配置される。
【0051】
温度調整パネル20A,20Bの厚さ方向は、ベッド幅方向(梁方向)に向けられる。温度調整パネル20A,20Bのパネル長手方向は、ベッド長手方向(桁方向)に向けられる。温度調整パネル20A,20Bのパネル幅方向は、鉛直方向に向けられる。
【0052】
図2図5を参照して、温度調整パネル20Aの構造を説明する。温度調整パネル20A,20Bは互いに同一の構造を有するため、温度調整パネル20Bの説明は省略する。
【0053】
図2および図3に示すように、温度調整パネル20Aは、本体部25、および一対のヘッダ26,27(第1ヘッダ26および第2ヘッダ27)を有する。
【0054】
本体部25は、金属材料の押出材であり、パネル長手方向が押出方向である。金属材料は、押出成形に利用可能であればどのようなものでもよく、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、および銅合金などを例示できる。本実施形態では、本体部25は、アルミニウム合金製である。
【0055】
本体部25は、一対の主壁31,32、一対の端壁33,34、および複数の隔壁35を有する。主壁31,32は、温度調整パネル20A,20Bの厚さ方向において互いに対向される。各主壁31,32は、側面視で長方形状であり、パネル長手方向と、パネル長手方向および厚さ方向に直交するパネル幅方向とに延びる。なお、壁厚t20は、一対の主壁31,32の外表面同士の間隔である。
【0056】
端壁33,34は、パネル長手方向および厚さ方向に延びる。端壁33は、パネル幅方向において一対の主壁31,32の一端部同士を接続し、端壁34は、一対の主壁31,32の他端部同士を接続する。本体部25は、主壁31,32および端壁33,34で囲まれた中空部36を形成する。中空部36は、パネル長手方向において本体部25の両端部で開口する。
【0057】
複数の隔壁35は、パネル幅方向に互いに間隔をおいて中空部36内に配置され、パネル長手方向に互いに平行に延びる。各隔壁35は、厚さ方向の一端部にて主壁31の内表面に接合され、厚さ方向の他端部にて主壁32の内表面に接合される。複数の隔壁35は、中空部36をパネル幅方向に並ぶ複数の長孔36a~36gに仕切る。すなわち、本体部25は、多室構造を有する押出材で構成される。各長孔36a~36gは、一対の主壁31,32の内表面と、一対の端壁33,34および複数の隔壁35のうち隣り合う2つの内表面とによって画定される。長孔36a~36gの個数は隔壁35の個数よりも1多い。本例では、長孔36a~36gの個数が7であるが、適宜変更可能である。
【0058】
図4に示すように、主壁31,32は、横断面(パネル長手方向に直交する断面)において、壁厚t20よりも長尺な輪郭を形成している。本実施形態では、主壁31,32が平板状であり、本体部25は、平坦な矩形パネル状である。横断面において、主壁31,32の輪郭は、直線状である。主壁31,32の板厚を考慮に入れてより厳密に二次元的に表現すれば、輪郭は、細長の長方形状である。壁厚t20と比較される輪郭の長さとは、輪郭の全長として定義されてもよく、パネル幅方向における輪郭の一端から他端までの距離として定義されてもよい。本実施形態では、輪郭が厚さ方向に直交する方向に延びる直線状であるから、どちらの定義でも同じである。
【0059】
このように、主壁31,32の輪郭は壁厚t20よりも長尺である。すなわち、主壁31,32ひいては温度調整パネル20Aは、パネル幅方向において厚さ方向に対して長尺であり、温度調整パネル20Aは、円管状あるいは角管状というよりむしろ、壁状あるいはパネル状である。本体部25の横断面のアスペクト比は、1から大きく異なる値である。なお、主壁31,32のパネル長手方向における長さは、主壁31,32の横断面における輪郭の長さよりも長い。
【0060】
図3および図5に示すように、第1ヘッダ26は、本体部25のパネル長手方向の一端部に装着され、中空部36の一端側の開口を塞ぐ。第2ヘッダ27は、本体部25のパネル長手方向の他端部に装着され、中空部36の他端側の開口を塞ぐ。
【0061】
第1ヘッダ26は、蓋板41、蓋板41の周縁部から立設された周壁42、および蓋板41と周壁42とで囲まれた窪み43を有し、窪み43は、蓋板41と反対側で開放される。窪み43の断面(周壁42の内周面の断面)は、本体部25の外周面の断面と同じ形状(本実施形態では、長方形状)を有する。第1ヘッダ26は、本体部25の一端部に外嵌され、本体部25に液密に接合される。本体部25に装着された状態において、蓋板41の内面が、本体部25の一端部の矩形窓枠状の端面と面接触される。第2ヘッダ27も、第1ヘッダ26と同様に構成されるとともに、第1ヘッダ26と同様にして本体部25のパネル長手方向の他端部に装着される。
【0062】
本実施形態では、隔壁35の全てに関し、パネル長手方向の一端部が、蓋板41と面接触される本体部25の一端部の上記端面に対し、本体部25の内方へオフセットされている。そのため、全ての長孔36a~36gは、一端側において本体部25の内部で開口する。長孔36a~36gは、本体部25の開口と長孔36a~36gとの間において本体部25内でパネル幅方向に延びる連通部37を介し、互いに連通されている。パネル長手方向の他端部においても、これと同様である。
【0063】
温度調整パネル20Aは、その内部に、環境温度よりも高温または低温の熱媒が通流する熱媒流路51を形成する。なお、環境温度とは、植物2が配置されている環境の温度である。本実施形態では、一例として、環境温度は、農業ハウス100内において栽培ベッド10A,10B,10Cから桁方向に所定距離離れた箇所、すなわち、温度調整パネル20A,20Bによって温調可能な領域から十分に離れた箇所における温度である。熱媒は、熱交換を可能にすればどのようなものであってもよく、例えば、水でもよいし、エチレングリコールを主成分とした不凍液でもよい。
【0064】
温度調整パネル20Aは、熱媒を熱媒流路51に流入させるための流入口52と、熱媒を熱媒流路から流出させるための流出口53とを有する。本実施形態では、単一の流入口52が、第1ヘッダ26の蓋板41に設けられ、単一の流出口53が、第2ヘッダ27の蓋板41に設けられている。流入口52および流出口53は、パネル幅方向において互いに反対側の端部に配置されている。本実施形態では、パネル幅方向は農業ハウス100内で鉛直方向に向けられる。流入口52が下側、流出口53が上側となる姿勢で、温度調整パネル20Aは農業ハウス100に設置される。流入口52および流出口53には、熱媒が流れるホース(不図示)を接続するためのニップルが固定されている。
【0065】
熱媒は、流入口52を介して一端側の連通部37に流入し、更に、連通部37から複数の長孔36a~36gへと流入する。熱媒は、長孔36a~36gから他端側の連通部37に流入し、更に、流出口53を介して温度調整パネル20Aから流出する。
【0066】
このように、熱媒流路51は、一端側の連通部37、複数の長孔36a~36g、および他端側の連通部37によって構成される。複数の長孔36a~36gは、温度調整パネル20A内でパネル長手方向に延びる複数の個別熱媒流路51aを構成する。一端側の連通部37は、複数の個別熱媒流路51aそれぞれに熱媒を分配する分配流路51bとして機能する。他端側の連通部37は、複数の個別熱媒流路51aそれぞれから熱媒を回収する回収流路51cとして機能する。
【0067】
本実施形態では、全ての長孔36a~36gが、個別熱媒流路51aを構成する。また、全ての長孔36a~36gにおいて、熱媒が、パネル長手方向において一方側から他方側へと同じ方向に流れる。
【0068】
図6を参照して、温度調整システム100は、熱媒温度管理部60を備える。熱媒温度管理部60は、タンク61、ポンプ62、加熱器63、冷却器64、および制御器80を含む。タンク61は、熱媒を貯留する。タンク61の出口は、ポンプ62の吸込み口と接続されている。ポンプ62は、タンク61内の熱媒をその吐出口より圧送する。タンク61およびポンプ62は、農業ハウス100内に配置されていてもよく、その外に配置されていてもよい。
【0069】
ポンプ62の吐出口は、加熱ライン71を介し、タンク61の入口に接続される。加熱器63は、加熱ライン71上に設けられる。加熱器63は、一例として、農業ハウス100の梁104上に取り付けられた太陽光パネルであり、太陽熱で加熱ライン71を流れる熱媒が加熱される。
【0070】
ポンプ62の吐出口は、供給ライン72を介し、温度調整パネル20A,20Bの流入口52に並列接続される。温度調整パネル20A,20Bの流出口53は、返戻ライン73を介し、タンク61の入口に並列接続される。
【0071】
返戻ライン73には、その迂回路として冷却ライン74が設けられている。冷却器64は、冷却ライン74上に設けられる。冷却器64は、一例として、農業ハウス100の敷地あるいはその隣接地の地中(例えば、深度20m)に埋め込まれた熱交換器である。
【0072】
本実施形態では、ポンプ62の吐出口が第1三方弁65aの入口に接続され、ポンプ62から第1三方弁65aまでのラインは、加熱ライン71と供給ライン72とを兼ねている。加熱ライン71は、第1三方弁65aから供給ライン72と別れて加熱器63へ延び、供給ライン72は、第1三方弁65aから供給ライン72と別れて温度調整パネル20A,20Bへ延びる。第1三方弁65aは、吐出口を加熱ライン71と連通させる加熱状態と、吐出口を供給ライン72と連通させる供給状態との間で切り換えられる。
【0073】
返戻ライン73には、第2三方弁65bが設けられている。冷却ライン74は、第2三方弁65bから延び、返戻ライン73のうち第2三方弁65bよりも下流部分で終端する。第2三方弁65bは、温度調整パネル20A,20Bの流出口53を冷却器64を介さずにタンク61の入口に接続する直結状態と、流出口53を冷却器64を介してタンク61の入口に接続する冷却状態との間で切り換えられる。冷却ライン74および返戻ライン73にはそれぞれ合流点手前に逆止弁66a,66bが設けられており、冷却ライン74からの熱媒が返戻ライン73を逆流したり、返戻ライン73からの熱媒が冷却ライン74を逆流したりすることはない。
【0074】
加熱ライン71の下流端部と返戻ライン73の下流端部とは、互いに合流され、タンク61の入口に接続される1本の共通ライン75を構成する。加熱ライン71および返戻ライン73にはそれぞれ合流点手前に逆止弁66c,66dが設けられており、熱媒が、加熱ライン71から返戻ライン73に向けて、あるいはその逆向きに流れることはない。
【0075】
第1三方弁65aおよび第2三方弁65bは、電磁弁である。制御器80は、環境温度や時刻といった制御に必要な情報に基づき、第1三方弁65aおよび第2三方弁65bの状態を切り換える。これにより、熱媒の流れおよび温度の管理が自動化される。制御器80は、農業ハウス100内に設置された操作盤(図示せず)に設けられる。
【0076】
単なる一例として、冬季の日中には、制御器80が、第1三方弁65aを加熱状態に切り換える。第2三方弁65bの状態は特に限定されない。タンク61内の熱媒が、加熱ライン71を通流してタンク61に戻る。その過程で、熱媒は、加熱器63において太陽熱で加熱される。冬季の夜間には、日中に昇温された熱媒がタンク61内に貯留されている。制御器80は、第1三方弁65aを供給状態に切り換えて第2三方弁65bを直結状態に切り換える。タンク61内の熱媒が、供給ライン72を介して温度調整パネル20A,20Bに供給され、温度調整パネル20A,20B内の熱媒流路51を通流し、返戻ライン73を介して冷却器64を通過することなくタンク61に戻る。
【0077】
夏季には昼夜問わず、制御器80は、第1三方弁65aを供給状態に切り換えて第2三方弁65bを冷却状態に切り換える。タンク61内の熱媒は、供給ライン72を介して温度調整パネル20A,20Bに供給され、温度調整パネル20A,20B内の熱媒流路51を通流し、返戻ライン73を通流する。その過程で、熱媒は、冷却ライン74を通流して冷却器64で冷却され、冷却後の熱媒がタンク61に戻される。
【0078】
図4に戻り、冬季夜間に高温の熱媒が温度調整パネル20A,20Bに供給される場合において、熱媒は、各温度調整パネル20A,20B内へと下から流入され、上から流出される。このように流入口52および流出口53が配置されると、熱媒が複数の個別熱媒流路51aそれぞれに満遍なく供給される。熱媒流路51内で空気が溜ることを抑制でき、温度調整パネル20A,20Bにより温度を効果的に調整することができる。
【0079】
熱媒は、パネル長手方向すなわちベッド長手方向に沿って熱媒流路51を通流する。温度調整パネル20A,20Bの一対の主壁31,32の外表面は、栽培ベッド3およびそこから上方へ延びる植物2と、パネル幅方向あるいはベッド幅方向において近接して対向される。一対の主壁31,32は、熱媒からの熱伝導で温められ、それにより外表面の周辺領域が温められる。培地3および植物2は、当該周辺領域、すなわち温度調整パネル20A,20Bによって温調可能な範囲内に存在する。図4に示される横断面において、一対の主壁31,32の外表面の輪郭は壁厚t20よりも長尺であり、この輪郭は、温度調整パネル20A,20Bの設置状態において鉛直方向に延びている。温調可能な範囲は、通水管と対比して、鉛直方向に拡大されており、植物2および培地3の周囲がより広い範囲にわたって適温に保たれる。夏季に植物2および培地3の周辺の過度な温度上昇を抑える場合においても同様である。これにより、より広い品種の植物2の生育の促進を補助できる。
【0080】
温度調整パネル20A,20Bの外表面は、光拡散性あるいは光反射性を有する。光拡散性あるいは光反射性を得るために、一例として、外表面は、白色塗装されてもよく、無塗装で無垢のままとされてもよい。外表面は、農業ハウス100の外皮を透過した太陽光を拡散または反射し、拡散光または反射光は植物2または培地3に照射される。これにより、光を忌避する害虫を植物2および培地3から遠ざけることができ、植物2の生育が促進される。また、光が植物2に向けられることで、植物2の光合成の促進が図られる。
【0081】
(第2実施形態)
次に、図7A~Cを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態においても、温度調整パネル20A,20Bは互いに同一の構造を有するため、温度調整パネル20Bの説明は省略する。
【0082】
7つの長孔36a~36gのうち1つの長孔36dが、二酸化炭素を含むガスを通流させるガス流路56を構成する。残余の長孔36a~36c,36e~36gは、個別熱媒流路51aを構成している。長孔36dは、7つの長孔36a~36gのなかで中央に配置されている。
【0083】
長孔36dを画定する2つの隔壁35C,35Dに関し、パネル長手方向の一端部が、蓋板41と面接触される本体部25の一端部の端面と、面一である。その他の隔壁35に関しては、第1実施形態と同様である。長孔36a~36cは、本体部25の開口と長孔36a~36cとの間において本体部25内でパネル幅方向に延びる一方側連通部37aを介し、互いに連通される。長孔36e~36gは、本体部25の開口と長孔36e~36gとの間において本体部25内でパネル幅方向に延びる他方側連通部37bを介し、互いに連通される。パネル長手方向の他端部においても、これと同様である。
【0084】
長孔36dを画定する2つの隔壁35C,35Dに関し、パネル長手方向の一端部が、蓋板41と面接触される本体部25の一端部の端面と、面一である。その他の隔壁35に関しては、第1実施形態と同様である。長孔36a~36cは、本体部25の開口と長孔36a~36cとの間において本体部25内でパネル幅方向に延びる一方側連通部37aを介し、互いに連通される。長孔36e~36gは、本体部25の開口と長孔36e~36gとの間において本体部25内でパネル幅方向に延びる他方側連通部37bを介し、互いに連通される。パネル長手方向の他端部においても、これと同様である。
【0085】
一対の主壁31,32には、長孔36d、すなわちガス流路56を外部に連通させる複数の噴出口38が設けられている(主壁31の噴出口38は図7Aを参照、主壁32の噴出口38は図7Bを参照)。複数の噴出口38は、互いに間隔をあけてガス流路56の延在方向、すなわちパネル長手方向に並べられている。
【0086】
第1ヘッダ26には、2つの流入口52a,52bと、1つのガス流入口56とが設けられる。第2ヘッダ27には、2つの流出口53a,53bが設けられる。一対のヘッダ26,27が本体部25に装着されると、隔壁35C,35Dが蓋板41の内面に突き当てられる。これにより、中央の長孔36dは、ガス流入口57および噴出口38とは連通する一方で、他の長孔36a~36c,36e~36gや、流入口52a,52bおよび流出口53a,53bからは隔絶される。
【0087】
第1流入口52aは、第1ヘッダ26の一方側連通部37a、3つの長孔36a~36c、および第2ヘッダ27の一方側連通部37aを介し、第1流出口53aと連通される。第2流入口52bは、第1ヘッダ26の一方側連通部37b、3つの長孔36e~36g、および第2ヘッダ27の一方側連通部37bを介し、第2流出口53bと連通される。第1ヘッダ26の連通部37a,37bは分配流路51bを構成し、長孔36a~36c,36d~36eは個別熱媒流路51aを構成し、第2ヘッダ27の連通部37a,37bは回収流路51cを構成する。第1流入口51aは、第1流出口51bに対して下側に配置され、第2流入口51bは、第2流出口52bに対して下側に配置される。個別熱媒流路51aにおいては、熱媒が同じ向きに流れる。これにより、第1実施形態と同様に、植物2および培地3の周囲を広い範囲にわたって適温に保つことができる。
【0088】
ガス流入口56は、ガス供給ライン82を介し、ガス供給源81に接続されている。ガス供給源82は、二酸化炭素を含む高圧ガスを貯留したタンクでもよいし、空気を圧送するポンプもしくはコンプレッサでもよい。二酸化炭素を含むガスは、ガス供給ライン82およびガス流入口56を介して温度調整パネル20A,20Bのガス流路56内に導入される。導入されたガスは、複数の噴出口38より植物2に向けて噴出される。これにより、植物2の光合成の促進が図られる。
【0089】
(第3実施形態)
次に、図8A~Cを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態においても、温度調整パネル20A,20Bは互いに同一の構造を有するため、温度調整パネル20Bの説明は省略する。
【0090】
本実施形態においては、全ての隔壁35に関し、パネル長手方向の一端部が、蓋板41と面接触される本体部25の一端部の端面と、面一である。そのため、本体部25には、第1実施形態における連通部37(図3および図5を参照)や、第2実施形態における一方側連通部37aおよび他方側連通部37b(図7Aおよび図7Bを参照)に相当する部位が存在しない。パネル長手方向の他端部においても、これと同様である。
【0091】
一対のヘッダ26,27が本体部25に装着されると、全ての隔壁35が蓋板41の内面に突き当てられる。これにより、7つの長孔36a~36gは、互いに隔絶され、互いに独立した流路を構成する。
【0092】
第1ヘッダ26には、3つの流入口52a,52c,52fと、3つの流出口52b,52e,52gと、1つのガス流入口56とが設けられている。第2ヘッダ27には、3つの流入口52b,52e,52gと、3つの流出口53a,53c,53fとが設けられている。ガス流入口56は、第2実施形態と同様、長孔36dと連通し、長孔36dはガス流路56を構成する。
【0093】
長孔36aは、流入口52aおよび流出口52aと連通する。長孔36aは、パネル長手方向において一方側から他方側に向けて熱媒を通流させる第1個別熱媒流路51a1を構成する。長孔36bは、流入口52bおよび流出口52bと連通する。長孔36bは、パネル長手方向において他方側から一方側に向けて熱媒を通流させる第2個別熱媒流路51a2を構成する。長孔36c,36fは、第1個別熱媒流路51a1を構成する。長孔36d,36gは、第2個別熱媒流路51a2を構成する。第1個別熱媒流路51a1と第2個別熱媒流路51a2とは、パネル幅方向において交互に並べられている。
【0094】
熱媒が個別熱媒流路を通流する過程で、農業ハウス100の内部空気との熱交換により熱媒の温度が変化する可能性がある。本実施形態では、熱媒が一方側から他方側へ通流させる第1個別熱媒流路51a1と、他方側から一方側へ通流させる第2個別熱媒流路51a2とが温度調整パネル20A,20B内で混在するので、温度調整パネル20Aの一方側の周囲の温度と、他方側の周囲の温度とを均質にすることができる。第1個別熱媒流路51a1と第2個別熱媒流路51a2とが交互に並ぶので、鉛直方向においても温度を均質にすることができる。
【0095】
(第4実施形態)
次に、図9を参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態においても、温度調整パネル20A,20Bは互いに同一の構造を有するため、温度調整パネル20Bの説明は省略する。
【0096】
温度調整パネル20Aは、パネル長手方向に並ぶ複数の本体部25を備えていてもよい。この場合、温度調整パネル20Aは、本体部25同士を接続する1以上の中間ヘッド28を備える。図示例では、本体部25が2つであるため、中間ヘッド28は1つであるが、本体部25が3以上であれば、複数の中間ヘッド28が温度調整パネル20Aに設けられる。中間ヘッド28は、第2ヘッド27の蓋板41と第1ヘッド26の蓋板41とを背中合わせで貼り合わせたような形状を有している。パネル長手方向の一方側が、第2ヘッド27と同等の構造を有しており、パネル長手方向の他方側が、第1ヘッド26と同等の構造を有している。流入口52および流出口53は、蓋板41に代わって周壁42に設けられる。
【0097】
これにより、栽培ベッド10A,10B,10Cがベッド長手方向に長尺である場合においても、これに応じて長尺の温度調整パネル20A,20Bを提供できる。
【0098】
なお、図示例では、第2および第3実施形態に係るガス流路56(図7Aおよび図8Aを参照)が設けられていないが、本実施形態においても、ガス流路56を適用可能である。図示例では、個別熱媒流路51aが、全て一方側から他方側に熱媒を通流させるが、本実施形態においても、第1個別熱媒流路51a1および第2個別熱媒流路51a2(図8Bを参照)が設定されてもよい。
【0099】
(第5実施形態)
次に、図10を参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態においても、温度調整パネル20A,20Bは互いに同一の構造を有するため、温度調整パネル20Bの説明は省略する。
【0100】
本実施形態では、栽培ベッド10Aに隣接する1列の温度調整パネル20Aが、複数の温度調整パネル20A1,20A2をベッド長手方向に並べることによって構成されている。これにより、第4実施形態と同様、長尺の栽培ベッド10A,10B,10Cに応じて長尺の温度調整パネル20Aを提供できる。
【0101】
本実施形態では、各温度調整パネル20A1,20A2内の個別熱媒流路51aが、上下方向に向けられている。これにより、温度調整パネル20Aの一方側の周囲の温度と、他方側の周囲の温度とを均質にすることができる。全ての個別熱媒流路51aが、下から上に向けて熱媒を流通させる。これにより、熱媒流路51内に空気が溜るのを抑制できる。
【0102】
なお、図示例では、1列の温度調整パネル20Aを複数のパネル20A1,20A2に分割するに際し、個別熱媒流路51aが鉛直方向に向けられているが、個別熱媒流路51aは、第1~第4実施形態と同様にして、ベッド長手方向に向けられていてもよい。
【0103】
なお、図示例では、1列の温度調整パネル20Aを複数のパネルに分割するに際し、個別熱媒流路51aが鉛直方向に向けられているが、個別熱媒流路51aは、第1~第4実施形態と同様にして、ベッド長手方向に向けられていてもよい。本実施形態においても、ガス流路56(図7Aおよび図8Aを参照)を適用可能であるし、第1個別熱媒流路51a1および第2個別熱媒流路51a2(図8Bを参照)を設定可能である。
【0104】
(第6実施形態)
次に、図11Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第6実施形態について説明する。
【0105】
上記実施形態においては、温度調整パネル20Aが、栽培ベッド10Aに隣接して設置されていたが、本実施形態から第20実施形態までにおいては、温度調整パネル120Aが、栽培ベッド3の一部を構成する。
【0106】
本実施形態では、温度調整パネル20Aが、栽培ベッド10Aの底部を構成する。温度調整パネル20Aは、一対の主壁31,32を上または下に向けた姿勢で、脚部19を介して農業ハウス100の敷地に支持される。主壁31の上面には、栽培ベッド10Aの容器体11が載置される。このように、温度調整パネル20Aは、容器体11を載置する台座として機能する。
【0107】
これにより、容器体11の底壁12の温度が固体伝熱により調整される。また、容器体11の周壁13の温度も温度調整パネル20Aにより調整される。これにより、容器体11に受容されている培地3の温度を広範に調整可能となる。
【0108】
(第7実施形態)
次に、図11Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第7実施形態について説明する。
【0109】
本実施形態では、容器体11が、全体としてW字状の断面を有し、幅方向中央部に逆V字状の隔壁部15を有する。2つの受容部14が、隔壁部15を介して幅方向に並べられている。培地3は、2つの受容部14にそれぞれ受容されている。温度調整パネル20Aは、第6実施形態と同様にして、容器体11を載置する台座として機能している。
【0110】
隔壁部15は、下面から上向きの凹所15aを有する。温度調整パネル20Aは、主壁31から突出するフィン39を有し、フィン39が凹所15a内に挿入されている。これにより、容器体11が隔壁部15を有していたとしても、隔壁部15の温度をフィン39によって調整可能になる。
【0111】
(第8実施形態)
次に、図11Cを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第8実施形態について説明する。
【0112】
上記実施形態においては、長孔36a~36gが、パネル幅方向に直線的に並べられているが、本実施形態においては、中央の長孔36dがその他の長孔36a~36c,36e~36gに対して厚さ方向にオフセットされている。このため、主壁31,32が、平坦ではなく、長孔36dを画定する部位において厚さ方向に段差が付いている。これにより、段差部分を凹所15a内に入り込ませることができる。したがって、第6実施形態と同様にして、隔壁部15の温度を調整可能になる。
【0113】
(第9実施形態)
次に、図12Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第9実施形態について説明する。
【0114】
温度調整パネル20Aは、断面U字状に形成され、脚部19を介して農業ハウス100の敷地上に支持される。横断面において、一対の主壁31,32の外表面の輪郭は、第1~第7実施形態のように直線状または細長矩形状ではない。輪郭は、下に凸であればよく、曲線状であってもよいし、図示例のように複数の段差によって構成されてもよい。本実施形態においても、輪郭は、壁厚t20に対して長尺である。栽培ベッド10Aは、温度調整パネル20A内に受容される。これにより、容器体11の底壁12のみならず周壁13も、ベッド幅方向において主壁31の外表面と対向される。したがって、第6実施形態と対比して、培地3の温度をより一層調整しやすくなる。
【0115】
(第10実施形態)
次に、図12Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第10実施形態について説明する。
【0116】
温度調整パネル20Aは、断面U字状に形成されており、底壁部20aと、底壁部20aの両端部から上方に突出する一対の側壁部20bを有する。温度調整パネル20Aは、底壁部20aおよび側壁部20bの内周面から突出する複数のフィン39を有する。
【0117】
培地3は、一例としてロックウールである。ロックウールは、土壌や培養液とは異なり、自己の形状を崩さずに保持する能力が高く、上記実施形態のように栽培ベッド10Aは容器体11を必ずしも備えていなくてもよい。フィン39は、このようなむき出しのロックウールの温度調整パネル20Aに対する位置の安定に資する。すなわち、側壁部20bの内面から突出するフィン39は、ロックウールのパネル幅方向に対する位置を安定させ、また、底壁部20aの内面から突出するフィン39の一部も、ロックウールのパネル幅方向に対する位置を安定させることができる。底壁部20aの内面から突出するフィン39の一部は、ロックウールに下から突き刺されてもよく、これによりロックウールの温度調整パネル20Aに対する位置をより安定させることができる。
【0118】
側壁部で培地3が取り囲まれるため、培地3の温度を調整しやすい。また、フィン39がロックウールに近接、接触、または没入するため、培地3の温度を一層調整しやすくなっている。
【0119】
(第11実施形態)
次に、図13Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第11実施形態について説明する。
【0120】
本実施形態では、温度調整パネル20Aの横断面構造は、第9実施形態(図12Aを参照)と同じである。培地3に培養液が採用されており、温度調整パネル20Aは、容器体11を支持する台座としての機能というよりはむしろ、液状の培地3を受容する受容部14としての機能を果たす。
【0121】
この場合、詳細図示を省略するが、温度調整パネル20Aのヘッダ26,27は、培養液が漏れ出すのを防ぐため、受容部14の長手方向端部を閉塞する閉塞板を併せ持つ。また、培養液の水質および温度を管理するため、温度調整システム100には、培養液を循環させる系統が付加される。
【0122】
本実施形態においても、培地3の温度が調整可能である。培地3に臨む主壁31の外表面には腐食防止の表面処理などが付加されてもよい。これにより、温度調整パネル20Aが培地3で腐食することを防止でき、また、温度調整パネル20Aの材料が培地3内に溶出することを防止できる。
【0123】
温度調整パネル20Aの本体部25は、多数の長孔を有する押出材で構成されている。培地3の液面は、そのうちの上端に配置された一対の長孔を区画する隔壁とほぼ同じ高さにある。そこで、これら上端の長孔は、ガス流路56を構成し、それより下に配置された残余の長孔が、個別熱媒流路51aを構成する。これにより、植物2に噴出されるガスで光合成を促すことと、液状の培地3の温度調整とを同時に達成できる。
【0124】
(第12実施形態)
次に、図13Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第12実施形態について説明する。
【0125】
本実施形態では、温度調整パネル20Aの横断面構造は、第10実施形態(図12Bを参照)と同じである。培地3には、第11実施形態と同様に、培養液が採用されている。底壁部20aおよび一対の側壁部20bが、培地3を受容する受容部14としての機能を果たしている。これにより、第10実施形態および第11実施形態と同様にして、液状の培地3の温度を調整可能になる。
【0126】
(第13実施形態)
次に、図14Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第13実施形態について説明する。
【0127】
本実施形態でも、第10実施形態と同様にして、培養液としての培地3が温度調整パネル20Aに受容される。温度調整パネル20Aは、培地3を受容する断面U字状の受容部14とともに、受容部14の一方の上端部から上方に延長された縦壁部16を有しており、全体として断面J字状に形成されている。縦壁部16は、培地3から上方へ延びる植物2と近接して対向する。これにより、液状の培地3の温度を受容部14で調整できるとともに、培地3から上方へ延びる植物2の周囲における温度を縦壁部16で調整できる。培養液で栽培される植物2の生育を一層促進させることができる。
【0128】
(第14実施形態)
次に、図14Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第14実施形態について説明する。
【0129】
本実施形態では、第13実施形態と同様に、温度調整パネル20Aが、受容部14および縦壁部16を有する。温度調整パネル20Aは、縦壁部16の内面(植物2と対向する面)から突出するフィン39を有する。これにより、植物2の周辺の温度をより一層調整しやすくなる。
【0130】
(第15実施形態)
次に、図15Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第15実施形態について説明する。
【0131】
本実施形態では、第14実施形態と同様に、温度調整パネル20Aが、受容部14、縦壁部16、およびフィン39を有する。受容部14が、個別熱媒流路51aを形成しているのに対し、縦壁部16は、中空構造を有しておらず、板状である。フィン39は、このような縦壁部16から突出されている。本実施形態においても、培地3および植物2の周辺の温度を調整しやすい。なお、培地3は、土壌でも培養液でもよい。
【0132】
(第16実施形態)
次に、図15Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第16実施形態について説明する。
【0133】
本実施形態では、第15実施形態と同様に、温度調整パネル20Aが、受容部14、縦壁部16、およびフィン39を有する。受容部14は、その中央部において個別熱媒流路51aを形成し、その幅方向両端部では板状である。本実施形態においても、培地3および植物2の周辺の温度を調整しやすい。なお、培地3は、土壌でも培養液でもよい。
【0134】
(第17実施形態)
次に、図16Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第17実施形態について説明する。
【0135】
温度調整パネル20Aが、第11実施形態あるいは第12実施形態と同様に、培地3を受容する受容部14を有する。本実施形態では、受容部14が幅方向において対を成す。一対の受容部14が幅方向に繋げられて一体化されている。これにより、培地3の温度を調整可能な構成を採用しつつ、農業ハウス100内の作付面積を増やしやすくなる。
【0136】
(第18実施形態)
次に、図16Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第18実施形態について説明する。
【0137】
温度調整パネル20Aが、第17実施形態と同様に、一対の受容部14を有する。受容部14の幅方向の両端部が、第16実施形態と同様に、板状である。本実施形態では、受容部14の上下方向中央部同士を接続する接続壁17を有する。これにより一対の受容部14の間の領域において、断面係数が大きくなり、強度を確保することができる。
【0138】
(第19実施形態)
次に、図17Aを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第19実施形態について説明する。
【0139】
温度調整パネル20Aが、第17実施形態と同様に、一対の受容部14を有する。温度調整パネル20Aは、更に、一対の受容部14の接続部から上方へ突出する縦壁部16を有する。これにより、一対の受容部14内の培地3にそれぞれ植栽された植物2の周辺の温度を調整できる。
【0140】
(第20実施形態)
次に、図17Bを参照して、上記実施形態との相違を中心に、本発明の第8実施形態について説明する。
【0141】
温度調整パネル20Aが、第18実施形態と同様に、一対の受容部14を有すると共に、第19実施形態と同様に、縦壁部16を有する。本実施形態においても、第19実施形態と同様にして、植物2の周辺の温度を調整できる。
【0142】
これまで、本発明の実施形態について説明したが、上記構成は本発明の趣旨の範囲内で適宜追加、変更、または削除可能である。
【0143】
例えば、本体部25の成形法は、特に限定されない。本実施形態では、本体部25が、一例として、押出材で構成されるが、ロール成形により1枚板で構成されてもよい。押出成形を用いれば、上記構造を有する本体部25を容易に製造できる。
【0144】
また、タンクは、加熱された高温熱媒用と、冷却された低温熱媒用とで分かれていてもよい。ポンプは必要な圧力を確保するために適宜追加可能である。冷却は、地中を利用できればよく、熱媒に地下水(井戸水)が利用されてもよい。農業ハウス100の柱の内部に熱媒の流路が形成される場合においては、柱のうち地中に埋め込まれた部分が冷却ラインを構成していてもよい。
【符号の説明】
【0145】
1 温度調整システム
2 植物
3 培地
10A,10B,10C 栽培ベッド
20A,20B 温度調整パネル
14 受容部
16 縦壁部
21 熱媒流路
25 本体部
26,27 ヘッダ
31,32 主壁
33,34 端壁
35 仕切り壁
38 噴出口
51 熱媒流路
51a 個別熱媒流路
51a1 第1個別熱媒流路
51a2 第2個別熱媒流路
52 流入口
53 流出口
56 ガス流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17A
図17B