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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042377
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】モータ、及びモータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/50 20060101AFI20240321BHJP
   H02K 3/04 20060101ALI20240321BHJP
   H02K 15/04 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H02K3/50 A
H02K3/04 J
H02K15/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147049
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 友久
【テーマコード(参考)】
5H603
5H604
5H615
【Fターム(参考)】
5H603AA09
5H603BB01
5H603CA01
5H603CA05
5H603CA10
5H603CB03
5H603CB04
5H603CB11
5H603CB18
5H603FA16
5H604AA08
5H604BB01
5H604CC01
5H604DB01
5H604PC01
5H604QB01
5H615AA01
5H615BB01
5H615PP01
5H615PP15
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、バスバーとして複数の金属部材を用い、当該複数の金属部材で形成された配線により複数の回路を形成しつつ、容易に製造し得るモータ、及びモータの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のモータ101は、複数のコイル142を有するステータ104と、複数のコイル142と電気的に接続される板状の複数の金属部材11を有する基板10と、を備え、複数の金属部材11のうち、隣接する2つの金属部材の間に分断された痕11m,11nを備え、基板10において、複数の金属部材11は、それぞれ配線を形成している。また、本発明のモータの製造方法は、一部分として端子11c-4,11d-4を備える複数の金属部材11と、複数の金属部材11を接続する接続部とを有する金属板を樹脂12で一体成形する第1の工程と、前記接続部を分断する第2の工程と、を含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルを有するステータと、
前記複数のコイルと電気的に接続される板状の複数の金属部材を有する基板と、
を備え、
前記複数の金属部材のうち、隣接する2つの金属部材の間に分断された痕を備え、
前記基板において、前記複数の金属部材は、それぞれ配線を形成している、モータ。
【請求項2】
前記複数の金属部材は、それぞれ、一部分として端子を備え、
前記複数のコイルは、それぞれ、前記端子の何れかに接続されている、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記基板は、内周部と外周部とを備え、
径方向において、前記基板の内周部側に配置された第1の金属部材と、外周部側に配置された第2の金属部材と、を含む、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記基板は、前記複数の金属部材を覆う樹脂部材を有する、請求項1に記載のモータ。
【請求項5】
シャフトと、該シャフトに固定されたロータと、を備え、
前記基板の内周部は、円形の開口を備え、
前記基板の開口を前記シャフトが貫通している、請求項1から4のいずれかに記載のモータ。
【請求項6】
一部分として端子となる部位を備える複数の金属部材と、当該複数の金属部材を接続する接続部と、を有する金属板を樹脂で一体成形する第1の工程と、
前記接続部を分断する第2の工程と、
を含む、モータの製造方法。
【請求項7】
前記第1の工程において、金型に対して前記金属板を所定の位置に配置する工程を含む、請求項6に記載のモータの製造方法。
【請求項8】
前記第2の工程が、前記接続部を含む領域を穿孔する工程を含む、請求項7に記載のモータの製造方法。
【請求項9】
前記第1の工程において、前記端子を除く前記複数の金属部材の他の部分全体を樹脂で一体成形する工程を含む、請求項6に記載のモータの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、及びモータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータにおいて、コイルからの引出線と、外部電源や回路基板に繋がる導線との間に介在し、大容量の電流をコイルの引出線に供給する配線用の部材として、バスバーを用いる場合がある(例えば、特許文献1参照)。バスバーは、一般的に、銅、真鍮、アルミニウム等の金属板あるいは金属棒等の金属部材であり、これらを切断、曲げ、潰し等の加工を経て製造される。
【0003】
モータにおいてバスバーとしての金属部材を用いる場合には、結線構造が複雑で製造が煩雑になりやすい。また、金属部材による配線の回路が複数必要になるケースが多く、製造が煩雑になるとともに、モータ内に占める占有スペースが大きくなりやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-166423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、簡易な構成で、バスバーとして複数の金属部材を用い、当該複数の金属部材で形成された配線により複数の回路を形成しつつ、容易に製造し得るモータ、及びモータの製造方法を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、例えば、以下の本発明の一態様により解決される。即ち、本発明の一態様は、複数のコイルを有するステータと、
前記複数のコイルと電気的に接続される板状の複数の金属部材を有する基板と、
を備え、
前記複数の金属部材のうち、隣接する2つの金属部材の間に分断された痕を備え、
前記基板において、前記複数の金属部材は、それぞれ配線を形成している、モータである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータの斜視図である。
図2】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータの縦断面図であり、図3におけるA-A断面図に相当する。
図3】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータの横断面図であり、図1及び図2におけるB-B断面図に相当する。
図4】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータから基板のみを抜き出して示す斜視図である。
図5】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータから基板のみを抜き出して示す平面図(上面図)である。
図6】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータから基板のみを抜き出して示す縦断面図であり、図5におけるC-C断面図に相当する。
図7】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータにおける基板の製造方法を説明するための説明図であり、板状の一体形状の金属板の折り曲げ加工前の状態を示す平面図である。
図8】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータにおける基板の製造方法を説明するための説明図であり、複数の金属部材において、図7に示す状態から境界領域で折り曲げて、軸方向部位が立ち上げられた状態を示す金属板の平面図である。
図9】本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータにおける基板の製造方法を説明するための説明図であり、第1の工程により金属板が樹脂で覆われた状態を示す平面図である。
図10】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータの斜視図である。
図11】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータの縦断面図であり、図12におけるD-D断面図に相当する。
図12】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータの横断面図であり、図11におけるE-E断面図に相当する。
図13】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータからハウジングを除した状態の平面図(上面図)である。
図14】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータから基板のみを抜き出して示す斜視図である。
図15】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータから基板のみを抜き出して示す平面図(上面図)である。
図16】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータから抜き出した基板の一部(図15における領域F)を拡大して示す拡大平面図である。
図17】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータにおける基板の製造方法を説明するための説明図であり、板状の一体形状の金属板を示す平面図である。
図18図17に示す金属板の一部(図17における領域H)を拡大して示す拡大平面図である。
図19】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータにおける基板の製造方法を説明するための説明図であり、第1の工程により金属板が樹脂で覆われた状態を示す平面図である。
図20図19に示す金属板及び樹脂部材の一部(図19における領域H)を拡大して示す拡大平面図である。
図21】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータにおける基板の内周側の1つの端子及びその周辺の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明のモータについて2つの実施形態を挙げて、図面を参照しながら説明する。
【0009】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の一例である第1の実施形態にかかるモータ101の斜視図であり、図2は、モータ101の縦断面図であり、図3は、モータ101の横断面図である。図2は、図1及び図3におけるA-A断面図に相当し、図3は、図2におけるB-B断面図に相当する。なお、図1図3においては、モータのハウジングを除した状態が描かれている。
【0010】
本実施形態の説明においては、モータ101の回転軸である軸線x方向において、矢印a方向の側を上側aとし、矢印b方向の側を下側bとする。なお、本実施形態の説明において、上側乃至下側と云う時は、図面における上下関係を意味し、重力方向における上下関係とは、必ずしも一致しない。
【0011】
また、本実施形態の説明においては、軸線xに垂直な径方向cdにおいて、軸線xから遠ざかる方向(矢印c方向)の側を外側cとし、軸線xに向かう方向(矢印d方向)の側を内側dとする。さらに、軸線xを中心とする円周方向(以下、「周方向ef」ともいう。)において、上側aから見て時計周りの方向を時計回り方向eとし、反時計周りの方向を反時計回り方向fとする。
【0012】
図1図3に示されるように、本実施形態にかかるモータ101は、回転軸となるシャフト102と、シャフト102に固定されて共に回転するロータ103と、ロータ103を取り囲むように配置されたステータ104と、モータ101の構成部品の一部又は全部を内部に収容する不図示のハウジングと、を備えている。
【0013】
ロータ103は、磁性体で形成されたロータコア133と、ロータコア133の外周面に配置されたマグネット131と、を備える。ステータ104は、磁性体で形成されたステータコア141と、ステータコア141に巻き回されたコイル142と、を備える。ステータ104は、不図示のハウジングに固定されている。本実施形態におけるモータ101は、インナーロータタイプのブラシレスモータの一種である。
【0014】
モータ101には、シャフト102をハウジング105に対して回転可能に支持する2つの軸受161,162が設けられている。軸受161,162は、不図示のハウジングに固定されている。また、ステータ104の上側aには、バスバー(図1における符号11)を含む給電回路が搭載されている。
【0015】
径方向(cd方向)において、一方の軸受161の外径及び内径と他方の軸受162の外径及び内径は、それぞれ略同じとなっている。なお、一方の軸受161の外径及び内径と他方の軸受162の外径及び内径とは略同じであるが、一方の軸受161の外径または内径あるいはその両方より、他方の軸受162の外径または内径あるいはその両方を大きくしても構わないし、小さくしても構わない。
【0016】
シャフト102は、2つの端部102a,102bを備えており、上側aにある一方の端部2aが一方の軸受161に、下側bにある他方の端部2b寄りのシャフト102の部分が他方の軸受162に、ハウジングに対して回転可能にそれぞれ支持されている。よって、シャフト102は、軸受161及び軸受162を介して、周方向efに回転自在に固定されており、他方の端部102bが不図示のハウジングの外部に突き出している。
【0017】
シャフト102はロータ103に固定されており、ステータ104とロータ103との電磁気的作用によってロータ103が周方向efに回転すると、ロータ103とともにシャフト102が周方向efに回転するようになっている。そして、モータ101においては、シャフト102の他方の端部2b近傍にある部分から回転力を外部に取り出すことができるようになっている。
【0018】
ロータ103は、ロータコア133及びマグネット131を有する。ロータコア133は、複数の磁性体の積層体であり、軸線x方向に複数の磁性体が積み重なっている。かかるロータコア133は、孔部134を有する。この孔部134にシャフト102が挿入される。ロータコア133の径方向の外側cには、マグネット131が取り付けられている。マグネット131において、異なる磁極N極、S極が周方向efに等間隔で着磁されている。
【0019】
ステータ104は、ステータコア(磁性体)141と、コイル142と、インシュレータ145と、を有する。ステータコア141は、珪素鋼板等の磁性体の積層体となっている。ステータコア141は、シャフト102と同軸上に配された環状部(以下、「円環部」と称する。)141aと、円環部141aからシャフト102側(矢印d方向側)へ向かって延びるように形成された複数(本実施形態では12本)の磁極部(以下、「ティース」と称する。)141bと、ティース141bの内側dの端部で周方向の両側に張り出した突出部141cと、を備える。径方向cdにおいて、ステータコア141の突出部141cと、ロータ103のマグネット131とは、ギャップGを介して対向している。
【0020】
コイル142は、複数のティース141bの各々の周囲に巻き回されている。ステータコア141とコイル142との間には、絶縁体で形成されたインシュレータ145が介在しており、当該インシュレータ145によってステータコア141とコイル142とが絶縁されている。なお、コイル142の巻線として、絶縁体で被覆された被覆線を用いることで、ステータコア141とコイル142との間の絶縁を図っても構わない。
【0021】
コイル142からは、引出線(不図示)が引き出され、外部から電力が供給されるようになっているが、本実施形態においては、コイル142への電力の供給にバスバーが用いられている。なお、図1図3において、コイル142から引き出された引出線が、後述する給電回路と接続される配線の取り回しの図示は省略されている。
【0022】
図1及び図2に示されるように、ステータ104の上側aには、バスバー(金属部材)11を内蔵する基板(以下、「バスバー基板」と称する。)10が取り付けられている。
図4は、モータ101から抜き出したバスバー基板10を示す斜視図であり、図5は、上側aから見たバスバー基板10の平面図(上面図)である。
【0023】
本実施形態におけるバスバー基板10は、複数のバスバー(金属部材)11と、樹脂部材12と、を有する。詳しくは、図4及び図5に示されるように、バスバー基板10において、複数のバスバー11は、一部を除き、樹脂部材12で覆われている。
【0024】
なお、樹脂部材12で覆われたバスバー11の部分は、樹脂部材12で覆われており、実際には外から視認できないが、図1図4及び図5においては、図示に当たり樹脂部材12を透明で示すことにより、バスバー11全体を視認できるようにしている。
【0025】
図6は、モータ101から抜き出したバスバー基板10の軸線x方向と垂直方向からの縦断面図であり、図5におけるC-C断面図に相当する。当該図6及び図2においては、樹脂部材12を透明で示しておらず、樹脂部材12で覆われたバスバー11の部分は、断面図では露出している部分を除き、樹脂部材12で覆われて視認できないようになっている。
【0026】
樹脂部材12の材料としては、絶縁性を有する樹脂であれば特に制限はなく、一般的に電子基板や電子部品等を一体成形するのに利用されている材料であれば、問題なく使用することができる。本実施形態では、樹脂部材12の材料としては、具体的には、エポキシ樹脂を用いている。
【0027】
図4図6に示されるように、バスバー基板10は、内周部10dと外周部10cとを備え、径方向cdにおいて、バスバー基板10の内周部10d側(内側d)に配置された3つの第1の金属部材(以下、「第1バスバー」と称する。)11dと、外周部10c側(外側d)に配置された3つの第2の金属部材(以下、「第2バスバー」と称する。)11cと、を含んでいる。
【0028】
第1バスバー11d及び第2バスバー11cは、同一の材質の金属で、同一の厚み(軸線x方向の厚さ:図6におけるt1。)及び幅(平面視における短手方向の長さ:図5におけるw1)となっている。勿論、その役割や機能に応じて、材質を異ならせたり、厚みt1及び幅w1等のサイズを変えたりしても構わない。
【0029】
樹脂部材12の厚み(軸線x方向の厚さ:図6におけるt2。)としては、第1バスバー11d及び第2バスバー11cを十分に一体成形し得る程度の厚みであれば十分であり、この厚みt2としては、例えば、第1バスバー11d及び第2バスバー11cの厚みt1に対して、t1+1≦t2(mm)を満たすことが好ましく、t1+3≦t2(mm)を満たすことがより好ましい。
【0030】
図4図6に示されるように、第1バスバー11dは、周方向efに延在する湾曲した部分(長尺で円弧状の円弧部)11d-1と、円弧部11d-1の両端に連なり、径方向cdの外側cに向かって延在する一対の部分(径方向部)11d-2と、径方向部11d-2に連なり、軸線x方向の上側aに向けて延在する一対の部分(軸方向部)11d-3と、軸方向部11d-3に連なり、時計回り方向eに延在する一対の端子11d-4と、を備える。
【0031】
また、図4図6に示されるように、第1バスバー11dには、一対の径方向部11d-2における円弧部11d-1との連結部の近傍に、一対の突出部11d-5を備える。これら一対の突出部11d-5は、周方向efであって、隣接する円弧部11d-1が延在する方向とは逆方向に突出している。
【0032】
一方、図4図6に示されるように、第2バスバー11cは、周方向efに延在する湾曲した部分(円弧状の円弧部)11c-1と、円弧部11c-1の両端に連なり、径方向cdの外側cに向かって延在する一対の部分(径方向部)11c-2と、径方向部11c-2に連なり、軸線x方向の上側aに向けて立ち上がる一対の部分(軸方向部)11c-3と、軸方向部11c-3に連なり、時計回り方向eに延在する一対の端子11c-4と、を備える。
【0033】
第2バスバー11cにおける円弧部11c-1及び径方向部11c-2は、第1バスバー11dにおける円弧部11d-1及び径方向部11c-2より短くなっている。
【0034】
なお、円弧部11c-1及び円弧部11d-1は、湾曲した形状であればよく、中心軸xを中心とする円に対して、正確に円弧を描いていなくても構わない。また、径方向部11c-2及び径方向部11d-2は、一方向に延在していればよく、中心軸xを中心とする円の径方向に沿っていなくても構わない。さらに、軸方向部11c-3及び軸方向部11d-3は、軸方向に延在していればよく、軸線x方向に沿っていなくても構わない。これら軌跡や方向を示す各部の名称は、それぞれの軌跡や方向に凡そ沿った軌跡や方向に延在していることを表している。
【0035】
第1バスバー11dにおける軸方向部11d-3及び端子11d-4と、第2バスバー11cにおける軸方向部11c-3及び端子11c-4と、は略同一の形状となっている。また、これらは相互に、軸線xを中心とした回転対称の位置並びに形状で、周方向efにおいて等間隔に位置している。
【0036】
図4図6に示されるように、第1バスバー11dにおける円弧部11d-1は、バスバー基板10の内周部10d側(内側d)に、周方向efに等間隔で配置され、3つの第1バスバー11dの円弧部11d-1で内周部10dを囲うようにおよそ円状になっている。また、第2バスバー11cにおける円弧部11c-1は、バスバー基板10の外周部10c側(内側c)に、周方向efに等間隔で配置されている。
【0037】
周方向efに隣り合う2つの第1バスバー11dの円弧部11d-1の間において、隣り合う2つの第1バスバー11dの突出部11d-5が、対向している。そして、対向する2つの突出部11d-5の間には、孔部11mが形成されている。また、バスバー基板10の内周部10d側(内側d)に位置する円弧部11d-1と、バスバー基板10の外周部10c側(内側c)に位置する円弧部11c-1と、の間にも孔部11nが形成されている。孔部11mと孔部11nは、本実施形態では、同一の径の円形状の開口となっている。
【0038】
孔部11m及び孔部11nは、実際には、バスバー11を構成する金属部材を覆った樹脂部材12の一部を穿孔することで形成された貫通孔である。この孔部11mまたは孔部11nによって、周方向efに並ぶ複数の第1バスバー11d、及び、径方向cdに並ぶ複数の第1バスバー11d-第2バスバー11cが、それぞれ分断されている。
【0039】
換言すれば、この孔部11m及び孔部11nが形成される前の状態においては、周方向efに並ぶ複数の第1バスバー11d、及び、径方向cdに並ぶ複数の第1バスバー11d-第2バスバー11cが、接続されている。
【0040】
ここで、バスバー基板10の製造方法について、図面を用いて説明する。
図7は、6つのバスバー11を形成する1つの金属板(以下、「バスバー前駆体」と称する。)11′の折り曲げ加工前の状態を示す平面図である。バスバー前駆体11′は、例えば、図7に示される形状になるように銅等の所望の材質の金属板を打ち抜くことで得られる。
【0041】
図7に示されるように、バスバー前駆体11′は、複数の金属部材11c′及び複数の金属部材11d′と、複数の金属部材11c′,11d′を接続する接続部11p′,11q′と、を有する。複数の金属部材11c′,11d′は、一部分として端子11c-4,11d-4となる部位(以下、「端子部位」と称する。)11c-4′,11d-4′を備える。
【0042】
また、複数の金属部材11c′,11d′は、円弧部11c-1,11d-1となる部位(以下、「円弧部位」と称する。)11c-1′,11d-1′と、径方向部11c-2,11d-2となる部位(以下、「径方向部位」と称する。)11c-2′,11d-2′と、軸方向部11c-3,11d-3となる部位(以下、「軸方向部位」と称する。)11c-3′,11d-3′と、を備える。
【0043】
図7に示されるように、軸方向部位11c-3′,11d-3′及び端子部位11c-4′,11d-4′における幅w2は、他の部位における幅w1よりも狭くなっている。厚みt1(図6参照)は、例えば、1の板から打ち抜いているのであれば、どこの部位でも同じになっている。
【0044】
なお、接続部11p′,11q′には、それぞれ、孔11h′が設けられている。この孔11h′により、穿孔により接続部11p′,11q′を分断することが容易になる。これは、後述する第2の実施形態における接続部21p′,21q′に設けられている孔21h′についても同様である(図18参照)。
【0045】
まず、バスバー前駆体11′は、径方向部位11c-2′,11d-2′と軸方向部位11c-3′,11d-3′との境界領域11c-6′,11d-6′において、軸方向部位11c-3′,11d-3′を折り曲げて、径方向部位11c-2′,11d-2′を含む平面に対しておよそ直角になるように軸方向部位11c-3′,11d-3′を立ち上げる。
【0046】
複数の金属部材11c′,11d′において、図7に示す状態から、境界領域11c-6′,11d-6′で折り曲げて、軸方向部位11c-3′,11d-3′を立ち上げた状態のバスバー前駆体11′の平面図を図8に示す。折り曲げ加工を経ることで、図8に示されるように、端子部位11c-4′,11d-4′は、図4図6に示される端子11c-4,11d-4の所定の位置に配される。
【0047】
次に、外形として凡そバスバー11の形状に成形されたバスバー前駆体11′を樹脂で一体成形する(第1の工程)。即ち、折り曲げて立ち上げられた端子部位11c-4′,11d-4′及び軸方向部位11c-3′,11d-3′の一部を残し、平面状の部位を構成する円弧部位11c-1′,11d-1′、径方向部位11c-2′,11d-2′及び接続部11p′,11q′全体を樹脂で覆う(一体成形する)。
【0048】
第1の工程で一体成形に用いる樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等を挙げることができるが、特に制限は無い。
【0049】
バスバー前駆体11′を樹脂で一体成形する方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法で行えばよい。具体的には、例えば、所定の形状(本実施形態では、樹脂部材12の外形)の型を備える金型に対して、バスバー前駆体11′を所定の位置に配置する工程を含む方法が挙げられる。
【0050】
第1の工程の後、樹脂部材12を形成する樹脂を金型に流し込み、樹脂に応じた硬化手段(放置、冷却、加熱、紫外線照射等)によって樹脂を硬化することで、バスバー前駆体11′が樹脂部材12で覆われた、バスバー基板10が製造される前段階の状態(以下、「バスバー基板前駆体」と称する。)10′となる。
【0051】
バスバー前駆体11′が第1の工程により樹脂で覆われた状態であるバスバー基板前駆体10′の平面図を図9に示す。図9においても、図示に当たり、図4及び図5と同様、樹脂部材12を透明で示すことにより、バスバー前駆体11′全体を視認できるようにしている。図9に示されるように、樹脂部材12は、内周(内周部10d)に円形の開口を有する円環状の円環部12aと、円環部12aの外周から径方向外側cに突出した12箇所の突出部12bと、を備える。
【0052】
樹脂部材12の円環部12における円形の開口の縁は、バスバー基板10における内周部10dに相当し、樹脂部材12の突出部12bにおける径方向外側cの端部(外縁)は、バスバー基板10における外周部10cに相当する。
【0053】
樹脂部材12は、バスバー前駆体11′における平面状の部位を構成する円弧部位11c-1′,11d-1′、径方向部位11c-2′,11d-2′及び接続部11p′,11q′全体を覆っており、これらは樹脂部材12に覆われている(図9、並びに、バスバー基板10にかかる図4及び~図5を参照)。
【0054】
また、バスバー前駆体11′における境界領域11c-6′,11d-6′から立ち上げられた軸方向部位11c-3′,11d-3′の足下(即ち、境界領域11c-6′,11d-6′の近傍)も樹脂部材12に覆われているが、軸方向部位11c-3′,11d-3′の足下より上側及び端子部位11c-4′,11d-4′は、樹脂部材12から露出した状態になっている。
【0055】
樹脂部材12の円環部12aの内周部10d側に配置された第1の金属部材11d′、及び、外周部10d側に配置された第2の金属部材11c′は、それぞれの両端で径方向部位11c-2′,11d-2′に連なり、径方向の外側cに向かって延在し、樹脂部材12の突出部12bに達する。そして、突出部12bにおいて、軸方向部位11c-3′,11d-3′が上側aに向けて立ち上がり、樹脂部材12から露出している。
【0056】
そして、図9に示されたバスバー基板前駆体10′から、3つの接続部11p′及び3つの接続部11q′を含む領域を樹脂部材12とともに穿孔することで、接続部11p′,11q′を分断する(第2の工程)。具体的には、図9に点線で示す6個の仮想円11m′,11n′の箇所において、樹脂部材12をバスバー前駆体11′とともに孔を開ける。すると、樹脂部材12内に覆われたバスバー前駆体11′の接続部11p′,11q′にも孔が開けられて、接続部11p′,11q′が分断される。
【0057】
以上の工程を経て、図4図6に示されるバスバー基板(基板)10が製造される。このとき、3個の仮想円11m′は孔部11mに、3個の仮想円11n′は孔部11nに、それぞれなる。仮想円11m′,11n′の箇所に孔を開ける方法としては、打ち抜きやドリルによる穿孔等の方法が挙げられるが、特に制限はない。
【0058】
以上のようにして孔部11mが形成されることから、孔部11mは、隣接する2つの第1バスバー(金属部材)11dの間において、接続部11p′で繋がっていた箇所が分断された痕となっている。また、以上のようにして孔部11nが形成されることから、孔部11nは、隣接する第1バスバー11dと第2バスバー11cとの間において、接続部11q′で繋がっていた箇所が分断された痕に相当する。
【0059】
図1に示されるように、バスバー基板10は、ステータ104の上側aに位置している。そして、バスバー基板10における端子11d-4,端子11c-4には、コイル142の引出線(不図示)に電気的に接続された端子(以下、「コイル端子」と称する。)142aが接続されている。
【0060】
コイル端子142aは、詳細な図示は省略されているが、コイル142の引出線と電気的に接続されているとともに、上側aに向けて立ち上がっている。そして、第1バスバー(第1の金属部材)11d及び第2バスバー(第2の金属部材)11cは、不図示の外部電源や回路基板に繋がる導線とも適宜電気的に接続されている。
【0061】
本実施形態において、バスバー基板10に含まれる3つの第1バスバー(第1の金属部材)11d及び3つの第2バスバー(第2の金属部材)11cは、それぞれ配線を形成している。したがって、バスバー基板10は、複数(6つ)の回路を形成している。また、バスバー基板10は、以上のように、容易に製造することができるので、延いてはモータ101を容易に製造することができる。特に。バスバー11(バスバー前駆体(金属板)11′)は、例えば、1枚の金属板を打ち抜いて折り曲げるだけの簡単な工程で作製できるため、モータ201の高コスト化を抑制できる。
【0062】
[第2の実施形態]
図10は、本発明の他の一例である第2の実施形態にかかるモータ201の斜視図であり、図11は、モータ201の縦断面図であり、図12は、モータ201の横断面図である。図11は、図12におけるD-D断面図に相当し、図12は、図11におけるE-E断面図に相当する。
【0063】
なお、本実施形態の説明において、軸線x、矢印a、矢印b、矢印c、矢印d、矢印e、矢印fの各方向の意義やこれら符号の使い方は、第1の実施形態と同様である。したがって、本実施形態の説明においても、上側乃至下側と云う時は、図面における上下関係を意味し、重力方向における上下関係とは、必ずしも一致しない。
【0064】
図10図12に示されるように、本実施形態にかかるモータ201は、回転軸となるシャフト202と、シャフト202に固定されて共に回転するロータ203と、ロータ203を取り囲むように配置されたステータ204と、モータ201の構成部品の一部又は全部を内部に収容するハウジング205と、を備えてなる。
【0065】
ロータ203は、磁性体で形成されたロータコア233内にマグネット231が配置されてなる。ステータ204は、磁性体で形成されたステータコア241にコイル242が巻回されてなり、ハウジング205に固定されている。本実施形態におけるモータ201は、インナーロータタイプのブラシレスモータの一種であり、IPMモータと称されるモータである。IPMモータとは、ロータ203にマグネット231を埋め込んだものであり、埋込マグネット型モータとも呼ばれている。
【0066】
ハウジング205は、ロータ203やステータ204等のモータ201の構成部品の一部又は全部を内部に収容し、ステータ204が固定されるハウジング本体251と、ハウジング本体251の上部の開口を覆うカバー252とを有する。ハウジング本体251は、環状の底部251aと、底部251aの内周に連なって筒状に下側bに突出する突出部251bと、底部251aの外周に連なる外周部251cと、を備える。
【0067】
カバー252は、環状の平板部252aと、平板部252aの内周に連なって筒状に下側bに突出する突出部252bと、平板部252aの外周に連なる外周部252cと、を備える。カバー252の突出部252bは、シャフト202の長手方向(軸線x方向)において、ロータ203に向かう方向(下側b方向)に突出している。
【0068】
ハウジング本体251の外周部251cとカバー252の外周部252cとが嵌合され、かつ、固定(締結)されて、モータ201の全部または一部がハウジング205の内部に収容されることで、モータ201として完成する。
【0069】
図10に示されるように、カバー252の平板部252aには、その中心に円形の開口部252eと、開口部252eの周囲の一部を取り囲む一対の開口部252dが設けられている。一対の開口部252の平面形状は湾曲している。不図示ではあるが、ハウジング本体251の底部251aにも開口部が設けられている。この底部251aの開口部によって、開口部252dとともにモータ201の内外が連通され、空気の流れが生じるため、モータ201の内部が冷却されるようになっている。
【0070】
図11に示されるように、モータ201には、シャフト202をハウジング205に対して回転可能に支持する2つの軸受261,262が設けられている。
ハウジング本体251の突出部251bは、軸線x方向において、下側bに向かって円筒状に突出しており、その内部に、複数の軸受261,262のうち一方の軸受261が取り付けられている。軸受261は、圧入などにより、突出部251bの内部に固定されている。
【0071】
カバー252の突出部252bは、軸線x方向において、下側bに向かって円筒状に突出しており、その内部に、複数の軸受261,262のうち他方の軸受262が取り付けられている。軸受262は、圧入などの方法により、突出部252bの内部に固定されている。
【0072】
径方向(cd方向)において、一方の軸受261の外径及び内径と他方の軸受262の外径及び内径は、それぞれ略同じとなっている。なお、一方の軸受261の外径及び内径と他方の軸受262の外径及び内径とは略同じであるが、一方の軸受261の外径または内径あるいはその両方より、他方の軸受262の外径または内径あるいはその両方を大きく、あるいは小さくしても構わない。
【0073】
シャフト202は、2つの端部202a,202bを備えており、ハウジング本体251側にある一方の端部202bが一方の軸受261によりハウジング本体251に対して回転可能に支持され、カバー252側にある他方の端部202a寄りの位置で他方の軸受262に回転可能に支持されている。
【0074】
よって、シャフト202は、軸受261を介してハウジング本体251、及び、軸受262を介してカバー252に、それぞれ周方向efに回転自在に固定されており、カバー252の開口部252eからシャフト202の一方の端部202aが突き出している。
【0075】
図11及び図12に示されるように、シャフト202はロータ203に固定されており、ステータ204とロータ203との電磁気的作用によってロータ203が周方向efに回転すると、ロータ203とともにシャフト202が周方向efに回転するようになっている。そして、モータ201においては、シャフト202の一方の端部202a近傍から回転力を外部に取り出すことができるようになっている。
【0076】
ロータ203は、ロータコア233及びマグネット231を有する。ロータコア233は、軸線x方向に積層する複数の磁性体の積層体となっている。かかるロータコア233は、孔部234と、環状の内周部233aと、内周部233aの外周面からステータ204に向けて放射状に形成された複数(本実施形態では20本)のスポーク233bと、複数のスポーク233bの外周端と連結する環状の外周部233cと、を有する。ロータコア233の孔部234は、環状の内周部233aの中央部に設けられている。ロータコア233の孔部234には、シャフト202が挿入されている。
【0077】
図12に示されるように、外周部233cには、径方向の外側cに複数(本実施形態では20個)のマグネット231が埋め込まれている。複数のマグネット231は、磁極を径方向の両側cdに向けて、周方向に等間隔で配置されている。マグネット231の磁極の向きは、外側cを向く磁極が、N極とS極とが交互になるように周方向efに並べられている。
【0078】
外周部233cは、径方向cdにおいて、ステータ204に向かって延在する複数の凸部233dを備えている。複数の凸部233dは、複数のマグネット231のそれぞれを取り囲む枠を備えている。凸部233dの枠は薄肉に形成され、枠の内部には矩形の空間233d1が形成されている。また、外周部233cにおける、凸部233dの空間233d1それぞれに対応する位置に、径方向cdにおいて、内側dに向けて凹んだ凹部233eが形成されている。
【0079】
これら空間233d1と空間233e1が合わさった略矩形の空間Sに、マグネット231が埋め込まれている。具体的には、軸線x方向を長手方向とする略矩形の空間Sに、軸線x方向を長手方向とする形状を有するマグネット231が収容されることで、マグネット231がロータコア233に埋め込まれる。
【0080】
なお、周方向efにおいて、空間233d1の外側cの端部の長さは、空間233e1の内側dの端部の長さに比べて、僅かに大きくなっている。
【0081】
ステータ204は、インシュレータ245と、ステータコア(磁性体)241と、コイル242を有する。ステータコア241は、珪素鋼板等の磁性体の積層体となっている。かかるステータコア241は、シャフト202と同軸上に配置された環状部(以下、「円環部」と称する。)241aと、円環部241aからシャフト202側(矢印d方向側)へ向かって延びるように形成された複数(本実施形態では24本)の磁極部(ティースともいう。)241bと、を備える。
【0082】
複数の磁極部241bは、円環部241aから分割可能である。即ち、ステータコア241は、円環部241aと、複数の磁極部241bとで構成された分割コアである。円環部241aと複数の磁極部241bとは、境界線Rで分割されている。
【0083】
また、磁極部241bの内側dの端部は、周方向efの両側に張り出した部分を有する突出部241cとなっている。径方向cdにおいては、ステータコア241の突出部241cと、ロータコア233のロータ凸部233dとは、磁気ギャップGを介して対向している。
【0084】
コイル242は、複数の磁極部241bの各々の周囲に巻き回されている。ステータコア241とコイル242との間には、絶縁体で形成されたインシュレータ245が介在しており、インシュレータ245によってステータコア241とコイル242とが絶縁されている。図11に示されるように、コイル242からは、内側dの引出線242d及び外側cの引出線242cが引き出され、上側aに向けて立ち上がっている。
【0085】
図13は、本発明の一例である第2の実施形態にかかるモータ201からハウジング205、ロータ203及びシャフト202(軸受261,262を含む。)を除した状態の上側aからの平面図(上面図)である。図11及び図13に示されるように、ステータ204の上側aには、バスバー(金属部材)21を内蔵する基板(以下、「バスバー基板」と称する。)20が取り付けられている。
【0086】
図14は、モータ201から抜き出したバスバー基板20の斜視図であり、図15は、上側aからの平面図(上面図)である。また、また、図16は、バスバー基板20の一部を拡大して示す拡大平面図であり、図15における領域Fを拡大した図面である。本実施形態におけるバスバー基板20は、複数のバスバー(金属部材)21と、樹脂部材22と、を有する。詳しくは、図14及び図15に示されるように、バスバー基板20において、複数のバスバー21は、一部を除き、樹脂部材22で覆われている。
【0087】
なお、樹脂部材22で覆われたバスバー21の部分は、図13に示されるように、樹脂部材22で覆い隠された状態になっていて、実際には外から視認できないが、図14図16においては、図示に当たり樹脂部材22を透明で示すことにより、バスバー21全体を視認できるようにしている。
【0088】
図14及び図15に示されるように、バスバー基板20は、内周部20dと外周部20cとを備え、径方向cdにおいて、バスバー基板20の内周部20d側(内側d)に配置された12個の第1の金属部材(以下、「第1バスバー」と称する。)21dと、外周部20c側(外側d)に配置された1つの第2の金属部材(以下、「第2バスバー」と称する。)21cと、を含んでいる。
【0089】
第1バスバー21d及び第2バスバー21cの材質、厚み(軸線x方向の厚さ:図14におけるt1。)及び幅(平面視における短手方向の長さ:図15におけるw1)は、考え方としては第1の実施形態と同様であるが、本実施形態では、より小サイズ化している。
【0090】
樹脂部材22の厚み(軸線x方向の厚さ:図14におけるt2。)についても、考え方としては第1の実施形態と同様であるとともに、本実施形態においてはより小サイズ化している。
【0091】
図16に示されるように、第1バスバー21dは、周方向efに延在する湾曲した部分(円弧状の円弧部)21d-1と、円弧部21d-1の内周部20d側(内側c)から径方向cdの内側dに向けて突出する2つの端子21d-2と、を備える。12個の第1バスバー21dは、円弧部21d-1が、軸線xを中心軸とする1つの仮想円上に並ぶように等間隔で配置されている。
【0092】
図16に示されるように、端子21d-2は、径方向における内側dに向けて突出する2つの凸部21yと、この2つの凸部21yの間の凹部21zと、を有している。端子21d-2は、周方向efの両側に一対設けられている。
【0093】
また、図16に示されるように第1バスバー21dには、円弧部21d-1の両端に、周方向efに先端が尖った形状で対になって突出する突出部21d-e,21d-fを備えている。円弧部21d-1における時計回り方向eの端部の突出部21d-eは、周方向efに隣り合う円弧部21d-1における反時計回り方向fの端部の突出部21d-fと対向している。
【0094】
突出部21d-e及び突出部21d-fは、何れもおよそ同じ形状を有しており、具体的には、2つの鋭角の突出形状の間を円弧状に後退させて繋いだ形状を有している。対向する突出部21d-eと突出部21d-fは、貫通孔である孔部21mの内周面から突出している。
【0095】
さらに、円弧部21d-1における外周部20c側(外側c)の周方向efの中央には、径方向cdの外側cに向けて先端が尖った形状で対になって突出する突出部21d-3を備えている。突出部21d-3の形状は、突出部21d-e,21d-fの形状とおよそ同じである。
【0096】
一方、図14及び図15に示されるように、第2バスバー21cは、円環状の円環部21c-1と、円環部21c-1の外周部20c側から径方向cdの外側cに向けて突出する12個の端子21c-2と、を備える。円環部21c-1は、軸線xを中心軸としており、12個の円弧部21d-1によって描かれる仮想円と同心円であり、12個の円弧部21d-1の外側cに位置している。
【0097】
図16に示されるように、径方向において、端子21c-2の長さは、端子21d-2の長さより大きくなっていることを除き、端子21d-2と同一形状をしている。そのため、図16においては、端子21d-2と同様、凸部21y及び凹部21zの符号を付している。径方向cdにおいて、端子21c-2における凹部21zの深さ(凸部21yの先端から凹部21zの底までの長さ)は、端子21d-2と同一であり、円環部21c-1あるいは円弧部21d-1から凹部21zの底までの長さが、端子21d-2に比して長い(即ち、突出長さが大きい。)。
【0098】
端子21c-2及び端子21d-2の幅(2つの凸部21yの両側片の距離:図15におけるw2)は、第1バスバー21d及び第2バスバー21cの幅w1よりも広く設計されている。
【0099】
さらに、円環部21c-1は、円環部21c-1の内周部20における円弧部21d-1の突出部21d-3に対応する位置に、径方向cdの内側cに向けて突出する12個の突出部21c-3を備えている。これら12個の突出部21c―3の先端は尖った形状になっている。周方向efにおいて、それぞれ対応する一対の突出部21d-3と一対の突出部21c-3は、対向している。
【0100】
突出部21d-3及び突出部21c-3は、何れもおよそ同じ形状を有しており、具体的には、鋭角に尖った2つの先端と、2つの先端をつなぐ湾曲した部分とを有している。周方向efにおいて、対向する突出部21d-3と突出部21c-3は、貫通孔である孔部21nの内周面から突出している。孔部21nは、既述の孔部21mと同一の径の円形状の開口となっている。
【0101】
孔部21m及び孔部21nは、実際には、バスバー21を構成する金属部材を覆う樹脂部材22を穿孔することで形成された貫通孔である。この孔部21m及び孔部21nによって、周方向efに並ぶ複数の第1バスバー21d、及び、径方向cdに並ぶ第1バスバー21dと第2バスバー21cが、孔部21mあるいは孔部21nによって分断された状態になっている。
【0102】
換言すれば、この孔部21m及び孔部21nが形成される前の状態においては、周方向efに並ぶ複数の第1バスバー21d、及び、径方向cdに並ぶ複数の第1バスバー21dと第2バスバー21cが、接続されている。
【0103】
ここで、バスバー基板20の製造方法について、図面を用いて説明する。
図17は、12個の第1バスバー21dと1つの第2バスバー21cを形成するための一体形状の金属板(以下、「バスバー前駆体」と称する。)21′を示す平面図である。また、図18は、バスバー前駆体21′の一部を拡大して示す拡大平面図であり、図17における領域Hを拡大した図面である。バスバー前駆体21′は、例えば、図17に示される形状になるように銅等の所望の材質の金属板を打ち抜くことで得ることができる。
【0104】
図17に示されるように、バスバー前駆体21′は、12個の金属部材21d′と、1つの金属部材21c′と、12個の金属部材21d′相互間を接続する接続部21p′と、金属部材21c′-金属部材21d′間を接続する接続部21q′と、を有する。接続部21p′,21q′の中心には、それぞれ、孔21h′が設けられている。
【0105】
また、金属部材21c′は、円環部21c-1となる部位(以下、「円環部位」と称する。)21c-1′と、端子21c-2となる部位(以下、「端子部位」と称する。)21c-2′と、を備える。一方、金属部材21d′は、円弧部21d-1となる部位(以下、「円弧部位」と称する。)21d-1′と、端子21d-2となる部位(以下、「端子部位」と称する。)21d-2′と、を備える。
【0106】
本実施形態においては、折り曲げ加工を経ることなく、図17に示される形状になるように金属板を打ち抜くだけで、バスバー前駆体21′は、外形として凡そバスバー21の形状に成形された状態になっている。
【0107】
次に、バスバー前駆体21′を樹脂で一体成形する(第1の工程)。即ち、外側cに突出した端子部位21c-2′、及び、内側dに突出した端子部位21d-2′の一部を残し、主として円環部位21c-1′、円弧部位21d-1′及び接続部21p′,21q′全体を樹脂で覆う(一体成形する)。本工程で一体成形に用いる樹脂やバスバー前駆体21′を樹脂で一体成形する方法(例えば、金型へ配置する工程を含む方法)は、第1の実施形態と同様である。
【0108】
第1の工程によりバスバー前駆体21′が樹脂で覆われた、バスバー基板20が製造される前段階の状態(以下、「バスバー基板前駆体」と称する。)20′の平面図を図19に示す。また、図20は、バスバー基板前駆体20′の一部を拡大して示す拡大平面図であり、図19における領域Iを拡大した図面である。
【0109】
なお、図19及び図20においても、図示に当たり、図14及び図15と同様、樹脂部材22を透明で示すことにより、バスバー前駆体21′全体を視認できるようにしている。図19に示されるように、樹脂部材22は、内周(内周部20d)に円形の開口を有する円環状を有している。
【0110】
円環状の樹脂部材22における円形の開口の縁は、バスバー基板20における内周部20dに相当し、樹脂部材22における外周の端部(外縁)は、バスバー基板20における外周部20cに相当する。
【0111】
樹脂部材22は、バスバー前駆体21′における円環部位21c-1′、円弧部位21d-1′及び接続部21p′,21q′全体を覆っており、これらは樹脂部材22に覆われている(図19図20、及び、バスバー基板20にかかる図13図15を参照)。
【0112】
また、バスバー前駆体21′における端子部位21c-2′,21d-2′の付け根(即ち、円環部位21c-1′や円弧部位21d-1′の近傍)も樹脂部材22に覆われているが、端子部位21c-2′,21d-2′の付け根より先端側(端子部位21c-2′における外側c寄り、及び、端子部位21d-2′における内側d寄り)の部分は、樹脂部材22から露出した状態になっている。
【0113】
そして、バスバー基板前駆体20′から、12個の接続部21p′及び12個の接続部21q′を含む領域を樹脂部材22とともに穿孔することで、接続部21p′,21q′を分断する(第2の工程)。具体的には、図20に点線で示す仮想円21m′,21n′の箇所(計24箇所。図19参照。)において、樹脂部材22をバスバー前駆体21′ごと孔を開ける。すると、樹脂部材22内に覆われたバスバー前駆体21′の接続部21p′,21q′にも孔が開けられて、接続部21p′,21q′が分断される。
【0114】
なお、接続部21p′及び接続部21q′を切断する際には、この接続部21p′及び接続部21q′が樹脂部材22内に覆われており、正確な位置出しが困難になる場合がある。正確な位置出しをするためには、例えば、大まかな当たりを付けて、樹脂部材22の該当部位にやや大きめの孔(以下、「仮孔」と称する場合がある。)を開け、接続部21p′や接続部21q′を露出させてから、所定の穿孔を行うことができる。接続部21p′や接続部21q′を露出させることで、孔21h′が穿孔すべき孔の中心となり、正確な位置出しをすることができる(図20参照)。
【0115】
孔部21mにおいて、突出部21d-eの円弧形状と、突出部21d-fの円弧形状が、穿孔によって描かれた分断形状である。また、突出部21d-eの円弧形状と、突出部21d-fの円弧形状が円の一部となる仮想円は、樹脂部材22に仮孔を設けておかなければ、穿孔のみによって設けられたであろう貫通孔の大きさとなる。
【0116】
一方、孔部21nにおいて、突出部21c-3の円弧形状と、突出部21d-3の円弧形状が、穿孔によって描かれた分断形状である。また、突出部21c-3の円弧形状と、突出部21d-3の円弧形状が円の一部となる仮想円は、樹脂部材22に仮孔を設けておかなければ、穿孔のみによって設けられたであろう貫通孔の大きさとなる。
【0117】
図16をはじめ、本実施形態における図面では、孔部21m及び孔部21nにおいて、突出部21d-eの円弧形状と突出部21d-fの円弧形状が円の一部となる仮想円、あるいは、突出部21c-3の円弧形状と突出部21d-3の円弧形状が円の一部となる仮想円に比べて、樹脂部材22に設けられた孔の径が大きくなっている。これは、上記のように、正確な位置出しをするために開けられた樹脂部材22への仮孔の痕が残ったものである。この樹脂部材22の大径の仮孔は、軸線x方向において、バスバー21を中心に両側に設けられていても構わないし、片側にのみ設けられていても構わない。
【0118】
そのため、孔部21m及び孔部21nは、軸線x方向において、突出部21d-e及び突出部21d-f、あるいは、突出部21c-3及び突出部21d-3が対向する位置、及び、仮孔が設けられない面の樹脂部材22の位置では径が狭く、仮孔が設けられた面の樹脂部材22の位置では径が広くなっている。
【0119】
この樹脂部材22の仮孔は、バスバー前駆体21′を一体成形した樹脂部材22に事後的に設けるのではなく、予め金型を形作っておいて樹脂で一体成形する際に当該仮孔が形成されるようにしておいても構わない。樹脂で一体成形すると同時に樹脂部材22の仮孔が設けられるようにしておけば、後から仮孔を設ける手間が生じない。
【0120】
勿論、精密な治具や装置を用いる等の方法によって正確な位置出しが可能であるならば、樹脂部材22に仮孔を開けずに、直に樹脂部材22をバスバー前駆体21′ごと孔開けすればよい。このように直に孔開けした場合には、孔部21mあるいは孔部21nにおいて、突出部21d-e及び突出部21d-f、あるいは、突出部21c-3及び突出部21d-3が、孔の内周面から突出した本実施形態の状態にはならず、単なる円筒状の孔となる。
【0121】
以上の工程を経て、図14及び図15に示されるバスバー基板(基板)20が製造される。このとき、12個の仮想円21m′は孔部21mに、12個の仮想円21n′は孔部21nに、それぞれなる。仮想円21m′,21n′の箇所に孔を開ける方法は、第1の実施形態と同様である。
【0122】
以上のようにして孔部21mが形成されることから、孔部21mは、隣接する2つの第1バスバー(金属部材)21dの間において、接続部21p′で繋がっていた箇所が分断された痕となっている。また、以上のようにして孔部21nが形成されることから、孔部21nは、隣接する第1バスバー21dと第2バスバー21cとの間において、接続部21q′で繋がっていた箇所が分断された痕に相当する。
【0123】
図11に示されるように、バスバー基板20は、ハウジング本体151における上側aの開口近傍に取り付けられている。そして、図11及び図13に示されるように、バスバー基板20における、端子21d-2にはコイル242の引出線242dが、端子21c-2にはコイル242の引出線242cが、それぞれ接続されている。
【0124】
図21に、バスバー基板20における内周側20dの1つの端子21d-2及びその周辺の拡大斜視図を示す。なお、当該図21においては、樹脂部材22の図示を省略している。図21に示されるように、凹部21zに挟み込まれた状態で、引出線242dが端子21d-2に接続されている。
【0125】
端子21d-2と引出線242dは、凹部21zに対して引出線242dを圧入したり、引出線242dを凹部21zに挿し込んだ後に、はんだ付けしたり、図21の矢印Jで示されるように凸部yをペンチ等の工具で挟んでかしめたりすることで、接続することができる。あるいは、これらの固定手段を組み合わせても構わない。
【0126】
外周側20cの端子21c-2と引出線242cとの接続についても、図21を用いて説明した上記と同様である。
【0127】
なお、引出線242c及び引出線242dの数は、それぞれ、コイル242の数と同じ24本である。内側dの引出線242dについては、全24本が第1バスバー21cの24個の端子21d-2に接続されている。しかし、外側cの引出線242cは、全24本のうちの半分の12本のみが第2バスバー21cの12個の端子21c-2に接続されている。端子21c-2に接続されていない残りの引出線242cについては、不図示の外部電源や回路基板に繋がる導線、あるいは、何れかの引出線242dと適宜電気的に接続されている。
【0128】
本実施形態において、バスバー基板20に含まれる12個の第1バスバー(第1の金属部材)21d及び1つの第2バスバー(第2の金属部材)21cは、それぞれ配線を形成している。したがって、バスバー基板20は、複数(13個)の回路を形成している。バスバー基板20は、以上のように、容易に製造することができるので、延いてはモータ201を容易に製造することができる。特に、バスバー21(バスバー前駆体(金属板)21′)は、例えば、1枚の金属板を打ち抜くだけの簡単な工程で作製できるため、モータ201の高コスト化を抑制できる。
【0129】
また、本実施形態によれば、円環部21c-1、円弧部21d-1、並びに端子21c-2,21d-2からなるバスバー21が、1枚の金属板から作製され、これら部材の面が同一平面上にあるためごく薄膜である。当該ごく薄膜の金属板を薄膜の樹脂部材22で一体成形して得られたバスバー基板20によって、モータ201内の配線を構成しているため、モータ201の小型化を実現することができる。
【0130】
以上、本発明のモータ、及びモータの製造方法について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のモータ、及びモータの製造方法は、上記の実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記の各実施形態においては、金属部材(第1バスバー及び第2バスバー)の数として、特定の数のものを例示しているが、これら金属部材の数は、上記の各実施形態の例に限定されるものではない。
【0131】
また、上記の実施形態において、隣接する2つの金属部材の間(第1バスバー相互間、あるいは、第1バスバー-第2バスバー間)に形成される分断された痕は、円形の孔(孔部11m,11n,21m,21n)の形状を有しているが、本発明においてはこれに限定されない。長方形やひし形等の四角形や各種多角形、星型、楕円形、その他不定形を含む各種形状の孔であっても構わない。
【0132】
さらに、当該分断された痕は、元々接続部(11p′,11q′,21p′,21q′)で繋がっていた箇所が切断されて電気的に分離し、その後分断された痕が残る手段であれば、孔を開けるのではなく、他の手段であっても構わない。かかる他の手段としては、例えば、接続部に切込みを入れることが挙げられる。切込みにより、覆われた金属部材まで切断し、かつ、切断部が電気的に分離した状態になれば、本発明にいう「分断された痕」に相当する状態になる。具体的には、金属部材の切断部が同一平面上で物理的に離間した状態や、金属部材の切断部が平面とは垂直方向にずれて、それぞれの端面が樹脂部材と接触し、電気的に分離した状態などを挙げることができる。
【0133】
また、バスバー基板以外のモータの構成については、上記実施形態の構成に限定されず、あらゆるタイプのモータに対しても本発明を適用することができる。したがって、上記実施形態では、インナーロータ型のモータを例に挙げているが、アウターロータ型のモータにも適用することができるし、ブラシレスモータに限らずブラシモータにも適用することができる。
【0134】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のモータ、及びモータの製造方法を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0135】
10…バスバー基板(基板)、10′…バスバー基板前駆体(バスバー基板が製造される前段階の状態)、10c…外周部、10d…内周部、11…バスバー(金属部材)、11′…バスバー前駆体(金属板)、11c…第2バスバー(第2の金属部材)、11c′…金属部材、11c-1…円弧部、11c-1′…円弧部位、11c-2…径方向部、11c-2′…径方向部位、11c-3…軸方向部、11c-3′…軸方向部位、11c-4…端子、11c-4′…端子部位(端子となる部位)、11c-6′…境界領域、11d…第1バスバー(第1の金属部材)、11d′…金属部材、11d-1…円弧部、11d-1′…円弧部位、11d-2…径方向部、11d-2′…径方向部位、11d-3…軸方向部、11d-3′…軸方向部位、11d-4…端子、11d-4′…端子部位(端子となる部位)、11d-5…突出部、11d-6′…境界領域、11h′…孔、11m…孔部、11m′…仮想円、11n…孔部、11n′…仮想円、11p′…接続部、11q′…接続部、12…樹脂部材、12a…円環部、12b…突出部、20…バスバー基板(基板)、20′…バスバー基板前駆体(バスバー基板が製造される前段階の状態)、20c…外周部、20d…内周部、21…バスバー(金属部材)、21′…バスバー前駆体(金属板)、21c…第2バスバー(第2の金属部材)、21c′…金属部材、21c-1…円環部、21c-1′…円環部位、21c-2…端子、21c-2′…端子部位(端子となる部位)、21c-3…突出部、21d…第1バスバー(第1の金属部材)、21d′…金属部材、21d-1…円弧部、21d-1′…円弧部位、21d-2…端子、21d-2′…端子部位(端子となる部位)、21d-3…突出部、21d-e…突出部、21d-f…突出部、21h′…孔、21m…孔部、21m′…仮想円、21n…孔部、21y…凸部、21z…凹部、21n′…仮想円、21p′…接続部、21q′…接続部、22…樹脂部材、101…モータ、102…シャフト、103…ロータ、104…ステータ、131…マグネット、133…ロータコア、134…孔部、141…ステータコア(磁性体)、141a…円環部、141b…ティース(磁極部)、141c…突出部、142…コイル、142a…コイル端子、145…インシュレータ、161,162…軸受、201…モータ、202…シャフト、202a,202b…端部、203…ロータ、204…ステータ、205…ハウジング、231…マグネット、233…ロータコア、233a…内周部、233b…スポーク、233c…外周部、233d…凸部、233d1,233e1…空間、233e…凹部、234…孔部、241…ステータコア(磁性体)、241a…円環部、241b…磁極部(磁性体)、241c…突出部、242…コイル、242c…引出線、242d…引出線、245…インシュレータ、251…ハウジング本体、251a…底部、251b…突出部、251c…外周部、252…カバー、252a…平板部、252b…突出部、252c…外周部252d…開口部、252e…開口部、261,262…軸受

図1
図2
図3
図4
図5
図6
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