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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042379
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】ステータ及びモータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/46 20060101AFI20240321BHJP
【FI】
H02K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147053
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 友久
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604AA05
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB12
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604PB03
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で、コイルの巻き乱れを抑制し得るステータ、及び、これを用いたモータを提供する。
【解決手段】本発明のステータ4は、径方向cdに延在する複数の磁極部を備えるコア41と、複数の磁極部41cに対応する複数のインシュレータ45と、リング7,8と、を有し、複数のインシュレータ45がそれぞれ被連結部を備え、リング7,8が複数の連結部を備え、複数のインシュレータ45の被連結部と前記複数の連結部とが連結している。また、本発明のモータ1の一態様は、ステータ4と、ステータ4を収容するハウジング5と、を備え、ハウジング5の内周面51a′と、リング7の外周面71aと、が固定されている。本発明のモータ1の他の一態様は、ステータ4と、ステータ4を収容する第1筒部51a、及び、第2筒部51bを有するハウジング5と、を備え、第2筒部51bの内周面51b′と、リング8の外周面82cと、が固定されている。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
径方向に延在する複数の磁極部を備えるコアと、前記複数の磁極部に対応する複数のインシュレータと、リングと、を有し、
前記複数のインシュレータがそれぞれ被連結部を備え、
前記リングが複数の連結部を備え、
前記複数のインシュレータの被連結部と前記複数の連結部とが連結している、ステータ。
【請求項2】
前記リングの複数の連結部の数と、前記複数のインシュレータの数と、が等しい、請求項1に記載のステータ。
【請求項3】
前記複数の磁極部はそれぞれ、径方向において、放射状に配置されており、
前記被連結部が、前記インシュレータの外周部に備えられている、請求項1に記載のステータ。
【請求項4】
前記複数の磁極部はそれぞれ、径方向において、放射状に配置されており、
前記被連結部が、前記インシュレータの内周部に備えられている、請求項1に記載のステータ。
【請求項5】
前記複数の連結部は、前記複数の被連結部に向かって突出した突出部を備え、
前記複数の被連結部は、凹部を備え、
前記複数の連結部が備える突出部と、前記複数の被連結部が備える凹部と、が連結している、請求項3又は4に記載のステータ。
【請求項6】
請求項3に記載のステータと、
前記ステータを収容するハウジングと、を備え、
前記ハウジングの内周面と、前記リングの外周面と、が固定されている、モータ。
【請求項7】
請求項4に記載のステータと、
前記ステータを収容する第1筒部、及び、第2筒部を有するハウジングと、を備え、
前記第2筒部の内周面と、前記リングの外周面と、が固定されている、モータ。
【請求項8】
放射状に配置された複数の磁極部、該複数の磁極部に対応する複数のインシュレータ、第1リング、及び、第2リングを有するステータと、
前記ステータを収容する第1筒部、及び、第2筒部を有するハウジングと、を備え、
前記複数のインシュレータは、それぞれ、第1被連結部を有する外周部、及び、第2被連結部を有する内周部を備え、
前記第1リングが、前記複数のインシュレータの第1被連結部と連結する第1連結部を備え、
前記第2リングが、前記複数のインシュレータの第2被連結部と連結する第2連結部を備え、
前記ハウジングの第1筒部の内周面と、前記第1リングの外周面と、が固定されており、
前記ハウジングの第2筒部の内周面と、前記第2リングの外周面と、が固定されている、モータ。
【請求項9】
前記複数の第1連結部は、前記複数の第1被連結部に向かって突出した突出部を備え、
前記複数の第2連結部は、前記複数の第2被連結部に向かって突出した突出部を備え、
前記複数の第1被連結部及び前記複数の第2被連結部は、凹部を備え、
前記複数の第1連結部が備える突出部と、前記複数の第1被連結部が備える凹部と、が連結している、請求項6~請求項8の何れか1項に記載のモータ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータ及びモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1及び第2コイルがそれぞれ巻回された第1及び第2コイルボビンと、円環状部、前記円環状部の内側から所定方向に突出して前記第1コイルボビンが挿入された第1ティース部、前記円環状部の内側から前記所定方向とは反対方向に突出して前記第1ティース部に対向し前記第2コイルボビンが挿入された第2ティース部、を含むステータコアと、を備え、前記ステータコアは、周方向に分割されておらずに一体に形成されており、前記第1ティース部は、第1先端面を有し、前記第2ティース部は、前記第1先端面に対向した第2先端面を有するモータがある(特許文献1)。
【0003】
このようなモータでは、コイルが巻き回れたインシュレータは、十分にインシュレータがステータコアに固定されていない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-44864号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、コイルが巻き付けられたインシュレータを、簡易な構成で固定することができるステータ、及び、これを用いたモータを提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、例えば、以下の本発明の一態様により解決される。即ち、本発明の一態様は、径方向に延在する複数の磁極部を備えるコアと、前記複数の磁極部に対応する複数のインシュレータと、リングと、を有し、
前記複数のインシュレータがそれぞれ被連結部を備え、
前記リングが複数の連結部を備え、
前記複数のインシュレータの被連結部と前記複数の連結部とが連結している、ステータである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一例である実施形態にかかるモータの斜視図である。
図2】本発明の一例である実施形態にかかるモータの縦断面図であり、図4におけるA-A断面図に相当する。
図3】本発明の一例である実施形態にかかるモータの断面斜視図であり、図2におけるB-B断面図に相当する。
図4】本発明の一例である実施形態にかかるモータの横断面図であり、図2におけるB-B断面図に相当する。
図5】本発明の一例である実施形態にかかるモータからステータ及びハウジング本体のみを抜き出した縦断面斜視図であり、図2におけるC-C断面に相当する。
図6】本発明の一例である実施形態にかかるモータが備える1のインシュレータを上側から見た拡大斜視図である。
図7】本発明の一例である実施形態にかかるモータが備える1のインシュレータを下側から見た拡大斜視図である。
図8】本発明の一例である実施形態にかかるモータから、第1リング(リング)のみを抜き出し下側から見た斜視図である。
図9】本発明の一例である実施形態にかかるモータが備える第1リング(リング)の一部を拡大した拡大斜視図である。
図10】第1リング(リング)とインシュレータとを連結する様子を説明するための説明図であり、両者を連結する前の状態を示す拡大斜視図である。
図11】第1リング(リング)とインシュレータとの連結箇所周辺を示す拡大断面図であり、図5におけるD-D断面に相当する。
図12】本発明の一例である実施形態にかかるモータからハウジングを除した状態を下側から見た斜視図である。
図13】本発明の一例である実施形態にかかるモータから、第2リング(リング)のみを抜き出し上側から見た斜視図である。
図14】本発明の一例である実施形態にかかるモータから、第2リング(リング)のみを抜き出し下側から見た斜視図である。
図15】本発明の一例である実施形態にかかるモータが備える第2リング(リング)の一部を拡大した拡大斜視図である。
図16】第2リング(リング)とインシュレータとを連結する様子を説明するための説明図であり、両者を連結する前の状態を示す拡大斜視図である。
図17】第2リング(リング)とインシュレータとの連結箇所周辺を示す拡大断面図であり、図5におけるE-E断面に相当する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態にかかるステータ及びモータについて、図面を参照しながら説明する。
【0009】
図1は、本発明の一例である実施形態にかかるモータ1の斜視図であり、図2は、モータ1の縦断面図であり、図3は、モータ1の断面斜視図であり、図4は、図3と同じ断面における横断面図である。図2は、図4におけるA-A断面図に相当し、図3及び図4は、図2におけるB-B断面図に相当する。
【0010】
本実施形態の説明においては、モータ1の回転軸である軸線x方向において、矢印a方向の側を上側aとし、矢印b方向の側を下側bとする。なお、本実施形態の説明において、上側乃至下側と云う時は、図面における上下関係を意味し、重力方向における上下関係とは、必ずしも一致しない。
【0011】
また、本実施形態の説明においては、軸線xに垂直な径方向cdにおいて、軸線xから遠ざかる方向(矢印c方向)の側を外側cとし、軸線xに向かう方向(矢印d方向)の側を内側dとする。さらに、軸線xを中心とする円周方向(以下、「周方向ef」ともいう。)において、上側aから見て時計周りの方向を時計回り方向eとし、反時計周りの方向を反時計回り方向fとする。
【0012】
図1図4に示されるように、本実施形態にかかるモータ1は、回転軸となるシャフト2と、シャフト2に固定されて共に回転するロータ3と、ロータ3を取り囲むように配置されたステータ4と、モータ1の構成部品の一部又は全部を内部に収容するハウジング5と、を備えてなる。
【0013】
ロータ3は、磁性体で形成されたロータコア33内にマグネット31が配置されてなる。ステータ4は、磁性体で形成されたステータコア41にコイル42が巻回されてなり、ハウジング5に固定されている。本実施形態におけるモータ1は、インナーロータタイプのブラシレスモータの一種であり、IPMモータと称されるモータである。IPMモータとは、ロータ3にマグネット31を埋め込んだものであり、埋込マグネット型モータとも呼ばれている。
【0014】
ハウジング5は、ロータ3やステータ4等のモータ1の構成部品の一部又は全部を内部に収容し、ステータ4が固定されるハウジング本体51と、ハウジング本体51の上部の開口を覆うカバー52とを有する。ハウジング本体51は、環状の底部51cと、底部51cの外周に連なって上側aに延びる第1筒部51aと、底部51cの内周部に連なって筒状に下側bに突出する第2筒部51bと、を備える。第1筒部51aと第2筒部51bは、共に軸線xを中心軸としている。ステータ4は、ハウジング本体51における第1筒部51aに収容されている。
【0015】
カバー52は、環状の平板部52aと、平板部52aの内周に連なって筒状に下側bに突出する突出部52bと、平板部52aの外周に連なる外周部52cと、を備える。カバー52の突出部52bは、シャフト2の長手方向(軸線x方向)において、ロータ3に向かう方向(下側b方向)に突出している。
【0016】
ハウジング本体51の第1筒部51aとカバー52の外周部52cとが嵌合され、かつ、固定(締結)されて、モータ1の全部または一部がハウジング5の内部に収容されることで、モータ1として完成する。
【0017】
図1に示されるように、カバー52の平板部52aには、その中心に円形の開口部52eと、円弧状で開口部52eを取り囲む一対の開口部52dが設けられている。不図示ではあるが、ハウジング本体51の底部51cにも開口部が設けられている。この底部51cの開口部によって、開口部52dとともにモータ1の内外が連通され、空気の流れが生じるため、モータ1の内部が冷却されるようになっている。
【0018】
モータ1には、シャフト2をハウジング5に対して回転可能に支持する2つの軸受61,62が設けられている。
カバー52の突出部52bは、軸線x方向において、下側bに向かって円筒状に突出しており、その内部に、複数の軸受61,62のうち一方の軸受61が取り付けられている。軸受61は、圧入などにより、突出部52bの内部に固定されている。
【0019】
一方、ハウジング本体51の第2筒部51bは、軸線x方向において、下側bに向かって円筒状に突出しており、その内部に、複数の軸受61,62のうち他方の軸受62が、後述する第2リング8のリング部82を介して取り付けられている。軸受62は、圧入などにより、リング部82の内部に固定されている。
【0020】
径方向(cd方向)において、一方の軸受61の内径と他方の軸受62の内径は、略同じとなっているが、一方の軸受61の外径は、他方の軸受62の外径に比して大きくなっている。なお、一方の軸受61の外径と他方の軸受62の外径とが略同じであっても、大小関係が本実施形態とは逆になっていても、構わない。
【0021】
シャフト2は、2つの端部2a,2bを備えており、カバー52側にある一方の端部2a寄りの位置で一方の軸受61に回転可能に支持されている。また、ハウジング本体51側にある他方の端部2bが他方の軸受62によりハウジング本体51に対して回転可能に支持されている。
【0022】
よって、シャフト2は、軸受62を介してハウジング本体51、及び、軸受61を介してカバー52に、それぞれ周方向efに回転自在に固定されており、カバー52の開口部52eからシャフト2の一方の端部2aが突き出している。
【0023】
シャフト2はロータ3に固定されており、ステータ4とロータ3との電磁気的作用によってロータ3が周方向efに回転すると、ロータ3とともにシャフト2が周方向efに回転するようになっている。そして、モータ1においては、シャフト2の一方の端部2a近傍から回転力を外部に取り出すことができるようになっている。
【0024】
ロータ3は、ロータコア33及びマグネット31を有する。ロータコア33は、軸線x方向に積層する複数の磁性体の積層体となっている。かかるロータコア33は、孔部34と、孔部34を形成する環状の内周部33aと、内周部33aの外周面からステータ4に向けて放射状に形成された複数(本実施形態では20本)のスポーク33bと、複数のスポーク33bの外周端と連結する環状の外周部33cと、を有する。孔部34には、シャフト2が挿入されている。
【0025】
外周部33cには、径方向の外側cに複数(本実施形態では20個)のマグネット31が埋め込まれている。複数のマグネット31は、磁極を径方向の両側cdに向けて、周方向に等間隔で配置されている。マグネット31の磁極の向きは、外側cを向く磁極が、N極とS極とが交互になるように周方向efに並べられている。
【0026】
外周部33cは、径方向cdにおいて、ステータ4に向かって延在する複数の凸部33dを備えている。複数の凸部33dは、複数のマグネット31のそれぞれを取り囲む枠を備えている(以下、当該凸部を「ロータ凸部」と称する。)。ロータ凸部33dの枠は薄肉に形成され、枠の内部には矩形の空間33d1を備えている。また、外周部33cにおける、ロータ凸部33dの空間33d1それぞれに対応する位置に、径方向において、内側dに向けて凹んだ凹部(以下、「ロータ凹部」と称する。)33eが形成されている。
【0027】
これら空間33d1と空間33e1が合わさった略矩形の空間Sに、マグネット31が埋め込まれている。具体的には、軸線x方向を長手方向とする略矩形の空間Sに、軸線x方向を長手方向とする形状を有するマグネット31が収容されることで、マグネット31がロータコア33に埋め込まれる(以上、図4参照。)。
【0028】
なお、周方向efにおいて、空間33d1の外側cの端部の長さは、空間33e1の内側dの端部の長さに比べて、僅かに大きくなっている。
【0029】
ステータ4は、インシュレータ45と、コア(以下、「ステータコア」と称する。)41と、コイル42と、第1リング(リング)7と、第2リング(リング)8と、を有する。ステータコア41は、珪素鋼板等の磁性体の積層体となっている。かかるステータコア41は、シャフト2と同軸上に配置された環状部(以下、「円環部」と称する。)41aと、円環部41aからシャフト2側(矢印d方向側)へ向かって延びるように形成された複数(本実施形態では24本)の磁極部41bと、を備える。
【0030】
複数の磁極部41bは円環部41aから分割可能である。即ち、ステータコア41は、円環部41aと、複数の磁極部41bとで構成された分割コアである。円環部41aと複数の磁極部41bは、境界線Rで分割されている。
【0031】
また、磁極部41bの内側dの端部は、周方向efの両側に張り出した部分を有する突出部41cとなっている。径方向cdにおいて、ステータコア41の突出部41cと、ロータコア33のロータ凸部33dとは、磁気ギャップGを介して対向している。
【0032】
コイル42は、インシュレータ45に巻き回された状態で、複数の磁極部41bのそれぞれの周囲を囲んでいる。即ち、ステータコア41とコイル42との間には、絶縁体で形成されたインシュレータ45が介在しており、インシュレータ45によってステータコア41とコイル42とが絶縁されている。
【0033】
図5に、モータ1からステータ4及びハウジング本体51のみを抜き出した縦断面斜視図を示す。図5は、軸線xの上側aから見た斜視図であるとともに、図2におけるC-C断面に相当する、軸線xを含む平面による断面図である。図5においては、コイル42の図示が省略されている。
【0034】
図3図5に示されるように、ステータコア41の複数の磁極部41bは、径方向cdにおいて、放射状に配置されている。複数のインシュレータ45は、複数の磁極部41bにそれぞれ対応しており、それぞれの磁極部41bを取り囲んで配置されている。即ち、複数のインシュレータ45も、放射状に配置されている。
【0035】
図6は、1のインシュレータ45を軸線xの上側aから見た拡大斜視図であり、図7は、同様に軸線xの下側bから見た拡大斜視図である。
なお、周方向cdにおいて、複数のインシュレータ45における内側dの領域を内周部45dと称し、複数のインシュレータ45における外側cの領域を外周部45cと称する。図6及び図7ともに、図面上、内周部45dが手前側になるように描かれている。
【0036】
インシュレータ45は、筒状部45aと、外周部45cに当たる領域と、内周部45dに当たる領域と、を備える。筒状部45aは、複数の角部を有する筒状の形状であり、径方向cdに連通する内部空間45bを有する。この内部空間45bにステータ4の磁極部41bが挿し込まれる(図3及び図4参照)。このとき、内部空間45bと磁極部41bとの間には、所定のクリアランスが設けられている。
【0037】
インシュレータ45における外周部45cに当たる領域は、壁部(以下、「外側壁部」と称する。)45c-1と、凸部(以下、「外上凸部」と称する。)45c-2と、凸部(以下、「外下凸部」と称する。)45c-3と、を有する。
【0038】
外側壁部45c-1は、筒状部45aの外側cの端部に連なり、筒状部45aの軸方向(筒状部45aの両端開口の中心を結んだ線分の方向。筒状部45aの内側を通る径方向cdと同じ。以下、「軸方向cd」と表記する場合がある。)に対して交差する方向(本実施形態では垂直な方向)の平面を壁面として備える。
【0039】
外上凸部45c-2は、外側壁部45c-1の上側aの端部及びその近傍から外側cに突出した部位であり、外下凸部45c-3は、外側壁部45c-1の下側bの端部及びその近傍から外側cに突出した部位である。外上凸部45c-2及び外下凸部45c-3は、緩やかな凸状の曲面を有している。なお、外上凸部45c-2及び外下凸部45c-3は、略同一形状である。
【0040】
一方、インシュレータ45における内周部45dに当たる領域は、壁部(以下、「内側壁部」と称する。)45d-1と、凸部(以下、「内上凸部」と称する。)45d-2と、凸部(以下、「内下凸部」と称する。)45d-3と、を有する。
【0041】
内側壁部45d-1は、筒状部45aの内側dの端部に連なり、筒状部45aの軸方向cdに対して交差する方向(本実施形態では垂直な方向)の平面を壁面として備える。内側壁部45d-1は、外周部45cに当たる領域にある外側壁部45c-1と、相互に対向する面を有している。
【0042】
内上凸部45d-2は、内側壁部45d-1の上側aの端部及びその近傍から内側dに突出した部位であり、内下凸部45d-3は、内側壁部45d-1の下側bの端部及びその近傍から内側cに突出した部位である。内上凸部45d-2及び内下凸部45d-3は、緩やかな凹状の曲面を有している。なお、内上凸部45d-2及び内下凸部45d-3は、略同一形状である。
【0043】
図6に示されるように、インシュレータ45における外周部45cの上側aの端部(外上凸部45c-2における上側aの面)には、下側bに向け凹んだ凹部44cが形成されている。また、図7に示されるように、インシュレータ45における内周部45dの下側bの端部(内下凸部45d-3における下側bの面)には、上側aに向けて凹んだ凹部44dが形成されている。これら凹部44c及び凹部44dは、後述するように被連結部(順に、「第1被連結部」及び「第2被連結部」)として機能する。なお、凹部44c及び凹部44dは、軸方向に貫通した孔部(貫通孔)であっても構わない。
【0044】
以上のような形状の複数(本実施形態では24個)のインシュレータ45は、図3図5に示されるように、ステータコア41の磁極部41bに取り付けられると、内周部45dを軸線xに向けて放射状に等間隔で並べられた状態になる。
【0045】
なお、個々のインシュレータ45には、図2図4に示されるコイル42を巻き付けた状態(いわゆる「ボビンコイル」の状態。)で、ステータコア41の磁極部41bに取り付けられる。ステータコア41は、円環部41aと複数の磁極部41bとで径方向cdに分割された状態(いわゆる「分割コア」の状態。)になっている。複数の磁極部41bに個々のインシュレータ45を取り付けた後に複数の磁極部41bを円環部41aに取り付けて、ステータコア41を形成すればよい。
【0046】
複数のインシュレータ45が放射状に並べられることにより、外上凸部45c-2及び外下凸部45c-3の緩やかな凸状の曲面が周方向efに断続的に並び、全体として略円柱状になっている。また、軸線x方向において、外上凸部45c-2と外下凸部45c-3との間には、外側壁部45c-1に向かって凹んだ凹部45c-4が形成されており、凹部45c-4にステータコア41の円環部41aが嵌合した状態になっている(以上、後に説明する図13参照。)。
【0047】
一方、複数のインシュレータ45が放射状に並べられることにより、内上凸部45d-2及び内下凸部45d-3の緩やかな凹状の曲面が周方向efに断続的に並び、全体として円筒の内周面と同様の形状になっている。また、軸線x方向において、内上凸部45d-2と内下凸部45d-3との間には、内側壁部45d-1に向かって凹んだ凹部45d-4が形成されており、凹部45d-4にステータコア41の突出部41cが嵌合した状態になっている(以上、図5参照。)。ステータコア41の磁極部41bの内側dの端部は、突出部41cとともに凹曲面を有している。この凹曲面は、インシュレータ45における内上凸部45d-2及び内下凸部45d-3の頂部の凹曲面と近似した形状になっている。
【0048】
既述の通り、インシュレータ45の内部空間45bと磁極部41bとの間に所定のクリアランスが設けられているため、そのままではインシュレータ45が安定しないが、本実施形態では、2つのリング(第1リング7及び第2リング8)によってハウジング5に固定されているため、インシュレータ45は安定している。
【0049】
まず、第1リング7による固定について説明する。
図8に、下側bから見た第1リング7の斜視図を示す。また、図9に、第1リング7の一部を拡大した拡大斜視図を示す。図8及び図9に示されるように、第1リング7は、扁平な円筒状のリング部71と、リング部71の軸線x方向の下側bの端部から下側bに向けて突出した複数(本実施形態では24個)の突出部(連結部、第1連結部)72と、を備える。リング部71は、外周面71cと内周面71dとを備えている。突出部72は、周方向efにおいて等間隔に並んで配置されている。
【0050】
突出部72は、径方向cdの厚みが、先端に向かう(下側bに行く)にしたがって減少するように、周方向の外側cの面(以下、「傾斜面」と称する。)72aが内側dに向けて傾斜している。ただし、突出部72の先端72bは平坦な面となっている。本実施形態において、第1リング7における突出部72の数は、インシュレータ45の数と等しい。
【0051】
第1リング7は、複数の突出部72がインシュレータ45における凹部44cと連結することにより、インシュレータ45を固定する。図10は、第1リング7とインシュレータ45とを連結する様子を説明するための説明図であり、第1リング7とインシュレータ45とを連結する前の状態(あるいは、両者の連結を解いてそのまま引き離した状態)を示す拡大斜視図である。
【0052】
図10に示されるように、第1リング7における複数(図10においては、全24個中の3個を図示)の突出部72は、複数(同様に全24個中の3個を図示)のインシュレータ45における凹部(被連結部、第1被連結部)44cに向かって突出している。図10中の矢印j方向に第1リング7を相対的に動かして、それぞれの突出部72を凹部44cに嵌入させて嵌合し、連結させることで、第1リング7と複数のインシュレータ45とを連結する。
【0053】
図11は、第1リング7とインシュレータ45との連結箇所周辺を示す拡大断面図である。図11は、図5におけるD-D断面の部分拡大図に相当する。図10に示されるように第1リング7と複数のインシュレータ45とを連結させることで、図11に示される状態になる。
【0054】
図11に示されるように、インシュレータ45における凹部44cの形状は、第1リング7における突出部72の形状に対応している。即ち、凹部44c内面における径方向の外側cの面(以下、「傾斜内面」と称する。)44c′が、突出部72における傾斜面72aに対応して、凹部44cの底部に近づくにしたがって径方向の内側dに近づくように傾斜している。
【0055】
そのため、図10に示されるように、第1リング7をインシュレータ45に相対的に近づける(矢印j方向に移動する)際に、突出部72の先端72bの位置が多少ずれていたとしても、傾斜面72aと傾斜内面44c′とが接触し、両者の傾斜による誘導で突出部72が凹部44cの所定の位置に相対的に導かれる(実際には、主として、複数ばらばらなインシュレータ45の方が所定の位置に誘導される。)。そして、突出部72を根元まで凹部44cに挿し込むことにより、突出部72と凹部44cとがしっかりと連結される。以上のように、本実施形態においては、第1リング7と複数のインシュレータ45との連結をまとめて行うことができ容易である。
【0056】
さらに、第1リング7の外周面71cがハウジング5の第1筒部51aの内周面51a′に固定されている。第1リング7の外周面71cとハウジング5の第1筒部51aの内周面51a′が係合しあう形状に、第1リング7とハウジング5を予め成形しておいてもよいし、第1リング7の外形の大きさ(外径)とハウジング5の内側の大きさ(内径)を調整して成形することで圧入によって固定されるようにしておいてもよい。また、これら固定手段に代えて、あるいは、これら固定手段に加えて、第1リング7とハウジング5を接着剤や溶着等を用いて固定しても構わない。
【0057】
以上のようにして、複数のインシュレータ45は、第1リング7を介してハウジング5に安定的に固定される。
【0058】
次に、第2リング8による固定について説明する。
図12は、モータ1からハウジング5を除した状態の下側bから見た斜視図である。図5図12に示されるように、第2リング8は、複数のインシュレータ45を下側bから固定している。
【0059】
図13に、上側aから見た第2リング8の斜視図を示し、図14に、下側bから見た第2リング8の斜視図を示す。また、図15に、第2リング8の一部を拡大した拡大斜視図を示す。
【0060】
図13図15に示されるように、第2リング8は、円盤部81と、リング82と、スポーク83と、突出部84と、を備える。円盤部81の中央には、円形の開口85がある。円筒状のリング82は、下側bに延びており、円盤部81の開口85の一部を備えている。複数(本実施形態では24本)のスポーク83は、円盤部81の外側cの端部から放射状に延びている。突出部(連結部、第2連結部)84は、スポーク83の外側cの端部から上側aに突出する。スポーク83と突出部84とは屈曲部を介して連結している。スポーク83及び突出部84は、周方向efにおいて、等角度及び等間隔に並んで配置されている。
【0061】
リング部82は、開口85から下側bに延びる内側の内周面82dと、外側の外周面82cとを有する。このリング部82の外周面82cは、第2リング8の外周面の一部を形成している。
【0062】
突出部84は、先端部84aと、連結部84bと、を有する。先端部84aの幅(周方向efの長さ)は、上側aに行くにしたがって狭くなる。連結部84bは、先端部84a及びスポーク83を繋いでいる。先端部84aは、上側aに突き出していて、先端部84aの頂部84a-1を形成する2つの傾斜した面84a-2が角θ1(およそ90°)で交差している。本実施形態において、第2リング8における突出部84の数は、インシュレータ45の数と等しい。
【0063】
連結部84bにおける周方向efの両側の面は、ギザギザ状(zigzag)の係止部84cを有している。係止部84cは、先端部84a側からスポーク83側に向かう方向に順に、連結部84bの幅方向(周方向efと同じ)の中心線yに近づく切込みの辺(以下、「切込辺」と称する。)84b-1と、切込辺84b-1の底部(中心線yに最も近づいた箇所)84b-3から折り返して中心線yから遠ざかる辺(以下、「折返し辺」と称する。)84b-2と、が3回繰り返された形状になっている。
【0064】
また、切込辺84b-1と中心線yとの成す角θ2が略直角になっているのに対して、折返し辺84b-2と中心線yとの成す角θ3は略45°であり、先端部84a側からスポーク83側に向かうにしたがって折返し辺84b-2が中心線yから遠ざかる方向に傾斜している。
【0065】
第2リング8は、複数の突出部84がインシュレータ45における凹部44dと連結することにより、インシュレータ45を固定する。図16は、第2リング8とインシュレータ45とを連結する様子を説明するための説明図であり、第2リング8とインシュレータ45とを連結する前の状態(あるいは、両者の連結を解いてそのまま引き離した状態)を示す拡大斜視図である。
【0066】
図16に示されるように、第2リング8における複数(図16においては、全24個中の5個を図示)の突出部84は、複数(同様に全24個中の5個を図示)のインシュレータ45における凹部(被連結部、第2被連結部)44dに向かって突出している。図16中の矢印k方向に第2リング8を相対的に動かして、それぞれの突出部84を凹部44dに嵌入させて嵌合し、連結させることで、第2リング8と複数のインシュレータ45とを連結する。
【0067】
図17は、第2リング8とインシュレータ45との連結箇所周辺を示す拡大断面図である。図17は、図5におけるE-E断面の部分拡大図に相当する。図16に示されるように第2リング8と複数のインシュレータ45とを連結させることで、図17に示される状態になる。
【0068】
既述の通り、本実施形態において、第2リング8の突出部84における先端部84aが上側aに突き出して尖った形状になっている。そのため、図16に示されるように、第2リング8をインシュレータ45に相対的に近づける(矢印k方向に移動する)際に、突出部84の頂部84a-1の位置が多少ずれていたとしても、先端部84の傾斜辺84a-2と凹部44dにおける周方向efの両側の縁とが接触し、傾斜辺84a-2による誘導で突出部84が凹部44dの所定の位置に相対的に導かれる(実際には、主として、複数ばらばらなインシュレータ45の方が所定の位置に誘導される。)。
【0069】
そして、突出部84を根元まで凹部44dに相対的に挿し込むことにより、突出部84と凹部44dとがしっかりと連結される。以上のように、本実施形態においては、第2リング8と複数のインシュレータ45との連結をまとめて行うことができ、操作が容易である。
【0070】
また、既述の通り、本実施形態において、第2リング8の突出部84における連結部84bには、ギザギザ状(zigzag)の係止部84cを有している。そのため、この係止部84cの凹凸が滑り止めとして作用するため、凹部44dに挿し込まれた突出部84が抜けるのを抑制する。
【0071】
特に、この係止部84cの凹凸形状において、切込辺84b-1が中心線yに対して略直角になっている。この切込辺84b-1は、突出部84が凹部44dから抜ける方向への力に対して大きな抵抗力が作用する角度(中心線yと切込辺84b-1との成す角θ2が略直角)に形成されているため、切込辺84b-1が凹部44dの内周面に大きく作用し、滑り止めとしての作用が大きい。そのため、凹部44dに挿し込まれた突出部84が抜けるのをより抑制する。
【0072】
一方、この係止部84cの凹凸形状において、折返し辺84b-2が、先端部84a側からスポーク83側に向かうにしたがって中心線yから遠ざかる方向に傾斜している。即ち、突出部84を凹部44dに挿し込む際、凹部44dの縁に折返し辺84b-2は斜めに当たり、大きな抵抗にならない。そのため、凹部44dに挿し込まれた突出部84の進行が阻害されにくい。
【0073】
なお、本実施形態において、凹部44d内部の形状は、4つの平面の壁に囲まれた直方体状であるため、凹部44dに挿し込まれた突出部84は、凹部44dの内面と突出部84の外面との間の摩擦により凹部44dに固定されることになる。したがって、軸線x方向と垂直な平面による断面積が、凹部44dよりも突出部84を僅かに大きめにしておき、突出部84を凹部44dに圧入することで、係止部84cの凹凸形状による係止力と相俟って、より強固に固定される。突出部84と凹部44dとの間の固定をより高めるために、突出部84を凹部44dに挿し込む前または後に、あるいはその両方に、接着剤を塗布する等の他の固定方法を併せて実施することもできる。
【0074】
凹部44dの内面における係止部84cとの対向面に、凸部や段差部、あるいは、係止部84cに対応する形状等、係止部84cの凹凸の凹みに嵌まり込む凸形状を設けておくこともできる。凹部44dの内面に当該凸形状を設けておくことで、突出部84を凹部44dに挿し込んだ際に、当該凸形状が係止部84cの凹凸の凹みに嵌まり込み、凹部44dの内面と係止部84cとが係合する。
【0075】
このように、凹部44dと係止部84cとが係合するようにしておくことで、接着剤を使用しなくても、あるいは圧入させなくても、第2リング8の突出部84とインシュレータ45の凹部44dとをしっかりと固定することができる。勿論、複数種類の固定手段によって、より強固に突出部84と凹部44dとを固定することにしてもよい。
【0076】
さらに、図2に示されるように、第2リング8は、その外周面82cがハウジング5の第2筒部51bの内周面51b′に固定されている。第2リング8の外周面82cとハウジング5の第2筒部51bの内周面51b′との固定は、双方の内外径を調整して成形することで圧入によって固定されるようにしておいてもよいし、第2リング8とハウジング5が係合するように予め成形しておいてもよい。また、これら固定手段に代えて、あるいは、これら固定手段に加えて、接着剤や溶着等の手段で第2リング8とハウジング5を接着するようにしても構わない。
【0077】
図2に示されるように、ハウジング5の第2筒部51bに嵌め込まれた第2リング8のリング部82のさらに内側には、軸受62が嵌め込まれている。軸受62は、圧入などにより、リング部82の内周面82dに固定されている。
以上のようにして、複数のインシュレータ45は、第2リング8を介してハウジング5に安定的に固定される。
【0078】
したがって、本実施形態において、複数のインシュレータ45は、既述の第1リング7と上記第2リング8によって、軸線x方向の上側a及び下側bの両方から、また、径方向の外側c及び内側dの両方から、挟み込むように支持されて、ハウジング5に安定的に固定される。
【0079】
本実施形態において、ハウジング5にステータ4を組み込む際には、まず、ステータコア41の磁極部41bの全てにコイル42が巻き付けられたインシュレータ45を取り付ける(図2図4等参照)。次いで、インシュレータ45の凹部44dに第2リング8の突出部84を挿し込んで、インシュレータ45と第2リング8を連結する(図12図16図17等参照)。
【0080】
次に、ステータコア41及びインシュレータ45と一体となった第2リング8のリング部82をハウジング5の第2筒部51bに挿し込んで、第2リング8とハウジング5とを固定する(図2図5等参照)。この段階で、ステータコア41及びインシュレータ45は、ハウジング5の第1筒部51aに収容された状態になっている。
【0081】
そして、ハウジング5の第1筒部51aの上側aから第1リング7を挿入しつつ、第1リング7の突出部72をインシュレータ45の凹部44cに挿し込んで、インシュレータ45と第1リング7を連結するとともに、第1リング7の外周面71cとハウジング5の第1筒部51aとを固定する(図2図5等参照)。
【0082】
そしてさらに、軸受62を第2リング8の内側に圧入し、軸受62にロータ3が取り付けられたシャフト2の他方の端部2bが圧入され、シャフト2の一方の端部2aから軸受61を圧入する。最後に、ハウジング本体51の上側aにカバー52を取り付けることで、本実施形態のモータ1を作製することができる。なお、上記組み立ての説明では、それぞれの部材間の固定について、主として圧入を挙げているが、これに限定されるものではない。
【0083】
以上、本発明のステータ及びモータについて、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のステータ及びモータは、上記の実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態においては、第1リング7と第2リング8の2つのリングを備えるステータ及びモータの例を挙げているが、本発明においてはこれに限定されない。本発明においては、第1リング7と第2リング8の何れか一方のリングを有してさえいれば、予めコイルが巻き付けられたインシュレータを、簡易な構成で固定することができる。
【0084】
また、上記の実施形態においては、第1リング7及び第2リング8の複数の連結部(突出部72,84)の数と、複数のインシュレータ45の数と、が等しい例を挙げているが、本発明においてはこれに限定されない。例えば、周方向に隣合うインシュレータ同士を連結して2個1組とすれば、リングの連結部の数はその1組に1つ対応すれば十分であり、インシュレータの数に対して半分の数の連結部があればよい。インシュレータの組を1組当たり3個以上とすれば、連結部の数はさらに少なくすることができる。
【0085】
あるいは、複数のインシュレータの内の半分に対応する連結部を有する第1リングと、残りの半分に対応する連結部を有する第2リングの2つのリングを有する構成であれば、それぞれのリングにおいてはインシュレータの数に対して半分の数の連結部があればよい。この例においては、第1リング及び第2リングの2つのリングで、複数のインシュレータの全部を、簡易な構成で固定することができる。
【0086】
さらに、上記の実施形態における各部材の形状や大きさ、個数等は、あくまでも例示であり、本発明においてこれらは目的に応じて様々な形状や大きさ、個数等を採用することができる。
【0087】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のステータ及びモータを適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0088】
1…モータ、2…シャフト、3…ロータ、4…ステータ、5…ハウジング、7…第1リング(リング)、8…第2リング(リング)、31…マグネット、33…ロータコア、33a…内周部、33b…スポーク、33c…外周部、33d…ロータ凸部、33d1,33e1…空間、33e…ロータ凹部、34…孔部、41…ステータコア(磁性体)、41a…円環部、41b…磁極部、41c…突出部、42…コイル、44c,44d…凹部(被連結部)、44c′…傾斜内面、45…インシュレータ、45a…筒状部、45b…内部空間、45c…外周部、45c-1…外側壁部(壁部)、45c-2…外上凸部(凸部)、45c-3…外下凸部(凸部)、45c-4…凹部、45d…内周部、45d-1…内側壁部(壁部)、45d-2…内上凸部(凸部)、45d-3…内下凸部(凸部)、45d-4…凹部、51…ハウジング本体、51a…第1筒部、51a′…内周面、51b…第2筒部、51b′…内周面、51c…底部、52…カバー、52a…平板部、52b…突出部、52c…外周部、52d…開口部、52e…開口部、61,62…軸受、71…リング部、71c…外周面、71d…内周面、72…突出部(連結部、第1連結部)、72a…傾斜面、72b…先端、81…円盤部、82…リング部、82c…外周面、82d…内周面、83…スポーク、84…突出部(連結部、第2連結部)、84a…先端部、84a-1…頂部、84a-2…傾斜辺、84b…連結部、84b-1…切込辺、84b-3…底部、84b-2…折返し辺、84c…係止部、85…開口

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
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図16
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