(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042387
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】水処理システム及び水処理方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/78 20230101AFI20240321BHJP
C02F 9/00 20230101ALI20240321BHJP
C02F 3/10 20230101ALI20240321BHJP
【FI】
C02F1/78
C02F9/14
C02F3/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147067
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】522367414
【氏名又は名称】有限会社ピー・オー・アイ技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】522367425
【氏名又は名称】有限会社グリーンシー
(71)【出願人】
【識別番号】520270299
【氏名又は名称】株式会社IMPACT
(74)【代理人】
【識別番号】100111257
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 栄二
(74)【代理人】
【識別番号】100157048
【弁理士】
【氏名又は名称】望月 昇
(72)【発明者】
【氏名】川島 寿雄
(72)【発明者】
【氏名】小海 孝雄
【テーマコード(参考)】
4D003
4D050
【Fターム(参考)】
4D003AA12
4D003AB13
4D003BA02
4D003EA20
4D003EA22
4D003EA28
4D003FA06
4D050AA12
4D050AB19
4D050BB02
4D050BC10
4D050BD02
4D050BD03
4D050BD06
4D050CA17
(57)【要約】
【課題】水中に含まれる有機フッ素化合物を含む有機物を、比較的簡易な方法で処理する水処理システム及び水処理方法を提供する。
【解決手段】本水処理システムは、酸化反応装置10、生物処理装置20及びオゾンガス発生器30から構成される。酸化反応装置10の酸化反応槽11内では、第1マイクロナノバブル発生器13により原水RW中に分散されたオゾンマイクロナノバブルにより、原水中の有機物を酸化して分解して、一次処理水として生物処理装置20に送られる。生物処理装置20の生物処理槽21内では、一次処理水W1中に浮遊する微生物が繁殖する多孔質体25により一次処理水W1中の有機物を分解して、二次処理水W2として外部に払い出す。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水中に含まれる有機物を分解処理する水処理システムであって、
前記水処理システムは、酸化反応装置と、生物処理装置と、オゾンガス発生器とを備え、
前記酸化反応装置は、原水を受け入れて、前記原水中に含まれる有機物を分解して一次処理水とする酸化反応槽と、
前記酸化反応槽内の原水を循環させる原水循環ポンプと、
前記原水循環ポンプの吐出側に配設され、前記オゾンガス発生器から供給されるオゾンガスを原水中にマイクロナノバブルとして分散させる第1マイクロナノバブル発生器と、
前記酸化反応槽中の原水を一次処理水として前記生物処理装置に圧送する一次処理水払出ポンプとを備え、
前記生物処理装置は、前記一次処理水を受け入れて、前記一次処理水中に含まれる有機物を微生物により分解して二次処理水とする生物処理槽と、
前記生物処理槽内の一次処理水を循環させる一次処理水循環ポンプと、
前記一次処理水循環ポンプの吐出側に配設され、前記オゾンガス発生器から供給されるオゾンガスを一次処理水中にマイクロナノバブルとして分散させる第2マイクロナノバブル発生器と、
前記生物処理槽内の一次処理水を二次処理水として圧送する二次処理水払出ポンプとを備え、
前記生物処理槽内の一次処理水中には、微生物が繁殖する多孔質体が浮遊させられている水処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の水処理システムにおいて、
前記原水循環ポンプ及び第1マイクロナノバブル発生器が、前記酸化反応槽外部に配設され、
前記酸化反応槽と、原水循環ポンプ及び第1マイクロナノバブル発生器との間は、配管で接続されている水処理システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の水処理システムにおいて、
前記微生物が繁殖する多孔質体は、ガラス発泡材である水処理システム。
【請求項4】
原水中に含まれる有機物を、オゾン酸化工程及び生物処理工程により分解する水処理方法であって、
前記オゾン酸化工程は、
酸化反応槽内に受け入れた原水を原水循環ポンプにより循環させる工程と、
前記原水循環ポンプ吐出側に配設された第1マイクロナノバブル発生器により、原水中にオゾンガスをマイクロナノバブルとして分散させる工程と、
前記原水中に分散されたオゾンガスのマイクロナノバブルにより、原水に含まれる有機物を分解して一次処理水とする工程とを備え、
前記生物処理工程は、
前記オゾン酸化工程から生物処理槽内に受け入れた前記一次処理水を、一次処理水循環ポンプにより循環させる工程と、
前記一次処理水循環ポンプ吐出側に配設された第2マイクロナノバブル発生器により、一次処理水中にオゾンガスをマイクロナノバブルとして分散させる工程と、
前記一次処理水に含まれる有機物を、一次処理水中に浮遊する微生物が繁殖する多孔質体により分解して二次処理水とする工程とを備える水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機フッ素化合物等の有機物を含む水の水処理システム及び水処理方法に関するものであり、特に、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びパーフルオロオクタン酸(PFOA)を含む有機物の分解除去を対象とした水処理システム及び水処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機フッ素化合物は、他の物質では代替困難な優れた物理化学的性質を持っており、界面活性剤、表面処理剤、ポリマー等の機能性材料として、今まで多くの産業で利用されている。しかし、近年、パーフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)やパーフルオロオクタン酸(PFOA)のような有機フッ素化合物が、世界規模で環境中に存在していることが明らかになった。これら有機フッ素化合物については、細胞間の物質の伝達を阻害する等生体に有害な作用が指摘されたため、近年我が国や米国等を含む各国で法的規制を始め、またその検討を行っている。
【0003】
有機フッ素化合物による環境負荷を低減させるには、発生源において漏洩を防止すると共に、廃棄物や排水中の残留物を無害化する必要がある。しかし、これら有機フッ素化合物は非常に安定であるため熱分解には1000℃以上の高温が必要となり、無害化処理するために膨大なエネルギーコストが必要となる。従来、水中の有害物質を分解させる方法としてはオゾン処理や酸化チタン光触媒が知られているが、OHラジカルとの反応性が乏しいため、これらの方法を用いても炭素・フッ素結合は切断できない。そのため、有機フッ素化合物を効果的に分解する方法の開発が望まれていた。
【0004】
特許文献1は、マイクロナノバブルで活性化した微生物により排水が含有する有機フッ素化合物等の有機化合物を分解し、この有機化合物の分解で生じた排ガスを排ガス処理装置に導入し、マイクロナノバブルを含有する洗浄水で処理する排水処理システムについてのものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、有機フッ素化合物の分解により発生したフッ素ガスを排ガス処理装置で洗浄水に吸収させて処理するため、排ガス処理システムが複雑で高コストになり、処理操作も煩雑になってしまう。
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、比較的シンプルな装置構成で、水中に含まれるPFOSやPFOAのような有機フッ素化合物を含む有機物を処理して無害化する技術を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る水処理システムは、
原水中に含まれる有機物を分解処理する水処理システムであって、
前記水処理システムは、酸化反応装置と、生物処理装置と、オゾンガス発生器とを備え、
前記酸化反応装置は、原水を受け入れて、前記原水中に含まれる有機物を分解して一次処理水とする酸化反応槽と、
前記酸化反応槽内の原水を循環させる原水循環ポンプと、
前記原水循環ポンプの吐出側に配設され、前記オゾンガス発生器から供給されるオゾンガスを原水中にマイクロナノバブルとして分散させる第1マイクロナノバブル発生器と、
前記酸化反応槽中の原水を一次処理水として前記生物処理装置に圧送する一次処理水払出ポンプとを備え、
前記生物処理装置は、前記一次処理水を受け入れて、前記一次処理水中に含まれる有機物を微生物により分解して二次処理水とする生物処理槽と、
前記生物処理槽内の一次処理水を循環させる一次処理水循環ポンプと、
前記一次処理水循環ポンプの吐出側に配設され、前記オゾンガス発生器から供給されるオゾンガスを一次処理水中にマイクロナノバブルとして分散させる第2マイクロナノバブル発生器と、
前記生物処理槽内の一次処理水を二次処理水として圧送する二次処理水払出ポンプとを備え、
前記生物処理槽内の一次処理水中には、微生物が繁殖する多孔質体が浮遊させられていることを特徴とする水処理システムである。
【0009】
また、本発明に係る水処理方法は、
原水中に含まれる有機物を、オゾン酸化工程及び生物処理工程により分解する水処理方法であって、
前記オゾン酸化工程は、
酸化反応槽内の原水を原水循環ポンプにより循環させる工程と、
前記原水循環ポンプ吐出側に配設された第1マイクロナノバブル発生器により、原水中にオゾンガスをマイクロナノバブルとして分散させる工程と、
前記原水中に分散されたオゾンガスのマイクロナノバブルにより、原水に含まれる有機物を分解して一次処理水とする工程とを備え、
前記生物処理工程は、
前記オゾン酸化工程から生物処理槽内に受け入れた前記一次処理水を、一次処理水循環ポンプにより循環させる工程と、
前記一次処理水循環ポンプ吐出側に配設された第2マイクロナノバブル発生器により、一次処理水中にオゾンガスをマイクロナノバブルとして分散させる工程と、
前記一次処理水に含まれる有機物を、一次処理水中に浮遊する微生物が繁殖する多孔質体により分解して二次処理水とする工程とを備える水処理方法である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明に係る水処理システム及び水処理方法によれば、酸化反応槽内において原水中の有機物が、オゾンガスのマイクロナノバブルにより効果的に酸化分解され、さらに、生物処理槽内においてオゾンガスが分解して発生した酸素によって活性化された微生物が繁殖する多孔質体により、残存した原水中の有機物を効果的に分解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る水処理システムのフロー図である。
【
図2】実施形態の変形例に係る水処理システムのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(水処理システムの実施形態)
以下に、本発明の実施形態に係る水処理システムについて説明する。
図1は実施形態に係る水処理システム1のフロー図である。なお、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0013】
本実施形態の水処理システム1は、
図1に示すように、酸化反応装置10、生物処理装置20、及びオゾンガス発生器30より構成され、酸化反応装置10は、酸化反応槽11、原水循環ポンプ12、第1マイクロナノバブル発生器13、及び一次処理水払出ポンプ14より構成され、生物処理装置20は、生物処理槽21、一次処理水循環ポンプ22、第2マイクロナノバブル発生器23、及び二次処理水払出ポンプ24より構成されている。
【0014】
酸化反応装置10内の酸化反応槽11は、原水RWを受け入れると共に、内部でオゾンマイクロナノバブルにより原水RW中に含まれる有機フッ素化合物を含む有機物を分解するものである。酸化反応槽11には原水循環ポンプ12の吸込み側配管が接続され、吐出側配管が第1マイクロナノバブル発生器13を介して接続されている。第1マイクロナノバブル発生器13には、オゾンガス発生器30により発生させられるオゾンガスを供給するための配管が接続されている。また、酸化反応槽11内で処理された一次処理水W1を次工程の生物処理装置20に送るために、一次処理水払出ポンプ14が酸化反応槽11に接続されている。
【0015】
生物処理装置20の生物処理槽21は、酸化反応装置10からの一次処理水W1を受け入れると共に、内部及び表面で微生物が繁殖する多孔質体25により、一次処理水W1に残存する有機フッ素化合物を含む有機物をさらに分解するものである。生物処理槽21には、一次処理水循環ポンプ22の吸込み側配管が接続され、吐出側配管が第2マイクロナノバブル発生器23を介して接続されている。第2マイクロナノバブル発生器23には、オゾンガス発生器30からのオゾンガスを供給するための配管が接続されている。また、生物処理槽21内で処理された二次処理水W2を外部に送り出すための二次処理水払出ポンプ24が、配管を介して生物処理槽21に接続されている。
【0016】
次に、水処理システム1による原水RW中に含まれる有機フッ素化合物を含む有機物の処理について説明する。まず、酸化反応槽11に有機フッ素化合物等の有機物を含む原水RWが供給される。酸化反応槽11内の原水RWが所定量に達すると、原水循環ポンプ12を稼働させて酸化反応槽11内の原水RWを、酸化反応槽11と原水循環ポンプ12の間で循環させる。そして原水RWの循環流れが定常に達した時点で、第1マイクロナノバブル発生器13にオゾンガス発生器30からオゾンガスを供給してオゾンマイクロナノバブルを発生させ、循環する原水RW中にオゾンマイクロナノバブルを分散させて酸化反応槽11内に戻す。原水循環ポンプ12の運転、及び第1マイクロナノバブル発生器13へのオゾンガスの供給を継続することにより、酸化反応槽11内の原水RW中のオゾンマイクロナノバブル濃度は次第に上昇していく。
【0017】
原水RW中のオゾンマイクロナノバブル濃度が上昇するに従い、次第に原水RW中に含まれる有機フッ素化合物を含む有機物の酸化による分解が進行していく。原水循環ポンプ12の吐出側に配設されている第1マイクロナノバブル発生器13からは、原水循環ポンプ12により吸い込まれた原水RW中にオゾンマイクロナノバブルが分散された状態で、乱流を伴う激しい流れとなって酸化反応槽11内に戻る。そのため、酸化反応槽11内部では原水RWが激しく混合されて、有機フッ素化合物を含む有機物の酸化による分解が進行する。
【0018】
強力な酸化力を有するオゾンは水に対する溶解度は比較的高いものの、マイクロナノバブルとすることにより、さらに原水RW中に多量のオゾンを存在させることができるので、効果的に原水RW中に含まれる難分解性有機物である有機フッ素化合物の酸化による分解を促進することができる。さらに、酸化反応装置10内で有機フッ素化合物を酸化により分解して低分子化することは、後段の生物処理による有機フッ素化合物の分解を容易にして負担を軽くするための前処理としても有用である。なお、マイクロナノバブルのように直径の小さい気泡はマイナスの電荷を帯びているので、比較的長時間に渡って気泡同士が合体することなく水中に浮遊するようになるため、その効果は持続される。
【0019】
微小気泡であるマイクロナノバブルは水中に長時間存在した後次第に縮小して消滅(圧壊)するが、圧壊の際に水中に強力な酸化作用を持つOHラジカルを生成する。そのため本実施例においては、オゾン自身の酸化力に加えて、オゾンがマイクロナノバブル化されることにより酸化力がさらに強くなって、原水RW中の有機フッ素化合物を効果的に酸化により分解することできる。なお、ここでいうマイクロナノバブルとは、直径1~100μmのマイクロバブルと直径1μm以下のナノバブルを含んだものをいう。
【0020】
酸化反応装置10により有機フッ素化合物を含む有機物の濃度を低下させられた一次処理水W1は、一次処理水払出ポンプ14により生物処理装置20内の生物処理槽21に送られる。酸化反応装置10における操作と同様に、生物処理槽21内の一次処理水W1が所定量に達すると、一次処理水循環ポンプ22を稼働させて生物処理槽21内の一次処理水W1を、生物処理槽21と一次処理水循環ポンプ22の間で循環させる。そして一次処理水の循環流れが定常に達した時点で、第2マイクロナノバブル発生器23にオゾンガス発生器30からオゾンガスを供給してオゾンマイクロナノバブルを発生させ、循環する一次処理水W1中にオゾンマイクロナノバブルを分散させて生物処理槽21内に戻す。一次処理水循環ポンプ22の運転、及び第2マイクロナノバブル発生器23へのオゾンガスの供給を継続することにより、生物処理槽21内の一次処理水W1中のオゾンマイクロナノバブル濃度は次第に上昇していく。
【0021】
生物処理槽21内の一次処理水W1中には、微生物が繁殖している多孔質体25が浮遊させられており、これら微生物によりさらに一次処理水W1中の有機フッ素化合物が分解させられる。この際には、多孔質体25の作用によりオゾンが分解して酸素になるため、多孔質体25に繁殖している微生物が活性化させられ、通常の曝気処理以上に微生物が活性化して有機フッ素化合物に対する分解性が高くなる。また、マイクロナノバブルは、一次処理水W1の浸透性を高めるため、多孔質体25の内部に浸入しやすくなり、微生物を活性化させるとともに一次処理水W1中の有機フッ素化合物の分解性をさらに高めることができる。一次処理水循環ポンプ22の吐出側に配設されている第2マイクロナノバブル発生器23からは、一次処理水循環ポンプ22により吸い込まれた一次処理水W1中にオゾンマイクロナノバブルが分散された状態で乱流を伴う激しい流れとなって生物処理槽21内に戻る。そのため、生物処理槽21内部では一次処理水W1が激しく撹拌されるので、一次処理水W1中に浮遊している多孔質体25も撹拌されて生物処理槽21内部を隅々まで移動し、一次処理水W1中に含まれている有機フッ素化合物を含む有機物の分解を促進する。
【0022】
なお、多孔質体25を活性炭より細孔の数が多いガラス製発泡材とすれば、細孔内に繁殖する微生物がより多くなるため有機フッ素化合物の処理に対して有効である。また、多孔質体25に繁殖する微生物がオゾンに弱い種類のものである場合には、第2マイクロナノバブル発生器23へのオゾンガス供給量を少量とするか、又は供給を停止して一次処理水W1中のオゾン濃度を制御する。また、このときには第2マイクロナノバブル発生器23にオゾンガスではなく、空気を供給しても良い。
【0023】
(水処理システムの変形例)
図2は、実施形態に係る水処理システム1の変形例である水処理システム1Aのフロー図である。水処理システム1Aにおいては、酸化反応装置10の原水循環ポンプ12及び第1マイクロナノバブル発生器13が酸化反応槽11内に収容されており、また、生物処理装置20の一次処理水循環ポンプ22及び第2マイクロナノバブル発生器23が生物処理槽21内に収容されている点で、
図1の水処理システム1と異なる。このようにすることによって、酸化反応装置10及び生物処理装置20の省スペースを実現できる。
【0024】
(その他)
なお、オゾンガス発生器30と第1マイクロナノバブル発生器13との間にイオン発生装置を設けるようにしてもよい。このイオン発生器により、オゾンマイクロナノバブルをより多くマイナスに帯電させることができるので、オゾンマイクロナノバブルを原水RW中により長く浮遊させることで有機フッ素化合物の分解能を高めることができる。
【0025】
また、生物処理槽21内に焼結造粒土を配設してもよい。この焼結造粒土の作用により微生物をより活性化させることができ、一次処理水W1中に残存する有機フッ素化合物の分解能を高めることができる。さらに、生物処理装置20の下流に酸化チタン等の触媒を内部に配置した触媒酸化反応槽を設けて、二次処理水W2中に有機フッ素化合物が残存した場合の処理用として使用しても良い。
【0026】
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
【符号の説明】
【0027】
1 水処理システム
1A 水処理システム
10 酸化反応装置
11 酸化反応槽
12 原水循環ポンプ
13 第1マイクロナノバブル発生器
14 一次処理水払出ポンプ
20 生物処理装置
21 生物処理槽
22 一次処理水循環ポンプ
23 第2マイクロナノバブル発生器
24 二次処理水払出ポンプ
25 多孔質体
30 オゾンガス発生器
RW 原水
W1 一次処理水
W2 二次処理水