(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042419
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】eラーニングシステム、eラーニング方法及びeラーニングプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20240321BHJP
【FI】
G06Q50/20
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147115
(22)【出願日】2022-09-15
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】521059398
【氏名又は名称】株式会社グロース X
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】津下本 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】木下 達也
(72)【発明者】
【氏名】岡田 友宏
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】
ユーザが効率的にeラーニングコンテンツを学習可能にする為の新規な技術を提供すること
【解決手段】
eラーニングシステムであって、前記eラーニングシステムは、表示処理部及び、投稿部を備え、前記表示処理部は、複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させ、前記投稿部は、表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿し、前記表示処理部は、前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
eラーニングシステムであって、
前記eラーニングシステムは、表示処理部及び、投稿部を備え、
前記表示処理部は、複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させ、
前記投稿部は、表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿し、
前記表示処理部は、前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理する、
eラーニングシステム。
【請求項2】
前記eラーニング要素は、話者が識別可能になされた1単位のテキストであるテキスト要素を含み、
前記表示処理部は、eラーニングコンテンツを表示処理することで、前記表示部に前記テキスト要素をチャット形式で表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記共有対象ユーザの前記表示部に、前記共有メッセージ投稿時に指定された前記eラーニング要素に対応付けて、共有の要約情報を表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記表示部に、講義画面を表示させると共に、共有メッセージが投稿された前記eラーニング要素を一覧表示する為の一覧画面を表示させ、
進行操作が入力されることで、前記講義画面において、前記順番に応じて新たなeラーニング要素を追加表示させ、
共有対象ユーザが前記追加表示前のeラーニング要素を指定した前記共有メッセージについて、前記講義画面からは前記追加表示後にアクセス可能である一方、前記一覧画面からは前記追加表示前にアクセス可能である、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記共有対象ユーザの前記表示部に、前記共有メッセージ投稿時に指定された前記eラーニング要素及び指定されていない前記eラーニング要素を識別可能に表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記eラーニング要素の指定を受けつけると、前記表示部に、指定された前記eラーニング要素について前記共有メッセージを投稿する為の投稿画面を表示させ、
前記投稿画面は、指定された前記eラーニング要素を表示すると共に、前記共有メッセージを表示する、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記表示部に、共有時に指定された前記eラーニング要素及び前記共有メッセージを一覧表示させると共に、前記一覧において指定された前記eラーニング要素について前記共有メッセージを投稿する為の投稿画面を表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項8】
eラーニング方法であって、
複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させるステップと、
表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿するステップと、
前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理するステップと、をコンピュータが実行する、
eラーニング方法。
【請求項9】
eラーニングプログラムであって、
コンピュータに、複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させるステップと、
表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿するステップと、
前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理するステップと、を実行させる、
eラーニングプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はeラーニングシステム、eラーニング方法及びeラーニングプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりeラーニングシステムが提供されている。例えば、特許文献1~3に記載されたものが知られていた。
【0003】
特許文献1に記載のeラーニングシステムの場合、学習用コンテンツとしての動画ファイルやeラーニングテキストファイルを表示するように構成されている。eラーニングテキストファイルは、HTML(HyperText Markup Language)形式ファイル、PDF(Portable Document Format)形式ファイル、PPT(PowerPoint)形式ファイルなどであり、単一ページで表示するものでもよいし、複数ページで順番に送りながら表示するものであってもよいことが記載されている。
【0004】
特許文献2には、チャットボットがeラーニングに関する問い情報をユーザ端末に送信し、eラーニングに関する問いに対する回答情報を受信するチャットシステムに関する技術が開示されている。
【0005】
特許文献3に記載のeラーニングシステムの場合、カリキュラムの受講後、カリキュラムに関連するアンケートが端末に表示されるように構成されると共に、アンケートに対する他のユーザのコメントを参照することが可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-101959号公報
【特許文献2】特開2021-51801号公報
【特許文献3】特許第6923896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献のように、複数のユーザが一緒にeラーニングコンテンツを学習する技術が存在するが、効率的な学習や応用に向けて、更なる改善の余地があった。
【0008】
上記事情を鑑みて、本発明は、ユーザが効率的にeラーニングコンテンツを学習可能にする為の新規な技術を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記発明を解決するために、本発明は、eラーニングシステムであって、
前記eラーニングシステムは、表示処理部及び、投稿部を備え、
前記表示処理部は、複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させ、
前記投稿部は、表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿し、
前記表示処理部は、前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理する。
【0010】
また、本発明は、eラーニング方法であって、
複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させるステップと、
表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿するステップと、
前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理するステップと、をコンピュータが実行する。
【0011】
また、本発明は、eラーニングプログラムであって、
コンピュータに、複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて表示させるステップと、
表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿するステップと、
前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理するステップと、を実行させる。
【0012】
このような構成とすることで、端末装置の表示部に複数のeラーニング要素を順番に並べて表示させるeラーニングコンテンツを用いた学習に際して、eラーニング要素に関するメッセージが投稿・共有可能となり、効果的な学習を行うことができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記eラーニング要素は、話者が識別可能になされた1単位のテキストであるテキスト要素を含み、
前記表示処理部は、eラーニングコンテンツを表示処理することで、前記表示部に前記テキスト要素をチャット形式で表示させる。
【0014】
このような構成とすることで、テキスト要素をチャット形式で表示させる学習に際して、効果的な学習を行うことができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記共有対象ユーザの前記表示部に、前記共有メッセージ投稿時に指定された前記eラーニング要素及び指定されていない前記eラーニング要素を識別可能に表示させる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記共有対象ユーザの前記表示部に、前記共有メッセージ投稿時に指定された前記eラーニング要素に対応付けて、共有の要約情報を表示させる。
【0017】
このような構成とすることで、投稿されたメッセージに関する情報を、効果的に共有することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記表示部に、講義画面を表示させると共に、 共有メッセージが投稿された前記eラーニング要素を一覧表示する為の一覧画面を表示させ、
進行操作が入力されることで、前記講義画面において、前記順番に応じて新たなeラーニング要素を追加表示させ、
共有対象ユーザが前記追加表示前のeラーニング要素を指定した前記共有メッセージについて、前記講義画面からは前記追加表示後にアクセス可能である一方、前記一覧画面からは前記追加表示前にアクセス可能である。
【0019】
このような構成とすることで、eラーニングコンテンツの学習の進捗度合いが異なる場合でも、共有メッセージにアクセスすることができる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記eラーニング要素の指定を受けつけると、前記表示部に、指定された前記eラーニング要素について前記共有メッセージを投稿する為の投稿画面を表示させ、
前記投稿画面は、指定された前記eラーニング要素を表示すると共に、前記共有メッセージを表示する。
【0021】
このような構成とすることで、メッセージの投稿・閲覧を簡単に行うことができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記表示処理部は、前記表示部に、共有時に指定された前記eラーニング要素及び前記共有メッセージを一覧表示させると共に、前記一覧において指定された前記eラーニング要素について前記共有メッセージを投稿する為の投稿画面を表示させる。
【0023】
このような構成とすることで、メッセージが共有されたeラーニング要素に、簡単に効果的にアクセスすることができる。
【0024】
本発明は、ユーザが効率的にeラーニングコンテンツを学習可能にする為の新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施形態のシステムの構成を示すブロック図。
【
図3】実施形態のシステムの機能構成要素を示すブロック図。
【
図5】実施形態の講義を受講する際の処理フローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0027】
<システム構成>
図1は、本実施形態のシステムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、eラーニングシステム0は、サーバ装置1及び、ユーザ端末装置2を備える。サーバ装置1は、ユーザ端末装置2とIPネットワークである通信ネットワークNWを介して通信を行うが、通信プロトコルの種類、ネットワークの種類に制限はない。
【0028】
本実施形態では、事前にユーザ情報が登録され、サーバ装置1がアクセス可能なデータベースに格納されている。ユーザ情報には、ユーザの識別情報(ID等)の他、ユーザ名や、ユーザが属するグループの識別情報が含まれる。ユーザは、少なくとも一つのグループに属する。グループは階層構造となっていてもよく、例えば企業という親グループの配下に、部署やチームといった子グループが含まれる構造であってもよい。
【0029】
例えば、本実施形態ではeラーニングシステム0の構成、動作等について説明するが、実行されるeラーニング方法等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態にでは、eラーニング提供プログラムを実行するサーバ装置であるサーバ装置1及び、eラーニング受講プログラムを実行するユーザ端末装置2によって、eラーニングシステム0の主要な機能構成要素が実現する。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0030】
なお、サーバ装置1は、例えば、汎用のサーバ向けのコンピュータ、パーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。なお、サーバ装置1は、複数のコンピュータを用いて構成されてもよい。ユーザ端末装置2は、本実施形態では、スマートフォンである。例えば、ユーザ端末装置2は、パーソナルコンピュータ、フィーチャーフォン、タブレット端末等を利用することも可能である。
【0031】
<ハードウェア構成>
図2は、本実施形態におけるハードウェア構成図である。
図2(a)は、サーバ装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置1は、ハードウェア構成として、処理部101と、記憶部102と、通信部103と、を備える。
【0032】
処理部101は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係るeラーニング提供プログラム、OSやその他のアプリケーションを実行することで、サーバ装置1の動作処理全体を制御する。記憶部102は、HDD、ROM、RAM等であって、本発明に係るeラーニング提供プログラム及び、処理部101がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。処理部101が、記憶部102に記憶されているeラーニング提供プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成要素が実現される。通信部103は、通信ネットワークNWとの通信制御を実行して、サーバ装置1を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0033】
図2(b)は、はユーザ端末装置2のハードウェア構成の一例を示す図である。ユーザ端末装置2は、ハードウェア構成として、処理部201と、記憶部202と、通信部203と、入力部204と、出力部205と、を備える。
【0034】
処理部201は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、OSやその他のアプリケーションを実行することで、ユーザ端末装置2の動作処理全体を制御する。記憶部202は、HDD、ROM、RAM等であって、eラーニング受講プログラム、サーバ装置1から配信されたeラーニングコンテンツ及び、ユーザ端末装置2を操作する為のアプリケーション等を記憶する。処理部201が、記憶部202に記憶されているeラーニング受講プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成要素が実現される。通信部203は、通信ネットワークNWと通信を制御する。入力部204は、利用者による操作要求を処理部201に入力する要素であり、タッチパネル、物理スイッチ、マウス、キーボード等である。出力部205は、処理部201の処理の結果等を表示する要素であり、ディスプレイ等である。ユーザが講義を受講する端末装置(本実施形態では、ユーザ端末装置2)の出力部205が、表示部に相当する。
【0035】
<eラーニングシステム0の機能構成要素>
図3(a)に示すように、eラーニングシステム0は、機能構成要素として、表示処理部21、投稿部23、通知部11及び、配信部13を備える。本実施形態では、ユーザ端末装置2が表示処理部21及び投稿部23を、サーバ装置1が通知部11及び、配信部13を備える。
【0036】
表示処理部21は、種々の情報を表示処理し、表示処理結果を送信する。本実施形態では、記憶部202に格納した情報やサーバ装置1から受信した情報を表示処理し、出力部205に対して送信することで、ユーザ端末装置2の出力部205に種々の画面が表示される。なお、サーバ装置1が表示処理部21を備える場合、サーバ装置1で種々の情報が表示処理され、表示処理結果としてユーザ端末装置2に送信されることで、ユーザ端末装置2の出力部205に、種々の画面が表示される。
【0037】
配信部13はeラーニングコンテンツをユーザ端末装置2に配信し、ユーザ端末装置2は記憶部202に配信されたeラーニングコンテンツを格納する。表示処理部21は、サーバ装置1から配信され、記憶部202に格納したeラーニングコンテンツを表示処理することで、ユーザ端末装置2の出力部205に講義を表示させる。
【0038】
<eラーニングコンテンツ>
eラーニングコンテンツは、講義を表示させる為の情報であるeラーニング要素の内容及びそれらの順番に係る情報を含む。本実施形態では、チャプターが1つの講義に相当し、複数のチャプターを所定の順序で組み合わせたものが、コースとなる。eラーニングコンテンツには、チャプター単位で、複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義される。
【0039】
表示処理部21が、チャプター単位のeラーニングコンテンツを表示処理することで、ユーザ端末の出力部205に、講義画面が表示される。eラーニング要素は、講義画面において、事前定義された順番で並べられる要素であり、テキストを表示させるためのテキスト要素及び、メディアを表示させるためのメディア要素を含む。メディアは、画像や動画等である。
【0040】
本実施形態のeラーニングコンテンツは、それぞれのeラーニング要素に対して、講義の識別情報及びeラーニング要素の識別情報に紐付けて、その内容(テキストやメディアファイル)、次に表示させるeラーニング要素の識別情報等が特定されている。例えば、コースの識別情報及びチャプターの識別情報の組み合わせが、講義の識別情報に相当する。なお、識別情報は、他の情報と組み合わせて一意となる情報であってもよく、eラーニング要素の識別情報は、講義内で一意であればよい。講義の識別情報には、講義名が紐付けられる。本実施形態では、コースの識別情報にコース名が紐付けられ、チャプターの識別情報にはチャプター名が紐付けられ、チャプター名が講義名に相当する。
【0041】
本実施形態では、講師及び受講者が対話形式(会話形式)で講義が行われる。テキスト要素は、話者(講師又は受講者)が識別可能になされた1単位のテキストを内容として含む。講義画面は、チャット形式で表示される。
【0042】
<講義画面>
図4は、講義画面の画面表示例である。
図4(a)に示すように、講義画面Wは、ヘッダW1、ボディW2及び、フッタW3により構成される。ヘッダW1には、講義(チャプター)のタイトルが表示される。ボディW2には複数のeラーニング要素W4(図示例ではテキスト要素)が複数並べて配置される。なお、各eラーニング要素W4には、要素の指定を行う為の操作部が配置される。指定が行われた要素は、保存が行われる。図示例では、操作部を選択入力することで要素をクリップすることができる。クリップされたeラーニング要素W4は、後述の一覧画面において一覧表示される。また、図示例では、ユーザが属するグループにおいて選択入力(クリップ)を行ったユーザ数が要素毎に集計され、表示処理部21は、対応する要素の操作部近傍に、集計した要素毎のユーザ数を表示処理する。
【0043】
フッタW3には次へボタンW5(進行ボタン)が配置される。入力部204を操作することで、次へボタンW5が選択入力可能に構成され、これにより進行操作が入力される。次へボタンW5が選択入力されると、1又は複数の新たなeラーニング要素W4が、これまで並べられたeラーニング要素W4の最後尾に追加表示され、ユーザは講義内容を読み進めることができる。なお、進行操作の入力は、スワイプやタップ等、ユーザによる他の積極的な入力であってもよいし、一定時間の経過や音声(合成音声)による読み上げの終了まで待つ等の、非積極的な入力であってもよい。eラーニングコンテンツとして、チャプター単位で複数のeラーニング要素の内容及び順番が定義されており、表示済みのeラーニング要素に基づいて、次に表示する新たなeラーニング要素が定まる。
図4(b)は、
図4(a)において送りボタンW5が選択入力された場合の画面表示例であり、符号W4を付した新たなeラーニング要素が追加されている。
【0044】
ヘッダW1には中断ボタンW6が配置される。入力部204を操作することで、中断ボタンW6が選択入力可能に構成され、中断ボタンW6が選択入力されると、当該チャプターの学習が中断されて、eラーニング要素W4がどこまで表示されたか記憶部202に記録される。また、ボディW2は、入力部204を操作することでスクロール可能に構成され、表示領域外の(それまでに表示された)eラーニング要素W4を表示させることができる。この時、ヘッダW1及びフッタW3は固定表示される。
【0045】
図5は、講義画面を操作して講義を受講する際の処理フローチャートである。ステップS501(以降、単にSXXXとする)において、ユーザは、図示しない講義選択画面にて受講する講義を選択入力する。これにより、表示処理部21は、選択されたチャプターの学習を行う為の講義画面を表示処理し、出力部205に講義画面を表示させる。
【0046】
講義を最初から行う場合(S502でNO)、当該チャプターにおける最初のeラーニング要素W4が、ボディW2に表示される(S503)。講義を途中から行う場合(S502でYES)は、以前に表示済みのeラーニング要素W4が、ボディW2に表示される(S504)。
【0047】
中断ボタンW6が押下されると(S505でNO)、eラーニング要素W4がとこまで表示されたかを示す進捗情報が記憶部202に記録され、S501に戻る(S506)。講義を途中から行う場合(S502でYES)は、以前に表示済みのeラーニング要素W4がボディW2に表示される。
【0048】
進捗情報は、講義の識別情報、ユーザの識別情報及び、最後の表示したeラーニング要素の識別情報が対応付けられた情報である。
【0049】
ユーザはeラーニング要素W4を読み進め、任意のタイミングで進行ボタンを押下する。進行ボタンが押下されると(S507でYES)、S508に進み、次のeラーニング要素W4がボディW2に追加表示される(S509)。一方、当該チャプターにおける最後のeラーニング要素W4まで表示済の場合(S508でYES)、チャプターの学習が終了する(S510)。
【0050】
<要素別画面>
投稿部23は、表示された複数のeラーニング要素のうち、指定されたeラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿する。本実施形態では、表示処理部21は、講義画面Wにおいて、入力部204を介して操作部を選択入力することでeラーニング要素W4の指定を受けつける。eラーニング要素W4の指定を受けつけると、表示処理部21は、出力部205に、指定された前記eラーニング要素W4について共有メッセージを投稿・閲覧する為の要素別画面(投稿画面)を表示させる。
【0051】
図6は、要素別画面の画面表示例である。
図6(a)に示すように、要素別画面W’は、指定されたeラーニング要素W4’を表示する対象要素表示領域、メッセージを投稿する為の投稿領域W11及び、投稿されたメッセージを表示する表示領域W12により構成される。
【0052】
投稿領域W11は、テキストボックスW13並びに、投稿方法選択ボタンW14及びW15と、投稿ボタンW18を備える。テキストボックスW13が選択入力されると、
図6(b)に示すように、出力部205にキーボードW16を表示させ、テキスト等が入力可能となる。投稿方法選択ボタンW14又はW15が選択入力されると、メッセージの種別(自己メッセージ/共有メッセージ)が選択される。本実施形態ではメッセージとして、ユーザが指定したeラーニング要素W 4’に関する自分用のメモとして活用する自己メッセージ(TODO)及び、他のユーザに共有される共有メッセージ(カンバセーション)を指定して投稿可能に構成される。ユーザが複数のグループ(例えば企業及びその配下の部署グループ)に属する場合、共有する範囲を指定可能であってもよい。
【0053】
eラーニングコンテンツを構成するeラーニング要素にはID等の識別情報が付与されており、投稿部W18が選択入力されると、投稿部23は、講義(チャプター)の識別情報、指定されたeラーニング要素W4’の識別情報、投稿を行うユーザの識別情報、テキストボックスW13に入力された内容及び、メッセージの種別(自己メッセージ/共有メッセージ)を示す情報を対応付けて、サーバ装置1に送信することで、メッセージを投稿する。サーバ装置1は、これらに、メッセージの識別情報を紐付けて、メッセージ情報として格納する。
【0054】
投稿方法選択ボタンW14が選択入力されると、投稿部23は、テキストボックスW13に入力された内容を自己メッセージとして投稿する。投稿方法選択ボタンW15が選択入力されると、投稿部23は、テキストボックスW13に入力された内容を共有メッセージとして投稿する。図示例の要素別画面W’はユーザが指定したeラーニング要素W4’に対して投稿された共有メッセージW17を表示処理している。表示領域W12に、投稿された共有メッセージW17を表示する共有メッセージ表示領域と、自己メッセージW18を表示する自己メッセージ表示領域により構成してもよい。
【0055】
共有メッセージW17には他のユーザが投稿した共有メッセージW17(a)及び、自らが投稿した共有メッセージW17(b)が含まれ得る。共有メッセージには宛先が設定可能であってもよく、本実施形態では、投稿を行ったユーザと同一グループに属するユーザが、共有メッセージの共有対象ユーザとなる。なお、ユーザが複数のグループに属する場合、投稿領域W11において、共有先のグループが指定可能に構成されてもよい。また、テキストボックスW13は、「@“ユーザ名”」と記述することで、同一グループ内の他のユーザを指定するメンションが記述可能に構成される。ユーザが複数のグループに属する場合、指定されたグループ内のユーザ名がメンションとして記述されることで、メンションが有効に投稿される。
【0056】
戻るボタンW19が操作入力されると、表示処理部21は、出力部205に、要素別画面W’の前に表示されていた画面を表示させる。
【0057】
<講義画面における要約情報の表示>
表示処理部21は、共有対象ユーザの出力部205に、共有メッセージ投稿時に指定されたeラーニング要素及び指定されていないeラーニング要素を識別可能に表示させる。より具体的には、表示処理部21は、共有対象ユーザの出力部205に、共有メッセージ投稿時に指定されたeラーニング要素に対応付けて、共有の要約情報を表示させる。
図4の符号W7は、共有メッセージの要約情報であり、講義画面Wを表示したユーザを共有対象ユーザとする共有メッセージが投稿された場合に、eラーニング要素W4’に対応付けて表示される。
【0058】
要約情報W7は、eラーニング要素W4’に対応付けられた共有メッセージの数(図示例では「3」)と、共有メッセージを投稿した一部又は全部のユーザのアイコンを含む。表示処理部21は、ユーザが未読の共有メッセージが含まれる場合に、未読の共有メッセージが含まれない場合と識別可能に、出力部205に要約情報を表示させてよい。なお、講義画面Wにおいて、進行ボタンが選択入力された際、要約情報W7が付されたeラーニング要素W4(W4’)がボディW2に追加表示されてもよい。
【0059】
<共有メッセージの共有・通知>
表示処理部21は、メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、共有メッセージを表示処理する。本実施形態では、メッセージ情報に対応付けられたユーザ情報の中のグループの識別情報が、共有対象を示す情報に相当する。メッセージ情報に共有先のグループの識別情報が含まれてもよい。
【0060】
通知部11は、メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報(本実施形態では、グループの識別情報)から特定される共有対象のユーザに対して、通知処理を行う。なお、本実施形態では、通知処理は、図示しないプッシュサーバに、通知対象のユーザを指定して、通知要求を送信する処理を含む。
【0061】
通知部11は、共有対象のうち、一部のユーザを通知対象のユーザとなってもよい。通知部11は、進捗情報に基づいて、共有対象ユーザのうち、共有メッセージに対応付けられたeラーニング要素まで学習が進行していない(当該チャプターの学習を開始していない又は、開始しているが対象のeラーニング 要素W4まで表示させていない)ユーザを、通知対象から除外してよい。通知部11は、進捗情報に基づいて、共有対象ユーザのうち、共有メッセージに対応付けられたeラーニング要素を講義画面Wで表示させたユーザを、通知対象としてよい。また、通知部11は、共有対象ユーザが追加表示前に共有された共有メッセージについて、追加表示後に通知を行ってもよい。学習が進行していないユーザは講義画面Wから共有メッセージにアクセスできないが、後述の一覧画面及び/又は要素別画面において、対象のeラーニング要素及び、共有メッセージにアクセスできる構成が好ましい。また、ユーザ端末装置2のシステムやeラーニング受講プログラムが表示させた通知を、入力部204を介して選択入力すると、一覧画面及び/又は要素別画面にアクセスできる構成が好ましい。
【0062】
<一覧画面>
表示処理部21は、出力部205に、共有時に指定されたeラーニング要素を一覧表示させる一覧画面を表示させ、一覧において指定されたeラーニング要素に応じて要素別画面を表示させる。本実施形態では、表示処理部21は、共有メッセージのメッセージ情報に基づいて、出力部205に一覧画面を表示させる。
【0063】
図7(a)は、一覧画面の画面表示例である。
図7(a)に示すように、一覧画面W’’は、閲覧するユーザを共有対象ユーザとする共有メッセージ(eラーニング要素別の要素別画面W’)にアクセスする為の画面であり、当該eラーニング要素に1対1で対応した共有要素W21を一覧表示する。共有要素W21には、講義名(チャプター名)W22、共有メッセージに紐づけられたeラーニング要素W4’’及び、紐付けられた共有メッセージW17’により構成される。共有要素W21には、eラーニング要素W4’’に紐付けられた共有メッセージW17’のうち、最先のメッセージが配置されているが、複数のメッセージが配置されてもよい。また、進むボタンW23が選択入力されると、表示処理部21は、出力部205に、共有要素W21に対応するeラーニング要素の要素別画面W’を表示させる。
【0064】
なお、共有要素W21には、一つの共有メッセージの全文が表示されなくてもよい(一部が省略されてもよい)。また、本実施形態では、一覧画面W’’に配置される共有要素W21は、閲覧するユーザを共有対象ユーザとするeラーニング要素W4に対応するが、閲覧するユーザを通知対象ユーザとするeラーニング要素W4に対応してもよい。また、共有対象ユーザのうち、共有メッセージに対応付けられたeラーニング要素まで学習が進行していないユーザは、講義画面Wからは要素別画面W’(共有メッセージに対応したeラーニング要素W4’)にアクセスできない一方で、一覧画面 W’’から要素別画面W’にはアクセス可能であることが好ましい。
【0065】
図 7(b)は共有要素W21の変形例である。共有要素W21’は、eラーニング要素W4’’と、それに対する共有メッセージW17’に加えて、要約情報W7’及び自己メッセージW24が表示されている。
【0066】
図7(a)に示す一覧画面は、共有メッセージが投稿されたカンバセーションの一覧画面であるが、この画面に代えて又は加えて、表示処理部21は、出力部205に、自己メッセージが投稿されたeラーニング要素W4と共有メッセージが投稿されたeラーニング要素W4が混在して並ぶ一覧画面を表示させてもよい。
【符号の説明】
【0067】
0 :eラーニングシステム
1 :サーバ装置
2 :ユーザ端末装置
11 :通知部
13 :配信部
21 :表示処理部
23 :投稿部
101 :処理部
102 :記憶部
103 :通信部
201 :処理部
202 :記憶部
203 :通信部
204 :入力部
205 :出力部
NW :通信ネットワーク
【手続補正書】
【提出日】2023-03-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
eラーニングシステムであって、
前記eラーニングシステムは、表示処理部及び、投稿部を備え、
前記表示処理部は、1単位の講義に対応し、複数のeラーニング要素の内容及び、それらの表示の順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて講義画面を表示させ、
前記eラーニング要素は講義の教材となるテキスト又はメディアを含み、
前記投稿部は、表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿し、
前記表示処理部は、前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理する、
eラーニングシステム。
【請求項2】
前記eラーニング要素は、話者が識別可能になされた1単位のテキストであるテキスト要素を含み、
前記表示処理部は、eラーニングコンテンツを表示処理することで、前記表示部に前記テキスト要素をチャット形式で表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項3】
前記表示処理部は、前記共有対象ユーザの前記表示部に、前記共有メッセージ投稿時に指定された前記eラーニング要素に対応付けて、共有の要約情報を前記講義画面に表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記表示部に、さらに、共有メッセージが投稿された前記eラーニング要素を一覧表示する為の一覧画面を表示させ、
進行操作が入力されることで、前記講義画面において、前記順番に応じて新たなeラーニング要素を追加表示させ、
共有対象ユーザが前記追加表示前のeラーニング要素を指定した前記共有メッセージについて、前記講義画面からは前記追加表示後にアクセス可能である一方、前記一覧画面からは前記追加表示前にアクセス可能である、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記共有対象ユーザの前記表示部に、前記共有メッセージ投稿時に指定された前記eラーニング要素及び指定されていない前記eラーニング要素を前記講義画面において識別可能に表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記講義画面において前記eラーニング要素の指定を受けつけると、前記表示部に、指定された前記eラーニング要素について前記共有メッセージを投稿する為の投稿画面を表示させ、
前記投稿画面は、指定された前記eラーニング要素を表示すると共に、前記共有メッセージを表示する、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項7】
前記表示処理部は、前記表示部に、共有時に指定された前記eラーニング要素及び前記共有メッセージを一覧表示させると共に、前記一覧において指定された前記eラーニング要素について前記共有メッセージを投稿する為の投稿画面を表示させる、
請求項1に記載のeラーニングシステム。
【請求項8】
eラーニング方法であって、
1単位の講義に対応し、複数のeラーニング要素の内容及び、それらの表示の順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて講義画面を表示させるステップと、
表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿するステップと、
前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理するステップと、をコンピュータが実行し、
前記eラーニング要素は講義の教材となるテキスト又はメディアを含む、
eラーニング方法。
【請求項9】
eラーニングプログラムであって、
コンピュータに、1単位の講義に対応し、複数のeラーニング要素の内容及び、それらの表示の順番が定義されたeラーニングコンテンツを表示処理することで、端末装置の表示部に複数の前記eラーニング要素を前記順番で並べて講義画面を表示させるステップと、
表示された複数の前記eラーニング要素のうち、指定された前記eラーニング要素に対応付けてメッセージを投稿するステップと、
前記メッセージに対応付けられた共有対象を示す情報に基づいて、前記メッセージを投稿したユーザの共有対象である共有対象ユーザに、前記メッセージを共有メッセージとして表示処理するステップと、を実行させ、
前記eラーニング要素は講義の教材となるテキスト又はメディアを含む、
eラーニングプログラム。