(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042426
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】配線収容装置、および什器システム
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20240321BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240321BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H02G3/04 062
A47B13/00 B
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147126
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】周 燕喃
(72)【発明者】
【氏名】秋山 真人
【テーマコード(参考)】
3B053
5G357
【Fターム(参考)】
3B053NN01
5G357DA10
5G357DB01
5G357DC10
5G357DD01
5G357DD14
(57)【要約】
【課題】天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる配線収容装置、および什器システムを提供する。
【解決手段】什器から延びる配線を収容する配線収容装置であって、設置面に設置されるベース部材と、長手方向に延設し、可撓性を有する筒状部材と、を備える。筒状部材は、内部に長手方向に延び、配線を収容する収容空間を有する筒状部と、筒状部の長手方向一方側の端部に設けられ、ベース部材と接続される第1接続部と、筒状部の長手方向他方側の端部に設けられ、什器と接続される第2接続部と、を有する。第1接続部は、ベース部材に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。第2接続部は、什器に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
什器から延びる配線を収容する配線収容装置であって、
設置面に設置されるベース部材と、
長手方向に延設し、可撓性を有する筒状部材と、
を備え、
前記筒状部材は、
内部に前記長手方向に延び、前記配線を収容する収容空間を有する筒状部と、
前記筒状部の前記長手方向一方側の端部に設けられ、前記ベース部材と接続される第1接続部と、
前記筒状部の前記長手方向他方側の端部に設けられ、前記什器と接続される第2接続部と、
を有し、
前記第1接続部は、前記ベース部材に対して、前記長手方向と交差する方向に移動可能であり、
前記第2接続部は、前記什器に対して、前記長手方向と交差する方向に移動可能である、配線収容装置。
【請求項2】
前記第1接続部は、前記長手方向と交差する第1仮想線を中心として回動可能であり、
前記第2接続部は、前記長手方向と交差する第2仮想線を中心として回動可能である、請求項1に記載の配線収容装置。
【請求項3】
前記第1接続部は、前記筒状部の前記長手方向一方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向一方側に延出し、前記ベース部材と係合する一対の第1アーム部を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の配線収容装置。
【請求項4】
前記第2接続部は、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向他方側に延出し、前記什器と係合する第2アーム部を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の配線収容装置。
【請求項5】
前記第1接続部は、前記筒状部の前記長手方向一方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向一方側に延出し、前記ベース部材と係合する第1アーム部と、
前記第2接続部は、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向他方側に延出し、前記什器と係合する第2アーム部と、を備えていることを特徴とする、請求項2に記載の配線収容装置。
【請求項6】
前記ベース部材は、前記第1アーム部と係合される被係合部を備え、
前記第1アーム部は、前記被係合部に対して回動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の配線収容装置。
【請求項7】
前記什器と着脱可能に固定される固定部材を備え、
前記第2接続部は、前記固定部材を介して、前記什器と接続される、請求項1記載の配線収容装置。
【請求項8】
前記第2接続部は、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向他方側に延出し、前記固定部材と係合する第2アーム部を備えていることを特徴とする、請求項7に記載の配線収容装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の配線収容装置と、
天板を有する什器と、
を備えていることを特徴とする什器システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線収容装置、および什器システムに関する。
【背景技術】
【0002】
什器の天板上で使用するパーソナルコンピュータ等に接続される配線を収容する配線収容装置として、例えば、特許文献1に記載のように、床面に立設される立設体に可撓性を有する筒状部材を外嵌し、筒状部材内の収容空間に配線を収容する配線収容装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された配線収容装置は、筒状部材の下端部が立設体と接続されず、また、筒状部材の上端部が什器と接続されないため、筒状部材の長手方向の位置を安定させることが困難であった。そのため、配線が筒状部材の上端部および下端部から外部に露出し易く、天板の下部空間の美感が損なわれることがあった。
【0005】
そこで、本発明は、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる配線収容装置、および什器システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係る配線収容装置は、什器から延びる配線を収容する配線収容装置であって、設置面に設置されるベース部材と、長手方向に延設し、可撓性を有する筒状部材と、を備え、前記筒状部材は、内部に前記長手方向に延び、前記配線を収容する収容空間を有する筒状部と、前記筒状部の前記長手方向一方側の端部に設けられ、前記ベース部材と接続される第1接続部と、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部に設けられ、前記什器と接続される第2接続部と、を有し、前記第1接続部は、前記ベース部材に対して、前記長手方向と交差する方向に移動可能であり、前記第2接続部は、前記什器に対して、前記長手方向と交差する方向に移動可能である。
【0007】
本態様によれば、什器およびベース部材のそれぞれと、筒状部材との間の間隔が広がることを抑制できるため、筒状部の長手方向一方側の端部および長手方向他方側の端部から配線が外部に露出することを抑制できる。したがって、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【0008】
(2)上記(1)の態様に係る配線収容装置において、前記第1接続部は、前記長手方向と交差する第1仮想線を中心として回動可能であり、前記第2接続部は、前記長手方向と交差する第2仮想線を中心として回動可能であることが好ましい。
本態様によれば、筒状部が延びる方向が変動しても、筒状部が延びる方向に応じて、第1接続部および第2接続部のそれぞれが回動することにより、各接続部が延びる方向を、筒状部の延びる方向に容易に近づけることができる。これにより、筒状部の曲げ角度を小さくできるため、筒状部に加わる負荷を抑制でき、筒状部の形状を直線状または緩やかな湾曲状にすることができる。したがって、筒状部材の美感が損なわれることを抑制でき、天板の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)の態様に係る配線収容装置において、前記第1接続部は、前記筒状部の前記長手方向一方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向一方側に延出し、前記ベース部材と係合する一対の第1アーム部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、第1アーム部のそれぞれの剛性を、筒状部の剛性よりも小さくし易いため、筒状部材23に負荷が加わる場合、第1アーム部が変形することによって、筒状部に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部の長手方向一方側の部分が変形することを抑制でき、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【0010】
(4)上記(1)または(2)の態様に係る配線収容装置において、前記第2接続部は、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向他方側に延出し、前記什器と係合する第2アーム部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、第2アーム部のそれぞれの剛性を、筒状部の剛性よりも小さくし易いため、筒状部材に負荷が加わる場合、第2アーム部が変形することによって、筒状部に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部の長手方向他方側の部分が変形することを抑制でき、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【0011】
(5)上記(1)または(2)の態様に係る配線収容装置において、前記第1接続部は、前記筒状部の前記長手方向一方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向一方側に延出し、前記ベース部材と係合する第1アーム部と、前記第2接続部は、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向他方側に延出し、前記什器と係合する第2アーム部と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、第1アーム部それぞれの剛性、および、第2アーム部のそれぞれの剛性を、筒状部の剛性よりも小さくし易いため、筒状部材に負荷が加わる場合に、第1アーム部および第2アーム部それぞれが変形することによって、筒状部に加わる負荷をより好適に抑制できる。したがって、筒状部が変形することをより好適に抑制でき、天板の下部空間の美感が損なわれることをより好適に抑制できる。
【0012】
(6)上記(3)または(5)の態様に係る配線収容装置において、前記ベース部材は、前記第1アーム部と係合される被係合部を備え、前記第1アーム部は、前記被係合部に対して回動可能であることが好ましい。
本態様によれば、ベース部材に対する、第1接続部が延びる方向の間の角度を容易に変えることができる。したがって、天板の昇降および第2接続部が接続される取付部の変更を行う際に、筒状部材が延設する方向が変わっても、第1接続部が延びる向きを容易に変えることができるため、筒状部に係る負荷が増大することを容易に抑制できる。したがって、筒状部が変形することを容易に抑制でき、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【0013】
(7)上記(1)または(2)の態様に係る配線収容装置において、前記什器と着脱可能に固定される固定部材を備え、前記第2接続部は、前記固定部材を介して、前記什器と接続されることが好ましい。
本態様によれば、什器が第2接続部と接続される取付部を有しない場合であっても、固定部材を介して、第2接続部を、什器と接続できる。したがって、様々な態様の什器に対して、配線収容装置を使用できる。
【0014】
(8)上記(7)の態様に係る配線収容装置において、前記第2接続部は、前記筒状部の前記長手方向他方側の端部における前記長手方向と直交する第1方向の両端部のそれぞれから前記長手方向他方側に延出し、前記固定部材と係合する第2アーム部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、第2アーム部のそれぞれの剛性を、筒状部の剛性よりも小さくし易いため、筒状部材に負荷が加わる場合、第2アーム部が変形することで筒状部に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部が変形することを抑制でき、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【0015】
(9)本開示の一態様に係る什器システムは、上記(1)から(9)のいずれかの態様に係る配線収容装置と、天板を有する什器と、を備えている。
本態様によれば、什器およびベース部材のそれぞれと、筒状部材との間の間隔が広がることを抑制できるため、筒状部の長手方向一方側の端部および長手方向他方側の端部から配線が外部に露出することを抑制できる。したがって、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【発明の効果】
【0016】
本態様によれば、天板の下部空間の美感が損なわれることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1実施形態に係る什器システムを示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係る什器システムを示す正面図である。
【
図3】第1実施形態に係る配線収容装置を示す斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係る配線収容装置の一部を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係る筒状部を示す断面図であって
図3のA-A断面図である。
【
図6】第1実施形態に係る第1接続部を示す側面図である。
【
図7】第1実施形態に係る第2接続部を示す側面図である。
【
図8A】第1実施形態に係る什器システムの使用例を示す第1の正面図である。
【
図8B】第1実施形態に係る什器システムの使用例を示す第2の正面図である。
【
図8C】第1実施形態に係る什器システムの使用例を示す第3の正面図である。
【
図8D】第1実施形態に係る什器システムの使用例を示す第4の正面図である。
【
図9】第1実施形態に係る第1変形例に係る配線収容装置の一部を示す斜視図である。
【
図10】第1実施形態に係る第2変形例の配線収容装置を示す斜視図である。
【
図11】第1実施形態に係る第2変形例の筒状部材を示す断面図である。
【
図12】第1実施形態に係る第3変形例の配線収容装置を示す斜視図である。
【
図13】第2実施形態に係る固定部材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態に係る什器システム1を示す斜視図である。
図2は、本実施形態に係る什器システム1を示す正面図である。
什器システム1は、オフィス、公共施設、学校等の執務空間に設置される。
図1および
図2に示すように、本実施形態に係る什器システム1は、什器10と、配線収容装置20と、を備える。
【0019】
図には、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、上下方向である。上下方向は、什器10が載置される床面Fに垂直な方向である。+Z側は、上方側であり、-Z側は、下方側である。以下の説明では、上方側を単に「上側」と呼び、下方側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって、什器10の左右方向である。+X側は、什器10の右側であり、-X側は、什器10の左側である。以下の説明では、什器10の右側を単に「右側」と呼び、什器10の左側を単に「左側」と呼ぶ。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、什器10の前後方向である。+Y側は、什器10の前側であり、-Y側は、什器10の後側である。以下の説明では、什器10の前側を単に「前側」と呼び、什器10の後側を単に「後側」と呼ぶ。また、対象物を上側から見ることを「平面視」という。
なお、上側、下側、右側、左側、前側、および後側は、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。
【0020】
(什器10)
図2に示すように、什器10は、左右方向(X軸方向)に互いに対向して配置される一対の脚部12と、一対の支持部材13と、天板11と、収容部14と、取付部16と、を有する。
【0021】
一対の脚部12は、それぞれ、床面Fに設置される。一対の脚部12は、それぞれ2本の脚支柱12aと、ベース部12bと、固定部12cと、を有する。脚支柱12aは、上下方向に延びる柱状である。一対の脚部12それぞれが有する2本の脚支柱12aは、互いに前後方向(Y軸方向)に並んで配置される。本実施形態では、各脚支柱12aは、それぞれ、3段テレスコープ状に部材を嵌合させて構成され、図示しないボールねじタイプの昇降駆動機構を内蔵する。これにより、各脚支柱12aそれぞれの上下方向の長さを適宜調整することができ、天板11の高さを適宜調整できる。
【0022】
ベース部12bは、前後方向(Y軸方向)に延びる略直方体状である。ベース部12bは、2本の脚支柱12aの下端と固定される。ベース部12bは、床面Fに設置される。
【0023】
固定部12cは、前後方向(Y軸方向)に延びる略直方体状である。固定部12cは、2本の脚支柱12aの上端と固定される。固定部12cは、天板11の下面11bに固定される。これらにより、一対の脚部12のそれぞれは、天板11に固定される。一対の脚部12のそれぞれは、天板11を上下方向に支持する。
【0024】
支持部材13は、左右方向(X軸方向)に延びる柱状である。本実施形態では、支持部材13は2本設けられる。一方の支持部材13は、2つの固定部12cそれぞれの前側(+Y側)の部分と固定される。他方の支持部材13は、2つの固定部12cそれぞれの後側(-Y側)の部分と固定される。また、各支持部材13は、天板11の下側を向く面に固定される。各支持部材13は、天板11を上下方向に支持する。
【0025】
図1に示すように、天板11は、上下方向と直交する方向に拡がる板状である。本実施形態では、天板11は、平面視で略矩形状である。天板11の長手方向は左右方向(X軸方向)であり、天板11の短手方向は前後方向(Y軸方向)である。天板11の上側を向く面は作業面11aである。天板11の下側を向く面は下面11bである。上述のように、天板11は、
図2に示す一対の脚部12および2本の支持部材13によって支持される。天板11の材質は特に限定されず、例えば、天板11は、スチール製、木製等などであってよい。
図1に示すように、天板11は、天板孔部11dと、蓋部11eと、を有する。なお、本実施形態において、天板11と床面Fとの間の空間を天板11の下部空間Sと呼ぶ。
【0026】
天板孔部11dは、天板11を上下方向に貫通する孔である。天板孔部11dは、天板11の左右方向(X軸方向)および前後方向(Y軸方向)それぞれの略中央に設けられる。本実施形態では、天板孔部11dは、平面視で略矩形状である。天板孔部11dは、平面視で円形状等の他の形状であってもよい。蓋部11eは、天板孔部11dを塞ぐ。蓋部11eは、天板孔部11dに着脱可能に取り付けられる。上下方向において、天板孔部11dの上側を向く面は、作業面11aと略同じ位置に配置される。
【0027】
図2に示すように、収容部14は、上側、右側および左側に開口する箱状である。前後方向(Y軸方向)において、収容部14は、一対の支持部材13同士の間に位置する。収容部14は、天板11の下面11bに固定される。図示は省略するが、上下方向に見て、収容部14は、天板孔部11dと重なる。収容部14には、図示しない電源と繋がる電源タップおよびLANケーブルと繋がるスイッチングハブ等が収容される。電源タップおよびスイッチングハブ等と繋がる配線Kは、収容部14の右側に開口する第1挿通口14a、または、収容部14の左側に開口する第2挿通口14bから、収容部14の内部に導入される。図示は省略するが、
図1に示す蓋部11eを天板孔部11dから取り外すと、収容部14の内部は、天板孔部11dを介して、天板11の上側の空間と繋がる。これにより、使用者がパソコンなどの電気機器を作業面11aに設置して作業を行う際に、使用者は、電気機器に接続される給電コードおよびLANケーブル等を、収容部14に収容される電源タップおよびスイッチングハブ等に天板11の上側から接続することができる。
【0028】
取付部16は、天板11の下面11bから下側に向けて突出する板状である。本実施形態では、取付部16は、金属製である。取付部16は、樹脂等の他の材質によって構成されていてもよい。本実施形態では、取付部16は、2個設けられる。一方の取付部16は、収容部14の右側(+X側)に配置される。他方の取付部16は、収容部14の左側(-X側)に配置される。本実施形態では、各取付部16の板面は、左右方向(X軸方向)を向く。各取付部16の板面は、前後方向(Y軸方向)等の他の方向を向いていてもよい。取付部16の構成については、後段で詳細に説明する。
【0029】
(配線収容装置20)
図3は、本実施形態に係る配線収容装置20を示す斜視図である。
図4は、本実施形態に係る配線収容装置20の一部を示す斜視図である。
図5は、本実施形態に係る筒状部24を示す断面図であって
図3のA-A断面図である。
図6は、本実施形態に係る第1接続部26を示す側面図である。
図7は、本実施形態に係る第2接続部27を示す側面図である。
【0030】
以下の説明において、各図に適宜矢印DLで示す長手方向は、配線収容装置20が備える筒状部材23が延設する方向である。矢印DLが向く側(+DL側)を「長手方向一方側」と呼ぶ。長手方向一方側は、配線収容装置20においてベース部材21が配置される側である。矢印DLが向く側と反対側(-DL側)を「長手方向他方側」と呼ぶ。長手方向他方側は、配線収容装置20において第2接続部27が配置される側である。なお、
図3から
図7では、配線収容装置20の配置の一例として、長手方向が上下方向と平行な場合の、配線収容装置20を図示する。また、
図3から
図7において、ベース部材21が設置される設置面は、床面Fである。以下の説明では、長手方向一方側を下側と呼ぶ場合がある。また、長手方向他方側を上側と呼ぶ場合がある。なお、筒状部材23が延設する長手方向は上下方向に限定されず、例えば、左右方向(X軸方向)または前後方向(Y軸方向)等の他の方向であってもよい。また、筒状部材23が延設する長手方向は、湾曲していてもよい。
【0031】
以下の説明において、各図に適宜矢印で示す第1方向D1は、長手方向と直交する方向である。第1方向D1を示す矢印が向く側(+D1側)を「第1方向D1の一方側」と呼ぶ。第1方向D1を示す矢印が向く側と反対側(-D1側)を「第1方向D1の他方側」と呼ぶ。
また、以下の説明において、各図に適宜矢印で示す第2方向D2は、長手方向および第1方向D1の両方と直交する方向である。第2方向D2を示す矢印が向く側(+D2側)を「第2方向D2の一方側」と呼ぶ。第2方向D2を示す矢印が向く側と反対側(-D2側)を「第2方向D2の他方側」と呼ぶ。
【0032】
図2に示すように、配線収容装置20は、什器10の収容部14から延びる配線Kを内部に収容して、配線Kを保護するとともに、配線Kを、設置面、すなわち床面Fに誘導する。本実施形態では、配線Kは、収容部14に収容される電源タップおよびスイッチングハブ等と繋がるケーブル等である。本実施形態では、配線収容装置20は、天板11と床面Fとの間に配置される。すなわち、配線収容装置20は、天板11の下部空間Sに配置される。本実施形態では、配線収容装置20の上端は取付部16に接続され、配線収容装置20の下端は床面Fに設置される。
図3に示すように、配線収容装置20は、ベース部材21と、筒状部材23と、を備える。
【0033】
図4に示すように、ベース部材21は、略H字状の板状である。本実施形態では、ベース部材21の板面は、上下方向を向く。本実施形態では、ベース部材21は、床面Fに載置されることによって、床面Fに設置される。本実施形態では、ベース部材21は、樹脂製である。ベース部材21は、金属等の他の材質によって構成されていてもよい。なお、ベース部材21が設置される設置面は、床面Fに限定されず、例えば、筒状部材23が左右方向(X軸方向)および前後方向(Y軸方向)に延設して配置される場合、設置面は、オフィス等の執務空間を構成する壁面等であってもよい。このとき、配線収容装置20は、内部に収容する配線Kを、壁面に誘導する。また、ベース部材21は、例えば、床面Fに設置される別途の部材が有する設置面に載置されることによって、設置されても良い。ベース部材21は、1対の設置部21aと、被係合部21bと、を有する。
【0034】
一対の設置部21aは、それぞれ、略円弧状に延びる板状である。一対の設置部21aは、それぞれの内周面が互いに第1方向D1に対向して配置される。各設置部21aの長手方向一方側(+DL側)を向く面、すなわち床面Fと対向する面には、2個の設置部材21gが固定される(
図6参照)。各設置部材21gは、それぞれ、床面Fに接触する。
【0035】
被係合部21bは、第1方向D1に延びる板状である。長手方向に見て、被係合部21bは、略矩形状である。被係合部21bの第1方向D1の一方側(+D1側)の端部は、一方の設置部21aの内周面と繋がり、被係合部21bの第1方向D1の他方側(-D1側)の端部は、他方の設置部21aの内周面と繋がる。被係合部21bと床面Fとの間には隙間が設けられる(
図6参照)。被係合部21bには、被係合部21bを長手方向に貫通する2個の第1挿通孔21d,21eが設けられる。各第1挿通孔21d,21eは、互いに第1方向D1に間隔をあけて設けられる。第1挿通孔21dは、第1挿通孔21eの第1方向D1の他方側に配置される。被係合部21bは、第1被抱持部21cを有する。
【0036】
第1被抱持部21cは、被係合部21bのうち、第1挿通孔21d,21eよりも第2方向D2の一方側(+D2側)の部分である。本実施形態では、第1方向D1に見て、第1被抱持部21cの長手方向の中央、且つ、第2方向D2の中央には、第1仮想線J1が通る。第1仮想線J1は、長手方向と交差する方向に延びる仮想直線である。本実施形態では、第1仮想線J1は、第1方向D1と平行な方向に延びる。本実施形態では、第1仮想線J1は、長手方向と直交する。
【0037】
なお、以下の説明において、第1仮想線J1を中心とする径方向を単に「第1径方向」と呼び、第1仮想線J1を中心とする周方向を単に「第1周方向」と呼ぶ。第1周方向は、各図において矢印θ1で示される。第1周方向のうち矢印θ1が向く側(+θ1側)を「第1周方向の一方側」と呼ぶ。第1周方向のうち矢印θ1が向く側と逆側(-θ1側)を「第1周方向の他方側」と呼ぶ。第1周方向の一方側は、第1方向D1の一方側(+D1側)から見て、第1仮想線J1回りに時計回りに進む側である。第1周方向の他方側は、第1方向D1の一方側から見て、第1仮想線J1回りに反時計回りに進む側である。
【0038】
図3に示すように、筒状部材23は、長手方向に延設される。筒状部材23は、配線Kを内部に収容する。筒状部材23の長手方向一方側(+DL側)の縁部は、ベース部材21に係合される。
図2に示すように、筒状部材23の長手方向他方側(-DL側)の縁部は、什器10の取付部16に係合される。本実施形態において、筒状部材23は、不織布によって構成される。筒状部材23は、可撓性を有する。なお、筒状部材23が可撓性を有するならば、筒状部材23は、樹脂等の他の材質によって構成されてもよい。
【0039】
図5に示すように、筒状部材23は、第1部分24a、第2部分24b、および第3部分24cを縫合糸40によって縫合することによって構成される。第1部分24a、第2部分24b、および第3部分24cは、それぞれ、不織布によって構成される。第1部分24aは、筒状部材23のうち、第1方向D1の一方側(+D1側)、且つ、第2方向D2の一方側(+D2側)の部分を構成する。第2部分24bは、筒状部材23のうち、第1方向D1の他方側(-D1側)、且つ、第2方向D2の一方側(+D2側)の部分を構成する。第3部分24cは、筒状部材23のうち、第2方向D2の他方側(-D2側)の部分を構成する。第1部分24aおよび第3部分24cそれぞれの第1方向D1の一方側の部分は縫合糸40によって縫合され、互いに固定される。第2部分24bおよび第3部分24cそれぞれの第1方向D1の他方側の部分は、縫合糸40によって縫合され、互いに固定される。
図3に示すように、筒状部材23は、筒状部24と、第1接続部26と、第2接続部27と、を有する。
【0040】
筒状部24は、長手方向に延設される筒状である。筒状部24は、長手方向に連続して繋がる。筒状部24は、配線Kを内部に収容する。筒状部24は、長手方向の両側に開口する。筒状部24は、収容空間24dと、ファスナ部24eと、上方開口部25aと、下方開口部25bと、を有する。
【0041】
図5に示すように、収容空間24dは、筒状部24の内部空間である。収容空間24dは、第1部分24a、第2部分24b、および第3部分24cによって囲まれる空間である。
図3に示すように、収容空間24dは、筒状部24の長手方向全域に亘って長手方向に延びる。収容空間24dには、配線Kが収容される。
【0042】
ファスナ部24eは、第1部分24aと第2部分24bとを着脱可能に接続する。ファスナ部24eは、一対のエレメント24g,24h、およびスライダ24fを有する。一対のエレメント24g,24hは、それぞれ、長手方向に延びる。
図5に示すように、一方のエレメント24gは、第1部分24aの第1方向D1の他方側(-D1側)の端部に取り付けられる。他方のエレメント24hは、第2部分24bの第1方向D1の一方側(+D1側)の端部に取り付けられる。
【0043】
図3に示すスライダ24fは、長手方向にスライドすることによって、一対のエレメント24g,24h同士を接離させる。スライダ24fを長手方向他方側(-DL側)に移動させると、一対のエレメント24g,24h同士が係り合う。これにより、ファスナ部24eが閉じられるため、筒状部24は筒状となり、筒状部24の内部に収容空間24dが形成される。図示は省略するが、スライダ24fを長手方向一方側(+DL側)に移動させると、一対のエレメント24g,24h同士が離間する。これにより、ファスナ部24eが開かれる。よって、本実施形態では、使用者が筒状部24の内部に配線Kを通す配線作業を行う際に、ファスナ部24eを開くことによって、使用者は筒状部24の内部の配線Kを掴んで、配線Kを長手方向に移動させることができ、配線作業の簡易化を図ることができる。また、配線作業後にファスナ部24eを閉じることによって、配線Kを収容空間24dに収容でき、使用者の脚等に配線Kが干渉することを抑制できる。
【0044】
上方開口部25aは、長手方向他方側(-DL側)に開口する。上方開口部25aは、収容空間24dと連通する。
図2に示すように、什器10の収容部14から延びる配線Kは、上方開口部25aを介して、筒状部24の収容空間24dに導入される。
【0045】
図3に示すように、下方開口部25bは、長手方向一方側(+DL側)に開口する。下方開口部25bは、収容空間24dと連通する。
図2に示すように、収容空間24dに収容される配線Kは、下方開口部25bを介して、筒状部24の長手方向一方側に導出される。これにより、配線収容装置20は、配線Kを、床面Fに誘導できる。
【0046】
図3に示すように、第1接続部26は、ベース部材21に接続される。これにより、筒状部材23は、ベース部材21と接続される。第1接続部26は、筒状部24の長手方向一方側(+DL側)の端部に設けられる。第1接続部26は、一対の第1アーム部26a,26bを備えている。
【0047】
一方の第1アーム部26aは、筒状部24の長手方向一方側の端部における第1方向D1の他方側(-D1側)の端部から長手方向一方側に延びる。
図4に示すように、一方の第1アーム部26aは、第2部分24bおよび第3部分24cそれぞれの筒状部24よりも長手方向一方側の部分を縫合することによって構成される。
図3に示すように、他方の第1アーム部26bは、筒状部24の長手方向一方側の端部における第1方向D1の一方側(+D1側)の端部から長手方向一方側に延びる。図示は省略するが、他方の第1アーム部26bは、第1部分24aおよび第3部分24cそれぞれの筒状部24よりも長手方向一方側の部分を縫合することによって構成される。第1アーム部26a,26bそれぞれの第1方向D1の寸法は、筒状部24の第1方向D1の寸法よりも小さい。そのため、第1アーム部26a,26bのそれぞれの剛性は、筒状部24の剛性よりも小さい。
図4に示すように、一対の第1アーム部26a,26bそれぞれの第2方向D2の一方側(+D2側)を向く面には、面ファスナ26dが取り付けられている。
【0048】
一方の第1アーム部26aは、ベース部材21の第1挿通孔21dを上側から下側に通される。一方の第1アーム部26aのうち、第1挿通孔21dを通された部分は、第1被抱持部21cの第2方向D2の一方側(+D2側)を上側に向けて折り返される。これにより、一方の第1アーム部26aの表面に取り付けられた面ファスナ26d同士が対向する。面ファスナ26d同士を互いに接触させて、面ファスナ26d同士を互いに係り合わすと、面ファスナ26d同士が着脱可能に固定される。これにより、一方の第1アーム部26aは、被係合部21bに係合される。すなわち、一方の第1アーム部26aは、ベース部材21に係合される。また、一方の第1アーム部26aは、第1被抱持部21cを、第1径方向外側から囲む。これにより、一方の第1アーム部26aは、第1被抱持部21c周りに回動可能である。すなわち、第1アーム部26aは、第1仮想線J1を中心として回動可能である。
【0049】
他方の第1アーム部26bは、第1挿通孔21eを上側から下側に通され、一方の第1アーム部26aと同様に、他方の第1アーム部26bの表面に取り付けられた図示しない面ファスナ同士が着脱可能に固定されると、他方の第1アーム部26bは、ベース部材21に係合される。よって、第1接続部26は、ベース部材21に接続される。また、一方の第1アーム部26aと同様に、他方の第1アーム部26bは、第1被抱持部21cを、第1径方向外側から囲み、第1仮想線J1を中心として回動可能である。したがって、一対の第1アーム部26a,26bは、それぞれ、被係合部21bに対して回動可能である。また、第1接続部26は、第1仮想線J1を中心として回動可能である。
【0050】
より詳細には、
図6に示すように、第1接続部26は、第1周方向の一方側(+θ1側)および第1周方向の他方側(-θ1側)に回動可能である。これにより、第1接続部26は、ベース部材21に対して、第1周方向に移動可能である。第1周方向は、長手方向と交差する。したがって、第1接続部26は、ベース部材21に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。
【0051】
第2接続部27は、什器10の取付部16と接続される。これにより、筒状部材23は、什器10と接続される。
図4に示すように、上述の取付部16には、第2方向D2に貫通する2個の第2挿通孔16d,16eが設けられる。各第2挿通孔16d,16eは、互いに第1方向D1に間隔をあけて設けられる。一方の第2挿通孔16dは、他方の第2挿通孔16eの第1方向D1の他方側(-D1側)に設けられる。取付部16は、第2被抱持部16gを有する。
【0052】
第2被抱持部16gは、取付部16のうち、第2挿通孔16d,16eよりも長手方向一方側(+DL側)の部分である。本実施形態では、第1方向D1に見て、第2被抱持部16gの長手方向の中央、且つ、第2方向D2の中央に第2仮想線J2が通る。第2仮想線J2は、長手方向と交差する方向に延びる仮想直線である。本実施形態では、第2仮想線J2は、第1方向D1と平行な方向に延びる。本実施形態では、第2仮想線J2は、長手方向と直交する。
【0053】
なお、以下の説明において、第2仮想線J2を中心とする径方向を単に「第2径方向」と呼び、第2仮想線J2を中心とする周方向を単に「第2周方向」と呼ぶ。第2周方向は、各図において矢印θ2で示される。第2周方向のうち矢印θ2が向く側(+θ2側)を「第2周方向の一方側」と呼ぶ。第2周方向のうち矢印θ2が向く側と逆側(-θ2側)を「第2周方向の他方側」と呼ぶ。第2周方向の一方側は、第1方向D1の一方側(+D1側)から見て、第2仮想線J2回りに時計回りに進む側である。第2周方向の他方側は、第1方向D1の一方側から見て、第2仮想線J2回りに反時計回りに進む側である。
【0054】
第2接続部27は、筒状部24の長手方向他方側(-DL側)の端部に設けられる。
図3に示すように、第2接続部27は、一対の第2アーム部27a,27bを備えている。一方の第2アーム部27aは、筒状部24の長手方向他方側の端部における第1方向D1の他方側(-D1側)の端部から長手方向他方側に延びる。
図4に示すように、一方の第2アーム部27aは、第2部分24bおよび第3部分24cそれぞれの筒状部24よりも長手方向他方側の部分を縫合することによって構成される。
図3に示すように、他方の第2アーム部27bは、筒状部24の長手方向他方側の端部における第1方向D1の一方側(+D1側)の端部から長手方向他方側に延びる。図示は省略するが、他方の第2アーム部27bは、第1部分24aおよび第3部分24cそれぞれの筒状部24よりも長手方向他方側の部分を縫合することによって構成される。なお、第2アーム部27a,27bそれぞれの第1方向D1の寸法は、筒状部24の第1方向D1の寸法よりも小さい。そのため、第2アーム部27a,27bのそれぞれの剛性は、筒状部24の剛性よりも小さい。
図4に示すように、一対の第2アーム部27a,27bそれぞれの第2方向D2の一方側(+D2側)を向く面には、面ファスナ27dが取り付けられている。
【0055】
一方の第2アーム部27aは、取付部16の第2挿通孔16dを第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2)に通される。一方の第2アーム部27aのうち第2挿通孔16dを通された部分は、第2被抱持部16gの第2方向D2の一方側を下側に向けて折り返され、一方の第2アーム部27aの表面に取り付けられた面ファスナ27d同士が対向する。面ファスナ27d同士を互いに接触させて、面ファスナ27d同士を互いに係り合わすと、面ファスナ27d同士が着脱可能に固定される。これにより、一方の第2アーム部27aは、取付部16に係合される。また、一方の第2アーム部27aは、第2被抱持部16gを、第2径方向外側から囲む。これにより、一方の第2アーム部27aは、第2被抱持部16g周りに回動可能である。すなわち、第2アーム部27aは、第2仮想線J2を中心として回動可能である。
【0056】
他方の第2アーム部27bは、第2挿通孔16eを第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2側)に通され、一方の第2アーム部27aと同様に、他方の第2アーム部27bの表面に取り付けられた図示しない面ファスナ同士が着脱可能に固定されると、他方の第2アーム部27bは、取付部16に係合される。よって、第2接続部27は、取付部16に接続される。また、他方の第2アーム部27bは、一方の第2アーム部27aと同様に、第2被抱持部16gを、第2径方向外側から囲み、第2仮想線J2回りに回動可能である。したがって、一対の第2アーム部27a,27bは、それぞれ、第2被抱持部16gに対して回動可能である。これにより、第2接続部27は、第2仮想線J2を中心として回動可能である。
【0057】
より詳細には、
図7に示すように、第2接続部27は、第2周方向の一方側(+θ2側)および第2周方向の他方側(-θ2側)に回動可能である。これにより、第2接続部27は、取付部16に対して、第2周方向に移動可能である。第2周方向は、長手方向と交差する。したがって、第2接続部27は、取付部16、すなわち什器10に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。
【0058】
つぎに、什器10の天板11の高さを調整する場合、および、第2接続部27が接続される取付部16を変更する場合における、配線収容装置20の各部の配置および筒状部材23の形状について説明する。
図8Aは、本実施形態に係る什器システム1の使用例を示す第1の正面図である。
図8Bは、本実施形態に係る什器システム1の使用例を示す第2の正面図である。
図8Cは、本実施形態に係る什器システム1の使用例を示す第3の正面図である。
図8Dは、本実施形態に係る什器システム1の使用例を示す第4の正面図である。
図8Aでは、什器10の天板11の高さが最も高く、第2接続部27が収容部14の右側(+X側)に配置される取付部16に接続される。
図8Bでは、天板11の高さが最も低く、第2接続部27が収容部14の右側に配置される取付部16に接続される。
図8Aおよび
図8Bに示す配線収容装置20は、第1挿通口14aから延びる配線Kを内部に収容する。
図8Cは、天板11の高さが最も高く、第2接続部27が収容部14の左側(-X側)に配置される取付部16に接続される。
図8Cに示す配線収容装置20は、第2挿通口14bから延びる配線Kを内部に収容する。
図8Dは、什器10の天板11の高さが最も高く、ベース部材21の配置を左側(-X側)に移動している。
【0059】
図8Aに示すように、天板11の高さが最も高い場合、筒状部24の上側の部分は、取付部16から略下側に向けて延び、筒状部24の下側の部分は、ベース部材21から遠ざかるにしたがって、上側と右側(+X側)の間を向く方向から上側に緩やかに湾曲しつつ延びる。上述のように、第1接続部26は、ベース部材21に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。より詳細には、
図6に示すように、第1接続部26は、長手方向と交差する第1仮想線J1を中心として回動可能である。そのため、
図8Aに示すように、第1接続部26が延びる方向を、筒状部24の下側の部分が延びる方向と略同じ方向にできる。したがって、筒状部材23の下側の部分の曲げ角度を小さくできる。また、第1接続部26がベース部材21に接続されるため、ベース部材21と筒状部24との間の間隔が広がることを抑制できる。
【0060】
上述のように、第2接続部27は、什器10の取付部16に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。より詳細には、
図7に示すように、第2接続部27は、第2仮想線J2を中心として回動可能である。そのため、
図8Aに示すように、第2接続部27が延びる方向を、筒状部24の上側の部分が延びる方向と略同じ方向にできる。したがって、筒状部材23の上側の部分の曲げ角度を小さくできる。また、第2接続部27が取付部16、すなわち什器10に接続されるため、什器10と筒状部24との間の間隔が広がることを抑制できる。
【0061】
図8Bに示すように、天板11の高さが最も低い場合、筒状部24の全体が緩やかに湾曲する。上述のように、第1接続部26は、ベース部材21に対して、第1仮想線J1を中心として回動可能であるため、第1接続部26が延びる方向を、筒状部24の下側の部分が延びる方向と略同じ方向にできる。上述のように、第2接続部27は、取付部16に対して、第2仮想線J2を中心として回動可能であるため、第2接続部27が延びる方向を、筒状部24の上側の部分が延びる方向と略同じ方向にできる。これらにより、筒状部材23の曲げ角度を小さくできる。また、第1接続部26がベース部材21に接続され、第2接続部27が取付部16に接続されるため、ベース部材21および取付部16のそれぞれと、筒状部材23との間の間隔が広がることを抑制できる。
【0062】
図8Cに示すように、収容部14の左側(-X側)に配置される取付部16に接続する場合、筒状部24の上側の部分は、取付部16から略下側に向けて延び、筒状部24の下側の部分は、ベース部材21から遠ざかるにしたがって、上側と左側(-X側)の間を向く方向から上側に緩やかに湾曲しつつ延びる。この場合においても、第1接続部26が延びる方向は、筒状部24の下側の部分が延びる方向と略同じ方向になり、第2接続部27が延びる方向は、筒状部24の上側の部分が延びる方向と略同じ方向になる。これらにより、筒状部24の曲げ角度を小さくできる。また、第1接続部26がベース部材21に接続され、第2接続部27が取付部16に接続されるため、什器10およびベース部材21のそれぞれと、筒状部24との間の間隔が広がることを抑制できる。
【0063】
図8Dに示すように、天板11の高さが最も低い場合、
図8Aの什器システム1と比較して、ベース部材21を、上下方向と直交する方向において取付部16から遠い位置に配置してもよい。これにより、筒状部材23を直線状に近い形状にでき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。例えば、
図8Aの什器システム1と比較して、ベース部材21を左側(-X側)に配置する場合、筒状部24の上側の部分は、取付部16から略下側に向けて延び、筒状部24の下側の部分は、ベース部材21から上側と右側(+X側)の間を向く方向に向けて略直線状に延びる。このとき、第1接続部26が延びる方向を、筒状部24の下側の部分が延びる方向と略同じ方向にでき、第2接続部27が延びる方向を、筒状部24の上側の部分が延びる方向と略同じ方向にできるため、筒状部材23の曲げ角度を小さくできる。また、ベース部材21および取付部16のそれぞれと、筒状部材23との間の間隔が広がることを抑制できる。上述のように、本実施形態のベース部材21は、床面Fに載置されることによって、床面Fに設置される。したがって、本実施形態の配線収容措置20では、什器10の天板11の高さを変える場合に、ベース部材21が配置される位置を容易に変更できる。
【0064】
本実施形態の配線収容装置20および什器システム1において、筒状部材23は、内部に長手方向に延び、配線Kを収容する収容空間24dを有する筒状部24と、筒状部24の長手方向一方側(+DL側)の端部に設けられ、設置面、すなわち床面Fに設置されるベース部材21と接続される第1接続部26と、筒状部24の長手方向他方側(-DL)の端部に設けられ、什器10と接続される第2接続部27と、を有する。よって、床面Fに対する什器10の天板11の高さが変わる場合であっても、什器10およびベース部材21のそれぞれと、筒状部材23との間の間隔が広がることを抑制できる。そのため、筒状部24の長手方向一方側の端部および長手方向他方側の端部から配線Kが外部に露出することを抑制できる。したがって、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0065】
また、本実施形態では、第1接続部26は、ベース部材21に対して、長手方向と交差する方向に移動可能であり、第2接続部27は、什器10に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。よって、天板11の昇降および第2接続部27が接続される取付部16の変更を行う場合において、第1接続部26がベース部材21に対して長手方向に交差する方向に移動でき、第2接続部27が什器10に対して長手方向に交差する方向に移動できる。そのため、上述のように、筒状部24が延びる方向に応じて、各接続部が什器10およびベース部材21に対して相対移動することにより、筒状部24の曲げ角度を小さくできる。これにより、筒状部24に加わる負荷を抑制できるため、筒状部24が座屈等によって変形することを抑制できる。本実施形態では、筒状部24の形状を直線状または緩やかな湾曲状にすることができる。したがって、筒状部材23の美感が損なわれることを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0066】
本実施形態の配線収容装置20において、第1接続部26は、長手方向と交差する第1仮想線J1を中心として回動可能であり、第2接続部27は、長手方向と交差する第2仮想線J2を中心として回動可能である。よって、天板11の昇降および第2接続部27が接続される取付部16の変更を行う場合において、筒状部24が延びる方向が変動しても、筒状部24が延びる方向に応じて、第1接続部26および第2接続部27のそれぞれが回動できる。これにより、各接続部が延びる方向を、筒状部24の延びる方向に容易に近づけることができるため、筒状部24の曲げ角度を容易に小さくできる。そのため、筒状部24に加わる負荷を抑制でき、筒状部24の形状を直線状または緩やかな湾曲状にすることができる。したがって、筒状部材23の美感が損なわれることを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0067】
本実施形態の配線収容装置20において、第1接続部26は、筒状部24の長手方向一方側(+DL側)の端部における長手方向と直交する第1方向D1の両端部のそれぞれから長手方向一方側に延出し、ベース部材21と係合する一対の第1アーム部26a,26bを備えている。よって、第1アーム部26a,26bそれぞれの第1方向D1の寸法を、筒状部24の第1方向D1の寸法よりも小さくできる。これにより、第1アーム部26a,26bのそれぞれの剛性を、筒状部24の剛性よりも小さくし易い。そのため、筒状部材23に負荷が加わる場合、第1アーム部26a,26bが変形することによって、筒状部24に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部24の特に長手方向一方側の部分が変形することを抑制できるため、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0068】
本実施形態の配線収容装置20において、第2接続部27は、筒状部24の長手方向他方側(-DL側)の端部における長手方向と直交する第1方向D1の両端部のそれぞれから長手方向他方側に延出し、什器10と係合する第2アーム部27a,27bを備えている。よって、第2アーム部27a,27bそれぞれの第1方向D1の寸法を、筒状部24の第1方向D1の寸法よりも小さくできる。これにより、第2アーム部27a,27bのそれぞれの剛性を、筒状部24の剛性よりも小さくし易い。そのため、筒状部材23に負荷が加わる場合、第2アーム部27a,27bが変形することによって、筒状部24に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部24の特に長手方向他方側の部分が変形することを抑制できるため、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0069】
本実施形態の配線収容装置20において、第1接続部26は、筒状部24の長手方向一方側(+DL側)の端部における長手方向と直交する第1方向D1の両端部のそれぞれから長手方向一方側に延出し、ベース部材21と係合する第1アーム部26a,26bと、第2接続部27は、筒状部24の長手方向他方側(-DL側)の端部における長手方向と直交する第1方向D1の両端部のそれぞれから長手方向他方側に延出し、什器10と係合する第2アーム部27a,27bと、を備えている。よって、第1アーム部26a,26bそれぞれの剛性、および、第2アーム部27a,27bのそれぞれの剛性を、筒状部24の剛性よりも小さくし易い。そのため、筒状部材23に負荷が加わる場合に、第1アーム部26a,26b、および、第2アーム部27a,27bそれぞれが変形することによって、筒状部24に加わる負荷をより好適に抑制できる。したがって、筒状部24が変形することをより好適に抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることをより好適に抑制できる。
【0070】
本実施形態の配線収容装置20において、ベース部材21は、第1アーム部26a,26bと係合される被係合部21bを備え、第1アーム部26a,26bは、被係合部21bに対して回動可能である。よって、ベース部材21に対する、第1接続部26が延びる方向の間の角度を容易に変えることができる。したがって、天板11の昇降および第2接続部27が接続される取付部16の変更を行う際に、筒状部材23が延設する方向が変わっても、第1接続部26が延びる向きを容易に変えることができるため、筒状部24に係る負荷が増大することを容易に抑制でき、筒状部材23の美感が損なわれることを抑制できる。
【0071】
<第1実施形態の第1変形例>
つぎに、第1実施形態の第1変形例の什器システム201を説明する。なお、本変形例において、第1実施形態の什器システム1の各構成と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。本変形例は、ベース部材221が有する第1挿通孔221d、および、什器210の取付部216が有する第2挿通孔216dが、それぞれ第1方向D1に延びる1個の長孔である点で、上述した第1実施形態と相違している。
【0072】
図9は、第1実施形態の第1変形例に係る配線収容装置220の一部を示す斜視図である。
図9に示すように、ベース部材221は、1対の設置部21aと、被係合部221bと、を有する。被係合部221bは、第1方向D1に延びる板状である。本変形例において、被係合部221bには、被係合部221bを長手方向に貫通する1個の第1挿通孔221dが設けられる。第1挿通孔221dは、第1方向D1に延びる長孔である。第1挿通孔221dの第1方向D1の寸法は、筒状部材23の第1方向D1の寸法よりも大きい。第1被抱持部221cは、被係合部221bのうち、第1挿通孔221dよりも第2方向D2の一方側(+D2側)の部分である。
【0073】
本変形例において、取付部216には、第2方向D2に貫通する1個の第2挿通孔216dが設けられる。第2挿通孔216dは、第1方向D1に延びる長孔である。第2挿通孔216dの第1方向D1の寸法は、筒状部材23の第1方向D1の寸法よりも大きい。第2被抱持部216gは、被係合部221bのうち、第1挿通孔221dよりも長手方向一方側(+DL側)の部分である。
【0074】
第1接続部26の、一方の第1アーム部26aは、第1挿通孔221dの第1方向D1の他方側(-D1側)の部分を上側から下側に通される。一方の第1アーム部26aの表面に取り付けられた面ファスナ26d同士が着脱可能に固定されると、一方の第1アーム部26aは、ベース部材221に係合される。また、一方の第1アーム部26aは、第1被抱持部221cを、第1径方向外側から囲み、第1仮想線J1を中心として回動可能である。
【0075】
他方の第1アーム部26bは、第1挿通孔221dの第1方向D1の一方側(+D1側)を上側から下側に通され、一方の第1アーム部26aと同様に、他方の第1アーム部26bの表面に取り付けられた図示しない面ファスナ同士が着脱可能に固定されると、ベース部材221に係合される。これらにより、第1接続部26は、ベース部材221に接続される。また、他方の第1アーム部26bは、第1被抱持部221cを、第1径方向外側から囲み、第1仮想線J1を中心として回動可能である。これにより、第1接続部26は、第1仮想線J1を中心として回動可能である。よって、本変形例によれば、筒状部24の曲げ角度を小さくできるため、筒状部24が座屈等によって変形することを抑制できる。したがって、筒状部材23の美感が損なわれることを抑制できる。
【0076】
また、上述のように、第1挿通孔221dの第1方向D1の寸法は、筒状部材23の第1方向D1の寸法よりも大きい。つまり、第1挿通孔221dの第1方向D1の寸法は、一方の第1アーム部26aの第1方向D1の他方側(-D1側)の端部と、他方の第1アーム部26bの第1方向D1の一方側(+D1側)の端部との間の寸法よりも大きい。したがって、第1接続部26は、ベース部材221に対して、第1方向D1に移動可能である。上述のように、第1方向D1は、長手方向と直交する。よって、第1接続部26は、ベース部材221に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。
【0077】
よって、本変形例の配線収容装置220では、筒状部24の下側の端部の第1方向D1の中央の位置と、ベース部材221の第1方向D1の中央の位置とが、互いに第1方向D1にずれて、筒状部材23とベース部材21とが配置される場合、第1接続部26をベース部材221に対して、第1方向D1に移動させることによって、筒状部24に対して第1方向D1に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部24が第1方向D1に変形することを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0078】
第2接続部27の一方の第2アーム部27aは、取付部216の第2挿通孔216dを第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2側)に通される。一方の第2アーム部27aの面ファスナ27d同士が互いに着脱可能に固定されると、一方の第2アーム部27aは、取付部216に係合される。また、一方の第2アーム部27aは、第2被抱持部216gを、第2径方向外側から囲み、第2仮想線J2を中心として回動可能である。
【0079】
他方の第2アーム部27bは、第2挿通孔216dを第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2側)に通され、一方の第2アーム部27aと同様に、他方の第2アーム部27bの表面に取り付けられた図示しない面ファスナ同士が着脱可能に固定されると、取付部216に係合される。これらにより、第2接続部27は、取付部216に接続される。また、他方の第2アーム部27bは、第2被抱持部216gを、第2径方向外側から囲み、第2仮想線J2を中心として回動可能である。したがって、第2接続部27は、第2仮想線J2を中心として回動可能である。よって、本変形例によれば、筒状部24の曲げ角度を小さくできるため、筒状部24が座屈等によって変形することを抑制できる。したがって、筒状部材23の美感が損なわれることを抑制できる。
【0080】
また、上述のように、第2挿通孔216dの第1方向D1の寸法は、筒状部材23の第1方向D1の寸法よりも大きい。つまり、第2挿通孔216dの第1方向D1の寸法は、一方の第2アーム部27aの第1方向D1の一方側(+D1側)の端部と、他方の第2アーム部27bの第1方向D1の他方側(-D1側)の端部との間の寸法よりも大きい。したがって、第2接続部27は、取付部216に対して、第1方向D1に移動可能である。よって、第2接続部27は、取付部216に対して、長手方向と交差する方向に移動可能である。
【0081】
よって、本変形例の什器システム201では、筒状部24の上側の端部の第1方向D1の中央の位置と、取付部216の第1方向D1の中央の位置とが、互いに第1方向D1にずれて、筒状部材23とベース部材21とが配置される場合、第2接続部27を取付部216に対して、第1方向D1に移動させることによって、筒状部24に対して第1方向D1に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部24が第1方向D1に変形することを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0082】
<第1実施形態の第2変形例>
つぎに、第1実施形態の第2変形例の什器システム301を説明する。なお、本変形例において第1実施形態の什器システム1の各構成と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。本変形例は、第3接続部328によって、筒状部材323がベース部材321および取付部316に係合される点で、上述した第1実施形態と相違している。
【0083】
図10は、第1実施形態に係る第2変形例の配線収容装置320を示す斜視図である。
図11は、第1実施形態に係る第2変形例の筒状部材323を示す断面図である。上述のように、本変形例の筒状部材323は、第3接続部328を有する。
【0084】
図10に示すように、本変形例のベース部材321は、第2方向D2に向けて延びる略U字状の板状である。本変形例では、ベース部材321の板面は、上下方向を向く。本変形例では、ベース部材321は、床面Fに載置されることによって、床面Fに設置される。ベース部材321は、第1挿通穴321c,321dを有する。
【0085】
一方の第1挿通穴321cは、ベース部材321の内側面のうち第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面から第1方向D1の他方側(-D1側)に窪む穴である。他方の第1挿通穴321dは、ベース部材321の内側面のうち第1方向D1の他方側を向く面から第1方向D1の一方側に窪む穴である。第1挿通穴321c,321dには、第1仮想線J3が通る。第1仮想線J3は、長手方向と交差する方向に延びる仮想直線である。本変形例では、第1仮想線J3は、第1方向D1と平行な方向に延びる。本変形例では、第1仮想線J3は、長手方向と直交する。
【0086】
本変形例の什器310の取付部316は、上板部316aと、第1係合部316cと、第2係合部316eと、を有する。上板部316aは、第2方向D2に延びる板状である。上板部316aの板面は、上下方向を向く。
【0087】
第1係合部316cおよび第2係合部316eは、それぞれ、上板部316aから下側に突出する略直方体状である。第1係合部316cおよび第2係合部316eは、第1方向D1に互いに間隔をあけて配置される。第1係合部316cは、第2係合部316eの第1方向D1の他方側(-D1側)に配置される。第1係合部316cには、第1係合部316cの第1方向D1の一方側(+D1側)を向く面から第1方向D1の他方側に向けて窪む第2挿通穴316dが設けられる。第2係合部316eには、第2係合部316eの第1方向D1の他方側を向く面から第1方向D1の一方側に向けて窪む第2挿通穴316fが設けられる。第2挿通穴316d,316fには、第2仮想線J4が通る。第2仮想線J4は、長手方向と交差する方向に延びる仮想直線である。本変形例では、第2仮想線J4は、第1方向D1と平行な方向に延びる。本変形例では、第2仮想線J4は、長手方向と直交する。
【0088】
第3接続部328は、筒状部材323の内部を長手方向に通される。第3接続部328は、筒状部材323に固定される。本変形例において、第3接続部328は、弾性を有するワイヤである。第3接続部328は、第1被係合部材328aと、第2被係合部材328bと、を有する。
図11に示すように、第1被係合部材328aは、筒状部材323の第1方向D1の他方側(-D1側)における縫合糸40同士の間を長手方向に通される。第2被係合部材328bは、筒状部材323の第1方向D1の一方側(+D1側)における縫合糸40同士の間を長手方向に通される。
図10に示すように、第3接続部328の長手方向一方側(+DL側)の部分は、筒状部材323よりも長手方向一方側に位置する。第3接続部328の長手方向他方側(-DL側)の部分は、筒状部材323よりも長手方向他方側に位置する。
【0089】
第1被係合部材328aの長手方向の両側の部分は、それぞれ、第1方向D1の他方側(-D1側)に向けて屈曲する。第2被係合部材328bの長手方向の両端側の部分は、それぞれ、第1方向D1の一方側(+D1側)に向けて屈曲する。第1被係合部材328aの、長手方向一方側(+DL側)の部分は、第1挿通穴321cに挿入され、第1仮想線J3を中心として回動可能に第1挿通穴321cに嵌め合わされる。第2被係合部材328bの、長手方向一方側の部分は、第1挿通穴321dに挿入され、第1仮想線J3を中心として回動可能に第1挿通穴321dに嵌め合わされる。これらにより、筒状部材323は、ベース部材321に係合される。また、第3接続部328の長手方向一方側の端部は、第1仮想線J3を中心として回動可能である。
【0090】
第1被係合部材328aの、長手方向他方側(-DL側)の部分は、第2挿通穴316dに挿入され、第2仮想線J4を中心として回動可能に第2挿通穴316dに嵌め合わされる。第2被係合部材328bの、長手方向他方側の部分は、第2挿通穴316fに挿入され、第2仮想線J4を中心として回動可能に第2挿通穴316fに嵌め合わされる。これらにより、筒状部材323は、取付部316に係合される。また、第3接続部328の長手方向他方側の端部は、第2仮想線J4を中心として回動可能である。なお、本変形例において、第1アーム部26a,26bはベース部材321に係合されず、第2アーム部27a,27aは取付部316に係合されない。
【0091】
本変形例によれば、筒状部材323は第3接続部328を有し、第3接続部328の長手方向一方側(+DL側)の部分は、床面Fに設置されるベース部材321に係合され、第3接続部328の長手方向他方側(-DL側)の部分は、什器310と固定される取付部316に係合される。よって、什器310およびベース部材321のそれぞれと、筒状部材323との間の間隔が広がることを抑制できる。そのため、筒状部324の長手方向一方側の端部および長手方向他方側の端部から配線Kが外部に露出することを抑制できる。したがって、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0092】
本変形例によれば、第3接続部328の長手方向一方側(+DL側)の部分は、長手方向と交差する第1仮想線J3を中心として回動可能であり、第3接続部328の長手方向他方側(-DL側)の部分は、長手方向と交差する第2仮想線J4を中心として回動可能である。よって、上述の第1実施形態と同様に、筒状部324が延びる方向が変動しても、筒状部324が延びる方向に応じて、第3接続部328が回動する。これにより、筒状部324の曲げ角度を容易に小さくできるため、筒状部324の形状を直線状または緩やかな湾曲状にすることができる。したがって、筒状部材323の美感が損なわれることを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0093】
本変形例によれば、第3接続部328の第1被係合部材328aおよび第2被係合部材328bは、弾性を有する。そのため、筒状部材323に負荷が加わる場合、第1被係合部材328aおよび第2被係合部材328bのそれぞれが変形することによって、筒状部324に加わる負荷を好適に抑制できる。したがって、筒状部324が変形することを好適に抑制できるため、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることをより好適に抑制できる。
【0094】
<第1実施形態の第3変形例>
つぎに、第1実施形態の第3変形例の什器システム401を説明する。なお、本変形例において第1実施形態の第2変形例の什器システム301の各構成と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。本変形例は、筒状部材423が被係止部および第2被係止部を有しない点で、上述した第1実施形態の第2変形例と相違している。
【0095】
図12は、第1実施形態に係る第3変形例の配線収容装置420を示す斜視図である。
図12に示すように、筒状部材423は、被係止部および第2被係止部を有しない。
【0096】
上述のように、筒状部材423は、第3接続部428を有する。第3接続部428は、筒状部材423の内部を長手方向に通される。第3接続部428は、筒状部材423に固定される。本変形例において、第3接続部428は、弾性を有するワイヤである。第3接続部428は、第1被係合部材428aと、第2被係合部材428bと、を有する。なお、第1被係合部材428aおよび第2被係合部材428bの構成等は、上述の第1実施形態の第2変形例の第1被係合部材328aおよび第2被係合部材328bの構成等と同一である。上述の第1実施形態の第2変形例と同様に、第3接続部428によって、筒状部材423は、ベース部材321および取付部316に係合される。第3接続部428の長手方向一方側(+DL側)の端部は、第1仮想線J3を中心として回動可能である。第3接続部328の長手方向他方側(-DL側)の端部は、第2仮想線J4を中心として回動可能である。
【0097】
本変形例によれば、上述の第1実施形態の第2変形例と同様に、筒状部424の長手方向一方側の端部および長手方向他方側の端部から配線Kが外部に露出することを抑制できるため、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0098】
本変形例によれば、上述の第1実施形態の第2変形例と同様に、筒状部424が延びる方向が変動しても、筒状部424が延びる方向に応じて、第3接続部428が回動する。これにより、筒状部材423の美感が損なわれることを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0099】
また、本変形例によれば、筒状部材423は、被係止部および第2被係止部を有しないため、筒状部材423を長手方向に延びる筒状にできる。したがって、被係止部および第2被係止部を縫合によって形成する工数を削減でき、筒状部材423の製造工数が増大することを抑制できる。
【0100】
<第2実施形態>
つぎに、第2実施形態の什器システム501を説明する。なお、本実施形態において第1実施形態の什器システム1の各構成と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。本実施形態は、配線収容装置520が備える固定部材522が、什器10と固定される点で、上述した第1実施形態と相違している。
【0101】
図13は、第2実施形態に係る固定部材522を示す斜視図である。
図13に示すように、固定部材522は、略L字状の板状である。固定部材522は、金属製である。固定部材522は、樹脂等の他の材質によって構成されていてもよい。固定部材522は、上板部522aと、側板部522cと、を有する。
【0102】
上板部522aは、第1方向D1に延びる板状である。上板部522aの板面は、上下方向を向く。上板部522aは、平面視で略矩形状である。上板部522aには、上板部522aを上下方向に貫通する貫通孔522bが設けられる。貫通孔522bを下側から上側に通された図示しないボルトが、天板11の下面11bに設けられた図示しない雌ねじ穴に締め込まれると、固定部材522は、天板11に固定される。すなわち、固定部材522は、什器10に固定される。
【0103】
側板部522cは、上板部522aの第2方向D2の他方側(-D2側)の縁部から下側に突出する板状である。側板部522cの板面は、第2方向D2を向く。側板部522cには、第2方向D2に貫通する2個の第3挿通孔522d,522eが設けられる。各第3挿通孔522d,522eは、互いに第1方向D1に間隔をあけて設けられる。一方の第3挿通孔522dは、他方の第3挿通孔522eの第1方向D1の他方側(-D1側)に設けられる。
【0104】
第2接続部27の一方の第2アーム部27aは、第3挿通孔522dを第2方向D2の他方側(-D2側)から第2方向D2の一方側(+D2)に通される。一方の第2アーム部27aのうち第3挿通孔522dを通された部分は、側板部522cの第2方向D2の一方側を下側に向けて折り返される。一方の第2アーム部27aの表面に取り付けられた面ファスナ27d同士が固定されると、一方の第2アーム部27aは、固定部材522に係合される。他方の第2アーム部27bは、第3挿通孔522eを第2方向D2の他方側から第2方向D2の一方側に通され、一方の第2アーム部27aと同様に、他方の第2アーム部27bの表面に取り付けられた面ファスナ27d同士が固定されると、他方の第2アーム部27bは、固定部材522に係合される。また、上述のように、固定部材522は、什器10に固定される。よって、第2接続部27は、固定部材522を介して、什器10と接続される。
【0105】
本実施形態の配線収容装置520および什器システム301では、什器10と固定される固定部材522を備え、第2接続部27は、固定部材522を介して、什器10と接続される。よって、什器10が取付部16を有しない場合であっても、固定部材522を介して、第2接続部27を、什器10と接続できる。したがって、取付部16を有しない什器10に対しても、配線収容装置520を使用できる。
また、本実施形態によれば、什器10と筒状部材23との間の間隔が広がることを抑制できるため、筒状部24の長手方向他方側(-DL側)端部から配線Kが外部に露出することを抑制できる。したがって、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0106】
本実施形態の配線収容装置520において、第2接続部27は、筒状部24の長手方向他方側(-DL側)の端部における長手方向と直交する第1方向D1の両端部のそれぞれから長手方向他方側に延出し、固定部材522と係合する第2アーム部27a,27bを備えている。よって、第2アーム部27a,27bのそれぞれの剛性を、筒状部24の剛性よりも小さくし易い。そのため、筒状部材23に負荷が加わる場合、第2アーム部27a,27bが変形することによって、筒状部24に加わる負荷を抑制できる。したがって、筒状部24が変形することを抑制でき、天板11の下部空間Sの美感が損なわれることを抑制できる。
【0107】
以上、本発明による配線収容装置、および什器システムの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0108】
上述した実施形態では、筒状部材は、取付部もしくは固定部材を介して什器と接続されているが、筒状部材を什器に接続する構成はこれに限定されず、例えば、天板が備えるフック状の部材等に第2接続部が接続される構成等の他の構成であってもよい。
【0109】
また、使用者が筒状部の内部に配線を通すことができるならば、ファスナ部は設けられなくてもよい。
【0110】
上述した実施形態では、ベース部材は、設置面に載置されることによって、設置面に設置されているが、ベース部材は、例えばボルトなどの締結部材によって、設置面に固定されてもよい。この場合、天板付什器に対する、配線収容装置の位置および姿勢をより安定させることができるため、配線収容装置が使用者の脚等に干渉することをより好適に抑制できる。
また、筒状部材が左右方向および前後方向に延伸して配置される場合、ベース部材は、壁面等に固定されることが望ましい。これにより、重力によって、ベース部材が移動することを抑制でき、天板付什器に対する、配線収容装置の位置および姿勢を安定させることができる。
【0111】
上述した実施形態では、筒状部には上方開口部および下方開口部の2つの開口部を設けられているが、さらに、筒状部の側面に開口部を設けてもよい。これにより、3個以上の開口部を介して、複数の配線を収容空間に収容できるため、配線収容装置周りにおいて、複数の配線同士が干渉すること、および複数の配線同士が絡まることを抑制できる。
【0112】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0113】
1,201,301,401,501 什器システム
10,210,310 什器
11 天板
20,220,320,420,520 配線収容装置
21,221,321 ベース部材
21b,221b 被係合部
23,323,423 筒状部材
24,324,424 筒状部
24d 収容空間
26 第1接続部
26a,26b 第1アーム部
27 第2接続部
27a,27b 第2アーム部
522 固定部材
D1 第1方向
D2 第2方向
DL 長手方向
F 設置面(床面)
J1,J3 第1仮想線
J2,J4 第2仮想線