(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024042488
(43)【公開日】2024-03-28
(54)【発明の名称】電動車
(51)【国際特許分類】
B60K 15/05 20060101AFI20240321BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240321BHJP
【FI】
B60K15/05 B
B60L53/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147239
(22)【出願日】2022-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿佐 亮祐
(72)【発明者】
【氏名】大林 明広
【テーマコード(参考)】
3D038
5H125
【Fターム(参考)】
3D038CA07
3D038CB01
3D038CC16
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125FF12
(57)【要約】
【課題】 リッドボックスへの雨水の侵入を防止する。
【解決手段】 電動車は、車体の外表面に開口を有するとともに内部に充電インレットを収容するリッドボックスと、車体に設けられているとともにリッドボックスの開口を開放及び閉塞するリッドとを備える。リッドボックスの開口の上方には、リッドに向けて突出する立て壁が、開口の周縁に沿って設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の電源によって充電可能な電動車であって、
車体と、
前記車体の外表面に開口を有するとともに、内部に充電インレットを収容するリッドボックスと、
前記リッドボックスに対して揺動可能に支持されており、前記リッドボックスの前記開口を開放及び閉塞するリッドと、
を備え、
前記リッドボックスの前記開口の上方には、前記リッドに向けて突出する立て壁が、前記開口の周縁に沿って設けられている、
電動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示する技術は、電動車に関する。
【0002】
特許文献1に、外部の電源によって充電可能な電動車が開示されている。この電動車は、内部に充電インレットを収容するリッドボックスと、リッドボックスの開口を開放及び閉塞するリッドとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した電動車では、車体とリッドとの間の隙間を通じて、リッドボックス内に雨水が浸入するおそれがある。本明細書は、この問題を解決又は低減し得る技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する技術は、外部の電源によって充電可能な電動車に具現化される。この電動車は、車体と、内部に充電インレットを収容するとともに、前記車体の外表面に開口を有するリッドボックスと、前記車体に設けられているとともに、前記リッドボックスの前記開口を開放及び閉塞するリッドとを備える。前記リッドボックスの前記開口の上方には、前記リッドに向けて突出する立て壁が、前記開口の周縁に沿って設けられている。
【0006】
上記した構成によると、車体とリッドとの隙間へ侵入する雨水を、立て壁によって外部へ案内及び排水することができる。これにより、リッドボックス内へ雨水が浸入することを禁止又は抑制することができる。加えて、例えばユーザがリッドを閉塞したときに、立て壁は、リッドに当接するストッパとしても機能することができる。このとき、立て壁がリッドに対して広範囲に当接することで、リッドの変形が抑制されることになり、ユーザが感じるリッドの剛性を高めることができる。
【0007】
本技術の一実施形態において、立て壁の上側に位置する側面は、車体に向かうにつれて下方に傾斜していてもよい。このような構成によると、立て壁によって案内される雨水が立て壁を乗り越えてしまうことを禁止又は抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】立て壁30によって案内される雨水(矢印R)を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、実施例の電動車10について説明する。本実施例の電動車10は、例えばバッテリ電動車又はプラグインハイブリッド電動車であって、外部の電源によって充放電可能なバッテリ(図示省略)と、バッテリから電力供給を受ける走行用モータ(図示省略)と備える。
【0010】
図1に示すように、電動車10は、車体12と、リッドボックス14と、リッド20とを備える。リッドボックス14は、車体12の外表面に開口14aを有するとともに、内部に充電インレット16を収容している。充電インレット16は、充電器の充電プラグが着脱可能に構成されている。充電プラグや充電インレット16の具体的な様式については特に限定されない。リッドボックス14は、例えば樹脂材料といった、絶縁性を有する材料で構成されている。特に限定されないが、本実施例におけるリッドボックス14は、フロントフェンダの後部に位置している。
【0011】
リッド20は、車体12(又はリッドボックス14)に設けられている。リッド20は、ヒンジ22を介して支持されており、リッドボックス14の開口14aを閉塞する閉塞位置と、当該開口14aを開放する開放位置との間を、揺動可能に構成されている。リッド20が閉塞位置にあるときに、リッド20の外表面は、車体12の外表面と略同一面に配置される。
【0012】
図1、
図2に示すように、リッドボックス14の開口14aの上方には、立て壁30が設けられている。立て壁30は、開口14aの周縁に沿って設けられているとともに、リッド20に向けて突出している。この立て壁30は、リッドボックス14と一体に設けられてもよいし、リッドボックス14とは別の部材で構成されてもよい。
【0013】
以上の構成によると、
図3に示すように、車体12とリッド20との隙間へ侵入する雨水を、立て壁30によって外部へ案内及び排水することができる(
図3中の矢印R参照)。これにより、リッドボックス14内へ雨水が浸入することを禁止又は抑制することができる。特に、水平方向に関して、立て壁30の両端30bは、リッドボックス14の開口14aの両端14bよりも外側に位置するとよい。これにより、立て壁30によって案内される雨水が、リッドボックス14の開口14a内に入ることなく、外部へ確実に排水される。
【0014】
加えて、例えばユーザがリッド20を閉塞位置へ操作したときに、立て壁30はリッド20に当接するストッパとしても機能することができる。このとき、立て壁30がリッド20に対して広範囲に当接することで、リッド20の変形が抑制されることになり、ユーザが感じるリッド20の剛性を高めることができる。この点に関して、立て壁30は柔軟性を有するとよく、リッドボックス14やリッド20を構成する材料よりも柔軟な材料、例えばゴムやエラストマといった材料で構成されてもよい。
【0015】
特に限定されないが、立て壁30の上側に位置する側面30a(立設面とも表現できる)は、車体12に向かうにつれて(即ち、基端部に向かうにつれて)、下方に傾斜しているとよい(
図2参照)。このような構成によると、立て壁30によって案内される雨水が、立て壁30を乗り越えてしまうことを禁止又は抑制することができる。なお、立て壁30の上側に位置する側面30aは、雨水を案内する溝を形成するように、例えば凹状に湾曲していてもよい。
【符号の説明】
【0016】
10:電動車、 12:車体、 14:リッドボックス、 14a:リッドボックスの開口、 16:充電インレット、 20:リッド、 30:立て壁 、30a:立て壁の上側の側面